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1959-10-30 第33回国会 参議院 議院運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十月三十日(金曜日)    午後二時五十九分開会   —————————————   委員の異動 本日委員河野謙三君、松野孝一君、松 村秀逸君及び永末英一君辞任につき、 その補欠として鳥畠徳次郎君、青田源 太郎君、米田正文君及び小酒井義男君 を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高橋進太郎君    理事            塩見 俊二君            田中 茂穂君            阿部 竹松君            光村 甚助君            北條 雋八君    委員            青田源太郎君            天埜 良吉君            石谷 憲男君            江藤  智君            後藤 義隆君            佐野  廣君            鈴木 恭一君            徳永 正利君            鳥畠徳次郎君            村上 春藏君            米田 正文君            小酒井義男君            椿  繁夫君            豊瀬 禎一君            中村 順造君            横川 正市君            米田  勲君            田畑 金光君            加賀山之雄君   —————————————    議長      松野 鶴平君    副議長     平井 太郎君   —————————————   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    事 務 次 長 宮坂 完孝君    議 事 部 長 海保 勇三君    委 員 部 長 渡辺  猛君    委員部副部長  若江 幾造君    記 録 部 長 岸田  実君    警 務 部 長 佐藤 忠雄君    庶 務 部 長 小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   説明員    外務省移住局参    事官      山津 善衛君    外務省移住局旅    券課長     今井  実君    大蔵省為替局管    理課長     長橋  尚君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本会議における議案趣旨説明聴取  に関する件 ○議員海外渡航問題に関する件   —————————————
  2. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これより議院運営委員会開会いたします。  本会議における議案趣旨説明聴取に関する件を議題といたします。  去る二十七日、内閣から送付されました日本国ヴィエトナム共和国との間の賠償協定締結について承認を求めるの件、及び、日本国ヴィエトナム共和国との間の借款に関する協定締結について承認を求めるの件につきまして、理事会において協議いたしました結果、国会法第五十六条の二の規定により、本会議においてその趣旨説明を聴取することに意見が一致いたしました。本件を右申し合わせ通り決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  この際、特に御発言がございますればお願いいたします。   —————————————
  4. 阿部竹松

    阿部竹松君 これは、社会党というよりも、参議院のあり方について、この際若干、委員、長あるいは事務総長にお尋ねし、また、議長の御見解も承っておきたいと思うのですが、実は、鮎川議員の件であります。朝日、読売、毎日という日本の大新聞三面記事のトップに大きく出ておるのですけれども、まあ信憑性はどこまであるかわからぬけれども、とにかくああいう記事が次から次へと出るということについては、国民参議院というものに対する考え方が変わるのではないかという心配をしているわけです。  そこで、まず一番先にお尋ねしたいことは、二十六日の開会日の当日、病気だということで会期中の請暇の届け出があった。ところが、その問題がわが光村議員から議運の理事会で出されるや、いち早く二十八日には会期中の請暇願いを取り下げて、一週間の請暇願いに切りかえた。参議院規則の百八十七条によれば、一週間以上の休暇の場合には院の承認を要するということになっている。ところが、本日外務省旅券課で調べたところが、鮎川議員は三カ月間の海外渡航許可願いを出しておる。従って、まずその点を事務総長から、それが事実であったかどうかということについてお尋ねしたい。
  5. 河野義克

    事務総長河野義克君) 十月二十六日の本会議の散会後に、鮎川金次郎君から、会期請暇申し出がございまして、二十八日の十一時五十分ごろ、これが一応取り下げられまして、あらためて十一月三日までの請暇願が出たことは、お話通りでございます。外務省方面渡航について云々ということについては、私としては承知しておりません。
  6. 阿部竹松

    阿部竹松君 そこで、私の外務省から聞いた内容、その他から聞いたところによりますと、病気で療養するために海外に行かれるということなんですが、会期中の休暇願いが急に一週間になった、病名は急性気管支炎とかいうことで。これは事務当局はおわかりのことでしょうが、しかし、新聞に出ている記事以外に、十月三十日までで警視庁捜査二課に集まっているのは、鮎川金次郎派違反事件、これは概況ですが、被疑者取り調べ数が百四名、逮捕者数が五十名、そのうち起訴された者が三十一名、起訴された買収金額が大体二千万円、こういうことになっているわけです。前にも新聞記事に出ておりました同じわれわれの同僚議員である植垣さん、この人の方でも、東京都内だけで違反の数が百五十名、逮捕者が三十四名、起訴された者が三十四名、こういうことになって、次から次へと新聞記事をにぎわしていくということとなれば、これは大問題で、こういう点について議長見解もたださなければならないし、一体こういうことで参議院というものはいいものであるか悪いものであるか。当然、こういうふうになると、やはり残念なことであるけれども議員をやめていただくという解任決議案でも出すか、御自身にやめるように勧告するか、いずれかの道を、これは自民党社会党の問題でなくて、やはり取り上げなければならぬ、こういうように考えるわけなんですがね。議長、いかがでしょうか。
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいま阿部君が議長見解いかんと、こういう御質問でありますが、議長としても、議員選挙に対してそういう多数の違反者取り調べられておるということは、まことに遺憾なことだと考えます。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 そこで、遺憾に違いないんですが、自民党のお二人の理事にお尋ねいたしますが、きのうは警視庁へ出頭しない、きょうの新聞を見ると出頭するという申し出があったというような話なんで、僕は、鮎川さんがやっているかいないかわからぬけれども、こういうことについては、あなたの方では所属議員としてどういう態度をとられるのですか。
  9. 田中茂穂

