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1959-11-06 第33回国会 衆議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十四年十月二十六日)(月 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の 通りである。    委員長 福田  一君    理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君    理事 高橋  等君 理事 辻  寛一君    理事 前田 正男君 理事 飛鳥田一雄君    理事 受田 新吉君 理事 木原津與志君       今松 治郎君    内海 安吉君       小金 義照君    纐纈 彌三君       始関 伊平君    正力松太郎君       田村  元君    谷川 和穗君       富田 健治君    中川 俊思君       橋本 正之君    保科善四郎君       山口 好一君   茜ケ久保重光君       石橋 政嗣君    石山 權作君       柏  正男君    中原 健次君       西尾 末廣君    八木  昇君       柳田 秀一君     ————————————— 昭和三十四年十月二十八日(水曜日)各会派割当 数変更後の本委員は、次の通りである。    委員長 福田  一君    理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君    理事 高橋  等君 理事 辻  寛一君    理事 前田 正男君 理事 飛鳥田一雄君    理事 受田 新吉君 理事 木原津與志君       今松 治郎君    内海 安吉君       小金 義照君    纐纈 彌三君       始関 伊平君    正力松太郎君       田村  元君    谷川 和穗君       富田 健治君    中川 俊思君       橋本 正之君    保科善四郎君       山口 好一君   茜ケ久保重光君       石橋 政嗣君    石山 權作君       柏  正男君    中原 健次君       原   彪君    柳田 秀一君       内海  清君 ————————————————————— 昭和三十四年十一月六日(金曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 福田  一君    理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君    理事 高橋  等君 理事 辻  寛一君    理事 飛鳥田一雄君 理事 受田 新吉君    理事 木原津與志君       小金 義照君    田村  元君       谷川 和穗君    富田 健治君       橋本 正之君   茜ケ久保重光君       石橋 政嗣君    石山 權作君       柏  正男君    久保 三郎君       中原 健次君    原   彪君       柳田 秀一君    内海  清君  出席国務大臣         国 務 大 臣 赤城 宗徳君         国 務 大 臣 中曽根康弘君  出席政府委員         防衛庁参事官         (長官官房長) 門叶 宗雄君         防衛庁参事官         (防衛局長)  加藤 陽三君         調達庁長官   丸山  佶君         科学技術政務次         官       横山 フク君  委員外出席者         防衛庁参事官         (経理局長)  山下 武利君         総理府事務官         (調達庁不動産         部長)     柏原益太郎君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   原田  久君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局次長)  島村 武久君         総理府技官         (科学技術庁原         子力局次長)  法貴 四郎君         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 十月二十八日  委員八木昇君及び西尾末廣君辞任につき、その  補欠として原彪君及び内海清君が議長指名で  委員に選任された。 十一月六日  委員今松治郎君及び原彪辞任につき、その補  欠として大久保武雄君及び久保三郎君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員久保三郎辞任につき、その補欠として原  彪君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十月二十六日  駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正す  る法律案石橋政嗣君外二十二名提出、第三十  一回国会衆法第六九号) 同月三十一日  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五号)  在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部  を改正する法律案内閣提出第六号)(予) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  国の防衛に関する件      ————◇—————
  2. 福田一

    福田委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。当委員会といたしましては、本会期中、前国会通り調査する事項といたしまして、一、行政機構並びにその運営に関する事項、二、恩給及び法制一般に関する事項、三、国の防衛に関する事項、四、公務員制度及び給与に関する事項、五、栄典制度調査並びに栄典法案起草に関する事項といたしまして、議長承認を得たいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。     —————————————
  4. 福田一

    福田委員長 この際お諮りいたします。去る第三十二回国会閉会中におきまして、行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度等実情調査のため、各地に委員を派遣いたしたのでありますが、その口頭報告は省略し、便宜会議録に参照として掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。  なお本調査は、担当委員諸君が熱心に調査した貴重な報告書でありますので、関係各官庁におかれては、これらの報告書十分検討の上、行政面につき適宜活用されんことを要望する次第であります。      ————◇—————
  6. 福田一

