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1960-05-26 第34回国会 衆議院 建設委員会 第21号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十五年五月二十六日(木曜日) 午前十一時十九分
開議
出席委員
委員長
羽田武嗣郎
君
理事
井原
岸高
君
理事
二階堂
進君
理事
堀川 恭平君
理事
南 好雄君 逢澤 寛君
池田
清志
君 川崎末五郎君 砂原 格君
高橋清一郎
君
田邉
國男
君
徳安
實藏
君
橋本
正之
君 服部 安司君 廣瀬 正雄君 堀内 一雄君
出席国務大臣
建 設 大 臣
村上
勇君
出席政府委員
建設事務官
(
大臣官房長
) 鬼丸 勝之君 建 設 技 官 (
河川局長
)
山内
一郎
君 建 設 技 官 (
道路局長
) 高野 務君
委員外
の
出席者
専 門 員 山口
乾治
君
—————————————
五月二十六日
委員島村一郎
君、
橋本正之
君、
松澤雄藏
君及び
山本猛夫
君
辞任
につき、その
補欠
として
田邉國
男君、
加藤常太郎
君、
池田清志
君及び
高橋清一
郎君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員池田清志
君、
加藤常太郎
君、
高橋清一郎
君 及び
田邉國男
君
辞任
につき、その
補欠
として松
澤雄藏
君、
橋本正之
君、
山本猛夫
君及び
島村一
郎君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
五月十九日
公共施設
の
整備
に関連する市街地の改造に関す る
法律案
(
内閣提出
第一四〇号) 同月十八日
北海道道神恵内
、入舸、
古平線
を二級
国道
に指 定の
請願
(
椎熊三郎
君
紹介
)(第四〇一九号) 同(
高田富與
君
紹介
)(第四二九八号)
土地収用法
の一部改正に関する
請願
(
井出一太
郎君
紹介
)(第四一八九号)
道路整備
新五箇年
計画策定
に関する
請願
(
井出
一太郎
君
紹介
)(第四一九〇号)
道路整備費
に対する
一般財源増額
に関する
請願
(
井出一太郎
君
紹介
)(第四一九一号)
都市計画街路放射線
第百三十号線
建設促進
に関 する
請願
(
中村梅吉
君
紹介
)(第四二九九号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
委員派遣承認申請
に関する件
チリ地震津波
による
災害
に関する件 ————◇—————
羽田武嗣郎
1
○
羽田委員長
これより
会議
を開きます。
河川
、
道路
及び
住宅
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
太平洋沿岸大津波
の
被害状況
につき
報告
を聴取いたします。
村上建設大臣
。
村上勇
2
○
村上国務大臣
津波災害
の
概況
と、
復旧措置
につきまして御
報告
申し上げます。 五月の二十三日午前四時ごろ、
南米チリ中部海岸
に起きた
地震
によりまして、二十四日分午前四時ごろから
津波
が
太平洋沿岸一帯
に押し寄せまして、
各地
に
相当
の
被害
が発生し、死者、行方不明合わせて百四十五名に上っているのでありますが、
建設省関係
の
公共
一
土木施設
及び
住宅
の
被害
の
概況
は次の
通り
であります。
公共土木施設関係
につきましては約十二億七千万円と予想をいたしております。
うち北海道
が七億二千六百万円、
岩手
県で約一億一千五百万円、
宮城
県で約一億七千五百万円と相なっておるのでありますが、なお詳細につきましては
係官
を派遣して
調査
いたしておりますので、今後なお
相当
の
被害
が増加すると予定をいたしております。
住宅関係
につきましては、
全壊
または
流失家屋
約三千二百棟でありまして、
半壊家屋
は約二千棟となっております。この内訳といたしましては、
北海道
で
全壊
、
流失
約四百二十、
半壊
約百六十、
岩手
県で約一千二百七十、
半壊
が七百、
宮城
県で
全壊
、
流失
は一千四百七十、
半壊
が約八百九十棟となっておるのであります。 この
措置
といたしましては、五月二十五日
建設省
に
建設大臣
を
本部長
とする
津波災害復旧促進本部
を設置いたしまして、万全の
措置
を講じておる次第であります。
被害状況
を把握いたしますために、五月二十四日
公共土木施設関係
