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1959-07-04 第32回国会 衆議院 決算委員会閉会中審査小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十四年七月三日(金曜日) 委員会において設置することに決した。 七月三日  本小委員委員長指名で次の通り選任された。       井原 岸高君    押谷 富三君       鹿野 彦吉君    鈴木 正吾君       田中 彰治君    高橋 禎一君       小川 豊明君    神近 市子君       森本  靖君    山田 長司君 同 日  鈴木正吾君が委員長指名で小委員長に選任さ  れた。     ————————————— 昭和三十四年七月四日(土曜日)     午前十時五十三分開議  出席小委員    小委員長 鈴木 正吾君       井原 岸高君    押谷 富三君       淡谷 悠藏君    小川 豊明君       神近 市子君    森本  靖君       山田 長司君  小委員外出席者         通商産業政務次         官       内田 常雄君         通商産業事務官         (大臣官房官房         長)      齋藤 正年君         通商産業事務官         (通商局振興部         長)      日高準之介君         会計検査院事務         官         (第四局長)  石渡 達夫君     ————————————— 七月四日  小委員森本靖君同日小委員辞任につき、その補  欠として淡谷悠藏君が委員長指名で小委員に  選任された。 同 日  小委員淡谷悠藏君同日小委員辞任につき、その  補欠として森本靖君が委員長指名で小委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十一年度政府関係機関決算書      ————◇—————
  2. 鈴木正吾

    鈴木委員長 これより決算委員会閉会審査小委員会を開会いたします。  昭和三十一年度決算審議に入ります。本日は厚生省及び通商産業省関係について審議を進めます。  まず通商産業省所管について説明を求めます。会計検査院石渡第四局長
  3. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 通商産業省一般会計から御説明いたします。  まず初めに貿易振興に対する国庫補助金の分から説明いたします。これは財団法人海外貿易振興会が実施しておりますが海外市場調査貿易あっせん輸出商品の宣伝、国際見本市への参加等事業に対しまして、毎年国庫補助金交付しておりますが、当会から提出されました決算書内容に関する検討が十分でありませんでしたため、補助対象外経費が含まれていた事案でございます。  次に、鉱工業等に関する技術の研究または工業化試験を奨励助長いたしますために国庫補助金交付しましたところ、交付当りまして調査が不十分でありましたり、交付後の指導監督が適切でありませんでしたために減額を要するものが三件で二百三十万円ほどございました。  それから一五四ページの、中小企業協同組合共同施設等に対する国庫補助金でありますが、これは中小企業経営合理化のため協同組合または会社等が設けました施設等に対しまして、道府県特別会計を設けて必要資金を貸し付けます際、その財源として道府県一般会計から特別会計に繰り入れた額とほぼ同額のものを国から補助金として交付し、道府県はこれを合せて貸付財源とする建前のものでありますが、補助対象となる設備を全然設置しなかったり、補助対象外設備を設置しましたもの等で、いずれも交付のときの調査または交付後の指導監督が適切を欠いた事案でございます。  次に、特別会計について御説明します。  まず中小企業信用保険特別会計について申し上げます。本特別会計支払保険金が年々増加する傾向にありますので、三十一年度も前年に引き続きまして保険事故内容並びに支払保険金の当否に重点を置きまして検査いたしましたころ、貸付金指定業種外のものに貸し付けられていたり、金融機関の旧債権の回収に充てられたりしましたものがございました。  最後に、特別鉱害復旧特別会計について御説明申し上げます。これは単純な計算の誤まりでありまして、簡易水道送水管用鋳鉄管の長さが三百八十四メートルありまして、その一メートル当り単価が八百五十八円でありますので、そのまま乗じて計算すればよいのに、誤まって三メートル分二千五百七十四円を一メートル当り単価として工事施工の長さに乗じましたので、工事雑費を加えて七十万円ほど過大交付となった事案でございます。  以上で通産省関係説明を終ります。
  4. 鈴木正吾

    鈴木委員長 発言の通告がありますのでこれを許します。淡谷悠藏君。
  5. 淡谷悠藏

    淡谷委員 通産省にお伺いいたしますが、貿易振興に対する国庫補助金を受けている団体海外貿易振興会というのは、どういう性格のものか、お伺いしたい。
  6. 齋藤正年

    齋藤説明員 お答えいたします。これは三十三年度から政府全額出資特殊法人になったものでございますが、それ以前は社団法人でございまして、貿易振興事業のうち主として海外におきます貿易振興事業を大体一元的に取扱う機関という性格のものでございます。もっとも、ほかに若干、特殊の目的につきましては特別の団体交付しているものもございますが、原則としてなるべく海外貿易振興会に一元的に交付して、統一的な海外貿易振興事業を行うという建前で指導して参ったわけでございまして、主要な事業海外におきます市場調査あるいは商品取引あっせん、それから見本市の開催というようなことが主たる事業でございます。
  7. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは補助金だけで大体九億六百三十四万出ておるのでございますが、ほかにこれに類したような団体はございますか。
  8. 齋藤正年

