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1959-03-26 第31回国会 参議院 予算委員会第四分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月二十六日(木曜日)    午前十時二十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    主査      矢嶋 三義君    副主査            塩見 俊二君    委員            迫水 久常君            吉江 勝保君            坂本  昭君            平林  剛君            市川 房枝君   国務大臣    大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君    文 部 大 臣 橋本 龍伍君    厚 生 大 臣 坂田 道太君    労 働 大 臣 倉石 忠雄君   政府委員    大蔵政務次官  佐野  廣君    大蔵大臣官房会    計課長     牧野 誠一君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主税局長 原  純夫君    大蔵省理財局長 正示啓次郎君    大蔵省管財局長 賀屋 正雄君    大蔵省為替局長 酒井 俊彦君    国税庁長官   北島 武雄君    文部大臣官房会    計参事管    天城  勳君    文部省初等中等    教育局長    内藤誉三郎君    文部省社会教育    局長      福田  繁君    文部省体育局長 清水 康平君    文部省調査局長 北岡 健二君    文部省管理局長 小林 行雄君    厚生大臣官房会    計課長     山本 正淑君    厚生省公衆衛生    局長      尾村 偉久君    厚生省医務局長 小澤  龍君    厚生省薬務局長 高田 正巳君    厚生省社会局長 安田  巖君    労働政務次官  生田 宏一君    労働大臣官房会    計課長     松永 正男君   説明員    大蔵省主計局主    計官      鳩山威一郎君    労働省婦人少年    局長事務代理  萱野  喬君    日本専売公社副    総裁      石田 吉男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十四年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) ただいまから、本日の会議を開きます。  質疑を始める前に、念のために申し上げておきますが、第四分科会のこのたびの運営は、主査と副主査が協議の上、分科会の各委員の了解を得て運営しているのでありまして、運営方式としては、新しい方式をとってみたわけです。初日に、関係各省説明を聞き、大蔵省関係質疑をし、第二日と第三日目に、便宜上、若干区分して、二省ずつ審議をし、そして本日、四省の総括的な質疑をしよう、特に四省間で、横の連絡のあるような問題は、四省の大臣政府委員がそろった上で審議した方が充実するという立場で、この運営をとっているわけであります。従って、重複質問は、御遠慮願いたいと存じます。御協力をお願いします。なお、この衆参の、今後の本会議運営について、話し合いがなされ、本日の分科会審議時間も、おのずと制約がありますので、主査としても、それに沿って本分科会運営せざるを得ません。従って一日、二日、三日のように、終了時間を無制限にするわけに参りませんので、一応目途としては、四省関係の総括的な質疑を、少くとも午後一時には終りたいという目安を持っておる次第でございますので、御協力をお願い申し上げる次第であります。  では、質疑のある方は御発言を求めてお願いします。
  3. 平林剛

    平林剛君 私は、予算総則の第九条と第十七条、それから第二十六条の解釈について、政府当局からお答えいただきたいと思います。  ただいま指摘をした各条に、「特別の給与」という言葉が出ていますが、特別の給与とは何ですか。
  4. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ちょっと平林委員にお願い申し上げますが、ただいま主計局担当官がおりませんので、私でわかることは、お答え申し上げようと思いますが、恐縮でございますが、もう二度、質問をお願いします。
  5. 平林剛

    平林剛君 専門家でなければだめだろう……。私はきのうから、三十四年度政府関係機関予算予算総則をお尋ねすると連絡をしておいたんです。
  6. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) その答弁は、保留いたします。次の質問を願います。
  7. 平林剛

    平林剛君 質問できません。
  8. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) あなた、責任を持って答弁できますか。
  9. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 私の知っております限り……。  ただいまのは、政府関係機関予算総則の第九条の御質問のようでございますが、これは、いわゆる給与に関する強力条項について規定したものと考えるのであります。平林委員が、昨日来詳細にこの内容についての御質問でご五人に対する待遇改善を行うということで、単価二十五万三千九百二十五円というものを組んでおります。これは、従来十八万八千円程度であったものでありますが、これはどういう内容で、これによって、どういうふうに強化されますか、御説明いただきたい。
  10. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) これは、結核特別対策をやるために、医師が十分充実されるという目的で、特別に組まれた予算でございまして、このために医師待遇が、特別によくなるようにということで、医師の元来の平均給与が三十数万円になっておりますが、これが手取り、あるいは研究的な費用等一般的に収入がふえれば、よけい医師がとれるであろう、こういうことで、府県に補助増額をいたす、こういう費用になっております。これによって、少しでも結核専門医師が、よけいに入る、こういう趣旨のものでございます。
  11. 坂本昭

    坂本昭君 そうすると、従来の補助三分の一プラス・アルファという意味ですか。
  12. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 補助率は、同様でございます。従って、単価が上る、こういうことでございます。
  13. 坂本昭

    坂本昭君 次に、医師充足対策費として五千五百万円組まれて、その中に研究費と、それから貸費制貸与金と二つあります。その研究費と、それから貸与金内容が、どういうものになっているかということ。  それから次に、去年度貸与金は行われたはずですが、それがどういうふうに実施されて、そうして現実保健所がどういうふうに強化されたか、この説明をいただきたい。
  14. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 研修生の貸与金の方は、予算一ぱいに現在募集がされております。医学部の学生、これは歯科を一部含みますが、それからインターン生、これも、いずれもフルに運営いたしております。先般卒業いたしました者が、これで二年目でございますが、今回を含めまして、これは、いずれも歩どまりよく、各保健所に配置されて、中堅といたしまして十分活躍をしております。  それから、医師充足対策費の中の研究費補助でございますが、これは平均いたしますと、A、B、Cによって、若干の差がありますが、大体、月に二千五百円平均、これが医師研究手当として、単価といたしまして組んであります。これに対する補助金、これは三分の一補助でございます。こういう形になっております。
  15. 坂本昭

    坂本昭君 先ほどのこの、待遇改善単価に加えることによって、また研究費の三千五百円というものが加わって、医師待遇改善が行われると理解してよろしいですか。
  16. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) この研究費の方は、今の二百保健所に限りませず、全保健所でございます。ただ、これは全保健所に出しますれば、県内の医師も、充実されて、この二百保健所に、重点的にまた集中もできる。一方の方が、能力が落ちないでも、集中ができる、こういう趣旨でございますので、これは、からみ合っております。
  17. 坂本昭

    坂本昭君 先ほど人数のことの答えが落ちております。何人、保健所に入っていますか。
  18. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) ただいまの特別対策費待遇改善は、八百五十五名分でございます。それからその他の研究費、全保健所の……。
  19. 坂本昭

    坂本昭君 貸与金の方は。
  20. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 貸与金、これは三百名でございます。
  21. 坂本昭

    坂本昭君 大臣も、今聞いておられて、おわかりになったと思いますが、なかなか結核対策の第一線の保健所における医師の問題というものは、非常に解決されておりません。この点は、きのうも、だいぶ論じましたけれど、特に念頭に入れておいていただきたいと思います。  次に、やはり結核の問題で、今度就業禁止命令入所に三億六千万があるわけでございまして、非常にこれは、大臣は、しょっちゅうこれを自慢にしておられますが、この濃厚感染源対策として上っていますが、一体ここで、濃厚とはどういうことをいっているのか。それから七千人、これは、対象になって、そのうち三分の二の補助が四千と、二分の一の補助が三千、実際は、これ半年半年というよりも、何と言いますか、実際は、実人員でいけば、七千人の半分、三千五百人になるわけなんですね。厳格に言って濃厚感染源対策対象になる人間が、どのくらいあって、そのうち、今後政府としては、ずいぶん自慢にしておられるけれども、たった、この程度なので、一体、どの程度が、ほんとうの対象であるかということ、それから三分の二の補助ということは、従来の結核予防法補助の扱いではなかった措置なんです。これは、予防法改正をしなければならぬと思うのだが、それはどうするか、その二点。
  22. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 濃厚感染源という、今回の対象にいたしておりますのは、常時排菌をいたしまして、しかもその家庭内に、非常に感染のおそれがある、あるいは家庭の近接、たとえば隣接密集家屋のところで、非常に他に感染のおそれがあるというようなものを取り上げまして、濃厚感染者と、こういうふうにいたしております。  現在のところ、全体の、主として空洞を持っておる感染性結核患者というものが、推定では、ことしになりますと、大体四十万程度と考えられますが、そのうちから今のような条件の者を取り上げまして、さらにそのうちで、従来の生活保護法、あるいは被保険者自体というような者は、これはこの費用対象にいたしませんで、現在の予防法の法規にあります通り、それぞれ、そちらでやる。従いまして、この者は、そういう道のない者を集中的に取り上げたので、かような少人数になっております。  しかも、これは全国の中の四分の一を計算しておるわけでございます。
  23. 坂本昭

    坂本昭君 生保は、一応除いたとしても、私の見るところ、やはり六、七万はあると思う。六、七万のうち、三千人ですね。厚生大臣は、しょっちゅう御説明の中に例にあげておられますが、あまり大きな顔をして、結核対策の推進として御説明するのには、ふさわしくないと思います。以後、慎しんでいただきたいと思います。もし、やられるとするならば、少くとも五、六万人をこの命令入所対象にしていただきたい。  それから、命令入所対象が五、六万人になれば、今、全国にある空床の約五、六万が、すぐふさがってしまいます。そうしますれば、大蔵省予算をずいふん出してくれるだろうと思うのです。そういう点で、大蔵省空床があるから金を出さぬという、その空床を、今のようなことでうずめたら、今度どんどん出さざるを得ないということになってくるのです。その点について、厚生大臣の蒙を開いて、御所見を承わりたい。
  24. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 坂本委員が、ただいま御指摘になりましたことは、ごもっともでございます。本年度は、試みにこれをやってみたわけでございます。おそらくこれは、いい効果を現わすと期待をいたしておりますので、将来におきましては、これを五、六万程度に及ぼしたいという考えを持っております。
  25. 坂本昭

    坂本昭君 三分の二法改正は。
  26. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 現在の就業禁止命令入所では、二分の一ということになっております。これを三分の二にいたしますには、法改正が要るのでございますけれども、ただ、まだ過半に達しない、ごく一部のものでございますから、これは、予算上の奨励補助として、いわゆるサンプル実施ということで、直ちに法律改正はなしでいくということで、過半に達しまして、たとえば翌年度から、これは全般に及ぶということになりますれば、中心が三分の二になりまするので、そのときに改正する、こういうことに、今のところ進んでおります。
  27. 坂本昭

    坂本昭君 次に、結核療養所給食費のことについて伺います。このたびの単価は幾らに計算されておりますか。
  28. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 昨年と同様、一日一人百二円ということになっております。
  29. 坂本昭

    坂本昭君 この際、私は厚生大臣に伺いたいのですが、厚生省でも、給食関係が幾つも取り上げられております。たとえば、国立療養所給食費は、今のような百二円という単価、それから保育所は、従来七円十銭であったのが、三十三年度から八円十銭、もちろん保育所給食というのは昼の副食代だけであります。それから乳児の方が二十三円四十銭だったのが、三十円になりました。ところが、どうも厚生省全体からみましても、保険局で扱っている健康保険の場合の給食単価の打ち方、それから国立療養所給食単価の打ち方、それから児童局の扱っている保育所単価の打ち方、さらに学校給食の場合の単価の打ち方、どうもこれらに十分な一貫性がないのではないか、こう思うのです。  そのことについて、まず、一番中心になるのが医務局長ですから、医務局長から、病院患者給食に対して、どういう根拠で、かつ、ほかの局と、どういう打ち合せ、かつほかの省と、どういうふうにやっておられるかを伺って、さらに大臣としての今後の方針を承わりたい。
  30. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 私どもといたしましては、いわゆる患者完全給食という観点に立ちますので、そういう観点におきまして、ただいままでは、他の局等とは打ち合せておりません。
  31. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) これは、おそらく患者給食及び保育所における乳児給食、それぞれの特徴もあり、性格もあるわけではございましょうけれども、しかしその一番の基本となるベースというものは、やはり私は連絡調整すべきものであるというふうに考えておりますので、よく一つ調査をいたしまして、研究をいたしたいと思います。
  32. 坂本昭

    坂本昭君 実は、これは連絡調整をすると、非常に厚生省としても困る問題があります。たとえば生活保護基準をどうするか、それから健康保険の入院の基準をどうするか、そういう自己矛盾があるために、当らずさわらずにしてきていますが、やはりそこに非科学的な現実が生れてくるのです。この点は十分、まず省内における調整をやっていただいて、さらに、これを文部省あたり学校給食についても及ぼしていただきたい。  幸いに文部大臣も来ておられますから、そのことについて、文部大臣の御所見も承わっておきたいと思います。
  33. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 実は、私自分の方の御質問ではないと思っておりましたので……。
  34. 坂本昭