    田中茂穂君 今、阿部君から、わが党の鮎川君の問題について、請暇の問題から触れられましたが、今、私に対する所信はどうかというようなお話ですけれども、まあ何しろ新聞が書き立てておることは事実です。われわれとしましては、新聞記事そのままその通りであるということも、まだ検察庁が捜査中の件でもあるし、それは先ほど議長からもお言葉がありましたように、そういった疑いを持たれておるということは、わが党の議員である以上、またわれわれといたしましても、まことに遺憾なことであるというふうに考えます。しかしながら、これは鮎川本人がはたしてその事件に関係しているのか……。あるいは鮎川君以外の線でそういう疑いを持たれている今日ですから、まだわれわれといたしましては鮎川自体にそういう疑いがかかっているとは思わないし、まあ地検の方から取り調べの呼び出しがあったということを聞いてきょうはそういうことで行かれたということも聞いておりまするので、今の段階においては、そういった疑いがあった、ということについては遺憾ですけれども、結果を待たなければ、われわれといたしましてもはっきりとしたことは申し上げる段階じゃないと思います。
  10. 阿部竹松

    阿部竹松君 私は、新聞信憑性は別として、新聞記事によって運営委員会で論じ、それによって鮎川議員云々を言うているのじゃないんです。僕は、少なくとも警視庁で尋ね、それから外務省責任ある者に尋ねている。しかし、これは百歩を譲ったとしても、会期中にとにかく一歩も出られませんよということで百八十七条に基づいて請暇願いが出されているんですが、理事会でちょっと話が出たら、とたんに一週間に切りかえる。そうしてまた、旅券下付は三カ月の下付願いを出している。あなたは、この件まで鮎川議員みずからがやったことでないとおっしゃるのでしょうか。金を使ったか使わないかということは鮎川議員責任があるかどうかわかりませんけれども、僕は、こういうことは鮎川金次郎君がやったことだと思う。そうなると、おそらく私の推測するところでは、ハワイであるか、あるいはカリフォルニア州のどこかわかりませんけれども、行って、一週間で帰るということは、できない、病気療養というんですから。しかし、一週間で出したということは何を意味するかということは、言わずもがな、これはおわかりのことだと思う。これは僕は、完全なる院議の無視であり、参議院そのものを大体侮辱しているというように考えているのです。
  11. 田中茂穂

    田中茂穂君 海外渡航申請については、われわれは何も聞いておりません。請暇については、会期初めから一週間の請暇願いが出ているということは私どもも承知しております。ただ私どもが知り得たのは、鮎川君が非常に急性なひどい悪性のぜんそくで休養しているということでありまして海外渡航の問題については何もわれわれは今日まで聞いておりません、御本人の方から。
  12. 光村甚助

    光村甚助君 私はただ、まだ罪が確定していないからどうでもいいという考え方は大きな間違いだと思う。汚職をやったかやらないかで罪がきまらないという話ならわかる。これはその問題とはやはり違うと思う。すでに鮎川派の方では、さっき阿部委員から言われたように、何百人というものが取り調べを受けて、何十人というものが起訴されて、ほんとう参議院議員というものは、金の何千万もやって買収すれば参議院議員なんてなれるんじゃないかということで、威信を傷つけたということが一つ。それから、本人はやらないと言っているけれども東京都の区会議員選挙だって、本人陣中見舞の形で何千万という金をばらまいていることもわかっている。それからもう一つは、とにかくそんなにひどい病気だったらもっと早くから行けるはずです、国会が召集される前から。しかるに、沖繩で二人つかまった。これもその人たち鮎川さんのためにおれたち自分の金でやったとおっしゃるでしょう。言葉はどうでもできるでしょうが、四、五十万で発動機船を買って逃げ回ってとうとう沖繩でつかまったのだけれども、これがつかまってから海外渡航を申請しているという事態も、私は納得できない。それともう一つは、新聞によりますと、つかまった連中は六十才と玉十七才とかで孫もあると書いてあるのだけれども、一議員を助けるために、二年間逃げ隠れして、出てきたら本人身辺に及ばないというような考え方でやっているということは、そういうやり方は私は議員としての資格はないと思う。それで、私はそういう点から、われわれの方ではさっそく辞職勧告案を出せという強硬な意見もありますが、その前に、あなた方の方は大政党のことだし、ほんとう国民に対して非常に御迷惑をかけ、疑惑を持たれているから、鮎川君はまだまだ三十才だ、この際きれいに引いたらどうだと、あなた方の方で勧告すべきなんだ、われわれがこういう問題を持ち出す前に。それからもう一つ疑惑は、さっき言ったように国会が開かれる前に行けるものを、沖繩でつかまったら、これは言葉が過ぎれば取り消しますけれども、いかにも逃亡するというような感じを国民に与えているということなんですね。こういうこと自体から、私は、当然鮎川君という人は議員としての資格がない、こういう面で一つあなた方の方で私は勧告すべきだと思う。まして召喚にも応じられないというような大病人が、飛行機に乗ってハワイまででも十何時周かかるというのに、これは矛盾もはなはだしい。初めに請暇願いも出さずに三日の十時の飛行機を予約しているということは、国会を無視しているけしからぬ話である。これは、この点からも私はあなた方の党として、鮎川君は将来性もあるのだから自発的にやめさせるべきじゃないか。そういう点についてあなた方の意見を聞きたいのと、議長にも、こういう議員がおれば、あなたも自民党長老なんだから、非常に国会威信を傷つけた、若いのだからやめたらどうだということを、あなたは鮎川君の父親とも心やすいのだから、長老としてそんなことを勧告するぐらいの議長でなければならないと思う。どうですか、そういう点。
  13. 田中茂穂