    齋藤説明員 先ほど説明いたしましたように、この団体に大部分のこういう補助金あるいは委託金交付されておりますが、ほかにプラントと申しまして、重機械類輸出に関しましては別に日本プラント協会というものがございまして、そこに交付するということでございます。それ以外は、貿易業者共同輸出事業というものがございまして、たとえばミシンでありますとか、カメラでありますとか、あるいは農機具でございますとか、そういった業界輸出振興のために共同事業を行なっておるものがございます。これはそれぞれそういう団体交付いたします。それ以外の一般商品一般的な輸出振興事業経費は、大体この海外貿易振興会に一括して交付するという運営を今までやってきております。
  9. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この団体以外の団体には補助金は出ておりますか。
  10. 齋藤正年

    齋藤説明員 もちろん先ほど申しましたように、重機械類につきましては日本プラント協会、それから業界共同施設事業につきましては、それぞれの輸出組合なりその他の団体交付しております。
  11. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この補助金の出ておる団体及び補助金額を出していただきたいのですが、今お手元に資料はありませんか。
  12. 齋藤正年

    齋藤説明員 それは三十一年度の分でございますか、それとも本年度の分でございますか。
  13. 淡谷悠藏

    淡谷委員 三十年度分です。
  14. 齋藤正年

    齋藤説明員 現在詳細な資料がございませんので、調製いたしまして提出することにいたしたいと思います。
  15. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではあらためて資料として御請求申し上げますが、この貿易振興に関する国庫補助金を出しております団体の各年度にわたる——年度といっても、三十一年度以降の補助金額並びにその団体性格等に対する資料を、なるべく詳細にお出しを願いたいと思います。もちろん役員ども出していただきたいと思います。それからこの財団法人海外貿易振興会には、九億六百三十四万という補助金が出ておりまするが、うち三十年度分三億九千百三十九万とありますが、これは会計検査院の方に聞きますが、あとはいつ支払った分でございますか。
  16. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 あとは三十一年度でございます。
  17. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうしますと、この九億六百三十四万の補助金は、何年度と何年度補助金でございますか。
  18. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 これは三十年度と三十一年度でございます。
  19. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この報告書にございますのを見ますと、海外貿易斡旋所事業として、三十年の七月から三十一年の三月までの事業費が出ておりますが、この年度は三十年度になりますが、これは三十一年度報告になるので、どういうわけなんですか、ちょっとのみ込めないのですが……。
  20. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 この九〇七号は三十年度検査をしまして、その結果、三十年度になお不当であるということが確認できない実態がありましたので、私どもの千続といたしまして、いわゆる未確認事項というふうにいたしまして、三十一年度にさらに調査をして、ここに掲げた次第でございます。
  21. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうしますと、この九〇七号及び九〇八号、両件の発生しました補助金というのは、総額九億のうちからこれだけ出ておるわけなんですか。三十年度と三十一年度の分ですか。
  22. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 そうでございます。
  23. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この補助金は何年から一体出しておりますか、これは通産省の方に聞きたい。
  24. 齋藤正年

    齋藤説明員 二十七年度から交付を始めたものでございます。
  25. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきの御説明の中で、社団法人時代があったと申しますが、そうしますと、その年度はどうなりますか。社団法人だったときがあった……。
  26. 齋藤正年

    齋藤説明員 ちょっと私も説明を誤まりましたので、多分最初から財団法人であったのじゃなかろうかと思っております。ちょっと間違いました。
  27. 淡谷悠藏

    淡谷委員 けしからぬですよ。これはもう不当事項指摘されているのですよ。あなたの方から釈明書説明書が出ているのです。九億も出しておって説明が誤まりましたで済む段階ではない。これは国の補助金ですから、九億なんて言ってもあまりびっくりしないかもしれませんが、個人だったら一体どうします。誤まっておったというならば、この団体性格をもう一ぺん思い直して、正確な説明をして下さい。
  28. 日高準之介

    日高説明員 ただいま官房長から社団法人と申しましたが、全く言い違いでございまして、実は昭和二十七年に財団法人で、海外貿易振興会という名前で、一般貿易振興をやります趣旨で設立されました。そのときから実は補助金が出ておるわけでございますが、事業内容といたしましては、先ほど説明いたしましたと同様に、海外貿易あっせん事業国際見本市事業、それから海外市場調査、これを中心として仕事をやって参りました。ただ、その後事業が拡大するにつれまして、ことに雑貨を中心とした事業をやっております関係から、やはり民間資金だけでは十分に集まらないという状態になりましたために、三十三年度政府出資二十億が出まして、それで特殊法人日本貿易振興会ということに改組されたわけであります。
  29. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もう少し詳しく御説明願えませんか。二十七年度一体補助金を幾ら出したのか、二十八年度は幾ら出したのか、役員はどうなっておるのか、やった仕事はどうなるのか。補助金を出した以上は実績等も聞いておかなければならない。
  30. 日高準之介

    日高説明員 その点につきましては、ただいま資料を持参しておりませんので、後ほど詳しく資料を提出いたします。
  31. 山田長司

    山田(長)小委員 関連して。資料を持っておらないといっても、やはりこれだけの機構であって、これだけの経費が出ているんですから、当時のこの役職員の氏名ぐらいはわからないはずはないと思うのです。そういうことだけでもいいですから、わかっておる範囲で言って下さい。
  32. 日高準之介

    日高説明員 当初の会長といたしましては、現在も理事長でございますが、杉道助、それから副理事長といたしまして、今、日本貿易会専務理事谷林正敏、それからその当初はちょっと私、記憶にございませんが、昭和二十九年ごろからやはり副理事長といたしまして菱沼勇でございます。それから三十三年度の新法人になりまして、理事長はやはり杉さん、それから副理事長として長村貞一、それからあと理事は、現在の理事といたしましては村田恒、それから甲斐文比古山本廉斎藤保義脇阪実木村清、それから監事といたしまして横山幸生と、森吉之助、それだけでございます。
  33. 小川豊明

