○永井
委員 今言った理由はみんな普遍的な問題です。どこでも共通の問題です。労力不足というものは、単に
芝浦の
地域だけが労力の不足という特殊性はありません。また、天候が落ちついて豆を
増反した、これも共通の問題です。バレイショとの競合しかり、
ビートと出荷
計画しかり、急に
伸びたということも全部しかり。なぜ急激にこういうふうにがた落ちしたかという原因をこういう理由に求めて、事実の真相を究明しようとしないところに問題があると思う。その問題は、この
芝浦の三十三年度における
報告書を見たら、普通の常識のある者なら、こういう
数字が
会社から出る以上は
農民から反撃が来るのは当りまえだということを理解しなければいかぬと思う。たとえば、ここに受入数量に対してここに出してあるのは欠減が二%です。私は今度ヨーロッッパの方へ行ってドイツやポーランドをずっと回って参りましたが、どこへ行ったって三%以下の欠減のところはありません。ああいう先進地の経験を積んだところで三%以上の欠減であるのに、
芝浦が二%の欠減です。そうしてここの標準は三・五%。だから、いかに収納をきびしくして、そうして、収納したものはほとんど欠減がなく
処理できるか、こういう
原料関係だということはこの
数字で明らかだろうと思う。また、ここの歩どまりで一四・四二%というのが出ております。これは非常に高率です。皆さんも御
承知のように、
昭和三十二年度の
芝浦はどうでした。一一%の歩どまりですよ、
政府が認めたのは。
日甜その他は十二一%です。このため、三十二年度の歩どまりを一一%に減らしたというのは実態ではないと思う。この年は
芝浦が
操業して、そうして機械が十分でなかったものだから、結晶しないでどんどん流して
原料を腐らした、こういうな原因を含めて、実態と合わない歩どまりの減小によって、歩どまりを少く見ることによって
会社の利益をはかったということが、三十二年度における歩どまりを一一%と認めた事実だろうと思うのです。でありますから、三十二年度の歩どまりが、ほかが一二%幾らというのに、あの
会社だけを一一%と下げて認めておいて、今年は一四%。これは、
原料が収納数量よりも実際の
処理の数量が多いのだろうと私は思うのです。それでなければこの
芝浦の
地域だけが非常に。パーセントが高い、こういうことはわれわれの常識から言えば理解し得ませんし、あるいは、ドイツやポーランド先進国の
処理からいきますと、みんな、受け入れしておる数量だけではありません。含糖率で
処理して三%は逃げるのです。これは全部つかむことはできません。三%は逃げて、その残りが歩どまりとなってくる。三%かりに逃がしたとすれば一七・四二の含糖率という非常に高い台糖率になります。こういう
数字を見て、三十三年度は
農民の間から、看貫をごまかした、あるいは歩引きが非常にひどい、こういうことをやかましく言ってあの問題が起きたのは、この
数字を見れば常識ある者ならちゃんとわからなければならないと思う。そういうことに目をおおっておいて、今のようにただ
数量調整でやるという。
数量調整でやるなら、歩どまりから何からその内容を検討して、当然
数量調整をした結果として出た
製品に対してはどうするかといえば、金を吸い上げる、あるいは
一つの標準
価格で買い上げる、こういう経済
処理を最終にはしなければならないのでありますから、この
数量調整をするとともに、
価格関係がその販売
計画の内容になってこなければ、ほんとうの法律できめた販売
計画を立ててなにをするという内容には沿わない
行政の
措置であろうと思う。だから、私は、そういうごまかしを言わないで、もっと率直に言ってもらいたい。
芝浦だ、
日甜だ、
二つの営利
会社を
中心にしてこの権威ある農林
委員会が何日もこういう問題についてコンニャク問答のようなわけのわからぬ問答をするということは情ない限りだと思う。われわれは、ここで、なぜ
ビートの
振興計画を立てなければならないか、
振興するにはどうしたらいいか、こういう基本的な問題について、もっと科学的な基礎に立ってまじめな議論が前進できる、どこに食い違いがあってどこに問題があるということがはっきりと科学的に分析して摘出ができるような前進のある議論がここでなされなければいけない。水かけ論のようなこんなばかげた話というものはありません。どのように
現地をつかんでおるか知らぬが、
現地はこんなことで満足しません。
町村長がどのようなことを言おうが、
組合長がどのようなことを言おうが、
現地ではどんなことを言っておるか。この
耕作計画や出荷
計画や一切の
計画は
農民を相手にしない、
町村長、
農協組合長だ、こういうことで、
耕作農民というものを全く度外視された形でこのことが運ばれておる。それに調子を合せて、こちらの方では、
町村長や何かにしこりを残してはいけない、あるいは
組合が分裂してはいけないということでやっている。それよりも、作る
農民がどうであるかということに触れない限り、減反するのは当りまえだと思う。でありますから、私は、もっとまじめに、
数量調整とかなんとかと、
一つの
会社にだれから見ても利益をあまりに擁護し過ぎているようなこういうばかげたことで、言葉の上だけで物事をごまかして、そうして過ぎてしまえばあとは
計画と現実とが少々食い違うのはあたりまえだとほおかぶりしていくようなみっともないようなことをしないで、もっと良心のある、良識のある
立場で問題をまじめに
処理しなければいけないと思う。そういう
立場において、
芳賀委員は先ほど来
数字をあげて何時間もかけて誠実にあれだけ論議をしているのじゃないですか。もっとまじめに論議すべきだと思う。この三十三年の数量に対する当局の
所見を私は伺って、なお場合によりましては関連質問を続けたいと思います。