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1959-07-06 第32回国会 衆議院 逓信委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十四年七月六日(月曜日) 午前十時五十三分
開議
出席委員
委員長
佐藤洋之助
君
理事
進藤 一馬君
理事
早
稻田柳右エ門
君
理事
片島 港君
理事
小松信太郎
君
理事
森本
靖君
椎熊
三郎君
武知
勇記君
塚田十一郎
君
寺島隆太郎
君 粟山 博君 渡邊 本治君 小沢
貞孝
君 大野 幸一君 金丸 徳重君 風見 章君 栗原 俊夫君 原 茂君 松前 重義君
委員外
の
出席者
郵政政務次官
佐藤虎次郎
君
郵政事務官
(
大臣官房電気
通信監理官
)
松田
英一君 郵 政 技 官 (
大臣官房電気
通信監理官
)
岩田
敏男君
郵政事務官
(
電波監理局
長) 甘利 省吾君
日本電信電話公
社営業局長
大泉 周蔵君 専 門 員 吉田
弘苗
君 ――
―――――――――――
七月二日
委員正力松太郎
君辞任につき、その補欠として
寺島隆太郎
君が議長の指名で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
七月三日 一、
郵政事業
に関する件 二、
郵政監察
に関する件 三、
電気通信
に関する件 四、
電波監理
及び
放送
に関する件 の閉会中審査を本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
七月二日
電話加入質権
の実施に関する
陳情書
(第一六九号)
地域団体加入電話
の適用に関する
陳情書
(第一七〇号)
姥屋敷部落
に
農村公衆電話架設
に関する
陳情書
( 第二三七号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
郵政事業
に関する件
電気通信
に関する件
電波監理
及び
放送
に関する件 ――――◇―――――
佐藤洋之助
1
○
佐藤委員長
これより
会議
を開きます。
郵政事業
、
郵政監察
、
電気通信
、
電波監理
及び
放送
に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。
森本靖
君。
森本靖
2
○
森本委員
それでは
電気通信監理官
がおられますので聞きたいと思いますが、この
委員会
において前の
大臣
、
政務次官
に対しまして私の方から
国際通信
の基本的な路線というものをどうするかということについて
郵政省
としては早く確固たる
政策
を
発表
したらどうかということを前々から言っておりましたが、たまたま本年の五月の七日に
郵政省
から
太平洋横断電話ケーブル
の問題についての
発表
があったわけであります。前から私はこういう問題があるならば
委員会
を通じて明らかにしてもらいたいということを
要請
をしておったわけでありますが、
新聞発表
になりましたので、その
新聞発表
を通じて聞いてみたいというふうに考えておりますが、この
太平洋横断電話ケーブル
の問題については、
一体
政府当局
としてはどういう
考え方
を全部について持っているか、一応そのあらましを御
説明
願いたい、こう思うわけです。
松田英一
3
○
松田説明員
お答え申し上げます。
海外電気通信政策
の問題につきましては先般来御
質問
を受けておりましたし、それに対していろいろと私
ども
考えて参りますにつきましては、外部の
経験者
と申しますか、そういう
方面
のよくわかっておられる方の御意見を聞く必要があるというふうなことで、実は
郵政省
といたしましては
郵政審議会
にそういった
電気通信関係
の
問願
を
検討
していただくというつもりでこれに
一つ
の部会を作りまして、そこで
検討
していただくということで準備を取り進めている次第でございます。それと実はただいま御
質問
になりました
太平洋ケーブル
の
問願
でございますが、これは実はエカフェと
ITU
の
会議
が五月四日から十五日まであったわけでございますが、このときの
ITU
の
プラン委員会
というところでいろいろと
問願
になる
事柄
を私
ども
想定しておりましたときに、去年の九月に
イギリス
のコモンウェルスと申しますか、
連邦
と申しますか、つまり
世界
的に
イギリス系統
の国を
海底同軸ケーブル
でずっとつないでその
緊密化
をはかっていくのだという
計画
が昨年の九月に
発表
になりまして、これの
完成
は十年後ということになっておりましたが、とにかく昨年
カナダ
のモントリオールでその
会議
がございましてその結果が
発表
になったものでございます。その
経路
といたしましては当然
カナダ
からオーストラリア、それからシンガポールあるいはインドを回りましてアフリカから
イギリス
に行くというふうな形をとっておりますし、今度の
アジア
の方では
世界
的な
電気通信幹線網
というものが
アジア
の
部分
に関連して
ITU
の
プラン委員会
で議論されるということが当然の議題であったものですから、そのことが当然問題にされるであろう、そうなればその際にいろいろと
電気通信
の問題が議論されるであろうから
日本
もこれに対して当然何かの発言をしなければならないというふうなことで、
一体太平洋
の
ケーブル関係
はどういうことで考えられていかねばならないか、ことに
アメリカ
は
太平洋
に対する
日本
から考えて見ますれば対岸でございますし、それがどういう意向を持っておるかというふうなこともわれわれかねがね心配しておったわけでございます。そこで
アメリカ側
といろいろ接触しておりました結果、
アメリカ
の
ATT
、すなわち
アメリカ電信電話会社
が
国際電電
と接触を持ちまして、
海底同軸ケーブル
の問題についてとにかく
お互い
に話し合ってみようというようなことで、もちろんこの問題はまで話し合ってみようという
状況
でございまして、それ以上に深く立ち入るということはなかなかむずかしい問題ではございますけれ
ども
、とにかく五月に
ITU
の
会議
があるということを
めど
といたしまして、ここで何か
日本
としてもまた
アメリカ
としても黙って
イギリス側
の
ケーブル
というものができることを見過ごしておることは問題であろうというふうに考えられました結果、結局五月の八日でございましたか、大体次のような
新聞発表
をしたわけであります。それは
太平洋横断ケーブル
の
可能性
について、今の
アメリカ電信電話会社
と
国際電電
との間で瀬踏み的な論議がなされた。そして今までいろいと
国際電電あたり
でも研究しておったのでございますれ
ども
、そういう
日本
と
アメリカ
の間の
通信
あるいは
アジア
全体と
アメリカ
との
通信
というふうなことを考えました場合には、当然
電気通信
の量というものが非常に近い将来においても画期的にふえていくので、今のような
短波無線
だけではとうてい
世界
の大勢に追いつけない、そこで、新しい
電話ケーブル
は
アメリカ
と
ヨーロッパ
の間においてもうすでに開始されておりますし、また
アメリカ
から
ハワイ
までの間においても引かれており、さらに
アメリカ
と
ヨーロッパ
の間においては、第二、第三と、同じような
計画
が進められておりますが、そういうものは当然
アメリカ
と
日本
との間でも必要になるだろう。もちろんそういうものが必要ということは考えられ、望ましいとは考えられても、では、さていつごろになるかということはなかなかむずかしい問題であるけれ
ども
、
通信量
その他を考慮いたしました場合には、これから五、六年くらいたったらそういうものが多分必要にもなり、また引ける状態にもなるだろうというふうなこと。それからこの
ケーブル
をもし引くという場合にも、それは現在あります
短波
の
無線
というものに置きかわるというのではなくて、
短波
の
無線
と同時にその役割を果していくというふうに考えていくべきものだろうということ。それからこの
ケーブル
が引かれる場合の大体の形でございますが、これは結局現在
ヨーロッパ
と
アメリカ
の間の
ケーブル
というものが行われておりますが、やはり現在の
世界
的な
一つ
の
傾向
というものによっていくのがいいのではないかということで、これはどういうことでやられているかと申しますと、
アメリカ
と
ヨーロッパ——アメリカ側
は
アメリカ
、
カナダ
がございますし、また
アメリカ単独
の場合もございますが、それに対して
ヨーロッパ
は幾つかの国が
向う
の端に連なるということで、
お互い
に
アメリカ側
あるいは
ヨーロッパ側
の国の間で必要とする
回線数
というものを適当に考えて、この
回線数
の比率に従って
お互い
に
経費
も出し合うし、
運営費
も分担する。従って
通信料金
というものはあくまでも
両方
の国の間は折半していく。昔のように
海底線
の持ち分、あるいはどこの国が引いたかということで、
陸揚げ部分
だけの
料金
がそちらに行って、
料金
の大
部分
は引いた国の方に取られるというふうなシステムは、今の
世界
的な行き方ではないというふうなことに大体
ヨーロッパ
と
アメリカ
の
関係
は処理されておりますので、同じようなことで処理されるべきだろうというふうに一応考えた次第でございます。 それで引く場合にはどんな
ケーブル
がいいかということでは、現在
ヨーロッパ
と
アメリカ
の間で引かれておりますのは三十六
回線
とれる
方式
で、二条の
海底同軸ケーブル
を引っぱっておりますが、これはもっと技術的に進め得るし、進めなければならないものである。従って、一本の
ケーブル
を引いて、それで双方の
通信
ができる、しかもそれは現在の三十二
回線
に対して百
回線
あるいは場合によっては技術的に進んだ
方式
をとればそれ以上もとれるだろうというようなものを考えていきたいということ。それからこの
ケーブル
はもちろん
日本
と
アメリカ
の間の
通信
だけに使われるのではなくて、将来
日本
から
南アジア
の方に
通信幹線
ができた場合には、その
通信幹線
と結び合うことによって
日米
間の
ケーブル
を通って
南アジア
の国と
アメリカ
との
通信
というものにもこれは提供されるであろうというようなこと、大体そういうような
事柄
が
お互い
に
話し合い
の
状況
として示されまして、しかし、これはもちろん瀬踏み的な相談でございますから、なおこういった適当な
ケーブル
というものを将来建設するというために、さらに
検討
を進めていくというような、非常に具体的な
内容
は持ちませんが、
日米
間の
海底ケーブル
というものを引く必要があり、さらにこれを
検討
していこうというだけの
状況
でございますので、その
通り
を
発表
して、
ITU
の
プラン委員会
にわれわれは臨んだわけであります。その結果、
プラン委員会
といたしましてもその
状況
を考慮いたしまして、一方においては
イギリス系統
の
ケーブル
というものを
プラン委員会
の中において触れますと同時に、この
ケーブル
についても触れる。さらに
日本
と
東南アジア方面
の
ケーブル
あるいはマイクロウエーブどちらによるかわかりませんが、とにかくそういう
通信幹線網
、そういうものに触れる。もちろんこれはそういったものが将来の
