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1959-10-10 第32回国会 参議院 建設委員会 閉会後第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十四年十月十日(土曜日) 午前十時二十三分開会
—————————————
委員
の異動 九月三十日
委員前田久吉
君
辞任
につ き、その
補欠
として
村上義一
君を
議長
において指名した。 十月一日
委員田中清一
君及び
久保等
君
辞任
につき、その
補欠
として
鍋島直紹
君及び阿
具根登
君を
議長
において指名 した。 十月七日
委員鍋島直紹君辞任
につき、 その
補欠
として
田中清一
君を
議長
にお いて指名した。 十月八日
委員前田佳
都男君
辞任
につ き、その
補欠
として
横山フク
君を
議長
において指名した。 十月九日
委員横山フク
君
辞任
につき、 その
補欠
として
前田佳
都男君を
議長
に おいて指名した。 本日
委員
阿
具根登
君
辞任
につき、その
補欠
として
久保等
君を
議長
において指 名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
岩沢
忠恭
君 理事 松野 孝一君
田中
一君
委員
小沢久太郎
君 櫻井
三郎
君
田中
清一
君 米田 正文君 内村 清次君
久保
等君 田上
松衞
君 武内
五郎
君 向井 長年君 安田 敏雄君 小平 芳平君 須藤
五郎
君 国務
大臣
建 設 大 臣
村上
勇君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
内閣官房内閣審
議室長
大島 寛一君
警察庁警備局長
江口 俊男君
自治庁財政局理
財課長
山野 幸吉君
林野庁指導部長
茅野
一男君
建設省計画局長
関盛
吉雄君
建設省河川局長
山本
三郎
君
建設省道路局長
佐藤
寛政君
建設省住宅局長
稗田 治君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
建設事業
並びに
建設
諸
計画
に関する
調査
の件 (
台風
第十五号による
災害
に関する件)
—————————————
岩沢忠恭
1
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) これより
建設委員会
を開会いたします。まず
委員
の変更について御
報告
いたします。 九月三十日、
前田久吉
君が
委員
を
辞任
せられ、その
補欠
として
村上義一
君が
委員
に選任せられました。
—————————————
岩沢忠恭
2
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) それでは
台風
第十五号による
災害
に関する件を議題といたします。 今次の
台風
第十五号による
被害状況
について、まず
建設省関係
から御
説明
を願いたいと思います。
山本三郎
3
○
説明員
(
山本三郎
君)
台風
十五号による
被害
の現在までにわかりました
状況
を御報告いたします。 お手元に差し上げてございます「
台風
第十五号による
被害概況
」という刷りものがございますが、これによりまして御
説明
申し上げます。 第一ページは気象の
概況
でございまして、
台風
の進路が記入してございますので、これは
説明
を省略させていただきます。 次は二ページに参りまして、
公共土木施設
の
被害概況
でございますが、これを逐次御
説明
申し上げたいと思います。 第一番目は
直轄
の
河川
の
出水状況
でございまして、今回は
東北
、
関東
、
北陸
、中部、近畿、
中国
、
四国
の、九州を除くほとんど
全国
の
河川
に
出水
を見ましたわけでございます。さらに
伊勢湾
を
中心
といたしまして大きな
高潮
が発生したために非常な
被害
を受けたわけでございます。主なる
河川
の
出水状況
が三ページ以降に書いてございますが、
東北地方
におきましても大きな
河川
に
警戒水位
を突破するような
出水
がございまして、右側の
被害状況
に書いてございますように
護岸
、
堤防等
に
損傷
がございました。 次は
関東
でございますが、
利根川水系
、
荒川水系
、多摩川、
富士川等
に
出水
を見たわけでございますが、そのため
護岸
、
堤防等
に
被害
がございました。
富士川
におきましては
堤防
の破堤が一カ所ございまして韮崎に
浸水
をいたしたわけでございます。次は
北陸
でございますが、これもほとんど大きな川は全部
警戒水位
を突破いたしておりまして、
護岸
、
堤防等
に
相当
な
被害
を発生しております。 一番大きな
出水
あるいは
被害
を受けましたのは
中部地方
でございまして、まず
木曾
川でございますが、
木曾
川は
揖斐川
、
長良川
を含めまして非常な
出水
を見たわけでございます。ことに
揖斐川
の支川の
牧田川
におきましては、島江というところがございますが、ここは
計画高水位
が八・七七メートルでございましたところが、今回の
水位
は九・二〇メートルに達しましたので、
計画高水位
を四十三センチ突破しております。そのために右側の
被害状況
に書いてございますように、
木曾
川の
下流部
におきましては、
高潮
と重なりまして非常な
被害
を惹起いたしております。
木曾
川、
長良川
、
揖斐川
の
堤防
の破堤——切れたものが合せて延長八・四キロ、
堤防
の
損傷
を受けた延長が二〇キロに及んでおります。そのために
下側地帯
の
三重
県の桑名市、長島町、
木曾
岬村はほとんど全市、全町村が
浸水
いたしたような
状況
でございます。以上はいずれも主として
高潮
、波浪に原因するものでございます。それからまた
長良川支川
の
牧田川
におきましては根古地というところにおいて
堤防
が切れております。これは
洪水
によるものでございまして前回七
号台風
に際しまして破堤いたした所が、
応急復旧
をいたしましたがそのそばの地点から切れ始めまして
応急復旧
した地点も残念ながら再び
堤防
が決壊いたしたわけでございます。これは七
号台風
よりもさらに大きな
出水
がございましたためにこういう結果になったわけでございます。それから
矢作川
、大井川、
天龍川
、
安倍川等
におきましても、それぞれ
警戒水位
をこえまして
護岸堤防等
に
被害
を受けておる次第でございます。 次は
近畿地区
でございますが、
中部地区
に次ぎまして、
近畿地方
の諸
河川
の
出水状況
は非常に大きかったわけでございまして、まず
淀川
におきましては枚方というところにおきまして、
計画高水位
が六・三六ございますが、これを三十三センチこえまして今回の
水位
は六・六九に達しております。そのために
淀川
の
左右岸
の
堤防
は
漏水等
を起しまして非常に危険な
状況
になったわけでございますが、幸いにいたしまして
水防団
、
自衛隊等
の活動によりまして破
堤等
のことはなかったわけでございますが、
堤防
や
護岸等
におきましては
相当
の
被害
を受けております。それから
淀川支流
の
木津川
におきましては
計画高水位
に近いような
出水
がきておりますし、また
淀川
の
上流
の
宇治川
におきましては
計画水位
を四センチ突破しておるような
状況
でございます。それから次は
紀の川
でございますが、これにおきましても
計画水位
をこすような
洪水
が参りまして、
堤防
の切れた所が一カ所、それから
堤防
、
護岸等
におきまして十二カ所の
損傷
を受けております。次は由良川でございますが、この
河川
におきましても
計画洪水位
になんなんとするような
洪水
が発生しております。次は
兵庫
県の
円山川
でございますが、この
河川
におきましても
計画洪水
を十センチ余りこしておりまして、支流の決壊によりまして豊岡市等が
相当
の
浸水
を受けております。九頭龍川におきましても
計画水位
を四十五センチこしております。これは下流の改修中の所につきましては
被害
はございませんでしたが、
上流
の大野郡
方面
には
相当
の
被害
が発生しております。 次は
中国地方
でございますが、
鳥取
県におきまして
相当
の
被害
が発生しておりまして
天神川
、
千代川等
におきまして
堤防
、
護岸等
の
損傷
が発生しておりまして、
四国
におきましては那賀川におきまして
警戒水位
を突破する
洪水
が発生しております。 次は五ページに参りまして、
災害
の
補助
の
状況
でございます。これは
全国
三市三十七
府県
に
被害
が発生しておるわけでございまして、
被害
の
概況
がそこに載っております。 まず
四国
は高知、愛媛、香川、徳島の各県にいずれも
被害
が発生しておりまして、
瀬戸内海側
の
河川
、
海岸
、それから高知県等におきましても
海岸地帯
の
道路等
に
相当
の
被害
が発生しております。 次は比較的少いのでございますが、岡山、島根、
広島等
にも
被害
が発生しておりますが、
中国
で一番大きい
被害
は
鳥取
県でございまして、これは県下一円に
被害
が及んでおりまして、
天神川
、
千代川
、
加勢蛇川等
の
河川
の
上流部
に非常な
被害
が発生しております。幸いにして改修の進んでおる所には
被害
が少なかったというふうな報告になっております。 次は
近畿地区
でございますが、
和歌山
県におきましては
紀の川
、日高川、富田川、新宮川等におきまして非常な
出水
をみたわけでございまして特に
山間地帯
の
被害
が非常に多いわけでございます。 次は
奈良
県でございますが、
紀の川
、新宮川等の
上流地帯
がいずれも激甚な
被害
を受けておりまして、特に吉野川の五条、
下市付近等
の
被害
、これは非常に大きなものでございます。さらに
上流地帯
の
被害
はいまだに
交通
が途絶しておるような
状況
もございまして、
被害
がさらに増大するというふうに考えられておるわけであります。 次は
兵庫
県でございますが、
兵庫
県は主として
北部但馬方面
に
被害
が発生しておりまして、
円山川水系
に主として
被害
が発生しております。また浜坂という
方面
の小
河川
におきましても
被害
が激甚でございます。 それから大阪は
海岸
の
被害
でございます。 次は
京都
でございますが、主として舞鶴、宮津、
方面
の北の方、
日本海沿岸
の
地方
と
木津川
、
宇治川水系
の
被害
でございます。 次に
滋賀
県は湖東、湖北、湖南のほとんど全県に
被害
が発生しておりまして、安曇川、日野川、野洲川、天野川、姉川、
愛知
川等の各
河川
におきまして破堤、
決壊等
の
状況
が発生しておりまして、非常な
被害
になっております。 それから福井県でございますが、県の
南部地方
、
小浜地方
と九頭龍川の
上流
の大野市の
付近
の
災害
が激甚でございます。 それから
三重
県でございますが、
伊勢湾台風
の
愛知
県とともに
被害
の
中心
をなしているわけでございまして
木曾
川、
揖斐川
、
長良川
の
下流地帯
はもちろんのこと、県の全般にわたりまして鈴鹿川、中野川、雲出川、長田川、
櫛田川等
の
河川
及び
四日市
市と津市等の
海岸
におきまして、甚大なる
被害
が発生しております。 次は
愛知
県でございますが、
愛知
県は主として
海部海岸
、
南陽海岸
、それから
名古屋
の東の方の
海岸
、
半田武豊海岸
、
松原海岸等
の
被害
が甚大でございましてそれに接続いたしまする新川、
庄内川
、山崎川、大江川、鍋田川等の
河川
の
堤防
も、
高潮
によりまして決壊いたしておりまして、最も悲惨な
状況
を呈している次第でございます。 次は静岡でございますが、比較的
被害
が少なかったのでございまして、
田子浦
、
駒越等
の
海岸
に
被害
が発生しております。 次は
岐阜
でございますが、
岐阜
は大垣市、養老郡、不破郡等の主として
県西地方
でございまして先ほど御
説明
申し上げました
牧田川
の
被害
、相川、
揖斐川
、
長良川等
に
被害
が発生しておりまして、特に
揖斐川
におきましては、破堤をみましたわけでございますが、そのほか各所におきまして
堤防
をこし、非常なる危険な
状態
になったわけでございます。 次は石川、
富山等
におきましては、比較的
被害
は軽微でございました。 さらに長野県、山梨県等におきましては、七
号台風
に引き続きまして長野県におきましては姫川、穂高川、
天龍川
の七号におきましては比較的
被害
の少なかった
地方
に、
被害
が発生しております。山梨におきましては、主として釜無川の
沿岸
の各
河川
、
道路
に
被害
を発生しております。
あと新潟
、神奈川、東京、千葉、埼玉、群馬、栃木以下茨城、福島、山形、秋田、宮城、岩手、
青森等
におきましても、それぞれ今回の
台風
の通路あるいはその
付近
に当りましたために、いずれも小なりといえども
被害
が発生いたしておりまして、
東北
、
関東
の全県に
被害
をみている次第でございます。そのほか
名古屋
市、
京都
市、神戸市等もこれに関連いたしまして市の管理する施設が
相当
の
被害
を受けております。 次に十一ページに、
愛知
、
三重
県の
被害
の激甚な
個所
の
図面
が載っておりますが、先ほど御
説明
申し上げましたように
木曾
川、
揖斐川
、
長良川
の
伊勢湾
に注ぐ
地帯
を
中心
といたしまして、
被害
は
名古屋
市の東から
三重
県の津市に至る
沿岸
、さらに半田市、
矢作川沿岸
に及びまして非常な
被害
を発生しておりますが、今回の
台風
による
高潮
は、約
潮位
にいたしまして、
名古屋
の
観測値
が三メートル九十に達しております。これは既往の最大であります大正の初めの
潮位
に比べまして、約一メートル高い
潮位
でございます。それにさらに南風によります波浪が伴いまして、非常なる波を発生したわけでございまして、そのために
海岸堤防
は全面的に溢流いたしますし、それに接続いたしまする諸
河川
に潮が逆流いたしまして、この
図面
で見ますように、ばつじるしは
海岸堤防
の被災の
個所
でございますし、それからぎざぎざになっておりまするのがこれに関連する
海岸
、
河川
の
堤防
の
被害
の
状況
でございます。 次に十二ページに参りまして、以上のような
出水
、
高潮
によりまして、
公共土木
の
被害
を発生したわけでございますが、まず第一に
直轄
の
河川
並びに北海道の
開発局
の
直轄事業
の
被害
の
状況
でございますが、
合計
いたしまして四十三億八千三百万余に達しております。このうちで一番大きい
被害
でございますのは
中部地区
の
木曾
川と書いてございますが、
木曾
川、
揖斐川
、
長良川
の
被害
の全部の
合計
でございますが約三十億、これは現在
査定
中でございまして、さらにこの金額はふえるのではないかというふうに考えられるわけでございまして、現在のところ
直轄
の
被害
が四十三億八千三百万円に相なっております。次は十三ページでございますが、
直轄
の
砂防
の
被害
でございまして、現在までの
被害額
が三千四十万に相なっております。次が便宜上
道路
のことでございますが、
直轄
の
道路
の
被害
が九千百六十万でございます。次は
補助
の
災害
でございますが、この表を作りました後に集まりました
被害
の表がございますが、一枚刷りで差し上げてございます。これは時々刻々増加しておるわけでございまして、けさまでの集計によりますと
補助
の分が四百九十五億五千万円でございまして、これに先ほど申し上げました
直轄
の四十五億五百万、これは
河川
、
砂防
、
道路
を加えまして四十五億五百二十万となりますが、これを合せますと今回の
台風
による
公共土木施設
の
建設省関係
の
被害
は、五百四十億五千五百二十九万六千円に相なるわけでございます。さらに本年に入りましての
被害
の
合計
でございますが、この十五
号台風
までの総計は全体で一千一百三十七億三千二十二万二千円ということに相なっております。これは
補助分
と
直轄
を合せたものでございます。 次は
道路
の
被害
の
状況
は後ほど
道路局長
からお話しいただくことにお願いしたいと思います。それから
住宅
の
関係
につきましても
住宅局長
、
都市計画
、都市の方につきましてもそれぞれ担当の局から御
説明
いただくことにいたしまして、二十ページの現在までにとりました処置につきまして簡単に御
説明
申し上げたいと思います。 九番といたしまして
応急措置
が書いてございます。順次これに従いまして簡単に御
説明
申し上げます。九月の二十七日に
建設省
に
建設大臣
を
本部長
とする十五
号台風災害復旧促進本部
を設置いたしました。引き続きまして九月二十八日に
災害
の
状況
の把握及び
復旧方法
の指導に当らせるために
被害
の激甚でありました
愛知
、
三重
、
岐阜
、
滋賀
、
京都
、
奈良
、
和歌山
、
兵庫
、
鳥取
の各
府県
にそれぞれ係官を派遣いたしました。引き続きまして九月二十九日に
大臣
は
愛知
、
三重
及び
岐阜
の各県、政務次官は九月二十八日から
滋賀
、
京都
、
奈良
、
和歌山
及び
兵庫
の各
府県
の
被害状況
の視察のために、
関係官
を帯同されまして
現地
におもむかれたわけであります。続いて九月二十九日に
中部日本災害対策本部
が
名古屋
に開設されまして、
建設省
といたしましては
富樫技監
と
関係官
が直ちに参りますし、十月二日には
建設事務次官
がそれぞれ同
本部
に参りました。また
大臣
も
