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1959-12-25 第33回国会 参議院 本会議 第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年十二月二十五日(金曜日) 午後七時四十一分
開議
━
━━
━━
━━
━━
━━
━━
議事日程
第十八号
昭和
三十四年十二月二十五日 午前十時
開議
第一
在日朝鮮人
の
帰国促進
に関する
請願
(三件) 第二 サハラ砂漠における
原水爆実験中止
に関する
請願
第三
沖縄
における
米国民政府
新市会第二十三
号刑法
並びに
訴訟手続法典撤回
に関する
請願
第四
沖縄周辺海域
の航行、漁ろう
禁止措置撤廃
に関する
請願
第五
零細企業対策強化
のための
商工会組織
の
法制化促進
に関する
請願
(十一件) 第六
日朝間
直接
貿易許可
に関する
請願
(四件) 第七 山口県
小型自動車競走場移転反対
に関する
請願
第八
女子教育職員
の産前産後の休暇中における
学校教育
の正常な
実施
の
確保
に関する
法律
の一部
改正
に関する
請願
(二十一件) 第九
産業教育
を行う国立及び
公立高等学校基礎教科担当教員
の
産業教育手当
に関する
請願
(百十九件) 第一〇
産業教育
を行う
私立高等学校教職員
の
産業教育手当
に関する
請願
(九十五件) 第一一
滋賀大学附属小中学校校舎等移転
に関する
請願
第一二
昭和
三十五年度
産業教育振興予算
に関する
請願
第一三
義務教育
諸
学校施設費国庫負担法
の一部
改正等
に関する
請願
(六十一件) 第一四 正
倉院御物保護
に関する
請願
第一五
財団法人日本禁酒同盟助成
に関する
請願
第一六
義務教育
諸
学校施設費国庫負担法
の一部
改正
に関する
請願
第一七 名古屋市
名城大学再建
に関する
請願
(四件) 第一八
中学校校舎増築
のための
財源措置
に関する
請願
第一九
学校給食実施義務教育
諸
学校
に
栄養士配置等
の
請願
(六件) 第二〇
学校給食実施学校
に
栄養士配置
の
請願
(二件) 第二一
高等学校
の授業における
生徒
の編成及びその
教職員
の
配置基準等
の
法制化
に関する
請願
(十一件) 第二二
盲ろう学校高等部生徒
の
就学奨励費
に関する
請願
第二三
養護教諭
を必置とするための
学校教育法
の一部
改正
に関する
請願
第二四
高等学校
の
定時制教育
及び
通信教育予算
に関する
請願
(二件) 第二五
義務教育施設拡充等
に関する
請願
第二六
学校給食費国庫補助増額等
に関する
請願
(三件) 第二七
東京
都保谷町
所在民族学博物館保管
の
民俗資料保護措置
に関する
請願
第二八
中学校施設整備措置
に関する
請願
第二九
高等学校
の
理科教育振興
に関する
請願
第三〇
昭和
三十五年度
文教予算
に関する
請願
第三一 能楽の
存続保護
に関する
請願
第三二
学校保健法実施強化
のための
予算増額等
に関する
請願
第三三
奨励研究生制度
の
改善拡充
に関する
請願
第三四
婦人教育予算増額
に関する
請願
第三五 新
市町村育成強化
に関する
請願
第三六 新
市町村建設育成
のための
地方交付税法
の
特例措置延長
に関する
請願
第三七
行政書士法
の一部
改正
に関する
請願
(九件) 第三八
駐留軍
及び
自衛隊
諸
施設所在市町村
に対する
助成金交付
の
請願
(十九件) 第三九
自衛隊
諸
施設所在市町村
に対する
助成金交付
の
請願
━
━━
━━
━━
━━
━━
━━
松野鶴平
1
○
議長
(
松野鶴平
君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 ─────・─────
松野鶴平
2
○
議長
(
松野鶴平
君) これより本日の
会議
を開きます。 この際、
日程
に追加して、
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
について、
国会法
第五十六条の二の
規定
により、
衆議院
の
発議者
からその
趣旨説明
を求めたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
3
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
衆議院議員佐々木盛雄
君。 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
4
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) 私は、
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
につきまして、
提案者
を代表して、ここに
提案趣旨
についての
説明
を行なわんとするものであります。 去る十一月二十七日に
日米安全保障条約改定交渉
の打ち切りを要求する
集団示威運動
が行なわれた際に、
集団陳情
に名をかりた一万数千名の
━━
が(発言する者多く、
議場騒然
)
国会構内
に乱入して、神聖なる
議事堂
をじゅうりんした
わが国憲政空前
の
不祥事件
の
発生
を
契機
といたしまして、再びかくのごとき
不祥事件
の
発生
を繰り返さないために、
加藤衆議院議長
は、さきに、わが
衆議院
の
議院運営委員会理事会
におきまして、おおむね本案同様の
試案
を提示されたのであります。私
たち
といたしましては、
立憲政治擁護
のために、
与党
と
野党
との政争を越えた立場から、
議長
の諮問にこたえて(「取り消せ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、
議場騒然
)
議院運営委員会
の
全員一致
の立案といたしたいと、あらゆる努力を試みたのでありまするが、不幸にして
野党諸君
の同調を見るに至らず、ついに、
議長試案
に若干の補足を加えて、ここに
議員提案
の形式をとるのやむなきに至ったことは、まことに遺憾にたえない次第でございます。 まず、この
法律
の
目的
は、国権の
最高機関
である
国会
がその機能を完全に行なうために、
国会議事堂
の
周辺
の
静穏
を保つことによって、
国会議員
の
登院
と
国会
の
審議権
を
確保
せんとするものであります。従って、何人も、この
目的達成
のため、
国会議事堂周辺
の
静穏
の
保持
によって、
議員
の
登院
と
国会
の
審議
を妨害しないようにしなければならない旨を、まず
規定
いたしたのであります。(
拍手
)しかしながら、このことは、
憲法
において
保障
された
集会
や
表現
の自由を
制限
するものでは毛頭ないのでありまして、私
たち
は、
国会
の
審議権
の公正なる
行使
を
確保
する
立法措置
を講ずることこそが、最も合憲的にして、かつ、
議会政治擁護
の
根本要件
であると信ずるのであります。(
拍手
) 従来、
国会
の
周辺
に
集団示威運動等
が行なわれました場合には、
国会
としては、なるべく不要の摩擦を避けるために、やむなく当日の
国政審議
を中止するなどの
措置
をとって参ったのでありまするが、今回の
不祥事件
におきまして、
議事堂周辺
の
道路
においては
議員
の
登院
が著しく妨げられたのみならず、ことに、
議員会館
と
議事堂
との間の
道路
は全くふさがれて、
議員
の通行が不能となった事実にかんがみまして、この際、
国会
として万全の
措置
を講じ、もって不測の事態の
発生
を予防することが絶対に必要であると
考え
るのであります。(
拍手
) さて、私
たち
は、この
法律案
を起草するにあたって、次の二点に特に意を用いたのであります。 第一は、
本法
に
規定
する
国会周辺
と申しましても、なるべくその
範囲
を最小限にとどめたわけでありまして、英、米、
西独等
の諸外国におきましては、
国会周辺一帯
の広範なる
地域
を指定して、
集団行動
についての厳重なる
禁止規定
を設けているのでありまするが、
本法
におきましては、その
適用区域
を
国会周辺一帯
としないで、主として
国会
に通ずる
道路
と一部の
国会用地
のみに限って
秩序
を
保持
すべき
場所
といたしたのであります。 第二は、その限られた
道路
や
区域
におきましても、なおかつ
集団示威運動
をあらかじめ全面的に禁止することを避けて、必要やむを得ない場合にのみ適当な
措置
をとり得るようにいたしたのであります。すなわち、
国会周辺道路
上における
集団示威運動等
のために、
国会議員
の
登院
や
国会
の
審議権
の公正な
行使
が阻害されるおそれがあると認められる場合には、
衆参両院議長
は、連名で、
東京
都の
公安委員会
に対して、その
集団示威運動等
の
許可
の
取り消し
や条件の変更を
要請
したり、または、
警視総監
に対して、その
集団示威運動等
を制止するための必要な
措置
を講ずるように
要請
できることといたしたのであります。従って、この
要請
がなされたときは、
公安委員会
はこれに対応して必要な
措置
を講ずるようにすることとし、また、
警察
官は、その
集団示威運動等
の
主催者
や
責任者
や
参加者
に対して、必要な限度において警告を発したり、その
行為
を制止したりすることができるようにいたしたのであります。しかしながら、これらの
