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1959-12-04 第33回国会 参議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月四日(金曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君            栗山 良夫君    委員            井川 伊平君            上原 正吉君            小林 英三君            斎藤  昇君            鈴木 万平君            阿部 竹松君            岡  三郎君            藤原 道子君            奥 むめお君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君   政府委員    自治政務次官  丹羽喬四郎君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君    通商産業省重工    業局長     小出 栄一君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    通商産業省軽工    業局長     秋山 武夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○経済自立発展に関する調査の件  (競輪存廃問題に関する件)  (火薬煙火類爆発事故に関する  件)  (ガス料金に関する件)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。  経済自立発展に関する調査を議題といたします。  本日は、競輪に関する問題、東洋化工横浜工場爆発事故に関する問題、ガス料金値上げに関する問題、及びレモン輸入に関する問題等について、それぞれ質疑を行ないます。質疑の通告がございますので、順次これを許します。
  3. 岡三郎

    岡三郎君 競輪について質問を、池田通産大臣並びに自治庁関係官にいたします。  競輪の社会的な害毒については、私がここであらためて言うまでもないと思いますが、特に最近におきまして川崎市に起きた事件、つまり老婆を殺し、妻と無理心中をはかったというふうな競輪狂の男の話ですが、それが家庭生活破壊している原因ということを強く世情指摘しているわけですが、これは一、二にとどまらない数多くの例をもっております。非常に、競輪に伴う八百長事件とか、あるいはこれを取り巻くとこうの暴力団組織とか、まあいういうと騒擾事件というものも続発して現在に至っているわけですが、最近において、特に世論は、強く、競馬とかその他に比較して、特に競輪廃止してもらいたい、こういう世論が非常に強く起こっておるわけですが、この世論に、政府当局、国会は、当然こたえて、真剣に競輪の問題を論じ、そうしてこの競輪については、世論にこたえるべきだ、何も世論に迎合するということではなくて、諸罪悪を排除する建前上、これを廃止するということが大体の今の意見だろうというふうに考えます。それでこの競輪廃止世論について通産大臣はどのようにお考えになっておるか。この点をあらためて明確にお伺いしたいと思います。
  4. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 競輪の問題につきまして、お話し通りいろういろ物議が起こっておることは私も承知いたしております。従いまして、競輪のみならず、公営競技あり方につきまして、私は、再検討しようというので党に申し込みまして、一昨日党の方でも公党競技特別委員会を設けまして、根本的に検討することに相なっております。また所管競輪につきまして、今月十八日に競輪審議会を設けまして、いろいろ検討してみたいと考えております。
  5. 岡三郎

    岡三郎君 ただいまの御答弁は、前回委員会においてもお伺いしたところでありまするが、私は競馬なりモーターボート、オートレースなりその他のいわゆる公営賭博的な仕事、こういうものと一緒にやられることも賛成ですが、しかし最近における世情が、競輪を特に強く廃止すると、こういうふうに強く取り上げておるということを池田通産相はどうお考えになりますか。つまり、競馬も同じ公営ギャンブルである。オートレースしかり。そのほかモーターボートレースしかり。しかしながら、その中で特に競輪というものを強く廃止したい、こういう世論が大きく起こっておるのはどういう点にあると思いますか。
  6. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 公営競技のうち特に競輪物議のもとをなしているということも承知しております。しかし、全体の問題としてやはりこの際検討しておくべきだろうとこういう考えで、ただいまお答え申し上げたような措置をとることにいたしておるのであります。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 いや、その点で、私は、今言った公営ギャンブルを全体的に検討されることもけっこうであろうが、しかし特に最近において、競輪廃止せよという強い世論というものを私は総体的にひっくるめて中和するということは許されないのじゃないかというふうに考えます。全体を検討する前に、競輪というものが公営ギャンブルのうち五〇%以上、非常なウエートを占めておるということを指摘されておるわけですが、私は、この競輪を特に廃止しようという世論の中においては、先ほど申し上げました通りに、家庭破壊という問題とそれからこれをめぐるところの八百長事件、これが最近においては強く指摘されて、競輪はただもう見るだけのものではなくて、金をかけてやる、ちようど昔で言うと賭博行為の中でいかさまばくちをやるということ、こういうことを非常にこの競輪が私は言われておると思うのですが、そのほかに、もう競輪は、日本自転車振興、こういうもの、いわゆる機械産業振興という問題もあるが、当初出発した当時の戦災都市復興というものはもう大体使命が終わったと、こういうふうに世論は見ておる。識者もこれを指摘しておるわけです。そういうふうな中で、競輪が再び継続されるというふうな通産省の声が報道されるにつれて、世論が強くなってきておるのではないかと思うわけですが、この八百長という問題と競輪は切り離せない。特に今回の口火を切ったと言われる兵庫県知事の阪本さんの言を借りて言っても、競輪はオール八百長であるという指摘を受けている。こういうふうなことになると、公営ギャンブルがまずいということは当然であるが、さらにその上に輪をかけて、八百長、こういうふうなことで、しわくちゃの百円札を持って行く大衆を収奪しておるというこの事実を見のがすことはできないと思う。公営八百長について通産省もいういう指導されたと思うのですが、公営八百長、今言った家庭破壊、あるいはこの競輪に踏み切ったときの、いわゆる戦災都市復興、こういうふうな諸条件というものが、社会混乱を起し、あるいはその使命が終わったと、こういう現状において、なぜその廃止に踏み切れないのか。廃止をしないのか。こういうふうな世論の前に立って、競輪というものを廃止していこうという、こういう気持が私は通産省に薄いと思うのです。特にこの点について、通産当局というものが、事ごとに、雑誌なり新聞なりその他を通じて見ても、少しも誠意をもって世論に耳をかそうという傾向がない。ここになおさら競輪問題というものについて世論が強く廃止の意気を示してきておるのではないかと思うのですが、この点池田さんどうですか。
  8. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 通産省といたしましては、法律に基づいて今まで行なわれておるものでございまするから、これの存廃問題につきましては慎重を期したいというので、先ほど来お答えしたように検討しようとしておるのであります。従って、この結論も私はそう遠くなく出てくると思います。
  9. 岡三郎

    岡三郎君 重工業局長にお伺いいたします。
  10. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) 大臣からお答えになりました通り通産省といたしましては、自転車競技法という法律が制定されまして、その法律に基づきまして行なわれておりまする競技でございますので、この法律が適正に運営できるようにということがわれわれの責任でございまするので、そういう趣旨において、従来までできるだけ弊害を少なくする方向運営して参ったつもりでございます。いろいろ問題が起こっておりまする際でございまするので、先ほど大臣からお答えがございましたように、根本的にこの際再検討をしていただくという趣旨におきまして、この法律がもともと議員立法でございました経過もございまするので、党の方におかれましても根本的に再検討していただく、こういうことにお願いをしておるわけでございまして、その結論に基づきまして、私どもとしてはさらに処置をいたしたい、かように考えております。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 今の競輪廃止について自治庁相当の関心を持って、漸次、いわゆる大した観客を動員できないところの競輪場から廃止したいとか、あるいは交付税の中でテラ銭を差っ引くとか、いろいろな意見を持って、新聞その他に意見を発表しておりますが、自治庁が、今回の競輪廃止世論意向にかんがみて、特別交付税を配分する場合に、競輪収益が一定の額に達した場合には交付税を減額していきたいとか、いろいろな意見を示しておりまするが、この際、競輪廃止について自治庁意見を聞きたいと思いますが、いますか。
  12. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 令すぐ連絡します。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 来ておりませんか。それではこれはあとにします。  今、通産大臣小出重工業局長答弁があったのですが、あなたは、これはどの程度まで信憑性があるかどうか別にして、最近において、十億円の振興費、いわゆる機械産業振興費、こういうものが通産省として唯一最大——これを使えるということが唯一最大のまあ問題であるというふうに考えておるらしい。つまり、十億円の振興費通帳省として自由に使える。ここに大へんな魅力を持っておるらしい。それで、この競輪廃止は、売春の問題と同様であって、政治問題であって、われわれは廃止になったら善後措置考えるだけだ——あるいはそうかもわかりません。しかし、このあなたが言っている日ごろの言動から考えてみれば、世論というものについてはてん然として恥じない。競輪自体というものを自粛するというどころの騒ぎではなくて、こういうものは売春同様で、われわれの範疇の問題ではない、こういうふうなところで、問題については継続法案を出そうということがうかがえるわけですが、池田さん、ここでお願いしたのですがね、私は、通産省重工業局ですか、通産省日本自転車振興会との関係についてお伺いしたいと思うのですがね。過去に通産省役人であった者で、現在日本自転車振興会に、いわゆる役員なりあるいは部課長なり、その他相当出ておると思うのですが、どういう人がどういう役職で出ておるか、その点を明確にお聞きしたいと思う。
  14. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) 日本自転車振興会は、御承知の通り特殊法人でございまして、役員の任免は通産大臣の権限でございますが、ただいまのところ、今御指摘になりました、かつて通産省の官吏でありまして、現在その役員になっておりまする者は、副会長中西さん、それから理下新井茂さん、それから幹事岡田武彦さん、この三人であります。それから事務局の方には部長級の者が、たしか二人くらい入っておると、かように考えております。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 私の調べたところではもう少し多いわけですがね。中西さんなり新井さんなり、まあ一番今いろいろと問題を投げかけている人がほかにもあるわけですが、ことしの正月に振興会入りをした中村企画部長、これもそうでしょう。そのほかかなりまだある。調べてみるというと、振興会に十五人くらい入っている。こうなるというと、私は臆測するわけではないが、通産省自体競輪というものを食い物にしているのじゃないか、こう言われても私は差しつかえないんじゃないか、こういうふうなやり方をしているからこそ、通産省は泥沼から足が抜けないのである、こういうふうに世論指摘しております。つまり世論廃止するという競輪の一番根本の振興会に、通産省相当役人が天降りに転出して重要なる役職を占めておる、こういうことは私は明確にしてもらいたいと思うのですよ。池田さんの、これは在任中の話ではないかと思うけれども、こういうことになってくるというと、競輪自体自転車振興会自体通産省外郭団体的なものになってきていると指摘されても、私はやむを得ないんじゃないかというふうに考えます。こういうふうな、いわゆる人事行政と申しますか、こういう点については、私は通産省としては相当謙虚に反省して、やはり世論にこたえるべきだと思いますが、その点池田さんどうです。
  16. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) こういう外郭団体という言葉が当たるかわかりませんが、よく役人退職者が行くのは例でございます。しかし通産省職員が行っているからというので、競輪問題の存続について、それを要素に私は全然考えておりません。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 池田さんの言葉をもってすれば、それはありふれたことであって、どこの省においてもそういうことは日常的に行われておるんだというふうに聞いていいですか。今の私の考え方、それでいいですか。
  18. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 法律が設けられまして、それによる機関につきましては、所管庁から退職者が行くのは、おおむね通例であると私は考えております。
  19. 岡三郎

    岡三郎君 私は結局各省に勤められておる方が、いろいろな団体——まあ私は団体によりけりだと考えますが、振興会のように、しばしば物議をかもす中において、特にことしの正月振興会入りした中村企両部長は、日本は敗戦で国柄が変った、基本方針として質実剛健、遊ぶのをやめておるという国ではなくなった、娯楽国原になったのだ、とこういうことを、これは週刊朝日が述べている。これの真偽は別にしても、その心がまえというものがここで私はわかると思う。今池田さんは大した問題ではないというふうに言われましたが、私は大した問題だというふうに考えます。一つ団体通産省役人が十五人も行って競輪で飯を食うということになれば、勢いこれは廃止するどころではなくて強化し、存続するという意向になる。それを受けて通産省の、これは池田さんがそう考えているということは考え残せんが、通産省事務当局がなかなか動きがつかなくなってくるということは当然じゃないかと思うのですが、この点どうですか。
  20. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先ほど申し上げましたように、通産省のかつての職員が入っているから、競輪問題について、競輪存廃という問題について私の考え方を変えるというようなことは全然ございません。
  21. 岡三郎