    坂本昭君 学校給食単価の打ち方と、それから厚生省のいろいろな保育、あるいは病院、あるいは生活保護単価の打ち方と、全然連絡なしなんです、現在。ですから、厚生省の中でも、何もやっておられない。これは、橋本大臣にも責任があると思うのです。だから、厚生省の中でも、厚生大臣調整をされると言われましたが、しからば文部省でも、学校給食について科学的な基準を作るべきじゃないか。それで、文部大臣の御意見を伺いたい。
  35. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 給食問題等は、戦後急速に進んで参りましたので、各所管々々で、いろいろばらばらになっておりますのは事実であります。これは文部省の中でも、そうでありまするし、厚生省の方とも十分の連絡をとりまして、予算全体の相関性のある問題として、もう一段の検討をいたしたいと思います。
  36. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) 大蔵省政府委員の方に申し上げます。  きょうは、冒頭に何回も申し上げたのですが、第四分科会としては、新しい運営方式として、所管各省に連関のある問題並びに落ちておった問題を、各省政府委員がそろったところで、段階的、能率的にやれば、分科会審議が充実するであろう、こういう審議方式をとっておるわけです。本日やることは、十分御承知のはずであります。ところが、一番大事な大蔵省政府委員の方が出席しないために、開会がおくれ、質疑者質疑が中途で切れるというようなことは、主査としても分科会運営並びに質疑者に対しても申しわけがないと思うのですが、釈明をして、質問答えていただきたいと思います。大蔵大臣は、十時四十五分まで衆議院逓信委員会出席主査は了承いたしております。  なお、今後質問される方は、答弁者の都合上、答弁者を先に指名して質疑していただくようにお願いを申し上げます。
  37. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) かれこれ、二、三の委員会がございまして、それぞれのところで、お呼び出しを受けまして、重ねて御注意を受けましたことを申しわけなく存じます。つつしんでおわびを申し上げます。
  38. 平林剛

    平林剛君 私は、昭和三十四年度政府関係機関予算、この予算総則について質問しますけれども、だれが答弁に当りますか。主計局長、あなたにお尋ねします。  この予算総則第九条、第十七条、第二十六条、それらの条項に「特別の給与」という言葉がありますが、この「特別の給与」とは、何ですか。
  39. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 「特別の給与」という言葉が使ってございまするのは、たとえて申しますると、日本専売公社におきまして、第八条という条文がございまして、給与総額制限があるわけであります。この給与総額制限に対しまして、若干の例外がございまして、一つは、ただいまお読みをいただいておりまする特別給与支出、それから次のページになりまするか、専売公社について申しますると、十三条の支出予算弾力条項というようなものがございまして、一つは、収入予定を上回りまして、それに伴いまする所要の経費、これはもう、かつて予備収入予備支出というような言葉表現をした場合もあったわけでありまするが、いわゆる弾力条項と申しますか、業務量増進に伴います業務費の増、それに引き合っておるこういうものがあります。  それから、御指摘の九条の方の系統は、いわゆる業績賞与と称せられるものでございまして、そこにございますように、職員能率向上によりまして、企業経営改善する、それに伴いまして収入増加、ないしは経費の節減をいたすということに対しまする特別の給与という制度も、これはたしか、昭和二十八年でありましたか、正確に記憶いたしませんが、そのころから法制化をされまして、たしか仲裁裁定のときに、そういう趣旨制度を作ったらどうかというようなことがあったと思いますが、自来、毎年大体同じような条文になっておりまして、業績賞与という言葉で取扱いをされてきたものでございます。
  40. 平林剛

    平林剛君 この条項ができた歴史その他、私よく存じておる。ただ、この条項解釈が、今日まであいまいでありまして、そのために実際の執行に当って、いろいろ支障のある実情もよく承知しておるわけであります。そこで私は、こういう質問を行なっておるのでありますから、その点を頭に入れて答えていただきたい。  今お話のように、特別の給与とは、いわゆる業績賞与である、あるいはその他の特別手当、こう理解ができるのであります。この予算総則第九条、十七条、二十六条の特別の給与を支払う条件は、今お話のように「職員能率向上による企業経営改善によって収入予定より増加し、又は経費予定より節減したとき」に出すことになっている。  そこでまず、前段の「職員能率向上による企業経営改善によって収入予定より増加し、」ということは、字ではわかるんだけれども、具体的には一体どういうことをさすのか、これがわからない。具体的に、これは私、時間が制限をされていますから、専売あるいは国鉄、簡単に例を一つあげて下さい。
  41. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 具体的に申し上げますと、結局、大体の基準といたしましては、年度当初に組まれました予算に比較して、この実績の見込みがどうであるかというふうなことを、まず一応の計算の基礎にいたしております。
  42. 平林剛

    平林剛君 そうすると、年度当初に予定をされた収入以上に収入増加をした場合に出す。収入は、専門的にいうと、一体何だということに、いろいろ議論が出てくるわけです。私は、この今日までの予算総則の、ただいま指摘した条項解釈で、非常に疑問に思いますのは、今の答弁だけで、その疑問を解決することができない。「職員能率向上による経営改善」、どういうことなんだか、少しもわからないのですよ。単に収入が上れば、それで、この特別の給与支出をする条件になる、こう理解していいんですか。
  43. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 私どもの方は、単なるそういう計数的なことだけでなく、やはり実質的に職員能率向上があり、また企業経営改善があるということが一つの前提になる、かように考えております。
  44. 平林剛

    平林剛君 少し、大蔵省の方で予算総則をきめた定義を、私はお尋ねしたいのです。  これを具体的に実施する上において混乱があり、統一した基準がないので、きょうは、その混乱と、統一した基準を求めるために質問をいたしておるわけでありますから。「職員能率向上による企業経営改善」なんという言葉は、私はおかしいと思うのだ。職員能率向上もしくは企業経営改善によってと、こういうふうに改めますと、よく筋が通るのだけれども、あなたの方から提案した言葉が、一体何のことをさしているのだか、ちっとも見当がつかない。今、専売公社の副総裁説明したって、満足な答えになっていやしないのですよ。むしろ、これは職員能率向上もしくは企業経営改善、こういうふうに書いてあれば、私は意味がわかるのですよ。むしろこう改むべきじゃないかと思うのですけれども、改めなくて、こういう提案になっておるには、何か理由があると思う。どういうようなことをさすのか、それを私はお聞きしたい。
  45. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 大蔵省主計局の方からお答えをいたすのがあるいは適当かと思いますので、私からお答えを申し上げますが、ただいま専売の副総裁からも、お答えがございましたように、これは単に収入がふえたということをもちまして、——この制度の本来の趣旨でございます職員が努力をいたしまして、そういうような収支の改善に貢献をいたしたということに対しまする給与でございますから、従いまして、収入増加したというだけでは、もちろん足りない、そこに職員能率向上というファクター一つ入る。収入増加だけではもちろんいけないのでありまして、これに対しまする当然の経費というものがございます。そこで、「職員能率向上による企業経営改善」ということをうたいまして、二つを重ねました条件と申しまするか、そういうような表現ですね。今副総裁からお答えいただいたような、単に収入増加したというだけじゃなくして、それ以外のファクターも見込みまして、この給与支出に見込みたいというわけであります。
  46. 平林剛

    平林剛君 単に収入が上っただけではいけない。その前段には、「職員能率向上による企業経営改善」、これがなくちゃいけないというのだけれども、この言葉が、私はわからないと、こう言っておるのですよ。  だから、具体的にどういうことをいうのか、むしろこれは職員能率向上もしくは企業経営改善と、こう改めなければ、実際これを執行する上において混乱が、あるいは統一的な見解というものがとり得ないのじゃないか、具体的に何をさすかと言われても、説明ができないのじゃないか、こういうことを聞いておる。「職員能率向上による企業経営改善」というのは、一体どういうことなのか、もう一回、一つ説明して下さい。
  47. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまも、お答えをいたした点でございまするが、単純に、企業経営改善をせられたと申しましても、これには、いろいろな要素が、ございましょう。たとえば機械化が進行いたしたというような場合もありましょう。従いまして、特別の給与というものに結びつけますのには、やはり企業経営改善をいたし、またその改善をいたしたことにつきましては、職員能率向上が寄与をいたしておるということに相なりませんと、特別の給与ということに結びつかぬのじゃないかというのが全体の業績賞与趣旨でございまするから、その趣旨に合いまするように、こういうような文章を書いておるわけであります。
  48. 平林剛

    平林剛君 私は、職員能率向上という言葉はわかるのですよ。それが具体的に何を示すかということも、ほぼ理解できる。しかし、「職員能率向上による企業経営改善」、こういうことになると、一体どういう仕事が、これに当てはまるのかということ、それがわからない。だから私は、この点は職員能率向上、もしくは企業経営改善と、こういうふうに書き改めるべき性質のものではないか、これを書き改めるものでないとこういうならば、書き改めた場合と、どういうふうに違うかという問題に、またぶつかるわけです。  何回もこれは提案しておきながら、具体的に説明できないということでは、大へん困ると思う。
  49. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) あるいは、今お答え申し上げたことを重ねて申し上げることに相なるかと思うのでございまするが、「企業経営改善」というだけで、一つ条件にいたしますると、先ほども申し上げましたように、機械化というようなことで、企業経営改善をせられる点もございます。そういたしますると、それだけで、直ちに特別の給与ということには相なりませんので、それに結びつけまするためにはやはり職員能率向上ファクターが加わる必要があるじゃないか、それが、条件を重ねて第九条に表現をいたしてある趣旨であるということを申し上げておるわけであります。
  50. 平林剛

    平林剛君 機械化の進展、あるいは企業経営の合理化だけではだめだ、職員能率向上が伴わなければならない、こういう。それはわかるのですよ。だけれども、「職員能率向上による企業経営改善」ということは、どういうことが具体的にあるのですかということを聞いておる。何も具体的なことがなければ、こんなものを書いてあったって、何の役にも立たない。私は、あなたの言うようなことはわかるのです。ただ「職員能率向上による企業経営改善」というのは、一体どんなことが、具体的な事例なんですかということを聞いておる。
  51. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは、各業態もいろいろございまするので、これは各業態ごとの、いろいろなお考えがあるだろうと思うのでありまして、それは各公社におきまして、この条文に基きまして、御判断をいただくことになりまするが、職員が、いろいろな点におきまして、いわゆる生産性が上って参る。そういたしますると、この生産性が上って参ることに伴いまする経営改善が生れるわけでありまするから、その経営改善の生れましたところと、今申し上げました職員の生産性の向上、それをいろいろなファクターでつかみまして、つかみましたところに従いまして、この各公社の業態ごとに判断をいたすことに相なろうと思います。
  52. 平林剛

    平林剛君 そうすると、今、やっと少し言葉が出てきたんだが、生産性が向上した場合に、それが、すぐ企業経営改善につながったと、こういう場合に、この条件に当てはまる、これをその通り読むのだ、こう理解がされるのでありますけれども専売公社や国鉄あるいは電電公社の場合、事業を進めていく過程で、あるいは情勢によって事業量が増加する場合がありますね。事業量が増加する場合に、やはり当局としては、職員に対して能率の向上、生産性の向上を求める場合が多い。こういうときには、この予算総則解釈で、特別の給与支出に当てることができる、この条件に含まれるのですか、それは含まれないのですか、どちらです。これは予算総則を書いた方から一つ答弁して上さい。
  53. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 各業態ごとの判定の問題につきましては、各公社におきまして、この総則に基いて案を立てられるわけでございまするから、各公社ごとに、どういうような御判定をいただくか、各公社ごとの方から、お答えをいただいた方が適当だと思います。
  54. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 専売公社の場合でございますと、単に事業量がふえて、たとえば従来の人間でやったというだけでは、必ずしもそれだけでまあ能率向上業績賞与支給の基礎になるということは、簡単にいえないかと思います。  たとえば、たばこ事業にいたしますと、結局、それによって、さらに収益を上げるということが、最後のねらいになりますので、そういうことを総合勘案いたしまして、判定をするということになろうかと思います。
  55. 平林剛