    小川(豊)小委員 関連して。あなた方は、きょうはあなた方の問題で決算委員会が開かれているのを承知して来ている。しかも、会計検査院から指摘されているのだから、これに対する答弁書くらいすっかり持ってきているのが当りまえだ。少しふまじめじゃないか。一つ答弁できていない。きょうこの問題を取り上げられることは、わかっているのだから、そのくらいのことを——あなた方、ほかのことならば調査してこなければわからないということもあるけれども検査院から指摘されて、きょうここで委員会があって、それだけ大ぜい並んでいて、その答弁ができない。これはふまじめ過ぎますよ。もっとしっかり答弁して下さい。  私ども、今一番委員会でも問題として考えているのは、各省に外郭団体というものがかなり設けられている。この外郭団体補助金等使途がかなり不明朗だということは一般的な問題だ。従って、こういう振興会とかなんとか、一つ外郭団体のようなものに対する調査ということを、われわれとしても真剣に進めているわけであります。従ってあなた方の方でも、これに対して、きょう指摘されているくらいの問題に対しては、あとでなければわからないということは、私ちょっとわかりませんよ。私どもも次の年度がつかえているから、もっと早く上げてしまいたいと思っているが、そういう答弁じゃ、きょう上りませんよ。
  34. 山田長司

    山田(長)小委員 二十七年の、これが設立当初の大臣はだれだったのですか。こんないいかげんな団体を作って、九億も毎年々々出しておいて、それがさっぱりわからないということでどうするか。だれですか、こういうものを認可させたのは。そのときのことを聞いているだけだ、そのくらいのことはわかるだろう。
  35. 鈴木正吾

    鈴木委員長 大臣名前くらい、資料なしだってわかりそうなものじゃないか。     〔山田(長)小委員「わからないなら   わからないで、何とか言いなさい、   進めるから。」と呼ぶ〕
  36. 内田常雄

    内田説明員 私は先般はからずも通産政務次官に任命をされましたので、きょうは実はごあいさつを申すつもりでまかり出まして、ごあいさつの用意もあったのでありますが、先ほどからの御議論を聞きかねまして、ごあいさつに先だちまして御答弁を申し上げます。  御承知のように昭和二十七年という年は、吉田内閣が二十四年以来一番長く続いたときでありまして、その問、通産大臣も約十人ばかりかわっております。でありますから、その二十七年に至る海外貿易振興会設立の際の大臣が、果してそのときの大臣として稻垣平太郎氏であったか、高瀬荘太郎氏であったか、あるいは横尾龍氏であったか、小笠原三九郎氏であったか、池田勇人氏であったか、その数人のうちのだれであったか的確を期しがたい。ちょうど何月何日に稻垣平太郎氏であったか、高橋龍太郎氏であったか、ここに持ち合せがございませんので、これらの大臣の中から的確なところを調べまして、次回に申し上げることにさせていただきたいと思います。はっきりいたしておる普通の短命内閣ですとすぐわかるのですが、非常に長期内閣で、今申すように二十七年までにたくさん大臣が出たり入ったりいたしておるわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
  37. 山田長司

    山田(長)小委員 政務次官がかわって答弁するのはいいが、実際このくらいなことは、通産関係の衝に当っている人間に、今のことを言われてしかるべきだと思うんですよ。  それから、さらに二十億に金額をふやしたときの大臣は、だれだったのですか。
  38. 日高準之介

    日高説明員 二十億と申しますのは、特殊法人にいたしますときのことでございますか。
  39. 山田長司

    山田(長)小委員 そうです。
  40. 日高準之介

    日高説明員 たしか前尾通産大臣だと思います。
  41. 山田長司

    山田(長)小委員 前尾さんの任期から推してみて、前尾さんがそれをやったかどうか疑問に思いますが、それじゃ認可を与えたのは三十三年のいつごろですか。
  42. 日高準之介

    日高説明員 法律が成立いたしましたのが、たしか三十三年の三月末ごろでございまして、認可になりましたのは、今、はっきりした日にちは忘れましたが、六月か七月ごろでございました。
  43. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この、会計検査報告に関し国会に対する説明書が、あなたの方からも出ておりますが、この責任者はどなたですか。その方に少し開いてみたい。
  44. 日高準之介

    日高説明員 通商局長でございますが、本日は、実は在外に出ておりますので、私、振興部長でありまして、直接貿易振興会仕事を担当いたしております。
  45. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この説明書に基きますと「実支出額が減少しているにかかわらず国庫補助金を減額しなかったことはまことに遺憾とするところである。」というふうに述べてありますが、遺憾とするならば、こういう団体性格どもすでに調べがついているはずだと思うのですが、きょうの答弁はまことに不手ぎわなんです。この二十億の出資をした理由等について、もっと詳しくお述べいただきたい。どうして今までの団体ではだめで、特殊法人にして、しかも二十億という出資をしたのか、その理由などを、もっと詳しくお述べ願いたい。
  46. 日高準之介