本部
に参られましていろいろと指揮をとられたわけであります。それから
応援
の問題でございますが、
関東
、
東北
、
北陸
、
中国
、
四国
及び九州の
被害
の比較的少かった各
地方建設局
から、
中部地方建設局
の行う
災害復旧事業
の
応援
に、係官を派遣することといたしました次第でございます。また各県に対する
応援
でございますが、
愛知
県及び
滋賀県知事
からの
要請
によりまして、
災害復旧事業
の設計の
技術要員
といたしまして
愛知
県に十二名、
滋賀
県に十名をそれぞれ他
府県
から
応援
派遣することに手配いたしました。その後
三重
県からも
要請
がございましたので、岡山県から手当をいたしましてこの後
措置
をいたしております。 次は緊急の
復旧
の
措置
の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、
被害
の激甚な
府県
につきましては、
査定官
を派遣いたしまして
復旧
の
実地指導
を行わせているわけでございますが、準備が完了でさましたらば直ちに
緊急査定
を行いまして
事業費
を決定いたし、次に申し上げますように
予備金等
の支出を行うわけでございます。その他の県につきましても
早期
に
査定
を実施する予定にしております。それから
災害復旧
のための
国庫負担金
の
早期支出
をはかりまして、なお当面の
復旧資金
といたしまして、
要請
に応じまして
つなぎ融資
のあっせんを行うことといたしまして、現在までに
相当
の
つなぎ融資
を行なっております。 さらに
直轄河川
のうちとりあえず完全破堤いたしました
木曾
川、
牧田川
の
堤防
の
復旧費
といたしまして五億円を支出いたしまして
緊急工事
を行うほか、
次期出水
に対して危険のおそれの大きい
富士川
ほか十
河川
の
被災個所
については、
既定経費
から一億二百万円
程度
を支出いたしまして
緊急工事
を行なっております。さらに
木曾
川、
牧田川
の
復旧費
といたしましては五億の以外に五億五千万円を昨日の閣議で決定いたしていただきまして、
追加支出
をいたしております。 それから工事の問題でございますが、
伊勢湾
の
海岸被害
については
木曾
川及び
海部海岸堤防
の仮
締め切り工事
を
早期
に完成するために、総数三十隻の
ポンプ船
の手配を完了しております。これは
合計
一万八千七百九十馬力に達しておりますが、
全国
から
ポンプ船
を集めまして続々
現地
に到着しております。 それから次は
海岸堤防
の
復旧計画
の樹立のための
基礎調査
を、
土木学会
を通じまして
海岸工学
の
権威者
に依頼しておりましてすでに
現地
を見ていただきまして本日は帰京いたすことに相なっております。 次は
道路
、
住宅
の問題でございますので、それぞれ
担当局
から御
説明
していただくことにいたしまして、
河川局関係
の御報告を終らしていただきます。
岩沢忠恭
4
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に
道路関係
につきまして
佐藤道路局長
から御
報告
願います。
佐藤寛政
5
○
説明員
(
佐藤寛政
君) 十五
号台風
によります
道路関係
の
被害状況
を御
説明
申し上げます。
道路
につきましては
指定区間
、
直轄区間
、
建設省
で直接
担当
しております以外の
一級
国道
、その他の
都道府県道
につきましては、御承知のように
府県
の
一般災害
といたしまして
河川
、
砂防等
と同時に
被害額
を計上いたしております。従いまして
建設省
で
担当
しております
指定区間
について申し上げます。
指定区間
の
災害
は、先ほど
河川局長
からお話しございましたように、十四ページにございます九千百六十万ということに相なっているのでございますが、これは
一級
国道
一号線
名古屋——
四日市
、この間におきまして後ほど御
説明
いたしますように、今なお水没いたしている
区間
が
相当
ございます。従いまして、この数字は現在におきまして積算できる
程度
の
被害額
ということでございまして、
被害額
といたしましては従って確定いたしませんが、このほかに
名古屋
市、
四日市
間におきまして、ただいままでのきわめて推定でございますが、おそらく二億以上の
経費
がここで
被害額
として上るのではないか、こういうふうに推察されている
状態
でございます。 次に十六ページに書いてございます
一級
国道
の
交通状況
を御
説明
申し上げます。 最初に
指定区間
でございますが、
指定区間
、
建設省
が
担当
しております
区間
につきましては、ここに書いてございますように一号、二十一号、二十三号、十七号、十八号、それから二号、二十四号こうした
国道路線
につきましてそれぞれ
被害
があったのでございます。その中で特に顕著に大きいのは
名古屋——
四日市
でございまして、ここに書いてございますように
橋梁
が流失し、
路面
がただいま水没いたしておりまして
交通
全然不能でございます。
一級
一
号東海道線
でございまして非常に大事な
路線
で、ただいま非常に
対策
に苦心をいたしておる
状態
でございます。これをやや詳しく御
説明
申し上げますと、この資料の十一ページに
三重
、
愛知
県、
名古屋
市を
中心
といたしました
被害個所
の
図面
がございます。この
図面
を参照いたしましてこの辺の事情を申し上げますと、まず
名古屋
市の
市内部分
でございますが、
庄内川
までの
部分
につきましては、
干潮
になりますと一応
交通
が可能な
状態
になりますが、なお
満潮
時には
湛水
いたしておるという
状況
でございます。しかしながらこの
部分
は
庄内川
の
締め切り
が進んでおるようでございまして、ただいま減水いたしておるようで、間もなく
交通
に一応
支障
のないような
状態
になろうかと思っているわけでございます。 それから
庄内川
と
日光
川の間の
区間
でございますが、この
部分
はやはり
干潮
になりますと若干
道路
の出ます所がありますが、
満潮
時になりますとやはり水をかぶるという
状態
でございます。しかしながらその
水深
もそれほど深いのでございませんので、この
区間
につきましては
道路
の両側に土のうを積んで、そうして
路面
の
湛水
を排除するという方式をもちまして、辛うじて
交通
を維持している
状態
でございます。問題の
個所
は
日光
川から
木曾
川までに至る間でございまして、この間は
干潮
時におきましても局部的に露出いたす所もございますが、やはり平均にいたしまして四、五十センチの水をかぶっておるようでございます。
満潮
時におきましては一メートル数十センチの
水深
があるという実情でございます。従いまして、この間の
交通維持
にはただいまいろいろの工法を研究いたしておるのでございますが、
水深
も深い
状態
でございまして、現在といたしましてはまだ
交通
可能の
状態
にはなっておらないわけでございます。 それから
木曾
川と揖斐、
長良川
の
間長島地区
でございますが、この間も
浸水
をいたし、また一部
橋梁
が流失いたしまして、
交通途絶
の
状態
でございましたが、この
橋梁
に対しましては
自衛隊
のべ
ーリー橋
を応急的に架設いたしまして、多分昨日中にこの架設を終ったはずでございます。おそらく本日はこの
区間
は一
車線交通
でございますが、辛うじて
交通
に
支障
のない
程度
には相なるかと思われるのでございます。 それから
揖斐川
、
伊勢大橋
を渡りまして
桑名地区
でございますが、この
部分
に対しましてもほぼ
災害
を受けたわけでございますが、現在におきましては一応
交通
に
支障
のない
状態
に相なっております。これから
伊勢——大阪
まではただいまのところでは
交通
に
支障
はございません。従いまして、
一級
一
号東海道線
は
日光
川から
木曾
川までの
区間
が
浸水
しておりまして現在
不通
と、こういうことに相なっておるわけでございます。 それから、その他各
国道
にそれぞれ
被害
を受けましたが、ここに書いてございますように、
応急処理
によりまして、ただいま不十分ながら一応
交通
可能という
状態
になっております。これは
指定区間
でございます。 それから
指定区間
以外の
部分
でございますが、十七ページにございますようにこれも各
路線
にいろいろ
被害
を受けました。特に二十号、
甲府ー茅野
市間でございますが、先般七
号台風
によりまして大きな
被害
を受けて、
国道
としてもしばらく
不通状態
にあったのでございますが、今回もやはり
被害
が大きく、
橋梁
が流されその他
道路
が流されて
交通
不能の
状態
でございます。しかしながらこの
部分
については
迂回路
を利用いたしまして、
交通
可能の
状態
にいたしておる。同時に
不能個所
についてはただいま鋭意この
復旧
をやっておるわけでございます。 それから四十二号、
和歌山
県、
紀伊半島
の南を通っておる
国道
でございますが、これも
交通
不能の
状態
で
迂回路
を利用しておる。 それから
鳥取
県でございますが、九号
国道
において
橋梁
が流失いたしたために
交通
不能の
状態
にある。これはただいま鋭意
復旧
に努めておりまして、まあ不日一
車線交通
は可能になる見込みでございます。
道路
の方の
被害状況
を概略申し上げた次第でございます。
岩沢忠恭
6
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に
住宅
関係
につきまして、稗田
住宅局長
の方から……。
稗田治
7
○
説明員
(稗田治君) お手元にお配りしてございます資料の十八ページに家屋の
被害
の
状況
がございますが、十月の六日現在の警察庁の調べによるものでございます。総計におきまして全壊と流失を合わせました滅失戸数が約三万六千でございまして、半壊が九万六千に近い数字でございます。最も
被害
のはなはだしかったのは
愛知
、
三重
、
岐阜
、
長野
、
奈良
、
山梨
といったような
府県
でございます。 これに対する
復旧
の
対策
でございますが、
災害
発生後直ちに
住宅
建設
課長以下
係官
を
現地
に派遣いたしまして、
住宅
の復興
対策
につきまして
調査
及び
指導
を行わせておるわけでございます。 まず
被災
住宅
の
対策
といたしましては、第一に
災害
公営
住宅
の
建設
があるわけでございますが、これは事業主体が、滅失いたしました戸数の三割に
相当
する戸数までの
災害
公営
住宅
を
建設
する場合には、三分の二の国庫
補助
を行う予定でございます。現在
被災
のはなはだしかった
愛知
県
地方
におきまして、
災害
公営
住宅
を早急に
建設
し得るように着工準備を進めさせておる次第でございます。 第二の施策といたしましては、
住宅
金融公庫による
災害
復興
住宅
の融資でございますが、
住宅
を新築いたします場合には三十万円まで、補修の資金といたしましては十五万円までを貸しつけるわけでございますが、金融公庫に
被害
発生後直ちに
災害
復興
住宅
の融資を行うように指示をいたしておるわけでございます。
住宅
金融公庫におきましては、発生後直ちに
名古屋
地区等の
災害
の激しかった
地方
に、係員を派遣いたしまして
災害
調査
に当らせる一方、
災害
復興
住宅
貸し付けの融資相談所及び申し込み受付場所等につきまして、
関係
機関と打ち合せを行いまして現在
愛知
、
三重
、
岐阜
県下におきまして六百九カ所の融資相談所を開設いたしまして、罹災者の融資相談に応じておるわけでございます。
愛知
、
三重
、
岐阜
の各県におきましては、本日から申し込みの受け付けを開始することになっておるわけでございます。その他の地区におきましては、すでに申し込みを開始を始めておるわけでございます。 以上
住宅
の
被害
並びにこれが
対策
につきままして、簡単でございますけれども御
報告
を申し上げる次第でございます。
岩沢忠恭
8
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に
都市計画
関係
につきまして、
関盛
局長に
説明
を願います。
関盛吉雄
9
○
説明員
(
関盛
吉雄君)
都市
施設
の
被害状況
につきましては、お手元の資料の十九ページにかかげてございますが、
関係
八
府県
の地域におきまして今日までまとまっております
被害額
が五億二千六百万ということになっております。ただこれは続々
状況
の判明によりまして増加しつつありまして、なお目下
係官
が
調査
に出向いておりますので、今後
被害
の大きいと思われます
愛知
あるいは
三重
県、
奈良
の一部等におきますところでも、まだ
浸水
しておる地域がございますので、
調査
が判明いたしますとさらに増加するものと思われます。この
被害額
の対象
施設
として取り上げておりますのは、公共下水道、
都市
下水路、
都市
公園等の
都市
施設
のほかに、
都市
内に堆積いたしました土砂の排土に要する
経費
等を含めております。簡単でございますが御
説明
を終ります。
岩沢忠恭
10
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に警察庁
関係
につきまして江口警備局長。
江口俊男
11
○
説明員
(江口俊男君) お手元に御配付を申し上げました資料につきまして簡単に御
説明
をいたします。 まあ事柄の性質上私たちの調べは人的な
被害
に重点があるのでございまして、物的な点につきましては、おのおのただいまお述べになりましたような専門の分野からの数字をお読み取りいただきたいということ、それから昨日も他の
委員
会で問題になりましたが、われわれが出します数字と厚生省その他でお出しになっおります数字との間に多少の食い違いがございます。ことに建物の全壊、半壊等につきまして問題がございましたが、これらはおそらく現在床上
浸水
という方でわれわれが取り扱っておる数字の中に、水が引きましたならばそれが
相当
こわれておる、あるいは全壊であるという数字が出てくるのじゃなかろうか、こういう意味で多少食い違いがあるようでございます。今回の
台風
は専門の方々に言わせますと、昭和九年の室戸
台風
、二十年の枕崎
台風
に次ぐもの、
台風
の力としては強くはあったけれども三番目だということでございますけれども、御承知のように密集
地帯
を通りましたということと、
大阪
湾とか
伊勢湾
でちょうど
満潮
の時間にかちあったというような事柄から、いろいろな悪条件が競合いたしまして未曾有の
被害
をこうむったということになろうかと思います。
愛知
、
三重
、
岐阜
等非常に多くの
被害
を受けられました所は言うに及ばぬのでありますが、その他におきましてもいつもでございますと大
災害
であった、というような所が他にも十数県を数えている。私たちも大体死者が一つの
台風
で十名以上出ると、これは大
災害
だというふうに観念いたしておるのでありまするが、そういう意味から言いますと、ただいま申し上げました
愛知
、
三重
、
岐阜
のほかに福井、
兵庫
、
奈良
、
滋賀
、
大阪
、群馬、
山梨
、
長野
、青森、岩手というふうな所で十名をこす二十名、三十名、あるいは八十名というような多くの
被害
が出ておるのであります。本日六時までのわれわれの方に入りました数を集計いたしますと、一番初めの紙にも書いてございます通り死者がすでに四千三百四十一名に及んでおります。行方不明が七百五十三名、建物の全壊が三万三千九百五十八棟、半壊が九万七千十三、流失が四千七、床上
浸水
が十九万三千六百二十七、罹災世帯が三十四万二千二百三十七、罹災者の数にいたしまして百五十四万九千七百九十四名という多きに上っておるのであります。しかもその内訳はあとにつけてございます各県別の表にございます通りの、
全国
九州
を除きまして三十九
府県
に及ぶ
被害
があるのでございます。なお現在も救助作業をやっている所が、たとえば
愛知
県、
三重
県、
岐阜
県、
奈良
県等にございまして、それがどういう点で難渋しているかというような事柄につきましては、二枚目以下に簡単に書いてございますので、のちほどお読みとりをいただきたいと考えております。 それで私たち警察の仕事といたしましては、もちろんこういう
被害
が出たのでございまするから、これはどこかに反省すべき点があろうと思いまするけれども、とにかく一番初めに出動待機いたしておりました部隊として、避難の誘導なりあるいは
災害
者の救出なり、あるいは死体の収容というような面で、とにかく一番初めに手をかけたという意味で、最初の二、三日はそういうことに忙殺されておったようでございますが、現在におきましては
災害
救助法も施行されておりまするし、各
方面
とも連絡協調をはかって仕事をやつておるのでございましてわれわれとしましては主として
災害
地における治安の確保、それからいろいろ言われておりまする暴利の取り締り、あるいは続々と入って参りまする
交通
の整理、なおまた現在におきましても死体の捜査ということに力を入れておるのでございまして、私たち非常に貧弱な装備しか持たぬのでございますけれども、各県の装備を狩り集めまして救難艇、パトカーなどを
名古屋
、
三重
に集中いたしまして、人的には警視庁、
大阪
等から現在六百名
程度
の者を長期にわたりまして
応援
出動させ、まあできるだけの救助活動といいますか、事後の活動をやっておるというような現状でございます。 以上簡単でございますが、警察庁
関係
の事柄を御
報告
いたします。
岩沢忠恭
12
