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1959-10-26 第33回国会 衆議院 農林水産委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十四年十月二十日)(月曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 吉川 久衛君    理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君    理事 永田 亮一君 理事 丹羽 兵助君    理事 本名  武君 理事 赤路 友藏君    理事 石田 宥全君 理事 芳賀  貢君       安倍晋太郎君    天野 光晴君       今井  耕君    加藤常太郎君       金子 岩三君    金丸  信君       倉成  正君    坂田 英一君       笹山茂太郎君    高石幸三郎君       中馬 辰猪君    綱島 正興君       野原 正勝君    早川  崇君       松浦周太郎君    松岡嘉兵衛君       松田 鐵藏君    三田村武夫君       三和 精一君    保岡 武久君       足鹿  覺君    角屋堅次郎君       神田 大作君    久保田 豊君       栗林 三郎君    實川 清之君       中澤 茂一君    中村 時雄君       日野 吉夫君    西村 関一君       松浦 定義君 ————————————————————— 昭和三十四年十月二十六日(月曜日)     午後零時十九分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 秋山 利恭君 理事 永田 亮一君    理事 丹羽 兵助君 理事 本名  武君    理事 赤路 友藏君 理事 石田 宥全君    理事 芳賀  貢君       安倍晋太郎君    倉成  正君       笹山茂太郎君    高石幸三郎君       松岡嘉兵衛君    松田 鐵藏君       保岡 武久君    角屋堅次郎君       神田 大作君    栗林 三郎君       實川 清之君    中澤 茂一君       松浦 定義君     —————————————  委員外出席者         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件につきましてお諮りいたします。  すなわち、今会期中におきましても、農林水産業の種々の重要問題の調査をなすため、議長に対し国政調査承認要求をいたしたいと存じます。調査を行う事項は、  一、農林水産業の振興に関する事項  二、農林水産物に関する事項  三、農林水産業団体に関する事項  四、農林水産金融に関する事項  五、農林漁業災害に関する事項  以上の各事項とし、調査目的及び方法等につきましては委員長に御一任を願い、議長に対し承認要求書を提出いたしたいと存じます。  以上について御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 前国会農林漁業災害に関する調査小委員会において決定いたしました台風第十五号等対策に関する件につきまして、丹羽兵助君の発言を許します。
  5. 丹羽兵助

    丹羽(兵)委員 本年夏期以来累次の災害が発生し、特に七号、十四号等台風農林水産業に対し相当の被害をもたらしたのであって、わが委員会としては、そのつどこれが対策について鋭意検討を続け、それぞれ適当な対策樹立に努めたのでありまするが、去る九月二十六日にはいわゆる伊勢湾台風の来襲を見、人的、物的両面における損害は未曽有の規模に達したのであります。言うまでもなく、農林漁業に関する被害もまた巨額に達し、二十八年災の場合に勝るとも劣らない打撃を与えたのであります。  これが対策樹立は焦眉の急と相なり、わが委員会としても、数回の会議を開いて、農林大臣以下政府当局出席を求めて被害状況を聴取するとともに、政府のとった応急対策、今後とらんとする対策を質問し、早急かつ適切なる対策樹立に関し、政府を支援し、鞭撻して参ったのであります。しこうして委員会としては対策の細目を協議するために災害対策調査小委員会を開会することとし、十月二十四日には対策要綱を取りまとめたのであります。本二十六日には災害対策等審議のため特に臨時国会召集を見たのでありますが、今後設置さるべき災害対策特別委員会審議に備えるためにも、閉会中に協議いたしました災害対策をこの際わが委員会の今後の方針とするため、本日本委員会においてその結論を御報告申し上げることといたした次第であります。  