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1959-11-17 第33回国会 参議院 外務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十一月十七日(火曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————   委員異動 十一月十四日委員坂本昭辞任につ き、その補欠として加藤シヅエ君を議 長において指名した。 本日委員加藤シヅエ辞任につき、そ の補欠として戸叶武君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鹿島守之助君    理事            井上 清一君            苫米地英俊君            森 元治郎君    委員            青柳 秀夫君            大谷藤之助君            笹森 順造君            杉原 荒太君            永野  護君            佐多 忠隆君            戸叶  武君            羽生 三七君            大和 与一君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  小林 絹治君    外務大臣官房長 内田 藤雄君    外務省欧亜局長 金山 政英君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   説明員    外務省経済局次    長       高野 藤吉君    食糧庁業務第二    部長      村田 豊三君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○千九百五十九年の国際小麦協定の締  結について承認を求めるの件(内閣  提出) ○在外公館の名称及び位置を定める法  律等の一部を改正する法律案内閣  提出)   —————————————
  2. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告をいたします。  本日加藤シヅエ君が委員辞任され、その補欠として戸叶武君が選任されました。   —————————————
  3. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件、本院先議を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。質疑のある方は、順次発言願います。なお、政府側から小林外務政務次官高野経済局次長村田食糧庁業務第二部長倉通産局次長が出席いたしておられます。
  4. 羽生三七

    羽生三七君 この国際小麦協定について、すでに他の委員会から前に御質問があって、ダブることになれば私は取りやめをいたしますが、お尋ねいたしたいことは、前にこの協定を結んだ際、当委員会で十分論議された点は、通常のコマーシャル・ベース輸入する場合と協定価格の場合との利害得失、さらに、日本協定を結んでおった今日まで、過去において通常商業ース協定価格実施との間にどういう利害得失があったか、この問題であります。従って、最近の世界食糧事情等から見て政府として、この協定を引き続き継続していくことが、今後とも日本のために、また日本食糧事情からいって有利なのか。その見通し、つまり過去の利害得失と今後の見通しを、抽象的なことでなく、その単価等をあげて具体的に一つお答えをいただきたいと思います。これは、前にあってダブることになれば恐縮ですが……。
  5. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) お答え申し上げます。  第一点の、旧協定と新協定との利害得失でございますが、旧協定におきましては、日本側といたしましては、百万トン義務量義務づけられておりまして、最低価格を割った場合に、国際市場におきまして協定上の最低価格よりも値段が安い場合に、その協定上の最低価格、すなわち高い値段で百万トン買わなきゃならぬという義務があったわけでございます。新協定におきましては、その考え方が変わりまして、日本が、たとえば、一九五九年度の総輸入量の五〇%だけその年度内に買えばいいのだ、すなわち、値段が非常に下がった場合にでも、すぐその最低価格で買わなくても、年度内に五〇%だけ義務量を遂行していればよろしいという関係になりまして、非常に弾力性ができたわけでございます。それで、新協定は、それ以外に、最高価格ニドルから一ドル九十セントに下がったという点、それからイギリスが新協定に入ったということで非常に有利になりまして、非常に改善の跡を見たという感じになっております。  それから第二点でございますが、過去においてこの協定に入っているためにどういう利益があったかという御質問と存じますが、その点は、一九五一年に、朝鮮動乱の際に非常に小麦価格が上がりまして、協定内の最高価格で約四十五万トン買いまして、非常に得をいたした例がございます。  それから第三点の、今後利益はどういうものかという御質問かと存じますが、これは、国際商品協定というものが大体保険的な制度でございまして、非常に小麦が過少になった場合に、輸入国日本としては得をするわけであります。それから過剰という場合には輸出国利益を保護する。この協定自身輸出国輸入国利益の妥協によってできているわけでございます。今後日本としては、国際小麦が過剰の傾向において得はないのじゃないかという御質問も前にございましたが、政府の見ますところでは、この最低価格すなわち一ドル五十セントよりも下がる懸念はまずない、と申しますのは、各国とも国内的にやはり農産物のあまり下がらないようにするために価格維持の政策をとっておりますし、そういう観点から、日本といたしましては、今までずっと入っておりましたし、またイギリスが今度入りまして、ほとんどおもな生産国及び消費国がこれに入っておりますから、保険的な意味及び国際的な協調という意味から、これに入っているというのは非常にいいことかと存じます。
  6. 羽生三七