    福田委員長 国の防衛に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。  飛鳥田一雄君。
  7. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 防衛庁の方がまだ見えておりませんから、中曽根さんに伺いたいと思いますが、東海村のコールダーホール型の原子炉設置されるということについて、科学技術庁の方で公聴会お開きになった。その公聴会お開きになりましたときに、茨城県の岩上知事その他大ぜいの方々から、付近にあるアメリカ軍爆撃演習場が取り除かれることが望ましいし、それが前提条件であるというような意見が出て参りました。公聴会でありますから、当然その意見をお聞きになるべき筋合いのものであろうと思いますが、こうした爆撃演習場返還要求について、あなたの方でどういう御措置をその後とられたか、これを伺いたいと思います。
  8. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 公聴会茨城県の知事さんからそのような公述がございました。私もあそこに爆撃演習場があるよりも、ない方がいい、より安全である、そういうこともありますし、また茨城県の方はあの辺に工場を誘致して、相当大きな都市計画工業地帯としたいという希望もありますので、そういう点も考えまして、私たちもあそこにない方が好ましいと思っております。そうして防衛庁責任者に対してそういう希望だけは伝えておきました。しかしコールダーホール型炉審査については、安全専門部会で目下審査しておる最中でありますので、その結論等も見まして、原子力委員会等とも諮りまして正式には考えたいと思っております。
  9. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういうごく手ぬるいことで一体よろしいのかどうか。あなた御自身も八月十一日の科学技術委員会において返還交渉をする、こうお述べになっていらっしゃるはずです。これは速記録に残っておることでありますから、あなたも御記憶だと思いますが、八月十一日から現在に至るまで約三カ月近いもの、この期間を、返還交渉をする、こうあなたの方でお述べになったままほっておいてよろしいのかどうか。今伺いますと、防衛庁長官の方にその希望を述べておいた、こういうお話ですが、希望を述べておいたという程度で済むべきものかどうか、こういう点について私の方では非常に疑問を持たざるを得ないわけです。しかも、これは新聞紙の伝うるところでありますから、必ずしもその通りといえるかどうかはわかりませんが、この返還交渉をせらるべき当の役所、すなわち調達庁小宮山総務課長は、政府としては正式に交渉をしたことはただの一度もない、こう述べておられるわけです。これでは委員会における大臣方発言というものが単なる発言に終わってしまう、こう私は思うのでありまして、もう一度この点について詳しくお述べをいただきたいと思います。
  10. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 調達庁側の経過については、いずれ調達庁から御回答があると思いますが、われわれの方といたしましては、現在コールダーホール型の発電炉をあそこへきめるかきめないかという問題がありまして、もし演習場があるということが絶対的に危険であるというならば、われわれはその問題も考えなければならぬ。それは設置を取りやめるか、あるいは演習場を移すか、どっちかしなくてはいかぬと思っております。しかしそれが絶対的なものでなくて、望ましいという程度のものであるならば、これは行政協定安保条約との関係もありまして、必ずしもこれを最後的条件としてやるべき問題でもないと思っております。従いまして安全審査部会結論等を待ちまして、科学技術庁といたしましては正式の意思をきめたい、そう思っておったやさきであります。
  11. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 演習場が絶対的に安全であるかないか、そういうことを私は伺っているわけではないわけです。あなたが八月十一日科学技術委員会において返還交渉をするとお述べになった事実がありますから、それではそれ以後三カ月の間にどういう交渉をなすったのかということを聞いておるのであって、交渉をすることがよかったか悪かったかという価値判断を伺っているわけではないのであります。ですから八月十一日にそういうことをお述べになった速記録を伺いますと、それが望ましいとかあるいは決定を見たあと交渉をするとか、こういう条件おつけになっていらっしゃらない。そういう条件をつけずに交渉するとお述べになっていらっしゃるわけですから、政治家がお述べになった、しかも正式の委員会でお述べになったその言葉をどのように具現せられたかどうかということを一番最初に伺っているわけです。今後順々に演習場との関係安全性云々の問題はこまかくこれから伺っていきたいと思いますが、ともかく冒頭に一個の政治家がお述べになった言葉に、どれだけの責任をお持ちになっているのかということから伺っていきませんと、私たちもあやふやな問題をあやふやな形で過ごしていくわけにはいかない、こう考えますので、この問題を劈頭に伺っているわけです。繰り返して恐縮ですが、八月十一日に何らの条件おつけにならずに返還交渉をするとお述べになったその言葉がどのように具現をせられたのか、ただ単に防衛庁にその希望を述べておいたというだけであるというならそれでけっこうです。事実をお述べをいただきたい。こういうことです。
  12. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 科学技術特別委員会におきましては、ない方が望ましいと思うので自分返還交渉に努力いたしたい、そういうことを述べた記憶があります。絶対にそれを取り払うとか、取り払わなければこの問題はきめられないとか、そういうことは申し上げたことはないように記憶しております。従いましてこの問題は一方におきましては地元の要請もあり、また一方におきましては防衛庁米軍側の事情もあると思いますので、その間の情勢をよく調べまして、そしてどの程度態度ではっきりとした交渉をしたらいいのか、そういうことを検討しておったのであります。しかし一応ない方が望ましいという考えは今でも持っておりますので、そういう希望の表明だけはしておきまして、防衛庁当局におきましても御研究を願っておったのであります。
  13. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 結局ない方が望ましいとお考えになっており、そういうお気持防衛庁当局にまで吐露せられた、そういう事実以外にはない、こう伺っていいと思うのですが、しかしこれは事実の問題ですからそれ以上深くはお伺いいたしません。ただ希望を申し上げれば、少くとも委員会において返還交渉をすると——かりに内心的にない方が望ましいという考え方からお述べになったとしても、するとお述べになった以上は、もう少し具体的なステップをとっていただく必要があるのじゃないか、こういう感じが私はいたします。  そこで、それではこの演習場がない方がいい、こういう御説明でしたが、そういう御説明についてもう少し深くお伺いいたします前に、あらかじめ意見の違いを出しませんために、共通の意見に到達をしておく必要があるだろう、こう私は思います。と申しますのは、このコールダーホール型の原子炉を設定せられるについては、一般交通事故だとか一般の事件とは違った取り扱いをすべきだろう、こう私は思うわけです。九九%安全であるならば、一般の場合ならばまあよかろう、こういうことで決定をいたします。だがしかし九九%安全であるからまあよかろうという一般の原則が、このコールダーホール型の原子炉設定について適用になるのかどうか、私はその百に一つ、万に一つの場合も十分考えていくべき対象であろう、こう考えるわけです。もうすでに何らかの手違い、何らかの事故によって放射能が放出せられてしまいますならば、今の段階では取り戻しがつかない、こういう点を考えて参りますと、しかもその取り戻しのつかないものが何万人に及ぶか、何十万人に及ぶか、われわれの力では今測定できかねる状況でありますから、従ってこの場合には万が一ということもあり得てはならないという厳格な態度をとるべきではなかろうか。九九%安全ならばそれでいい、こういうお考えであるのか、この点についてこれからだんだん伺っていきます前にあらかじめ伺っておきたい。万が一のあやまちがあってはならない。少くとも人知の及ぶ限りにおいて、その万が一を救済すべき態度をとるべきであろうか、いや九九%安全が測定できるのであればそれでいい、こういう態度であるのか、一つその点についての御意見を伺いたいと思います。
  14. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この問題は科学的に正確に解析いたしまして、科学的な結論としてこれで安全であるという結論が出た場合には、われわれはそれを信用いたしたいと思っております。われわれが常識で考えたり、あるいは科学的でないいろいろな条件を付与して考えるということはなるたけやめまして、純粋に科学的に分析しまして、そして危険度の算定をやりまして、これで大丈夫だという判定が出ましたら、それを信用いたしたいと思います。
  15. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 科学的な分析に基づかれるということは私も賛成です。だがしかし科学的といいましても、現在の段階では世界じゅうの全科学者が一致して争うことのできないような結論に到達できるかどうか、こう考えて参りますと、科学的と申しましてもその科学それ自身の中に一つ意見の相違があり、そしてまた科学の進まざるために判定し得ざるものがあるだろう、こう私は考えますので、そういう点についてもただいたずらに科学的とお答えになりますことによってすべてが終わるという態度は、一つこの際慎んでいただきたい。ある学者はよしと言い、ある学者は危険があると言う。しかし私たち科学の範囲では、このA、Bの学者のいずれが正しいという決定をし得る段階にない場合がしばしばあるのではないだろうか。少くとも私たち自分たちの知恵とか自分たち科学とか、こういうものについてももっともっと謙虚な態度をとるべきだろう、こう考えるわけです。しかしその問題は議論をしておりましても切りがありませんから、お答えを願わぬでけっこうです。  ただここで科学的とおっしゃること以外のエレメントがありはしないか、すなわちそれはこのコールダーホール型の原子炉近傍に存在する米軍訓練場爆撃演習場、これからくる被害、これから予想される被害というものは、あなたのおっしゃるように科学的ということで片づくだろうか、むしろ私は非常な危険をここに感ぜざるを得ないわけです。訓練場がここにあって万が一の危険もないとおっしゃる、その根拠を一つ聞かしていただきたい。今お答えになりませんでしたから、私は万が一の危険があってもならないという立場にあなたはお立ちになるもの、こう私は推定して今伺うわけです。
  16. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 科学的という意味は、放射能許容量とか、あるいはそのほかの点から見た基準というものがあるわけであります。たとえば放射能許容量にいたしましても、ICRPの勧告というものがありまして、それを受けて科学技術庁の告示が出ております。そういうような現在国際的に認められておる基準中心にいたしまして、それで判定を行なっておるわけであります。その基準に合格しておるならば私は安全であると思います。その基準自体もぎりぎりの線をきめておるのではないのでありまして、ある程度のアローアンスを持ったきめ方をしておるようであります。その基準よりさらに安全度を持っておるような場合には、まず国際的に見て安全であると考えなければならないと思います。それでもし万一、たとえばコールダーホールの炉に飛行機がぶつかった場合、あるいは模擬爆弾が落下した場合、そういうことを力学的にも計算し、構造的にも分析してみた場合、どういうことが起るかということをすべて解析してみるわけであります。そのときにクーリング・ガスの中にどの程度ヨードが出るか、あるいは機械の機能が停止したために、どういう反応が炉の中に起るか、すべてそういうものを科学的に分析しまして、その基準に合わせて判定するということになると思うのであります。そういうことで安全度を確かめております。
  17. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、大臣飛行機コールダーホール型にぶつかる場合、それから練習用爆弾その他の爆弾が当たる場合もあり得るということをお考えになっておるわけですか。
  18. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 すべてこういう原子炉のような新しいものを作る場合には、考えられる最悪事態基準にして考えておかなければなりませんので、万一の場合もいろいろ考えておるわけであります。
  19. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、飛行場訓練場がこの周辺にあって、東海村が危険区域であるということを前提にしての御計算なのですか。それとも危険ではないが、万が一ぶつかった場合はどうだ、こういうお話なのですか。
  20. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 危険ではないが、万が一ぶつかった場合を想定して、いろいろ対策を講じ、分析もしているわけであります。
  21. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そのぶつかった場合のお話は、あとでゆっくり伺いますが、まず第一にこの飛行場周辺に非常に誤投誤爆がある。そうしてしかも東海村の上を飛行機が通る可能性がある、こういうことについては、どうお考えになっているでしょうか。これは科学科学とおっしゃいますが、やはりあの周辺住民気持から言いますならば、非常な危険を感ずるわけです。そして日夜上を飛ぶ飛行機、落ちてくる爆弾、こういうものを見て、当たっては困る、当たったらおれたちは、という気持が非常に強かろう。どんなに科学的とおっしゃってみたところで、この恐怖心を除くことは不可能です。従ってあの周辺住民の心理的な問題も考え、そして現実に起ってくる被害考える、こういうことが必要だろうと思うのですが、そういう点であの上を飛行機が飛び、そして誤投誤爆があの付近に起きて、それが当たる可能性がある、こういうふうにお考えになっておっしゃっているのかどうか。
  22. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 安全審査部会におきましては、八月ごろからこの問題に取り組んでみまして、どういうものがどれくらい落ちておるかというようなことを防衛庁の方に資料をいただきまして、解析して参りました。先般総評から申入書をいただきましたので、これは公式に防衛庁当局からそれをもらっておかなければいけないと思いまして、正式に防衛庁長官に私から申し入れまして、正確な書類をいただいたのであります。それが権威ある資料でありますから、そういうものを中心にして、さらにいろいろ検討を重ねておるわけであります。その防衛庁資料によりますと、八年間に模擬爆弾が間違って落とされたのは百五十七件になっております。これは総評がお示しになった数字よりも少なくなっておるようであります。飛行機の墜落が一年間十一件、薬莢とか、その他吹き流しとか補助タンクが落ちたのが十二件、そういう数字になっております。そうしてもう一つの問題は、日航とかその他の航空路がどういうふうになっておるかということも調べてみましたが、航空路はだいぶはずれておりまして、あの上の方は通っていないようであります。そうしますと、問題はあの演習場における演習ということが、やはり問題になるようであります。この問題を中心にいろいろ解析してみるつもりでおります。
  23. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 あの飛行場の上における演習ということが問題になる、こういうお話ですが、しからばその演習は危険はないのか、こういうことが一番重要な問題であることは、私も同感です。一体あの演習場の上で行われる演習が危険がないのか、こういうことについて、どうお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
  24. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 飛行機が墜落した場合とか、あるいは間違って模擬爆弾が落下したとかいう場合の、いろいろな構造上及び放射能漏出等の解析の結果は、危険であるという結論は出て参りません。最悪事態をわれわれは予想しており、最も悪い地震よりもまだ安全率があるようであります。われわれの予想しておる最悪事態というものは、炉自体の毀損からくるという場合でありまして、その場合の方が放射能の漏れる危険性があるわけであります。その場合にも耐え得るように今設計が行われておりまして、そういう点から見ましても、われわれは危険であると断定することはできないのであります。
  25. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 今あなたはここで爆弾お話ばかりなさいましたが、模擬爆弾のみを使っておるとは私たちには考えられないのですが、いかがでしょうか。
  26. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 われわれがいただきました資料によりますと、模擬爆弾のみでありまして、それは爆発しないものであります。大体鋳物でできておりまして円筒形になっております。落下しても爆発するものではありません。
  27. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それは今模擬爆弾を使っておるというので、将来模擬爆弾にあらざる実用爆弾を使用するということはあり得るのではないですか。
  28. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 将来使用するおそれは私はないと思います。その点は防衛庁の方の関係でありますが、先方と防衛庁との了解では、そういう限度で演習が行われるということを聞いております。
  29. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 はなはだお説教がましくて恐縮ですが、行政協定の第三条を見ていただきたいと思います。ここにはこう書いてあります。「合衆国は、また、前記施設及び区域に隣接する土地、領水及び空間又は前記施設及び区域近傍において、それらの支持、防衛及び管理のため前記施設及び区域への出入の便を図るのに必要な権利権力及び権能を有する。」その区域内における権利権力権能を有することは当然でありますが、従ってアメリカ軍はこの演習場日本政府より提供を受けておる以上、これに関していかなる使用方法を行なうか、こういう問題について権利権力権能を有するわけであります。従ってこれが、だろうとか、そういうことはなかろうとかいうことは、単なるあなた方の観測にすぎないわけであります。そうしてもしこの権利権力権能日本政府の側から制約しようとするならば、それは合同委員会に持ち出して双方の合意に到達しなければならないわけです。向こうが、よろしゅうございます、模擬爆弾しか使いません、こういうことをはっきりと譲歩して約束したときだけしか拘束力がないわけです。一体この演習場の使用の方法について、どういう日米合同委員会決定がなされておるか、お調べになっておりますか。
  30. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 防衛庁当局に聞きまして、調べてあります。
  31. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 どういうことですか。
  32. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 これは合同委員会におきまして、日本側とアメリカ側とあそこの基地の使用等につきまして、使用する時間とか、あるいは使用する地域とか、たとえば標的の位置のようなものも、今までは陸上にあったものを、ことしの五月二十一日に相談をし直しまして、正式に決定して海上に移しました。そういうように、あの使用につきましては防衛庁調達庁の要求もありまして、合同委員会において協議が整っておるようであります。
  33. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それではあとでその協議の整いました文書を私たちに見せていただきたいと思います。私の知っている限りでは、ないはずです。そしてこの演習場に関して、もし日米合同委員会の決議書があるとすれば、これだけです。一つよく聞いてみて下さい。ロケット及び百ポンド普通爆弾、これは模擬爆弾ではありません。GPと省略されておりますが、普通爆弾です。従ってこれは爆発します。このロケットについても模擬、訓練用ではありません。ロケット及び百ポンド普通爆弾を戦闘機から投下する場合の高度は七千フィートをこえてはならない。高度の制限があるだけです。それから高性能五インチ・ロケット、これはハイ・エクスプロシブと書いてありますから高性能爆発物を装填したものです。模擬でも訓練用でもありません。ハイ・エクスプロシブの五インチ・ロケットの標的は境界線から最低二千フィート離すこと、こう書いてあります。それから百ポンド練習用爆弾の投下の場合は磁石のさす北に向って二百八十四度の方向から入って二千フィート以下の高度をとらなければならない。これも高度と入っていく経路の指定があるだけです。それから水平投下のための標的は海岸線に接近して設置すべきこと、これきりないと私は思うのです。そして現にこの日米合同委員会の使用決定についてもちゃんとGP爆弾、普通爆弾ですね。それからHE爆弾、HEロケット、高爆発性能を持つロケット、こういうものを使用するということがはっきり書いてあるわけです。今の段階では模擬爆弾しか使っていないかもしれません。しかし彼らはちゃんと合同委員会でこういう権利を留保しておりますし、さらにまたこの合同委員会の決議書を見ましても、高度の問題の制限こそあれ、いかなる爆弾を使ってもよろしいようにできているはずです。決して模擬爆弾、訓練用爆弾だけなどということはどこを押したら出てくるのか、こう私たちは思わざるを得ませんし、かりに日本政府がどのように希望せられようと、今の行政協定第三条と合同委員会、こういう経路を考えていただければ、それは単なる願望にしかすぎないということがわかるわけです。単なる願望にしかすぎないそういうあなた方の感情の上に立って、コールダーホール型の原子炉を設定するなんという、そういう無謀なことをやっていいものだろうかということを私たちは非常に疑問に思わないわけに参りません。一体調達庁の方は、今中曽根大臣の言われたような、練習用爆弾しか使いません、こういう約束をどういう文書でとっていらっしゃるのですか、お示しいただきたいと思うのです。
  34. 丸山佶

