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1960-02-24 第34回国会 衆議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月二十四日(水曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 鈴木 正吾君    理事 井原 岸高君 理事 鹿野 彦吉君    理事 田中 彰治君 理事 高橋 禎一君    理事 小川 豊明君 理事 高田 富之君       大倉 三郎君    森   清君       淡谷 悠藏君    久保 三郎君       森本  靖君    山田 長司君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   谷川  寛君         会計検査院事務         官         (第五局長)  平松 誠一君         日本専売公社総         裁       松隈 秀雄君         日本専売公社理         事       小川 潤一君         日本専売公社塩         脳部長     小林  章君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      吾孫子 豊君         日本国鉄道常務         理事      兼松  学君         日本国有鉄道参         与         (経理局長)  山田 明吉君         日本国有鉄道参         事         (資材局計画課         長)      鈴木  滋君         日本国有鉄道参         与         (施設局長)  柴田 元良君         日本国有鉄道参         与         (電気局長)  乙部  実君         日本国有鉄道参         与         (管財部長)  山崎  武君         日本国有鉄道参         与         (監察局長)  川本  勇君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 二月十九日  委員河野密辞任につき、その補欠として淡谷  悠藏君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員淡谷悠藏辞任につき、その補欠として河  野密君が議長指名委員に選任された。 同日  委員河野密辞任につき、その補欠として淡谷  悠藏君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月十九日  昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条に基  づく使用調書  昭和三十三年度特別会計予算総則第十五条に基  づく使用調書  昭和三十四年度一般会計予備費使用調書(そ  の1)  (承諾を求めるの件) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十二年度政府関係機関決算書  昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書        ————◇—————
  2. 鈴木正吾

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  昭和三十二年度決算外三件中、日本国有鉄道及び日本専売公社関係を順次議題とし、審査を進めます。  まず、日本国有鉄道関係について、会計検査当局より説明を求めます。平松第五局長
  3. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 昭和三十二年度日本国有鉄道関係について、説明をいたします。  個別事項中、不当事項十三件、不正行為三件、合計十六件で、前年度の十七件より一件少なくなっております。  四七九号から四八六号までは工事に関するもので、そのうち予定価格積算が過大なため、ひいて工事費が高価となったものとして四七九号から四八二号まで四件が上がっております。  四七九号は、東京工事局三菱造船に四千二百万円で請け負わした川崎火力発電所煙突製作及び建方工事におきまして、煙突製作用鋼板はSM四一を百五十二トン余使用するものとし、その価格は、類似品一般市場価格を参考としてトン当たり十万一千円から十二万五千円、総額二千二十九万余円と算定しておられますが、この鋼板は八幡、富士、日本鋼管及び尼崎製鋼で注文により製造している特殊製品でありますから、その販売価格調査して積算するのが相当でございまして、その価格トン当たり六万一千円から七万九千円程度が適当であり、また、鋼材使用量におきましても、六トン余が重複計算されておりまして、請負額は約五百七十万円高価と認められます。  四八〇号は、新橋工事局で、鉄道塗装工業株式会社に、大井川橋梁改良橋げた塗装その他その一工事及び利根川橋梁改良橋げた塗装その一工事を、五百二十三万余円及び四百二十五万余円で請け負わせたものについてであります。この工事は、それぞれの橋梁橋げた二万七千余平米及び二万余平米をペイントで二回塗装するもので、塗装費については、塗装歩掛り塗装工鈑けた平米当り〇・〇三四人を基礎としまして、結局平米当たり工費は七十九円余及び八十四円余となっておりますが、他の工事局の例は五十三円程度であり、歩掛り基本となっている鋲けたの塗装歩掛りも〇・〇二人でありまして、本件工事積算は過大と認められ、〇・〇二人を基礎として修正計算いたしますと、総額約七百八十七万円が相当で、本件は、約百六十万円高価と認められます。  四八一号は、大阪鉄道管理局で、日立工事株式会社に七百十八万円で請け負わせました橋型クレーン改造工事についてであります。この工事は、クレーンのデリックブームが短いので、これを長いのと取りかえる等の工事で、鋼材所要量は、在来装置部材寸法を測定いたしまして全重量を算出するなどして、結局十六トン余と積算されたのでありますが、その測定が粗雑であり、適当とする所要量は十一トン余で足りるものでありまして、これによって再計算すると、約百十万円高価となる計算であります。  四八二号は、下関工事局が千六百五万余円で九鉄工業株式会社に請け負わせました若松石炭桟橋斜路改築その他工事についてであります。この工事は、従来木造のものをコンクリートブロック桟橋に改築するものでありますが、予定価格積算にあたり、コンクリートブロック用砂利、砂及びコンクリートブロック等運搬に要する三輪車数延べ五百六十一台と積算しているのでありますが、運搬量の見積りが過小であって、三輪車延べ三百四台で足りる計算であり、またコンクリートブロック型ワクは、三回使用としておられますが、十回程度使用することができ、その他必要のない手待ち割増しを認めているものもあって、これらを修正すると、工事費は約千三百九十万円で足り、約二百十万円が高くなっているというものであります。  四八三号から四八六号までは、工事施行設計と相違するもので、四八三号は、熊本鉄道管理局で請け負わせた災害復旧工事において、擁壁コンタリートの厚さが設計に比べて厚いもの薄いものがあり、おもに下部の厚さが不足していて強度が低下していると認められるもの、四八四号は、名古屋鉄道管理局で請け負わせた工事で、排水溝コンクリートの厚さあるいは底幅設計より少なく、排水効果が低下していると認められるもの、四八五号は、門司鉄道管理局で請け負わせました若松工場貨車職場改築その二工事で、床を木れんがで舗装するにあたり、舗装面積が不足し、目地幅設計より広く、従って木れんが使用数量も不足し、また目地に充填するブロンアスフアルトも不十分であるというもの、四八六号は、盛岡工事局で請け負わせた砂利採集積み込み工事において、砂利の規格が七十ミリメートル以下となっているのに、七十ミリメートル以上のものが、調査したところでは、平均六・七%程度混入していたというものであります。  次は、物件であります。四八七号は、川田工業株式会社から購入した鉄製セントルに関するものであります。これは溝型鋼鋼板等を主材料とし、隧道の覆工用として使用するもので、その予定価格は、一相当たり、一号型十二万五千七百円から十三万二千八百円、二号型十四万三千六百円から十八万四千八百円で、これをトン当たりに換算いたしますと、製作加工費が約十六万四千円から十七万円、製品価額で約二十六万二千円から二十七万六千円に当たりますが、同時期に信濃川工事事務所購入したI形鋼を主材料とするものは、製作加工費が約三万四千円、製品価額約十八万二千円となっており、また電源開発購入した溝型鋼鋼板等を主材料とする鉄製型ワクでは、製作加工費トン当たり約六万六千円、製品価額約二十一万五千円を採用していて、これに比べ著しく過大と認められるのでありまして、今、電源開発のものと比べ、本件材料をほぼ同じくし、構造はむしろ簡単でありますが、かりに電源開発製品価額基礎として計算いたしますと、一相当たり、一号型十万円から十万七千円、二号型十一万七千円から十五万三千円を相当とし、これによれば、約五百二十万円節減できたこととなります。  四八八号は、断路器購入についての案件であります。従来、断路器は、変電所の諸機械とあわせ一括購入していたのを、別々に購入することとし、東京芝浦外会社指名して競争入札に付したところ、一番札の株式会社斎藤商店納期が、資材局希望納期より相当おくれていたというので、これを排除し、高価な他の入札者契約を締結したのでありますが、本品は変電所用機械と同時に使用されるものでありまして、その分の納期は、斎藤商店納期以降か、またはおくれてそれ以降になることがわかっていたものでありますから、購入要求部局との連絡よろしきを得れば、希望納期変更することができたものと認められまして、斎藤商店を排除する必要はなかったものでございます。処置当を得れば、約二百八十万円低額に購入することができたというものであります。  次の二件は、購入計画当を得ない事案であります。  四八九号は、資材局で、川崎重工業株式会社外会社から、車両用扇風機二千二百三十四個を総額三千七百八十八万三千余円で購入したのでありますが、その使用期間は六月から九月であるのに、工作局からの準備要求が三十二年六月で、資材局は七月下旬に、納期を七月二十四日から九月十日として購入契約を締結し、実際納入は八月以降となり、納入個所用品庫から取りつけ個所へはさらに保管転換せねばならぬので、取りつけ個所で受領したときは使用時期を失したものが多く、八五%に当たる千九百十五個が翌年度まで未使用のまま在庫となったというものであります。  四九〇号は、資材局で、三十二年七月、三菱鋼材株式会社ほか四会社から新装車両用交付材料として担バネ三千四十個を総額四千四百七十七万九千余円で購入したのでありますが、この担バネは、補修用にも使用するもので、三十二年度上期分補修用としては、別途三千七百九十個を三十二年三月購入したものがあり、しかも、工作局で調べた結果、三十二年五月中旬には、補修用担バネの大半を占める更新修繕用担バネについては、前年度末の残高で充足できるということが判明していたものでありますから、二千七百九十個のうち、一般補修用使用見込み量約千個を除いた約千八百個は、新製車両用に充当することができるもので、従って、工作局資材局間の連絡が十分であれば、七月購入したものの過半は、購入の要がなかったものであります。  四九一号は、固定資産部外使用料についてであります。  (一)は、使用権不安定等に基づく軽減措置が適切を欠いていると認められるものでありますが、国鉄では、固定資産部外者使用させる場合に、たとい使用期間中でも、当局が必要と認めた場合には、いつでも使用承認を取り消すことができるという制限を設けているため、普通の賃貸借に比べ特別制限が加えられているというので、算定基礎となる時価評価額から一律に二割を減じておられるのでありまするが、貸付の実態を調査してみますと、もう国鉄として事業の用に供する見込みがなく、使用者に対して売り渡しを予定しているような財産にまでこの軽減措置をとっておられるものなどがありまして、本院で調査したおもな事例によりますと、名古屋大阪鉄道管理局で、名古屋鉄道株式会社外五名に使用させている八件の三十二年度料金について、軽減を行なわない計算との間に約四百五十万円の開差を生じております。  (二)は、連絡設備乗り入れ設備等貸付用地に関する資本利子額軽減処置が適切を欠くと認められるものでありまして、国鉄連絡運輸をしている運輸機関連絡設備または乗り入れ設備の用に供するため貸し付けている土地使用料については、連絡運輸によって国鉄収入が増加し、または軽減するという理由で、資本利子率を通常の二分の一に軽減しておられますが、連絡運輸に伴う利益は相互に受けるものであり、中には貸し付けた土地の一部をデパート敷地として使用していたり、構内営業または広告掲示を行なって多額の収入を上げているものも見受けられる状況でありまして、東京名古屋管理局で、名古屋鉄道株式会社ほか十二名に使用させているものについて、軽減しないこととして計算いたしますと、約千六百三十万円の開差を生ずることとなっております。  四九二号から四九四号までは、名古屋鹿児島鉄道管理局で、職員不正行為により収入金を領得された事案であります。  なお以上のほか、概説の項におきまして、資材回転率の向上並びに検収業務運営について、検討改善を要すると認められるものがあることを記述いたしております。  以上で説明を終わります。
  4. 鈴木正吾

