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1959-12-22 第33回国会 衆議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月二十二日(火曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 鈴木 正吾君    理事 井原 岸高君 理事 押谷 富三君    理事 鹿野 彦吉君 理事 田中 彰治君    理事 高橋 禎一君 理事 小川 豊明君    理事 神近 市子君 理事 山田 長司君       淡谷 悠藏君    上林與市郎君       西村 力弥君    森本  靖君  出席政府委員         検     事         (刑事局長)  竹内 壽平君         農林政務次官  大野 市郎君         食糧庁長官   須賀 賢二君  委員外出席者         農林事務官         (大臣官房経理         厚生課長)   藤波 良雄君         農林事務官         (食糧庁経理部         長)      家治 清一君         農林事務官         (食糧庁経理部         監査課長)   佐藤 東吉君         農 林 技 官         (食糧庁業務第         一部長)    諫山 忠幸君         農林事務官         (食糧庁埼玉食         糧事務所長)  太田竜太郎君         農 林 技 官         (食糧庁埼玉食         糧事務所業務部         長)      小笠原清美君         農 林 技 官         (食糧庁千葉食         糧事務所長)  増山 義克君         農林事務官         (食糧庁千葉食         糧事務所業務部         長)      安武  貢君         会計検査院事務         官         (第四局長)  宇ノ沢智雄君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十二月二十一日  委員日野吉夫君辞任につき、その補欠として風  見章君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十二年度政府関係機関決算書      ————◇—————
  2. 鈴木正吾

    鈴木委員長 会議を開きます。  昭和三十二年度決算農林省所管、特に食糧庁関係について審査を進めます。  発言の通告があります。順次これを許します。  小川豊明君。
  3. 小川豊明

    小川(豊)委員 私は質問を申し上げる前に、一応資料の提出をお願いしておきたいのです。これは答弁でわかればいいのですけれども、米や麦が亡失したことについて、これは千葉県の船橋だけでなくて青森もなくなっている。それから埼玉にも、鹿児島にも、宮城にもあるわけです。これをどういうふうにしたらいいか。年度で三俵とか五俵とか、ごくわずかのものを事故なら事故で出すのは、あなたの方で大へんだと思いますから、この四カ所でいいと思うのです。この四カ所のなくなった数量倉庫保管業者の氏名、業態、事故原因と思われる理由とその処理、こういうものを、これは年末でそう審議している時間もないと思うから、資料で出していただきたいと思います。
  4. 須賀賢二

    須賀政府委員 ただいま御要求のございました資料につきましては、さっそくそろえて差し出すことにいたしたいと思います。
  5. 小川豊明

    小川(豊)委員 それからお尋ねしますが、ここで要求した資料としてちょうだいしておる「営業倉庫食糧庁指定基準」を読むと、こんな事故などは起こるはずがないように、よく完璧に指定基準というのができているわけです。(1)を読みますと、「当該事業の資産及び信用が強固であり、またその経営内容が良好であって、政府所有貨物を安全に寄託し得ると認められるもの。」と書いてある。それからずっと見ますと、これはまさに間違いなくできているわけで、ことにこの(5)の2「倉庫地理的位置水害潮害の虞れがなく或は防水、防潮の設備を有するもの。」こういうふうなことが検討の上に指定されているわけです。ところが、今度は事故数量の中に私が疑問に思っていたのは、「事故処置の結果について」というので、ずっと出ておりますが、(1)(2)(3)、こういう点は船の事故であり、しかも指名競争入札によって売却しているから、これは事故があったことは遺憾であるが、問題ないと思うのです。ただ、この末尾の方の国内産小麦、それから外小麦とあるのは外麦だと思うのですが、合わせて二百四十五トンという数量は、事故品飼料品として一般競争入札及び随意契約により売却した。価格差損は天災による不可抗力的な事故であるので、寄託契約第二十条により政府が負担した、こうなっているわけですが、この事故はどんな理由で起こったのですか。
  6. 須賀賢二

    須賀政府委員 資料として差し出してございまするこの事故処理の第三、三十三年九月二十六日に発生いたしました事故でございますが、これは当時の記録によりますると、三十三年九月の二十二号台風は、この船橋地区に対しましては非常に大きな集中豪雨型の雨台風であったようでございます。当時の記録もあるわけでございまして、それによりますと、二十六日の朝から午後六時ころまでの間にかけまして、気象庁千葉分室開設以来の豪雨ということになっておるようでございます。そういう集中豪雨でございましたので、当時この倉庫保管をいたしました政府食糧が、当時の倉庫関係者ができる限りの浸水防止の努力はいたしたようでありまするけれども、その力及ばず、ここに出ておりまするような浸水を来たしたような次第でございます。
  7. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは業者に対して非常に過酷なように聞こえるかしれませんが、私はこの当時のことを聞いておるので、これは私自身もまだ的確にこうだという材料を持っておるわけではありませんが、このときの実際の雨水浸入——あそこは海水の浸入は受けない、雨水であったと思いますが、それを受けたのは七十五俵程度であったということを聞いているのです。これを見ると、私の聞き違いは、米で七十五俵というのが、米じゃなくて麦であったということがわかるのですが、麦で大体二百四十五トンというと、これは俵数にすると二千六、七百俵になるんじゃないかと思うのです。この二千六、七百俵というものは雨水浸入を受けた。僕の聞いているのでは、この当時七十五俵くらいがぬらされたということを聞いているが、ここには二千六百俵と出ている。そうすると、三十三年には二千六百俵の米が、これは台風による事故だとしてある。その翌年には六千何百俵という米がまたなくなっている、こういうことにこの倉庫はなるわけです。  そこで、随意契約によって。売却したわけですが、これはどこへお売りになったか、売り先はどこであるか、幾らで売られたか。それから、この二千六、七百俵だろうと思うが、このときには当然食糧事務所では立ち会って事故の検査をされるのだろうと思いますが、これはされておりますか。
  8. 須賀賢二

    須賀政府委員 当時の処分の状況でございますが、外国小麦百九十六トン、端数がつきますが、端数を切って申し上げますと、百九十六トンは、横浜市の甘粕健次郎酒精原料用として売却をいたして、おります。売却金額は百六十四万四千円でございます。それから同じく外国小麦の十三トン余は、同じく酒精用といたしまして、沼津市の清水清二売却をいたしておるわけでございます。これは十五万四千円であります。この売却は、いずれも一般競争入札によって売却をいたしたのであります。  それから国内産小麦のうち、二百三十四俵は横浜市の平本真一売却しております。これはえさ用でございます。それから同じく二百三十四俵を沼津市の清水清二売却しております。これもえさ用でございます。三百三十四俵が二つございますが、それの売却価格が合わせまして二十四万五千円でございます。これも一般競争入札による売却でございます。  それから国内産小麦の百四十四俵の口がございまして、これは七十三俵ずつに分けまして、横浜市の甘粕健次郎沼津市の清水清二飼料として売却しております。これは売却金額が七万五千円でございます。  それから、当時の事故確認は、千葉食糧事務所職員確認をいたしまして、確認者農林技官木内保司行木幸夫の三人になっております。
  9. 小川豊明

    小川(豊)委員 事故があったかないかというのは私はまだ確信を持っておりませんから、このことについてはあとでお伺いするとして、これは競争入札したものと随意契約したものと二口あるようですが、受けた人は随意契約競争入札もほとんど同じ人なんです。これを随意契約競争とに分けたのは、どんな理由で分けたのですか。
  10. 須賀賢二

    須賀政府委員 当時の売却状況につきまして、事務所長から御説明いたさせます。
  11. 増山義克

    増山説明員 一般競争入札が二回ありまして、その予定価格に達しませんので、随契最後にいたしたのでございます。
  12. 押谷富三

    押谷委員 関連して。今の水害事故集中豪雨ということは聞きましたが、この倉庫がどの程度浸水をしたか。お調べになっておったら、それをお示し願いたい。
  13. 増山義克

    増山説明員 四段ぐらいと記憶しております。海老川というのが船橋にありまして、海老川がはんらんして流れまして、それがずっと逆流したようなこともございます。それから、その当時は市内でも畳をだいぶぬらしまして、ずっと一帯が自動車の通れないような深さの道路浸水でございます。倉庫の中へ水が浸水いたしまして、はいの四段くらいのところまで浸水したのでございます。
  14. 押谷富三

    押谷委員 四段と言わずに、もう少し数字的に何メートルだとかなんとかいう調査があるだろうと思うのですが……。
  15. 増山義克

    増山説明員 約一メートルでございます。
  16. 押谷富三

    押谷委員 今、あなたのお言葉では、町の中では畳をぬらしたものがあるという程度ということですが、倉庫自身は町の民家より低いのですか。
  17. 増山義克

    増山説明員 倉庫は割合低い土地になっております。道路より幾分低目になっております。
  18. 押谷富三

    押谷委員 民家より低いのですか。
  19. 増山義克

    増山説明員 民家はそこからちょっと離れておりまして、私、行く途中でございましたが、そういう道路にずっと水が一ぱいありまして、ちょっと遠回りして行ったような格好になっております。倉庫は一般に低いような土地ということは、われわれ行きまして判定しております。
  20. 押谷富三

    押谷委員 一メートルであると、大体積んで四段くらいまで水にぬれてしまうのですか。
  21. 増山義克

    増山説明員 そうでございます。
  22. 押谷富三

    押谷委員 これはもちろん床上ですね。床のある倉庫ですか。
  23. 増山義克

    増山説明員 倉庫の中は、下がコンクリートになっておりましたが、割合低いのでございます。それでそこに擦木を引きまして、むしろ流れ込んだような格好でございます。
  24. 井原岸高

    井原委員 関連して。集中豪雨でどうにもしようがなかったという不可抗力のような形でそうなったということであれば、その当時その周辺の食糧倉庫においてもそういうような被害があったと思うのですが、そういうことについて資料があったら一つ出してもらうか、あるいは報告してもらいたい。
  25. 押谷富三

    押谷委員 この前の発言の中に、伊勢湾台風がこっちへきたらよかったというようなだれかのささやきがあったというようなお話がありました。そうすると、台風豪雨があれば、それに便乗して何かうまい汁が吸えるというような意味にとれるものがあった。  そこで、食糧事務所長あるいは農林省が預ける場合の倉庫にはいろいろ規格を設けて、そうして豪雨その他の場合における水害等にかからないような規格に合った倉庫に預けておくようにしておきながら、よそはさように民家の畳の上にまできたという程度であったかもしれない。ところが、特に低くて、ここだけが一メートルも水が入って、そうして二千六百俵ないし二千七百俵が浸水してしまうというようなことでは、この倉庫の選ばれる規格と、その結果との間において大へんな食い違いがあります。前回のようなささやきの言葉もありますから、そこで私は聞いておるのです。実際に木内行木という二人の職員の方がお調べになったと思いますが、こういう重要なことは事務所長事故をよくお調べになって、調査責任者事務所長でなければならぬと私は思う。それを職員木内行木調べて、事故確認者がこの二人であったということでは、ちょっと納得いたしかねる。問題は大きいのです。二千六百俵も二千七百俵も水にぬらしてしまって、安くたたき売ってしまった。その事故確認者はだれかというと木内行木という職員である。当面の重大な責任者である事務所長確認者の名前に連なっておらぬということだけでも、これは世間からいろいろ言われる根拠になると思います。だからこの点について、単に一メートル浸水したというだけでは、これは書類によってそういうふうにお答えになっているが、そういうことだけではきわめて不満な答えであるということを申し上げておきます。
  26. 増山義克

    増山説明員 ただいま御指摘のありました点につきまして、台風浸水したというような連絡がございましたので、私みずから現場へ飛んで参ったわけでございます。先ほど、畳をぬらし、あるいは道路自動車が通れないというような現場は、私が実際に現場に乗り込みまして、非常に重要な食糧処理でございますので、現場に立ち会いまして、その倉庫へ行って、事故原因、どういう水害状況か、台風状況かということは正しく見て参っております。
  27. 押谷富三

    押谷委員 あなたは、現場にいらっしゃったんですね。
  28. 増山義克

    増山説明員 参りました。
  29. 押谷富三

    押谷委員 自動車で行かれたのか、自転車で行かれたのか、歩いて行かれたのか。
  30. 増山義克

    増山説明員 自動車でございます。
  31. 押谷富三

    押谷委員 自動車で行けば、自動車が通れる程度道路浸水でしたね。そうなりますね。
  32. 増山義克

    増山説明員 別な道がたくさんございますので、千葉街道の方から入って参ったわけでございます。
  33. 押谷富三

    押谷委員 この倉庫付近道路を、いずれ通られるにきまっていますね、現場へ行かれたのですから。その倉庫付近道路はどういう状況でした。何によって行かれましたか。
  34. 増山義克