    羽生三七君 抽象的にはそうだろうと思います。それはわかりますが、具体的に、この協定実施中に日本輸入した総量ですね。それと、もし協定に入っておらないために、普通の、通常取引輸入した場合と相対的に比較してみて、具体的に金額上どれだけの得があったかと、今ここで、私、採決前には資料要求などいたしません。しかし、政府としてはそのくらいな具体的な答弁があってしかるべきだと思うのです。過去、この協定実施して以来、この協定に加入しない場合と比較してみて、これだけの利益はあったと……。単に抽象的な問題になるのなら、それは、政府が不利益協定をいたしますと言うはずはないのだから、利益があるにきまっている。利益があるなら、具体的にどんな利益があるか。今後ともはたして、通常取引とこの協定による場合と、もう少し具体的にその利害得失が明らかでないと、単にイギリスが入ったから、あるいは二ドルが一ドル九十セントになったから有利であるというようなことだけでは、少し説明が不十分じゃないかと思いますが、もう少し確信のある答弁をしていただきたいと思います。
  7. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 御趣旨はごもっともでありまして、私の言葉が足りなかったかもわかりませんが、過去のこの協定実施上、最高価格を割ったことは、先ほど申し上げましたように、朝鮮動乱の一九五一年にございまして、日本は非常に得をしました。しかし、最低価格を割ったことはございませんので、従いまして、大体この協定価格内、すなわち最高価格最低価格内で国際小麦が安定しておりまして、実際上は保険制度によりまして、最高価格のときに日本が得しただけでございまして、この協定があるがためにお互いに小麦価格維持ができたということで、結論的には、実際的な今御質問趣旨の点は出ておりませんが、最低価格最高価格を原則として割らぬということが小麦協定趣旨でございます。先ほど申し上げた通り、実際の数字は、四十五万トンばかり最高価格で買えたという点だけでございます。
  8. 羽生三七

    羽生三七君 いやどうも、もう少しやはり利害得失がはっきりせぬと、通常で買った場合にはこれだけと、総量に対してこれだけの日本では代価を払った、協定価格の場合はこれだけ、それを差引、彼我比較してこれだけの利益があったという、そういう得失がもうちょっと大まかな点でわかってこないと、私はこまかいことは言いません。日本経済全体の上で有利であったかどうかという総体的な判断です。
  9. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 御質問趣旨は、旧協定におきまして協定上の買付幾ら、非協定上の買付幾らという数字が出ているので、その点の御指摘かと存じます。それで、新しい協定では、そういうあれは出ておりませんので、旧協定上どうしてそういう数字が出たかと申しますと、先ほど申し上げましたように、旧協定におきましては、日本といたしましては、百万トン必ず買わなければならぬ。それが最低価格を割った場合、最高価格を出た場合に義務づけられる。そうして日本といたしましては、いつそういう事態が起きるかわからぬので、協定上買う場合に、協定上これを買い付ける、ないしは非協定上これは買い付けるのだということを報告いたしまして買うわけです。しかし、これはやはりいつも価格帯内でございまして、協定上百万トンだけ買い付けておけば、あと最低価格を割った場合にも安い値段で買える。従って協定上早く百万トンだけ買いたいという一種のテクニカルの問題で、旧協定においては、そういう名目上、協定上の買付、非協定上の買付としたわけでございます。しかし、いつもそれは価格帯内において実態においては変わらないから、あとの計算上そういうことをした、安全保障のために。この協定では、今度協定上の買付、非協定上の買付ということはございませんで、最後に、年度末におきまして、日本が一年間で総輸入の五〇%だけ買っていればよろしい、そういう関係になるわけでございます。
  10. 羽生三七