問願
として考えられるという
程度
のことで、具体的にこういうものをこういうように引くのだという
計画
までは参りませんし、またそういうものを
ITU
の
プラン委員会
でも期待しておるわけではございませんので、将来の問題としてこういうことが考えられるという
程度
で、そういった問題が触れられて
プラン委員会
は終ったという形になっておる次第でございます。
森本靖
4
○
森本委員
かなり詳しい
説明
がありましたけれ
ども
、
答弁
の要点のところがちょっとぼやけたようなところがありますので、私は
一つ
一つ
聞いていきたいと思います。 まずこの
海底ケーブル
を引こうという
考え方
のようでありますが、その
海底ケーブル
を引くという場合には、
一体
どういう
コース
をとって引くのか、
一つ
御
説明
願いたいと思います。
松田英一
5
○
松田説明員
実は
経過地点
のこともこれからの研究問題でございまして、今では何も
経過地点
はきまっていない。私
ども
希望
いたしましたのは、この
ケーブル
が
日本
をそれてどこかの国へ行ってしまうのではなくて、
日本
が
相手国
になるということを
希望
しておりましたので、その点はここでやや明確になっておる。
日本
へ来るまでの
経過地
というものは技術的にいろいろ
検討
も必要といたしますし、まだ全然きまっていない、これからの問題であるというふうになっております。
森本靖
6
○
森本委員
そうしますと、この
海底ケーブル
を引くということについては、
日本
が
希望
するということよりも、
アメリカ
の方がもっと
希望
しておる、こういうことです。だから
日本
の方が積極的でなければ、
アメリカ
は現在の
英連邦
のいわゆる
通信網
と直接つなぐ、こういう
考え方
ですが、そうならそれで勝手に
向う
でやってもらってもけっこうなんです。
松田英一
7
○
松田説明員
そこのところはなかなかむずかしいところでございますが、こういう
話し合い
がまとまってきているということは、
日本側
も
アメリカ側
もそれを要望しているという結果でございますけれ
ども
、私
ども
は
日本
の立場から考えました場合には、
世界
の
通信網
というものが
日本
を通らないで、よそを通ってしまって、
日本
にはその支線だけが寄るというような形は
日本
の
電気通信界
としては感心しない形であるというふうに考えております。
森本靖
8
○
森本委員
だから私が聞いておるのは、
アメリカ側
の
希望
に対して
日本
がこういう
希望
をしておるということでなしに、
日本
は
日本
としてのこういう
通信政策
を持っており、こういうふうに
連絡
をしてもらいたい、こういうことであるならば、
日本
は
日本
としての南方を通って、
グアム
を通って、
ハワイ
を通ってという
一つ
の
考え方
がある。だから私は
アメリカ
の
考え方
を聞いておるのではなくて、
日本政府
はこの
海底ケーブル
についてどういう
考え方
を持っておるかということを聞いておる。だから
アメリカ
は
アメリカ
としての
考え方
があろうけれ
ども
、
日本政府
としてはこの
海底ケーブル
を引く場合にはどういう
経路
を通って引くことを考えておるのかということを聞いておるのです。
松田英一
9
○
松田説明員
海底ケーブル
の
経過地
につきましては、実は
相当実測
もして考えてみないと、なかなか
経費
のかかるものでございますし、ただ一がいにこの
ルート
ということをあらかじめきめてかかるわけに参らないと思いますので、今後その点は大いに
検討
して参りたいというふうに考えております。
森本靖
10
○
森本委員
これは、一応
検討
しても、あなたの方は、実際に布設する場合には、いろいろ測量もしなければならぬし、何もしなければならぬけれ
ども
、
一体
どこを通っていくかということについては、大体の
机上プラン
というものがあろうと思うのです。
日本
の
小笠原
なら
小笠原
を出て、
グアム
島なら
グアム
島に行って、それから
ハワイ
を通って
向う
のサンフランシスコに行くなら行くという
一つ
の
日本
の
プラン
があると思うのです。一九六〇年にこれをつけるなどという
新聞発表
をしているけれ
ども
、何もなしでは間に合いませんよ。だから私は、一ぺんに聞くとあなたの方でごちゃごちゃ
説明
するから、
一つ一つ順序
を追って聞いておるわけであって、まずあなたの方の
海底ケーブル
というものについては、どういう
順序
を追って布設するかということを聞いておる。その次には、どういう
内容
のものを布設するのか、こういうふうに順番を追って
説明
を聞いていかぬと、ただ長いことだらだら
説明
を受けていると、聞いている方もわからぬことになるのですよ。今言ったように、どういう
コース
をたどるかということをまず最初に聞いておるわけです。あなたの方の
机上プラン
でもいいのですよ。
松田英一
11
○
松田説明員
机上プラン
といいましても、実はその問題につきましては一応この
ケーブル
というものが今の
話し合い
そのままにいくといたしましても、一九六五年見当というところでございますから、それまでの間にそういったどういう
経過地
をたどれば一番いいのかということを
検討
して取りかかるわけでございまして、現在、私
ども
としましては、こういった
ルート
がいいという具体的な案はまだ持ってないわけでございます。
森本靖
12
○
森本委員
そういたしますと、これが
アメリカ
まで
完成
をする予定は一九六五年ですか。
松田英一
13
○
松田説明員
それも五年ということをはっきりきめているわけではございませんで、そのときの
状況
によって、あるいは四年になるか、五年になるか、六年になるか、
両方
の
話し合い
のところでは、六〇年代の中ごろというふうな話になっておりますので、はっきり五年ときめたわけではないのであります。
森本靖
14
○
森本委員
それではこの
海底ケーブル
を引く
目的
というものを個条的に言ってくれませんか。
松田英一
15
○
松田説明員
海底ケーブル
を引きます
目的
といたしましては、現在の
短波
で、
アメリカ
との間あるいはその他との
関係
も、ほとんど
海外通信
を実施しておりますが、
一つ
には、
短波
というものは性能がある
程度
限られておりまして、良好な質の
通信
というものはどうしても
限界
がある。ところが
海底ケーブル
の方は非常に質が良好で、現在の
通信
から見れば、非常に
良質
の
通信路
が得られるということが
一つ
。それからもう
一つ
は、現在の
短波
のものでは、いろいろと技術の進歩によって若干ずつ
通信路
をふやすことは可能で、またそれをやっておりますけれ
ども
、しかし画期的に
通信量
がふえ、ことに最近新しい
通信方式
が進歩して参りまして、テレックスとか、あるいは
電話
とかそのほかの
航空通信
に対する
要請
に応ずるとか、いろいろな面で新しい
通信方式
を、しかも
多量
の
通信
を期待される時期がきつつある、そういった
多量
の
通信
をはかっていくということになれば、
短波
ではもう間に合わなくなる、そのために、
多量
に
通信路
のとれる
方式
を考えなければならない、こういうところが、大体において
海底同軸ケーブル方式
による必要がある
理由
だと思います。
森本靖
16
○
森本委員
そうすると、これは
良質
の
通信
ができるということよりも、現在の
無線通信
では、その
使用回線
がもう
限界
にきておる、これ以上ふやす場合においては、やはり
有線
の
海底通信
を開始しなければならぬということが、
理由
の
一つ
というよりも半分以上占めておる、こう解釈してもいいのですか。
松田英一
17
○
松田説明員
その
両方
がやはりからみ合うわけでありまして、また
両方
とも
目的
とする。
一つ
には、たとえばこれは
ヨーロッパ
と
アメリカ
の間のものもそういう例だったのでございますが、
通信
の質が必ずしもよくなかったために、今度の
海底ケーブル
の
方式
をとったところが、非常に質がよくなって、そのためにうんと
通信量
がふえたという実績も現われておる次第でございます。そういうことから、質がよくなるということも量がふえるということも
両方
からみ合って、こういった
海底ケーブル
というものを
世界
的な
傾向
として生み出しつつあるという
状況
だと思います。
森本靖
18
○
森本委員
そうすると、今の
日本
の
アメリカ
との間における
無線通信
の
電信回線
、
電話回線
は
一体
何
チャンネル
あるわけですか
——
すぐわからなければ、時間の
関係
がありますので次に進みますが、この
ケーブル
はどういう種類の
ケーブル
を引こうと考えておるわけですか。
松田英一
19
○
松田説明員
回線数
はちょっとそらで覚えておりませんので、あとでまたあれするといたしまして、この
方式
といたしましては、一条で双方向型の
ケーブル
ということになっておりますが、
先ほど
もちょっと申し上げましたように、現在までやっております
海底同軸ケーブル
の
方式
は、二条引っぱっておりましたが、それを一本引っぱって一本で
両方
向の
通信
ができるという
ケーブル
の
方式
を考えております。
森本靖
20
○
森本委員
そうすると、これはやはり三十二
回線
、こういうことですか。
松田英一
21
○
松田説明員
一本ではありますが、前よりも非常に進歩いたしまして、百
回線
くらいはとれるだろうという話でございます。
森本靖
22
○
森本委員
岩田監理官
の方で調べてわかると思いますが、
先ほど
の、
アメリカ
と
日本
の現在の
無線
の
回線
は何
チャンネル
あるわけですか。
岩田敏男
23
○
岩田説明員
お答えいたします。
電信回線
が七
回線
、
加入電信回線
が十三
回線
、
写真電信
が一
回線
、
電話
が八
回線
、
専用線
が十四
回線
であります。
森本靖
24
○
森本委員
最後の
専用線
というのは何の
専用線
ですか。
岩田敏男
25
○
岩田説明員
国内の
専用線
と同じように、
専用線
でございます。
森本靖
26
○
森本委員
専用線
を具体的に
説明
してくれ、こういうわけです。
岩田敏男
27
○
岩田説明員
航空関係
の
回線
があります。
森本靖
28
○
森本委員
航空回線
だけですか、この十四
回線
の
専用線
というものは。
岩田敏男
29
○
岩田説明員
主として
航空回線
と思いますが、詳しいなには今わかりかねます。
森本靖
30
○
森本委員
これは一般の民間の
会社等
に
専用
に貸しておる分ですか、それとも
安全保障委員会等
によるところの
日米
の
軍事目的
に使っている分ですか、どっちですか。それもたしか何
回線
かあるのだ。
松田英一
31
○
松田説明員
日米
の
安全保障協定
によって貸している分はないと思います。
森本靖
32
○
森本委員
今聞きますと、全部で何本になりますか、合計で五十
回線
でも足らぬわけですが、そこで百
回線
できるということになると
——
一九六五年ですから、その当時になるとかなりできると思いますが、そのときになっても
無線
は全廃するというわけじゃないでしょう。今のやっている
程度
の
無線
はやはりやる、こういうことになるわけじゃないですか。
松田英一
33
○
