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1959-12-01 第33回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月一日(火曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員の異動 十一月十七日委員須藤五郎辞任につ き、その補欠として野坂參三君議長 において指名した。 十一月十八日委員永岡光治辞任につ き、その補欠として山田節男君を議長 において指名した。 十一月二十一日委員山田節男辞任に つき、その補欠として永岡光治君を議 長において指名した。 十一月三十日委員野坂參三君辞任につ き、その補欠として須藤五郎君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小沢久太郎君            小山邦太郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            武内 五郎君            安田 敏雄君            小平 芳平君            村上 義一君            須藤 五郎君   政府委員    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省河川局長 山本 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    総理府北海道開    発庁事務次官  熊本 政晴君    総理府北海道開   発庁総務監理官  木村 三男君    建設省土木研究    所長      横田 周平君    建設省建築研究    所所長代理第二    研究部長    森   徹君    建設省建築研究    所総務課長   矢野 喜三君    建設省建築研究   所企画調査課長  菅原  肇君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (建設省並び北海道開発庁定員  に関する件)  (建設省機構に関する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより建設委員会を開会いたします。  本日の委員長及び理事打合会について御報告いたします。今後の委員会の運営について協議いたしました結果、一、本日は建設省並び北海道開発庁定員の問題、及び建設省機構問題について質疑を行います。二、適当の機会昭和三十五年度建設省関係予算、及び次期通常国会提出予定法律案の大綱、並びに三十一国会成立法律の政令について、政府当局より説明を聴取することにいたします。三、三日の定例日は都合により取りやめにいたします。以上のごとく申し合せいたしましたので御了承を、願います。  それではこれから建設省並び北海道開発庁定員に関する件、及び建設省機構に関する件を一括して議題に供します。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 土木研究所建築研究所地理調は来ておりますか……。実は私おいでを願ったのは、今次の災害でわれわれは特別立法をして災害地に対する復旧法律案を作ったのです。そこで今さらながらお伺いしなければならないのは、国土保全のために、建設省付属機関であるこの三つの機関がいかなる役割を、仕事を今日までしておるか、何をしておったかということね、しいていうならば。国土保全に対するあなた方の研究なりなんなりが役に立っておったかどうか、役に立たなかったのではないか、という点を詳細に一つ伺いたいと思うのです。それらの問題は、各付属機関の実態が本省からの、何といいますか、間違った指示によって本来の目的を達しなかったのではないか、ということを懸念するわけなんです。一つ土木研究所から、現存やっていられるところの仕事、あるいは予算をつけてもらって何をやっておるかということ、たとえば三十四年度は何をしているかという点について説明を願いたいと思うのです。
  4. 横田周平

    説明員横田周平君) お答えいたします。今次の災害高潮に関するものが非常に大きく中心になっておりますが、三十四年度のお話をいたします前に、私ども研究所といたしまして、どういうふうに高潮関係のことについてやっていたかをお話申し上げます。  昭和九年の室戸台風による大阪湾高潮の際は、土木試験所といわれた時代でございますけれども、ほとんどこれに対する研究はいたしません。その前に昭和七年に三陸の津波がありまして、これにつきましては研究のテーマといたしまして報告が出ております。それからこえまして昭和十七年でございますが、周防灘を中心といたしまして高潮がありました際に、調査団を派遣いたしましてその当時の記録をとり研究をいたしております。  それから戦後におきましては、十三号台風伊勢湾を横切ったわけでございますが、このときに工事建設省委託になりまして、建設省がその衝に当るようになりました機会海岸研究室を作っていただき、まして、その潮位のとり方、波浪のとり方あるいは海岸堤防構造作り方等につきまして研究所は大いに働きまして、研究報告といたしましては所報に六回にわたりまして報告いたしております。それでその寄与いたしましてできました海岸堤防につきましては、大部分よく今次の災害にたえており、ますのですが、やはり一、二カ所破堤した所もございます。それは局所的な原因のようにも思いますが、まだ調査を今後進めなければならない点もございます。それから、もちました区間につきましても満身これ創痍といったような形で残りました区間もございましてそういう区間につきましてただいま綿密に調査し、それによる今後の計画に資したいと思っております。私ども研究所といたしましては、十三号台風契機といたしまして、海岸関係につきましても十分勉強はしてきたつもりでございますが、今次のような、前回あるいは室戸台風のときよりも上回るような偏差を持ちまして襲いかかったような高潮に対しまして、新たにやはり研究を続けなければならないようになりまして、差し当り調査団を派遣いたしまして簡単な報告建設省の方に提出してございますが、今後研究しなければならない新しい課題をたくさんかかえたわけでございまして、今後とも研究を進めなければならないと思っております。十三号台風以後六回にわたりまして報告も出ております。大体海岸高潮関係につきましては、ただいま研究所といたしましては、成案までその出時といたしましては到達したつもりでありまして、今年度におきましては主として海岸の浸蝕というような点について研究を進めております。また委託研究といたしましては、銚子の河口の問題、これについて大型の模型を作りまして、これからいろいろ実験にかかるというような段階でございます。国土保全につきましての海岸の問題は、河川砂防の問題よりも研究のとり上げ方といたしましては非常におくれまして砂防あるいは中流部河川改修に伴います研究は、開設当初からやって参りましたのですが、海岸に対しましては若干の立ちおくれをきたしましたことは事実でございまして、今回の伊勢湾台風契機といたしまして組織その他も拡充せられ、今後に対処いたしたいと、そういうふうに考えております。
  5. 田中一

    田中一君 これは災害委員会でもいろいろ質問をしたのですが、海岸はおおむね沖積層が多いわけですね、旧河川河口だということになっている関係からいって。そこでこれは建設省の方ばかりではない、運輸省にも質問してみたのですけれども岩盤から堤防を作っているものはないわけなんですね。またどの辺に岩盤があるかという、ボーリングをしたことがないらしいのです。今度の災害でいろいろ方々の学者から私のところへこの方法、あの方法自分たちはこうしている、ああしているというようないろんな知恵を授けてくれるんですよ。まあそれによって僕は質問しているわけなんです。たとえば東京湾一つをとらえても地盤図というものはない。まあ民間の資金で地盤研究所とかいうものを作って、そしてそこで建築面から見たところの東京のそういう軟弱地盤沖積層地盤に、四千カ所ぐらいの建築を建てるためのボーリングをした例があるそうです。そのデータを集めた、一つ地盤地盤図というものができております。これは拝見してみてびっくりしたんですが、ところがこれは建築部門でやっております。それも新しくやったんではないんですよ。各民間建築をしようとする側の方でボーリングの結果、そのデータを集めたものなんです。これはまあ三重県を見ても、三重県の幕府時代から作っている堤防があって、これは決壊していないという例がある。これは地盤がどうなっているか私は知らぬが、しかし、実際に見ると、こういう国土保全というものは、年々歳々の災害から守るには、海岸ども、今あなたが説明しているように、もう歴史的に何回か繰り返しているわけなんですね。海岸線地盤沈下、それから高潮、こういうもので襲われているのは、もう知っているわけなんですよ。ところがそれに対する恒久策を立てるための地盤調査すら土木研究所がしないということは、これは忙しいかしらん、あるいは予算が足りないかしらん、しかしそういう考え方を持たないのはおかしいと僕は思うんですよ。  そこで、今まで苦しい地盤沈下が見得る地域に対してはボーリングをしているそうです。これは河川局長がそう言っていました。それは著しい地盤沈下ということは、これは当然しなきゃならぬですよ。そうでなくて、日本の臨海工業地帯というものは、全部沖積層に建っているわけなんですわ。それらに対する地盤調査というものは、全然しておらないというのが現状のように僕は聞いておるんですがね、その点はどうなんですか。
  6. 横田周平