    鈴木委員長 次に、日本国有鉄道当局より発言を求められております。これを許します。吾孫子総裁
  5. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいま検査院から御説明がございました個々事項につきましては、それぞれ関係局長等も参っておりますので、詳しいことは、御説明をいたさせたいと思いますが、私から、おもな事項につきまして、大略の御説明を申し上げたいと存じます。  御指摘を受けました事柄のうちの、まず工事関係について申し上げたいと思います。  昭和三十二年度は、国鉄の五カ年計画の初年度でございましたので、工事経費予算について見ますと、従来の五百億円台から約倍額の千億円に急増いたしたのでございます。これを限られた要員で予定通りに進捗させ、また特に経済的な施行をはかりますために、三十一年度末に、従来にない大幅な予算の内示を行ないまして、工事計画作成を急がせ、工事平準化をはかったのでございますが、何分にも新規工事が多く、一部の工事につきましては、施行が遅延いたしましたことと、年度の中途における財政投融資繰り延べによりまして、大幅な計画変更を余儀なくされましたことなどのため、決算が若干下期に片寄る結果となった次第でございます。  工事予定価格積算につきましては、請負工事予定価格積算基準委員会答申に基づきまして、国鉄の実情に即した細目を制定いたしまして、関係機関通達いたしまして、これによって工事積算を合理的に行なうように指導いたしておる次第でございます。  また監督竣工検査に関する規程をそれぞれ整備いたしまして、これによって業務を厳正に執行するように努めておる次第でございます。  次に、資材関係について申し上げます。資材調達管理及び運用につきましては、常に検討を加え、改善に努めて参ったのでございますが、前に申し述べましたように、三十二年度は、工嘉予算の増加に伴いまして、所要資材も倍加いたしましたが、当時は業界が活況を呈しておりましたために、円滑な調達相当困難が予想されましたので、特に早期に手配を講じた次第でございます。しかし、その後経済界の変動と財政投融資の引き締めなどによりまして、工事が大幅に繰り延べとなりましたので、納期の延長や契約の解除などを行ないまして、極力貯蔵量の圧縮に努めたのでありますけれども、これらの所要材料相当期間貯蔵される結果となり、また、使用個所、すなわち、保線区とか、電力区などとかいうような使用個所に配給された工事材料の一部にも、工事の余儀ない繰り延べによりまして、受け入れてから使用するまでに相当期間を経過したものがあったのでございますが、このように所要量所要の時期が変更となりましたときにも、的確な更正処置を行なうように指導し、貯蔵品の効率的な運用について努力いたしておる次第でございます。  検収業務運営につきましては、地方資材部において、一部の品目の検収について不十分なものがあったことは遺憾でございましたので、特に厳正に行なうよう注意をいたしました。また、一昨年の三月、資材局調査課を設置いたしまして、検査管理を担当する係を設け、検査業務の執行に関する種々の調査検討を行なわせ、検査基準作成させております。このほか、検査個所必要度の大きい検査器具を逐次整備いたしますなど、業務運営に遺憾なきを期しております。  予定価格積算につきましては、予定価格作成指針を制定いたしまして、予定価格作成に必要な一般的基本事項を定めまして、合理的な積算を行なうように指導いたしております。  次に、固定財産部外使用料金について申し上げます。  まず第一に、二十九年度以降の経過を御説明いたします。土地建物等使用料につきましては、昭和二十九年度に、従来の料金当局時価相当と認めた料金改定いたしたのでございますが、その際改定料金が著しい値上がりになるものにつきましては、緩和処置を講ずることとして、三十一年度においてこの改定料金額に達するよう、漸増する扱いといたしたものでございます。しかるに、土地価格のきわめて高い東京付近高架下使用者の間には、まだこれらの処置によっても納得できないとして、不払い同盟を結成するような状況でございましたので、やむを得ず、東京地方土地建物評価委員会にこの取り扱い等を諮問いたしましたところ、ある程度補正処置を講ずることが社会慣行にも合致し、国鉄収入確保にも適当であるという旨の御答申を得ましたので三割相当を減額した額を使用料額とする扱い決定した次第でございます。その後、関係規程の整備を行ないまして、使用料金評価基準改定いたしまして、料金の値上げを三十二年の四月分から行なったのでございます。東京大阪鉄道管理局におきましては、ただいま申し上げましたような状況で、相手方との折衝や、一括承認を直接承認に切りかえるために時日を要しましたことと、土地建物評価委員会地価評価が完結しなかったことなどのために、三十二年度料金算定につきましては、一応暫定処置として、地価評価にあたりましては、固定資産課税標準価格一定倍率を乗じて算定したのでございますが、その後土地建物等評価委員会地価評価を得ましたので、三十三年四月から使用料金改定をいたしております。このほか、三十二年度使用料金について御指摘を受けました事項につきましても、それぞれ改善をはかるよう格段努力をいたしておる次第でございます。  最後に、職員不正行為について申し上げます。現金不正事故防止につきましては、常に指導監督を厳重にいたしますとともに、再三通達を発して注意を喚起して参ったのでございますが、今回の収入金に関する事故にかんがみまして、さらに支社長鉄道管理局長等関係機関の長に、現金事故防止に関する通達を発し、収入金に関する手続を改正するとともに、担当者の交代やら、会計監査を厳正に行なわせまして、事故防止に遺憾のないようにいたしておる次第でございます。  なお、御指摘をいただきました個々の具体的な問題につきましては、それぞれ改善に努めておりまして、このような御指摘を今後受けないように、格段努力をいたす所存でございます。以上でございます。     —————————————
  6. 鈴木正吾

    鈴木委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  7. 久保三郎

    久保委員 資材購入の方で一つ質問したいのです。不当事項の四八八号ですが、断路器購入の問題です。この断路器は、指摘事項にある通り、一番札の斎藤商店納期がおそいというので、これを退けた。ところが会計検査院調査すれば、全部申出納期よりあとから納入されたということであってこれはどうもわれわれとしても納得いかないことなのでありますが、これについて一つ詳細に説明を願いたいと思う。
  8. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいまの御質問につきましては、資材局担当課長から詳しいことを申し上げさせていただきます。
  9. 鈴木滋

    鈴木説明員 ただいま御指摘の点につきまして御説明申し上げます。変電所主体機械断路器との関係でございますが、断路器契約いたしました当時といたしましては、主体機器の必要時期とにらみ合わせまして、契約の際に考慮をいたしまして、これでは間に合ないということであったのでございますが、別途購入いたしましたところの主体機器納期が、当時重電機産業活況のために予定よりおくれまして、機械全体の全般的な納入がおくれて参りましたので、入札に際しまして、これに最も近いものを採用したわけでございます。結果的に見ますと、御指摘の点はその通りでございますが、しかしながら、当時といたしては、この納期決定はやむを得なかったのではないか、かように考えている次第でございます。
  10. 久保三郎

    久保委員 結果からものことを論ずれば、当時の状況はやむを得なかったというなら、みんなそういう結論になると思うのです。会計検査院指摘事項に対して、国鉄当局はどう思っているのですか。まずそれを聞きたい。
  11. 鈴木滋

    鈴木説明員 当時の状況といたしましては、そのようなことでございまして、結果的に申しますれば、おっしゃる通り主体機器納期がずれまして、その点につきましては、必ずしもよくなかった、かように考えておりますが、当時の状況としては、そのようなわけであったのでございます。
  12. 久保三郎

    久保委員 断路器購入は、この当時の状況からいって、全体から納期をきめるのだろうと私は思うのです。ところでそうじゃなくて、何か一方的な納期をきめて、それではいかぬということで、みすみす安いやつを退けて、あとから明電舎、富士電機、東芝、こういうところへ入れているようなんです。こういうことは、これ一つじゃないのじゃないか。私は疑っては悪いのですがまだあると思う。これを何か変な目で見れば、大へんな疑いがだんだん広がっていくと思う。こういうのは、国鉄は、今までの、内部機構に欠陥がある、いわゆる要求する方と工事する方と調達する方と、そういうのがうまく連絡がとれなくて、それでこういう結果になった。あとからそういうことになるのでしょうが、小さなものは別にしまして、大きいものは、納期をきめる場合には、もう少し連絡をよくすべきだ。私はよくわかりませんが、落札後の公正協議によって納期をきめる、これはいつの時期にやるのですか。
  13. 鈴木滋

    鈴木説明員 あとの御質問からお答えいたします。一応入札が済みまして、開いた結果、各入札者全部そろいました席上で、公正協議をいたすわけでございます。当時といたしましては、御存じのような状況で、重電機産業が非常に活況を呈しましたために、納期決定その他につきまして、そういう結果になりましたことは、私ども、ある程度やむを得ない点もあったかと思いますが、見通しが非常に悪かったという点につきましては、おっしゃる通りでございます。その点につきましては、今後注意いたしたいと思いますが、むしろ問題は、重電機主体機械の方の見通しが結果的によくなかったという点にあるのでありまして、所管局間の連絡の問題でないように考えておりますが、御指摘通り、結果的に見まして、納期の点について見通しに非常に誤りがございまして、損を来たしたという点につきましては、今後注意いたしたい、かように考えております。
  14. 久保三郎

    久保委員 いずれにしましても、これは競争入札で、たとえば価格を安く落札したとしても、他の高いのに入るとしますと、これは逆にとれば、高いところを擁護するようなものですよ。納期の点で公正協議して、私の方は御要求通り早く納めますといえば、価格が高くても取ることができる。これは落札したと同じになる。こういうのでは、どうも競争入札の意味がないようになってしまう。これは国鉄としてどういうふうにしてコントロールしていくのですか。納期の問題と価格の問題をどういうところでコントロールするのか。コントロールしなければ、大体指名競争入札の意味がありませんよ。納期の問題あるいは竣工期日の問題、そういうことを——私は一つ申し上げます。こういうものの会社、工場の製造能力などを調べるのですか。調べないで、三社なら三社が集まったときに、あなたはいつできますか、あなたはいつまでですか、こう聞いただけで、大体それが早い方にきめるのですか。それはどうなんですか。
  15. 鈴木滋

    鈴木説明員 初めに、納期はこれこれの納期であるということで示して、入札していただきたいということで申し上げておるわけでございますけれども、メーカーは、全体の納期としては調査しておりますが、個々の物品につきましては、この機械はいつというように一つ契約の際の対象物がいつになるかということは、入札の結果わかるわけであります。  それから公正協議という問題につきましては、この場合、納期と、それから斎藤商店は、従来このようなものに納入の実績がございませんので、その点である程度技術的信頼度というような点も考えまして、こういう結果にいたしたわけでありまして、公正協議の際には、国鉄と、入札した会社全部そろった席上でやるわけであります。
  16. 久保三郎

    久保委員 そろった席でおやりになってもならぬでも同じだと思うのですが、私の言いたいことは、いわゆる競争入札の意味がなくなってしまうのじゃないかということです。それで、この物品購入の場合は、公告しまして、断路器は何月何日までという納期をつけてやるのでしょう。そうだとすれば、何のための公正協議かと思うんですよ。よくわかりませんから言うのです。競争入札の意味がなくなるような、公正協議で高い方へ持っていこうというようなことは、どうも納得しませんな。どういうことですか。
  17. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ごの断路器購入の問題につきましては、先ほど来担当課長が申し上げておりますように、購入に際して納期の問題について考慮が足りなかったということは、私どもも遺憾に存じておるものでございますが、本件入札そのものは、それまで断路器というものを変電所用主体機器と一緒に一括購入しておったわけでございますが、それを分けて、分離購入することにいたしました。指名競争によって業者の数もできるだけふやして、少しでも安く買おうということで指名競争入札に付したわけでございます。ただ、その入札に際しましては、価格だけでなく、納期の問題、製品の信頼度というようなものを考慮した上、公正協議に付して契約をいたしたものでございまして、この結果、従来よりも相当安い値段で購入することができたのでございます。ただ、一番札の斎藤商店断路器は、遠方制御変電所用としては、今まで納入実績もなかったものでございますし、技術的な信頼度というようなことについても、やや自信が持てなかったような点もございましたので、五十四佃のうちの五個を採用した、こういうようないきささつでございます。
  18. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、斎藤商店というのは、大体メーカーとしては新しいので、あまり今までこういうものには首を突っ込んでもらってない。しかし、何とか競争入札の頭数を少しふやして、幾らかでも安くなるような格好にしよう、こういうような疑いを持つようになるのですが、最後にいって公正協議のときに、これはどうもお前、今までやったことがないし、おれの方も使ったことがないから、自信が持てないからというのが一つ納期の方は、お前の方は申し出がおそい。だから、これはやめるということでは、何か形を整えて、その他にやらせるような格好に持っていこうというような、どうもそういうふうにとれるのです。それから、今吾孫子総裁がおっしゃったように、製品に自信が持てないというなら、まず第一に指名させないことです。そうでしょう。そういう自信を持てない会社指名競争入札に入れることが、大体私はおかしいんじゃないかと思うのです。これが第一。もう一つは、それでも一つ今度は新規に入れてみようということでやって、一番札で斎藤商店がやったなら、これは当然製品には検収の方法があるのです。契約書にもちゃんと書いてある。仕様書に、あるいは設計に違いがあれば、これは返すなり違約金を取るなりという方法があるのじゃないですか。その方法がありながら、使わぬうちにこういうことをやること自体が、どうも変に思われるということですね。しかも、これは得をとっているならいい。まるっきり得をとっていない。結果論で……。だから、こういう点についてどう考えるか。新しいのだからどうも不安心だというようなことをおっしゃったのでは、もともと競争入札に入れるというのが間違いだ。何かどこかへ落とすのにカムフラージュしていうのではないかという気持になりますよ、はっきり言うと。
  19. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 この指名競争入札は、単に安く買うように見せかけるためにやったというようなことではもちろんございませんので、相当低い値段でこの結果購入し得たというふうに、結果としてはそうなっております。なお、技術的な信頼度というようなことについて、その当時やや自信が持てなかったのでというふうに申し上げたわけでございますが、これは技術的になかなかむずかしい問題でございますので、専門の電気局長が参っておりますから、電気局長から少し説明さしていただきたいと思います。
  20. 乙部実

    ○乙部説明員 この千五百ボルト、二千アンペアの断路器購入につきましては、われわれ電気設備を担当する者といたしましては、できるだけ安くて優秀な機械を目的の期日に納入してもらうというように希望しているわけでございます。この断路器自身は、空気圧縮装置で遠方操作によって動作する、かなり技術的に高度な要素を必要とするわけでございまして、今の斎藤商店会社は、今までこれを本線に、営業用の線路に購入はいたしておりませんので、われわれの方といたしましては、これの機能について十分の自信の持てない面があったわけでございます。しかし、斎藤商店自身の製品は、断路器としては今まで採用いたしておりました。従って、それに付加する遠方操作の機器がりっぱに活用できるかどうかという面については、われわれもメーカーに対していろいろ要望もし、指導もして参ったわけでございますので、ある程度はできるというふうに思ってはおりますが全面的に信頼が置けるという面にまだ到達しておりませんでしたので、参加はしてもらいましたが、しかし、そのうちで五個だけは古里の変電所その他の線区に採用いたしまして、その成果を十分に見るという考えを持った次第でございます。
  21. 小川豊明

    小川(豊)委員 関連して。これはおかしいじゃないですか。あなたいろいろ答弁しているけれども、今聞いていると、正確によくて安いものを買う、そのために納期を指定する、こういっているでしょう。そのために入札もするんだろうが、入札には指定基準というものがあるでしょう。指定基準を厳格に守りさえすれば、これはいいわけなんです。しかし、この報告を見ると、二百八十万不経済になっていると指摘されている。高く買っている。それから納期の点から言うと——僕は断路器ってどんなものか知らぬけれども、この納期を見ると、これはほかと関連した品物でしょう。変電機械と同時に使用するものでしょう。そうすると、その購入は同時に入ればいい。何もこれだけを納期をせかせなければならぬわけではない。ほかのものはおくれているじゃないですか。だから、納期はそんなにせかせなくてよかった。価格は高くなっているでしょう。そうして一番の入札者を落として、二番にしたか三番にしたか知らぬが、ほかの者にやらしたというのは、何かわれわれから言うと、疑わざるを得ないじゃないですか。どうなんです、これは、一体どうしてあなたの方で安く買えたというのか。納期はどうしてそんなせかせなければならなかったのか。変電用機械は、斎藤商店より納期をさらにおくれたものを入れることになっている。何もそんなにぜかせなければならない理由というのは、一つもないじゃないですか。どういうことですか。
  22. 乙部実