松田説明員
その
通り
でございまして、
海底ケーブル
ができたから
無線
をやめるということでは、
短波
というものを
日本
が兼営しているというとなにですが、持っているわけでありますから、それはそのままにして使って参りたいと思っております。
森本靖
34
○
森本委員
そうすると、この百
回線
の
有線
ができるということになりますと、これは現在の
無線
の量がそのまま倍にふえたとしても、百
回線
のうちの五十
チャンネル
を使えば、一九六五年でも大体上々ということがいえるわけですね、今の
通信量
から見ていくと。そうすると、残りの五十
チャンネル
くらいが余ってくるということになるわけですが、これは具体的にどういう
プラン
を持っているわけですか。
松田英一
35
○
松田説明員
この点につきましては、実はどれくらいが
日米
間の
通信
の量として使えるかということは、確かにその
ケーブル
に具体的に手をつけますときになればはっきりと
めど
をつけなければならないと思いますが、今ではなかなか数年後の
情勢
というものははっきりとこうだという予想もいたしかねるわけでございます。しかし、いずれにしましても、まずこの百
回線
を全部初めから使うということはあまり好ましくない。将来の余裕のためにもとっておかなければなりませんし、それからここで考えられておりますのは、何しろ
太平洋
という長距離のところをこの
ケーブル
が渡るわけでございますから、むしろこの
ケーブル
を通って
東南アジア
との
連絡
というものが考えられる。従って
東南アジア
の国が、
アメリカ
あるいは
アメリカ
を経由してどこかよその国と
良質
の
通信
をする場合には、それに対してこの
ケーブル
を利用させるということも考えておくという見地でございます。
森本靖
36
○
森本委員
今の
説明
では この百
チャンネル
とって、将来それがどうなるかということについては、
経済
の見通しその他
国際情勢等
からして、今すぐここでどうこうという
答弁
はなかなかむずかしいと思うが、しかし
岸総理あたり
も本
会議
で十カ年後には月給を二倍にすると言っており、
長期経済計画
というものを
政府
は立ててやっておる。そういうものとあわせてこういうものをやっていかなければ何にもならないわけであって、実際問題としては、具体的には、
経済
企画庁の
長期経済計画
に見合って、こういう
通信政策
については今からこうこうこういうふうになっていくという
説明
ができるのが
政府
の義務です。また
説明
ができなければいかぬわけです。それを
先ほど
来のあなたの
答弁
を聞いていると、まだちっともはっきりした固まったものがない。しかし一応
国際会議
の
関係
もあるので
新聞
には
発表
した、こういう
答弁
でありますが、そうすると、もしかりに東京から
アメリカ
までの
海底同軸ケーブル
を引くということになれば、この
建設資金
は総額でどのくらいの見積りですか。さらにこの
建設資金
を
日本
と
アメリカ
とがどういうふうに折半をしようとするのか。またこれの維持についてはどういう形になっていくのか。
日本
はこれをどこが取り扱うことになるのか。
松田英一
37
○
松田説明員
ただいま
森本先生
の言われましたように、確かに私
ども
も、この問題を
発表
する時期というものは、もう少し具体的にいろいろと
考え方
をまとめてからするのがいいというふうに考えたことは考えたわけでございますけれ
ども
、
先ほど
申し上げましたように、何分にもこの
ITUプラン会議
という時期に、
日本側
で何も自分に関する
計画
を言わないで、
イギリス
系の国の
世界
を回る
海底ケーブル
網のみが表面に出て、
東南アジア
の国というものがそれを非常に頭の中に植え付けられるということは、私
ども
として感心しないことだと思いましたので、こういった
発表
もしたわけでございまして、ただいま
森本先生
の御
質問
のような点につきましては、われわれとしてまだ具体的に考えていないではなはだけしからぬということを言われますと、まことに申しわけないわけでございますが、問題のどれくらいかかるかという点につきましては、これは従来の
ケーブル
のままで計算いたしましたときには、サンフランシスコと
ハワイ
の間の
ケーブル
というものは、
日本
の金にして大体百三十億くらいかかっております。それから距離が、サンフランシスコと
ハワイ
の間に対しまして、
ハワイ
と
日本
の間は約倍になるというふうな見当から考えまして、まず従来の
方式
でいけば百三十億の倍、二百六、七十億というものが
ハワイ
と
日本
の間にはかかるという計算にはなって参ります。しかしこのごろの新しい一条の
ケーブル
方式
でどれくらいかかるだろうかという点はまだ算定ができないのです。多分安くなるだろうという話もございますが、どれくらい安くなるものか、あるいはそう安くならないものか、その辺も現在の段階でははっきりしていないわけです。それからそれについて、では
日本側
がどういう工合にこれを調達をするのかということも、これも具体的な
計画
に当ります場合までにはきめなければならない問題でございますが、今度の
発表
はそこまでのことを考えて
発表
したわけではございませんので、今こうするということを私
ども
としてはまだ言い得ない段階になっております。ただこの場合に、
先ほど
も申し上げましたように、この
ケーブル
は利用する
程度
に従って負担し合うということでございますから、
日本
がこの
ケーブル
をその時期までに利用する限度というものを考えまして、その限度において
日本
が負担をする。簡単にいえば、たとえば
日本
がこの
ケーブル
の半分だけを利用して、あと半分は南方の
アジア
の国に利用させるのだというふうなことで考えるといたしますれば、
日本
は全体の
経費
の四分の一、つまり半分を
アメリカ側
で持ちまして、こっち側の半分のうち
日本側
が利用するのを
日本
が持つ、従ってあと四分の一は南方のこれを利用したいという国でこれを持つという形になりますが、それがない場合にどうするかという問題もございますし、従ってまだ具体的には申しかねる段階でございます。
森本靖
38
○
森本委員
それはどこがこれを負担してどういうふうにするということもきまっていない、こういうわけですか。それからどういう
考え方
であるということも言えぬわけですか。
松田英一
39
○
松田説明員
具体的な問題といたしまして、ここはこういうふうに調査していく、こういう形で臨むということは、今の段階としてははっきりきまっていないのであります。ただ現在の法律体制で考えれば、
国際通信
であるから
国際電電
が当っていくのだということも言えるかもしれませんけれ
ども
、そう簡単に言っていいかどうかも私としては今はっきりは申し上げることができないのであります。
森本靖
40
○
森本委員
そうすると、この資金の捻出その他についても全然きまっていない、昭和二十四年五月七日に
発表
したのは、
国際会議
があるので、とにかくそれに対して
日本
も何らかの意思表示をしておかぬと工合が悪いというので
発表
したのであつて、
内容
については全然まだ具体的な
検討
には立ち至っておらぬ、こういうことになるわけですね。
松田英一
41
○
松田説明員
その問題についての
検討
は逐次進めつつあるわけでございますが、具体的結果としてはきまっていないのであります。
森本靖
42
○
森本委員
そうすると、これは
日本
の将来にとっては非常に重要な問題ですが、あなたの方は問題をそらして
答弁
をしておるのかどうか知りませんけれ
ども
、何もきまっておらぬ、きまっておらぬが
国際会議
に一応
日本
としても
海底ケーブル
については
発表
しておかなければならぬということで
発表
した、この
程度
のことであるという今の回答でありますが、ただしかし、私が見たところによりますと、
国際電電
の中にはすでに
日米
海底ケーブル
委員会
というものを設置をして、そうしてこの
委員
のメンバーが全部会社の重役がなっておる。そうして各部の次長が仕事に専務をしておるというふうな実情であるということについては私の方でも承知をいたしておりますが、あなたの方ではこれを承知をしておるわけですか。
松田英一
43
○
松田説明員
私
ども
も大体そういうことで
検討
しているという話は聞いております。具体的にこういったことでこういう詳しい
状況
を聞いておるわけではございませんが、その
程度
のことは承知しております。私
ども
としては、
国際電電
が当然
国際通信
というものの責任を負っている会社でございますから、こういう問題に、もちろん関心を持たなければならないし、そのためにいろいろと
検討
をしていく、そのための組織も整える、それは非常にけっこうなことだと思っております。
森本靖
44
○
森本委員
それからこの
海底ケーブル
が何か
アメリカ側
の
軍事目的
あるいはまた将来の
日米
安全保障条約の改定問題にもからんでくるわけでありますが、そういうふうな
軍事目的
にも関連をするというふうなことはないのですか。
松田英一
45
○
松田説明員
この問題を
アメリカ
の電信
電話
会社と
日本側
が各
方面
といいますか、電電公社も
郵政省
も
国際電電
も
連絡
をとって臨んでおりますが、一応国際電々が
向う
と窓口になって交渉してきたという経緯につきましてはあくまでも商業的な基礎の上に立ってということで
検討
しておりますので、そのほかのことは私としては
要請
は受けておりません。
森本靖
46
○
森本委員
監理官としてはそういう
答弁
を当然するだろうと私も思っておったのですが、これは国際電信
電話
株式会社総務部厚生課の発行でありますから、おそらく国際電信
電話
株式会社の機関紙であろうと思いますが、この中に、今回の「第九回CCIRと今後の
国際通信
」という座談会が出ておるわけです。この中に、あなたが
答弁
する以上に相当詳しく今の
海底ケーブル
の問題について、座談会で語っておるわけです。ここで私が今
質問
したことについて、監督官庁としてあなたがもっと具体的に
説明
をしなければならぬような点についてこの座談会の中には入っておるわけです。これは私は非常に意外に感ずるわけであります。
先ほど
来あなたの方としては別に何も大したことはない、知らないというふうな回答をしておりますけれ
ども
、
国際電電
の会社の機関紙そのものの中に、かなり詳しいことを座談会の記事として載せておいて、監理官がその
内容
についてあまり
説明
ができないというようなことについては私は非常におかしいんじゃないか、こう思うわけです。最初の
日本
と
アメリカ
との
海底ケーブル
の路線についても、この中には一応
グアム
島を通って
ハワイ
を通っていくというふうなことも座談会の形式で載っているわけです。それから今の
軍事目的
の問題についても、有竹秀一、これは施設課長と書いてありますが、おそらく施設課長だと思うのでありますが、こういうことが載っておるわけです。この座談会の中に、いろいろな
理由
を言っておりますけれ
ども
、「第三に、電信会社の合併に大きな推進力となっているのは空軍だそうです。空軍はKDDにも注文があるように、これから
世界
各国の基地を結ぶ
電話
や電信の
専用線
を持ちたい。だが、それぞれの電信会社に頼んでも周波数がない、送信機がない、」というようなことになっておるから云々と、こういうような
