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1959-03-25 第31回国会 参議院 予算委員会第三分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月二十五日(水曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————   委員の異動 本日委員吉田法晴君辞任につき、その 補欠として田中一君を予算委員長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    主査      森 八三一君    副主査            近藤 鶴代君    委員            植竹 春彦君            小山邦太郎君            片岡 文重君            北村  暢君            鈴木  強君            田中  一君            千田  正君   担当委員外委員            栗山 良夫君   国務大臣    農 林 大 臣 三浦 一雄君    建 設 大 臣 遠藤 三郎君   政府委員    農林政務次官  高橋  衛君    農林大臣官房長 齋藤  誠君    農林大臣官房予    算課長     丹羽雅次郎君    農林省農林経済    局長      須賀 賢二君    農林省農地局長 伊東 正義君    農林省振興局長 増田  盛君    農林省畜産局長 安田善一郎君    農林省蚕糸局長 大澤  融君    農林水産技術会    議事務局長   小倉 武一君    林野庁長官   山崎  齊君    水産庁長官   奧原日出男君    建設政務次官  徳安 實藏君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設大臣官房会    計課長     南部 哲也君    建設省計画局長 美馬 郁夫君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君    建設省営繕局長 櫻井 良雄君   説明員    大蔵省主計局主    計官      松永  勇君    大蔵省主計局主    査       宮崎  仁君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十四年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 森八三一

    主査(森八三一君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  昨日に引き続きまして農林省所管を議題にいたします。  御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
  3. 北村暢

    北村暢君 昨日、農林金融の問題についてお伺いいたしましたが、途中で切れたような形になっておるわけでございまするが、金融問題は、簡潔に大体終りたいと思いますが、最後に一つだけお伺いしておきたいのは、農林中金系統資金と、公庫制度資金との金融問題の錯綜している問題について、この金融問題の実態について今後検討する必要があるのじゃないか、さらにまた、この金融問題に関連する債務保証関係のいろいろな機関、いろいろな法律によっていろいろな債務保証制度機関があるわけですが、これらも並行して、実際に農民が運営できる制度として自作農維持資金の問題にしても、農家の経営が安定するような計画というものがなければ遺憾なことになる。実際になかなかむずかしい問題を含んでいると思う。いろいろな、こういう今申したようなことを含めまして、農林金融全体について再検討を必要とする、こういうふうに思われるんですが、当局としてその問題について検討する用意があるのかないのか、これはまあ金融面ばかりでなしに、全体の補助金の問題とも関連するわけですが、これらの一連の補助金なり、あるいは農林金融の問題なりについて検討をする用意があるのかどうか、この点一つお伺いしたい。
  4. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 農林金融につきましては、ただいま御指摘のごとく公庫の融資、系統資金を原資といたしまして、農林中金金融、さらにそれに各種制度金融が加わりまして、非常に錯綜いたしておりますることは御指摘通りであります。昨日も申し上げましたように、昨年来、農林省といたしましても、この問題の検討に義手をいたしまして、事実上の協議会でございまするが、農林漁業金融協議会を組織いたしまして検討を進めておるわけでございます。現在の段階は、いわゆる交通整理と私どもは俗称いたしておりますが、各種金融交通整理を目下具体的に検討いたしておるわけでございます。あらかたの中間的な考え方整理も一応はできておるのでございますが、さらにこれは現在の農林中金、あるいは公庫、あるいはさらに下部段階といたしましては信連、単協等農林金融を担当いたしておりまする機関あり方とも関係いたす問題でございまするので、目下その点につきまして、団体側とも意見を交換しながら検討を進めておる段階でございます。できるだけ早く一応の整理をいたしまして、農林水産委員会等の場におきましても、いろいろ御批判をいただきたいと思っておるわけでございます。農林省といたしましては、目下この問題に積極的に取り組んでおる段階でございます。
  5. 北村暢