につきましては
北海道
、
岩手
県及び
宮城
県に、
住宅関係
につきましては
岩手
県及び
宮城
県に、それぞれ
係官
を派遣いたして
調査
いたさせておる次第であります。
被害
の
状況
に応じまして、
現地
において直ちに
応急対策
及び
応急復旧工法
の
指導
に当たらせることとしておる次第であります。なお、今後につきましては、
被害状況判明
次第、
状況
に応じ、それぞれ
措置
を講じたいと存ずる次第であります。
住宅災害
に対する
復旧対策
といたしましては、
地方公共団体
が
建設
する
災害公営住宅
の
建設費
に対しまして
国庫補助
を行なう、これは
予算
として大体 一千戸分を用意いたしておる次第であります。なお、
一般住宅
につきましては、
住宅
金融公庫による
災害復旧住宅
の融資として、
被災家屋
の
所有者
または
借家人等
が
住宅
を
建設
しまたは補修する場合及びこれらに付随して宅地の
整備
または
土地
を取得する場合に、これらに要する
資金
の
貸付
を行なう
予算
として大体十億円、これは
建設
二千戸、補修四千戸
分程度
の用意をいたしておる次第であります。これとともに
個人住宅
の
災害特別貸付
として、
被災者
が
個人住宅
を
建設
しまたはこれに付随する
土地
を取得する場合に、これらに要する
資金
の
貸付
を必要に応じて行ないたい、かようにただいま
対策
を講じておる次第でございます。 以上、簡単でございますが、御
報告
いたします。
山内一郎
3
○
山内
(
一郎
)
政府委員
ただいま
大臣
から
概略
の
お話
がありましたが、私から補足して
説明
をさせていただきます。 五月二十四日の
津波
による
建設省関係被害状況
、こういう資料がお配りしてございますが、これに基づきまして御
説明
をいたします。この内容は、一、
津波
の
概況
、二、
公共土木施設
の
被害状況
、三、
住宅
の
被害状況
、四、
措置
、こうなっておりまして
公共土木施設関係
について私から御
説明
をいたします。 一ページは
津波
の
概況
でございまして、これは気象庁の
調査
したものでございますが、
各地
の波高が書いてございます。一番高いところは
青森
県の
八戸
市の五メートル、次は
北海道
の
広尾
町の四メートル、その他ここに書いてございますが、
概略
を申し上げますと、
北海道
、
青森
、
岩手
、
宮城
、そのような北の方の
地域
が高くなっておりまして、南に行くほど低くなっている、こういう
状況
になっております。これらの高い波によりまして
被害
をこうむったわけで、
公共土木施設
の受けました
被害
は、三ページと四ページに書いてございます。 二ページは
被害地域
で、
被害
のひどかったおもな
市町村名
がずっと
北海道
から
九州
まで書いてございます。それを読んで参りますと、
北海道
、一番北が
浜中
村、これは非常に激甚なところであったわけでございます。それから厚岸町、豊頃村、
広尾
町、それから
青森
県に参りまして
八戸
、
岩手
県に参りまして宮古、山田、大槌、釜石、
大船渡
、陸前高田、こういうふうになっておりまして、
大船渡
市が
岩手
県では非常にひどかった、こういうようになっているわけであります。それから
宮城
県に参りまして、唐桑町、気仙沼市、
志津川
町、雄勝町、
女川
町、
石巻
市、牡鹿町、それから塩釜、
七ケ浜
、これらが
宮城
県のおもに
被害
を受けた
市町村名
でございます。次が
福島
県に参りまして、
磐城市
の小名浜、それから
千葉
県に参りまして銚子、飯岡町、それから
三重
県に参りまして、伊勢市、南勢町、南島町、それから長島町、海山町、尾鷲、これらの
地域
が非常に
被害
をこうむったわけでございます。それから
和歌山
県に参りまして、田辺市、白浜町、海南市、それらの
地域
が
被害
をこうむっております。それから兵庫県の
州本市
、四国に参りまして、
徳島
県の阿南市、
高知
県の須崎市、足摺岬、それから
九州
の
宮崎
県に参りまして
宮崎
市、南郷町、それから
鹿児島
県に参りまして
奄美大島
の名瀬市、笠利村、こういうふうに
被害
をこうむった
地域
が書いてございますが、そのうち二重まるがついてございますのは、この下に書いてございますように
災害救助法適用市町村名
、こういうふうになっております。これも多少いろいろ追加されまして変動を受けるわけでございますが、昨日まではこういうものであったという
状況
でございます。 三ページと四ページで