要請
を受けた
公安委員会
や
警視総監
がいかなる
措置
をとるかは、もっぱらその
自主的決定
にゆだねたのであります。 次に、
請願
につきましては、
憲法
において定められている
通り
、平穏に行なう限りにおきましては、言論、
表現
、
集会
の自由とともに
国民
の
基本的権利
として認められておるところでありまするが、しかし、たとい
請願
、
陳情
の名目のもとに行なわれる
集団示威運動等
でありましても、実際上平穏なる
行為
と認められないものは
本法
の
適用
を受けるべきものといたしたのは、当然の
措置
であると
考え
るのであります。 また、
罰則
につきましては、
集団示威運動
に参加した者が
議事堂
またはその
構内
に侵入いたしました場合には、
本法
によらないで
一般刑法
の
規定
によるのでありまするが、特に、
他人
を指揮し、
他人
に率先して侵入した者に対しては、
本法
の
適用
によって刑を重くいたしたのであります。すなわち、
国会議事堂
こそは、
国民
の
代表者
が
国政
を
審議
する神聖なる殿堂であって、これを群衆の陣頭に立って侵害いたしますることは、単なる
住居侵入
のみならず、実に
わが国立憲政治
の存立を危うくするものであるからであります。(
拍手
) また、
集団示威運動等
の威力を用いて
議員
の
登院
を妨害した者につきましても特に
罰則
を設けましたのは、
国会構成員
たる
議員
の
登院
こそは
国政審議
のための不可欠の
前提要件
であるからであります。 以上が本
法律案
の概要でありまするが、私はここに、
各位
が、
わが国議会政治擁護
のために、この際、
政党政派
の対立を越えて、
大乗的見地
に立って満場一致の御賛同あらんことを心から期待いたしまして
提案趣旨
の
説明
を終わります。(
拍手
) 〔「取り消せ」「
衆議院
では通るかもしらぬが、
参議院
では通らぬぞ」「
議長
、休憩しろ」「
議運
を開け」「
与党
だけで
審議
するからこういうことになるのだ」「
進行
々々」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
5
○
議長
(
松野鶴平
君) ただいまの
提案理由
の
説明
の中に不穏当な
用語
がありますれば、
議長
において……(
議場騒然
、聴取不能) 〔「休憩々々」「
議事進行
」「
議長
、
趣旨説明
を確定しないと
質問
のしようがないでしょう。
法律案
の
提案趣旨説明
ですから確定して下さい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、
議場騒然
〕
松野鶴平
6
○
議長
(
松野鶴平
君) ただいまの
提案理由
の
説明
について調査いたしました結果、
議長
は
━━
という
用語
の
取り消し
を命じます。(
拍手
) ただいまの
趣旨説明
に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。
占部秀男
君。 〔
占部秀男
君
登壇
、
拍手
〕
占部秀男
7
○
占部秀男
君 私は、
日本社会党
を代表して、ただいま上程されております
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
について
提案者
に
質問
をいたしますが、その前に一言特別な
質問
を申し上げます。 ただいま
提案者
は、
提案理由
の
説明
の中で、一万数千名の
━━云々
という
言葉
を出され、
議長
からその
取り消し
を命ぜられました。
議長
のこの
取り消し
に対して承服するかどうか、この点をはっきりとまずお伺いをいたしたいと思います。(
拍手
、発言する者多し) 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
8
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) 本院はもとより
議長
の権限のもとにおいて行なわれておるところでありますから、
議長
の御
指定通り
、私は取り消すに
やぶさか
ではございません。 ただ、私が
提案理由
において申し述べましたことの
趣旨
は、私は、法治国においては、すべての
国民
は
法律
を守らなければならないと
考え
ます。
国民
は、
憲法
によって
陳情請願
の自由は持っておりますが、それは
法律
に基づいて、
衆議院
におきましては、
衆議院
の
関係
の面会の
法規
がございます。
参議院
にも同様の
法規
があると思いまするから、適法のもとにおいて行なわれるものは自由でございまするが、
法律
を無視した
集団
の
行動
を、私はこれを
━━
と申したわけでございまするから、私が
━━
という
言葉
を用いたということの
弁明
をいたしておく次第でございます。(
拍手
、「
弁明
じゃない」「
やぶさか
でないとは何だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
松野鶴平
9
○
議長
(
松野鶴平
君)
占部秀男
君。 〔
占部秀男
君
登壇
、
拍手
〕
占部秀男
10
○
占部秀男
君 ただいまの
提案者
の御
答弁
は、「服するに
やぶさか
でなどということであって、これは「服する」ということだそうでありますので、私は一応
質問
を続行いたします。 最初に私がお尋ねをいたしますことは、この
法律案
の
立法手続
に関する二、三の
問題点
でございます。 第一に、
提案者
のただいまの
説明
だけでは、この
法案
の
法源
が一体どこにあるのか明らかではございません。(発言する者多し)
松野鶴平
11
○
議長
(
松野鶴平
君) 御静粛に願います。
占部秀男
12
○
占部秀男
君(続) しかしながら、
法源
がいずれにあるにせよ、この
法案
の
性格そのもの
は、この成文の
内容
が示しております
通り
、
治安警察関係法規
であることは明白なる事実でございます。何となれば、この
法案
は、その
目的
を
規定
した第一条において、
国会議員
の
登院
と
国会審議権
の公正な
行使
を
確保
すること
云々
を
目的
とすると述べておりますどけれも、しかし、第二条以下におきまして
規定
されている
内容
から言えば、むしろそのために
国会周辺
の
静穏
を保つということがこの
法案
の直接の
目的
となっておりまして、「
静穏
を保つ」ということ自体は、
国民
の一般的な
権利義務
に対する
警察作用
による
制約
を意味しておるからであります。すなわち、この法の
目的
を実現するために規制される
対象
は、
国会議員そのもの
ではなく、
国会議員
としての
違法行為
でもございません。明らかに、規制される
対象
は
一般国民
であり、しかも規制される
行為
は、
国民
の
基本的人権
であって、その最大なるものの
一つ
であると言われております「
集会
、
表現
の自由」に関してであり、実定的には
集会
、
集団行進
、
集団示威運動
についてでございます。さらにまた、この法によって規制の
責任
に当たる者は
警察力
でありまして、その
作用
の及ぶ
場所的領域
は
国会構内
ではなくして、
現行法
のもとにおきましては
警察作用
によって現に
公共
の
秩序
が保たれておりますところの
一般公道
でございます。すなわち、いかなる角度から検討いたしましても、直接
国民
の
権利義務
について
行政権力作用
によって
制約
を加えんとする
治安警察関係法規
であることは、あまりにも明白なる
内容
であると
考え
ます。(
拍手
)
提案者
は、この
法案
の
法源
をどこに求め、この法の
性格
をいかに
考え
ておるか、明確な
答弁
を願いたいとともに、もし私の言う
治安警察関係法規
でないとするならば、ないというだけの
法的根拠
を明らかにしていただきたいと思います。 第二に、しかるに
衆議院
におきましては、この
法案
を、
国会
に関する
事項
であるとして、
多数決
をもって
議院運営委員会
に
付託
いたしたのであります。ここにいう
国会
に関する
事項
とは、
国会法規
に明らかなごとくに、
議会
の
構成員
の間に
拘束力
を持つか、
国民
の
議会
内での
行為
に
拘束力
を持つか、いずれにしても
国会
の
内部事項
として限定されている事柄に関してであることは明らかでございます。
議長
が持つ
警察権
も、もっぱら
院内事項
としての
内部警察権
であることは言うまでもございません。しかるに、この
法案
が拘束する
対象
は、
衆議院
本
会議
における
同僚中村議員
の
質問
に対して
提案者
みずから答えたごとく、特定の
状態
にある
一般国民
を
対象
としたものでありまして、明らかに
院外事項
についての
立法
であり、本来
議運
に
付託
さるべき
性格
の
法案
でないことは、
国会法
、
参議院規則
に照らして明らかでございます。また、
現行国会法
と十五のその
付属法
とを検討するならば、
国会慣行
の上からいっても同然であることは、これまたおのずから明らかであることであります。しかるに
提案者
は、この法の
目的
をうたった第一条において、あたかも
国会関係法規
であるかのごとき文句を挿入することによって、故意に
治安警察関係法規
であるこの
法案
の本質を隠蔽いたそうといたしたのでございます。しかし、この
小細工
も、
付託
に際して
多数決
