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佐多忠隆君 この協力会社なり
経団連で
説明をしておるところによりますと、それから清水団長もそういう話をしておりますし、さらには経済協力のために
経団連の千賀というのですか、この人あたりが
説明をしているところによると、そうでなくて、やはりまずさしあたり向こう一年間
海軍工廠で海軍技術員の
技術指導にあたるのだということを言い、そういうことが特殊な
任務である、こういうふうに言っております。それは先ほど申し上げた向うからの
技術協力の
内容、人を指定して来た場合の
内容からいってもおのずからうなずかれる問題じゃないか、こういうふうに思う。さらに私
軍要員がおりませんかということを聞いたのですが、これは駐留軍に勤務しておる
日本人、これは
アメリカの駐留軍に勤務しておる人と出ておるのですが、名前もあげていいですが、名前はことさらあげません。あるいは
アメリカ陸軍の検査官をしておるこれも
日本名の人、これは二世なのか、純粋の
日本の
技師なのか、そこいらはわかりませんが、勤務場所はそういうところ、そういう
人たちがこの十数名の中に入って行っておる。これらの点から見ても、これが純粋な軍事協力であり、しかも先ほど私が申したように、
造船所を新たに
増強をし、
海軍工廠を
増強をし、さらに
ニヤベ軍港を
建設をし
増強をする、そのための
技術協力技師であるということが非常に明瞭だ。しかも清水団長、あるいは千賀、あるいは先の会社の社長の石塚、これらの
人たちが話したところによりますと、これらの契約をする場合には、なるほど名目的には
ベトナムの
国防省が相手であるけれ
ども、実質は全部
MAAGの
人たちがいろいろな契約その他話し合いには全部相手になって当たった。しかもさらに出先の
ICAなり
MAAGなりという
人たちが、直接ないろいろな判断はなかなかできないので、非常にさまつだと思われるようなことに至るまで、一々
ワシントンの本国に問い合わせ連絡をしながらいろいろな話をきめて行った。従って数カ月の間でこの契約ができるはずだったのが、一年半でしたか一年四ヵ月目でしたか、そうかかったし、向こうに行ってからも
MAAGの
指揮、監督、そういうのが非常にきついものであるということを話しております。それらの点を
考えるとこれは完全な軍事協力である。
アメリカ側が
ICAあるいは
MAAGを通じてそういう軍事
増強をやっている。それが先ほ
ども申しましたように、
国際監視委員会にいろいろ指摘されて退去を
勧告されたり等々があって、現われておりますが、その片棒を
日本が
技術協力の名の下にかついでいるということ以外の何物でもないように思うのですが、私が初め、
ベトナムに対するそういうことがジュネーブ
協定あるいは最終宣言で禁止をされている、そのために
国際監視委員会ができている、そういう点からは
日本もそういう
趣旨に沿ってそういう点は慎重に
考えなければならないし、なおそういう点はむしろやるべきでないというふうなことを前
一般的な議論として申し上げたのですが、そのときには大臣はその
通りだと、
一般的に原則的にはその
通りだといういう御返事だった。ところが、一つ一つの事実を具体的にあげて参りますと、
アメリカ自身がそれを破っているのみならず、
日本がまたそれの片棒をかついでそういう軍事協力なり
軍事援助、軍事
増強、そういうことを非常に積極的にやっている。しかも
技術協力の第一歩としてそれが重要に取り上げられ、今後それが拡大していく契約になっている。それらの事実が非常に明瞭になってきていると思うのですが、
外務大臣は、これらの点をどういうふうにお
考えになるのか。今後
賠償を進め、さらには
借款、あるいは経済協力、
技術協力というような問題をお進めになる際に、これらの問題について、どういう態度なり、どういう
意見を持って対処しようとされるか。その辺を大臣にお聞きしたい。