    ○乙部説明員 変電所工事は、大体屋外施設と、それからそれに関連しました本体の機器と両方になるわけでございますが、工事全体といたしますと、屋外機器の整備によりまして、逐次本体の方に接続していくというような形になりますので、断路器の方はなるべく早く納入するということが、工事の工程あるいは遂行の面から、必要でございますので、断路器の方の納入を早く希望したわけでございます。それから、価格の問題につきましては、分離して納入するというような方法で、今回、今までの一括購入というものを分離しまして安く入れるという努力をしたわけでございますが、その面では、従来の一括購入に比べまして、今回の納入方法によりまして、約三百五十万円ほどの節約はできたわけでございます。ただ、機器の選定、納入者の選定と納期の問題から、斎藤商店の分が数が少なくなったわけでございますが、全体として、われわれは、機械器具を安くする方向に努力したわけであります。
  23. 小川豊明

    小川(豊)委員 わからないですよ。これは、一番の札というか、一番の入札者を落として、あなたの方は芝浦電気の二番に持っていっている。なぜ二番に持っていったか。一体斎藤商店というのは、あなたの方の指定されている業者だと思う。だから、この指定基準に斎藤商店がはずれているなら、これはやらないのがあたりまえだと思うのですが、指定基準にはちゃんと入っているでしょう。そうして一番札で安く入れているのです。それをあなたの方で——さっきから答弁を聞いていると、安くて、納期が正確でなければならない、よくなければならない。これはわかる。ところが、納期は、そのときには、こんなに斎藤商店にせかなければならないことはなかったはずだ。それから安いということ——いいか悪いかということになると、僕らは技術者でないからわからないが、どうもこれは斎藤商店を当て馬に使っているような傾向があるのだな、あなたの方は。そうでないですか。こんなふうに、一番に落とさずに二番に落とさなければならなかった理由は、どこにあるのですか。理由がはっきりすれば、二番でも三番でも仕方がないでしょう。会計検査院は、二百何十万か不経済になったと指摘している。あなたの方は、不経済でない、むしろこれはよかったのだと言っている。会計検査院は、二百何十万か不経済だと指摘していますね。会計検査院の御意見をもう一回伺いましょう。
  24. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 今の電気局長からの御説明は結局入札制度をとりましたために、そうでなかった場合よりも、ある程度安くなったということをおっしゃっておられることだと考えます。ここでは、この一番札をとったならば、ここに書いてありますように、二百余万円さらに節減できたということを申し上げておるわけでございます。それで、一番札をどうしてとれなかったか。初めの要求は、なるほど納期が一月の末までに間に合わせろ、こういう要求でございましたから、入札するとき、初めの要求通りならば、入札した結果の一番札は、これは実際一月の末に間に合わすべきものを、三月十日でなければ間に合わないという条件でもって入札しておりますから、そもそも初めの希望納期には間に合わないということは言えると思います。しかし、入札した当時におきましては、すでにこれを取りつける変圧器の方の納期がおくれまして、三月十日以降になるということがわかっていた状況でございますので、部内の連絡がよければ、納期変更し、従って、第一番札の安い斎藤商店——斎藤商店といいますが、これは高岳製作所という一流のメーカーの代理店として入札しておるのでありまして、ことに指名をしておる状況もありまして、必ずしも製品において劣ることもなし、なお納期も、当時の状況としては、一番札の斎藤商店に落としてもよかったのではないか、こういうふうに申し上げているわけでございます。
  25. 小川豊明

    小川(豊)委員 副総裁、今の会計検査院の答弁をあなたもお聞きになったと思う。僕らは、今聞いておっても、納期は一月中だ。しかし、三月十日までには、これと関連しておる変圧器というものは、納まらないことがすでにわかったというのでしょう。それならば、これは何も一月中でなければならないという理由はないはずだ。そうして片方の方が安い。しかも、入れているのは、あなたの方でちゃんと基準に沿って指定されてある業者である。そこで僕らは疑問を持つ。なぜ高い方の二番札の方に落札したのですか。落札しなければならぬ理由というものが明確でないから——理由は、今の答弁では納期だ。高い、安いはなら、安い方にきまっている。納期はそんなに必要としなかった。あなたの方で、これと関連しているものは、三月十日に納まらないことがすでにわかっているのだから、斎藤商店の安いものを三月十日までに入れさせればよいわけです。それをなぜ二番札の高い方に入れさせたか。われわれは疑問を持ちます。どうかあなたの方から答弁して下さい。
  26. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 その点は、部内の担当係官の連絡が悪かったために、そういう結果になったのだと思います。その点は、まことに遺憾に存じております。
  27. 小川豊明

    小川(豊)委員 それでわかったですよ。ぼくのお聞きしようと思ったのは、こういう場合に、これは、あなたの方の契約担当者と技術担当者連絡がうまくつかない。その結果がこういうことになったのだ。ぼくもそう想像しております。それならいいですよ。
  28. 久保三郎

    久保委員 会計検査院に聞きますが、国鉄が、今の弁明というか説明があったように、斎藤商店を退けたのは納期の問題ばかりではない。いわゆる信用がおけない、経験がない、というようなのだが、会計検査院が、検査当時はそういう理由を申し述べてあった。そうすると、今この報告だけでは、会計検査院は、入札納期がおくれたというだけでやったことは不当である、こういう意味で指摘しているわけですが、その他の用いられる理由はない。今国鉄の方でその他の弁明に用いられる理由はない、こういうお考えで報告されているのですか、どうなんですか。
  29. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 先ほどもちょいと触れたのでありますが、製品の信頼度、信頼が持てなかったということが一つの理由になっておるかと思いますが、実は、この五十四個の入札をしまして五個をとりましたのは、その五個分については、ほかの製作業者が納期に間に合わなかったということでとったのでありまして、必ずしも斎藤商店の納めるものに自信が持てなかったというふうには、私は見ておらないのでございます。と申しますのは、この斎藤商店の納めるものは、先ほども申しましたように、高岳製作所という一流会社の作るものでございます上に、この会社指名いたしまして入札に参加さしたといういきさつもございますし、なお、資材局からとりました資料によりますと、この斎藤商店の作りますものにつきましても、性能はよいという資料も出ておりますので、そのほかの点を考慮する要はないというふうに考えております。
  30. 久保三郎

    久保委員 そこで、斎藤商店には屋内用五個を契約しているようなんですが、これはどういう関係ですか。
  31. 川本勇

    ○川本説明員 今のは屋内用でございますか。
  32. 久保三郎

    久保委員 そうです。
  33. 川本勇

    ○川本説明員 質問の趣旨がよくわかりませんでしたが、申しわけございません。
  34. 久保三郎

    久保委員 あなたの方で出しておるもので、三十三ページの一番下の欄に、斎藤商店として五個採用しているわけです。これはどういうわけで契約したのですか。
  35. 鈴木滋

    鈴木説明員 お答えいたします。ただいまの斎藤商店のうち、五個採用いたしましたのは、ほかのいろいろな点もございますが、主として、今問題になりました納期が、比較的他の業者のものよりも早かったという点でございます。
  36. 久保三郎

    久保委員 いずれにしましても、今のような説明では、どうもちょっとわれわれは了解がしにくいのであります。会計検査院は、この報告書通りに間違いがないのだ、斎藤商店も一流メーカーであるという資材局の報告もとっているということなんで、先ほど小川委員がおっしゃったようなことが原因だと思うのです。それなら、そのように率直に一つ表明すべきではないかと、私は思うのです。そうでないと、大へん疑惑が出てきて、いずれこれに関連してお尋ねしますが、車両発注についても、いろいろ技術陣営の中に意見が出てきて、分散してやろうと思ったら、分散ができないので一社にやらすとか、そういうことを最近何かの新聞で見ましたが、そういうことはありますか。どうなんです。
  37. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 現在車両の発注につきましては、できるだけばらばらにやらないように、なるべく一括するようにやっておる次第でございます。その方が経済的であると思います。
  38. 久保三郎

    久保委員 それでは、その問題はあとにします。  次に指摘事項の四八九号の扇風機のことです。扇風機は、これまた変な購入をしたものだと、私は思うのです。これは先ほどの説明で大体の概況はわかるが、準備要求調達の方がうまくいかなかったということが結論のようでありますが、大体川崎重工か何かにやらせているようだが、これは扇風機の専門会社ですか、どうなんです。
  39. 川本勇

    ○川本説明員 お答えいたします。この車両用扇風機は、普通にございます市販品と電源が違いまして、普通の町にあります扇風機は、交流で動くのでございますが、ここで問題になりました扇風機は、直流で動きます電車にっける分及び客車につける分でございまして、市販品の扇風機と全然構造を異にしております。それで日本といたしましては、かような扇風機を作っておりますのは、特殊の会社に限られております。
  40. 久保三郎

    久保委員 この扇風機は、納期がおくれた。しかも、その納期変更は、途中で承認したのですか。
  41. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 この扇風機の購入につきましては、購入計画などが適正を欠きましたために、そのうち一部の取りつけを完了し得なかったものが出て参りましたことは、まことに遺憾でございまして、今後は早期購入をはかりまして、このようなことのないように十分注意をいたしたいと存じております。
  42. 久保三郎

    久保委員 これはその年には使用にならないで、次年度取りつけて、その間取りつけらるべき車両は、扇風機なしで走ったということになりますか。
  43. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 一部の車両は、そういうようなことになったわけであります。
  44. 久保三郎

    久保委員 取りつけらるべき車両は、どういう車両でしたか。
  45. 川本勇

    ○川本説明員 これは主として、東京周辺の通勤電車が非常に込みまして、大へん夏は暑く、御迷惑をおかけしておりますので、それに、もともとはついていない設計でございましたが、夏非常に著く、サービスが低下いたしますので、それを改・善するために計画いたしました。従いまして、その電車は、もともとの設計はついていない電車でございます。
  46. 久保三郎

    久保委員 まあそれならばいいでしょう。  次にお尋ねしたいのは、先ほども指摘がございましたが、死過蔵品がたくさんある。それから監査委員会指摘事項でも、死過蔵品の処理が適切を欠いているものが多い、こういう指摘事項があるのですが、そこで、これは資料要求でございますが、三十二年から三十四年度下半期までの間に、規格その他が合わぬで、いわゆる手違いで購入して払い下げたもの、それからおも立った払い下げ品は、どういうふう玉もの奮るか、それから払い下げ先、それを資料として出してもらいたい。
  47. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 承知いたしました。
  48. 鈴木正吾

    鈴木委員長 森本靖君。
  49. 森本靖

    ○森本委員 ちょっと国鉄当局にお尋ねしておきたいと思いますが、国鉄の無料パスは、今一体どのくらい発行されておりますか。
  50. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいまお尋ねのございました無料パスということの意味でございますが、それは職員に対するものでございますか、それとも、職員以外の者に対する無料パスという意味でございましょうか。
  51. 森本靖

    ○森本委員 私が聞いております。のは、職員以外の無料バスです。
  52. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 まことに申しわけありませんが、今手元にその資料を持っておりませんので、後ほど数字を調べまして申し上げたいと存じます。
  53. 森本靖

    ○森本委員 むろん国会議員の場合は法律によってなっているわけでありますが、それ以外に一等、二等、三等というふうに、それぞれそれを受ける人の職分といいますか、地位といいますか、そういうことによって、いろいろの種類が出ているわけでしょう。たとえば、一つの一等パスなら一等パスだけが出ているというようなことでなしに、一等、二等、三等というふうに分かれて出ているのじゃないですか。
  54. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 職員以外の者で、法律に基づいて出しているものは別といたしまして、それ以外のパスというのは、ごく大まかに申しますと、国鉄の何らかの関係委員会委員になっておられる方とか、あるいは国鉄業務を嘱託している方とか、そういうような方にお出しするのが大部分でございますが、それぞれのお出しする方々の社会的地位、あるいはその他の事情によりまして、等級の差別があることは事実でございます。
  55. 森本靖

    ○森本委員 それじゃ、それの一覧表を資料としてお出しになれますか。どうも私なんかが聞くところによると、国鉄が出しておるという枚数と、おらももらっておるというふうな枚数とが、ちょっと違うような感じがするわけですが、委員会に対して、正規の無料パスを出しておるところのものを、資料として御提出が願えますか。
  56. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいまお話のありましたような資料を、調製いたしたいと思います。
  57. 森本靖

    ○森本委員 それからもう一つ、ちょっとこの際、国鉄に聞いておきたいと思います。鉄道の食堂車の件ですが、この食堂車については、これは大体入札制度でやっておるわけですか、どうですか。
  58. 兼松学

    ○兼松説明員 お答えいたします。入札ではございませんで、一般の個別の契約でやっております。
  59. 森本靖

    ○森本委員 これは随意契約ですか。
  60. 兼松学

    ○兼松説明員 法律的には随意契約の性格でございます。
  61. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、今この食堂車を経営しておる業者は、国鉄関係するものは大体どのくらいありますか。
  62. 兼松学

    ○兼松説明員 日本食堂会社とそれから帝国ホテル、新大阪ホテル等数業者でございまして、数は限られております。
  63. 森本靖

    ○森本委員 数業者というのは、大体幾つありますか。
  64. 兼松学

    ○兼松説明員 四社でございます。
  65. 森本靖

    ○森本委員 今おあげになった日本食堂と帝国ホテルと新大阪ホテルと、それ以外のもう一つはどこですか。
  66. 兼松学

    ○兼松説明員 京都の都ホテルでございます。
  67. 森本靖

    ○森本委員 これ以外に希望が出ておるのはないのですか。国鉄に対して、やらせてもらいたいという希望が出ておるところはないんですか。
  68. 兼松学

    ○兼松説明員 一般的な希望としては、特に取り上げるものはございません。ほかに、新たに上越線に運転される場合には、という条件付で一件希望が出ているのがございます。
  69. 森本靖