    田中茂穂君 今鮎川君の一身上の問題についていろいろお触れになったようですが、先ほど阿部君のお尋ねに対しましては私お答えした通りです。今の段階においてはその通りであります。今、光村君から、こういった世間を騒がし、多大の疑惑を持たれておる鮎川君に対して、党として辞職を促したらどうかというようなお話ですけれども、何さま今のところでは、私どもが聞いておるのは、御本人の病状が非常に悪い、思わしくないということ。それと選挙違反の問題も、これはお互い考えなくちゃならない問題です。しかしながら、今のところでは、司直の手で調査本人に対して始めよう、何かその意見を聞こうという段階でありまするから、そういう段階においてわれわれとしては、鮎川君の人権の問題にも関係しますので、この際、御本人議員の職をやめさせるというようなことを言える段階じゃないと思います。もう少し時期を見て、そうして司直捜査の結果がはっきりして、ほんとう参議院議員として国民に対して恥じるべきことが出てくれば、これは話は別だと思います。今の段階においては、私どもといたしましては辞職を促すというようなことは、まだ申し上げる時期ではないと思います。
  14. 光村甚助

    光村甚助君 きまれば、あなたの方で勧告しなくてもこれは当然議員として失格ですよ、きまってしまうのだから。その前にということなんだ。
  15. 田中茂穂

    田中茂穂君 私は今も重ねて申したように、そういうことを論議する、また考える時期としては適切でないというふうに申し上げておるわけです。
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいまの光村君の御意見でありますが、私、先刻申し上げた通り、この事件がまことに遺憾なことだと、こういう考えをはっきり申しておりますが、光村君の言われるように、議長として勧告したらどうか、こういうことに対しては今何とも私は考慮しておりません。遺憾なことだということを考えております。
  17. 米田勲

    米田勲君 ちょっと事務総長にお聞きしたいのですが、請暇書理由は何と書いてありますか。
  18. 河野義克

    事務総長河野義克君) 病気のためとなっております。
  19. 米田勲

    米田勲君 私、国会法だとか参議院規則は、議員は積極的に誠意をもって守っていかなくちゃならないと思うのです。ところで、私たち理事がそういう発言をしておりますが、大体私この問題はどうも不思議なんですね。われわれは国会が開かれておるときには自分の家で勝手な行動はとれないはずなんです。そこで、最初会期中の請暇書を出しておいて、急に一週間と直した。この百八十七条には、出席のできないようなときにはあらかじめその理由と口数を記した請暇書議長に出さなければならないと、ちゃんときめられておるのです。それなのに、どうも渡航審査連絡会に出している渡米申請は、はっきり滞在期間三カ月とうたつている。そうすると、どうも請暇書に七日の請暇を出しておるということは、私はこれは参議院規則誠意をもって守っていることでないというふうに考えるのです。僕は選挙違反の問題は、まだあなたのおっしゃるように捜査中だから何とも言われないと一応認めても、しかし、私たち議員行動が、自分勝手に行動して規則に触れるようなこともあえてやれるようなことでは秩序が乱れてこようかと思うのです。当然三カ月間向うへ滞在するという、これは、うそでないと思うのです、申請書に書いているのだから。三カ月間滞在するという意思自分が持っていながら、国会が開かれておるときに一週間しか議会を休まないという請暇書議長のもとに出すという理由は、どうも私、納得できないんですよ。この点、委員長はどういうふうに考えますか。
  20. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 私からお答えしますが、どうもこれは本人がどういう意思でこの一週間の、正確に言えば会期中のものを一週間と出して、それから一方においては、私も知らなかったのですが、渡航審査会に対して三カ月程度の渡航願いを出している、そこら事情は、これはどうも本人にわれわれも聞いておりませんので、はっきりしたことはわからないのですが、考えられることは、一応まあ病気中でもあるから、一週間なら一週間で静養して、そして許可があれば、あらかじめ渡航許可をもらったものであるから、病気の静養としてさらに出すという意思であったのか。しかしこれも想像ですから、本人がどういう意思でそういうような形になったのかということについて、私としても的確にはお答えいたしかねます。
  21. 米田勲

    米田勲君 委員長の言っていることは無理ではないですか、筋が通らぬでしょう。われわれは良識を持っているはずなんです。無理にでっち上げたような理由でわれわれを納得させるということは、委員長として無理だと思います。大体彼はパン・アメリカンの方へ十一月十日の航空券を予約してしまっているのです。田川さんという人と鮎川議員と二人で。だから彼はホノルルに行くということはちゃんと意思をきめている。そうして渡航申請は三カ月と出している限り、私は、良識ある議員で、この参議院規則を守らなければならないと考えている人なら、当然議長のもとに会期中休ましてほしいということを出すはずです。出さなければならぬ義務があるはずでしょう。これは委員長どうでしょう。私の言うことは筋が通っていませんか。
  22. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 私からお答えしますが、普通ならやはり渡航許可を一方において申請しているのなら、それに見合って議院の方に、やはり渡航と言いますか、請暇願いを出すというのが普通だと思うのです。しかし、これも本人は今言う通り渡航申請は出したけれども、まあもらえないのじゃないかというような予想から、慎重にかまえて、それをもらってから出すという意思であったのか、そこらはどうも本人でないものですから、私もちょっと想像でお答えするということはできないと思う。
  23. 米田勲