    日高説明員 この貿易振興会事業は、委託費もございますが、補助費がかなり多数になっております。従って、補助費の場合には項目によりまして七五%の補助あるいは五〇%の補助というふうな補助になっておりますので、従って国費が出ますと、それに伴ってやはり民間側負担が必要になったのです。従来各府県とかあるいは一般財界からの拠出金というふうなものも出ておりましたが、事業を拡大するにつれまして、府県なり民間拠出金の額はそれほどふえませんので、どうしても国内費が不足を来たして参りました。従って、その二十億の出資金預金部に運用いたしまして、その金利で国内費を支弁する必要が出て参ったのであります。そういった関係で二十億の出資を充てたというわけでございます。
  47. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この二十億の政府出資以外に、どれくらいのものが出資されていますか。
  48. 日高準之介

    日高説明員 資金といたしましては二十億だけでございまして、あとは年年の府県からの補助金でございますとか、あるいは財界からの年々の拠出金賛助金でございます。
  49. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは問題を三十年度に引き戻しまして、三十年度、三十一年度関係をお聞きしたいのですが、三十年度、三十一年度府県から集まりました資金はどれくらいでございますか。
  50. 日高準之介

    日高説明員 まことに申しわけございませんが、実は三十一年度補助金対象事項を実は本日用意いたしておりませんで、全体といたしましての収支の資料を実はただいま持ち合せておりませんので、別に資料を出したいと思います。
  51. 淡谷悠藏

    淡谷委員 お聞きの通りの説明で、これではどうも納得がいかないのです。何を言っても答弁ができない。聞いてみますと、この財団法人海外貿易振興会というものは、民間団体みたような格好をしているが、実際においては政府出資によって仕事をし、そうしてまたその仕事によって補助金をとる。看板だけは民間でありますけれども政府機関みたようになっておりますが、性格はどうなんですか。民間でやっているという何か画然たるものがあるんですか。
  52. 内田常雄

    内田説明員 先ほどからの応答で御理解のように、昭和三十三年までは現在の日本貿易振興会ではなしに、海外貿易振興会として民法による財団法人であったわけであります。政府一文出資しておらなくて、主として民間府県の金や、寄付金やなにかを使って、毎年の貿易振興事業をやっておった。そもそも三十三年以前の海外貿易振興会というのは財団法人でありますから、民間寄付行為によってできておって、政府一文資金出資をしておらなかったわけであります。ただ、毎年の運営費民間並びに府県からの寄付金でまかない、それの足らないところを国からの年々の支出として運営費を出しておった。こういうことでありましたが、それでは今、淡谷委員からの御質疑のように、一体民間団体でありながら、政府活動のようなこともしておる、はなはだ不分明だということで、ちょうど昭和三十三年度予算におきましては、御承知のように前年度国内神武景気で非常に好況でありまして、国の歳入が非常にふえた。しかし、その国の歳入をすぐ歳出にして使ってしまうとインフレになるということから、いわゆる経済基盤強化資金、たな上げ資金というものが何千億かできまして、そのうちの一部、二十億をたな上げの形で、従来の海外貿易振興会に国が見せ金といいますか、たな上げ資金として出資をして、その際完全な特殊法人政府機関として開設をいたしたわけであります。でありますから、今日の状況におきましては、その二十億円が日本貿易振興会の基金となって、しかし、その金は使うべからず、もっぱら利息をかせいで、それで人件費を主とする運営費に充てる。あと活動費は、これは先ほどから御指摘がありますようなものと同じように、年々の予算から国から補助金を入れて活動資金にする。そして一応民間との関係は、はっきりさしてやる。こういう建前で、昭和三十三年度から完全な、しっかりした政府機関になった、かように私は理解をいたしております。
  53. 淡谷悠藏

    淡谷委員 大へんごりっぱな御答弁をいただきましたけれども、まるで的はずれの御答弁だ。私がお聞きしましたのは、三十年、三十一年度決算です。これに対して、あなたに言わせますと、純民間団体であったものが二回にわたって九億の補助金をもらっておる。ですから、この補助金以外に、仕事をするような資金がどこから出たかということを聞いているのに、答弁がないんですよ。私は、まだ三十三年のことは聞いていない。  それならば、あなたに聞きますが、次官はけっこうです、あなたの御答弁でげっこうですから、お聞きしますが、二十七年度にはこの団体に対して幾ら補助金を出して、二十八年度は幾ら出して、二十九年度は幾ら出して、というデータをほしい。同時に、補助金を出した以上は、事業報告書を求めてあるはずだ。従ってその事業報告等についても御答弁願いたい。
  54. 内田常雄

    内田説明員 まことに申しわけないことでありますが、本日は会計検査院から三十一年度決算について不当事項指摘事項がございましたので、事務当局の方では、もっぱら会計検査院から不当として指摘されました一億一千万円の使途につきまして、その資料だけを携行いたしておりまして、この期間の、二十七年以来の毎年の運営状況、毎年の資金を集めた先、政府からも出ておりまするし、また民間団体から、府県からも寄付を受けておりますが、それらの出納関係においては、まことに申しわけないと思いますが、きょうは資料を持ってきていないそうであります。しかし、それは通商局に全部資料がございますから、各年ごとに、どこから金が幾ら入ったか、政府から幾ら入ったか、また民間から幾ら金が入ったか、それをどう使ったか、どういう事業をしたかというような一覧表のようなものを取りまとめまして、適当な機会に差し上げるようにいたしたいと思いますので、きょうは一つ、三十一年度不当事項に関する釈明中心としてお尋ね下さるように、何とぞお願いをいたします。
  55. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それじゃ、三十一年度はどうしたんです。府県寄付が幾らあったか、どういう事業をされたのか。
  56. 日高準之介