    ○森本委員 こういうのは、大体希望をとって随意契約をするわけですか。それともどういうふうに公募しますか。おそらくこの日本食堂、帝国ホテル、新大阪ホテル、都ホテル以外に、やはりやってみたいという業者がかなりおると思いますが、そういう点については、あなたの方ではおわかりになっていないわけですか。
  70. 兼松学

    ○兼松説明員 食堂車の営業につきましては、戦前各社に分かれておりましたものを、戦時中に統合いたしまして、各社で共同して作られたのが日本食堂でございまして、それぞれのいきさつにかんがみまして、原則としては、日本食堂会社がやって参ったのでございますが、戦後、さらに諸方面の御勧告も十分拝聴いたしまして、日本でのごく一流の、サービスの水準の高い業者を入れて競争さした方がいいということで、信用のある事業者と社会的にも認められておりますものを、委員会にもお諮りして入れましたのが、現在の日本食堂以外の三社でございまして、将来同様な事態が参りました場合にも、十分事情を聴取して、公正な処置をとりたいと考えております。
  71. 森本靖

    ○森本委員 それで、大体食堂がほとんどだと思いますが、線路別の各業者の乗っておるところというのは、資料としてお出し願えますか。
  72. 兼松学

    ○兼松説明員 後刻御提出いたします。
  73. 森本靖

    ○森本委員 それから、この四業者の場合、どの路線でも、大体物品の価格は統一せられておりますか。
  74. 兼松学

    ○兼松説明員 価格自体は、全体として国鉄承認をいたしておりますけれども、地方の事情、列車の種類等によりまして、販売商品には数種類を設けておりますので、列車によりまして値段が違っておる場合がございます。
  75. 森本靖

    ○森本委員 いや、私の言っておるのは、同一の飲食物で列車に積んでおる場合は、どこでも一緒ではないか、こういうことです。
  76. 兼松学

    ○兼松説明員 同一というお言葉が、定食というような言葉でございましたら、違うのでございますが、ライスカレーというような言葉でございましたらば、ほぼ似たことになろうと思います。
  77. 森本靖

    ○森本委員 私がそういうこまかいことをなぜ聞いたかと申しますと、大体今の食堂車というものは、独占的な性格を帯びて運営せられておる。しかも、国鉄と古くから密接なつながりを持っているというところで、新しい業者がかりに入り込もうというふうに考えても、入り込む余地がない。しかし、実際には、その品物の種類というものは、だれがやってもできるというふうな品物である。そうなると、これを随意契約にして固定した業者をきめなければならぬという理屈は、食堂車として成り立たない。しかも、その食堂車のものが、比較的高過ぎる。そういう観点からいくならば、国民に対するサービスという観点からいくならば、これを随意契約で、独占的な性格にしておくということは、将来にとっても非常におかしい情勢ではないかというふうに考えて、特に質問をしたわけであります。今あなたの方から、随意契約でこれをずっとやっておるということでありますが、何か一つ公募してやるというふうな方法はないものですか。
  78. 兼松学

    ○兼松説明員 それらの点につきましては、従来もいろいろ議論されたところでございまして、列車内のサービスというものは、やはり一定の鉄道のサービスの一部でございますので、私どもとしては、信用のおける事業者に経営してもらいたいという気持を非常に持っております。将来、その契約方法等につきましては、私どもの方でも、いろいろそういった問題に対してお諮りいたします委員会もございますので、そういうところの御意見も拝聴して、具体的な方法を考えたいと存じますが、現在の状況で、一般公開入札というようなことは、やはり仕事の関係上適切ではないのじゃないかと考えます。
  79. 森本靖

    ○森本委員 それは国鉄が、従来の長い経験からして——長い経験というよりも、私が言いますならば、長いつながりによって、公開入札するのはまずいという考え方を持っているのじゃないかと思うわけであります。私の言う通り、これを公開入札にしてやるならば、必ず値段をかなり下げてもやれるのじゃないかという気もするわけであるが、きょうは、時間がありませんから、その程度で置いておきたいと思います。  ちょっと参考までに聞いておきたいと思いますが、あの食堂車の賃貸料というようなものは、どうなっていますか。
  80. 山崎武

    ○山崎説明員 会堂車の賃貸料は、構内営業の賃貸料と同じでございまして、現在一律に売り上げの千分の三十五ということになっております。これは時勢に応じて絶えず改定していかなければならないもので、昭和年三十五年度改定の時期でございますので、もう一度あらためて検討いたしたいと思います。
  81. 森本靖

    ○森本委員 これは、どこの業者がやっても千分の三十五という形ですか。
  82. 山崎武

    ○山崎説明員 さようでございます。
  83. 森本靖

    ○森本委員 これはこまかくついていくとかなりおもしろいのですが、きょうは時間がありませんので、私はやめておきますが、こういうふうに、すべて食堂車の分については、何も随意契約をして、ずっと集中的にそのものにしてやらなければならぬという理由が、こういう問題一つ一つ出していくと、ないわけです、率直なところ。これは詳細に検討してみると、ただ国鉄の方が、長い間のしきたりとつながりによって、今の日本食堂が一番よろしいという考え方に立っておるだけであって、かりにそれ以外の業者が出てきて、これよりもっと安くやって、もっとうまいものを食わせようといっても、この経費を同じように払うということならば、もっと研究、工夫をして安くなろうということはあると思う。しかし、実際には、今常務理事が言われましたように、今そういうふうにはなっておらぬ、こういうことでありまするが、これは私は、一つこの食堂車の例をとってみても、まだほかに資材の発注問題におきましても、あるいはまた建設問題におきましても、大体国鉄というところは、なかなか部外の業者が入りにくいところであるというのが、これはもっぱらの評判であるし、うわさであるし、とにかく部内につながりを持っておるものか、あるいはまた長い伝統でつながりを持っておるか、そういうものでなければ、新しく国鉄の中なんかに入っていくということは、非常に困難であるということを、よく耳にするわけであります。特にこの食堂車なんかについては、ほとんど独占的な性格を帯びておるわけでありますが、こういう問題については、一つ将来よく検討してみて、もっと安く、またもっと工夫をして、うまいものを食わせるというような形になるならば、今の随意契約、あるいはまた日本食堂一本に限るというふうな形のものを改めてもいいんじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、この辺はどうですか。
  84. 山崎武

    ○山崎説明員 御参考になりますかどうですか、実は日本食堂会社といいますのは、生まれたときから一本ではございませんで、昔は東洋軒、東松軒、伯陽軒、その他各地方に分かれて、業者が六軒ございました。ところが、ただいま先生がおっしゃいましたように、競争によって値段を下げて、サービスを向上するという見方で私たちも参ったわけでございますが、かえって競争するために品質を落とし、また、各自でむだな金を使うごとになったわけです。そのときの事情を今よく存じませんですけれども、世間の方から、非常にサービスが低下したというお話がございました。これでは国鉄として監督がはっきり把握し切れないんじゃないかという心配がございまして、ちょうどそのときに、物資の関係もありまして、一本になったわけです。一本になりますと、私どもの監督が非常によくできますので、ただいま御指摘の、非常に高くてまずいというお話でございますけれども、いろいろ材料関係から見まして、大体あの程度でいいんじゃないか。監査も十分厳重にいたしております。食堂車別に申しますと、年に二回か三回は、常に衛生方面、サービス方面、材料方面、全部見ておりますので、かえって一本の方がいいんじゃないか。ところが、ただいま常務から御説明申し上げましたように、一本になると、独占的になって、何かいい気持であぐらをかいているという話がございましたので、競争のできる線を、一つ資力、信用の十分なものに許可をして、その結果を見ようじゃないかということで、たとえば東海道線でございますと、つばめ、はと、同じような時間で走っております第一こだま、第二こだま、あさかぜ、さちかぜという工合に、競争できる線を選んでやらしたわけであります。これは部外団体等公正委員会のいろいろな御意見を承りまして、現在やっておるわけでございます。そういう競争によりまして、非常にいいという面も現われております。しかし、新規業者でございますので、衛生設備とかサービスにつきましては、なかなかまだ至らぬ点がございます。世間様から、どうも食堂の食べものはまずくて高いというお話を、御指摘をたびたび受けておりますので、列車別に厳重に監督いたしておるわけでございます。  なお、これは蛇足と思いますが、食堂車の製品と申しますのは、食堂の中で調理がなかなかできないわけです。一時間か二時間の間にお客さんが来て、どっとばかりに定食なんか御注文なさるわけでございますから、一応半製品を持ち込みまして、車の中では暖めるという程度にいたしておりますので、あるいは味の点においてはいろいろ皆さんの御不満を買っている点があるのではないか、こういう点は、今後絶えず注意いたして参りたいと思います。
  85. 森本靖

    ○森本委員 この日本食堂に、旧国鉄職員関係の方が入っておりますか。
  86. 兼松学

    ○兼松説明員 一部入っております。
  87. 森本靖

    ○森本委員 どの程度入っておるか知りませんけれども、今なかなかいい説明がありましたけれども、そういう面の考え方もあるでしょう。そういう面の考え方もあるけれども、これが独占的な性格になって、非常に官僚的になっておるという面も見えないことはないのです。これはやはり競争してサービスをさすという考え方に立っていくならば——私が言いましたように、公開入札とか競争入札とかいうことになれば、やはり意気込みが違ってくると思うのです。何だか、あなたも若干認めておると私は思いますが、一つの独占的な性格にあくらをかいているという気がして仕方がないわけです。これは具体的にその内容を事こまかく追及していかないと、今あなたがおっしゃったような答弁で、それで済んでしまうわけでありますから、きょうはこの程度にしておきますが、しかし、これは、この食堂車の問題だけでなしに、その他の資材発注の問題にしても、あるいはまた建築関係にしても、あるいは工事の問題にしても、あらゆる問題について、国鉄の内部については若干そういうことが言えるのじゃないかという点があるわけであって、そういう点は、事こまかく追及していかないと自然に出てこないわけでありますから、きょうは、私は同僚委員質問を譲って、この程度で終わりたいと思いますが、この食堂車一つをとってみても、確かにあなたの言い分は、一面はあります。一面はありますが、私の言っておる面も、一面はあろうと思う。だから、そういう面については、やはり国鉄としても十分に検討をし、いかようにしたらこれがほんとうに国民にサービスになるかということは、もっと検討してみる必要があるのではないか、私はこう思うわけですが、その辺はどうですか。
  88. 兼松学

    ○兼松説明員 御趣旨を体しまして、十分検討してやっていきたいと思います。
  89. 鈴木正吾

    鈴木委員長 次に小川豊明君。
  90. 小川豊明

    小川(豊)委員 国鉄運営の一般的な問題について、総裁、副総裁にお伺いし、その次に、具体的な問題でまたそれぞれお尋ねしようと思いますが、この国有鉄道が、元の鉄道省、今の運輸省ですが、ここから分離して、公共企業体になっているわけですが、この分離したという基本的な理論といいますか、必要というのは、どういうところから来ているわけですか。
  91. 十河信二

    ○十河説明員 国鉄は、申すまでもなく公共的の性質を多分に持っております。一面に公共的性質を多分に持っておりますと同時に、事業でありますから、事業経営の企業的精神も持たなければならぬ。そういう公共的の性格と企業的の性質との両方いいところをとろうというつもりで、公共企業体というものにせられたのじゃないかと存じます。今日、その通りに、両方のいい面を必ずしも全部取り入れていると申しかねること、はなはだ遺憾でありますけれども、そういう趣旨でできたものと信じております。
  92. 小川豊明

    小川(豊)委員 総裁が、公共的性質と企業精神とを兼ねたものである、しかし、その精神は完全に兼ねているかと言われればそうでもないと答えられたので、私はお聞きしようと思っていたのですが、これはもう解決したみたいになってまことに困るのだが、そこで、これは従って、独立採算をとるのがやはり建前ではないですか。この点は、どうなんですか。
  93. 十河信二

    ○十河説明員 法律でもって独立採算を要請せられておるのでありますから、独立採算はやらなければならぬと考えております。
  94. 小川豊明

    小川(豊)委員 法律できめられておるから、独立採算をやらなければならない。そこで、今の国鉄運営の方向は、この独立採算の方向、思想、そういうものを十分に取り入れた形で運営されているとお考えでしょうか。
  95. 十河信二

    ○十河説明員 この点もまたはなはだ遺憾でありますが、必ずしも独立採算的に、国鉄が、企業的に引き合うからこれをやる、赤字だからこれをやめるというわけには参っておりません。多分に公共的の性格の方が強要せられております。赤字でも何でも社会公衆のためにやらなければならぬということでやっておる面が、相当多いと考えております。     〔委員長退席、井原委員長代理着席〕
  96. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこで私は、国有鉄道として分離したのには、もちろん公共的性質もあるけれども、独立採算というものを相当尊重しなければならない、すべきであるから分離したのだ。そういう点から、公共性が非常に出て、独立採算の方はかなり軽視されておる傾向が、今日非常に強いじゃないか、こう思うわけです。もし独立採算を中心にして考えるならば、これは割に合わないことはやらないわけなんだ。公共を考えるから、公共的性質という点から、割の合わないものもどしどしゃっていく、これは公共的性質だ、こういうことになるのですが、たとえば運賃一つを見ても、運賃は、容積と重量できめられていくものでしょう。そのほかに何かあるわけですか。大体そうだろうと思うのです。これはあとでお聞きするが、そうすると、この運賃にも、たとえば農産物のようなものは、非常に安くしてあります。これは一つの公共的性格を持たしたというのかそれとも国の政策を織り込んだというのか、そういう点で安くしてある。この間の伊勢湾台風のときにも、救援物資は無料で運んでおるわけでしょう。これもそういう意味でやったのだろうと思う。しかし、今度は別な面の独立採算という点からいえば、そういうことは、国家の要請に応じてやっていくことなんだから、運賃は運一賃、国家はそれに対して援助するなら別に援助するという形をとった方が、独立採算の性格がはっきり出てくるんじゃないかと思うのです。この点は、総裁はどうお考えになりますか。
  97. 十河信二