をもって押し切らなければならなかったその事実によって、
国民
の前に暴露されているのであります。
一体自民党
は、何の必要があって、かかる
小細工
を弄してまでも、
警察関係法規
を
国会関係法規
と言いくるめて無理押しに
議運
に
付託
いたしたのでありましょうか。それは、
基本的人権
を
制約
するこれほどの
重大法案
を、一人の
参考人
も呼ぶことなく、一回の
公聴会
だに開くことなく、わずか二日間、しかも、実質的には二、三時間の
審議
だけで
委員会
を終わらせたのみか、さらに本
会議
に際しても、
野党
三派の欠席のまま、平然として
自民党
だけの
単独議決
をもって
衆議院
を通過せしめた、あの
審議
の
過程
を省みるならば、
自民党
の意図するところが那辺にあるかは、あまりにも明々白々であると私は思うのであります。(
拍手
)すなわち、正常な
審議過程
を踏むことによって、この
法案
の
違憲性
や
反動性
が暴露され、さらには、致命的な欠点を追及剔抉されることによって
国民世論
の反撃は日を追うて層一層と高まる結果、昨秋の警職法の二の舞になることを極度におそれて、憲政史上まれに見る多数の暴力による
非常手段
を強行せんがために、
法規
の
性格
まで白を黒として、
議院運営委員会
への
付託
を押し切ったものであると、私は
考え
ているのであります。
国会法
も
議院規則
も無視され、
院内
の
慣行
も破られたこの事実は、まさに無理が通れば道理引っ込むのたとえ、そのままでありまして、少なくとも良識の府といわれるわが
参議院
においては再びかくのごとき暴挙が繰り返されることのないように、
自民党
といわず、
緑風会
といわず、無所属といわず、共産党といわず、もとより、わが
社会党
もまた、お互いに党派を越えて努力し合うことが、
参議院
に議席を置く者として、
国民
に対する当然の
責任
であると
考え
るのであります。(
拍手
)また、そうしてこそ初めて
二院制度
の
意義
を
国民
に強調できるのではなかろうかと
考え
るのであります。かかる意味合いにおきまして、
提案者
にただしたいことは、
提案者
は、
衆議院
においてはいざ知らず、本院におきましては、
国会法規
や
院内慣行
に従った正常な
審議
の行なわれることをお
望み
になるかどうか。もしお
望み
とするならば、この際、
治安関係法規
であることを明確にして、正当な所管の
委員会
に
付託
できるよう努力することが、
提案者
としてのあなたの当然の責務であると私は
考え
るのであります。この点はいかがでございましょうか。 第三に、以上のような情勢の中で、このゆがめられた
審議状態
を正しく直し、
国民
の信望にこたえることのできる者は、わが
参議院
の中では、たった一人しかございません。それは
松野議長
あなたであります。(
拍手
)
国会法
によっても、
参議院規則
においても、議案を適当な
委員会
に
付託
する
権利
と
責任
は
議長
にあることは明らかでございます。かつて
松野議長
は、
国会正常化
に関する両
党首会談
の約束を破り、
党籍
を離脱しなかったのであります。そのことが今日の
国会正常化
が破られるに至った
一つ
の遠因をなしていることは、多くの人々の一致した見方でございます。当時、
議長
は、
党籍
は離脱せすとも、
議事
の
運営
にあたっては、一
党一派
に偏することなく、
厳正中立
に行なう旨を天下に公約されました。今、言うならば、
議会政治
の将来は、あなたが
自民党
の党員として
党利党略
に走るか、あるいは
参議院議長
として真に
公正中立
な
議事
の
運営
をするか、一にかかって、あなたがこの
法案
をどの
委員会
に
付託
するかによってきまってくると私は
考え
るのであります。もとより、
議長
に
質問
はいたしませんが、
議会政治
の興廃を決するこの際でございますから、
議長
の信念を明らかにしていただけたならば望外の喜びでありますが、いかがでございますか。 次に、私はこの
法案
の
内容
について二、三
質問
をいたしたいと思います。 第一の点は、およそ
公共
の
福祉
と
秩序
を守るために
国民
の
権利
としての
基本的人権
を
制約
する場合には、明確かつ厳重な
具体的基準
が示されなければならないことは、各
公安条例
に対する
違憲判決
の
理由
によっても明らかでございます。(
拍手
)特に、
近代法治国家
におきましては、
基本的人権
が
人間固有
の
権利
であるという
意義
から、
人権
の尊重と
警察裁量
の
制限
とは相関的に取り上げられております。従って、
警察裁量
の余地はあとう限りせばめられつつあるのが、
文明国家
のとりつつある今日の方向でございます。しかるにこの
法案
は、
集会
、
表現
の自由という
基本的人権
を
制約
するにあたって、必要やむを得ぬ場合と言われておりますけれども、それがどんな場合であるのか、万人が納得する明確な
基準
も示すことなしに、
国民
の
権利
の上に
強制的制約
を加える
警察作用
の発動を、
議長
の単なる
認定
のもとに、しかも包括的にゆだねておりますことは、
憲法
に
規定
された
公共福祉
による
人権制約
の
範囲
をはるかに逸脱したものであることは明らかでございます。(
拍手
)
憲法違反
の
規定
であると断ぜざるを得ないのでありますけれども、
提案者
はいかにお
考え
になっておりますか。 第二に、この
法案
は、
請願
し
陳情
する
国民
の
権利
を
制約
する
事項
を含んでおるのであります。
集団行進
や
集団示威運動
が、
集会
、
表現
の自由の
一つ
であるとして、
憲法
によって
保障
されております以上、
請願
、
陳情
を伴うそれが合法的であることは論を待たないところでございます。本来、
請願
に関しては、
憲法
においても、
国会法
におきましても、
参議院規則
においても、「その提出が平穏になされなければならない」と定められているほかは、特別な
制限
はないのでございます。
請願そのもの
が、選挙と並んで、
国民
の
国政
への
意思表示
として重大な
権利
とされておるからでございます。しかるに、この
法律案
は、その
請願
についても、
議長
の
認定
のいかんによって自由に阻止され
制約
されることを
規定
しているのでありまして、
人権侵害
の生ずる
危険性
を内包しているだけでなく、
憲法
の
保障
を破壊させる
契機
ともなっていると断ぜざるを得ないのであります。
人権侵害
を誘発する
規定
であると
考え
ますが、
提案者
はいかにお
考え
になりますか。 第三に、この
法案
を総覧すると、刑罰がきわめて重いことがわかります。五年以下の懲役というのは、戦前の
反動時代
におきましても、
戦争時代
の
治安維持法
を除きましては、
治安警察法
を初め、この
種法規
にさえ例を見ないところでございまして、この
立法
の
動機
とその後の
審議過程
をあわせ見ますならば、
国会
の権威を
維持
することを名としていても、この
法案
の第一の
目的
とする重点は実にここにあったことを今さら悟らざるを得ないのであります。この
立法
の直接の
動機
となった去る十一月二十七日の
事件
は、率直に言ってわれわれも遺憾とするところでありますけれども、だからといって、奇貨おくあたわずとして、かくのごとき
弾圧法規
を
立法
する
自民党
の
各位
の
時代
に逆行したやり方には絶対に
反対
をいたしたいのであります。(
拍手
)
提案者
は、
弾圧
を強化すればするほど、対立する者を非合法に
先鋭化
にかり立てていりておる過去の歴史が示した教訓を、いかに
考え
られるか、この点をお伺いいたします。 第四に、この
法案
は、
憲法
九十五条に
規定
された
一つ
の
地方公共団体
のみに
適用
される
特別法
であると私は思うのでございますが、
衆議院
における
同僚中村議員
の
質問
に対しまして、
提案者
は、
一定地域
の
デモ隊
すなわち住民を
対象
としたものであって、
一つ
の
地方公共団体
を
対象
としたものではないから、
憲法
九十五条による
特別法
ではないと
答弁
をされておるのであります。しかしながら、
地方自治法
第二条によりますならば、
地方公共
の
秩序
を
維持
し、防犯、
防災等
を行なうことは、
地方公共団体
の
固有
の
公共事務
であると
規定
されております。従って、
警察法
によりまして、
都道府県
に
都道府県警察
が置かれておるのでありますけれども、このことは、単に
都道府県
の
区域
を
警察
の単位とするだけでなく、
地方公共団体
として、
都道府県
はみずから
警察
を
維持
し、
警察
の責に任じているのでありまして、言いかえるならば、
都道府県警察
は
都道府県
の
団体事務
でございます。この
法案
の示す
国会周辺
の
秩序
の
維持
とは、全国的な
秩序
の
維持
ではなく、
東京都下
における
地方公共
の
秩序
の
維持
であることは、
国会
が
日本
に
一つ
しかないことによって明らかでございますし、また、この
法案
によって発動される
警察力
も、全国の
都道府県警察
ではなくて、
東京
都がみずから
維持
し、みずから
警察
の責に任じておる
団体事務
としての警視庁をさしておるのであります。従って、この
法律案
は、
提案者
も言うよううに全
国民
を
対象
としておることは事実でございますけれども、ただそれだけではなくて、
東京
都という
一つ
の
地方公共団体