    岡三郎君 池田さんの私はその言を信じます。そういうようにしてもらいたいと思いますが、しかし各種外郭団体的なもの、外郭団体というものが、これは特に運輸省なり国鉄にもこういう例がずいぶんある。で、われわれは決算委員会のときにしばしば指摘したのですが、結局、長らくその省にいたものがその外郭団体に出るということになれば、請負その他においてとかく公平——それに引きずられていろいろな不正事件というものが続発してきたことは池田さんは知っていると思う。で、これは競輪の問題において、私は先ほど特に指摘したのですが、小出重工業局長なり事務当局が、自転車振興会というものを一つのポジションとして、続々そこへ出ていく、こういうことになれば、私情として昔の同輩が自転車振興会におるということになれば、これはあなた方が何とか競輪存続したいというふうな意向に私はなりがちだと思う。池田さんはそうでないとしても、事務当局の方はそうじゃないかと思う。その点で、ここでさらに主導的な役割を果たしているのは、通産省出役人自治庁関係役人です。この自治庁関係役人通産省関係役人古手が、この自転車振興会というものに巣くっていて、ここに大きな力を振っているということは、これは私は否定できないと思う、実際問題として。これは私がここで言うのでなくして、各新聞なり雑誌なりの、各方面でこれを論じています。いわゆる通産省振興会のくされ縁、伏魔殿振興会と、こういうような指摘をされてきているわけです。池田さんは総理大臣の候補として有力な方であって、日本政治をこれから双肩にになっていくというような立場の人でありますから、そのようなことにとらわれないということを信用して私は聞いたわけですが、将来こういうことは是正していかなければならない。これがあたりまえだということでは言語同断だと私は思うのです。ですからその点について、出かけた者が良心的で、いいことをやっている面については私はかまわないと思うが、事実上の問題として、もっと具体的にいろいろの事例を一ぱいに私は持っておる。しかしあえてそういうこまかいことには触れませんが、こういう面については、通産大臣の方として一々そういうことは知っておらないと思うけれども、部下を督励して、やはり十分こういう問題については、フェアにこれから問題を処していくのだから、つまらぬことを言ったり、つまらぬ行為をしたり、こういうことをしてはならないように私はしてもらいたいと思う。絶えず飲み食いしている場所自体はっきりしていますよ。自転車振興会自体赤坂にあるのですからね、会館が。私はまあこまかいことは言いませんけれども、実際問題として通産省自体あるいは自治庁自体、これだけ世論がほうはいとして起こっているときに、その役人存続運動をしているということになれば、私はやっぱり問題だと思う。小出重工業局長は、転出した役人方々が今五、六人と言いましたが、もっとあると思うのですが、もっとありませんか。
  22. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) 私が先ほどお答えいたしましたのは、役員に関しましては、先ほど申しましたように副会長一人、理事一人、幹事一人、これだけでございます。それから部長級には今お話しがございました中村君が企画部長として転出いたしております。ほかにもう一人、たしか部長がおります。それからその下の方の職員につきましては、私詳細な、総数が十五人となっておるかもしれませんが、ただいま具体的にその氏名を明らかにいたしておりません。先ほど来申しておりますように、日本自転車振興会の行ないます業務というものは、例の振興資金を預かりまして、これの配分等に関するきわめて公共的な仕事をやらなければならぬというような立場におきまして、直接の自転車関係者利害関係者を入れるよりも、むしろそういろ第三者と申しますか、第三者的な者が相当入っていく必要があるんじゃないかという意味におきまして、特殊法人という性格から申しましても、他の特殊法人の例にもございますけれども、ある程度そういった人を入れるということはやむを得なかったのじゃないかと、かように考えます。
  23. 岡三郎

    岡三郎君 今言ったその表現はそれで私もけっこうだと思う。それは、全然役人古手をそういう団体に一人も入れてはいかぬということは私は言いません。しかし、自治庁関係者通産省関係者が数多く占めて、それが機械専門、いわゆる自転車振興の面だけではない、競輪存続運動をやっているじゃないですか、実際問題として。事実問題として、あなた方の関係者自体というものは少しも世論に耳をかそうということを考えておらぬ。これは池田さんは考えておるらしいけれども事務当局考えておらぬ。私はこれは官僚独善だと言う。政治というものは国民のためにあるもので、官僚のためにあるものじゃない、これは実際問題として。その中で、高い見地に立って、やはりそういうところは自粛すべきものは自粛すべきだと私は思うのですが、それは重工業局長どう考えますか。
  24. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) 私ども事務当局といたしましても、この春以来、非常に問題になっております、また具体的にいろいろの事件が頻発いたしております競輪あり方につきましてほ、非常に私どもといたしましても遺憾に思っておりまして、その処置につきましては、しばしば衆議院あるいは参議院の委員会等におきましても、私から御説明申し上げましたような措置をとって参ったのでございまして、決して私どもは何とかしてこの競輪をそのままの姿で維持したいというふうな心がまえで事に処しているわけではございません。何とか、少くともこの法律存続しておりまする限りにおきましては、この運営をできるだけ弊害を少なくし、適正にするようにどうしたらいいのかということにつきまして非常に頭を悩ましておるわけであります。特にこの日本自転車振興会役員人事等につきましても、いろいろ各方面からお話を伺っております。しかしながら、私どもといたしましては、一応通産大臣の認可に基づきまして選任せられました役員でございますので、もしそれらの役員につきまして非常に不適正な者が出てくるということになりますれば、もちろんその際には、役員人事につきましても、当然考慮しなければならぬと考えておるわけでありまして、特に会長でありまする松本さんからは、この夏騒擾事件が起こりました直後におきまして、私のところに非公式ではございまするけれども、進退についてのお伺いもあったわけであります。しかしながら、やはり会長としての責任がございますので、少なくとも事件の跡始末なりあるいは今後の運営につきまして、十分一つ責任をもって指導するという決意を述べられましたので、一応私どもといたしましては、その実績を見た上でさらに考慮いたしたい、こういうことで、一応現在の陣容で進んでおるわけでありまして、決して私どもといたしましては現状をもって満足しておる、あるいは現状が非常にいいんだ、それをそのまま存続すればいいのだというふうには毛頭考えていないわけでありまして、そういう意味におきまして、近く十八日に開きます競輪審議会におきましても、今後の競輪存廃問題という根本的な問題ももちろん討議していただきまするけれども、その存廃問題の決着がつきますまでの間において、競輪運営をどういうふうに適正化したらいいかということにつきましても、ある程度私どもといたしましても案を作りまして、これにはかって御意見を伺いたい、かように考えておる次第であります。
  25. 岡三郎

    岡三郎君 私がここでさらに言いたいことは、以上のようないろいろな方々がここへ、振興公等に入って、そうして実際通産省が厳重に監督指導するということになっておる、この厳重に監督するといっても、その裏はどうしてもなれ合いになってしまうということ、私はこれは重要なことだと思うのです。今、重工業局長なり統轄する責任者池田通産大臣、これはもう十分に世論にこたえて、何とかこの方向というものについて十分論議をしたいということはわかったわけですが、やはりこのような事態を放置しておくということは、厳重に監督するといっても、実際はなれ合いになってしまうということを私は否定することはできないと思う。この点については、時間がありませんので他に転じますが、今、通産大臣競輪審議会でやると、これはこの前もおっしゃいました。しかし小出重工業局長は、前回競輪審議会というのは、これは存廃問題を論議する本来の機関じゃないのだ、こういうことを言われたのです。そこへ持っていって通産大臣は、存廃をかけるのだ、ところが、この前払が指摘した通りに、この十七人の競輪審議会存続論者ばかりじゃないですか。そこで競輪廃止することをかけたって、言葉上はうるわしいけれども、実体はこれに伴わない。世論をごまかすことになる以外の何ものでもないということはこの前も指摘した通り小出さんは今は存廃問題ではなくて競輪運営問題について善処すると、こういうことを言われたが、一体これはどういうことなんでしょうか。あなたも、ここで存廃問題が真剣に論じられるとしても、本来これは運営の問題だと言っておられるが、池田さんの方は、存廃問題をかけると言っておられるけれども、この前も池田通産大臣とあなたの答弁とはニュアンスが違っておる。はっきりしてもらいたい。
  26. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) ここで前回お答えいたしましたことと関連いたしますが、重ねて御説明を申し上げますが、この競輪審議会というものは、もともと自転車競技法の第十七条におきまして、通産大臣の諮問に応じて競輪場の設置の許可その他競輪に関する重要事項について調査審議するための審議会でございまして、本来の使命は、やはりこれは競輪の存在というものを前提にして、その運営についての重要事項調査審議するものと私ども法律上は解釈できると思うのであります。しかしながら、この前もお答えいたしました通り、こういう重大な時期でございまするので、その本来の使命使命といたしまして、この審議会におきましても存廃問題についてもフリー・トーキングをやっていただこう、こういう趣旨で審議会は今月開くと、こういうことにいたしたのでございます。しかしながら、競輪及び公営競技一般も含めましての基本的な存廃問題その他の今後のあり方についての根本的再検討は、先ほど大臣からおっしゃいましたような、別個のところにおきまして、さらに高い見地において根本的に調査審議していただきまして、その結論に基づきまして、必要な法律的な措置なりあるいは行政的な措置をいたして参りたいと、こういう趣旨において大臣がお述べになったのでありまして、私の意見と別段その点は食い違っていないと考えております。
  27. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、通産大臣に伺いますが、今の重工業局長答弁にあるように、十八日に持たれる競輪審議会というのは、これはお茶を濁すための機関ですか。これははっきりお答えいただきたい。競輪審議会はあともう別の機関を設けるのだということになれば、これはこれとしてやってもらって、それは経過的な意味で、世論が盛り上っておるので、ここで単に競輪の内容をどうするとか、運用をどうするとかということが本来の仕事であるけれども、軽い意味存廃問題を考えておるようにうかがえるわけです。あらためてその他の公営ギャンブルを全部包括して、特別の高い調査会を持ってやりたいということになれば、十八日に持たれる競輪審議会というのは一体何ですか。
  28. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 競輪存廃問題という点は、もちろん、先ほど局長が申しましたように、議員立法でございますから、党の政調会に特別委員会を設けて検討していきます。しかしわれわれとして党で検討してもらうばかりでなしに、競輪審議会というものがあるのでありますから、存廃結論が出るまでにおきましても、いろいろ改善について弊害防止について検討していただく必要があるのであります。しかしてせっかく競輪審議会が開かれますので、今物議になっておるこの存廃問題についても、あわせて御審議願ったらという考えでございます。決してお茶を濁そうとかなんとかいう問題ではない。通常国会までに何とか処置しなければならぬもう差し迫った問題であると思います。
  29. 岡三郎

