○
須賀説明員 本
年産の
カンショ及び
バレイショ並びに
澱粉、なま切りぼしの
価格につきましては、今月中にこれを
決定いたしますようにかねてからその準備を進めて参っておるわけでございます。あとでも申し上げますように、ただいままだ
政府部内で十分に調整されました
価格の
考え方について申し上げるまでの
段階に立ち至っておりませんことは大へん申しわけないのでございますが、一応、
価格を算定いたしますそれぞれの
要素につきまして私
どもが考、えておりますところをあらましお話し申し上げてみたいと存じます。
価格は、御承知のように
農産物価格安定法施行令の
附録の
算式によって算出をいたして参るわけでありますが、その
要素といたしまして、まず第一に、最も主要なるものは本年の
カンショ、
バレイショの
作柄でございます。
お
手元に一表にまとめました「
いも類の
年次別生産事情」という表がございますが、これによりましてごらんをいただきますと、
カンショにつきましては、去る九月二十一日に
統計調査部が九月一日現在の
調査によりまして
公表いたしました
作柄概況が目下のところわれわれがとり得る最も新しいデーターになっておるわけでありますが、これはまだ
収穫予想高そのものではございません。一応
作柄の
概況として出ておるものでございます。これは、別途
統計調査部からお配りをいたしておりまする
資料によりますと、
作況指数といたしましては一〇七%でございます。これを
収穫高に
換算をしてみますると、一応試算の
数字といたしましては六百五十万二千トンと相なるわけでございます。これは、
貫数に
換算いたしますと、この私
どもで出しました
一覧表にございますように、十七億三千三百九十六億九千貫、約十七億三千四百万貫となるわけでございます。前年の
実収高に比較をいたしまして約四千万貫程度上回っておるわけでございます。ただ、その後九月一日以降におきまして、あるいは
九州地区等におきまする十四
号台風の
被害、または最近には
東海地区等で十五
号台風の
被害等もあったわけでございますが、これらを織り込みました
収穫予想高は、
統計調査部の
作況基準によりますと十月二十六日に
公表をされる予定と相なっておるわけでございます。従いまして、九月一日以降の
作況の変化を織り込みましての
収穫予想高は来月の終り近くになりませんと正式に使えるものとしては出て参らないということに相なるわけでございます。
それから、
バレイショにつきましては、これは
統計調査部が九月一日に
公表をいたしました八月十日現在の
収穫予想高があるわけでございます。これは
収穫予想高として出ておるわけでございまして、その
数字はこの
一覧表にありますように百五十四万六千トン、
貫数に
換算をいたしまして四億一千二百二十六万七千貫となっております。前年が四億四千五百万貫であったのでございますが、本年は前年に次ぐ好
作柄の年に相なっておるわけでございまして、
作況指数では本年の場合は一三〇に相なっておるわけでございます。
カンショ及び
バレイショの本年の
生産予想は、ただいま申し上げましたような
数字が現在私
どもで使い得る、よりどころになる
数字になっておるわけでございます。
それから、次に、
政令附録の
算式によって
価格を
計算して参ります場合、
イモ類の
供給高を引いて出回り量を
計算いたします場合、
政府で現に持っておりまする
澱粉を今後どのように
供給高に見て参るかということが
価格を
計算いたします上に大きく影響をして参るわけでございます。それで、
政府手持ちの
澱粉が現在どういうふうになっておるかということにつきましてあらまし御
説明をいたしたいと考えます。
お
手元に「
年度別澱粉の
政府買入
売却実績」という
資料を差し上げてございますが、これでごらんいただきますと、結論的には、
カンショにつきましては、本年九月末の
政府手持量は四千五百二十八万八千貫に相なっておるわけでございます。
カンショ澱粉は三十三
年産のものにつきましては
政府で千二百七十万八千貫を買い入れをいたしたのでありますが、
売却の方は、当
年産につきましては
価格の変動が
政府手持澱粉が
売却されますような
状態に推移いたさなかったのであります。
結晶ブドウ糖用に
売却いたしましたもの以外、特に
政府からの手を離れておりません。それで、去年より約千三百万貫ふえまして、四千五百二十八万八千貫を現在
政府手持ちいたしておるわけでございます。それから、
バレイショ澱粉につきましては、三十三
年産につきまして六百二十四万五千貫を買い入れ、
人造米用として若干
売却した以外、
政府手持ちは減少いたしておりません。現在の
手持高は千三百十三万一千貫。合せまして五千八百万貫の
澱粉を現在
手持ちをいたしておるわけでございます。
カンショ澱粉、
バレイショ澱粉の
年間生産量の半分近い
数字を
手持ちをいたしておるような
状態に相なっておるわけでございます。この処理につきましては今後特段の工夫をしなければならぬと考えております。
それで、これだけ大量に
政府手持ちをいたしておりますので、これを今回の
価格計算の場合どういう
考え方で出回り量の中へ
計算して参るかということが
価格を
決定いたします場合非常に大きく作用いたすわけでございます。それで、現在考えておりますのは、
カンショ澱粉につきましては、そのほとんど大
部分を今後数カ年の計画をもちまして
結晶ブドウ糖用に引き当てて参ることにいたしまして市場にはいわゆる
一般流通源としての
供給源には見ないことにいたしたい、四千五百万貫の大
部分を
結晶ブドウ糖用に今後引き当てて参るという
考え方で出回り量には見ない
計算で本
年産の
価格の
計算をいたしたいと考えておるわけでございます。
おもな
価格計算の
要素はただいま申し上げましたようなものでございますが、目下、これらのデータに基きまして具体的に
計算をいたしまして、
政府部内における意見の調整をいたしております
段階でございます。
政府案といたしまして本
年産価格の
決定につき具体的な
数字につきまして御検討いただきますのはなお若干時間をいただきたいと考えておるわけでございます。
簡単でございますが、ただいままでの経過を申し上げまして御
説明にかえます。