    羽生三七君 もう一点だけ……。私のお尋ねするのは、百万トンの中の五〇%がどうこうという技術的な問題でなしに、かりに前に協定に入っておらなかったとした場合、それから、事実は入っていたけれども、日本がそれを比較した場合に、協定に入っていたことによってどれだけの利益が実際上出てきたと推定されるのか、それをお尋ねしておるわけです。今後もまた、協定を結ぶことによって、無協定の場合と比較して大体政府としては、世界経済の推移あるいは日本食糧事情等を勘案して、日本のために協定をさらに継続することの方がはるかに有利であるとかどうであるとかいう、そういう問題で、協定内部のテクニカルの問題じゃないのです。だから、大まかな点だけ一つ……。
  11. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) その点は、先ほど申し上げましたように、一九五一年度に四十五万トンの買付という点が、この協定に入っているために非常に利益した点でございます。将来どうかという場合には、これは大体価格帯維持されておりますが、非常に小麦値段が上がった場合には、日本は一ドル九十セント以上で買わなければならぬという場合が起きるかと思います。その場合の安全度として、協定を結んだ方がいいと思っております。
  12. 羽生三七

    羽生三七君 もう一点。今の世界食糧事情からいって、非常に小麦価格が上がって、そうして日本はこれに入っておることによって多くの利益を得るということにはならぬと私は思う。これは質問じゃありません。意見ですが……。
  13. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 今の質問に関連して。日本は、毎年アメリカ余剰小麦を買い付けておるわけなんですが、過去においてこの委員会でその問題が出たときに、あたかも日本アメリカから高い小麦を買わされておるというような非難が起きたことを私は記憶しておるのです。つまり日本は高い小麦を買わされておるという、そういう点であります。この余剰小麦買付ということは、市場価格によるということになっておるというふうに記憶しておるのですが、市場価格という点と今度のこの小麦協定とはどういう関係になっておるか。ただいまの羽生委員の御質問の中にもそれがあったと思うのでありますが、私はよく理解しなかったので、もし日本の総輸入額の五〇%以内の数量アメリカから買うとしたならば、市場価格といえどもこの協定の定める範囲内でその買付価格がきまるわけだと思うのであって、もしそうだとすると、不当にアメリカから高い小麦を売りつけられるという、そういう心配はないように思われる。そういうふうに理解していいものですか。ちょっと御説明をいただきたい。
  14. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 日本は、過去昭和三十年及び三十一年に二回ばかりアメリカ余剰小麦を買いましたが、それ以後は買っておりません。しかし、現在アメリカは、ほかの国に余剰農産物を出しております。しかし、この小麦協定商業取引だけに適用されるものでございまして、アメリカ余剰農産物取引は、この協定の適用には入らないわけでございます。  それから、過去におきまして非常に高い値段でやられたがという御質問趣旨でございますが、これはやはり、大体国際価格によってきめられたものだと私は了解いたします。しかし日本は、今後はアメリカ余剰小麦を買う予定はないように私は聞いております。だから、過去三、四年は買っておりません。
  15. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 今のお話で、何年以後はアメリカから買い付けてないとおっしゃったのですか。
  16. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 昭和三十一年以降です。
  17. 戸叶武

    戸叶武君 関連して。この前イギリス小麦協定に加入しなかったのは、あの当事カナダ豪州小麦が安くて、それをイギリスが相当買い入れなければならない立場があったからだと思いますが、今度イギリスが加盟したおもなる動機は、どういうところにありますか。
  18. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) この前イギリスが入らなくて今度入った動機はどういう理由かという御質問でございまするが、第一点は、われわれの了解しておるところによりますと、同じコモンウエルズ━━今御指摘カナダ、オーストラリアから小麦価格維持のためにどうしても入ってくれという点が第一点。第二点は、この前イギリスが入らなかった一つの大きな理由が、最高価格が高過ぎる、従ってイギリスの主張の、ニドルから一ドル九十セントに、十セント下がったという点が第二点でございます。それから第三点、先ほど申し上げました、イギリス立場として、百万トン必ず買えというのを義務づけられては国内操作上因るという点を主張しておりましたが、今度は、それが年間ースにおいて、日本は五〇%でありますが、イギリスは八〇%ときめられておりまして、そういう余裕のある、フレキシブルな協定になったということで、イギリスとしては満足いたしまして入った、そういうふうに了解をしております。
  19. 戸叶武

