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吉田法晴君 私は、まあ
事態は
藤山さん御存じなかったのだと、あるいは外務省も知らなかったのだと、そこで、その外務省等で知らぬところで
賠償交渉が進められ、あるいは金額もきまった、あとからこのことについて説明をしろと言っても、実際には説明ができないのが事実であろう、それが
衆議院段階での
政府委員その他の説明が十分できなかった原因だと、こうまあ
考えてきたのですが、
藤山さん、今になっては自分がやったように説明をしなければならぬ、こういう
立場に立たれていることはわかりますけれ
ども、実際にやられていることは大へんなんです。それから、あるいは
戦争責任者
ども、あるいは向こうについても、この太平洋
戦争の最中にも軍に協力をしてきた人間が、これはフランスは駆逐をしたけれ
ども、そのかわりに
アメリカを背負い込んで、
アメリカのかいらい政権になっていること、これはまあ事実であります。その政治がいわれるような民主政治にならないで、あるいは弾圧政治をやっている点も、あるいは腐敗も、それからインフレその他の失政も、これは
アメリカの国会で取り上げられたように、これは否定するわけに参りません。その
アメリカのかいらい政権、そうして
関係者が、その手のよごれた諸君が相談をし合い、そうして実施をしていくところに、どうして、とにかく
藤山外相が当初言われたような
戦争のおわびをし、そうして償いをして、両
国民の間にきれいな
友好関係を打ち立てるということができましょう。この点を強く
指摘をして、私が南
ベトナム賠償に反対をしているゆえんを明らかにしておきたいと思うのです。
ところが、この
最後に否定をされておりますけれ
ども、
賠償の中身あるいはダニム・ダムの発電所であるとか、あるいは軍需品の修理工揚としての工業技術センターという名前のもの、これは名前は工業技術センターと書いてあるけれ
ども、軍需品の修理工場であることは、これはみんな知っております。しかも、この工事にしても、すでに工事が始められている、あるいは下請といいますか、工事の請負をやるのがだれであるか、こういうことまでもきまっている、こういうことがいわれている。これは自民党の政調会でもきまっているという話ですが、こういう事実があります。あなたたちは否定をされるけれ
ども、ある
ベトナム語のわかる通訳を雇いたいと、ある商事会社が言っておった。その通訳さんが問い合わしたところが、その会社からは、
衆議院でも
ベトナム賠償は通った、あなたたちの強引な、疑問が残っているにかかわらず
質疑打ち切りや強行突破でとにかく通った。そこで、だんだんまあ有利になってくるようですから、どこそこに使ってもらうかどうかについては、それは松下さんに御相談されるがいいでしょう、こういうお話をしている。工事をだれとだれがやるということもきまっている、あるいは工事もすでに始められている、あるいは使う通訳や人間のことまでもうきまっている。こういうことが明らかになっておって、今までの、事実まあ否定もなさらぬ、肯定もなさらぬけれ
ども、その岸さん、あるいは植村さんも中に入ったのでありますけれ
ども、向こうでゴ・ディン・ジェムに取り次ぐのは松下氏、そうしてその工事をやる人間、あるいは下請けまで、あるいは配線工事まで、これはみなきまっているんじゃないですか。あるいは鹿島組も、あるいは松本組も入ることはきまっている。こういう
事態で、どうしてあなたの言われるような贖罪をし、そうして
友好関係を復活するということができますか。