    増山説明員 倉庫付近道路につきましては、少し遠回りして参りましたので、その水の点につきましては引いた点もございますし、車で現場へ乗り込んだわけでございます。
  35. 押谷富三

    押谷委員 水が引いたと言われますが、いずれ倉庫に水が入ったということは、倉庫業者から責任者としてあなたに直ちに通達があったものと思われます。あなたも大へんなことですから、すぐ出動されたものと思われる。そうすると、その水がついてから、あなたが現場を見られた間の時間の差はどのくらいですか。
  36. 増山義克

    増山説明員 二時間くらい現場におったわけでございます。それで倉庫の手前に、保管業者としまして、中へ水が入らぬように、防水土のうでございますか、そういうやつを戸口へ寄せて、水が入らぬような格好措置はしておったわけでございます。保管業者としましてできるだけ食糧をぬらさぬというようなことは努力したということも聞いております。
  37. 押谷富三

    押谷委員 最後に、関連事項として、その倉庫位置設備等から見て、この水害は、あなたの方が倉庫を選定せられる基準に多少あやまちがあってこういう被害が大きくなったんだ、言いかえればあなたがお預けになる倉庫としては不適当であったのだ、ある程度この基準よりは悪かったんだということはお認めになるのですか、ならぬのですか。
  38. 増山義克

    増山説明員 船橋地区台風がございましたときは、あそこでもこんな台風被害水害被害、あるいは海老川はんらん等につきましては、こういう水量がふえたということは初めてだというような話も聞いたわけでございます。それでこの被害は、水が急にあふれて参りましたので、全く不測の水害というような考えでおったわけでございます。倉庫につきまして特に悪いというようなことは考えておりませんわけでございまして、水量が非常に多くてほんとうに不可抗力のような形に現場はなっておったわけでございます。
  39. 押谷富三

    押谷委員 これ以上は議論になりますから、遠慮いたします。
  40. 小川豊明

    小川(豊)委員 この二千何百俵の麦は、この船橋運輸倉庫倉庫に入れておいたのですか。それとも、ほかの倉庫ではありませんでしたか。湯浅から借りた倉庫へ入れてあったのじゃないですか。あなたは船橋倉庫へ行かれたと言われたのですが、一メートルくらい浸水した、今こうお答えになっておりますが、あれは駅の前に倉庫がありますね。汽車は通っております。一メートルも浸水したら、汽車は通れません。それで、この倉庫船橋借り入れ倉庫とでも言いますか、ほかの倉庫を借りて入れておいたのじゃないですか。違いますか。
  41. 増山義克

    増山説明員 船橋運輸湯浅商店倉庫を、借庫契約を結びまして借りていたのでございます。場所は国電の方の駅前でございません。湯浅商店わきでございます。線路がちょっと高目になっておりまして、商店倉庫の方はずっと下になっておる。京成の線路わきでございます。
  42. 山田長司

    山田(長)委員 関連で、ちょっと伺います。さっきから話を聞いておると、倉庫は何カ所もあったような印象ですよ。一カ所の倉庫でない印象になってくるし、一体何ケ所の倉庫保管しておったのですか。
  43. 増山義克

    増山説明員 船橋運輸倉庫は全部で十六棟ございます。そのうち、今の水害につきましては、三号倉庫になっております。一棟でございます。
  44. 小川豊明

    小川(豊)委員 私もこれは一棟だと聞いておるのです。  そこで、おかしいのは、あなたも今一メートルと言われたが、倉庫は下はコンクリにしてあるが、そのままじかに米や麦を積みません。ちゃんと下に敷きを置いて、その上へ積んでいくので、一メートルの浸水で二千七百俵もぬれるということは、ちょっと考えられないのです。坪数がうんと使ってあれば、下部がみなぬれるということはあるだろうが、今一倉庫と言われたでしょう。一棟の中で、二千何百俵も一メートルで浸水するということは考えられないのじゃないか。その点が一つ。  それから、船橋運輸じゃなく、湯浅商店倉庫でしょう。湯浅商店倉庫船橋運輸が借庫して、そこへ入れたわけでしょう。船橋運輸倉庫じゃないでしょう。借り倉庫でしよう。その点をはっきりして下さい。
  45. 増山義克

    増山説明員 第一点のお話でございますが、倉庫の中は、入り口から見ますと、入り口より幾分下がっていたわけでございます。そういう構造でございますので、水が相当中へ浸入しましたので、高さは一メートル程度でございますが、ぬれた貨物につきましては、間違いなくその数量になっておるわけでございます。  それから、第二点は、今の湯浅倉庫船橋運輸が借りまして、正式な借庫契約を結んでおりますので、私の方の関係につきましては、船橋運輸倉庫という面で法的には成り立っておると思います。
  46. 小川豊明

    小川(豊)委員 法的に成り立っているとかいないとかの問題ではなくて、豪雨があったにしろ、こういう大量の麦が浸水するような倉庫を借倉庫として選んで、あなたの方では船橋運輸倉庫を借りているとするならば、保管するからには当然あなたの方で調査しなければならないだろう。そうすると、そんな地面よりも倉庫の底が低いような倉庫指定すること自体が、私はおかしいと思うのです。今も、その倉庫に対して完全であったかというのに対して、あなたは完全だと言ったけれども、完全じゃないでしょう。地面よりも低いから、ちょっと雨が降ったならば二千何百俵も——これに私は疑問を持っているのです。事実は七十何俵であったということを聞いているのですけれども、これは私は確証を持っていないから何とも言えない。それを二千六百俵も二千七百俵もぬれるような借倉庫を持ってきたのに対して、あなたの方で十分これを倉庫として適当であるかないかということを検査した上でもって、ここへ入れなければならない。その点、あなたの方が手抜かりがあったのじゃないか。そういうことを私は追及せざるを得ない。  それから今度は、六千四百俵という事故が起こってから、これは三月五日にあなたの方ではこの事故がわかった、こういうことを答弁しておる。ところが、二月五日にわかったのは、千九百九俵がわかったわけです。あとの大量の分はまだわかってなかったと、かりにしても、一月にあなたの方で一万一千五百二十七俵入れています。それから二月には一万三百八十一俵入れている。三月になって一万三千百二十九俵入れているのです。その間出し入れがありますから、三月一日現在でも一万一千九百五十八俵あることになっているわけなんです。ところが、このときすでに米はなくなっているのです。なくなっているのを二月五日に発見しながら、二月中にも三月中にも、それから四月になっても入れていますね。四月になっても千四百十二俵入れています。一体これはどういうことなんです。二月五日にあなたの方で発見していながら、なおこういうふうに、二月も三月も四月も、五月には入れていませんが、どんどん入れている。あまりにもひどい管理の仕方じゃないですか。この点、どうしてここへ入れたか。  それから今度は、倉庫料の方で言いますと、二月五日に発見していながら、二月二十六日には、これは一応理屈はあるでしょうが、五十万六千八百六十三円倉庫料を払っている。それから三月には五十四万七千八百七十八円払った。四月には五十五万九千三十八円、こういうふうに四月まで倉庫料を払っている。そうすると、あとの分は別として、この千九百俵は行きどころもわからなくなったということがわかっていながら、こういうふうに米を入れたり、倉庫料を払ったりしているのは一体これはどういうわけなんですか。あまりにもこの倉庫に対するあなたの方の恩恵というか、便宜というか、はかり過ぎているのではないですか。この点を答えて下さい。
  47. 増山義克

    増山説明員 事故が二月五日に最初わかったわけでございますが、当初われわれとしましても債権回収をいたしたいという念願から、そのものにつきまして入れたわけでございます。それから保管料につきまして、支払いしました点につきまして、相殺というような手続をとらなかったのはまことに遺憾なわけでございます。私どもとしまして、金を出すというような予想もありましたので、一応相殺せずに徴収を後にいたすというような結果になったわけでございます。それで、その保管料につきましては過払いをいたしたわけでございますが、全額政府へ返納させておるわけでございます。
  48. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは七月中にあなたは返納させています。返納させたからいいというのではない。こういう事故が起っているのを知っていながら、所長としてここへ米をまだ保管さしたり、その保管料をどんどん払っているということは、事故がなかったということをあなたは承認していることだと思う。こういう事故がありながら、それをなおかつあなたのところで隠蔽しているのじゃないですか。私は、取り返したからいいというのではなくて、なぜこういう措置をとったのか、こういうことを聞いているのです。
  49. 増山義克

    増山説明員 私どもとしまして債権回収に専念しまして、事務上としましてこのように過払いをしましたのは間違いであったかと思いますが、この点は私としましても遺憾であると思っております。
  50. 小川豊明

    小川(豊)委員 その次に、合わせて六千四百九十九俵という米が亡失しているわけだ。この行き先ですね。あなたの方では非常に回収々々と、回収に重きを置いている。これはもちろん回収もしなければなりませんが、こういう事故が起こったからには、何でこういう事故が起こって、その米はどこへ行ったかということを、まず、あなたの責任としても確かめるのが最も正しい行き方ではないか。そうでなかったならば、回収しようにもできないと思う。そこで、あなたが当然しなければならない任務であるところの、米の行き先はどこへ行ったかということを、あなたはどういうふうな御調査をなすって、それがどこへ幾ら行ったということがおわかりだろうと思いますから、それを一つ御答弁願いたい。
  51. 増山義克

    増山説明員 私どもとしまして、当初から、ただいま御指摘の通り、これを追及しようということで考えておったわけでございます。最初、鎌田前社長に再三追及をいたしたわけでございますが、がんとして口を開かなかったわけでございます。それで、実態が判然としなかったわけであります。私みずからいろいろ聞いたわけでございますが、話さないのであります。その後二回派遣しまして、六月に、この前お話申し上げました土井という倉庫主任でございますか、それから例の資料を集めようと努力して参ったわけでございます。これを提出させて、見たわけでございます。このメモにつきましては年次、あるいはあて名も氏名も、それから紙もいろいろで、非常に書きなぐり的でございます。こういう非常に不備なものでございまして、この紙片だけでは相手を追及してもだめだ、真相はわからないということで考えたわけでございます。そういうことからしまして、これ以上調査しましても困難であるということによりまして、つかめないという判断をしておったわけでございます。一面、債権回収が急でございまして、食糧管理法違反の追及がちょっと後退したような格好でございますが、この点遺憾に思っておるわけでございます。
  52. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 この問題は、食糧事務所長、この人を相手にしておったのではらちがあかない。こんなばかげた話はありませんよ。私ら、ちょっと入って聞いていても、一つとして納得いかないのです。水が入ったというような問題があったら、そうした倉庫を今度は使わないようにしていくことが考えられるのであるし、それからまた、なくなったことがわかったといったら、あとその倉庫を使わないようにということが当然考えられなければならないのです。それから倉庫料を払っていくというようなこと、こんなこと、ちょっと聞いたところで、どうにもなるものじゃない。私はこの間・農林省の最高幹部としてこれをどういうふうにお考えになるか、根本的な解決策はどうかということを大野政務次官に御質問申し上げて、食糧庁長官なり大野政務次官からこの問題についてお答え願い、われわれとしても実は先般調査に行く約束をしておったのだが、自由民主党からだれも行かないでまことに済まないと思っておった。それで、これはこれから調査に行かなければならない。また刑事的な問題としては検察庁の方としてやるでしょうけれども、こんな明らかな問題を、農林省の幹部として黙って答弁さしておくこと自体がちょっとおかしい。こんなふうなことを食糧事務所長が相談も何もなく、なくなったからこれを回収するというような問題を長い間かかってやっておるのが、農林省の仕組みでございますか。しかも鎌田社長に大いにやったけれども、がんとして口をあかない。だからこれは何ともしようがないという判断をしておったなんて、こんなべらぼうな答弁というものはあるものじゃないですよ。だから、あなたもそんな所長を相手にしておってはいかぬ。農林省の幹部で調べられたかどうか。調べた結果どういうふうに判断しておるか。こういうことをお答え願いたいのです。
  53. 須賀賢二