にのみ
適用
される
特別法
であることは、自治法の
規定
その他から明らかでございます。
提案者
の
答弁
にもかかわらず、住民投票で過半数の同意がなければ制定できない
法案
であると私は思いますが、
提案者
はいかにお
考え
になっておりますか。もしそうでないならば、そうでないという明瞭な
法的根拠
を明らかにしていただきたいと思います。 最後に
質問
する点は、この
立法
を生んだ背景としての政治のあり方についてでございます。 第一に、およそ
国会周辺
の
静穏
を保つためには、かくのごとき
弾圧
法を
立法
し
国民
の大衆
行動
を制圧する前に、まず政治のあり方を正すことが何よりも先決な問題であると
考え
るのでございます。(
拍手
)保守党歴代内閣の終戦以来十余年間にわたる為政の跡を見るならば新
憲法
の指向するものよりもむしろ逆行し、再び反動的な
警察
国家へ引き戻さんとするその意図は明瞭でございます。特に、岸内閣になって以来、政治は金によってさらに腐敗し、少数の特権階級を太らすために大衆生活を圧迫し、再軍備への道を歩んでおります。今にしてこの政策を変えぬ限り、どんな
弾圧法規
を次々に作ったとしても、
国民
のふんまんは大衆
行動
となって爆発し、とうてい
国会周辺
の
静穏
を保つことは期しがたい。この
立法
によって階級対立はかえって激化せしめられるであろうと思います。
提案者
は、まず政治を正すことを先決として、この際この提案を中止するお
考え
はないか。この点を明らかにしていただきたいと思います。 第二に、この
法案
は、明治二十年、自由民権論者を
東京
から退去せしめた保安条例をほうふつせしめるものがございます。もとより現象的には、前者は皇居を隔たる三里以内の
地域
を指定し、その
対象
も特定の者五百七十余名であり、規制した方法にしてもこの
法案
とは異なるものでございますけれども、しかし、一定の
地域
を
保持
し、批判者に
行動
せしめる余地を与えぬことによって保守権力を温存させようとするその本質に至っては、全く軌を一にした悪法であったと
考え
るのでございます。進み行く時勢の流れには勝てず明治三十一年に廃止されたことは御存じの
通り
でございますが、この
法案
も、たとえ一時的には数の暴力によって成立したとしても、同じ運命をたどることは火を見るよりも明らかでございます。
提案者
はこの際、世界の動きを直視し、この提案を撤回される意図はないか。 以上の点をもって
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
13
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) お答えいたします。 第一に、この
法律
は
基本的人権
をしばるものであって治安
関係
の
法律
ではないかという御
質問
でございます。私
たち
は全く見解を異にいたしておりましてさような
治安関係法規
であるとは
考え
ません。ただ、一般
警察権
について
議長
が
要請
する権限を与えたのにすぎないのでありまして、その
議長
よりの
要請
を受けた
公安委員会
ないし
警視総監
がいかなる
措置
をするかは、それぞれに与えられた独自の権限に基づいて
自主的決定
をする次第でありまするから、決して
治安関係法規
ではございません。(
拍手
) 第二には、この
法律
は、
院内事項
ではなく、むしろ院外の
関係
事項
であるから、従って
国会
において取り扱うのも、
議院運営委員会
に
付託
することは間違いではなかろうか、また、
公聴会
等をなぜ開かなかったかという御意見でございまするが、もとよりさような御意見もございました。従って、この
公安委員会
に
関係
する
事項
も出てくるわけでありまするから、そういう見解から申しまするならば、むしろ地方行政
委員会
で扱うべきではないかという御意見や、あるいは
道路
上の問題でありまするから運輸
委員会
で扱ったらどうかというお話もございました。また中には、人間の
基本的人権
に関することでありまするから、これは法務
委員会
の方が適当ではなかろうかという、いろいろな御意見もあったことは、
衆議院
の
審議
の途上において事実でございます。しかしながら、
本法
の
目的
とするところは、
議員
の
登院
の自由の
確保
ということと、
国会
における
審議権
の公正なる
確保
をするということが、これが最大の
目的
でございまするから、やはり
議院運営委員会
が最も適当でなかろうかと
考え
ましたし、さらにまた、十一月二十七日のあの
不祥事件
を
契機
として
衆議院
におきましては、加藤
議長
さんから、こういう
不祥事件
を再び繰り返さないために
立法措置
をしてはいかがかということで、A案、B案の二案が
議院運営委員会
の理事会に提示されまして、わが
議院運営委員会
は
議長
の諮問にこたえる機関でございまするから、そういう経過から
考え
ましても、
議院運営委員会
において扱うのが最も適当であろうと
考え
まするから、従って、
参議院
におかれましても
議院運営委員会
においてお取り扱いになりたいと
考え
ておる次第でございます。(発言する者多し) また、占部さんは、この
法律
は
表現
の自由を
制約
して
憲法違反
の
法律
ではないかと、こういうふうな御意見でございます。
衆議院
におきましてもそのような御意見を承りましたが、この
法律
というものは決して基本
人権
をじゅうりんするものではございません。決して
憲法
で
保障
されました言論、
集会
、
表現
の自由に対して一般的な規制を加えようというのではないのでありまして、平穏のうちに行なわれまする
請願
、
陳情
の
行為
や
集団
示威
行動
等は、
本法
の
適用
を受けるものではございません。ただ、それが非常に
議員
の
登院
を妨害したり、
国会
の
審議権
の公正な
行使
を阻害するおそれがあったときにのみ、
衆参両院議長
が連名で
東京
都の
公安委員会
ないし
警視総監
に
要請
するだけのことでありまするから、決して
憲法違反
でないという確信を持っておる次第であります。(
拍手
)
請願
の問題につきましても同様の
趣旨
でございます。 次に、占部さんの御
質問
の
憲法
九十五条との
関係
はどうかということでございまするが、この
法律
は、単に
一つ
の
地方公共団体
そのものを
対象
とするものではなくして、限られた
地域
内のみを
対象
とするものでありまするし、また、この
法律
の
適用
を受けまするものは、
一つ
の
公共
団体の住民だけではなくして、
一般国民
がその
対象
となるわけでございまするから、この
憲法
九十五条のいわゆる
特別法
ではないと
考え
ております。また、
公安委員会
に対しましても特別の義務を課するものでございませんから、
憲法
九十五条にいう
特別法
には該当しないという見解を堅持いたしております。 また占部さんは、
治安関係法規
、治安
警察
の
法規
及び外国
立法
例の刑罰との
関係
について論及されましたが、
公安条例
につきましては、最高裁判所の最終判決の出ていない現在におきまして、有効なるものとして、前提としてすることには支障がありはせぬかということでございまするが、なるほど
東京
都条例につきまして、違憲の判決の出たものやあるいは合憲の判決の出たものがありまするが、いずれもそれは下級裁判所の段階でございまして、最高裁判所の最終判決は出ていない現段階におきまして、私
たち
は、この
立法
が決して
憲法
に違反するものではないと、かたい信念を持っておる次第でございます。 さらにまた、西ドイツ等についての論及もされましたが、ここに諸外国におきまする
国会周辺
の
集団
的
行動
についての詳細な規制の例を持っておりまするが、先刻の
趣旨
弁明
においても申し上げました
通り
、イギリスにおきましても、アメリカにおきましても、西ドイツにおきましても、
日本
よりは、はるかに広範な
地域
を指定いたしまして、その
地域
内におるけ一切のデモ
行為
を禁止しているというのが実情でございまするから、決して今度の
立法
が過酷なものであろうとは
考え
ておりません。また、
法律
を作るよりも政治のあり方を正す方が先決ではないかという御意見でございましたが、なるほどお説の
通り
にわれわれも
考え
ておるわけでありまするから、従いまして、
国民
の間に民主主義が十分に発達をいたしましたならば、お説の
通り
でけっこうでございまするが、遺憾ながら現状におきましては、十一月二十七日のような
不祥事件
の起こる今日の段階におきましては、この程度の
措置
も必要ではなかろうかと
考え
るのであります。(
拍手
) また、明治二十年の保安条例を引用されまして、これは
国会
と
国民
とを切り離す意図を持ったものではないかという御見解でございましたが、これは全く見解の相違でございまするから、従って、この
法案
を撤回する意思は毛頭持っておりません。(
拍手
) 〔
占部秀男
君
登壇
、
拍手
〕
占部秀男
14
○
占部秀男
君 ただいまの
提案者
の
答弁
に対しまして、再
質問
をいたしたいと思います。 まず第一に、この
法案
が
警察関係法規
であるか
国会関係法規
であるかということについて、
提案者
は
国会関係法規
であるとして、その根拠を、この
法律
が
議長
に
警察権
発動に対しての
要請
権を与えておるから、さようにおっしゃったのでございます。ところが、
警察権