    北村暢君 次に、中央卸売市場の問題についてお伺いしたいのでありますが、現在、農林水産物の流通についての改善対策として、昨日、大臣から臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会というものを設置して、根本的にこの問題の検討をする、こういうことを言われまして、現に法案もすでに通過したかとも思いますが、出ておるわけでございますが、こういう法案が出ているやさきに、実は私ども非常に奇怪な事態があることを知ったわけなんでございますが、昨年の八月ころかと思いますが、局長通達をもって、中央卸売市場卸売人単一でなければ認可をしないのだという方針通達したということを聞いておるのですが、その通達を出したか出さないか。その内容についてちょっと御説明を願いたい。
  6. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 通達日付等は、目下通達を取り寄せておりますので、それが届きましてから正確なところを申し上げたいと思いますが、御指摘の点は、これは八月……、もう少しさかのぼっているかもしれませんが、昨年、農林経済局長から関係府県に対しまして通達を出しております。その趣旨は、今後、新規開場をいたします中央卸売市場につきまして、できる限り単一卸売人入場をするように、市場開設者としては御指導を願いたいということを申し勧めたものでございまして、特に指図をいたした趣旨のものではございません。卸売人単複論は非常に長い期間にわたりまして議論のあった問題でございますが、現在、農林省といたしましては、できる限り単数であることが好ましいという基本的態度をとっているわけでございます。従いまして、新規開場いたします——具体的に申し上げますと、札幌仙台、その他の卸売市場でございますが、この新規開場する市場についてはできる限り一つ単数入場するように指導してもらいたい、そういう趣旨通達を出しておるわけでございます。
  7. 北村暢

    北村暢君 その単一化、単複論はあるところでして、これは私は今度の調査会の重要な一つの論議の中心になる問題だと思っているのです。従って、この調査会結論が出ないうちに、現行法規定からいくというと、単一でなければならないということはもちろんないし、また単一が望ましいということでもって、これを指導するということについては、これは農林省考えとしてか、公取意見というものを徴して、そういうふうな指導をされたのか、この点一つ
  8. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 現在の中央市場卸売人に対する指導方針といたしましては、現在の中央卸売市場法そのものには、単一でなければならないという規定は御指摘のごとくございません。ただ中央市場法に流れておりまする考え方といたしまして、これは数年前の法律改正でございますが、中央市場の中に入っておりまする複数卸売人が合併をいたします場合には、独禁法規定の排除をいたしたわけでございます。その趣旨も、できる限り少数の卸売人取引されることが、中央市場あり方として望ましいという考え方に立っておるわけでございます。従いまして、もちろん新しく設けられまする調査会におきましても、さらにこの単複の問題は議論をされることは十分予想されるわけでございますが、少くとも現在まで農林省がとっておりまする考え方は、ただいま申し上げましたような考え方に立っておりますので、その考え方に基きまして、新設市場に対する卸売人あり方について指導をいたしております。なお、公取との関係は、単数入場のいわゆる抽象的な方針につきまして、公取と完全に意見が一致いたしておるというわけでございません。これはその場合その場合の具体的な問題として協議をいたしませんと、公取の方でも取り扱いにくい性質のものでございまするので、具体的な問題となりました場合に、そのケースケース公取協議をすることにいたしておるわけでございます。
  9. 北村暢

    北村暢君 そこでお伺いしたいのは、具体的に、それではそういう単一指導をしているにかかわらず、申請に対して、複数申請があったという場合に、これは指導もそうなんだからといって、理由のいかんを問わず、複数認可申請をしてきたものについては認めないという方針でいくのかどうか。
  10. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 仮定の問題として申し上げますことは、問題の性質上、非常にむずかしいわけでございますが、今具体的になっております問題は札幌の問題でございます。これにつきましては、御指摘のごとく、まだ必ずしも話が十分にまとまらぬのでございますが、私の方では、複数でできた場合に、一方しか認可しないというようなことではなく、これについては若干時間がかかるかもしれませんが、複数申請にならないように市場開設者の方で一つ極力調整をしてもらいたい、そういう態度農林省も目下交渉をいたしておるわけであります。
  11. 北村暢