    平林剛君 専売公社の副総裁にお尋ねしますが、たとえば専売公社は、今度の議会に、塩業政策の転換に関する法律案を提出をしてきておるわけであります。これでわかるように、現在の塩業政策においては、相当な赤字をかかえておる。そうすると、この予算総則においては、単に収入だけではない。収入増加しただけではないということはわかったのでありますけれども、この収入において、たばこ事業は、たくさん大きな収入をあげて、しかもそれが職員能率向上による企業経営改善であったといたしましても、塩事業で、相当の赤字をかかえたという場合がありますね。こういう場合は、どうも、その職員の全般の努力という大部分が相殺されてしまうような矛盾が起きるわけです。こういう場合についてはそれでやむを得ないとしておるのですか。それとも、それに対する特別の配慮があるのですか。
  56. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 御承知のように、専売公社の仕事では、たばこ事業と、それから塩の事業と、ショウノウの事業と非常に性格の異なったものを扱っております。  従いまして、その業績をどういう見地から判定するかということが非常にむずかしいのでございまして、ただいま御指摘のように、私どもも、それをどういうふうに判断したらいいかということにつきましては、いろいろ研究をいたしております。しかし、ただいま例としておあげになりましたような塩の問題の場合、これは単に職員責任だけということでなくて、あるいは経営全体として考えるべき問題もある場合もあろうかと思いますが、そういうような場合には、公社全体として考える。従いまして、三事業一緒に考えるということになりますので、その辺のところはまあ割り切れないところも相当あるわけでございますが、まあ総合勘案して考えるということでございます。そういう考え方でおるわけでございます。
  57. 平林剛

    平林剛君 私は、この予算総則解釈が、基準がはっきりしていない。あるいは、今お話のように、相互間、何か割り切れない処理で行なってきているところに問題が起きる。そうして、解釈上の不統一から、いろいろな混乱が生じておるのであります。  まあ、ただいまも指摘したことでわかるように、相当、これには今後、はっきりした基準を示したり——、割り切れないままに過ごしておくことがいけない、そういう点を申し上げておきます。  もう一つお尋ねしますが、専売公社収入は、国鉄や電々公社と違いまして、収入自体が、専売益金という国民の税金を含めたものであることは御承知の通りであります。だから、単に収入増加したといっても、単純に、これが特別の給与支出をする条件と見られないというような解釈も、今日まで行われ、それを大蔵省の方でも述べている人があるわけでありますが、私は、この、ただいまの説明は、ここに書いてある予算説明を越えた解釈のように思われる点も、ところどころあるのです。しかし予算総則からは、現段階では、私は一つの矛盾は認めているけれども専売公社収入は、専売益金を含んだものだから、簡単にそういうふうに、収入が上ったから、それでいいというふうに読みとれないという理論は、ここからは出てこないわけなんです。いろいろ議論はあっても、この予算総則解釈からは出てこない、こういうふうに読めますけれども、一体、どうなんですか。
  58. 石田吉男

    説明員石田吉男君) お尋ねの趣旨が、よくわからなかったのでございますが、収入を上げるという点だけからでなしに、ここにございますように、たとえば同じ仕事をするにつきましても、経費の節減をはかって、同じ量の仕事をしたということになれば、やはりある程度の企業改善になりますので、ただいま申し上げたような考え方は予算総則に基いて、やはりそういう解釈ができるのじゃないか、かように考えております。
  59. 平林剛

    平林剛君 それじゃ、この「経費予定より節減したとき」も、やはり一つファクターになっておる。ところが経費の節約というのは、具体的に、どういうことをやったら経費の節約と読むのか。私はこの予算書全部を見まして、たとえば旅費を節約した場合ですね、あるいは輸送回送の保管費が、うまく創意工夫によって節約された場合また消耗品等が、職員がこれを節約することによって、当初予定されたその予算を下回って事業が執行できた、こういうような場合は、「経費予定より節減したとき」と、こう読みかえることができるように思うのですが、そう理解してよろしいのですか。
  60. 石田吉男

    説明員石田吉男君) そう簡単には申し上げかねると思いますのは、たとえば葉タバコの生産が、非常にふえたというふうな場合になりますと、生産量がふえるに応じて、税金その他もふえる。しかしそのふえ方の割合が、たとえば一キロ当りどのくらいかかるかということになりますとこれは数量がふえるに従って、いろいろなコストも割安になるというような面があるわけでございます。そういう場合に、それがたとえば事業量がふえるに従って経費が割安になる部分と職員の努力によってどの程度その経費が節減されたかという部分と、やはり各事業と、それから各費目につきまして単純に出てきました数字だけを比較しては、簡単に結論は出し得ないというふうに考えます。
  61. 平林剛

    平林剛君 今日まで、この予算総則によって特別の給与支出が行われたと私は承知しておるのでありますが、今日までの具体的な支出基準というのは、皆さん、どういう基準でやったか、具体的に説明できますか。  今日までの実績と、それからその理由というものが、われわれ国会に対しても、これこれこういう基準で、こういう結果であったから、従って、この予算総則解釈に照らして相当すると、こういうような理由が、はっきり説明できるようになっおりますか。
  62. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 実質的な業績手当といたしましては、昭和三十年度が〇・一七、三十一年度が〇・二五六、三十二年度が〇・二三かと思います。
  63. 平林剛

    平林剛君 まあ専売公社だけが答えに当っておりますが、ただいまあげた数字はわかるのだけれども、この数字が出てきた根拠というものが、いつでも資料の要求をすれば、これこれだという説明ができるような形になっておりますか。もしも、私はなっていないとすれば、そこに、このせっかく予算総則に書いてあるけれども解釈があいまいであって、やはりその点をはっきりさせる必要が今後あるのじゃないか、こういうふうに大蔵当局にも言うし、あなた方にも注意を申し上げるわけです。  数字はわかりました。わかったけれども、この場合には、その職員能率向上による企業経営改善によって収入がどれだけ増加しそれに見合うものが〇・七一、あるいは経費の節約が何億円して、それが〇・幾らである、こういうふうに、具体的に説明できるものがあるのかないのか、こういうことなんです。なければないと一つ言ってくれれば、もうこれ以上言いません。
  64. 石田吉男

    説明員石田吉男君) この支出につきましては、この総則にもございますように、大蔵大臣の承認を受けてやりますので、大蔵省の方から御答弁願った方がよろしいかと存じます。
  65. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは専売公社側から、るる専売側のいろいろなお話があったわけでありまするが、国鉄にいたしましても、電々にいたしましても、おのおの業態ごとの、いろいろな事情があるわけでございます。いろいろな条件があるわけでございます。それらを総合的に判断をいたしまして、その結果出て参る数字でございまするので、あるそこに二、三の当該年度の数字を入れてみれば、機械的に出て参るという数字でございませんので、一つ基準、こういうような算式というようなことで申し上げることは困難かと考えております。
  66. 平林剛

    平林剛君 結局、今お答えのように、具体的な支出基準というものがなくて、今日までこれを行なってきたというところに問題がある。予算総則の第十七条、第二十六条、それぞれ国鉄と電々公社に関係があるのですが、この条項を読みますと、「運輸大臣大蔵大臣に協議して定めるところにより、」特別の給与を一定の条件のもとに支出をすることができる、こう書いてある。二十六条も「逓信大臣大蔵大臣に協議して定めるところにより、」と、そうして一定の条件のもとに、特別の給与支出することができるようになっております。今日まで国鉄も電電公社も、特別の給与の支払いの実績があると承知しておりますが、何か具体的に定めた要綱があるのですか、あったら、これを示していただきたい。  何もないで、こういう「大蔵大臣に協議して定めるところ」がなくて、特別の給与の支払いがなされてきたのですか。これは「大蔵大臣に協議して」というから、大蔵大臣は、十分承知しておることだと思うのですから、大蔵当局の方から説明して下さい。
  67. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先ほども申し上げましたように、業態によりまして違いまするし、当該年度のいろいろな経済条件もございます。従いまして一がいに増収と申しましても、いろいろな条件がございまするので、先ほどもお答えを申し上げましたように、「定めるところにより、」というので、一つの簡単な算式に、当該年度の数字をはめれば、その結果、答えが機械的に出るというような意味におきまするところの基準を、その「定めるところにより、」というところで、定めておるわけでございません。これは毎年度の具体的な事情に基きまして、各公社当局のお考えに基きまして、主管当局と大蔵当局と御相談をいたしまして、その上で総合的に判断をしてきめるというような行き方をいたしておるわけであります。
  68. 平林剛

    平林剛君 業態によって違うことは了承します。それから三公社それぞれ事情が違うこともわかっておる。わかっておるのだが、その年に支払った特別の手当というものについては、予算総則第十七条と第二十六条によると、それぞれ担当大臣が「大蔵大臣に協議して定めるところにより、」と、こうある。だから、そういう「定めるところにより、」とある以上は、何か具体的に定めたものがあって、それに基いて、その支出がされる。こういうふうにか読めないのだね。私は、そういう要綱があって、それぞれ支出がなされるものと思うのですけれども、なくて、今日まで予算の執行が行われたのだと、こういうのですか。
  69. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 繰り返して申し上げまするが、各年度を通じまして、一つの機械的な方式で算定をいたすというような基準は、かえって作りますることが不適当だというのが、今日までの考えであります。あるいは、もっと検討を進めまして、いかなる場合にも、当該年度の数字を、幾つかの項目に通せば、あとは算術で答えが出るようなものを作ることが、一つの理想である。しかしながら、今日までのところにおきましては、先ほど来、専売公社総裁お答えで、ある程度おわかりかと存じますが、なかなか業態ごとに違います。のみならず各業態におきまする条件というものが、なかなか複雑でございますから、従いまして、各年度を通じて一定の方式を考えまして、それを常に適用して参るというわけにはいきかねるわけでございます。  従いまして、各年度ごとに、その当該年度の事情というものを勘案いたしまして、それを総合的に判断をいたす、こういう方式をとってやってきておるわけでございます。
  70. 平林剛

    平林剛君 そうすると、きわめてこれは政治的なものであって、また算出の根拠も、そのときの情勢によって、区々まちまちという形で、予算の執行が行われておるというふうに私は理解せざるを得ない。  そうすると、この予算総則を、少し書き改めたらどうですか。こういうもらかじめ、「定めるところにより、」なんというようなことは消したらどうですか、あとで、いろいろ最後の実績をみて、総合的に算出するとでも書き改めたら、どうですか。その「定めるところにより、」と書いてあるから、私は何かあると思う。どうですか。
  71. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 「協議して定めるところにより、」ということを書いてございまするのは、これは一つの算定をいたしますいろいろな条件の問題でございます。私が申し上げておりまするのは、全然、つかみと申し上げまするか、山かんと申しまするか、そういうふうな意味でやっておるのではもちろんないのでございまして、各個の複雑な条件で、どう見込んで、考えるかということにつきまして、総合的に判断せざるを得ないということを申し上げておるので、従いまして、答えが出ますまでの過程におきまする算定のやり方というものにつきましては、これは当然、主管当局と御相談をいたしましてきめておるわけでございます。その意味におきまして、協議して定めるところによって算定をいたしておるのでございます。  ただ、繰り返して申し上げておきますことは、何か一定のフォーミュラーがございまして、その算式で簡単に算出できるというようなことが、これは、一つの理想であろうと思いまするから、私どもも、従来から検討いたしておりまするが、今日のところは、そこまで参りかねておるという実情にあるということを申し上げておきます。
  72. 平林剛

    平林剛君 私は、その点が問題だと思う。少くとも予算総則には、まあ、字句としては、あまり多くないわずかの条項でありますけれども、これを解釈を正当にしていけば、やはり一定の基準、それからある要綱があって、そして、お互いがその当初の取りきめに従って、大いに努力をして、そして企業経営改善をはかる、同時に、国家に対しては、収入予定より増加する、そういう努力をさせてこそ、初めて、この政府関係機関というものは、きわめて円滑に、しかも合理的に経営ができ、これが国家に対して利益を与えるということにつながると思う。  ところが、ただいまのように、複雑外あるとか、何だか業態によって違うとか、いろいろな理由をつけて、はっきりしていない。職員の方は、この第十条あるいは十七条、二十六条があるから、一生懸命努力して、最後になってくるというと、いろいろな理由がつけられて、または全般的な制約を受けて、結局その働いたのを損したまあ、そこまではいわないにしても、働きがいがないという気持ができ上って、このために、政府関係機関、特に三公社等における矛盾また職員全般の不満というものも起きてくる。私は、こういうことは、やはり初めに作ることは不適当だとあなた言われたけれども、初めに作るのは、何で不適当なんですか、むずかしいと言うけれども、一たん、こういう予算総則をここに出して、われわれに審議さしているという以上、具体的な要綱がないという、ばかな話はない、具体的な要綱というものは、あなた方、作る考えはあるのですか、ないのですか。  今の、われわれが質問しているのに、答えられないような、複雑だとか、あるいは業態によって違うとかというような、そんなわけのわからない答弁でもって、今後過ごすのですか。何か具体的な要綱を作る努力を、私はすべきだと思いますけれども、いかがでしよう。
  73. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 平林委員のおっしゃいますところ、きわめてごもっともでございまして、実は私どもも先ほど来申し上げておりまするように、一つの客観的な目安を作りまして、その方式に簡単な数字を当てはめるというやり方でできますれば、私は、事態、非常に簡単になると思うのであります。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように何と申しましても、一つの独占企業でございまして、独占企業といたしまして、非常に経済の情勢が恵まれた場合、そのために相当いい収入になるというようなことはあります。しかしながら、じゃそれだけでよろしいかと申しますと、先ほど来、専売からもお話がございますように、それには、やはり職員の、この総則に書いてありますような、能率向上というような問題がありますから、それをどういうふうにかみ合せるかという問題がございます。  従いまして、今日までのところ、平林委員の仰せられるような方向に向って努力はいたしておるわけであります。繰り返して申しておりますように、今日までのところ、一つの一定不変と申しますか、年度を通じまして、一つの算式の中にはめ込むということにつきましては、私ども、そこまで到達をしていないということを申し上げているのであります。今後もできるだけ、若干の年月を経ましたから、できるだけ簡素化をすると申しまするか、形式化をすると申しますか、そういうような方向に向っては、努力をいたしたいというふうに考えているわけであります。
  74. 平林剛

