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曾祢益君 それじゃお答えにならないので、断絶した場合のことを伺ったのですけれ
ども、お答えがないようですから次に移ります。
これは森
委員からも御質問がありましたビルマに対する影響です。これはなるほど、
条約局長でしたかアジア局長の
答弁の中にありましたように、
金額その他の
一般的待遇からいえば、やはりビルマとして、インドネシア、フィリピンとの均衡ということを、
ベトナム賠償が済んで、いわゆる
賠償の最後のときに再
交渉の大きな課題にするとは思います。しかし、だからといって
ベトナム賠償については無関心であろうとは思いません。従って、いわば過去にさかのぼって、インドネシア、フィリピン
賠償が甘かったと、あるいはビルマとのバランスがどう、いろいろ
議論はあろうと思いますけれ
ども、今や最終段階において、ビルマに少なくとも
賠償全体の━━またその中にはこの
ベトナムに対する必ずしも適当でないこの
賠償が含まれて━━再
交渉の問題が起こっておる。それに対して
政府は、一体どういう基本的な態度で臨もうとするか。私をして言わしむるならば、これは
日本国民の利益を守る国会議員の
立場からいって、
一つでもよけいな負担をかけたくない、かけさしたくない、従ってこの
ベトナム賠償が、南にやってはいけないという政治的の
立場は別として、私はそういう
立場ではないけれ
ども、少なくとも累を将来に残すこと、明瞭なる二重払いは、
日本が別に
外交上押しつけられて二重払いすることにならないにしても、少なくとも統一した場合の
ベトナム政府、あるいは北
ベトナム政府との
関係で、非常にまずい
外交状態が起こるということはマイナス、しかも北
ベトナムとの貿易もあぶなくなる、こういうマイナス面も含みながら、この
賠償を無理にやってしまう、こういうふうにして、そうしてビルマにはね返って、一等初めに、比較的
日本に好意を持った当時のビルマ
政府が、しかもいわゆる社会党
政府であって、ウ・チョウ・ニェン氏がいわば政治的生命をかけて、大きな
意味から
日本との経済協力なり親善ということを
考えて、比較的まあまずい条件、
あとから
考えてみればまずい条件で
賠償の個別的な
協定成立に非常に大きな力をしてくれたビルマの
立場も
考えると、どうも正直者がばかを見たという感じをビルマが持つというのは、これは無理からぬ。私はそういう
意味で、どの国に対して徳に親善とかいうことではありませんけれ
ども、ビルマがこの
賠償全体を見て、しかもこの
ベトナム賠慣も含めて、
日本政府のやり力から見て、おれの方だけ損をしたじゃないか、一等先にやって一等先に損したという、正直者がばかを見たという感じで再
交渉してくることは、これは私は
一つ十分考慮しなければならぬ、こう思うのです。それをもう今の
政府みたいに、正直ものがばかを見るのがあたりまえだという態度で内政、
外交をやるということはいけない、しかし、だからといって、われわれは直ちに、それならばその積み上げで
ベトナムが強行され、従って、そのことも、あおりを受けて、ビルマにそれじゃどんどんと
支払いをたくさんやれということもこれも言えないわけです。一体、その問題について、
政府は、どういうふうな誠意ある態度で、いかなるステーツマンシップを発揮するつもりなんですか。この点を伺いたい。