    岡三郎君 今のお答えの中で問題点があるのですが、そうするというと、私の考えておることは、とにかく明年九月で時間切れになる、現存の振興法が。そこで通産省の方として、通常国会にあらためて継続法案を出すという意向が強く述べられておることがずいぶん世情を刺戟しておるわけです。だから、すなおに意見を聞いて、そうしてその意向に従って廃止するか、存続するかはそれ以後の問題である。これならば筋道はわかるし、世論もある程度納得すると思う。ところがそうではなくして、通常国会に継続の法案を出すということを前提にしておるような行動がしばしば出てきておるわけであります。そうなるというと、通常国会は間もなく開かれますから、十八日にお茶を満して競輪審議会をやって、ここでは存廃問題ではなくして運営その他をやる。世論がきびしいから、存廃問題もあわせてやってもらうと言いながら、今度は党の方へこれをかけていくということになれば、これはやはり通産省振興法に対する考え方と、この競輪審議会考え方というものは、私は競輪羅議会がほんとうに本格的に、もっと広い分町において委員を集めて、真剣にやるべき私は時期にあると思うのです。これは自民党一党だけではなくして、広く世論をここに集約するという意味で、新らしいものを作ってやるというふうに考えておったわけですが、今の答弁はそれはまた違う、こういうことになれば、競輪審議会存廃問題といっても、廃止意向というものは出てきっこない。そうなれば、通産省意向としてこの法律を出すための一つの前提として、ここでは廃止論が出なかったからというので出して、時間をためておいて、腰だめで、そうして何とか様子を見て、次のことを考えようというふうにそんたくされても、これはやむを得ないと思うのです。池田さんは、今自民党の中にそういう競輪、オート・レース、モーターボート・レース、競馬等を含めて、そういうものを持とうという意向ですが、それは、私は現状においてうまくない。新らしい角度で通産省自体が中心になり、運輸省なりあるいは農林省と連絡をして、新たなそういう公営ギャンブルについて広い意味の審議会を作って、単に自民党だけではなくして、広い世論を集めるための審議会を作るというふろに、私は考えておったのだが、それは違うらしい。そういう意向はございませんか。
  30. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいまお答えした通りに、私は進んでいきたいと思います。
  31. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、それは私は自民党の意向の中に、自民党の中には池田ざんのライバルである大野伴睦さんあたりは、これはなかなか競輪の強い主張者です。なかなか自民党の中でも、そういうことは期待できないと私は思う。特に自民党自体というものがほんとうにやるならば、もうすでにこういう問題については発足しておらなければならぬことなんです。発足しておるべきだと私は考えるのです。それで結局この自民党自体というものの中に特別の調査掛関を作るというわけですが、これはいつごろ作られるわけですか。
  32. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは公報に出ておりますごとく、十二月の二日に委員を任命いたしております。初会議がいつあるか、早急に私はあることと期待いたしております。
  33. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大分質問が集約してきておるようでありますが、私はこの集約点で、前提として通産大臣に本心を聞きたい。それは近く開かれる審議会においてどういう結論が出る、フリー・トーキングとおっしゃいましたが、まんざら座談会ではないと思います。従って、何らかの報告がなされるでありましょうが、その報告は、もう間違いなく、私は、天地神明に誓って恥じずという言葉がありますが、それくらいの気持ちで申し上げることのできることは、競輪を存置することを前提にして、そして今世論の批判を受けておる弊害を何とかして除こうという、なまぬるい態度で結論らしいものが出るだろうということは、もう想像にかたくありません。そこで、そういうことではなくて、通商産業大臣が慎重を期したいとおっしゃっておる真意は、一体どこにあるのか。それで問題をはっきり分けまするならば、今日の競輪というものを存続させて、そしてあらゆる弊害を除去してこれを続けていきたい、そういう御意思であられるのか、この際、世論に従って廃止をして、そして天下の世論にこたえたいというお気持ちであられるのか、このほんとうの腹をお聞きしたいと私は思うのです。それで、先ほど党にまかせるとかあるいはまたそり他の機関に諮るとかいろいろおっしゃっておりますが、何と申しましても、競輪所管省は、通産省であります。従って、通産大臣が意思の決定をしてかからぬ限りにおいては、この問題の解決は私はあり得ないと思う。どちらでも、意思を拘束するわけにいきませんからよろしいわけでありますが、分け方としては二つしかないわけです。廃止ということを前提にして進むのか、あるいは存置ということを前提にして進むのか、この二つの方法しかないわけでありますが、そのどちらをほんとうの腹でお考えになっているか、これを私は伺いたいと思うのであります。
  34. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その結論を早く出したいと私は考えているのでございます。今私は、自分としての考えを持たぬことはございませんけれども、審議会を開き、また特別委員会を設けて検討していこうという場合におきまして、通産大臣がおれの腹はこうなんだということを言うのは、少し早過ぎはしまいかと思います。従って、審議会を開き、また党の特別委員会等におきまして結論が出るかあるいは出る前くらいに私は言いたいと思います。今ここで申し上げることは差し控えたいと思います。
  35. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それはあくまで他力本願的な考え方でありますが、しからば、党なりあるいはその他の本問題を扱う審議会等ができました場合に、所管である池田通産大臣のお考えはどうだ、われわれは第三者として批判を加えるが、今日まで運営をしてきた池田通商産業大臣の意思はどうであるか、こういう工合にお尋ねがありましたときには、あなたはどうお答えになりますか。
  36. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今度開かれます競輪審議会、また党の委員会等の一応の空気を聞きまして、それから言おうと思っております。従いまして、党の委員会結論が出る前に、私の意見は言う考えであります。それをでしばらくお待ちを願いたいと思います。
  37. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この十八日に開かれる審議会の結論といろものは、これはもうはっきり予測できるんです、こんなものは……。子供ではありません。大体あの委員の顔ぶれをずっと見てみれば、採決してきめられるか、あるいはフリー・トーキングというのでありますから、賛成、反対の意見が述べられて、速記になってあなたの手元に届けられる、速記を提出していただく約束になっておりますから、速記を整理されると思いますが、その程度です。そのおもむくところは想像にかたくないわけでありますから、そういうことと離れて、通商産業大臣の意思はどうだ、こういう工合に確かめられる、そのときの御答弁としては、今党で意見がきまる前に意見を述べるとおっしゃいましたから、その意見をきょうでも述べられぬことはないと思います。この点は、少し池田通商産業大臣に対して言葉が、まことに何と申しますか、礼を失するかもしれませんが、卑怯であると思うんです。私は、今堂々とここで所信を述ベられていい時期ではないか、こう考えるのであります。
  38. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 競輪審議会は、私が大臣になりまして、まだ一度も開いたことはないのであります。党からの意見も私は一つも聞いておりません。新聞世論は見ておりますが、すべて公的機関意見並びに党の意見等はまだ一度も聞いておりません。少なくとも、私が自分の意見を発表する場合には、一回や二回はそういう関係方面の特別機関委員方々意見を聞くことが私は必要であると考えます。
  39. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすると、通商産業大臣として、私は自分の意思をまとめられる上において考慮される点がおおよそ三点あると思います。その第一点は、何と申しましても、あなたの所属しておられる自民党の方針、意思であります。それから第二点は、通商産業省所管省として、そうして競輪振興会を運用しておられるわけでありますが、この競輪運営していくために、通商産業省のかつての役人であった方々相当中心的な役割を果たしておられる。今後存置するということであれば、なおさら続くわけでありますが、そういう人事にからんだ問題が一つ。それから第三点は、この競輪のあげましたところの収益の一部が、通商産業省が今熱心に努力をしておられますところの機械関係振興事業に対する助成金として出ておりますこの財源を失いたくないということ、この三つぐらいのところに要約されると思うのでありますが、池田通商産業大臣としては、自分の意思を決定するときには、これら三つの、私どもが今あげ得ると思いまするいろいろな問題については、無関係立場に立って世論に従うような意思をまとめることができるかどうか、この点が問題であります。従いまして今三つあげました点については、あなたはその影響度をどういうふうにお考えになっておるか、これを伺いたい。
  40. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 三つのうちの一番しまいの十億円という問題、それから人事の問題、ほとんど私は考えておりません。これはささたるもので、私の判断をきめる重要要素では全然ございません。
  41. 岡三郎

    岡三郎君 今大体の栗山さんからの関連質問があったわけですが、今や通産省が決定権を持っておるわけですから、自治庁自体としても、相当世論に耳をかして、何とかしてこの競輪というものを近い将来において廃止すべき意向のような表町がしばしばなされておるわけです。ということになるというと、今や競輪存続の首謀者は通産省であって、自治庁は謙虚であるが、通産省はなかなか踏み切りがたき何ものかがここにあるというふうに考えるわけですが、今われわれが資料をずっと通覧しますというと、自治体においても、十一月の十六日に東京都知事の東さん自体も、政府が廃止意向に踏み切るならばならう、みずから廃止するというわけには参らぬが、一に関係政府の意向にかかっているのだと、その他の自治体関係においては、これに似たりよったり、その中で、神奈川のように富裕県でありながらテラ銭でいろいろなことをやっておるところもあります。こういうところは、何とかこれを存続していきたい。東京都下の立川なんか論外ですが、しかし政府が廃止という意向が明確になれば、これにならうのにみんな異議ないのだ、こういうことを言っている。こういうことになれば、私は通産省自体というものに焦点が集約されてくると思うのですが、その中で、池田さん、私はモーターボート・レースとか競馬とか、オート・レースというものを含めて、公営ギャンブルの全般としてやるとして、競輪廃止世論というものの焦点をしぼらなくして、ぼかしていくというふうに、こういうふうにわれわれはとっておるわけですが、この四つを一緒にまとめていくということによって問題の焦点をぼかすというような中で、当面これを処理していくということでは、とても私は廃市なんということは不可能じゃないかと思う。そうすると、党の結論が出る前に、先ほど自分の意見を言うということを言っておりますが、大体党の意向はいつごろ出るのでありますか。
  42. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは委員会のおきめになることであって、私の方からなるべく早く結論を出していただきたいということは申し上げますけれども、いつ結論が出るということを今から申し上げられるわけには参りません。
  43. 岡三郎

    岡三郎君 しかし通産省の方として、法案の提出準備もして通常国会あてに出すということを言っておりますが、その通りですか。
  44. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先ほど申し上げましたのは、競輪からあがってくるお金の使い方についての問題があるので、これにつきましては、次の通常国会に御審議願わなければならぬと思います。
  45. 岡三郎

    岡三郎君 私はここでちょっと自治庁の方に伺いたいと思うのですが、自治庁の方として今までしばしば言明されておったわけですが、最近における世論にかんがみて、自転車の振興とか戦災都市復興、こういった問題がもう大体役目が済んだ、ただ中には地方財政の貧困という問題も少々あるが、しかし大体が安易にこの事業に便乗をしているのが現状ではないか。従って競輪はもうわれわれは自治体としては、存続すべき理由がない、こういうふうに考えます。特に富裕県である東京とか神奈川が存続を主張しているのですが、財政的にみて、これは不都合だと私は思いますが、自治庁はどういうふうにお考えになっておりますか。
  46. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、私どもといたしましては、戦後自治体が新発足しましてから、すでに十五年もたっておりまして、その間まだ競輪その他の収入に依存をしているという点が相当ございますることは、できるだけ早くそういった依存度を低めていきたいという考えは持っている次第でございます。しかしながらただいま大体におきまして、二百数十の団体がこれに関係しております。従いまして自治庁といたしましては、できるだけその他の財源の措置が講じられますれば、それによりまして、健全な自治体の財源によりまして、自治体の仕事をまかないたいという趣旨につきましては同感でございますが、具体的の問題といたしますと、地方団体のいろいろな実情がございますので、慎重検討中でございます。競輪廃止するかどうかという問題は、これは通産省が主管でございます。国全体としてきめるべき問題でございますので、私どもそれに従ってやっていきたい。こういうふうに思っている次第であります。
  47. 岡三郎

    岡三郎君 やはり通産省が御本尊だということを、自治庁が言って逃げておられるわけですが、私はここでさらにお伺いしますが、池田さん、池田さん自体の責任ということを、ここで責任あるからなかなか言いにくいでしまうが、やがてこれはやはり廃止さるべきものであり、あなた令すぐやめろということになるとむずかしいかわからんけれども、当然将来これは廃止すべき方向にあるものであるし、廃止すべきが至当であろうというふうに考えますが、その展望も言われませんか。競輪について池田さんの考え方というものは慎重に、まだ出すべきときじゃないと言っておりますが、競輪事業というものについて、将来を展望して、やはりこれは今すぐというとむずかしいが、やはりやめるべきだという、これが私池田さんの考えだと思うのですが、その点どうですか。
  48. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お答えは、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
  49. 岡三郎

