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1959-09-10 第32回国会 参議院 建設委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年九月十日(木曜日)    午前十時二十四分開会   —————————————   委員の異動 本日委員野坂參三君辞任につき、その 補欠として須藤五郎君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            田中  一君    委員            小沢久太郎君            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            久保  等君            田上 松衞君            武内 五郎君            向井 長年君            小平 芳平君            前田 久吉君            須藤 五郎君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設大臣官房日    本住宅公団首席    監理官     国宗 正義君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君   参考人    日本道路公団副    総裁      井尻 芳郎君    日本住宅公団総    裁       狭間  茂君    日本住宅公団副    総裁      渡辺喜久造君    日本住宅公団理    事       渋江 操一君    日本住宅公団理    事       吉田安三郎君    日本住宅公団理    事       今泉 兼寛君    日本住宅公団理    事       武藤 文雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (災害に関する件)  (砂防事業促進に関する決議の件)  (道路に関する件)  (住宅に関する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより建設委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  本日、野坂參三君委員を辞任され、その補欠として須藤五郎君が委員に選任されました。   —————————————
  3. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) この際お諮りいたします。  道路並びに住宅問題について意見を聴取するために、日本道路公団総裁井尻芳郎君、日本住宅公団総裁狭間茂君、同じく副総裁渡辺喜久造君、同じく理事渋江操一君、同じく吉田安三郎君、同じく今泉兼寛君、同じく武藤文雄君を本委員会参考人にすることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 異議ないと認めます。   —————————————
  5. 田中一

    田中一君 前回委員会建設大臣にお願いしておきました、全国知事会から出されております災害対策要望に対して、所管の面の御答弁、御回答と申しますか、それを一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  6. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 知事会建設省関係につきましての要望についてお答えいたします。  まず、公共土木施設災害復旧等国庫負担率引き上げ及び国庫負担範囲県十五万円、市町村十万円をそれぞれ五万円、三万円に拡大することという御要望に対しましては、建設省所管公共土木施設にかかわる本年発生災害につきましては、山梨県及び長野県等の大災害地を除きまして、局地的には甚大な被害をこうむっておりますが、現在のところ全般的には特例法により、法律が国庫負担を行いました昭和二十八年災害の当時と比較いたしまして、被害額は多大なものとなっておらないようであります。また被害の激甚な地方公共団体に対しましては、連年災害制度によって、相当高率な国庫負担が予想されますので、必ずしも全般的には国庫負担率引き上げ措置は必要ないものと思われますが、なお今後慎重に検討いたしたいと考えております。  次に、公共土木施設災害復旧事業費採択限度額を引き下げ、県工事五万円、市町村工事三万円までを国庫負担対象とすることにつきましては、従来よりしばしば要望されてきたところでありますが、これを過去の実績に徴してみますと、限度額の引き下げに伴い、個所数が著しく増加するのに比べまして、国庫負担対象額の増額はきわめて些少な額と推定されるのであります。従って、国庫負担対象となる基準額を引き下げることとした場合においても、その実益に乏しいのではないかと考えられております。また国庫負担対象とならない少額な災害につきましては、現在別途起債の措置が講ぜられており、その元利償還につきましては、二八・五%に相当する額がすでに交付税に織り込まれることになっておりますが、小災害に対する問題はこの制度運用によって考慮することが望ましいと考えております。  それから河川道路、上下水道、水利施設学校官公署その他の公共用または公用の施設に堆積している堆積土砂排除事業に要する経費については、全額国庫負担とすることという御要望に対しましては、堆積土砂排除事業のうち河川道路関係のものは公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法により、災害程度によって負担率が規定され、また公立学校に対しましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法によって処理し、負担率は三分の二となっております。その他都市内の公共施設に堆積した土砂及び一般民家等に堆積した土砂で、搬出場所を指定して集積されたものをさらに搬出する場合は、都市災害復旧事業として国庫補助対象といたしておりますが、採択基準被害面積五千坪、土量二万立米以上のものとし、国庫補助率は二分の一となっております。  次に水道施設災害復旧事業に要する経費について国庫補助をすること、という要望に対しましては、建設省所管公共下水道及び都市下水路災害は、都市災害復旧事業として国庫補助対象になっておりますが、その採択基準公共木施設災害復旧事業費国庫負担法に準じて取扱っており、補助率は二分の一であります。  上水道の災害復旧関係は厚生省の所管でありますが、採択基準は、施行者が市長であるものは災害復旧に要する経費総額四十万以上、町村長施行のものは二十万以上で、給水人口面からは一人当り六十円、簡易水道は五十円となっておりますが、以上のものとなっており、国庫補助率は二分の一であります。  次は、災害査定を緊急に実施して、国庫支出金決定を早急に行うことという要望に対しましては、今次災害の激甚でありましたことにかんがみまして被害の甚大なる県に対しましては、被災直後災害査定官等を現地に派遣して復旧工法の指導に当らせ、取り急ぎ応急復旧個所設計樹立並びに実施促進をはかった次第でありますか、これにより、八月下旬から、査定準備の完了いたしました府県より逐次緊急査定実施中でありますが、九月中にはおおむね完了するものと考えております。なお、査定の完了次第予備費支出をはかる方針であります。  次に各種災害復旧事業については初年度施行率を五〇%以上とし、国の負担額については概算交付することという要望に対しましては、建設省所管にかかわる公共土木施設災害復旧事業につきましては、緊要工事に対しましては三・五・二の割合をもって、三カ年で復旧を完了する方針となっておりますが、これらの割合はあくまで国の負担金交付上の一定の基準と定めたもので、これをもって直ちに府県復旧規模を規制するものではありません。従って負担金交付に際しましては、極力工事緊要度事業施行能力等を勘案して、被害の激甚な地方について重点的に行なって参りたいと考えております。しかしながら初年度における実施事業量につきましては、気象条件あるいは工事に適当な時期であるかどうかということ、あるいはまた施行能力及び労務資材等需給関係等の諸事情を勘案いたしますと、過去における大災害をこうむった地方等の実例に徴しましても、この程度施行率が適当ではなかろうかと考えております。なお国の負担額につきましては、国庫負担率決定する前でも、査定の完了いたしましたものより逐次予備金をもちまして概算交付を行なっております。  次に災害復旧費効率化恒久対策とを考慮し、原形復旧にとどまらず、関連事業の拡大について特別の措置をすることという要望に対しましては、公共土木施設災害をこうむり、災害復旧事業のみでは十分な効果が期待できない場合には、災害復旧事業に合せて公共土木施設の効用の増大をはかるための改良事業を施行することにより、初めてその十分な効果を期待できる場合が少くないのであります。従いまして災害復旧事業査定並びに実施に当りましては、原形復旧にとらわれるごとなく、機能の復旧、再度災害の防止の見地よりこれを検討いたしまして、必要なものにつきましてはできる限り災害関連事業を併用した改良的復旧を行うことに努めております。  次に災害防除に対する抜本的対策を講ずるとともに、脆弱となった堤防補強工事を早急に実施することという要望に対しましては、災害防除抜本的対策は、災害早期復旧も必要でありますが、さらに進んで治山治水事業の強力な推進をはかることにあると考えますので、建設省といたしましては去る昭和二十八年に決定いたしました治山治水基本対策にのっとり、当面の目標として治山治水事業五カ年計画を国の施策として確立し、その的確な実施をはかりたいと考えております。また災害を未然に防止するためには、堤防護岸等について日ごろの維持補修を行なっておくことが必要であることは言うを待ちませんが、このため建設省におきましても河川管理者に対し常に注意を喚起いたしているところであります。しかしながら地方財政状況やまた一面災害復旧に対する国の財政負担を軽減する意味から申しましても、これらの維持補修費用については国が積極的に助成することが必要であると考えられますので、昭和三十五年度からはぜひ実現いたしたいと考え大蔵省とも折衝中であります。  次は直轄事業補助事業を通じ工事施行が遅延し災害を増発するおそれがあるので、これが促進をはかることという要望でありますが、これに対しましては治水事業につきましてはその緊要性にかんがみ、政府においても極力これが推進に努力いたしているところでありますが、国の財政等の都合によって遅延いたしていることはまことに遺憾に存じます。また昨今の水害状況にかんがみましても、災害に先行した積極的な治山治水対策推進する必要があると考えられますので、治山治水基本方策に対する当面の目標として治水事業五カ年計画を確立し、その的確な実行を期し、これらの諸事業を一そう促進して参りたいと考えております。  次に災害救助法による応急仮設住宅に対する建設省見解いかんという御要望に対しましては、災害救助法による応急仮設住宅は、恒久的な住宅建設すなわち第二種公営住宅住宅金融公庫貸付にかかわる住宅及び民間住宅建設されるまでの応急的な住宅であります。従いまして第二種公営住宅のような本格的な建設でなくて、仮設的な住宅でありますので、その性格上日常生活に支障のない最低の規模等に限るのもやむを得ないものと考えております。  次に被災住宅復旧資金融資についての措置いかんについてお答えいたします。被災住宅復旧資金融資につきましては、住宅金融公庫による災害特別貸付を行うとともに、台風七号による被災住宅に対しましては災害復興住宅貸付も行なっております。また八月二十五、二十六日の豪雨による被災住宅につきましても、災害復興住宅貸付の適用について現在調査中であります。  次に水防費用のうち資材に関するものについては、全額国庫負担とすることという要望にお答えします。今次の台風第七号による出水時における水防活動による成果は大いに見るべきものがあり、また昨年の台風二十一号、二十二号に際して使用した水防資材費に対して助成した例もありますので、建設省といたしましてはこれら水防資材費につきましてはできるだけ助成いたしたいと考えておりますが、目下その状況について調査中でありますので、これらの調査の結果を待って、さらに検討いたしたいと考えております。  次は、災害復旧費にかかる県及び市町村負担分については、特別交付税において格別の措置をすることという要望でありますが、災害復旧事業費地方負担分につきましては、補助災害分に対しましては、元利償還金一円につき〇・九五円、単独災害分に対しましては〇・二八五円が普通交付税に見込まれておりますが、特別交付税をもって措置することにつきましては、災害復旧費のみならずその他の災害対策費等関係もあり、地方財政全般に関することでもありますので、自治庁当局とも十分相談いたして措置したいと思っております。  それから災害復旧工事に対するつなぎ融資については、必要に応じ措置することという要望であります。災害復旧工事に対するつなぎ融資につきましては、地方公共団体よりの要請に応じまして、資金運用部資金による融資についてあっせんすることといたしております。  大体以上が建設省関係に対する要望だと思っております。
  7. 田中一

    田中一君 私この際、前回委員会で御相談を申し上げた、災害を抜本的に防止するための砂防事業促進に関する決議をいたしたいと存じますが、その案文は    砂防事業促進に関する決議(案)   去る七、八月の大水害の示すところは砂防施設の完備せる河川における水害の極めて僅少なることである。   政府はこの点に深甚なる考慮を払い、新治水五ケ年計画に策定されたる砂防事業徹底的遂行を期し、予算上之具体的方途を講ずると共にこれに伴う砂防に関する機構を整備充実すべきである。   右決議する。  この理由は、前回委員会政府の数々の災害に関する報告並びにわれわれからの質疑をいたしましたが、建設大臣としてもこの砂防事業促進ということに対しては非常な熱意を示しており、ことにわれわれ当委員会としても、同僚の議員とともに砂防災害を防止するための抜本的で施策あるというような見解から、これを出したいと存ずるのであります。これに対して委員長からお計らいを願いたい。
  8. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいま田中提出砂防事業促進に関する決議案について、質疑並びに御意見がございましたら御発言を願います。
  9. 須藤五郎

    須藤五郎君 私は共産党としましてもこの決議精神には賛成をしたいと思うのです。反対する向きはないと思うのですが、この決議がいささか不備な点があるように私は思うのです。というのはこの中小河川と申しますか、準用河川砂防の問題ですね、これがやはり重大な関係があるように思うのです。ところがその点についてこの決議が触れていないように思うのです。で、結局重要河川は国の、建設省直轄でやる、ところが準用河川直轄でやらない、県がやるということになっておってその間財政の面とかいろいろな関係で不十分な面が出てくるのじゃないだろうかと思うのです。ところが準用河川砂防を完全にやっておかなければ、重要河川直轄で十分にやっても上の方から砂が流れてくれば目的を十分に達することができない。だからやはりこういう点を考慮して、準用河川砂防の面にも国が費用を出し十分な砂防をやることが必要になってくる、それでなかったら目的を達することができないのではないだろうか。こういうように私は考えるわけですけれども、その点この決議にやはり不備な点があるように私は考えます。  それからもう一つですが、山奥の方の砂防となると準用河川ダム、それから築堤の問題になるのですが、これは交通の不便とかいろいろな点であまり金がもうからないということがあって、業者もあまり入っていかないというような関係にあるわけですが、こういう点でもよほど国がほんとうに力を入れてしっかりとやらないと、結局やったことが目的を達せず、むだになってしまうというような結果が起ってくるように思います。  なお、今これは奥の方で全建労労働者諸君が一生懸命に働いているわけなんですが、その超過勤務に対する手当ども十分に払われていないような現状から見ますると、こういうことをずっと直轄でやるとなれば、全建労労働者諸君に対する過重な労働が強いられるようになってくるように思うのです。こういう点につきましても、よほど考慮していかなければ十分な目的を達することはできない。こういう点からこの決議文精神は私賛成しますが、何だか不十分な点があるように考えるのです。
  10. 田中一