    説明員横田周平君) 現存におきまして、土地利用をやっている地域——まあ、やはり陸地につきましては、建築あるいは土木構造物を作ります際に、詳細なボーリングをやりましてその局部的な地域々々については明らかになっておるのでございますが、一括いたしまして地下のまあ構成の状態を明らかにするというような点につきましては、御指摘のように非常に不備な状態でございまして、まあ私ども研究所といたしましても、本年度につきましてはそれを明らかにしていただきたいというふうな要求にしてあるのでございますけれどもこれは建築研究所、あるいは地理調査所、あるいは港湾、運輸省関係でもいろいろやられますので、研究機関としても横にできるだけ連絡いたしまして、統一のとれるような方法で、東京都においてはすでに作られておりますような、やはり地盤のいい資料を作っていかなければならないと思っておりますが、名古屋地区につきましては、御指摘のように、その点につきましておくれておりましたような状態でございます。
  7. 田中一

    田中一君 河川局長にちょっと聞きますがね。あの二十八年度災のときの決壊した堤防ですね。これの地盤というものに対するボーリングはやりましたか。原形復旧ならば、今まであったものに対するそこまでのものを作ればいいということは、法律の解釈から言っていいと思うんですが、改良というものは、少なくともボーリンクして地盤まで調べなければ改良にならないんですよ。単に軟弱な地盤の上にコンクリートの波返しをつけて高くしたならば、それで海潮は守れるというものじゃないんですよ。もう地盤沈下というものはどこでも起こっておるんです。ことに名古屋地区なんか新しいものですよ。だから、そいつはもう国のものじゃない、市有地だからそういう市がやったらいいじゃないかということは、これはいかんですよ。その市にあるところの多くの住民を今度のように大ぜい殺さなくちゃならないですからね。二十八年度災のときの改良工事を施した堤防には、全部ボーリングをやって、地盤調査を施しましたか。
  8. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 私、その当時の状況はつまびらかにはしておりませんけれども、やはり大きな堤防なりの構造水門等を作るところは、いずれも基礎状況調査してやらなくちゃならんものでございますので、重要な所はやっておると思います。ただ、ボーリングをやりましても地盤沈下が起こるかどうかということは、ボーリングだけじゃわかりません。でございますから、これはやはり地盤沈下状況調べるには、毎年やはりレべリングをやらなければ——地質調査とあわせて水準測量をやらなきゃいかんだろうと存じます。これは全国的には行なっていないと、この間申し上げましたが、その通りでございまして、新潟のごときにおきましては、毎年々々あの地理調査所水準点をきめておきまして、毎年正確な測量をいたしておるわけでございます。このような方法を全部やればいいわけでありますが、南海地震あと四国紀州等につきましては、地理調査所等が毎年水準測量をいたしました。そういう方法を、地盤沈下の起こるおそれのある所へやるような方法を考えると同時に、それからやはり地質状況もあわせてやらんと——その地盤沈下がやはりどういうところに原因があるかというようなことを調べるのに、地質状況、それから地下水状況をあわせて調べなくちゃいかんのじゃないだろうかということを同時に考えております。従いまして、二十八年の際には、重要な構造物の所はもちろんやったと思いますけれども、今回の災害復旧に当たりましては、堤防の高さも相当高くなりますし、重さも重くなりますから、地質状況を十分見なきゃいかんと思っております。これは現地の方へそういうことをお指図をいたしまして調べた上でやれということ。それからもう一つは、でき上がつたものがどういうふうに沈下していくのかというようなことも、絶えず調べておかんとやはりいかんと思っておりますので、作ったもののあと一つ追跡して参りたいというふうに考えておるわけであります。
  9. 田中一

    田中一君 まあ今度の場合、調べてやれと言った所を調べて、現存のあの堤防の基底からまだ二十メートルもあった場合に、それを全部その岩盤から築造しようというような考え方に立っているのですか。
  10. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これはとても岩盤からやることは非常にむずかしいだろうと思いますので、それにかわるべき基礎をしっかりしたものを作りたいということでございまして、下が、へどろや土だという場合には、それが逃げ出すといけないわけでございますから、それが逃げ出さないで、しっかりしてがっちりしておれば、岩盤に匹敵するような耐力もできるわけでございますので、水が浸透したような場合に、それが土が逃げないような方法を考えようということでございまして、それにはやはり重要な部分には矢板でずっと壁を作りまして、下の土が逃げないような方法を考えたいというふうに思っております。
  11. 田中一

    田中一君 そうすると、今度の災害の特例による予算ですね、これはそこまでの設計を考慮しながら積算した予算なんですか。
  12. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その通りでございます。
  13. 田中一

    田中一君 そうすると、今度改良工事を施そうという地点に、これは全部一応の岩盤までの推定といいますか、そういうものができておるのですね、深さの推定は。
  14. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 大部分岩盤までは到達できない——深さは調べてみればわかるのでございますけれども、おそらくもう二十メートル以上にも岩盤が深い所は、それに到達するような工事は、とても費用の面で非常に膨大な費用がかかりますから、それにかわるべきような方法で、岩盤の上に作ったと同じような強さにしようということで、いろいろ工夫をこらしておるわけでございます。
  15. 田中一

    田中一君 岩盤に作ったと同じような強さにしようというのは——まああなた専門家だが、僕はわからん、あなたを信州する以外にないけれども、それはどういうことなんですか。それは横田君に一ぺん伺いますがね。そういうことが可能ですか。私は岩盤から建ち上がったものは大体間違いなかろうと思うのです。ダムでも何でもすべての堰堤は岩盤に食い込まして、そこから計算していくような強さだと思うのですが、軟弱な地盤にまあ矢板でもって囲んで、何といいますか潜函みたいなものを作ってそれに乗っけるのだというけれども、それ自身が地盤沈下を起こしているのはこれは事実なんですよ。沖積層地盤沈下というのは当然なことなんですよ。学者に聞いたんですけれども当然起こるのだと言うのです。それが百年に起きるか二百年に起きるか、あるいは千年に起きるかわからぬけれども、当然地盤沈下は起こるのだというのですね。これは地質学者に聞いてみると、それが岩盤に立つと同じような強さのものができるということはちょっと僕は想像つかないのです。これはどうですか。
  16. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) それはもちろん岩盤につけたのが一番強いわけでございます。しかしまあ岩盤につけることが非常にむずかしい、深いわけでございますので、上の構造物を持つだけのものを乗せて非常な沈下を起こしたり、あるいは不当沈下等を起こさないように工夫をするわけでございまして、岩盤と同じということは私の言葉の間違いでございまして岩盤が一番強いわけでございますから、岩盤に匹敵できるような構造上差しつかえないような強度にしよう、こういうことでございます。
  17. 田中一

