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政府委員(
西村健次郎君) まず最初に、先ほどの日ソ漁業
委員会の会期の点につきまして、一応向こうからそういう文書がまだこちらには到達いたしておりませんが、門脇大使の方に出されたが、こっちの返事はまだいたしておりません。私
どもの方といたしましては、従来の例もあり、できるだけ早い機会に開き、そうしてできるだけ早い機会に妥結するように持っていく、例年
——昨年あるいは今年、毎年少しずつ時期がおくれて、そのために非常な苦しみを受けているというようなことはできるだけしたくない、またそうしないように全力をあげて参りたい、こう思っております。
それから、来たるべき日ソ漁業
委員会における最大の
議題であります来年の漁獲量の点、私
どもといたしましては、過去数年にわたる漁獲
統計、あるいは生物学的資料、そういうものを分析し、現に私たちやっております。生産部長が一昨年
北海道に参りまして科
学者と打ち合わぜまして、さらに東京におきましてそれを全部整理した上で最後の取りまとめをするということで進んでおります。私
どもとしましては、いろいろこれには、率直に申し上げて漁獲量の確保には相当な困難がある、こう思います。公海における漁獲の実績等から見て、われわれとして主張すべきことは十分主張して、漁獲量の確保に努めたい、こう思っております。さらにこの問題が、今度は国内の問題、言いかえますると、
北洋漁業のいわゆる再編成問題ということにからみ合って、非常に困難な局面に逢着しているわけでございます。私
どもとしまして、率直に申し上げて、そう甘い見通しの上に立ってものを
考えるわけにはいかない。現在十六船団、四百六十隻という独航船で
北洋漁業をやっておりますが、これ御
承知のように、一昨年以前ですね、オホーツク海が閉鎖になります前は、アリューシャン海域では十四船団四百隻程度が出ていたわけです。それが、漁獲量が減った本年において十六船団、四百六十ぱい出た、こういうことであります。この何隻出るか何船団出るかということは、これは本質的に
経営の問題でありまして、いかに赤字でも、将来の見込みがあるかもしれないから、本年赤字でも全船出るというような決心を業界においてした場合において、これをわれわれの方で強権的に何隻やめろ、転換しろとか休業しろというようなことはすべき建前ではないと思います。しかし、私の方の
考えとしまして、そうは申しましても、やはり独航船四百六十ぱいじゃとてもやっていけないという場合には、そこに自主的にこれをどうすべきかということを
考えてしかるべきじゃないかという意味のことを、私はもう一月以上前でございますが意思を申し上げてあるのであります。しからば、その場合に、独航船の方で何ばいですか、たとえば四十隻なら四十隻あるいは六十隻というような相当の隻数のものを他に転換なり休業するという場合にどういう
考えがあるかということにつきまして、私
どもの方でもいろいろ
考えまして、ちょうど昨年から始まっております北洋のミール母船漁業、これが来年は四船団出漁する予定になっております。このミール母船漁業に大体一船団当たり北洋の独航タイプの船であれば十隻ないし十五隻程度収容できる。従いまして、四船団計四十隻ないし六十隻は収容できるのじゃないか。そういうことで、私の方としましては、ミール母船漁業を計画している漁業会社に対しまして、来年については独航船がもし転換してくる場合においては、これを優先的に契約する、連れていくように申し渡してあるわけでございます。従いまして、そういうことによりますと、かりに、独航船のうちから、そういうふうに転換なり休業したいというものが出ました場合においては、この
方面に収容するということは
一つ考えられるのじゃないか、こういうふうに思っております。なお母船の方につきまして、先ほど申し上げましたように、現在十六船団ございます。これがやはり
経営の
合理化という面ではやはり母船の数は少し多過ぎる。従って、これはもっと
合理化して、母船の数を少なくする、そうして経費を節約するということは、全体の国民経済上からも必要であります。その点は母船会社に対しまして、私
どもからはっきりその点についての何らかの方策をとるように意思を伝えております。まだこの
方面につきましても具体的な案として出て参りませんけれ
ども、私
どもとしましては、これを
経営の問題とはいいますけれ
ども、やはりそこにこれだけの漁業につきましては、できるだけ合理的に規模を作り直すということが必要である、こういうふうに思っております。