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1960-04-15 第34回国会 衆議院 議院運営委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月十五日(金曜日)     午前十一時五十五分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 菅家 喜六君 理事 長谷川 峻君    理事 松澤 雄藏君 理事 柳田 秀一君    理事 池田 禎治君       安倍晋太郎君    天野 公義君       天野 光晴君    飯塚 定輔君       砂原  格君    毛利 松平君       木原津與志君    兒玉 末男君       八木  昇君  委員外出席者         議     長 清瀬 一郎君         副  議  長 中村 高一君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 四月十五日  委員小林正美辞任につき、その補欠として木  原津與志君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国会審議権確保ため秩序保持に関する  法律案(第三十三回国会衆法第二二号)(参議  院送付)  議員小西寅松逝去につき院議をもって弔詞贈  呈の件及び追悼演説の件  本院予備経費支出承認に関する件  農林省設置法の一部を改正する法律案回付案  の取扱に関する件  北海道開発審議会委員選挙議員発議法律案  の審議促進の件  本日の本会議議事等に関する件      ————◇—————
  2. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより会議を開きます。  まず、議員小西寅松逝去につき弔詞贈呈の件についてでありますが、昨十四日、大阪府第五区選出の小西寅松君が逝去されました。ここにつつしんで哀悼の意を表します。  つきましては、同君に対する弔詞贈呈の件についてでありますが、同君は十四年在職せられておりますので、お手元配付案文通り特別弔詞を贈呈いたしたいと思います。一応、事務総長から朗読を願います。
  3. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 朗読いたします。  衆議院は多年憲政のため尽力された  議員従四位勲二等小西寅松君の長逝  を哀悼しつつしんで弔詞をささげま  す。
  4. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、弔詞文は、お手元配付案文通り決定し、葬儀は来たる二十一日に行なわれます関係で、本日の本会議において弔詞贈呈の件をお諮りすることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  6. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、追悼演説の日取り及び演説者についてでありますが、先ほどの理事会における話し合い通り追悼演説は、御遺族の都合もあり、適当の日の本会議において行なうこととし、民主社会党西村榮一君にお願いすることといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  8. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、弔慰金支出の件についてでありますが、お手元配付国会予備金使用承認要求書にあります通り同君に対し歳費一カ年分の金額を弔慰金として本院予備経費から支出することを承認するに御異議ありませんか。     —————————————
  9. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、議員一同から香典贈呈の件についてでありますが、同君に対し、慣例によりまして、議員一同から一人五百円ずつ醵出願い、香典として贈呈することに相なっておりますので、御了承を願います。     —————————————
  10. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、回付案取り扱いに関する件についてでありますが、内閣提出にかかる農林省設置法の一部     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。を改正する法律案が、参議院において修正され、本院に回付されて参っております。  回付案内容について事務総長から説明を願います。
  12. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 内容は事務的な修正でございまして、原案は本年の四月一日から施行することに相なっておりますが、その期日をすでに経過いたしておりますので、公布の日から施行することに修正いたしたものでございます。
  13. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、本回付宏は、先ほどの理事会における話し合い通り、これに同意することとし、本日の本会議において議題とするに御里議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  15. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、北海道開発審議会委員選挙についてでありますが、同審議会委員薄田美朝君辞任につき、その後任として自由民主党から高田富與君を推薦して参っておりますので、本件は、先ほどの理事会における話し合い通り、本日の本会議においてその選挙を行なうこととするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、この選挙は、先例により、その手続を省略して、議長において指名することと相なっております。     —————————————
  17. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、本日の議事日程にあります輸出入取引法の一部を改正する法律案趣旨説明及びこれに対する質疑についてでありますが、本法律案趣旨説明池田通産大臣が行なうことになっております。  右の趣旨説明に対し、日本社会党板川正吾君、民主社会党加藤鐐造君から質疑の申し出がありますが、質疑時間は、先ほどの理事会での話し合い通り、おのおの十五分程度とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、板川君の要求大臣は、総理大臣通商産業大臣外務大臣農林大臣及び公正取引委員長であります。また、加藤君の要求大臣は、総理大臣通商産業大臣経済企画庁長官農林大臣及び公正取引委員長であります。     —————————————
  19. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 この際、柳田秀一君より発言を求められておりますので、これを許します。柳田秀一君。
  20. 柳田秀一