    須賀政府委員 先ほどから、当時の事情等につきまして事務所長よりお答えを申し上げたわけでございますが、本件につきましては、私どもといたしましてもいろいろな点について、手違いなりあるいは処置の間違っておった点が多々あることを率直に認めておる次第でございます。当時米がなくなりまして、事務所長としても相手方といろいろ実態の究明にかかったわけでございますが、なかなか相手方からはその実態をつかむことができなかった。従って直ちに警察当局の力を借りて実態の確認をするように手配をいたすべきであったのでございますが、もっぱら賠償金の徴収のみに専念をいたしたようなてんまつになっております。その点、現在私どもといたしましては、本件の扱いは非常に当を得ておらなかった、かように考えておるわけでございます。食糧庁の事故処理に対する従来の考え方として、もっぱら被害額を金銭によって賠償取り立てをするということに主力が注がれておりまして、その違法行為の実態であります横領あるいは米の横流し、そういう点からの追及が十分でなかったということは、私どもも深く反省いたしておるわけでございます。今後の問題といたしましては、これが即時刑事事件として扱われますと、賠償の方は従来に比較いたしまして実際に取り立てることがより困難になるような実情も考えられますけれども、さようなことだけを考えておるわけには参りません。むしろ違法行為の実態をつかむように、今後は処理の仕方を考え直していかなければならないと考えております。この件につきまして、事故被害の実態につきましては、警察当局もずっとお調べになっておられたようでございます。ごく最近、私どもの方から警察庁当局と連絡をいたしましたところ、取り調べの方も相当進行いたしておるようでございます。現在となりましては、私どもの方も警察の取り調べの結果を待ちまして、その取り調べの結果によって事故の実態を知るより方法はないという段階まで来ておりますが、近く警察の方から、本件の実態を私どもの方にも知らしてもらえるような段階になっておるのでございます。私どもの力で事故の真相を究明いたします点につきまして、いろいろ手違いなり、また考え方の適当でない点がありましたことは、幾重にもおわびを申し上げる次第でございます。
  54. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 これは第一に、食糧庁長官に報告なしに一事務所長の裁断で回収をやるというような方針、たとえばこれを大げさな問題として騒いで対策を立てるというような工合に、食糧庁長官に相談なしに金の回収をやる、こういうようなことをやっておるのか。それとも長官に報告した結果、長官の命令で回収の方針をきめられたのか。まず、それをちょっと承りたい。
  55. 須賀賢二

    須賀政府委員 本件は千葉食糧事務所長か三月五日に確認をいたしましてから、四月の初めころまで本省には連絡をしなかったのでございます。     〔鈴木委員長退席、井原委員長代理着席〕 と申しますのは、おそらく現地でできるだけ早く賠償金を取り立てて、一応てんまつを処理しまして本省に連絡をするというような考え方であったのではないかと思うのであります。普通、こういう大きな事故でありますれば、即時本省に連絡をいたしまして、本省の指示を受けるのが通常の例でございます。
  56. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 どうも、こうした質疑応答になってくると、時間ばかりかかって何ともしようがないのでありますが、大体私は、食糧庁は国の仕事であるし、物がなくなったというようなときには、回収を先にやるということよりも、今後そうしたことがないようにしていくということが、国家機関としての絶対的な使命だと思う。なぜならば、普通民間の商取引の関係でしたら、これは刑事事件になっても、取れなかったら破産をするとかなんとかになって困るからというので、忍びがたきを忍んで、刑事事件にしないで示談でいこうということになるけれども食糧庁は、取れないからといってどうなるものでもない露骨に言えば……。だからこれは、今後事故が起こらないようにすることの方が使命じゃありませんかね。これは政務次官にお聞きしたいんだが、この問題は、回収というようなことよりも、次の事故が起こらないように厳たる処置をしていくということが国民に対する責任でありますから、この点は特に一つお尋ねしておきます。  それとともに、今、四月ごろに食糧庁長官が報告を受けて、今まで約半年間、食糧庁長官として何らの措置をしないで、漫然と今日まできたということだが、こんなこともべらぼうな話であって、とてもこれはちょっと聞いただけでも問題になりませんよ。ことに今のお話で、警察当局に話をしたから、農林省当局としては何も調査の方法がないなどと、そんなことは、警察は警察として調べる側、食糧庁は食糧庁、農林省農林省として、職員責任の所在がどこにあるか、どういう関係にあるかということを当然調べなければならないじゃありませんか。それでは考え方が違いますよ。片っ方は刑事的な責任という立場からやるんであって、あなたの方はあなたの方として、要するに農林省職員諸君の責任がどこにあるかということをちゃんと調べておく。私はこの間、大野政務次官にそのことを頼んだんですが、われわれも調べますけれども一つ政務次官、そういうことについて、農林省農林省としての立場から、責任の所在をきちんと明らかにして、この次の委員会では——あまりこんなことで時間をかけていったら何とも仕事にならぬから、お互いそういうようなことで終わらしていただいた方がよい。そうして早くこうした問題の解決をし、刑事的な問題については検察庁におまかせするというようなことで、この委員会の使命を達したいと思いますから、大野政務次官にもそのことをお願いします。そのことについて御答弁願いたい。
  57. 大野市郎

    ○大野政府委員 御指摘の問題の根本は、いつごろからそういう形があったものでありますか、私もつまびらかにしませんでしたが、とにかく賠償金を取ってしまわなければ大へんだというような考え方が先のために、大へんな手違いが起きたことは間違いございません。御指摘の通りに、これは当然告発をして、しかも賠償責任は当然また別個にあるのですから、やるべきであったのでございます。この方針はその通りに、食糧庁、農林省の方針をいたすべきものでございますから、これは御確約いたします。  それから、方法についての問題は、実は事務処理の形式的な問題は、調べますと、ある程度固まっておるわけです。たとえば指定倉庫の選定基準なんかも、ごらんに入れました通りに、読めばみんないいことが書いてある。ところが防水という文句がしっかりありながら、防水の方法が欠けておったというようなことでございまして、制度上の問題としては、頭で考えたのは相当できておるのでございます。ただ、仏ができて魂が入らないのでこの事故が起きたと思います。そこで今度も、六月から八月にかけましていわゆる寄託物の一斉検査をしまして、三件の発見が、皆様にも御報告いたしたような姿でございます。まず問題としましても、たとえばいわゆる信用状況調査というのも、最初はするらしいのですけれども、その後の変化状況に対する監査が足らないような点が、事務的にもございます。そんなようなことで、諸般の事務整備の問題は、次回までにはさらに具体的に、皆様に御納得のいくような形の整備をいたします。  問題はやはり物の考え方でございまして、早く金を取らなければならぬというので、当然の直属長官の食糧庁長官にさえも報告を怠たった事実が部内にございますので、これらの問題も当然、今後そういうことのないようにいたさなければならぬと思います。  そのほか、抜本的にどうするかということは、結局、先ほど御指摘の、まず今後こういうことのないように粛正をするという、先ほどの告発措置に伴う諸般の問題というものについての考え方を変えさせる必要があると思いますので、詳細の事務手続の改善、監査方法の改善、こういう事柄も、もちろん続けていたします。  なお、まだきっと、そういうことで倉庫の検査などが行き届かぬ点があると思いますので、設備そのものに対しても再検討いたすべき時期が参ったと思いますから、これも、六月から八月にかけた物品検査と同様な趣旨口で、いたさねばならぬと御約束申し上げます。
  58. 押谷富三

    押谷委員 関連して。今、長官のお話では、二月五日に発見されたものを四月まで報告を受けなかった、こういうことですね。そうすると、四月までは、その千九百俵の米がなくなったということは御承知はなかったわけですな。ところがその間に、二月、三月、四月——まあ四月は別として、一月、三月には保管料は支払われておりますね。その保管料の中にはなくなった千九百俵の米の保管料が入っておるのじゃないかね。それはどうですか。
  59. 須賀賢二

    須賀政府委員 四月まで本省に報告をしなかったのでございますが、その間、その保管料は二月、三月、四月と払っております。そのうち千九百九俵分を含めて払ったのが、三回分、二回分とあるわけです。その分はあとで返さしております。
  60. 押谷富三

    押谷委員 返さしたとかどうとかいうんじゃなくて、そのときに入っておったかどうか。
  61. 須賀賢二

    須賀政府委員 初めに払ったときは入っておるわけであります。
  62. 押谷富三

    押谷委員 まことにゆゆしい問題で、事務所長は知っておりながら、そのなくなった、保管をしておらない米の保管料まで払っているという事実は、これは大へんなことなんです。まことに乱脈きわまるのです。  さらに、前会に私、聞きたかったのですが、時間がなかったので、この機会にちょっと聞きます。食糧事務所長は、このことを警察に言ったという話がありましたね。連絡したとかいうような、変な言葉で言われたが、言っておった。それは告発という意味じゃなかったのですか。
  63. 増山義克

    増山説明員 最初の保管料につきましては、事務的に間違えまして、先ほどお話のような点のあったことは遺憾でございましたが、これを五月七日に徴収しておるわけでございます。  第二段のお話の、警察へは、県警本部の捜査二課長にお会いしまして、そこで事故の内容、数量でございますが、そういう点につきまして、なくなっておるということをよく話し、それから仕事の流れ方と申しますか、ちょっと聞かれたわけでございまして、私、確かに六月に直接お会いして話しておるわけでございます。それを届けてあるということで、確信を持ってそういうふうに考えておったわけでございます。
  64. 押谷富三

    押谷委員 公務員は自分の所管内でこういう亡失の事件があって、それが刑事事件であると考えるときに告発する義務がありますね。その義務のあることは御承知ですね。それをまず聞きます。
  65. 増山義克

    増山説明員 その義務のあることは承知しておるわけでございまして、そういうことのために直接私が出向いていきまして、内容を説明しておったわけでございまして、それと私は今まで思っておったわけでございます。
  66. 押谷富三

    押谷委員 あなたは公務員として告発の義務がある。その義務を果しに行ったのだ。言いかえれば、もしそれが口頭の告発だということになれば、前回刑事局長が言われましたように、それを受けた警察官においては、これに対して調書を作らなければならぬことになっているようだ。調書を作りましたか。あるいは作らなければ、これは警察官の落度とも考えられるが、あなたが告発する気持で行ったならば、告発調書を作らなければならぬと思うが、それはどうなんですか。
  67. 増山義克

    増山説明員 私もこういうことは初めてでございまして、私の方の立場としますれば、事情説明、内容を詳しく説明申し上げることによって告発したものと考えて今までおったわけでございます。
  68. 小川豊明

    小川(豊)委員 これはみんな違う。大体今まで農林省食糧管理法に基づいて米の買い入れも配給もやっている。それを弁償させればいい、弁償に重点を置くということ自体が間違いなんです。そういうことからこういう問題が起こってくる。私はそこまで言いたくないと思っていたが、これは初めから食糧庁の、こういう問題が起こると、ごく下っぱ——下っぱというのは悪いが、下の係あたりが責任をとらされているのですけれども、そういう人たちが責任をとらさるべき筋合いでないと思う。大体指定するとき、こういう倉庫指定するのも、私は別に食糧庁長官であった片柳さんが運動して指定したとは言わないが、片柳さんの弟はここに行って、捨て扶持をもらっている。一万七千円給料をもらっていたでしょう。これはあなたの方でも知っているはずだ。そうすると、こういう不確実な倉庫指定するということ自体が私はおかしいと思う。何かの運動によって指定されているのですよ。そうでなかったら、片柳さんというあれほどりっぱな人の弟がそこに行って、一万七千円の捨て扶持をもらっているはずがない。  それから、所長は告発したと言うけれども、これは告発していないと思うのです。警察では受けていないと言う。受けていないと言うならば、あなたは告発したと言うけれども、うそでしょう。受けていないと言っています。もう一つ、これはしっかりした材料でないから、私は人の名前をあげて言いませんが、これは警察では倉庫の方に手をつけません、こういうことを言っている。従って、ここには指定にもおかしな問題があった。それから、こういう事故が起こったときに、あなたの方のとった措置というものは、何とかして金を回収すればいい、金を回収すればそれでもってこういう事故にならないで済んでしまう。だから、金を回収するだけに重点を置いて、米の行き先などというものは一つも追っていない。その証拠には、私ども委員としてあそこへ行って、いたのはわずかに一時間か一時間半です。一時間か一時間半の間に、この米はヘルス・センターに持っていかれたと思います。こういうことを今の社長は答弁しているのです。そういうわかっていることを、われわれがちょっと行って、一時間かそこらでこれだけのことがわかるのに、あなたの方は幾月も幾月もやっていながらこれがわからないというのは、この行く先というものを調べていなかった証拠なんです。この点も非常にいけない。  同時に、今度は倉庫の方で、これは警察でも検察庁でも手をつけないはすだ、こういうことを言っているということを僕は聞いているのです。手をつけないはずだというのは、これはや円ないようにしてくれということを頼んだから、こういうことになっているのです。だから、そういういろいろな点を見ていくとき、これは事務所長だけの責任でもなければ、さらにその下の責任というよりも、食糧庁自体のこういう米の管理に対する考え方、これが問題だと私は思う。ですから、あなたの方では、埼玉県でなくなった一万七千俵の麦の行きどころがわからないだろうと思う。わかりますか。わからないでしょう。もし、わかるなら答弁して下さい。あなたの方では答弁できないと思う。こういうふうに、千葉の六千四百俵の米の行きどころがわからない。埼玉県の麦の一万七千俵も行きどころがあなたの方ではわからない。私の方ではややわかっております。おかしいではありませんか。外にいるわれわれが幾らかわかっていながら、あなたの方ではてんでわからない。こういうところに、食糧のいわゆる保管機構というか、管理の機構に対して非常に重大な、どこかに落度がある。だから、その点をあなた方の方で反省をして、これをどう改めるかということをしなかったならば、ただ代金を回収すればいい、回収すればいいと代金回収を追っている。  これは私の県ですが、布鎌というところからこの問題について投書がきている。そうしたら、印旛郡の深間の農協の組合長は、六十八俵の米が——自分がとったのでなくて、盗難なんです。ところが、食糧事務所の方からは、金を払え、金を払えと追及されたら、金を払うについては、組合にそれだけの損をかけることになるというので、組合長は責任を感じて六カ月も前に失踪してしまった。そうして足取りは、大島に行って、また何かこっちへ引き返したまではわかっているが、その後は沓としてわからないから、死んでしまったのだろうと言われている。わずかに六十八俵でも、組合長は責任を感じて死んでいる。  そういうふうに、ただ単に、回収することは必要ではあるけれども、まずこういう米が何でなくなるのか。どういう形で管理されているからなくなるのだということを明確にし、なくなったものはどこへ行ったかということを調べるべきだ。食糧管理法からいったら、おかしいじゃないですか。金をとるのが食糧管理法の目的ではないはずだ。これは国民の食糧なんです。その食糧をまず確保するというのが、あなた方のとらなければならない立場だと思う。それをなぜ一体おろそかにしておくのか、こういうことを私はあなたにお聞きしたい。埼玉のはわかりますか。
  69. 須賀賢二

