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池田(禎)
委員 そういたしますると、今まで、
法制局の
見解は、私個人としては持っているけれ
どもということを、あなたはよく口にされるけれ
ども、こういうことは、個人の
見解では困ります。それで、先ほど
菅家君が言ったように、
法制局の
統一見解というものをこの次には披瀝していただきたい。個人の
見解とか、そういうことでなく、
法制局の
統一見解というものを本
委員会において披瀝していただきたい。そうしなければ、ものによっては言い、ものによっては黙る、そんなことでは、
国会の
法制局の権威いずこにありゃ、まるで
内閣の
法制局に対して
国会の
法制局はたじたじとなっておるという格好で、一方的な行政府の
法制局の
見解というものを常に中心にしなければならぬということは、まことに悲しむべきことでありますから、この点を私はこの際重ねて明らかにしておきます。同時に、私は、アメリカの上院では、外交上非常にたくさんの
権限を与えられておることを考察するときに、どうしてそれが日本だけできないのか。率直に言いますと、私はいわゆる
憲法学者でもなければ、国際法の
学者でもありません。ただ申し上げておりますることは、いわゆる新
憲法の前においては、外交大権というものは天皇にあった。これは枢密院の
批准を必要とするくらい、きわめて厳格なものであった。外交は天皇の大権に属しておった。ところが、今日、
憲法というものは、かように主権を国民に与えて、
国会を
最高の機関として、国の唯一の
立法機関と明記しておる。この段階において、
国会において
修正することも、留保をつけることもできないというなら、
内閣というものは全く
一つの独裁である。こういうことが多数でできる、従って、
国会においてそういう権能がないということは、これはどう
考えても、私は立法府の常識論として
考えた場合、これは不当だと思う。ですから、
憲法第七十三条の「
事前」ということが最も大原則でなければならぬ。これはあなたも申されておる。ところが、「
時宜によっては」という、何分の一か何。パーセントかを占める部分に籍目して、政府は、議会などにかけたらめんどうくさいから、先にやってしまって、この条章の中にある何。パーセントかの部分だけを大きくクローズ・アップして、こういう
条項があるのだから、われわれはやった。1安保
条約のごときは、言うまでもなく、国の安危に関するような重要
案件です。今私
どもが、政府これだけのものをやろうとするなら、
国会は解散しろ、あるいは国民の声に聞け、こういうことを言っておる理由というものは、ここから出発しておる。あなた方の
見解は実にあやふやだ。その点は実に情けない。この際私は、根本的の
統一見解を明らかにしてそうして本
委員会において質疑に答えられるような用意をお願いしておきます。私は以上をもってきょうは終わります。