    米田勲君 どうも委員長自分の党の仲間だから大分苦しいことを言っているが、私らはそんなことでは納得できないのですよ。大体それが選挙違反事件が起っていないのなら、まだ私はあなたの言うようなことを信用して、まあそうだろうと思って納得してもいいんですよ。しかし一方にはどんどんあげられて、起訴者も相当出て、そして事件国民の前にさらされているんです。参議院議員でなければ私は何も言わないです。われわれ町を歩いても、このバッジをつけて歩いているのは恥ずかしくなりはしませんか、そういう事件を一方に起こして……。これは私、悪意に解さなくても、日本警察の手の届かないところに行こうとしているというふうに見られても仕方ないですよ。そういう行為は、これは国民として国の法律にみずから違反しようという問題なのに、まして国会議員でしょう、規則や何かを守らないでいる議員がおっても、それは本人がどう考えているんですかなんということでは、委員長、それは困るじゃないですか。それではその本人が何を考えているかわからんから、あなた方はこの問題についてはそのままにしておくというようなお考えですか。
  24. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 米田君にお答え申し上げますが、私が申し上げたのは、あなたが会期中のものを一週間と出しておきながら、一方において三カ月間の渡航申請を出している、これがどういういきさつかと、こういうことだから、先ほど私はそういうふうにお答えしたわけですよ。ただその前提として、この鮎川議員の問題全体として何と言いますか、ああいうような新聞記事を相当にぎわしているような事件の渦中にある人が一体海外渡航をする、まあこれも、あるいはどうしても海外渡航をしなければ、自分身辺にどういう危機があるかということが問題でしょうけれども、とにかくこれは開会中でありますから、私自身から私の考えを申し上げれば、そういうようなことは議員としてはあり得ないのじゃないか。だから私は、一方において請暇が一週間出ておりながら、三カ月間の渡航申請を出すということは全然考えないし、また想像もしなかったわけです。
  25. 阿部竹松

    阿部竹松君 ちょっと議事進行について。その点について、きのう事務局外務省移住局からどなたか責任者が来ておるわけですが、どういうことになっておるか、一つここでお話願いたいと思う。これは信憑性があるとかないとか言うから、僕は一応聞いたけれどもそこらを一応明確にしてもらいたい。  それからもう一つ、いろいろ委員から質問が出ると思うのですけれども、きのう川島幹事長が、これは朝日記事によって知ったのですが、とにかく沖繩でつかまった二人は、ああいうへんぴなところへ逃げるから、愚の骨頂であって云々と、それから選挙違反統制にかけるという問題が出たときに、選挙違反統制にかけるということになれば、自民党議員が全部おらなくなる、こういうようなことを言っているのですよ。まあ言葉のあやで言っているのかどうか僕らは知りませんが、朝日はこうだ、毎日はこうだということを言えば、それは信憑性がないといって一笑に付されるから、それはどうだかわからないけれども、しかし川島幹事長が冗談にせよそういう見解参議院を見られるのなら、それは何をか言わんやで、もう少し参議院がしっかりしなければ、これは自民党とか社会党とかの問題じゃないですよ。ですから、それをお前たちの言うことは信憑性がないとおっしゃるなら、外務省からも、法務省入国管理局からも来ているのだから、ここで一つお伺いしたい。
  26. 田中茂穂

    田中茂穂君 この問題につきまして、阿部光村理事のお二人に御相談いたしたいと思いますが、実は数口前の理事会で御向方からこの問題を持ち出された。ところが、御承知のように私たちの方から、まだ時期としてはどうであるかということと、果たしてこれを議院運営委員会にかけるべき事項であるか、これはやはりもっと検討して慎重に一つやる必要があるということでそのままになってきょうたまたま議院運営委員会が開かれて、突然この話が阿部理事ほか皆さんから出たわけですね。そこで、先ほどから申しまするような事情でございますから、  一応われわれといたしましても、阿部理事ほか皆さん方の御指摘の点も一応御意見として承ってそうして党の方に持ち帰って十分良識をもって党内でも相談もし、検討いたしたいと思います。そういうことで、きょうのところはどうでございましょうか。
  27. 椿繁夫

    椿繁夫君 これは、理事会でどんな話があったかは別として、今運営委員会が招集されてすでに議題になって今質疑が続いている。それをあなた方の方で善処されるのはいいですよ。しかし、それを明らかにしないまま、自民党の善処にまかせるというわけにはいかない。今、阿部君から提案のあったように、渡航審査会ですか、外務省法務省大蔵省等で構成されている関係官がお見えになっておるのなら、今まで議論されていることは新聞に出ていること、それからそれぞれが警察なり検察に対して調査をした範囲内で言っているのだから、実際渡航審査会に対しては三カ月の期間で外遊をしたいということが出ておるのか。それから、きのうかおととい審査会をやって、渡航をしたいということを言ってきておる者になぜ許可を与えるということにならなかったのか。その理由はどうなんだというようなことを、ちょっとそれぞれの関係者からこの際お聞きしたい。そういうふうにお取り計らいを願いたいと思います。
  28. 田中茂穂

    田中茂穂君 まあ申し入れがあってここに来ておられるとすれば、今の椿君の御発言の中の指摘された事項等について一応ここで承るということについては、これはいいと思います。
  29. 椿繁夫

    椿繁夫君 それがいいとか悪いとかということの、田中君の許可を得て私はやっているんじゃない。だから委員長、そういうふうにやって下さい。
  30. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これはやはり議院運営委員会のみんなの意向できめるものですから、だから椿さんの意見だけで直ちに私があなたの意見通り進めるというわけにもいかないので、議論があればやはりそれを述べていただいて、そうしてこれは全体の皆さんの総意の形で進めさせていただきたいと思います。  それじゃ今呼んでいるそうですから、それまでに何か御意見がありましたら……。
  31. 光村甚助