    須賀政府委員 先ほど来、御指摘をいただいております点は、私どもの方でも今回の事件のてんまつから考えまして、深く反省をしなければならない点であると考えております。先ほども申し上げましたが、従来の扱い方がもっぱら賠償金の取り立てということのみに専念をして、それが完済をされると問題に対する責任を果たしたような感覚で処理をしておった場合が多いようでございます。この点は、従来の考え方が適当でなかったというふうに私ども考えております。  今後の問題といたしましては、このような事故が今後再び起きないようにできる限りの措置を講じて参らなければならないのでございますが、いろいろ今後の対策につきまして検討をいたしてみますると、まことに従来の事務処理の体制の中に幾多の欠点がありましたことを十分認めるわけでございます。要は責任の所在をはっきりいたしまして、責任を果たしておりません事態に対しましては強くその責任を追及いたしますような体制を固めて参りませんと、単に年に何回見回る、いつどういう検査をやるというような制度だけでは十分目的を達しませんので、今回の事件を深く反省いたしまして、今後それぞれの段階におきまする食糧保管ないし業務一般についての責任関係を明確にするような方法を早急にとりたい。  なお埼玉の麦の亡失でございますが、これは事故が発見されました際に直ちに警察とも連絡をとりまして、これははっきり告発をいたしております。警察の方でもすぐ調査にかかったわけでございますが、非常に巧妙かつ悪質に仕組まれた事故であったようでございまして、検察庁の方でも横領という容疑での事実確認ができなかったような結果になっておるのでございます。従いまして、当事者は背任罪で起訴をされまして、横領の事実は検察当局でいろいろ調べられましたけれども埼玉の場合は現在まで十分確認されておらないような状況になっております。
  70. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこなんです。この埼玉の麦も一万七千俵というものがなくなって行先がわからない。これもあなたの方で事故がわかったときにすぐ連絡すれば、おそらく私はこういう大きな被害にならなくても済んだだろうと思うし、行先もわかっただろうと思う。日時を経過してしまっているから、こういうことになってくるのです。それはやはりさっき言ったように、代金だけ取ってしまえば何とかなるだろう、それで処理はつくだろうということからきているのです。  それで、私は奇怪なことを聞いているのは、長官のあなたであるか前の渡部長官であるか知らぬが、この倉庫会社から三、三回あなた方、脅迫されている。米を保管する責任のある人がなくしたのだ、怒られるのは向こうでなきゃならないはずだ。あなたの方が脅迫される筋合いは一つもないはずだが、あなたの方で脅迫されておると聞いておる。それが脅迫であるのか何であるのか、とり方によるでしょうが、ともかく食糧庁に乗り込んできて、長官のところに来て、これをこういうふうに処理してくれなければおれの方にも考えがあると居すわったことがあるでしょう。これは何かなければ、そういうことがやれるはずがない。これはつぶれかかった倉庫ですけれども、この倉庫の社長の給与は、月に四万八千円なんです。これは当たりまえでしょう。ところが、交際費は九十万も使っているのです。毎月々々交際費を九十万も使っている。これは運輸省や農林省にごちそうしたと言っている。ここにも問題がある。  それから、この米の流れたのは、盗み出して外に売ったとは違うのです。盗み出したことだけは事実でしょうけれども、それを系統を通じて流れているらしいのです。配給のルートを通じて流れているらしい。ですから、私もよく知らぬが、この千葉食糧株式会社というのは食糧事務所のそばにあるものは、あれは違うのですか。あれは千葉食糧株式会社ではないですか。そうですね。そうすると、あなたのすぐ隣の軒を並べている食糧株式会社、そこを通じて、そして小売商を通じて、どんどん六千俵という米が流れていたのだから、もう食糧の配給機構というものはでたらめきわまるものになってしまうわけです。そうお考えになりませんか。みなそれぞれ配給券をもらって配給を受けているわけなんです。ところが、そうではなくて、そういう配給のルートを通じて、こういう政府米がどんどん勝手に流れていく。  しかも、私はここでお聞きしたいのは、この八百何万かをあなたの方で弁済させていますね。この八百何万というものを弁済させているのは、おそらく保管料やその他も返納させているが、そういうものも含めての八百何万であるのか。これは千九百九俵に対する八百何万であるのか。これも含めての八百何万であるのか。これは事務所長、おわかりだと思うが、お聞かせいただきたい。
  71. 増山義克

    増山説明員 保管料とは関係ないと思っております。
  72. 小川豊明

    小川(豊)委員 ないと思っていますではなく、保管料とは関係なく、保管料は七月十七日に別に返納させたが、この代金というものは、八百万幾らというのは米の千九百九俵の代金の八百何万なのか、その点をはっきりさせて下さい。
  73. 増山義克

    増山説明員 保管料は別でございます。
  74. 小川豊明

    小川(豊)委員 幾らですか。
  75. 増山義克

    増山説明員 一万二千百四十一円でございます。千九百九俵の保管料は一万二千百四十一円でございます。延滞金百四十円がこれにプラスになります。
  76. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、今の八百万幾らというのは、弁済させた金の内ワクですか。
  77. 増山義克

    増山説明員 弁償金を取りましたのは五月六日でございました。その翌日の五月七日に一万二千百四十一円を徴収しております。それは別でございます。別々に取っております。
  78. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、この弁済させた金額は保管料とか金利とかは別として、弁済された金額は一俵当りは幾らにつくのですか。
  79. 増山義克

    増山説明員 上位と下位とございまして、一俵、上位が四千四百九十四円、下位が四千四百六十六円でございます。
  80. 小川豊明

    小川(豊)委員 一俵当たり四千四百九十四円と六十六円と分けた理由は、どういうわけですか。
  81. 増山義克

    増山説明員 今のお話保管料でございますか。
  82. 小川豊明

    小川(豊)委員 弁済させたのは一俵当たり上位は四千四百九十四円で弁済させた。下位は四千四百六十六円で弁済させた、こういう御答弁でしょう。
  83. 増山義克

    増山説明員 寄託契約で重過失の徴収でございまして、上位と下位の業務用の価格が指示されておるわけでございまして、その価格を適用したわけでございます。
  84. 小川豊明

    小川(豊)委員 下位と上位に分けたのはどういうわけで、上位は何俵で下位は何俵か、こういうことです。
  85. 増山義克

    増山説明員 上位は七百四俵、下位は千二百五俵でございます。帳簿上調べましたが、そういうような数字になっております。
  86. 小川豊明

    小川(豊)委員 帳簿じゃない。これは千九百九俵のうち、弁済させるために上位とか下位とかどうして出てくるのですか。あなたの方で何かわかっているから上位とか下位とか出てくるわけでしょう。そうでなかったら、上位とか下位とか出るはずがない。行った先もわからないのに、上位と下位とどうして分けられるのですか。
  87. 増山義克

    増山説明員 在庫の帳簿によりまして、現在残っております在庫数量の上位と下位——上位と申しますのは一等、二等の米を上位と申します。三等、四等を下位ということで値段がきめられておるわけでございます。それで在庫数量によりまして、その帳簿の数量を元数から引きまして、その数字を確認したわけでございます。
  88. 小川豊明

    小川(豊)委員 これは事務所長でなく、ほかの方にお尋ねします。こういうものの弁済をさせる場合には事故原因によって弁済の金額が違ってくると、私はこの間答弁を聞いておるのです。これは一等、二等と三等、四等とに分けた、これは事故原因じゃないのです。米の等級でいって分けた。これを四千四百九十四円のは一等、二等であり、六十六円のは三等、四等だから、こう分けた。そうではなくて、弁済させるからには、八百万幾らというものが出るからには、この事故というものがはっきりわかっているから金額というものは算出されるわけです。そうすると、どういう事故でこの八百万幾らというのが出てくるのですか。
  89. 家治清一

    ○家治説明員 お答え申し上げます。こういう事故に対します賠償の認定にあたりまして、それは契約上長官が認定するわけでございますが、そのときにあたりまして二通りございます。大体軽過失、普通の程度の注意を怠ったという場合、それから重大なる過失に基づく場合、それから故意に基づく場合、これは二十四年の契約のときにはそういうように三通りの認定の基準があったのでございます。それで、本件千九百九俵の場合、まず故意を適用しないで重大なる過失ということで一応算定をし、もし故意という事実があればあと追徴するという考え方をとったのでございます。そのときの考え方といたしましては、これは本人の故意によるのか、それとも使用人が無断でやったのか、あるいはその他の原因があるのか、なかなかその当時としては急にはわからない。だから、とにかく会社自体としては、これは少なくとも重大な過失ということでやっておいて間違いないだろう。あと故意ということがわかればそれは追徴する、こういう考え方でやったわけでございます。それで、そういう原因といいますか、正確な原因はわかりませんけれども、一応そういう考え方で処理しましたために、業務用の配給という場合の単価を適用したわけでございます。  それから上位、下位が出ておりますけれども、これは実は原因とはもちろん直接関係はありませんが、亡失になったものが、これは一、二、三、四等、それぞれ等級がございまするので、その場合に一、三等を上位、それから三、四等を下位、その販売価格を適用いたします場合に一、二等該当分は上位米の業務用配給価格、それから三、四等は下位米の業務用の配給価格というものをそれに適用したわけでございます。
  90. 小川豊明

    小川(豊)委員 重大な過失を適用した、故意に基づくものということはわからないから、重大な過失を適用したと言いますが、そうすると、これは買い入れ価格と今度あなたの方で弁償させる価格との差はどのくらいありますか。買い入れ価格に対して軽過失の場合は幾ら、重過失の場合、故意に基づく場合は幾ら、こういうふうに答えて下さい。
  91. 家治清一

    ○家治説明員 正確な数字はちょっとあと調べて申し上げますが、軽過失といいますか、その場合におきましては一般配給価格でございますので、平均八百五十円水準にありますところの政府の売り渡し価格でございます。これは一万八百円余りだと思います。それから、重大な過失はそれよりも上でございます。それから、故意という場合はさらにその上でございまして、これは酒米の販売価格、一万二千八百円くらいの価格、それを適用する、こういうことになっております。
  92. 小川豊明

    小川(豊)委員 もう少しそこのところを明確にしてくれませんかね。軽過失は一般配給価格だ、重過失はそれより重いのだというが、重過失の場合は、幾らか。それから故意に基づく場合に酒米の価格と同じだというのですが、故意に基づく場合は幾らとるのだ。まさか酒米の価格を標準にしているわけじゃないでしょう。
  93. 家治清一

    ○家治説明員 政府買い入れ価格の正確なところは、ちょっと今なにしておりますが、一般配給価格に比べまして、業務用として売ります価格を、つまり重過失に基づくということで認定しましたが、その価格は、十キロにつき一般配給用に対して四十円上げでございます。
  94. 小川豊明

