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石山委員 どうも集中的にやろう、やろうというお話でありながら、なかなか集中的に問題が進まないように思われます。
審議会に大へん御期待なさっているようですが、
審議会は常任制になっておらぬ。
専門委員も常任制になっておらない。それはそのつど寄せ集めていろいろなことをおやりになるということですから、それでは当初
考えておる迅速ということとだいぶ私は違ってくると思う。しかも、集中的という表現からすれば、その点も私は欠けてくるうらみがあると思うのです。
もう
一つ今のお話の中で感じた点は、これは条文にもはっきり出ているわけですが、知事の
意見を聞くという。しかし、知事も、最近は二大政党対立です。今度は三大とかなんとかになりつつありますが、二大政党対立が日本の
民主主義に合っているのだという
建前で、もとは、自治体の長官とか、そういうものは政党から遠ざかろうという
建前であったのを、むしろ逆に踏み切って、
政党人の知事でなければ、有機的に仕事はなし得ないのだ、選挙民に対するいわゆる公約も果たし得ないという
建前をとってきているわけです。そうしますと、知事の方に御諮問なさるのは、言葉はちょっと悪いけれ
ども、親分から子分に諮問しているような
格好になりそうなのです。非常に残念でございますが……。だから、初めから終わりまでお手盛りになりそうな傾向なのですね。知事の
意見を聞くけれ
ども、その知事も自由民主党の知事である。公選されているからというのですが、そういう傾向は生まれてくる。
審議会といっても、
過半数は
大臣で占められ、
会議を開いても
過半数ですから、なかなか反
主流派のくちばしを入れる余地がないまますといってしまう。だから、私が先ほどから申し上げているように、
善意のある
官僚がチェックする場所というものがなくなるということです。公正と
均衡、こういう
官僚の
善意をどこへも採用することができないというところに、私はこの
法案に対して、あなたのいう迅速、集中ということを、
官僚のなわ
張り争いを防ぐというその意図は大へんいいといって尊重しながらも、あまりに政党流に問題をぱしぱしと有機的にきめられる心配を持つわけなのです。あなたは
あとではという言葉をおっしゃいます。あなたは、
あとでは、どこの漁民であっても、農民であっても、幸福を得られるのだ、こういう
建前でお話をなさっておられるけれ
ども、やはり現実に不満なものは不満です。そこで、その不満なり不平なりは聞いてやるのが政治のめどでございましょうから、政党筋にだけ
意見を出させるということも、やはり片手落ちになるのではないか。真の
意味のいわゆる平安を乱される居住民の意思というものはこの場合反映しないで、見ている、見ていると言っても、これは、
中村さんは御承知のように、集中的にやるといっても、今の鉄道建設の状態を見てもわかる。なかなかそうはいかぬでしょう。そうすると、居住民は平安を乱されて、それが二、三年でおさまって、あなたのいう、
あとでよかったなというのが二、三年ならばいいと思うが、なかなか二、三年ではおさまらぬで、五年、六年、七年というふうにかかるとすれば、これは、
あとでよかったと思われるからということでは、この場合断行できないと思うのです。私は鉄道建設を例に引いているのですが、そういうふうにならないために、あなたの方では有機的に
考えておられるだろうと思うのですが、結果的にはそうなりがちじゃないですか。これは今のような政党政治の残念な
一つの盲点だと思うのですが、どうしても資金
計画というものは全国的にばらまかれる傾向を帯びるわけです。勢力維持のためには、特にそういう傾向が出ざるを得ない。ある
意味ではそこがまた
一つのねらいだとおっしゃるかもしれません。これはおれたちの選挙対策の
一つの
構想だ、絶対に落ちないという
一つの選挙対策だ、こういうふうなことをおっしゃれば、私はむしろこの
法案はそのものずばりだと思う。どうなんですか。そういう点では、知事の御
意見だけを聞いて問題を展開していくことがはたしていいのか、こういう疑問を持っているわけですが、その点に関して……。