    岡三郎君 まあ当面の一番責任者だから、慎重論であることはわかるけれども世論の動向ということについては、池田さんも先ほど言ったように、十分考えていくという点については、これは間違いございませんか。
  50. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私も政治家の一人でございますから、世論の動向につきましては、重大な関心をもってやっているのであります。
  51. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ほど自治庁の御答弁で、重ねてお伺いをいたしておきたいと思いますが、あなたの御答弁ちょっとはっきりしなかった点がありますが、所管省が通商産業省で、所管省である通商産業省において、廃止とかりに決定をしたといたした場合には、自治庁としては一向にそれで異議を申さぬ、それでよろしいという意味のことですか。
  52. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) 国の方針がそういうふうに決定いたしますれば……。
  53. 岡三郎

    岡三郎君 国じゃない、通産省……、
  54. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) 通産省は国の機関でございますから、その主管の官庁がそういうふうに決定いたしますれば、私ども異論はないわけでございますが、御承知の通り、しかしながらただいま地方財政は非常に困窮しておりまして、いろいろ財源捻出、ことに本年のごときは災害その他によりまして、地方団体の財源というものは非常な問題でございます。そういう点からいたしまして、かわり財源が、健全なるかわり財源とのにらみ合いでございまして、大体の方針といたしましては、国の三管である機関が決定いたしましたことにつきましては、異論はございません。
  55. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ちょっと話が飛躍するのですがね、自治庁の問題に対する御意見としては、災害に対する財源を一つの理由にせられるということは、少し話が飛躍していると思います。戦災都市復興ということを主目的にして競輪というものが設けられたのだから、従ってこの任務が終了すれば、自治庁としても、地方自治体のその他の財源について、これに依存するというような希望を述べられるということは少し的はずれではないか。この点は明白にしていただかないというと、今度問題が起ると思う。競輪を設けました唯一の目標の一つは、戦災都市復興ということであるから、その目的が完了すれば、自治庁としては競輪存続したいという意思表示を行ない得る根拠というものがなくなっておる。その点を私はそういう工合に問題を飛躍的に発展させることは、この問題をしぼっていく上に非常に混迷を与えます。これ、よろしくないと私は思います。いかがですか。
  56. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) ただいまの、確かに競輪の初めの目的は、戦災都事の復興ということが主たるあれでございましたけれども、ただいま地方団体の起債が六千億に上っておりまして、ただ災害と申しましたけれども、災害だけでございませんで、私どもできるだけ競輪の依存度というものは、漸次低めて参りまして、健全な、もっと健全な財源で充当したいという念願に変わりありません。私どもといたしましては、たとえば交付税の算定基準その他におきましても、十分その依存度を低めていくようにやっていきたいというように考えておる次第でございますけれども、しかしながら今申しました通り、個々のその団体によりましては非常に依存度の高いところもございますので、そういうところは十分検対して参りたい、こういうふうに思っております。
  57. 岡三郎

    岡三郎君 私は、われわれ自体としても、今すぐやめろということは無理だということは知っております。だから経過措置として一、二年はかかるだろうということも言っておるわけです。あなたが今財政不如意とかいろいろなことを言いますがね、競輪存続を主張しておる自治体の中で、一番特例は、東京とか神奈川の富裕県なんですよ、いいですか。神戸あたりは相当無理があるけれどもそうじゃないし、兵庫県も今度踏み切ると。ところが東京とか神奈川は富裕府県の最たるものですよ。そうでしょう。その県の存続論というものはあなたどう考えますか。これはどう考えますか、自治庁……。
  58. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) 確かに富裕県でございますけれども、しかしながらそれ相当のやはり戦災復興に対する起債額も相当多くある次第でございまして、それらの点は漸次その地方が、地方団体廃止をする、廃止をしたいというような気持になって参りますれば、私どもそれに協力することはやぶさかではございません。
  59. 岡三郎

    岡三郎君 政務次官の答弁と石原長官の答弁とはだいぶ違っておるようです。大体自治庁自体というものは、特別交付税を何とかテラ銭とにらみ合わせて天引きするということまで山野理財課長は言っておるでしょう、こういうふうなことを考えたらどうかということまで。それはうそなんですか、理財課長。
  60. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) それはただいま私が申し上げた通りです。交付税その他におきまして、やはり漸減的にその競輪収入による依存度というものは減らしていきたい。
  61. 岡三郎

    岡三郎君 テラ銭を差っ引くということですか。
  62. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) その具体的問題はただいま研究中でございまして、そういうことを私申し上げたつもりでございます。
  63. 岡三郎

    岡三郎君 それは明確にいって、交付税の中からテラ銭収入というものを見合って引くということなんでしょうね、それを研究しているということでしょう。はっきり言ってもらわぬと困る。
  64. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) その通りでございます。
  65. 岡三郎

    岡三郎君 そうなると、これは事実上の問題として自治庁自体としては競輪の漸減、さらには将来廃止、こういうふうな意向でよろしゅうございますか。事実行為としてそういうことになるでしょう。
  66. 丹羽喬四郎

    政府委員丹羽喬四郎君) 競輪の漸減ということにつきましては、私どもといたしましては、すでに収益が地方団体にあまりプラスにならぬというようなものにつきましては、やめるように、すでにもう慫慂しておる次第でございます。しかしながら漸減するかどうかということにつきましては、私どもの主管でございません。国の機関にまかせたいと思います。
  67. 岡三郎

    岡三郎君 それで今度は池田さんにちょっと伺いますが、競輪が私は一番ギャンブルの中で指摘されているのは、一番特徴な点は八百長という問題だと思う。いつの騒擾事件八百長が原因になっておる。これは松戸の競輪しかり、甲子園のオール八百長事件というのが出てきておる。で、この競輪八百長という問題は切り離すことができないと思います。池田さんにお伺いしますが、競輪をいろいろと是正して運営を適正にするために競輪審議会に諮問する云々とおっしゃられておりますが、この八百長の問題を是正する方法はありますか、池田さんにちょっと聞きたい点です。
  68. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 競輪を見たことがございませんので……。
  69. 岡三郎

    岡三郎君 見てもらわなければ困りますね。
  70. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) いろいろそういう議論があることは承知しております。そういう点があるので、競馬とはある程度違うんじゃないか、こういうふうなことも私は想像しておるのであります。
  71. 岡三郎

    岡三郎君 だから私の今聞いているのは、競輪に良薬があるか、こういうことです。運営方法を諮問するわけですね、改善を。根本問題はそこにある。ここはなかなか微妙な点で、池田さん、言わないわけですが、八百長の是正方法はなかなか私はこの問題はむずかしいと思う。兵庫県の阪本知事は、競輪そのものはオール八百長といっても過言でない——私もそう考える。良薬は私はないんじゃないか。そうするというと、公営ギャンブルで、しかもそれはいかさまである。こういうことになれば、当然廃止すべきだと思うわけですが、八百長をやめる良薬がありますか、どうですか。
  72. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) なかなかむずかしい問題だと思います。従って八百長をやめる良薬があるかないかということにつきましても、競輪審議会一つ諮問してみようと思います。
  73. 岡三郎

    岡三郎君 ずいぶんのんきな話で、それでは運営を何とかしていかなければならぬということが、私はやっぱり損をするんじゃないかと思う。全く池田さん、競輪というものはめんどうくさいものだ、いやになっちゃうなというふうな気持が、あなた、顔に出ているが、その通りだと思う。いやなものだ。それでまあ良薬はなさそうですが、それからみんなに諮る。小出さん、今まで八百長事件が勃発することで、しばしばあなた方はずいぶんこの善処を求めてきたと思うんですが、競輪の形態だね、それに対してどういうふうにあなたたちが厳重監督指導してきたか、それを言ってごらんなさい。
  74. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) 競輪における八百長の問題は、主として競輪における騒擾事件の原因になっておることは事実でございまして、まああらゆるこういったプロ的な競技につきましては、八百長というものは、多かれ少かれあるわけでございます。ただ競輪の場合は、人間の操作自体によりまして競技が左右し得るという点におきまして、馬を使ぅ競馬とは非常に違う。八百長の程度が、可能性が非常に多いという点は事実でございます。従いまして騒擾事件が起こりましたつど、また委員会等でそれぞれ詳細御説明いたしましたように、特に選手に関する訓練、それから競技方法に関する詳細な細目というものは、きめておるわけでございまするが、それらにつきまして日本自転車振興会が、やはり中心的機関となって、十分指導するようにということにつきましては、具体的に一々指示をいたしております。ただ従来率直に申しまして、遺憾ながら選手に対する訓練施設等につきましては、当初から日本自転車振興会に対して、至急その施設を整備するようにということを指示をしてあったにもかかわりませず、今日までまだ十分それが指導されていないという点は遺憾でございまするけれども、それらにつきましても、十分一つ督励してやっていきたいと思います。ただ八百長というものが、百パーセントなくなってしまうかというところまで、指導し得るかどうかということにつきましては、これはああいう競技の性質上相当困難であろうかと思いまするけれども、しかし車券を買いました一般大衆に対しましては、迷惑のかからないように、できるだけそういう事件を少なくするという方向には、そのつど具体的に指示をいたしております。
  75. 岡三郎

    岡三郎君 今の話を聞いても、八百長防止の良薬はないようでありまするが、私は全然なんということは言っておらぬ。それは何の問題でも、それは間違いは多少ありますけれども競輪においては特にそれが特徴であると指摘されておるわけです。公営ギャンブルの中でも、競輪競馬よりもさらに指摘されておるのはその点で、廃止される過程の中においても善処していく、その善処していく一番焦点は、八百長を排除することだ、こういうふうなことで、多くの世論もこれを追及しているわけですが、この競輪場と暴力団の関係はどうですか。あなた方も一応大阪の騒擾事件のときに、びっくりして調査をしたことがあると思うんですが、その結果として全国的に見て、今や競輪場とそれから暴力団なり、その他のいわゆる団体なりとの関係というものは、清算されたとこう言われますが、言えますかどうか。
  76. 小出栄一

    政府委員小出栄一君) との夏でございましたか、大阪におきます競輪場につきましては、いわゆる暴力団的なボスに対して一種の請負制度でもって、場内の自治的な取り締りということを請け負わせていた事実が判明いたしました。これらにつきましては、全部その際全国の競輪場につきまして、そういうものを請負的に雇用するということは全廃されました。直接競輪場が雇用する、こういう体制に切りかえ、現在はすべてそういうふうになっております。
  77. 岡三郎