    ○丸山政府委員 お話の水戸訓練場における使用条件は、今飛鳥田先生のおっしゃられた通りの合同委員会の取りきめがございます。それに関連しまして、お話通り過去において多数のいわゆる誤投下あるいは事故の発生を見ておりますので、これを防ぐために昨年来鋭意折衝を重ねまして、米軍の訓練方法あるいは装備あるいは飛行機の進行方向等いろいろ改善措置をはかって、区域外に爆弾あるいはその他のものが落ちることを防ぐ最善の措置を講ずる、その結果の結論といたしまして、先般五月には標的を海上に移す措置を講ずる、それに関連して、そこに燈火を設置するとか、その他の条件も定めております。なお進入路の問題も、お話通り従来磁方位二百八十四度で百ポンドのものに関しては入る、これは海上の方から北に向って東海村の方にいく、こういうことになりますので、これを変更する。その変更措置はどうしたらいいのか、いろいろ実際上の検討を重ねまして、この一両年においては東海村の方に通らない、むしろ陸から海上に出て南方に引き返すようなものを大きな爆弾の練習にはとっておる、これが実情であります。
  35. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 どうでしょう、中曽根大臣、今おっしゃるように訓練用爆弾だけではないのです。ハイ・エクスプロシブの爆弾も普通爆弾もないしは五インチ・ロケットも、どんどん使われる可能性もあるのです。それでもあなたはなおかつ絶対安全だ、こうおっしゃるのでしょうか。
  36. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 われわれが防衛庁の当局から聞きました範囲では、今までは模擬爆弾であって、爆発性のものは使用していない、このように承知しております。
  37. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 今私申し上げたので、おわかりをいただけると思いますが、日米合同委員会、少なくともアメリカを規制し得べき——これも向こうが承諾しなければ規制できないことは御存じの通りです。こちらから無理に押しつけることはできないのですが、しかし一応規制し得る決定としては、今私が読み上げた通りです。私の訳ですから必ずしも正確だとはいえないかもしれませんが、大体大意はおとりをいただけたと思います。こういうものしかないのです。ところがあなたの方はもう九日に安全度について決定をするという。あと三日しかない。このまぎわにあなたはこの程度の事実をも御存じないで、練習用爆弾についての強度試験だけなさっている。こんなずさんな話ってあるでしょうか。今あるかないかではなくして、彼らは権利権力権能を持っており、その可能性はここでちゃんと担保されておるわけです。もし、ハイ・エクスプロシブの爆弾、ロケット、そうして普通爆弾である爆発する爆弾が使われる可能性がある、こういうことが今ここでおわかりをいただいてけっこうです。おわかりをいただいた場合に、あなたはもう一度その危険性について考慮してみる余地はありませんか。
  38. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 われわれが防衛庁当局から正式にいただいた資料では、模擬爆弾ということでありまして、爆発性の爆弾は使っていないということであります。そういう百ポンドとか、五百ポンドとかの爆発性のものを使っておるなら、条件が違いますから、再検討しなければならぬと思います。
  39. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 今丸山長官から、私が読み上げました合同委員会決定通りだという御返事がありました。これは文書にしないでも、丸山長官の御説明がここであったのですから、速記録にも残っておるわけです。従って当然あなたは再検討をせられる、こういうことに伺ってよろしいでしょうか。
  40. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 丸山長官に今聞きましたら、模擬爆弾を使っておるので、爆発性のものは使っていないそうです。
  41. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 丸山さんに伺いますが、僕が読み上げた合同委員会決定はにせものだとおっしゃるのですか。今使っているか使っていないかということでなしに、使われる可能性があるかないかということを申し上げておるのです。
  42. 丸山佶

    ○丸山政府委員 私が先ほど申しましたのは、合同委員会における使用爆弾あるいは使用条件ということはおっしゃられる通り、こう申し上げたのでございます。しかし実際においては模擬弾を使用しておる、このように私は思っております。
  43. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 くどいようですが、彼らの行動を制約できるのは、合同委員会決定以外にはないわけです。それに定められない範囲は、行政協定三条に従って、権利権力権能を持つはずです。従って、彼らは普通爆弾、高性能爆弾、ロケット、こういうものを使い得るのです。それは得るというのであって、今現に使っているか使っていないかという問題とは別です。これくらいの区別はつけていただけるだろうと思います。しかし現にアメリカ軍演習の都合でそれを使ってないとしても、彼らが使った場合にわれわれは文句を言えない立場にあることも御了承をいただけるだろう。そうだとすれば、当然中曽根長官の今のお答えに従ってその点については十分再検討してみる、こういうふうに伺ってよろしいのだろうと私は思いますが、この点いかがでしょうか。
  44. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 今まで米軍がやってきた演習方法の範囲内ならば安全であろうとわれわれは考えております。しかしそれ以上の、われわれのところに来た資料以上の大きな爆発性のものでも使っているならば、これは再検討しなければならないと思います。
  45. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 くどいようですが、使っているならばというが、使う可能性があるのです。こういう問題はやはり一つ十分考えていただかなければいかぬでしゃう。そうして今あなたは使っていないとおっしゃいますが、武器というものは日進月歩です。お隣に赤城さんがいらっしゃるが、よく御存じのはずです。きょうのものよりもあす、あすのものよりもあさってのものというふうに、日進月歩で行くのです。だから、アメリカが使っている爆弾が今までと同じ程度に永遠にとどまっていくというのならば、今の演習形態がそのまま続行されていくだろう、こう考えてよろしい。しかし爆弾がどんどん高性能になっていき、しかもここで演習されているものは主として原爆用のものらしいのですが、そういうふうに爆弾が伸びていき、発展していく形の中で、投下の方式あるいは演習の方式、こういうものもどしどし変わっていくわけです。そういう変わっていくということを全然考慮に入れずして、今こうだからいいじゃないか、こういうことではナンセンスじゃないでしょうか。先ほど科学的とおっしゃったのですが、ぜひどうぞ一つ科学的にその点は考えていただきとうございます。当然その可能性がある以上、ここで将来使われるであろう爆弾、その爆弾の爆発力、こういうものも十分考えて、あなたの方で再検討下さるべき責任があるだろう。ここであなたと私が幾らか感情的になって議論をするのではなしに、これは国民に対するあなたの責務ではないだろうか、こう私は考えますので、その点はお互いに謙虚でありたい、こう思います。どうでしょう。この問題について普通爆弾、高性能爆弾、あるいはロケット等が現実に使われる可能性がここにはっきりと出ている以上、再検討を十分にしていただけるかどうか。これをもう一度、くどいようですが伺いたいと思います。
  46. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私といたしましては、現状を維持することが望ましいと思います。将来現在のやり方が変わるという場合には、日本側の同意を得るようにした方がいいと思っておりまして、そういうことを防衛庁の方に申し入れまして善処して参りたいと実は考えている次第であります。
  47. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 これは非常に暴論で、あなた、もしよろしかったら社会党においで下すってけっこうです。だって、現にこちらで希望してアメリカに押しつけられるなら、何も行政協定の改正とか、安保条約の問題とか、そんなことを議論する必要はないじゃないですか。現に行政協定の第三条で彼らは権利権力権能を持っているのですよ。そしてその権利権力権能というものはあまりにもあなた方の目から見ても広過ぎるというので、藤山さんがボン協定なりNATO協定なりにならって、これを権能の一字に改めたいと努力せられている。しかしそれは今彼らが非常に専断的な権利を持っておるということを前提にするからこそ、そういう努力を藤山さんがなさっているのでしょう。その努力に対する評価はわれわれは違いますが、しかし現実に努力をせられている。にもかかわらず、あなたは将来演習の形態を変えるときには、日本政府と相談することが望ましい。国内で望ましいというのならけっこうです。あなたが私たちにこうこうすることが望ましいとおっしゃるのならけっこうですよ、しかしアメリカに一体あなたが望ましいとおっしゃってみたところで、アメリカが日本政府が望ましいと考えたことすべてを実現してくれましたか。中曽根さん、正直いってあまりでたらめをおっしゃっては困るのです。行政協定の現実、そして合同委員会の現実、こういうものをじっくりと踏まえていただかなかったら、ここで私たちは夢物語をしているのではないつもりです。  それではまず第一番に伺いますが、日本政府が望ましいと考えたことすべてをアメリカが承知してくれた、こうあなたはおっしゃいますか。
  48. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 日米合同委員会の模様は、私の所管でありませんので、いずれ赤城さんから御答弁いただけると思いますが、ただいま申し上げました例でもわかりますように、陸上に標的があるよりも海上にある方が安全性が強いというので、こちらから申し入れしましたら、向うは海上に移す。それから飛行機は東の方へ反転しないで西の方へ反転するように要望をいたしましたら、大体その方にみなしてくれる。こういうわけで東海村の安全保護については、向こうも非常に協力的であると思います。従いまして、行政協定三条を振り回して、めたらやたらにあの権能を固守するという状況ではないように思います。私はあの飛行場の利用につきましては、現状維持以上に出ないことが望ましいと思いますが、安全審査部会結論が出ないうちは何とも発動できないわけであります。安全審査部会結論が出ましたならば、安全確保の点につきましては、外務大臣並びに防衛庁長官といろいろ協議したいと思っております。
  49. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それは順序が逆ではないでしょうか。安全が十分に担保せられる条件の上に立って初めて決定をせられるべきであって、決定をしてしまってから安全度を担保するような努力をする。本末転倒のはなはだしいものがあるのじゃないかと私は思います。同時に、あなたは標的を移してくれと言ったら移してくれた、進入の経路を変えてくれと言ったら変えてくれた、こう非常に楽天的におっしゃるのですが、しかしこの前もこの委員会で問題になりましたが、東京湾の入口、佐世保の入口、こういうところで、日本調達庁が、そこは区域外ですよということをはっきりと言い、海上保安庁が困りますと米軍に言い、再々その違法性を警告したにもかかわらず、堂々と掃海訓練をやったではないでしょうか。こういう事実もあるわけです。東海村だけに目を限定して、顕微鏡的な、虫めがね的な見方をすれば別かもしれません。しかし私たちはそうはいかないだろう。事はいやしくも放射能という、非常に大衆に影響を及ぼし得べきもの、こういうものを今私たちは取り扱っているのであって、先ほど来申し上げたように、万が一、百に一つもあやまちがあってはならないものをここで論議しているわけです。これ以上あなたに申し上げても、きっとあなたは意地でおっしゃらないでしょう。ですから、一つ申し上げておきますが、お帰りになりましたら、丸山さんの方から合同委員会の決議書をお取り寄せになって、くどいようですが、ここで使われているのは、普通爆弾も、高性能爆弾も、ロケットも使われているのだ、使われる可能性があるのだ、それについて使うといって彼らがどんどんおっ始めてしまって——彼らは一々そういうものを使うからといって日本政府に了解を求めてくべき義務はありません。残念でありますが、彼らはどんどん使ってよろしいのです。あとから、一カ月なり二カ月後に調達庁が聞きつけて交渉をする、何とかやめていただけませんか、こういう交渉をする。これが今までの現実でしょう。そういう事実を十分御検討になって、一つ今度の安全問題について十分御検討いただきたい、こう私は思います。  くどいようですが、最後にもう一度伺いますが、そうした事実を、今私が申し上げたようなことを御調査いただけるでしょうか。検討するとお答えになりがたければ、そういう事実を調査してみる、そしてそういう可能性があるかないかも考えてみる、こういうことのお約束はいただけるような気がしますが、どうでしょう。
  50. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私が聞いている範囲では、米軍当局と日本側と話し合いまして、原子力研究所あるいは発電炉に対して危険を来たさない程度のものを使う。そういう話し合いができておるようであると聞いております。しかし将来については、そういう的確な取りきめなりあるいは文書による交換なりしておく方が私は好ましいと思いましたので、そういう考えでこの問題を進めていきたいと思っております。この問題は全国民が非常に関心を持っておる問題でもありますし、また安全確保については安全を尽くさなければならないと思いますので、十分手当ていたしてやりたいと思っております。
  51. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 丸山さんに伺いますが、そういう東海村にコールダーホール原子炉が入る、従ってこれに対して危険のないような演習方法をとろう、こういう約束を米軍とはっきりとなすっていらっしゃいますか。今中曽根さんはそういうふうに聞いているというお話でしたが、これは国民としては非常に心配ですから、ありましたら何月何日、一体相手方の責任者はだれで、そのだれとどういうふうに話をして、どういう結論に達したかということを承らしていただきたいと思います。
  52. 丸山佶