海底ケーブル
についても非常に期待をしておるというふうな、
アメリカ
の国防上非常に重要な問題であるということを、座談会の中で有竹課長が言っておるわけです。まさかこれは
国際電電
会社の機関紙がうその座談会を
発表
するということはなかろうと思う。だからきょうの
松田
電気通信監理官
の
答弁
をこれ以上聞いても、あなたの
答弁
がさっき言われたような
答弁
だったら仕方がないので、私ははっきり要求しておきたいと思いますが、この
アメリカ
と
日本
に関する
海底ケーブル
の布設の問題について、現在
国際電電
において特別
委員会
がこしらえられて、今討議をせられておる、この経過を詳しく
一つ
資料として御報告願いたい。これはあなたの方は監督官庁でありますから
国際電電
に聞けばすぐわかると思いますので、そういう詳しい
内容
というものを資料として、現在までの経過を
一つ
この
委員会
に
発表
願いたい、こう考えておるわけです。 そこで、ついででありますので
電波監理局
長にちょっと聞いておきたいと思いますが、今テレビの
世界
的な中継ということが非常に問題になっておるわけであります。現在この同軸
ケーブル
が
アメリカ
と
日本
との間に設置せられる、こういうことでありますが、この間、大西洋の間におけるテレビ中継を
アメリカ
がやったそうでありますけれ
ども
、これは具体的にいうと、さっぱり効果が上らなかったというふうな話であります。将来
日本
がこういうようなテレビの国際的な中継等についてはどういう技術的な見地に立っておるのか、たとえば私は、この同軸
ケーブル
には大西洋と同じような格好になるのであって、ただ
チャンネル
がふえるだけでありますから、おそらくこの百
チャンネル
のような格好の同軸
ケーブル
では全然使えない、こう思うわけですが、今大西洋を通っておる
ケーブル
とほとんど同じ理屈になるのではないかという気がいたしますが、その点について、これは非常に国民が関心を持っておることでありますから、
一つ
御
説明
を願いたいと思います。
甘利省吾
47
○甘利
説明
員 テレビの国際中継と申しますと、現在技術的に考えられる方法が三つばかりございます。その
一つ
は
海底ケーブル
、もう
一つ
はスキャッター
通信
、さらにもう
一つ
は人工衛星による中継、この三つの
可能性
が考えられております。そこで御
質問
の
海底ケーブル
について申しますと、テレビをなまのまま、かりに六メガとしますと、それをそのラインで中継することは普通の方法では不可能であります。しかしこの
通信方式
の研究というものが非常に進歩しつつありまして、すでに
アメリカ
あたりでも、これは金さえかければ六メガを一けた圧縮するということの
可能性
が研究段階としては実現されておるようでございます。従ってこれを
海底ケーブル
を通して膨大な施設をして中継するということであれば、技術的に不可能とは言えません。しかし何しろ
日米
間には時差がございまして、これを商業べースで常時同時にテレビを交換するというようなことは、まずそう商業べースとしてはあり得ないと考えますので、やはり何か特殊なエベントのあったときに試みとしてやるというようなことではないかと思います。その膨大な施設と申しますのは、要するに電子計算機の高速度のようなものを送信側、受信側に使いまして大気を圧縮する方法でありまして、これを商業ベースで使うという段階には現在なっておりません。従ってわれわれは今後の人工衛星の打ち上げの進展、そういうものの方にむしろ
可能性
を感じているような次第でございます。これは技術者としての直観でございますので、あるいは五年先になって当るか当らないかわかりまんが、少くともそういう目標でわれわれも研究を進めるということはやっております。
森本靖
48
○
森本委員
海底ケーブル
がせっかくでき上りますので、これがもし技術的に使用できるならば、
先ほど
の百
回線
の問題も云々とありますが、これもたとえばオリンピックならオリンピックのときに使用するというふうな方法もとれぬものではなかろうというふうに考えておるわけですが、しかし今のお話ではなかなかこれはむずかしい。あるいはまた散乱波の問題についても、これはおそらく中継所をかなりこしらえなければむずかしい。中継所をアリューシャン列島をずっと通ってこしらえていって、それが果して成功するものだろうかどうだろうかというようなことについても、われわれも技術者の端くれとして考えてみた場合に、夢のような問題である。もっとも人工衛星というのは、監理局長はいつか
新聞
であったと思いますが、
郵政省
の研究所はこの人工衛星に乗せるということを考えておるという談話を
発表
しておったわけでありますが、これは人のふんどしで相撲を取るという格好になるわけでありまして、実際問題としては、理論的に
日本
が解明をしても、これを技術的にやるということについては、
日本
の今の財政状態では、これはとうてい
日本
独特のものとしてはでき得ないでしょう。どうですか。
甘利省吾
49
○甘利
説明
員 確かに
日本
独自でそういった人工衛星を上げてやるということは、財政上できないと思います。しかしだんだん大気圏外の利用というような問題が、一国だけではいかに財力、技術力があってもできない問題になりつつありますので、何らかそこで国際的に、たとえば国連とかあるいは
世界
の学術の連合会とか、そういったところを仲介しまして、そういう人工衛星を
世界
共通のものとして上げる、これを具体的に使う側では、それに必要な送受信装置をするということであれば、必ずしも不可能だとはいえないと思います。
森本靖
50
○
森本委員
そうすると
日本
の
電気通信関係
の
考え方
としては、将来たとえばオリンピックとかその他の重要な問題があったとき、あるいは戴冠式というものは現在ないわけでありますが、そういうような場合の国際的なテレビ中継ということについては、やはり
一つ
の夢を持って研究をしているということは間違いないと思いますが、そういう場合に
日本
の技術力としては、やはりこの三つの
方式
のうちでに、一応人工衛星を中継とするところのテレビの中継のやり方が一番現実性がある、こうお考えですか。
甘利省吾
51
○甘利
説明
員 このテレビの中継を
日米
間でやる、その間だけでしたら、あるいは
海底ケーブル
というものが最も安定した
一つ
の方法になると思います。しかし、たとえばオリンピックを機会に
世界
各国に中継するということですと、
日米
間の
海底ケーブル
一本ではどうにもなりません。従っていわゆるブロードキャストを
世界
的にするという見地からいいますと、人工衛星が
一つ
上ればそれで全
世界
に中継できるという
可能性
がある、こういう
考え方
です。それからスキャッターの方は
先ほど
おっしゃいましたように、多中継をしますと理論的にも質が落ちますので、まずこれも困難である。しかし近距離で、数個の中継で、それに技術の進歩を考えますと、あるいは近距離、中距離では可能になるかもしれません。
森本靖
52
○
森本委員
この問題はどうせまたあとで私は次の
委員会
あたりで詳しく聞きたいと思いますが、
先ほど
の資料はよろしゅうございますか。 それでは大泉営業局長がおられますのでちょっと聞いておきたいと思いますが、この前の
委員会
で問題になりまして、そこで前の吉沢営業局長が将来
検討
すると言っておりました例の集線装置の問題であります。この集線装置については、ちょうど監理官もおられますけれ
ども
、おそらく法案を提案するということになれば、これは監理官の方から提案をするという形になろうと思います。しかし実際はこれは営業局長の方でやるという形になるわけですが、この法律改正の準備は進んでおるわけですか。
大泉周蔵
53
○大泉
説明
員 公衆
電気通信
法に関しましては、今まで実施の結果問題になっておる点、実施の結果改訂したい点、あるいはつけ加えたい点等があるかどうかということを集めまして、目下
検討
中でございますが、いつ提案するかにつきましては、まだ私たちの段階においてははっきりいたしておりません。
森本靖
54
○
森本委員
しかしこの集線装置の
電話
は現在試行的にやっているわけでしょう。だからこれを本格的にやるということになれば法律を改正しなければならぬということは是認せられるわけですか。
大泉周蔵
55
○大泉
説明
員 この点につきまして、実は私たち当初から集線装置というものは単独加入と同じに働くようにということで技術上の研究も進めて参っておるわけでございますが、実行上いろいろ考えなければならぬ点もございますので、もし一般の単独
電話
とどうしても違うということになりますれば、法律改正を要すると思います。ただこれが単なる技術上の問題だけにとどまるというような形でありますならば、この前も一応御
答弁
申し上げておりますように、従局の小型のものという
考え方
でいきはせぬかという考えもまたつけ得るわけでございます。
森本靖
56
○
森本委員
これは普通の単独
電話
と絶対に同じものであるということはお考えでないのでしょう。これはこの間私がここで
説明
したじゃないですか。それでそうじゃないということを吉沢局長も認めたじゃないですか。だからこれは試行的にやっているわけでしょう。そうでなかったら試行的にやる必要はないでしょう。法律に基いてやればいい。現在の法律にないものであるから、これを試行的にやったわけでしょう。これはテレックスの問題と一緒ですよ。だから将来この問題については法律を改正するなり、法律に適応するような格好で十分
検討
して考えていきたい、こういうことであったのじゃないですか。監理官、今ごろ首をかしげていたって、ちゃんと聞いていたじゃないですか。これは現在試行中であることは、法律にないことだから試行中でしょう。それを今ごろになって法律に合っておるか合ってないかというようなことを
検討
するなんて、おかしいですよ。もう一ぺん新しい
大臣
、
政務次官
にあなたが
説明
し直さなければならぬ。前の
政務次官
はこれは明らかにそうでないと言っておる。また現実に違うのだもの。だから、あなたの方でこれをどういうふうに改正するかということは現在
検討
しておる、それをいつ出すかということについてはわからぬということなら、これはまだ納得ができるわけです。それをあくまでも法律違反でないということでがんばるのなら、私の方はあくまでも法律違反だということを追及しますよ。ただし、そうだけれ
ども
これは試行的にやっておるのだというこの間の
答弁
だったから、試行的ならテレックスの問題と同じことであるから私の方は黙って見ておろう、こういうことになっておるわけです。どうですか。
松田英一
57
○
松田説明員
集線装置の問題は、この前議論になりまして、一応試行的にやっているということももちろん申し上げたわけでございますけれ
ども
、ただそのときの試行的といいます意味は、私があのときに理解しておりましたのは、とにかくこれが
一つ
のサービスとしての試行ということよりも、公社全対の動きとしての試行的、ある意味で言いますれば、公社の対公衆
関係
ということじゃなくて、公社の中の動かし方、結局その場合には集線装置に当っているあの
部分
を含めて、
一体
電話