の発動に対する
要請
権は現在も
議長
は持っておるのでございまして、それがこの
法案
の本質を制するものであるとはとうてい常識的にも
考え
られないのであります。一体、今度のこの
議長
の
要請
によって
警察権
が発動されると、この
法案
の中には
規定
されておるのでございますが、
議長
の
要請
によって発動されたところのその
警察権
は、明らかに行政上の強制権でございまして、
警視総監
が発動しようが、あるいはまた
議長
の
要請
によって発動されようが、その本質は何ら変わりはないと思うのであります。すなわち、この
警察作用
を発動せしめたところの直接の行政的
責任
はもちろん、発動した
警察作用
が
一般国民
の上に加える行政強制についての
責任
も、この場合には明らかに
警察
官にあるのであって、
警視総監
にあるのであり、
公安委員会
にあるのであり、ひいては内閣にあるのであると私は
考え
る。
議長
は、たかだか、この
法案
における
責任
を追及されましても、
要請
したその
基準
がよかったか悪かったか、
要請
したその場合における
議長
の判断が正しかったかどうか、ということの政治的
責任
を追及されるだけでありまして、それ以上の
責任
は、この
法案
によっては追及される余地がないのであります。というのは、言うまでもなく、
憲法
によって行政の
責任
は内閣にありと
規定
されておるからであります。もしも、この
法案
が、加藤
議長
が
衆議院
において、さきに示しましたB案のように、ある
地域
を
国会周辺
区域
として特別に指定することによって、
議長
の
内部警察権
の及ぶ
範囲
として拡大していたならば、あるいは
議長
はその
地域
におるけ個々の
警察
官に対する命令監督ができ、その意味において特別権力
作用
としての
議長
の
責任
を負うことができると思うのでありますが、この
法案
は遺憾ながらそうなっていないのであります。そこで、この
法案
の発動に基づくところの行政的な
責任
も、明らかに
議長
にあるのではなくて
警察
官にあり、行政官にあるのであります。しかも、この
法案
の
対象
とするものは、私が先ほど申しましたように
一般国民
であり、規制する
行為
は
基本的人権
である。しかも、この
警察作用
の及ぶ
範囲
は、
警察力
によって現に
公共
の
秩序
が保たれておるところの一般
道路
である。これは
現行法
で変わっていないのであります。どこをどうしても、どこを押しても、この
法律案
の
内容
、この
法律案
の
性格
は、
警察関係法規
というよりほかに仕方がないと私は
考え
るのでありますが、その点
一つ
佐々木さんはどういうふうにお
考え
になっておるか、承りたいと思います。 それからもう
一つ
、
憲法
九十五条に基づくところの特別
立法
には当たらない、なぜならば、この
法案
の規制するところのものは限られた
地域
である、しかも相手方は住民である、——かようにあなたはおっしゃっておられますが、限られた
地域
という、この
国会周辺
におけるこの
地域
は、
東京都下
の
地域
であって、神奈川県下、山梨県下、埼玉県下の
地域
でないことは明らかであります。限られた
地域
といっても、その
地域
は
東京
都の
地域
の中にあり、しかも、その発動する
警察権
力や、その
地域
における
地方公共
の
秩序
の
維持
は、
地方公共団体
の
固有
の事務になっておる。あなた方は
固有
の事務ということは御存じだろうと思うけれども、
地方公共団体
と
固有
の事務は切り離すことのできない一体性を持っておるのであります。そこで、私はあなたに問いますけれども、こういうような例においての、裁判にかかっておる例が二、三ございます。ございますが、いずれも判決はおりておりません。判決がおりていないと同時に、学者の中にも一説あることは、あなたも御存じの
通り
であります。従って、あなたが
憲法
九十五条によるところの特別
立法
でないと断定する根拠もないのであります。
松野鶴平
15
○
議長
(
松野鶴平
君) 時間です。
占部秀男
16
○
占部秀男
君(続) それを断定するのはいかなる
法的根拠
からこれを断定されるのか、その点をはっきりと伺いたいと思います。(
拍手
) 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
17
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) ただいま占部さんは、
議長
から
要請
を受けたことによって生ずる
公安委員会
や
警視総監
の
責任
はあるけれども、
議長
の
責任
はないというようなお話でございました。(「行政
責任
だ」と呼ぶ者あり)行政
責任
はございます。その
通り
でございまして、これは
議長
は
院内
の
警察権
はお持ちでありますけれども、院外には及びません。ただ
議長
は、
本法
によりまして、先刻申しまするように、
東京
都の
公安委員会
あるいは
警視総監
に対して適当な
措置
をとるべきことを
要請
をするわけでありまするから、これは三権分立の精神から申しましても、
議長
はただ
要請
をするにとどまるわけでありまして、
要請
を受けた
公安委員会
や
警視総監
がいかなる
措置
をとるかということは、もっぱらそれぞれの
自主的決定
にゆだねられたところでありますから、従って、そのことから生ずる一切の
責任
は、この
公安委員会
ないし
警視総監
が負うべきことはもちろんでございまして、
議長
はこれに対する行政
責任
はございません。 また、
憲法
第九十五条のいわゆる
特別法
との
関係
についてお説でございまするが、これは
警察
が本来有する
公共
の安全と
秩序
を
維持
するというどころに着目して、これに必要な限度においての権限を与えたものでありまして単に地方の治安の
維持
というようなことだけを特定したものではございません。また、
地方公共団体
の組織や
運営
に関する基本的
事項
を直接
規定
するものではないわけでありまするから、決して九十五条にいうところの
特別法
には該当しないという
考え
方を持っております。(
拍手
) —————————————
松野鶴平
18
○
議長
(
松野鶴平
君) 田畑金光君。 〔田畑金光君
登壇
、
拍手
〕
田畑金光
19
○田畑金光君 私は、社会クラブを代表して、ただいま
衆議院
より回付されてきた
自民党
佐々木盛雄
君外四名提出の、
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
について、憤りを感じつつ若干の
質問
を行なわんとするものであります。 本案は、二十四日の午後、
衆議院
において、
自民党
の単独
審議
によって強引に可決された
法案
でありまして、われわれは、民社クラブ、
日本社会党
とともに
審議
を拒否したにもかかわらず、
自民党
は、みずから提案した
議員
立法
を、
提案者
とその
与党
議員
のみをもって
審議
可決したのであります。本案については
憲法
上にも疑義ありとされ、
国会
の
秩序保持
のためには当然にとらるべき
議長
の
責任
も不明確のままに、
国民
の
権利
を一方的に
制限
せんとするのが、本案の
内容
であります。しかも、
反対
意見を何ら聞く機会を持たずして強行採決をはかった案件であります。このような案件を、本院においても、
公聴会
の開催、連合審査、
参考人
の意見聴取等、慎重な手続をとらずして、強引に採決に持ち込むことが繰り返されますならば、第二院としての本院の使命を全く抹殺することになります。これこそ
参議院
みずからが自殺
行為
をはかる結果になると言わなければなりません。 さらに看過できないことは、十一月二十七日の
国会
乱入
事件
は、乱入
地域
が
参議院
構内
にまたがっていたという歴然たる事実があるのでございます。従って
参議院議長
もこの
事件
については重大な
責任
があるのでありまするが、本院におきましては、本院
議長
の
責任
問題を含む
国会
秩序
維持
に関し自主的な話し合いは何ら進捗しておらず、あげて
衆議院
待ちの態度でございましたが、あれだけの
事件
を惹起しながら、デモ主宰者側からも
責任
をとる者なく、院の
秩序保持
の最高
責任者
である
議長
もまた口を緘して語らず、まことに遺憾しごくと申さなければなりません。われわれは
法律
的な
責任
を論ずるものではございません。あのような結果を起こした事実は、当然、結果
責任
が負われなければならないと
考え
ますが、政治道義
責任
を負う者がないということは、まことに遺憾でございます。このような事情にあればこそ、私どもは、
衆議院
より回付された本案を、本院独自の立場をもって十分に
審議
を尽くすことこそ、
衆議院
でじゅうりんされた
議会政治
の権威を取り戻すことになるのでございます。私はこの意味におきまして、
提案者
に対し総括的な
質問
を行い、細部については
付託
された
委員会
に譲り、
審議
の徹底を尽くしたいと
考え
ております。
質問
の第一点は、本案は、
衆議院
議長
が先般、
衆議院
議院運営委員会
に提出したA案を
議員
立法
に肩がわりしたものでございます。本案
提案者
の一人、山村新治郎君は、十二月二十二日の
衆議院
本
会議
における
答弁
で、
議長
私案を
議運
委員名儀で提案する場合には
野党
が
審議権
を放棄するおそれがあるから、やむなく