    柳田委員 国会法に規定してあります通り法律案提出の経路は、われわれ議員がみずから提出するものと、内閣が提出するものと、二つあるわけです。従いまして、国権最高機関である議員みずから、立法府であるみずからが提出する法律案というものは、本来から言うならば、内閣提出法律案よりも、私はより重く見るのが当然であろうと思います。ところが、従来の経緯を見ますと、内閣から提出される法律案審議は進行するのでありますが、議員が提出いたしました法律案はとかく審議が渋滞いたしております。そこで事務当局からでけっこうでありまするが、ただいま現在、議員が提出しました法律案がいかようなことになっておりますか、数字をあげて御説明を願いたいと思います。
  21. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 御説明申し上げます。  お手元にも配付してございますが、第三十一回国会から継続したものが十六件ございます。それから第三十二回国会から継続したものが一件、第三十三回国会から継続したものが九件、それから、今国会に提出されたものが三十件で、合わせて五十六件でございます。そのうち撤回されたものが、総計で四件、それから、今国会議題となっていないものが、総計で二十件ございます。それから、趣旨説明の聴取が終わりましたのが十八件でございます。それから、質疑に入ったものが三件、委員会審査を終了したものが十一件でございます。  以上でございます。
  22. 柳田秀一

    柳田委員 ただいま御説明がありましたように、趣旨説明を終ったものが十八件あって、質疑に入っておるものがわずか三件しかない。こういうことは、いかにも議員の提出した法律案というものが軽視されておる何よりの証拠だと思います。これは、われわれはややともすると口に国権最高機関だと言いながら、われわれ議会人がやっておることは、口で言っておることに沿わないと思う。こういう点はお互いに反省する必要がある。そこで、議員が提出した法案は、本来から言うならば、内閣が提出した法案よりも率先して審議促進するのが当然じゃないかと思う。そういう意味において、今回、自民党が出されてきました国会周辺秩序保持に関する法案も、われわれ審議をやりますが、同時に、これは、どの委員会においても、議員が提出した法律案審議をどんどん進めていただかなければならぬ。また、そういう意味において私は議長さんにお尋ねいたしますが、議員が提出した法律案に対して、与党が提出した法律案と、野党が提出した法律案に、その間の取り扱い上に差別がないものと私は信じますが、議長さんの御見解はいかがでありますか。
  23. 菅家喜六

    菅家委員 ちょっと関連して。ただいま柳田委員から御発言がありました議員発議法律案審議のことについてでありますが、関連しますので、一度に議長にお尋ねをし、さらに議長お願いを申し上げたいと思うのであります。  言うまでもなく、国会が唯一の立法機関であるその地位にかんがみて、議員発議法律案が重要視されなければならないことは、これは当然であります。従いまして、ただいま柳田委員から、デモ規制法などは審議促進することに協力するというお話がありましたが、これはまことに喜ばしいことでありまして、かくあるべきだと私は思うのであります。しかるに、これらの法律案審議状況を、今事務当局から配付されたもので見ますると、まことに思わしからざる傾向にある。三十一国会から十六件も継続審議の形においてこれが残っておる。三十二国会から継続したものが一件、三十三国会から継続されたものが九件、今国会に提出されたものが三十件、合計五十六件、これらの統計を見ても、これはまことに思わしくない傾向だと思うのであります。これらに対して議長はどういうお考えをお持ちになっておりますか。それで、これは会期中に審査を終了しないものも出てくるでありましょうが、このような状態が続きますと、やはり議員立法というものが軽視される形になるのであります。必ずしも、議員立法が優位なものでなく、政府提出のものが優位だということもありません。いずれにせよ、私どもの考え方でいくと、政府提出法律案も重いが、議員提出法律案も、これがたなざらしの状態になってそのまま置かれるということは、まことに遺憾にたえないことだと思うのであります。ここにおいて私は、この委員会は、全体に対する国会運営の立場から見て、このように多数のものが審議されずに継続になっておるという状態は、運営上まことに好ましくないことだと思う。しかし、それにはやはり議員自身も、発議に際しては慎重な考慮をしなければならないものもあると思うのでありまして、いろいろな角度から議員が無数のものを提案するということになりますと、こういう結果を招くおそれもありますから、この点においては、私は、議員自身も大いに自制して、その発議には慎重な態度議案を提出しなければならないものだと考えておるのであります  その一点をお尋ねすると同時に、議長お願いがあるのでありますが、もし、柳田委員なり、また私の言うことが適当であるということになりましたならば、やはり議長は、各委員長に対して、この議員提出法律案審議促進方一つ警告——とは申し上げません、警告と言うと少し不適当でありましょうが、議員提出の各法律案がすみやかに促進の方向に向かうように、一つ常任委員長議長から御交渉なり、お話を願いたいと思うのであります。  この二点に対して、議長さんの御所見を、柳田委員質問と同時にお願いをいたします。おそらくこれは本委員会各党並びに全員が一致したる要求であると思うのでありますが、同時に一つお答えと御所見を承りたいと思います。
  24. 清瀬一郎