    日高説明員 三十一年度におきしては、国庫補助金三億八千四百万円、これに対しまして、地方公共団体から四千六百九十五万七千五百円、それから一般財界からの賛助収入と申しますか、それが一千七百三十六万八千二百七十三円、以下それぞれの事業に伴いまして、補助金の見返りの民間負担とか、あるいは調査を依頼いたしました者に対する実費でありますが、そういうふうなものを合せまして、全体としての収入が六億六千六百九十九万七千百五十七円、こういう形になっております。
  57. 森本靖

    森本委員 そこで、今の三十一年度の分ですが、全部で六億六千万円収入があるということであります。それから、三十一年度のこの振興会支出のおもなるものの内容はどうなっておりますか。
  58. 日高準之介

    日高説明員 この海外市場調査でございますが、これに約一億一千七百万円、それから輸出品のデザインでございますが、海外の優秀な見本を収集いたしましたり、あるいはデザインの研究生を出すというようなデザインの改善事業に一千九百万円出しております。それから農林水産物関係の共同施設とか、あるいは農林水産物の輸出増進、これに約五千万円、それから医薬品関係輸出振興に関連いたしまして約八百万円、それからニューヨーク、サンフランシスコその他に貿易斡旋所を持っておりますが、その貿易あっせん事業に対して一億八千六百万円、それから見本市——国内見本市でございますが、これは大阪、東京で隔年にやっておりますが、これに約一千万円、それから国内の出版事業に約三千万円、それからその他海外に出版物を出しましたり、映画を出しましたり、あるいは特別に対米宣伝をいたしましたり、こういう海外宣伝事業に一億二千八百万円ばかり、おもな事業といたしましてはそういうものであります。
  59. 森本靖

    森本委員 それで、これは人件費はどうなっておりますか。
  60. 日高準之介

    日高説明員 人件費は、国内一般人件費といたしましては、先ほどの公共団体補助金及び賛助収入、そういったものでまかなっておりまして、この当時は約二千五百万円ほどございます。その他海外調査員あたりにつきましては、これは補助金でございますので、補助金一般の分担金と合せまして事業費という形で出しております。
  61. 森本靖

    森本委員 そうすると、ここでは大体常時どのくらいの人間が動いておるわけですか。
  62. 日高準之介

    日高説明員 海外市場調査員といたしまして臨時に出します者と、それから派遣をいたしております者がございますが、その当時は在外に約十五名ばかりが常時おる調査員としておりまして、その他臨時に特殊の専門家で出ておりますが、この点はちょっと現在何人出ましたか、人数ははっきりいたしておりません。それから国内は約二百名でございます。
  63. 森本靖

    森本委員 その二百名というのは、先ほど人件費の二千五百万円程度というのでまかなわれておるのですか。
  64. 日高準之介

    日高説明員 そうです。
  65. 森本靖

    森本委員 そうすると、次に、比較しないとわからないのですが、三十三年度は全然わからないですか。
  66. 日高準之介

    日高説明員 三十三年度は、予算額といたしまして、国庫補助金が七億七千八百七十一万円、それからそのほかにやはり委託費でございますが、二億四千三百八十三万八千円、地方公共団体補助金が六千万円、民間賛助収入が二千五百万円、その他の事業収入を入れまして約二十億という収入になっております。それに対しましての事業予算といたしましては、国内管理費が一億一千九百万円、海外調査事業関係、これが約一億六千三百万円、それから先ほどのデザインの改善と輸出の意匠改善事業、これが二千三百万円、貿易あっせん事業が二億七千七百万円、海外の広報宣伝が一億九千九百万円、それから農林水産物関係の振興関係が約一億四千二百万円、海外見本市事業費、これが四億一千四百万円その他を入れまして、大体二十億くらいであります。
  67. 森本靖

    森本委員 それで、この三十一年度と三十三年度とを比べると、相当の膨張になっておるわけですが、三十三年度の二十億円というのが、この中にその金利を運用してまかなっていくという意味で、たな上げ資金からこれを出した、こういうことでありますが、しかしそれだけのものでは、とても足らぬということになるわけで、結局その二十億の出資をいたしましても、毎年毎年この補助金交付していかなければならない、こういうことになるわけですか。
  68. 日高準之介

    日高説明員 その通りでございまして、この二十億の資金から出ます金利は主として国内管理費というふうな一般管理費で、国内費に向けられる分がほとんどでございまして、従ってそれぞれの事業費につきましては、委託費以外の補助金がございますから、これについてやはり別にその分担金とか、そういうふうな国内から別のソースで出る資金が要るわけです。従って、補助金事業が拡大しますと、やはりそれに伴う国内費の分担が漸次それに応じてふやさなければならぬということになるわけでございます。
  69. 森本靖

    森本委員 そうすると、三十四年度、今年度補助金は幾らになっておるわけですか。
  70. 日高準之介

    日高説明員 三十四年度は十億八千三百三万七千円です。
  71. 森本靖

    森本委員 そうすると、この二十億の基金というものについては、国内管理費はもうこれでずっとまかなっていくというつもりで、一応金利を運用するという意味で出資をしたわけですか。
  72. 日高準之介