    小川(豊)委員 こういうやり方をしているから問題があるんだ。私の聞いているのでは、この米は一俵五千円で売っているんですよ。五千円で売っている。政府の買い入れ価格に対して四十円上げというんでしょう、今のあなたの御答弁は。何というのです。
  95. 家治清一

    ○家治説明員 今、四十円と申し上げましたのは、一般家庭配給価格に比べまして四十円高いと申し上げたのでございます。これは計数を申し上げないであれでございますが、政府の買い入れ価格と一般配給価格はコストを別にいたしますと、政府の買い入れ価格よりは配給価格が上でございます。だから、普通の過失の場合の賠償も政府買い入れ価格よりは高い。それよりも業務用配給価格の適用をいたします場合は、十キロに換算いたしますと四十円ほど高い。それよりもなお重過失、故意の場合に適用いたします価格は、これは高い、こういうわけでございます。
  96. 小川豊明

    小川(豊)委員 それでは、これでやめる。ただ、私の聞いたのでは、ここから出た米は一俵五千円で売った、こういうことなんです。そうすると、政府へ弁償して、まだもうかるということなんだ。だから、こういうことをやるということなんだ。だから、政府では、食糧庁としては、こういう対策を立てないと、これはむしろ弁償した方が得なんです。今まで弁償さえすれば、刑事上の犯罪にならないで済んでいた。一斗か二斗しよっていくのはとっつかまってしまう。けれども、何千俵何万俵というものをやったものは、弁償さえすれば刑事上の犯罪にはならないで済む。しかも高く売れる。こういうような操作をされておったのでは、これは幾らあなたの方で精神上どうするの、何をどうすると言っても、私どもとしてはこれは改まらないと思う。だから、こういうことをなからしめるための措置というものを早急にとらなければならないということを私は言って、私のこれに対する質問は終わりたいと思うわけです。  ただ、ここでさっき私が指摘したように、倉庫指定というものを情実でされておるから、こういうことが起こる。従って、こういう運動等によって倉庫指定する——運動があってもその倉庫がりっぱな倉庫であり、資格がぴたっと備わっている倉庫ならいいですよ。あなたの方でここに書いてあるような、こういう基準に基づいた倉庫なら、これはだれが運動してやっても、私はいいと思う。ところが、運動の結果というものは往々にしてそうでないような、こういう船橋倉庫のような、地面よりも、平地よりも倉庫の底が低いようなところへ入れて、二千六百俵の麦が水浸しといって処理している。三十三年でしょう。三十四年になったら、六千四百俵の米というものがどこへ行ったかわからないという。これは倉庫も悪ければ、倉庫保管業者もきわめてよくないということはおわかりになると思う。ならば、なぜそういう倉庫指定するのか。これは運動によって行なわれているから、こういうものができてくる。それで、今度はその米が、あなたの方の一つの系統ですよ、配給のルートです。集荷のルートと配給のルートをあなたの方は握っておるはずだ。この配給のルートを通じてこういう米がどんどん流れていったら、だれが今度は配給を受ける者がありますか。こういう金が、私はもっと聞きたいのは、麻袋にしてもしかり、運賃にしてもしかり、管理の点においてもしかり。こうして出てくるいわゆる食管会計の赤字。赤字赤字と言うが、米を高く買って安く配給して出た赤字ならば、国の政策としてやっていくのだから、幾ら出ても仕方がない。ところが、こういうような形で食管会計の赤字が出てくる。これがみんな食管会計の赤字として、こんなに赤字が出てくるならば、今度は消費者米価を上げなければならない、という意見だって起こってきているじゃありませんか。だから消費者米価を上げなければいけない……。米の買い上げ値段を上げることはできないとしても、まずそういうことをする前に、国民の納得のいかないこういう問題をなからしめてから、そういうことを考えるべきだ。ところが、こういうことを山積さしておいて、そうして食管会計が赤字だ赤字だと、赤字にみなくっつけてしまう。そうして消費者米価を上げようという観念は、私どもとしては許せない。こういう点を十分にあなたの方はこの機会に——私はここで一部責任者を出して、あなたにどうだこうだと、そんなことは聞きませんよ。一番心配しておるのは、こういう問題が起こってくると、松戸の食糧事務所職員が一番責任を追及されて、あたふたするようになる。こういうのは松戸の食糧事務所倉庫を受け持つ人の責任じゃないですよ。もうすでに機構の上で私は問題があると思う。だから、こういう点を直さなかったならば、何人下級の職員を追及したって済むものじゃありません。この点をこの機会に十分に私は改められんことを要望して、私はこの点に関する質問を終わります。
  97. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 ちょっと、今、小川委員の質問の中に、私が一番重点を置きたいのは、鎌田前社長が食糧庁長官のところにいってごねたとか、おどかしたとか、いばったとかいう話については、一体そういうことがあったのですか、なかったのですか。それをちょっとお聞きいたしたいと思うのです。
  98. 須賀賢二

    須賀政府委員 これは私が就任をいたす前の事件でございますので、九月一日付で私と前長官とがかわっておるわけでございます。私が就任いたしましてから以後におきましては、そういうことはございません。それから渡部前長官からも、この事件につきましてそういうようなことがあったということは、私は今まで聞いたことはございません。
  99. 小川豊明

    小川(豊)委員 それは僕は驚いた。僕はこれを渡部さんに聞いておる。この問題が起ったとき、つい四、五日前に分室で、湿田単作の委員会が開かれた。あのとき、冗談まじりではあるけれども、おれのところに三回ぐらい倉庫会社の連中がねじ込んできて、脅迫がましいことを言ってきた。こういうことを僕は渡部さんから聞いておる。あなたとは言わないが、聞いておる。そうするとおかしい。なくなったものをあなたの方から追及されるのだから、あなたの方では脅迫はすまいけれども、向うが脅迫されたというのなら、これはわかる。とられた者が脅迫されたというのは、何かよほど脅迫される理由がなければ、そんなばかなことはないと思う。だから、おかしなことだ、変なことだとこう言っておる。あなたは受けなかったかしらぬが、僕は渡部さんからこの点を聞いておる。そうすると、今の鹿野さんのあれでは、あなたは受けなかったが、なにか僕がありもしないことをつけ加えて拡大されたと思われては困る。事実、私が渡部さんから聞いたから、そういうことを言っておるのです。
  100. 須賀賢二

    須賀政府委員 私はただいま申し上げた通り、前長官から聞いておりませんが、もしそういうことが前長官時代にあったのでありますれば、私、よく前長官に聞いてみたいと思います。
  101. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこで私は人の名はあれ以上は言わなかったが、千葉の所長さんに、あすこの実権者である、すべての株を持っておる小林という方のいき方を調べたか、こういうことをお聞きした。あなたは何回か会っておるはずだ。これは調べてない。調べてみなさい、こういうことを言っておったのだ。盗んだ者が盗まれたところへ、食糧庁へ脅迫にいくということは、私には考えられない。だから、これはよほど何かあるな。汚職とか涜職とか、そういうことでない、もっとこれは何か複雑したものがあるな、こう思っておるから、お調べなさいと言っておるので、あなたの方で調べてあれば聞かしてもらいたい。調べてなければ、調べてごらんなさい。
  102. 押谷富三

    押谷委員 今、小川君の御発言の中で、制度の問題がありましたから、お取り扱いの経過を聞き、将来の希望を申し述べたいと思うのです。  一体、米の亡失の場合において、賠償金の回収というところに重点を置かれるのもわかりますが、その賠償金が入ったときには、それは職務上知った重大な犯罪であっても、もう告訴、告発の手続はしないという扱いをとってきておったかどうか。この点をお尋ねするとともに、将来からいくならば、たとい賠償がありましても、職務上公務員としてこういう犯罪の内容を知った以上は、亡失の事実を知った以上は、その原因を究明するために告発の手続をとられるのがあたりまえだと思う。だから、私はそういうことを希望いたします。その点について、まずお伺いしたい。
  103. 須賀賢二

    須賀政府委員 従来の取り扱いの経過を見ますると、告発の点につきましては、必ずしも統一をした取り扱い方をいたしておらないようで、告発をいたした場合もありまするし、いたしておらない場合もあります。それは、先ほども申し上げましたように、賠償取り立てに重点を置いて判断をしてきておったような結果から、そういうこことになっておるかと思います。  今後の扱いにつきましては、私どもといたしましても、賠償の方も、もちろん重要でございますが、食管法という角度から、事件を事件として扱っていくという考え方に従来欠けるところがあったわけで、その点は十分反省をいたしまして、今後は建前として直ちに告発するという考え方で処理していきたいと思います。
  104. 押谷富三

    押谷委員 経理部長の御答弁の中の、損害の賠償の計算でありますが、どうも食糧庁の賠償の考え方は亡失の罰金を取るというような考え方で、盗んだというような場合においては、亡失をした米の値段よりはさらに高いものを取るというようなお考えがあるように計数上なると思うのです。そういうことは筋が通らないんじゃないか。損害賠償というのは、やはり失うた損害をてん補するというのが損害賠償の建前である。それ以上の重いものを取るというようなことをやったところで、これは出るところへ出ると、食糧庁が負けてしまうということになるのです。そこで賠償は、これはやはり過失の程度にもよりましょうけれども、失うた損害を必ず賠償する、罪は罪として必ず追及するというような性格の筋を立ててもらいたい、こういうことを私は念願いたします。
  105. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 関連して。わが党の押谷委員のおっしゃることだけれども、そんなことをしたら、倉庫の米をみな持ち出して売って、賠償すればいいじゃないですか。それは農協などと契約しているのを見ますと、あそこはやはりかぎが二つかかっているんですね。そのかぎをかけるのを忘れて、とられた場合でも、それよりも非常によけいなものをあれしている。だからやはり、そういうように故意に流したということは、利益を目的としてそういうものを盗んでいるのだから、罰することはもちろんだが、賠償の場合も相当取らなければならぬ。米は普通のものと違いますから……。それを取ってきて、それを売って、見つかったら賠償すればそれでいい、こういうことになりますと、売った方がもうかるのだし、やみで売れるのだから、私はそういう点はやはり非常によくないと思う。たとえば土地なんかの売買にしても、何の損害賠償であっても、押谷委員は弁護士だから相当研究しておられるのだろうが、それたけのものさえ賠償すればいいんだということになったら、それは私は大へんだと思う。賠償という問題と刑事問題、これは違います。今、刑事問題をしっかりやったらいいと言ったって、刑事問題になっておらない。どう見ても刑事問題として窃盗罪であり、食管法の違反であり、あるいはまた詐欺であり、いろいろな問題に関係しておっても、やらない。またそれをやったからといって、人によっては、罪を着たらいいじゃないか、もうかればいいじゃないかということになれば、何にもならない。やはり倉庫というものは、相当信用があって、そうしてその信用を基礎としてやっているのだから、やった場合、賠償というものは、これはほかの材木とかなんとかいう場合なら、たいがい一定の相場がきまっているのだから、賠償をそのときの相場でやればいいんだが、米は場合によったら、やみで流せる。こういうような場合ですから、今、押谷委員の言うようなわけには私は参らぬと思う。  この点は、今度の事件でも、今賠償で済ませようとしているが、賠償したらいいじゃないかということになれば大へんなことです。少なくともこれは、米を食わないでいる人たち、特に押谷委員の選挙区には、米を食わないで、配給米がなくて困っている方がたくさんいる。それから票をもらっているのだから、賠償させて済まそうなどということが選挙区に聞こえたら、落選間違いない。だから、そういうことはいかぬと思う。やはり相当なる賠償を取らなくちゃならぬ。これを私は申し上げておきます。
  106. 井原岸高

    井原委員長代理 山田君。
  107. 山田長司

    山田(長)委員 増山所長に伺います。あなたは、いつからいつまで所長を拝命して、船橋の所長をしていますか。
  108. 増山義克

    増山説明員 昭和三十二年の八月十七日から千葉の所長でございます。
  109. 山田長司

    山田(長)委員 この間、船橋運輸倉庫会社の現在の上田社長に会って、いろいろ聞きましたところが、倉庫係の土井清之助という人からあなたはいろいろ書類を押収して行った、こういうことを上田社長は言っていたわけです。そのときの話を、先ほど小川委員の質問に対して、何かメモ程度のものであったというようなことを言われておったが、押収して行ってから、そのメモを見ていると思うのですが、そのメモにどんなことが書いてありましたか。メモなり帳面なり、倉庫の係ですから、倉庫の係がいろいろ何か記入していたに相違ないと思うんです。
  110. 増山義克