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 次に林野庁
関係
につきまして
茅野
指導
部長から……。
茅野一男
13
○
説明員
(
茅野
一男君) 農林省全体の
災害
を概略申し上げますと、農作物を除きましてただいま集計済みのところは約五百六十億円でございますが、そのうち特に
公共土木施設
関係
と
関係
の深い山林の
被害
につきまして詳細に申し上げたいと思います。 ただいまお手元に差し上げました資料によって御
説明
申し上げますが、
建設省
の
砂防
事業と非常に関連の深い治山の
災害
につきまして申し上げますと、全体の
災害
は九日現在で約九十一億円でございます。そのうち一億円以上の
災害
を出した都道
府県
を申し上げますと、北は北海道から、
山梨
、
長野
、福井、
岐阜
、静岡、
愛知
、
三重
、
京都
、
大阪
、
奈良
、
和歌山
、
鳥取
、徳島でございます。そういうようなわけで約九十一億円に上る
被害
を出しておりますが、これに加えまして国有林
地帯
におきまして約三億円の
災害
がございますので、合せまして九十四億円に達しております。 それから次に林道
関係
の
災害
がこれも非常に激甚でございまして、約三十億円の
災害
になっております。治山事業
関係
で昭和二十八年の
災害
に比較いたしてみますと、昭和二十八年の
災害
は総計におきまして三百三十一億円でございましたが、今回の累計は二百七十億円でございまして、二十八年に対しまして八割余の
災害
額を示しております。そういうようなわけで、このほかに山地の風害が非常にひどうございまして、風倒木が全県にわたりまして約一千数百万石のものが生じておりますので、これに対しましても非常な
被害
が見込まれております。 これに対しまして林野庁としましても、至急に
係官
を
現地
に全部動員いたしまして、判明した
災害
に対しては、すみやかに予算
措置
を講じます等の手配をいたしております。なおまだ奥地の
災害
につきましては、
交通
が途絶いたしまして今もってわからない所もございますので、早急にいろいろな方法によりましてこれを把握して、一日も早く山地の崩壊の防止とか
災害
予防を進めていきたいと、こう考えておる次第でございます。 簡単でございますが、以上御
報告
いたします。
岩沢忠恭
14
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) これより質疑を行います。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
須藤五郎
15
○須藤
五郎
君 私は今度の七
号台風
から今日に至るまでの
台風
の
状況
をずっと
九州
から関西、それから
愛知
、
三重
とずっと歩いて調べて参りました。まず最初私は最も基本的な問題について少しお尋ねをしたいと思うのですが、この各地の
災害
状況
をずっと調べてみますると、規模の大小はあっても
災害
の
状況
においては同じであり、またその原因においても同じことが言える、こういうふうに考えるのです。 まず最初私は
九州
の方から申し上げますが、
九州
の有明湾の干拓地が今度の十四
号台風
で破壊をされまして
相当
被害
を受けておりました。そこへ行って農民たちの意見も聞き、
状況
をよく調べて帰ったわけですが、あそこの
工事
状態
を見ますると、私しろうとが見ましても
工事
そのものに、不正とまでは私はまだ言うほど確証を握っておりませんけれども、不良な
個所
が
相当
あるように思うのです。それと同時に
建設省
と農林省のいわゆる管轄違いで、そこにも
相当
セクトが現れて
工事
に無理があるということが私よくわかりました。片方
建設省
が
堤防
を作っておる、その隣の土地は農林省
関係
の
堤防
である。それが
建設省
の築いた
堤防
に対して直角に農林省の
堤防
がある。特に合致する所でございますね、何でああいうことをしたかと思うのでございますが、カーブをつけて狭隘な面を作っておるわけですね。今度の
台風
でそこに向って潮や風がずっと進み、広い所から狭いところへ追い込まれましたから、そこで非常に高くなってその
個所
から水があふれて、そうして内側をこわすという
状況
が起っておる。しかも
工事
を見ますと、外側は石とセメントで固めておるが内側は土です。土もほんとうのしっかりした粘土で固めないで黒いような土で固める、砂利の入ったような土で固めておる。だから外から水が入ればその内側の土が流されてしまって、そうして圧力によってせっかくセメントや石で築いた所まで倒れてしまうという
状況
が起っておる。そこから
被害
が非常に大きくなっているということを見たわけです。 それから私は
名古屋
の
状態
では水に入ったり、ボートに乗ったりして住家の密集している所を見ましたが、まだ
堤防
の破損した現場までは行けない
状態
で、そこまでは私は見ることができません。これから見に行こうと思っておりますが、しかし結局あの
愛知
県の干拓
地帯
の
被害
もそれと同じようなことが言えるのではないか、こういうふうに考えておるわけですが、これに対しまして
建設大臣
はどういうような御意見を持っていらっしゃいますか。
建設大臣
の意見を聞きたいと思います。
村上勇
16
○国務
大臣
(
村上
勇君) これは技術的な問題ですから
河川局長
から。
山本三郎
17
○
説明員
(
山本三郎
君) 有明海の
海岸
におきまして、今度確かに
堤防
がこわれまして、お説の通り波がそれをこしますと、うしろが泥の所は、そこからやられてしまう、これはたしかでありまして、
伊勢湾
におきましても裏までコンクリートで作っておった所は、波がこしても、こわれないという事実は今度の
災害
ではっきりいたしたわけでございまして、
建設省
が御承知のように十三
号台風
のあとで改良
復旧
をいたしまして、裏までコンクリートではって作った
堤防
は波がこしてもやられなかった。今度大
災害
を受けました
愛知
県の
海岸堤防
におきましては、有明海の
海岸
と同じようにまだうしろが土の
部分
があったわけです。そこからやられたのでありまして有明海におきましても同じようなことが現出しておるわけでございます。で私どもは波がこしてもこわれないような
堤防
にしなければいけないということで、すでにそういうことをやっておる所はよかったわけでございまして、今後やろうというのがまだ間に合わないで、やられたというのが有明海におきましても、
伊勢湾
におきましても事実でございます。
須藤五郎
18
○須藤
五郎
君 それは
建設大臣
もこの
工事
の不十分であったということ、不良であったという点はお認めになりますな。
村上勇
19
○国務
大臣
(
村上
勇君) 私は
工事
が不良であったということはよく
調査
した上でなければここで認めるわけには参りませんが、まだ改良
工事
をやっていなかった、これからやろうとしておる所が多かったということについては、よくこれは私承知しております。
須藤五郎
20
○須藤
五郎
君 それでは不十分であったということは認めなくちゃならぬですね。
村上勇
21
○国務
大臣
(
村上
勇君) それは所によっては今回の
台風
に対しては、不十分であったということは認められます。
須藤五郎
22
○須藤
五郎
君 それと同時に、先ほど有明湾の例を引きましたが、
建設省
と農林省との
関係
で、そういうしろうとが見てもすぐ分るような欠陥がこの
工事
の中にある、ということをお認めになりますか。
山本三郎
23
○
説明員
(
山本三郎
君) 今の点につきましては、具体的の問題を調べてみないとはっきりお答えはできませんけれども、お説の通り、
海岸
の所管は農林省、
建設省
、それから港湾につきましては運輸省が所管しております。従いまして、これらの間にそごがあってはいけないということで
海岸
法の制定のときからいろいろ問題になったわけでございまして、少くとも築造の基準なりあるいは
計画
の点におきましては、よく相談してやらなければいかぬじゃないかという点が、
田中
先生あたりからずいぶん言われまして私はその点は十分やらなければいかぬということで、
海岸
法を制定いたしていただいてから設計の基準、こういうものを三省で作りまして、それによりましてやっておるわけでございますけれども、すでにでき上ったものにつきまして、あるいは先生のおっしゃるような両方の作ったものがうまく……、かえって
災害
を助長するような形になっているという所もあるかもしれませんが、それらの点につきましては今後におきましては十分考えてやっていかなければならない。基準もできておりますので、その線によって五カ年
計画
の決定をみましたならば、施工速度も合せるし、
計画
もよく打ち合せてやっていくということで考えておる次第でございます。
須藤五郎
24
○須藤
五郎
君 そういう
個所
があることをあなたは知らぬということは、僕はいかぬと思うのです。やはり監督の立場に立ってそういう不合理な面があるということを常、日ごろ知っていなければならぬ。そうしてそれを一日も早く直すようにあなたの方で十分注意すべきだと思います。そういう点であなたの方は職務怠慢だと僕は思います。第一そこの農民が言うのには、こういう
個所
があれば必ずこういう
災害
が起る。少くともここには捨石をたくさんしてそういう狭隘な所を防ぐようにふだんからしておいてくれればいいのに、いつまでたってもやってくれない。だから結果的にそういうことが起って、ここから水が出てこわすようなことになってしまった、と農民が指摘しているような面がある。それをあなたの方でこれまで気がつかなかったか、気がついてもほうっておいたということになれば、非常な私は職務怠慢だと思います。それは、私が見た有明湾、ちょっと行ってもあるのですから、
全国
的にいえばほとんど無数にあるだろうと思います。こういう点は非常に私は気をつけなければならぬと思うので、これからあなたたちが十分その点をやってもらうことを
要請
しておきたいと思います。 なお続けて質問しますが、ここに一つの地図がある、私は七日の毎日新聞に出ておった記事を見ましてこの地図を手に入れたわけですが、科学技術庁資源
調査
会土地部会の水害の地形小
委員
会、
委員長
が多田文男という東大の教授だと、そこで
建設省
の地理
調査
所員の大矢雅彦ですか、こういう人と協力してこの方が
中心
になって水害
地帯
分類図というものを作った、ここにこの地図があります。この地図にすでにもう今度の
災害
の予告がなされておったように思うのです。この地図を見るとこの地図の通りに今度の
災害
が起っておるわけです。そうすると、まさにこの地図は今から四年ほど前に作られたものですが、
建設省
としては四年前に今日の
災害
のあることを予見しておったということが私は言えると思うのです。しかるに、今度の
災害
に対してそれを未然に防ぐ処置をしていないということ、これは一体どういうことですか。
村上勇
25
○国務
大臣
(
村上
勇君) 今回の
災害
を予知しておるにもかかわらず、
建設省
が未然に防止することを怠っておったという御意見でありますが、今回のあの
台風
の道というものは、従来かつてなかった道のように私ども聞いておりましてまあそれは
台風
はどこへ来るかわからないのですから、日本国中どこも完璧を期しておくということが最も望ましいことであろうと思いますけれども、
建設省
といたしましても、すでにあの地区の
相当
大
台風
に対してはたえ得られないような
個所
もありましたので、すでにその
個所
については予算要求をいたしまして、それが改良を加えておった所でありまして、その改良を加えておる所は別に破堤していないと、ところがこれから順を追うて改良を加えていこうとする所が今回破堤してあの大惨事になったのでありますから、すでにわれわれといたしましてもこの
程度
には
復旧
しておかなければいかぬというので、これを改良
復旧
の途中であったことは、これはまことに遺憾でありますけれども、決してあの
部分
は弱いが、しかしあれをほっておこうというような気持は毛頭なかったことは御了承願いとうございます。
須藤五郎
26
○須藤
五郎
君
大臣
は就任早々こんな
台風
に会われて非常に気の毒だと私は思っておる。特にあなたは専門家ですから、その道の。土建業の専門家のあなたが
大臣
になって、とたんにこういうことが起って気の毒だとは思うのですが、しかし、
河川局長
も申しておるごとく、要するに裏側が土であればそこはこわれやすいということはよく承知なんです。そして事実それが現われておる。しかもこの地図によると将来大きな
台風
があればこわれる危険がある。こわれたらこれだけ広範囲の地区は水浸しになる危険区域の予告の地図をちゃんと持っておる。これを持ちながら何でもっと早くそういう危険防止の
対策
をなぜやらなかったか。ここに私は
建設省
の大きな責任があると思うのです。どうですか、なぜもっと早くやらなかったか。
村上勇
27
○国務
大臣
(
村上
勇君) これは
建設省
の責任とかあるいはたれの責任とかいうようなことになりますと、結局私は今日までの国力が、そういうことがわかっていながらこれを
復旧
するに至らなかったということでありまして決してこれを単に
建設省
の責任に持ってくることは、どうも私としてはこれを了解に苦しむのであります。
須藤五郎
28
○須藤
五郎
君 それでは一
建設省
の責任ということが
建設省
として困るというならば、私は政府の責任と言います。要するに、戦後今日までずっと政治を
担当
してきた政府の責任である。
村上勇
29
○国務
大臣
(
村上
勇君) それはもう歴史あってこのかたああいう事業を起してきたすべての責任になるでしょうが、しかし、あの場所は非常に脆弱だから、そういういうことが今地図でお示しありましたように、そういう危い
個所
があるのだが、まあほうっておくというようなことでありましたら、これは私は政府の責任であり、あるいは
建設省
の責任だと思います。しかし、その場所を十分国の予算を投入して、逐次改良をやりつつあったのでありますから、これはまあ私はいわゆる不可抗力ではないか、これを何にもしないでほっておいたのならば、そういうことも言い得るかと思いますが、その点については私どもは納得できないのですが。
須藤五郎
30
○須藤
五郎
君 そこで私たちとあなたの見解が違うのですが、十分なことをやってなおかつそういうことが起ったのであれば不可抗力ということもできますが、しかし不十分だということはあなたたちも認めている、
河川局長
も不十分だと認めている、あなたもそれは認めたでしょう。不十分なことをやっておいて不可抗力だと言って済ますことはできない。不十分な
状態
は、なぜ政府が不十分な
状態
で済ましておったかということが問題なのです。それに対してはどういうお考えですか。
村上勇
31
○国務
大臣
(
村上
勇君) 今まで何十年もそういう
被害
を受けなかった。今までも
台風
は大小とりまぜて幾回か
台風
がきておった、しかしそれにはたえられた。どの
台風
にもみなこわれておることでしたら、これはどうもそのこわしたものをほっておくということは、これは私は怠慢であろうと思いますけれども、しかし今回の
台風
はとにかくわれわれの予想以上の、ほとんど気象庁の記録にもないようなひどい
台風
が来たことは、これはただ単にその
施設
が、それも十三
号台風
によって
愛知
県、
三重
県の
海岸堤防
が破堤したその場合に、これにはまあ近代技術を導入して、そしてりっぱにこれを
復旧
した
部分
は、どうにかりっぱに保っておれる。その十三
号台風
の際にあの
個所
には何も
被害
がなかった、しかし
被害
がなかったが十三
号台風
で他の
部分
をしっかりした堅固なものにしたのであるから、あの
部分
ももしも
台風
が来た場合には非常に危険だから、だからあの
部分
にも一つ改良を加えなければいかんというので、改良をやりつつあったところでありますから、その点は一つまあこれをだれの責任だというふうに追及されますと、どうもこれは私にも答弁できませんから……。
須藤五郎
32
○須藤
五郎
君 私はあなたの責任だと言っているわけじゃないのです。
建設省
の責任じゃない、だから国家の責任だと私は言うわけですけれども、しかし人類歴史始まって以来の
台風
でもないわけです。今のあの
堤防
築堤の基準というものはどこからできておるかと言うと、せいぜいここ四、五十年のあれをとってそしてやったものです。これは私は非常に不十分だと思うのです。もっともっと長い間の——日本は
台風
の国ですからもっともっと大きな
台風
もあったろうし、高波もあったということは、ずっと長く歴史を調べればわかることなんです。それをわずかここ四、五十年の歴史によって
調査
する。しかもそれが十分でなかった。裏側は土であるような面を残して、一つのずっと長い
堤防
とするならば、ある所はセメントで全部かこうて、ある所は土で片側はやってある。要するに一つの長い
工事
から見たならばこれは傷です。こういう不十分な不良な
個所
があるということは傷があることだ。そういうような傷のある築堤をして済ましておった、というところに私は問題があると思うのです。だからもっと政府としてはやるべきである。ところがそれをやろうとあなたは思ったと言われる、そして事実やっておったということを言われるけれども、そのやり方に不十分さがあるということは認めなければならないと思うのです。その不十分さがどこから来ておるか、どこにその不十分なことしかできない原因があるのですか。
田中一
33
○
田中
一君 ちょっと関連して。これは私は
三重
に行って見たことですが、大体今
河川局長
が言っておるように、前回の二十八年度災の二十一
号台風
でやられた
海岸堤防
