○
鳥畠徳次郎君 私は、日本の国有
鉄道は決して会計
年度において利益を上げるということだけが目的じゃない、かように考えておるひとりでありまして、もちろんこれは
国民に対する大きな
一つのサービスでございまして、かような意味から必ずしも
国鉄がぐんぐんと利益を上げて、そして
一般会計に繰り入れていくということが大きなプラスになるということだけには、私は考えておらないひとりでございますが、ただいま承るところによりますると、
職員の方々は非常にがんばっていただいていると申しますか、ほとんど一カ年に
比較されるほどの増員が認められない。しかし
人件費におきましては九十億になんなんとする相当のべースアップになっておるというような点は、これはもう
一般の経済情勢なりまた社会情勢からやむを得ないことであるというふうには考えておりますが、できるだけ、今度の
決算の表てから見て参りますと、
工事の上におきましてもあるいはまた作業上、あるいは請負契約の締結、いろいろな面に相当に大きなミスがあるようでございます。こういう点を考えますときにできるだけ今後もっともっと人心を新しくいたしまして、いわゆるこれらを、何と申しますかミスのないようにできるだけ、ただ利益を上げるということだけではありませんけれ
ども、かような不祥なことがないように、また不手際のないように相当一そう戒心を要するのではないか、かように考えますので御注意を願いたいと思います。
次に率直に簡単にお尋ねを申し上げたいと思いますのは、全国の踏み切りの問題につきまして、最近まだ無人の踏み切りあるいは警報機もつかないというような踏み切りが相当あるように見受けられるのでございまして、最近の交通事故から考えて参りますと、踏み切り事故が非常に多い。これはまことに遺憾なことでありまして、人道的にもまた物質的にもこれは一日も早く絶滅するというだけの固い
一つの信念と、
経営の組織が必要ではないか、かように考えるのでありますが、ただいまわが国内における無人の踏み切りの数がまだどのくらい残っておりますか。また警報機だけをつけてある、いわゆる一応注意を喚起する設備をしてあるというような踏み切りの
数字がわかりましたら、後刻でも
一つお聞かせを願いたいと思います。
それの御
調査の間にもう
一つお尋ね申し上げたいと思います。
国鉄におきましては、現在、三等寝台あるいは二等車いろいろのものに通行税をとっておるようでございますが、これが昨年一カ年の
数字を見て参りますと、大体大ざっぱに二十三億をちょっとこえておるのじゃないか、かように考えておりますが、この通行税というものは
一体いつ頃から発足したものか、これは戦争の当時の全く財源不足から、非常な、いわゆるへ理屈つけてと申しますか、理屈をつけてそして交通にまで税金をとったというふうな戦争のなごりである、延長である。こういう点から、考えますと最近ここ四、五年、国が扱っている専売事業あるいは国有
鉄道の貨物
運賃、いろいろのものが一応高騰を続けておるだけで、何
一つ国民に対して、まあ昨年よりか幾分か安くなったぞ、
負担が軽減されたぞというような面はほとんど見るべきものがないことは、はなはだ遺憾に存じておる一人でございますが、副
総裁におかれましては、この二十三億の交通税の撤廃をされて、そして
国民にどれだけかの
負担の軽減をはかると、そういうことは物心両面にわたって、
国民多数の人たちの大きな
一つの喜びでもあり、それがまた物価の安定という経済にもつながるというような大きな作用もするのじゃないか、かように考えておるわけであります。この点につきましてお答えを願いたいと思います。