○下村定君 私は新
戦闘機の
機種選定そのものを、当初から
国防会議の議題として取り上げたことは不適当と信ずる一員であります。しかしこのことは、本日は時間の
関係もありますので、さかのぼって論及はいたしません。ただ、これに関連しまして、
国防会議の運営につきまして、たった一言
総理にお伺いいたしたいと存じます。
現在の
国際情勢下におきましては、武力を用いる大きな
戦争の発生
範囲は、きわめて小さくなっていると存じますが、その反面におきまして、いわゆる心理戦、経済戦、
科学戦というような闘争手段は今後も継続せられ、見方によっては激化するとも
考えられます。一面におきましては、
科学の
進歩ということも考慮しなければならぬと存じます。従ってこれに対する国防の
計画は、従来のような
軍事に偏したものではなく、内治、外交その他国政の全般にわたり、広い視野のもとに
国防会議の
議員であられますところの
関係閣僚の方々は、それぞれ主管に従って、積極的にこの
計画の立案に参与せられ、総合的な
計画が樹立されることが何よりも必要だと存ずる次第であります。
ところが、私の聞いておりますところでは、これまでの
国防会議におきましては、この点がはたしてどうでありましょう。失礼な
言葉でおそれ入りますが、やや不勉強な観がある。
防衛の
計画も、いわば
防衛庁から出されるところの
軍事的の
計画に他の
議員諸公が若干の注文をつけて、あるいは経費の増額を押えるというような
程度でないかと察する次第であります。これでは
国防会議本来の使命にも沿いません。また、ただいま申し上げました
世界情勢の変転、この変転は、私はかなり大きいものと思う。これに即応するためにも適当でないと思います。近く第二次の
防衛計画が審議されると承っておりますが、この際、ただいま私の申し上げましたことについての
総理大臣の御所見を簡単に伺いたいと存じます。