○
田中(織)
委員 滝井君が二回にわたって
発言をしておるので、私
ども社会党の
考え方はこれに尽きておるわけですが、若干私は補足をいたしたいと思います。私も、このデモ規制法の
内容にわたっての審議は、いずれ
委員会がきまったら行ないますから、その点には触れないつもりでございますが、まず第一に、この議案の
付託という問題は、
衆議院規則あるいは
国会法の規定で、各常任
委員会の所管事項というものがきまっておるのであります。そういう点から見て、幾つかの
委員会に関連を持つというような場合に、いずれの
委員会に
付託すべきかという場合だけは、
議長の方からこの
委員会に
諮問をするというのが、従来から行なわれてきた実情であろうと思うのであります。従いまして、もちろん各省から
提出して参りましたような
案件であるとか、規定上明白なものについては、
議長がどの
委員会へ
付託するかということについては、あえてこの
委員会に
諮問しなくても、事務的に運ばれてきておるというのが、私は
前例だと思う。その点から見て、まず第一に申し上げたい点は、私は、滝井君が申し上げたような理由から、これは
地方行政委員会に当然
付託すべき
案件だと思うのです。私は、その
意味で、先ほど
濱地地方行政委員長が率直に実情を述べられたけれ
ども、
地方行政委員長として、自分の
委員会の所管の
案件が
国会に、
議員立法であろうと政府
提案であろうと、出されたということについての、はっきりした職務に対する認識を欠いておるという点を、
濱地君の述べられたことは、率直ではあるが、非常に残念だと思って先ほど申し上げた。従いまして、この問題につきまして、たまたま
社会党側の
理事なりあるいは
民社クラブの
門司亮君等の
意見に基づいて、
地方行政委員長がこれはやはり野党の
諸君の言うことが本筋かなという気持を持ったればこそ、
議長のところに
申し出に行かれたわけです。そういうことがあれば、この
委員会で
池田君から指摘されて、初めて
議長なり、副
議長なり、
事務総長なり、
議運の
委員長が、この
案件の取り扱いについて
相談をしなければならぬ、この
地方行政委員長の
申し出について
相談をしなければならぬというようなことは、これは怠慢であると同時に、あなた方は一番最初に、当然
国会法の規定から
地方行政委員会の
付託事項であるという点を、
議長においても、あるいはこれを補佐する
事務総長においても、忘れておると思う。その点が私は非常に遺憾だと思う。しかし、この問題がこの
委員会の議題になっておるのでありますから、その点については、私は、当然
地方行政委員会にかけるべきものである、その点については、私
どもの
見解からすれば、疑義のない問題だと思う。こういう観点に立ってわれわれは
議論を進めておるという点を、第一点として明確にします。
それから第二点といたしまして、この
国会周辺の
秩序保持に関する
案件については、
議長からA、B二案の
試案の提示がありまして、本
委員会に
諮問になったことは事実です。私もそれは承知いたしております。しかし、その
諮問事項については、本
委員会としての結論が出されないままに
——経過的には確かに
議長から
諮問された
案件ではありますが、この
委員会としての一致の答申ができないから、従って、この問題を
立場をかえて
与党から
議員提案で出してきた。このこと自体が、この
法案が直ちに
議長の
諮問にこたえておるものだ
——経過的な点は認めますけれ
ども、私は、
諮問事項に対するそのものずばりの
案件だ、こういうわけには参らない性格を持っておると思う。
議員提案であるという点、昨日の
佐々木君の
提案の
趣旨説明から見ても、その点が明確なんです。従って
議長から
諮問を受けた事項、この
案件のような形で
諮問を受けた事項は、
議院運営委員会で審議すべきであるという理由については、最初は確かにそういう形でありましたけれ
ども、
議院運営委員会としていろいろ公式、非公式の話し合いを進めたけれ
ども、
議院運営委員会としての
諮問に対する
意見が一致を見ないから、形を改めて
与党から
提案されて参りましたのですから、この
案件は、直ちに