局というものの観念の中にどういうふうにはまり得るものか、はまり得ないものなのかという点が、まだ明確でないために、しかし実際上の必要としては、こういうものをやってみたいので、試行的にやっているというふうに私は了解しておったわけであります、従いまして、その結果として、今の行き方がまた若干その後進歩していると思いますが、こういった点から、どうしても今の法律の中にはまり切れないということであれば、これは当然お説のように法律改正をしなければいけないと思いますし、しかし曲りなりにも法律の中に入り得るということになれば、あえて法律改正をする必要もなくやっていけると思いますので、その点については、私としてはまだ最後の結論を得ていないという段階です。
森本靖
58
○
森本委員
もうあれから三カ月以上たっておるわけだから、これは法律に適用せられるものかどうかということは、すぐわかるはずです。かりに法律違反ではない、これは公衆
電気通信
法第二十六条ということになれば、どの部門に入るのですか。あなたは
日本
語を
日本
語のように読まぬからいけないのである。これはどこに入るのですか。「一個の
電話
機及びこれと
電話
取扱局の交換設備との間の
電話回線
からなるもの」とはっきり載っておるじゃないですか。これに当てはまるということはいえるでしょう。今の集線装置はそれなら次の共同
電話
というなら、共同
電話
とは違うでしょう。だから私は法律を扱うところの立法府としておかしいから言ったわけです。
松田英一
59
○
松田説明員
問題はこの単独
電話
の
説明
として書いてございます「一個の
電話
機及びこれと
電話
取扱局の交換設備との間の
電話回線
からなるもの」この表現の中に、今の集線装置の
回線
構成というものがはまり得るものかどうか。末端のところは全然普通の場合の単独
電話
と同じような形にまで持っていって、あとの仕組みというものはすべてこの中にはまり得るような工合に形がなれば、それでもいいということでございますので、これに入るか入らぬかということは、私はあのときには入らないというふうにはっきり了解したわけではないのです。
森本靖
60
○
森本委員
だからそれは入らぬでしょうが。そんなことを言ったって、これはあなた「一個の
電話
機及びこれと
電話
取扱局の交換設備との間の
電話回線
からなるもの」だから、一個ですよ。ちゃんと数字も入れてあるのです。今の単独
電話
はそれに当てはまらないのであって、
電話
交換局とそれからその単独の
電話
との間に集線装置の何
回線
かの交換設備があるものが入るものか、
一体
単独
電話
に該当するかどうかです。その集線装置そのものを交換のものと同様に考えるというなら、それはまだこれと同じような
考え方
に立つかもしれぬから、その場合は、その加入者は二重の交換取扱いを受けなければならぬ、こういうことになるわけですか。
大泉周蔵
61
○大泉
説明
員 この点は、先般の前吉澤局長が御
答弁
申し上げたときにもるる御指摘を受けた点でございまして、私たちもこの点につきましてはちょっと見た目ではおっしゃるのもごもっとものような点もなきにしもあらずでございますが、この集線装置というものは、あまりにも小さいものだから、交換装置と見るのは不適当だと、こうおっしゃるのだろうと思います。私たちの方は、これは小型の交換設備であるという
考え方
からスタートいたしておりましたのですが、サービス面においてやや問題があるという御指摘でございますので、この点の改善を十分はからないと、やはり問題があるのじゃないか。これはどうしてもだめなものならば、先生のおっしゃった
通り
、新しい種類のものを考えなければならないし、単独
電話
にふさわしいものならば、この解釈はできるじゃないか。そこで試行として、できるだけ単独
電話
にふさわしいものができるようにしたい、こう考えておったのでございまして、この点は同じ加入者の中にも、従局、無人従局といったようなものがいろいろございまして、これも大型で、地面においてやるのが従局で、柱の上でやるのが、あるいはどこか別のところでやるのが集線装置という形一でございますが、今までの
考え方
では、私たちとしましては、集線装置が
電話
取扱局の交換設備と考えまして、単独
電話
の、しかし技術的には新しいものでございますし、サービス上の問題もございますので、この試行をお許し願って、どうしてもふさわしくないならば、やはり新しいものにしていこう、こういう
考え方
でございます。
森本靖
62
○
森本委員
これが法律違反でなかったら何も試行する必要はないのです。単独
電話
としてそのままやればいいのです。ややこしいところがあるから試行ということを言わざるを得ぬでしょう。
有線
放送
電話
に関する法律をこしらえたときに、監理官どう言ったか。法律違反であるようで、ないようで、そういう
答弁
であった。結局われわれが
有線
放送
電話
に関する法律を作れということであの法律を作って、今日
有線
放送
電話
というものが発展をしているではないですか。この点を考えたならば、今度の集線装置の問題についても、率直にこの一と二の項には当てはまらぬ、新しい
電話
である。だからそういうものについては、発展をさせていくについては今試行しているけれ
ども
、これがほんとうに加入者がこれでもけっこうだ、多くの加入者が救われるということならば、そういう方向に法律を改正すればいいのだ、そういうことになるでしょう。何ぼ首をかしげても、これは交換局と
電話
局の間に集線装置が
一つ
あることには間違いないのです。それから一般の加入者とこの集線装置の加入者とは同じ利便が与えられないということも、技術的にいって事実なんです。これは同じ利便が与えられるということならば
答弁
して下さい。たとえば私が集線装置に入っておって、かりに私が一日二百回なら二百回のものを使う、片島
委員
がそうでなしに一般の単独
電話
に入っておって二百回使う、そういう場合に、私が入っている集線装置の方が片島
委員
の入っている単独
電話
よりも迷惑をこうむるということは事実なんでしょう。
大泉周蔵
63
○大泉
説明
員 その点はこの前も御意見がございましたので、そういう御意見のあることはよく承知いたしておるのでございます。この前もたしか施設局長から御
説明
申し上げたのでございますが、
電話
の交換施設というものは実は確率論で全部解釈しておりまして、たとえば一般の加入者でもライン・スイッチに入っておりますが、その次の一次セレクターというものはある局では十六個、ある局では二十個というようにしぼられるのでございまして、これはトラフィックの量に応じまして通話が流れるように、できるだけ設備費を少くしてやっておるのでございます。それがたまたま局外でやるか、局内でやるかという問題でございますが、たとえば従局というものは局外におきまして中継線としてしぼっておる。だから集線装置の
関係
も機械が柱の上にあるとか、小さいとかいう問題は別問題といたしまして、トラフィックに応じまして線をしぼるということにおいては同じ考えでございますが、ただそのようなやり方につきましてサービス上万遺憾なきを期するような、サービスについてはどの
程度
が一番いいかという問題につきましては、なお研究する余地があるのでやっておるわけでございます。
森本靖
64
○
森本委員
これは普通の従局とかその他の
考え方
とは違う。それから交換の度数の、
回線
の少いものを組み合せて入れておるやり方とは違うのですよ。集線装置というのは、
電話
局の交換取扱い以外にもう
一つ
この集線装置があるわけだから……。
大泉周蔵
65
○大泉
説明
員 今おっしゃる点はどうもよくわからないのでございますが、一般の従局というのはやはり交換の設備がもう
一つ
ございますし、あるいは局内、局外とおっしゃいますが、H型ですからセレクターに達するまでにはプレ・セレクターを置いたりして二段にする場合もございますし、私たちといたしましてはそれが絶対おかしいというようなことはよくわからないのでございます。
森本靖
66
○
森本委員
従局の場合は、これは明らかに従局とそれとの間に中継線があるわけでしょう。そのことを認めるなら、その加入者がちゃんと入っているわけでしょう。そのことは従局ということでちゃんとみな知っているのだから……。このことについては集線装置だということを知らぬでしょう。そんなことがありますか。従局の場合はちゃんと、たとえば高知だったら長浜が従局で、長浜と高知の間には中継線があるけれ
ども
、そのことは加入者がちゃんと認めて承知しているわけだ。この集線装置の場合には加入者はそのことは全然知らぬのでしょう。
大泉周蔵
67
○大泉
説明
員 長浜の場合をおっしゃいましたが、これはたしか高知の何千番という番号を与えられておるというふうに思っておりますが、別に長浜であるという承諾を得ているとは思わないのでございます。これは実は四国の場合にもございますが、数の少いところは集線装置を使って合併し、遠いところの数の多いのは従局を置いてやった。いろいろ合併の場合の例がございますが、私らといたしましては、技術上まだ万全でないかもしれないということは重々承知しておるのでございますけれ
ども
、
考え方
は同じように進めて参ったわけでございます。
森本靖
68
○
森本委員
それでは集線装置は、何
回線
の集線装置にするのですか。
大泉周蔵
69
○大泉
説明
員 古いものは、たしか内部が二十五
回線
、局線が五
回線
でございましたが、最近は、局線四
回線
に十六の
可能性
のあるスイッチをつけておるように承知をいたしております。
森本靖
70
○
森本委員
従局は、大体全国でどのくらいですか。従局と十六
回線
の集線装置と同じような
考え方
であるということがどうして言えるのですか。
大泉周蔵
71
○大泉
説明
員 従局とおっしゃいますが、たとえば小自動局ですと……。
森本靖
72
○
森本委員
あなたはさっき従局と言ったじゃないか。
大泉周蔵
73
○大泉
説明
員 二十五加入の自動局もございますし、百加入の自動局もございます。従局には大小いろいろございます。
森本靖
74
○
森本委員
従局で十六
回線
ぐらいの従局というのはどこにありますか。
大泉周蔵
75
○大泉
説明
員 十六
回線
のところはございません。
森本靖
76
○
森本委員
だからこの集線装置と従局と同様にこれを考えるというのは
一体
どこに理屈があるのですか。
大泉周蔵
77
○大泉
説明
員 実はどうも従局につきましての
考え方
は、やはり同じように
回線
の線路の節約、線路と交換装置の
経済
比較を考えまして、遠距離のところにたくさん加入があります場合には交換装置を置く、それが少い場合には従局を置かないという
考え方
で、
経済
比較でやっておったわけでございます。それでその後加入区域がだんだん広がって参りますと、そういう大きな従局だけではなかなかうまくいかない、もっと小型なものができないかというような研究の結果、集線装置が入っておったのでございます。従って現在これに批判のあることは十分承知いたしておるのでございますが、少くとも私たちがこのような集線装置を考えました経緯は、実はやはり従局と同じような
考え方
で始めて参ったのだということを申し上げておるわけであります。
森本靖
78
○
森本委員
だから私の言っているのは、このやり方は従局とは全然違うのだ。たとえば従局のところは
電話
の
料金
にしてもほとんど上っておると思うのです。今では市外通話は要らなくなったけれ
ども
、従局として加入した場合には級が上って実際に