    ○丸山政府委員 調達庁演習場米軍に提供して使わせる、これに関してはその目的あるいは付与条件を的確に守らせる。ということは、具体的には施設区域ときめた外に模擬弾あるいは薬莢を落とすということはございません。その中に限る。しかるにたまたまいろいろな事故被害が過去に起きた。これはどういう原因に基づくか、この原因を究明してその対策を講じ、将来にわたってこのようなことをなからしめる。これが私どもの使命でございまして、鋭意努力してきたわけでございます。従いまして何も東海村の原子力研究所に限らず、それ以外の工場地帯、人家密集地帯等、被害の大きいと思われるようなものに対して、そういう区域外のところに対して、そのような被害を及ぼすことが起きないような措置、こういうことではもう事故があったつど、あるいは先ほど申しました通り、全般的には昨年からいろいろ話し合いました結果、具体的には、一つは標的移動の問題あるいは航空路の転回方向の問題、これらは施設委員会あるいは合同委員会まで持ち上げて決定を見ておるのでございます。
  53. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 その合同委員会決定というのは、今僕が申し上げた決定以外にありますか。
  54. 丸山佶

    ○丸山政府委員 標的を移動したことに対する決定はございます。それに対する若干の付帯決定もございます。なお進入路の問題に関しては、現実に今やっておる方法が一番いいかどうかということでなお検討の余地があるので、そこまではまだ文書にはなっておりませんが、実情は東海村を避けて飛行するという方法をとっておるのでございます。従いましてその後の数カ月の状況を見ますと、幸いに模擬弾の区域外の投下はなかった。事故として考えられるのは、海上に飛行機が一機落ちた、薬莢が三カ所に落ちた程度でございまして、対策の効果が上っておると私は思います。
  55. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そうすると、どうもあなたから明確にお答えいただけないので、想像するより仕方ないのですが、今中曽根さんがおっしゃるように、東海村の原子炉に危険を及ぼさないような訓練方法をとるという明確な約束はどうもなかったように思われますが、ただ一般的に、日本全国の演習場で、国民に被害のないようにという交渉はし、そうしてこの演習場の場合でも、標的を移動してもらったということはあるかもしれませんけれども、それ以上の話はないように私には聞こえるわけです。ところが中曽根さんの方は、そういう約束をしたように私は聞いている。聞いている聞いているでもって、勝手にこんな重要な問題をきめられていいでしょうか。僕はこういうきめ方の態度に問題があるように思います。それではこういう問題は水かけ論ですから、私の申し上げたことを十分考えて御検討いただきとうございます。  続いて、この付近に、演習場以外に海上に危険区域が設定をせられておるということは、中曽根さんも御存じだろうと思いますが、どうでしょうか。
  56. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 一定のエリアが路線で示されているように承知しております。
  57. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 この危険区域の一番東海村に近いところは、おそらく千メートルか千二百トートルくらいしか離れていないはずだと私は思いますが、非常に扇形になっておりますこの危険区域の一番原子炉に近いところを見ていただきたいのですが、そこから見ると千メートル、せいぜい行って千五百メートルぐらいのところだと思いますが、こんなに危険区域に接着して東海村にコールダーホール型を作るということは、一体国民の常識に反していないでしょうか。
  58. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 東海村のエリアは、この危険区域には入っておらないのであります。それで今申し上げました話にもありましたように、定期の進入の経路というものは東海村でなく、むしろ南側に航空路ができているわけであります。そういう点から見ましても東海村があぶないとは思いません。
  59. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 ごく常識的なことですが、御了解いただいておかなければなりませんのは、この爆撃演習というのは定期航空とは違うのです。東京から北海道へ行くというのなら、一つの定期航空で一定路線の上をずっと毎回毎回行きます。しかし爆撃演習ですから当然いろいろな形態をとる。必ずきまったコースを飛んで、きまったコースで落として、きまったコースに脱出していく。こんなふうに考えることはむしろナンセンスでしょう。それであるからこそ扇形の危険区域というものが設定をせられているし、そしてコースのはずれたところにも飛行機が落ちているのです。十月二十四日ですか五日ですか落ちましたのも、これはあなたのおっしゃる飛行機の航路からはずれている、こういうところに落ちているのです。従って定期航空と爆撃演習の場合の飛行機の飛び方とは違いますよ。これをまず最初に考えていただきとうございます。  そこで、この危険区域というのは何のために設定されているのでしょう。もしあなたのおっしゃるように進入経路がきまっておって、その上を通って爆撃して出ていくというのならば、進入経路だけを危険区域に指定すればいいわけです。危険区域というのは一体何のための設定でしょう。危険という言葉はどういう意味でしょう。
  60. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 大体プロバビリティをもって危険の濃度をいろいろ考えてみて、この程度のエリアを確保しておけばこのエリア以外は安全だという意味でアローアンスをとって、少し広い土地をとったのだろうと思います。今まで飛行機の落ちた経験を調べてみますと、那珂湊市、前浜、磯崎沖にほとんど全部落ちているということは、この危険区域の南の端にほとんど落ちているという意味であります。これは南に旋回してくる、その途中で落ちているということでありまして、今までの経験から見ましても、北側の原研の方は安全であると考えております。
  61. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 あなたは安全委員会で耐震性について議論をする場合に、日本の今までの地震の経験だけにたよって議論をなすっていらっしゃいますか。私は当然今まで日本で起った幾つかの地震、そしてこの東海付近で発生した地震、そういうものの震度よりもはるかに高いものを基準にして、計算をなすっていらっしゃるだろうと想像していました。ところが今のあなたのお話を聞いておりますと、われわれの経験によればこっちに落ちる、経験によればこうだ、そういう経験だけに基づいてここで議論をされる。向こうへ帰ると、今まで起った地震よりもちょっと大幅の地震を予想して計算している。支離滅裂じゃないですか。やはりこの危険区域というのは、その区域の中に一つ可能性がある、こういうことで、しかも大きな可能性があるからこそ一応区切っている。しかしこの危険区域に接近した部分でも、それよりも幾らか程度は低いかもしれないけれども、危険があるという事実は否定はできないだろう、こう私たちは思うわけです。この扇形にできた海上の立ち入り禁止区域から東海村まで約千メートルぐらいしか離れていない、こういう事実を一つもっとすなおに考えていただいて、万が一ということがあり得てはならないという立場から、もう一度あなたは検討をしていただくことはできないでしょうか。現に一九五九年の六月、第六回ローマ国際原子力会議立地安全部会、こういう部会でイギリスのファーマーという人が何か論文を発表しておりますが、これによりましても飛行場の近接の区域はあぶない、こう書いてあります。しかもこの場合には滑走路の方向をあぶないと言っておりますが、これは民間航空の滑走路ですから、羽田なら羽田で一定の方向がきまっているわけです。ところがこっちは演習場ですから、いろいろな演習の形態があり得る。そういういろいろな演習形態の中で考えていけば、滑走路の問題とは無関係に、この演習場及びここに指定された立ち入り禁止区域、この全般が危険であり、その近傍もまた危険だと考えていくのが常識ではないだろうか。こういう常識を押し切ってことさらに決定を急がれるところに、国民の納得できないものがある、こう思うわけです。一体この点についてどうでしょうか。
  62. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 地震につきましては、関東大震災の十倍くらいの地震がくることを想定して、その場合に耐え得るという構造で設計がなされておるようであります。ただいまのお話飛行機の進入路、航路でありますが、進入の経路と標的の位置というものが先ほどのお話のように約束されておりますので、ファーマーの報告の線からもこれははずれている位置にあるとわれわれは考えております。つまりこれが滑走路の方向に当たるだろうと私は思うのであります。それから今関東大震災の十倍と申し上げましたのは、部分によって十倍の強度を考えてやっている。しかし平均的には三倍のようであります。関東大震災の三倍くらいの地震がきた場合にも耐え得るという設計でできておる、こういうことであります。
  63. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 私は地震の話は一例として申し上げたので、今そのことを伺うつもりではなかったのです。ただこの危険区域、立ち入り禁止区域というものが、ファーマーの論文のように民間飛行場の場合とは違って、全般が危険なものと考えていかなければならぬし、その近傍の千メートルと離れていないところにある。こういうことが一体いささかも危険なしとお考えになれるのかどうか。何のためにそれではこの海上の立ち入り禁止区域米軍は設定したのかと、私たちは疑わざるを得ないわけです。ここで議論をしているうちはよろしい。しかしお互いに意地になって議論をやっているのではなしに、現実に落ちて原子炉に破壊力がきて、放射能が流れ出してきてからいかにあなたを責めてみたってもう及ばないのです。やはりそういう点から、あらゆる意味で慎重に事を願わなければならないのではないかと考えますので、この海上の立ち入り禁止区域東海村との関係をくどく伺っているわけです。進入してくる経路々々とおっしゃいますが、ジェット機でしょう。たった二分の一秒、飛行士がちょっとかじを切り違えても、一マイル幅以上のものは出てくるわけです。ジェット飛行機が定木で線を引いたように、そうすうっと同じ線の上を飛べると考えるのが愚かしいでしょう。当然その間は、相当なマージンを置かなければならない。私、これはちょっと調達庁で伺ったのですが、調達庁がこの航路を調べましたときに、米軍に問い合わせをしましたら、大体飛んでいる航路の両わきに一マイル幅の余裕は必要だという回答がきたそうです。飛んでいく大体の目標のこちらにも一マイル、こちらにも一マイル、そのくらいの幅は飛行機のかげんで、十分の一秒かじをとり出展えれば、そのくらいは横へそれてしまう、こういう回答がきたそうです。私この回答をこの目で現実に見せてもらったのではないですから、その点についてあえて固執はいたしませんが、しかし少くとも飛行機は飛ぶものであります。しかもジェット飛行機ですから、これが線の上をすうっと定木で引いたように飛ぶものだとお考えになるはずはありません。そうだとすれば、航路々々とおっしゃいますが、相当風の条件あるいは天候の条件、あるいは場合によればめくら飛行の練習もするかもしれません。そういたしました場合にはゲージの条件、こういうようなものから相当それることを覚悟しなければなりません。これは単にあり得るという意味の可能性ではなく、きっとあるだろうという意味の私は可能性と解していいだろうと思うのです。変な言い方ですが、そうなればこの立ち入り禁止区域というものから千メートルしか離れていないこの場所に、原子炉をお作りになるということをそうやすやすと、はい、そうでございますか、こう言って国民がうなずくとお考えになるでしょうか。この立ち入り禁止区域というものについて、もう一度関連性を検討していただけるかどうか、これを伺いたいと思います。
  64. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 標的の位置と、それから今の進入経路と、今までの飛行機事故の結果とを勘案してみますと、現在程度の距離があり、現在程度の立ち入り禁止区域の広大なエリアがとってあれば、私は危険はないと思います。
  65. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 これも水かけ論ですから、それでは現にその範囲内にあることを伺いましょう。米軍と航空局が共同で公布しておりますデンジャー・エリア、危険区域——今まで申し上げておったのは海上の立ち入り禁止区域です。今度私の申し上げるのは空間の問題です。それにデンジャー・エリアというのがありまして、米軍の公表を見ますとこう書いてあります。北緯三十六度二十三分二十一秒、東経百四十度三十五分十五秒の地点を中心にして、約二十二・二キロメートルの円、しかもその円は第七航空路とダブった部分を除く、この部分はデンジャー・エリアとして指定する、ここには、民間飛行機その他の飛行機が立ち入ってはならない、こういうことが発表になっております。それを見ますると、東海村はおろか、日立市のすぐ手前まで、その円の中に入ってしまうわけです。もしその関係の図をお持ちになりませんでしたら、どうぞこれをごらん下さい。これは米軍と航空局が共同で発表している危険空域です。この危険空域の下にちゃんと東海村があるわけです。むしろ中心点に近いところにあります。こんな米軍自身が危険空域と指定する空の下にコールダーホール型を設置されるのか。ずいぶん乱暴じゃないかという感じがいたします。同様な危険空域は三沢を中心としたところにもございます。すべてそれは米軍が空中戦闘練習あるいは爆撃機練習を行なう地点を中心に指定されております。今あなたは、海上の危険区域、立ち入り禁止区域からはずれているから安全なものと思います、こうおっしゃいましたから、それでは空のデンジャー・エリアの中にちゃんと東海村があるという事実を知っていただきとうございます。それでもなおかつ安全でございましょうか。
  66. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 空の場合は民間航空やそのほかの飛行機がまぎれ込んだりして、空中衝突を起こしたりするのを防ぐためにこういう空間を、しかも広大な空間をとっているのだと思うのでありまして、そういう措置をしておれば、この下の方は、まぎれ込んで入ってくる場合、衝突するようなことを考えて、安全をここでとっておるわけでございます。私は、空間における安全性というものと、地上に万一落っこってくるという場合の安全性とは、だいぶ角度が違うと思うのであります。従いまして空間における安全性を非常に高度にとっておる中にあったとしても、別にそう危険であるというふうに断定するわけには参らぬだろうと思います。
  67. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 だっておかしいでしょう。さっきあなたは、東海村の方は飛ばぬ、そう約束ができているとおっしゃったわけです。飛ばないものを何も危険空域に入れる必要はないじゃありませんか。飛ぶからこそ危険空域に入れる必要があるのです。今あなたもぶつかるということを御自身の口でお述べになりましたが、それは東海村の上やそのデンジャー・エリアの中をアメリカの飛行機が飛び回るということを前提にするからこそ、日本の民間飛行機やその他の飛行機がその範囲内に入ってはいけませんぞということなんでしょう。そうするとさっきのあなたのお答え東海村の方は飛びませんというお言葉と今のお答えは、白と黒ほど明確に矛盾するじゃないですか。米軍はその方も飛ぶからこそデンジャー・エリアとしてそこを指定しているのです、こうお思いにならないでしょうか。飛ばないデンジャー・エリアというのはありますか。空と地という関係ではないはずです。
  68. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 このデンジャー・エリアというのは、ほかの飛行機がまぎれ込んだりして入ってはいけないという留保をしている区域だと思うのです。そういう区域と、それから地上における危険性、それから直接来るという区域とは、蓋然性が非常に違うように私は思うのであります。
  69. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 私は地上の方の危険性なんということは今伺ってないつもりです。私はこのデンジャー・エリアの範囲内は米軍飛行機が自由に飛翔し、じゃまものが入ってきてはいけませんぞという区域だと思うのですが、あなたは何か問題をそらしてしまわれる。あなたのお話と私の話がもっと正面からかちんとぶつかって意見が違うなら違うでいいですよ。それるのでなく、すれ違いではなしに、意見が違うなら違うできちっと明白にしておきたい、こう思って私は伺っているのですが、少くともその範囲内は米軍が自由に飛翔し、他の民間航空その他が入ってきてはじゃまですという意味でデンジャー・エリアが設定されているのだろう、こう私は思うのですが、それは違うでしょうか。
  70. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 デンジャー・エリアにつきましてはこれは赤城さんの方の所管でありますから、赤城さんに提示していただけばいいと思いますが、私の考えではこれはほかのものが入ってきてはいかぬという留保しておる区域であって、この中を米軍飛行機が無方針で盲目的に飛び回るというエリアではないと思います。やはり一定の方向に演習するという基本のもとに一定の円を描いて、その範囲内に入ってきてはじゃまになる、そういう意味で確保しておる留保のエリアじゃないかと思いますが、専門家の赤城さんがおりますから……。
  71. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 航空局は防衛庁ではなく運輸省の所管のはずです。それくらいのことは御存じだろうと思いますが、赤城さんがデンジャー・エリアについて所管だとおっしゃるならお答えいただきましょう。
  72. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 私の所管ではなくて、お話通り航空局の所管でありますが、一般に私どもが乗っておるときによくデンジャー・エリアというものがありまして、そこへは避けて飛ぶ、航空管制上そういうふうにしているようであります。
  73. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 避けて通るとおっしゃる、だからこそ中を飛ぶのですよ。もうこんなことを議論してもつまりませんからともかくとして、東海村は航空局と米軍が指定しておるデンジャー・エリアのどまん中に近いところにある、こういうことははっきり腹の中に入れておいていただいて御検討いただきたいと思います。  それからちょうど赤城さんがお見えになっていらっしゃいますので、赤城さんに幾らか関係のある点について伺います。航空局の発表を見ますとこういうことが書いてあるのです。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、がまんして聞いていただきたいと思います。北緯三十六度二十九分、東経百四十度三十二分の地点、その地点から北緯三十六度四十五分三十秒、東経百四十度四十四分三十秒の地点を結び、さらにそこから北緯二十六度二十九分、東経百四十度四十八分の地点へさらに線を結び、さらにそこから北緯三十六度四十五分三十秒、東経百四十度五十六分三十秒の地点と結ぶ、そしてそこから初めの点に結ぶ。ちょうど東海村及びこの演習場付近から出発をする矩形の区域が指定されてあるわけです。そしてそれは用途を見ますと、名前はノース・ミトと書いてありまして、高度一万フィートー制限高度ですね。それから使用日数は月曜日から土曜日、期間はデーズと書いてありますから、昼間という意味でしょう。この間は目撃飛行機——目で見て飛ぶ飛行機もいけないし、盲目飛行、計器飛行も飛んではいかぬ、こういう制限になっておるわけです。使用しておるものはJASDF、ジャパニーズ・エア・セルフ・ディフェンス・フォースだろうと思いますが、日本自衛隊空軍とこう書いてあります。これはRの一四三という表示で出ております。航空局の発表です。そうしますと、この陸上の爆撃演習場のすぐそばに、というよりもそれと接着してほぼ東海村を含む地点に、自衛隊の航空演習場が設定されておるというふうにちゃんと日本の官庁の発表にもあるのですよ。僕もうそだと思うのですが、御記憶がありますか。
  74. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 よく調べてみますけれども、そこに演習場があるということでなくて、自衛隊の飛行機といえどもその中に入らぬようにという管制ではないかと思います。
  75. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 実は僕も長い間内閣委員をやっているから、おかしいと思って航空局か米軍に問い合わせてもらったのですが、そうしたら、これは日本の自衛隊が使うという名前にしてあるけれども、実はおれたちで使っているのだ、こういう話だそうです。ずいぶんおかしいことで、こんなことが行政協定の上で許されるのかどうか、これを一つ丸山さんに伺っておきたいと思うのです。そしてもし日本の自衛隊が使っているという名前のもとに現実にアメリカが使っている、あるいはアメリカがちゃんとそういう演習区域をさらに指定しているとすれば、これは東海村にとってまたゆゆしき問題じゃないだろうか。さっきから非常に相手方を信じた、米軍はこうしてくれるはずだ、米軍の善意を信ずるという、非常にお人よしな御説明中曽根さんからありましたけれども、米軍はこういう脱法行為を平然とやっているのですよ。それでもなおかつそれを信じていけるのかどうか。どうもこういう点になりますと、今まで僕は自民党より社会党の方が人がいいと思っていたのですが、ちょっとその観念をくつがえさなければならぬような形になるわけです。どうも失礼しました。どうぞお答え願います。丸山さんどうですか。
  76. 丸山佶