    岡三郎君 私は松戸の競輪騒擾事件にしてもそうです。これは地方行政委員会指摘されましたが、通産省自体の監督がなまぬるい、三ヵ月の停止期間をやって、陳情を受けると、下の役員の交代なんかについてもいいかげんにやっておる。こういう点は地方行政委員会でだいぶ指摘された。わが党の加瀬委員からも追及されておったことはあなたも知っている通りだ。結局今までの競輪がおかしてきた罪、いろいろな騒擾事件、こういうものが集約されて、今や競輪廃止世論に高まってきて、これはもう家庭破壊する最たるものだということまで言われてきておるわけです。  そういうふうな点で、私はちょうど一時間たちますので、きょうはこの程度にしておきます。まだガスの問題もあるので、あれしておきますが、私がきょう指摘した点の、通産省役人競輪の事業に天下り行政でいくことについては是正してもらいたい、この点をはっきり要望しておきます。  それから第二点として、競輪審議会においては、通産省自体として廃止までの運営その他について善処していく方法を論じてもらうことだけではなくして、明確に競輪廃止について十分なる意見を取りかわすだけじゃなくて、通産省自体としても真剣な態度を世論に示してもらいたいと思うわけです。あなたの最終的なその競輪についての意見は別にしても、競輪についての世論というものを十分考えて、この競輪審議会というものが、存廃問題についておざなりではない方向で、私はやはり指導すべき責任があるというふうに考えます。  そのように私は要望し、それからさらに現在の通産省当局が競輪問題について非常に微妙な影響をうえておる、こういうふうな点について、通産省当局というものの競輪についての、今までの指導というものの経過をかんがみて、これからも騒擾事件が起こらないということは、私はいえないと思うのですよ、今の情勢では。あの競輪に行ってごらんなさい。あの空気の濁った、なんともいえぬ状態、これは競馬とは全然違いますよ。私競馬を擁護しているのじゃないのですよ。競馬を擁護しているのじゃないが、とにかく異常な雰囲気というものは、一ぺん池田さん見てもらわなければわからないと思う。あなたは大へん忙しいようですけれども、やはり一ぺんくらいは一つ行って見て、実際に百聞一見にしかずということですから、これは差し出がましいけれども通産省は適当な機会に、競輪場というのを見にいく必要があると思う。そうしなければわからないですよ。あなたが行くとなると、よく格好をつけて、きちんとしておくかもしれませんので、適当なるときにひょっと行って様子を見るならば、大体ああなるほどということが私はよくわかるのじゃないかと思う。こういうことは私の方の要請ではございません。自発的にやられることですから、とにかく一ぺんこういうものは見に行ってもらわなければ、実際問題はわからぬ。これは麻薬にひとしいと指摘する論者もおりますが、特別な雰囲気です。こういうものはやはりはっきりとしてもらわなければならぬということを、私は言っておきたいのです。  もう一点、先ほどいったように、競輪競馬、オートレース、モーターボート、いろいろ論ずることはけっこうです。しかし現在の時点においては、競輪に焦点が当てられて、競輪というものをなんとかする。その中から競馬も、オートレースも、モーターボート・レースも、おのずから解決の道がつくのではないかというふうに考えます。広げて、焦点をぼやかして、競輪だけではないのだということで、道連れにして、全部を網羅して、ぼやかしてしまうとは私は許されぬのじゃないかと思う。そういうふうな点については、特に競輪の問題についての善処を池田さん並びに自治庁に要望して、本日はひとまずこれで私は質問をやめます。
  78. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は政治的にも、社会的にも池田大臣がやはり自分の意思をきめて、そしてPRをし、その意思に従って善処をさるべきものであるというふうに考えるのでありますが、遺憾ながら、池田大臣と私の考えとは意見が相違いたしております。あなたはまあ自分の意思を適当な時期に発表するが、とにかくみずからぬきんでてPRの責任をとろうとはしない、こういうことでありまするので、これはやむを得ないことだと思います。しかしそういうことはなんとしても、私了解できませんので、さらに二、三御意思を確かめて、そして池田さんのほんとうの腹が、どの辺にあるかということを私はそんたくしたいと思います。  第一に先ほどの御答弁で、自転車競技によって、競輪によって得た収入によって、通産省所管にある機械関係振興事業費に補助するという問題については、むしろこういう財源は最後まで当てにするものではない。これが競輪存置の理由にはならないのだということをおっしゃいました。この点はそのまま私は了承いたしたいと思います。  それから第二に、通産省役人が天下って、これらの事業に関係してきた。してきた事実がありますが、しかしそういうことが自転車競技存続したいという理由にはならないということもおっしゃいました。その点もそのまま了承しておきたい。  そうするというと、残った問題点まだ二、三あります。最近世論の一部に、自転車競技を支持している人々の中には、人間には射幸心というものがある。この射幸心というものも完全に封殺してしまえば、かえって社会悪を作るから、従って射幸心を最小限に、弊害のない程度で満たす方法として、自転車競技というものが必要である、こういうことを述べる人がありまするが、これについて池川大臣はどういうふうにお考えになりますか。射幸心の一部を満たす方法として、競輪というものを存置すべきであるとお考えになるか。こういうものによって射幸心を満たすということは当を得ないとお考えになるか、その点を。
  79. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういう議論のあることは私知っております。私がこれは弊害の度と、ある程度人間性のそういうものとのかね合いの問題であると思います。そういうことは全然いかぬといち理屈になるとは私は思いません。しかし、片方に非常に弊害がある場合には、かね合いで考えなければならぬ問題だと思います。
  80. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そこで、弊害の一番中心の理由をなしておるのは八百長である。しかもこの八百長を完全に根絶さぜることは自信がないとおっしゃるのでありまするから、従って、射幸心を満たす道具としてこれを利用するということは好ましくないということはお述べになることはできませんか。
  81. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 人間性の問題でございまして、これはもう清いにこしたことはございません。しかし、世の中というものはそうばかりにもいかないものでありまして、そういう点が今後私が決心をしていく上においての一つの問題だと思います。
  82. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 地方財政の問題については、先ほど自治庁からお答えになった通りでありまして、通産省がきめれば異議はないということでありまするから、この点も明白になりました。そうすると、その次の問題として、やはり支持する一部の方々意見として、ただいま競輪関係しておる人は、役員、従業員その他間接のものを加えて十数万人の人が関係しておる。もしこれをやめてしまうと、これらの人の就労の問題というものがすぐ関係してくる。これをにわかに断を下すべきでないという意見がございますが、こういう十数万人の競輪関係者の就労あるいは離職ということを理由にして、競輪問題の存廃を議論すべきでない。この問題は別個の問題として、国の責任において、やはり十数万人の人々の生活の安定、保障ということは、もし廃止をするとずれば考えるべきものであります。存置するか廃止するか、その意思を決定することと、十数万人の人々の問題を百桜結びつけて考えるべき問題ではないと私は考えますが、この点はいかがでしょう。
  83. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先ほど申し上げた射幸心と同じような問題でございまして、政治として、今関係しておる方々が一町に職を失うということは、これは考えなければならぬ問題だと私は思っております。
  84. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 直接関係しているのは一万数千。そこで、今の、明確な御答弁を願えなかった一番最後の問題等は、私も全然わからぬものではありません。  そこで、競輪問題というものは、ほかの問題と違い、非常に複雑な社会性を持っておりまするから、そこで刀両断に法律を作ってすぐやめてしまう、そういうようなことは考えないで、やはり経過措置は十分にとるべきであるということがが言われておるわけです。その点の心配というものは、私は万人がしておると思います。そういうことを十分配慮しながら、競輪を置いたのは国の責任でありますから、これをかりに廃止するとすれば、これまた国の責任でありますから、善後措置を十全な配慮のもとに行なって、そういう意味で経過措置について遺憾のない措置をとうなければならぬと思います。そういうことも念頭において、そして今の私の最後の質問についてお答え願いたいと思うのです。今直ちに一万何千人の人、家族を含めて十万何千人の人を離職さして、街頭に放り出してしまう、そんなことは毛頭考えておりません。そういうことでなくて、円満に再就労の機会を与えつつ、しかもなおかつ競輪というこの社会悪の、批判の的になっておるものを縮小し、ついにはやめていく、こういう政治的な配慮を払っておるのでありますから、そういう点について、やはり通商産業大臣の御意思というものをきめておいていただかなければならぬのじゃないか、こう考えます。
  85. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 間接の関係者等を入れて十数万人、もし競輪廃止する場合においての栗山さんのお考えは、一つのりっぱな御意見だと思います。
  86. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういうことをずっとやって参りますと、大体通商産業大臣に私がお聞きいたしました一番最後の問題は、これは労働省の問題です。射幸心云々の問題は、これは厚生省、文部省、あるいは法務省か、国家公安委員会か、その辺の問題ですね。ですから、通商産業大臣として御意思を御決定になる場合には、ここまで間口をお広げにならなくても意思がもらすでに決定できておる。私が今質問申し上げたことによって御答弁をいただいたわけでありますから、できておるわけです。そこで、あと残されたのは党の問題でありまするから、党人として、自由党の大幹部としては、おそらく今のところまでもおもんばかりを持って、政治家として議論を展開されると思いますが、とにかく今世間的に一番困っておりますのは、所管大臣である通商産業大臣がちっとも意思を公にせられない。こういうことで、いたずらに問題が混迷化しておるわけでありますから、どらかこの機会に一段と今までより以上に、なるほど池田大臣はわかるわい、こういう工合に国民から拍手の涌くような、最後の意思を一つ率直に表明していただきたい。これは無理かもしれませんが、率直に一つ表明していただきたい。
  87. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話の通り、ただいまここで申し上げることは無理と栗山さんもお考えと思います。私も、少し無理で、遠慮いたしたいと思っております。
  88. 奥むめお