    日高説明員 その通りであります。
  73. 森本靖

    森本委員 それでもこれはやはり、その国内管理費というものについては、そのワク内に限定をして、それ以上のものについては、結局次の補助金あるいはその他の財界からの浄財とか、そういうふうなものでやる、こういう基本線ですか。
  74. 日高準之介

    日高説明員 できれば財界賛助金とかそういうものが多ければよろしいわけですが、実際問題といたしまして、貿易振興会の対象といたします事業の中身がほとんど大企業の輸出品ではなくて、中小企業の生産品であります雑貨とか農林水産物、そういうふうなものが主たる対象になっております。従って、そういうものについて海外宣伝あるいは市場調査等をいたします場合に、民間側負担力がほとんどございません。従ってそういった雑貨を中心とした中小企業製品の輸出の宣伝をやりますためには、やはり国庫から将来もそれに応ずる不足金を出していく必要があるのじゃないか、場合によりましては基金の増額ということも必要ではないかというふうに考えております。
  75. 森本靖

    森本委員 これは中小企業あるいは通産省の政策としてということではなくして、決算委員会決算という立場から、会計の複雑化を防ぐという面から見た場合は、それからもっとこれがこういう措置については明瞭にわかるというような観点からいくならば、その資金を一応融資を受けて、それをたな上げ資金として、その金利によって国内管理費をまかなうという考え方に基いた——その考え方そのものはある程度私は是認ができるものであるけれども、かえってそういうことをすることによって将来ややこしい格好になるのではないかという点も予想されます。またこの内部の操作、それから内部運営等についても、もっと詳しく聞いておかないと、まだまだこれが成功であったかどうかということについては不明な点がありますが、きょうは時間がありませんので、私は次に三十一年、さらに三十年、ずっと三十三年まで比べて検討してみたい、こう思うわけですから、きょうの私のこの点についての質問は以上であります。
  76. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっき三十一年度府県からの出資が三億一千四百万円と聞きましたが、国庫補助も入れまして総計六億六千六百九十万円ですか、そういう御答弁でしたが……。
  77. 日高準之介

    日高説明員 その通りです。
  78. 淡谷悠藏

    淡谷委員 会計検査院にお伺いしますが、三十一年度府県からの出資が三億一千四百万円、その他約六千万円というものがあります。総計六億六千六百九十万円としますと、この補助総額が合わないのです。補助総額が九億六百三十四万四千五百九十四円で、うち三十年度分が三億九千百三十九万一千百三十九円といたしますと、残りは概算しまして約五億以上になるのですが、それに府県からの出資三億を入れましても八億になります。これは通産省とあなたの方の調べと違っておりますが、どっちが違っておるのですか。
  79. 日高準之介

    日高説明員 ただいま御指摘がございましたが、府県補助金は、先ほど申し上げたのは四千六百九十五万七千五百円、それで国庫補助金が三億八千四百四万三千円です。
  80. 淡谷悠藏

    淡谷委員 三億幾らじゃない。五億円にならなければ合わないのです。会計検査院の調べとは……。
  81. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 私の方の調査では、三十一年度と三十年度とを合計いたしますと、ここに上っておりますように九億六百三十四万四千五百九十四円、このうちカッコ内にありますように三億九千百万円を引いた残りの五億一千四百万円が三十一年度補助、こういうことになっております。
  82. 淡谷悠藏

    淡谷委員 通産省は、あと一億数千万円の補助金というのはどこにやったのですか。
  83. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 今の問題はおそらくこういうことじゃないかと思うのです。私の方で三十一年度補助金五億一千四百万円、こういうふうに計算しておりますが、これは三十二年の三月三十一日までに交付決定をした数字が五億一千四百万円でありまして、そのうちのあるものは年度を越して実際の交付が三十二年度に入っているというものが若干あると思うのです。それで、今の通産省の三億八千万円という数字は、おそらく現金が三十一年度中に団体に入った金額、こういう数字じゃないかというふうに思っております。
  84. 淡谷悠藏

    淡谷委員 通産省はどうですか。
  85. 日高準之介

    日高説明員 ただいま申し上げましたのは、日本貿易振興会としての会計年度が四月から三月までになっておりまして、三十一年度と申し上げましたのは三十一年の四月から三十二年三月までの数字を申し上げたわけです。従ってその間に全部収入になっておりません。繰り越しや何かもございますので、その辺で食い違いがございます。
  86. 淡谷悠藏

    淡谷委員 どうも私には、検査院答弁も、あなたの方の答弁も納得がいかないのです。交付決定したのが五億一千四百万円であれば、これは当然その年度にこの財団法人海外貿易振興会ですか、これが補助金を受け取るべき権利ができておるわけなんです。これがいつ入ったにしても、会計年度は未払いのものとして計上されているはずだと思うのです。もし、現金が入らないから次年度に繰り越すのだということになってくれば、非常に混乱した会計になってくると思う。だから、いつ入ったところで、決定された五億一千四百万円は、しかも国庫補助ですから、払わないということはないのですから、決定した以上は三十一年度補助金として来るのが当然じゃないかと思いますが、これはどうですか。——答弁できませんか。
  87. 内田常雄