    田中一君 どうも山本君がそう言うならそうかもわからぬけれども、僕はそんな予算は今度計上されてないと思うのですよ。これはまああなたがそう言うのだからそうやると思いますから、ちょいちょい見に行きますがね、私の方も。実際にそれがやはり台風襲地帯高波常襲地帯対策なんですよ。どうも現在の私が、風水害対策特別委員会皆さん方、各委員質問、それから政府の答弁を聞いておりますと、大体においてかさ上げさえすれば、堤防の高ささえ大きく持ってくれば、高波は守れるのだというような印象を受けているんです。基礎の問題にまでだれも質問してないわけなんだな。また一般の国民は高波というやつは上から来るんですから、こいつさえ防げばこれはもう絶対安全なものだ、というような間違いをおかしているんじゃないかと思うのですよ。これはやはり恒久対策を考え、かつまた土木研究所のような機関がある建設省が、そういうものを実際に科学的につかまないで、予算の計上なんかあり得ないということなんです。われわれは災害対策のあの二十七の法律案に全部賛成するものだから、あまりそういうことは聞かなかったんですよ、聞くとどうも時間ばかりおくれるから一応通したのですが、あとは実施に当たってはとりあえず三十四年度の予算範囲で、追加予算範囲でもってかさ上げだけを考えていたんじゃ危険でしょうがないのです。それよりも地盤の問題に対してうんと金を使わなきゃだめだということなんですね。論議は全部かさ上げ堤防の高さばかりに集中しているように印象づけられたんですよ。私はあえてあなたに伺いたいのは、地盤の問題に対してほんとうにどの辺までやろうという意欲を持っているのか、地下の問題ですね、これがほんとう改良工事なんです。それは幕府時代に築造したという堤防が切れなかった。これは切れない理由があって切れなかったんでしょう。これはおそらく岩盤まで何か基礎がいっているとは思いません、こいつはあるいは浅い所でやっておった場所もあるかもしらんけれども、そういうようなものがなかったんじゃないかと思うのですよ。今の科学ならばこれは十分にいけるのです。そうすると今度の築堤には全部必要な個所にはボーリングして、そして岩盤を探り当て、今あなたが説明しているようなたくさんの、要素を調査をして、その上に恒久的だといわれる築堤をしようという考えでいるんですか。それにはどれだけの予算措置を持ち、またこれは山本君の方は作らせればいいのですけれどもね、しかしそれに対してあなたの方には、直接にはそうしたボーリング自分の手でするとかなんとかいうような研究機関をお持ちにならないから、土木研究所なり地理調なりあるいは他の方面に委嘱するのでしょうから、委嘱するならば委嘱することになっているかどうか。それはもう地理調それから土木研究所なり現にこういう調査、この今度の改良工事に対しては、全部ボーリングするように注文を受けているとか、こういう予算措置を持っているとかいう説明をしていただきたい。そういう言葉だけじゃいけないのです。
  18. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) この基礎調査につきましては、従来現地におきまして、地方建設局なりあるいは県におきまして、工事費の中にはそういうような基礎調査をする費用が入っておりますから、現地において、研究所等指導ももちろん必要な場合もありますけれども、直接研究所ボーリングはいたしませんで現地機関がいたしまして、その際に技術的に、特に研究的にやらなければならぬような場合におきましては、研究所指導をしてもらうというような態勢でやるわけであります。お説の通り高さの問題ばかりいろいろ議論をされたというようなことは、私もそういうような気持がしておりますけれども、高さを上げると同時に、上の方の部分におきましては土砂が波に洗われないような方法を考えるということが主眼でございますけれども、下の部分におきましては、もちろん私も現地に参りまして、前が非常に掘られたというような所では、いかにりっぱなものを作りましても前からやられてしまった、基礎の所がこれはやられてしまったという実例もございます。そういうことがあってはいけないわけでございまして、先ほどのような基礎をしっかりやると同時に、前から掘られないような工夫をしなければならぬということでございまして、これにはやはり最近のテトラポツトとかいうようなものもございますし、それから捨て石を十分にやるというような方法もございますし、前から掘られないような工夫をすると同時に、基礎には相当の金をかけるように見積っております。従いましてこれらの詳しい設計につきましては、今後研究所等の意見も聞きますし、さらに今回の災害におきまして、どういう点に弱点があったかというような点、こわれた所につきましても精査をいたしまして、それらの方法を十分勘案いたしまして、工法をきめて参ろうというふうに考えております。
  19. 田中一

    田中一君 横田君に聞きますが、土木研究所の三十四年度の予算で、幾らでどういうものを研究をするようにきまったか、それをちょっと説明して下さい。  それからもう一つ委託事業は、こまかいものはいいですがね、どこからどんなものがきているか説明して下さい。資料あったら資料もほしいのだけれども
  20. 横田周平