料金
が上っているわけですよ。だからこの従局の場合と集線装置とはおのずから全然別個の
考え方
を持ってもらいたいと思う。集線装置ということは、現在世田谷なら世田谷、銀座なら銀座でもやろうと思えばできるわけです。従局は別に局があってこれを何とかこっちに統合しようという
考え方
に立って地方ではほとんど従局にしているのだ。こっちの方で従局がかりにあったとしたなら中継線が少いから不便になるということはほとんどないはずです。そんな従局をこしらえたら加入者に怒られますよ。だからそういうところの不便はないわけです。ところがこの十六
回線
の集線装置というものは、みなが使わぬところを選んでいるからよいようなものの、かりにみなが使ったら局までの線があかないから使えないわけだ。それははっきりしているじゃないですか。局までの線が単独の線じゃないんだから、普通の単独
電話
とは明らかにやり方が違うんだ。この論争は一般の人はなかなかわかりにくいので、この間僕が
説明
したように、そこへ図面を書いて
説明
すれば一番よくわかるのだ。とにかくこれは法律違反であるかどうかということについては十分に
検討
しなければならぬことは事実でしょう。営業局長そうでしょう。あくまでもこれが法律に違反をしておらないということなら試行なんかする必要はないじゃないか、正規にやればよい、
有線
放送
電話
と同じです。そのときになってあなたは、今そういう
答弁
をしておって責任を負いますか。
有線
放送
電話
についても初めは法律違反でないというようなことを言っておって、結局新しい法律をこしらえなければならぬように発展をしてきた。将来
有線
装置がどんどん全国的に発展をしてきて、このままで済むとは思わぬ。今加入者の申し込みが多いような段階においてそんなことを言っても、そのときになって法律改正をしなければならぬという場合になって、そのときの責任を負うと言うならそれでよい。この問題は相当研究をしなければならぬ。第二十六条についても、集線装置の問題についてはある
程度
疑義があるということは事実なんだから、もっとこれは
検討
してはっきりした
答弁
ができるようにしてもらいたい。だから法律違反でないということをここで言い切れるかどうかということについて、私は疑問であると思う。そうだから試行にしているわけでしょう。
大泉周蔵
79
○大泉
説明
員 御意見まことにごもっともでございますが、実は私たちは
先ほど
申しました
通り
、できるだけこの従局が簡易なものという
考え方
で進んだのでございますが、今先生のおっしゃいました点は、そう言ったって同じようにならないじゃないか、早くあきらめて別なものを考えたらよいじゃないかという御意見のように思います。私たちも従局と同じような形にできない、サービス上明らかに下るというふうに確信がありますれば、御説の
通り
新しい種別として認めなければならぬということは考えておりますが、現段階におきましてはすでに申しました
通り
、私たちの欲目かもしれませんが、単独
電話
と同様の
考え方
ができないものか、現在の技術につきましてもいろいろ研究改革の途上でございますので、その点につきましては御意見ごもっともでございますので、さらに研究さしていただきたいと思います。
森本靖
80
○
森本委員
それで、私も一ぺん東京都内の集線装置をあなたと一緒に現地を見に行ってみましょう、そして実際にそこで理屈を言わぬと話にならぬわけだから。
電気通信監理官
も
有線
放送
電話
の問題も前にそういう経験もあるし、やはり十分
検討
しなければならぬ、これは公社だけにまかしておく問題じゃない。法案として提案をする場合には、あなたの方でやらなければならぬことになるから、あなたもこれは十分
検討
しておいて下さい。 それから、ついででありますので営業局長に申し上げておきたいと思いますが、実はこの間この問題について、ここの
委員会
で論争して、そして研究をするということになって、その後私のところへいろいろ入った情報によりますと、新宿の区内とその他について集線装置で加入ができるというふうになっておったものが、組合との話がなかなかつかぬので、そこでその加入が五月にできると言っておったところが、まだ現在加入ができておらぬということで、非常に公衆からおしかりを受けておるというふうなところもあるらしい。それから現在の単独
電話
のところへ持ってきて、今度集線装置の中へ入れますよというようなことを言っていたら、これは公衆にも怒られるというふうなことで、非常に現場の方でジレンマに陥っておるところもあるようです。そういう点については、よくその当該の従業員の代表と納得のいくように
話し合い
をして、そういう約束があるならば早くやるように行政措置をとってもらいたい。そのことについては、あくまでも従業員とよく
話し合い
をして、納得の上において早くやるようにぜひやってもらいたい。こういうことを私は要望しておいて、あとの
質問
の方と交代します。
佐藤洋之助
81
○
佐藤委員長
金丸徳重君。
金丸徳重
82
○金丸(徳)
委員
私は、きょうは実は
大臣
にも御出席をいただいて、前回の
委員会
において御表明になりました御所信について、
政務次官
御同席の上にてなおお心がまえの二、三を承わっておきたいと思ったのでありますが、
委員長
は練達堪能の方ですから、その点もう十分お察し下さってお手配いただいていることだとばかり思っておりましたところが、御旅行にお出かけになっておるそうで出席できかねるということであります。それできょうの
質問
を次会にもと思ったのでありますが、しかし
大臣
以上に実力者であられる
政務次官
がおられますので、
大臣
の 分まで
一つ
お聞き取りをいただいて、この際私
ども
を安心させるような御所見を承わらせていただきたい、かように考えるのであります。時間がだいぶ過ぎてしまいましたものですから、きわめて要点だけを申し上げてお答えをいただくことにいたしたいと思うわけでございます。 その第一点は、先日いただきましたごあいさつの中で、一番先に触れておられますところの労働問題につきましては、全逓信労働組合との間の団体交渉が今なお行われない状態にあって、全逓が一日も早く現在のような状態を改めて、正常明朗な労使
関係
に返ることを強く念願する、こういう御見解を表明されております。また
新聞
の伝えるところによりますれば、
大臣
は第一回の
新聞
記者会見でありまするか、
郵政事業
においては特に人の和が大切である、自分は人の和をたっとしとなす、その心がまえでこれから進めていくつもりだということを強く表明されているように伝えられておるのでありまして、私は人の和をもって第一に事業に臨まれるということについては非常な敬意と、また賛同の意を表するのであります。ただしかし実際の問題といたしましては、あいさつの中にもありまするように、正常な労使
関係
に立ち至っておらないことを残念に思うのでございます。そうしてこのことは今に始まったことではありませんで、昨年春以来のことであり、当
委員会
の席におきましても再々いろいろの御注文も各
委員
から出ておりまするし、前
大臣
からは、責任は全く自分にありとまで表明せられまして、その解決の一日も早からんことを念願されておるところの意向を表明されておるのであります。しかしこれはただ言葉の上だけでそういうことであっても、結果的には依然として残念な労使
関係
のまま今日に至っておるのであります。それで私は今回は
大臣
、
政務次官
も更迭なさって、また
関係
の労働
大臣
も更迭なさった、岸内閣は新しい態様において諸般の問題を解決されるということになりましたので、この機会においてこそこの長きにわたった遺憾の状態から脱却すべき大事な機会とも思います。各種の議員選挙な
ども
行われまして、そうした
方面
に若干の糸口が開かれたように思われまするし、ことに私がきょうあえてここでお伺いをいたしておきたいと思いまするのは、近く全逓は大会を持つことになっておるのであります。次回の
委員会
ではこれが間に合わないと思ったものですから、あえて時間が過ぎておるのにかかわらずお尋ねをいたしておきたいと思ったのでありまするが、さような意味におきましてあらゆる条件はこの機会において解決すべきことを要求しておりまするし、またそういう機会は整ったやに思われるのであります。そこで今まで何か解決すべくしてされなかったのは、労使双方とも何かはたから見ておりますと面子にとらわれておるといいますか、意地張ってしまったといいますか、そういうことのために手を握るべくして手を出しかねておるやに思われる節がずいぶんあるのであります。そのために実は私は去年の暮れには非常に心配をいたしたのでありますが、
政務次官
御承知になっておるかどうか知りませんが、非常な危機に立ち至ったのであります。片や団体交渉の再開が困難のゆえをもって、時間外勤務、居残りを拒否するということになり、従ってものはたまってくる。やむを得ずして小包郵便の引き受けを停止しなければならないかもしれないなどという非常なことまでも表明されるような心配を包蔵して暮れを迎えたのであります。幸いにして結果的にはその危機を免れ得たとは申しながら、依然としてそういう危機を包蔵しつつあることについてはちっとも変っておりません。そういう中においてこの機会を失ってはいけないと思うものですから、人の和をもってたっとしとなすというお心がまえにおいて、この際
政府
側においては何とか積極的な手を打って打開策を講ぜられるようになさる具体的なお心がまえがありやいなや、こういうことをお伺いいたしたい。第一点はそれだけ承わっておきます。
佐藤虎次郎
83
○佐藤
説明
員 お答えいたします。実は本日
大臣
が出席すべきなのでありますが、日程を組んでありまして、所用のため昨日ときょうはこちらに出られないで、まことに申しわけございません。 実はただいまお尋ねにありましたごとく、私自身も就任まだ日が浅うございまして、技術の面、行政の面についてもまだ何ら研究もしておりませんし、ようやく各局部の方々にいろいろ教えを請うておるような次第であります。特にこの労働問題に関しましては現在制定されております法律が、皆様方から見ればここが
一つ
の障害だ、御
希望
をかなえてやりたいのでありますが、国の法律を制定してある以上は一応これを忠実に守らなければならないんじゃないかというふうに私は考えております。ただ
政務次官
でなくして個人佐藤といたして考えておることは、
大臣
の仰せになられましたごとく、和をもってたっとしとなすというお言葉は、まことにりっぱなお言葉であります。私個人は友のためにはあつい涙を流すという考えでおります。もちろん今までもそれで参りましたが、今日この労使
関係
において全逓の組合員諸君が団体交渉もでき得ないで非常に悩んでおられる。いわゆる最低賃金の裁定も受けられないということが、先輩であります金丸議員が非常に悩んでおられることで、私は全逓組合員の方々にまことに申しわけないじゃないか。そのために一日も早く団体交渉して裁定を受けたらいいじゃないか、そうするには今の法律が
一つ
の障害になっておらぬか、これを取り除け、こうおっしゃられましても、御承知のごとく今就任したばかりでございまして、まだそこまで研究しておりませんが、何とか事務当局、あるいは
大臣
方々と十分御協議いたしまして、あるいは所管であります労働省とも十分相談してみたい、かように考えております。満足な
答弁