    ○奥むめお君 大へんこまかく競輪の問題を御答弁いただいたり、要望して下すったりしたので、つけ加えることはないわけですけれども、実は、私ども婦人団体活動に関連いたした問題で、通産省自治庁に聞いてもらいたいことは、前に売春問題のときに、全国の婦人界が総立ちになった。競輪の問題は今度二度目でございます。ほんとうに婦人界の心からの声であるということは、私これは責任をもって議会で申し上げねばならぬと思います。今池田大臣が、政治家であるのだから世論を聞いてと、大へんうれしいお言葉ですが、それ以上に、次期総理大臣池田さんだろうかなんていわれているほど新しい時代のにない手にならなければならない池田さんですからね。今の時代は、体質改善、新しい娯楽を用意して、ただ生活だけでなしに、いろいろな点で体質改善の時期が来ていると思う。そこで、古いうみの出ているような、「戦後」に名をかりてやっていた競輪というものをやめるときはもう今きていると思っております。ですから、ほんとう言えば、売春問題だって、一応は自民党によってあれはけ飛ばされたのです。あれだけ婦人界が総立ちになったけれども、一度はけ飛ばされたのです。競輪の問題も、きょうも全国組織の会で言っていたんですが、これを私頼まれて、競輪は参議院でやっていて下さいますか——それくらいみな、地域団体もしている。そのほかの団体もみなしている。ですから、この声をとくと施策の上に生かしてもらいたい。ただ、十数万人といわれる、それに関連して暮しを立てている人だけでなしに……今の政治はあべこべに動いている。そういう人たちを助けなければならぬ、だから、競輪は毎日々々行なわれている。この競輪場で何万という人が、その家族を含めて不幸に沈潜している。この人たちをなぜ問題にして下さらぬか。私はこう言いたい。今の政治は、とかく生活の面をうしろ向きにして、これを経営して、もうけているか、あるいは喜んでいるかする人の方にばかり目を向けておる。私は非常に今の政治に新しく要求されている点は、そこからくると思うのでありますが、一つしっかりいい施策を打ち出してもらいたい。お願いします。
  89. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 御意見十分拝聴いたしました。
  90. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  91. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて。   —————————————
  92. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 火薬類の取締りの問題につきましては、前回委員会におきましていろいろとお尋ねをいたして、通産省の御意見も大体わかったわけでありますが、ただ二、三当時話題にならなかった点がありますので、この点お尋ねしておきたいと思います。  ここに火薬取締り関係の法規がありますが、この第二条に定義があります。この二条の定義の中で、大分けしますと三つあります。火薬というのと爆薬というのと、それから火工品、この三つに分けられておりますが、近年爆発その他の事故で一番問題を起しておるのは、この三つの中の一体どれとどれなのか、これを伺いたい。
  93. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) 法律からちょっと技術的なものでございますから、一般的におわかりになりにくい書き方でございますが、火薬と申しますのは、ごく常識的に申しますと、発射薬とお考えになればいいと思います。押す力を利用する火薬、それから爆薬と申しますのは破裂する力を利用する火薬、それから火工品はその両者をある機械的な構造の中に納めたものだと、大体そんなふうにお考えになってけっこうだと思います。事故の件数から申しますと、実は火工品ことに煙火、一番最後にございます花火でございますが、これが件数から申しますると圧倒的に多い。ただその被害の内容から見ますと、実は先日の東洋化工の事件のように一件当りの被害額なり被害の程度というものは、これは何といって厖大工場ほどもちろん多いわけであります。
  94. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それで災害発生の、何といいますか、度合いから申しまして、火薬等の大工場と中小工場と比較いたしまして、大工場の方は保全その他がある程度専門技術者等もおりまして、私は割合に工合いよいよいっているんではないか、中小工場に問題があるんではないか、こう考えますが、この私の常識的な想像は当っておるでしょうか。
  95. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) お説の通りでございます。
  96. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そこで通商産業大臣に伺いますが、この火薬類の取締法の関係法規を私全部拝見したわけではありませんが、一番問題は、人家の稠密しておるところに花火等の工場があるところに一番問題がある。従って新設を許可せられるときには、やはり一定の保安距離というものを作られて、そして保安距離以内には、距離を切った地点においては許可をしない、こういう方針をとっていかれることが必要であると思います。あるいは今日そうなっておるかもしれません。ところがその保安距離が適当であるかないかという問題も一つありますが、もう一つは許可をした当時には適当でかりにあったとしましても、最近のように都心がだんだん膨張して住宅がどんどんと建設せられるということによって、いつの周にやらその保安距離というものが縮められてしまう。そうして人家の中へ入ってしまう、こういうことが起きると思うのです。これに対して一体どういう措置をとったらばいいかということが一番保安上の問題であろうと思います。いかに法律を改正をし、係官を増員いたしましても、こういう地理的な条件というものを是正するわけにいきませんから、これを一体どうするかということが一番問題であろうと思いますが、この点はいかがでしょうか。
  97. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 災害防止のために火薬工場と、そして一般の人家その他につきましては、一定の距離をきめてあるのであります。ただ現行のきめ方につきまして、いろいろ衆議院の方で問題がございました。たとえば人家から百メートル、国宝のあるところは二千メートル国宝が人命よりも大切かという議論がございまして、いろいろこれまた検討しなければならぬと思います。それじゃ許可するときはよかったけれども、だんだん人家ができてきたというときには、停滞量、火薬を貯蔵する量によって制限する、こういうやり方で今やってきているわけでございます。私は一番の問題は距離の問題もございまするが、爆薬の停滞量、しかもこれを管理するいわゆる組織、技術、心がまえ、これが一番大切だと思うのです。従いまして、東洋化工の問題が起こる前に、十月の初句でございましたか、通産省の各府県の関係官方々にお集まりいただきまして、規則、法律の改正等について意見を求めたのです。また先週の土曜日には通産省直轄の工場の社長並びに技術担当者にお集まりいただきまして、厳重に心がまえの問題を私は警告いたしましてあれして未然の防止に努めておるのでございますが、今お話しの距離、停滞量、そしてまた検査、監督、こういう各般にわたりまして検討し、次の通常国会に御審議いただきたいと私は考えております。
  98. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 いつの間にやら人家の中に入ってしまったような工場については、火薬の停滞量を制限することによって危険を防止したいというお話でありますが、それもなるほど方法の一つかもしれません。しかしそこまで話が参りますと、さらにお尋ねをしなければなりませんのは、おそらく今一番事故が多いと言われておりまする花火等の工場というものは、中小企業、零細企業あるいは家内工業でありまして、そういうものの工場の建築物を初め設備などというものは、あまりりっぱなものではなかろうと私は思うのです。少くとも火薬類のような危険なものを人家の中にまざって行なうというような場合には、かりに事故が起きても、近所に迷惑をかけないようにコンクリート建築にするとか、少くとも危険物の作業をするところだけでもコンクリート建築にするとか、そういう規制を加らべきじゃないかと私は思うのでありますが、そういうことを今後おやりになる御用意はございませんか。
  99. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話の通りでございまして、すでに火薬関係につきましては、花火関係の分につきましてはバリケードを作らすように予算の要求をいたしておるのでございます。で、これは全部国でやるというわけにはいきませんから、補助するとか何とかして、そういうお話しのような方向に進んでいきたいと思っております。
  100. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今予算を組んであるとおっしゃいましたが、組んであるのか、これから組むということでありますか、それはどういう方法で支出をなさるのか、よくまだ伺わないとわかりませんが、問題は私もよく調べておるわけではありませんので、あるいは若干違うかもしれませんが、中小の花火工場というものは特殊な技術を売っておることはもちろんでありますが、しかし、営業的には非常に花火のようにはなやかでないようであります。ずいふん無理な労働をし、無理な作業をやって作った品物が十分な利益をあげ得ない。いわゆる一般の困った中小企業と同じようなことらしい。でありますからそういうことの原因はどこにあるかを探求しなければなりませんが、少くともある設備を国が基準を設けて相手に強要し、そうして保全を全うしていくということにして、花火企業そのものが、労働条件を含めて、もう少し採算に乗る利潤を上げ得る仕事に指導していく必要があるのじゃないか。これは普通の消費生活品と違いまして、使う方は大てい一つの催し物に使う、買う人は大体団体であります。個人でおそらく買うような人はそうない。そうすれば、それを物見遊山というと語弊があるかもしれませんが、そういろ道具の一つとして使われる。購入先は団体である。そうしてそういう商品を作っておる工場の方が経営が不如意である。従って設備が十分でない。これは一つの社会悪であろうと私は思う。この点に根本的な手を入れて改善しなければいけないのじゃないかと私は思うのでありますが、この点どう考えますか。
  101. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話し通りでございまして今事務当局から、もうすでに要求しております予算につきまして、またいろいろな具体的なお話しがあると思いますが、私はまだはっきりしたことはわかりませんが、あそこの花火なんかの労働者は災害保険に入っていないということを私ちょっと聞いたのですが、こういうことなんか非常に遺憾と思うのです。こういうことは中小企業であることから起ってくると思いますが、これは花火というものは国内のみならず外国にも相当出ていく、日本としては相当の特産物でありますので、花火の業者につきましては格段の措置をとりたいということで、すでに九月に予算の要求をいたしておりますから、当局より御説明させます。
  102. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは助成金でいくのですか、融資でいくのですか。
  103. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) 来年度分としてただいま大蔵省に要求いたしております火薬、煙火類の災害防止についての対策費をごく簡単に内容を御説明申し上げたいと思います。総額では一億六千万円ということであります。その大部分を占めておりますのは煙火関係の火薬庫それから危険工室で昭和二十五年の新法施行前から許されておった花火工場のただいまお話しのような周辺が混んできたり、そういうようなことのために危険度を増したものに対して防壁あるいはバリケード等を作らせますための経費の補助金、実は名称は補助金でございますが、無利子貸し付けということであります。ちょうど中小企業の近代化補助金と同じようなやり方を考えておるわけでございます。四分の三補助ということであります。それが約一億六千万円であります。もちろん花火工場は現在三百三十余りございますが、そのうち周辺が非常に離れでおって危険が少ないという所もございますし、あるいはだいぶ接近してしまったので、ぜひ何らかの方法をしなければならないという所もございます。そういう所を選びまして重点的に補助するというような予定でございます。これは実は旧法によって認められました設備が新法施行後に当然改められていなければならなかったはずであったのですが、経過規定によって、何しろ零細業者でございますから、無理に設備を改善させることもできなかったという事情で現在に及んでいるものが相当問題を起こしているのでございます。これに対しまして今のような保安設備をできるだけ補助してやらせるということで、煙火関係の災害問題は相当数、少なくとも周辺についての被害は防ぎ得るという考え方を持っております。  それから、実はこれは設備的なものでございますが、そのほかにやはり何といっても教育、認識の徹底、保安意識の徹底、これはもう火薬といわず、煙火といわず、こういう危険物全体についての根本問題でございますので、これは府県庁の担当官はもとより、業者、従業員、それぞれの段階でできるだけひんぱんに講習会をやりまして、保安意識の徹底をはかる。これはもう従来もやって参っておりましたが、決して満足すべきものでございませんでしたので、それらに対しても相当徹底した方法を講じたいというので予算を要求しております。その他実は私どもの方も年々歳々こう事故が固まって起こりますと、どうしても技術的な基準を時々刻々変えていかなければならぬという問題がございまして、今年も実は群馬県でいたしましたが、毎年爆発実験をいたしております。これによってバリケードとか、建屋なんかの作り方というようなものを実験的に、単なる理論でなしに実験的に試験をしてみて基準をきめるというやり方をして、それらの実験費等もあわせて要求いたしております。
  104. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 経営の方はどうしますか。
  105. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) それから経営の問題につきましては、実は全国三百あまりの工場のうち法人組織になっておりますのは十三会社程度でございますが、きわめて零細業者が多い業界でございます。のみならず、これは昔から職人意識の発達してきている業界でございまするから、お互いに話し合って共同の利益を守るとか、研究を進めるというようなことについては、よほど強力な指導をしないと乗ってこないという特殊の性格もございますので、現在では一府七県に、これも部分的でございますが、かつての協同組合が作られております。その他任意組合で、ある程度親睦団体的なものを持つところはそのほかにも幾つかございますが、いずれにいたしましても、現在の団体法による工業組合を作るというところまではまだいっておりませんので、本年はその方の指導をぜひ一つ徹底したい。これはただいまの保安教育の問題、保安意識の問題等にも重要な関係のある問題でございますし、それから最近非常に急速に伸びております輸出品の品質あるいは価格の問題についてもぜひともそういう組織を作らせなければならぬというふうに考えておりますので、その方の指導も今後ぜひ一つ力を入れてやりたいと思います。
  106. 川上為治

    ○川上為治君 ただいま局長の方では、工業組合はまだできていない。工業組合を作らせるようにいろいろ指導しておるという話でありますが、協同組合はこれはできておりますか。
  107. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) 協同組合は現在一府七県に組織されております。
  108. 川上為治

    ○川上為治君 その協同組合で現在いろいろな指導なりそういうことはやっておりませんか。そうしてまたそれはどの程度やっていて、とてもそれでは不十分だからどうしてもこの際工業組合を作って指導しなければならないということですか。
  109. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) 先ほども申し上げましたように、何しろ共同意識という点からみますと、非常にまとめにくい業界でございますが、たとえば一府というのは大阪でございます。これあたりはなかなか協同組合としてもりっぱに活動をいたしております。しかしところによっては全くただ名義だけで、組合はできているけれども、実際上みるべき活動はしておらぬというようなところもございます。
  110. 川上為治

    ○川上為治君 私は秋山さんから先ほどお話がありましたように、やはりこういう中小企業者につきましては、工業組合制度なんかを大いに活用して、これを強化してその中小花火の業界の調整をはかっていくということが非常に大事な問題ではないかと思いますので、格段の一つ御指導なりをお願いいたしたいと思います。  なお一点お伺いしたいのは、花火工場にしましても、爆薬工場にしましても、爆発したあとの罹災者に対する補償なり、そういうことがなかなか十分行なわれていないのじゃないかという気持がするのですが、これは中小企業者ですから、なかなかむずかしい点もあると思うのですが、そういう点について、何か共済保険制度みたいなことを一つ考えて、そういう制度を作るというようなお考えはございませんか。
  111. 秋山武夫

    説明員(秋山武夫君) ただいまの川上先生の御示唆は、非常に重要な点に触れておると思います。私どもも実はそういう構想を描いております。たとえば、話がちょっとそれるかもしれませんが、自動車の運転というのは、これは免許制でございます。車体についても運転手についても、それぞれ国家試験がございまするが、これがかりに事故を起こした場合、かつては何らの対策がございませんでしたが、最近は賠償責任保険というような保険制度も設けられたわけでございます。従いまして、考え方としましては、当然業者の拠金、できれば国の何がしかの援助によって、基金といいますか、保険制度のようなものが考えられれば非常にけっこうじゃないかという案を実は検討をしたことがございます。ただ、実際にそれをどう実現していくかという問題になりますると、これは火薬業界と花火の業界とはだいぶ事情が違うのでございますし、これを一本にすることはなかなか実際上むずかしいかもしれませんという問題、ことに負担力という問題から見ますると、実は煙火業者の方は、御承知のような零細業者でございますから、補償の力というものはほとんどゼロに近いというようなことで、必要性はむしろその方に多いのでございますが、それだけに平生の負担といいますか、保険料の払込能力というような問題、あるいはそれを基礎に考えた場合、どれだけの基金なり規模なりのものを実現し得るかと考えました場合には、少なくとも、相当これは長年月のものを考えないと実行がむずかしいのみならず、一ぺん事故を起こしますと、それに対する、いわば保険金の支払い額のようなものは非常な巨領のものになるということで、悪くすれば基金が一ぺんで飛んでしまうというようなこともあり得ないことはないというような、いろいろな技術上の難点、あるいは経済的な負担上の難点がございまして、実はいまだにその方の成案を得ていないという状況でございます。
  112. 川上為治

