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下平委員 林野庁長官の
答弁は大
へん苦しい
答弁であります。これは明らかに前田総務部長が来てから対
労働対策専門の電話として秘密電話を入れたのです。しかもその費用は
——私
たちがよくいう前田弾圧労政は、山崎長官の方針だとよく私
ども言いますが、この費用は普通でありますならば営林署の費目、
科目から落としてあります。この電話については全部林野庁の特配の
予算でやっておる。しかも長野管内だけの施設であります。これはあなた方がここでどういうふうにごまかそうとするかしれませんけれ
ども、できた時期、使っている
内容、支出をされた
予算の項目、あるいは長野における現実の前田労政のあり方を見れば、いわゆる前田労政の
一つの弾圧の道具として作られたということは、これは客観的には隠すべくもないのです。そういう幾多の事例をあげてくると、何としても長野における労務管理というものは行き過ぎではないか。正常なる労使慣行を作るという、そういう
考え方に立つならば、そういった感情的な行き過ぎた権力的な
考え方では、かえって正常なる労使慣行というものは出てこないのです。
労働組合に対してもいろいろ注文をつけますが、当局側にいたしましても、旅費の問題とか特設電話、宿屋に特別な出張所を設けるとか、そういうような形で当局の管理機構の権力を使っての正常化というものはできません。よし
労働組合が多少力が弱くて実施されても、其の
意味の労使の慣行の正常化ではないのです。こういう点は、山崎長官以下林政部長は十分肝に銘じておいていただきたいと思います。
さらに先ほど楯
委員がいろいろ言いましたけれ
ども、私はまず第一に管理者能力というものをあなた方は
考えなければいけないと思う。団体交渉の手続の問題でも、団体交渉の傍聴人を制限するということを私は必ずしもやらなくていいと思う。就業規則にあるじゃありませんか。先日そういう話を植杉さんに申し上げたところ、林野の管理者にはそういう能力はありませんと言った。そんな能力のない管理者であるならば、労使慣行のいわゆる正常化の前に、管理能力のないものはやめさせるべきである。そういう点を私は
考えていただかなければならぬと思う。そのために長野における林野の労務態勢というものの中には不明朗な問題がたくさん出てきております。この問題につきましては
資料もずいぶんそろいましたので、決算
委員会にきていただいて追及をしたいと思いますが、かなり出ております。たとえば生立木、風倒木、転倒木、こういう名目で払い下げている問題とか、あるいはまた前田労政がたくさんの金を使いますから、通常のルートでは出ません、その出ない金の捻出もずいぶん
——私のところには証拠写真だけでもこんなにきております。全部きております。たとえば五万数千円の輸送費を使った、それに対する支出の方式等についても、会計法上林野の会計の上から違法な取り扱いというものが行なわれている。あるいは風倒木の払い下げ、
一般の払い下げ等についてもかなりきびしい批判というものが林野当局に出ております。そういう
一般の住民の当局に対するきびしい批判と、今まで申し上げましたような今日
労働運動に狂奔している姿というものが、地域住民に対しては林野庁の第一線の
職員、管理者に対する不信の声として出てきておるのです。私は必ずしもそういう問題を徹底的に追及をしてどうしようということではありませんが、どうかこの際
林野庁長官あるいは林野庁の行政を担当する皆さん方も、もっとすなおな気持で現実を直視して
——四月、五月から林野の行政というものは非常に忙しくなります。あるいはまた風倒木、治山治水の問題も緊急の要務でありますから、そういうことを、現実に行政を
向上させ、地域住民の要望にこたえる、そういう一点にしぼって、そのためには
労働問題等についても、今言った弾圧的な形だけではなくて、真の
意味の正しい慣行樹立のために、私は今の前田労政のあり方等について
検討を加えるということがどうしても必要だと思いますが、問題を解決するという点についての長官の所見を最後にお聞きをして、私の
質問を終わりたいと思います。