    平林剛君 私は、この予算総則の具体的執行における基準といいますか、これは、いろいろ複雑な条件、業態の相違、その他の事情もあると思いますけれども、そういうものを含めて、やはり年度の初めに、要綱をまとめておいて、そうしてお互いが、その一定のルールに従って努力をする、職員能率向上をはかる。そうして、ここに掲げてあるような結果が招来したときには、国家も、これに対して特別の給与支出をすることを了承する、こういうやはり、一つの道筋というものが一あって、初めて、私は円滑な運営というものができる。  しかるに、今日の現状をみてみると、後になって、それは、いやお前の努力じゃないのだ、今、当局から説明したように、それは、独占企業だ、あるいは専売公社の場合、専売益金として含まれているのだ、あるいは争議をやつたら、これは差し引くのだ、いろいろなことを後になって、悪く言えば、けちをつけて、そうして結果において、ここに書かれてある予算総則のほんとうの意味をこわしているのじゃないか、これは、今日まで具体的要綱もなく、何の基準もなく、やってきたことに対して、私は、政府当局責任を追及するだけじゃないですけれども、やはり、何か今後、われわれに説明ができるようなものを作るべきじゃないか、この点は私は特に強調いたしておきます。こういう具体的要項はだれが作るかということについてちょっとお答えをいただきたい。
  75. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 何分にも三公社の問題でございまするから、公社当局におきまして案を用意をいたしまして、所管大臣の方と大蔵当局の方と御相談をいたしましてきめる、こういう段取りでございます。
  76. 平林剛

    平林剛君 所管当局はどういう考えを持っておるんですか。
  77. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 先ほど来お話のございますように、私どももそういう筋でいろいろ研究をいたしております。部分的には非常に欠陥の出やすい部分でございますが、またその成績の判定が非常にむずかしい部分もございますので、ここ数年来いろいろ検討いたしておりますが、できるだけそういう形が早くできますように努力をいたしたいと思います。
  78. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) おくれて来た政府委員の方がありますので、重ねて申し上げておきます。  ただいまの分科会運営は、過去三日間やった分科会審議において不明確な点を再確認するとか、重要な点が落ちておった点の追加質問を締めくくり的にやっておるわけであります。質問者にも、ただいま予算総則に対して適切な御質疑がございましたが、今後の質疑も、でき得べくんば、二省以上間の連関事項について御質疑を願いたいし、答弁する方も過去三日間、分科会でやった答弁との重複答弁はできるだけしないように御協力を願いたいと思います。
  79. 坂本昭

    坂本昭君 先ほど厚生大臣から、省内の調整の問題について御答弁がありました。従来、厚生大臣がいろいろと御答弁されたり、あるいは約束されたこと、これは前大臣は、前大臣じゃなくて、大蔵大臣ですけれども、はっきり約束になったものがあるんですね。たとえば保育所の保母に対して期末手当を今度〇・五の追加、ちょうど一カ月分でございますが、〇・五の期末手当については必ず誓ってお渡しする、そのことをお約束されたことがあるんですが、実際は渡っていないんです。非常に強い不満が方々から出ております。こういう大臣の御答弁なり、あるいはお約束なりについては責任をもってこれを実施していただきたい、そのことを一つまずお伺いいたします。
  80. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 委員会あるいは本会議等で、大臣答弁いたしましたことにつきましては、私責任をもって努力いたしたい、また果したいと思っておりますから、御了承いただきます。  ただ、先ほどの問題は、どういう実態かということは、私自身といたしまして、まだはっきりつかんでおりませんので、研究をいたして善処いたしたいということを申し上げておるのでございます。
  81. 坂本昭

    坂本昭君 先ほど患者給食のことをちょっと申し上げましたが、医務局長から百二円の単価を組んでおると、実際現実の世の中では、一般には百三十円程度が行われておるのであります。それから、いわゆる給食費に対しては何パーセントくらいにすればいいかという、これは保険局の問題もありますが、従来六四%くらいではないかという意見も出ておる。また、地区によっては給食単価を百五十円で実際に実施しておるところもあるんですね。私は少くとも国が給食やる場合に、単価ということについては、正確な資料で十分な根拠をあげて作っていただきたい。特に食糧費の物価指数というものはやや上って、三十二年に作られたときに比べるとやや上っている。何十パーセントも上っていないけれども、数パーセント上っている。従ってこの百二円の単価というものは三十四年度においても使われるということは、やはり当を得ていないと思うんです。そちらの厚生当局の御意見を承わりたい。
  82. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 確かに病院給食費といたしましては、国立病院給食費は、他の病院に比べて低いのが現実でございます。私ども今後とも給食費は充実するように努力いたしたい。なお、給食の金だけでなく、中身をいかにするかということもあわせて努力していきたいと考えております。
  83. 坂本昭

    坂本昭君 その点、厚生省としてもこの百二円の単価というものは不十分であるということは十分確認しておられる、こういうふうに承わっておきます。  次に、医務局長にお伺いしたいのですが、例のあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案、これは、昨年三十三年四月に当参議院で可決されて、昭和五年以来登録されていたいわゆる療術行為の業務は、昭和三十六年まで延期されることになりました。ところが、それよりも先に、昭和三十年に療術延期のこの法案審議の際に、この種の医業類似行為に関しては、政府は引き続きその業態を把握検討の上、適当なる措置を講ずべきであるということで、既存業者で本法に認められない者については、猶予期間中に十分な指導を行い、国民保健上弊害のないものにつき、将来適当な措置を講ずること、あんま師などのうち身体障害者については特別な考慮を払うこと、いわゆる無免許あんま、その他の無免許営業者に対し、厳重な取締りを励行し、その根絶を期すべきこと、こういうことが、付帯決議をされております。三十四年度予算の中にもこの医業類似行為の調査というようなものを計上されております。そのほかの詳しい予算内容がわかりませんので、その説明と、それから先に述べました決議、この決議に対して、その後どのような措置がとられているか、御説明いただきたい。特に三十四年度における御方針、また、その無免許あんま、その他の無免許営業につてどのような具体的な取締りをなされておられるか、承わりたい。
  84. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 昭和三十年の両院の決議に対しましては、私どもといたしましては、実は各府県ごとに認定講習会を積極的に開いていただきまして、そして認定講習会の受講者受講した者につきましては、あんま、鐵炭者としての正式の業態に変更せしめるという方向において努力して参っております。今日までの実績は四千名でございます、講習を受けた者が、しかしながら、この単一な方法だけでは残ったすべての者を救うということは困難でございますので、そこで来年におきましては、学識経験者によりまして、他の方法においてこれら残った人をいかに救い得るかということを、制度的に調査研究していただきたいと思うのでございまして、ただいま三十二万五千円の調査費の御審議を願っているような次第でございます。  それから、無免許あんまにつきましては、実は昨年検察庁とも緊密に連絡をいたしまして、全国一斉に取締りをいたしまして、かなり実効を上げたと存じております。しかし、これは一ぺんだけやっていいものでございませんので、それで完全に終るものでございませんので、今年度はさらに検察庁と相談いたしまして、この方面の取締りを実施いしたいと考えております。
  85. 坂本昭

    坂本昭君 次に、昨日の当分科会におきましても、ハンゼン氏病療養所の患者さんについて年金を支給するということについて大臣からも確約をいただきました。その点、非常に感謝にたえません。ところで、ハンゼン氏病の療養所のこの患者さんの状態が、最近重症度がかなりふえております。にもかかわらず、看護力というものがきわめて少い。例をあげますと、これは東京に近い村山の療養所では生活の不自由度が三度、四度、五度、これはまあかなり不自由な人で、特に五度というのは、他人の手を借りなければ生活できない人で、こういう不自由な三度、四度、五度の人のパーセンテージが五年前は二十四%であります。それが昨年になりますと六十五%、非常にふえてきている。こういうふうにふえてきているにかかわらず、看護力の方は、五年前五十六・三人で見ておったのが、現在六七・一人、わずかしか看護力がふえていない。つまり、これは従来から看護婦の産休ですね、お産のときに休む、それについて厚生当局は非常に今まで骨折って下さっております。おりますが、実態を見ますと、お産で休む、休むからかわりの人夫賃を出してもらってかわりを雇う。ところが、その雇うための予産の配賦がくるのが非常におくれているかで、なるほど、数の上ではほとんど達せられている。達せられているけれども予算の配賦が非常におそい。従ってそのために実際的な看護力というものが非常に落ちている。これは看護婦の実数の問題にも関係がある。ところが、にもかかわらず、来年度予算を見ますると、准看護婦の養成所を国立は減らしているのです。准看護婦の養成を減らしている。これは一体どういうわけか。非常に私は矛盾があると思う御説明いただきたい。
  86. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) らい療養所で重症患者が比較的にふえてきているということは事実でございます。従いまして、これに相応しまして看護力を増加しなければならないと考えております。従来もその点について努力して参ったのでありますが、その努力の成果というものが十分でないということは御指摘通りでございます。今後とも努力して参りたいと存じます。  それから、准看護婦の養成所を減らしましたと申しますのは、これは実は地域的にも、非常に看護婦の依然とし不足しているところと実は余りかけてきたところとございます。そういうところは卒業生がなかなか就職できませんで、養成所長が就職あっせんに非常に苦労しておるという、たくさんございませんけれども、例外的にそういうところがある。そこを調整したのでございます。しかしながら、必要とあれば今後なお、さらに看護婦を必要とする地域の養成所の人員を増すとか何とかそういう方法で、全体とにらみ合せて調整をはかっていきたいと思います。
  87. 坂本昭

    坂本昭君 大臣に伺いたいのですが、今の医務局長の御答弁は非常に不満足であります。というのは、きのうも、日本の病院における医療従業員の数がきわめて少い。世界でも驚くほど少い。特に看護力においてきわめて不十分だということは私は明らかだと思う。ところが、ただ地域的に一方に余っているとか、一方に少いとかいって、そうしてそういう措置をとっておられますが、いやしくも、医務局というものは、日本の全体の看護の問題を考えなければならない。特に医療保障を完成する、三十五年度で全部国民皆保険に入れてしまうという際に、これは日本の国民にりっぱな医療保障をすることであって、看護婦もろくにおぬようなそういう内容の貧弱な医療を保障することじゃないのです。私は、そういう点を見ますと、国が養成所を減らすということは、私はもってのほかだと思う。むしろ医療保障を充実するならば、当然に国が、たとえその地域においては就職の問題がうまくいかないとしても、皆保険を積極的にやる場合に、狭い日本のことですから、北海道から鹿児島まで送ってしまう、私は行く人も十分あると思う。そういう考慮がなされないで、こういうふうに一方的に養成所を減らしていくことは、皆さんの主張される医療保障制度、国民皆保険の看板に大いに偽わりがあるのではないか、その点大臣の御答弁をいただきたい。
  88. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) きのうもお話があったわけで、ございまして、やはり医療保障を確立して参ります場合においては、お医者さんの数を確保する、あるいは質的にりっぱなお医者さんを確保するということが大切であります。と同時に、やはり看護力を充実していかなければならない。またその看護婦さんの質的な向上というものを絶えずわれわれとしては、この科学技術が進歩しますと同時に考えていかなければならぬことはお説の通りだと私は思います。ただ、今、現在のアンバランスについてお話しがございましたが、御答弁を申し上げるわけでございますが、これは一応予算上あるいは制約を受けているかと思いますけれども、しかし、わが国が医療保障を確立していく場合においては、この方面について強化していかなければならぬということは私はお説の通りだと考えているような次第でございます。  なお、また、らい療養所におけるところのお医者さんの定員なりあるいは看護婦さんの定員というものはこれは認められておりながら、実は実数においてこれが六〇%ぐらいしかない、こういう点につきましては、昨日もお答えを申し上げました通りに、単に給与費だけの問題でなくて、やはりらい療養所の特別な事情等もございまして、なかなか行きたがらない事情も一面にあるわけでございます。しかしながら、いやしくも国としてらい療養所を設立し、そうしてこれに特別の看護力並びにお医者さんの確保ということをしなければならないというこの状況におきまして、やはりこれらの方々が進んで行っていただく。少くも宗教的な気持なり、あるいは求道的な気持から、やはり経済的な問題とは別個に、そういった気持、とうとい気持において行っていただくような一つの方策というもの何とかして一つ見出したい。実は私も研究をし、また、どういうような具体的な方法があるかということを今研究をいたしておるわけでございますが、何とかして全国における満たされないところの看護力、あるいは医師の確保ということにつきまして、十分御趣旨に沿うように努力をいたして参りたいというように考えている次第でございます。
  89. 坂本昭

