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内海説明員 泥よけの問題につきましては、在来から非常にただいま
お話のような非難が起こっておりまして、私
どもへの
苦情等も数少なくないわけであります。
現状を申しますと、大都市のごく一部を除きましては、ほとんど
道路の
実態というものは、雨が降り、道が
ぬかるみますと、泥をはね飛ばすという
実態にあることは御
承知の
通りであります。建設省の統計によりましても、
道路を舗装してあるというところは、総延長の一%、最近改善されましても、その前後の
状態のようでございます。従って、泥をはねる
機会というものは、非常に多いわけであります。これに対しまして、
警察の
取り締まりはどういうふうにやっておるかという点につきまして申し述べますと、先ほど御指摘がございましたように、
道路交通取締法の
施行令でもって、
操縦者の
遵守事項として、一応泥をはね飛ばさないという
義務を課しておるわけでありますが、
実態はその
義務が容易に守られない、また客観的にも守りにくい条件があるように考えられるわけであります。これに対する
警察取り締まりといたしましては、
警察官をあらゆるところに立てて、現認してこれを
措置するということができればきわめていいのでありますが、限りある人数の
状態では、これもきわめて困難な
状況にございます。
〔
委員長退席、
生田委員長代理着席〕
従いまして、現在におきましては、一斉
取り締まり等でやる場合を除きましては、ほとんど
被害本人の親告に待たざるを得ないわけでありますが、この場合には、またどの
自動車にどこでどういうふうにしてはね飛ばされたかという、いわゆる
刑事手続上の
証拠資料に非常に欠くところが多くなりまするので、せっかく
被害を見ながら、これを処理するという上に非常に困難を感じておる次第であります。そういうふうなことと相待ちまして、現在におきましても、泥はね
運転の
実態というものは、ひとえにその
道路を通行する
歩行者、場合によれば
自動車等に対して
被害が与えられっぱなしというような
実態を、私も否定することはできないのであります。もとより、こういう
実情でございますので、私
どもも屡次
取り締まり方針は指示いたしておりますけれ
ども、先ほど申し上げましたような次第で、その
徹底を確保するに非常に困難な
実情にあります。しかしながら、この
対策として泥よけ
装置を具備するという問題につきましては、多くの
問題点がなおあるわけでございます。と申しますのは、たとえばこれを
自動車の他の
構造装置と同様に泥よけ
装置を
装着する
義務を付するということになりますと、今度は逆に、
天気の日には必要もないし、また
徐行するなり泥を飛ばす
場所を回避して通れば、当然そういう事態が起きないので、必要不可欠の装備であるという
観点からは、強く主張できない点があろうと思うのであります。従いまして、結局そういう
場所を
運行する場合における問題としてこれをとらえる以外になかろうかと考えるのであります。その
観点から、
現行法におきましても、
自動車を
運転する者に対して、
手段として泥よけ
装置をつける、あるいは
徐行する、あるいはその他の
措置をとりまして、泥をはねないような形で
運転するという
義務が課してあるわけでありますが、その
義務の遂行につきましては、以上のような
実態でありますので、私
どもとしても、
現状を傍観して、そのままその
被害の
実態を放置するということはできないものと考えますので、まず
現行法のもとにおきましては、できる限りそういう場合におきましては泥よけ
装置などで泥をはね飛ばすことが比較的避けられるものを用意して、なお
徐行するなりあるいははね飛ばさないような
措置をとるならば、現在よりも相当泥はねというものは改善されてくるのではないか。こういうことになって参りますと、
運転者あるいは
自動車を所有する人あるいはこれを使用する人が、ある
意味では
法律上の
義務を遂行するための道義的な責任としてそういうふうなものを装備していくというふうにお考えを願うことが必要ではなかろうか、
現行法のもとにおきましては私
どもはそういうふうに考えておる次第であります。