    増山説明員 そのメモの枚数は、この前お話ししましたように五十八枚でございます。形は小さい手帳みたいな切れっぱし、それからわら半紙みたいな、そういう不統一なもので、あて名がないわけであります。それで月日、年次のないのもございます。非常に不統一で、こういうものを見ても、ほんとうに確証が得られるかというような直感を受けたわけであります。
  111. 山田長司

    山田(長)委員 不統一で、月日も年次もないというが、押収して行ってからあと、疑問に思う点があったものについては聞かなかったのですか。
  112. 増山義克

    増山説明員 土井にも聞きました。土井に聞きましたら、正規なオーダーの内数であるといったようなことも言っておりましたが、それもはっきりしませんし、土井の言ったことにつきましても、そういう内数という程度しか聞いておりませんですけれども、とにかく追及してもはっきり言わぬだろうし、それからそれ以上のことも倉庫係も言っておりませんので、そのままにしておいたわけでございます。
  113. 山田長司

    山田(長)委員 大体、この倉庫で米の紛失したと目される昭和三十三年十一月以前、七年くらい前にさかのぼっているというのです。そういう点から見ると、あなたが所長になって間もなくから、実際は倉庫の中から紛失が始まっているのです。この点が監督上からいっても、あなたが所長になって以来ずっと米がなくなっていることになるわけなんです。こっちから見ると……。どうしてもその点が理解できない。  それから、さっきの事故のあった小麦を、十六棟中の三号棟に入れていた、こう言うのですが、この三号棟というのは、登記簿上からいうと社長個人の名義なんですね。これは運輸倉庫会社のものであるように見せているけれども、実際は鎌田個人の倉庫なんです。その倉庫保管されていたものなんですが、その点どうです。
  114. 増山義克

    増山説明員 私も見ましたし、それから先ほども御説明申し上げましたが、確かに湯浅商店わきにある倉庫でございます。それを船運が借りまして、湯浅と船運との間はやっておるわけであります。それを私どもの方が船運と契約しておるわけでございまして、水害のとき湯浅商店わき倉庫小麦ども、自分の所有でございましょうか、はっきりわからないのですけれども、自分の商店の所有のものも事故が出たということも聞いております。でありますので、湯浅商店の店のわきに建っておるその現場を私は確認しておるわけでございます。
  115. 山田長司

    山田(長)委員 その倉庫自体が鎌田個人のものであるために、あなたの方では運輸倉庫会社に依頼をしたと思っておっても、運輸倉庫会社自体でその倉庫をどうすることもできなかったということを当日言われたのですが、その点、食糧事務所としては確認をしていたのか、していないのか。今あなたの答弁を聞いていても、さっぱり確認をしていないように思われるのです。その点、ずいぶんあなたの方は不用意だったのじゃないですか。
  116. 増山義克

    増山説明員 湯浅と船運と借庫契約をしておりまして、私の方は寄託契約によって、船運との契約は法人との契約になっておるわけでございまして、そういうことについて湯浅の借庫形態であるということは承知しておるわけであります。
  117. 山田長司

    山田(長)委員 それらの米や麦をルートに乗せて出すことや何かについて、片柳総吉という人とあなたもたびたび会っておるはずですが、何べんくらいお会いになりましたか。
  118. 増山義克

    増山説明員 それは私が千葉へ参りましてからすぐやめた方であります。私は三十二年の八月に参りましたが、参りまして二カ月くらいおられたと思いますが、その後はやめて、しょっちゅう連絡に来るような仕事を離れましたので、それほど会っておらぬわけであります。
  119. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると二十七年から三十年までの間においては、たびたび会っているというわけですね。
  120. 増山義克

    増山説明員 私は三十二年の八月に参りましたので、それ以前は全然知りませんでした。ですから、私が着任すると同時に——二カ月くらい勤めておったでしょうけれども、結局出る、入るというような格好になって、直接関係はございません。
  121. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 ちょっと関連して、刑事局長にお尋ねいたしますが、この問題は常識的に考えてもちょっと考えられないような問題でありまして、今書類を差し上げました通り、倉庫の中へ行ってみれば、米がないのにあったということになっている。それから、その中にありました定期預金も、七百万もあったということになっているけれども、その定期預金も何もない。そういう帳面も全部作って、そして食糧庁をごまかしたのか、何をやったのか知りませんが、そういうことが出ているのです。それについて今何かお取り調べになっておるのですか。それをちょっとお尋ねいたします。
  122. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 この前も申し上げましたように、検察庁におきましては、去る十一日の新聞記事によりましてこういう事件があるということを承知いたしました。事の重大を察知いたしまして、鋭意警察当局とも連絡し、去る十五日に捜索令状を得まして、警察において数カ所の家宅捜索をいたしました。その後も引き続いて警察と密接な連絡のもとに捜査を進めております。東京高検からも検事が現地に行って、捜査の指導に当たっておるような状況でございます。もちろん捜査の内容をつまびらかに申し上げることは差し控えなければなりませんが、この六千五百俵に相当する米が紛失しておることは事実でございますし、さらにまた、その米であるかどうかは別といたしまして、一部の米屋に米が流れていることもすでに明らかになっております。しかしながら、ただいまも御質疑の中にありましたように、最近の事犯ばかりではないので、かなり古い事犯もあるようでございます。従いまして、捜査は相当困難をきわめるものと思いますが、これは徹底的に捜査いたしまして、真相を究明いたしたいと考えております。  なお、前回調査を指示されておりました事項について、この際お答え申し上げておきたいと思います。検察庁の某検事に運輸会社の須田さんという方が連絡をしたということでございましたが、これは検察庁全庁を調査いたしましたところ、さような事実はありません。さらに須田氏につきまして、だれに連絡をされたかということを聞きましたところ、連絡はしていないという答えでございましたが、なおそれには若干の事情があるらしいので、本日午後四時から須田氏が検察庁に参りまして、事情を明らかにすることになっております。いずれにいたしましても、検察庁といたしましては、承知をしておりながら事犯を放置しておったような事情は、さらにないことを申し上げておきたいと思います。
  123. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 事件の内容については、もちろん重要な捜査でございますからお尋ねいたしませんが、これだけはっきりした証拠が出ておるのですから、やはり被告とみなす人たちの逮捕なんかされたのかいなか、ちょっとお尋ねいたします。
  124. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 現段階におきましては、まだ関係者の逮捕というようなところまでは捜査は進んでおらないのでございます。
  125. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私は刑事局長に対して、検察庁のやり方について、別にこう、ああは言うのじゃございませんが、御承知のごとく、国会議員あたりでも、ちょっと選挙違反などをやるとすぐに逮捕要求をされて逮捕なされるのです。米が六千俵も七千俵もなくなっておる事実だけはわかっておるのですから、これはたとえば公文書偽造であるのか、あるいは窃盗であるのか、公文書偽造では、すなわち食糧庁が出荷証明を出したか出さないか、これを偽造したかしないか。さもなくて窃盗罪、これを買った者はもちろん臓物故買、あるいは窃盗の共犯でございます。こういうような大きな問題であり、それがはっきりしておるのに、だれ一人逮捕者を見ないでお取り調べになっているということは、どう見ましてもほかの方と公平を欠くようなきらいがあるように考える。たとえば国会議員だって、人のものを黙ってとって、現行犯でつかまれば逮捕されるのはもちろんなんです。これだけのものを盗み出しておいて、その犯人がだれであるかわかっておりながら、逮捕もなさらずに、任意出頭でお調べになっておるなんということは、もし第三者で知らない人がそれを見たとしたら、非常に検察庁及び警察のやり方に疑惑を持つんじゃないか、こういう工合に私は考えている。それから、上野の駅あるいはその他の駅へ行っておりますと、わずかの米をしょってきて、それを警察官がとろうとして、やらないなんと言うと、すぐにそれを引っ張っていって、一晩くらいみんな留置を食っておるのです。それを六千俵も米を盗み出しておいて、盗み出した人間がわかっても、逮捕令状じゃなくして、任意出頭でお調べになる。ちょっとこういうようなことは、第三者がどう考えるかというように私も考えるのです。一つ、これだけの事件であり、その裏面に相当なる政治家でもおるんじゃないかというような疑惑も——もちろん政治家に関係した人などないと私は信じております。それでございますから、やはりもう少しお取り調べも厳重にやっていただかぬと、ヘルス・センターなんかでは、おれの方では米は来ているけれども、そこのところ、そこのところにちゃんと手を打って買ってあるから、もし逮捕するならばほとんど役人から何から何十人もあがるんじゃないか、政治家もあがってびっくりするんじゃないかという評判が、船橋じゅうに伝わっている。やはり刑事局長として、相当お考えになっていただきたい。この前、検事総長に会ったときに、そんな話がこの昭和の御代にあるのか、米が六千俵もどこかへ行って、それを知らぬでおるのはおかしいんじゃないか、しかも会計検査院からやられて、あるいはまた国会がそれをあとで知って、まだ一人の犯罪者も出ないのはおかしいじゃないかという話を、茶飲み話でされておったのです。これだけの事件に逮捕令状一つ出さないで、家宅捜索を幾らされたって、当人を逮捕しないで調べたのでは、これはうそのつきっぱなし、いいかげんなことの言いっぱなしになるのです。ほかの事件と違うのですから、もう少し取り調べをお考えの上でやっていただきたい、これをお願いしておきます。
  126. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 いろいろ御忠告をいただいたわけでございますが、六千俵の米がなくなっておることは、田中先生の御指摘の通り、はっきりしておるわけでございます。犯罪捜査は、毎度申し上げますように、個々の人について犯罪の容疑を明らかにして参りませんと、逮捕令状を裁判所からとることもできないのでございます。すべて捜査は積み上げて参るわけでございます。その積み上げの初期の段階にあるというふうに考えていただきたいと思うのでございます。もちろん、取り調べをいたします方の側の気持といたしましては、一日もすみやかに証拠を集めまして、御納得のいくような捜査をして、真相を明らかにしたいということを考えておるわけでございます。
  127. 山田長司

    山田(長)委員 長官に伺います。四月の初めに連絡があって事故の発生を知ったと言われますが、それは米の問題のことなのか。それともその前に風水害にあったときの米の量なのか。前のと両方一緒にあなたの方に報告があったのですか。
  128. 須賀賢二

    須賀政府委員 四月の初めに千葉事務所から本省に報告をして参りましたのは千九百九俵亡失の事故についてでございます。
  129. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、その前の風水害による事故小麦の報告というのは、千葉食糧事務所から食糧庁の方へは何もなかったのですか。
  130. 須賀賢二

    須賀政府委員 三十三年九月の二十二号台風による事故品処理のてんまつにつきましては三十三年の十二月五日に千葉食糧事務所長から本省に報告をいたしております。
  131. 山田長司

    山田(長)委員 その報告による浸水の状態というのは、どうなっているのですか。
  132. 須賀賢二

    須賀政府委員 ここに損傷の原因となった事実が相当詳しく記載されておりますが、これを読み上げますか。
  133. 山田長司

    山田(長)委員 そうだとすると、その報告の水浸しになった麦の数量というものは二千六、七百俵に及んでいるのですか。
  134. 須賀賢二

    須賀政府委員 報告によりましても、外国小麦が二百八トン、七百四十八キロ、それから国内小麦が六百十二俵、先ほど事故処理の経過で申し上げました数字の通りでございます。
  135. 山田長司

    山田(長)委員 あなたの長官のときでなくて、前の長官であるかもしらぬが、こういう場合にその不足のことについて何か指示を与えないものですか。
  136. 須賀賢二

    須賀政府委員 水ぬれということにつきましては、台風その他の事故によりましてこういう事故が発生することがたびたびあるわけでございますが、この処理事務所長でいたしまして、事後報告をとるような扱い方をいたしております。
  137. 井原岸高

    井原委員長代理 ちょっとこの際、刑事局長が何か用事があるので、御質問があれば先にまとめてしてもらいたいということです。
  138. 山田長司

    山田(長)委員 刑事局長にちょっと申し上げておきます。調査の最中にお帰りになってしまうとすれば、田中委員が先ほど要望されましたように、何としても私たちには米の問題も、麦の問題も全く了解ができぬことばかりです。一体、倉庫に二十二号台風で二千六、七百俵の麦がなくなったところへ、さらに米の保管を依頼しているというようなこと、風水害があればまた米がぬれてしまわなければならない事態がはっきりわかっているにかかわらず、そのあともまた米を入れている。こういう理解のできないことで、この処理ができぬということになりますと、これは私は全国の食糧を作っている者、あるいは食糧を利用している人たちにとっても、大へんな問題だと思う。どうか一つ、これはすみやかに地元の係の人たちを督励して、この黒白を明らかにしてもらいたいと思う。どうか一つ、よろしくその点をお願いいたします。
  139. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 関連して。経理部長の家治さんに伺いたいのです。今この契約書を見たのですが、四月一日から一年間で、二十五年の三月三十一日までまだ契約をやっているのですね。そのときはあなたはこれを全然知らなかったのですか。
  140. 井原岸高