    坂本昭君 大臣言葉を返すようでございますが、ハンゼン氏病の療養所に勤める人に対して宗教的なことを要求されることは、それは私悪いとは申しません。しかし、たとえば、ここに近い全生園、多摩の全生園あたりに行ってごらんになったらおわかりになりますが、そこに住んでいる人たちの住宅、医師あるいは職員の住宅が非常に悪いのですよ。いかにそれが宗教的であろうとも、ああいう大事な仕事をしている人に対しては、社会や、また厚生当局も、もっと私は待遇をよくして上げるべきだと思う。それから、また待遇について何か特に調整号俸が非常によけいついているような御説明でありますけれども、わずかなものです。とうていわれわれ普通の人間から見たら、ああいうところの勤務にたえないようなわずかな調整額です。もう少し実態を御研究していただきたいということを要望しておきます。  さらに、いやしくも、国立の医療機関が日本の国民皆保険、皆医療保障の中核をなさなければならぬにもかかわらず、最近の状態を見ますと、統廃合の問題、それなどもかなり地域の要求を無視して強制断行している。強制閉鎖をやっている。さらに一番私の心配していることは、強制の首切りをかなりやっていると私は見ているのであります。しかも、その首切りの中に、大臣は三カ月とか六カ月とか余裕を置いてやればと言っておられますが、場合によれば老齢勧奨、年を取っているからおやめなさい、そのために特別の措置があります、特別の措置をして上げるからおやめなさいといって、やめたところが、実際は特別の措置をしてもらえなかった、倍額もらえる退職金を半分しかもらえなかったという事実があるのです。これは一種の詐欺ではないかとさえ思われる。これは大臣は具体的に御存じないかと思いますから、医務局長に、箱根の療養所で、老齢退職を勧奨して、そうしてやめたところが、退職金は普通退職とちっとも変らない。それで幾ら文句を言ってもくれない。これは予算が定りないからですか、どういうわけですか。
  90. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 予算がなくて、そういう勧奨をするはずはないのでございますから、予算の問題ではないと思います。何か手続上の間違いではないかと思いますので、さっそく取調べまして善処いたしたいと思います。
  91. 坂本昭

    坂本昭君 では、ただいまの問題は予算上の問題ではないということがわかりましたから、よく御調査の上、御措置をいただきたいと思います。  次に、国立病院の問題であります。特に、このたびの予算を見ますと、国立病院の統轄運営に必要な経費として四億五千六百万円あがっておりますが、これはどういう内容でございますか。
  92. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) これは本省の各関係課の経費、医務出張所の経費並びに共済金の国庫負担分等を含めたものでございます。
  93. 坂本昭

    坂本昭君 四億五千六百万円、ちょっと膨大過ぎやしませんですか。
  94. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) それは共済の負担金が非常に多額でございまして、その大部分は共済組合の負担金でございます。
  95. 坂本昭

    坂本昭君 次に、国立病院の基幹病院、この私は考えはいいと思うのです。基幹病院が今度六億六千九百万円、四カ所の予定になっておりますが、その予定地と内容の御説明をいただきたい。
  96. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) それは福岡と岡山と、東京におきましては、東京第二病院、それから第一病院はすでに仕事をしておりますけれども、その継続でございます。
  97. 坂本昭

    坂本昭君 先般、福岡の基幹病院についていろいろとごたこたが、トラブルがありましたが、私はもっと基幹病院の計画については、具体的に、かつ将来の国民皆医療、皆保険の建前から、綿密な計画を立てていただきたいと思うのです。今の四カ所については十分な計画ができておりますか。できているならばあとで資料として御提出していただきたい。
  98. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 了承いたしました。
  99. 坂本昭

    坂本昭君 この国立病院の今度の予算内容を見ますというと、なかなかいい点もあるのです。たとえば診療センターを作るために七千八百万円程度予算を組んでおります。国立病院が診療センターとして、高血圧あるいはガンに対して、積極的な研究と治療の中心になるという考えは非常にいいのです。私はこういうところに、採算を度外視して、国立病院のなすべき任務があると思うのです。この点は非常にいいのです。  次に、第二に僻地診療所、これも考えはいい。ところが、その予算を見ますと、たった百九十三万四千円です。たったですよ。なるほど、しょっちゅう大臣は僻地のこともやるとか、無医村を解消するとか言うのだけれども予算を見るとたった百九十三万円で、しかも六カ所で……。高知県の実例を私は申しますが、高知の場合には、国立高知病院がこれを引き受けておりました。その様子を見ておるというと、経営がやりにくいからというので地元の直営診療所に押しつけてしまった。これでは国が責任をまことに回避すると言わざるを得ないのです。今度できる僻地診療所も一応立てておいて、あとはお前たちでやれ、医者もお前たちでやれ、運営もお前たちでやれ、そういう方針の僻地診療所なんですか、承わりたい。
  100. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) ただいま御指摘予算は、現在国立病院では、六カ所の病院が六カ所の僻地診療所を担当しております。その診療所を経営する上の赤字の補てん分でございます。新しく建設するとか何とかいう予算ではございません。
  101. 坂本昭

    坂本昭君 それでは、どうも厚生大臣は、答弁の上では無医村をなくするとか何とか言っておる。これは聞けば聞くほど看板と内容と偽わりがあるということが明白になって参りましたので、これは、はなはだ遺憾であります。
  102. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) 国立病院以外、来年度は三十六カ所の僻地診療所を経営する予算が一般会計の方から計上してございます。
  103. 坂本昭

    坂本昭君 しかし、これは、県立や私立に僻地の診療所のことを押しつけるよりも、こういう人のやりたがらぬことは国がやるべきですよ。  次に、国立病院予算の中で注目すべきものに、血液銀行の既設の十カ所に対して三千二百五十二万九千円というかなりな経費がついております。私は、これは非常にいいんですが、いいんですが、一体、十カ所の既設の国立病院の血液銀行は何をしておりますか、ほんとうにやっておりますか。
  104. 小澤龍

    政府委員小澤龍君) それぞれその限りにおいて活発に仕事を運営をしているつもりでございます。
  105. 坂本昭

    坂本昭君 大臣よく伺っていただきたいのですが、今言っていることうそなんです。つまり、国立病院は、やはり新しい医療の先頭を切り、それからまた、県や市がやりにくいところをやって、そして国民の保健を守っていく、そういう大事な任務を持っていますから、予算をつけたことはいいんですが、実際は、今局長説明のあったようなことをしておりません。そうしてそれにかわって、この患者に対する輸血というものは、別の組織が現在行なっている。しかも、この別の組織の輸血組織、いわゆる血液銀行——ブラッド・バンク、これは諸外国では非常に大事な医療制度における基本なんです。ところが、日本の場合は、国立病院十カ所あるけれども開店休業、国立で東京にある施設を見て下さい、確かに技術的にはいいんです。しかし全部入院患者の手術をあそこでまかなっているかというと、そうじゃありません。よそから血を買ったりもらったりしている。それは国立病院だけじゃありません。日本赤十字病院でさえそうなんですよ。日赤も日赤の任務を果してない。ということは、今日の血液銀行組織が日本では非常に立ちおくれている。  そこで、今度は、日本における血液銀行について若干お伺いいたしたいのですが、国立病院には三千万円も予算を入れて、この組織を確保しようとしているのであります。それから昭和三十三年度は、血液製剤対策に必要な経費として、たった十八万六千円ですよ。たったですよ。三十二年度には十九万四千円組んでいる。今度は、ながめましたところ、一つも血液製剤対策に必要な経費は何もない。それから、国民皆保険、皆医療保障をやるのに、大事な血液銀行対策というものに、予算は全然組まれていない。まず、その予算の点を。次に一体、日本の血液銀行というのはどんなふうになっているか。その血液銀行の実態調査の結果を簡単明瞭に答えていただきたい。
  106. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) 血液銀行として特に計上しておりまするのは、三十四年度で、はなはだお恥かしいのでございますが、十七万数千円、これはそこで働いておられます技術者の方々にお集まりを願って講習を、トレーニングをする。予算の上では血液銀行として掲記されてあるのはそれです。それから、血液銀行の大体の模様でございますが、全国で三十七カ所、これは経営主体が三十七というわけじゃございませんが、プラントの数が三十七カ所、公立、府県立でございます。そのうちで公立のものが七カ所、それから日赤とかその他の公益法人、これが十カ所、それから普通のプライベートなものが二十カ所、経営主体別に見ますと、大体こういうことでございます。それから、ここで製造をしております保存血液の量は、昨年の三十三年の実績をとってみますると、約三十六万二千リットルばかりに上っております。  それから、いわゆる預血とか供血をいたしまする人の数は非常に少うございます。非常に多くの部分が、平たく言えば血を売っておるという人が多いわけであります。それでその中で、自分は血を取ってもらいたいけれども、比重が足りないとかで、いろいろはねられますので、合格をいたしまするパーセンテージは約五六%、半分に近いものがはねられるという統計が出ております。そのはねられました四四%の中で、その理由といたしましては、比重が足りないというものがその大部分で、九〇%ないし九一%を占めておるような状況でございます。それから供血をいたしました方に対するお礼といたしまして支払っておる金額は四百円ないし六百円の間でございます。大体そういうようなところが大まかな端的な状況でございます。
  107. 坂本昭