ができませんが、一年生であると同時に入学早々でありますから、御了承を賜わりたいと思います。
金丸徳重
84
○金丸(徳)
委員
満足な
答弁
でないなどとおっしゃいますが、私は非常に満足いたします。といいますのは、友のために涙を流すことをもって自分は満足される、欣快とされておるというような
政務次官
の人生観に私は非常な信頼をもちまして、この問題を片づけるのにはそのお心がまえこそ第一に前提となるべきことのように思われます。ただ、これには今のお話の中にもありましたように、法律というものがあって、その法律を守る建前からということで今日まできておった。しかしもうそのときは過ぎておるのではないかと思うのであります。条約の
関係
上遠く国外にまで行かれて、いろいろ問題を起しておるようなことにまで立ち至っておりまするので、法律の解釈論というようなものはもう過ぎ去りまして、全く問題は友のために流す涙、それが私は解決のただ
一つ
の糸口だと、こう思うのであります。そして問題を解決しようとする場合において、その責任者は何といいますか、大死一番忍びがたきを忍ぶという態度でないと、やはり私は道が開けてこないのではないかと思うのであります。これは非常に四角張った態度で法律にたより、解釈をかれこれいじくり回しておるということでは、ある意味においてはその道は開けない。もう一歩進めて大きな責任感、大乗的立場と申しますか、そういう立場において
一つ
この際
——
ちょうどいい機会であります。
大臣
、
政務次官
がかわりましたこの機会において、また全逓の大会な
ども
控えたこの機会において、きれいさっぱり立ち直ろうじゃないかというようなお気持で片づけられることが大切のようにも思います。そしてそのためにはもう口でかれこれ申すというときでもございませんので、行動によって、たとえば閣内における積極的なる説得工作とでも申しますか、そういうようなことをお始めになることによって、私は組合側においても信頼感をさらに湧き立たせて
お互い
に手を握るときが出てきやしないか、道が開けるのではないか、こう思うのであります。私がなぜ今ごろこういうようなことを申しますかというのは、実は現場の方の責任者が、この問題が未解決のゆえに非常に不必要な苦労をしておるのであります。現場において毎日流れてくるところの郵便物をはかなければならない人たちにとっては、中央における団体交渉が
——
大臣
がかわったからどう、次官の見解がどうだということは別個といたしまして、毎日その仕事を片づけなければならないこれらの本能的な立場といいますか、責任を持った立場に置かれておる人たちが、それが話によると、中央における団体交渉ができないということによって要らぬ苦労をし、要らぬ心配をしておる。私はこれは見るに忍びないのであります。もしこのことが解決しておるならばもっともっと楽に、現場における責任者、また現場における組合幹部というものはほんとうに人の和の中においてその責任を果し得るのではないかと思っておる、またこう見ておるものですから、どうか
一つ
これを一刻も早く片づけてもらいたい、こう思うのであります。団体交渉が開けないからといっても仕事はちゃんと動いております。それはあたかも
大臣
、
政務次官
が一日、二日休まれても、あるいはまたときに欠けても仕事は動くであろうということと同じであります。しかし私は、やはりその
大臣
、
政務次官
がおられることによって、どれだけ現場の人が何となしに力強い、何となしに張り合いを持って仕事をされるかわからないと思うし、またいろいろな問題を片づける上においてどれだけ気持が楽かわからないということと同じように、私は、中央における労使間の正常化というものを、現場の責任者及び現場の組合幹部というものは、もう一刻も争うほどに期待いたしておると思うのであります。そこで残る道はただ
一つ
、日ごろ人情味のある
政務次官
あたりが政治的、大乗的立場に立って解決への糸口を切り開いていただく、こういうことにあるわけであります。そういうことでさらに何か具体的な御活動を早急になさる腹がおありかどうか、もう一度承わりたいと思います。
佐藤虎次郎
85
○佐藤
説明
員 ただいま非常に懇切な、御注意のお言葉がありましたことにかんがみて、私も十分勉強いたしたいと思います。 私、金丸
委員
も御承知の
通り
、山間僻地に住む者でありますが、そういうところの集配人が、四六時中、雨の日あるいは風の吹く日、あるいは雪の降る日、台風のあのおそるべき日も一日も休まずに、国民のために集配をされ便宜を与えておってくれる者が、今日悩んでおる。実は私も今から二十年ばかり前に、私の親戚でありますが、お父さんがちょうどかぜを引いて休んだ。そこで小学校に行っている女の子が二人しかありませんでしたが、それが親になりかわって郵便配達に行った。行くときには行けましたが、帰りに、増水のために来ることができなくなった。風は強いし、雨はひどい、水は出てくる。それを何とか行けるであろうというので、手を握り合ってその沢を渡ったときに、濁流にのまれて、二人しかない子供が死んだ。これは父親の集配に対する責任感を子供まで持っておるということで、私は当時から今日までそれが身にしみておるのであります。今日団体交渉ができ得ず、これに伴って最低賃金の問題も決定しない。ゆえに、もはやお盆になるのにといって悩んでおることも十分承知いたしておるのであります。私は技術面その他の行政面についてはまだよくわかりませんが、こうした問題についてはいささかでもわかっておりまするので、
大臣
の御意向あるいは所管事務当局の各位とも相談して、あるいは党の政調、あるいは所管であります労働省とも、どうすることが妥当であるかということを十分話し合ってみたいと思いますから、御了承賜わりたい。
金丸徳重
86
○金丸(徳)
委員
早急にそのようなお手配をいただくことといたしまして、次に、やはりごあいさつの中に触れて参っておるのでありますが、各事業ともおおむね順調に進展して同慶の至りであるような御意向が盛られておるのであります。私もその点についてはその
通り
に存ずるのでありますが、ただ、この際新
大臣
及び
政務次官
にあらためてお伺いをいたし、その意味において御努力をお願いいたしたいと思いますることは、実は電信
電話
事業につきましては、御承知のように五カ年
計画
が進められておるのでありますが、その五カ年
計画
をさらに増強する案が目下非常な熱意をもって進められておるように承わっております。もとより、この郵便事業、電信
電話
事業とも、同じ省内において同じような歩調をもって
通信
的に世の中に尽して参るという形であったのでありますが、この両三年この方、いやもっと前からであるかもわかりませんが、電信
電話
事業はまことに画期的なる拡張
計画
を実施しつつある。これはもとより世間の要望がそうさせておるのでありますが、それに比較いたしますると郵便事業の足取りというものは何かしらん旧態依然たるの姿であるように思われてならない。その足取りの差がで今度の電信
電話
事業の五カ年
計画
の改訂によってはさらに一そうひどくなるやに心配されるのであります。一方、これは
政務次官
御専門でありますから何ですが、道路、港湾につきましては例の十カ年
計画
によって、国の予算において猛スピードで整備されつつある。鉄道においてもおそらくそういう状態に刺激されまして、拡充整備の
計画
はぐんぐん進められてくると思います。そういたしますと、片や
電気通信
事業がそのように整備のテンポを早めつつある、片や道路、港湾、鉄道、交通事業がそういうことで非常なスピードと熟の入れ方で整備されつつある中において、ひとり郵便事業が旧態依然たる足取りをもっていかれるということについては、私は両三年もしくは五年後においては大へんな片ちんばの交通、
通信
状態が実現されるのではないかということを憂うるものであります。そういう意味におきまして、道路、港湾の十カ年
計画
に対応し、
電気通信
事業の改訂五カ年
計画
に対応するような郵便諸事業の整備拡張
計画
をお持ちになる考えがおありかどうか、承わりたいと思います。
佐藤虎次郎
87
○佐藤
説明
員 お答えいたします。ただいまの御
質問
は、実は私自身郵政逓信行政に対してはほんとうにしろうとであって、何か
一体
——
就任した以上は仕事をやらなければならないということを一応政治を志しておる者として考えてみたのであります。私が常日ごろ考えておることは、金丸
委員
もさだめしそこにポイントがあるだろうと思うんですが、私も百姓のせがれでありますが、今日までの農村というものは、これは百姓という言葉があった、この農村自体が、今では品物をどこの市場に出したら高く売れるか、どこには品物が少いか、その市場へ出すのがいいじゃないかというように考えておる。いわゆる農業即商業の一翼をになっておるわけですが、現在の行き詰まれる農村を向上せしむるのにはどうしても
電話
、電信の
通信
が敏速にいかなければならない。たとえば私の岩渕から東京までは、以前は
電話
をかけると、朝特急で申し込んで、昼ごろでないと出なかった。それが最近は一時間か一時間半でできるようになった。これだけ進歩してきたが、まだそれでは
——
静岡県あたりは便利であるからまだいい。これに対して、不便をきわめておるところが非常にある。いわんや山梨から東北、北陸
方面
、あるいは中国、四国に行ったもそういうことがあるでありましょう。これらのことは私も十分考えて、この五カ年
計画
をいま一そう強大にして、一般大衆各位の待望にこたえるように、
政務次官
になった以上は
大臣
の意見を尊重してやってみたい、実はこう考えておったのであります。技術面やその他のことについてはわかりませんが、政治的な感覚というものについてはそういう考えでありましたから、十分御期待に沿うようにしたい。そうせしむるには何が必要か、当然予算が伴うものであります。私は各
委員
の方々に御了承願っておきたいのですが、技術面その他はわかりませんが、政治感覚においては十二分にからだを張ってやるつもりであります。いわゆる仕事をしてもらうには、国民の要望、期待に沿っていくには予算が伴うであろうから、その方にいって予算をいただくようにからだを張ってやるつもりでおりますから、どうか
一つ
通常国会まで見ものに御見物を願いたいと思います。
金丸徳重
88
○金丸(徳)
委員
政務次官
から大へん力強い決意を拝聴することができまして、私も非常に心強く期待申すのであります。特にいなかの方のことについて心をかけておられることを承わりました。私も全く同感でありまして、それなればこそきょうこうしてお尋ねを申しておるのでありますが、実は電信
電話
事業などにおきましては地方の方にかなり目が向けられておるにかかわらず、郵便事業は比較的その点が足りないように私には思われるのであります。たとえば局舎の整備におきましても、これは
政務次官
よく御承知でありますから何でありますが、町村合併などに伴いまして役場の建物がりっぱになり、学校が整備せられ、その他農協などの建物がけんらんたる容相を誇っておるような
状況
にかかわらず、地方におきましては郵便局などは三十年、五十年昔の建物のままで、しかもそれがきわめて不便なところに位置したまま置かれておるのであります。こういうようなことについてはもちろん多くの
計画
も進められておるのでありますが、それがただいまお話のありましたような予算の
関係