公共土木施設
の
被害
の
概況
を御
説明
いたしますと、四ページの一番右の一番下に書いてございますが、総額で、昨日まで県から入りました
報告
によりますと十二億六千八百万円、こういうふうになっております。このうち一番大きいのは、波の
関係
からいきましても当然でございますが、
北海道
で、これが七億二千六百万円、これが一番の額に上っております。それから二番目が
宮城
県の一億七千五百万円、三番目が
岩手
県の一億一千五百万円、こういうふうな数字になっておりまして、その他の県におきましては、五千万円級以下というような現在までの
報告
になっているわけでございます。
北海道
から御
説明
いたします。
北海道
の
被害
の
概況
というところをごらんいただきますと、
浜中
村、これの
海岸決壊
七個所、それから
浜中——霧多布線
の
橋梁流失
三個所、
道路決壊
五個所、
節婦海岸決壊
二個所、これは
日高支庁
でございます。それから
銭亀沢海岸決壊
三個所、これは
函館付近
でございます。それから
上磯海岸
、これも同様に
函館付近
で
決壊
が七百メートル、以上、その他の地点を入れまして七億二千六百万円になっております。 それから
青森
県の
八戸
市は、ここに
被害
の
状況
を書いてございますように、馬淵川、新井田川、高瀬川、それから
八戸市内
の
橋梁
で二千百万円、それから
岩手
県小槌川、大槌川、それから鵜住居川、それから二級
国道
の
八戸—仙台線
で一億一千五百万円、これはまだ増額する見込みでございます。
宮城
県は、北上川、鹿折川、
七ケ浜
町、二級
国道八戸—仙台線
、
県道河北—志津川線
、
大原—女川線
、
石巻—女川線
、こういうような個所につきまして、一億七千五百万円、こういうようになっております。それ以下の
福島
、
千葉
、
三重
、それぞれ書いてございますが、
和歌山
、
徳島
、愛媛、
高知
、
鹿児島
、これらの県につきましては、大体五千万円以下でございまして、局部的にはひどいところもございますが、全体としてはそう大した
被害
はない、こういうふうな
概況
になっております。それから
住宅関係
は、後ほど
住宅局長
から
お話
を願いまして、現在までとっている
措置
につきまして、六ページに書いてございますが、第一に
被害
の
状況
を把握するために、
査定官
を
北海道
、
岩手
、
宮城
の各県に出しております。あわせまして、
現地
の
応急復旧工法
の
指導
に当たらしております。それから、二十五日
建設省
におきまして
津波災害復旧促進本部
を設置いたしております。
査定官
のいろいろ今後くる
報告
、それから各県からも
情報
が入って参りますが、それらの
情報
に基づきまして、今後いろいろな
措置
を講じていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
—————————————
羽田武嗣郎
4
○
羽田委員長
ただいまの
建設省当局
の
報告
に対し、質疑の通告がありますから、これを許します。
二階堂進
君。
二階堂進
5
○
二階堂委員
私はきわめて簡単に、一、三の点につきまして、
大臣
に
お尋ね
をいたしておきたいと思います。ただいま
大臣
並びに
局長
より、今回の
津波災害
についての
被害状況
の
報告
がございましたが、まことに
被害
甚大であることにかんがみまして、私
ども
も、
被害
を受けられた
方々
に対して、深甚なる同情を申し上げるわけであります。
政府
におかれましても、いち早く
政府部
内に
対策本部
を設けられ、また
建設省
とされましても、適切なる
行政指導措置
をとっておられることはまことに喜びにたえません。毎年片々起こって参りまする
災害
のために大へんな
被害
をわが国がこうむり、また、とうとい人命が失われていくことに対しまして、私
ども
はこのような
被害
をいかにして防ぐか、また
被害対策
を早急に万全なものにすべく、今日まで
努力
をいたして参ったのでありますが、私
ども
は、今回の
災害
はまことに思わざる
太平洋沿岸
の
地震
の影響によって起こってきたということにもかんがみまして、この
対策
につきましては、
委員会
におきましても万全の
措置
をとられるように、
政府当局
に強く懇請をいたしたいのであります。一昨日以来、私
ども
はこの
被害
の問題を取り上げまして、いち早く
建設委員会
あるいは
関係
各
委員会
を開きまして、そうして
政府当局
の
説明
を聞き、さらにこれに対する
対策
を
国会