    坂本昭君 どうも薬務局長、血液銀行について初めて聞かれたものだから、実態の大事なポイントをつかんでないと思うのです。私は、そういう点で、予算的な面においても全然考慮されていない。しかも、日本の医療の面において一番大事な点なのです。今説明のあった点で、特に当委員会で私は考えなくちゃならぬ点は、まず第一に、公立もあるけれども、公立もこれは十分公立としての役目を果していない。これは国立の病院でありましても果していない。株式会社が多いということです。日本の血液製剤というものは株式会社で営利を目的として売られているという、これが一番大事な点なのです。これは一体、厚生省当局はどうするか、これが第一の点。次に、不合格者が非常に多いということ、しょっちゅう血を売っている常習者が多いということです。それから一番大事なのは、世界各国にある預血、供血の制度が、日本には非常に少いと言われるけれども、全然ないと言ってもいい。つまり、日本の血液銀行の組織は、もう国民皆保険というところまできておって、全く軌道に乗っていないということです。そこでただいま局長答弁されましたが、私はそれよりももっといい答弁があるのです。それは丹羽文雄が「血液銀行」という小説を書いておる。これはすばらしい小説ですよ。もう薬務局長あたりが説明するよりも、一番大事な点は全部言い尽しております。しかもこれは去年です。これは全部読むわけにはいきませんが、この中に、監督の立場にある厚生省がいろいろな点で怠っている点がある。厚生省は、血液製剤関係の法令集の中に、採血及び供血あっせん業取締法というのがある。この中にもいろいろその採血する者に対する指示、あるいはあっせんの手数料、こういうことを規定してある。これはやっていますか、私は何もやっていないのじゃないかと思うのです。それから、今の比重の問題についての監督をやっているが、やっていない。その証拠には、丹羽文雄が実にこまかく書いてありますが、比重が減ってくるというと、その比重をごまかす方法がある。これに書いてあるのは、ヒロポンですか、ヒロポンのような注射をすると比重が変るという、これはどうもおかしいと思う。しかし、私も実はこの前、供血者の中にまぎれて数カ所見に行った。見に行っていろいろ見ますと、比重を測定する前に何か特殊なものを使うというと比重をごまかすことができるらしい、そういうことをやっている。それから、この中には、採血をする場合には、あっせんをする場合には、その比重を見る、それから次に何べんと、やはりそれをいろいろとこだわらなければならない、そういうことも規定されておるのだけれども、私が行ったときに、一人供血者をつかまえて、君、これで何べん来ておるのだと言ったら去年の十一月ですが、十一月の四日と八日、十二日、十八日、二十日と来ている。私はびっくりしました。そして、これは十一月から始めたのかと聞いたら、十月、その前から来ている。一回四百円です。月に七、八回来れば、四百円というと三千円以上の収入になります。それで食っている。そしてもう、こうなってくるというとひどい貧血があります。厚生省の階段なんて上れません。しかし血を取らないというと、じっとしておられない。一つの中毒みたいなそういう状態になっている。これに対する監督がちっともできていない。しかも企業は株式会社で、その配当は相当高い。こんなでたらめな制度のもとに国民皆保険ができたら、これは大へんなことなんです。少くともこういう点では外国のまねを私はしていいと思うのです。しかも、最近、特に去年あたりから、新聞紙上には供血者からピンはねをする。これは横浜のあるプラントではぐれん隊が供血者からピンはねをして、そうして、ただでさえ生活に困っている人たちの上前をはねている。血液銀行を根城に供血者をしぼる。つまりプラントに並んでいる場合には順番札があるのです。その順番札をぐれん隊が押えてしまって、そして採血のときにその上前を取っている。供血に並んでいる人にチケットを売り渡すわけですね。こういうような状態であるにかかわらず、厚生省は手をつかねて何にもしていない。一体、私はこれをどうするつもりか、これはまず厚生大臣に伺いたいのです。こういうプラッド・バンクの問題というのは、非常に薬品としても大事であります。従って薬務局がこれを所管しておりますが、金額で言っても、今三十万リットルと言いましたが、これは普通のびんに二百グラム入っております。だからそうすると百五十万本ぐらい売られている。売る場合には大体千四百円ぐらいですから、約二十数億というものがこの血液に関して金が動いているわけなんです。これは相当なものですよ。しかも輸血によって生きる死ぬが定まる。こういう大事なところの血液銀行の組織が日本では営利にまかせられて、そしてこれを厚生省としてはなかなか手段を講じていない、これは非常に怠慢だと思う。大臣のまずお考えを聞きたい。それから局長のこれに対する具体的な方策を、責任のある具体的な方策を伺いたいと思う。
  108. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 確かに御指摘になりましたように、売血希望者が二百二十二万人、その中で適格者数が百二十三万で五六%、しかも輸血希望者数が約二万七千人、適格者数が一万九千人というわけで、日本におきましては預血者というものが非常に少ないということは、これはやはり問題の一つだと思います。今仰せになりましたように、売血希望者数が非常に多い、しかもそれは結局、そのことによって自分の生活を養っている人たちが非常に多い。生活困窮者がいわば血液銀行の主体になっている。しかも、その経営というものが一般の、普通の営利的な会社組織によってなされているということは注目すべき点であって、われわれとしては、今後大いにこれは考えなければならない多くの示唆を含んでいると私は思います。従いまして、われわれが、やはり国民皆保険に進み、そし医療保障をやっていく上におきましては、やはり世界的なレベルにおいてこの預血制度というものを取り入れていかなければなりませんし、同時に国といたしましても、これらのことについて十分考えていかなければならないという、私はその方向につきましては全く同感でございます。ございますけれども、現在のところ、こういう段階で、まことに、この点は申しわけなく考えているような次第でございますが、今後とも努力をいたしたいと思っております。
  109. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) 血液銀行の運営と申しますか、あるいはその業態そのもの、それらにつきまして、今、坂本委員からいろいろ御指摘になりました。確かに先生御指摘のような状態がございます。それでこのことにつきましては、実は私ども非常にもう率百に申しまして、頭を痛めておるのです、(坂本昭君「三年間頭を痛めておるのか」と述ぶ)ただ非常に早く医術が進歩いたしまして、血液を使うということが非常に量がふえております。それに対して今御指摘のように、預血、献血というようなことがどんどん始まっておりますれば、これに応じ得たわけでございますけれども、いろいろな事情からそれが十分に進んでおりません。従って、一番問題は、血液を売るような人ということになりますと、今御指摘のように層が限られてしまいまして、そうして何べんも偽名を使って、これは一カ月に一回以上とってはならぬということになっておりますけれども、別の名前で二回も三回もとるというふうな事態も起ってくるわけでございます。そこにまた、今、比重の問題を御指摘になりましたけれども、比重の足りないような人もとらざるを得ないというふうな状況になってくるのでございます。従いまして、そこいらに非常に問題があるわけでございまするが、私どもといたしまして、今の重要な比重の問題等については放っておるわけではございません。ごく最近におきましても、この比重測定の基準になりまする硫酸銅液、これを国の機関で作りまして、単一なものを使いまして抜き打ち的に各血液銀行の採血者の調査をいたしたようなことがございます。この結果がまだ集計できておりません。ごく最近でございますから……。  それから先ほど申し上げましたように、すでに四十何パーセント、半分近くのものが比重測定ではねられておる、こういうような次第でございまするので、私どもといたしましても、十分関心を持ってこの問題については努力をいたしておるわけでありますが、しかし根本的に申しますと、先生御指摘のように、やはり預血といいますか、献血といいますか、そういう制度に転換をしなければ、これはとても根本的な対策にはならない、私どもさように考えておるわけでございます。それでここ一、二年来預血、献血というようなことをやっていくように実は相当に努力はいたしておるわけでございます。しかし、なかなか何と申しますか、それが伸びて参っておりません。これを伸ばしまするには、実は一つには、具体的には預血の場合には、ある血液銀行に預けましたら、その預血者がどこの血液銀行でも通用するというふうな手形交換といいますか、そういうような制度一つ打ち立てなければならぬ、それは血液銀行相互間で目下相談中でございまして、ごく近い将来にそういう制度もできて参るということを期待いたしております。  それからもう一つ現実に東北のある県におきまして、採血自動車を県が作りまして、そうして採血自動車を回すことによりまして、一般の農村等から、一般の方々から預血をしていただいておる。これはまだ試験的なやり方でございますので、始まってから間がございませんけれども、実は相当好成績を上げております。かようなやり方をいたしますと、不適格な血液が非常に少いというふうなわけで、こういうふうなことをいろいろやりまして、預血、献血の方向はぜひとも持って参らなければならない、かように考えておるわけでございます。
  110. 坂本昭

    坂本昭君 どうもただいまの厚生大臣並びに所管局長答弁では、私汁はなはだ不満であります。もう時間がありませんから、丹羽文雄の小説をちょっと読みます。これは供血者を主人公とした小説ですが、「結局われわれは血を吸いとられて死んでいく運命ですよ。昔は、血を吸いとる鬼婆がいたそうですが、今じゃそれが合法的になっている違いだ。われわれプロ仲間でも今年になってから四人も死んでいる。」、その小説の最後は、「すべてがおそすぎた。私の理性を最後に支配しているものは比重のことだけである。4まく血球が沈めばよいとそのことだけを考えて、のろのろと白い四階建の建物に足を運ぶのである。」、これが丹羽文雄の小説の最後である。すべてをこれには言い尽していると思う。だから問題は、血液銀行の問題は低所得層の問題です。従って、これは預血、献血の制度を強制しなくちゃいけませんよ。とても、株式会社の営利団体に相談させるなんて、そんな手ぬるいことでは間に合いません。もう今まで二年も、三年もかかっているんですよ。詳しく言うとまる五年以上もかかっている。しかも何もできないということは厚生省の怠慢です。私は預血、献血制度に対する何か強い立法をして、この強い立法に対しては、保険金の強制徴収よりも国民が出してきますよ。まず国会村議員も月に四百グラムくらい一ぺんか二へん取ったらいい、大蔵大臣なんかも取られたら、血液のためにもいいですよ。私はそのためにはまず強制立法をすることを考えていただきたい、その点だけ確かめておいて私の質問を打ち切ります。
  111. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) 非常に貴重な御意見を拝聴いたしまして、よく研究をいたさせていただきます。
  112. 市川房枝

    ○市川房枝君 私は労働省の会計課長、それから婦人少年局の局長代理、大蔵省の担当主計官に簡単に少しお伺いしたいと思うんですが、労働省の予算の中で外国旅費として千二百八十一万七千円が計上されておりますが、その中で婦人少年局関係の予算がどれだけ今まれているか、三十二年度、三十三年度と比較して、労働省の会計課長かち御説明をいただきたいと思うんです。
  113. 松永正男

    政府委員(松永正男君) 外国旅費の中におきまして婦人少年局関係は、国連の婦人地位委員会に婦人少年局長委員として出席をいたします旅費でございます。これが三十三年度におきましては二十万七千円、三十四年度におきましては二十一万五千円を予定して計上しているわけでございます。これは婦人の地位委員会委員につきましては、往復の旅費につきましては、国連の方の負担になりますので、日本の政府といたしまして負担をいたす分は滞在費のみでございます。その滞在費についての予定が三十四年度におきましては二十一万五千円計上しているわけでございます。
  114. 市川房枝

    ○市川房枝君 その前の予算は幾らであったか、ちょっと説明していただきたい。
  115. 松永正男

    政府委員(松永正男君) 三十二年度におきましては七十万円を予定してございました。これは国連の婦人の地位委員会にわが国から委員として出席をいたすことにきまりましたのが三十二年でございます。三十二年度予算を編成いたします際には、旅費の国連と日本との負担区分が明らかでございませんでしたので、往復の旅費並びに滞在費を必要と考えまして計上いたしたわけでございます。ところがその後国連の方で往復の旅費は負担するということが明らかになりましたので、三十三年度からは滞在費のみを計上したわけでございます。
  116. 市川房枝

    ○市川房枝君 今会計課長お話しのように、七十万円国連の婦人の地位委員会へのオブザーバーとして予算が計上されているということは私も承知しています。それが三十二年度だけでなくてもう数年来継続して承認されておった費用だと思うんです。ところが今お話しのような事実で国連が負担するからというので減らされたわけでありますが、これは一方からいえば、一つの既得権を減らされたということに実はなると思うんです。それから代表として婦人局長が婦人の地位委員会出席する場合に、随員が必要である。ほかの国連の委員会と違いまして、特にその婦人の地位委員会は特殊なものでありますので、出先の外務省の官吏の方に臨時にお願いするというわけにはいかないので、これは労働省の方で、昨年随員を御要求になったと思っておりますが、そのときの状態は一体どうであったかということを伺いたいんです。  それから外国の代表は、多くの国がむしろ民間の婦人を代表に出しておる、そうして政府の方の役人が随員として出席をしておる。そうして代表の活動を助けておる、こういう状態でございますが、日本の場合は一人で、それもまあ言葉の上でハンディキャップがありますので、それこそ十分な活躍ができにくい、こう思いますのに今まで七十万円であった予算を五十万円だけ国連から出すからというので、削ってしまったということは、どうも納得ができないのでありまするが、その間の事情は婦人少年局長の代理の方から一つお伺いしたいと思います。
  117. 萱野喬

    説明員(萱野喬君) 私お答えいたします。今市川先生のおっしゃいました点はもっともだと存じます。従いまして来年度また次の三十五年度予算につきましても、そういう随員の問題という点について予算をいただくように要求をする考えで。ございます。民間の方の代表を助けて、政府の者が随員として行くというような点についても、いろいろ研究をいたしておる段階でございまして、ただいま私その状況をまだつまびらかにいたしておりませんので、よく研究をいたして御報告いたします。
  118. 市川房枝

    ○市川房枝君 今の削った方、これは大蔵省の方でございますので、大蔵省の担当主計官にその理由を伺いたいのでありますが、なお同時に、大蔵省の方に対しては、今お話のありました婦人の地位委員会での日本の代表の任期は、三十四年度で切れるわけでありますが、あと引き続いて選出されるかどうかということは、これは別の問題になりますが、もし引き続いて日本の代表が出ないということになった場合、前のようにオブザーバーとして婦人を出す、その場合に七十万円ずっと数年間続けて支出されておりました費用を、三十五年度から計上していただけるかどうか。  それからもう一つ。そのオブザーバーの場合、従来は婦人少年局の職員が出ておりましたけれども、民間の婦人でも差しつかえないと思うんですが、それについての大蔵省担当官からの御説明を願いたいと思います。
  119. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 七十万円既得権とおっしゃるのですけれども、ちょっと私どもにわかりかねるのですが、予算の既得権というものは実はございません。申し上げておきたいのは、やはり旅費が他の面から出ますと、当然それは予算の面から落していく、旅費を二重取りなさる方もございますまいけれども、そういうことで当然減る、当然減として一つ御了承いただきたいと存じます。  それから次の問題でございますが、当然減、それにも関連しますが、他の委員会でも同様なお話が出まして、どうも国際会議出席する場合に窮屈過ぎる、これでは国際会議にもなかなか出れなくて、十分のわれわれの主張を述べることができないし、また日本の国の地位を高めるという上から見ても、まことに遺憾だというようなお話しでございますが、私ども国際会議には必ず出席し、また日本の地位というか、発言権は十分確保したいという考え方でございますから、実施に当りまして、もしなお工夫を要するような点があれば、十分その官庁とよく相談して参るつもりでございます。従いましてお尋ねのような件につきましては、また実施に当ってどうしても不都合、不便があるとおっしゃるなら、これは労働省とよく相談してみたいと、かように考えます。  また次に、どういう人が出て行くのかというようなことは、これはもう労働省で選考なさることでございますから、私の方ではとやかくの注文をつかるつもりはございません。
  120. 市川房枝