    ○丸山政府委員 遺憾ながらただいまのところ、その辺のところを私も存じておりません。合同委員会関係でありますならば、全般的には外務省の所管でありますので、そちらにも調べていただく、あるいは具体的には航空局かどこか知りませんが、なお私も関連事項として調べてみたいと思います。
  77. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 なるほどあなた方の方にお届けがなかったとしても、航空局で出しているデンジャー・エリアの指定の中に歴然と入っており、そしてこれは個人が好意的に聞いて下すったのですから、その方のおっしゃることをそのままとってどうのこうのと言うわけではありませんが、米軍に問い合わせていただいたら、それは日本の自衛隊の名前にして発表はしてあるけれども、おれたちの方で使っているのだという話だそうです。これは個人の問い合わせですから、私は絶対的な真実だとは申し上げません。ですが、かりにそういう事実があったとすれば、違法な演習場指定があるのじゃないだろうか、こう私は思いますし、もしそういう違法な演習場の使用があれば、僕は丸山さんの方でも責任上黙っていらっしゃるわけにはいかないだろうと思います。従ってこれについて厳重なる抗議を米軍にしていただく必要があるだろうし。もし現実に使っているとすれば、これは中曽根さんの方でもう一度東海村の安全度について、これを考慮に入れて考え直しをしていただかなければならぬのじゃないか、こう私は思うわけです。こういう点についてお二方にお約束をいただけるでしょうか。
  78. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 ともかく米軍演習やその他の行為によって、もしここにコールダーホール型が設置された場合に、危険であるということが出てくることは避けたいと思いますので、そういうおそれがないように、外務省並びに防衛庁とも話をいたしまして、万全の措置を講じたいと思います。今までのお話の点につきましては調査をいたしてみます。
  79. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 もう一つついでに調査をしていただく条項をつけ加えておきたいと思います。と申しますのは、今のは那珂湊の爆撃演習場及びその周辺お話ですが、そのほかに那珂湊の沖合い約三十海里のところ、三十海里と申しますと僕の大ざっぱな計算では十二里くらいでしょうか。十二里くらいのところにアメリカ軍の空中戦闘の練習場があるはずです。これは中部本州とかいう名前がつけてあるそうですが、かなり広大な地域です。この那珂湊の爆撃訓練場爆弾を落とす練習場、その沖合い約三十海里くらいのところに中部本州というアメリカの戦闘機の空中戦闘専用の練習場が置かれているはずです。これとの関連性はないとおっしゃるかと思いますが、しかしすぐそばにあるだけに、わずか十二里しか離れていないのですから、このためにここに出かけて参ります飛行機東海村の上を再々通ったりする場合もあり得るでしょうし、また練習をやっているうちに自然に故障を起こした飛行機が飛んでくる場合もあり得るでしょうし、その他いろいろな場合が想定できますので、これも考えていただきたいと思います。  まず第一に丸山さんに伺いますが、中部本州という、そういう空中戦闘専用の練習海域が指定をせられているということは事実でしょうか。
  80. 丸山佶