    清瀬議長 先刻柳田君より御質問のことにまずお答えいたします。  議長としては、政府案議員案も、また、大きな政党から出した案も、小さい政党から出した案も、全く同等と考えております。これに差別のあろうはずはないのであります。先刻事務総長よりの数字をあ、げての御説明では、大へん議案がたまっておることが看取できるのであります。ただ私は、善意に解釈して、各委員会て、理事会を開き、議員それ自身の見識で扱われてその通りになっておるものかと考えております。しかしながら、事実としては、議員案も必ず会期内に議了されることが望ましいのでありますから、今、菅家さんからの御指摘の理由も了承して、各常任委員長等にお知らせいたしたいと考えております。
  25. 菅家喜六

    菅家委員 柳田委員からの御発言と同時に私からも質疑と希望を申し上げたところ、ただいま議長さんの御答弁があり、議長もこれに御同意のようであります。おそらく各党委員もこれには御異議はないものと思います。この法案審議状況統計によって見ても、これはまことに運営上不適当な審議方法である。もしそれ、三十一国会から十六件も今日までこれが継続されておるという不適当な法律案なら、これは解決をつけべきものだと思う。そういうものがいつまでもたなざらしになっているということは、好ましくないことでありますので、この辺はどうぞ、ただいま議長の御答弁通り、各委員長と御交渉をされまして、適当な促進の処置を講ぜられることをここにお願いしておきます。
  26. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 他に御意見はございませんか。——それでは、ただいま柳田君及び菅家君から御発言がありました趣旨については、皆様も御異論のないところであろうと思いますので、議長におかれては、柳田菅家両君の御発言趣旨に沿って、しかるべき措置を講じていただくようお取り計らいを願うことといたしたいと思いますが、さよう決定するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  28. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、本日の本会議議事順序について、事務総長から説明を願います。
  29. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 御説明申し上げます。  まず、最初に、議員小西寅松逝去についての弔詞贈呈の件を議長発言でお諮りいたします。それから北海道開発審議会委員選挙を行ないます。次に、回付案取り扱いについて、農林省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。それから日程に入りまして、日程第一から第三までは、一括いたしまして、これは大蔵委員長の植木さんが御報告に相なりますが、この三件とも全会一致でございます。それから日程第四は、社会労働永山委員長が御報告になりますが、これも全会一致でございます。それから日程第五は、商工委員長中村さんが御報告に相なりまして、これも全会一致でございます。それから日程第六から第八まで一括いたしまして、これは法務委員会理事の小島さんが御報告に相なることになっております。そのうち、第六は、社会党、民社党、それから共産党反対でございますので、起立採決お願いいたします。それから第七、第八につきましては、共産党だけが反対でございますので、出席されておりますれば、起立採決、されてなければ、異議なしでお願いいたします。それから最後に、輸出入取引法の一部を改正する法律案趣旨説明を聴取いたしまして、質疑に入る、こういう予定でございます。
  30. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ただいま事務総長説明通り本日の議事順序を行なうことでよろしゅうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、さよう決定いたします。     —————————————
  32. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それではへ本日の本会議は、三時五十分予鈴、四時から開会することといたします。     —————————————
  33. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、追って公報をもってお知らせすることといたします。     —————————————
  34. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、国会審議権確保ため秩序保持に関する法律案議題といたします。これより質疑に入ります。柳田秀一君。
  35. 柳田秀一