    光村甚助君 さっき田中委員から理事会の話が出ましたが、これは国内にいるんだったら大してここまで紛糾もしなかったのです。あなたの方は病気病気だと言われるけれども、そんなに重かったらば、さっき言われるように、国会が召集になる前に行くべきなんだ。それを突如として三日の晩の十時に出発する予定を立てて、請暇は一週間出しているというのは、これはほんとう参議院の無視ですよ。この行動だけでも私は議員資格がないということを言っているのです。渡航申請というものも、この議院許可を得ずに三カ月なんという渡航申請をやるということは、全く参議院規則の無視ですよ。委員長は変なことを言ってごまかそうとされるが、こっちが先なんです。渡航許可をもらってからこっちに出す。そんなばかなことはないです。国会許可をもらってから渡航申請をつけてやるのがほんとうなんです。おそらく外務省ではそんなばかなことはしないでしょうが、こちらが許可しないのに外務省が三カ月許したら、外務省は大へんだと思うのです。そういうばかな許可はしないだろうと思いますが、問題は、渡航申請をしたから紛糾したんです。これは私は当然と思うのです。議院運営委員会で大いにこれは究明すべきだと思います。
  32. 塩見俊二

    ○塩見俊二君 先ほどから御意見を伺っておりますと、今までの経過から見ましても、国外に行くということは、すなわち調査をまぬがれるんだと、こういう危険があるからというように私も聞いておったわけなんです。それで私も実は直接本人に会ったわけでなく、間接ではあるのですけれども、実際は田中君からおっしゃっておられました通り、相当悪性の気管支炎というので、平常時はそうでもないが、ほとんど発作的に非常に苦しいような状況のようであります。それで、これは前にカリフォルニアで転地をして一ぺんなおったことがあるのだ。従ってそういう療法をとりたいというお考えであるということを私は間接に聞いておるわけです。  それからもう一つは、きょうの新聞に、出頭を拒否したとか何とかいうふうな意味の記事が出ておったわけです。これも実は、新聞言葉は少し私はきびし過ぎるのじゃないかと思いますが、とにかく、そういう病状だから、臨床での尋問にはいつでも応じるのだと、こういうふうな状況ですから、これが今の段階で、直ちに逃亡をはかったのだと断定し得る私はまだ段階ではないのじゃないかと、そういう判断をしております。
  33. 阿部竹松

    阿部竹松君 外務省から来られたようですから、その方を先にお聞きした方がいいと思うのですが、ただ僕は、あなた方二人が事情は知らないというから、論争しようとは思いませんけれども、そういう病気が重いという御意見でいくのならば、なぜ会期請暇願いを出しておって途中で切りかえたかというのだ。そんなことだから一週間に切りかえた——そういうような理屈を言ったってそれは通りませんよ。それでは外務省の方を先に……。
  34. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 来ておられる方は、外務省からは移住局の山津参事官、それから旅券課の今井課長。法務省は入国審査課長の吉川さん。それから大蔵省の管理課長の長橋さんです。
  35. 阿部竹松

    阿部竹松君 今、委員長から、来ておられる四名の方の氏名の発表がございましたが、どの方が担当かわかりませんから、僕の質問にその担当の方に答えていただくということで質問いたします。鮎川金次郎議員渡航の問題について今議題になっておるのですが、私どもが聞くと、三カ月の下付願いが出てきておるということを聞いたので、それが事実かどうかということが一点。それから、オール・ギャランティでカリフォルニア州へ行くということになって、そうしてこの間の審査会にかかったのだけれども、ストップになったということで、この次五日に審議するということになった。これは新聞記事によって僕は見たんですから、それがほんとうであるかどうかということと、その延びた理由等についてお尋ねをしたいと思います。
  36. 山津善衛

    説明員(山津善衛君) 今、先生がおっしゃったようになっております。新聞に出ているのとほとんど違いませんけれども、詳しい理由その他は、係の今井旅券課長から説明いたさせます。
  37. 阿部竹松

    阿部竹松君 いや、言った通りになっておるということは、三カ月間の期間を……。
  38. 山津善衛

    説明員(山津善衛君) 今のはオール・ギャランティによる渡航費の申請のことだと思いますけれども、そうじゃございませんですか。普通、渡航費用の問題と旅券手続の申請の問題と一つございまして、今までやったのは渡航費用の問題だけであります。旅券請求の申請はまだ出ておりません。従ってその手続の段階にはまだ入っていないわけであります。
  39. 米田勲

    米田勲君 渡航申請はしてないということですか。
  40. 山津善衛

    説明員(山津善衛君) 旅券を発給してくれという申請は、渡航費用についての手続が終わってからくるわけです。現在の段階は、費用だけのことについて一応申請も出ているし、これを審議したという段階になっております。
  41. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 山津参事官そこらのところを、渡航の手続にお詳しい方もありますが、あるいは御存じない方もございますから、今、阿部委員からの質問もあるのですが、若干解説を加えて一つ話してくれませんか。あるいは費用というのはどういう性質のものか、あるいは渡航の申請というのはどういうものかということを御説明願いたい。
  42. 山津善衛

    説明員(山津善衛君) 私から知っておるだけ申し上げまして、詳しい点は係りの今井旅券課長が補足する必要があれば補足すると思いますが……。
  43. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) もしあなたが十分お答えになれないなら、初めから、今井課長から話した方がいいと思います。
  44. 今井実

    説明員(今井実君) 海外渡航なさいますためには、旅券が必要なわけでございますが、旅券の申請をなさいます場合には、渡航費用の立証書類が必要ということになっておりますので、旅券の申請に先だたれまして、皆様、大蔵大臣の外貨の許可証をおとりになる、その申請をなさるのが手順になっております。従いまして、今の問題につきましては、現在は、まだ外貨の許可が出ておりませんので、旅券の申請にはまだ入っておらないのです。
  45. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それだけですか。
  46. 今井実

    説明員(今井実君) 外貨の申請は、今はオール・ギャランティによるところの費用の申請が出ておるわけでございますが、その点は大蔵省の所管でございますので、外貨の問題は、ここに見えております大蔵省の為替管理課長の方から御説明いただきたいと思います。
  47. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) そうすると、どうしますか、阿部君の質問は……。
  48. 光村甚助

