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森中守義君 郵務局長、あなたのところにこういう
報告があるかどうかわかりませんが、これは市川という人が、はがきを受け取ったのです。それを私はもらってきました。付せんに、こういうことをつけてある、「この
郵便物はふなれの者が配達しましたので尋ね当らず持ち戻り遅延をいたしました」目黒から二十九日に出して、それで中野の
郵便局で、十一月の四日に付せんをつけて正しい配達をしているわけです。こういう例がありますか、私も逓信省から
郵政省へ約二十年ほどお世話になってきました。かつてこういうような付せんのついた覚えがない、おそらく前島先生を初め通信
事業に
関係をされた幾多の先輩が、こういう付せんのついたことを見て、
郵政事業も地に落ちたと、こう言っているだろう、どういうことですか、
郵政省が規格をきめて出している付せんに、こういう項目がありますか。ふなれの者が配達をした、尋ね当らずに持ち戻った、だからおくれた、というのがあります。この
責任はどうするのです。
それで、あなた方は、何か組合がこれをやっているからとか、労働運動が、こういう結果を招来したということを宣伝されておる、ことに中野に行ってみて驚いたことは、あそこの
郵便局で何にもないというのに、警官隊を三日名、十月の二十三日、何もやっていないというのに、警官隊を三百名ほど待機さしておる、しかも現場の局長あたりの
意見によると、その必要はなかったという話しだ、ところが
郵政局と
郵政本省が、なまぬるい、警官隊を現場に入れておけ、こういう指図をしたという、話は余談になるけれ
ども、
ほんとうに
郵政省とか、あるいは
地方郵政局の
郵便部とかが、
ほんとうにまじめに問題を直視して解決しようとする横っちょの方から、労務対策、組合対策だということで、余計なおせっかいをしょる、ここに、虫も殺さぬような顔をしておる中田管理課長が、最近の
郵政省の労務対策あるいは労働対策というものは出過ぎる、もう少し真剣に
事業部がこの問題の解決に当たれば、こんなことにはならぬ。事もあろうに労務対策、組合対策という
理由のもとに、警官隊を導入して、かえって問題をこじらかすような傾向が非常に強い。最近労務官僚ののさばりは、全国的に目に余るものがある。これは
大臣、何も
全逓と
郵政省が
団体交渉が閉ざされているとか、激しく対立しているとかいう問題とは別です、労務対策はどうなければならぬ。各
事業部が、正常に事態の解決をはかろうとすれば、ここに来ておる中田管理課長のごときものが、問題の紛糾に拍車をかける。全国的に各
事業部の部長、課長というような人
たちは、そういう出過ぎた労務官僚のやり方に、かなり批判的であるということは、あなたもともとと承知をしてもらいたい。しかもだ、それで、そういう結果が
郵政省始まって以来一回もなかったような、ふなれの者が配達をしましたから、持ち戻りをいたしました、で、遅延をいたしました、こういうことでどうするんです、
郵政事業は。しかも今、野上
委員の質問に対して、高校の低学年、未成年であるから罰則の
適用もできません、困難であります、罰則の
適用とか、それが困難であるという、そういうことは問題じゃないんです。
郵便事業は、罰則
適用を前提にしておりません。そういう罰則を
適用しなくてもいいような人を、なぜ使わない。
郵便法九条はどうしますか、憲法はどうするんです。その
責任を一体国民に対して、どうして負おうとするのか、
郵政省に
責任がないと言えますか、けしからぬこと、はなはだしい。のみならず先刻経理局長が
答弁をされた中で、私ははなはだ、今始まった問題じゃありませんが、遺憾だと思うのは、賃金
予算の成立の要件、最高最低というように、なるほど
法律上の制定はある、だけれ
ども、
事情に応じて二百三十一円になってみたり、三百四十円になっている、どうしてこういうばかなことをするんです。私は人
事部長からも答えを、もらいたいと思っている。抜本的な解決をはかるということは、
定員法のワク外による、それが急にできないとするならば、次善の策として非常勤を、現行制度の定数非常勤の正当な
予算措置を講ずる、これはもうここ数年間、論議をかわされ問題になってきたことです。であるのに、賃金
予算の成立の要件が、そういうものに置き直されていない。ところによっては三百四十円、ところによっては二百三十一円、どういうことですか。ことに私はつい二、三日前、郷里の熊本に帰ってきた、職場を回ってみた、建築部で過労のあまり発狂した、者がある、熊本の精神病院に今入っておる。次から次へ設計をする人、現場監督をやる人が倒れていっている。建築
予算が八十五億とれた、七十億とれた、その限りにおいてはけっこうです。なぜ設計をする人や磁場監督をふやさない。まさに痛ましい事件が熊本で起きている。過労の結果発狂した、精神病院に入っております。すぐこれは人事の方で、私は照会してもらいたいと思う。これは建築だけではない、経理部にもあれば、人事にもある、どこにもある。最近