議員
立法
にしたと
説明
されたのでありますが、
議員提案
もまた
野党
全体の
審議
拒否にあっております。かくて
議員
立法
に切りかえられた
趣旨
も全く生かされておりません。私の
質問
したい点は、
自民党
は何ゆえに、
野党
側の
審議権
の拒否を受けながら、独自で強行採決に出たのか。多数党たる
与党
が
議員
立法
でもって
国会
の
審議
を独占することは容易でありましょう。しかし、これを強行いたしますならば、少数
野党
は全く存在
意義
を抹殺され、
国会
は言論の府ではなく、数の暴力の場に化してしまうのでございます。
自民党
諸君は何ゆえにかかる暴挙をあえて犯されたか、その
理由
を明らかにしていただきたいと思います。 第二の
質問
は、
法案
の
内容
に関する問題でありますが、
国会
だけが特に
法律
をもって保護されなければならないとする根拠は一体どこにあるのか、伺いたい。
提案者
は、
国会議員
の
登院
妨害や公正な
審議権
の
行使
の障害に対し、最小限の必要
措置
をとることは当然だと言っておりますが、特別
立法
を必要とする
説明
にはなっておりません。私がお尋ねしたいことは、
国会議事堂
または
構内
に侵入した者に対して、一般の
住居侵入
と区別して厳罰を課する
理由
がどこにあるかということでございます。むしろ主権在民、民主国家における
国会
のあり方としては、かえって
国民
の前に
国会
を開放し、
国民
とともに政治を論ずるのが望ましい姿だと思いますが、いかがでございましょうか。ことに私は、全学連の指導幹部等、一部のはね上がった職業的革命家に対し、
法律
の規制が
提案者
の期待するように効果をあげることができるかどうかを伺いたいのでございます。 次にお尋ねしたいことは、すでに
国会法
、衆
議院規則
または
参議院規則
によって、それぞれ
院内
の
警察権
の
行使
についての
規定
は厳存いたしております。この上さらに特別
立法
をもってすることは、
国会
みずからが
国会法
を無視するものと言わなければなりませんが、この点に関する所信を伺いたいと思います。 第四点として、
憲法
との
関係
についてお伺いいたします。本
法律案
では、屋外
集会
、
集団行進
、
集団示威運動
を規制することになっておりまするが、
憲法
第二十一条の
集会
、結社、言論、
表現
の自由及び第十六条の
請願
する
権利
の
規定
は、これによって侵害される危険が強くなって参ります。しかも、
議長
の判断いかんによっては、正常なデモまでが規制されるのであります。しかも、場合によっては、個人に
罰則
が加えられるような事実
認定
の権限を
議長
に与えますのは、
議長
の専断にゆだねる
危険性
を多分にはらんでおります。
衆議院
と異なり、
党籍
離脱すら行なわれていない本院においては、なおさら
本法
が
党利党略
によって
運営
される危険をはらんでおります。罪刑法定主義をとる
憲法
の精神からみましても許されぬことであると
考え
まするが、あらためて
憲法
との関連において
提案者
の所信を伺いたいと思っております。 最後に私が伺いたい点は、
本法
が提案された
動機
は十一月二十七日の
国会
乱入デモにあったと
提案者
は述べておられますが、御承知のように、昨年十二月十日、警職法
審議
の紛糾をめぐり、与
野党
間に
国会正常化
の話し合いが行なわれ、
院内
における
議事
の円満な
運営
をはかるために、
法規
、慣例、申し合わせ、決議を厳に尊重し、必要により
国会法
の
改正
を考慮しようと確約されておるわけであります。現に
衆議院
におきましては、
集団
的
要請
行動
の規制についての特別
委員会
も設けられておるはずでございます。本申し合わせ
事項
は一体どのように具体化されてきたのかをこの際明らかにしていただきたいと思うわけでございます。 一例を申しますならば、第三十三臨時
国会
は十月二十六日の召集、会期五十日間は各会派一致の意見によってきめられた会期でございます。会期を相互に尊重し、会期内において
法律案
、予算案を処理することが
国会
運営
の正常なルールでございます。会期延長は、やむを得ない事態の場合、天災地変あるいは
国民
生活に重大な支障が
発生
する場合等、各会派の意見もほぼ了解し、
国民
の納得のいくような場合でございますならば延長も許されまするが、
党利党略
のため行なわれるといたしますならば、明らかに多数暴力主義となり、
議会政治
の権威失墜に通ずると言わなければなりません。相手方の立場を無視し、自分の都合のためには会期を幾らでも延長して、
法案
や条約案の強行成立をはかるような態度で、どうして
国会
の正常化をはかることができるでございましょうか。今回の大幅会期延長こそは、
国民
の不満と疑惑に満ちたベトナム賠償協定の自然成立をはかり、十一月二十七日
事件
を奇貨としてデモ規制
法案
の強行突破をはかる
目的
に出たことは、天下周知の事実でございます。春秋の筆法をもってすれば、政府
与党
のたび重なる強引さが十一月二十七日デモ
事件
に発展したと申しても言い過ぎではないわけでございます。会期も余すところ二日にすぎません。
衆議院
においては
野党
なきところにおいて強行採決を行ない、本院においては会期末のあわただしいこの時期においてこれが成立をはからんといたしますことは、明らかに与
野党
申し合わせ
事項
の精神に反するものと言わなければならぬと思いまするが、
提案者
の所信を伺いたいと思うわけでございます。 同時に、このような重要
法案
が、一部不心得者の行き過ぎから反動勢力の乗ずる機会を作り、
責任
をとらない政治家、はね上がった少数革命家のため、九千万
国民
の
基本的人権
を
制限
しようとすることは、まことに遺憾であり、民主主義を堅持し、
議会
主義尊重の立場に立つわれわれにとりましては、この上ない不幸と言わなければなりません。
参議院
の良識に訴えて、この
法案
が日の目を見ずして未了に終わることを心から願いつつ、私の
提案者
に対する
質問
を終わることにいたします。(
拍手
) 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
20
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) 田畑
議員
の御
質問
の第一点は、
自民党
はなぜ
野党
の参加しないところで強行採決を行なったのか、数の暴力ではないかという御
趣旨
のように拝聴いたしました。もとより私は、先ほどの
提案理由
に申しましたように、加藤
議長
からの御諮問もあって、それにこたえる意味から申しましても、
政党政派
を越えた満場一致の提案といたしたいと、あらゆる努力を試みたわけでございまするが、不幸にして
野党
各位
の御賛成を得ることができずに、わが党
議員
の単独提案となったことは、まことに遺憾しごくに存じます。もともと私
たち
は、
衆議院
におきまして
社会党
の諸君とも本
法案
の提出にあたって御相談を申し上げておったわけであります。
社会党
の方のわれわれにおっしゃるのには、
議院運営委員会
の委員長提案ではどうしてもこれに応ずることができない。しかし、
議員提案
としてお出しになりまするならば、
社会党
としてもこの
審議
には応ずるという紳士的な申し合わせがあったわけでございます。私
たち
はその申し合わせを信じ、天下公党のなす申し合わせでございまするから、これが必ず守られるものとしておったわけでありまするが、突如として出席を拒否されて参られました。加藤
議長
は、
衆議院
の
議院運営委員会
の理事を集められまして、本
法案
の重要性にかんがみ、
野党
の諸君も
審議
にはぜひ応じてほしいということを、るる懇請をされたのでありまするが、不幸にして
野党
の諸君の同調を得ず、ついに
議員提案
となり、しかもわが
自民党
のみの単独
審議
となったことは、まことに遺憾しごくでございまするが、その経過によって明らかなごとく、われわれが最初から数の多数でもって押し切ろうと
考え
たわけではなくして、やむを得ずなった次第を御了承願いたいと存じます。 次には、
国会議事堂
または
構内
の侵入だけを特別
立法
をもって取り締まるようなことはよろしくないのではないかという御
趣旨
のようでございました。私
たち
すべて
国民
は、もとより法の前に平等でございます。しかしながら、今日の主権在民の
憲法
下におきまする
国会
というものは、申すまでもなく国権の
最高機関
でございます。
国民
から選ばれた代表が自由に
登院
し自由に
審議
する
権利
を
確保
することが、まず前提条件であろうと
考え
るわけであります。(
拍手
)かような
考え
方に立ちまして、決して無理なものであろうとは
考え
ておりません。 次には、全学連のごとき極端なるところのいわゆる革命職業家のような、そういう人々を取り締まるためには不十分でないかという御
趣旨
のように拝聴いたしましたが、この
法律
ができましても確かに今日行なわれておりまするような不法なる
行為
を取り締まるのに完璧であるとはわれわれは
考え
ません。しかしながら、法治国家におきましては、一応の法
秩序
を立てるということも必要であると
考え
まして、
本法
を提案した次第でございます。 また次には、
国会法
や両院規則の整備によって
目的
が達せられるのではなかろうか、こういうお話でございまするが、この
国会法
や両院規則というものは、これは
院内
のことのみを