としてもとるべきであるという
主張
を続けて参りました。実は昨日来、
委員会
を開くべく、
社会党
、
民社党
の方にも、
災害
の問題は、現在問題になっておりまする
国会内外
の政治上の問題とは別個の問題であるから、早急にこの
委員会
に出てきてもらって、そうして真剣に国土の保全、
災害復旧
の
対策
を講ずべきであるということを、
社会党
、
民社党
の
理事
にも強く
申し入れ
をいたしたのであります。なおまた、
理事会
を開き、あるいは
理事
の
懇談会
を開いてぜひ
出席
をしてもらいたいということを再三再四お願いをいたしましたが、ついに私
ども
の
主張
をいれられず、けさも同じような
申し入れ
をいたしましたけれ
ども
、
出席
をせられなかったのであります。いかなる理由によってか、私
ども
は存じません。しかしながら、私は
国民
の代表の一人といたしまして、かくのごとき
社会党
の議員あるいは
民社党
の
方々
の態度に対しましては、深く遺憾の意を表せざるを得ないのであります。(「その
通り
」)従って、私
ども
はやむなく、われわれだけで定足数をそろえまして
委員会
を開催いたしたような次第であります。おそらくこの
被害地
の
国民
、全
国民
は、われわれの意図するところをば了解してくれるであろうということを私は信じて疑いません。私はこの際、簡単に、
建設大臣
に対しまして
お尋ね
をいたしておきたいと思うのでございます。昨年の
伊勢湾台風等
につきましても、
大臣
は非常な苦労をされましたが、この
対策
につきまして適切なる
措置
をとられ、また
災害特別立法等
の
措置
を講ぜられましたことは、私
ども
としてはまことに心強く感じておる次第でございますが、本年もすでにこうした
災害
が起こっております。さらにまた雨季にも入ります、
台風
のシーズンにも入ります。従って、この起こりました
災害
並びに今後起こるであろうと予想されます
災害
の
対策
について、先般来から
岸総理
を初め
建設大臣
は、
災害
に対するための
災害基本法
というようなものを早急に
政府
も樹立して、
国会
に御
審議
を願いたいというふうな意思を表明されたことがあるやに私は記憶いたしておりますが、このような
災害基本法
の
立法
について、現在どのように考えておられるか、どういうような
進捗状況
になっておるか、お答えを願いたいと思います。
村上勇
6
○
村上国務大臣
今回
北海道
、
東北並び
に
全国太平洋岸
の
各地
に、全く抜き打ち的とでも申しますか、はからざる大
被害
を受けましたことは、まことに遺憾にたえない次第であります。なお、
罹災者
に対しましては、私
ども
、衷心よりその
被災民
に対してのお見舞を申し上げる次第であります。 これが
対策
に対しましては、ただいま御
報告
申し上げましたように、
政府
としては万全の
措置
を講じて、これらの
被害者
の一刻もすみやかに平常に復すことを念願しつつ、その
努力
を続けて参っておる次第であります。 ただいま御指摘のありました
災害基本法
につきましては、御承知のように、
内閣
におきまして、これらの法案の
審議
をいたしておりまして、これも、もうほとんどでき上がったように私、聞き及んでおります。
防災官
の
任命等
につきましても、それぞれその
関係方面
との意見は一致いたしておりまして、近くこれが御
審議
を願うというような段階になっておるように聞き及んでおる次第でありまして、私
ども
といたしましては、少なくとも、この
災害
が起きてどろなわ式の
措置
でなく、
災害
の
未然防止
はもとよりでありますが、
災害
の発生以前に、それらの強力な
措置
をすることによって、この
災害復旧
あるいは
罹災者
に対するあらゆる
措置
の万全を期すための
立法措置
については、
政府
としては十分積極的にこれを御
審議
願いたい、かように思っておる次第であります。
二階堂進
7
○
二階堂委員
もう一点、ちょっと
お尋ね
いたしておきたいと思います。昨年の
伊勢湾台風
に際しましては、
国会
におきましても、いち早く
災害
に関する
特別委員会
を設置いたしまして、
諸般
の
災害救助
に関する、あるいは復興の
対策
に関する
立法措置
を行なったのでありますが、今回のこの
災害
も、ほとんど
太平洋
に面する
北海道
から
南九州
、
大島
に至る
太平洋岸
の
各地
に、非常な
被害
を及ぼしたわけであります。この
被害
の
程度
も、部分的には
伊勢湾各地
の
台風
に匹敵するような
被害