    ○丸山政府委員 その通りでございます。
  81. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 丸山さんもそういう裏書きをして下さいましたので、どうぞ十分御研究をいただきたいと思います。  大体私の質問をいたしたいと思いましたことはそんな程度のことですが、くどいようでありますが、まず第一にこの演習場使用方法について、米軍は少なくともあなたのおっしゃるようには法的な制約を受けていない、こういうことが一つ。従って当然東海村の上も飛び得る可能性がある。今の練習だけを考慮に入れて事をお考えになるのははなはだ危険である。武器は非常に発達をいたします。そういうふうにして東海村の上あるいは近辺を飛ぶ飛行機は誤投をする可能性もありますし、あるいはちょっとブレーキを踏み違えたり、ハンドルを一秒の何分の一か切り違えることによって、非常に重大な結果を発生する可能性があるということ。さらに第二には、海上に立ち入り禁止区域が広大にとられておって、この立ち入り禁止区域から約千メートルくらいしか、コールダーホール型を設置する場所は離れていないじゃないか。第三はデンジャー・エリアと称して、よその飛行機が入ってきてはいけません、アメリカの飛行機が自由に飛び回ります、こういう区間がきちっとアメリカ及び日本の航空局で指定せられて、そしてそのエリアのどまん中に近いところに東海村があるということ、従って東海村の上を飛行機が飛ばないなどという保証は絶対にできないこと。さらに第四には、中部本州という米軍の空中戦闘専用の練習場がきちっと置いてあるということ、こういうことをもう一度あなたの方で御検討いただきとうございます。あなたが冒頭に模擬爆弾が落っこったって大丈夫だとおっしゃいました。しかし模擬爆弾だけではなしに高性能爆弾、ロケット、普通爆弾、こういうものも使うということがきちっと合同委員会決定には書いてあるのですから、これを否定なさることはできないはずです。もし五百ポンドの高性能爆弾が落ちましたならば、関東大震災の十倍などではとうてい済みません。コールダーホール型に直撃せぬでも、すぐそばに当たれば、われわれの今までの経験によればTNT爆弾ですら深さにして何間、直径にして何十間という大穴があいているのです。これは私たちみんな戦争で見てきたのです。それよりもっともっと爆弾の爆発力は高くなっておりますから、関東大震災の十倍などという程度ではとうてい済みません。これは何十倍、何百倍というものを、直近でありますならば想定をしなければならないはずです。伺うところによると炉心部は三メートルのコンクリートで囲まれるというお話ですが、わずか三メートルのセメントでこれだけ大きな高性能爆弾を阻止するなんという、中身は微動だに与えないなどということはあり得るはずがありません。もしそういう計算をなさる学者があったら、その計算をはっきり見せていただきとうございます。さらにまた炉心部だけがぺトンで囲まれて、ガスダクトとか、その他の点についてはかなり露出しているわけです。あなたは四本一ぺんにやられることはあるまい、こういうふうに新聞などで談話をしておられますが、四本どころではない、今申し上げた高性能ロケットなどが当たりますればもっと大きな被害がありはしないか、こういう点を考えて参りますと非常に危険じゃないか。きょうはあなたと私のいろいろな問答の中で、はなはだ失礼ですが、あなたは考慮の中に入れてお置きにならなかった幾つかのエレメントが出てきたと私は自負いたします。どうぞそういうものをもう一度入れて、りっぱな学者とでも、また信頼なさる方とでも十分御相談をいただいて、その上で御決定をいただきたい、こう私は思います。九日にはどうしても安全委員会結論を出してしまわなければならぬ、何かこういう雰囲気があるそうです。しかしここ一週間、一月を惜しんだために、国民全体に非常に大きな影響を及ぼすようなことがあれば、ただ単にこの議会の責任だけではなしに、私たちは永遠に日本の民族に対して責任を負わなければなるまい、こんな感じがいたします。はなはだお説教がましくて恐縮ですが、どうぞ一つそういう点でもう一度御検討いただいて、きょう私が伺いましたことについて、新らしいお考えが出て参りましたら書面でもけっこうです、私あてに御回答をいただきとうございます。まだまだほかにもたくさん聞いてみたい小さなことがありますが、もう時間も十二時半近くになりますから、一応私の質問は今の要望を最後にして終わりたいと思います。どうも失礼しました。
  82. 福田一

  83. 久保三郎

    久保委員 防衛庁長官に簡単に二、三お尋ねいたします。百里の基地の関係でありますが、まず第一に、最近新らしい部隊が若干入っておるようでありますが、この兵隊はどういう兵科であって、何を目的に入っておるのか、御説明願いたいと思います。
  84. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 事務当局からお答えいたします。
  85. 山下武利

    ○山下説明員 ただいまお尋ねのありました百里に現在入っております部隊は、ごく少数の基地隊のほかに航空自衛隊の新隊員教育隊、これは新しく入りました隊員を教育する部隊でございます。これが約四百名入っております。
  86. 久保三郎

    久保委員 新しい兵隊四百だそうでございますが、あそこはまだ航空基地としての整備ができていないのは御承知の通りであります。そういうところで、大へんこまかい質問で恐縮でありますが、どんな訓練をやっておるわけですか。
  87. 山下武利

    ○山下説明員 新隊員教育隊と申しますのは、初めて自衛隊に入りました隊員が、自衛隊員としての基礎的な訓練を受けるところでございます。あそこの基地は御承知のように航空団の基地として設計をされて、現在工事を進めておるところであります。諸種の事情から航空団の設置がおくれておる関係で、隊舎の方が現在先に完成いたしたわけでございます。一方航空自衛隊の新隊員教育隊は、現在熊谷でやっておりますが、非常に場所が狭隘でありまして、どこか新しい基地を求めたいという事情がございましたが、ただいま百里の基地の施設が完成いたしましたので、航空団設置に至りますまでの間の暫定的な措置として、そこを利用しておるといったような状態でございます。
  88. 久保三郎

    久保委員 それではその次に移りましょう。この航空基地になる前に、この農地が農林省の手によって、農地法に基く転用許可を防衛庁側の要請に従って出した。そのときに農林事務次官から防衛庁次長に対して一つの書類が出ているはずだが、それを御承知でしょう。
  89. 山下武利

    ○山下説明員 お尋ねの書類は、昭和三十二年三月二十六日付で、農林事務次官から防衛庁次長あてに、自衛隊用地の取得についてという表題で、これは百里の土地の問題でございますが、書面が参っております。その要旨は、農地を転用します場合には、農地法七十三条に基づきまして農林大臣の許可が要るわけでありますが、その許可の前提といたしまして、この百里の農地を自衛隊の用地に転換することについての包括的な承認をする、その承認条件といたしましては、関係入植者の同意を得てほしいとか、あるいは飛行場設置によって分断されますところの県道とか農道のつけかえをしてほしい、あるいは周辺の農家の農業経営に支障を来たさないように留意をしてほしい、そういうような条件がついてあります。
  90. 久保三郎

    久保委員 これは赤城長官にお尋ねした方がいいかと思います。今局長から御披露ありました三十二年三月二十六日の公文書は、昨年参議院において森元治郎氏が国会を通して質問をいたしております。こういう条件があったかないかという質問、それに対して内閣はありませんという答弁をしている、その食い違いはどうですか。
  91. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 内閣で、農林次官から防衛庁の次長あてに書類があったということについて、そういうことはなかったというふうに答弁したことについて今不確かなんでございます。事実は今経理局長が申し上げたように、書類があったのが事実であります。
  92. 久保三郎

    久保委員 これはお調べいただけばわかることなんですが、書面で質問して、書面でもちろん国会法に基づいて答弁がありました。これは昨年だと思います。こういう食い違いがあって今日まできているのですが、事実この書類は出ている。そこでその食い違いについては、後刻お調べいただいて、またこの席でどういうことか発表していただきたい、これは留保しておきます。  そこで、最近本滑走路が予定されておる地域に農地買収には応じないという者がいるために停頓をしているようでありますが、最近現地その他においては、出先機関の中で、ともすれば強制収用もあり得るというような言明をしているのだが、この件についてはどういうふうに考えて処理しておられるか。
  93. 山下武利

    ○山下説明員 防衛庁といたしましては、これは百里に限らず、あらゆる基地取得に通ずる原則でございますが、どこまでも地元の方の十分な納得の上で取得していきたいということでございまして、百里につきましては相当長い間かかりまして地元の方の説得と申しますか、御了承を得ることに努めて参りましたことでございます。相当たくさん、百数十名おられました地主のほとんど大部分の方の御了承を得まして、大部分の土地の買収交渉をすでに終わっておるわけであります。ただいまのところ強制収用をするといったようなことを言明した事実はございません。
  94. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、防衛庁としては強制収用の意思はない、こういうふうに了解してよろしゅうございますな。
  95. 山下武利

    ○山下説明員 強制収用をするということを言明いたした事実はございません。現在のところあくまで納得づくでもって問題を解決していきたいということを考えておるわけでございます。
  96. 久保三郎

    久保委員 納得づくというのだが、それは農地法転用による場合の条件、それにも納得づくでやれ、こういうことだと思うのであります。だから、私が言うように強制収用の方法は絶対にとらぬ、こういうふうに解釈していいと思うのですが、どうでしょう。
  97. 山下武利

    ○山下説明員 現在のところ強制収用ということを考えておることはございません。
  98. 久保三郎

    久保委員 それでは、現在のところは考えておらぬというが、その条件はどうなのですか。
  99. 山下武利

    ○山下説明員 この書面は実は農地法七十三条に基づきますところの、法的な承認事項というのではございませんで、その承認をいたします前提といたしまして、包括的に、農地の取得について話を進めてよろしいということの農林省の意向が伝わってきたものというふうに解しております。この条件の中には、関係入植者及び増反者の完全な同意があることということが条件になっておりますが、農林省としてはそういうふうな意向でもって、地元の方との円満な話し合いをつけてほしいということを申しておるわけであります。これで話がつきますと、それに基づきまして七十三条の正式な、法的な承認を求めるわけであります。現在のところはそういうふうな農林省の意向を体しまして、できるだけ地元の方との円満な妥結をはかりたいということで進めておるわけであります。もしまたこの条件に変わるようなことがありましたならば、そのときにはまた農林省と新しい話し合いを進めなければならない、こういうふうに考えております。
  100. 久保三郎

    久保委員 最近いろいろな手を用いて、いわゆる地元の関係者の理解を求めるというよりは、圧力に類するようなものをもってやろうとする傾向が多いのでありますが、こういう点についてはあなたの方でそういう方法をとらせるためのいろいろな手段をやっていると思うが、これはどうなんですか。
  101. 山下武利

    ○山下説明員 私といたしましては、あくまで地元の方の円満なお話し合いのもとに事を進めていきたいというふうに考えておるわけであります。決して反対をされる方について圧力を加えるとか、無理なことをして事を解決したいというふうには考えておらないのであります。
  102. 久保三郎

    久保委員 それから次に移りますが、滑走路の着工はどういうふうに今考えておられるか。
  103. 山下武利

    ○山下説明員 滑走路は御承知のように一たん着工いたしますと全体の計画が設定されるわけでございますから、着工いたします前には、あらかじめ予定されます滑走路にかかるところの農地を持っておる人の完全な同意を得てからにしたいと思っております。
  104. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、あの中にある反対者の完全な同意が得られず、用地取得ができなければ着工しない、こういうことですな。
  105. 山下武利

    ○山下説明員 現在のところはあくまで、先ほど申し上げましたように完全な御了解を得るように努力いたしておる次第でございます。
  106. 久保三郎

    久保委員 ただいま了解を得られなければ用地が取得できない、用地が取得できなければ着工しない、こういう御説明のようですが、どうですか。
  107. 山下武利

    ○山下説明員 そういうふうに私はぜひ努力したいと考えておるわけでございます。あくまで同意が得られないときにどうするか、あるいは法的な措置を講ずるか、あるいはまた滑走路の位置を変更するか、そういうふうなことにつきましては、これは相当大きな問題になりますので、私から今のところお答えしかねるわけでございます。
  108. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、あなたの方の言い回しからいきましても、今のところ着工の見通しはなしというふうに見ていいわけですな。
  109. 山下武利

    ○山下説明員 現在はっきり何月何日から着工するということを申し上げる段階には至っておりません。私といたしましてはできるだけ早く着工したいという考えで、せっかく努力をいたしておるところでございます。
  110. 久保三郎

    久保委員 そうしますとこれに関連して、基地周辺の学校等の防音装置の問題であります。この基地周辺の防音装置を防衛庁がやる場合、どういう規則でやっておるわけですか。内容を簡単に御披露願いたいと思います。
  111. 山下武利