郵政省の逓信病院のベットはどうです、数が足りない、次から次に、
民間の病院にいわゆる委託ベットに病人を収容しております、こういう
実情をどう見るんですか。東京
郵政に行ってもその
通り。優秀な建築の技術屋が三百四十円、三百円程度では、なるほど
郵政省の建築や設計は修業のためになるからというので、官学なり私学を出て入っている。だけれ
ども少なくとも生活に追われてゆくならば、優秀な技術者が
郵政省の職場から離れてゆくでしょう、こういう
実情をどう思うか。だから賃金
予算の成立の要件を、もう少し正確にして、定数非常勤にかえて、本務者と同等な扱いをしていく、これが
定員法の撤廃ができないならば、次善の策としてとるべき
郵政省の
方法だろうと思う。中野の
郵便局では、当然入れるべき健康保険にも入れていない。
郵政省は、
昭和二十九年に通達を出している。形の上では行政指導をやっている。その行政指導が、実行に移されていないじゃありませんか。私が中野で聞いてきた話では、定数非常勤が十六名、一般の非常勤が十五名、これらの人が内勤二百八十円、外勤三百円、それで実は二十九年に労働基準法五十二条に基づいて日雇い健保に入れろというような指導文書が出ている。ところが賃金の裏づけがない。中野の
郵便局の場合には二百八十円の渡し切り、三百円の渡し切り――局長や課長のふところから健康保険の費用を出すわけにいかない――どういう行政指導をやっているのか。通達文書一本で、
国会で問題になったときには、こういう文書を出しましたという、おそらく言いわけにしようという、そういう材料ではないかと私は思う。
法律というものは、そういうものではありません。実行に移されていかなければならぬ。健康保険にも何にも入れないで、明らかに労働基準法に違反をしておきながら、処分をする、処罰をする、警官を呼ぶ、そうして、半面、信書の秘密は侵されても、その処理ができないような、また信書の秘密が侵されやすいような可能性のある人を雇わなければならぬ、あげくの果てには、
郵政事業まことに九十年近い間、かつてないような汚点を残している。付せんに、さっき申し上げたように、不なれの者が配達しましたから持ち戻りました、おくれました、そういうことならば、
郵政省の看板をはずしなさい。一体、何のために
郵政省の
大臣を初め、月長がいるのですか、何をやつているのですか。これは、私はこれくらい問責をされても、
郵政当局は返す
言葉がないと思う。少なくとも、私も
郵政省出身の一人である。長い将来に、この
事業をつないでいかなければなりません。いやしくも皆さんが、
郵政省をおあずかりになり、また私
どもが、
郵政省出身の
議員という
立場で
国会にいる限り、後世の人
たちに、
郵政事業に汚点を残していきたくない。手島大先輩がおいでになる、
鈴木先輩もおいでになる。この皆さん方が次官のときには、こういう事態は一回もなかったはずた。あなた方の時代になって、こういうことになっている。どうして
責任をとりますか。しかも何回も言うように、すなおに、人事なら人事
関係の向きが、事態の解決をはかろうとすれば、あの辺に坐っている若い管理課長などが、のこのこと出てきて、ちょっと待て、労務対策だ、組合対策だということで問題をこじらかす。労務官僚が出過ぎるということも、私は一言言及しておきたい。まことに不手ぎわこの上もない最近の
郵政事業の運行の
状態であります。
大へんどうも、質問から問責みたいになりましたが、まず第一点は経理局長に、この賃金
予算成立の要件について、もう少し正確に、少なくとも賃金用員
諸君が、最低の生活の保障ができるように、
郵政事業にたとえ日々雇用であったにしても、
事業の威信を失わしめないように、安んじて
事業に専念できるような非常勤の定数非常勤制度への切りかえの意思があるかどうか。
また人
事部長には、
昭和二十九年の
計画がなぜ行なわれていないのか。労働基準法に違反をしている皆さん方が、口をきわめて
郵政の
職員諸君に
法律を守れという、その主張を繰り返しておりながら、みずから労働基準法を守らなかった、その
責任はどうするか。
その問題と、さらに荒巻監察局長がおいでになっていますが、監察は、当然日常の操作の面で定員
状態が正常に剛直されておるかどうかという、そのチェックをやる
義務がある。監察官の任務の中に、そういうものがうたわれている、そういうものを、どういったように取り扱って――
郵政側に対して、そういう不測の事態の発生を未然に防止するために監察は存在するはずであるから、監察側として、
郵政にどういう
措置をとってきたか。それらのことも、あわせて御
答弁をいただきたいと思います。
さらに、総括的なこの問題を、少なくとも今まで存続をしてきた
郵政事業、さらに永遠に続けていかなければならないわが
郵政事業に、取り返しのつかない汚点を残した
郵政大臣の
責任ある
答弁をも総括的に求めながら、個別に、今、名を指しました各部局長の
答弁を私は求めておきたいと思います。