もあろうかと私は存ずるのであります。
地域
も非常に広範であるし、かつまた、
漁村
、
農村
あるいは
零細企業者
の受けた
被害
というものは、きわめて甚大なものがあろうと思うのであります。従いまして、昨年の
伊勢湾台風
にとられたような特別の
立法措置
というものが、当然
政府
においても考えられてしかるべきものなりと私は強く信じておるわけであります。党におきましても、いち早く三班か四班に班を編成いたしまして、
慰問団
、
調査団
を派遣されておりまするが、私
ども
は、この
委員会
におきましても、
委員
から
各地
の
調査派遣
を決議してもらいたいと思っております。このような
報告
がまとまったならば、私は当然同じような
立法措置
がとられなければならぬと思っております。特に先ほど申し上げましたように、今回の
被害
はすべて
海岸地帯
であります。
漁村
、
農村
、きわめて
生活力
の弱い
人たち
に
被害
が大きかったのではないかと私は思っております。なおまた、
住宅
の
流失
あるいは
浸水等
によって
被害
をこうむった
家屋
は非常に大きい。こういうことから考えてみましても、私は早急に
特別立法
、
伊勢湾台風
に関してとられたような特別の
立法措置
が必要であろうかと考えられますが、この点について、
政府当局
とされましては、どういうようなお考えをとっておられるか、御所見を承りたい。
村上勇
8
○
村上国務大臣
今回の
公共施設
の
災害
につきましては、ただいま私が御
報告
申し上げました
通り
でありまして、その範囲の広い割合には、ただいまのところ、従来のものと比べまして、さほど大きなものとは言い得ないでありましょう。しかしながら、私は昨日
宮城県知事
と二元放送で対談いたしたのでありますが、その際に
宮城県知事
の
報告
を聞きますと、
宮城
県下だけで七十二億の損害を受けておるということであります。従って、全国的な
公共施設
の
災害
を引き去ってみますと、まだ
北海道
あるいは
岩手
、
青森等
と匹敵する
程度
の、
宮城
県下で七十二億の
災害
ということは、
公共施設
の
災害
より、もっと大きな
災害
がある。それはいわゆる
建設省所管
ではありませんが、漁船の
災害
あるいは漁港、船だまり等が非常な
災害
を受けているというようなことは、私
ども
想像できると思うのであります。ことに
住宅関係
につきましても、現在の援助、いわゆる
公営住宅等
について、
現行法
では満足すべきものにならないと思いますが、
宮城
県
三浦知事
の強い要望がありまして、ぜひとも
政府
はこの際
伊勢湾台風
のあの
特別立法
以上の
立法措置
をしてほしいということを、強く要望されたのであります。もし
伊勢湾台風
と同様の
措置
をとるといたしますならば、これは
政府自体
ではとうていできないことでありまして、
政府
としては、どこまでも、これは今回の全く夢のような、予知しない大
災害
でありますがゆえに、これらについては十分な
措置
をいたしたいと思いますが、これはかかって
国会
の御
審議
に待つ以外にないのでありまして、
国会
の公正な御
審議
によってこれらの
特別立法
を適用するかどうかをおきめ願いたい、われわれはかように念願いたしておる次第であります。
二階堂進
9
○
二階堂委員
もうこれで
質問
は終わりますが、何といたしましても、
災害
の
地域
が広範囲にわたつております。早急に
一つ調査
をされまして、
政府
とされましては
諸般
の行政
措置
なり、あるいは
法的措置
を早急にとられるように強く要望いたしまして、私の
質問
は、本日はこの
程度
で終わりたいと思います。 ————◇—————
羽田武嗣郎
10
○
羽田委員長
この際、お諮りいたします。五月二十四日の
津波
による
被害状況調査
のため、
委員
を派遣し、その実情を
調査
いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
羽田武嗣郎
11
○
羽田委員長
御
異議
ないと認め、さように決します。 なお、
派遣地
、
派遣期間
、
派遣委員
の員数及びその
人選等
、
議長
に対する
承認申請
の手続につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
羽田武嗣郎
12
○
羽田委員長
御
異議
ないと認め、さように決します。
次会
は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会