    光村甚助君 漏れている点がある。きのうの新聞によりますと、議院許可は一週間しか出ていない。それに三カ月旅券の申請をしているのはおかしいじゃないかということで、審議未了になったということが新聞に出ている。それをさっきから聞いておる。そういう事実があったのかどうか。
  49. 今井実

    説明員(今井実君) その点は、外貨の審議の方の問題でございますから、大蔵省の方から御説明願う方が……。
  50. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 今、光村委員質問は、新聞には、三カ月の旅行ということで申請があった。言いかえるならば、旅券という形で申請しているのか、あるいは外貨許可の申請をしているのか、とにかくそういうことをしておるが、その点はどうかということです。
  51. 今井実

    説明員(今井実君) 外貨の渡航費用の申請をなさっているわけでございます。
  52. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) そうすると、こう了解していいわけですか。従って旅券の申請はまだ出てない、こういうことですね。
  53. 今井実

    説明員(今井実君) さようでございます。全然出ておりません。
  54. 米田勲

    米田勲君 外貨を申請するときには、その書類の中に、旅行の目的だとか、場所だとか、期間だとか、そういうようなものを書き込まれて、外貨申請になるのじゃないですか、どうですか。
  55. 今井実

    説明員(今井実君) その点は大蔵省の方から……。
  56. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) 本件は、いわゆる一般外貨を使いまして渡航されたいという、こういう御申請ではございませんで、新聞あたりにも出ております通り、オール・ギャランティの渡航の申請でございます。その場合、ただいま御指摘のように、一定の様式に従いまして、渡航目的、渡航期間、それから相手先との関係の記載、その他所要の規定の書類を添付していただくということになっております。
  57. 光村甚助

    光村甚助君 答弁が違う、私の質問とも。
  58. 阿部竹松

    阿部竹松君 それで、鮎川金次郎議員の場合は、どういうふうにして申請しておりますか、あなたの方で審査した書類は。
  59. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) 渡航の目的、先ほど御質問のございました渡航の目的につきましては、非常に健康を害しているので、転地療養の必要がある、こういう目的でございます。それから期間は三カ月、こういうふうな御申請でございます。それから昨日そういったオール・ギャランティの渡航申請を関係者で審査、連絡するために定例の会議がございまして、本件につきましては、何分にも一昨日の申請でございまして、まあ担当窓口機関、そういうところがそれぞれ上司に諮りまして、あるいは相互に連絡して検討するというような、こういうような事前の期間が不十分でございまして、昨日の会議におきましては、なお慎重に調査検討して結論を出す必要がある、こういうようなことであります。特に国会の方に休暇の手続をおとりになっておるのは七日間、渡航の申請は先ほどの通り三カ月、そういうような点につきましても、申請当事者に、よくその間のギャップにつきましての御説明を承る必要がある、こういうふうな理由でございます。
  60. 光村甚助

    光村甚助君 お聞きしますが、あなた方に説明するということじゃないのですが、議員が七日以上休むと国会承認が要るわけですね。その承認を得ずにあなたの方に渡航申請を出しておる。国会議員は、承認がそれらの渡航の必要条件になると思うんです。国会承認を得ないであなたの方に渡航申請を出したら、あなたはどうしますか、これを許可しますか。
  61. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) 従来から、議員渡航の場合、別々に手続が行なわれまして、あるいは国会の方の手続が終わられる前に申請が出るというような事例もあるわけであります。審査の衝に当たっております当局といたしましては、そういった場合には、議院事務局の方とも御連絡をとって、そういった点、手続がそごを来たす、あるいは連係なくばらばらに行なわれることのないように努めております。
  62. 田中茂穂

    田中茂穂君 そこで、私は外務省及び大蔵省の方々にお伺いいたしますが、本日の今の段階においては、外貨の許可申請が出ておるのみであって、旅券の交付申請は出ていないというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  63. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) そういう事態でございます。つまり、順序といたしまして、為替管理面の手続が終わりまして旅券が発給される、旅券の申請手続はそれよりおくれる、為替管理の手続よりはおくれる、こういう状態でございます。
  64. 塩見俊二

    ○塩見俊二君 今の為替関係の審議ですが、これはオール・ギャランティだという場合には、オール・ギャランティがその通りであるのかどうか、相手先がそういう能力があるかどうかというふうな点は、あなたの方で審査するのじゃないのですか。
  65. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) 審査いたします。オール・ギャランティの場合にはそういった点が一つの審査の重点でございます。すなわち、これを安易に審査いたします場合には、裏で代償取引が行なわれるような事例が発生するおそれもございますので、保証者との関係というものについては審査の重点の一つでございます。
  66. 塩見俊二

    ○塩見俊二君 まあどなたにお答え願った方が適当かわかりませんが、今言ったように、外貨の審査と外務省の発行する旅券というもの、これは私は若干目的が違うと思う。旅券発行の場合には、その人間がはたして外国にやるのが妥当かどうか、適当かどうかということは、今の旅券交付以前においては、審査する場合やはりそういう問題はあまり重点に取り上げないのじゃないのですか。
  67. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) オール・ギャランティの場合、お説の通りに為替管理法に基づく手続でございまして、為替管理の秩序を乱すようなオール・ギャランティのものであるかどうか、そういった点に審査の重点があるわけでございます。と同時に、それ以外の点につきましても、為替管理の許可の先行したために、つまり先ほど私が申しましたような国会の方——伝えられております国会に対する許可手続等の関係とそごを来たさないように、そういった点についても慎重に調査検討した上で結論を出すのが妥当である、こういうふうな配意も行なわれるわけであります。
  68. 塩見俊二