    ○市川房枝君 次に、婦人少年局全体の予算について、ちょうど大蔵大臣がおいでになりますからお答え願いたいのですが、婦人少年局は、三十四年度予算として要求しましたのは、九倍一千九百六十一万四千円まあ要求している。ところが査定になりましたのは、一億一千七百十二万九千円、まあ一割よりはちょっと多いのですけれども、非常に削られている。これはまあその要求が少し山をかけていたから削ったのだということをいわれるか永しれませんけれども、一方からいうと、私はやはり婦人少年局の人たちが非常に意欲を持っている。大いに仕事をしたい、こういう意欲を持っている表われだともいえるのですけれども、それをこんなに削られてしまった。それで査定されました一億一千七百十一万九千円について見ましても、その中でそれはまあ昨年度に比べますというと、七百八十五万二千円ふえてはおります。ですからそれはまあふえてい三じゃないかと、こうおっしゃっていただけると思うのですが、ただまあその七百万円の増加内容を見まするいうと、そのうち五百万円というものは労働青少年のための保護の補助金になっております。それからそのあと二百万、三百万近くはこれは人件費であります。当然の増加になっております。実際に婦人少年局としてのいわゆる事業のための予算というものは、むしろ減っているくらいなんです。こういう事実はまあだんだんもしそういう方針になってくると、まあ人数は定員法の問題がありますからそう減らされたい。それから俸給もだんだん上ってくるでしょうけれども、仕事の方がだんだん削られてくると、何もやるということがなくなっちゃう。こういうことになって、それじゃ婦人少年局なんて要らぬじゃないか、こういう結論をまあ導き出しやすいと思われるのです。が、これは私はまあ単に労働省あるいは大蔵省だけの問題じゃなく、これは岸内閣として、一体婦人関係の問題について、予算をどの程度——まあ青少年問題についてはずいぶん三十四年度予算をおふやしになりました。しかし編入関係はむしろ減っているといいますか、まあそれは母子年金なんかを加えますと、それはふえておりますけれども、今の婦人少年局なんかではむしろ私は減っているといっていいわけなんです。その点の大蔵大臣のお考えを一つ伺いたいと思います。
  121. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) まあ総体の金額、その要求と査定とずいぶん開いている。これはもう市川さんみずから御指摘になりますように、要求は実は山ほどあるのでございまして、ことしなどは、よほど各省大臣協力を得まして、いわゆる水増し予算は出さないということでございます。従いまして本筋から申しまして、非常にやりたい仕事が多いということ、新しい分野上いいますか、婦人少年関係は比較的旅設がおくれている、こういう意味で非常に要望が強く出ておると思います。これらについて十分のことを考えてないというお叱り、これは一面そのまま私どももお受けしなきゃならぬかと思います。私ども内閣といたしましては、婦人問題や少年問題というものが、取り残された政治の分野という感じがいたしておりますので、実は特に力を注いでおるつもりでございます。ところがまだなかなかいわゆる婦人問題、少年問題は総体といたしまして体系が整っておらないというか、今日力を入れるとは申しておりましても、なかなか具体的なものが進んでおりません。ようやくいわゆる婦人ホームを作るとかあるいは少年の家を作るとか、あるいは施設の面で何かと工夫されておる、そういう建設費関係は相当出ておりますが、これなども新しいものとして、最近それぞれの分野に力が入っておるようには思います。もっと婦人、少年、さらに未亡人、老人あるいは子供、こういうものまでを含めての、大きい意味の婦人少年対策というものがもっと推進されなきゃならないものだと思います。ところがこれはなかなか各省に関係をいたしておりまして、厚生省所管があるし、あるいは労働省の所管があるし、文部省所管があるし、ときに法務省あるいは警察関係というように予算各省に分れておりまして、総体としてごらん願わないと、力の入れ方などもなかなかわからないと思いますが、相当全般にわたりまして、それぞれ重点を置いての施策には一応こと欠かないような予算を作ったつもりでございます。しかしもちろんこれをもって十分と申すわけではございませんが、今後新しい問題として、引き続いてこの内容の充実に私どもは努力していかなきゃならぬ、かように御指摘通り考えております。
  122. 市川房枝

    ○市川房枝君 婦人関係の予算お話のようにいろいろな各省にまたがっておりますし、これはむしろ総理に御意見をこの間伺う時間がありませんでしたので、次の総括質問に伺いたいと思っておりますが、ただ今年度予算では、青少年関係の予算だけ一つ予算書でおまとめになって一これは説明書ですか、おまとめになっておるのですが、その婦人関係の方はまとまっていないのですけれども一つこの次まで、やはり婦人関係の予算一つまとめて説明書に出していただくようにお願いをしたいと思っております。    〔主査退席、副主査着席〕
  123. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 若干確認事項について質疑を申し上げます。  文部大臣にお伺いいたしたいと思いますが、外地から引き揚げた教員が三カ月以内に就職しなければ勤続年数が通算されないというので、非常にお硫の毒であり退職をしぶっておりましたが、文部省大蔵省と協議の結果、引き揚げて翌年の、五月三十一日までに就職した人は退職期間を通算するというように、先日の分科会大蔵省当局から答弁がありました。従って引き揚げてから翌年の五月三十一日までに就職すれば通算されるということになりますと、一月に引き揚げた人は翌年五月三十一日ですから十七カ月、これがマキシマムである。それから三月に引き揚げて来た人は翌年の五月三十一日まで、それに準じて計算するわけで、結局結論的には一番短かくて六カ月、長くて十七カ月が認められる、かようになると思いますが念のため伺います、と同時に、ちょうど人事の異動期でありますから至急にこれは措置すべきである。承わるところによると、文部省から大蔵大臣の承認を得て、直ちに通達を流すことによって実施するということでありますが、いっその通達は出されますか伺います。
  124. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) ただいまの点につきましては、先般来大蔵省と討ち合せをやっておる次第でございまして、正確な点を政府委員から答弁いたさせます。
  125. 内藤誉三郎