    柳田委員 議長さんに簡単にお尋ねいたしますが、提案理由説明を見ますと、「議員登院を妨害した者についても、特に罰則を設けたのは、国会構成員たる議員登院こそは、国政審議ための不可欠の前提要件であるからであります。」こういうふうに書いてあるわけであります。このように、国民権利義務を拘束してまで議員登院確保するという趣旨法案が出ておるわけです。ところが、今日の実情を見ますと、私は、議員登院が必ずしもよろしいとは、言いにくい言葉であるが、言い得ない実情を悲しむものであります。中には、百五十日なら百五十日の通常国会会期中、おそらく、実質的には十日間出ない人があるのではなかろうか。この問題を私は先般事務総長にただした。おそらく、私の方の社会党にもあるかもしれない、自民党さんにもあるかもしれない、一つ、せめて今国会が始まってからまだ実質的に十日も登院しておらぬ者の氏名を発表してくれろと言ったところが、事務総長は、それは困る、こういうわけなんです。それじゃ一体何人ぐらいそういう者があるかと言ったところが、みな形式議長あてに休暇の手続なんかを出されるわけですから、ほんとうに無届というものになってくると、少ない。しかし、実際は登院していない。ただ形式——議長が目を通されるわけはないのですが、形式上、届けだけをして、ほとんど出てこられない。私はたまたまイギリス国会を傍聴したのですが、そう大した議題はございませんでした。傍聴者には、その日の議題は全部プリントにして配ってあるわけです。一時から五時ごろまででしたが、かつての総理大臣の老チャーチルが1歩かれておる姿は、だいぶよぼよぼしておられましたが、あれだけ功成り名遂げられた老チャーチルですら、イギリス国会で、最前端議席におられましたが、ずっと議席に着かれたまま、四時間も立たれずにおられた姿に非常に打たれた。それから思うと、日本国会は、何か、登院する者はまるで小者であって、登院せぬ者が大物であるかのような錯覚を受ける。また、そういう者を代議士に選んでおる国民もどうかと思う。その人がいかにりっぱな政治家であるかどうかは別です。また、そういうりっぱな政治家は、何も国会議員にならなくとも、外交にしても、経済にしても、国政に参画する道はおのずからあろうと思う。しかし、いやしくも立候補して何万からの有権者の負託を受けたからには、出てくるのがあたりまえだ。前総理大臣であろうが、前議長であろうが、前大使であろうが、出てくるのが当然だと思う。それを出した国民にも問題があると思いますが、立候補して国会議員になったならば、出てくるのが当然であると思う。こういう者に対して、何らかの規制をする必要があるんじゃないか。こういうような法律を作って国民権利義務を拘束して、罰則まで設けて議員登院確保するならば、議員みずからの責任において登院すべきだ。しかも、実質的に登院されていない者がたくさんある。それに対して議長は今後どういうふうにおやりになるか。今のようなやり方では、ただ単に形式を整えるというだけである。これに対して、いやしくも清瀬先生は、政党人として半世紀間、日本立憲政治史上にもかくかくたる名声を残された方で、その方が現在議長をやっておられる。この議長のときに、もう少し確固たる方針と確固たる態度で、しかも何らか規制する道を議長みずから発議されてもよいのではないか。この法案も、聞くところによると、前議長発議であったようであります。加藤鋳五郎氏は、こういうふうな国民権利義務を拘束するような法案発議された。清瀬議長は、国民権利義務を拘束するのではなしに、議員みずからの義務をもっと高揚せしめるようなそういう発議をされたならば、私は、後世、さすがに清瀬一郎は名議長であったということが残ると思うのでありますが、議長さんのお考えを承りたい。
  36. 清瀬一郎

    清瀬議長 ただいま柳田君よりお述べのことは、私全く同感でございます。就任の初めから、国会正常化並びに国会に対する国民の信用をつなぐことを考えなければならない、それがために、この国会が終了いたしましたら、たとえば国会正常化懇談会とでもいったような名前で、議院内の有力者の皆さんに集まってもらって、いろいろ研究したいと思っております。その条項の一つが、やはり登院の問題でございます。表向きは登院したことになっておりまするが、私は——今、見ないとおっしゃいましたけれども、請暇、欠席届はみな見ておるのです。委員の異動及び欠席の届出は、私は一々丁寧に見ております。それがために、私の友人が御病気であったということを発見して、見舞いに行ったこともあります。これは大へん大切なことなんです。しかしながら、ほんとうを申すと、欠席届の数は非常に少ないのです。十通ぐらいがせいぜいです。ところが、本会議を開いてみれば、出席者は非常に少ないのです。だから、無断欠席がたくさんあるということは、実はおおうべからざる事実です。しかし、各党みな大切な審議権を持っておられるのでありますから、今のところは、早急に法規を作るなどということもできませんので、この国会としては、各党一つ議員の御出席を推進するようにお計らいを願ったらどうか、こう思っております。将来のこととしては、ちょうど私、この国会終了後ヨーロッパヘも来いということでありまするから、一体、外国はどうしておるだろうかということも研究してみたいと思っております。ことに日本は、イギリスなんかと違って、座席がありますから、いかにも欠席が目立つのです。イギリスの方はそうでない。はなはだふつつかでしたが……。
  37. 柳田秀一