    井原委員長代理 刑事局長の質問を先にお願いいたします。  淡谷君。
  141. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 刑事局長にちょっとお聞きしたいのです。新聞記事を見るまでは全然わからなかったというのですが、さっき増山所長が告発のつもりで口頭で言ったと言っているのです。手続が知らなかったものですから、正式の告発は発動しなかったのだが、とにかく須田という人が行かないまでも、当然増山所長は告発の義務を持っているんですから、地元の警察へは行っておるはずです。そうすると、明らかにこれは地元の警察の怠慢と思いますが、その点はどうなんですか。
  142. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 その点につきましても、警察当局に事情を聞いてみたのでございますが、警察本部長もこの事件は新聞を見るまでは知らなかったという現状です。それから地元の警察も存じていなかったというのが公式の答えでございます。
  143. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 増山所長にちょっと、今のに関連してお聞きしたいのですが、あなたは警察へ行って話をしたと言う。地元の警察は全然知らぬと言う。一体、あなたはだれと話をしたのですか。
  144. 増山義克

    増山説明員 私の方では、六月に捜査一課長に面接しております。
  145. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 刑事局長は、捜査二課長をお調ベになりましたか。
  146. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 私の方は警察の職員の方を直接お尋ねをすることはありませんので、警察本部長を通じまして調査を依頼しておるわけであります。
  147. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 警察本部長は全然連絡を受けていないのですね。
  148. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 警察本部長は、検事正に対して全然連絡を受けていないから、自分は知らなかったというふうに答えております。
  149. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうしますと、増山所長は警察へ口頭で申し上げた、こう言っておるし、警察本部長は受けていないとすれば、勢い地元の警察は警察本部長に具申していないという事実が起こってくるわけなんです。これは刑事局長からいいますと、どういうふうな結果と考えられますか。
  150. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 おそらく御指摘のように連絡をしていなかったと思うのでございますが、これは告発を受けておるならば連絡をしないわけにはいかないので、単に上司に対して報告を要するだけでなく、刑事訴訟法によりまして、これは送付してこなければならぬ、検察庁に事件を送ってこなければならない義務を持っておるのであります。従いまして、おそらく連絡を受けた際に、告発ということでなく、一つの情報として受けておられるのではなかろうか。これは私の想像でございますが、もしそうでなければ違法な取り扱いということになるわけでございまして、おそらくはそういううわさ、あるいは情報という軽い程度に連絡を受けたと警察の方は受け取っておったのではあるまいか、というふうに私としては想像いたします。
  151. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 かりに情報といたしましても、六千俵の政府米がなくなっているという情報は、一片の情報として捨てておけるはずのものではないと思う。青森県に七百俵あまりの事件がありますが、この当事者はすでに検挙されまして、獄死しております。片一方は、六千俵の米が、警察に話しておるのに情報として受け取っただろうというような刑事局長の扱い方は、私は受け取れないと思う。これはあくまでも増山千葉食糧事務所長が告発をするつもりで行ったというのはうそであるか、そのまた告発を受けたという第二課長は全然この事実を無視しておったか、ここに非常な疑点があるのです。この点は一体、刑事局長、どう思いますか。
  152. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 私も、単なる情報として自分一人にしておくという筋の事件ではないと思います。この点は当然上司にも報告し、警察としての態度を考えるべきもので、その程度の強い——かりに情報といたしましても、そういう種類の重大な情報だと私も思います。  しかし、なおいろいろ考えてみますれば、これは想像でございますから、もし委員の方でその点を究明されるということであるならば、警察当局からお聞き取りを願いたいわけでございますが、事件というものは、聞いたからといってすぐ手がつくものではない。あるいはある程度固まったものにして上司に報告するということがないとは言えないわけでございます。これは私の、検察側から見た一つの考え方でございます。御不審があったら、警察当局に十分御究明なさるべき筋合いかと私は思います。
  153. 森本靖

    ○森本委員 ちょっと、所長にお聞きしておきたいのです。これは刑事局長にも聞いておってもらいたい。この前、私が質問したときには、連絡をした、こういう御答弁をした。今日は押谷議員の質問に対して、あなたは告発をした、これは速記録に載っておるからはっきりしているわけですが、そういう答弁をしたわけです。だから、あなたがその六月に警察当局に連絡をしたというのは、あなたの方は告発のつもりで行ったのか、連絡のつもりで行ったのか。その点一つ、あなた、はっきりしておいてもらいたい。
  154. 増山義克

    増山説明員 この間も申し上げたわけでございますが、捜査二課長にお会いいたしまして、事件の数量等いろいろ説明を申し上げました。ここで何俵なくなったというようなことを説明したわけでございます。それで、私としてはそのことが、義務といたしまして、例の告発というふうに思っていたわけでございます。
  155. 森本靖

    ○森本委員 だからそのときに、こうこうこういう事情になっておるが、一つ、私の方でも調べておるけれども、警察当局でも調べてもらいたい、こういうことをそのときに捜査二課長に要請した、こういうことですね。
  156. 増山義克

    増山説明員 その当時、私といたしましては、ただ連絡いたしまして、事情を説明したというようなところにとどまっておったわけでございます。その行為が今まで私としては告発ということで思っていたわけでございます。
  157. 森本靖

    ○森本委員 だから、その連絡にいったということは、こういうふうに米がなくなった、こうなっておるから、われわれの方でもこう調べておるけれども、あなたの方でも調べてくれ、こういうことでなければ、あなた警察に行く意味がないじゃないか。何のために警察に行くのかわからない。警察に行くということは、警察に行って、こうこういう事故が起きてわれわれの方は困っておる。われわれの方でも調査するけれども、警察当局でも一つ調べ願いたいと、口頭でもそういうことを言うのが所長の任務でしょう。それとも、これは私の方で解決をつけるつもりでおるのでございますから、警察はしばらくその手を下すのを待ってもらいたい。一つ私の方でこれは事故金を取ればよろしいから、警察はこういうことに手をつけずに待っておってもらいたい、こういうことをあなたが言ったのか。これは微妙な点だから、場合によっては警察のあなたが会った課長を呼んで聞いてみなければわからぬけれども、あなたはその点についてはどういうふうに話をしたか。事情を説明したということはわかった。事情を説明をして、その上に、これは一つ私の方で処理をするから警察は黙っておってくれ、こういうように言ったのか。それとも、私の方は調査しておるけれども、なかなかわからぬ。警察当局も調べてくれ、こういうことを言ったのか。どっちか言わなければならないはずだ。ただ単なる情報を一つ説明に行くのなら、子供の使いですから、何もあなたが行かぬでも、内容について書類で出せばいいわけです。あなたがわざわざ行っているということは、そのどっちかを警察当局に言っておるわけですから、そのどっちを警察当局に言っておるか、こういうことです。
  158. 増山義克

    増山説明員 事件が起きましたのを、われわれ隠しておるということになりますと義務を果たせないと思いまして、私、直接責任者であります捜査三課長にお会いしなければならぬということをかねがね思っていたわけでございます。それで当初、二課長もお留守がちであったものですから、お帰りになってから一つ会ってくれというようなことの連絡もございまして、六月に延びたわけでございますが、私の方としては、もうこれを隠蔽するとかということは、数量も多いですし、当然できないというようなことで、とにかく事情を説明をして、実態を話しておかなければならぬということによりまして、その課長の前で説明申し上げたわけでございます。
  159. 森本靖

    ○森本委員 その説明をしたということはよくわかるのです。説明をしに行っただけだったら子供の使いみたいなもので、これは書類で出してもいいわけだ。その説明に行ったということは、今私が言った一つの方法しかないわけだ、最後につけ加える言葉というものは……。警察当局も一つこれを十分に調べて下さい、私の方でも調べておるけれども、なかなかわからぬ。警察も調べて下さい、こういうことを言ったのか。あるいは、食糧事務所の方でこれは事故金を取って解決をつけようと思って、今一生懸命努力をしておりますから、警察当局の方は手を下さずに待ってくれ、この二つしかないわけだ。その二つの言葉のうちで、どっちを言ったかということを聞いておるのです。説明したということはわかっているのです。
  160. 増山義克

    増山説明員 そのとき、私は待っていてくれとかなんとかということは言っておらぬと思います。とにかく数量と、それからその仕事の、どういうふうに米が倉庫にあって、そういうような幾らあるかということの説明だけで、ことさらそういう今お話のような筋については触れなかったわけでございます。
  161. 森本靖

    ○森本委員 それなら、何のために行ったのですか。これだけの重大なことがあって、あなたの方は一生懸命調べてもわからぬ。わからなかったら、当然警察へ連絡に行ったら、ついでに、一つこれは十分警察の方でも調べてくれと言うのが常識じゃないですか。あなたは一応千葉食糧事務所長とすれば、なかなか重い地位なんです。そういう食糧庁の役人が、そんな非常識な国会における答弁はないと思うのです。あなたは向こうに行ったら、いずれかの言葉を言うはずだ、はっきり。それを言わないとするならば、あなたの常識がどうかしているのだ。こんな大きな事件があったならば、わざわざ警察当局まで連絡に行って、一つ調査願いたいくらいのことは言うのがあたりまえだ。言わぬとするならば、あなたの方が頭がどうかなっているのだ。頭がどうかなっておるか、それとも、この事件を何とかして警察当局なり検察当局に渡したくない、こういう考え方があるということを認定せられてもやむを得ぬ。これ以上あなたをその問題については追及しません。ただしかし、この問題についてのいきさつを、警察当局の答弁の問題がありましたので、私は刑事局長にも聞いておいてもらいたい、こう思って答弁を促したわけであります。あなたもなかなか答弁に困っておるようでありますから、あなたの常識を疑って、これ以上この問題については追及しません。いずれ警察当局その他について聞いた場合には、両者の言ったことがはっきりすると思いますので、ただここではそれだけで、もうあなたの答弁は要りません。
  162. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 刑事局長がおるうちにちょっと聞いておきたいのです。あなたは船橋倉庫から持ってこられたメモ類を警察で持って行ったという答弁をこの前の委員会でしております。これは十六日の捜査に関連したことになるのですか。
  163. 増山義克

    増山説明員 この捜査を警察が開始されたと思うわけでございまして、その捜査上必要だから出してくれというような御注文がございましたから、出したわけでございます。
  164. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その場合に、この前の委員会で聞きますと、大体出庫の伝票だというふうにあなたは答えておられる。この出庫伝票のほかに、あなたはたくさんのメモを持ってこられたはずなんですが、持っていったのは出庫伝票だけなんですか。残っているものはどうしましたか。
  165. 増山義克

    増山説明員 現地調査のときに先生方がお聞きになったメモというお感じは、だいぶ大量を私の方が持っていったようなお感じであったのではないかと思うわけでございますが、先刻も御説明申し上げましたように、そんな大量のメモでございませんで、ほんとうの小さい紙片のあれを五十八枚程度でございまして、あまり資料にならぬということで、とっておいたわけでございます。
  166. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その五十八枚の資料は、警察が持っていったのですか、あなたの手元にあるのですか。
  167. 増山義克

    増山説明員 国警本部に提出したわけでございます。警察の方が事務所へ来られまして、事務所でお上げしたわけでございます。
  168. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それでは、あなたが持ってこられたのは全部警察が持っていったんですね。あなたのところには一枚も残っていない。
  169. 増山義克

    増山説明員 私の手元には関係のものは一切ございません。それも五十八枚だけでございます。
  170. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 刑事局長最後に一言私はお尋ねしたいのですが、増山千葉食糧事務所長にはこういう事件を当然告訴する義務がある。それから、もしも告訴したものを捜査二課長が上司に連絡していないとすれば、これはむろん捜査二課長の大きな失態になると思う。しかし、捜査二課長が増山所長から全然告発を受けていなければ、これは増山所長の大きな失態になる、直接の責任になると思いますがね。どっちかの責任になるとわれわれ考えますが、この点はどうお考えになりますか。
  171. 竹内壽平