    ○山下説明員 防音工事につきましては、これは別に法律の根拠があるわけではございませんが、大蔵省との間の話し合いにおきまして、補助金、正確に申しますと、教育施設騒音防止対策工事費補助と申しますか、これの予算が認められております。いわゆる予算補助という形になっておりまして、本年度の予算総額は九千万円計上せられております。これは防衛庁の方におきまして、自衛隊の航空機の使用によって生ずるところの音響の強度及び震度がある一定の限度を越えるために、正常な学校教育が著しく阻害されると防衛庁長官が認める教育施設に対して補助をする、こういうことに相なっております。
  112. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、現実にその航空基地が完成して、飛行機が離着陸をするというようにならぬければ、その判定はできないはずですな。
  113. 山下武利

    ○山下説明員 これは現実に航空機が飛びませんでも、予定されますところの大体の滑走路の位置と、それにどの程度近接した学校であるかということから、おのずから図上で判断ができるわけでございまして、ボーダー・ラインの場合につきましては実際に飛行機を飛ばしてみないとわからないという場合もあるわけでございますが、滑走路に非常に近接しておるといったような場合には、あらかじめ飛行機を飛ばさないでも、その所定の強度と震度が生ずるであろうということが当然図上から推定されるわけでございます。
  114. 久保三郎

    久保委員 百歩譲って、あなたの御説の通り、図上判断でできるということでございますが、百里の航空基地は先ほどお話のように、いつ着工していつ完成するかわからぬというのが今日の時点では考えられる。そうでしょう。そうだとすれば、一方私の聞いておる範囲では、あの周辺における学校改築にからんで、防衛庁はこの学校の防音装置に補助をするという話を現地で進めておられるわけですが、これはどういう関係になりますか。
  115. 山下武利

    ○山下説明員 お尋ねの学校は、小川町にあります橘小学校という問題に関することかと存じます。この学校は非常に老朽の校舎でありまして、本年度文部省から鉄筋に建てかえろということになったわけでございます。それで先般小川町の関係の方が見えましてこの際に一つ防音装置の方も一緒にしてくれないかというお話がございまして、防衛庁の方といたしましてもいろいろ検討いたしたのでございますが、百里につきましてできるだけ早く航空基地を設定したいという考えを持っておりますし、もし航空基地が設定されました場合には、当然にこれは防音補償の対象になるべき位置に位しておるわけでございます。かつまたたまたま老朽校舎を鉄筋に建てかえます場合でありますので、これが鉄筋に建てかえられましてからさらに補償を取りつけるということになりますと、工事の手戻りの関係から相当高価にかかるということがございます。また教育施設のことでありますから、工事期間中は当然授業等も阻害を受けるわけでございますが、鉄筋建てかえと同時に補助をする防音の工事もするということにいたしますと、非常にその辺がスムーズにいくという諸種の判断から、特に長官のお許しを得まして、この辺を防音補助の対象にいたしてもよいのではないかという結論に到達いたしましたので、そういうふうに町の方に内意を伝えた次第でございます。
  116. 久保三郎

    久保委員 基地そのものがはっきり完成するのかしないのかわからぬ場合に、周辺における学校の防音装置に補助金を出すというのは、あとになって大きな手戻りじゃないですか、あなたの方の立場に立って最悪の場合を考えると……。何か目安があってやっておられるならこれはいいと思いますが、工事の手戻りをなくするという。ところが今の時点で考えた場合に、学校の防音装置はできるかもしれませんが、防音装置が必要であるかないかということがわからぬでしょう。どうなんです。そういう山をかけた仕事もいいのですかな。どうなんです。
  117. 山下武利

    ○山下説明員 百里の全体の計画がおくれておりますことにつきましては、私も当事者といたしまして非常に遺憾に存じておりまして、一刻も早くこれを完成したいということで種々努力をいたしておるわけでございます。すでにあそこの土地につきましては、これに航空団を設置するという前提のもとに土地買収にも着手し、隊舎とか誘導路あるいは格納庫といったようなものもすでに完成をいたしておるような次第でございまして、できるだけ早くこれから飛行訓練に支障のない状態にしたい、かように考えておるわけでございます。周辺の教育施設に対しまして防音施設をするということは、防衛庁の立場といたしましては、決して早過ぎることではないという判断をいたしたわけでございます。
  118. 久保三郎

    久保委員 局長さん、あなたは防衛庁の判断としては防音装置をつけることは早過ぎないという判断をしたというが、判断の基礎は航空自衛隊ができるかどうかでしょう。滑走路本物ができないで、エプロンができた、誘導路ができた、隊舎ができたからといって、なるほど建物全体からいえば七割あるいは八割できたかもしれない。ところが本物のいわゆる滑走路ができなければ使いものにならぬでしょう。滑走路ができなくても、あれで使いものになるのですか、航空自衛隊の基地として。
  119. 山下武利

    ○山下説明員 もちろん滑走路がなければ航空基地になり得ないわけでございます。滑走路を作るために種々努力をしておるわけでございます。またこの防音補償につきましては、先ほど申し上げましたような事情がございまして、たまたま校舎が今建てかえられるというときに、防音工事もあわせてやることが、非常に全体がスムーズにいくという判断からいたしたことでございます。滑走路もできるだけ早く完成したいという努力とあわせて考えておるわけでございます。
  120. 久保三郎

    久保委員 希望的観測と努力とは違うのですよ、はっきり言うと。あなたは努力と希望的観測をみんな一緒にして、ごっちゃにしてものを考えている。そんなことで予算を使っていいのでしょうか。防衛庁長官どうでしょう。
  121. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 希望的観測ではありません。あそこは飛行基地として使う、こういうことで進めておりますから、それと関連して防音装置というものも並行して考えておるわけであります。でありまするから補助を出すという内意を伝えておるということは、決して国費をむだにするものでもなく、全体としての動きの現在において適当である、こう私は考えております。
  122. 久保三郎

    久保委員 あそこは絶対に使うとおっしゃいますが、現実には今のところ滑走路ができないでしょう。見通しも先ほどのお話通り立たない。本物の見通しがつかない。それでも使うとおっしゃってもそれは無理じゃないでしょうか。それを付随的な施設を先回しにするというようなことでは話が違うと思うのですが、どうでしょうか。そういうことができるでしょうか。ただ側が固まれば中の防音装置もでざるだろうという甘い考え方でおやりになるのは、ちょっと行き過ぎじゃないだろうか、こう私は思います。
  123. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 私どもは基地として使えるように進めておるわけですから、これができないという見通しは全然持っておりません。できるという見通しのもとに話をしておるわけであります。
  124. 久保三郎

    久保委員 できるという見通しはどこからお立てになったかわかりませんが、それでは赤城大臣にあらためてお尋ねしますが、できるというお見通しをどういう判断の材料からされておるか。この点一つお聞かせいただきたいと思います。
  125. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 大部分の人が承諾しておりますし、ごく少数の人だけが承諾してないわけであります。でありますからその人たちに対する話し合いをしておるわけであります。これに対する基地反対の闘争とか、反対のバックもあるようです。ですからなかなか困難だと思いますので、この点につきましてさらに了解を得るべく努めております。ここまで進めてきたのでありますから、ぜひ了解を取りつけてやり得る、こういう見通しであります。
  126. 久保三郎

    久保委員 大へん失礼でありますが、防衛庁長官のお見通しの判断の材料も局長のお話も大体同じのようでありまして、多数決できめられないのがこれだと思うのでありますが、なるほど大多数の人は賛成して、三年ほど前に農地を売ってしまっておりますが、肝心かなめのところは売らないということでがんばっておるのが現状です。話し合いを進めて何とかやっていきたいというその努力というか、考えはなるほどそうかもしれません。しかし現実はそれだけではなかなか進まないと思うのです。そこでくどいようでありますが、そういう現実を解消しないで、どうしても使うのだ、使える見通しがあるのだというお言葉だけで防音装置を作るのは、大きな手戻り工事になりはしないか。こんなのは少なくとももう少し見通しがはっきりしてからおやりになるべきで、橘小学校を今度改築するから、それに合わしてやった方がいいのだというだけでは、防衛庁自体の主体性はないじゃないですか。町の主体性でやっていく。滑走路が主体性ですよ。滑走路ができ上がる見通しもないのに、片方の付随的——言葉は悪いかもしれませんが、付随的な、でき上がったあとの防音装置というものを先にやるということは、不見識きわまりないと思う。  もう一つ続けてお尋ねしますが、地元にいろいろ公約をなさっておるようでありますが、どういう利便を提供することになっておりますか。学校の防音装置は利便ということじゃないでしょうが、そのほかにですね。
  127. 山下武利

    ○山下説明員 町の当局との間にまだ何らの約束はございません。
  128. 久保三郎

    久保委員 町当局からいろいろたくさんの要求が出ておりますか。
  129. 山下武利

    ○山下説明員 まだ伺っておりません。
  130. 久保三郎

    久保委員 出先においてもやっておりませんか。
  131. 山下武利

    ○山下説明員 出先においてどういう話がありますか、私は詳細なことは存じませんが、少なくと防衛庁と町当局との間の正式な話し合いとしては何もないということを申し上げます。
  132. 久保三郎

    久保委員 正式ではなくて、懇談といいますか、そういう話し合いはしておりますか、下話は。
  133. 山下武利

    ○山下説明員 私のところには正式にそういう報告は参っておりません。
  134. 久保三郎

    久保委員 それでは続けて聞きますが、一番地元で困っているのは、飛行場建設のために砂利トラックがたくさん通る。そのために今日道路が大へんいたむということです。最近多少直しましたが、これに対して防衛庁関係はないのですか、どうです。
  135. 山下武利

    ○山下説明員 工事に伴いまして道路をいためるというお話は前にも数回ございまして、そのつど若干の手直しをして参ったのでございます。現在のところあらためて道路についてのお話は伺っておりません。
  136. 久保三郎

    久保委員 こういう道路の改修費というか、補修費に対して、防衛庁はこれを予算的に措置する方法はあるのでしょうか。
  137. 山下武利

    ○山下説明員 自衛隊の工事に基因しますところの道路の損壊につきましては、これは補償的な措置として施設整備費の一部でそのことが認められております。
  138. 久保三郎

    久保委員 今まで県なら県道に対してどのくらい出しましたか。出したですか。
  139. 山下武利

    ○山下説明員 私ども詳しいことを今お答えできませんが、係の者から聞きましたところによりますと、金でもって県に払うということはいたしておりません。自衛隊の整備で県道もあわせて直したということはあるようでございます。
  140. 久保三郎