以下、案文を朗読いたします。    昭和三十四年七月、八月及び九月の暴風雨及び豪雨による農林水産業被害対策に関する件(案)   七月、八月及び九月の暴風雨及び豪雨(以下伊勢湾台風等という。)は、愛知、三重、岐阜、長野、山梨、京都、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、福井、兵庫の各府県を初め、全国各地本邦開闢以来の大惨害をもたらし、死者五、〇〇〇人余、物的損害は六、〇〇〇億円の巨額に達する。農林水産業の受けた打撃もまた言語に絶する。   政府は、災害対策樹立のため本日臨時国会召集したが、深刻極まる今次災害の状態に深く思いをいたし、被災農山漁民の救済に万全を期するため、左記各項の実現につき最高の努力を傾倒すべきである。     記  一、農林水産業施設災害復旧事業に関する事項   (一) 伊勢湾台風等に対する特例措置として暫定措置法第三条第二項の規定にかかわらず、農地農業用施設林地荒廃防止施設奥地林道一般林道漁港施設及び共同利用施設に対する補助率を一律に十分の九とする。  二、「暫定措置法」の適用上、次のものはこれを共同利用施設又は農業用施設とする。    (イ) 農業協同組合、同連合会森林組合、同連合会又は水産業協同組合の所有する事務所、倉庫、農産物加工施設農村工業施設共同作業場発電施設配電施設充電施設製材場しいたけ加工施設わさび育成施設樹苗育成施設水産物加工施設漁船修理場漁船機関修理場製氷冷凍冷蔵施設船揚場網干場。    (ロ) 新農山漁村建設総合対策要綱等に基き、農事実行組合等部落団体が国又は地方公共団体から補助を受けて実施した共同利用施設。    (ハ) 開拓地における住宅、農舎(開墾作業用居住施設収納舎作業場農具舎堆肥舎等)、畜舎(牛、馬、めん羊、豚、鶏)、共同利用施設生産物の貯蔵、加工及び処理の施設)。    (ニ) 水産動植物真珠、のり、貝類、魚類等)の養殖施設及び加工施設。    (ホ)農業共済組合、同連合会の所有する事務所。    (ヘ) 小型漁船。    (ト)その他政令で定める施設。   (三) 一の(一)にかかげる高率補助を行う地域指定基準を二十八年    災の例に準じて大幅に緩和する。   (四) 改良復旧目的を達成するため、災害関連助成事業費復旧事業費同額又はそれ以上計上する。   (五) 被害干拓地は全て国費をもって復旧するものとする。   (六) 緊急を要する災害復旧事業は、五、三、二を目途として早期完成を図る。   (七) 被害を受けた牧野及び牧道復旧に必要な事業費の二分の一を補助する。  二、三万円以上十万円未満の被害農地及び農業用施設等復旧事業については「昭和三十四年七月、八月及び九月の暴風雨及び豪雨により被害を受けた地方公共団体起債特例等に関する法律」(仮称)を制定し、被害地方公共団体による全額起債を認め、これに対しては国から農地については五〇%の、農業用施設等については六五%の元利補給を行なう。この際、被害の著しい市町村指定基準を緩和する。  三、農地湛水を排除し又は塩害を除去するために行なうかんがい排水施設設置及び管理若しくは客土又は石灰等の施用の事業に対して立法措置を講じ、その事業費につき湛水排除にあっては一〇〇%、除塩にあっては九〇%の国庫補助を行なう。  四、農地農林水産業施設、漁場、漁港農山漁家等に堆積したでい土、砂れき、岩石、太材等を除去する事業に対し立法措置を講じ、その事業費につき全額国庫補助を行なう。  五、公共土木施設災害復旧事業に関する事項   (一) 伊勢湾台風等に対する特例措置として「国庫負担法」第四条第一項各号の規定にかかわらず、同法第四条第一項第一号の場合については十分の八、同第二号の場合については十分の九、同第三号の場合については十分の十の補助率とする。   (二) 災害関連助成事業復旧事業同額又はそれ以上計上する。補助率は三分の二とする。  六、天災融資に関する事項   (一) 被害農業者又は特別被害農業者の認定をする場合、家畜被害及び畜産物収入の減少をも算入してこれを行なうようにする。   (二) 経営資金中に、初生ひな、仔畜、和牛、乳牛及び豚の購入に要する資金を加える。   (三) 貸付限度十五万円を五十万円に引上げる。真珠養殖業者経営資金については一百万円とする。   (四) 償還期限五年以内を八年以内に、据置期間を三年以内とする。   (五) 金利は、被害農林漁業者に対しては六分五厘以内を五分五厘以内に、開拓者に対しては五分五厘以内を四分五厘以内に引下げる。   (六) 被害農林漁業者に対し生活資金貸付けうる特例措置を講ずる。  