    ○十河説明員 独立採算と申しましても、国鉄は、たとえばお客さんも、四十数億人を運んでおります。貨物も、たくさんの種類の貨物を送っております。その独立採算という趣旨は、全体で総合的の独立採算という趣旨であります。必ずしも一つ一つ、これは赤字だ、これは黒字だというふうなことにはなっておりません。しかしながら、今日この独立採算が非常に危うくなっておる。いろんな公共的の要求があまりに強くて、企業的性格が少し押されておるという気味が多分にある。これを改めることが必要である、こう考えますので、そういうふうな方面に極力努力いたしております。微力にして、まだそこまで実績は上がっておりません現状でございます。
  98. 小川豊明

    小川(豊)委員 この点の議論をしていくと、質問でなく、議論になって長くなるからやめますが、国鉄としては、独立採算というものをもっと真剣に考えるべきではないか。  次に、国鉄にはいろいろな機関があるようです。たとえば運賃審議会とかあるいは建設審議会とか、国鉄監査委員会、こういうのが幾つかあるようです。これは内部の機構でしょうが、こういうものは幾つぐらいあるのでしょうか。
  99. 兼松学

    ○兼松説明員 今仰せの監査委員会というのは、法律上に基づく国鉄の機関として、運輸大臣の御任命で設置されたものでございます。それから恒常的なものといたしましては、私どもの国鉄の機関としては、諮問委員会といって、内外の方の御意見を伺うものを持っております。それからあと、たとえば民衆駅等運営委員会とか、あるいは部外団体等公正委員会というような、それぞれの特定目的のものが他に四つ、五つございますので、いろいろの種類のものをまぜまして、七つ、八つということでございます。
  100. 小川豊明

    小川(豊)委員 七つ、八つというが、ちょつとその名前をあげて下さい。
  101. 兼松学

    ○兼松説明員 私たちの方の恒常的のものとしては、今申し上げましたように監査委員会は法律に基づくものでございます。それから民衆駅等運営委員会というのがございます。それから日本国有鉄道土地建物等評価委員会、それから高架下管理刷新委員会、それから請負業者資格者及び指名中央審議会、志免鉱業所調査委員会、それから車両購入価格調査委員会というようなものが、おもなものでございます。そのほかに博物館の関係委員会とかいうような、特殊の目的のものもございます。
  102. 小川豊明

    小川(豊)委員 監査委員会は別として、これらの委員会は、総裁なら総裁が任命して、総裁一つの諮問機関ですか。
  103. 兼松学

    ○兼松説明員 総裁が委嘱いたしまして、御意見を拝聴する機関に主としてなっております。
  104. 小川豊明

    小川(豊)委員 それから、昭和三十二年度国鉄の監査委員会の報告書並びに昭和三十三年度の報告計、これらを通じて、国鉄の財政、国鉄の経営全般における問題点が指摘されているが、この中で三十二年、三十三年を通じて国鉄にいわれることは、要約すれば、経営の合理化と長期計画の確立、この二つが焦点になってくるように思われるわけです。そこで長期計画の樹一立にあたりまして、国鉄は五カ年計画というものを立てて、輸送力の増強の一ために三十二年度から出発したわけですが、これは国鉄収入の伸び悩みが原因だろうと思うが、三十三年度末で、もう工事の四%がおくれを見せている、こういうことを聞いておる。そこで、まずこの国鉄の五カ年計画の進行状況、おくれを見せているのか、見せてないのか、見せているならば、そ一の原因はどこにあるか、その原因をお聞きしたい。
  105. 兼松学

    ○兼松説明員 お答え申し上げます。五カ年計画は、当初約六千億円の計画でスタートいたしましたので、年間は約千二百億円の平均投資でいくという計画でございました。ところが、三十二年度予定いたしましただけの収入が上がりませんのと、その後仲裁裁定等で経費の増等もございまして、一部おくれを見せて、平均いたしまして、毎年約千億円の投入となっておりますので、現計画に対しまして、五年が約六年かからざるを得ないというような現状になっております。当初の計画から見ますと、三十五年度で、第四年度目でございますか、五カ年ならば、八割というところが目標数字でございますけれども、現状では七割を少し切りました六七%ということが大体目標で、約六七%ないし七〇%の完成というふうに予定いたしております。
  106. 小川豊明

    小川(豊)委員 五カ年計画がおくれを見せ始めたのは、昭和三十三年度なんです。この年の予算上の計画目標をどこに置いているのか。さらに三十二年度の監査報告雷の二十三ページ、三十三年度の報告書の百四十五ぺーツにこの関係数字が出てくるが、これは予算の数字が明らかでない。この点を一つ説明願いたい。
  107. 兼松学

    ○兼松説明員 三十二年度予算額は——全部を足しまして千七十二億円でございます。しかし、決算額が九百八十八億円でございます。三十三年度は、非常な減収もございまして、予算としては千六十二億円を見ましたけれども、決算としては九百二十八億円でございました。
  108. 小川豊明

    小川(豊)委員 この三十二年度決算における実績と比較して、この年のおくれているのは、これはどういうふうな状態なのか。さらに三十四年度予算計画の進行状況はどうなっているか、この点。さらにもう一点、三十二年、三十三年度で出した二百三十五億円という工事不足の取り戻しというのは、ほとんど困難ではないか、こうわれわれは見ているのです。そのために国鉄首脳部は、この五カ年計画の修正もまたやむを得ない。こういう考え方になって、計画の一年延長、あるいは事業計画の縮小、こういうことになったとも聞いておるが、これは一年延長なり縮小なりを決定したのかどうか、この三点をあわせてお聞きしたい。
  109. 兼松学

    ○兼松説明員 三十三年度は、国鉄といたしまして予算より収入が百五十数億減少いたしました。貨物収入の大きな減少のありました年でございますが、かたがた、一方において仲裁裁定の実施によるものと、両方の理由から、資金上の詰まりでおくれて参った『ような次第でございます。三十四年度は、大体予算通り順調に進んで参りましたっもりでございます。このおくれにつきましては、今回も、予算のときに、何とかして五カ年で完成したいということで、財政投融資につきまして特別のお願いをいたしたのでございますが、何分にも、国鉄工事経費のほとんどが大きな借入金でできておりますために、財政投融資の限度で、現在のような計画になりました。まだ来年度のこともございますので、私どもとしてここで決定的なことを申し上げるのはいかがかと存ずるのでございますが、もし今日までの歩調で参りますならば、約一年のずれを見ざるを得ないのではないかという見通しでございます。  なお、この点につきましては、当初に立てました五カ年計画自体が、決して国鉄改善がそれで終わるという性格のものではなくて、この五カ年間に新たな非常な御要望も各地に出て参りました、また、国鉄の近代化の必要も強くなって参りましたので、この最終年度を含めて、さらに引き続いての長期計画をして改善していかなければならないではないかということで、現在関係方面ともいろいろ御相談をしている段階でございます。
  110. 小川豊明

    小川(豊)委員 今度は、指摘された報告書に基づいてお尋ねしますが、この四七九号は、会計検査院側は、国鉄が川崎の火力発電所建設の予定価格積算で、鋼材価格調査が不十分のため、約五百七十万円高価になった、こう批難している。これに対して、あなたの方では、一部に誤った計算等があった点は認めていますが、入札にあたって、第一回、二回は落札者がなく、第三回に日立造船株式会社が辞退したので、残った三菱造船株式会社に種々折衝の上、かろうじて契約を締結したので、この価格以下の契約は事実上困難であった、このような事情であったので、この程度予定価格は不当なものであったとは考えない、こうあなたの方では述べていますね。そうすると、会計検査院の批難に対して、あなたの方では異議がある、こういうふうに言っておるわけです。この件について、あらためて会計検査院国鉄側の所見を、あわせてお伺いしたい。
  111. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 国鉄側の弁明では当時造船ブームのために鉄鋼等も、建値が強調の気味であった。なお、当時東京電力株式会社の総価をも参考として予定価格算定したというふうに言われておりますが、この東京電力株式会社の総価を参考にしたと言われます分は、本件契約が三十二年の一月でございますのに対しまして、御参考にされました分と申しますものは、東電千葉火力第三期の工事のものをさすと思われるのでございますが、これは工期が三十二年の五月から三十三年の一月までの期間にわたるものでございまして、それと本件とを比較いたしますと、総価におきましては、東京電力の千葉火力第三期の分がトン当たりにしまして二十六万六千円に対し、本件が二十六万七千円というようなことでもって、大して違いはないわけでございますが、実は同じ東京電力株式会社が、それより前、本件契約一時期と大差ない時期に契約した分がご一ざいます。それを参考に申し上げますと、東京千葉火力第一期工事、第二期工事、新東京第二期工事、これらは、それぞれ工期が三十年十二月一日から三十一年八月三十一日まで、三十一年六月三十日から三十一年十二月十五日まで、三十一年十一月一日から三十二年七月三十一日までというような状況で、あと二つの分につきましては、本件の工期とそれほど違った時期ではないものでございます。これによりますと、トン当たり価格は、御参考になりましたものが二十六万六千円というのに対しまして、新東京第二期の分は二十万五百六十七円、千葉火力第二期の分は十五万七千八百三十円ということでもって、本件トン当たり単価よりも相当安くなっておる状況でございます。  なお資材につきましても、実際この工事を請け負いましたところにつきまして、どこから入手したかということを調べてみますと、この検査報告に載っておりますトン当たり六万一千円から七万九千円の範囲内におきまして、現実に資材調達しておるような状況でございます。  それから資材費その他において高くなっておるんではないかというふうなことも考えられるのでありますが、これも、ただいま申しましたこの工事とほとんど同時期の東京電力株式会社がやりました千葉火力第一期、新東京第二期、それから千葉火力二期の分の工事費の単価は、かえって本件予定価格積算の単価よりも安くなっておる状況でございます。  全体といたしまして、さらに努力をいたしますれば、ここに書いてある程度の節減はできたもの、かように考えております。
  112. 柴田元良

    ○柴田説明員 お答えいたします。こ  の工事は、国鉄が初めて経験をいたしました約七十メートルというような高い煙突を作ります工事でございまして、経験がございませんでした。従いまして、一般の同建築をいたしますときといささか趣を異にいたした次第でございますが、本工事に採用いたしました鋼材が当時、御指摘通りに、建値で申しますと確かに低かったのでございますけれども、現実には、三十二年の一月は、ちょうど非常に鋼材の最高の時期でございまして、建値と市価をどう調整するか、非常に悩んだわけであります。現実には、なかなか建値で鋼材が入らない。特にこれに使いました鋼材は、一般の普通の構造用の鋼材ではなくて、特別に溶接のために作ります特殊の鋼材でございまして、そういう点でなかなか手に入りにくいという問題もございまして、いろいろと検討をいたしたわけでございました。また鋼材を使いまして煙突を作りますか、あるいは鉄筋コンクリートの煙突を作りますか、いろいろ比較などいたしたわけでありますけれども、工期一的にも、また工事費から見ましても、やはり溶接用の鋼材を使いました煙突一を有利と考えて、実施をいたしたわけであります。  鋼材の値段につきましては、私どもの調査をいたしました、また採用いたしました市価でもって積算をいたしました結果が、今もお話のございました東京電力の千葉、鶴見などの工費ともおおむね一致をいたしましたので、総価といたしましてこの価格を採用したわけでございます。  なお、今御説明のございました東京電力の二期の工事の、三十一年五月契約の時期におきまする鋼材の市価は、三十二年一月に比べまして非常に低い、建値に近いという時期であったわけでございます。  以上で御説明を終わります。
  113. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたの答弁を聞いていると、やむを得なかったということになるのですね。そこで、会計検査院は、五百七十万円高くなっている。あなたの方でもっと綿密な注意を払って市場調査をするならば、こういう高いものを使わなくてもよかったのではないかと指摘している。あなたの方では、これは、私の方ではやむを得なかったのだ、仕方ないのだ、当然だということですか、これに対して反省するところがあるというのか、どっちなんです。
  114. 柴田元良

    ○柴田説明員 お答えいたします。こういう鋼材の、特に建値と市価が非常に変動いたします時期におきます鋼材積算にあたりましては、十分注意して調査もいたし、できるだけ建値に近いもので購入いたす努力をいたすようにいたしております。
  115. 小川豊明

    小川(豊)委員 ごの問題については、会計検査院指摘をあなたは認めるのか、それとも認めないのか、どっちなんです。
  116. 柴田元良

    ○柴田説明員 私は、この工事を発電工事に間に合わせますためには、やむを得なかったと感じております。
  117. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、会計検査院指摘は当を得た指摘ではない、こういうことになるわけだ。あなたの見解はどうなんです。
  118. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 検査院として、ここに書いてありますのは、先ほども申しましたように、当時この材料というものは特殊なものでございまして、特に注文して作らせるという状況でありまして、これらのものに特に注文して作らせれば、一般の建値で購入できたという見地で報告ができております。材料費につきましては、しかも、実際この業者が尼崎製鋼、八幡製鉄株式会社から購入したものは、本院がトン当り六万一千円ないし七万九千円といっております範囲内で全部調達しておるのでありまして、そのほかの加工費につきましては、この検査報告は、国鉄当局がとられた工事費そのもので積算しておりますので、この通りで間違いないものというふうに考えます。
  119. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは対立なんですよ。会計検査院は、私の方の検査は正しかった、こう言っているでしょう。あなたの方では、これ以上やりょうがなかった、こう言うんですがね。ここでは、これはどっちかきめなければならぬ。あなたの方が、もっと注意を払うならばそういうことにならないで済んだと言うなら、今後改めるということがわかるが、これが正しかったと言うならば、これは改める必要がない。会計検査院がここにこういう検査報告を出した以上は、これは意見の対立したままおくわけにいきません。この点はっきりして下さい。
  120. 兼松学