    田中一君 これは須藤さん、先だっての委員会へお出にならなかったものだから、なぜこの決議案を出さなければならぬかという空気に触れられなかったから、いろいろな疑問が出ると思うのです。私が政府の代弁者的な、砂防工事に対する説明をするのはおかしな話ですけれども、私が理解していることで承知している限りにおいては、まことに砂防工事というものが不自然な形で施行されている。第一に、御承知のように、直轄砂防としては今御指摘のような国が直轄でする工事——国というのは建設省ですね。それから御承知のように、林野庁が山腹砂防として全く渓流以外の所を砂防している工事がございます。これは特別会計でやっております。と同時に今度は同じような山腹砂防民林ですか民地ですか、民地防砂等については農林省が補助砂防工事として補助金支出している。また一面中小河川等につきましては、建設省補助砂防としてやはり仕事を遂行しているというような、非常に多元的な方途砂防工事が行われているわけなんです。従ってそれらの点を一々ここで説明するのでは、とうていこの煩にたえないということと、われわれ当委員会としては建設委員会でございますから、建設大臣に向って決議を突きつけると同時に、ここにあります「砂防に関する機構を整備充実すべきである。」ということは、多元的な砂防工事の実態を一元化せよということも実は伝えようとしているわけでございます。  いまもう一つの問題としては、ダム上流砂防につきましても、むろんこれは大臣も確約しております。砂防ダムなりあるいは多目的ダムを作ったからといっても、上流砂防をおろそかにすれば当然これは埋ってしまうのです。現に昨年竣工した長野県の美和ダムにしろ今度の水害で大半埋っております。これは山本君、河川局長も御承知通りです。従って上流砂防が大事でございますから、その点は先だっての委員会でよく大臣も確約しております。  それから第三点の建設労働者に対する施策については、これまた建設大臣から、はっきりと言明を受けております。当然な命令権者から出た超勤に対しては、完全に支払いをいたしますという言質をとってございまして、それを含めた決議案として御了承願いたいのです。あまりこまかく書きますと今言う通り非常な長文なものになり、かえって目的が弱まるのではないかという考えで、実は専門員等にも知恵を借りましてこのように縮めた決議案にしたのでございます。それを一つ御了承願いたいと思うのです。
  11. 須藤五郎

    須藤五郎君 それはいいのですが、残業に対する手当なんかも今、月二十時間しか認めていないというような状態でしょう。これは半分以下ですね、実際には。それから緊急の場合のでも六十時間しか認めない。これは緊急の場合で六十時間、二日か三日徹夜すればそれで全部終ってしまう。こういうやり方であなたのおっしゃる目的を達せられるかどうか、おそらく無理だろうと思うのです。その点を政府がどう考えておるのか、私は実は聞きたいわけなんです。
  12. 田中一

    田中一君 せんだって野坂君がきてその点を質問したいというようなことを聞きましたからお待ちしておったのですが、おいでにならなかったものですから、その点は大事でございますから私から大臣に最後に十分質疑いたしまして、こういう緊急事態の場合には、命令者があるならば、その超勤等に関してはどういうワクであろうとも、定員法上の職員人事院規則なんかでやるけれども、そうでない人、常勤的非常勤常勤職員ですれ、このような方々に対しては実働によって完全に支払いをいたしますということを大臣は言明してございますから……。
  13. 須藤五郎

    須藤五郎君 そうですか。
  14. 田中一

    田中一君 速記録にとっております。これは野坂君か君がこないものだから、僕が質問したのですが、言質をとってございますから……。
  15. 須藤五郎

    須藤五郎君 そういうふうに政府が責任をもって十分するということに、はっきりしていれば了承いたします。
  16. 田中一

    田中一君 議事録にとってございますから……。
  17. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 前回委員会の際に、このような決議各派一致で御決定を願いたい、そうしてその文案は委員長におまかせいたしておったのでございますが、幸いにきわめてタイムリーにこのような決議案がきょうの委員会提出され、今田中さんから御説明をいただいて、満足するものでございます。ことにただいま須藤さんからのお話はいずれもごもっともで、これはやはりここに居並ぶすべての委員が同様の考えを持っておることは田中さんからの御説明によっても明らかであり、前回委員会における政府答弁もこれを確約しておるのでありますから、その実現に邁進せらるるよう強い希望に満ちてこの決議案決定することに私は賛成をいたします。
  18. 小平芳平

    小平芳平君 賛成です。
  19. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御発言がないようでありますから、これから本決議案に対してお諮りをいたします。  田中提出決議案を本委員会決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なししと呼ぶ者あり〕
  20. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。  なお、本決議送付先につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  ただいま決定いたしました砂防事業促進に関する決議について建設大臣より発言を求められております。
  22. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 災害防除の最も重点施策としての砂防事業を積極的に推進するため、砂防事業促進に関する決議案が当委員会におきまして満場一致で可決されました、ことは、私ども建設省におきまして新治水事業五カ年計画を策定いたしまして、これらの事業遂行によってこの年々歳々の災害を少しでも防除しようと考えておりまする私どもにとりましては、まことに機宜を得た委員会の御決議でありまして、この点建設省といたしましてもまことに感謝にたえない次第であります。われわれはこの当委員会決議の御趣旨に沿って、あくまでも砂防事業積極的推進のために大いに努力をいたしたいと、かように思っております。
  23. 内村清次

    内村清次君 ただいま砂防関係に対しまする議案を採択されましたが、私が一つ大きな相互を持っておりますることは、これはさきの委員会でも発言いたしましたように、新大臣重点政策一つとして新治水計画の五カ年計画を策定をする、この点を大きな重点政策として大臣遂行していくのだということは、これは就任当初の委員会においても発言されたのでありまして、現在もその気持でおられることは私は十分察知いたしております。ただこの前も申しましたように、現在三十三年、三十四年度のこの両年度におけるところの予算つけ工合というものは、パーセンテージにいたしましても非常に少い。特にこの砂防の問題につきまして私はるる言っておりますように、新治水計画の中におきましての砂防の地位につきましても非常に少い。これに対しては私たちは常に不満を持っておるのですが、しかし全体的に五カ年計画に対するところの予算つけ方というものが少い。だからして、あと三十五年度から三十七年度までに至る三カ年間でこの総額というものが、果して予算配賦がなされるかどうかということに対しては、これは大きな危惧を持っておるのです。たまたまきょうの新聞を見てみますると、大蔵省の方ではこの三千五百億の予算計画に対して反対であるというようなことも出ておることです。私はさきの委員会でも、一体こうやった委員会の一致した意向、あるいはまたこれはもう大臣も今回直接責任者として六号、七号台風被害地に行かれまして、そして毎年々々ああいうような惨状が国内に起っておるというような事態を見られて、たった一つ、完全にとはいわないけれどもとにかくうんと減らすように災害防除をやっていこうというような熱意があるとするならば、また岸内閣、また従来の自民党内閣の責任とするならば、これをどうしても一つ国民のために防除していこうという熱意があるならば、私たちはこの根本原因というものはどこにあるかという点が一番焦点の的であったわけでございまするけれども、はしなくも大蔵省というものの非常にこういった事態に対する冷淡な態度がはっきり出てきたわけです。だから私はそのときに大臣に、感想を一つ言って下さい、どこに障害があるか、もし障害があるとするならば、委員会もこれは超党派的に一つその点に対しては協力しましょうと言いましたけれども、その点を御説明にならない。たまたまきょうの新聞には大蔵省は反対の態度である、しかもこれは災害の起りました直後ですよ、直後のこういった切迫した国民感情の中にこういった態度で推移されておるというような状態は、どうしても私たちは岸内閣の治水対策に対する熱意の点を疑うわけです。そこで大臣は先ほどの知事会の回答にも、新治水五カ年計画推進していくのだ、みんな御答弁はその点に集中されているわけですね、その点が各省間の、しかもまた予算を握っておるところの大蔵省のこういった認識の不足した状態があるとするならば、これをどうやって大臣は打開していかれるかという点を一つ大臣のはっきりした御答弁をして、その上において委員会がこうやって決議をやっておりますし、今後の行動のうちにおきまして十分協力態勢をとりますから、一つ大臣はどういう決意でいかれるか、新聞には出ておりまするけれども、これは御心配要りません、実際はこういう状態でありますということの具体的なお話があるとすればけっこうだと思うのですが、決意を一つ十分述べていただきたいと思うのであります。
  24. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 大蔵省は大蔵省として大蔵省なりの考え方が新聞に出ているのであります。しかし、大蔵省と事務的ないろいろな交渉は今日まで続けて参りましたが、まだ一致点を見出しておりません。従って明日閣議後治水事業に対する閣僚懇談会を開いて、そこで初めて正式な交渉に入ると思います。これに対しましては事務当局もそれぞれ重要な必要な人はみな集まりまして、そこで各関係閣僚が集まっての協議に移るのでありますから、これからが本格的な交渉になるのであります。  私といたしましては、われわれの策定いたしておりますものはこれは絶対に不可欠のものでありまして、あくまでも建設省の原案を主張して参る所存であります。大蔵省の考え方について私はいろいろと批判をすることは今日の場合は避けたいと思います。いよいよ明日から本格的な交渉に入りますので、私も相当決意をいたして交渉するつもりでございますから、何とぞ御了承を願います。
  25. 田中一

    田中一君 今の内村君の質問に対する御答弁、それでけっこうでございます。そうしますと、新治水五カ年計画の各工事別の配分というものはこれはお守りになるつもりでございますね、むろん。もう今度は三年目になりますけれども、いつも砂防工事だけが比率が低いのです。で、他のダムなり河川なりは伸びておりますけれどもいつも砂防工事だけが低いのです。これは一つ現存策定されている新五カ年計画、これをこの比率で全部の工事を進めていくのだということは約束できますか。
  26. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはもう十分体験済みでありますので、約束できます。
  27. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 今お二人の御質問に対しまして、大臣の御答弁で満足するものでございまするが、ここに特に予算上これが具体的方途を講ずるということが書いてありまするゆえんのものは、前大臣も非常な熱意をもってこれに向われたけれども、なかなか各方面の意見があってなかなか一致を見ないので当局の熱意は燃えるがごときものがありましても、つい実際問題として予算を獲得する場合にはごとに削減せられて今日に至ったというのが事実でございます。これを憂うる私どもは、今度こそ大臣の熱意をどうあっても具現するためには、われわれも一団となって一つ御協力を申し上げなければならぬ。またこれはひとりこの委員会だけではない、年々見舞われる災害から国民のこうむる国民の莫大の損害を見るにつけましては、おそらく全議員が一致してこれに協力することを疑わない。ただ、協力する熱意は持っておりましても具体的に進まないことにはどうにもならない。そこで具体的というにはどういうお考えをお持ちになるか。熱意で従来通りどんどん進むというだけであるのか、すなわち年々の予算獲得に同じ努力を繰り返すというのかあるいは特別会計のようなものを持ちまして、その計画遂行に必要な費用はこれを借入金でまかなうというようなことにでもしていただきまするならば、かりに現大臣のような熱意に満ちた大臣が二年三年後に去られても、この必要性はそれを保持継続して実行に移すことができる。従って今日こそあげて、その熱意を持っている議員の間にもまた当局においてもそうであるのだから、この際こそぜひ一つこの実行に対して将来かりに大臣がかわられても心配のない程度にまで具体的な御配慮を具現せらるるよう、それがためにはその具体的方途はどういうふうにお考えいただけばいいのか。われわれも納得のいく方途に対しましてはなお引き続き全力を傾けてこの実現を期したい、こう考えるからでございます。  さらにまた、砂防に関する機構整備と書いてございますが、これは現に伺うところによると、建設省内だけでも大学を卒業しまして多年にわたって実地の経験を重ねた有能な技術者が百数十名ある。にもかかわらずその機構は最高を課だけにとどめてありますものですから、どうも有能の士をして十二分にその能力を発揮せしむるには機構上不足であるようである。これがためにあるいは局の設置を提唱する者もある、さきに初代建設大臣一松氏のときもこれを計画されたと聞く、また少くとも部を設けろという者もある、いろいろあるようでございまするが、とにかく現状では不満足である、機構の細目にわたりどこまでどうしろということをわれわれの方で申し上げるのではありませんが、この現状の機構では満足ができない。年々新たに数名にわたる専門技術者をも受け入れられておるようでございまするから、人材はすでに省内に満ちている。その人材を十二分に働かせる機構の点において一つ十分にお考えをいただきたいというのが私の要望精神であります。これらに対してどのようなお考えでございまするか。
  28. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいまの治水事業に対する来年度からの予算につきましての御配意の点が、私どもといたしましては一般会計でわれわれの要望を満たすことができれば、これが最も好ましいところでありますが、万一一般会計においてその要求がいれられない場合には何とかして、これは相手方のあることではありますけれども特別会計を設けてこれによってこの目的を達成いたしたい、かように思っておる次第であります。  それから機構の問題につきましては、これは従来ずっと研究もいたしておりますので、今直ちにここで結論は申し上げられませんが、でき得る限り御意見に沿ったようなことを考えて参りたいと思っております。  なおこれは余談でありますけれども砂防関係につきましては相当人員の増加を要求いたしておりますので、この点あわせてお答えをいたしておきます。   —————————————
  29. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それではこれから道路に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  30. 田中清一

    田中清一君 このさきの二月に国土開発縦貫自動車道建設審議会を開きましたときに、さきの建設大臣遠藤さんは、来たるべき通常国会には必ず基本計画を定める法律案を国会に出すということを言明なさいましたので、私どもはそれを非常に楽しみにしておるわけであります。それらに対しましてもう一度、私はその後ここに参議院議員として出て参りましたので、もう一ぺん今度の建設大臣にそれを伺っておきたいと思うのでございます。
  31. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 私から御答弁申し上げます。よろしゅうございましょうか。
  32. 田中清一

    田中清一君 どうぞ。
  33. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 田中委員の御質問でございますが、基本計画ではなくて予定路線のことかと存じますが、もしそういう予定路線のことだといたしますと、ただいま私どもはその準備をいたしておるわけであります。
  34. 田中清一

    田中清一君 それはまことに不思議なことを聞くもので、われわれはあれだけのたくさんの人がみな寄ってたかって基本計画決定する法律案を出すということがありまして、速記録にもそれが残っておるので、私どもはそれを信じておるわけであります。もしお忘れになったのなら速記録通りにしていただければよろしいと、こういうことであります。それで、その次にくるものが整備計画でございますから、その整備計画に対しての何か御考慮はございませんか。
  35. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 法律に定めておるところによります。と、予定路線をまずきめましてそれから基本計画、整備計画というふうに相なっておると存じますが、従いまして私どもといたしましては、その先の基本計画、整備計画等も逐次まとまっていくようにただいま調査をいたしておるのでございます。
  36. 田中清一