議長の
諮問にこたえたものだというわけには参らない。これは厳密に法規の解釈をするならば、その点がいえるのじゃないかと思う。
それから第三の問題は、
議院運営委員会で所管する事項については、広い
意味において、第一に議院の運営に関する事項、あるいは
国会法、あるいは
衆議院規則等に関連する事項等、具体的にあげております。
国会周辺という点もうたっておりますし、しかも、この法律の目的が、われわれの
反対するといなとにかかわらず、
国会議員の
審議権を
確保するといううたい文句をとっておる点から見ても、私は、
国会運営に全然関係のない問題だとは申しません。しかし、この点は滝井君から申し上げますように、
審議権の
確保のための具体的な処置は、
議長の要請に基づいて、公安
委員会あるいは警視総監が具体的に処置をする。しかも、この点は、昨日の本
会議における
趣旨説明に対する質疑応答の過程を通じて現われてきているように、この
法律案に添付されておる地図によって明白な通り、まさに東京都の一区画に対して地域的に規制するところの法律であります。その点から見ますならば、憲法九十五条の地域住民の住民投票という問題も出てくるという、私
どもの解釈もできるわけなのであります。その点はしばらくおくといたしましても、この問題は、すでに院内に関する限り、院内警察権を持っております、院外の場合におきましても、
議長から内閣に対して警察権の発動を要請することができる、そういう
権限が、憲法上
議長に与えられておるのであります。しかし、それにもかかわらず、これを法律化しなければならないというのが、
提案の
趣旨説明なんです。そういう点から見ますと、これは
国会運営あるいは
議長権限において行ない得ざる秩序維持の問題について、一般国民を規制するところの法律を新たに制定しようとするのでありまして、直ちにこの問題は、
国会法あるいは
衆議院規則に従属するところの
法律案であるから、この
委員会の所管だという主張も、その点からは、私は全然関係ないとは申しません。しかし、必要があれば連合審査の規定もあるわけでありますから、
地方行政委員会に、本
委員会として連合審査を求めればいいのであります。私は、その点から見て、これは主管の
地方行政委員会に
付託すべき
案件である。これは、
衆議院規則の
議院運営委員会の所管事項に関する規定の具体的な解釈の上から見て、私はそのように
考えるのであります。これが第三点であります。
第四点は、第三点で触れた問題でありますけれ
ども、いわゆる院内の警察権の問題については、これは現に
議長の
権限内にある問題であります。それから、今度法律で規制しようという
国会周辺等の問題につきましては、現行の法規に従いましても、
議長が内閣を通じてその
権限の発動をすることができるわけであります。この点については、昨日の
佐々木君の
提案趣旨説明にも、あるいはわが党の中村高一君の
質問に対する答弁の過程を通じても、非常に広い範囲の国民大衆に影響を及ぼす問題である、こういうことが明確にせられておるのであります。その
意味におきまして、この問題は、具体的には公安
委員会の活動、あるいは公安
委員会の管理のもとにありますところの警視総監の処置を要請する、それに基づいて国民の集会、言論あるいは請願権というようなものに対する具体的な制限という形をもって現われてくる場合も起こり得るのでありますから、私は、そういう観点から見て、これはただ単なる
国会運営の面の問題だ、こういう形ではなくて、やはり
地方行政委員会においてこの問題について審議をする、
国会運営との関係を持つ部分については、むしろ本
委員会として、
地方行政委員会に
付託がきまりました
あとに、連合審査で十分
国会運営上の
考え方をわれわれが申し述べる機会が与えられることを、
委員長において考慮せらるべきであろう、こういうふうに
考えますので、先ほど滝井君が申し述べました点を、以上四点にわたって補足をいたします。
私
ども社会党といたしましては、あくまで自民党
提案の
国会の
審議権の
確保のための
秩序保持に関する
法律案は、
地方行政委員会に当然
付託すべき
案件であるという主張を明確にいたします。