    ○川上為治君 私は通産省直轄の大きな工場につきまして、別にそういう必要がないかもしれませんけれども、花火工場みたいな非常に零細工場につきましては、どうしてもそういう制度がないと、なかなか、問題は将来やはり起きてくるのじゃないかと思いますので、これは十分一つ検討されて、善処をしていただきたいと思います。   —————————————
  113. 奥むめお

    ○奥むめお君 いろいろガスの値上げのことが伝えられておりますけれども、これは通産大臣としても値上げを認めていらっしゃるように報道されておりますが、どういう理由で値上げをお認めになりましたか、それをまず伺いたいと思いますので、私それについて、時間がございませんから急ぎますけれども、ガス設備普及五ヵ年計画が、第一次発処します前後に、私どもあるところへ呼ばれまして、国策として、燃料節約、森林資源の愛護というところから、ガスの普及をうんとやる、こういうふうなことを聞いております。今第二次計画に入っておるわけでございますが、政府が推進して、ガスをじゃんじゃんお勧めになって、設備かふえていくからお金がかかる。私とこで値上げをするというふ希な理由あるとしたら、これは料金でこれを償うべきものでなくて、国家の責任でこれをなすべきものでないか。この二つです。
  114. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ガスの料金につきまして、ただいま問題になっておるのは、東京、大阪、名古屋の三部市でございます。全国にガス会社は百二十、小さいのを入れてあるようであります。東京、大阪、名古屋以外のガス会社は、すでにたびたび値上げいたしておりますが、この三社は、昭和二十七年以来値しげしていない。なぜ値上げの申請を出すに至ったかと申しますと、御承知の通り、昭和二十七年には、三大都市で百五十五万戸ガスの需要者がございます。ただいまは百二十万戸ふえまして、二百七十五万戸に相なっておる。で、昭和二十七年のときには、固定資産が二百七十億円くらいであったのが、その後八百億円、この三都市で。設備の拡充、もちろんガス精製設備もございまするが、配管その他でございます。資本費が非常にかさんできておるのでございます。その内訳を申しますと、もちろん投資に対する利子、固定資産税、配当、償却——償却が非常にたくさん要るわけでございます。こういう関係で、今の三都市の状況といたしましては、とても赤字で償却もできないというふうな状態に相なっております。名古屋は、災害の関係上、値上げはしばらく見合わすといって取り下げておりまするが、東京、大阪の分は、早く許可していただきたいという申請がきておるのであります。私は、ガス事業という公益性にかんがみまして、会社の内容が悪くて、将来立ちいかぬというふうなことは、これは黙過するわけにいきませんが、ただいま結論は出しておりませんが、そういう状態で、ある程度の値上げを認めなければいかぬのじゃないかと今検討中でございます。申請は一割九分と一割九分二厘でございます。
  115. 奥むめお

    ○奥むめお君 今、ガス会社が大へん経営がむずかしいというようなお言葉でございますけれども、立ちいかぬということでは困るからというお話しでございますけれども、ガス会社の経理は、専門家でいらっしゃるからよくお調べになっていると思います。ことしの八月か七月の終わりに、車中談として、大胆のお言葉の中には、ガス会社の経理が、公益事業として努力が足らぬというふうなことで、値上げへ否定的なお言葉で、それから二ヵ月ほどたった九月の未ごろに、今度は値上げに踏み切りなさった、値上げ賛成の御意見が出る。私、ガス会社が値上げしたがっているということは聞いているけれども、歴代の大臣は抑えてきたのだと思うし、そういうふうに聞いている。池田さんが通産大臣におなりになってから、ガスの値上げが出てきた、何かそこに事情がありゃせぬかということを憶測するわけなんですね。また、なぜことしになって急にそういうふうに踏み切らなければならなかったかということでございますが、まあ新聞にも出ておりましたから御存じでしようが、まず初めに、ガスは、公益事業として、経理はもっと直さなければいかぬとおっしゃっていたことは何を意味するかということを伺いたいし、それから国税庁が発表した数字によると、ことしのガス会社の上期は、去年に比べまして、十八億九千八百万円の所得の増加が国税庁に届けられておりましたね。これは資本金に対して一二・一七%になるのですね。そうしますと、これは半期でございますから、一年とりますと、二四・三四%、これだけが資本金に対しての所得になる、そうすると、これを今度はもし上げるとする、会社が申請しているように上げるといたしますと、一年で二四・三四%の所得が今でさえあるのに、これがざっと一立米当たり三円の値上げになります。そんなにたくさんの値上げになります。そうしますと、またさらに一九・〇三%の所得の増になるわけでございませんかしら。非常ないい成績で、配当一割二分、まあ公益事業として電気は一割の配当でございますが、そのほかいろいろな面で巷間伝えられることはいろいろございますけれども、まあそれは抜きにしても、これで会社つぶれるのでしょうか。上げたら大へんなもうけになりはしませんか。
  116. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は、ガスにいたしましても電気にいたしましても、上げることはもう好かないのでございます。で、なるべく上げないようにと言って、これは一時、私はどうも資本費がかさむ、そうすると新たにつける人に相当負担さしたらいいじゃないかという考えも私持っておったのであります。しかしなかなか、よく考えてみますると、そうもいかないので、そうして会社の内容を聞いてみますと、なかなかここ一、二年は相当無理いたしております。で、今お話しの一割二分一厘七毛、これは法人税を引いたあとの利益でございます。一割二分配当するに要する分だけを利益にしておるのであります。だから、これは一割二分配当しようとすれば、これだけの利益を上げなければならぬ。法人税はもう引いたあとでございます。法人税を入れますと二十億以上の利益になっております。しかし二十億以上の利益を計上する場合において、それならば、設備費を定率で償却しておるかと申しますと、夏におきましては実は償却できないという状況でございます。問題は、一側二分配当することがいいか悪いかという問題でございます。そうすると、ガス会社と電力会社につきましては、従来ガス会社の方が配当は上でございました。電力が一割二分のときはガスは一側二分か一側四分であった。電気の方は、先般の値上げの結果、全部ではございません、一割の電力会社と一割一分の電力会社がございます。ガス会社は、今東京大阪は一割二分に相なっておるのでございます。これは、一割二分を配当するための最小限といいますか、これだけは利益を出さなければ……。これは配当金に相当するものでございます。そういうことでございまして、今の東京大阪は償却を減らして配当をしておるということ、それは何かというと、資本費が相当かざんで、利益が出てこないということでございます。
  117. 奥むめお

    ○奥むめお君 その零細な利用者の料金から何もかも取り立てて会社のつじつまをよくしていこうというのは、非常に私は近代産業として、公益事業として大へんな間違いである。一体公営事業とかあるいは国営事業とか、国鉄でもあるいは電信電話、郵便、たばこそれからガス電気というふうなものでも、みんな私企業の人が見たらうらやましいだろうと思うのです。すぐ値上げを国家がしてくれるものですから、企業努力というものが足りない。ここにも会社の礼長さんもいらっしゃいますけれども、料金の中でこういう経費を見るということは、何としても私は間違っていると思うのです。設備なんというものは、どこの会社だって、よけい売れるようになればなるほどかえって安くして、設備がよくなっている。設備のよく伸びていくところまで料金にかける、こういうことは、もう実際独占企業にあぐらをかく悪いくせが直っていないという私は一つの証拠だと見ますが、いかがでございますか。  それについて、私大臣に特にそれに加えてお伺いいたしたいのは、それじゃこれからも設備がどんどん伸びる、また郊外の方に、遠いところによけいいく、設備もふえる、とまた値上げを私たちは考えなきゃいけませんか。この二つを一つお答えいただきたい。
  118. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 会社の状態が、長い目で見て健全に行われることが、これは公益事業でございますから、絶対に必要でございます。そうしてまた、電気にいたしましてもガスにいたしましても、戦前の設備を相当持っておるところは安い資本費でよろしゅうございますが、新たに施設を持ったところは、今の物価の状況からいいまして、かなり高くつきます。えてして値上げということにたよらざるを得ぬというのが実情であります。で、私はなるべくそれを合理化によって上げることを少なくすると、上げなくてもいいようにしていかなきゃならぬと思いまするけれども、実際問題といたしまして、公益事業につきましては、今お話し通りに、設備がどんどんふえていけばある程度料金をそれにマッチさしていくことに相なると思うのであります。
  119. 奥むめお

    ○奥むめお君 これは非常に重大な考えで、私からいいますと、実際今の政治はうしろ向きになっている。少数のガス経営者には大へん心配して下さるけれども、多数の利用者はいつもその圏外に捨てられる。もう、設備がよけいになればなるほどガスは高くなるのだ。それを企業努力で、料金の値上げをしないでやっていくというところに私は公営事業の意味があると思っております。ですから、これは御答弁を伺うまでもないことでございまして、私はそうあるべきだと思うし、これからの政治はもうぜひ大多数の利用者の方を向いて料金を考えてもらわなければならぬ。こういうふうにしてもらわないと、ガス会社にしても、このごろのマスコミの非常な猛烈な売り込みで、もう売れ売れ買え買えというようなことで、非常に宣伝が盛んだったから、まだ生活の実態がそこまでいっていないのに、各家庭が、電気がまを買ったようにガスがまも買い、ガス冷蔵庫も買う。ガスのお風呂も据え付けて、ずい分普及したのですね。ガスレンジも買う。家庭の文化化活を増すにはとてもりっぱだ。これは大体月賦のものが多いだろうと思うのですけれども。普及するだけ普及してしまってから、さあ実はあの設備に金がかかったのだ、値上げしてもらわなければならぬ。これじゃ全く踏んだりけったりだというのが私どもの偽らぬ心情でございます。  で、私まず、じゃあ値上げをしなきゃなるまいとおきめになりましたそのときに、何とか値上げを食いとめるために、通族省としてはどういうほかに方法をおとり下さいましたか。それを伺いたい。
  120. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) もう値上げをすることにきめたわけじゃございませんが、私の今の勘では、値上げせざるを得ぬだろう、しかし、一割九分あるいは一割九分二厘通りにやるかどうかということは、これはもうよほど検討しなきゃなりません。で、ガスに対しましての今までの補助は、電気ほど至れり尽くせりと申しますか、いっておりません。たとえば固定資産税なんかにつきましては、電気の方は新設後五ヵ年間三分の一、そうしてそのあとの五ヵ年間は三分の二と、こういうふうにいたしておりますが、ガスはそういう固定資産税の軽減規定がない。それからまた、これ、電気ほど金はかかりませんが、開発銀行からの融資にいたしましても、電気よりはよほど薄くなっております。従いまして、昨年ぐらいから、ガス会社に対しての開発銀行の融資もふやそうし、われわれといたしましては、今の固定資産税の軽減も自治庁の方に強く要望しておる状況でございます。しかし、何と申しましても、固定資産税の軽減に関しても、初年度は二億六千万円程度でございます、全国で。私は今の状態といたしましては、いろいろな関係で、ある程度の値上げはやむを得ぬ。そうして、ガス会社として健全な経営をすることが一般消費者のためになるんだ、消費者とガス会社というものが相反していると私は考えない。公益事業というものは、消費者のための会社であるということで私は進んでいっておるのであります。
  121. 奥むめお

