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足鹿委員 果樹が当面問題になっておるので、
果樹について
考えてみると、米とか麦とかは自己消費を一面伴っておるわけです。その商品化率というものは、米の場合でも四〇%
程度しかない。ところが、
果樹とか蔬菜というようなものになりますと、これは純然たる商品化された農作物です。従って、経営の実態も非常に企業的になっておりますし、経営規模もなかなか充実しておる。また、経営しておる
農家も相当な負担能力が一面においてはあると見なければならぬ。従って、これらを全国的な任意共済に移した場合に、保険設計上どういうことになるかということは、これは事務上の問題で、私
どもとてもわかりませんが、少くとも米麦より以上なある
程度の負担能力というものはあると見てよろしいと思うのです。そうした場合には、
一つの方針に従って保険設計をして、国が
——大臣は介入という言葉を使われたが、介入とは私どういうことか知らぬが、ただ干渉してもらっただけではつまらぬ。やはり再保険をやらなければだめです。ただ、やはり
果樹の今回の
災害を見てしみじみ感ずることは、企業性の強い商品化されたこういう農作物については、少くとも全国的な立場からやっていけば、そう高い料率をとらなくても、ある
程度保険設計は成り立つのじゃないか。今回のような集中的な
被害があるということはめったにないことだと思いますが、従って、
政府がある
程度の再保険等のめんどうを見れば、私は成り立つと思うのです。そういう点は重要な問題でありますし、営農の形態がだんだん変ってきておるわけですから、それに即応するように早急に対策を立ててもらいたいと思います。
それから、今
中澤君が述べられておりました建物任意共済の問題ですが、これは
農協の行なっておるものとまま競合が起きて、各地に紛争が起きており、先年来
知事その他が中に立って、分野を守って協定が行われて、一応表向きは平穏になっている。しかし、これは根本の問題ですが、先年の伊豆
災害の際には静岡県の共済連合会は相当の金額を自まかないでやって一応とんとんだった。ところが、今度は
事情が違う。こういう事態が起きるのですから、再保険措置もない、あるいは全国的な系統的な機関もない団体が保険をやる、特に建物とかに手を出すということについては、問題が風水害の場合を指定しておりますから非常に問題が起きるということを私
どもは従来から指摘したのです。もしこれにあなた方が適切な救済の手を伸べられないということになりますと、これは大へんな問題になります。われわれは従来これは指摘してきておった。できたことでありますから、これは当然
政府は救済の手を伸べなければならぬと私は思いますが、ただ伸べっぱなしではなしに、この問題に対してはこの際
一つ根本的に御検討にならなければならぬ事態じゃないかと私は思うわけです。よく料金が安いとか掛金が安いというようなことを言って回ってけんかをしておる。国が補助金を出した団体が、営業保険やその他の
一つの経済行為をやっておる団体と掛金が同じだったりした場合にはおかしいので、そんなことは自慢にはなりません。いざというときにほんとうに責任を持って保険金の支払いがうまくいくかどうかということが、やはり
農家がこれに参加する理由でありますから、あまり方便的なことだけで当面を糊塗しておると、こういう事態が起きたときにばたっと行き詰まってしまう。これは建物の任意共済問題は制度上の重要な問題だと私は思うのです。これを機会に
一つ御検討願いたいと思いますが、それはそれとして検討するということと、この事態に対しては、やはり
政府も中に入って、
——今まであっせんをされ
調整をされた立場上おそらく知らぬ顔はできますまい。何らかの措置を講じねばならぬ。この前の九州の薬種
災害のときには、三千万円くらい任意共済をやったけれ
ども、いまだに再保険がないために焦げつきがある。こういうような問題もあらためて再検討すると同時に、その制度の欠陥を認めると同時に、これに対する対策の手は講じつつ、やはり根本的に
考え直していかなければならぬ問題だろうと思うのです。こんなに
災害が頻発しますとほうってはおけないと思うのです。特に建物問題について
大臣の御所見を承わりたいと思います。