規定
いたしまして、
院内
におけるところの
集団陳情
者の
行為
であるとか、面会人に対するところの規制を設けたものでありまして院外のことについては何らの
規定
がございません。が、現状におきましては、十一月二十七日の
不祥事件
に見るごとく、
国会
の
周辺
が
秩序
が保たれないというような場合においては、やむを得ずこういう
措置
も必要ではなかろうかと
考え
たわけでございます。 また
本法
は、
議長
の判断によって不当に
国民
の
権利
を
制限
する、罪刑法定主義の精神に反するのではなかろうか、こういうお話でございまするが、
議長
の
要請
は
許可
の
取り消し
等の行政処分等でありまして、直接その
行為
を
議長
みずからが取り締まるわけではございません。さような意味におきまして、決して罪刑法定主義の原則に反するという
考え
方は持っておりません。 さらに最後には、昨年十二月の自社両党の申し合わせ
事項
はどのように行なわれておるのか、この申し合わせができたならば
本法
のごときは不必要ではないか、こういう御説のように拝聴いたしましたが、もとより私
たち
は、この自社両党間の申し合わせによって、
法規
や慣例や申し合わせ、決議等を十分尊重する
慣行
が行なわれましたならば、かような
法律
も必要でないという議論も一応成り立つわけでありまするけれども、しかしながら具体的には今日まで大きな進展を見ていない。しかもそのときに突如として今度の
不祥事件
の
発生
を見た。これが
本法
を作るに刺激を与えたことは事実でございまするが、私は、単なる現状にかんがみまして、申し合わせだけでは不十分であるという現状から、やむを得ず
本法
を提案いたした次第であります。(
拍手
)
松野鶴平
21
○
議長
(
松野鶴平
君) 杉山昌作君。 〔杉山昌作君
登壇
、
拍手
〕
杉山昌作
22
○杉山昌作君 私は、ただいま
提案理由
の
説明
をせられました
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
につきまして、
緑風会
を代表して二、三の
質問
を申し上げたいと存じます。 先月の二十七日に
デモ隊
がわが
国会
に乱入いたしまして、長時間にわたって
国会
の中でデモ
行為
をしていたということは、これは前古未曾有の不祥事でございます。まことに遺憾とするものでございます。わが
参議院
の
議長
は直ちに、かかる
行動
は黙過することはできない、将来かかる不祥事の
発生
を防止するため適切な
措置
がとらるべきものと
考え
る次第であるという談話を発表せられております。また、わが
緑風会
といたしましても、その翌日直ちに、今回の事態の
発生
についての
責任
は一体どこにあるか、その所在を明らかにすると同時に、今後再びかかる事態の起きないように抜本的な対策を立てるべきであるということの声明をいたした次第でございます。その後わが党の
議院運営委員会
の理事は、理事会におきましてしばしば、この問題を早急に取り上げて、そうして
参議院
においても積極的にこの調査
審議
をすべきことを申し出ていたような次第でございますが、そのときにあたりまして本案が提案されましたので、われわれは喜んで、しかしながら十分に時間をかけて、とっくりと検討さしていただきたいと
考え
るものでございます。 その
一つ
の第一回といたしまして、私はここでごく概略的な問題二つ三つを
提案者
にお尋ね申し上げたいと存じます。 第一の問題は、先般のような事態を今後未然に防ぐ方法といたしましては、御提案の
法律
を制定することも確かに十分な有力な方途であるとは存じまするけれども、ただこれだけが一番いいのか、これだけしかないのかということになりますと、相当に疑問があるのでございますが、
提案者
におかれましても、この
法案
を用意されるまでには、ああいう方法、こういう方法と、いろいろ御研究、御考慮の後に、この
法案
が一番いいということでお出しになったと、そんたくいたすのでありまするが、そういうことでありまするならば、
提案者
は、これをきめますまでに、どんなふうな御考慮、どんなふうな方途を比較御検討になったか、そこいらのいきさつを御
説明
を願いたいと存じます。 第二の問題は、先般の
国会
乱入
事件
の状況を見ておりますると、一番先頭に立っておるものは全学連の諸君であったかと存じますが、その後の全学連の首脳部の言動を見ましても、これらの諸君は、初めから
法規
を無視するということをやっていたように思うのでございますが、初めから
法規
を無視するというような人
たち
のデモ取り締まりのために
法律
を作るということが、一体どれだけの効果があるのかどうか。むしろ、
法規
を守るということがありまするならば、今日この
法律
を作らなくても、今日ありまする
道路
交通取締法とか、また、刑法の不法に
他人
の管理する建物の中に入ってはいけないという条文もありますので、それを実行すれば相当にできたわけなんです。それをしもやらないということは、初めから
法律
を無視する、しかも、無視したものに対して、これを実行をもって阻止するだけの力がなかったということではなかったかと思うのでございますが、従って、ただこういうことをしてはいけない、こういうことをすれば刑罰を課するというだけの
法律
を作って、はたして実効があがるのかどうか。たとえば、これらを実力をもって阻止するために、
警察力
の増強も
一つ
の方法でありましょうし、あるいはまた、順法精神を涵養するような政策を講ずるのも
一つ
の方法でございましょう。さらにまた、退いて、
参議院
あるいは
国会
の門扉障壁を堅固にすることも、侵入を防ぐための
一つ
の実行方法であるかもわかりません。こういうふうなことについて、一体
提案者
はどのようにお
考え
になっているかということをお尋ね申し上げます。 もう
一つ
、条文の
内容
でございますが、第四条におきまして両院の
議長
は、
公安委員会
または
警視総監
に対して必要な
措置
を
要請
をすることができるようになっておりますが、この両議院の
議長
の
要請
は、それぞれ単独になし得ることであるかと存じます。
参議院
に対するデモ行進を
参議院議長
がいたす、あるいは、
衆議院
に対するデモ行進の場合に
衆議院
議長
が
要請
するのはわかりますが、
国会
に対するデモ行進であり、しかも、
国会
を取り巻く相当の
地域
の静ひつを守るための
要請
であるということになりますと、一院の
議長
のした
要請
は、当然他院に非常に大きな影響を与えるものでございますが、ここには、両議院の
議長
がそれぞれ単独に行なうことになれば、この間に何らの連係も協議も必要としていないのであります。この場合に、こういうふうな
要請
が、それがはたして適切であったかどうかということは、将来非常な政治的な批判を免れませんので、両院の
議長
は、慎重のあまり、他院の
議長
の
要請
を待って、みずからはあとへ退いているというような事態がもしも
発生
いたしましたならば、そのために時宜の
措置
を誤るということがあれば、せっかくの
法律
も無に帰するわけでありますが、その両院
議長
がそれぞれやり得る場合、その間の他院に対する影響等に対して一体
提案者
はどういうふうにその間を調節されることをお
考え
になっておりますか。その点をお伺い申し上げたいと存じます。 以上三点を伺いまして、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
衆議院議員佐々木盛雄
君
登壇
、
拍手
〕
佐々木盛雄
23
○
衆議院議員
(
佐々木盛雄
君) 杉山
議員
の御質疑にお答え申し上げます。 まず第一点は、この
国会
乱入
事件
の善後
措置
としてこれ以外に方法はないのか、こういうふうな御
質問
のように伺いました。もとより、今度の十一月二十七日に起こりました
不祥事件
の善後
措置
として、
衆議院
におきましては、われわれは二つのことを必要だと
考え
ました。第一には、その起こった
事件
の原因をあくまでも究明して、その
責任
の所在を明らかにすることであろうと
考え
ましたし、また、
衆議院
の加藤
議長
も、その観点に立たれて慎重御調査の結果、やむを得ず懲罰
委員会
に
付託
するの宣言もおとりになったのではなかろうかと
考え
ます。また同時に、かくのごとき
不祥事件
を再び繰り返さないためには、恒久的な
措置
として
国会周辺
の
秩序
を
保持
するための
立法措置
も必要ではなかろうかというお
考え
から、さきにA案並びにB案の二つを
衆議院
の
議院運営委員会
の理事会にお示しになったわけであります。この今回提案をいたしました
法案
は、
議長
のお示しになったA案、B案の中の、A案の方を
基準
にして、それに若干の補足を加えて提出をいたしたわけでございます。申すまでもないことでありまするが、このB案の方は、
国会周辺
の一定
区域
をきめまして、その
区域
全体におきまして全面的なデモ
行為
などの
禁止規定
を設けたものでありまするが、それに比べますると、今度の私の出しておりまする提案の根本をなしておりまするA案というものは、そうではなくして、全面的禁止をするのではなくして、平常なもとに行なわれまする
集団
行為
や、あるいは
陳情
、
請願
等の
行為
に対しては、何ら
制限
を加えるものではございません。ただ、それが非常に
周辺
の
秩序
を乱して
議員
の
登院
が不可能になるとか、
国会
内部における
審議権
の公正な