    説明員横田周平君) 本日こまかい資料を持って参りませんのでしたが、行政費での研究費は、海岸研究費だけでよろしゅうございますか、全部ですか。
  21. 田中一

    田中一君 全部ですよ。こまかいものはいいから大まかなもの、それから今ここで聞いても大へんだろうから、資料出して下さい。
  22. 横田周平

    説明員横田周平君) この前土木研究所の概要としてありまして、全部差し上げてございますが、もう一回あれをお出ししますか。
  23. 田中一

    田中一君 いやいいです。それじゃ専門員が知ってるそうですから、そういう海津堤防に関するそうした調査をやるように、どのくらいの費用が出ているか、調査員から説明して下さい。それじゃ官房長に。今度の災害でわれわれいろいろ勉強したものです、そこで地理調のだれだったかね、地理調、ちょっと出て下さい。今度の災害で僕は実は地理調べ調べに行ったのですよ、どんな役割を果たしているかという点で。そうすると水害予防図というものを見せてもらいました。この間災害対策委員会でも各閣僚にも見てもらったわけです。でああいうりっぱなものがあって、あれが一面技術的にもいいだろうと思うのですよ、一体一万分の一の空中写真をとって、陸地の高さも低さも何もかもわかるのかどうか僕にはわからぬ、神わざみたいなものだと思った、月までロケットが飛ぶのですから、そうだろうと思うのですが、僕のような非科学的なやつにはわからない、しかしあれが実際できるとすれば、なぜああいう地形図というものを作らなかったか、なぜああいうものを作らなかったか、ことに二十八年災害だってああいうものができてあるにかかわらず、それは全然あれを生かして使っておらないのですね、現在り僕はこういう点について予算措置というか、今後ああしたりっぱな研究なり調査なりができているにかかわらず、これは等閑視することはできないと思うのですよ。三十五年度の予算編成に当って、官房長一体建設省としてはどんな態度でもって、ああした地形図の作成というものに対処するかということを伺いたいと思うのですが、政務次官に聞いてもいいけれども、政務次官に聞くと政治的な答弁になってだめだから、官房長から。
  24. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ただいま田中委員から御指摘のように、水害を予防するための地形を調査いたしまして、これをつまびらかにするということが、災害対策の基本的な問題として重要であると考えております。従来地理調査所におきましても、そういう点に関心を持っていろいろ検討はしてきておったようでございますが、実際に具体的な調査までには予算の面でも行き届いておらなかった状況でございまして、来年度の予算要求の事項といたしましては、ただいまお話もありましたような趣旨で、今次の災害にかんがみまして、洪水の地形調査という事項といたしまして、来年度から五カ年計画で、まあ地域について申しますと、水害常襲地域約二万一千九百平方キロメートルの地域について調査をいたしたい、かように考えております。来年度はさしあたり関東地区についてこの調査を実施すべく所要の予算を要求いたしております。
  25. 田中一

    田中一君 土木研究所には毎年々々継続してやっている調査があると思いますけれども、どういう、今度の災害にかんがみて政府が立てる恒久対策に関連する研究をさせようとするか、同時にこれに対する裏づけの予算の問題はどう考えているか、伺っておきます。
  26. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 今次の災害にかんがみまして特に土木研究所におきまして、来年度災害関係研究事項として取り上げてもらうということで考えておりますのは、海津関係、先ほど所長からも申し上げましたように、海岸関係研究が従来手が薄かったという点は率直に申しまして事実でございますので、土木研究所に海津関係研究予算をふやしまして、機構も充実して、海岸部というものを研究所に置いてそこで海岸の水利とかあるいは海岸構造の問題、あるいは特に大都市の臨海地区が問題でございますから、そういう都市の防災というような各研究室を設けさせまして今申し上げたような事項の研究費を新規に、新規と申しますか、増額の分もありますが、要求いたしております。  それからまた地すべり関係につきましても、従来もやっておりましたけれども、とても足りませんし、経費も不十分でございましたから、土木研究所河川部に地すべり研究室というものを置きましてここで地すべりに関する基礎研究なり、あるいは特に模型実験、実地試験、こういうことを行わせまして、災害防止に役立たせようというふうに考えております。
  27. 田中一

    田中一君 これは岸総理以下各大臣とも総合的な対策を立てると言っておりますけれども、あなたの方には建築研究所土木研究所地理調査所という、りっぱな付属機関としての研究機関があるのです。総合的な各学者の、学識経験者の知識を借りて対策を立てるなんていう前に、あなたたち自身が自分付属機関に対する強化をはかるのが当然なはずです。責任は建設大臣そのものが負っていいと思うのです。それには私は、考えてみますと弱体であるといえるのです。従って土木研究所建築研究所、あるいは地理調査所、これらの機構をもっと大きくして、そうして自主的に、基本的な国の方針から、自主的に長期にわたって恒久対策を立てるべき研究を進めるということは、これは必要だと思うのです。政府恒久対策を立てるというならば、まず自分の持っているところの、建設省の場合には建設省が持っているところの付属機関というものの機構を強化する、これは当然だと思うのです。これは大沢政務次官に伺いますが、三十五年度の予算の編成に当たって、専門にそれらの問題を研究しているこの三つの機関、これを強化するという意思があるかどうか。同時にまた強化するということは、やはり相当学者の、国家公務員であるかしらんけれども学者なんです、専門家なんです。これらの自主的に動けるような幅のある機構に拡大して、そうしてむろん定員もふやす、いい学者も入れる。そうして恒久対策を立てるのでなくては、各大学とか関連する他の政府の各省の付属機関というものは、相談することは当然でありますけれども、それ以外の方々、学者等の意見を聞くということは、研究の一端にすぎないわけです。これはチェックする役目なんです。実際に腰を入れてやるのは、あなたの方のこの三つの機関というものが相当働きをしなければならぬと思うのです。その点について今私が伺っているように、陣容強化して、ちょうど下積みになっているような立場の付属機関です、これらに対する国民の信頼というものを、強く打ち出すようなものに持っていくという考え方があるかどうか、これが衆総理以下恒久対策を立てると言っているもとでございますから、伺いたいと思います。
  28. 大沢雄一

    政府委員(大沢雄一君) ただいま田中委員からお説のございました通りでございます。国土保全の重大な責任をになっております建設省といたしましては、まずお話しの通り付属機関を強化いたしまして、機構の上におきましても人員の上におきましても必要な体制を十分整えまして、ことに優秀な技術者をそろえましてその責任を果たしたい、かように考えて、予算要求、その他に対処いたしておる次第でございます。
  29. 田中一

    田中一君 そこでもう一つですが、かつての当委員会で村上建設大臣が、三十五年度は砂防費を百二十七億どうしても取るのだというような発言があったのです。これと符節を合わしたように今官房長は地すべり対策について同研究所に独立した研究局を作って、これの対策をやるのだということをおっしゃった。そこで行政機構としても今度は相当予算がふえますが、農林砂防その他を一緒にしようという今段階ではないと思います。言ったところであなた方は聞かないから、役人がセクトを守ってどうにもならぬから言わぬ。しかし河川局の中においてやはり砂防部なり何なりの形でもって全部の補助工事、直轄工事等が万遺漏のないように指導ができるようにしなければならぬ。ことに砂防学者というのは、砂防技術家というのは割合に少ないそうです。百何名とかいうことを聞いております。従って部内においても相当陣容を強化して、災害から守る、いわゆる国土保全のための行政部内の機構も立て直すというか、拡大して、万全を期するような方途をとろうと、するのかどうか。これは官房長に一ぺん伺っておいて、そしてあと同じように大沢政務次官から御答弁願いたいと思います。
  30. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 砂防事業あるいは砂防行政の重要性につき、ましては、田中委員からしばしば御指摘通りでございまして、特にまた今回の災害が山地の崩壊による被害が非常に激甚であったというような実態に伴いまして砂防事業は今後大いに伸ばして参らなければならぬというふうに考えられますので、この事業の伸びに対応いたしまして、現在の砂防行政の機構につきましても強化いたしたい。具体的に申しますと、現在の河川局にあります砂防課を強化することでありまして、砂防部というものを設けまして、この中に二つの課を考えております。この砂防部によって砂防事業なりあるいは地すべり事業の計画、実施の推進をはかって参りたい、かように考えている次第であります。  なお、ついでに恐縮ですが、申し上げますと、先ほど海岸関係土木研究所機構なり研究を強化するということを申し上げましたが、やはり海洋行政につきましても、御承知のような次第でありますから、海岸課というものを一課独正させまして海岸行政の推進をはかって参りたい、かように考えております。
  31. 田中一

