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滝井委員 方向としては
公的医療機関を開放されるとおっしゃいますが、
現実問題としては、それはある程度委託をすれば
検査はしてくれるかもしれませんが、そこに自由に
一般の
医師が行ってやれるような態勢には今はないのですよ。そこであなたの気持としてはわかるのですが、それじゃいつから実行ができるかということになると、なかなかむずかしいと思うのです。ただ、幸い今
保健所は閑古鳥が鳴いて、あいているわけです。あいていると言っては語弊があるけれども、十分の
機能を発揮していないわけです。そこで、経済的に少ない金でもっと
機能を上げようとすれば、もう建物があってある程度の
検査設備があるならば、
全国的に
衛生検査の
共同施設ができるまではこれを
一つ活用してみたらどうかということなのです。これはさいぜん
牛丸氏も言ったように、
保健所の
機能については再検討するということが第一
段階ですけれども、
共同利用施設を
全国に作るには莫大な金が要ります。それはなかなかすぐにはできない。一年、二年で
全国の
共同利用施設に金が回るということは
考えられないのですよ。そうすれば過渡的な措置として、
臨床検査というものが今の医学にとって重要なものになってきたとするならば、その
地域の
予防活動なり
公衆衛生活動なりを強化するためには、ここで
臨床検査の
機能を付加したらいいと思うのです。こういうことは当然やるべきだと私は思うのです。そこに専門の
医師を一人配置され、そして暫定的にやってもらううちには、
保健所の
機能もだんだん変わってくるでしょうし、いろいろの人の出入りも多くなってくることによって、
保健所は大衆の中に足場を持ち、根をおろすことができると思うのです。今大衆が
保健所にどんどん行かないところに
保健所の問題があります。いつかも私は申し述べましたが、サービス
機関としての
保健所が今や取り締まり
機関としての
保健所に転落しているところに問題があるのです。だからそれではいけないと思うのです。もともとこれができたのは、性病の
予防とか
結核の
予防とか乳幼児の
検診というようなサービス部門として出てきた。ところが最近は、飲食店とか料理屋に、優とか秀とかいうのを何々
保健所という名で貼るのがおもになってしまったのですよ。だから取り締まり
機能が強化されてきている。サービス部門というのは大事な
医者がいないからできない。こういう昔の警察行政的なにおいが
保健所の
機能の大きな部門を占めるという
状態になってきたところに問題があると思うのです。こういう点をもう少し
厚生省としては検討をして、臨機応変の対策というものを立てねばならぬと私は思うのです。
日本は貧乏国ですよ。金がないのです。今のように二千二百五十三億の自然増ができたけれども、一体衛生行政にどれだけ自然増の中からつぎ込んでくれましたか。つぎ込みはせぬじゃないですか。そうだとすれば、今ある
施設を最大限に活用する政策というものが行政の中に打ち立てられなければならぬのです。そういう考慮が少しもなされていないのですね。
政務次官どうですか。療養担当者の側から
臨床検査の
共同施設を作ってもらいたいという強い要求がある。その要求に短兵急に応じられないとするならば、
保健所をそれに当分充てましょう、
公的医療機関を開放しましょう、こういう二つの政策が出るわけでしょう。そうすると、
公的医療機関というものは今すぐに開放できる
状態にはないとすれば、どっちが開放しやすいかというと
保健所の方が開放しやすいのです。どうですか。