    ○塩見俊二君 もう一つ、それでは、従来オール・ギャランティの許可をする場合に、法律にどう書いてあるか知らないが、しかし、慣例としては、為替管理法上の金の問題ですが、金の問題をきわめて重点に置いて、あとはほとんど付属的にやっているというような関係じゃないですか。
  69. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) もとより為替管理の問題でありまして、金の問題が中心でございます。しかし、それと同時に、先ほども申し上げましたように、関係者の連絡機関で諮りました上で結論を出す、こういうふうな建前になっておりまして、許可の基準の一つといたしまして、関係省の連絡機関の方で差しつかえないというふうに認められたものであること、こういうふうな基準を設けて審査いたしているわけであります。
  70. 米田勲

    米田勲君 先ほどから話が、外貨申請はしているけれども渡航申請はしていないのだ、こういうことを言っておりますが、そういうことにかりになっても同じことですよ。彼が海外渡航しようとする企てを持っていることははっきりしています。その期間は三カ月であるということははっきりしている。だから渡航申請をしているのかいないのかを問題にしなくても、私がここで問題にし出した理由ははっきりしているわけです。彼はとにかく三カ月間海外渡航しようという計画を持っているということ、そのことは明確なんです。そういう計画を持っていて、国会が開かれておって、とうていその計画通りのことをすれば七日でおさまりがつかないことは、あらかじめわかっている。あらかじめそういうことがわかっておりながら、この規則を無視して七日間の請暇書を出している。ここが問題なんで、私の問題にしたいのは、そういう規則や法律を無視するようなことをわれわれ議員がやり出したのじゃ秩序が乱れるから、そこを問題にしている。それにしかも、目下選挙違反の問題がからまってくるとなれば、これはいわゆる議員としての体面を相当国民の前に明らかにしなければならないと思う。参議院なんというのは、金さえどんどん使えば、わからぬようにうまく使えば当選するのだという風潮が国民の中に出てくることは重大だ。そういうものもからんでくるから一そう問題になった。私は特に検察庁が捜査中だからわからぬではないかと言えば、その点を認めてもいい。しかし、彼自身海外渡航を明らかに計画していながら、それに見合う議員としての正しい行動をとっていない。これは規則を無視する議員行動である。参議院を大体無視しているという、ここが私は放任できない。そういうことを重大視しているんですよ。
  71. 光村甚助

    光村甚助君 こちらに聞きたいことがある。向こうさんは非常に有利なように何とかあなたに答弁させようとやっているが、ああいうのを何とか質問という。私の言うのは、あなたの方もはっきりせられないのだけれども、各関係省がちぐはぐでないようにと言われるのですけれども、私たちの方は、外国に鮎川君が行くというのは議院許可がなければ行けないはずなんです。それをあなたの方だけで勝手に、議院許可もとらずに渡航申請をした場合に、参議院を無視しているが、許可をしないのにあなた方で旅券を出せるものかどうかということを聞いているんです。出すということになると、参議院を無視するということになる。それを押してまでやるかどうかということを聞いているんです。端的に、各関係省がばらばらにならないようにと、うまい答弁をせずに、これは外国に行くのには参議院請暇書を出して許可をとるのが条件だと私は思っているが、それがはたして条件かどうかをはっきり言ってもらいたい。
  72. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 今のあなたの御発言は、旅券の問題を聞いているのか、外貨許可の問題を聞いているのか、はっきりしていただきたい。その点、光村さんどっちですか。旅券の問題ですか、外貨許可の問題ですか。
  73. 光村甚助

    光村甚助君 旅券の問題です。
  74. 横川正市

    ○横川正市君 関連して。これは各関係省の係の者に聞くよりも、渡航審査委員会というのがあって、それの審査を経て許可するしないはきめられるわけですから、私はやはり今の問題は審査委員会の責任者に聞いた方が具体的な答えが出るのじゃないかと思います。もう一つは、先ほど為替管理の面での申請だというようなことですが、問題は渡航審査委員会の議を経て留保されているわけですね。その留保される場合には、私は為替管理の手続もいたし、それから渡航申請の方もある程度書類上の体裁もととのえて、そうして提出されて保留されたものと理解するわけであります。今質問をしている点は渡航土の問題でいささか手違いがあるような気がするわけですが、保留された場所はどこなのか。それさえはっきりすれば問題はおのずと明瞭になる。審査委員会の責任者が答弁すべきだと思う。
  75. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは先に横川君の質問に答えて下さい。
  76. 長橋尚

    説明員(長橋尚君) 渡航審査連絡会心は、オール・ギャランティの場合におきましては、大蔵省、外務省、それから手続機関として日本銀行、こういう構成でございますが、昨日は、そのどこが主張したというふうな格好ではございませんで、まあ三者とも、本件についてはもう少し慎重に、申請当事者にもお尋ねすべき点はお尋ねして、結論を出すのが妥当である、こういうような一致の結論になったわけでございます。
  77. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 先ほど光村委員質問は、旅券申請が出ているかどうか。従ってそれをチェックして、それを押さえるという点が、まだ保留になっているのかどうか。その辺の事情を旅券課長から聞きたい、こういうことでありますし
  78. 今井実

    説明員(今井実君) 旅券の申請はまだ出ておりません。従いまして、旅券の審査はまだ全然始まっておらないのでありまして、昨日行なわれましたのは、今、大蔵省の為替局管理課長からもお話がありましたように、為替管理法主の許可の申請の審議があっただけでございます。渡航審査連絡会と申しますのは、旅券面の審査の連絡会はございませんで、外貨面の連絡会があるわけです。
  79. 阿部竹松