    田中一君 まあ一つ大沢さんに、恒久対策を立てるには、まず手元のそうした機構を十分フルに活用してそしてむろん当面の問題のほかに、恒久対策を立てるための機構の拡充ということが、これは私個人の意見で、あるいは社会党としては反対するかもしれませんが、今をおいてないと思います。その点について十分御考慮、願ってその目的の達せられるように一つしていただきたい、こう考えます。従って私は、今の国土保全恒久対策を立てるには、まず建設省自身の持っているところの機構というものを十分に拡充してそれによってそのもとを作れということを申し上げて、私の質問はこれで打ち切ります。
  32. 田中一

    田中清一君 今の関連のようなものですが、地理調査所のお作りになった航空に真の二千五百分の一というのですが、これは非常にけっこうでございましてこれらを作っていただかなければならぬことは、これは確かでございますが、せんだって政調の建設部会に出ていろいろ皆さんのお話を聞きましたが、その際にこれを五千も一万も作るということでありまして、たくさん作るけどけっこうでありまするが、それでさえも何百億もの金がかかるということで、これは大へんなことであろうと思います。建設省ばかりでなしに、民間においてもそういった図面が非常に必要なのでございますが、二千五百分の一というようなものはほんとうの精密な調査のときに必要なものでございまして一般に必要な、たとえば道を作る、ダムを作る、あるいは砂防に対しても今の百五万ではどうしてもわかりにくいのが普通でございますから、でき得ることなら、一番先にお金をかけるならば、一万の方を先にやっていただくと、非常にすべての都合がいいと思いますので、一つ建設省地理調査所の方にそういったことをお願いしたい、こういうことでございます。
  33. 大沢雄一

    政府委員(大沢雄一君) ただいま田中委員から御要望のございました御趣旨に沿いまして、建設省としては準備を進めております。
  34. 田中一

    田中一君 北海道開発庁、来ておりますか。最初に申し上げておきますが、われわれ委員はまだあなたの方の事務次官を知らないわけです。当然就任されたら何かの機会に、非公式でけっこうですから、各委員全部にお会いになる方がいいと思います。別に建設委員には会う必要がないというお考えなら別ですが、その方が、今後すべてのいろいろな問題が審議されるのでありますから、そういう点には十分にお考えになった方がよろしいだろうと私は思いますから、お奨めしておきます。そこで伺いたいのは、昨年からことしにかけて、三十二年度から見ると、あなたの方の仕事はどれくらいふえておりますか。
  35. 木村三男

    説明員(木村三男君) 事業費の伸びを、昭和二十六年を一〇〇といたしまして、その後の趨勢を見てみますと、昭和三十二年度におきまして三〇五ですから、三・〇五倍、それから三十三年が三六七、三十四年が四七七というふうな累年の事業量の伸び方をいたしております。
  36. 田中一

    田中一君 北海道開発局は、建設省と違いまして、機構として大体九つだったか、十一であったか、今の建設部までがあなたの力の役所になっておりますわ。そしてほかの、それ以下は全部職制にはないという形になっております。これは建設省の方は、御承知のように、工事事務所が全部が職制の中に入っておりますね。そこで、これだけの大きな伸びを示しているところの事業量、これは今のような比率でけっこうですから、請負と恒常に分けてどうなるか、それも一つお出し願いたいと思うのですがね。
  37. 木村三男

    説明員(木村三男君) ただいま手元に正確な資料を持ち合わせておりませんので、お許し願えれば後ほど資料として提出いたしたいと思います。
  38. 田中一

    田中一君 あなたの方では、従っ  て、職制が建設部の範囲にとどまっておるものですから、建設監督官制度というものがございますね。ここで、これは官房長に伺うのですが、北海道開発局の建設監督官という立場は、建設省の場合にはどういう職制に当るのか、伺いたいと思うのです
  39. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんが……。
  40. 田中一

    田中一君 北海道開発庁で現場を担当する建設監督官というもの、これは北海道開発局では、札幌建設部なら建設部、そこまでは職制に入っているのですね。下は何もないわけですよ。職階というか、職制というか、よく言葉はわからぬけれれども建設省の場合には工事事務所長も皆入っておりますね。そうすると、だからでしょうけれども、北海道の場合には、建設監督官というものがあるのですよ。これがおそらく現場の責任者だと思うのです。これは現場三百六十五名いるわけなんですね。それは建設省の場合にはどの辺に当たるものですか。機構が違うものですから、ちょっと僕は対比ができないのです。
  41. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 建設省の場合には、御案内のように、工事事務所、それから出張所までは正式の組織として認めております。それから工事事務所には、事務所の課長も正式に認められておりますが、請負に付した場合の事業の監督につきましては、工事事務所長以下がこれに当たるわけでございます。ただし営繕関係につきましては、営繕監督省というものが本局にございますので、これが指導的に個々の建築工事の監督に出たっておる。なお、営繕の工事事務所も必要な地位に置いてございますから、営繕の工事事務所長もまた監督に当たるわけでございます。
  42. 田中一

    田中一君 北海道開発局でこれだけの伸びを示しているのに、建設監督省をなぜ四十五名というものを本年は減員したか、これは私はわからないのですよ。これはどういう理由だったのです。
  43. 木村三男

    説明員(木村三男君) 建設監督官の定数は総理府令でままっておりまして、四百一名でございます。総理府令の方は改正しておりませんから、現在も四百一名でございます。たまたま本年初めに冬現場を通じまして係が四十五ばかりふえたのでございます。そのとき関係方面といろいろ級別定数のことで打ち合わせまして、一応交渉の結果、私たちの主張が通らなくてその係長の四十五というのは、今建設監督官フルに埋まっていないのだから、実際の運用としてその方から回してもらうということで、現在今御指摘のように三百五十六になっております。そういういきさつでありますので、これは級別定数の改正がございますので、係長の方に回しました分を戻してもらって、もとの姿にするというような交渉に入っております。決して現場の方が比重が落ちるとか、そういう意向は毛頭ないのでありまして、たまたまそういうことと、実際に建設監督賞の勤めておりますところの現場が、出張所、事務所、事業所等、全体で百七十ございまして、それに大体二人程度おもだった者——長あるいは副長に当たる者を充てますと三百四十、それに若干プラスがありまして、そういうような配置状況にあるものですから、ことしの四月の交渉では、開発庁としては不利な交渉になった事情でございます。
  44. 田中一