    内田説明員 大へん申しわけございませんが、事務当局がごちゃごちゃしておりまして、数字合せがうまくいかないようであります。先ほど私から申しましたように、貿易振興会の発足当時からその収入の源泉ごとに、県から幾ら、民間団体から幾ら、政府から幾らというものを、年度ごとに収入支出とも一覧表をお出しして、私の方も持ち、皆さん方にも持ってもらってやらないと、私がここで聞いておっても、さっぱりわかりませんので、そのように計らいたいと思います。
  88. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは全く、検査の第一項からこんなことでは、これから幾らやりましても、答弁ができなくなるだけだと思う。補助金関係でありまして、事は非常に重大です。しかも膨大なものがございますので、資料を請求します。二十七年発足当時のこの財団法人設立趣意書、役員、発起人、予算並びに決算、これは二十七年度から、二十億を出資するに至りました三十三年度までの分と、それから三十三年度以降現在に至るそれらの資料を全部お出しを願いたい。それからさらに、これだけの補助金が出ておるわけですから、当然事業報告があると思う。海外仕事はどうやったか、国内ではどういう事業をしておるか、その年度事業はどういうふうに行われたか、その事業報告書等をできるだけ詳細にお出しを願いたいと思うのです。以上、これだけ請求します。
  89. 内田常雄

    内田説明員 今、御要求がありました資料につきましては、できるだけ取りそろえてお届けいたすようにいたしますが、御了解を願いたいのは、二つの点があるようであります。一つは特殊機関たる今日の日本貿易振興会、これは政府機関でありますから、直ちに御要求のようなものがそろうわけでありますけれども、三十三年度までは民間財団法人でありまして、それに対して国から補助金も出しておった。従って、国が収支予算そのものも、もちろん事後に報告を受けたでありましょうが、国そのものと同じようなものは持っていないわけでありますので、今答弁が混乱したことと思いますので、今の日本貿易振興会の前身でありますから、もちろん十分調べましてお届けをいたします。  それからもうつの点は、先ほど昭和二十七年に海外貿易振興会が発足したと申しましたのは、これは必ずしも私の記憶ではそうではないようでありまして、財団法人海外貿易振興会が発足するまでには、いろいろな機関があったはずであります。昭和二十六年ごろから財団法人海外市場調査会とか、あるいは国際見本市協議会とか、あるいは日本貿易斡旋所協議会というようないろいろな団体がありまして、それを統合いたしまして、そうして海外貿易振興会というものができたわけであります。でありますから、昭和二十七年に一ぺんに端的に海外貿易振興会ができたわけではないのでありまして、いろいろな民間団体を統合して貿易振興会ができて、それをごちゃごちゃして困るので、三十三年度から政府機関としてはっきりさせた。こういう経緯がありますので、そのために皆さんに大へん御不満を与えておりますが、その辺は御了察を願います。
  90. 淡谷悠藏

    淡谷委員 財団法人海外貿易振興会に二十億の出資をしましてから、これは明らかに政府機関に変ったのですね。
  91. 内田常雄

    内田説明員 さようでございます。特殊法人として国会で御審議をいただきまして、その機関ができまして、これは役員の任命から政府の任命制度になりましたから、これは自信を持って申し上げられます。
  92. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あなたの今の御答弁にございましたが、貿易関係団体補助金を出しておるものは、どうしても決算委員会の審査の対象になりますからそれらの団体の詳細を報告するように、さっきもすでに資料は請求してあります。それらの団体もあわせてお出し願いますと、一体補助金はどのように使われたか明瞭になると思いますから、これらの団体に対する全部の補助の実態を資料として御提出を願いたい
  93. 小川豊明

    小川(豊)小委員 今、淡谷委員資料の要求に対して次官が答弁されたのですが、三十三年以前のは民間団体が幾つかあったものを統合して、こういう海外貿易振興会を作って補助金を出しておるもので、これに対するものは政府機関のように資料がうまく集まらないかもしれぬ、こういうような御答弁ですが、これはさっき申し上げたように、われわれが一番重点を置いておるのは、補助金が適正に使われたか使われないかということなんです。そういう点からいって、補助金が適正に使われていないということで、いつか補助金の使用の適正化という決議が国会でされておると思います。そういう点からいって、たとい民間団体であろうと、補助金交付した以上は、その使途等に対しては指導し監督する責任があなたの方にあるわけなんで、そこから詳細なものを出させて報告するようにしてもらいたい。
  94. 山田長司

    山田(長)小委員 ただいまの資料要求に一応関連してなんですが、同時に答弁のできる範囲は答弁願いたいと思うのです。それは、かつて長崎で国旗を侮辱した事件があって、中共で国際見本市の中止がなされたというようなことがあったのじゃないかと思います。そのときの事情はいまだに明確になっていないし、その出品されていた品物等、中国で中止になってその後どうなっておるのか、それがここで詳細話ができるなら、一つお話し願いたいと思います。
  95. 日高準之介

    日高説明員 この見本市につきましては、中止になりまして、かなり長い間向うで保管をしていたのでありますが、その後欠損金について二回にわたりまして、当初の予算といたしましては六千万円補助をいたしておりましたが、その後欠損金に対しての補てんといたしまして一千七百万円、さらに五千七百万円、合計で一億三千四百万円になりますが、これを支出いたしまして、この一月に全部国内に持ち帰っております。
  96. 山田長司

    山田(長)小委員 そうすると、品物を持ち帰っておるというような関係、それから補助金等が出ておることで、当時の中小企業家の損失というものはないわけですね。
  97. 日高準之介