を見たが、むろん原形
復旧
というものは当然やるべきであるが、それに改良予算をつけてよりよくしたということは一応認めます。しかしそのうち全部がそういう形で
復旧
されておらないという点です。これは現に
河川局長
も先ほど
説明
の中に言っておる通りです。改良
工事
をしなかった
部分
については残念ながら破堤したということを言っておるわけです。私は須藤君が今質問している問題は、ただ大まかに責任々々と責任論を追及してもどうにもならぬと思う。しかし施工の面において、やはり
建設省
の技術家が改良をほどこして、これならよもや仮に
高潮
が、どんな
高潮
が来るかわからんが、波が乗りこえてきた場合でも破堤がない。あるいは波がしらがついていたためにそこまでこなかった。
高潮
が侵入しなかったということもあり得ると思うのです。この改良
工事
をしなかった場所が破堤したというならば、これは責任は当然行政部内のどこかが負わなければならぬと思う。たとえば金を出す方の大蔵省が、まあこれならよかろうから本年は一つ改良
工事
はしないで、原形
復旧
程度
にとどめたらどうかというような意見もあったように私は
現地
で聞いているのです。これは大きな責任です。しかし今須藤君が言っている、
災害
があればこれはだれかの責任なんだということは、これはだれもが言えることなんです。現実に日本はそういう宿命的な
台風
とその防衛で、イタチごっこをしている現状なんです。これは歴史的にそうなんです。 〔
委員長
退席、理事松野孝一君着席〕 しかし現在
三重
県等の
堤防
で改良をしなかった
部分
が破堤をしたということは、これはやはり
相当
の責任がどこかにあるのです。私はこれが財政当局がそういうような破堤の原因を作ったのではないかというように考えるのですが、その点はどうですか。
村上勇
34
○国務
大臣
(
村上
勇君) 私は、ただいまの
田中
委員
のお説のように、改良を加えておけばよかったじゃないか、それをやらなかったからこうなったのだ、そうすればどこかへその責任の帰趨があるのじゃないか。こういうことでありますが、私は今日の技術をどこまでも打ち込んでやれば絶対にあの
台風
だって耐えられたということは確信できます。従って順を追って今日の進んだ技術をどこまでも打ち込んであの
方面
——どの
方面
の
海岸
も守らなければいけない、こう思っております。従って、今後われわれが少くともこれをそのまま放置してはならないので、十分
海岸堤防
につきましても予算を獲得して、これを逐次修復していくということについては私は当然だと思います。ただその時代に、いつの時代に作ったか知りませんが、その時代の人はこれならだいじょうぶだというようなつもりで作られたろうと思います。それを今日ではそれではいかないというので順次これを改良を加えて参っておりますが、どうもああいう
台風
が来ればまだほかにもそういう
個所
があるのじゃないか、そういうような所はあすにでも、まだ修復していないうちにああいう
台風
が来ればまたやられる所があるのじゃないか。でありますからそのときそのとき、その時代に作った人とすればこれで十分
台風
に持てるというような考えがあったろうと思いますが、それが私どもの今日のいわゆる技術的な感覚からこれは置きかえなければいかぬというので、これをいわゆる治水事業の五カ年
計画
等にもそういう点を大いに考慮いたして、今予算を要求し、また施行しようというように考えてやっているのであります。ただ今度のこの場合も決して何もしていなかったのじゃないので、やりかかっているところへ来た、こういう
台風
を受けたのでありますから、その辺はどうもこれはまことに遺憾でありますが、まあこれから十分速度を早めてそういう点の解決をして参りたいと思います。
田中一
35
○
田中
一君 もう一つ。あの二十八年
災害
のときに原形
復旧
と改良を施した
個所
は破堤しなかった。ところが二十八年
災害
のときに改良をしなかった
部分
が残っておった、それが破堤したというように
山本
君言ったのか、それとも全然二十八年度災では破堤しなかった。
災害
を受けなかった場所が改良を施さなかったために破堤したのか、そこのところが非常にあいまいのようであります。
山本三郎
36
○
説明員
(
山本三郎
君) 両方でございまして、二十八年に
災害
を受けなかった所は非常にやられた所が多いわけであります。それから二十八年にやられましても、まだ改良
復旧
が済んでいない所はやられた
個所
が非常に多いと、こういうことでございます。
田中一
37
○
田中
一君 そこに責任の問題があるのです。だれがどういう理由で改良を施さなかったか。同じ一連の
災害復旧
工事
でありながらその
部分
だけなぜ改良しなかったかということなんです。
山本三郎
38
○
説明員
(
山本三郎
君) それはまだ
工事
の途中でございまして、これからさらに改良
復旧
を加える途中でございまして、ただ場所によりますと県の方でその前に
海岸
の埋め立てをやる。臨海
地帯
を作るので、改良をしてもむだな
堤防
になってしまうからそこは待ってくれ、というような特殊な場合がございますけれども、ほかの
部分
につきましては、改良
復旧
の途中でございましたのでそういう
部分
がやられております。
須藤五郎
39
○須藤
五郎
君 今の答弁を聞いておっても、ちょっと待ってくれといったって
工事
を待っている間
台風
が来ぬとは限らぬでしょう、そうでしょうが。そんなのんきなことをあなたたち言っているからこんなことになると思う。僕はやはり責任感が薄いと思いますよ。この国民を守り国土を守るという点から、もっと私は責任を感じて十分なことをやらなければならぬ。
大臣
はおそらく金がないから十分なことはやれなかったと、こうおっしゃる。なぜ金がないかということになってきますよ。そうすると、私たちが言えば、もうあなたは私が何を言うかということを承知してにやにやと笑われるごとく、やはり
自衛隊
の問題が出てきますよ。これは事実です。今度の
名古屋
の
災害
地で
自衛隊
が活動したといって感謝されている。それはよく働いて、いいことですよ。しかし
自衛隊
を作るために、もしも
災害
が起るとその方に金を回すことができないで、ああいうひどい目にあう。そういうひどい目にあうのを
自衛隊
が助けに行ったって、これはイタチごっこみたいなものです。それならむしろ
自衛隊
をやめて、
自衛隊
は今日まで一兆億からの金を使っているわけです。その一兆億をあなたの方の
工事
に金をかけて、
自衛隊
の出動も必要のないような
状態
にするのが私は国の責任だと思う。
工事
をほったらかしておいて、
自衛隊
に金を使う。やむを得ず
自衛隊
が出動する。それで
自衛隊
が感謝されたって何になりますか。
災害
のために
自衛隊
があるわけじゃない。
災害
で
被害
を受けるのは国民です。その国民の
被害
をほうっておいて
自衛隊
を作ってみたってしょうがない。しかも
建設省
はもっともっと責任を持って、ここは埋め立て地になるからそれまで
堤防
を作ってもむだになるだろうから
堤防
を作るをやめておきました。そんなのんきなことを言っておったのでは、いつ来るかわからぬ
台風
を迎えてそんなのんきなことではいかぬと思う。それでこの間有明湾に行きましたときに、有明湾の百姓が言うのです。私たちはここの干拓地に入植して三度
災害
にあった。昭和二十八年から三度あっている。そのあうたびに私たちは自力で流された家を建て直したり、最初は平家だったので水につかって困ったので今度は二階建てにしたりしていろいろ工夫してやっておった。しかもその
堤防
が破れればその費用も分担させられる。そういうことで今日までやってきた。もう三度目だ、立ち直る力がない。こうなった暁は——まだ借金も返していないうちにその上にまたこういうことだ。私たち百姓はやっていけない。これまでの借金は棒引きにしてもらいたいということを言っておりました。私は当然だと思う。なぜなら国民は有明湾にしろ
名古屋
の干拓地にしろ、政府がそういう実質のない
工事
をやっていることをつゆ知らず、気の毒に、しかもこういう地図があって——
災害
が起ったらおまえの所は水びたしだという予告地図まで作られておる。これは
名古屋
の人たちは知らぬ。そこで政府を信頼してあそこで百姓をしておった。そこへこういう
状態
になった。こうなるとやはり私は政府はこの
災害
に対して国家補償をすべきだと思うのです。ここで国家補償の問題が出てくることは当然である。国民のこの
災害
に対して政府は国家補償をすべきだとこう考えるのですが、
大臣
のお考えはどうですか。
村上勇
40
○国務
大臣
(
村上
勇君) 全然何にも処置しなかった場合には、それはまあ国家補償の問題も起きてくるでありましょうけれども、ちゃんと
施設
をやって、みんながそのときそのときに納得づくでやったことでありましょうから、そういう問題については、私のような一
建設大臣
が、これは国家補償すべきものであるとかないとかというようなことは、これはもう答弁の限りではありません。
須藤五郎
41
○須藤
五郎
君
大臣
、そんなことないですよ。あなたは
大臣
である以上政府の代表としてここへ出て来ているわけでしょう。だからもっと責任ある答弁をしてもらいたいのですがね。国家補償はもちろんのこと、僕はあの
災害
に対して国民が国を相手に賠償を要求した場合には、国家は賠償すべき立場にあると思う、こう思っておるのですよ。なぜならば国民は国を信頼して
建設省
の
工事
、農林省の
工事
を信頼して、安泰だということを確信してあそこで生業を営んでおった。ところがそうでなく今度のようなことになる。そうなる原因はちゃんとあるわけです。先ほど
工事
の
説明
があったごとく非常に不十分な
工事
がされておる。しかし農民たちはこれが不十分な
工事
だというようなことは知っていない。不十分な
工事
でいつ何どきおれたちは水をかぶらなければならぬか、死ななければならぬかということを知ってあそこに住んでいるわけじゃない。政府のやったことを信頼しておる、その国民の信頼を裏切ったわけです、政府が。当然私はこういうことに対して賠償する責任があると考えるのですが、
大臣
もっと自信を持って答えて下さいよ。
村上勇
42
○国務
大臣
(
村上
勇君) 政府はそれに対しては——政府とは国民全体の血税によってその事業を行なっておる、それが政府で、それを預かっておる政府が大きく金を出して、そうして必ずこれは
台風
が来たらやられるのだというようなものは作られんので、それはまあ私は有明湾についてはこれは十分実地をまだ見ておりませんが、今回の非常な大
台風
というもので、前回の十三号でやられないのに今回あの地区がやられたということは、しかもそれが全部改良を加えてしまわないうちにあの
台風
が来たということは、やはり私は一つのその
現地
の方もまた政府としても国としてもこれは不運であった。いわゆる天災、不可抗力であった。全然何にも加えていないでやられたならば、これは須藤
委員
の言われるように、国民をああいう所へ何にもしないでほおって野ざらしにさして、そうして
台風
が来れば必ず毎年やられるのにそういうものをほおっておくことは、政府は不都合ではないかということになれば、これは私は政府、いわゆる
建設省
としても農林省としても現に不都合でありましょう。しかし十分
施設
をしてそうしてその
施設
が今あなたはあの点がどうだ、結果を見てそしてこれがいけなかったというお話をなされるが、そうなればそうなったで、やはりこれは技術的に責任をとらねばならぬものもできてくるはずでございますが、私どもとしても今こうしておけばよかったのであるという、その捨石をやっておきさえすれば十分あれに耐えられたのだということは、それはもう一つの御意見として十分私は伺っておきたいと思います。
須藤五郎
43
○須藤
五郎
君 六法全書の国家賠償の二条、三条ですね、私は出ているのを読んでいただきたいと思うのですよ。一つの
工事
をしたら、その
工事
にひびがあればやはり国家賠償の必要があるということになっています。そうすると、先ほど申しました一つの長い
堤防
の中にそういう不良な
個所
があるということは、一つの
工事
のきずですよ、ひびですよ。そこからこわれたということは
河川局長
も認めておる、だからこれはやはり
工事
のきずだ、ひびだというふうに認めなくちゃならない、私はそう思う。なお、ここに「国家賠償法の研究」司法研修所の出した……、不可抗力、不可抗力とよく
大臣
がおっしゃいますが、不可抗力の三つの点を主観的、客観的、それから折衷説と三つの説が立てられております。その全部を読むと長いが折衷説の所だけを読んでみましょう。こうなんですね。「特定事業の外部より発生した出来事で且通常必要と認められる予防方法を尽すもなおその発生を防止することのできないもの」、これが不可抗力の折衷説です。それで不可抗力としては、この折衷説が一番妥当だという意見が加えられておりますが、これならばいいんです。ところが今度の
工事
を見ると「通常必要と認められる予防方法を」尽していないということが私は言えると思うのです。事実尽していませんよ。今度の
工事
には欠陥がたくさんあるのです。先ほど
河川局長
もそれを認めておる。そうするとこの不可抗力の中に入らないと思う。
大臣
が幾ら不可抗力というものを持ち出して逃げようとなさっても、不可抗力の中に入らぬわけです。やはりこれは国家が責任を持ってこの損害に対する賠償をする義務がある、私はそういうふうに考える。
大臣
はそうでないとおっしゃるかもしれぬけれども、この六法全書の一編をもう一ぺん読み直して下さい、そこにはっきりとこういうふうに出ておりますから。私は
大臣
が誠心誠意国民の困難を考えられて、やはりこういう問題は国家が賠償すべきものだと私は思い、これからそういう運動も起るだろうと思いますから、よくその点考えて国民の期待に沿うように
大臣
として努力をされたい、こう私はお願いします。
米田正文
44
○米田正文君
海岸
関係
に関連してですが、先ほどからいろいろ御意見もありましたが、私も
名古屋
の地区に行ってみまして
愛知
県知事も
三重
県知事も、今度二十八年災をやっておった
海岸堤防
の
建設
は、あれの完全に竣工した所は
被害
がなかったということを非常に強調をして、ああいう設計の
堤防
をぜひ全線にわたって完成をするようにということを非常に強く言っておる。ただまあ今後考えなければならぬ点は、あの十三
号台風
のあとやっておる一連の
海岸堤防
の
計画
は、あの十三
号台風
を標準にしてやっておるわけです。しかし今度の十五
号台風
というのは、あれよりもっと強いやつが来たわけです。また今後もまたさらに強いやつが来ないとも限らぬというようなことを考えると、今の
計画
のようにやはり裏の方の防護を十分にした、波が打ちこしても十分持つような
堤防
という建前に一つ進んでいくことが必要だと思うのですが、それと先ほどからいろいろ御意見もありましたが、今度
被害
を受けない所もやはり一貫した
計画
の中に入れて、
伊勢湾
全体としての防護
計画
というような観点で一つ
計画
を進められることが必要だと思うのですが、その点一つ今後の方針をお伺いをいたしておきたいと思います。
山本三郎
45
○
説明員
(
山本三郎
君) お説の通りでございまして、
海岸堤防
の高さを幾らにしたらいいかというような点も、先ほど御
報告
申し上げましたように、各地の詳しい情報をただいま収集中でございます。 それから
堤防
は高くしておきましても、万一の場合にはやはり上をしぶきなり波がこすということも考えられますので、こしてもこわれないというものをぜひ作らなければならぬということは、今度の
災害
につきましても、もう痛感した次第でございます。さらにこわれない所も
部分
的にはあるわけでございますが、それらの点も、ほかの
部分
を強くいたしまするとそこが弱くなりまして、一連といたしましては弱くなるわけでございますので、それらも含めまして、改良
工事
を加味した全般的の
復旧
工事
をしたいというふうに考えております。
米田正文
46
○米田正文君 それで、
伊勢湾
の問題はそれでいいと思うのですが、しかし
全国
的に考えると、先ほどから話があるように、佐賀県においても京阪の地域においても東京湾の地域においても、あるいは裏日本においても、各地に非常に緊急に迫られておる問題がたくさんあると思うのです。もともと御承知のように、
海岸
の保全という問題は、数年前
海岸
保全法という法律でようやく保全をする責任の所在が明らかになって、国の責任ということになってきて以来まだごくわずかな時日ですが、そういう法律もできて
海岸
保全をする国の義務も出てきたので、今後、日本は全部
海岸
ですから、これを防護する
計画
というのが非常に重要だと思うので、
海岸
保全法の中にも各省の
関係
はよく打ち合して、国の全体の
海岸
保全をやるという趣旨でできておるのですが、まだ今ようやく法律ができて、そろそろ歩き出そうとしておる時期だとは思います。けれども日本全体の
海岸
の保全についての
計画
を早急に一つ急いで作る必要がある。そうして予算も、それは全部一時にやるということはなかなか困難なことでございましょう。従ってその緊急順位をつけて逐次実施をしていくような方針が必要だと思うのですが、そこで実は今の予算の建前では、
海岸
というのは
河川
等
事業費
というので、
河川
の中に含まっておるような予算の建前になっておるわけですね。が、これは
海岸
の事業が非常に大きく取り上げられておらなかった時代ならいたし方なかったのですが、こういう
海岸
の問題が非常に大きくクローズアップしてくるという時代になってきますと、
河川
等
事業費
の中に含めていくということも適当じゃない。むしろ
海岸
という問題、
海岸
の
事業費
