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山本(幸)
委員 きわめて簡単に簡素という
言葉を使われたのですが、どういう
意味で簡素と言われたか知らぬけれ
ども、なるほど、
国会法には、
参議院の
通常選挙が終った後には一カ月以内に
国会を召集しなければならぬという
規定があります。その
規定を作った精神というのは、もちろん、その当時は
参議院の
構成等の関係もあろうからということも
十分考慮に入れてやったのです。私
どもは、やはりこれは両院平等という立場からいって、本来ならば、
参議院の
通常選挙が終った
あとは、衆議院の
選挙が終った
あとと同じような
国会形態をとるべきだ、こう考えております。しかし、今そのことについては触れません。これは今後の問題として大いに
検討するわけですが、問題は、御
承知のように、
先国会から今度の
国会が開かれる間、特にその間に
選挙があって、
外交問題も非常に大きく変ってきておると思う。たとえていえば、南ベトナム賠償問題のごときは、私が言うまでもなく、
政府が
国会に何らの
相談もなしに勝手に調印をする。そのために、
北ベトナムが今後どう出てくるかという疑問を
国民は持っていると思う。あるいはさらに、すでに
ビルマあたりのごときは、
賠償金の修正すらも
日本側に申し出ているようなことも私は耳にしておる。これは
国民の
税金なんです。あなた方が出すのじゃない。岸さんが出すのじゃない。
国民の
税金でこういうものは負担されるわけです。そういうことが
選挙中に行われたのだから、やはり
国民の聞きたいそういう問題を、
政府みずから明らかにすべきだと思う。あるいは
安保条約の
交渉にしてもそうでしょう。あなた方の方でどんどん進めておられる。その進めておられる
経過を
国民の前に明らかにすべきである。
安保条約については、
国民は大きな不安を持っておる。
政府は、
自信があるならば、その不安のないように
経過説明をすべきじゃないか、こういう点をもっと明確にしなければならぬと思う。あるいは
日中打開の問題でも、
総理は、先般
新聞紙上を通じて、
日中打開に努力する、こう言っておられる。従来とはいささか違った言動がそこで行われておるのだから、しからば、その努力とはどういうようにやられるのか、そういう問題を、特に
経済に関係しておる
国民は非常な
関心を持っておると思う。そういう点を明らかにすべきだと思う。それから
経済問題でもそうです。
経済問題でも、あなた方は、
所得の二倍
説——これは幾分
池田さんと
総理と
意見の食い違いがありまして、だらしのない姿を世間に呈しているが、一方では
所得の二倍説、給料の二倍説、何が何やらわからないようなことを言っておるわけです。あるいはデノミネーション、これはその後打ち消したような格好なんですが、これだって、
国民は大きな疑惑を持っておる。そういうような問題からいって、この際、やはり
大蔵、
外務両
大臣が
所信を述べて、
国会を通じて
国民の前にその点を明確にすべきじゃないか、こう私は考えておる。特にもう一点は、かりに
参議院の
構成のために
国会が開かれたとしても、あなたは簡単に簡素という
言葉を使われたが、
国会を開いた以上は、
先国会から今
国会までのいろいろな事案について、これを
国民の前に明らかにしなければならぬ。なぜ、そういう重要なことを簡素というような
言葉で片づけられるのか。簡素とは何ですか。
国会は何のためにあるのですか。
お互い国会議員は、
選挙で選ばれて、歳費をもらって、
構成だけでそれで事足りるのか。
構成以上に、もっと
国民が
関心を持ち、不安を持っておる問題があっても、それは逃げてしまうのだ、あなたの簡素というのは、そういう
意味ですか。
答弁を聞きたい。