    北村暢君 それじゃ具体的に札幌という問題が出て参りましたので、この札幌の問題でお伺いいたしますけれども札幌は実際は三社があって、そうして三社でやっていくという考え方があるにかかわらず、農林省指導方針単一だからということでもって、開設者である市長は強引に合同をして、一本化してやるような圧力を加えておる、こういう事実があるのであります。従って、その圧力に対して、三社のうち二社は、それではまあやむを得ないということで、一本になるような空気になったんだが、それで公取に照会したところが、公取はこれに対して、一本でなければならないということを、まあ半強制的にやるということについては賛成しがたい、意見等を公式の場で求められれば、これは一本でなければならないということに同意しがたいというような意見があった。そこで札幌の場合、他の二社も、これは正当な要求として、三社でも入場し得るんだ、こういうことで一本になることが非常にむずかしくなってきた、こういう状態になっておるようであります。それに対して市長は、強引にそれをまたさらに一本にやる。しかも他の二社に対しては、どうせ三社でいっても一社しか認可しないんだから、他の二社というものは、これはお前たちはだめになるんだ、こういうようなことまで言ってやっておる。しかも市長選挙というものを目前に控えて、実は任期中にこの市場というものの開設を終らしていこう、こういうようなことで、今強引にそれを推し進めておる。しかも入場者がきまらないのに開場式をやろうとしている、こういう実態があるわけです。しかもその一本にまとめようとするその一社が、非常に好ましくない人である。とにかくこの人の名前は差し控えますけれども卸売人としての信用状態からいって、決して好ましい人ではない。いわば好ましくないということは、これは具体的にちょっとこういう席ですから私は申し上げませんけれども、とにかく好ましくない人であるようです。その人が一社として認可をされる、こういうような問題があるようでございます。従ってこの問題については、すでに札幌市場施設というものは、昨年の八月に完成して、すでに半年も入場しないであいている、こういうような実情のようです。従って、今、経済局長から、少々延びても、一本になって出てくることが望ましいんだ、こういうことでやっていく限り、これは相当長引くんじゃないかということが想像せられるので、私はこの指導方針がそうだからということで、このことを圧力を加えたような形で処理するということについては、現行法の建前からいって、ちょっと行き過ぎではないか、こういうふうに考えるわけです。従って、その点についての御意見をお伺いしたい。
  12. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) ごく最近の現地の模様につきましては、直接、市当局から連絡を受けておりません。私も承知をいたしておりませんが、過般、札幌市長相談をいたしました結果は、札幌市長も、ある程度時間がかかるかもしれない、四月一日開場ということを強行するというような考えではないように私は聞いておったわけであります。いろいろ圧力が加わっておること等の表現もございますが、市長といたしましては、当初から市長が持ちました方針によりまして、極力努力をいたしておるわけであります。私どもも、場合によりましては農林省も一緒に、現地の取りまとめに努力をしなければならないと思っておりますが、現在の段階は、市長努力にお願いをいたしておるわけであります。なお、公取との関係でございますが、この点のことにつきましては、私も数回、公取当局と打ち合せをいたしております。公取当局といたしましては、現段階において、本件に関する具体的な意見の表明はなさらないような態度を持しておられるようであります。
  13. 北村暢