というものを独立させてやる必要があるじゃないかということと、
海岸
を今所管をするのが
建設省
防災課でやっておりますが、これは主として
災害復旧
を
中心
とする課でやっておるのですから、こういうふうに
海岸
の事業が非常に大きくなってくると、やはり
海岸
を所管する一つの部なり課なりというようなものが必要になってくるのじゃないかと思うのですが、御意見なり、御意見がなければこれからの御研究でもけっこうですが、御所見なりをお伺いをいたしておきます。
村上勇
47
○国務
大臣
(
村上
勇君)
海岸
法が制定されてまだ間もないのでありますけれども、今回に限ったことでなく、
海岸
線の非常に広範にわたっております国のあり方からいたしまして、今日防災課でこの大きな
海岸
線を扱っておるということは、これはどうも私どもも機構上非常に物足らないのじゃないかと、こう思っております。従って今後
海岸
防護のためにも、どうしても
海岸
は何らかの独立な機構によって、これに専心するものを置かなければならないということは全く同感であります。
松野孝一
48
○理事(松野孝一君) ただいま大島内閣審
議室長
が出席されましたので、この際今次の
台風
による全体の
被害状況
について御
説明
願います。 なお、先般の
委員
会において
台風
第六号及び第七号の
被害
の概略について
説明
になったのでありますが、その後発生した
台風
による
被害
についても合わせて御
報告
願います。
大島寛一
49
○
説明員
(大島寛一君) お手元にお配りいたしました資料につきまして御
説明
いたします。 この資料におきましては、八月の豪雨を含みます七号並びにその前後の
被害
、その後起りました第十四
号台風
、第十五
号台風
に基きます
被害
をそれぞれ各省庁からの
報告
によりまして取りまとめたものでございます。なお第十五号の
被害
につきましては、さらに
調査
の進行に従いまして、若干計数に異動があるかもしれないことをあらかじめ御了承いただきたいと思います。 罹災者——人的
被害
、罹災世帯、建物
被害
等につきましてはすでに警察庁の方から御
説明
があったと存じますので省略さしていただきます。次の公共
施設
被害
につきましても、
公共土木施設
につきましては、
建設省
から詳細御
説明
があったことと存じまするので、内容を重複して御
説明
いたすことを省略さしていただきますが、この資料にもございまするように、人的
被害
におきまして第七号では死者二百名、行方不明百五十二名ございましたのに対して第十五
号台風
におきましては死者四千二百八十七名、行方不明者八百八十五名との
報告
を受けておる次第でございます。また
公共土木施設
につきましても、第七号におきましては三百六十六億余円でございましたが、第十四号におきまして五十一億円、第十五号におきまして五百三十八億円と相なっておる次第でございます。 次に農林水産
施設
から御
説明
申し上げたいと存じます。農林水産
施設
につきましては、第七号並びにその前後の豪雨等によりまして百二十八億円の
被害
がございました。第十四号におきましては二十七億余万円でございまして、第十五
号台風
におきましては現在までに
報告
を受けておりますところによりますと、二百七十一億余万円に相なっております。内訳を申し上げますと、まず農地につきましては、第七号前後におきまして三十一億円、第十四号におきましては六千万円、これに対しまして、今次の第十五
号台風
におきましては、目下判明しておりまするところでは五十三億円余でございます。農業用
施設
につきましては第七号におきまして六十九億余万円、第十四号におきまして六億余万円、第十五号におきまして百五十八億円でございます。治山の
関係
でございまするが、これにつきましては
建設省
等からも
報告
があったかと存じまするが、農林水産
施設
という観点から整理いたしました治山
関係
につきましては、第七号におきまして一億余万円、第十五号におきまして一億二千余万円でございます。この治山につきましては分類の仕方がいろいろございますので、ここでは農林水産
施設
に属するものを整理した次第でございます。林道につきましては林野当局から御
報告
があった由でございます。ごらんの通り第七号
関係
におきまして二十四億円、第十四号は少額でございましたが、第十五号におきまして二十億余万円でございます。次に漁港でございまするが、第七号
関係
におきまして一億余万円、第十四号
関係
におきまして十八億余万円、これに対しまして第十五
号台風
におきまして二十八億余万円に相なっております。さらに水産共同利用
施設
におきましては、第七号二千五百万円、第十四号一億九千万円に対しまして、第十五
号台風
によります
被害
は九億余万円に相なっております。以上農林水産
施設
につきましては、主として農林省からの
報告
によっておる次第でございます。 次に文教
施設
でございまするが、これは文部省の
報告
によっております。第七号におきまして総額四億五千余万円でございましたが、十四
号台風
によりまして六千万円、十五
号台風
の
被害
といたしまして
合計
五十三億余万円との
報告
を受けております。その内訳は国立文教
施設
におきまして第七号七千余万円、第十四号八百万円に対しまして、十五号におきまして三億余万円でございまするが、十五
号台風
関係
の文教
施設
の
被害
は、公立学校におきまして多いわけでございまして、この資料にもございまする通り四十三億余万円になっております。その他今次の
台風
におきまして、六億余万円の文教
施設
の
被害
が
報告
されております。 最後に
交通
通信
施設
でございまするが、これは運輸省、郵政省
報告
を取りまとめたものでございまして、総計におきまして、第七
号台風
関係
におきまして十六億余万円、第十四号におきまして十八億余万円、これに対しまして、今次の第十五
号台風
によります
交通
通信
施設
の
被害
は、金額にいたしまして百四十億余万円に上っております。その内訳は、鉄道、自動車、船舶、航路標識、航空
施設
、電信電話
施設
と相なっておりまするが、特に第十五号におきまして鉄道四十四億円、自動車二十四億円、船舶五十三億円、電信電話
施設
十六億円、その他航路標識、航空
施設
等の
被害
に相なっております。 以上をもちまして第七号並びにそれの前後の豪雨による
被害
、十四号、十五号による
被害
の概略御
説明
を終ります。
松野孝一
50
○理事(松野孝一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
松野孝一
51
○理事(松野孝一君) 速記を始めて。
須藤五郎
52
○須藤
五郎
君
大臣
のいらっしゃる間に質問をいたしたいのでありますが、今度の
災害
は非常に大きいのですが、私も
名古屋
に行って皆罹災者から聞くと、もっとこれまで以上に政府が負担をして
復旧
に努力してもらいたいという要望が非常に強いのです。そこで救済及び
復旧
に対して、二十八年の水害のときに何か臨時
措置
法をとられましたね、あの
措置
法以上に政府の負担
支出
によってやってもらいたい、こう私は考えるわけです。それに対しまして政府はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
村上勇
53
○国務
大臣
(
村上
勇君) まだ今いろいろと協議をしておるところでありまして、二十八年のあの特別立法
程度
にするかあるいはそれ以下にするか、あるいはそれ以上にするかということについて今検討いたしております。少くとも今回の大
災害
にかんがみまして、
地方
の公共団体の負担等も考慮に入れますれば、やはり特別立法をやる必要があるということははっきり申し上げられると思います。
須藤五郎
54
○須藤
五郎
君
大臣
に二十八年の特別
措置
法よりも上回る一つ法的
措置
をされるよう努力されたい、こう私は強く要望します。それと同時に、今度
災害
地の南区、港区あの辺を見ますと
住宅
は水に沈んでおるのです。ところが大工場ほど水の上にある、そうすると大工場はもうすでに政府からの要望か
建設省
の指示かしりませんが、水害のあることを予測して水害があった場合にどの
程度
ならば大丈夫かということで、普通の家よりも一メートルくらい地盛りしてある高い大工場は全部煙をふいておる、働く労働者は全部水につかっている、水の中をボートに乗って工場通いをしておるというような
状態
が起きておる。こういう点から見まして、私は政府の
住宅
政策に対して大きな不備の点があるのじゃないか。特に独占資本ともいうべき大きな工場の利益を守ることには非常に忠実であって、労働者の生活という問題に対して政府はあまりにも無関心だと、こういう感じを受けて帰ったわけです。で、今度
復旧
する場合はこういう点はよく考えられて、こういう欠陥を是正して大工場も、そこに働く労働者の
住宅
も同じような上に
建設
されるように。 それから特に今度の水害で平家の木造建築なんというのは実にみじめです。その中にベニスのごとく水の中に四階建てのアパートだけが浮いておる。四階建てのアパートは一階はだめだが二階、三階が使えてそこに移住するというような
状態
が現われているのですから、これからのあの辺における
住宅
というものは、僕はやはりほんとうのコンクリート建築、高層建築にしなければならぬというふうに思います。もちろん労働者の
住宅
もそうでありますが、一般の
住宅
もそういうことを予期されてこれからの
住宅
政策を
建設省
は考えてもらいたい、こう思うのです。 ところが聞くところによりますと、今度
名古屋
市は一万二千戸からの応急の
住宅
、五坪くらいの八万円くらいの
住宅
を建てるというのですが、どこに建てるのかというと、やはり水が引いた跡に建てる、こういうことをちょっと聞きました。はなはだ心もとない感じを受けたのですが、どうか再びこういうことのないように、今後
住宅
政策としても労働者の
住宅
について特に
建設省
として配慮をしていただきたい、この点は要望しておきたいと思います。
内村清次
55
○内村清次君 今の問題は、現に建築基準法の三十九条に
災害
危険区域に対するところの処置が載っておるはずです。
満潮
時の潮の
水位
より
住宅
建設
地帯
の
水位
というものが低い場合には、これは当然考えなければならぬ。ここに今回のこんな悲惨な
災害
の原因があるわけです。私はこの点から当然これは
建設省
としてはやはり監督官庁ですから、今日までの
住宅
建設
における監督の地位から、これは今までやっておられなければならなかった問題じゃないかと思うのですが、こういう点について手抜かりがあったのじゃないか、どうですか、この点は。
稗田治
56
○
説明員
(稗田治君) 仰せのごとく基準法の三十九条には
災害
危険区域という条項がございまして、「
地方
公共団体は、条例で、津波、
高潮
、
出水
等による危険の著しい区域を
災害
危険区域として指定することができる。」なお第二項に「
災害
危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で
災害
防止上必要なものは、前項の条例で定める。」という条文がございます。従いまして常時
災害
の危険にさらされておるような区域につきましては、
地方
公共団体で条例で区域を指定いたしまして、建築物の規制をすることができるようになっておるわけでございます。これにつきましては、私の存じておる範囲内では、
大阪
府の条例でございますけれども、室戸
台風
のときの
浸水
区域を
災害
危険区域に指定いたしておりまして、地上げであるとか、あるいは床を
高潮
の高さよりも高くするとか、そういうような規制をやっておるわけであります。その他の区域におきましても、当然それぞれの
地方
の地形なりあるいは
災害
の過去の歴史に徴しまして、こういうような条件を指定する必要があると思います。もちろん
建設省
といたしましても、
地方
公共団体に対しましてこういうような
指導
をいたすつもりでございますけれども、その制限内容につきましてはそれぞれの地形でかなり違って参るわけでございます。従いまして今後科学的に
相当
な研究をいたしまして、その地区その地区の条例の制定ができますように、極力
指導
して参りたいと、かように考えております。
向井長年
57
○向井長年君 私も実は
災害
地を若干回って参りまして痛感している問題を二、三具体的に質問いたしたいと思うんですが、先ほど須藤さんから質問されました点をもう一度一つはっきり確認したいと思うんです。
大臣
にお聞きしたい。と申しますのは、いわゆる
災害復旧事業
費の国庫負担率の引き上げ、いわゆる昭和二十八年の
災害復旧
の例に準じて、大幅な引き上げをする特別立法を考えておるかどうか、まずこの問題。
村上勇
58
○国務
大臣
(
村上
勇君) 特別立法については十分考えております。今政府部内におきましても、どの
程度
にするかということについての協議をいたしております。
田中一
59
○
田中
一君 関連して。それは何ですか、政府提案でするつもりですか。それとも議員提案でするつもりですか。今の特別立法の場合ですね、政府提案で出す意思があるんですか。
村上勇
60
○国務
大臣
(
村上
勇君) たとえ議員立法で出されましても、議員立法であろうが、あるいは政府提案であろうと、政府としてはやはりどういう
程度
のものをやるべきかということについて研究しているわけでございます。従いましてまあ私のこれは個人意見ということはどうも変なことなんですが、私は政府提案のものもあれば議員提案のものもある、こう考えております。
田中一
61
○
田中
一君 それはちょっとおかしいんで、御承知のように四十近い
府県
が
災害
を受けておる、本年度災としては。だから政府の方針というか政府並びに与党の方針として、今回の立法は一切政府が出すんだと、そういう態度をおきめになっておるのか、あるいはこれこれは政府が出すと、これこれは議員立法として提案するんだというようなことを与党との話し合いになっておるのか、その点を明確にして下さい。どんどんここで
建設大臣
にああしてくれ、こうしてくれと言って要求するものと、われわれが国会において提案するものと二つになるわけですから。その点はあなたの方でどういう準備をしているかという質問は別としても、何もかもあなたにお預けするというわけじゃないのですから、その点は今までの政府部内並びに与党との話し合いで明確になっている点を御
説明
願いたい。
村上勇
62
○国務
大臣
(
村上
勇君) ちょっと速記をとめていただきたい。
松野孝一
63
○理事(松野孝一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
松野孝一
64
○理事(松野孝一君) 速記をつけて。
向井長年
65
○向井長年君 もう一つは大体小
災害
の問題になるかと思いますが、特に
災害
査定
基準の緩和の問題、いわゆる都道
府県
の十五万円、あるいは市町村の十万円、この問題についてこれを緩和するという建前で進んでおるのかどうか。
村上勇
66
○国務
大臣
(
村上
勇君) この小
災害
の対象を下げていくということについては、その方向で今進んでおるようであります。従いまして臨時国会におけるやはり特別立法の中にこれも入っていくものと考えております。
向井長年
67
○向井長年君 これは特別立法の形で、これは大体その方向できまるということで確認してよろしいですね……。 続いてもう一つ、今回のこの
台風
において土砂のいわゆる排除
措置
の問題ですが、これについて
都市計画
法の地域外の問題もあると思いまするが、これについて昭和二十八年の十三
号台風
においては全額国庫
補助
という形で特別立法が認められたと思いますが、今回の場合においてもこれを適用して特別立法を作られるかどうか。これもあわせてこの小
災害
と同じように考えられるのか、この堆積排除の問題と……。
村上勇
68
○国務
大臣
(
村上
勇君) この市外地の堆積排除の問題も今、いわゆるその方向で進んでおるようでございます。
向井長年
69
○向井長年君
災害
地の公営
住宅
の問題ですが、これはいろいろ回って見ますと、一部落において流失家屋が三十戸なり四十戸ある。その中で非常に割当が少い、こういうことで非常に困窮いたしておるのですが、これに対して増加する
措置
があるのかどうか。
村上勇
70
○国務
大臣
(
村上
勇君) これもやはり現行法では三割になっておりますから、特別立法によらなければワクを広げることはできませんから、この点も私どもは考えております。
向井長年
71
○向井長年君 それからもう一つは、これは
建設省
だけじゃないものと思います。農林省なり、あるいは厚生省も合せての問題になるかと思いますが、特に今回の
台風
被害
において非常に、これはまあ決して山林労務者だけじゃないと思うが、失業問題は特に
奈良
県の問題については、奥地の山林労務者が非常に多いわけですが、
被害
者が。そうしますと今回の山津波なりあるいは
道路
の、あるいはまた
河川
の
決壊等
で今失業
状態
にあると思うのです。従って先般来のいわゆる応急処置として食糧の配給等がどんどんやられている、しかしながら食糧をもらいに行くにも金がない、こういう
状態
が現在続いているようにわれわれ聞いております。そこでまずこの問題について山林労務者のいわゆる失業問題について、おそらくや林道が破壊されておるし、あるいは県道も破壊されて林産物の輸送というものが今の
状態
ではきかないと思います。そうしますとますます生活困窮という問題が出てくるわけですが、これについてこれはまあ都道
府県
での
対策
かと思いますけれども、まずそういう人たちのいわゆる仕事の失業に対する収容なんですが、ある県においては
