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説明員(正井保之君) ただいま御質問がございました開拓地の現状でございますが、御質問にもございましたように、終戦直後の緊急開拓として入植された方が
相当の数を占めておるわけでございますが、当時非常に急がれて入植されました
関係もございますし、その後逐次開拓入植、あるいは営農の
制度につきましては整備をして参ったわけでありますが、そういった緊急な
状態のもとで入植されました
関係もございまして、第一にはやはり長い聞手をつけられなかった、というふうな場所でございまして、あるいは地形、傾斜、土壌、こういった点、雨量あるいはその他社会的な条件等におきましても、立地的に恵まれていないというふうな所が多うございましたわけであります。これにつきまして国といたしましてもできるだけ最小限の
施設、
基礎的な
施設、たとえて申しますと、道路を整備いたしますとかあるいは用水を必要とする場合には用水、こういったものにつきまして
計画を立てて、また畑を開墾していくわけでございますが、それにつきましても国としての助成をはかる、あるいは営農資金についても一定の
計画のもとにこれを提供して参ったわけでありますが、これらは先ほ
ども申しましたように、必ずしも十分に届かなかったというふうな点等もございまして、また二十八年以来全国的にほとんど連続しまして冷害等の災害を受けることがたび重なったのであります。こういったこと等のために非常に営農の
状態が向上しないということで、私
どもも非常に頭を悩ましまして、これに対する対策をいろいろと講じて参ったのであります。最も端的には、一昨年開拓営農の臨時
措置法を御審議願いまして、これによりまして一定の程度に達しない開拓地につきましては、個人的には営農の
改善計画を作っていただくし、
組合としまして振興
計画、こういうことで、これにつきまして県の応援を求めまして、知事がその
計画を承認されました
計画に基づきまして、私
どもも国としての施策を講じて参るということで、その第一は、先ほどの御質問にもございましたように、借入金の償還というのが開拓地の入植の
方々にとっては非常な重みでございますので、これの借りかえをやるということが
一つ。
なお、そのほかに逐次そういった災害なりあるいは償還金等のために、営農の
状態がなかなか向上しないというふうな事情にはございますが、一方やはり足取りを見ますと、
生産なりそういったものは逐次上がって参っておるということでございますが、なお積極的な追加投資をするということで、実はその振興
計画をもとにいたしまして、所要の
経費につきまして、開拓者資金融通
特別会計を通じまして資金の融通をする、同時に
農林漁業金融公庫でめんどうを見て上げられる種類の資金につきましては、その方の資金を用意する。なお、古い個人債とかそういった負債がございますが、そういうものにつきましては、自作農資金の出動をさせまして、負債に対する
措置を積極的に講じ、資金導入その他のそういった営農の条件を整備するための資金の融通ということを
考えました。
なお一方、やはり
予算の十分つかなかった
関係等で、必ずしも当初予定され、あるいはその後改定されました
計画に基づく基本的な建設
工事、それがなかなか進まなかった
関係もございますので、最近は新しい入植というものは若干押えましても、既入植のそういった開拓地区の条件を有利にするということに重点を指向しまして、振興に資するというようなことでやっておりまして、
計画といたしましてはできれば早いほどよろしいわけでございますが、やはり順序としましては特に条件の非常に悪い、特に劣っている所を優先するというようなことで、若干の区分けをいたしまして、そういった所から先に優先的にやろうというようなことで、ただいま
努力をいたしておるような
状況でございます。