    政府委員内藤誉三郎君) ただいま大臣から御答弁、ございましたように、基本線につきましては矢嶋委員お話しの通りでございまして、その通達は、なるべく早い機会に、特に年度末の人事異動期でございますから近日中に出したいと思っております。
  126. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大蔵大臣異議ございませんね、念のために。
  127. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 御念をお入れになるまでもなく異議ございません。その通りでございます。
  128. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に先般の分科会で、国民体育大会の国家行事としての意義というものはきわめて高く、文部六日並びに大蔵省の主計官から評価されました。で、従来この補助金が六百六十五万円程度だったのが今年度は千万円になったのですが、文部大臣も赤字同体の赤字解消も順調に進んでおる、これは大蔵省の財務局長答弁したわけですが、従って今後オリンピック大会の招致の準備態勢をととのえる上においても、国民各層に影響のある国民体育大会には、文部省要求の二千万円程度予算化すべきだということでありました。静岡県の国民体育大会に一昨年出席されました岸総理大臣は非常に感激していた。あんな岸さんのうれしい顔をぼくは見たことがないと思うのです。それで本年はもう予算書が提案されておるからしようがありませんが、来年度以降の予算編成につきましては、文部大臣の意向もくんで大蔵大臣十分善処される用意があると思うのですが、御所見を承わります。
  129. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように国民体育大会、これは非常に国民あげての行事でございまして、私ども非常に意義のあることは御指摘通り認めておるのでございまして、これに対する補助の問題ですが、主催地の財政状態その他もございますし、いろいろな研究しなければならない点が多六のでございます。従いまして、今どうするということはなかなか申し上げかねますが、御趣旨のように国民体育大会の意義の重要性に鑑みまして、開催につきましては、予算編成に当りまして十分文部省とも話し合い、また大蔵省大蔵省としての理解のある処置もとって善処して参りたいと、かように考えます。
  130. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に先般の分科会において、労働省所管事項として、婦人少年室が非常に活躍をしておるということが賞賛されました。労働大臣もこの強化が必要であるということを述べられたわけです。あれだけの仕事をしながら定員百四人で室長は四十六人、そのうちに五等級の室長というのが十七人もおります。これは質的にも、量的にも強化することによって婦人少年に対する処置が十分に行われるわけでありまして、労働大臣これは力説しておったところでありますが、大蔵大臣はこれに対してどういう見解を持っておられるか、労働大臣所見大蔵大臣は私は了とすべきだと思うのですが、念のために承わります。
  131. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 労働省内でお片づきになるなら、もうもちろん私ども何にも御異存申し上げる筋ではございません。ただ全般といたしまして定員増ということになりますと、各少関係のこともございますし、ただいままた衆議院でもいろいろ御議論があるようでございますし、そういう点ついても私ども十分考えて参りたいと思っております。
  132. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣は認識と理解を持っておられるか、おられませんか。承わります。
  133. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 総体の公務員の定員あるいは給与、こういうような問題については、私も出身が出身でありますだけに、時勢は変っておりますが、十分理解をしておるつもりでございます。しかしながら、理解をしていてもやることは違うじゃないかというようなおしかりを受けるかもわかりませんが、私の考えを申しますならば、どこまでも筋の立つことならこれはもう勇断をもって実施したい、かように考えておりますが、ただつかみ金的な話だとなかなか私、容易には納得しない、十分内容を掘り下げて、そうして実情を伺ってそれに沿うような処置をとりたい、かように考えております。
  134. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は一般論を伺っているのではありません。婦人少年室の活動にピントをしぼって伺っているので、その点をお答え願います。
  135. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) その点になりますと、私まことに申し訳ございませんが、十分検討をしないと結論は……。
  136. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 労働大臣の見解を了といたすでしょうね。
  137. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 労働省全般の問題として、労働大臣で工夫のできる余地も多分にあるのではないかと思います。この婦人少年室だけの問題として、労働大臣の言っておられることには私ども賛成でございますが、労働省全般の定員という問題になれば、これはやはり工夫をお願いしたいような気がいたします。
  138. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 労働大臣御都合が悪いから、私は質問がございませんから、今の大蔵大臣言葉を聞いて退席していただいてけっこうです。  次に厚生省関係ですが、先般分科会厚生大臣を追及しましたところが、厚生大臣はいろいろと答弁していましたけれども苦しそうでした。これは予算書を見ますと、予算減の場合は、大蔵大臣、三角がつきますわね。私調べたところが、厚生省本省だけで三角が百六十一あるのです。厚生省所管を全部あわせると三百十六ありますよ。こんな予算書を私議員になって見たことない、過去九年間。お宅の大蔵省の方でも三角のついているのが、本省並びに付属機関全部をあわせて八十八、厚生省は実に三百十六ついている。こんな予算書というものは見たことがないのです。これは年金の百億をしぼり出すためにあと全部しわ寄せしている。たとえば蚊とハエの撲滅運動助成費補助金二千五百万円が百パーセント減です。蚊とハエがいないかと言ったら厚生大臣答弁できない。それから家族計画普及費補助は二五%減、性病予防費補助金三四%減、性病がなくなったというわけでもないと思うのです。この厚生省予算というものはこれは私は重大だと思うが、一体大蔵大臣はどういう見解を持っていられるのか、三角の数字にピントをあわせて御答弁願いたい。
  139. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) この三角、三百十六、全部これがピントがなかなか合わないと思いますが、これは御指摘のもので、一つはいわゆる補助金等を整理いたしまして、この補助金等の整理は、すでにもう効果の上ったもの、目的を達したもの、あるいは効果の上らないといいますか、見込みのないものとか、その他いろいろ補助金を整理いたしました。その際に、今蚊とハエの撲滅の問題がございますが、今回は金額をふやしまして、これは地区の方に回しているといいますか、地方に回している、これは厚生省自身が持たないことになったのだと、かように私は考えておりますが、蚊とハエがおらなくなったわけではないので、今までの補助制度を変えたと実は思います。それからもう一つは、事務費をやはり三%ないし五%減らしております。そういう意味の減がありはしないか。またもう一つは、厚生省関係で、先ほど市川先生からもお話のありました婦人少年室というようなことになりますと、施設費が一応終了した、こういうような意味で金額が減っているというようなこともございますので、年金百億を出すために全部セーブしたというような極端なことを仰せられないで、どうか内容について十分厚生省の事業、ことに社会福祉事業に、社会保障をも含めての福祉事業に対しては、これは政治の大きな眼目の一つだと、かように考えておりますので、軒並みに減らすというような考え方はいたしておりませんし、十分中身についてはそれぞれ理由のあることのように思っております。御了承いただきたいと思います。
  140. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 了承できません。これは私もしさいに検討したのです。うしろにいる厚生省局長は、矢嶋いい質問をしているというふうに思って聞いている。(笑声)これは、あなたは矢嶋の意見を受け入れるわけにいかぬと思いますが、幾らか苦しいところはあるでしょう。いかがですか。
  141. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 私は予算編成に当りまして、実は厚生省予算といわず、各省予算をほんとうに細目にわたって全部聞いたのでございます。それで減になるような事柄については、大体においてどの省といわず、理由がないと私は納得しないことにいたしているのであります。最も簡単な予算査定は、前年よりも金額がふえたとか減ったとかいうことが、いの一番に実は指摘されるものですから、その説明のつくということを第一番に実は取り上げて参ったのであります。そういう意味で、なるほど結果的に見ますと非常にまずい数字にはなっておりますが、総体の予算は相当伸びておることを御了承いただきたいと思いますし、十分私ども気をつけて参ったつもりであります。
  142. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは了解できませんが、時間がないからきょうの追及はここでとどめておきます。橋本文部大臣がこの予算は編成されたわけですが、さぞかし心苦しいことだと思います。(笑声)  次に、厚生省の国立公園関係には重大な事態が起っておる。これは阿蘇国立公園で入場料を取っている。幾ら、厚生大臣、自治庁から勧告を発しても、地元の町は条例を設けて取っている。厚生大臣言葉をもってするならば、これは各国立公園に波及したならば国辱ものだ、従ってどうしても勧告に従わない場合には、自然公園法を改正してまでもやめさせなければならぬと答弁している。その一番大きな原因は、観光資源が豊かであるにかかわらず、国立公園施設費、あるいは国民公園施設費が不十分なところにある。日本がこれだけの観光資源をもって、大きな観光政策を推し進めるという政策を掲げていながら、国立公園施設費がわずかに七千五百万円、もちろん昨年度より五百万円ふえているが、わずかに七千五百万円。で、これは今後のわが国の観光政策推進という立場からも、抜本的に私は考え直す必要があるのではないか。そういう施設がないところに、そういう地元で施設をこしらえるために条例をこしらえて、入場料を取るという事態が起るわけでして、今後入場料の問題は厚生省所管でありますから、しかるべく処置していただかなければなりませんが、将来、これらの国立公園施設並びに国民公園施設については、予算編成に当って格段の配慮を払うべきだと思いますが、大臣の御所見いかがですか。
  143. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 来年度も、ただいま御指摘になりましたような意味で、一千万円……
  144. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 五百万円ですよ。
  145. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) それだけ増額いたしたつもりでございますが、なお、御指摘になりましたような点もあるのでございますから、今後一そう私ども注意してやりたい。かように考えます。
  146. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に、文部大臣に伺いますが、文部大臣は先般の分科会で私の質疑に対して、やみ入学は好ましくないから強力な指導をしたいと言いましたが、何らかの通知を都道府県教育委員会に発しましたか、発しませんか、お答え願います。
  147. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) やみ入学の取締りにつきましては、過去において何回も通牒を出して警告を発しているのでございますが、さらに重ねて強い措置をいたすつもりでございます。ただ、先般お話がございましてから二日間の間には、あらためて出しておりません。従来何べんも出しながらなかなか効能が上りませんが、何とかしてもう少し強く、効果の上る方式でさらに強い態度を表明したいと思います。
  148. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 入学期が迫っておりますから、緊急な問題であります。立法府でこういう意見があり、大臣も同感の意を表したという趣旨内容をもって、直ちに私は助言と指導を都道府県教育委員会に与うべきだと思いますが、今明日にでもその助言と指導をなしていただけますかどうか、お答え願います。
  149. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) そのつもりでおります。
  150. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に、先般の分科会において、私は国税庁長官に、三月五日から三月七日の正午までに渋谷の税務署に、岸総理大臣の申告問題についてだれか電話した者がある、だれが電話をしたのか、何の目的でだれの指示を受けて、何の必要があってそういう電話をしたか、その氏名を調べて報告するように言っておきましたが、国税庁長官から答弁を求めます。
  151. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 先般たしか三月五日から七日の午前十一時までの間に、国税庁または国税局から渋谷税務署に対し、総理の所得について何か指示したことはないか、という事実を調べて報告せよ、こういうお尋ねがあったものですからさっそく取り調べたのでありますが、国税庁または国税局から渋谷税務署に電話をかけたことはございません。ただし渋谷税務署から電話がかかったことはございます。当日と申しますと三月七日の、あとの記憶では午前十一時半ころだったと思います。渋谷税務署の課長から国税庁の所得税課に電話がかかって参りまして、ただいま参議院の矢嶋先生が来ていらっしゃって、総理の過去の申告された所得を見せてくれ、こういうお話があったが、これはいかぬとは思うけれども念のためお尋ねしますと、こういう趣旨の電話はあったようであります。これを受けました所得税課の課長補佐は、所得税課長と協議いたしまして、もちろんそれはいけない、所得者の申告書については御本人または正当な代理人の方以外にはお見せするわけにはいきません、こういうことを渋谷税務署に指示した事実はございます。
  152. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう僕はうそを言う公務員はけしからぬと思うのだが、僕は紳士的に出ているんですよ、そんな電話なんかかけるひまなんか僕にはあるわけではない。僕が課長にお目にかかったときに、係長がおって、課長が持ってきて、見せろ、見せろと言ったら、係長は、さっき本庁から電話がかかったのですよ、署長、大丈夫ですか、大丈夫ですかと言って、何べんも念を押した。それから署長と僕の交渉になったので、その係長からは名刺をもらっておる。本庁から電話がかかったと言っている。それで目的のために手段を選ばずというわけにはいかぬから、それじゃ署長が工合が悪いというので、話をしたのです。その電話をかけた者が確かにおるわけです。もしおったらどうしますか、私は相手が紳士的に出れば僕も紳士的に出ますけれども、反対にそういうでたらめなことを言って、渋谷から矢嶋が来たと電話がかかってきた、こういうのはけしからぬ、こういううそは。
  153. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 調べましたところ相違ございません。国税庁から積極的に三月五日から七日の午前十一時までに電話をかけたことは絶対にございません。
  154. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは本庁から電話がかかったが、署長見せて大丈夫ですかと言った係長を、私のところによこす用意があるかどうか、お答え願いたい。
  155. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 国税庁といたしましてさっそく事情を調べたのであります。所得税課から課員を派しまして、ほんとうに真実を伝えてほしい、何事も付加することなく何事も削ることなく真実を伝えてほしい、ということでさっそく調査いたしたのであります。その結果ただいまのように、たしか所得税課長から国税庁の所得税課に電話がかかった、こういう報告でございました。もちろん庁の内部においてもそういうことであったわけでありまして、その点間違いございません。
  156. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題は一応ペンディングしておきましょう。  最後に伺いますが、予算編成権は永ちろん内閣にある。そして大蔵省主計局中心予算の編成をされる。六年度は年内に予算案ができたということはりっぱだと思うのです。この予算編成の段階で政府と与党とが密接な連絡をとり、野党といえども皆さん方の予算編成権に干渉するのでなくて、国民の意向を伝えるために、予算編成である段階に大蔵省に参ることがあります。で、どうもその際に与党と野党とを区別する傾向がある。で、私は具体的に申し上げますが、十二月の下旬にこの復活折衝の段階に国民の声を体して、野党議員ですが、文教関係や離島振興関係で復活折衝に大蔵省に参ったんですが、与党の委員が行けばすぐ会うのかもしれぬが、まず私は文教関係は村上次長、相沢主計官、こういう人に会ったわけです。政務次官にも会いました。大蔵大臣は多忙だと思ってまあ遠慮をしたわけです。こういう人はメモを取って聞いてくれたわけですが、しかし離島関係なんかになると、どうしても主計局長でなければいかぬと思って主計局長のところに参ったわけです。主計局長は上衣を脱いでおってそうしてちょっとトイレットに行くと言って出て行かれた。それで僕はぜひとも最終段階だから主計局長に会わなければと思って待つこと一時間、ついに帰られなくて僕を煙に巻いた。そのことは総理がかって国会でトイレットに行くと言い与党の応援のもとに国会から抜けたことがあるのですが、まさにこれは僕は総理級だと思う。(笑声)先ほども主計局長は荷物を持って出かけようとする。どうもその格好からまた帰るなと思って、僕はさっき荷物を置いていきなさいと言ったんだ。声の大きい者は大体善人だといわれているのですが、だから僕はあなたを特にどうだといじめようとは思いませんが、しかし少くとも僕ら予算編成権に干渉するわけではないのですが、いろいろ意見はありますよ、国民の代表として。だからどの程度受け入れるか、受け入れないかは別として、どなたにも——いやしくもまた国会議員だったらひとしく誠意をもって、局長以下士計官、各公務員は接してもらわなければならぬと思う。若干その点僕は心がけが間違っているのじゃないかと思いますから、分科会を終るに当って、今後のこともありますから、別に私はあなたをにくんでいるわけではないんだけれども主計局長所見を特に僕はただしておきたい。
  157. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまお注意をいただきまして、これからよく気をつけるようにいたします。ただ仕事の上ではいろいろあっちこっち飛び回ることがあるものでございますから、そのためについ失礼をいたすことがありますので、できるだけ気をつけまして失礼のないようにいたしたいと思います。
  158. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) なるほど今のお話を伺いまして、大蔵大臣としても十分責任を感じますし、ことに主計官その他メモを取っていたということでございますから、いわゆる与野党の区別をするというような考えのないこと、これは御了承いただきたいと思います。また主計局長自身は、矢嶋さんもおっしゃるように、本来声も大きいし善人でございます。この意味においてたぶんお許しいただけるだろうと思います。非常に多忙の際でございますので、部屋をちょっと出て便所に行く、すぐ帰るつもりのものが廊下ですぐ呼ばれて大臣のところにくるとか、そういうようなことが間々ありまして、そういうような際にすぐ、申しわけがないが今こういうことでこちらに行っているから矢嶋先生に断わってくれとでも注意すれば、それはもう万会でございますが、そういうところまでつい気がつかないというか、おそらく多忙にまぎれてやったことでございましょう。これはもう本来は声の大きい善人でございますから、その点どうか御了承いただきまして、私も十分注意をいたすつもりでございます。    〔副主査退席、主査着席〕
  159. 平林剛

    平林剛君 私は先ほど政府関係機関の予算総則についてお尋ねいたしたのでありますが、時間が少なかったことと、それから国鉄や電電公社の関係者は仲裁裁定の関係で他に出られましたから、十分意を尽すことができませんでした。ただ、この予算総則について、専売公社の副総裁に十分これを検討すると答えてもらっただけであります。  そこで、資料の要求をしておきたいと思います。三公社の今日までの業績賞与の実績、それから支払ったときの大体の基準はどこにあったか、これを文書で資料として提出をしていただきたい。  それから第二に、予算総則にうたわれておる「経費予定より節減したとき」とはどういう場合であるか。想定し得る各条件については文書で明らかにしてもらいたい。  第三は、職員能率向上による企業経の改善とは具体的にどういう場合があるか。三公社の現在において想定し得る条件、これを文書で出していただきたい。  それから第四は、予算総則第九条、第十七条、第二十六条について、今日三公社が検討をした見解、あるいは特別の給与支出をする場合の基準要綱、これがあれば文書で提出をしてもらいたい。なければないと明記してもらいたい。  第五は、その他この該当予算総則条項を円滑に実施するために必要な見解があれば、これも文書で出してもらいたい。  これについて検討をするまでにある程度時間がかかることは了承いたしますが、なるべくすみやかに提出をしてもらいたい。  以上であります。確認をしていただきたいと思います。
  160. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまお申しつけの資料につきましては、これは私どものところだけでできるものではございませんけれども、公社等あるいは関係省と御相談いたしまして、できるだけ早く整備するようにいたしたいと思います。
  161. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) それでは以上をもちまして、本分科担当事項であります昭和三十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管文部省所管厚生省所管及び労働省所管に対する審査は全部終了いたしました。  分科会運営上とはいえ、主査は若干失礼なことを申し述べましたにもかかわらず、各委員並びに大臣を初め政府委員の御協力をいただいたことを御礼申し上げます。  予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、慣例により主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  162. 矢嶋三義

    主査矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さようにいたします。  本分科会はこれをもって閉会いたします。    午後一時三分散会