    ○兼松説明員 ただいまの内容につきましては、いろいろ当方といたしまして困難だった事情はございますけれども、やはり会計検査院として御指摘をいただきました以上、私どもとしては、今後こういった御指摘を受けることのないように、最善の努力をするのが当然と考えておりまして、管理者側としては、そういった問題の起こらぬように今後努力いたしたいと考えます。なお、ことに積算上の誤りというような点につきましては、まことにこれは弁明のしようのないことでございまして、今後重々注意いたしましてやるようにいたしたいと思います。
  121. 小川豊明

    小川(豊)委員 そう率直に認めてもらえば、これでこの対立した意見というか、それは解決するのです。ただ私の方で申し上げておきたいのは、そういう二つの異なった意見が出たから、やむを得ず、この場では会計検査院のをのんでおけばいい、こういう考え方ではなく、これは僕はどっちか実際わからないからお聞きしているの、だから、あなたの方でこれはもっと綿密な調査をし、用意をしてかかれば、そういうことがなくて済んだとするならば、今後これはやはり十分にそういうふうにやるべきだと思うのです。  次に、もう一つこれと同じようなものがあるわけです。四八七号、これも国鉄鉄製セントル——セントルって何だかわからぬが、会計検査院の報告とあなたの方の答弁と、ここにも食い違いがある。従って、やはり会計検査院並びに国鉄側にお尋ねしてみたい。
  122. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 見解の相違しておりますという点は、こちらは、電源開発でやりました鉄製型ワク程度トン当たり価格でもって十分買えたではないかというのに対しまして、国鉄の方の側におかれましては、本件は、さか巻き工法あるいは本巻き工法というような両方とも使用できる互換性のあるもので、非常に精密なものである。従って、製作費も高くなるのだということを申しておられるのでありますが、こちらが引き合いに出しております電源開発で使っております鉄製型ワク——鉄製セントルと申しますのは、トンネルを掘りました際に、穴を掘りまして、それからその穴の回りをコンクリートで固める際に使うワクでございます。それで本件の分は、ほかへ移動いたします場合には、それを一応ばらばらに解体いたしまして、さらに組み立てて使わなければならない。それから組み立てた際には、コンクリートのおおいをするために、型ワクの鉄板をさらに取りつけなくてはならないような仕組みのものになっておりますが、本院が引き合いに出しております電源開発の分は、これは折り畳み式になりまして、折り畳んだ上でレールの上を移動いたしまして、さらに所要個所にいきまして、それを開きますと、すぐに、先ほど申しました型ワクの鉄板というものが、もうそれに取りついておるような精巧なものでございます。それから、これを作ります場合の部材も、国鉄のものは数個の部材を組み立てればよいのでございますが、電源開発の分につきましては、数十の部材を組み立てて作らなくてはならないというようなものでございまして、電源開発の方の製作費よりも国鉄の方の製作費が高いということは考えられない状況でございます。そこで、わかりゃすく申し上げますために、製品をトン当たりに換算いたしますと幾らぐらいになるかということで比較申し上げました方が、御理解になりやすいかと思いますので、製品のトン当たり価格でもって申し上げますと、本院といたしましては、国鉄購入いたしました分が二十六万二千円から二十七万六千円に対しまして、二十一万五千円程度を基準として買えたではないか、こういうふうに言っておるわけでございますが、この電源開発の分が二十一万五千円に当たっております。しからば、実際納入したこの川田工業というのが一体どのくらいで作っておるかということを調べてみたのでありますが、これは製作に要する加工費の面だけを引きまして、あとの主要材料その他につきましては、図面から見まして、国鉄の方で積算されておる数量なり単価が妥当と認められましたのでそういったものはそのままとり、それから製作加工費等につきましては、川田工業自身から提出されました資料によりまして積算いたしますと、二十一万二千円程度でできるということになっております。それから、やはりセントルを作っております青木工業という業者からも、一応本件の仕様によるものを作るにはどの程度でできるかという見積もりをとりまして、その見積もりと本件の製造の時期とが多少ずれておりますので、そのずれによる資材の値上がり等は一応参酌しまして計算してみますと、トン当たり十八万八千円というふうなことになっておりまして、国鉄の分は、製作加工費において、この検査報告に載っております通り、約二割程度高価に当たっているというふうに考えております。
  123. 小川豊明

    小川(豊)委員 これについて、国鉄の方ではかなり強く反論していますね。一つ反論の根拠を御説明して下さい。
  124. 鈴木滋

    鈴木説明員 御指摘の問題でございますが、鉄製セントルの御指摘電源開発型ワクと、私どもの方の見解といたしましては、精度その他につきまして、相当相違があると考えまするが、御指摘がありました通り、確かにこれの製作加工費につきましては、そういう点を考慮に入れましても、製作加工費自体につきましては、国鉄積算の方が高きに過ぎたというふうに私どもも考えております。それから全体の材料費その他につきましては、大体安く見ておりまして、全体の製作加工費は、プラス材料費、その他の諸掛り費というものが全体の予定積算額になるわけでございまするが、御指摘のありました通り、それらの製作加工費につきまして高く積算しております関係上、材料費代が安くなっておりますといたしましても、全体といたしまして若干割高となっておったということは、私どもも遺憾に存じておる次第でございます。
  125. 小川豊明

    小川(豊)委員 ここで指摘された事項は、もっといろいろあるはずですが、それはそれでおくとして、総裁にお聞き願いたいのは、こういうふうに、あなたの方では一生懸命やっておられるだろうが、会計検査院から指摘されたごとく、今認めておるのです。従って、あなたの方で、さっきほくも申し上げた、独立採算を基調としているなら、公共性に対しては十分に持たなければならないことを認めるけれども、内部の合理化なり適正化、こういうことについては、国鉄の最高首脳部が十分にこの点を督励して、今後こういうことのないような注意をしてもらわなければならないわけなんです。総裁の御所見はどうなんですか。
  126. 十河信二

    ○十河説明員 今御指摘のような事実のあったことを、まことに遺憾に存じます。それで、そういうことのないように、今後は市場の調査をもっと十分にやらせるように、今督励いたしております。今後はそういうことのないようにいたしたいと念願いたしております。
  127. 小川豊明

    小川(豊)委員 一つ、これはここの答弁でなく、形式でなく、ほんとうにこれは私は大切なことだと思いますから、十分にやってもらいたい。  そこでさらに、ここに職員不正行為によって損害を与えたものとして、かなりの金額、大きいのは九百八十八万円というのがありますね。そうして回収された額——補てんされた額ですね、これはきわめて微々たるものです。合計して千二百四十二万七千円という大きな金額が、不正行為によって領得されておるわけです。これに対する補てんその他は出ておりますが、この処分というのは、一体どうなっておりますか。処分というか、処置というか、これらの職員に対する処置は、どういうふうにとっておりますか。
  128. 兼松学

    ○兼松説明員 まことに異例の高額の横領事件が発見できませんでしたことで、このような損害になりましたことを、私どもとしても非常に遺憾に存じております。それで本人は、刑罰を受けた者につきましては、もちろん懲戒免職になっておりますが、その監督者に対しましても、行政上の処分を厳重に行ないますとともに、制度を改めまして、今度は銀行から直接書類をとるようにして、人を入れないような制度を作りまして、今後こういうことがないようにいたします。最高は、この問題につきましては、大きな広域の監督者につきましても処分をいたしたような次第でありまして、関係の者全部について、支社長初め全部厳重に部内の処置はいたしました。
  129. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは三十三年度を見ると、三十三年度では、三十二年度よりもこういうことが非常に減っているということは、ぼくも非常にいいことだと思う。そこでお聞きするのだが、あなた方国鉄の——ぼくは社会党にいますから、あなたの方で誤解するといかぬから言うておきますが、国鉄職員がいろいろ秋季闘争だとか春季闘争だとかいって、一日か二日職場を放棄したのがありますね。そうすると、あなた方は、これに対しては、かなり厳重な処罰を大量にやっているわけだ。そしてこういう不正行為に対する処罰というものは、むしろ私は軽きに失するのではないか、こういうことごそもっと厳重にやって、綱紀の粛正をはからなければならない、こう思うのです。何も職場放棄したからといって、それをやるなというのではない。あなたの方では、そういうものに対してはきわめてきびしく、冷厳にやっているけれども、こういう不正行為に対しては、かなり寛大な措置をとっているのではないかと思われるが、今後そういうことのないように、十分留意してやってほしい。私の質問は、これで終わります。
  130. 井原岸高

    ○井原委員長代理 日本国有鉄道関係につきましては、この程度にとどめます。      ————◇—————
  131. 井原岸高

    ○井原委員長代理 次に日本専売公社関係について、会計検査院当局より説明を求めます。平松第五局長
  132. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 三十二年度の専売公社関係について、説明いたします。  個別事項としては一六九ページに掲記してあります四七八号、職員不正行為により日本専売公社に損害を与えたもの一件でございます。これは一宮出張所の経理係員鈴木某が支払い職の補助事務に従事中、昭和三十年三月から三十三年一月までの間に、一宮市及び木曽同時に納付すべきたばこ消費税を正当額より少額に払い込み、一方職員等に対する諸給与の小切手を偽造または変造いたしまして、たばこ消費税の正当払い込み額と実際の払い込み額との差額相当額をつけ増しいたしまして、八百三十一万円を領得したものであります。  なお一六七ページから一六八ページに、事業概要と損益の状況について記述いたしておりますが、特にこれにつきまして、補足説明申し上げる事項はございません。  以上でございます。
  133. 井原岸高

    ○井原委員長代理 この際、日本専売公社当局より発言を求められておりますので、これを許します。
  134. 小川潤一

    小川説明員 専売公社として、ただいまの検査院の御指摘に対してお答え申します。  今回、三十二年度検査におきましては、不正事件としてただいま御指摘になった一項は、わが公社としては非常に驚標しました事件でございます。ここ数年間、非常に内部監査も発達いたしまして、不当がほとんどなくなつたとかなりの自信を持っていたところに、こういう事件が起きまして、まことに申しわけない次第だと反省している次第でございます。事件は巧妙をきわめておりまして、一係員が——まだ二十数才の係員でございますが、小切手あるいは支出票を偽造いたしまして、かかる事態を起こしたのでございます。弁償その他の処分、あるいは行政処分、関係処分もいたしますし、なお今後そういうことは起こらないために万全の措置を全国に手配いたしまして、お互いに反省している次第でございますが、まことに申しわけない次第だと思っております。     —————————————
  135. 井原岸高

    ○井原委員長代理 質疑に入ります。質疑の通告かありますので、順次これを許します。小川委員
  136. 小川豊明

    小川(豊)委員 お尋ねしますが、専売公社のたばこ益金というのは千何百億かになるのでありますが、このたばこ益金の中には、当然たばこの消費税も含まれて益金になっていると思う。そこで、この税金部面と完全な事業部面から出る益金と、区別がついていますか。ついていれば、教えて下さい。
  137. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 たばこの専売益金につきましては、専売納付金、御承知のようにこの計算は、公社の利益金のうちから、固定資産及び無形資産の増加額を差し引いた残額ということになっております。ただいまお話のありました地方に納めますたばこ消費税は、公社の利益を出します途中において、地方団体に支払いましたものを経費に立てまして、その引いた残りのものが公社の事業利益になり、それから今も申し上げた通り固定資産及び無形資産の増加額を引いた残りの金額が、国庫へ専売納付金として納付される、こういう制度になっております。
  138. 小川豊明

    小川(豊)委員 もっと簡単にお教え願いたいのは、国庫へ昨年なら昨年は千二百億か、納付金を納めていると思うのです。その千二百億円の国庫へ納めた納付金の中には、たとえば、しんせい一個の中には、二十七円十銭だか二十銭だかの税金が入ってますね。そういうものも含めたものが千二百億になるのか、そういうものは税金だからと別にしたものが千二百億なのか、これはどうなんです。
  139. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 昨年度予算で申し上げますと、たばこ納付金が千百九十八億円、このほかに、たばこ消費税として五百三億円というものがございます。これを合わせますと、千七百一億円というものが広い意味での税金に当たるものでございますけれども、国庫に納まる納付金といたしましては、われわれは昨年度予算でいえば、千百九十八億円というものを問題として取り上げている。この消費税の概算納付の方法は、千百九十八億を出す場合においては、経費として引いた残り、それが千百九十八億というので、千百九十八億のうちには入らずに、それを出す途中の過程において支払ったものが、ちょうど原料代や労銀と同じように、経費のような形で落とされている、こういうわけであります。
  140. 小川豊明

    小川(豊)委員 わかりました。そうすると、千百九十八億は事業益金であって、五百三億が消費税としてとってある、こういうことですか。
  141. 小川潤一

    小川説明員 ちょっと補足させていただきますが、小川委員の御質問は、きっとわれわれが称しておりますいわゆる税金部門、国庫納付金というものが初めからきまっていて、それからそのほかに専売公社の利益というものがあるのかというような御趣旨の御質問であろうと思います。これにつきましては、専売制度自身というものは、一応国会でピース四十円なら四十円と定価をお定めになりまして、それからそのピースを作る経費は、やはり国会の予算で一個九円五十銭なら九円五十銭という割合くらいになる、これは予算でおきめになります。ところが、もしそれが九円ちょうどでできまして、五十銭節約してできた場合は、小川委員はきっとそれは利益じゃないか、こういうふうにお考えと思いますが、その場合でも、専売制度というものは、今のところでは、そのコスト・ダウンした部分は専売公社の利益でありそうに見えますけれども、それはやはり全部国庫納付金として納まっていく、こういう形になっているわけであります。従いまして、税金部門が幾ら、専売公社の利益部門が幾らということは、現在の制度ではさまっていないわけです。それを最近専売制度がいろいろ問題になりまして、分けたらいいじゃないかという議論はいろいろされておりますけれども、現在の制度では、売り上げから経費を引きまして、原価を引きました差額というものは、全部税金部門、あるいは国庫納付金として、国へ自動的に納まる、こういう形になっております。
  142. 小川豊明

