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竹谷委員 経済成長や
経済計画の
お話ばかりしていると、時間が長くなりますから、次に移りたいと思いますが、もう一言、先ほどの
お話で、
輸出入がおのおの七十億ドル以上になる、私はもっとふえるだろうと思いますが、そういうことで
沿海地帯、
港湾の
配置等を
考えなければならぬわけでございます。しかしながら、同時に、今飛躍的に
技術革新が行なわれておる。今こそ
鉄鉱石をたくさん
輸入したり何かしておるが、こんなものは要らない時期がくるだろう。そうすると、
鉄鉱石輸入の方では港なんか要らないという
時代がくるかもしれない。空気と水と燃料くらいのものからすべてのものができるということになれば——非常に夢みたいな話になりますが、そういう
長期の
経済の
見通しも
考えつつ
経済計画を立て、それに基づいて
国土総合計画を立てる、そして
港湾はどういうふうに、
臨海地帯はどのように造成しなければならぬかということにだんだんなってくると思う。そういう点からいいますと、やはりどうしてもまず
経済の
見通し、ないしは
経済の
長期計画を立て、それに基づいて
全国的な
国土総合開発計画を立て、その上に立って臨海促進
地域開発というようなものを
計画しなければならぬ。そうしないと、手足だけが勝手にばらばらに動いて、頭の方は何にも固まっていない。こういうことによって膨大な国費その他の資金を投入して造成した
工業地帯、埋立地帯というものは、むだということはありませんが、効率の非常に少ないものになる。東京湾を八百万坪か何ぼか埋め立てるという
産業計画会議の原案があるようでありますが、それに四兆円という非常な費用を要するということである。それによって埋立地を作って、その土地は、東京湾のことですから、非常に高く売れて、その
事業自体は収支がとれるかもしれませんが、
日本全体としては
一体それがどういう結果になるか。四兆円の金を埋め立てのために投ずるくらいならば、
国土開発縦貫自動車道を作って——今十五億坪、五百万町歩の可耕地があるという数字を農林省は出しております。通産省の企業局は、今後七、八年ないし十年の間に億坪の工業の敷地が必要だ、こう言っておる。一億坪にすぎません。そこで、そのごく一部を作るところの東京湾埋め立てのために四兆円も使うということになるならば、今まだ余っておる十五億坪に上る農耕地に適する土地がある、通産省が十年の間に必要だと称するものの十五倍の、農耕地としても使える土地がまだ余っておる、そういうときに、
臨海地帯の
開発というものは十分慎重に
考えなければならぬ。これを
国土総合開発との観点に立って、もっと根底から言うと、十年後の
日本の
経済の
見通しの上に立ってこれを
考えないと、非常にむだ金になってしまう。土地ができて、むだではありません。しかし、そのお金をより効率の高いものに、
日本の
経済が飛躍的に進むような
国土総合開発をやったらどうか。何といっても、
日本の
経済成長を促す国策としての
仕事は、
産業基盤の培養であり、公共的な基盤を造成する道路とか
港湾とか、あるいは鉄道とか、開墾とか開拓とか、そういう
仕事がたくさんあるわけであります。その方に投ずる方がはるかに効果的ではないか、こう私は
考える。全体から見ましても、どうしても早く将来の
経済の
見通しも立て、それに基づいて
全国総合開発計画を立て、その上に立ってこの
臨海地域開発促進ということを
考えるべきだと思う。私は、
国土総合開発からばらばらになったいろいろなものが行なわれて、支離滅裂だといわざるを得ない。東北
開発促進、北海道
開発、九州
開発、それから首都圏整備というような、それぞれの
開発法があります。そこに持ってきて
臨海地帯開発促進法というものができて、手足だけが動き回るのであります。それを積み上げていくというのも
一つの方法であるが、非常に効率の低いものになる危険がある。それよりも、そのもとを早くきめなければならぬ。しかもそのきめ方について、それらの個々の、あるいは
地域的な
開発計画が別の機関で作られると、とかく勝手ばらばらに走り回ります。これをまとめてやるには、
臨海地域の
開発というような問題は、むしろ、
経済企画庁がその事務をとっております
国土総合開発審議会、これは各方面の
委員を要請し、またそのほかに専門
委員を多数委嘱し、学識経験者もおる。
港湾あるいは土地造成、埋め立て等に関しても、それぞれの
専門家がすでにたくさん委嘱せられており、必要あらば今後また審議会
委員なり専門
委員を委嘱して調査してもらえばいい。そうしてそれが
国土総合開発という観点に立って
企画立案せられるということになると、全体的な
計画からあまり逸脱しないところの、妥当な
臨海地域開発促進
計画が出てくるのではないか、こう思うのでありますが、この点いかがお
考えですか。