七、自作農維持創設資金に関する事項   (一) 金利年五分を三分五厘に引下げる。   (二) 農地売渡しを受けていない被災入植者に対しても本資金貸付を行なうことができるようにする。   (三) 貸付枠及び貸付対象を拡大する。   (四) 開拓者に対し別枠を設定する。   (五) 貸付限度額引上げる。   (六) 既貸付金の借替又は償還延期措置を講ずる。   (七) 貸付手続簡素化を図る。  八、農林漁業金融公庫資金に関する事項   (一)政府出資金を増額する。   (二) 果樹植栽、保育、附帯施設等に必要な長期低利資金貸付けることができるようにする。   (三)資金枠の拡大と貸付金利の引下げ及び手続簡素化を図る。   (四) 主務大臣指定災害復旧対象施設貸付限度額引上げ貸付金利を引下げ、また、既貸付金の借替又は償還延期を行なう。また、対象施設にケージ及びふ卵育雛施設を加え、畜舎中に豚舎及び鶏舎を含める。   (五) 被害真珠養殖業者の筏、母貝、稚貝、その他養殖に必要な器具等購入資金については共同利用施設又は主務大臣指定施設資金枠を拡大して貸付けるものとし、この際、金利を引下げる。   (六) 被害林業者に対する伐採調整資金貸付限度額引上げ資金枠を拡大する。  九、農業改良資金助成法に基き貸付けた技術導入資金償還が行なわれないため、爾後の貸付計画の財源に不足を生ずる場合には、国は未償還額に相当する額につきその全額補助する。  一〇、伊勢湾台風等により被害を受けた開拓者に対しては開拓者資金融通法第一条第一項第一号の資金貸付けるものとし、この場合、償還期間は十二年とする。  一一、農業災害補償に関する事項   (一) 共済金の仮払い及び保険金概算払いを早急に実施する。   (二) 建物共済に関する保険金の支払いに必要な資金の供給を円滑にするため、適当な措置を講ずる。   (三) 果樹共済実施につき検討する。  一二、森林火災保険及び水産業協同組合共済会が行なう建物共済保険事故又は共済事故に風水害を加えることについて検討する。  十三、食糧及び飼料対策に関する事項   (一) 被害生産農家に対して概ね生産者価格で米穀の安売り及び代金の延納措置を講ずる。   (二) 等外米規格外米政府買入れを行なう。   (三) 本年度予約米減額補正を行なうこととし手続きを簡素化する。   (四) 有畜被害農家に対して政府所有飼料売渡しを行なう。   (五) 本年産米予約概算金返納期限の延長及び利子の減免を行なう。   (六) 被害の激甚な干拓地等であって、当分の間稲作の見込のない地域農家に対して予約概算金の全部又は一部の返納を免除する措置を検討する。  一四、資材等に関する事項   (一) 再生産に必要な種子、種苗、稚魚、稚貝、肥料、薬剤等購入に要する経費の一部を補助する。   (二) 果樹棚(支柱を含む)の設置及び、果樹、桑、茶等改植に必要な資金の一部を補助する。   (三) 家畜被害を受けた農業者に対しては、家畜無償貸付、又は家畜購入費補助を行ない、若しくは、「有畜農家創設特別措置法」に基いて実施する家畜導入事業標準単価引上げ資金貸付ける。   (四) 畜舎の消毒及び家畜伝染病予防に要する経費の一部を補助する。  一五、統計調査職員農林漁業組合指導員農業共済団体職員専門技術員農業改良普及員、耕地又は山林関係市町村職員開拓営農指導員養蚕技術員等活動等に要する経費を増額するものとする。  十六、「物品の無償貸付及び譲渡等に関する法律」に基く国有林野からの林産物(風倒木を含む)の売渡しについては法令の解釈を拡大し、被害を受けた県及び市町村に対し、一率五〇%の減額を行なうも   のとする。また、被害農家が必要とする建築材料を「予算決算及び会計令」に基き国有林市町村に一括売払う場合にはその売払代金を無担保、無利子、一カ年以内の延納を認めるものとする。  一七、被害農業者等現金収入を確保するため、国及び府県災害地の実状に応じて既定公共土木事業繰上実施又は新規事業災害復旧事業を含む)の実施を行なうものとする。特に国有林は強力に協力するものとする。  一八、国は個人所有堤外農地をこの際買上げるよう措置するものとする。  一九、農業気象観測施設整備充実をはかることとする。  以上であります。
  6. 吉川久衛

    吉川委員長 ただいまの報告の趣旨はまことにごもっともであります。本日設置される予定の災害対策特別委員会において十分その趣旨が達成されるよう、特別委員になられる諸君の努力とともに、われわれもまた努力を続けたいと思いますので、さよう御了承下さい。  暫時休憩をいたします。     午後零時四十二分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