    小川(豊)委員 いや、私はこういう考え方をしておるのです。専売公社が、専売事業益金として千二百億くらい国庫納付金をされておることはわかっておる。そこで、それは税金の面が入って千二百億になっておるのじゃないか。事業益金で千二百億も出せるのかどうか。専売公社は出せないのじゃないかと思っておる。これは税金、いわゆる益金といっておるが、納付金でいいが、これを益金として計算しているから千二百億になるのであって、そうでなければ、そんなに余るはずはないし、そんなになるのはもうけ過ぎじゃないか、こういうふうに考えているのですが、その点は、税金も納付金に入っているのでしょう。それで千百九十八億じゃないですか。そうすると、実際の税金は別ですよ。事業益金じゃありませんものね。そうでしょう。だから税金が益金というのはおかしい。税金は、国民が納めるのをあなた方が代理でとっているのだから、従って、専売制でやっているのだから、事業益金はないのがほんとうじゃないか。ないじゃないか。それを益金々々と言っておるが、これは納付金でもいい。おかしいじゃないかと思ったから、お尋ねしたのですが、どうなんですか。
  143. 小川潤一

    小川説明員 御指摘通り、そんな大きな利益というものは、いわゆる間接税に相当するものでございまして、ピースでも、四十円のうち、九円九十銭が原価で、あと三十円十銭というものが税金とも申せますし、利益金とも申せましょう。ただ、公共企業体の——さっきの国鉄のお話じゃないけれども、企業性という建前から、一応損益計算というものを作りまして、それを利益という形で一応仕切りまして、その利益分は全部自動的に国へ納める、こういう形になっております。
  144. 小川豊明

    小川(豊)委員 税金をとったんだから、国へ納めるのはあたりまえで、あなたの方でとれるはずはないので、いいのですが、利益と言うのは僕はおかしいと思っていたんだ。利益と言うと、専売公社で税金をとっている上に、また何か仕事をやって、千何百億ももうけているのか。税金は人からとってしまったもので、あなたのものじゃない。国へ納めるのがあたりまえだ。そのほかに、さらに専売公社がそういう千何百億も利益を出しているということは考えられない。税金が益金なんて、こんなばかな話はない。納付金はいいでしょう。そうすると、もうけ過ぎているのじゃないか。役人が仕事をしてそんなにもうかるはずはないのに大したことだ、こういうふうにわれわれは考えている。これはもうけないのがあたりまえだと思う。その点は、これでわかりました。  そこで、僕の疑問なのは、たとえば電電公社とか国鉄とか、これはこの前も問題にしてお聞きしたのだが、まだ納得がいかないのですが、専売公社の場合には、益金というか、納付金として納めますね。その納める金は、足らないから、まだ国から借りているのでしょう。そうすると、これは税金をとったものを、足らないで借りるなんということ自体がおかしいじゃないか、これが一つ。  それから政府から借りている金に対して、あなたの方は利息がつかぬ。政府も、あなたの方から預かっている金に利息をつけない。電電公社や国鉄やその他の国の機関は利息をつけているのに、あなたの方だけはっけない。つまり、一つの国の機関としては、どっちだって同じことだ。これは大蔵省の関係のところだから、あなたの方だけは金利もどっちもつうつうにしておくのかという疑問が出てくる。これは国の会計からいって、やはり利息はとるべきものだ。納むべきものは納むべきじゃないか。それがどういうふうな根拠でそういうことをやっているのか。しきたりでやっているのなら、それは改むべきだし、そうしなければならぬ。そういうことをやっている理由と法律上の根拠があるなら、これをお示し願いたい。こういうことです。
  145. 小川潤一

    小川説明員 全く御指摘通りで、私の方だけ奇妙な形になっております。しかし、これは納付金、つまり益金部門を納めるときに国から借金をしておる、こういう問題は一実は専売公社がスタートしたときに、専売公社に運転資金というものを与えておかなかった。専売公社は、先ほど申しますように千二百億、あるいは地方税を合わせますと、千七百億近い税金を納めます。事業をやっていくには運転資金が要ります。葉タバコを買い入れるだけでも年に四百億、すべてを合わせますと、六、七百億の運転資金が要る。そういうものをなしでやっておりますので、かつて蓄積があったならば、それをもって国に納めることができますが、運転資金を国からお預かりしないでスタートしましたので、いくら利益が出ましても、それは数字上でございまして、それだけ納める余裕資金はございません。従って、これはどっかから借りてこなければならぬ。借りる場合に、たまたま今までは国に国庫余裕金があった。従って、これを無利子で借りて納めて、そうして年末の十二月くらいまでになしくずしで返していく、こういうやり方をしておったのであります。しかし、御指摘のように、こういう問題はきわめておかしいということが全体としてわかって参りまして、また、国庫側も最近非常に余裕金がなくなってきた。従って、この制度は何とか変えなければならぬということで、先月も国庫側に呼ばれまして、もうこういう事態は長続きしないから、どういう制度にしたらいいか、一緒に研究しようじゃないかということで、今研究課題になっております。  それから利子の問題も、企業をやっていくのに利子の観念がないのはおかしい。そういう観念がないと、ものの投資なんかに対する考え方がルーズになる。こういう問題もありまして、利子をつけた方がいいか悪いかということも、今専売制度をどうするかという調査会がございまして、そこでやはり問題になっております。従って、この結論も出ますし、かたがた国庫余裕金が現実になくなってきたという問題と合わせて、御指摘の点はどうにか展開していくんではないか、また展開すべきであると、われわれは思っております。
  146. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこまで議論をされ、改めようとしておられるということを聞いて、これ以上言うところもありませんが、あれだけの事業をしておって、資本金を預けない、元金を預けないというのは、預けないのが悪いので、預けられないからといって、なければないで、ただ借りておけばいいというような安易な考え方では、事業としては実におかしな話で、専売公社の方は、ほかのところに指摘されるような事項というものはそうたくさんない。そういう点から、僕らはそのことをあまり言いませんが、ただ、そういうような考え方は、やはり国の機関なら、国鉄でも電信電話でも、やはり利子を払い、また利子をとっておる。あなたのところだけは利子もとらないでこれでいいからという考え方というものは、僕は成りたたないと思う。やはりとるべきものはとるべきである。払うべきものは払うべきである。その上に経営というものは考えられるべきではないか。この前お尋ねしたときに、何かあなたの方から説明されたが、もっともらしいけれども僕らにはふに落ちないので、また今年に持ち越した。今度はよくわかりました。私の意見が正しいか、正しくないか、これはわかりません。ただ、私としては、そうあるべきではないか、こう思うので、ぜひそういう点の御努力を願いたい。  それから次に秦野の問題ですが、この事業費についてお尋ねしますが、四百八十八万円あるわけですが、検査が未完了となって、さらにこれに犯罪が関係して調査中ということになっておったんです。ところが、これはその後検査が終わったものと私どもの方では認められるわけですが、それについての報告が、昭和三十三年度決算報告で見当たらないのです。事件の内容と処理の結果について、もう少し承知さしてもらいたい、こう思うのです。
  147. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 未確認といたしまして、四百八十八万円をとってありましたのですが、その後事態が判明いたしまして、結局公社としての損害はないということが確認されましたので、三十三年度におきまして、検査を了した次第でございます。従いまして、未確認金額の完了額というところには、三十三年度検査報告に載っておりますが、個別的な不当事項というものは、公社といたしまして、公社の損害もございませんので、そういった意味の不当事項ということは、載っておらない次第でございます。
  148. 小川豊明

    小川(豊)委員 それから新和というのですか、石炭会社云々とあるのですが、この事件の内容について、これに対する公社の方で異なった何か見方でもありませんか。
  149. 小川潤一

    小川説明員 今検査院の御指摘通り、私の方では、物質的損害はなくて済ましました。しかし、職員の不正事件で、これに関係する者の処分は、それぞれ監督者並びに間接的ながら関係していた者の処分はいたして、善後措置はとっております。首謀の犯人が自殺しておりますので、事件は、こういう事態で、これ以上発展しないというふうに思っております。
  150. 小川豊明

    小川(豊)委員 いま一点、簡単なことですが、昭和三十二年度決算報告の不当事項三八八、茨城県の新治郡八郷町小桜農業協同組合に関する件ですが、これは三十三年の二月に、会計検査院検査によって発見されたわけですが、農林省は、年度内でもあり、昭和三十三年三月二十六日に是正措置を講じた、補助金の交付の適正をはかった。県も、小桜農業協同組合については、この補助金の交付額の八十万円か八十一万円から十六万円を返還させることになったわけです。事件の筋、重要性、そういう点からいいますと、小桜農業協同組合の事件としては、秦野支局の、それに対して決して軽くない事件ではないか、こう私は思うわけです。ところが、この両者の間には、取り扱いに差異があるように感ぜられるわけです。この事件の性質からいって、この事件の取り扱いに、どういうわけでこれだけ差異が出てきたか、この点をお聞きしたいわけです。
  151. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 ただいまの補助金というのは、実は第五局の関係は、公社そのものから出ておる補助金の関係でございまして、あるいは農林省の方からでも出ておる補助金ではないかと思いますのですが、うちの関係としては、今そういう該当のものがあったかどうかという記憶は、実はないわけでございますので、なお調査してみたいと考えております。
  152. 小川豊明

    小川(豊)委員 さっき申し上げた秦野の事件とこの小桜農業協同組合の事件は、性質的にはどっちも似たような重要なものですが、この処置が非常に軽重がある。そこでどうしてこういう措置をとったのか、こういうことをお尋ねしているが、あなたの方でまだ調べていない。これは農林省でもけっこうですが、調べていないとすれば、これはあとで調べて、会計検査院の方からまた報告して喜下さい。
  153. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 調べまして、また御報告いたします。
  154. 井原岸高

    ○井原委員長代理 久保三郎君。
  155. 久保三郎

    久保委員 ただいまのに関連してちょっとお伺いしますが、三十二年度決算の損益計算書の中に、利益積立金が八億六千万ほどございますが、利益積立金は、どういう性格で、現在いかほどくらいになっておるのか、ちょっとお答え願いたい。
  156. 小川潤一

    小川説明員 公社の利益積立金と申しますのは、公社の資本金は、発足のときに二百三十二億五千九百万円、まだ端数がついておりますが、そういう関係でスタートいたしましたが、先ほどのお話にありました利益金を、いわゆる税金部門を納めるときに、固定資産の増加部分、それだけは国へ納めないで公社へ積み立てておいてよろしい、こういう制度に法律上なっておるわけです。つまり運転資金、たとえばたなおろしの増加は、利益金として納めろ、葉とか塩の在庫の増は、金銭にして納めなさい。しかし、固定資産の増だけは積立金という形で積み立ててよろしい、こういうことになっておりまして、その後、積立金が逐次ふえて参りまして、三十三年度末では、資本金二百三十二億に対しまして、その積立金が五百六十三億になっております。これは非常に大きいじゃないかという感じを受けるのですが、再評価等をいたしまして、その関係がふくらんでおることもございます。
  157. 久保三郎

    久保委員 先ほどの話にもありましたが、専売公社の事業の能率化とか合理化という問題が、最近各方面から出ておる。これはどういうところから由来しておるのか、その点御説明願いたいと思います。
  158. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 公共企業体としての公社の使命は、先ほど国鉄の場合にも総裁から説明がありましたように、一方において公益目的を達しつつ、一方において企業性を発揮する。その両方の長所をあわせとっていくようにというので、公共企業体という制度が生まれたわけであります。日本専売公社の場合におきましては、たばこの消費税に当たるものを徴収して国家に納めるという、いわゆる財政目的が大きな公益目的でございますが、それを達成すると同時に、やはり企業体であるからして、企業の経済性、能率性を発揮すべきである。ところがどうも独占企業である関係上、気がゆるみがちであって、事業体としての損益計算に敏感でないというような点が指摘されまして、もう少し企業の能率を発揮するような点について、工夫、改善をごらすべきである。もし改善が行なわれないというのであるならば、いっそこれを民営に移したらいいのではないか、こういうような観点から論議がなされておるというようなわけでございます。
  159. 久保三郎