などにおいて遅々として相進まぬ観を呈しておるのであります。これにつきましてはひとり局舎ばかりではございませんで、逓送の施設にいたしましても、集配の用具その他にいたしましても、この際ほんとうに大きな見地に立って新しい時代に相応するような
計画
を立て直して進められる必要があるのではないかと私は思うのであります。今度の所得倍増案というものがほんとうに実現されるとしますならば、郵便はたちまちふん詰まりの形になりはしないかということを心配いたします。すなわち予算が足りないということは世間的に言いわけの立たない時代がくると思う。これは何とか国家資金をよけいつぎ込むような政治的な力を尽していただきたい。 それからもう
一つ
は、私はしばらく前に事務当局にお尋ねをいたしてわかったことでありますが、郵便事業の中にはものがふえればふえるだけ赤を来たしてしまって、その収支の上の赤が事業全般の発展の手かせ足かせになっておるというような事実もあるのであります。たとえば
新聞
、雑誌などについてはものがふえればふえるだけ現場の者は汗水たらして苦労を何倍、何十倍かにしつつ、しかも事業全体としては欠損がますますふえていく。従って今の独立採算の形からいいますれば、それだけ施設がだんだん狭まっていくというような情ない事態になっておる。これらについてはやはり根本的に考えを新たにしていただかなければならないときが参ったように思います。これはもし十カ年
計画
などによって
経済
の伸びの度合いがもっと進められてくるならば、
新聞
、雑誌のいなかへの流れ込みはもっともっと大きな度合いで進んでくるのではないか、そうしますとまことに大変なことになると思う。そういうことについて事務当局では相当これを心配しつつ案も
検討
しておるように承わっておるのでありますが、問題は政治的にこれを持ち出す機会、あるいは方法ということについて悩んでおるように、私は想像でもありますが、そういうふうにお見受けいたしておる。この際
一つ
新
大臣
、新
政務次官
の陣容によりまして、この根本問題に取り組んでいただく必要がありはしないか、こう思うのでありますが、もう一度
一つ
……。
佐藤虎次郎
89
○佐藤
説明
員 ただいまお説のごとく、実は私、
郵政省
に
一体
どのくらい人員を擁しておるかということも、まだこれから聞かなければならないのであります。ただいままで、実は午前九時半から各部局長さんに
一つ
一つ
ポイントだけ教わっておるようなわけで、今まで
電波監理局
長に実は教わっておったのですが、これだけ科学が進歩して電波の必要性がここまで参りましたのに、一例でありますが従業員が三千人しかいない。これに年々三百人くらい増してもらうように大蔵省に要求しておるができ得ない。こういうので非常に悩んでおる。同時に吏員が過労して非常に病気も出ておるというような実態だということを聞いて実はあぜんとしておるようなわけです。とかく私がいつも政治の上でながめておるのに、
日本
の今日の政治のあり方、あるいは行政のあり方が都会中心主義であるため、山間僻地の農村に不平、不満をもたらしてくるのは今日の社会
情勢
の実態であります。私は機械科学、あるいは文化がこれだけ向上して参りました以上、少くとも都会も見捨てはできますまいが、一歩前進して地方農村に対する進歩躍進をしなければならないじゃないか、それには今の政治あるいは行政の心がまえを、農村にいま少し重点を置かなければならぬ、かように考えておりまして、御期待に沿うように努力いたします。
金丸徳重
90
○金丸(徳)
委員
都会中心主義の政治のあり方を改めなければいけないという御見解は、私も実はほんとうにそう思っておりましたものですから、ぜひ
一つ
その方向で特に郵便事業、
郵政事業
についてはそうした
傾向
が強いように心配されますので、この際
政務次官
のその根本の
考え方
を強力に事業の運営の上に反映していただくようにお願いをいたすのであります。承われば目下大いに事務当局をお呼び寄せになって御
検討
されておるようでありますが、この機会においてそういう根本の心がまえを事務当局の苦労の御
説明
によって曲げられないようにしていただきたいと思います。事務当局は
——
これは私もひどい経験をしている者でありますが、長い間苦労しているものですから、その苦労でもうだめだというふうに思いがちなものであります。何といいますか棒を引いてかかりがちなものであります。そこをとびらを開いてやるのが私は政治家の一番大事なところじゃないかと思うのであります。元気づけてやっていただきたいと思うのであります。 もう時間が過ぎてしまいましたものですから、各論のことはいずれまた
政務次官
御勉強なさってから承わることといたしまして、もう一点、これはほんとうの要点だけ申し上げて承わりたいのでありますが、電波行政についてであります。今非常に大事な、おそらく郵政
大臣
、
郵政政務次官
といたしまして一番大きな問題といたしましては区電波行政のように思われるのであります。政治的にいって何となしにむずかしい問題に直面されておると思うのであります。それならばこそ御表明の中にも、このカラーテレビの問題などをお取り上げになり、FM
放送
についての心がまえに触れておられるのであります。私、昨年来この
委員会
において、特にカラーテレビなんかについて問題にされた論議の中で受け取った感じは、どうも技術専門家の意向に何か政治的な圧力をかける心配があるやに受け取れたのであります。私ここに
会議
録も持ってきております。
会議
録によりましてきょうのお尋ねを申したいと思っておったのでありますが、時間がありませんからこれは後日に譲りまして、ただ根本についてでありますが、
一体
高度の技術を要し、将来に向って大きな専門家の良心的活動、熱情を要する電波問題などにつきまして、もし何かの事情によって政治的な圧力が加えられて、正しい行き方が曲げられるようなことがあっては大へんだと心配するものでありますが、
大臣
及び
政務次官
におかれてはこういうような点について、技術屋、専門家の良心的熱情をバックアップこそすれ、これに圧力を加えるようなことのないお心がまえでおられるかどうか承わりたい。
佐藤虎次郎
91
○佐藤
説明
員 ただいまのお説のごとく、このたびの所管
大臣
は御承知のごとく温厚篤実のごりっぱなお方でありまして、断じてさようなことはないと思います。むしろその専門の技術者、同時に大衆の御意見を十分尊重いたしまして御要望にこたえるようにし、かつその技能を発揮していただくようにするお方だと信じております。私個人といたしましては、
大臣
の意見を特に全部尊重いたしまして、御期待に沿うようにいたします。
金丸徳重
92
○金丸(徳)
委員
時間が過ぎましたから、ただいまの御決意を承わって私はきょうのお尋ねは終ることといたします。詳細につきましてはまた後日御
検討
が済んだあとでなにすることといたします。
佐藤洋之助
93
○
佐藤委員長
大野幸一君。
大野幸一
94
○大野(幸)
委員
大へん時間を食いましたけれ
ども
、次の
委員会
を待っていては間に合わないので申し上げたいと思います。 金丸
委員
の
質問
に関連してでありますが、全逓労組との
関係
であります。ILO条約と公労法四条三項との
関係
については大てい勝負がついている。また
世界
の大勢からいってもこれは勝負がついているのですが、かつて過去のある間において国内法に違反する労組であったというようなことは、国内法は国内法として尊重しなければいけないという
政府
の立場もわかりますが、現在に立ち至っては勝負がついていることで、あとは金丸
委員
が言われたように面子の問題なんです。面子はどこに立てなければならぬかというと、私はやはり国内の労使、
政府
と従業員との
関係
の面子よりは、やはり
世界
に対する
日本
の面子の方が重大であろうと思う。ところが人間の社会でありますから、これは国内的の面子を立てる方法として差し迫っている全逓労組のこの月末に聞かれる大会に対する態度、これを誤まれば、また一年なり何年なり見通しがつかなくなるというときであります。
政府
の面子、従業員の面子とありますけれ
ども
、これは面子という意味を悪い意味に解して、ただこれにこだわられてはならない。どこから悟りを開いていくかといえば、やはり国家は最高道徳をいく義務があるのであるから、こだわりの面子だとするなら、国家の方が、
政府
の方が早くこの面子を捨ててくれるということがけっこうだと思う。そういう意味で金丸
委員
も
質問
されておったのでありましょうが、どうでしょうか、
一つ
の私の意見としてでありますが、これは今までの
関係
上、労働組合との直接の
関係
でなくて、これを相談している社会党、あるいはまた逓信部会、小さくいえば、われわれ
委員
の間においても非常に心配していることでありまするから、まず月末に開かれる全逓労組の大会の前に、せめて
政府
は、この臨時国会においては公労法を改正する用意があるというところまでいって、さらにつけ加えて、従って、過去の法律は厳として存在していたのであるから、また現在も存在しているのであるから、月末に行われる全逓労組は良識を持って態度を表明するであろうぐらいの
政府
の閣議決定でもされると、非常に双方の面目も立ち、あるいはまたこれからの労使
関係
がよく行われることだと思うのです。月末の二十九日に行われる全逓労組の大会を見てからというようなことになると、これまたいけない。どちらかというと
政府
がこの際
——
幸いに
政務次官
も就任の経過から見て、地位に恋々としておいでになるような人でもなく、今の植竹
大臣
もそう派閥に拘泥される人でもないように承わるので、
大臣
就任中、あるいは
政務次官
御就任中にこのことを解決されることは永久に残ることだと思いますし、
大臣
非常に勇気を持っておいでになるというので、こういう意味においての
一つ
の
考え方
に対しては、
政務次官
としてはどう考えておいでになるかということをお尋ねします。これはお尋ねでありつつ、私の愚かな意見であるということを承知していただいて、いかがでありましょう。
佐藤虎次郎
95
○佐藤
説明
員 お答えいたします。大野先輩はこの方の大権威者でありまして、私
ども
まだ入学してほんとうに日もなく、一日か一日しかないので、この労働問題につきましてはいまだどの
程度
まで私から御
答弁
申し上げてよいかということは考えておりません。これから十分勉強し、
政府
の意向も聞き、そして何とか自由にしてかつ民主的な労働組合の生まれていくようにしたいと思いますが、今
郵政省
所管
大臣
の方から公労法の改訂法案を出すかどうか、こう申されましても、何しろ御承知のように就任早々でございまして、そういう心がまえがあるとかないとかいうことは、ちょっと時間のお許しを願いたいと思います。
大野幸一
96
○大野(幸)
委員
双方今悩みに悩んでおる問題だろうということは、金丸
委員
も言われたので、政治には時とチャンスを利用しなければならない。ほんとに解決するチャンスは、この全逓労組大会の以前に
政府
が何かの手を打たれることだと私は思います。
政府
はよく静観という言葉を使うが、静観という言葉は政治家としては決して義務を果すという意味ではないので、この点は意見として申し上げておきますが、何とかすみやかに善処せられるように
一つ
願いたい。
佐藤洋之助
97
○
佐藤委員長
次会は来たる八月十三日木曜日午前十時より
理事
会、十時三十分より
委員会
を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会