    田中清一君 この先の小牧—吹田間、吹田—西宮間をやるときには、これはその委員会と同時にこれをやっていったので、私はそう申し上げるのですが、それは別にその二つに分けてやらなきゃならぬということはないでしょう。たとえばインターチェンジとかいうものを作るのに一つ一つ基本計画だけでいきましてはできなかったのでございまして、そのときは今の道路局長はおいでにならなかった。富樫道路局長がやっておられたときでございますから、あるいはそういうことを御存じないかもしれませんが、そういうことになっておったのでございます。一ぺんにやっていかなきゃそれはやれぬということがはっきりしておりますから、基本計画を立てれば必ず総理大臣地方の利害関係のある方にそれを通るからいいか悪いかということを、直ちに通達しなきゃならぬように法律がなっておりまするために、そのインターチェンジ等のところをきめなければならぬ、それをきめるのには整備にも入っていかなきゃならないのでそういうことになったわけです。だからそういうことを今ここで確実に御答弁下さるということに参らなければ、いずれまた別の委員会にも御出席になると思いますから、それをお尋ねしてそして御答弁を得たいと、こう思うわけでございます。  それから先だって私は名神間と申しますか、それを稲浦先生とともに視察をさせていただいたときに、おもに京都から西を神戸までの間を視察したのですが、その当時見ますると、橋は一本ずつしかかけるような何になっておらぬのを私は見てきたわけですが、あれは四車線になるのですか。あの橋一本ではどうにも通れそうもない、どうも技術的に。それはどういうわけですか。一つお答えをいただきたい。
  37. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 名神間のただいま実施いたしております高速自動車道路工事は将来計画と申しますか、全体計画では四車線でずっと通すと、こういう考えでおるわけでございますが、とりあえずのところ非常に金がかかりますものですから、長大橋につきましては二車線でとにかく少しでも早く間に合わしていこうということで、これは整備計画の方でもそういうふうに相なっておるわけであります。
  38. 田中清一

    田中清一君 そういたしますと昭和三十二年の八月のときに、われわれがきめましたときの予算ですね、すなわち七百九十一億幾ら、ちょっとこまかい数字を覚えておりませんが、そのものは橋を一本かけてかかるという計算でそれをお出しになったのか、それを全部橋にもトンネルにも一切して、これが四車線に共用するようにすべてを通算したのがそれだけかかるということをおっしゃったのか。私はそれに対してそのときの速記録だけはまだ入手しておりませんからそのなにはないのですが、どちらでございますか。
  39. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) まあ昔のことで私直接関係いたした次第でございませんものですから、大へん御説明が足りなくて恐縮でございますが、当時整備計画を作りましたときには、先ほども申し上げますように、とりあえず使いものになるようにと、こういう考えであったようでございます。そして三十七年度にはとにかく共用を開始させる、そしてこのときこういうことが書いてあります。「長大橋及び長大トンネルの一部については交通に支障のない限り、さしあたり二車線の完成をもって共用を開始し、交通量の増加に応じ残りの二車線分を完成するものとする。」こういうふうに相なっておりまして、従ってまあ橋と申しましてもいろいろ長し短かしございますから、小さいやつはそんなこといたしませんが、金のかかる大きいやつはそういうふうにいたしまして、とりあえず一つ交通に役に立つようにいたそう、こういうことに相なって、ただいまその方針工事促進をやっておる次第であります。
  40. 田中清一

    田中清一君 そうしますと今七百九十一億という予算というものは、二本にするのか一本にするのか、四車線にするのかというほどのことはちょっとお答えができないということですね。それではよくお調べになって一つこの次にでも……。  それからその先の昭和三十二年の七月の何日でしたか、そのときに濃尾平野において非常に農地を買収することがむずかしかろうということを私は心配いたしまして、そして種々の路線系を設けまして、そして最も合理的な路線を選んで、そうして縦貫自動車道建設法というものでそのルートをやることになる、これは大体その了解で法律が成立したのであります。それで私はそのことを十分に申し上げて、日本の農耕地は農民にとっては命の綱でありますから、どうか根本建設大臣は日本における農政の大家であらせられると聞いて知っておりますから、どうか国民、ことに農民が困らないようにくれぐれも御考慮をお願い申し上げますということを特にお頼みしたのです。ところがそこに御出席になっておりましたわれわれ同僚の委員である岸道路公団総裁は、濃尾平野においては、もうすでに道路公団において杭打ちをしておるから、その付近はもう農民は買われるものと覚悟しておりますから、その点は御安心をということをおっしゃいまして、それは速記録に残っておるのであります。しかしながら濃尾平野において私ども今まで調べたところにおいては、ほとんど一坪もそれが買ってないのであります。私どもの見るところによっては、その後も毎年多大の予算をお持ちになってやっていらっしゃることは御承知通りでありますから、そうすると、そのときの岸道路公団総裁のおっしゃったことは架空のことをおっしゃったということになるのじゃないでしょうか。ことに私のところへ各地の農民その他市町村からどうなるでございましょうという手紙がひんぴんと参っておりますので、私どもはそれに対して返事のしてやりようもないので逃げ隠れておるわけでございます。どうか一つその点をきょうは井尻総裁がおいでになっておりますから御答弁をお願いいたします。
  41. 井尻芳郎

    参考人井尻芳郎君) お答え申し上げます。ただいまの御質問でございまするが、実は御承知通りに名神高速道路が小牧から西ノ宮にかけて百八十八キロの長い間を一斉に仕事に着手いたしておりますが、ただ工事を進めまする第一次段階といたしましては、尼ケ崎と栗東との間を今全力を注いでやっております。この間の用地はだいぶ買収になっておりまするが、自余の点につきましてはまだいろいろお願いに上りまして、相当の御了解は得ておりまするけれども、買収までに至らない所も多々あるのでございます。御質問のところ、いわゆるわれわれの方では愛岐建設所管内と申しておりまするが、ちょっとその用地の問題になりますと、この愛岐のあれが今技術測量の済みました分が八三%、これはもう測量が済んでおります。これすらもなかなか立ち入りができませんでしたけれども、全員非常な努力によりましてまた御了解を得まして八三%まで測量をいたしております。ただし大垣その他におきましてはなかなか進捗いたしておりません。従いまして、今の問題は現実におきましては幾分用地の買収には着手いたしておりまするが、第一次段階で今申しました尼ケ崎、栗東が漸次進むに従いまして自余の点につきましては相当工事を進めることができるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  42. 田中清一

    田中清一君 そうしますると、相当濃尾平町においてはその農地という問題が私の杞憂したごとく、不幸にしてなかなか容易なこっちゃないということは察せられるわけです。衝に当っていらっしゃる副総裁がおっしゃるのですからこれは確かでございましょう。ときに私はさきに建設省、まあ道路公団がおやりになるでしょうが、この御選定をなさった路線がそういう問題を惹起するような所へ無理に割り込んでいっていらっしゃるという感じがわれわれはするのであります。なぜかと申しますと、濃尾平野においては輪中と申しまして、そうしてポンプ・アップして川へ出さなければならない、天井川になっておりまして、今路線を選定なさった所は、私どもで調べますと海抜五メーターというような低い所を通っているのです。それでアメリカのハイウェイ・リサーチ・ボードの友人からもいろいろ私にどうなった、どうなったといって照会してくるのでございます。いろいろそれらに対しても今まであり来たったことを申し送っておるというわけでございまして、様子は少しはわかるのでございますが、さきに世界銀行から派遣された技術者が来まして、今日建設省で御選定なさった路線は非常に地盤が悪くて、そうしてとうてい五十トンもの車を通すべくハイウェイを作るような地面ではない。そういった地面にそういった計画をしたためしもなければ、作ったためしもない。しいてやられるならば現在ある道路を少くとも八メーターくらい取ってしまって、そうしてさらに最も上等の土をほかから持ってきて、そうしてそれを埋めて、それをまたしかるべき程度の地固めをやりまして、それで可能であろうかどうかというと、それさえも危ぶまれる、こういうことを言っていることも私は知っておるのです。また日本の有力な新聞にもそれは出ております。そういうわけでありますから、無理にそういった地盤の弱い所をあの長い距離の間なさる必要はなかろうと思います。のみならず今度のこれは私は六号と書きましたけれども、七号であったと思いますが、今度の台風によりましてこの上江月からルートを選ばれたちょうど牧田川にかけまして上江月、浅草中、浅草東、本荘、十連坊、それから竹鼻町の羽島市、これの南はほとんどこれはそういった工事をするには耐えない所でありまして、ほんとうにそんなものをまじめに作っていこうというようなことを考えられない所なんです。それですからそういったような今度の水害のはなはだしいときには、これは大垣の工業学校の先生が見取図を今度作ってくれましたが、私も行って見てきましたが、はなはだしいのは地面から五メーター以上も水が上っていまだに引かないような所でございます。で元来、この私がそこに皆様のお手元に配布しましたこの一番最後の図面でごらん下さればわかりますが、このプランを私が始めましてから、社会党にはその当時右派も左派もありました当時、そこらずっと私はお話に参りました。また保守党の方にも自由党もあり民主党もありましてずっと話にいって了解を得て引いた線がこの上の線でありまして、そうしてこれらにおいてみんな岐阜の人も大垣の人も一ノ宮の方々も山牧の人もみんなこれで非常にけっこうだということで、これが何ら支障もなく国会を通過して法律になっておるのです。無理に竹鼻のところにおいて、今羽島市と申します、その町からして、その付近において上の線と下の線とでは六キロも距たっておる。御承知のように川は下流へくるほど地盤が悪くなってくる、これは三つ子でもわかるようなことです。それを無理にこれを下げて、そうして地盤の弱い所をこれをお通しになろうとするその御意図は、一体どういうわけでこれをなさるかということを一つ、ほんとうは建設大臣にこれをお聞きしたいのですが、建設大臣はいらっしゃいませんので、できれは次官に一つお答え願いたいと思います。
  43. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) お答え申し上げます。私ども実は田中委員からのただいまの路線に関しまする御意見は初めて実は伺ったわけでございまして、まことに恐縮に存じているわけでございます。私どもといたしましては、現在予定いたしておりまする路線につきまして、整備計画等の際にも審議会にお諮りをいたしましてきめておりまするので、その他のただいまの路線上のことにつきましては、次は初めてのことでございまして恐縮しているわけでございますが、経過の詳細につきましては道路局長から一つ申し上げたいと思います。
  44. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) ただいま田中委員からお話ございました、また御配布いただきました図面でただいま私ども考えておりますと、かなり違う路線を御推奨になっているようでございますが、そうした路線が地元の皆さん方の御賛同を得ておるということを伺うのは私初めてでございます。  実は申すまでもございませんが、こうした重要問題でございますので、この道路がどこを通るかということを考えておりました当初においては、いろいろの考え方はそれはございました。また地元の御陳情もございましたわけでございます。私どもといたしましては、それらを数年研究いたしました結果、ただいまここにちようだいいたしました図面で建設省案と書いてある、これが大体間違いないようでございますが、この路線が非常に条件はよくはない、いろいろまずい点はございますが、選択する場合にはまあまあこの路線が一番よかろう、こういう結論になりまして、この本計画を御審議いただきました審議会におきましても、整備計画御検討の折に参考資料ではございますが、五万分の一の図面を出してその中にこの計画路線を書き入れまして、詳しく御説明いたしまして、その整備計画決定の際に御承認を得てあるものでございます。従いまして私どもといたしましては、現在のところこの路線を変更するというような考えは聞いてもおりませんし、持ってもおらないわけでございます。しかしながら、今次の災害状況考えますと、この付近は非常に災害の影響を受けておりますので、このことは工事実施に対しまして十分考えなければならない。つまりこの路線を通るにいたしましても水抜き等の配置、それからまたこの道路そのものがそうした水で被害を受けて交通が杜絶しないような配慮、そうした計画設計上におきましては今次の出水状況ども二つ詳しく資料を集めまして検討をする材料にいたしたい、こういうふうに考えております。
  45. 田中清一

    田中清一君 実は道路局長さんはその当時はこれに御関係がなかったものでありますから、それだから特に先の道路局長であられた富樫さんに来ていただいて、そうしてまたこの道路公団の岸総裁にもおでましを願うように電話して、今回三回延ばされて私はきておるわけであります。それにつきましても、この愛知県を初め、これは大へんなたくさんの方々の意見というものは、これにほとんど反対というものがほとんど三千名になんなんとする人が意見をよこしておるわけです。羽島市上中町、平松光雄外百七十三名、岐阜県安八郡安八村、金森定一外百三十八名、大垣市長外、大垣市国土開発縦貫道対策委員会委員高橋慶吉外三十三名、大垣市内俵町、浅野一之進外百三十八名、岐阜県養老町、近藤宮蔵外千七名、まだそのほかにも小さいのがたくさんございますけれども、これだけのたくさんの人が反対をしておる所へ無理に、そうして条件の最も悪い所へ、そこに私が出しました参考の文面のように木曾川、長良川、揖斐川、それに加えるにそれから分れる小枝の川、それからまたこの牧田川ですね、この建設省ではもう内務省時代からこの牧田川なんという川は、私は相当岐阜県に関係ありまして、全部知っておるのですけれども、そういうような荒れてしょっちゅうその付近の国民といいますかね、岐阜県民にあの苦労をかけておるところのあの狭い谷間へ無理になさらなくても、私が選定したというとこれは大へんなんですけれども、これは皆さん衆議院議員四百三十名が署名されてくれたのでこれは通った。国会の権威においてもこれは守らなければならぬ線を無理に下の方に下げて、だから私はここにその当時に少数意見を留保しているのです。私は賛成しないのです。昭和三十二年六月十一日の審議会において私は賛成しておりません。これは総理大臣に出しまして各委員は全部その他皆公知の事実なんです、少数意見。それほどに私が不賛成で三回ほど審議会を、まあ大きく言えばつぶしてしまったのです。つぶすということはないけれども審議がどうしてもできない。今日の水害とそれから地盤の弱いことと、和住というところですが、とうてい通れないのだといってそこではたくさん血を見ておるところですから、どうかそういうような危険な所にいかないように、地盤の固いところの皆が歓迎する、なぜ歓迎するかと申せば上の線は岐阜市へ非常に近くなるのです。それも岐阜市ばかりじゃありませんから、あちらは。大垣にも非常にこれが近くなるのです、私の方の線で、それで岐阜市はあの長良川も揖斐川もあります。それから方々山県郡もあれば、本巣郡もあれば武儀郡もあれば、郡上郡もある。高山までの間あそこは物資も人も非常に寄ってくるところですから、今じゃなくても将来これは岐阜市で勝手に作るような場合にはインターチェンジを一つつけてやった方が国家経済のためにいいということを私はここで主張して……。ことに岐阜県には長良川の鵜飼いというようなおそらく世界にも少いような観光資源がある。そうして諸外国の貴顕紳士が来まして日本に金を落してくれる。そうして遠いところのインターチェンジまで、今のような道をくねくねとしたまるで洗濯板みたいなところを行って土を引っかけられたら、せっかくいい気分になっているものをこわしてしまうから、どうかこの線にして下さい。多少尾張一ノ宮の南と北になりますから、ちょうど、佐藤さんも御存じだろうと思うのです。あそこの馬寄せ、福束というところでちょうど二十二号線が鉄道を越えておる。ちょうどあれを利用して、野っ原の五万坪くらいありましょう。インターチェンジできるところがあります。それでそこを調べて作るように私は主張して、私は何べんも一ノ宮にとまらぬ汽車で通ってみると、その馬寄せと現在のところのおやりになろうというインターチェンジは四分ある、一ノ宮にとまらぬ汽車で。ですから、それだけのものを速い自動車で行くということは何ほどのことでもないわけでございましょう。それと小牧とに作れば小牧の方は東京へ来る方の人がよく入り込むし、一ノ宮の馬寄せのところではこれは西の方へ行く人は使ってちっとも差しつかえない。こういうような意見もそのときるる述べまして速記録に残っております。そういうことでありましたので私はここでも特に今回のそういう水害など、災いなど起るとは思っておりませんけれども、こういった水害が起っては国民は困る。しかも農民が非常にむずかしい所は——今道路局長がおっしゃったが、今後もそういったことは考慮してこれをよりよくしていこうという考えであるということで私は満足しましたが、どうか一つそういうことをよく考えて実際農民が自分の農耕地を二つに分断されまして、そしてインターチェンジまでいくかどこかの暗渠でも通らなければ自分のたんぼへ行けないようになるということは、非常になんですから、そればかりではない。村を混乱することもありましょうしいろいろなことがあるからそういったことを特に御考慮されて国利民福ならば少しくらいなことはがまんして、そしてやっていただくように今後ともこれをお願い申し上げたいというわけでございます。どうか一つくれぐれもこういうことについては今後もたくさんあることだと思いますから、特に申し上げて御参考に供する次第でございます。
  46. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは別段御質問がないようでございますから、次の議題に移りたいと思います。   —————————————
  47. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 住宅に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  出席者参考人として総裁狭間茂君、副総裁渡辺喜久造君、理事渋江操一君、同じく吉田安三郎君、同じく今泉兼寛君、同じく武藤文雄君が出席しております。
  48. 田中一