    田中一君 あなたの方の政務次官はだれですか。
  45. 木村三男

    説明員(木村三男君) 大森でございます。
  46. 田中一

    田中一君 私は開発庁長官も来ると思ったのですが、来ないものですから政務次官に伺いたいのです。  これだけの仕事の伸びが、事業量の伸びがあって、監督官がかりに四百一名ですら私は足りないのじゃないかと思うのですが、その点はどう考えます。
  47. 木村三男

    説明員(木村三男君) 先ほど御指摘になりました開発局の機構とも関連するのでありますが、御指摘のように、総理府令をもって設置いたしております下部機構というのが建設部でとまっております。工事現場は、先ほど申し上げましたように、現在の仕事の分量では百七十、これは開発局長がそのときの事業の実情によってきめるのでありまして、仕事の分量がふえれば工事現場というものがふえてくるのは当然であります。  そこで三十四年の実情から見ますと、大体この辺で間に合っている。それから建設監督はその現場におきまして監督の地位にあるというような指導者的なものでありまして、これも行政官の職としましては五等官、六等官、つまり係長級の人間なんであります。それをもって各現場に配置しておりますので、今のところ四百一名フルに埋めれば、さしあたりの不足はなかろうというふうに考えております。  ただ、将来予算の伸びも相当ありましょうと思いますし、また過去におきましては、四百一名埋めたという経験がないのであります。必要があって、できるだけ現場の実情に即するように割り当ててはおりますけれども、実績は、最高置いたのが三百六十くらいのところでありまして、まだ四百一名置いたことがないのでありますが、これはまた、総理府令が改正になっておりませんから、必要によりましては、これをフルに満配できるような数字になっておりますので、さしあたりの不足はなかろうと考えております。
  48. 田中一

    田中一君 そうすると、二十六年に、建設監督官の定員は何人だったのですか、やはり四百一名ですか。
  49. 木村三男

    説明員(木村三男君) 建設監督官の定数は、三十一年に改正になりまして従来は百九十八だったのであります。
  50. 田中一

    田中一君 三十一年は……。
  51. 木村三男

    説明員(木村三男君) 三十一年に、現在の四百一という定数を確保したわけであります。
  52. 田中一

    田中一君 これを充足しておるのは……。年度別に言って下さい、ワクはそうであっても。それを三十二年には満配にしたのか、それとも減っておったのか。
  53. 木村三男

    説明員(木村三男君) 年度別の資料は、私ただいま手元にありませんので、これもおそれ入りますけれども………。
  54. 田中一

    田中一君 それから現在の現場数、これはいかがですか。
  55. 木村三男

    説明員(木村三男君) 現場数は、出張所が四十七、事務所が七、事業所百七、そのほか工場が二つ、ダム管理所が一カ所、百六十四でございます。
  56. 田中一

    田中一君 一カ所の事務所には一名というものが配分されるわけですか。
  57. 木村三男

    説明員(木村三男君) 現場は、大小がございまして、考え方といたしましては出張所、事業所、事務所、これの長は、必ず建設監督官、それから大きい所になりますと、副あるいはそれに次ぐ者まで持ってきておりますし、小さい所になりますと、長だけというふうに事業所の規模によって違います。
  58. 田中一

    田中一君 現在は四百一名充足されれば、仕事に差しつかえないというわけですか。
  59. 木村三男

    説明員(木村三男君) 私どもの見通しといたしましては、現場数をふやすかふやさないかということは、開発局長が、仕事の分量に応じて、どういうふうに判断するかということによりますが、さしあたりこの百六十四の出張所の数は、あまり動かないだろうという言葉を信用しているわけでございます。
  60. 田中一

    田中一君 開発庁の事務次官を呼んで下さい。
  61. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 速記をちょっとやめて。    〔速記中止〕
  62. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 速記を始めて。
  63. 田中一

    田中一君 これは官房長に伺いますが、御承知のように職業訓練法に基づくあなた方の末端における技能労務者——技能者というか、職人の検定を、労働省が本年からやろうとしております。  これはまことに遺憾な話であって、現行の技能の検定は、通産省がやっておりまして、建設省は、それに何ら関心を持たないというように見受けておったところが、最近建設業法の改正でもって、民間オペレーターも含めて、あなたの方も全部含めたオペレーターの検定をやりたいということを考えておるように新聞で拝見しているのです。  そこでその問題につきましては、これは官房長の耳に入っていると思うのですけれども、これは委員会ばかりじゃなく、どういう方向か一ぺん聞きたいと思っていたんですよ。今どうなっているのですか。
  64. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 御承知のように技能者の訓練に基づく検定につきましては、労働省で始めておりますが、この点につきましては、私どもも関心がないわけでございませんので、重大な関心をもちまして、労働省と実際のやり方等につきまして十分折衝もいたしました。  で問題は、趣旨は、私どももわかりますけれども、実際にその検定の実施面で、労働省が当初考えておったような構想ではうまくいかぬのじゃないか。それからまた末端におきまして、都道府県の技術者諸君等に相当協力してもらわなければ、成果が上がらぬという面もございますので、今年度労働省において手がけますのは、これも御承知のように大工を第一に考えておる。それで大工につきましては、私どもも、労働省に慎重に取り扱うように、具体的に申し入れをしておりまして、大体、労働省と意見の一致を見ております。  そこで、ただいま御指摘のオペレーターの問題につきましては、実は、私ども直轄事業のオペレーターが不足の傾向なんでありまして、事業の伸びに対応して機械を整備すると同時に、オペレーターを養成し充実しなければならぬという情勢にございますので、その点から考えて参ったんでございますが、そうすると勢い、民間建設会社等においてもオペレーターが足りない、これを一つ養成することについて、政府においても考えてほしい、こういう希望もございまして民間も含めてオペレーターの養成卒業を来年度において考えたいということで、予算要求をいたしております。ただこの場合に、単に養成するだけでは不十分な点があるのじゃないか、と申しますのは、やはり養成した結果を見てやって、養成した効果の上がったものにつきましては、相応の一つの認定をする。私どもは、この労働省で扱っておる技能者訓練に基づく検地という制度とは、これは別のものであるということ。養成したオペレーターの能力を判定するという趣旨で、今具体的に検討いたしております。  そこで、労働省の訓練法とは、別の性質のものであるということで、立法措置を考えて参りたい。実は、まだ具体的に申し上げる段階に至っておりませんので、そのように一つ御了承をいただきたいと思います。
  65. 田中一

    田中一君 そうすると、前段の労働省が本年行なおうとしているところの大工の検定に対しては、相当建設省の方の意見、意思というものも、織り込んであるということなんですか。
  66. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) そういうわけでございますから、大工の訓練につきましては、今建設省で、労働省からこれを取り上げ建設省で実施するというふうには考えておりません。ただ、まあ将来の問題は別でございますけれども、ただいまのところは、労働省と相協力してやるというふうに考えております。
  67. 田中一