    ○竹内政府委員 この前も申し上げた刑事訴訟法の条文によりまして官吏が職務執行の過程において犯罪あることを知った場合には告発する義務があるということになっておりまして、法律上の義務を持っておるわけでございます。この義務を果たします時期は、これを知ったらすぐやるべきであるか、知っても適当な時期を選ぶかということは、法律にその点のことは何も書いてございませんので、告発をしなければならないことは、ならないわけでございますが、そのすべき時期、方法等につきましては、ある程度裁量の余地があるものと考えます。それから、警察がそれを受けた場合に、告発というのはやはり訴訟法上の一つの行為でございますので、責任のある行為でなければなりません。従って、告発をすると言っておるのに告発調書を作らない——口頭の場合には調書を作ることになっておるのでございますが、この調書を作らないということになりますと、これは警察官の失態であることはもう明々白々でございますが、これまた告発を受けたときの事情によりまして、これは告発という程度までに至らない、単なる情報の提供にとどまっておるというのであるか、その辺は事情を明らかにいたしませんと、これまた決定的なことは申し上げかねるわけでございます。  それからなお、かりに告発という正式の行為でありませんでも、犯罪情報として受けた場合に、これをすぐ捜査課長が上司に報告する義務があるかどうかという点につきましては、これまた一概に言えないのでございます。先ほども、ちょっと触れましたように、捜査課長としては、上司に報告する以上は、ある程度課長としての責任において報告するわけでございますので、一応裏づけの調査をして、ある程度信頼ができるというようなところまで確かめた上で上司に報告する、これも上司を補佐する者の立場としましてなすべきものと考えられる場合があるわけでございます。従いまして、一概に今御質問の点をぴしゃりぴしゃりと、から竹を割ったようにお答え申し上げることはむずかしいわけでございます。
  172. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 先ほどの答弁を願いたい。
  173. 家治清一

    ○家治説明員 お答え申し上げます。ことしの四月、全国の倉庫につきまして、年度がわりでございますので、新しい契約を結んでおります。従いまして、船橋運輸倉庫につきましても、私の名前で契約を結んでおります。そのときに、こういう事故を知りながら結んだかどうかというお尋ねでございましたが、契約を結んだ時点において、はっきりこういうことを知っておったのかどうかという点につきましては、もう少し調べてみないと事情が明らかではございませんが、おそらく四月一日現在では、あるいは知っておったのではないかと思われます。ただ、かりに事故をそのときに知っておったといたしましても、現実にその倉庫にはまだ物がございまして、従いましてその物を預かるには、やはり契約なしには続けられませんので、結んだ。知っておっても、そういう状態であるからには契約を結んだことだと思っております。
  174. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 私はそういうことを申し上げるのは、大体質疑応答していますと、あなた方と私ら委員会というものと、非常に対立みたいな形になっているのは大へん遺憾だと思う。そうじゃない。農林省当局とわれわれとが一体となって、こうした不正の事実を究明をし、そうして今後の対策を立てるということに私はこの目的があると思うのですよ。ですから、私はこの前も政務次官にもそう頼んだのですが、農林省の上層幹部、食糧庁の上層幹部において、こういう事実を知っていてこうしたということは、あまり質疑応答をするようなことではなくて、こういうことでこうなったんだということの、ざっくばらんなことにしてもらって、そうして、こうした考えることのできないようなことが、一体どういう過程で行なわれたかということを、農林当局は農林当局なりに一応調べ上げていただいてこれはこうだったということにしてもらえれば、この問題は一応あなた方との質疑応答は済むのではないかと思います。何か隠しごとをしておって、こちらから一つ一つほじくらなければ、何ともできないように印象づけられるので、まことにそういうことは残念だから、一つそういうことのないようにしていただきたい。そういう意味でありますから、政務次官もそういう意味を含んでいただいて、この次の委員会までに、農林省農林省としての立場から十分——先ほども答弁をいただきましたけれども、そういうようなことでいっていただきたいということを強く要望いたしておきます。
  175. 山田長司

    山田(長)委員 三十三年九月二十六日の二十二号台風事故による小麦処理について、先ほど小川委員から質問した一般競争入札随契と二通りのやり方をやっているのですが、これはどういう意図で随契をやるようになったのか。この随契をやろうとしたときのいきさつを一つ知りたい。
  176. 増山義克

    増山説明員 事故処理につきまして、できるだけ仕訳を迅速にいたしまして、いいものは普通品でできるだけとるようにするということで、すみやかに仕訳の方を急いだわけでございます。片方、その仕訳が終わりまして、それを売却する場合におきましての取り扱いでございますが、競争入札をやっていったのでございますが、それで落ちないので、物がいたみますので、いたんでいきますとやはり値段が落ちますので、落ちないうちに早く処分する意味で随契にしたわけでございます。
  177. 山田長司

    山田(長)委員 大体事故米自体が、二千六、七百俵も水浸しになってしまったというようなことから、どうもわれわれには理解ができずにいるところへもってきて、保管しておけば品物がさらにいたむからということで随契でこれを処理したというようなことでは、ますます理解ができなくなってしまうのです。  そこで、食糧庁の方に伺いたいのです。この随契にあたっては、食糧庁の方ではどういう対策を立てて、これが随契でもいいというようなことの処理の方法をさせたのでしょうか。
  178. 家治清一

    ○家治説明員 ただいまも説明がありましたように、食糧庁としても、売却にあたりましては、こういった事故米につきましては一般競争入札、場合によりましては指名競争入札を併用することも——併用といいますか、指名競争入札によることもございますが、とにかく競争入札をやるのが建前でございます。それは、そのときに予定価格を立てまして、そうしてその予定価格以上であるとすればもろちん落札はきまるのでございますが、予定価格に、一回やってもだめ、続いて二回やってもだめという場合には、やはり事故品は至急処分をしないとますます値段が下がるという点がございますので、そういう点はできるだけ適当な相手を選びまして交渉をして、そうしてできるだけ高い値段で売れ、そういう形におきまして随意契約ということができる、許される、こういうふうに指導しているわけでございます。
  179. 山田長司

    山田(長)委員 この、台風によって被害を受けたと言われる麦自体も、何かしら故意に水でもかけたのじゃないかというような印象があるほどの俵数です。そこへもってきて随契ということなんですから、理解ができない点が次々に重なってくるのです。そこで、もしこれが水浸しにならなかったとすると、価格の差というものはどれくらいの差が出てきますか。
  180. 家治清一

    ○家治説明員 お答えいたします。二十二号台風によるもの全体で五百二万九千円が国損となっております。
  181. 山田長司

    山田(長)委員 増山所長はこの間の私の質問に対しては、この事故の発生したことについて、捜査二課長のところへ行ったときには、申し上げたということと申告したという二つの言葉を使って、言われておったわけです。私は告発されたんじゃないのかということで質問したところが、この二通りのことを言われたのですが、捜査二課長はこのときに何かメモしておったんですか。それとも、話を聞きおく程度だったんですか。今の森本委員の質問でも、どうも私の理解できない点はただ普通の職員が行ったのではなくて、あなたが行って話をする以上、申し上げる程度であるとか、申告しておいた程度であるとかいうことだけでは、理解ができないわけです。
  182. 増山義克

    増山説明員 私が参りまして、先日申告という用語で申し上げましたが、お話する、申し告げるというようなことで、私の方が、こういう事件がいつ発生したということを申してはおります。それで、そのとき紙をとられまして、倉庫の図解や、物はどういうふうにして一般的に売られていくかというような、仕事の流れと申しますか、物の流れにつきましてメモされたことを記憶しております。
  183. 山田長司

    山田(長)委員 じゃ、あなたは所長という立場でありながら、告発の義務については全然知らなかったんですか。知らぬということがちょっと理解できないんですが。
  184. 増山義克

    増山説明員 そのときは、告発につきましては、口頭で事情を説明すればいいんだというようなことを考えていたわけです。
  185. 山田長司

    山田(長)委員 どうも理解のできないことばかり続きますが、さらに、あなたが行ってからまだ調べがされていないようなことですが、この間、実は私たちが千葉へ行って上田社長に会っただけでも、この米は湯浅商店を通じてヘルス・センターへ行っている、こういうふうなことが上田社長の口から出ているのです。あなたはそういうようなことを耳にしたこともなければ、だれか調べる過程においてこういうことを聞いたこともないですか。
  186. 増山義克

    増山説明員 最近になりまして、そういううわさをしておる者がありまして、風評として聞いております。それでありますけれども、確証もありませんので、うわさ程度で過して参りました。
  187. 山田長司

    山田(長)委員 あの建物は、行ってみるとわかるように、一日に二、三万の人が出入りしていて、下から上までどの部屋でも食事のできないところはないほどのでかい食堂を持っております。演劇を見ながらでも食事ができるようになっている。これはちょっとの量ではないと思いますが、あなたは食糧事務所の所長として、あそこの食事はどこから来ていると思うんです。そういうようなことを調べてみたこともなければ、行ってみたこともないのですか。
  188. 増山義克

    増山説明員 食堂の米につきましては、業務用としまして配給されておるわけでございまして、直接の配給ワクの関係につきましては、県の知事の方のワクになりますので、知事が市町村に示されるワクで配給することになっておるわけでございます。
  189. 山田長司

    山田(長)委員 そうすると、ああして大量に消費される業務用の米を使われるところでは、配給のルートは何本になっておるのですか。
  190. 増山義克

    増山説明員 これは県知事に登録をしております卸業者、小売業者というのがございまして、小売業者を通じまして業務用として食堂に配給されるということになっておるわけでございます。
  191. 山田長司

    山田(長)委員 私の調べているのでは、業務用として配給され始めた三十二年の五月からずっと出ておるようになっておるのですが、それ以前の量及び最近の量について、私の控えは持っておりますけれども、あなたの方では、どのくらいの量があすこで消費されておると思いますか。
  192. 増山義克

    増山説明員 県の方から報告を聞いております量につきましては、年度別のワクでございますが、三十二年度が五十二トン程度で、三十三年度が百十八トンでございまして、そういう数量をきめておるようでございます。
  193. 山田長司

    山田(長)委員 センターができて以来の正規のルートから出ておる米の量というものは、そのくらいの量ですか。
  194. 増山義克

    増山説明員 その数量につきましては、まだわからないのでございまして、調査中でございます。
  195. 山田長司

    山田(長)委員 調査中であるということは、どうも僕には理解できないのですが、あなたの方で、たとえば湯浅商店を通して出ているものがどのくらいということと、それから今県の方から出ておるのがどのくらいの量になるかというようなことが明確にならなければならぬと思いますけれども、その分はお調べになったことがないというのですか。それとも、わからない状態なんですか。
  196. 増山義克

    増山説明員 配給の点につきましては、食糧庁から、県一本で月に何千トンというようなワクが、知事に指示されるわけでございます。県におきましては、その配給消費数量によりまして、卸別の配給のワクをきめるわけでございます。それでその県の知事がきめました卸のワクにつきまして、私の食糧事務所としますれば、そのワクの中で千俵なら千俵、二千俵なら二千俵売ってくれというような仕組みになっておりまして末端の配給につきましての数量につきましては、県の方の調査を聞かないとわかっておらぬわけでございます。
  197. 山田長司

    山田(長)委員 湯浅商店を通じてヘルス・センターへ米がいったということは、大体あなたも風聞で聞いたと言われております。この中に、おそかれ早かれわかることだと思いますけれども、この中にF氏が介在したということを上田社長は言っていました。F氏とは一体これはだれをさしているか、見当はつきますか。
  198. 増山義克

    増山説明員 先生の先ほどのお話の風評でございますが、湯浅とか、そういう卸業者の名前は具体的には私は聞いておらぬわけでございます。ヘルス・センターあたりに流れているんじゃないかというような風評を最近聞いたわけでございまして、具体的にははっきり知っておりません。  後段のF氏でございますか、私もはっきり聞いておりません。
  199. 山田長司

    山田(長)委員 食糧事務所は、あなたの場合だったと思うのですが、上田社長に告発をしないでもらいたい、そういう意向のようだったということで、上田社長は刑事事件にした方が自分ではいいと思ったが、しなかった、こう言っておるのです。上田社長に、何かあなたはこういうことに関して、告発を控えてくれというような意向を漏らしたことがあるのですか。
  200. 増山義克

    増山説明員 上田社長はそういうようなお話をしていた——あるいはそういうふうに思っていたかもしれませんが、私は上田社長には直接そういうようなことは申しておらぬわけでございます。
  201. 森本靖

    ○森本委員 資料だけ要求しておきます。三十二年度の決算の審議中ですが、その中で、三十二年度におきます事故米、亡失米、それから輸入食糧その他食糧管理特別会計におきます事故について、細大漏らさず、一つ資料として御提出を願いたいと思うのです。
  202. 井原岸高

    井原委員長代理 ようございますか。
  203. 須賀賢二

    須賀政府委員 承知いたしました。
  204. 井原岸高

    井原委員長代理 本日はこの程度にとどめ散会いたします。     午後一時三十三分散会