    田中一君 最初に伺いたいのは、政務次官に伺いますが、行管の甲第六十号で五月七日に建設大臣あてで行政管理庁長官から、日本住宅公団業務運営調査結果について、公団監督行政監査の意見書が出ておることは御承知と存じますけれども、この全文に対して昭和三十四年の六月三十日までに回答をくれという要求が出ております。従って政府からはどういう回答をしたか、その全文を資料として直ちに当委員会に御提出を願いたい。
  49. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) ただいま田中委員から御要求になりました資料につきましては、お差し上げして差しつかえないのでございますが、ただいまお差し上げできる部数がございますかどうかちょっと調べてみなければなりませんが、今調べさせておりますから……。
  50. 田中一

    田中一君 それではそれがくるまでに答弁書を読み上げていただきたい。
  51. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) それでは住宅局長から朗読させます。
  52. 稗田治

    説明員(稗田治君) それでは    一 組織等について   1 監事制度の強化について   監事の業務執行については、従来各四半期ごとに定期監査を行うなどその実績顕著と認められるが、なお監査事務の処理並びに監査結果に基く改善事項の実施推進については、一そう実効をあげるよう今後規定の整備についても検討したい。   2 各種審議会等の運営の適正化について   公団内部の各種審議会の運営については、審議会資料及び審議方法等において改善の余地があると認められるので、その適正化について十分検討させるようにしたい。   なお、土地等評価審議会に外部者を参加させることについては十分検討したが、当面精通者の鑑定または意見を審議資料に加える等の方法によって勧告の趣旨にそうようにさせたい。   3 管理機構の整備について   管理機構については、管理対象の漸増に伴い、その整備拡充が必要とされていたので、かねてから公団において研究を進めていたところであるが、このほど成案を得たので近く実施の運びとなっている。   なお、東京、関東両支所の管轄区域については将来の課題として総合的に検討させたい。   4 支所に対する権限の委譲について   支所長に対する権限の委任については、従来とも実施してきているが、業務内容を十分検討の上勧告の趣旨の通りつとめて維持して行うようさせたい。    二 財務及び会計について   1 資金の調達及び運用の改善について  資金の効率的使用については、従来当省からも勧告の趣旨と同一の観念から公団に対し指導を加えてきたところであるが、今回の勧告を契機とし、一段と資金統制を強化し、もって運用効率の改善に努力するよう指導の徹底をはかりたい。   2 事業に付帯する事務費支出の適正化について 公団設立当初の三十—三十一年度においては、用地の取得困難の事情から事業全般の進捗がおくれがちであったため、事務費の支出事業費のそれに比し不均衡となったことは御指摘の通りである。しかしながら、三十三年度予算から用地の手持量も漸次増加し、事業の進捗度もいちじるしく好転してきたので、現在事業費の支出率とこれに付帯する事務費の支出率との間に顕著な差異は見られないが、なお一段と事業の進捗度を高めることにより、両経費支出面の均衡化につとめるよう指導したい。   3 決算処理の適正化及び原価計算制度実施について   決算がいわゆる明瞭性の原則にのっとって明白かつ公正に表示されねばならないことは言を待たないところであるが、公企業体としての実費主義的性格にかんがみ、収益並びに損失の期間的調整を考慮する必要があり、また諸引当金の引当率についても実績不足のため確定し得なかったことなどの理由によって複雑な処理を行うに至ったものである。今後においては決算事務処理を定式化し、できる限り明確な表現をはかるよう措置させたい。   原価計算制度については、かねてから当省においても同様の趣旨に基いてその確立を勧奨してきたところであるが、公団側においてこのほど成案を得たので、昭和三十四年度から統一的に実施する運びとなっている。   4 退職手当関係規定の整備について   役職員に対する退職手当の支給基準については目下審議中であって近く制定の見込みである。   なお、すでに退職した者に対しては、役員については退職のつど、職員については昭和三十三年七月(それ以降の退職者については退職のつど)暫定措置として概算額を支払いずみである。   役員と職員との支給基準上の取り扱いについては、他の類似企業体との関連もあるが、極力勧告の趣旨に沿うよう努力させたい。   5 その他会計処理の適正化について   会計事務の処理に当っては、今後極力正確妥当を期するようさせたい。    三 住宅建設事業について   1 住宅建設事業計画と実績について   (1) 事業計画戸数の重点配分について  賃貸住宅と分譲住宅との戸数配分については、賃貸住宅計画戸数を逐年増加し、現にこれに重点を指向しているものであるが、今後においても一般の需要動向等を考慮しつつ賃貸住宅を中心とした供給を推進するようにしたい。また市街地施設については、三十四年度においては予算が相当増額されたので一そう積極的にその建設推進する方針である。   (2) 事業計画変更措置の的確化について  今後は勧告の趣旨に沿い、明確な措置をとるようにさせたい。   (3) 住宅規模番組化の是正について   賃貸住宅の一戸当り建設予算上単価と実施単価との間に大差のあることに伴い、建設住宅の規模が計画平均規模を若干下回っておることについては、予算単価の合理化をはかり、計画規模の達成を実現するようにさせたい。なお、小規模住宅建設するについては、需要実態に即応し、供給住宅の多様化をはかるというねらいもあるので、この点を了解されたい。特定分譲住宅については譲受人側の要望もあり、ある程度やむを得ないと思われるが、なお勧告の趣旨に留意の上、今後の実施に当るようにさせたい。   2 住宅の直接建設費について   (1) 住宅建設予算の過不足に対する措置の明確化について   鋼材価格及び地価の高騰によって生じた三十—三十一年度の賃貸住宅建設予算超過額約一億五千万円は、おおむね三十三年度までに調整し解消した。   なお、分譲住宅建設予算について生じた余裕については緊要と認められる事項にこれを指向し、所与の資金の活用を図っている次第である。   未契約概算額については、実情を検討の上、今後実施額との開差を少くするよう努力させたい。   (2) 工事請負業者に対する鋼材交付方式の検討について  鋼材支給の方法については、本年度から無償支給に改め実施中であるが、交付方式自体についても今後十分検討させたい。   3 住宅用地の取得について   (1) 用地取得の事前措置の適確化について   設立当初において事務不慣れのため、若干不適当な事例を残したが、現在は、相当慎重な態度で事前調査を行なった上、取得している。当省としては、今後ともますます事前措置の適確化を推進させる方針である。   (2) 農地転用手続の簡素化について   この点については、機会あるごとに農林省に対し、要望してきたところであるが、公団住宅公共性にかんがみ、農林当局においても漸次協力的な態度をとりつつある。しかしながら、農地転用許可事務の迅速化の面においては、なお、必ずしも十分ではないので、その改善の具体策につき農林当局と協議中である。   (3) 一団地住宅経営の手続の簡素化について   都市計画法上の事務処理の迅速化については、かねてから地方庁に対し、注意を与えているところであるが、なお、今後ともその徹底に努めたい。   経由機関の簡素化等制度の改訂を行うことは法律改正を必要とし、また、他の公団等との取扱上の均衡もあり慎重を要するので、将来の課題として十分研究したい。   (4) 用地取得方法の改善について   公団の用地取得については、従来からできる限り、地主もしくは地主代表との直接交渉または地方公共団体のあっせんによることとしているが、さらにその徹底を図るよう指導したい。   不動産業者等が介入する場合においては、地主の正当な利益を保護するため、契約時及び代金支払時に地主の立会を求めることや総面積、個別面積、総価額及び平均単価等の通知を行う等の所要の改善はすでに措置済みであるが、なお一そうその励行確保を図るようにさせたい。   価格の決定にあっては、従来の価格審議方法をさらに強化するとともに、精通者に鑑定を依頼する等によって、一層慎重を期するようにさせたい。   4 住宅建設事業の施工について   (1) 団地工事促進について  創立当初においては、指摘のような傾向があったが三十二年度以降においては、体制も整い、施工条件及び当初設計等の面で大幅な改善を見、工期の設定の合理化等工事計画推進がなされているが、今後なお一段と努力を重ね、能率的に促進をはかるようにさせたい。工事請負業者の選定については、今後とも一そう適正を期するよう指導したい。   (2) 特定分譲住宅工事の公団直轄契約の適正化について  設立当初の事務不慣れのため、不手際な処理を行なったものとみられるが、今後は一そう慎重な業者選定を行い、このような事例を繰り返すことのないようにしたい。   5 施設建設事業予算措置の合理化について   市街地施設建設については、年年増強してきたが、今後ともその拡充強化を図りたい。また、学校施設建設については、昭和三十四年度から別途予算措置を行なっている。    四、住宅の管理について   1 賃貸住宅の管理について   (1) 管理方式の改善について   住宅の大量管理は前例もなく、管理方式において適切でなかった点もあったが漸次実績も明らかとなったので、現在公団において、管理機構の改訂と関連して、管理方式全般にわたり検討を行い、一部について成案を得たので近く実施の見込みである。指摘にかかる管理職員制度、共益費使用基準、単身者住宅及び店舗等の管理方式についても、実態に添い、合理化を行う見込みである。空家による調定不能率については極力その引き下げに努力させたい。   (2) 家賃について   ア、家賃算定基準等の検討について   家賃算定の基礎となっている未契約額及び改修整備費については、極力実施額との間に開差を生じないよう計上額の適正化並びに残工事の早期実施を図ることとし、また、建設利息、損害保険料及び諸引当金の積算率については実績その他を考慮しつつ、再検討することとさせたい。   なお、借入金優先償還方式については、かねてから研究を重ねてきたところであるが、資金事情その他の客観情勢とにらみ合せて、その採用について十分検討したい。   イ、家賃調整方式の検討について   家賃の調整については、極力調整残を生じないよう措置させたい。なお、端数調整については、これを合理化するようにさせたい。   ウ、固定資産税(都市計画税を含む。)相当額の処理について家賃に含まれる公租公課相当額は、公団が負担する経費見込額の一項目であって、課税時期の前後による実際負担額とは必ずしも一致するものではないと思われるが、かりに差額を生じた場合は、将来の税負担の増加に対する引当を考慮する等入居者の利益となるよう措置させたい。   (3) 修繕費の適正処理について   修繕費の支弁については、管理業務開始の当初には指摘のような事例もあったが、現状はおおむね改善されつつあり、今後とも処理の適正を徹底させたい。   (4) 賃貸住宅に対する固定資産税の賦課の均衡化について   勧告の趣旨に添い、自治庁、大蔵省等の協力を得てその実現をはかるようにしたい。   2 普通分譲住宅の管理について   (1) 譲渡対価調整基準の制定について   三十三年度以降普通分譲住宅建設戸数は少いので、あらためて調整基準を制定するまでもないと思われるが、今後は団地間の調整は、可及的に避ける方針である。   (2) 改修整備費及び未契約額について   普通分譲住宅に含まれる改修整備費については、今後廃止するようにさせたい。未契約額についても極力これを少くするよう計上額の適正及び実施促進をはかるよう努力させたい。なお、いわゆる精算方式については、研究課題として十分検討したい。   五、特定分譲住宅の管理について   (一) 委託業務処理の適正化について   申し込み、審査並びに工事管理の委託に関し、指摘のような不的確な事例を生じていることは事実であり、当省からもたびたびこのことを注意している次第であって、委託先の選定方法、委託条件、監督基準及び委託料の支払いについては、慎重に再検討するよう公団を指導したい。   (二) 特定分譲住宅の設計の適正化について   持ち込み設計及び委託設計の審査の徹底については、しばしば当省からも注意を促しているところであるが、なお一そう審査の適正化をはかるよう指導したい。なお、地方の実情に即した設計については、すでに北海道、北陸地方等に向くものを準備しており、今後一そう拡充させたい。   (三) 割賦金収納率の向上について   この点についても、かねてから、その強化向上をはかるよう指導を加えているところであるが、審査の徹底及び収納方式の改善等によって、勧告の趣旨に沿うようにさせたい。   (四) 住宅引き渡し後の実態把握と適正使用の確保について   管理人員上の制約もあり、また対象が各地に散在するため、完璧な把握ないし確保は至難であるが、事前指導の強化等によって、譲受人に合目的的に使用させるよう取り計わせるとともに、不適当な使用事例については、厳重な措置をとるようにさせたい。    六、公団に対する監督について   勧告の趣旨にのっとって十分検討したい。   以上でございます。
  53. 田中一

    田中一君 これを資料としてお出し願えますか、早速。
  54. 稗田治

    説明員(稗田治君) ただいま読み上げましたのは十部ぐらいしか余部がないそうでございますから、二、三日御猶予願えればそろえましてお届けいたします。
  55. 田中一