    柳田委員 そこで、今議長から言われましたように、これは各政党ともは責任がある。同時に、今のような、単に一片の通知を出したならば、それで当然の権利のように欠席する、この方法も何らか改める必要があるんじゃないか。さらにまた、これは議長にのみわれわれはものを申し上げておるのではない。この議院運営委員会としても、そういうような非常に登院を怠っておる者に対しては、これを信頼してくれた有権者に何らか知らす方法——もう少し信賞必罰を明らかにして、思い切って発表するような方法を講じてみてもいいんじゃないか。そういうようなことは、この法律案審議に入る前に、議院運営委員会としても考えてみる必要があるんじゃないか、これをまず私は提案して、これはほんとう各党で真剣に考慮してもらうことを要請しておきます。これをついでに、きょうの質疑にあわせて問題を提起しておきますから、これは各党とも一つお取り上げを願いたい。
  38. 菅家喜六

    菅家委員 ただいま柳田委員の御発言でありますが、きょうは珍しくも異説を立てられないで、まことに賛成しやすい御発言のみである。ただいまの国会出席欠席の問題ですが、これは多年国会で問題になっておることである。これはやはり議員の良識に待つへきものであって、私はこの委員会——何か柳田君のお話の中には含みがあるようであるが、これはデモ規制法とからめての御発言であるから、おそらくそういうところに重点があろうと思います。そういうものを何らか規制する必要があるのじゃないかというようなお話にもうかがわれた。しかし、私は、すべてのものは、でき得べくんば法律のない方がいいと思うのであります。しかし、全部法律がないということになりますと、遺憾ながら、秩序というものがどうも保てない。そこで法律が生れてくるのであります。このデモ規制法は、国民権利義務を阻害するものだという御発言があった。デモ規制法はそんなものではない。提案者からも先般御説明があったのでありますが、国民権利義務を正しく行なわせるためデモ規制法だと思う。私は議員の出欠の問題は賛成でありまして、やはり議長から各党の注意を喚起することが必要だと思う。大物になると、総理大臣をやった人、あるいは経歴豊かな人などというものは、ほんど国会に姿を現わしてこない。欠席届があるのか、病気届があるのか知らないけれども、どうも姿を見せないというのが現実の姿です。こういうことは、国会の権威のためにも思わしくないことであって、そこには程度があるのであるが、会期中幾日出れば歳費がもらえるからという、そんなさもしい気持で出てこない人はないと思いますけれども、そういう傾向がなきにしもあらずでありますから、この際は、そういう御発言があった以上は、やはり議長としては、各党に強く注意を喚起して出席を促すというようなことでいいのであって、これは規制法なんというものを作るべき性質のものでない。これは議員みずからを侮辱するものであって、議員の良識に待つべきものだと思うのであります。でありますから、私は、柳田君の前段の御発言に対しては、満腔の敬意を表し賛成をするものでありますが、後段の、これにからんで、デモ規制法がいかにも国民権利義務を阻害するものであるというような言い回しに対しては、断固反対せざるを得ないのであります。その逆であります。その点は御発言がありましたから、速記にとどめておく次第であります。
  39. 柳田秀一

    柳田委員 本法案に対して今菅家君からいろいろ言われましたが、菅家君はだれに質問されたのか、提案者質問されたのか、まるで討論みたいなことを言われましたが、われわれは質疑に入っておるのでありまして、この法案内容について、一々微に入り細にわたってわれわれは質問戦を展開するのでありますが、この法案の目的たるところが、議員登院というところに非常に重点を置かれておりますから、まず、総括のさらに総括という意味で、議長さんに質問をいたしたわけであります。従って、これから細部にわたりましては、わが党のベテランを繰り出しましてまた追って質疑をすることにいたします。私は、一応これくらいにしておきます。
  40. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 では、民主社会党池田君、質疑を願います。
  41. 池田禎治

    池田(禎)委員 私の方は、きょうは質疑は留保しておきます。
  42. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 自由民主党も御質疑ありませんか。
  43. 菅家喜六

    菅家委員 質疑は次会にいたします。
  44. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 では、本日はこの程度にとどめまして、残余の質疑は次会に譲ることといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十分散会