    戸叶武君 やはりイギリスでも、高い値段で売りつけられるということの問題点が前にはあり、それから、今度は値段が下がったということと、イギリス側受け入れも可能な限界が示されたという点から来ているようであるし、もう一つは、カナダ豪州小麦価格の安定ということに由来があったように、日本とはだいぶ違いますが、日本では、今手元に数字を持っておりませんが、私が農林委員会予算委員会で聞いた範囲では、日本の麦作というものは非常な圧迫を受けているのです。アメリカ小麦と競争が成り立たない、農民は、麦を作ったのじゃ割に合わないというので、果樹に転換したりその他に転換いたしまして、麦の作付が非常に減退しているというのは、おもに余剰農産物受け入れ、特に小麦日本市場に殺到して参りまして今ではたしか輸入麦の方が多いのじゃないかと思いますが、非常な額になっていると思います。そういう形で今後いると、日本の一番困難な畑作地帯の麦というものには大きな打撃が与えられると思うのです。そういう問題に対して、外交上の問題が国内農業生産の方に非常に影響が与えられるのですが、外務省農林省は、その問題の基本的な話し合いなり調整をやったことがありますか。どういう工合にやっておりますか。
  20. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 国内産輸入量関係で、国内生産を今後圧迫しないかという御質問で、農林省の方から御答弁があればと思いますが、外務省といたしましては、国内生産をまず第一に考えまして、その足りないところを外国から輸入するという建前で、国内生産は、生産量におきましても、また価格操作においても圧迫しないという建前でこの輸入を勘案する、そういうふうに外務省としては了解しております。
  21. 羽生三七

    羽生三七君 ちょっとそれに関連してお尋ねします。  現在日本外国から輸入している小麦総量幾らかということ、それから、通常取引協定との割合はどうなっているか、これはもちろん資料がおありだと思いますから、そこで説明願います。
  22. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 三十三会計年度におきまして、国内産小麦は百二十八万一千トンになっているのであります。それから輸入は二百二十六万六千トンでございます。この内訳は、大体食糧用は二百万トンに予定しております。飼料用といたしましては二十六万トンばかり輸入しているわけでございます。それから、御指摘協定上及び非協定上の買付はどうだという御質問でございますが、これは、先ほど申し上げたように、昨年の三十三年八月から三十四年七月、これが小麦年度になっておりますが、協定によりまするものが九十五万トン、それから協定によらないものが百三十九万八千トン、合計二百三十四万八千トン昨年度輸入している次第でございます。
  23. 戸叶武

    戸叶武君 その値段には開きはありませんか。
  24. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 値段には、銘柄とか輸入国によって違いますが、違いはございません。
  25. 戸叶武

    戸叶武君 先ほど国内生産というものを第一に考えて圧迫しないという結論を出しておりますが、それは外務省としての結論でしょうか、農林省としての結論とはずいぶん違うようですが、政府統一見解は、あとで何らかの機会に追及することがありますが、念のために伺っておきます。
  26. 村田豊三

    説明員村田豊三君) ただいまの御質問に対しまして、農林省立場からお答えをさせていただきたいと思います。  確かに御指摘のように、もし全然外国からの輸入につきまして国内的に措置を講じません場合には、戸叶委員の御指摘通り外麦は非常に安い価格国内に入ってくることになりますので、国内農業圧迫は、それはもう必至でございます。しかし、現在政府のとっておりまする外麦に対しまする輸入措置といたしましては、一つは、輸入数量統制をいたしております。食糧庁が、御承知のように、食糧管理特別会計で、一元的な買入れ統制をいたしておる点が第一点。それから第二点は、価格についての統制でございまするが、これはまた、戸叶委員よく御承知通り、内麦につきましては、食糧管理法の定めまする一定の価格決定手続に従いまして、生産者保護の見地から、国内麦支持価格がきめられているような次第でありまするが、外麦につきましては、その内麦の価格とは全然別個に、一言で申しますると、内麦と外麦とは価格的には遮断をされておるのであります。すなわち、安い外麦が入って参りまするけれども、国内でそれを政府が払い下げまする場合には、内麦の価格は、もちろん法的には一応参考的に基準にはなりまするけれども、入って参りまする外麦の品質なりあるいは歩どまりでありまするとか、あるいは市場価格、需要の度合いでございますけれども、そういうものを勘案して、外麦外麦の別途な価格政府が払い下げをしておるような現状でございます。従いまして一応外麦と内麦とは、数量的にも価格の面からも遮断をされて、極力内麦への影響というものを回避するような措置をとっておりまするので、直接的には御指摘のような点は起こらないというように理解をいたしておる次第であります。
  27. 戸叶武