道路
に対する
復旧
に、あるいは
河川
に対する
復旧
に失業
対策
の形で使う、こういう考え方もあるかと思いますが、これについて
建設省
としてはどう考えておられますか。
村上勇
72
○国務
大臣
(
村上
勇君)
災害
による一時的な失職、失業については、これはやはり
災害復旧
等をこれから活発にやりますので、その方にその労力を導入するということが最も好ましいあり方であろうと思っております。林道
関係
については私、責任のあれではないのですけれども、林道であろうと他のことでありましょうと、私はできる限り
災害復旧
に全力をあげてこれらの人たちに従事していただきたいと、こう思っております。
向井長年
73
○向井長年君 それに対して具体的な問題としておそらく都道
府県
においては業者にそれに対する
復旧
を請け負わすと思うのです。そうしますと、山林労務者というのはそういう
復旧
に対しましてはしろうとですから、これに対するいわゆる何と申しますか、労働賃金といいますか、あるいは下請金といいますかこういう問題については、これはもちろん都道
府県
でいろいろ
対策
を講じておりますけれども、やはり政府としてこれに対する一定の基準といいますか、こういう問題等もあわせて考えなければならないのではないか。これは
建設省
の問題じゃないと思いますけれども、そういう問題もあわせて今後考えていかなければ、今山林労務者は一日千円という日当をもらっておる。ところが、これに行けば二百円
程度
しかもらえない、あるいは三百円
程度
しかもらえない。こうなってくると生活にも大きく響くと思うのです。従って、こういう
災害復旧
に対する失対事業のような形で使う場合に、この基準というものも十分検討する余地があるのじゃないかと思うのですがその点について。
村上勇
74
○国務
大臣
(
村上
勇君) これは
災害復旧
が業者にそれぞれ責任を持たされることになりますれば、その各業者でそれぞれの賃金はきまると思います。しかし、まあ一日千円になるかどうかということについては、私にはその判断がつきませんが、少くとも常識的な賃金をもらわなければ、今
相当
土木事業等が各地に盛んでありますので、従業員が集まりにくいのであります。従って、今回この超
緊急工事
としてやる場合には
相当
労力の不足ということも考えられますので、ただ失対の賃金というようなあんな
程度
のもので従業者を使うということは私は断じてないと思います。なお、そういう点につきましてはまた取り調べまして、われわれもこれらの人の生活安定についてはできるだけ協力いたしたいと思っております。
安田敏雄
75
○安田敏雄君 二、三お伺いしたいのですが、この
災害復旧
は国土の保全の上からも、とりあえず
災害復旧
するについては、
災害
を受けた
地方
公共団体やあるいは被
災害
者の立場に立ってその要望を満たしてやる、ということが私は重要じゃないかと思うのです。そういう観点から、現在までに七
号台風
で
被害
を受けた者について、まあ十五
号台風
についてはこれはまだ
調査
中の点がたくさんございますので、なかなか
被害
もふえるだろうし、あるいは今後の
対策
という問題につきましても
相当
まだいろいろ難点があろうと思いますけれども、そういう意味において八月の豪雨で受けた
台風
被害
について、実は九月一ぱいに
建設省
では
査定
するんだということを言明しておった。その
査定
はもう完了したわけですか。従って、完了しておるならば三・五・二の比率でかりに
復旧
するという方針である以上は、これについての
査定
額というようなものは各県皆はじき出したのかどうか、そういう点をちょっと。
山本三郎
76
○
説明員
(
山本三郎
君) 八月末までの
被害
報告
額につきまして
緊急査定
というのをやっております。全部の設計書ができませんので急ぐものだけまとめまして、各県から申し出がございまして、
緊急査定
を終了いたしておりますのが一道一府二十六県一市になっております。そのうちには七
号台風
で非常に激甚な
被害
を受けました
山梨
、
長野
、
岐阜
等もいずれも終了いたしております。
安田敏雄
77
○安田敏雄君 それについて、本年度やる
工事
の請負
関係
その他について、完了したものは
相当
あるだろうと思いますので、そういう点について数字的なものについて少し知りたいと思うわけなんでありますけれども、どうでしょうね。
山本三郎
78
○
説明員
(
山本三郎
君) これにつきましては、各県から本年度中にどのくらい
工事
をやりたいというふうな申し出があります。それをまとめまして予備金なり補正予算で出すわけでございまして、予備金で出し得る分は近日中にひとつ出したいということで大蔵省と今交渉中でございます。それからまだ不足する分につきましては、補正予算に計上いたしまして十分
工事
に間に合い、しかも支払には県で間に合うようにということで急いで処置したいと思っております。
個所
別には
現地
で一一ABCDというふうに緊急順位をつけておりますから、それでわかっておるわけでございますが、大体におきましてそれらの
被害
に準じまして県の要望等を勘案いたしまして予備金なり補正予算で至急処置していきたいというふうに考えております。
安田敏雄
79
○安田敏雄君
直轄
工事
はいいんですが、
道路
あるいは
河川
の
補助
工事
の問題ですが、これは
補助
工事
ですから
地方
から起債しなければならぬ場合が出てくる。起債しなければやって行けないわけです。したがって、その
地方
では、特に市町村
工事
においては、そういう問題について技術者が不足しておるとか、あるいはその他の起債の手続等について非常に遅れている面があるわけです。このためにまだいまだに
災害
になったままで少しも
復旧
のめどがついておらん。こういうような問題についてどうも
建設省
当局の
指導
が少し足りないような気がするわけですがね。そういう点についてはどうですか。
山本三郎
80
○
説明員
(
山本三郎
君) これにつきましてはなるほど突発的に大きな
災害
を受けますと、常時それだけの人員を県にいたしましても市町村にいたしましても、準備いたすことができないわけでございますので、
災害
の直後におきまして
建設省
は、各県で人間が足りそうもないというような所には具体的に連絡をいたしまして、
被害
の少ない県から
応援
をするようにということで処置しておるわけでございます。
長野
県、
山梨
県等につきましてはその要望に応じまして各県から
応援
を派遣しておりまして、今後におきましてもさらに
工事
の実施上必要な非常に大きな量の人間が要るといって申し出がありますので、各県に交渉中でございまして、特に
九州
方面
等は比較的
被害
が少ないものでございますから、それらの地域から
応援
をしてもらうように処置を進めておる次第でございます。
安田敏雄
81
○安田敏雄君 それからもう一点お聞きしたいんですが、
住宅
金融公庫から借りる
災害
住宅
復興のうちの補修を要する分、
被害額
が二割以上で一戸当り十五万円以内のものですね、これが、末端の市町村へいきますと、市町村長の
被害
証明書を持って
住宅
金融公庫の窓口へ行く。
地方
には市中銀行しかないわけですから、
住宅
金融公庫のはっきりとした出張所はないわけです。そこへ行きますと向こうの当局者の言うには、月額が一万五千円以上の収入がなきゃだめだとか、二万円以上の保証人が二人いなければだめだといって少しも進捗しないわけなんです。結局その市町村長が証明しても罹災者は宙に迷っている
状態
であります。しかも大体今度の
被害
を受けた所を見ましても、比較的裕福なうちは
被害
を受けて下らぬ。ほんとうに生活に困っているようなうちの倒壊家屋が多いわけです。従ってそういう問題について何とかこれをしてやらないと、これは
対策
にならぬような気がするわけですが、こういう点についての
指導
はどうなんですか。そうしてもしそういうことが可能だとすれば、現在まあ
住宅
金融公庫ではこれらの窓口について親切にめんづうみてやるというには——一体どの
程度
住宅
金融公庫で融資する金を持っておるのか、そういう点も一つあわせてお聞きしておきたいと思います。
稗田治
82
○
説明員
(稗田治君)
災害
復興
住宅
の融資の
関係
でございますが、先ほど申し上げましたように新築の場合は三十万円、補修の場合は十五万円、なおがけくずれ等で整地を要する場合には、それに整地の費用として五万円プラスする。また
河川
のはんらん等のためにもとの敷地がなくなってしまったというような方には、用地費として、新しい用地を取得するための三万円というのが先ほどの三十万円に加えられるということに相なっておるわけでございます。そうしまして、これは償還の期限でございますけれども、新築の場合は十八年、補修の場合は十年となっておりまして、十八年のうち三年間が据置期間でございます。補修の場合の十年のうち一年が据置期間、こういうことに相なっておるわけでございます。それで、もちろん融資の施策でございますので、お金は返していただくというのが建前になっておるわけでございます。従いまして、その返済能力の審査ということも当然融資の方法としては必要欠くべからざることに相なってくるわけでございます。そこで大体の標準を申しますと、毎月の償還額の六倍見当というのが一応のめどになっておるわけでございます。大体新築につきましては一カ月の返済金が三千円をこえないように、それから補修につきましては二千円をこえないようにということで償還期限がきまっておるわけでございます。そういうわけでございますので、先ほどの二万円とかそういうのはちょっと数字が勘定から言えば合わないのじゃないかと思いますけれども……。 それからこの融資の
関係
でございますので、保証人はやはり必要ということになっておるわけでございますが、
災害
復興
住宅
の場合に市町村が債務保証するという場合には、保証人を省くことができるようにやっておるわけでございます。今回の七
号台風
の実例でございますけれども、市町村側の方が、他に保証人をつけていただかなければ保証しませんという市町村が大
部分
なのでございます。それで金融公庫といたしましては、市町村の希望がございますので保証人をつけておる。保証人をつけなければ市町村に保証していただけないと、こういうような実情でございます。これにつきましてなお
建設省
といたしまして、金融公庫の方にもこの融資の施策が円滑に敏速にいくように
指導
をし、なお
府県
を通じまして市町村の
指導
もただいまいたしておるわけでございます。
安田敏雄
83
○安田敏雄君 この
住宅
金融公庫の問題ですが、確かに申込者は非常に多いわけなんです。大体私の聞いたところでは、
山梨
あたりでも六十件に今のところ二件くらいの割合しか解決ついておらない
状態
である。これは法律だけは貸す方針になっているが、どこかに貸さない方針が一貫して流れているのじゃないか、こういう点を何とか打開していかないと、ほんとうに零細な農民や俸給生活者というのはこれは対象外になっちゃうのです。こういうことで
災害
になったので一体見せかけの法律だけで何も
対策
がないのじゃないかというそのことなんです。投げやりでもってあっちこっちに罹災者の大会が生ずるというような
状態
になっている、これを市町村なら市町村の長はやはり罹災証明書を出す以上は、やはり債務保証をしなければいかぬくらいのことを一つしてやるとか、保証人といっても二万円以上の保証人というのはとても普通じゃないわけです。月収二万円以上ある人が保証するということはなかなか個人保証できないわけです。だからその点を何とか打開してやるという方策をぜひ一つ
住宅
局でも積極的にやってもらいたいと思うのです。これは意見になりますが……。 それからもう一つ、全体として、今回の
災害
については七十三億の予備費があるというが、大体どのくらい……、先ほど十五
号台風
の
被害額
の
報告
に十五億使ったということを書いてあるが、大体今までの夏の七号を
中心
とする豪雨、それから十四号、十五号で大体
建設省関係
はどのくらい出しておりますか、獲得しておりますか。
山本三郎
84
○
説明員
(
山本三郎
君) 昨日の閣議以前の
支出
分が二十五億四千万円でございまして、昨日の閣議で約五億五千万円でございましたので、
建設省関係
の予備費
支出
は三十一億
程度
でございます。
田中一
85
○
田中
一君 自治庁、農林省の方がいらっしゃるからちょっと伺っておきますが、これは
建設大臣
もよく聞いて下さい。 それは、現在
砂防
をする場合に、緊急
砂防
でやると自治庁は起債を認めるわけです。これが通常
砂防
になりますとこれは起債を認めないわけです。ところが農林省——林野庁がやっているところの崩壊地
復旧
事業としての
砂防
事業に対しては通常のものも起債を認めている、これは
建設省
知っておりますか。
山本三郎
86
○
説明員
(
山本三郎
君) 存じております。
田中一
87
○
田中
一君 そうすると、なぜそういうような形のものが、同じ関連した事業として
砂防
の重要性というものを認めておきながら、そういうへんぱなまねをするのかということです。これについて農林省の方は現在なぜそうなったのかということの経緯を
説明
してほしい。それから同時に自治庁はどういう観点から同じ事業でありながらそういう異なった扱いをするのかということの根拠、これを伺いたいと思うのです。
茅野一男
88
○
説明員
(
茅野
一男君) 治山事業の起債の方は、以前から
補助
事業の残額の約四割
程度
は自治庁の方でお認め願って起債をしていただいております。今回七号
災害
によりまして
砂防
も治山も同じような激甚な
災害
を受けているものですから、党の方で特に御
要請
がありまして、自治庁とそれから
建設省
と相談をいたしまして、大蔵省も加わって、大体において
砂防
も治山も同じような扱いを今後いたしたいということで、先般特段の行政特例
措置
というのをきめられて今お話し合い中でありますので、今後は同じような扱いになるだろう、こう思っております。
田中一
89
○
田中
一君 あなたの発言の中で党という言葉がありましたが、党というのは何ですか、自民党ですか、何ですか。
茅野一男
90
○
説明員
(
茅野
一男君) 自民党のこの前の
対策
委員
会で定められたわけです。
田中一
91
○
田中
一君 あなたは自民党の
指導
部長ですか。
茅野一男
92
○
説明員
(
茅野
一男君) いやそうじゃございませんで、私の方で……(「党という言葉が不穏当なんだよ。党というのは自分が所属している党のことを言うんだ。だから君が自民党の代表ならともかくさ」と呼ぶ者あり)この前の
対策
委員
会のときにそういう御要望がありまして、私ども事務当局の間でそういう相談をいたしております。
田中一
93
○
田中
一君 あなた不穏当な言葉を使うので質問する気が失せましたが、あなたは自民党の党員であり、かつ自民党の
指導
部長をやっているのですか。そういう言葉は不穏当です。
茅野一男
94
○
説明員
(
茅野
一男君) 私取り消しいたします。
田中一
95
○
田中
一君 自治庁から一つ……。党なんという言葉を使わないで。
山野幸吉
96
○
説明員
(山野幸吉君) 従来の取扱いといたしましては、御指摘になりましたように
砂防
と崩壊地
復旧
その他と違った取扱いになっておりましたが、過般政府部内において
関係
省庁話し合いまして緊急治山、緊急
砂防
とも同様な取扱いをすることにきまりました。
田中一
97
○
田中
一君 同様というのは、緊急
砂防
では起債を認める、ところが通常
砂防
になるとその起債は二カ年ということに、緊急
砂防
と同じように起債は認める、そうして林野庁がやっておる
砂防
事業の起債と同じような額のものを認めるということにきまった、こういうことですか。
山野幸吉
98
○
説明員
(山野幸吉君) これは通常の
砂防
と申しましても、現在緊急治山の崩壊地
復旧
につきましては
災害
に直結した崩壊地等を称しておるのでありまして、
砂防
の場合も、
災害
に直結した普通
砂防
のようなものも一括して緊急
砂防
として
査定
していただいて、そうしてその
砂防
工事
について
地方
債を同様な取扱いとして起債を認めるということになっております。
田中一
99
○
田中
一君 もう少し明確にしておきますが、
災害復旧
、いわゆる
災害
に関連しなければそれは認めない。
災害復旧
に関連するものならば、緊急
砂防
でも通常
砂防
でもそれを認めていこう、こういうわけですか。
山野幸吉
100
○
説明員
(山野幸吉君) まあ
災害復旧事業
に準ずる緊急
砂防
、こういう概念でとられておるわけでございます。
田中一
101
○
田中
一君 はなはだ不明瞭です。というのは、なぜ
砂防
するかということです。これはむろん防災です。あなたはそこまで踏み切る以上は
相当
災害
を受けた渓流なり山腹なり見ていると思うんです。大体大きな
災害
というものは山腹の
決壊
——山腹の土砂の流失からくるのが多いのです。そこで私どもは
災害
を未然に防ごうという立場から
砂防
というものを考えておるのです。おそらく
建設省
も、あるいは山がどんどん崩壊してはんらん——
災害
があった方が仕事がうんとふえるのだというような考えは毛頭持っていないと思うのです。
河川局長
もやはり防災の見地から
砂防
しなければならぬという非常に大きな意思のもとにやっておるものと思うのです。防災、いわゆる
災害
を未然に防ごうという
砂防
事業に対しては起債を認めないで、
災害
が起ったもの、
災害
に関連するものはその起債を認めるという考え方は、これは政府部内にそういうことがあったということ、それから先ほど農林省の
