○佐藤(虎)政府
委員 だいぶ先ほど来懇切な御議論もあり、十分拝聴いたしました。実際私どもが子供のときからよく知っておるのですが、大体
局舎自体が私有財産である。そのために部内者が採用でき得ずして、いわゆる世襲財産的な血族でその跡を継いできたということが一番
郵政事業の険路ではなかったかということを私は
考えております。ほんとうに理想的に申しますならば、皆さんが先ほど来御指摘のごとく、
局舎はことごとくが国有財産であってほしい、
郵政省のものであってほしい。これは
予算に関連する問題でありますから、今日直ちにこれをそれではそうしたいという理想はあってもそれができ得ない。国営でないために、私有財産であるがためにその家族が裏に住んでおって、前の方だけが貸してある。そのために今日まで部内者は大体が課長か
主事くらいになればそれで最高だ、
局長になれなかったというのが大きな降路ではないか、こう私も見ております。そこで御指摘のごとく何とか審議会の方の御
意見もまとめていただいて何十年とか、あるいは何年聞とか家賃を契約して借りる。その場合に次の
局長はお宅のむすこさんや奥さんに引き継ぐのではない、いわゆる技術、
運営、指導力に適格者が部内にありとするならばそれをするからというように警告を発しておく必要がありはしないか、警告を発しなければならないと
考えております。でき得ることならば、審議会のお力も借りて何年間か十年なり二十年なりの家賃で借りるとか、われわれ家を借りるにいたしましても何年契約とかいうことがありますが、私有財産でありますから、そういう契約でも結ぶ方法にしたらよかろう、このようにも
考えております。そうして部内者で成績の最もいい、しかも最も指導力のあるような人を
局長に
任命できるようにしたいと私は
考えております。これは私の理想でありますが、私は何とかしてこの理想を生かしたいと思うのですが、
郵便配達をして年がくればもうやめてしまうのだ、停年がくればもうあれは首になるのだということになると、実際
郵政事業に携わっておる人たちの末路と申しますか、おやめになったあとを振り返って見ておるのに、あまり幸福に暮らしておる人はないようです。そこで私は、この人たちは多年御
努力下さったのでありますから、
郵便配達をして、雪、あられ、あらしの中であの苦しみをしてきた人たちがおやめになっても、働くべき道というものを何ものか
考えてやる必要がありはしないか。それには公団組織を何とかして
考えてやったらどうだろうかというように私はしばしば先生方にも余談的にお話をしておるような次第であります。こういう気持を持っておるとともに部内者が最高
主事だとかあるいは
郵便局の課長とも名がつきますか程度で、非常に優秀な人であるが
局長にもなれないというような方々がだいぶあるようです。そこで私はなるべくそういう人たちを
運営に、そうして経営面に指導力のあるような人であるならば、もうどしどし採用をする必要があると思うのです。そこで
局舎の問題は何とか審議会の方でおきめ願って、今日現業員で働いておる皆さんが
努力すれば
局長にもなれるのだというようにいそしんでその職務に忠実に働けるようにさせてやりたい、このように私も
考えておるわけであります。