    戸叶武君 私が聞いたのは、外務省の方では圧迫しないと断言しているが、圧迫しないのかしているかということに対する質問で、現実的な数字として、麦の生産がどのくらい減っておりますか。
  28. 村田豊三

    説明員村田豊三君) 麦の生産年次別傾向といたしましては、さほど減っておらないのであります。年次的に御参考までに申し上げますと、三十一年産は百三十七万五千トン、三十二年産が百三十三万トン、三十三年産が百二十八万一千トン、この年やや減っておりますが、三十四年産は、百四十一万二千トンというふうに、また持ち直しておりまして、全般的には、大体横ばい傾向をたどっております。これは、大体作付傾向から見ましても、確かに戸叶委員指摘のように、同じ麦の中でも大麦、裸麦あるいは小麦の三麦別に、多少の振れはございますけれども、大体横ばい傾向をたどっております。
  29. 戸叶武

    戸叶武君 ちょっと、その数字では比較にならないじゃありませんか。あなた御承知のように、小麦協定は一九五六年よりなので、一九五六年以降の数字だけをあげたのでは数字の根拠にならないので、それ以前の数字とどういうふうに違いがあるかということが問題になるのですが……。
  30. 村田豊三

    説明員村田豊三君) さかのぼりまして、昭和二十五年ごろからの傾向を申し上げますと、昭和二十五年が百三十三万八千トン、昭和二十六年が百四十八万九千トン、昭和二十七年が百五十三万七千トン、昭和二十八年が百三十七万五千トン、昭和二十九年が百五十一万五千トン、昭和三十年が百四十六万七千トン、それと、ただいま申しました三十一年につながるわけでございますが、傾向としましては、確かに御指摘のように、昭和二十七年ないし二十九年ごろをピークにいたしまして、多少漸減傾向をたどっておることは、御指摘通りでございます。
  31. 戸叶武

    戸叶武君 先ほど、やはり安い価格が入ってくると圧迫されるので、こういうコントロールがされているので非常にいいのだという点を言われましたが、事実上において、麦の方の値段というものは、ほかの米やその他の農作物から比較すると、値がずっとたたかれてきているのが現状であり、しかも今度はタバコなんかでも、麦の値段というもののべースに引きずりおろして、タバコ値段がやはりたたかれてきておるようで、このごろは、米は特殊であって、農作物においての価格が、麦を基準にぐっと押えつけられるような方向に来ておるので、この麦の日本に対する小麦協定なり、余剰農産物受け入れ態勢なりというものによって、日本農民が非常な圧迫を受けておるのが事実なんで、そういう問題は、また別の機会に譲りますが、どうも外務省で先ほど答弁されたのと、今日日本の農政を預かって農林省が苦悩しておるのとの間には、ずいぶん隔たりがあるように思われるので、これはまた、別の機会質問いたしますが、これらをもう少し調整しておいてもらいたいと思います。
  32. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) ほかに御質疑ございませんか。━━他に御質疑もございませんようですから、本件に対する質疑は、終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  34. 井上清一

    井上清一君 私は、ここに提案されております国際小麦協定に対し、自由民主党を代表いたしまして、賛成意見を表明いたしたいと思います。  小麦協定は、世界小麦取引とその価格を安定せしめるものでありまして、年間二百数十万トンを輸入しておるわが国として、まことに有利であると考えるのであります。すなわちわが国として、年間商業輸入量の五〇%を協定価格帯内で買い付けておりますれば、価格が騰貴いたしまして市価が最高価格を上回ったときにおきましても、過去の商業輸入実績の全景まで最高価格買付できるよう保証が与えられることになるのであります。また逆に、たとえ協定に入っていなくても、安い小麦が買い得るという結果にはならないのでございまして、今回も引き続いてこの協定に入りますことは、わが国立場から申しまして好ましいことであると考え、本協定賛成の意を表するのでございます。
  35. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) ほかに御意見ございませんか。  ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  37. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 多数でございます。よって本件は、多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。   …………………………………
  39. 鹿島守之助

    委員長鹿島守之助君) 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(本院先議)を議題とし、引き続き質疑を続行いたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。政府側からは、内田官房長、金山欧亜局長、北原参事官が出席いたしております。質疑のある方はございませんか。━━それでは、本案に関する質疑は、本日のところはこの程度にとどめ、次回に続行することにいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時二十三分散会