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政府委員(高田正巳君) 第一点の見舞金、それからなくなられた方に対する弔慰金、この二点につきましては厚生省といたしましては
考えておりません。罹災されました方につきましては、現在の
災害救助法のいろいろな救助をいたしますのでございますが、この救助の
程度といいますか、限度といいますか、これを、今回の
災害につきましていろいろと引き上げて参りました。二、三の例を申し上げてみますると、たとえばたき出しに関する費用をずっと従来五十円でやっておりましたのを七十五円に引き上げ、それから九十円に引き上げて参りました。
それから御指摘の家を流されたり、全壊されたような方々、家を失われた方々に対しまして応急の仮設
住宅を作って無料で、二年間の
範囲におきましてはそこへ入っていただくという
制度があるわけでございます。これにつきましても、従来はその一戸当たりの単価が八万円で実はずっとやって参っておりまして、これを今回の
災害に際しまして、まあもう少し、少しでもいいものというような
趣旨から、十万円に単価を引き上げて、それから戸数につきましても、従来そういう罹災をなされた方々の三割以内という戸数でございまして、制限がございましたのですが、これを一般的に四割まで引き上げました。さらに特殊な事情にあります地区につきましては、それ以上でも引き上げ得ると、設置戸数を多くし得るというふうなことで、大体約二万戸ばかりの応急仮設
住宅を作る
予算を、総額二十億
程度のものでございますが、その
予算を今回の補正でお願いをいたしておるようなことであります。
そのほか、
お話の中にもございました毛布でございますとか、なべ、かま、日用品というようなもの、こういうふうなものの
程度、限度につきましても、従来の
災害よりは若干これを引き上げて参ることにいたしました。
さようなことが例でございますが、なお、さらに全般的に申しまして、第三点の疾病の場合の取り
扱いに関連のあることでございますが、たき出しの期間にいたしましても、あるいは避難所の設置の期間にいたしましても、それから医療の期間にいたしましても、それぞれ水を長くかぶっておる所等につきましては、引き延ばして参りました。普通の
災害の場合には、まあたき出しなんかも一応二、三日という制限があるのでございます。もちろん二、三日で打ち切って差しつかえのないような地区もございます。しかし、これも今日なお引き続いて、もら二ヵ月ぐらいになりますけれども、引き続いてたき出しもやっておる。その地区々々の
実情に即しまして全般的に救助の期間を引き延ばした。まあさような
措置をとって参りまして、救助につきましては、私ど
もといたしまして、いろいろ御不満はまだまだあるかと思いまするけれども、万全を期して参ったつもりでございます。ただ、最初に申し上げましたように、見舞金とかあるいはう弔慰金というようなものは、まあそれは差し上げればこの上ないわけでございまするけれども、別に悪いというものではございませんけれども、今までの例におきましてもさようなことはいたしておりません。従って、今回もさような
措置はとらないことにいたしております。
なお、立ち上がり
資金に関連をいたしますことといたしまして、先ほど
母子福祉資金の
貸付の
お話がございましたが、これとは別に、母子世帯以外のボーダー・ライン層に対して世帯更生
資金の
貸付という
制度がございます。大体
母子福祉資金の
貸付と非常によく似た
制度でございますが、この世帯更生
資金の
貸付につきまして、今回補正で一億五千万円の政府
資金の追加をお願いいたしておるわけでございます。この中に生活
資金というふうなものもございまして、従来、非常に限定された場合に、月三千円まで出しておりましたのを、この
災害につきまして月一万五千円まで、三ヵ月間総計四万五千円ぐらいまでは貸し付け得るという
制度に変えまして、それから
生業資金というようなものにつきましても、従来もございますけれども、やはり同じように五万円
程度までは
貸付をするというふうなことにいたしまして、これに要する一億五千万円の
資金の追加をお願いを補正でいたしておるわけでございます。
それから第三点の疾病の問題でございますが、
災害救助法によりまする
災害に基因をいたしました疾病の治療につきましては、法の
建前は原則といたしまして救助班でやる医療、そういうふうなものをねらっているのが法の
建前でございますけれども、今回は相当多数の方々を国立病院その他の病院に入院をさしたりなんかいたしております。それから一般の
医療機関に通っておられる方々もございます。まあそういうふうな医療の問題につきまして、これもたしか二週間ぐらいの期間があるわけでございますが、これをそれぞれ
実情に応じまして引き延ばして、現在もまた一部の方々につきましては
災害救助費で医療を行なっておるような状態でございます。しかし、これは
制度の
建前からいたしまして、もうそろそろ打ち切って他の
制度に移行すべきものと私ども
考えておるわけでございますが、
実情をよく調べまして即応いたしたような
措置をとりたいと、かように
考えておるわけでございます。