    田中一君 この行政管理庁の勧告についての政府答弁書を伺いましたけれども住宅公団としては、むろんこの答弁書の内容というものは公団との話し合いのもとに行われたものと思いますから、公団としての意見も、政府答弁も同じだというように解釈してよろしゅうございますか。
  56. 狭間茂

    参考人狭間茂君) お述べになった通りでございます。
  57. 田中一

    田中一君 住宅公団の設立に対しては党としては当初反対しております。しかし現在数万戸の住宅建設したという実態からみてむろんこれは認めなければならぬということにいたしておりますけれども、まあそもそも住宅公団としては、設立当初の目的からしても、勤労者に対する住宅の供給ということを規定しておるわけです。これには御承知のように低家賃の公営住宅という施策もあれば、また自分の家を持ちたいという者に対しては、住宅金融公庫によるところの融資もございます。そこで勤労者に対する住宅供給と、これに並行するところの宅地造成、いわゆる区画整理によって宅地を造成し、かつ賃貸住宅を作るのだ、あるいは分譲住宅を作るのだ、供給するのだということになっておりますけれども、一体現在は、三十年に法律が通りましたけれども、現在の国民層の中のどこを指向して、どの層にこれを供給しようとして仕事をしているのか。四年経過して現在住宅公団としてはどういう考えを持っているか、伺いたいと思うのです。
  58. 狭間茂

    参考人狭間茂君) 住宅公団が法律によって設立せられまして、公庫による住宅の供給と、公営——公共団体による住宅の供給と、公団による住宅の供給とが三本建てになって、政府機関ないし公共団体の機関として住宅難の緩和に当っておるわけでございますが、そのおのおの指向するところはおのずから対象が違っておると思います。公営住宅は御存じの通りきわめて低額所得者に対する住宅の供給を対象といたしております。従って国家から二分の一ないし三分の二の補助をもって住宅の供給をいたしておるのでありますが、公団の住宅は御存じの通り住宅難の緩和、勤労者に対する住宅の供給ということを目標としている点におきましては同一でございますけれども、その対象はおのずからそのやや上に位する所得層を対象といたしておるのであります。その階層の住宅難ということも今日の現状においてやや緩和いたしましたけれども、まだまだ不足している分が相当多数にあると思いますので、公団といたしましては、その階層に対する住宅の供給を目途として建設をいたしておるわけでございます。
  59. 田中一

    田中一君 一応その考え方を伺って私は、勧告に基く問題、それから現在住宅公団の運営等についても、今まで抜本的な調査をしなかったところに当委員会としてもやはり反省しなければならぬ点があると思うのです。そこで非常に時間がかかるので、きょう一日だけではございません、あと一回なり二回なりというものは調査をしていきたいと考えておりますから、そのつもりで公団の方々はお含みおきを願いたいと思うのです。  そこで第一に伺いたいのは、むろん他の委員もおられますから、資料に基いて質問した方がよいと思うから伺っておきますが、第一の組織等についての勧告に対しては、政府並びに住宅公団が話し合いの上答弁を出したものと思いますけれども、現在の組織、それから機構等はどこに欠点があるかという点を考えられて答申したものか、その点を公団から伺いたいと思うのです。
  60. 狭間茂

    参考人狭間茂君) 行政管理庁からの勧告に対しましては、その各項目に従いまして建設省ともよく連絡調整をとりまして回答を出したわけでありますが、この点におきまして特に申し上げておきたいと思いますのは、私が就任をいたしまして公団の業務について特にこの勧告の趣旨に沿うて進めたいと思いましたのは、管理機構の問題でございます。住宅建設がすでに十万戸をこえておるのでありまして、公団設立の当初におきましては住宅建設するということがその主眼となっておりますが、十万戸を越えた住宅をかかえておりますと、その管理保全ということはきわめて重要性を増してきておるのでありまして勧告にも管理機構の整備ということがうたわれておりまして、まことにごもっともであると思いますので、今年の八月一日付をもちまして管理機構について相当末端まで敏捷に仕事が整理できるというような機構を作りまして、その発足を先月の一日からいたしておるような次第でございます。詳細につきましては御質疑がございますればお述べいたしますが、まあさような点を特に重点をおいて考えております。
  61. 田中一

    田中一君 まあこの勧告書の管理制度の強化についてという点でありますけれども、これはまあ政府としては、この面だけはこれをおっしゃる通りいたしましょうという、資料がないものでちょっと記憶してないのですが、いたしましょうというような答弁でしたね。
  62. 稗田治

    説明員(稗田治君) 管理制度の強化については今後規定の整備についても検討したいという回答をいたしておるわけでございます。
  63. 田中一

    田中一君 監事というその特定なる役員は、これはむろん人間というものが、相当な大きな人間の力といいますか、公正さといいますか、人格が相当に大きな力を持たなければならぬものだと私は思うのですよ。そして狭間総裁が就任されて、これはむろん建設大臣が任命した監事でございましょうけれども、川合寿人という方、元警視総監の方でございますけれども、この行管の勧告による人事としてこれが公正であった、この方ならば監事としての役目を果すであろうということで建設大臣は任命したものかどうか、われわれはどうも納得しない面がたくさんあるのでございます。その点はどうなんですか。管理制度の強化ということを強化するために元警視総監の川合君を監事に推薦したのか、その点については公団側は、狭間さんは昔の経歴といいますか、と言っちゃ悪いけれども、内務官僚の続きがございましょうが、狭間さんが推薦されて建設大臣が任命されたのか、その点はどうなんですか。
  64. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 建設省といたしましては、現在の監事につきましては、監事としての職責にかんがみまして最も適任の人と確信をいたしまして任命をいたしておりますような次第でございます。
  65. 田中一

    田中一君 この人事に対しては公団側からも、総裁からも何か意思表示があったのですか、相談があったのですか。
  66. 狭間茂

    参考人狭間茂君) 監事は御存じのように建設大臣の任命でございますから、特定の人をこれを監事にしたいがという何は受けてないのでございます。
  67. 田中一

    田中一君 どうも私ども狭間さんが内務官僚であり、かつまたがっての内務次官であった。われわれ国民が非常に弾圧されたときの内務次官であったことを考えましても、どうもここに一本河合監事の就任とは脈が通じているのじゃないかというようなひがみを持つわけです。従ってあえて伺ったわけなんでございますけれども、もともとわれわれはこの公団の設立に対していろいろ国会で審議をした際にも十分言っておるように、中にはかつての古手官僚を入れちゃならぬということを非常に強く主張しておるのでございます。これは議事録をごらんになればわかりますけれども、おおむねそういう方々が多い。それでは全くの民意というものを、これは大衆がこれを求めるものでございますから、それだけにその点はなるべく民間人を入れてくれということを要求したのであります。幸い前総裁の加納さんが就任されて、どうやらそれならばあまりひどい施策はしないであろうという考え方を持っておったのですが、今度はまあおやめになる。そしてわれわれが非常に危惧しておったところの、むろん狭間さんはりっぱな方でございます。しかしながら、その一番法律制定のときにわれわれが心配しておった古い官僚、旧憲法時代の官僚の方が就任されたことにつきましては、十分に今後の住宅公団の施策に対してはわれわれ検討しなければならぬ、また監視をしなければならぬという気持を非常に強く持っておる。それでそれに引き続きまして、この今あなたのおっしゃっている管理機構の云々を強化しよう、全くその通りでございます。これはしなきゃならない。しかし今あなたが就任されてからかどうかちょっと私よくわかりませんけれども、現状の本所の組織というものはどうなっておるかということを検討してみますと、総務部には建設省出身の渋江理事、あちらにいらっしゃる渋江理事、それから計画部には、これはむろん建設省推薦でございましょう、大阪の建築部長をしておったところの吉田理事、あちらにいますね。これが計画部を担当している。それから、これは吉田さんだけは技術者でございます。それから宅地部がきょう来ておるかどうか、消防総監をしておった瀧野さんが入っておる。それから、建築部は今度は同じく計画部を担当している理事の吉田さんが兼任でやっているというようなことを伺っております。そうして、これはまあ法律では理事は五名以上となっておりますから、あと何名ふやしても一向差しつかえないわけでございますけれども、役員等もそう伸ばしちゃいけないということを法律制定の際に政府で約束しておるわけです。それは何かと申しますと、やはり一つの法律を審議するに当りまして政府と話し合ったものがやはり、これは殺すわけにいかないのでございます。むろん政治というものは信義を尊びますから、一ぺん約束したものが他の方々によってじゅうりんされることがあっては困るから、われわれはそういうことを言って要求しておったわけです。そこで今の役員の人事構成を見ましても、むろん今後管理部門というものが相当増大される。この面には事務的な要素の方、あるいは技術的な要素の方両方とも必要でございますけれども、現在の組織を見ますと技術屋さんは吉田理事ぐらいなんです。それが計画部と建築部を担当している。そうして、新しく今度は武藤さんが道路公団から入ってきて、これが管理部門を担当している。吉田さんはここに賃貸住宅と分譲住宅の両課と土地調査室と建築部の仕事を担当しているように聞いております。こういう点についても、これはまあ狭間人事でございましょうけれども、われわれが、住宅公団のもっておる性格からいってもはなはだ納得できないような人事構成じゃなかろうかと、こう考えるわけです。ことに職員全般を調べてみましても技術屋が約半分、それから事務屋があと半分という構成からみましても、私はこれは妥当な組織じゃないと、従って行政管理庁からこの点を指摘しないのはちょっとおかしいじゃないかというようにも感ずるわけです。その点に対する狭間さんの御見解、今後の方向、それから、それに対する政府考え方を一つ御披瀝願いたいのです。私申し上げておきますけれども、これから質問することはことごとく政府答弁と公団の答弁とが食い違って一向差しつかえないのですから、何も目くばせしながら御答弁にならないようにしていただきたいと思うのです。
  68. 狭間茂

    参考人狭間茂君) まず総裁——私のことについての御注意がございました。ありがたく拝聴いたします。私も生れは——官僚じゃございませんが、官僚の育ちでございます。これは生れかわることもできませんが、しかし、私は官吏の出身ではございますが、すでに二十年民間にあっていろいろ苦心もなめておりまして民間のことについてはかなり経験を積んだつもりでございます。私の性格として弾圧的な内務次官ではなかったのでありまして、きわめて民主的な(笑声)内務次官であったと思います。自分だけは考えておりますが、これからの事務の進め方、また公団の事業の経営につきましては私はできるだけ国民大衆の希望に沿い、利益を促進するように極力進めるつもりでございますので、建設委員の皆さんにおきましても、叱咤激励していただきまして、大過なくすごしたいと思っておりますから、御了承願いたいと思います。  なおこの人事のことにつきましては、私も十分考慮の上に考慮を重ねた結果でございまして、御指摘のような点につきましては、私も深く反省いたしておりますが、私としては最良の人事のつもりでいたしたのでございまして、以下理事もかわりましたが、みなそういう心持で、できるだけ公団の仕事がよく国民大衆の希望にマッチするように進めたいと思っております。ただいま御注意のございました点につきましては、将来の問題としては十分考慮いたしますが、また、ただいまお述べになりました技術と事務とのバランスの問題につきましても、私もその点十分考えております。また公団の部内からの抜擢ということも考えているのでございますけれども、まだ設立後四年でございますので、最高幹部にまでということは、時期もまだ来ていないかと思いますが、それ以下の人事につきましては、でき得る限り部内からの抜擢ということを考えて人事を進めているつもりでございます。なおこれからも十分注意をいたしたいと思います。
  69. 田中一

    田中一君 私は役員等はあまりふやしたくないのです。むろんこれは法律の制定のときにも、そういう約束を政府ともやったわけです。しかし今のように四年を経ましておっしゃるように十万戸以上の住宅建設になりますと、管理が一審大事なのです。何といっても住宅は、だれでも作る方は作るのですけれども、管理技術というのはまだ日本では体系づけられた理論はございません。従って住宅公団からだれか一人くらいはこの管理部門で、住宅管理という面でエキスパートが出てもいいんじゃないかという希望を持っております。あなたの部下の若い方々にも会うたびに言っているのですが、だれか一つ勉強してみろ、なおひいて言えばあなたの方でそういうものを外国に出すといいんです。人事の問題で適正な運営をしたいというけれども、歴史的に見ますと、あなたのところには建設省から何名かの職員を送る、上級職員を送るんです。この職員は必ず外国に留学するんです。留学というか視察に行くというか何と言いますか、相当の団の費用をかけて、事務費をかけて外国に行っている、帰ってくると必ずまた建設省へ戻ってしまう、何がために行くのか、論功行賞の費用建設省住宅公団に、その費用を負担させるのじゃないかというような誤解を招くような今までの人事があるのであります。それははっきり申しますと、名前はあまり言いたくないのだ、われわれは長い間知っている人ばかりだから……。たとえば、ただいまこちらに関係しておらぬ、副総裁の河野君にしても、大きな何十万か何百万かの金を出して外国へ出す。何の視察をするのかしりませんが、帰ってくるとほかの銀行に、あそこは何ですか、輸出入銀行ですか、行ってしまう。何の報告も実績も残さない、見聞というものは一片の報告書でもってそれが成果を期するものではないのです。やはりそこに腰を据えてあと十年なり二十年なり、少くとも国民に三十年、五十年という金を貸してこれを管理するのですから、そのくらいの腰を据えた方が、やはり諸外国の賃貸住宅なり、あるいは集団住宅なりの管理面の研究でもして、そしてそこに残って初めて公団の成果が現われるわけなんです。卑近な例を言うと、建設省におられる鮎川君にしてもそうです。総務部長として外国へ出る、出て二カ月か三カ月公団の費用で外遊してきて、帰ってくれば本省へ返す、こういう人事、こういうあり方はこれは全く不祥なものでございます。まるで建設省の上級職員を海外に派遣するということは、ちょうど論功行賞と同じです、そういう義務をあえて負っているという、義務とするならば義務を負っている公団のあり方は、指摘しなければならないのでございます。その点についてもう一ぺん御答弁願いたいと思います。
  70. 狭間茂