    田中一君 それが、建設業法改正という形でもって出るということの方が、将来建設関係の労働者の、技能労働者の検定等に、将来進もうという意図の下にやっているのは、便利であり、その方が効果的であるというように考えて、業法改正でいこうとしているのか、その点は、どうなんです。  私が考える場合は、当然、これは単行法でいくべきだと思うのですよ。そうして今、労働省が考えているものと、今建設省が実施しようとする検定は、角度が違うのだというような説明があったけれども、角度は違える必要はないのです。そっくりあなたの方でもらえばいいのです従って単行法でなくて業法改正で、それをもっていこうという考え方は、どこにあるのか、一つ説明して下さい。
  68. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) まずお断わり申し上げておきますが、まだ業法改正でいくかどうかという態度は決定いたしておりません。  お話のように、直轄事業のオペレーターについても同様な検定と申しますか、認定をする必要がございますし、もともと直轄事業のオペレーターの不足という面から、これを考えて参ってきたいきさつもございますので、私どもとしましては、お話のように、あるいは単行法でいくべきでないかというふうに考えておりますが、この辺は、もう少し検討さしていただきたいと思います。  それから労働省の関係につきましては、実は、この際労働省の技能者訓練を、建設関係については漸次取り上げるのだというふうな印象を与えない方がいいだろうというような、まあ思いやりをもちまして、今回は、まあ別の趣旨である……。と申しますのは、労働省の技能者訓練は、御承知のように、検定の方は、訓練した者だけでなく、一般の技能者について検定を行なう建前になっております。まあ私どもといたしましては、養成をいたした者について、一つの認定をする、こういう趣旨で考えたらどうかと思っております。
  69. 田中一

    田中一君 今、建築研究所から来た人はだれですか。
  70. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 第二研究部長の森君です。
  71. 田中一

    田中一君 きょう十時から、当委員会を持っておるにもかかわらず、あなたがお見えにならぬから、一応政府の方に質問をして、こういう意味の要望をしてあるのです——今次の災害にかんがみて、一体土木研究所建築研究所あるいは地理調査所は、何をしておるかということです。二十七の法律案通りましたけれども、その審議の過程において、総理を初め、各関係大臣は、これから恒久対策を立てて国土保全のために施策を講ずる、こういうことを言明しておるのです。そこで、当然国土保全の責任は、建設大臣が持っておる。建設省は、自分付属機関として、この三つの研究所研究機関を持っているにもかかわらず、これらを十分活用していないのではないか。そういう質問をして、結論として、官防長からも、政務次官からも、恒久対策を立てるために、機構の拡大もはかって整備をする、こういうような答弁を受けております。  で、あなたの方の所長、竹山君、どこか外国へ行ったらしいのですね。きょう行ったのかな、きのう行ったのかな。そこで伺うのは、竹山君なども一緒に参画して作った東京都と建築研究所が一諸になって監修したという東京地盤図ですね、あれは一体、どこの費用で作ったのか、あの費用は、国の費用が入っておるのかどうか、これを先に伺いたいと思います。
  72. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 委員長
  73. 田中一

    田中一君 森君に聞いているんだがな。森君わからなければ、官房長、答弁して下さい。
  74. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ただいまお話の、地盤調査の点は、建築研究所の森部長は、直接承知しておりません。実はこの問題は、住宅局におきましても、数年前に、何度か予算要求もいたしたことがございますが、と申しますのは、御承知のように大都市について地盤調査をいたしますことによって、耐火構造建設費は、相当下げられるであろうというような話でございましたので、要求はいたしましたけれども予算としては、認められずに今日に至っておるというふうに承知しております。  ですから、先生のお話の調査は、おそらく民間でおやりになった調査の問題だろうと思います。
  75. 田中一

    田中一君 森さん、第二研究部は、一体何をやっているの。総務関係ですか。
  76. 森徹

    説明員(森徹君) 第二研究部は、建築材料全般を担当いたしております。
  77. 田中一

    田中一君 そうすると、だれかあなたと一緒に来た人で、総務関係予算のことのわかる人は来ていますか。
  78. 森徹

    説明員(森徹君) 参っております。
  79. 田中一

    田中一君 三十四年度の建築研究所で、どういうテーマで主として研究を行なっているか、それを提示して下さい、幾つか……。
  80. 矢野喜三

    説明員(矢野喜三君) 研究テーマにつきましては、企画課長か管理しておりますので、企画課長にかわって答弁をさせます。
  81. 田中一

    田中一君 総務課長、——教えるなら、君が説明すりゃあいいじゃないの。また繰り返すの、委員長
  82. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今の問題、聞いておるでしょう。
  83. 菅原肇

    説明員(菅原肇君) はい。
  84. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 説明して下さい。
  85. 菅原肇

    説明員(菅原肇君) お答えいたします。  三十四年度は、大ワクといたしまして、大課題といたしまして、都市の土地利用計画、それから建築生産の工業化、それから建築の防災性向上、それから建物の耐久性向上と経営、それから建物の機能向上、大きく五つに分かれております。
  86. 田中一

    田中一君 で、その五つの柱に対して、予算がどれくらいずつついているのですか。
  87. 菅原肇

    説明員(菅原肇君) お答えいたします。  概略千二百万円ばかりでございます。
  88. 田中一

    田中一君 それであなた方、早くから来てないからわからない。僕は、同じことを二へんも三べんも繰り返すのはいやなんですよ。あなた方の研究所は、やはり今度の災害にかんがみてもですよ、相当その国土保全の基本的な恒久策というものを考えなければならぬということを指摘しているわけなんですよ。  それで、従って政府では、三十五年度の予算に、あなた方の方の機構も拡大してむろんこれには十分予算もつけて、あなた方の研究所の設置法にある研究の方向で、国土保全の道を講ずるようにしたいということを言ってるんですよ。私どもは、まだあなた方の、ことを知らぬのですよ。土木研究所は、何か概要というようなものがきておりますが、あなた方は、宣伝ビラみたいなものを作ってるね、あなた方の方では、こういう実のあるものを、あまり作っていないでしょう。これはやはり土木研究所と同じように、もっとまじめといっちゃ語弊があるけれどもほんとうにわれわれの参考になるようなものがあったら、一つ資料として出して下さい。それでけっこうです。それでよく検討してみますから。  北海道開発庁の事務次官に伺いますがね、あなたは、まだ何していないと、岩沢委員長は言っているけれども、しかしあなたは、やはり次官なんだから、あなたの言質をとっておきたいと思う。それでおいで願ったのだけれども、二十六年度を一〇〇として事業量の伸びは、三十四年度で四七七になっている、こういうわけです。  そこで、三十二年度に省令で、建設監督官の定員を四百一名にした、ところが、三十四年度の係長をつくるために四十五名をそれに回わしたところが、それだけ建設監督官は減員になって、そのままでおるということなんですよ。仕事の伸びから見て、そういうことでは、これを充足しなければ支障があるのではないかという質問をしておったのですが、そこで今度裏を返して係長というものがなくても、仕事の遂行には一向差しつかえないという見解で、係長というものがなくても、係長の四十五名はそのままおいてそうして新しく建設監督省を四十五名充足をしようという考え方なんですか。
  89. 木村三男