    久保委員 そこで、その民営論が起きておるというわけですが、それに対して、総裁はいかがな考えを持っておりますか。
  160. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 公社民営論につきましても、時代によりましていろいろ変遷がございまして、日本専売公社の制度を改正するという目的で開かれました調査会も、現在までに三つくらいできております。第一回に設けられました調査会は、公社発足間もないころでございまして、そのころの調査会の民営を主眼といたします当時は、たばこ製造事業にいたしましても、戦災を受けまして、終戦後非常に混乱状態にございました。こういう場合において、公社の工場設備その他を拡充して、たばこの需給のバランスを回復するということのためには、場合によっては外資を導入する、そういうことの方が経済復興が早いんじゃないか、外資を導入することになれば、民営というふうな形の方が資金が入りやすい、そういうふうなことを検討することも加味されておったように聞いておるのでありますが、その当時の調査会としては、外資導入必ずしも時宜を得てないとか、あるいはそういう考え方が適当でないというような結論に終わったようであります。その後の状態といたしましては、労務問題の解決のために、公社制度を根本的に改めた方がいいんじゃないか、こういうふうな考え方もありまして、労務問題を中心に議論されたこともあるわけであります。公共企業体審議会の答申というものが、約一年半ほど前に一つ出ておりました。それは、たばこ専売事業というようなものは、必ずしも民営に不適当であるというような仕事ではない。民営でやれないことはないんだ。従って、民営に移すということについて、慎重に検討すべきである。その際、検討すべき事項といたしましては、民営に移した場合に、はたして現在公社制度で上げておりますような専売納付金というものが確実に上がり、しかも、これがだんだん増収の方向へ向いていくというような見通しが立つかどうかというような点、それからタバコ耕作農民が、当時でありますれば四十五万ほどありましたので、その耕作農民の利害関係はどうであるか、そのほか、現在日本専売公社は、たばごのほかに塩とかシヨウノウというような、財政収入を上げるということよりも、むしろ一般公益の力に主眼を置いた専売をあわせ営んでおりますので、それらの調整はどうするのか、こういう点を検討すべきであるというようなことに答申が出ております。それを受けまして、昨年大蔵大臣の諮問機関といたしまして、専売制度調査会というのができまして、昨年の九月ごろから、日本専売公社制度のあり方について検討を続けておりまして、まだその結論を得る段階になっておりません。いずれその答申も出ることと思うのでありますが、公社の総裁といたしましては、民営も考え方としては確かに一つの考え方でありますけれども、現実の問題といたしまして、これを民営に切りかえるということについては、なかなか大きな問題がございます。民営になれば、簡単に安くてうまいたばこがのめる、そういう公式論ばかりでもいきませんし、専売納付金の確保ができるかどうかという問題はもちろんのことでありますが、そのほかに、先ほど申し上げました耕作農民の問題であるとか、あるいはたばこのような利益のあるものは民営になりますけれども、そうなったときに、現在赤字を出しておる塩やシヨウノウというものをほうり出して、はたしてそれはどうなるのか、こういうような問題もございますので、なかなか現実問題として、民営に切りかえるということについては、大きな支障があるというふうに感じております。民営論の起こる理由は、現在では、とにかく公社であるというと、役所の延長というような考え方で仕事をしておる。それからまた一つは、先ほど小川委員から御指摘のありましたことに関連するのでありますが、現在の専売納付金制度というものは、公社の収支の利益の最後の一円までが納付金として国庫へ吸い上げられてしまう。その中の大部分はお話の通り消費税に当たるものでありますけれども、やはり企業が努力によって生み出した利益に当たる部分もあるわけなんですが、それを上げてみたところで、全部国庫へいってしまう。こういうふうなことについては、どうしても職員の勤労意欲を必ずしもふるい立たせるような制度になっておらぬ。従ってこういう点についても、制度なり、運営なりの点で改善していく点が多々あると思いますので、そういう面に力を注いで、現実問題とあまり離れず実行できつつ、公社の設けられた本来の制度が生きていくように、また、その面目が発揮できるようにしていくということが、一番公社の総裁として考え、また実行に移さなければならぬ点であると、かように考えております。
  161. 久保三郎

    久保委員 それで大体総裁のお考えはわかりましたが、今日いわれるところの民営論は、えてして、国鉄の場合も同じですが、単なる企業としてだけの考えをしている。これが一つあると思います。それから先ほど小川委員の御指摘があって、総裁も同感の意を表されておりますが、どれだけ能率を上げても、全部それが国庫へいってしまうのでは、施設の改善なんかおそらくあまり思うようにできないのじゃないかと思う。そういう締めつけをしておいて、もっと能率を上げろと言ってもこれは無理な話でありまして、この点について、今まで総裁は政府当局に強くどんな程度の要望をされましたか、今までどういうことをおやりになったか、それを聞きたい。
  162. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 実は先ほど申し上げました、今回の専売制度調査会においてももちろんでありますが、その調査会が設けられる前提となったその一つ前の公共企業体審議会の際におきましても、公社の能率が上がっていない、経済性を発揮していないということについては、一つは、制度上納付金制度というものが設けられておって、公社が利益を上げた場合に、全部それが国庫に吸い上げられる。これでは、どうしても人情から言って士気が上がりにくい。そこで納付金のうち、消費税に相当する部分を何らかの標準を設けて分ける。そうしますれば、残りが、企業が努力して上げた利潤ということになります。もとより国家資本で生み出している利潤であり、また独占的な特権によって生まれる利潤でありまするから、その全部を公社の職員が自由にするということは許されないことであって、資本に対する配当分とか、あるいは利子に当たる部分、ないしは法人税に相当するような部分とか、あるいは独占の特権に相当するような部分は、相当差し引いてかまわぬが、やはりその残りのうちの幾分は、公社が自由処分できる。そうしてそれによって職員の待遇も向上できるし、一部は施設費にも使え、それからまた景気の変動等もありますから、ちょうど株式会社の場合に、利益の一部は後期積立金として繰り越して景気変動に備えるというようなこともありますから、一部は繰り越しもできる、こういうような制度にしてもらう方が——それは公社としては、それによって必ずしも楽になるとは考えておらぬ。かえって課題を与えられ、その利益が少なくなって出てきたときには苦しむ場合もあることも予想されるけれども、やはり苦しい場合もあるが、働いてよけい出たときには取り分も多いんだという制度に切りかえてもらう方が、企業能力を発揮するには都合がいい、そういう意見は、かねて申し上げてございました。今度の専売制度調査会においても、それと同じ意見を主張してございますが、これが答申等にどの程度に取り入れられますか、また、その取り入れられた結果、それを実施に移す段階になりますと、現在において国会に提案しております予算の形その他について、法律及び予算制度の変更を立案いたしまして御審議を願うというようなことにまで発展するかと思うのでありますが、今のところ、その先の見通しはちょっとつけかねております。
  163. 久保三郎

    久保委員 それでは時間もあれですから、簡単に続いて申し上げますが、そういう制度のためにか知りませんけれども、たとえば私が毎日見ている、地元の工場ですね。これは水戸ですが、水戸の工場などは、ほとんど戦前の爆撃を受けた工場の建物を使っておる。だから、少しくらいの風が吹いても屋根がめくれるということで、大へん能率が阻害されるし、いい製品もできないんじゃなかろうか。こういうことに関連して、工場の移転や新築というか一そういうことについて、いろんなデマが飛んでいるわけであります。ここで一つはっきり御答弁願いたいのは、水戸局の工場は改築することになっているのかどうか。改築するとすれば、現在地より移転するのかどうか。地元では大へんうわさになっていて、非常に動揺を来たしている部面がある。特に工場に働いている職員の諸君、あるいはこれにつながる者、こういう方面では、大きな問題になっている。この点どういうふうになっているか、一つお答えを願いたいと思います。
  164. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 公社といたしましては、単に三十四年度とかあるいは三十五年度というような、単年度の事業計画だけでなくて、少なくとも今後五年くらいの長期の製造並びに販売の計画を持っておるわけでありますが、その長期計画におきましても、今のところ、水戸工場をほかに移すというようなことは考えておりません。さしあたって三十五年度においても、刻み工場の両切り工場への転換二工場と、それから浜松工場の拡充、岡山工場の拡充などを計画いたしておりますが、現在、水戸の工場を拡充することを予算化するまでの段階には至っておりません。しかし、必要な修繕等は十分にいたしまして、能力が落ちないようにすることは、当然の務めだと考えております。それからなお実際問題といたしまして、たとえば規模なりあるいは製品の状況なりからいたしまして、そこの工場を他に合併した方がいいというふうなことが、計数上考えられるといたしましても、これを実行するという段になると、容易ではございません。水戸工場よりももっと規模が小さく、しかも、その製品が現在需要としては余っているというような場合においても、工場一つをつぶしてしまうというようなことは、実際間際として考えれば、これはなかなか実行しにくい、かように考えております。
  165. 久保三郎

    久保委員 とにかく戦災を受けた工場などの復旧は、予算の措置がどうなっているかわかりませんが、少なくとも早急にやっていくべきだと私は思うのです。  それからもう一つ、専売公社の合理化というか、何かの形だと思うのでありますが、最近新聞を見ますと、どこかの地方では、配給事務を小売商の協同組合ですか、これに代行させるということをおやりになっておるそうであります。私の意見を先に申し上げますと、これはどうも国鉄も、民営論におびえてそういうことをちょいちょいとやり出すのでありますが、なるほど専売公社の方の費用からは、配給分をとるから、これは少なくなるのです。しかし、全体を考えますと、ちっともプラスになっていないという面だと思うのです。そこで配給代行制というのは、どういう考えで、これから強力にやっていくのかどうか、この点を一つ説明願いたい。
  166. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 配給の代行制度と申しますのは、公社は卸売に当たる部門までを直営いたしておるのでありまするが、小売店への臨店配給をいたしまする場合に、小売店の方の組合で公社の方から品物を受け取って、自分の方で臨店配給するという制度が、おっしゃる通りの代行配給ということになっておるのであります。これにつきましては、全国から試験個所を選びまして、その試験をしておるというわけでありまして、その試験の結果によって、公社側でも成績が上がるし、小売店の側でもその方がかえってサービスが向上していい、こういうことであれば、この制度を漸次推し広めて参りたい、かように考えておりますが、これを、地域の事情、それから公社の職員の内部事情等を考えずに一律に強行するというような考えは、今のところ持っておりません。
  167. 久保三郎

    久保委員 今総裁がおっしゃるようなことは、小売商の方から何か要請があって、それでは一つその方がいいならやってもらおうじゃないかということでおやりになっておるそうでありますが、どうもわれわれの知っておる範囲では、そうではないようでありまして、目先の民営論に対する一つの防波堤として、何かそういうところで人件費を少なくしたらいいだろうというような、末梢的なことにとらわれてやっておるように私は考える。聞くところによれば、小売商は、その代行制が発足するまでに、ある程度の資金を持たなければならぬ。そこで小売商に干渉して、強制ではないでしょうが、積み立て貯金をやらせるというようなことも聞いておるのです。これは少し行き過ぎじゃないかと私は思うし、こういう心配が出てくると思うのです。最近では、大体スムーズに需給関係はいっておるようですが、たまたま需給関係で大衆タバコが払底するような場合があります。そういう場合に、今の制度ならば、まあまあ公平に、といっては語弊がありますが、公平にいける。しかし、小売商の協同組合、そういうところに渡した場合に、はたして公平にいくかどうか。たとえば小売商協同組合の中身は、総裁よく御存じだと思いますが、大きい店も小さい店も一人であります。一人ではございますが、実権は大きい店が持っておる。そうなった場合に、たとえば代行制の株式会社ができます。そういう場合に、実権はだれが握るかといえば、大きな店が持つ。そうしたとき、払底した場合にそこへ流れるのは当然ではないか。そういう場合、小さい小売商の問題、一般利用者の問題になりますと、大へんなことになります。これは試験的におやりになるということでありますから、別にこれをさらにどうこうというわけではございませんが、少なくとも専売公社の建て直しというのは、そういう観点からやるべきではないし、あなたがおっしゃったような基本的な問題を解決しなければ、公共企業体としての使命を達成することはできないと思うのです。その点を一つよく考えていただきたい。  それからこれは単に人減らしとかなんかばかりで言うのではなく、人減らしの問題もありますが、人減らしょりも——これはほんとうに余っているなら、減らすのはけっこうなんです。ところが、ここにあるものを向こうへ移すというだけで、それで自分の関係はないんだという形は、経営合理化でも何でもなくて、これはいわゆる経営から遁走するという、経営者としてはゼロです。全く最低のものだと私は思う。こういうことはおやりになるべきではないだろうと思う。よって、さらに御検討をいただきたいということであります。  それから委員長を通じて資料をお願いしたい。先ほど総裁のおっしゃるように、二回か三回調査会で答申がされておりますね。この答申の内容について、資料がございましたら、御提出いただきたいと思います。以上。
  168. 松隈秀雄

    ○松隈説明員 ただいま御質問と同時に御意見を伺ったのでありますが、そのうち誤解があるように思われる点もございますから、ちょっと弁明しておきます。現在の代行配給におきまする配給の仕方は、注文は、公社の販売職員がとりまして、ただ品物を届ける、そして代金をもらうという一番末端の仕事を代行配給の組合組織に委任している、こういうわけでございます。従って、品物は、どのたばこを何個ほしいというようなことは、公社が直接話し合いをしますので、一括代行をする組合が買い受けて、自分の任意で組合員に配るというと、あたかも昔の元売制度のようなふうになりますが、そういう弊害を来たさないようにいたしておりますので、御心配の点は、今回やっております代行配給については、まずないかと思うのであります。現在は、結局品物を届け、代金を受け取るという一番末端のサービスについて、公社の職員がやった方がいいか、あるいはそういう配達、集金というような業務は、サービスがだんだん専門化している機関があるからして、そういう機関に委託する。組合が代行する場合においても、自分で配給車を持つ場合もありますけれども、さらに日通さんとかその他の運輸業者を作ってやるという、末端サービス機関の利用、こういうような面だけに限っておりますので、その点、弁明らしくなりますけれども、一言申し添えておきます。  それからただいまお話がございました、すでに三回ほどございました調査会の答申の写しを出せということでございますが、これは資料として提出いたしたいと思います。
  169. 久保三郎

    久保委員 今の総裁のお話で、末端の配給と集金事務である、こうおっしゃいますが、現在の配給並びに注文取りも含めて、専売公社のそういう機構なりなんなりは、全部整備しておると私は承知しておるわけですが、整備してないのでしょうか。整備していると思う。そこで配給事務全体を考えれば、二重投資の形になる。たとえばオート三輪一台にしてもそうなってくるんじゃないか。こういうことはやるべきではない。私は専門家ではないのでよくわかりませんが、専売公社の職員が店先に参りますときには、まず集金もありましょう。それから注文を取って積んで行った品物を渡す、こういうことをやっておるのでありまして、今のお話だと、注文だけは公社で取って、配給と集金を別にするということでありますが、ちっともプラスになっていない、かえってマイナスじゃないかと思う。そういう点はもう少し御研究をいただきたいと思うし、せっかく整備された機構は、生かして使うべきではないか、こう私は思うのです。そうでないと、総裁がおっしゃるようなことは、表面かもしれませんが、だんだん民営論に侵食されて、そのうちに、いわゆる外堀を埋めて今度は内堀、その次は本城、いわゆる城東っ取りという傾向があるんじゃなかろうかと私は思うので、十分警戒してやることと、もう一つは、全体の能率を考えてほしい、こういうように私は要望しておきます。
  170. 井原岸高

    ○井原委員長代理 日本専売公社関係は、この程度にとどめ、本日はこれをもって散会いたします。     午後一時四十八分散会