    参考人狭間茂君) お答えいたします。河野前副総裁の問題は、たまたまそういう人事になったのであると思います。なお、技術者が外国のいろんな住宅の事情を詳細に調査いたしまして、帰国の後に公団の業務にそれを実現していくということを私は念願いたしております。最近におきましても若い技術者を二人ばかり外国に研究に出すのでありますが、これはもちろん帰りまして公団の技術面において新空気を入れることになると思いまして、決して論功行賞で、それが他の官庁に帰る、直ちに帰るというようなことはいたしません。また、ただいま名前を御指摘になりました計画部長でございますが、これは目下イタリアに都市計画の会議で参っております。私は出張の前に、私の狭い知識ではありますが、諸外国におけるちょうど公団住宅のようなものが方々にございますから、それを詳細に見、なおオリンピックの問題もあるから、ローマにおける住宅供給の状況も詳細に調査してきてもらいたいということを特に依頼いたしまして、帰国の上は部長として専心公団の仕事に鞅掌することであり、また私はそういたしたいと思いますので、決して公団で数年勤めたから、公団の経費によってこれを外国に出してそうして直ちに帰れば建設省に巻き上げられるということはおそらくないと私は確信をいたしております。
  71. 田中一

    田中一君 ちょっと私は人の名前を聞き違えたから訂正いたしますけれども、三十三年度に行ったのは、今建設省住宅局にいる住宅建設課長の尚君です。鮎川君は今行っているのであって、鮎川君は、これはどういう要請があっても本省へやらないで公団で働いてもらうのだという御言明があったからよろしいけれども、しかし三十三年には現在の住宅建設課長の尚君が行っているのです。これはやっぱり帰ってくると直ちに本省でもって引き取ってしまうのです。これは狭間さんは当時おらなかったのです。渡辺さんはおったと僕は思うけれども、これはどういうつもりでそういう外遊した者をすぐ返してしまうのですか。
  72. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 昨年尚君を、あれはオランダのへーグですか、建築関係の会議があるというので、だれか一人出そうということで人選いたしました。まあ個人的なことをどうこう言うのはどうかと思いますが、尚君という方は非常に技術屋としても優秀な方でございます。で、私として見ましても、一番外国の事情を見てきてそうして公団の将来のためになってくれる人じゃないかという意味において尚君に出てもらったわけです。ところがちょうど帰ってきてから、まあ一年まだたたないのですが、最近の建設省の人事異動の関係で、尚君をぜひ返してくれ、こういうようなお話がありました。御承知のように公団はまだ設立四年でございまして、公団のほんとうの意味の子飼いの人というのはまだ若い人が大部分でございまして、建設省の相当優秀な方に来ていただいて仕事をしておるわけでございまして、従いまして建設省の人事の関係で、ぜひ尚君をもう一ぺん建設省へよこしてくれ、私の方としましては、せっかく外国へ行って、一応公団の関係の知識を得てきてくれた方なのですから、もっともっと公団で働いていただきたいという希望もあったのですが、建設省の方の都合もあるということで、結局話し合いの結果といたしまして、それじゃ尚君をお返ししようということで、今お話のような結果になったわけです。まあ尚君も住宅局の方で働いておりますから、大きな目で見れば、決して三月間外国へ行ったことがむだになっているとは思いませんが、公団としては、実は決して本意でおるわけではありません。公団の費用で行ったのですから、帰ってこられてから、公団の方で、長くもっとその知識を生かしていただきたい、こういうつもりだったのであります。荘君に外国に行ってもらうときは、荘君がすぐ建設省へ帰るということになろうとは、われわれ全然思っておりませんでした。ただ帰ったあと、最近におきまして、そういう話が出、建設省の人も、ぜひ割愛してほしいと、こういうことでございまして、結果としてお話のようなふうになっておりますが、われわれとしましては、今後そういうことはできるだけないようにしたい。それから同時に、先ほど総裁からもお話ししましたが、生産性本部の方から話もございまして、公団としての費用は、非常に最小限でもって、一年近くアメリカの大学で勉強をさせてくれる手だてができましたので、これには若い方を、大学を出まして七、八年から十年くらいの若い人を二人ほど選定しまして、この秋に行ってもらう。これは当初から公団に席を置いた方を選んでおります。  そういうようなわけで、いろいろなランクがありますので、御趣旨としては私たちも同じように考えているのですが、必ずしもわれわれが当初考えていたような結果でなくて、人事異動が行われたということもやむを得なかったというふうに思っております。
  73. 田中一

    田中一君 これに対する政府見解……。
  74. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 田中委員の御意見の御趣旨の存しまするところは、監督官庁として十分留意しなけりゃならぬところと考えております次第でございます。  ただし荘君につきましては、決して論功行賞のために公団に出したのではないのでございまして、たまさか建設省の人事の都合上、どうしても荘君を割愛願わなければなりませんので、結果として住宅公団に御迷惑をかけました結果になりましたことは恐縮に存じておる次第でありますが、住宅局、住宅政策全般の上からまことにやむを得ぬ措置考えておりますような次第でございます。
  75. 田中一

    田中一君 やむを得ない事態というものが今後とも起ると予想されますか。
  76. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 人事のことでございまして、いろいろ交流が各方面にわたる必要も大局的にあることがありまするから、将来公団その他と人事の交流がないということは、これは申されませんが、しかし、今御心配になっておりまするようなことは、私どもとしていたさないと、かように考えております。
  77. 田中一

    田中一君 全く公団発足当事から、一生懸命住宅供給のためにとっ組んでいるという若い方々がたくさんいるのです。ところが、どういうかげんか、これは中央集権の弊と国家出資ということで監理官もいるものだから、そうなるのでしょうけれども、一体高級職員の人事交流というものは、建設省の方では何人ワクを持っているのですか、ワクを。どうも、ワクがあるような気がしてならないのです。あのポストとあのポストは、おれの方で出すぞというふうなことになっているんじゃないかと思うのです。  その点、事務的な問題ですから、政務次官じゃなくて、稗田局長に伺いますが、一体上級職員のポストのどのワクとどのワクをあなたの方で推薦権を持っているのですか。これはここに岩沢委員長もいるのですけれども、全く官僚の悪弊宿弊なんですよ。それについて一つ答弁していただきたい。
  78. 内村清次

    内村清次君 それに関連しますが、先ほど田中君から質問をしておりました海外派遣費の費用の問題、この点は、明確にしておかなければならない。どうも、田中委員からのお話を聞くと、公団に負担させて、そして海外に研究に行って、帰ってくれば建設省の方でとると、これが、いかにも慣例的なような形の質疑があっておるわけです。ところで、そういった答弁は言いわけ的でほとんどあなたのは答弁になっておらないのです。  で、問題は、一体こういう海外派遣費というものは、どういうような形で、どういう費目から出すことになっておるのか。建設省の方は、予算費目のどの方から出しておるか。これは、私たちも予算委員をやっておりますから十分知っておるのです。だが、どの款項で、本年度はどういうような人たちを何人海外派遣をやるのか、あるいは研究費の中からやるのか、あるいはまた公団の方は、どういう費目からこれを出すのか、こういった費目関係をはっきりしていただきたい。
  79. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 私の方から、ちょっと順序が逆かもしれませんけれども申し上げますと、先ほど話題に出ました荘君は、公団が発足しました三十年からずっと私の方の賃貸住宅課長をしていた方なんです。これは建設省から、公団ができましたときに、私の方にいただいた方なんです。  それで公団としましては、いろいろ働いていただきまして非常に有能な方であるということをわれわれは見まして、そして昨年ですね、とにかくだれか、やはりやりたいということで荘君に行ってもらったわけなんです。で、先ほども申したことを繰り返すことになりますが、荘君にもっと長く、われわれの方としては働いてもらうつもりでおったのでありますが、人事の関係で、やむを得ずなったというのが現在お話し申し上げたことでございます。  それから、ついでのことに申し上げますと、私の方の款項におきましては、一応公団内部の予算の内におきまして、外国旅費という項目がございまして、その外国旅費の項目の中から、海外に出張する場合の旅費は支出するということに、かようにしております。なお建設省の方が出張する場合に、私の方で外国旅費を出すということは、間違っても全然やっておりません。この辺は、言わでものことですが、そういうことになっております。
  80. 内村清次

    内村清次君 建設省の方は……。
  81. 鬼丸勝之

    説明員(鬼丸勝之君) 建設省職員が海外に出張いたします場合には、正式の外国旅費のうちから支弁して行ってもらっておるのが原則であります。で、これは予算編成の際に、おおよそ来年度はこういう国際会議がどこどこにある、あるいは生産性本部の関係のたとえば道路のチームが今までは一番多いケースでありましたが、こういう視察のチームが予定されるというようなことで交渉いたしまして、ただいま正確な数字はちょっと記憶しておりませんが、本年度は幾らという——三百数十万円ぐらいだったと思いますが、外国旅費が認められております。このうちから出てもらうのが原則でありまして、そのほかに、若い職員等につきましては、科学技術庁の予算で一部出ておるというような例もございます。これは、科学技術庁の方と打ち合せいたしまして、全体として選考された者が、科学技術庁の外国旅費の予算のうちから出ると、こういうことになっております。
  82. 内村清次

    内村清次君 そこで建設省の方では、本年度予定された旅費については、これはそれを予算化するという努力もされたろうと思うのだけれどもね、あるいはまた随時、いろいろ論功行賞の意味もあろうし、あるいはまた随時に国際会議があり、あるいはまた研究費目が出てきた。こういった場合のときに、ひもつきで公団の費用に委託をして、そうして帰ってからまた建設省にとる。こういった慣行が、前例として今まであっておりはしませんか。ここに、私は問題があると思うのだが、どうですか、この前例は。
  83. 鬼丸勝之

    説明員(鬼丸勝之君) 建設省職員が、その身分のままで公団等に出張依頼をするといいますか、あるいは公団の身分にして、あらかじめ出張後のひもをつける、こういうような事実は、いまだかつてございません。
  84. 田中一

    田中一君 それで、今の人事の交流というのが、どういうワクを持っているか、伺いたい。
  85. 稗田治

    説明員(稗田治君) 田中委員のお尋ねに対してお答え申し上げます。  公団の職員につきまして、建設省の方と交流するワクがきまっておるかどうかという御趣旨に聞いたわけでございますけれども、私の存じておる限りでは、さような特別なワクというものはございません。人事異動のございますときには、それぞれの任務につきまして、一番適任であるという人選を広い範囲で選んで人事交流をしておるというわけでございます。
  86. 田中一

    田中一君 むろん公団と建設省は、公団に出向しても、これは戻れば、国家公務員恩給の通算等があって、非常に有利なんですよ。そうしてかりに賃金の面からいえば、一般公務員よりも公団に行った方が、賃金が高いわけですね。渡辺さん、どのくらい高いのでしたかね。
  87. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 個々の具体的な例は別としまして、一般的には、一割ないし一割五分公団の方が待遇がいいというふうに承知しております。
  88. 田中一

    田中一君 そのように賃金もいい。従って待遇がいいということです。戻ればまた恩給の通算が、この公団にはあるはずですね。だから、しいて言うならば、建設省は、やはり人間というよりも、そういう交流をさして、どういうのでしょうかね、上に上る足場を作らせるというような考え方がやはりあるのじゃないかと思うのですよ。これはあるだろうと思うのです、局長はそういうことを言えぬだろうけれども。  なぜならば、やはり中央集権であって、やはり予算を流してもらうについても、いろいろな扱いをするについてもルートがある。そこから水がずっと流れていきますからね。そういう意味で、そうだろうと思うのですよ。地方に行っても、そうだと思う。桜井さんなども熊本県知事として、だいぶ苦労したらしいけれども。何々課長はこっちからやるぞといえば、これはしようがない、人事を打つちゃっても、その人がやってくるのを待っているという面もあると思うのです。これは悪い面もあるし、いい面もあると思うのです。しかし、県なら県、公団なら公団に、発足以来ずっと長い間勤務して成績の優秀なものがくさってしまうという傾向が多分にやはりあるわけですね。これは、やはり直さなければならない。  たとえば、そこにいる住宅局の総務課長も、おそらく住宅公団におったのだと思うのだけれども、やはりその一つの段階を上げるために、向うに出向させるという傾向があるので、四年以来ずっと勤めて、一生懸命やっておる人がくさってしまうでしょう。これは、やはり公団としては得じゃありません。ことに今度あたりは、四年もたって、第一期済んだのだから、まあ現在の職員の中から、理事か管理役員くらいに登用する人が、私適格者がいると思う。それもあえてやらないでおられる。そして警視総監をもってくるなんというのは、どうも私はそこに一連の何かの流れがあるのじゃないかと思うのです。そういう形は、やはり公団のために不得策です。ましてや公団の家賃は高いのです。あなたたち自身、自信を持って高いのだといっているのだから。前総裁など、当りまえだと、公団は高いのだといっているのですよ。そのぐらい高い。しかしこれをいかにして安い家賃にしようかというところに、あなた方の努力がなくちゃならないのです。あなた方が向くところは、国民を向くのです。ところが、いつ又背中の方の監理官の方を向いたり、自分の仲間の方を向いたりするから、国民から指摘されるような公団になってしまうのです。公団の向くところは、国民に向って前進しなければならないということを知らなければならないのです。  従って今度の組織の問題でもって申し上げている、吉田理事が、建築部と計画部を担当しているということは、むろん建築部というのは建設だと思うのですよ。建設の面は、これは計画というものとは、不可分のものでありますけれども、それならば、はっきりと機構を改革して、あるいはもう一人の理事総裁の権限で置けるのですから、理事を下から登用するというのも一つの方法、さもなければ、これを一つの課にして、管理系統の管理部か監理局か管理系統のものができたのですから、これに武藤さんがついたならば、新しいものを置くとか何とかしなければならぬと思うのですよ。従って当面の問題だけをやっていて、将来の実際の公団の機構というものを整備しようという姿が毛頭見受けられないのですよ。  この点について一つどういうお考えを持っているのですか。
  89. 狭間茂

    参考人狭間茂君) 今お述べになりました管理機構の面、その他の担当者の充実のことにつきましては、常に心がけてやっているわけでございます。理事の増員ということは、それは法律の建前から見ますれば、公団として自由にできますが、そう気まま勝手なこともできないのでございます。おのずからバランスの問題もありますし、その点、いろいろな観点から見て処理しなければならぬと思います。  しかし、ただいまお話になりましたような点につきましても、十分考慮いたしたいと思っておりますけれども、簡単に理事を何人でも置けるじゃないか、こういうわけにもいかないです。
  90. 田中一