    日高説明員 これは直接中共側から借金をいたしましたり、そういったものは全部返済をいたしておりますが、今度はそのまま品物を持ち帰っておりますから、その品物の処分につきましては各出品者の責任において処分をするという形でございます。
  98. 山田長司

    山田(長)小委員 この出品をされる経過、それから各府県の推奨と、よくわかりませんけれども、これらの人たちに、賛助される金というものは出させているのじゃないですか。
  99. 日高準之介

    日高説明員 それはそれぞれ出品者なり取扱い貿易業者がこま代を負担いたしましたり、かなりそういう負担はいたしております。
  100. 山田長司

    山田(長)小委員 そういう資料をやはり一応、淡谷君の請求した資料と関連して、どんなこま代になっておるものかわかりませんから、一緒に資料としてお出し願いたいと思います。
  101. 齋藤正年

    齋藤説明員 淡谷先生の先ほどの御質問でございますが、そろえましたのでお答えいたします。現在の日本貿易振興会の前は財団法人海外貿易振興会でございましたが、海外貿易振興会になります前は三つの団体がありまして、それを統合して二十九年に海外貿易振興会になったわけでございます。その三つの団体のうちで最初にできましたのが、昭和二十六年の二月二十八日に海外市場調査会というものができました。そのときの大臣は横尾大臣であります。それから国際見本市協議会というものが二十七年の三月十七日にできまして、そのときの大臣は小笠原大臣でございます。それからその次に昭和二十八年九月十八日に日本貿易斡旋所協議会というものができまして、そのときの大臣は岡野大臣でございます。それから、先ほど申しましたように、二十九年の八月二十日にこれら三団体が統合いたしまして、財団法人海外貿易振興会ができました。そのときの大臣は愛知大臣でございます。それから日本貿易振興会になりましたのは三十三年の七月二十五日でございまして、そのときの大臣は高碕大臣でございます。     —————————————
  102. 鈴木正吾

    鈴木委員長 この際、新たに政務次官になられた内田君から発言を求められております。これを許します。内田君。
  103. 内田常雄

    内田説明員 お許しを得まして、ごあいさつを申し上げたいと存ずるのであります。  先般通産政務次官を仰せつけられまして、皆様方にごやっかいをかけることになりましたので、今後よろしくお願い申し上げます。まことにふなれでございまして、ことに攻撃の方面には、いささかたけておるのでありますが、政府側に回りまして、防御の方は全く不案内でありますので、よろしく御指導願いたいと存じます。  なお、この機会に通産省として会計検査院の御指摘に関する事項につきまして心がまえを申し述べておきたいと思いますが、先刻会計検査院から御報告がありましたように、通産省関係昭和三十一年度決算報告におきましては不当事項が十五件指摘をされ、その総金額八百九十余万円ということでございます。通産省といたしましては、平素から予算の執行にいやしくも不当なことがないように配慮をいたしておるわけでございますけれども、しかし、このような御指摘がありましたことは何とも申しわけなく、遺憾に存ずるところでございます。会計検査院指摘されました事項におきましては、先ほどからの御議論の趣旨をも十分に体しまして、実態の把握に努めまして、今後の問題として新しくかような事態が生じないように十分適正な措置を講じて参らせる所存でございます。  もっとも、昭和三十一年指摘をされました十五件につきましては、検査院からも御報告がありましたように、それぞれの跡始末はつけておるのでございまして、十五件のうち十四件につきましては、その不当支出と認められるものは、先ほど海外貿易振興会の分を含めまして、すでに返還をさせております。残る一件につきましてもすでにその返還の一部を実行させておるのでございまして、なお若干未返還の分もございますが、これは返還させるよう今後も努力を続けるものでございます。どうか御了承をお願いいたします。  ただ、私がけさほど報告を受けましていささか意を強くいたしましたのは、この三十一年度不当事項として指摘されました事項は、前年昭和三十年に比べますると、かなり減ってきております。改善のあとが顕著に思われるのでありまして、昭和三十年には三十件、金額にして三千三百余万円ということでございますが、三十一年度は、偶然かもしれませんが、半減をいたしているということでありまして、(淡谷委員「先があるぞ」と呼ぶ)さらに今、淡谷委員からお言葉もありますけれども、先にはだんだん半分々々といって、しまいにはゼロにしたい、こういうような努力を続けて参りたいと思います。どうかよろしく、皆様方から御鞭撻を得たいと思います。就任に当りまして、うやうやくしごあいさつを申し上げます。 (拍手)     —————————————
  104. 鈴木正吾

    鈴木委員長 この際、政府当局に一言申し上げておきたい。いかにも答弁が無責任であるというか、不勉強であるというか、大体決算委員会に出てくる問題点というものは明らかなんですが、この問題点にどういう質問が出るだろうくらいのことは十分用意して、あらゆる面から答えのできるような準備をしておくのが当りまえだと思うのです。きょうの質問を聞いておると、質問に対して満足な答弁というものはほとんどなかった。きょうは、ほんとうは商工関係はきょう中に片づけたいと思っておったのですけれども政府答弁の不行き届きのために、まだ一問も満足には解決しておらぬ。これでは、はなはだ困るから、今後は、残された問題については、問題点はわかっておるのだから、これに対して各方面から想定し得るあらゆる質疑に対する答弁がすらすらとできるように、勉強してきていただきたい。  午前中の会議はこの程度にとどめ、午後二時より再開いたすことにいたします。     午後零時十一分休憩     —————————————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