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滝井委員 こういう
医療の一本化の問題というのは、
大臣が今御
説明のように、一国の予算に非常に大きな影響を及ぼす問題です。同時に、これは一国の予算ばかりでなくて、
国民一人一人の支出の上においても非常に大きな影響を及ぼす問題です。たとえば一本化することによって単価が上がったり下がったりというような問題、あるいは現状維持というような問題もあるわけですが、上がる場合は支出が増になるし、下がれば支出が減少するし、うまくいって総
医療費のワクの中できちっといけば、これは大して
関係がない、こういうことになるわけです。そこで、こういう問題というものは、役人が
一つの案を作ったら、やはりざっくばらんに出して大衆討議にかけたらいいと思うのです。そしてその自然に落ちつく、帰趨するところを今度つかまえて
決定をしていく、こういう方法が今の段階では私は一番いいのではないかと思うのです。こういう問題は何も階級的な概念というものはあまり出てこないのです。今のような
医療の危機にあたって、一本化しなければならぬということが各界各方面から要望されているようなことですから、みな関心を持っているわけです。そうしますと、やはりみんなの中でそれを討論して、意見を出し合った
方向で
厚生省がそれをとらえて推進していく、こういうことの方が私非常にいいという感じがするのです。とにかく甲乙二表をやらしておって、事務をやらない人は、何、そんなものはあわてる必要がないなんて、新聞記者は言っておるのですけれども、私に言わせれば、何も知らぬくせに言っておるのですよ。月末になって、一日あの事務をやらしてみたらいいのです。だから僕は
厚生省の
保険局長なり館林君に言うのです。一日署長とか一日職安所長とか、一日学校の先生とかいうのがはやるから、あなた方一ぺん月末になったら一日だけ医者のうちに行って
保険書きをやってごらんなさいということを言っているのです。いかにそれが苦しいものであるかわかるわけです。そういう点を二年も三年も苦しめるということはいかぬことですよ。そういうことからお互いに感情が高ぶって、
厚生省と
医療団体との間にうまくいかぬことがあるのですから、そんなものを、行きがかりや何かにこだわる必要はない。ただざっくばらんにみんなの中で討議をして、
医師も来い、
歯科医師も来い、薬剤師も来い、
保険者も来たれ、被
保険者も来たれ、学識経験者も来たれ、みんないい知恵を出してくれ、これくらいの大ざっぱな話し合いの広場というものを、
厚生省が進んで
お作りになるべきだと思うのです。それをこそこそと
保険者に言う、一人こそこそとどこかに行って話す、こういうことであるからいけないのです。むしろ、ここで
厚生省が
考え方をざっくばらんに天下に訴えて、そして、どうでしょうか、皆さん御意見を出して下さい、これくらいの気持を持っていく方が、厚生行政というものが
国民大衆の関心の的になり、厚生行政が大きく推進されると思うのです。そういう点、もう少し
国民の広場に
医療費の問題、
医療制度の問題というものを持っていく必要があると思うのです。そういう点で、何かいろいろ
考えていろいろ案を作っております。それでは案をお出しなさいと言うと、いや、それはなかなか微妙でございます。微妙でも何でもないのですよ。私が出したって、見てごらんなさい、何のことはないですよ。お前の案をくれというのが近ごろだいぶありますよ。お前が出したそうだが、
検討してみたいからお前の案をくれというのが、与党の中にもおりますよ。だからそういう点で、
大臣、あつものにこりてなますを吹くと申しますか、あまり消極的にならずに、萎縮をせずに、できたら案を
大臣おもらいになって、われわれに全部
一つ見てくれ、このくらいざっくばらんなところの方がいいんじゃないですか、どうですか。