    久保委員 赤城国務大臣に一言申し上げておきますが、赤城さんの立場になれば一日も早く完成したいということでありましょうが、立場を変えれば地元に迷惑をかけないということがまず大事だと私は思うのです。道路一つ見ても御案内の通りあまりいい道路ではございません。その上超過重量のトラックがしょっちゅう通るということになりますれば、定期バスの運行さえとめている今日です。そういうのをほったらかしにしておいて地元の御協力をとおっしゃっても、それは無理だと私は思うのです。また完成もしない、どうなるかわからぬ——と言ったら大へん失礼かもしれませんが、われわれの見方ではどうなるかわからぬというような基地に対して、防音装置を先に持っていくなどということは、あまりほめた措置ではないと私は思うのです。どうぞやるのなら正攻法でおやりになったらいいと思うのです。  それからこれは先ほどの答弁で、地元に対してはいろいろな利益提供は今のところ公式にはやっておりません、こう言うが、あなたの方では、あの道路はどうするとか橋はどうするとか、地元と下話をしているに違いない。それが真実ならそれでいいですよ。あなたの方は正式に交渉を受けてないし、やってないというのなら、真実ではないのだ。そういうのがどんどん出て行ってやっておる。いわゆる地元をだましていくということは卑怯千万ですよ。これは一つおやめになっていただきたい。  私はもう時間がありませんから、先ほどの問題を留保しますが、同じ国会議員が同じ内閣に質問して違った答弁がくるというような事実は、これははっきり調べていただかなければならない。これはあとの問題にしますから、よく調べていただいて次の機会に御答弁をいただきたいと思います。終ります。
  141. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 一つ忘れたのですが、赤城さんに伺いたいのですが、参議院の矢嶋君にあなたはサイド・ワインダーの入ってくるときには、その時期、その経路、こういうものをちゃんと発表するというお話をなさったそうですが、一体サイド・ワインダーというのは、いつどこを経由して入ってくるのですか、これを一つお教えをいただきたいと思います。
  142. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 参議院の矢嶋さんにそういう約束はいたしたことはありませんが、サイド・ワインダーにつきましては、どういうふうな経路で入ってくるかということは、実は承知していないわけであります。御承知のようにこれはアメリカと約束しているわけですが、アメリカから持ってきてから、引き渡しを受けてから所有権が移る、こういうことになっていますので、こちらへくるまでの経路というものは承知してないわけであります。そういうことであります。
  143. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そうすると、まだどこでいつ引き渡すという通達は来ないのですか。
  144. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 今私承知しておりません。いろいろな経路で来るだろうという想像はしております。
  145. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、こういうふうに承っていいわけですか。アメリカで日本政府が引き渡しを受けて、日本の手で持ってくるということはない。それからアメリカが軍の貨物として日本へすでに持ってきてしまった上でどこかで引き渡す、こういうことだ、こういうふうにおっしゃる意味ですか。
  146. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 アメリカで引き渡しを受けるということではございません。お話通りでございます。日本へ持ってきてそれを引き渡しを受けたときに所有権が移る、こういう考えでございます。
  147. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それから赤城さんが御存じないということは、防衛庁としては正式に引き渡しの時期及び場所の通達を受けていないことだ、こういうふうに伺っていいわけですね。
  148. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 今受けておりません。
  149. 福田一

  150. 受田新吉

    受田委員 私きょうは質問を延期しようと思っていたのですが、防衛庁当局としてもお急ぎになっておられる問題でもあるので、この際伺っておきたい点は、新機種決定の問題であります。これはすでに源田調査団長を中心に松島で最終の想を練られておるわけでありますが、長官もしばしば言明された通り、この調査団の報告に基づいて最終決定をしたいという御意向でありますが、調査団の想を練られたその最終案というものは、一体いつごろ防衛庁へもたらされるものか、これをまず伺っておきたいと思います。
  151. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 きのうの打ち合わせで、きょう源田調査団長が帰ってくるわけになっております。帰ってきましたら私が直ちに報告を受けることにいたしております。
  152. 受田新吉

    受田委員 きょうというと、もうすぐということになると思うのですが、そうしますとこの調査団の報告を長官がお受けになられ、いろいろ相談されて、いよいよ最後の案ということになるのでありますから、国防会議にもお諮りにならなければならぬということになると思うのです。それをきめる国防会議というのは一体いつお開きになる御予定でございましょうか。
  153. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 手順といたしましては私が報告を聞いて、それから防衛庁として庁議を開くことにいたします。ですから報告を聞き、あるいは庁議を開いてから、それが終ってから国防会議という形になりますが、それにつきましては私の方の所管ではありませんが、私といたしましてはできるだけ早い機会に国防会議を開催してほしい。こういうことで官房長官その他にあらかじめ連絡をしているわけであります。
  154. 受田新吉

    受田委員 防衛庁の庁議はいつお開きになるか、きょうでもお開きになるのかどうですか。
  155. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 きょうの報告の結果によりますけれども、あるいは時間的な制約もありますけれども、できるならばきょうでも開きたい、こういうことで実は今いろいろ準備をしたいと思って、この席もなるたけ解除していただきたい、こう思っているわけです。
  156. 受田新吉

    受田委員 えらいお急ぎのようでございますが、それだけ長くかかった問題だけに、解決を急がれることは国民の疑惑を一掃する上からも必要なことと思うのですけれども、きょうにでも開いて、その結論がきょう出れば、きょうにでも国防会議を開くということはないのですか。
  157. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 その国防会議の方は私の方でどうとも申しかねます。まあなるべく早い機会にこういう連絡をとりますが、今どうこうということはまだ申し上げられません。まあ一番早い機会にということを考えております。
  158. 受田新吉

    受田委員 きょう庁議でおきめになるということはありませんか。決定をきょうされるということはありませんでしょうか。
  159. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 庁議を開きませんとそれもわかりませんけれども、私といたしましてはかねがね申し上げておりますように、源田調査団の報告というものは尊重する、こういう気持でおりまするから、庁議もその報告の線にまとめていきたいと思いますから、庁議が開かれれば決定まで庁議はいくだろう、こういうふうに考えております。
  160. 受田新吉

    受田委員 国防会議というものは、これはわれわれ内閣委員会が所管をしている会議でありますけれども、このわれわれの所管委員会があまりに論議もしないうちに、この機種問題がうやむやにさっさと片づけられるということも問題がある。従って国防会議お開きになる日取りなどというものは、一応長官もその構成人員の一員であられるのでありますから、そのお含みがなければいけない。非常に重要な中心長官でありますので、それをあなたに御連絡なしに国防会議が開かれるということはあり得ないことなんです。結局国防会議の開催のめどなどは赤城長官がお定めになるべきものだ、こう私は思うのでありますがいかがでございましょう。
  161. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 国防会議議長である総理とか、あるいは事務局長とか、そういう方面と相談いたしましてなるべく早い機会に開催するように、なおきょうもこれから話をしたいと思っておるところであります。
  162. 受田新吉

    受田委員 非常にあなたは今席をお立ちになるのをお急ぎになっておるところを察すると、きょうにでも庁議を開いて、きょうにでも国防会議お開きになるというようなこともあり得るのじゃないかということが考えられるのですが、それはありませんですね。
  163. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 今から話してみませんとその点も、その他国防会議の方はまだ御答弁申し上げる段階ではありません。
  164. 受田新吉

    受田委員 そうすると、きょうにでも国防会議が開かれて決定されるということもあり得るということが考えられますでしょうか。
  165. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 あり得るというよりも、ないとは限らないというわけです。
  166. 受田新吉

    受田委員 きょうもあり得るということは言葉のあやでございますが、そうしたらこれから庁議をお開きになって、大体今晩でも国防会議でそういうことがあり得るということになれば、これは非常に急いだことになるのでございますが、問題はこの災害予算関係などもあって、どの機種を決定されようと、性能の問題等と合わせて予算の問題とか、あるいはパイロットの養成の問題とかいうことが当然これに付随して考えられなければならないと思うのでございますが、当初予定した機数よりは、災害予算などの関係から減ってこなければならぬというような見通しをお持ちじゃないでしょうか。
  167. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 御承知のように当初は三百機ということでございました。その後私もときどき御答弁申し上げたように二百機というふうに考えておるのですが、これも源田調査団の報告を聞きませんと、機数がどれくらい空幕として必要なのかということはまだ聞いておりませんからわかりませんが、私といたしましては今までのようなことで機数を減らしていきたい、こういう考えを持っております。
  168. 受田新吉

    受田委員 そこまでにしておきます。
  169. 福田一

    福田委員長 次に中原健次君。
  170. 中原健次

    中原委員 時間がありませんから要点だけ簡単に申し上げます。問題はことしの春先からきょうに至っておる事柄であります。地域は岡山県井原市市立中学校の統合建設問題に関連して自衛隊との関係なんです。  そこでまず私はちょっと簡単にそれまでの経過だけ申し上げます。そういう事柄が持ち上りまして、市民たちが非常に反対しておるわけなんです。この統合問題というのはかなりおかしなことがあるのです。そのことはいいですがとにかくあるのです。そこで市民が相当に多数——小さな町ですが、一万以上の市民が反対の行動を始めました。その行動は同時に反対期成同盟というようなもの、これはもちろん党派的じゃありませんが、反対期成同盟あるいは母の会などというようなものを作りまして、みながやっきになってその建設の推進をはばんでおるわけです。ところがどういう関係か、市長はかなり執心が強いようです。そこでとにかく何とかしてやろうという判断がどこへ向いたかというと、自衛隊の方に向かった。自衛隊の方へいろいろ要請したのでしょう。それも事実かどうかわかりませんが、そういうふうにいわれておるわけです。そこで統合建設の作業に自衛隊員を動員して強行するのだ、こういうことを発言したようであります。ところがそのことが一そう刺激しまして、数的にも行動的にも市民の反対の拡大を促したわけです。いわばますます情勢が悪い。そういう中から、たとえば防衛庁長官に対して陳情書を出した。これは出ておるかどうか知りませんが、出したと言うております。それから自衛隊の第三管区の総監に対して陳情しておる。それから出雲駐屯隊の隊長、海田市の駐屯隊の隊長、少なくとも関連があるだろうと考えられる各種の首班者に向かって、やめてもらいたい、そんなことをやってもらっては大へんだというので陳情をしきりにやったようであります。経過は大体以上の通りです。それについて防衛庁長官とせられてどういうふうにお考えになるか、一応御見解を聞きたい。
  171. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 学校の敷地造成等につきましては、自衛隊法に基いて、訓練の目的に合致する場合には土木工事などを引き受けるということによりまして、委託を受けてやっております。今お話の井原市の中学の統合のことにつきましても、そういう要請がありましたので、委託工事を引き受けてやっておるわけです。ところが今お話のように、中学の統合そのものに反対があったりなんかして、反対の陳情もきております。初めはそういうことでなかったので、委託を引き受けておったのでありますが、途中からそういう問題になっておりますから、今陸幕長等にどういうふうに状況が変わってきたのかという報告をするように、そしてまた私のところに上申するように取り調べをさしている段階でございます。私どもといたしましては、そういう紛争の中に入りたくないのです。御承知のようにみんなまとまって、そうしてぜひやってくれということでありまするならば、これは民生のためでもあり、国民のためでもありますから、工事を引き受けるわけであります。今まではそういう例がなかったのでありますが、この場合は途中から紛争が起きておる、こういうことであります。先ほど申し上げましたように、今状況の変化を調べて上申するように、陸幕長に命じております。その上で取り扱いをきめていきたい、こう考えております。
  172. 中原健次

    中原委員 その問題について、もちろんそういう法的な基礎があるであろうということはわかっておるわけです。ただ問題はただいまのお言葉もありましたように、市民の相当の数が反対している。反対するからにはもちろん反対の根拠があるわけです。ただ単なる反対とは違うわけです。それを自衛隊の方で手を出されると、妙な市民の反感は、これは当然起こるでしょう。そういうことについては長官の今のお言葉もありましたように、入りたくないではなくて、入ってもらっては困るのです。これはそうなると問題は解決しなければいけません。やがて解決するでしょう。どうなるか知りませんけれども……。そこで推進者と反対者の方の両者が話し合いを取りまとめて、なるほどそれではさっぱりしたという結果までは手を出してもらいたくない、手を出してもらっては困るのです。この点についていかがでしょう。もう一ぺんはっきりとその点をお伺いしたいのですが、御回答を願いたいのです。
  173. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 中原さんの御意見も頭に入れまして、陸幕長の報告を聞きまして善処いたしたいと思います。
  174. 中原健次

    中原委員 それから地元からの防衛庁長官に対する陳情書についての回答らしいものをお出しになられたのではないでしょうか。
  175. 赤城宗徳

    ○赤城国務大臣 陳情書に対しては回答をいたさないのが例であります。この件についても回答はいたしておりません。
  176. 中原健次

    中原委員 問題がそういうことでして、それ以上掘り下げる必要は毛頭ありません。ただ私どもの期待としましては、地方民ないしは国民のそういう問題に直面した側のはなはだしい迷惑、それに関連しての憤激などというようなものを挑発することのございませんように、せっかく地元の人たち考えを主点に置かれて、その考えに逆らわれるようなことのないようにお計らいを願いたい、このことを切に希望しておきます。
  177. 福田一

    福田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時十四分散会