    田中一君 私は、理事を何人も置けということを言っているわけじゃないのですよ。そういう理事なんていうえらい方々をあまり置かない方がいいと思う。置かないならば、兼務なんてしないで機構を整備してちゃんと本務にしておやりなさいということをいっているのです。  私の申し上げているのは、今のように、従来の計画部は、管理課、賃貸住宅課、分譲住宅課、土地調査室、成増特別管理支所、富士特別管理支所というのが職員名簿の中に入っているのですよ。そのうちの管理部門だけが、今度は武藤さんが担当してあとの賃貸と分譲の住宅課というものと、それから建築部の工事促進課、設計課、調査研究課というものが一つになって、吉田理事が兼務しているという、どっちが本務か、どっちが兼務か、とにかく兼務している。これは整備しなければならぬと言っているのですよ。
  91. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 多少、昔の経緯がざいますので、私から申し上げたいと思います。  昨年の四月までは、まあ理事は、一応理事会で——これは公団一般の仕事をやっているわけですが、同時に、一応主たる仕事という意味で、総務担当とか、経理担当とか、建築担当とか、そういうことでやってきたわけなんです。それで、先ほどもお話が出ましたが、管理戸数が大分ふえて参りまして、昨年の四月に理事を一名増員していただきまして、管理担当の理事を一人ふやしていただいたわけです。それまでは計画と建築と、管理と三つを吉田理事が一人で受け持っておる。それで昨年の四月に、どうもこれでは、これだけ戸数がふえて参りますと、ちょっと一人では無理だということで、当時東京の支所長をしておりました畑理事に、本所の方へ来ていただきまして、それで管理担当を受け持っていただいたわけで、本年の八月は、これは管理機構を改革しましたが、これは主として支所の末端の管理機構の整備ということをやりまして、それも結局管理担当理事を特に一人ふやしていただいて、いろいろ管理の面をこまかく見ていただきます。一つは、戸数の増加ということも結びついておりますので、そういうことに、まあなったわけでございます。    〔委員長退席、理事田中一君着席〕 現在お話のように、建築と計画とを吉田理事に一人で受け持ってもらっていますが、別に建築には、建築部長がおり、計画には計画部長がおりますので、まあ担当理事が二つ受け持つのはおかしい、もし一人でもってやれる仕事なら、計画部と建築部を一つの部にしよう、それで計画部、建築部が二つに別れているくらいなら、理事は二人あってしかるべきかと、そうおっしゃっているかのように私解しますが、現状といたしましては、まだ一応、計画、建築これはかなり緊密な関係にありますので、今のところ、すぐに二人ということにするほどでもあるまい、ただ将来の問題としては、だんだん仕事の関係とにらみ合いながら、あるいは理事一名増員という問題も出てくるかもしれませんが、ただ部の方を計画部と建築部を一緒にしろということは、少くとも、われわれが現在受け持っている仕事の規模が大きく変ってくればあるいは別かもしれませんが、ちょっと私の方としては、今の年間三万戸程度を建築していく、これには部を一つにするのは、これは私は無理ではないかと思います。
  92. 田中一

    理事田中一君) それは、何も上級のポストをたくさんふやせというのではないのですよ。ただ、合理的になさいということなんですよ。管理部門が非常に大事ですからね。これは別にしたら、非常にいいと思うのです。こういう点は、一つ狭間さんも、あまりね……まだおるのでしょう。もう少し指摘すれば、あなたが入られてから、また旧内務官僚を入れたのあるでしょう。これは、あまり好ましくないのです。それならば、建設省とも相談して、優秀な技術家もおりますし、公団で一生懸命やりましょうという人がいるのですから、何千名かの職員の中から登用するのもよろしいし、あるいは建設省から、これこそもらってもいいと思うのです。そういう形でもってあまり事務官偏重ではなくて、技術者も入れなければならないということを申し上げたわけです。  そこで、次に申し上げたいのは、第二の各種審議会の運営の問題ですがね。一つ、土地等評価審議会、契約審査会、特定分譲住宅等譲渡審査会、これらのものの機構ですね。これを資料として、一つお出しを願いたいのです。
  93. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) かしこまりました。
  94. 田中一

    理事田中一君) それから管理機構の問題について、先ほど申し上げましたけれども、一体、どういう形に持っていこうとするのか。行管では中央に管理センターを設けて、全体に対する何をやるということを言っておりますけれども、これは武藤さんは、どういう形のものをやっているのか。本団は全部の取りまとめをするという程度の管理機構なんですか、それともブロックならブロックに分けて、支所以外に管理部門というものを別に持って、それでやっていこうという考えなんですか、どうなんです。
  95. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 本年の八月一日に、一応新しい機構を作りまして、それで従来の関係ですと、まず支所がございます。そこに管理部、あるいは管理課、これは東京、大阪、関東のようなところは、管理部を持っておりますし……関東は、ことしの八月までは管理課でした。ですから、従来から管理部がありましたのは、大阪と東京でございます。それから名古屋、福岡は、戸数の関係もございまして管理課。それから管理部は、収納課と保全課、結局収納課——管理の関係一つは、私の方としましては、家賃徴収なり、代金徴収が問題がありまして、それから現在ある家を、できるだけよくキープしまして、入居者に気持よく使っていただき、故障があれば、すぐ修繕ができる。修繕に行く。こういったようなことがねらいでなければならぬと思います。  本年の八月一日に管理機構として変えましたのは、一つは関東におきましての戸数がだいぶふえて参りましたので、これを、管理課を管理部にしまして、そしてその下に、課長を二人置く制度に直した。これが一つでございます。それから末端の機構としまして、どうも従来、われわれがいろいろ批判を受け、同時に、われわれとしても反省しておりますのは、入居者として、いろんな故障がある。専任管理人に伝えるけれども、なかなか、支所の方にそれがいって、実際に修繕ができるのに、非常に時間がかかる。これは私の方として、まことに相済まないわけです。そこで、従来の専任管理員の制度を団地ごとに団地管理班というものにしまして、そして従来は専任管理人と補助管理人がそれについていたわけです。補助管理人には、非常にいい場合もありますが、必ずしもうまく動いていない場合がある。これは漸進的に私たち考えましたが、大きな団地につきましては、団地管理班を置く。そこで、管理班の主任のほかに、何人かの公団の職員である助手をつける。御承知のように「ひばり」のようなりますと、二千三百もの戸数がございますから、そういうようにして管理班として、もう少し強化して動きやすいものにしていきたい。動きやすいものにしていく、同時に、従来修繕とか、全部支所へきましたのを、一定の金額より安い低い金額ですが、大体故障などは、水道のせんがどうもとめたけれども、水がちょろちょろ相変らず流れて困るとか、割合小さな故障が多うございますから、金額を一応の制限をつけましたが、その限りにおきましては、管理班の主任が直接近所の工事人と特約しておきまして、直すことができるというふうな、動きやすいようにしようというのが一つのねらいでございます。  それから、従来から私の方は、公団としてのサービス・カーを持っているのは御存じだと思います。これも、だんだん戸数がふえて参りまして、何台か台数がふえて参りました。  それから、御承知のように東京のようなところになりますと、特にそうなんですが、都心から外へ出るまでの間が、非常に交通が混雑いたしまして、支所にサービス・カーを集中しておきますと、そうすると、行くまでの途中に、非常に時間がかかる。これはおもしろくないのじゃないかというので、サービス・ステーションというものを東京が三カ所、大阪が四カ所だと思います。これは東京としてたとえば青戸とか、それからもう一つは三鷹の方だと思いました。そういうふうに、いわば外の方へ一つのサービス・ステーションを作りましてそこへサービス・カーを置き、サービス・ステーションの主任あるいはサービス・カーへ乗る何人かは、そこにいてもらう。そうしてサービス・カーのやる仕事は、そこから一応の受け持ちの区域をきめておきまして、その範囲については、そこへ行ってもらう。これが一つです。  それから、大きな修繕になりますと、これは従来と同じように、保全課で受け持ちまして、支所の方で統括的に修繕していく。そういったようなことで、いわば主としては保全関係を中心にしましてまあサービス関係といいますか、サービス関係を中心にしまして現場の方へ、できるだけ権限を持たせる。そうして機動的に動き得るようにする。  こういうねらいで八月一日から、一応管理機構の改革をしたわけであります。
  96. 田中一

    理事田中一君) 次の四の支所に対する権限の委譲についてちょっと伺うのですが、これでもって、きょうの委員会は打ち切ります。  で、一体どういうことになっているのです。というのは、あなた御承知の、昨年でしたか、東京支所の阿佐ケ谷、荻窪用地の買収事件で、下級の職員が、たしか起訴されたと思います。そうして、これは、その内容については、むろん起訴中だと思いますが、この内容については、あなた方、知らぬといえば知らぬでしょうけれども、これは判決を待たなきゃわかりませんけれども、少くとも、これを直接雇用というか、指揮しておったところの岩崎土地課長、これが、その公判を待たずして、もうどこか地方へ転任、栄転をさせる、私は、こういうことは一体、どういう神経でそれが行われるのか、ちょっと不思議なんですよ。なるほどこの勧告では、なるべく末端にまで権限委譲しろ、こう言っておりますけれども、権限委譲するから、おれは知らないというわけにはいかぬわけです。少くとも、ああいう不祥事件で、公団がとんでもない大きな汚職をしたような印象を受けておりますけれども、私はそうは見ておらないのです。  あれに関係している人を新聞等で判断をすると、宅地建物取引業者というものの仲に入って、それが一定手数料をもらって、またそのために報奨金的なものをもらうならば、これはあり得ることなんです。こういうことは、それは何も資格もないやつが、そういう取引をして、手数料を取った、これは一法律違反になりますけれども、ただ、そこでもって心配するのは、末端の土地買収等に関与しているところの職員が、おそらく朝九時から晩の五時まででもって交渉するのだといったところが、交渉にならないのです。やはり深夜になることもあるし、朝早いこともあるし、いろいろな勤務状態が定まってないというのが実情だと思うのですよ。そういう方々に対して、どういうような待遇を与えておるのか。そうしてまた権限委譲もよろしいけれども、その末端の人が、公判中に起訴された、その命令系統にあるところの土地課長が、どこかへ転任させられる、こういうことは、はなはだ不親切です。やはり一緒になって、もし罪があるとするならば、その罪に対しては、にくむべきであろうけれども、やはり公団の権限委譲とか、あるいは機構とかに欠点があるんじゃないかということは、当然公団としては反省しなきゃならないことなんです。まあ時間がないからその経緯を長々と伺ってもしようがないけれども、将来も起る問題です。  従って、この権限の問題については、どういう考え方を持たれておるか、そしてまた今の阿佐ケ谷、荻窪の用地買収における汚職として、大きく新聞に書かれたこの人を、そして岩崎という元土地課長が栄転したという経緯、この公判廷におけるところの公団としての態度、そのようなことをあわせて御答弁願いたいと思うのです。  これはほんとうは、渡辺君より総裁がやってくれるといいんだが……。
  97. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) これは、この事件は総裁の御就任前の事実でございます。今、具体的にお話になりました岩崎土地課長を現在名古屋の総務部長に転任させましたのも、総裁御就任前のことでございますので、むしろ私が、お話申し上げた方がいいのじゃないかというふうに思います。  お話のように、荻窪、阿佐ケ谷の土地買収に関連いたしまして、元公団職員でありました大久保君という人が、起訴されている、これはお話の通りでございます。われわれも非常に遺憾に思っております。大久保君のいろんな事実につきましては、私どもとしましても調べてみました。どうも、公団職員として適当でないという行為が、起訴事実以外の問題としても考えられましたので、従いましてわれわれの方といたしましては、一つは監督責任の問題といたしまして、それぞれ懲戒処分をいたしました。事件は、起訴状によりますと、三十二年の一月ごろから始まりまして七月ごろまででありますし、それから三十三年の十月ごろに一応あったわけです。金のやりとりといいますか、起訴状に載っているいわゆる被疑事件ですね。それで岩崎君は、公団に入りましたのが三十一年の三月一日でございましてそして三十一年の十月一日から土地課長になりました。それから三十三年の四月七日、問題が表面化しましたのは、本年の三月でございますが、昨年の三十三年の四月から東京の総務課長になっておりまして、しかし岩崎君が土地課長をしておりました三十一年の十月から三十三年の四月までの期間にも、大久保君の被疑事件の問題はあるわけであります。しかも公団といたしましては、いろいろ調べてみました。岩崎君というのは、個人的には非常に潔癖な方です。同時に身の回りの方も非常にきれいにする人ですし、まあ、いろいろ当時、土地の入手に苦労しておった時代ですから、支所長がかなり土地課長を、場合によってはおいて直接係員に指揮命令をしたというようなこともあったようでございます。そのようなわけでございまして、岩崎君として、まあこれで、果してどこまで監督責任を自主的に具体的に背負うべきかという点については、いろいろ議論がありましたが、とにかく一応岩崎君が、土地課長の時代に、かりにも部下から、そういう人を出したのですから、これは課長として、当然責任を持ってもらわなければならぬ。こういったことで、私どもの方としても、公団の方としても三十四年の三月三十一日に懲戒の規定による戒告をいたしました。それがその後、しかし岩崎君が、個人的にどうこうといった人ではなく、むしろ身の回りは、非常にきれいな人だと私は十分確信をしておりますし、また非常に有能な方であります。従って、監督責任は持っていただかなければなりませんが、しかし、そういう有能な人は、将来の問題としては、大いに伸びていってもらわなければ困る、こういうような気持でおりました。  それでたまたま人の異動の問題がありまして、名古屋の総務部長の空席ができたものですから、だんだん検討いたしますと、他に適任がないわけではないが、岩崎君なら、十分やっていけるだろう、だから、そうした場合において、管理者責任として戒告処分は十分するけれども、同時に、岩崎君に、さらに将来も働いてもらうという意味において総務部長にした。こういうようなわけでございまして、戒告して、片方で総務部長にするのはおかしいじゃないかという御疑念は、われわれもわかりますが、内情を見て参りますと、かなり岩崎君に同情すべき点もございますし、しかし課長としての責任は持ってもらわなければならぬ、こういった意味の戒告、同時に、岩崎君の将来は、十分にわれわれは期待していいということで、総務部長にしたわけでございます。  それから、支所にどの程度の権限を任せているか。土地の買収につきましては、小規模のものは、大体支所長に任せておりますが、大きな規模のものになりますと、支所の方で、大体現在におきましては、ところによっては、かなり手持のあるものもございますし、従って、こういう土地について話を進めていいだろうかどうだろうかという点をまず一応、私の方と相談してもらっております。それから具体的に買う場合におきましては支所の方の土地評価審議会の議を経た案を本所の方に送ってもらいまして、そして場合によっては、説明にきてもらって、本所の土地評価審議会でもってこれを審議した上で、総裁の御決裁を得ていく。土地の問題は、御承知のように非常になかなかむずかしい問題でございますので、われわれの方といたしましても、全般的に理論からいけば、できるだけ支所長に権限を任せるようにしております。大きな問題などは、本所の方でも、非常に慎重に扱うということにしております。
  98. 田中一