行使
が妨害されるという場合にのみ限って、
議長
が、
公安委員会
や
警視総監
に対して、その
公安委員会
や
警視総監
の持つ独自の権限を発動していただくように
要請
するだけの権限を与えたわけでありまするから、いわばB案に比べまするとA案は非常に緩和されたものでございまするが、今日のこの
国会
の
審議
の状況等をも勘案をいたしまして、当面の段階といたしましては、A案によってむしろ運用の妙を得るということに重点を置くべきじゃなかろうかと
考え
て、この本案を起草いたしたような次第でございます。 次に、第二の点におきましては、先刻もお話がございましたが、全学連等のような強硬な先鋭分子には無意味なものではないか、順法精神が徹底すればこういうものは要らないのじゃないかというようなお話もございましたが、その
通り
でございまして、ほんとうに
国民
の間に民主主義が発達をし、順法精神が徹底いたしまするなれば、ことさらに刑罰
規定
を
法律
によって設ける必要はなかろうと
考え
ます。しかし現状におきましては、遺憾ながらこのままに放任することのできない現状でございまするので、やむを得ずこの本案を提案をするに至った次第でございます。 また次には、
議長
の
要請
に基づいて
警察
官が
行動
した場合において、
議長
の
責任
はどうなるかという御
質問
でございましたが、これは先刻御
答弁
申し上げた
通り
でございまするし、先ほど申しましたように、これは
議長
が
警察
を指揮したり
公安委員会
に命令するわけじゃございませんので、
議長
の
責任
は先ほど申しました
通り
発生
をしない、かように
考え
ておる次第であります。(
拍手
)
松野鶴平
24
○
議長
(
松野鶴平
君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
松野鶴平
25
○
議長
(
松野鶴平
君)
日程
第一より第四までの
請願
を一括して議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
26
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。外務
委員会
理事井上清一君。 〔井上清一君
登壇
、
拍手
〕
井上清一
27
○井上清一君 ただいま議題となりました
請願
六件につき、外務
委員会
における審査の結果を御報告いたします。
日程
第一の三件は、
在日朝鮮人
の帰国を早期かつ完全に
実施
するよう要望するもの、第二は、サハラ砂漠における原水爆実験計画の中止方をフランス政府に対して
要請
されたいとの
趣旨
のもの、第三は、
沖縄
における
米国民政府
新布令第二十三号「刑法並びに訴訟手統法典」の撤回方を
関係
当局に対して
要請
されたいというもの、第四は、
沖縄周辺海域
における米軍演習場の設定に伴う航行漁撈の禁止
措置
を撤廃するよう早急に交渉することを要望するものであります。
委員会
は、以上各件を審査の結果、いずれも願意おおむね妥当と認め、これを議院の
会議
に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。 以上御報告いたします。(
拍手
)
松野鶴平
28
○
議長
(
松野鶴平
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
は、委員長報告の
通り
採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
松野鶴平
29
○
議長
(
松野鶴平
君) 総員起立と認めます。よってこれらの
請願
は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。 —————・—————
松野鶴平
30
○
議長
(
松野鶴平
君)
日程
第五より第七までの
請願
を一括して議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
31
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。商工委員長山本利壽君。 〔山本利壽君
登壇
、
拍手
〕
山本利壽
32
○山本利壽君 ただいま議題となりました十六件の
請願
について、商工
委員会
における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 商工
委員会
におきましては、
付託
された
請願
十七件について慎重に審査した結果、公報
日程
第五より第七までの
零細企業対策強化
のための
商工会組織
の
法制化促進
に関する
請願
十一件、
日朝間
直接
貿易許可
に関する
請願
四件、及び山口県
小型自動車競走場移転反対
に関する
請願
一件、計十六件の
請願
は、(「大臣がいないぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いずれも願意を妥当なものと認め、採択し、これを議院の
会議
に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(
拍手
)
松野鶴平
33
○
議長
(
松野鶴平
君) ただいまの委員長報告にかかる
請願
の採決はあとに回します。 —————・—————
松野鶴平
34
○
議長
(
松野鶴平
君)
日程
第八より第三十四までの
請願
を一括して議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
35
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないものと認めます。まず委員長の報告を求めます。文教
委員会
理事松永忠二君。 〔松永忠二君
登壇
、
拍手
〕
松永忠二
36
○松永忠二君 ただいま議題となりました
女子教育職員
の産前産後の休暇中における
学校教育
の正常な
実施
の
確保
に関する
法律
の一部
改正
に関する
請願
(第十四号)外三百四十件は、文教
委員会
において慎重
審議
いたしました結果、いずれも願意を妥当と認め、これを院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(
拍手
)
松野鶴平
37
○
議長
(
松野鶴平
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
は、委員長報告の
通り
採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
松野鶴平
38
○
議長
(
松野鶴平
君) 総員起立と認めます。よってこれらの
請願
は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。 —————・—————
松野鶴平
39
○
議長
(
松野鶴平
君)
日程
第三十五より第三十九までの
請願
を一括して議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
40
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長新谷寅三郎君。 〔新谷寅三郎君
登壇
、
拍手
〕
新谷寅三郎
41
○新谷寅三郎君 ただいま議題となりました
請願
三十一件について、地方行政
委員会
における審査の結果を御報告いたします。
日程
第三十五の
請願
は、新市町村の育成強化について建設計画
実施
のための財源
確保
等の
措置
を、
日程
第三十六の
請願
は、同じく新
市町村建設育成
のための
地方交付税法
の特例
措置
の延長を、また
日程
第三十七の
請願
九件は、行政書士会について強制加入制をとることを中心とする
行政書士法
の一部
改正
を、
日程
第三十八及び第三十九の
請願
二十件は、いずれもいわゆる基地交付金について
対象
資産の
範囲
拡大、交付金の増額等の
措置
をそれぞれ要望するものであります。
委員会
におきましては、以上三十一件の
請願
はいずれも願意おおむね妥当と認め、これを議院の
会議
に付し、内閣に送付を要するものと決定いたした次第であります。 以上御報告いたします。(
拍手
)
松野鶴平
42
○
議長
(
松野鶴平
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 これらの
請願
は、委員長報告の
通り
採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
松野鶴平
43
○
議長
(
松野鶴平
君) 総員起立と認めます。よってこれらの
請願
は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。 本日はこれにて延会いたします。 次会は明日午前十時より開会いたします。
議事日程
は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十時一分散会 —————・————— ○本日の
会議
に付した案件 一、
国会
の
審議権
の
確保
のための
秩序保持
に関する
法律案
(
趣旨説明
) 一、
日程
第一乃至第四の
請願
一、
日程
第五乃至第七の
請願
一、
日程
第八乃至第三十四の
請願
一、
日程
第三十五乃至第三十九の
請願