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八木(一)
委員 しかし私はまだ別な質問をちょっと続けます。
時間がありますから、総括的に切りかえるためのことで言いますけれども、月曜日の御答弁についても強い要請をいたしておきます。御答弁が変なものだったら、また文書で出してもらいますから。
これはさっき
松野さんや
渡邊さんをさんざん苦しめたり、あるいは先輩に対して失礼な文言を言つたようだけれども、しかしこれはさっきも言つたように、もっと丁寧に言えば言えるんです。しかし十時間ほどかかるといけないから、時間の節約上単刀直入に申し上げると最初に言つた。単刀直入に言つたんで、それで変なことを言つた、こういうわけです。
問題は憲法違反、職安法違反、緊急失対事業法違反であつて、生活
保護法違反でもあるわけです。明らかに非常な
法律違反です。もう一つは、政治的な問題としては、
大臣の
所信表明でも言わないし予算にも組んでないことを官僚の一部分の人によってひん曲げられて、しかもその時期は地方選挙なり参議院選挙で追及を受けないような時期に、
大臣もはっきり説明をしない、
労働、
厚生政務次官も
理解をしていないような状態においてそういう通達が行われておる官僚政治をそのまま認めるかどうかという問題が一つ。もう一つの問題は、憲法違反、
法律違反というような問題をあなた方が強行するかどうか、これを強行すれば
岸内閣の命取りになりますよと申し上げておきます。それから具体的な問題としては、年取つた人が気の毒だから親心で生活
保護をやるという。それならば
厚生省がなまけた点だけをたたくだけでいいんです。生活
保護を受けたい人は
厚生省に申請をすればいいんで、
厚生省がぐずぐずしたり言いがかりをつけたりして生活
保護法を適用しないというような現状の間違つた
行政方針はやめて、ちゃんと適用すればいい。失対事業とは
関係ない。問題の本質は、それにからめて首切りをしようということである。
厚生省が間違つた点はどんどん自主的に直せばいい。
厚生省が首切りをする点は、結局今言つたような憲法の条章により勤労権が保障されている、この緊急失対事業法ができた立法の前提を全然無視して、緊急失対事業法は
失業者を吸収して、その生活を安定させるという一番の本義を忘れて、経済効率であるとか、生産性の
向上であるというような緊急失対事業株式会社の社長のような、部長のような考え方で考えるというところから起つているわけです。あなたは資本主義を主張している政党の人だから、ほかの点ではそういう
法律を考えても仕方がない、われわれは追及しますけれども……。ところが失対事業はそうじゃない。幾ら自民党がそういう立場をとつていても、憲法や
法律で
失業者を救済するために作つた
法律なのです。それをそういうように株式会社に切りかえられては、日本の成文法がめちやくちやにあなた方のインチキ解釈で曲げられていく。成文法を曲げるようなことをあなた方が強行すれば、民主主義政治というものは破壊されるわけです。そういうことを今まで行なっているのですよ。それらは即時に改めなければいけない。実際問題としてそれをほんとうに
解決しようと思えば、お年寄りが気の毒だと思えば、お年寄りのための軽作業を、賃金を下げないで、暮せるような
労働条件を考えるのが
労働省の
任務である。その
労働省がなまけて、事業効率を極端に下げて、土建事業だけが失対事業であるという間違つた方針を踏襲している。その事業でも、能力があつて意思があつてがんばつて働こう、少しでも人間らしく暮したいと考えている人たちを、六十才なら六十才で遮断して追いやろうということなのです。末端の職安の
関係の公務員の方方や、生活
保護法
関係の公務員の方々は弱つているわけです。各市町村の首長も困っているわけです。そして
労働者も悲観しているのです。ここで一割切り下げられるのだったら、生きる望みがないといって首をつる人も出てくる。首を切られるのはがまんできないから騒ごうというわけで、いろいろな騒ぎも起つてくるわけです。一部の人の間違つた考え方で大勢の人が悲観し、そしてその運命を遮断し、自分みずからまた騒ぎが起ることによって
労働省や
厚生省の末端の官僚が
労働強化になり、神経衰弱になって、そこでも自殺をする人があるかもしれない。警察がこんなところにまで出てこなければならない。警察官だつてそういう大衆に反駁されるような
機会を持ちたくない。ほんとうはどろぼうをつかまえる、強盗を予防するようなことが警察官の
任務である。それなのにあなたたちがこういうことをやるために、警察官が本来の
任務から離れたところへ動員されるというように、あらゆることが間違つてくるわけです。そういう重大な背景のあるものに対して、そういう間違つた通達を出したことを直ちに改められないならば、
松野労働大臣も
渡邊厚生大臣もその職にいる人ではないと思う。改められる決心がなければあした辞表を出しなさい。決心があるならば、ほんとうに
国民のための国務
大臣としての
任務を遂行しようとするならば、いかに官僚が抵抗しても、断固としてこれを取り消すという処置を払うべきである。われわれは月曜の回答いかんによっては、この問題はこのままでは済ませません。
労働大臣、
厚生大臣がたよりないならば、岸信介君を呼びつけます。岸君は
国民の総理
大臣としてやろうと
努力をされるでありましょう。その場合には
労働大臣、
厚生大臣の責任を岸君から追及させるところまで持って参るつもりであります。そのようなことで、安易に時間的に逃げて、いいかげんなことで終らせようと思ってもらつたら大へんであります。多数決で押し切られたときは、日本国中に大きな騒動が起るということも考えていただきたいと思います。あなたはいろいろな騒動による物事の進展を好まれておらない。しかしその騒動の起るもとをあなた方が作られるならば、そういう騒動は全部あなた方の責任であります。そういうことを十分御勘案になりまして、月曜日には今の
行政上の運用というような御答弁ではなしに、この問題は撤回をするというような御答弁をなさることを強く
要求するわけであります。そして一日考えられる御用意を持っていただきます。ですから、今御答弁なさらなくてもけつこうです。どうか、なまいきなことを言つたから
八木とか
大原というやつはしやくにさわるというような私情を抜きにしていただきたい。われわれはそれを撤回をしてもらつたら、
松野労働大臣、
渡邊厚生大臣の善政をほんとうにほめたたりえるでありましよう。
国民のためにやつてもらいたい。
国民のためにやつていただいたら、他党の人であつても、われわれは推賞するにやぶさかでありません。また
労働省の百田さんも、それから三治さんも、今までのいきさつにとらわれずに、われわれの論議していることをお聞きになっておられますから、どうか大衆のために考え直していただきたい。そうして、そのために
労働大臣を補佐していただきたい。百田さんは非常にやさしい心の持ち主であるということを私は知っております。それがどうしてこういうことになつたか、
理解に苦しむわけです。どうか人道に徹した考え方に戻つていただきたい。そういう問題をあなた方の抵抗によって、問題が
解決されることがおくれないようにしていただきたいと思う。
次に社公
労働委員長にお願いしたい。これは御答弁を
要求します。この問題を時間的に逃げるようなことをされたならば、私ども、
労働委員長を全面的に
信頼しないことになる。今後の
委員会の運行はめちやくちやになるということを御覚悟願います。それで社会
労働委員長は、この問題は根本的に納得いって
解決するまで
労働委員会を続けて開く。
労働大臣、
厚生大臣を逃げさせない。その答弁が不十分であったら、
内閣総理をあなたの責任において呼び出して、徹底的な、根本的な
解決がつくまで
委員会の
審議を続行させる御決意があるかどうかを社会
労働委員長に御答弁願いたい。