    説明員(木村三男君) ただいま級別定数の折衝を人事院とやっております。その内容は、係長四十五名ふやした分は、建設監督官の方から借りておる、だから新しく正式に係長としての級別を新しくもらう、そうすれば、借りた分は、どうしても返すということで、ただいま四百一名の総理府令の数では、そうなっておりますが、実質上は、四十五名減っておりますから、今のままでは充足できませんから、充足できるような態勢に持っていってもらいたい。係長の方は、係長として係があるのだから、それだけもらいたいという要求をしております。
  90. 田中一

    田中一君 そうすると、四十五名を建設監督官から借りて、一応係長のいすにつけてある。しかしこれは、当然係長が必要なんだから、係長としてのものにしてほしい、従って人間としては、実態としては四十五名減っているから、四十五名は、あとから充足する、こういうことですね。
  91. 木村三男

    説明員(木村三男君) その通りであります。
  92. 田中一

    田中一君 そこで、お聞きのように、こういう質疑をやっているのですが、次官は、必ずこれは何も法律の解釈でも何でもないわけなんです。ただ、私が心配するのは、そのために、仕事がうまくいかないではないかということなんですよ。きょう長官がきてくれるはずになっているのをきませんから、あなたに念を押しておくのですが、長官に、よくお話し願いたいのです。どうしても、これは急速に充足するようにしていただきたいのです。予算指貫は、どうなっているのですか、現在、もしこれを充足しようとする場合には。
  93. 木村三男

    説明員(木村三男君) 数字の問題ですから、私からお答えいたします。これは級別定数を、どう実施するかという人事院関係のことだけが問題でありまして、人件費予算としては、十分にこの分だけ、四百一名に相当するものは、満配しても差しつかえないような数字を持っております。
  94. 田中一

    田中一君 それは大蔵省ですか、どこに抵抗があるのですか。
  95. 木村三男

    説明員(木村三男君) 実は、私四月のときにおりませんでしたが、大体の例から考えますと、人事院、大蔵省あたりが、関係交渉先になるわけなんであります。  そこで、人事院の級別定数のきめ方の方針というものは、私も、実は大方針というのは存じませんけれども、私の方としては、四百一あるのだから、ぜひ級別を正式に認めてもらいたい。ところが人事院の方では、聞くところによりますと、新しく係長のポストを作っても、級別は四月においては動かさないのだというようなことで、やむを得ず開発庁としては、今の姿のままに置いたというようなことでありまして、大方針その他につきましては、開発庁としては、ちょっと説明できないと思います。
  96. 田中一

    田中一君 次官は、一体この姿を見て、いいと思っているのですか。どうしようと思っているのです。
  97. 熊本政晴

    説明員(熊本政晴君) 事務次官でございます。  ただいま御質問の中に、定員が四百一名のうち四十五名が係長の方に回わっているために、監督監の数も少ないだろうし、また仕事が非常に苦労しておるだろう、また仕事の遂行上、非常に支障がありはしないかというような、非常に御親切な第一線の立場をお考えになって御質問をいただいて、私としては、非常にありがたく存ずる次第でございます。またいろいろと、木村君の方から御返事が出たわけでございますけれども、これは、私どもといたしましては、さすがに、確かに先生の御指摘のように思います。しかし、この定員の決定につきましては、私どもの従来からの経験にいたしましても、なかなか仕事量と定員との問題というものは、非常にむずかしい問題でございます。しかし今、御指摘あるいは御心配の点等もありますので、われわれといたしましては、この資料にもありますように、従来の事業量というものは、非常にふえておる。それだけに現場の監督官等は、仕事の量がふえておるわけでございますが、できるだけ機会をつかまえては、こういった点の打開に当たっておるような次第でございます。  従いまして、今現在といたしましては、ただいまの監督官定数四百一名というもので、私の方としては、まずまずというふうに思っております。しかし、今お話がありましたように、その中から係長の方に四十五名回わされておりますので、監督官の定数は、それだけしわが寄っておりますので、今後の機会を見て、できるだけこれは早急に拡充をするようにいたしたい、こういう考えでおります。  なお、今御質問の中に、お前帰ったら、よく大臣にも伝えろというふうなお話がございましたので、さっそく長官に、御質問の趣旨を伝えて、そうして今後の定員等につきましては、できるだけ御趣旨を体し、また私どもが、仕事が十分できるようにいたして参りたいという考え方を持っておるものでございますので、御了承をいただきたいと思います。以上。
  98. 田中一

    田中一君 これは私から指摘されたから、あなたは要望にこたえて云々ということを言っておられるけれども、そんなものじゃないのですよ。あなた方がだらしがないから、僕が質問するのですよ。仕事の実態といったって定員の充足ということは、こういうことが往々あるということは、あなた認めておるけれども、そんなことはありませんよ。必要なものは、しなければならないのですよ。あなた自身が、そういう考えを持ったんでは、これは充足なんかされはしませんよ。あなたの方では、今まで十分やっておりますか。やつておるけれども、なかなか人事院なり大蔵省がきかないのだ、どうかその方にも、一つ実態から、非常に困っておりますからといったような、率直な意見ならいいけれども、そんなに上手な口をきかぬでもよろしいのですよ。  われわれが、こういう質問をする前に、あなた、一生懸命やっておったのでしょう。やっておるのでしょう、現にまた、あなた自身が、責任ある立場でもって、これでは仕事ができないという考えをもって、この充足をはかっておるのでしょう。努力しておるのでしょう。実際に必要なものなら、どうしても必要なんですから、努力するなんて言わないで、仕事が困らないようにしなければならぬと思うのですよ。十分努力しますなんということではなくて、もっと強く要求するようにしなければいかぬと思うのですが、一体どうですか。これは、あなた方の目的が達せられると思っていますか。達せられると思って、そういうことを言っているのですか。
  99. 熊本政晴

    説明員(熊本政晴君) 私どもも、長い間こういう現場の仕事をやって参ったものでございますので、御質問の要旨も趣旨も、よくわかるわけでございます。  われわれとしては、今のお話にありますように、この定員の確保ですね、できるだけ早急に解決していきたいと、こういう考えでございます。
  100. 田中一

    田中一君 もし、実際そういうことができないならば、やっぱり仕事に支障を来たすでしょう。次の機会に、人事院もネックになっている、あなた方の目的も達せられない——相手を呼んで、こちらで究明してもいいです。実際いなくては、仕事が困るでしょう。十分に、長官にもお伝え下さい。なお機会があったら、長官がどっちみち来ますから、そのときに、私から言っておきます。これは急速に解決をしていただきたいと思います。
  101. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) では、本日は、これをもって散会といたします。    午後零時二十一分散会