指導
部長が言ったように、自民党でそういう話があったということは私は非常に意外だと思うのです。で、
建設大臣
に伺いますが、その点の真相はどうなんです。これは
建設大臣
知っているはずですよ。党でそういう
要請
があったというのですから、知らないはずがないのです。これは
河川局長
でなく
大臣
に……。
山本三郎
102
○
説明員
(
山本三郎
君) ただいまの話は、私の方といたしましては、
災害
に関連した
砂防
事業でさえも起債が認められていないという点で、非常に困るわけでございまして、それを自治庁の方にも連絡いたしまして、崩壊地の問題と同様に扱ってもらおうじゃないかということで、そういう方針はきめていただいたわけでございます。ただ普通の予防的な
砂防
の問題につきましては、
河川
の
改修
あるいは
海岸
等の問題につきましても、起債が従来認められておらないのです。それで、ことしは臨時の廃止に伴いまして
地方
の負担がふえましたものですから、非常に事業の執行が困ることになりまして、特別に起債を認めていただいたわけでございます。そして、ことしの分は消化していただくということに臨時的の問題はきまりましたけれども、将来の問題といたしましては、
事業費
の増大に伴いましては、私どもの方といたしましては起債をやらなければできないという面も考えられまするので、その点につきましては、
事業費
が非常に増大いたしますと、国の負担率を上げるかあるいは起債を認めるか、どっちかの方法を考えてもらわないと、事業の大きなる執行はできないというふうに考えておりまするので、両
方面
から努力したいというふうに考えております。
田中一
103
○
田中
一君
河川局長
の
説明
はわかりましたが、
大臣
はこれを一体どういうふうに考えておるのです。現在そういうようなへんぱな扱いをしていると、これは容易なことじゃありませんよ。よほどふんどしを締めてかからぬと……。
村上勇
104
○国務
大臣
(
村上
勇君)
地方
の公共団体等もとうていこの負担にたえられないだろうというので、
補助
率を上げるなりあるいはまた起債を認めまするなりということについて、いろいろ政府部内においても折衝いたしておる段階であります。
田中一
105
○
田中
一君 もう一ぺん自治庁に伺いますが、治山治水というものは、
災害
が来るのを待っているのが治山治水じゃないのです。
災害
のないようにするのが治山治水で、それを助成しないでいてどういうふうに考えているのですか、自治庁としては。
山野幸吉
106
○
説明員
(山野幸吉君) 御案内のように、
地方
団体の財源一般の問題と関連する問題でございまするが、最近
地方
団体の赤字問題が非常に議論されまして、その結果一般会計における
地方
債はなるべく縮小して、そうしてその分は交付税とか税の増収によって肩がわりしていくという方針がとられまして、その結果
地方
債は臨時的な
地方
負担のほんとうに大きい事業だけに、そういう借金による財源を充てていくという方針が、ここ数年来とられているわけでございます。従いましてたとえば
府県
におきましては、ダムでございますとかあるいは港湾
改修
でございますとか、それから公営
住宅
でございますとか、そういう重点的な大きい
地方
負担に借金を充てていく、そして一般に毎年度経営的な規模で繰り返されていく事業、たとえば
道路
の補修とかあるいは通常行われるべき
河川
の
改修
とか、そういう事業については一般財源、交付税なり
地方
税で充てるという方針がとられまして、従いまして、その事業の緊急性の認識において、私どもは欠けるとは思っておりませんですが、そういう事業は進んで一般財源でやっていただく。そして不時の
災害
に関連して行われるような、予期しない事業に対しては
地方
債を積極的に認めていくという方針から、さようになっておるわけでございまして、なお一つこの点につきましては、
建設省
ともよくお話し合いをいたしまして妥当な線を打ち出したいと思っております。
田中一
107
○
田中
一君
村上
さんね、今度の
災害復旧
に関連する
砂防
工事
の予算、どのくらい考えていますか、今回の本年度の
災害
ですね、それに関連する緊急的な
砂防
ですね。私は緊急
砂防
なんて予算上の言葉は気に食わぬから緊急
砂防
とは言わない、緊急的な
砂防
。
山本三郎
108
○
説明員
(
山本三郎
君) これにつきましてはすでに国費にいたしまして三億
程度
は、各
府県
の要望にこたえまして手持ちのやつを配りまして事業をやっております。そのほか七
号台風
、十五
号台風
におきましては、非常に山が荒れているということで各県の要望は強いわけでございますが、目下その数字につきましては各
府県
と打ち合せ中でございます。私どもといたしましては約十億
程度
の国費は少くとも要りやせんかというふうに考えております。
田中一
109
○
田中
一君
村上
さんはどこかで二十億はどうしても出すのだということを放言しておりましたね、放言じゃない、言明しておりましたね、どこか新聞に出てますぞ。
村上勇
110
○国務
大臣
(
村上
勇君) まあ二十億
程度
ほしいのですが、まだ詳細な
報告
がないものですから、必要があれば二十億でも三十億でもとってあげたいと思います。 それから今起債の問題ですが、幸いにことし臨時で
措置
をしたのでありますが、来年は
地方
財政がよくなるかといえば決してよくなりやしないので、やはりまあ臨時を何年も続ければ、私はこれが目的を達成することができる、こう思いまして、来年も一つ臨時ででもお願いするか、あるいは国会においてもどういう立法が出るかわかりませんが、まあ一つしかるべき
措置
によって十分目的を達成していきたい、かように思っております。
田中一
111
○
田中
一君 そうするとこういうふうに理解していいですね、現在林野庁がやっている
砂防
に対する起債というものと同じぐらいの行政
措置
で、同じように仕事ができる形の
措置
を考えておる、そのようにするというのですね、それでいいですか、そう理解して。
村上勇
112
○国務
大臣
(
村上
勇君) そういうことであります。
内村清次
113
○内村清次君
大臣
によく聞いていただきたいのですが、先ほどこの
海岸堤防
その他の
災害
防除の問題についての今後のまあ
大臣
の考え方ですね、については十分論議されました。私たちが
災害
地を見て参りますと、ああいった特殊的な非常に
災害
の多かった
名古屋
あるいはまた
三重
の
海岸堤防
からくる
災害
、こういうことを除きまして、そうして
一般災害
でひどかった県を根源を見てみますと、やはり
砂防
の不完全ですよ。これはまあ
長野
県にも行きましたが、
相当
砂防
からくるところの
被害
が多いのですね。そこでせっかく
委員
会で
砂防
はしょっちゅう問題にしておりますのですが、
大臣
も今回の大
災害
に、また毎年繰り返される
災害
にかんがみまして、やはり重点施策としては一つ根源を直していくというような、また確固たる一つ方策を樹立してもらわなくちゃならぬわけです。そこに先ほど問題になりましたように、まあ知事あたりのお考え方では、やはり
砂防
の問題は国がやるべきだ、しかも二県にまたがっておるような問題については、やはり山元の知事だけに負担させてもらっちゃ困る。やはりこれは
下流部
の知事もやはり十分
関係
してもらわなくちゃいけない。いわゆる同一水系である
程度
負担はしてもらわなければ困るのだ、こういった考え方ですね。しかし全体としては
砂防
は国がやってもらわなくては困る、こういったことをいっておる知事もおられるわけです。しかし、そういった知事は現実に悲惨な水害に対しては、
砂防
が非常に必要だということは非常に認識されておる。問題はその財源、金の問題ですね。これをやはり抜本的に国としては考えていただきたいことが一点ですが、先ほど言われたように緊急
砂防
の方は起債もついている、いわゆる
災害
を受けた
砂防
関係
に対してはこれは起債もついている。しかしながら平常の予防
砂防
については、この起債も今までついていないというような考え方は、これは根本的に誤まりですよ。この点は、やはり
大臣
も一つ今の三点ですね、まず国が一つ予算をうんと取ってやるということが一点と、それから二県にまたがるような
砂防
については、十分法律の面からでも公半分担の精神から何とか一つ、法律的にもこれを守ってやる。それから第三の問題は起債も十分考えて、そして予防
施設
を完璧にしていくというような考え方を私たちは持っていただきたいと、こう痛感してきたわけです。この点に対しまして
大臣
から一つ所信を伺えばけっこうと思います。
村上勇
114
○国務
大臣
(
村上
勇君) この点に関しましては全く私は同じ意見を持っております。少くとも釜無川
上流
の山腹の崩壊は、決してただ単にあれを防止することが
山梨
県だけの利益でなく、その受益者は
下流
の静岡県も非常な利益を得ておるのでありますから、これを
山梨
県の一部の負担において
復旧
するということは、これはどうも今までの機構上やむを得ないことではありましょうけれども、こういう点については再検討を要する必要があろうと思います。また、こういうように幾つかの県にまたがってその利益が得られるというような場合の
砂防
事業に対しましては、やはりもしも国費が許されるならば、またそういうようなことが国会において審議されますならば、私もそういう今の御意見のような方法が最も妥当でないかと、かように思っておりますが、しかし、また他の角度からいろいろな意見もあろうと思いますので、十分検討してみたいと思っております。
須藤五郎
115
○須藤
五郎
君 関連してちょっと。
大臣
、今年度新五カ年治水
計画
で三千五百億を要求と聞いておりますが、ところが大蔵省ではこれを一千億円減らそうということが新聞に出ておりますが、この新五カ年
計画
で
災害
をどの
程度
切り詰めることができるお考えなんですか。大体このごろ毎年二千四百億ぐらいの
災害
がありますね。それをどの
程度
食いとめることが三千五百億の新五カ年
計画
であるか、という点をちょっとお伺いしたいと思います。
村上勇
116
○国務
大臣
(
村上
勇君) 大体あらゆる角度から研究して参りました
建設省
におきまして、治水事業五カ年
計画
完成の暁には、一年に一千億円
程度
の
災害
を防除することができるというくらいに考えております。
須藤五郎
117
○須藤
五郎
君 いま二千四百億ぐらいだと見れば、その五カ年
計画
が終ってもなお一年に千四百億ぐらいの
災害
はあるというお考えですね。そういうことですね。それをうんと減らして逆に一年に四百億ぐらいの
災害
に食いとめるためには、一兆二、三千億の金が要るという私たちの考えです。そうすると、今年二千四百億というようにずっと減らされるならば、大体その結末はどういうふうになるわけですか。三千五百億で一千億ぐらい辛うじて食いとめることができる。そうすると、二千四百億ぐらいになるとどの
程度
で食いとめることができるのですか。三千五百億使って、今の
大臣
の答弁、年間大体一千四百億円ぐらいの
被害
で済むような
状態
、一千億ぐらい食いとめることができる。そうすると、それを四百億ぐらいに食いとめるためには、損害を二千億とにかく防止するためにはどのぐらいの費用が要るのですか。
山本三郎
118
○
説明員
(
山本三郎
君) 二千四百億が終戦後の十カ年の平均でございますが、それを一兆二千億という先生がおっしゃったような
計画
がございますが、それを行いましても、約二千五十億
程度
の
被害
が減らせるわけでございまして、あと三百五十億を減らすには非常な大きな金がかかるわけでございます。これは非常に狭い地域とか、それはまあなかなか金が非常にかかるわけでございますので、一兆二千何百億という全体の基本
計画
は二千五十億を減らすという
計画
になっておるわけでございます。さらに二千四百億を全部減らすには、これはもっと非常に大きな金がかかるわけでございます。そこへいきますと、非常に効率が悪くなります。
須藤五郎
119
○須藤
五郎
君 そこはどの
程度
ですか。
山本三郎
120
○
説明員
(
山本三郎
君) これは具体的に当ってはみませんが、おそらく同じぐらいの一兆
程度
の金がかかりゃせんかというように考えております。ですから一兆二千何百億やりましても、全部がゼロになるということではございません。ですからその点は一つ御了解願いたいと思います。
須藤五郎
121
○須藤
五郎
君 大体私たちの想像は、二兆億ぐらいはどうしても使わなければ
災害
をほとんどゼロに近い数字にすることはできないだろう。大体私たちはそういうふうに考えておりますが、あなたたちの考えも大体そういう点だということがわかりました。そうすると、新五カ年
計画
で三千五百億使ってそれが大蔵省の
査定
で二千四百億ぐらいに減らされていくならば、何年たったら日本から
災害
というものを除去できるような
状態
になっていくのです。そういう計算でいったら。
山本三郎
122
○
説明員
(
山本三郎
君) これは単なる金の上で参りますと、一兆二千億を今の
程度
、二千四百億
程度
でいきますと三十年以上かかるということになります。ただ長くかかればかかるほどその間にいたむものもありますし、それですからさらにそれに年数が付加されやせんかという点で非常に心配しておるわけです。
田上松衞
123
○田上
松衞
君 聞きたいことは、ほかの人々との間における質疑応答で大体わかったのですが、まあこの際岸内閣の閣僚としての
村上
建設大臣
として聞きたいのですけれども、それが無理であればまあ私見でもいいと思うのです。さっきこの
災害
関係
のいわゆる特別立法のことについては、どうも私の聞きようが悪かったのか、それは多く十五
号台風
を主としての
災害復旧
のための応急
対策
と、そのための特別立法の範囲をこえないようなふうに受け取ったわけです。ところがもしそうであるとするとまあそれでけっこうですけれども、もっとやはり大きな、高遠なものを一つ考えることが必要じゃないかと、いろいろ議論されておる中に、やっぱしこれは同感ですが、いつ
台風
がくるのだかこれはもうわからない。昔の言葉でいえば浜の真砂と泥棒は尽きないと言ったけれども、今日では日本に関する限りは浜の真砂と日本の
台風
は尽きないというような感じが強くされるわけです。そこで、ただ起った
災害
のたびごとの特別立法というものじゃなくしてむしろこれをもう恒久的な
災害
に対する立法
措置
を講ずることが必要じゃないかとわれわれは考えるわけです。そうして、その上で
災害
の時々に起る
程度
に応じて当然自動的にこれを適用していくというふうにやったらどんなものかと、たとえば、まあその中には
被災
者の救護のために手厚い制度を確立しておくこと、あるいは
災害
発生を根本的に克服して国土総合開発を進めるために、治山治水等の促進の基本を立てるということ、あるいは
復旧
工事
の予算が今までの行き方では何かその初年度が三、二年度が五ですか、三年度が二とか、こういうふうなことに当てはめられておるようですが、そういうような比率にはとらわれないで、できるだけ早急にこの
復旧
をやっていくというようなことを考える。さっき須藤さんからも話がありましたが、
自衛隊
の問題がありましたが、これらの問題も
自衛隊
がもつ、まあ任務というものをむしろ大きく国土
建設
だとか、あるいは
災害
救援に向けさせるような方向に一つこれを向け直していく。こういうようなもろもろのことを考えた、そういうようなものをもととするような一つ恒久の立法
措置
をする、ということが必要でないのかということを痛感するわけですが、こういうような考え方について
建設大臣
が、私見でもいいのですが、どういうふうにお考えか一つ聞いておきたいと思います。
村上勇
124
○国務
大臣
(
村上
勇君) 私ただいまのそのお考え方、これは全く私ども国土保全のためにこういう考え方は非常に賛成できるのであります。ただこれは国の財政とマッチしていかなければならないのでありまして、国力がついて参りますれば、今のような高率
補助
によって、いわゆる二十八年のあの特別立法というものを、そのまま恒久立法にもっていってもこれは差しつかえないどころじゃない、むしろそういうふうにいってほしいと思います。ただ三・五・二の基準のお話しも出ましたが、あの当時三・五・二でありましたけれども、しかし、やはりどうも国の財政が整って参りませんと、結局三年間で完全に
災害復旧
を終るべきものが、二十八年の
災害
なんかもやはり五、六年かかったというようなことでありまして、このごろでは三・五・二の基準を十分に守ることができるような国の力が出たと思います。従いまして、三・五・二の率がありましても、これは一つの基準ができておったとしても、どうしても三では不安であるという場合には五でもやっていけるというようなことになっている。まあなるだけのどうにか力ができた。でありますから今お話のように、ただ十五
号台風
のみに特別立法がかりにできたとしても、ただ単に十五
号台風
だけを対象にするか、あるいはまたその他の地区もこれはその対象に、私はしていくようなことにまた考えられるんじゃないかとこう思っておりますが、少くとも特別立法のような助成法が、これが恒久立法でいけるほど国力が充実してくるということが最も好ましいことでありまして、かような二十八年の立法のようなことを
災害
ごとに作らなければならないというようなことは、あまり好ましいことではないと思っておりますけれども、どうも今日の国の力からしてやむを得ないのじゃないか、こう思っております。従ってただいまの御意見には全く私ども同感であります。
田上松衞
125
○田上
松衞