    ○奥むめお君 経理の融資はどうでございますか、経理の融資はどうなんですか。まだ今おっしゃったこともきまっていないわけですね。おきめになっていないわけですね。これだけのことは、ガス会社に今までよりもよくしたことはないのですか。
  122. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 来年度におきまして、ある程度ふやしてもらおうと今要求はいたしておりますが、何と申しましても今年十億円、昨年七億円、その前は一億か二億くらいの融資にとどまっておったのであります。これをふやしてもやはり金利は九分五厘くらい取られるのじゃないかと思います。特にこれを六分くらいに下げるというようになるかといいますと、そうもなかなか開発銀行の方でいかないのじゃないかと思います。
  123. 奥むめお

    ○奥むめお君 それじゃガス税は取りませんですか。寝ていてもざっと二十億といわれますが、値が上がれば上がるだけガス税も上がりまして、これだけ消費者のふところは——今計算しているところでは、税金込みではございませんですね、私今計算しておりますものは、ガス税も先ほどの競輪の費用と同じだということを言われれば、それまでだけれども、あんな不合理な、知らぬ間に上がれば上がるほどよけい取られて因るけれども、これは通産省としてどういうように対処なさいますか。
  124. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は御飯をたいたりお湯を沸かすガスに、炊飯のガスに税金を取るということは、実は戦争前に私がこしらえた法律でございますが、非常に気がひけておる、なるべく早くやめたいという考え方でございます。特に今回のように値上げをした場合、その上げ分の一側を取り立てるということはいかにも心苦しいので、今度の値上げ分につきましては、ガス税を軽減する、取らないという方向にしてもらうべく自治庁に話しをしていこうと考えております。
  125. 奥むめお

    ○奥むめお君 もっとはっきりとガス税をやめるというように、実力者でいらっしゃる通産大臣が、ガスの値上げをなさいますについては、消費者の立場をぜひもう少し考えてもらう、それには電気、ガス税の問題なんかは一番手っとり早い問題点だろうと思うのですが、いかがでございますか。
  126. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今のガス税は大体六十数億、七十億くらいに全国でなるんじゃないかと思います。財源の点から申しまして、他の者の所管事項について通産大臣としてどうこうということは差し控えたいと思いますが、それはあまりいい税金ではないと考えております。
  127. 奥むめお

    ○奥むめお君 大へん心細い御答弁でございますけれども、悪いとはっきり思っていて下さるなら、このためにぜひ検討していただきたいと思います。で、値上げ分はそれで一つカバーをしてでも、やむを得なければ努力をしていただく。  それから会社の申告によりますと、今の一九何%の値上げとおっしゃいましたけれども、あれは数字の魔術がございまして、実際に家庭で使っているのは大体五十、六十立米見当なんですね。それから、それより少ないところがずっとありますが、それもみな二〇・三からずっと上になって、多いのは二五・一になりますですね。この値上げ率の問題は、やっぱりこれも零細なものを無視して、まあ工業、商業用は安くしているんだ、ガス法にもガス事業法にもそういうのが書いてありますようですが、段階をつけて、はっきり基準価格をきめておくようにということが書いてあるようですが、これなども今見ますと、現行一立米当たり十六円五十二銭、そうすると今度は、今までは家庭用と工業用との開きがまあそれでも多かったのに、今度値上げになりますと非常に多くなるのですね。差別が二八・九三になるのですね。ざっと平均の、家庭用と商工業用の比率が大へん大きな開きになる。しかも一番よけい重くかかるところが、値上げ率が二〇・三以上のパーセントで上がるのでございますね、こんなひどいそろばんの立て方というのはないのでございます。これもぜひ検討してもらわないと因ると思います。私ども零細な家庭でガスを重宝がっているものが一番この数字を出されておそれているのです。  いま一つは、零細な家庭がガス器具を買う、これはみんな物品税がかかる。これもひどいもので、何から何まで消費税で雪だるまのようにふくれ上がってくるわけでございますね。弱い者が困らせられる。こういう問題を一つガス料金値上げをお考えになる前に、まずガスの利用者をどうして立てていくかということを基本にして考えてみていただけないものでしょうか。
  128. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話の点は十分考慮いたしまして、今検討いたしておるのであります。一律に申請しておりますが、やはり利用者の状況を考えまして、十五米以下の料金と一般大衆の人の負担が非常に重くならないように今検討いたしておるのであります。
  129. 奥むめお

    ○奥むめお君 これで私も時間がおそくなったからやめますが、先ほど値上げをまだきめていないとおっしゃっていたけれども、また値上げをおきめになっていうっしゃるような態度でもありますけれども、私、数字的にもこのコークスあるいはガスの原材料費、副製品の売上高というようなものにも、会社側の出している資料に私問題を持っております。また償却にしても疑問を持っておりますけれども、そのほか数字的なことはまたいずれほかの方に伺うことにいたしまして、私あくまで、ほんとうに生活を豊かにするという前向きの政治にこれからはぜひ切りかえてもらいたい、これを重ねて要望しておきます。
  130. 岡三郎

    岡三郎君 私池田さんにお願いしたいのですが、最近におけるガスの問題の中で一、二点ですが、やはりガスを引くのに、引いてあるところは料金値上げ、これから引こうと思うのは、やっぱり引くのに今でもずいぶん金を取られますね。それで実際問題として高く取られて、その上にガス料金が値上げになるということで、今引こうという連中がまた非常に問題を起こしてきているわけです。特に最近郊外なんかにおいて、いろいろと高圧で引こうというところに、土地を必要とする場合においては需要者の方で土地を待たなければならぬ。高圧から低圧に直すためにそこに特別の施設を作らなければならない。そういういろいろなことで非常に高くなっているわけで、いろいろと聞いてみるというと、やはりガスの方が公営企業だが非常におくれているのじゃないか、ガスに対する国家の補助とか、いろいろな手当がそういうふうな点で、特に一般に説明しているのは、やはり低利の資金がガス中業に入っておらぬ、これは非常におくれているので、そういうことになってきておったが、実際問題として、現在の都市においては電気と同じようにガスは必需品だ、こういうふうな点で低利資金の融資ですね、これを一つ抜本的に考えていただければ、ガスの値上げもそれほどしなくてもいいのじゃないかというようなことも、実際の出張所あたりの連中は言っているわけです、事実問題。だから私はガスの値上げと低利資金の融資という問題とは切り離せないと思うのですが、特に開発銀行の話が出たわけですが、何とかして大衆の要求というものについて、抜本的に公営企業そのものに対する融資の公平化というわけですか、そういうふうな点について考えてもらいたいと思うのです。そうしないというと、大企業の方に利が行って、一般の消費者の方はどうしてもおくれてくるということになって、やはり低利資金の融資をガスにするということは、料金の問題と切り離せないというふうに考えておるわけでありますが、抜本的なガスに対する低利資金、これは消費者大衆に相当の恩恵になると思うのですが、これをお願いしたいわけです。最近において特に感じた問題です。
  131. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私も先般来ガス会社に対しまする融資について、国内の金利は相当高いから、電力会社のように、世界銀行から六分程度、それ以下でございますか、借りるように実はもら申請いたしておるのであります。いろいろ手は打っておりまするが、何分にも今の財政投融資、開発銀行の方で見ますると、もろほとんど全部電力と、そして中小企業関係、農林漁業関係、ほかの一般の力にはあまり出ていないようでございます。
  132. 岡三郎

    岡三郎君 一ぺん整理してもらわなければいかぬのだなあ。
  133. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) この分にきましても整理しようと思っておりますが、炭鉱の問題、鉄鋼、その他にあ、まり出ておりません。非常に少ない。電気等にも相当要しますので、低利ということになりますとなかなかむずかしいと思っております。外国のお金は努力いたしておる次第でございます。
  134. 岡三郎

    岡三郎君 よろしくお願いいたします。
  135. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今いただいた資料の中でちょっと私わからない点があるので、事務当局に伺いますが、一立方メートル当たりのガス原価比較表の中で副産物の収入が半分ぐらいに減っておるのですが、これはどういうわけですか、二番目の副産物の収入。ガス会社というのは副産物をなるべく経済価値を上げようというので一生懸命努力しておる。それだのに半分に減っておるというのはどういうわけですか。
  136. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ちょっととめておいて。    〔速記中止〕
  137. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは速記を始めて。   —————————————
  138. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 先ほど来の火薬、煙花類の災害防止についての論議を拝聴いたしました結果、各委員の御了承を得まして、次のような決議案を提出いたしたいと存じますから、皆様の御賛成をお願いいたします。  決議兼を読み上げます。    〔専門員朗読〕     火薬類工場等の災害防止に関する決議   近年火薬及び煙花等の製造工場等において爆発事故が頻々と発生してその跡を絶たないことはきわめて遺憾なことである。殊に去る十一月二十日の東洋化工株式会社横浜工場における大爆発事件は世間の耳目を震がいさせたもので、今日までこの種事件発生の都度、国会が政府に要望して来たにも拘らず、その成果を挙げ得なかった事実を示すもので、甚だ遺憾とするところである。   政府はこの際、国民に与えている社会的不安を解消し人命、財産をかかる災害より守るために、次の諸点に留意して根本的な施策を行うべきである  一、関係法規に全面的な検討を加え監督行政の強化並にその執行に万遺憾なきを期すること。  二、中小企業を主とする煙火工場については、技術及び設備の改善を迅速に行わしめること。尚必要あるときは、所要資金の確保等につき善処すると共に組織化等を通じて経営改善のための積極的指導を行うこと。  三、関係業者並に従業員の保安教育を徹底し、保安観念の向上を期すること。  四、災害予防施設の強化、火薬類の停滞量の減少等の方法を周辺の事情の変化に応じ機動的に指示し、いやしくも周辺に被害を及ぼすことのないよう強力に指導をすること。  五、罹災者に対して充分なる補償を行い得るよう適切なる措置を講ずること。    昭和三十四年十二月四日         参議院商工委員会
  139. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 以上であります。ただいま提出いたしました決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  140. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は、委員会の決議とすることに決定いたしました。  池田通産大臣より発言を求められておりますから、この際発言を許可いたします。
  141. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいまの御決議まことに御尤もでございます。決議の趣旨を十分体しまして、善処いたしたいと思います。   —————————————
  142. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 実はですね。先ほど競輪問題で、一応池田大臣との間に意見の交換をいたしたわけですが、やはり当委員会としても、一般世論の動向を直接キャッチする、直接知る必要があると思うんです。衆議院は事実もうすでに行なわれるようですが、参議院といたしましては、衆議院とはまた違った角度で、各階層の意見、賛否、中立、いろいろあるでしょうが、その意見をぜひとも参考人においでを願って聞きたい、こういう工合に思うんです。人選等につきましては、委員長理事会に御一任をいただいて、ぜひともなるべく近い機会に実行できますようにお願いをいたしたいと思います。
  143. 岡三郎

    岡三郎君 先ほどの質問で、自民党の方でも調査機関をもって推進するという意向が表明されたわけですが、衆議院においては自治体の賛否両論の意見を徴するということになっているようです。われわれとしてはフェアな立場で、謙虚に世論をこの委員会に入れるといいますか、これをわれわれとしては汲んでいきたいという角度で、今栗山さんが言ったように、与党の方でも十分検討してもらって、すみやかに委員会において行われるように、これは自民党自体また社会党自体においてもいろいろと発表しておりますが、委員会としてやるべき任務であろうと思うので、むずかしく考えないで、一つ実行してもらいたいということをお願いします。賛成します。
  144. 川上為治

    ○川上為治君 さっきの火薬の決議案で、私は賛成なんですが、ちょっとあの中で、私、うっかりしていたんですが、どうも火薬の取締まり監督官が非常に少なくて、取り締まりが十分でないんじゃないか。これは予算もなかなか足りないんじゃないかというように考えますので、通産省としましては、その点ぜひとももっと補充して、取り締まりの強化をはかっていただくようにお願いしておきたいと思うんです。
  145. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  146. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて。  これをもちまして本日は散会いたします。    午後一時二十五分散会