    理事田中一君) しかし、支所長に権限を任せるなら、末端における、そうした汚職の問題も、これは支所長に責任があるわけですね。その支所長に対する処分は、どうしておりますか。
  99. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 私の方の懲戒規定におきましては、たまたま東京の支所長は、理事でございまして、理事に対する懲戒規定というのは、実は既存のものとしてはございません、一応の規則としては。しかしお話のように、当然、支所長も責任を負ってもらうべきものでございますから、従いまして当時の加納総裁とされましては、たまたま今の問題の大久保君の事件があった時期に、支所長であったすでにやめられました畑理事、当時の東京支所長、それから現在の山名支所長にも被疑がかかっております。このうち畑理事の方が監督上の責任が重いというふうにみまして書面による戒告書を畑理事にお渡しして、一応監督上の責任を問い、将来について、大いに注意してほしいということを申し上げて、同時に山名理事に対しましては、これは理事には懲戒規則というのはありませんから、具体的に、そのつどそのつど、問題が起きたときの問題だと思います。山名理事に対しましては、当時の加納総裁から、口頭において厳重に、今後こういうことのないようにということを注意するという措置をいたしました。
  100. 田中一

    理事田中一君) それから、その本人がなぜそうしたかということに対して、機構の面において、あるいは運営の面において、その他について、どういう考え、判断をしているか、それからもう一つは、今後どういう態勢でもってそういうことのないようにするかという点について。
  101. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 本人が、どういう原因で、そういう遺憾な事実が起きたかということについては、必ずして経済的に非常に苦しいという人でもないようでございます。従いまして、そういった面からというふうには、われわれ思っておりませんが、しかしこうしたことのないようにということについては、われわれとしまして、やはり大いに考えていかなければなりません。  そこで先ほど御質問がありまして、まだ御答弁がおくれておりましたが、現在現場へ行って土地買収の関係で、地主さんといろいろ話し合いをする土地係員に対して、どういう待遇をしているかというお話、これは現在といたしましては、これはまあ当然のことでありますが、一つ超過勤務手当、これは実は、なかなか監督的にむずかしい点があるのでございますが、一応、それは当然課長が、監督の責任を負って、と申しますのは、事務室で仕事をしているわけじゃありませんから、九時から会って十時までとか十二時までとか、いろんなふうに出て参りますが、監督の問題は別の問題として、当然超過勤務は出すべきだということ。超勤を出すと同時に、近郊は一応日額旅費の制度をとっております。さらに日額旅費に対しては、特殊な性格を考えまして雑費的なものも要るだろうということも考えまして、これも大した額にはなっておりませんが、一応の割増のついた日額を支給する、こういうことになっております。
  102. 田中一

    理事田中一君) 当然、契約の段階まできているわけですから、そういう方々を触れさせないで、本来ならば、渡辺副総裁が出かけていって話をするというくらいの熱意がなければ、妥当なる土地の買収はできないです。そんななまぬるいものじゃないのです。  ですから、私は権限の委譲もよろしいけれども、そういう点については、相当腰を入れてしなければ、今までのような悪い事件が起るのではないかという懸念をしますから、その点機構の面についても、十分お考えを願って、政府としてもその点については、今のままでいいというような点が私は見つけられないものですから、その点、十分検討していただきたいものです。  これは一つ、政務次官のお答えをいただきたいと思います。
  103. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 支所に対する権限の委任その他の問題につきましては、十分本省におきましても、検討いたしたいと存じます。
  104. 田中一

    理事田中一君) これで、きょうの質疑は終ります。継続的にこれをやっていくつもりでございますから、公団の方も、その準備をしていただきたい。  最後に、これはこんなことを狭間さんに言うのはいやなのですが、総裁に御就任されて、今後四年間やっていただくのですが、せんだってお母さんを亡くなされて、私は新聞広告を見ましてまことに哀悼の意を表する次第でございますけれども、それに関連して、不思議な新聞広告を見たわけです。日本住宅公団狭間総裁のお母さんの死去の事件を新聞広告しているのです。私は、こういう事例を、十年ばかりこの国会に出ておりますけれども、そういう事例を知らないのです。日本住宅公団が、そういう新聞広告をすることになりますと、これは、むろん日本住宅公団がその費用を負担しているものと見なければならない。これは変な仮定の仮定ですから、気持を悪くなさらないでいいのですが、総裁が亡くなられた場合は、当然公団としては出すべきだと思います。しかし、総裁のお母さんが亡くなったということで、公団が新聞広告をする。その隣には、あなたの名前を初め、御親族なり友人の方々の名前が出ておった。私は、このケースを初めて発見した。従って、そういう費用政府としては、監理官はそういうことを知って認めたのか、そういうことの費用がどこから出ているか。あるいは狭間さんが、自分から出しているかもわかりませんが、もし、自分から出しているとするならば、これは公けの日本住宅公団の名前を乱用しているもので、これは訴すべきことではございません。もしこれが、公団の意思によってその広告が出たものであれば、公団のどこの費目で、どういう予算で、その費用が支払われたかということについてこれは言いたくないのですが、今後の問題もありますから、はっきりと、この点につきまして御答弁願いたい。  本人の狭間さんに伺うのは酷でございますから、狭間さんに伺わずに、総務部担当の渋江理事または監理官から一つ答弁願いたい。これが一つ。  それから、これも言いたくないわけですが、われわれも車に乗って歩きます。ずいぶん暑い、建設委員は、山や悪い道ばかり歩きますから。総裁は、今度自動車の中に冷房機をつけたということを伺った。これも私は、そういうむだな費用は、御老体ですから、必要の度は高いと思いますけれども住宅公団の家賃が、高い高いという印象を国民に与えて置きながら、総裁の車にクーラーをおつけになるのは、だれの献策か存じませんが、あるいはこれも狭間さん御自身が費用をお出しになったかもしれません。しかしながら、これすら私は看過すべき問題ではない、かように認めるわけで、この二点について、狭間さんから御答弁を願うのは、どうかと思いますから、副総裁が、もし答弁するなら副総裁から、あるいは総務担当の渋江理事答弁するなら答弁していただきたい。同時に政府として、これらの問題に対して答弁していただきたい。  こういう具体的に事例をあげた問題について、国民の前に、はっきりと答弁するつもりでやっていただきたいと思います。
  105. 国宗正義

    説明員国宗正義君) 総裁の母堂の逝去につきましては、六月の二十六日に葬儀が行われました。実は、今御指摘の新聞広告は、その日以後相当経ちましてうかつでございましたが、この広告を私自身が発見したのでございます。六月二十四日ごろと思いましたが、新聞に広告が出ておりました。その費用の負担割合につきましては、いまだ詳しく承知しておりませんのでございますが、その文面につきましては、やはり公団という名前が出ておりますし、その内容表現につきましては、やや不適当な点もあるかと存じますが、まああの際に、御尊属の死亡の際に、公団としてお知らせし、あるいは公団の個々の役員諸君にお知らせしなければならぬ筋合いもあり、あのような形式をとられたのだと存じております。  次にカー・クーラーにつきましては、御指摘の点は、つまびらかに調べておらないわけでございまして、今、御指摘されるような内容を持っているといたしますれば、将来、十分注意いたさなければならないと考えている次第でございます。
  106. 渋江操一

    参考人渋江操一君) ただいま、お話のございました点につきまして申し上げます。  総裁の御母堂の逝去に伴います広告の費用負担は、公団としてはいたしておりません。広告の費用の額も、わかっておりますけれども、この分については、公団としては、公団自体の金を出していることはございません。広告内容が、やや、今御指摘になりましたような意味で、公団が、本来の公団の責任において葬儀が行われるような文言、形式、そういったようなことがあったといたしますれば、それはまことに総裁自体に対しましても、御迷惑をかけたかと存じ上げまして申しわけなかったと思っておりますが、これは、担当者の不なれのために、そういう形が出ましたことでございまして、今後の問題として十分気をつけていきたいと思います。費用の点については、今申し上げた通りでございます。  それからカー・クーラーの点でございますが、これも、実は担当者の計らいで、そういうことをいたしたことが、今ここで御指摘になりましたような、いろいろ公団に対する批判といいますか、そういったような材料になったようにも思われますので、その点は、担当をいたしております者の一人といたしまして、まことに申しわけなく存じております。  ただ、私どもがどうして、そういう思惑をしたかということを、ちょっと言いわけのようでありますけれども、申し上げさせていただきますと、実は、この総裁の専用車、これは、外国から公団住宅をかなりひんぱんに見に来る人も、実はあったわけでございまして、そういったような人の、そういったようなときに利用するようなこともございます。そういったようなことも、思惑としてありまして、これは試験的にカー・クーラーをつけたらどうかという取り計らいを、実は事務当局の担当者のところで考えたわけでございますが、御指摘のように、いろいろこれについては、もちろん別の見方から、これはむしろ必需品でなくて、ぜいたく品であるということもありますし、そういうことに対して今後気をつけるべきだということでございますので、そういう点については、今後十分、細心の注意を払っていきたいと思います。
  107. 田中一

    理事田中一君) カー・クーラーの問題は、御承知のように国会もないのです。真夏でさえ、上着を脱いで、汗をだくだく流しながら審議をやるのです、だから、どうというのじゃないのです、総裁の車の方が低いのだというわけじゃありません。パチンコ屋でも、冷房をやっておりますから、その程度のものだと思いますけれども、しかしながら、少くともあなた方は、公団は国民の方を向いていないというところの一つの欠点を露呈している現状です。もし国民の方を向いているならば、そんな気持が起るはずはございません。外国の人たちが来て、日本の住宅事情を視察するときに提供するなどというのは、外国に目を向けているからです。岸内閣の性格と同じことでございます。そういう形では、国民に信頼される住宅公団にならないのであります。この点は、十分に勧告しておきます。  同時に、今の新聞広告の問題でございますけれども、これは、私が先ほども言っているように、もしも、この責任者が発見されなければ、総裁自身の責任だということになるわけです、これは、副総裁に申し上げますが……。なぜかというと、日本住宅公団が葬儀を執行するのでなければ、広告する義務もない、しいて言えば権利もない、冠婚葬祭でございますから。権利もないとするならばですよ、それならば、これは僣称したということになります。乱用したことになります。これはやはり公団としては責任をおとりにならなければいかぬと思います。そうして公共の機関であるところの日本住宅公団の名前を僣称、乱用することがあってはならないわけです。私は、もしそれが、あなた方自身が反省し、これに対して処置をなさらなければ、将来とも日本住宅公団の運営というものが、どこにいくかということを非常に心配いたします。  従ってこの点については、今ここで御答弁をいただきません。これに対する処置は、部内でお立て願いたい。同時に、監理官並びに政府としては、この点について、今後の問題もございますから、綱紀紊乱ということも、指摘されておるワクの中にも入ると存じますから、この点は一つ政府としては、十分に最終的な処置をすることを要望いたします。  きょうの質疑は、大体この程度にして、次回に、また日本住宅公団質疑を継続いたします。
  108. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 もう時間が、昼食時から一時間半も過ぎておりますので、ごく簡単にいま一つだけ御質問いたしたい。しかしその前に、今、田中さんからの問題はおそらく総裁が御存じないことから起った問題であると思いますが、事は小さいようで、きわめて大きな影響がある。従いまして、それらの処置、あるいは関係の人が、総裁の意を迎えようとして、かえって迷惑をかけるというようなこともあるのでございます。特に注意しなければならぬのは、公団の性質上、住居に苦しんでいる、これを緩和しようということでできている、それで常識的に見てまずいと思うようなことを、たとえ総裁は御存じなくとも、下の者が取り計らうというようなことは、かえって公団の円滑な運営を妨げることにもなりはしないか、総裁にも迷惑のかかることでありますから、十分御注意をいただきたいと思う。  私がお尋ねしたいのは、災害土木に関することであります。これは政府に重大な責任もあることと思いますので、一言、お尋ねを申し上げて、道路局長がお見えになりませんので、政務次官に一つお尋ねを申し上げて、なお具体的なことは、書面で委員長までお答えを願いたいと思います。  すなわち、三国街道に関することであります。この道路の重要性は、申すまでもない。従って政付は、八年間にわたって十二億の大金を費し、ついこのごろ完成し、それがために、その住民の喜びはもちろんのこと、これは東京を起点として群馬、新潟の交通上、重要道路であってその整備については、この六月でございますか、関係者が盛大なる開通式を上げて喜んだような次第でございます。  ところが、今度の台風で、その数カ所が著しく危険な状態に置かれておる、この場所は、かつてこの路線を計画されたとき、地元の者から、政府決定された路線の一部には、地質上、非常に危険な所がある。それは唐沢山地帯等、それから、その下の方に法師温泉のある付近の所であります。それがため地元では、この路線の変更を熱心にお願い申し上げた。当時政府は、いささかもその心配のないまでに、技術的に十分の施策を施すということであったので、幾たびかの反対があったにもかかわりませず、予定通り遂行をされた。これはまあ、それでよろしい。ところが、開通式を上げた幾ばくもなくして、その地帯は、非常なる崩壊をし、路面はまた陥没して危険な状態に置かれ、その下に住んでおります法師温泉付近の者は、口々不安の間に暮さなければならぬという状態にあるようでございます。過ぎたことはいたし方ないといたしましてこれに対する処置は、どういうふうになさるのか、急速にこれは一つ、民心の安定に備える用意を急速にしなければならぬと思いますが、これを御存じであり、またその調査は、お進めになっているかどうか、これが調査の結果いつどういうふうになさるつもりか、私は、急速に改修工事をなさると同時に、その付近に必要な砂防の処置をあわせ行い、かつて反対を唱えたにもかかわりませず、政府が責任を持って行われ、しかもこの始末でございますので、再び台風に見舞われても、その地方民の不安をかもすことのないような措置をにすみやかに講ぜられんことの強い希望を付しまして、御質問いたす次第でございます。  具体的なことは、御調査の上、書面をもってお答えをちょうだいしてもけっこうでございます。よろしくどうぞ。
  109. 田中一

    理事田中一君) 小山さんに、ちょっと伺いますが、政府答弁は必要ですか。
  110. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 書面をもって、委員長まで具体的のことはお願いしたい。
  111. 田中一

    理事田中一君) それじゃ政務次官、そのようにお取り計らい願います。
  112. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) そういたします。
  113. 田中一

    理事田中一君) ほかに、御質問ございませんか。  それでは、本日は、これをもって散会いたします。    午後一時四十二分散会