君 まあやや満足するような、むしろ自民党の閣僚としては見直すほど満足に近いお答えをいただいて、今後十分努力願いたいと思います。 これは
河川局長
でけっこうですが、今度の大きな
台風
のために、神奈川県下における二十二
号台風
の
被害
あるいはこの跡始末等の問題について、どうも何だか陰に隠れてしまったような気がしておるので、まあ地元のことをいってはちょっと不謹慎なことのようですけれども、神奈川県民にとっては非常にこのことを危惧しているわけです。具体的に申し上げますと、例の鶴見川及びその
上流
の矢上川あるいは別個の帷子川、これらについて思うように今まで仕事が進んでいないということと、もう一つは今度なんかの
関係
を考えますると、さっきいろいろ話がありましたように、
計画
の中に不備があったじゃないか、そういうようなことを思い合せますと、やはり少し早急にあれができるように特別に一つお考え願いたいと思います。
山本三郎
126
○
説明員
(
山本三郎
君) 鶴見川、帷子川等につきましては昨年非常なる
被害
を発生しておりますので、五カ年
計画
におきましては、これを年次的に片づけようということに考えておりますので、今回の
災害
がありましても既定方針通りやっていきたいと考えております。
田上松衞
127
○田上
松衞
君 時間もないことですから
住宅局長
にちょっとお願いしておきたいのですが、今後の
住宅
対策
の
関係
で、どうもいろいろ調べてみますると、これまた地元のことなんですけれども、神奈川県下における一番私ども急いでやらなければならぬ問題は、公営
住宅
の問題だと思っておるのです。と申しますことは、何としてもいわゆる低額所得者の家賃の負担能力といいますか、こういうようなことを考えてみますると、この点に少し力を入れていただきたいと思うわけなんです。もちろん今までの約束されている範囲は私承知しておりますけれども、さらにこれを一つ重点的に考えていただくとともに、これの拡充を一つ心がけていただきたい。非常に抽象的な言葉になりますけれども、時間の
関係
で、いろいろ資料は持っておりますけれども、これを一つ考えていただきたいということ。それから今回の
伊勢湾台風
等の問題にかんがみまして、特に考える問題は、やはり中層耐火
住宅
と申しますか、あの問題だと思っております。このことにつきましても、ほとんどみんなの需要率から考えてみますると、逆にいいますと要求率はこれの三十倍、四十倍というような按配になっているわけです。これについて一段の一つ努力をお願い申し上げたいと考えておるわけであります。ただこれは時間がないから内容を全部省きますけれども、お考えのところだけをお聞きしておけばいいと思っておりますけれども……。
稗田治
128
○
説明員
(稗田治君) 公営
住宅
の
建設
につきまして、低額所得者の
被災
者に対しまして手厚く救済いたしますのには、公営
住宅
の
建設
に重点を置けという御趣旨でございますが、私たちも全く同感でございまして、これにつきましては、十分予算の確保につきましても努力いたしたいと思っております。先ほどもお話の出ましたように、現行の法律では滅失戸数の三割を限度としているということに相なっておりますので、このワクの拡大につきましては特別立法が必要ということに相なるわけでございます。 なお、この構造でございますが、火災ばかりでなしに、こういうような風水害等にも耐火建築物は非常に適しておりますので、公営
住宅
の中に占めます燃えない耐火建築物の戸数というものを今後大いにふやしていきたい、そういうようなつもりで今後も努力いたしたいと思っております。
田上松衞
129
○田上
松衞
君 それに加えておきますけれども、公営
住宅
の世帯の構成人員からきまするああいう問題が非常に痛感されておるわけですけれども、抽象的なことになりますけれども、公営
住宅
の規模を少し拡大してもらいたい、これは切実な要求なんです。今までは三人かそこらで行っても、もうたちまち五人、六人という数になってきまして非常に困った問題でありますので、これについてもこれは要望しておきますが、格段の御留意を願いたい。
田中清一
130
○
田中清一
君 これは私は政府に対してお願い申さなければならないので立ち上がって申し上げます。 今まで諸先生のお話を承わっておりますが、大体現状を維持するか、もう少しよくするかということのお話のようで、私は満足しないのであります。一つ抜本的にこの日本の国を国土
計画
的にこれをやり直すというくらいのことまで考えていただかぬと、私はこの問題は皆さんがおっしゃったように毎年毎年繰り返すことで、またもう十七号が来つつあるというのですから、今締め切った所をそのまま放っておけるものでもない。またその上に莫大な金をかけてもまたその上にくる。ですから国土
計画
的に抜本的にというのは、たとえば私は参議院の方々と
愛知
県、
岐阜
県を見ましたけれども、この
災害
にあっている所はあうべき運命を持っておるような所にみなおるのです。それで
長島
町にしましても、ああいった所は漁業者と農業者さえおればいいような所であります。また鍋田の
付近
でもそうでありますし、
庄内川
のデルタ
地帯
でもすべて
木曾
岬村でもそうです。ですからああいった所には、
長島
町には遊郭がございました、それから
庄内川
のほとりには遊郭があって、生産にもあらざるものをああいった所に集めるという日本の政治が悪いと思うのです。ああいった所は農業者か漁業者にすれば、かりに一番小農でも五反歩くらいです。大きいところは一町歩から二町歩作るのですから、その中に家が一軒ばかり
災害
を受けたところで大したことはないのです。先ほどのお話のように全額国庫負担で直したところで知れたものです。ああいった所にたくさんの人を集めるようなやり方は——私はああいった
海岸
地域はどうしても日本は狭いから使いたい。使うのはいいけれどもああいった所は火力発電所とか流れないもの、基礎を十分に地下十メートル、二十メートル入れるようにしてやっていく、製鉄所のように原料も流れない、機械も建物も流れないようなものを持っていって、できるだけ国をもう少し改造というか改良して使うというような、抜本的なものを考えていただきたいのです。私は今回の
災害
にあった福井県の九頭龍川の生れですけれども、大体
災害
にあったような所に家のあったものは、釜無川を見ましても、私よく知っております、
災害
のあったような所に家を建てさせることがいけないのでしょう。ですから、
災害
のあるような所は農耕地にしたり、それらの
災害
を受けないようなものを一つ住まわすようにして、そういうことは幸いにここに法律で
地方
公共団体は建築条例をもってそういうことを規制するというのがあるそうですから、そんなものを大いに活用してもらって、私は法律はただ作っておいたってしようがない、そういうことをしてもらいたいのです。それで、私は
愛知
県の知多郡に行きましたが、造船所を作ってもいいし、漁業者が使えばいいような所に、一番海の端に小学校を持っていって建てて、そうして大きな校庭をとって、そうして今度の
災害
で
堤防
がぶちこわれて大損害、ひっつぶれてしまった。私はばちが当ったと思う。日本の人は日本の国を使うすべを知らない。ですからできるだけこういったような所は、もうちょっと高い所に小学校をやっておけばいい。あの小学校などはちょっと流れ水が出ただけでも、ちょっとトンネル掘っただけでも水が出てくるのです。そういうことをちっともしなくて 一番大事な日本の漁業者にしても造船にしても使えるような所に小学校を持っていって、そしてそり返っている。そのやり方がいけないと私は思う。言えば切りがないのですけれども、東京なども今にこれは十五
号台風
みたいなものが来たら
相当
にいきますよ。頭のいい人か悪い人か知らないけれども、半分埋めてこれからやろうというようなことをおっしゃっている。私はほんとうに知恵のなさが気の毒なんです。日本は道さえ作ればいい高原
地帯
が遊んでおるのです。富士山ろくだって六万町歩も遊んでいる。一時間で行けるような所を、どうしてこういうことをなさらないのですか。私は小言を言うのではないのですけれども、どうか国民が苦しまないような国土
計画
、改造が必要なことを、これは質問でもなければなんでもない、お願いを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
米田正文
131
○米田正文君 私は最後にお願いしたいのですけれども、今のお話出まして、
海岸
の問題から、それから中流部では
牧田川
の先ほどの根古地の
決壊
の問題もあり、
円山川
では豊岡が全市水びたし、由良川では福知山が水びたし、そういう所は最近は
名古屋
の
災害
のためにだいぶ影に隠れた感じがするというので、非常に心配しているのですが、そういう地区がたくさんあり、かつ八月の七
号台風
のときには
山梨
県や
長野
県の水害があり、これにはまた
砂防
問題が非常に各地でやかましく言われておるというふうに、国土全般にわたっての
災害
ですからして、今、
建設省
で
計画
をされておる五カ年
計画
というものを早急に進める必要があると思う。いろいろなことは結局これに帰着すると思う。促進法のようなものをどうせこしらえなければいかぬと思いますが、治山治水の促進法のようなものを作ってもらって、それを早くきめることが先決だと思います。 で最後はこれは財源の問題だと思うのですけれども、これは一般財源の中ではなかなか困難なふうにも考えられますが、最後はやはり治山治水公債というようなものを考えて、どうせこういう事業は今やるのですけれども、子々孫々に至るまでの利益のためにやるのですから、公債を出していい筋のものだと思います。一つそういう点の御研究をお願い申し上げたいと思う。
須藤五郎
132
○須藤
五郎
君 最後に時間がないから、
大臣
に一つ要望しておきたいことがあるのですが、
愛知
県の水害を見まして南区と港区は大体ゆうべ潮どめができました。南はもう少し前にできた。大体ここ一週間ぐらいに水は全部引くだろうと思います。ところがその以外の土地ですね、
木曾
川口から干拓
地帯
、ここはこの間
愛知
県庁で聞くと、
全国
のサンド・ポンプを皆据えてそれで砂どめ
工事
を始めて五十日ないし六十日かかるだろうという意見です。そうしてまだサンド・ポンプが全部そろっているわけじゃないですから、これからそろって六十日もかかると十二月に入っちゃいますよ。まだ二月かかる。それから水を全部干上げるのには
相当
時間がかかる。下手すれば十二月一ぱいかかってしまうのじゃないかという心配があるわけです。とにかく行ってみますと、もう壁はぼろぼろで全部水につかっておるから使いものにならない。二階が辛うじて使えるという
程度
ですが、水が引くまでにはこれから寒くなっていくのにニカ月間をあの水の中で暮すということは容易なことじゃないと思うのです。ところが住民はなかなか退去しようとしないですね。ということは政府に対する不信がありますよ。というのはそこをどけばあとの地上権の問題や、借地権の問題やいろいろ問題がある。そういう問題があるという心配があるわけです。再びそこに帰ってきて住まえるかどうかという問題があるわけです。それと盗難のおそれがある。それともう一つはお百姓の土地に対する執着ですね、いろいろなそういう気持、人情がからんでそこを容易に立ち去ろうとしないわけです。ところが県の方でもそういう人たちを全部収容するだけの設備については、誠意が足りないのじゃないか、もしも家財が心配なら何か舟艇を持って行って、その家財を全部安全にそこへ積み込んで、そこで安心のできるような態勢にその人たちを置けば、これはおそらくそんな水の中に住んでいる人はいないだろうと思うのですよ。それから
住宅
の問題でもちゃんと政府が
住宅
を保障すれば、あんな破れた、しかも水が引いていけばいつ何どき倒壊するかわからぬような、危険な
状態
の家に残っているという人はないだろうと思うのですが、それが保障がないために今なおそういう生活の中におるのです。しかしこれこそこれから寒さに向う、二カ月間もしもそういう所に放置しておくということは、これは人道上私は大きな問題じゃないかと思うのです。だからその退去をしたくない、あそこにとどまりたいという気持をいいことにして、政府の方針を立てないということは、これはいけないのじゃないか。むしろ政府がそういう人たちの不安を全部解消することによってそういう人たちが一たんそこを引き揚げてちゃんとした
住宅
に入って、そうしてそこが潮が引けば再びそこへ帰って復興に当ると、そういう方向に持っていかないと、私は何だか見ちゃおれぬような感じがして帰ったわけです。これは私の気持が、そこに住んでいる人の気持とぴったり合うというものではないだろうと思うのです。そこにはいろいろ複雑なものがあります。しかし、私たちが見た場合、国の政治をやる人間としては、一日も早くああいう気の毒な
状態
をなくさなければいけないのじゃないか、そういう気持を持って私は帰ったのですよ。そこでそれに対して
大臣
も大いに意を注いでもらいたい。
村上勇
133
○国務
大臣
(
村上
勇君) 別に御質問ではないようではありますけれども、須藤
委員
の御意見に対しまして、もう決して弁解でも何でもございません。今回の
台風
によって、その
台風
の発生して後の
措置
というものは、非常に通信機関が切断されたために、本省に来る情報もおくれておりまして、しかしわれわれがこの情報をつかんでからというものは、全く
被害
者の気持になりまして、県もあるいは市町村もまた政府の各省におきましても、ほんとうに一丸となってあの
対策
を講じつつあるところでございます。しかも
対策
本部
をあの地において、
現地
におきまして、私どもは一日じゃない、一時間でも早くあの水浸し
状態
から罹災者を救うことが何をおいても、いかなるものを犠牲にしても一番大切だということで、それに向ってあらゆる力をあげて努力いたしておる次第であります。罹災者の婦人、子供あるいは老人等これらの人たちを十分安全な方へ移住せしめるようにということも、あらゆる方法でいたしまして、元気な人たちは
復旧
事業に
相当
労力が必要でありますので、収入も皆無であることでもありますし、できる限りその方へ働いていただいて、そうして労金収入を受けていただくと、そういうようなことで、あの
台風
の直後はどうであったか知りませんが、今日では決してそういう不安な
状態
で、政府に対する不信感というものは、私は毛頭ないものとかように思っております。あるいは私の考え方が手前みそかもしれませんが、私どもはたとえどういう感じを持っておられようとも、ともかくもあの罹災者を一時間でも早く水浸し
状態
から解消しなければいかんというので、まあ総力をあげて努力をいたしております。どうか一つその辺のところを御了承いただきたいと思います。
田中一
134
○
田中
一君 そこでいつごろまでに全貌の数字がわかりますか、見通しとしては。
村上勇
135
○国務
大臣
(
村上
勇君) 大体
名古屋
地区は新聞で発表しております通りでありまして、ここ数日で、
締め切り
は昨晩で終りましたから、大体最悪の場合に四、五日くらいで全部解消すると思います。それから知多半島の
半田
地区、それから
三重
県の
桑名
、これらの
地点
はここ数日中にはそれぞれやはり
締め切り
が終るものと思っております。ただ一番最悪の海部
方面
、
木曾
川
下流
の干拓
地帯
の
復旧
でありますが、これがサンド・ポンプのような御意見もありましたが、大体技術的に見ましてもこれだけあれば、というのが一万六千馬力もあったら大丈夫、十分間に合うといわれる一万六千馬力のところ一万八千七百馬力ばかり確保できましたので、これがフルに今働いておりますから、これで参りますならば一番最悪なところで十一月終りごろまでには
締め切り
を終り、排水作業に……排水は大体、それは一番最悪な所で、同じ
長島
村でありましても
長島
村の半分とかあるいは大半は順を追うてきょうからでも締め切っていくというようなことで、だんだんと乾かして参りますので、一番最後に残るものが十一月末、こういうようなことで今目標をおいてやっております。
田中一
136
○
田中
一君 私の伺っているのは、まだ
三重
の奥の方は実際
被害
のわからぬ所があるでしょう。あなた方まだ行ってない所があるでしょう。そういう所の実害というものは全部集積されて国会に
報告
されるのはいつごろかというのです。というのは、問題の実態を見なければ、立法化の問題でもなかなか困難なんです。特異な現象もあるでしょうから、それらのものを一ぺんいつごろまとまるかわかれば、その時期に
委員
会を開いてじっくりと
対策
について私も質問したいと思います。
山本三郎
137
○
説明員
(
山本三郎
君) これにつきましては、先ほど、この間二、三日前に締めましたのが本日はまた非常にふえているというような
状況
でございまして、一番わかりにくかったのはやはり
三重
県と
奈良
県なんでございます。きのうも
三重
県の土木部長も参りまして非常に奥地がわからないということでございますけれども、私どもでも補正予算なんかの
関係
がございますので、早く何とかしなければいかぬということで、私どもの方からも人間をやるから、各
府県
からも
応援
をやりまして、奥地の
状況
を早くつかまなければいかぬということで、私どもは二十日を目標にわかるようにしてくれと、私の方も協力するということで努力しております。
田中一
138
○
田中
一君 そうすると集計が二十二、三日ごろにわかるわけですね。大体つかめるわけですね。
山本三郎
139
○
説明員
(
山本三郎
君) そのころにはわからせるつもりでございます。
松野孝一
140
○理事(松野孝一君) それでは本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十八分散会