    阿部竹松君 そこで、今日午前中に電話で聞いたところによると、旅券課では三カ月ということは、これは明確に言っている。まあそれは僕の電話にどなたが出たかわからぬけれども、それはいい。さいぜん米田委員から話があったように、もう行く場所と期間は、これも三カ月ということは明確になっているのですから、こちらは検事でもない、判事でもないから、それ以上に追及する意思はごうもない。そこで私どもとしては委員長にもう少しお尋ねしたいとともありますが、本委員会もこんな情勢で四時までもかかった状態ですから、この次は僕は法務委員会でも明確にしてもらわなければならぬし、警視庁からも、僕は十一月一日からのことについて若干聞いておるけれども、しかしまだこれは電話で聞いただけですから、僕はわからぬのですけれども、この次の機会に、また十分委員会でもってやはりやらなければならぬ。こんな状態では参議院の権威も失墜してしまうというように考えておりますし、会期中全部の請暇を出しておいて、たまたま議運の理事会社会党側から、どうもおかしいではないかという意見が出たので、会期中のものを下げてしまって、さいぜん申し上げますように一週間にするということは、こんなばかげた話ないですよ。おそらく参議院始まって以来こんなことをやった議員はおらぬと思う。だから私は、そういう点についても明確に早くやらなければ、次から次へと新聞に書き立てられて、参議院の権威というものは失墜してしまう。従って、委員長において、きょうはもう打ち切られても仕方がございませんが、この次の機会に、なるべく早く自民党さんの方でも党内のことであるから十分調べて、君たちの言うことは違うとか何とか言うことでなくて、違ったらどこが違うかということで、一つ話し合いができるように、やはり十分あなたの党の責任でもあり、参議院の問題でもございますから、その点を一つ自民党さんに要望すると同時に、委員長もこれを一刻も早く処理されるように、私、別に鮎川金次郎議員にうらみも何もございませんけれども、やはり参議院のあり方として委員長一つ要望しておきます。そういうような方向で今後取り計らってほしいということを申し上げておきます。
  80. 田中茂穂

    田中茂穂君 今、阿部君から御指摘のあった点、当初私が申し上げましたように、きょうの議院運営委員会でそういう話が出されるとは全然思われなかった。突然お出しになったのですが、われわれとしても御意見は十分尊重して、党に持ち帰って、党としても十分一つこの問題について協議をいたしたいと思いますので、この次の機会、できるだけ早い機会ということで、理事会あたりで一応この問題についての話し合いをしようということにしていただきたいと思います。
  81. 光村甚助

    光村甚助君 最後に……。請暇は三日で切れるはずなんです。そうすると、これを一週間ずつ切ってやれば、十回やれば七十日、二十回やれば百四十日、これが、合法かどうかということは大へんな問題です。そういうことになったら総長にはすぐに社会党にも通知してもらいたい。そういうばかなことはやらぬだろうと思いますが。議長の方にもお願いしておきますが、私が言ったように七日で区切って十回やれば七十日、二十回やれば百四十日ですから、松野さんは名議長ですからそういうことは許可するはずはないと思います。自民党の圧力に屈しないと思いますけれども、お願いしておきます。
  82. 田畑金光

    ○田畑金光君 一つ希望を申し上げておきますが、先ほどから手続についての実情というものが明らかにされたわけです。われわれとしては、この問題が言うなれば国民の非常な怒りを買っている問題だと見受けるわけです。もちろん現在は選挙責任者が逮捕されたという段階でございますが、この段階がやがて御本人身辺に及ぶというようなこともこれは一つの常識として判断されるわけで、そういう時期に海外旅行という問題が起きたので、必要以上にこれは世間の疑惑を招き、またこの問題の処理いかんが非常に不安を招いているとみるわけです。議員辞職勧告とか、あるいは自発的にやめてもらうとか、議員の身分に関する重要な問題でございますから、われわれは軽々しく今この問題についてどうこうとは申し上げ得ませんけれども、ただ私は、こういう段階において、しからばどうするかという問題になっていきますと、やはりそれは与党の立場におかれて十分これは善処されることが、一つ国民に対する責任だろうと考えるわけです。すなわち、こういう問題が起きますならば、当然、それは党は党としての規律もありましょうし、あるいは党は党として、その責任においてこの問題の解決の方法があろうと考えております。今の段階において、身分に影響するような解決の方法はわれわれといたしましても慎重に考慮しなくてはならぬと思うのですが、ただ捜査身辺に及んだから海外渡航するんだと、こういう疑惑だけは免れないと思う。もしあくまでも白であるとするならば、堂々と受けて立つくらいの態度であってほしいと思うのです。やはり私は与党としてもそれくらいの配慮をなされることは国民に対する責任であると、こう考えておりますので、まあ私は、今の段階においては、そういう立場において与党が国民に対して十分この問題の処理を政治の上からみても間違いのないようなあり方で処理されることを希望しておきたいと思うのです。さらにその処理いかんによっては、われわれとしては今後の態度というものを考えていかねばならぬ、こう考えておるわけで、希望として申し上げておきます。
  83. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 私も今の田畑君の説に全く同感です。とにかく参議院全般が非常にああいう記事疑惑を持たれている。ですから、やはり議院の面目として、党の党員をかばうことは非常に大事なことであろうと思いますが、それよりも参議院の権威とか面目というものが大事なんです。与党で十分一つ考えになって、自主的に善処されることを望みます。
  84. 北條雋八

    ○北條雋八君 私も今加賀山さんの言われた通りでございます。これはほんとうに党派の問題ではございません。参議院議員としての非常に重大な問題だと思いますから、少くともこういう疑惑を持たれておるこの際渡航するということは、病気のいかんにかかわらず、やめてもらうように御善処をお願いしたいと思います。
  85. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時十分散会