    北村暢君 それは、局長はそういうふうなことで調査されておるようでございますけれども、私は札幌市長高田さんという人は非常に温厚な人で、紳士であるし、信頼できる人だ、りっぱな人だと思っております。しかし、その今指定を受けようとする卸売業者というのは、先ほど言ったように、非常に好ましくない人である。しかも、この人が実は高田さんの、市長ブレーンであることは、これははっきりしている、その点は私どもははっきり知っておる。そういうブレーンであるのだが、高田さんはりっぱなのだが、卸売業者としては、私は基本問題として調査しようとしている市場そのもの封建性なり、あるいは今後の刷新をしていくなり、卸売市場としての公正な取引をやる、また公共性の非常にあるこの市場を刷新していこうという考え方にどうも合致しない人である、にもかかわらず、その人が非常に圧力を加えて、この人が認可を受けなければならないというような形にいっておる。これは私はそういう点からいって、この人は、経済局長としては人の問題でなくして、単一としての問題で実は事を進めておられるだろうと思うし、またそうでなければならないと思うのだが、私どもの聞いた範囲では、そういう問題も内在をしている、こういうふうな点からいって、非常に札幌の問題は内情が複雑だと思うのです。従って、農林省指導方針である単一ということと、単一の裏に隠れた内在した問題があるので、これは私は慎重を要する必要があるし、また、札幌事情が三社があって、信用程度その他からいって、どうしてもあとの二社というものが不つり合いだ、不適当である、こういうことでもないようだし、地方実情からして三社でなければならないということであるならば、強引に、市長が時をかしてくれれば、私は政治力なり何なりでまとめるとか何とかいう強硬手段でやるということは、私は望ましくないんじゃないか、こういうふうに思うのです。従って、やはり行き方としては、その地方実情単一が望ましいといっても、単一になり得ないような実情があるときは、これはやはり地方実情というものを認めるべきじゃないか、画一的な単一ということで押し通すことについては、私は疑義があるのではないか、こういうふうに思うのです。  それから続いて、札幌の問題ばかりでなしに、仙台は一体どうなっておるか、和歌山卸売市場はどうなっているか、これについて簡単に御説明願いたい。
  14. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 札幌の件につきましては、特定の個人に触れての御質問でありますので、それらの点につきまして私どもの方から考え方を申し上げることは差し控えたいと思います。ただ、今後の取り進めにつきまして、私どもといたしましては、単一入場を期待しております基本考え方は変えておりません。実際の具体的の取り進め方につきましては、御意見等も十分心得まして進めていきたいと思います。なお、仙台和歌山はまだ私どもの方に具体的に話が持ち込まれておりませんので、御説明を申し上げるまでの段階になっていないわけであります。
  15. 北村暢

    北村暢君 仙台申請がないのですか。
  16. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) まだ現在の段階ではございません。
  17. 北村暢

    北村暢君 仙台市場施設が完了をして相当の年限たっているわけです。市当局としても、実際は市が借金して施設をしたのでありますから、それを一年も二年もということになると、資金の償還はしなければならない、市場使用の料金は入ってこないということで全く困った状態にある、このことは御存じないですか。
  18. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 仙台市当局といたしましても、中央市場開設を急いでおりますことは十分承知いたしております。そこに入場させる卸売人の具体的な扱い方につきましては、まだ市当局から具体案をもっての申請はございません。
  19. 北村暢

    北村暢君 これは当事者がおればわかるわけなんですが、実際に具体的な申請なり何なりない、こうおっしゃるのですけれども仙台の場合は、これはもう施設ができて二年以上開設しないでしよう、そのことは知っておりますか。
  20. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 承知いたしております。
  21. 北村暢

    北村暢君 そういう二年以上も施設ができて開場しないでいるという、それは農林省にこないのじゃなくて、話がつかないで、市場当局としては憤然として帰ってきているのです。全然話がないわけではない、きている、きているけれども農林当局が非常に話のわからないことで、一方的に押しつけるものだから憤然として帰ってその話がつかないでいる、そういう実情でないですか。
  22. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 私は仙台市当局と、入場の具体的な、たとえば何のだれそれをどういう形で入場させる、現在ある入場前の卸売人扱い方につきまして、具体案をもっての御相談は、私といたしましてはまだ受けていないのであります。
  23. 北村暢

    北村暢君 非常に奇異なんですが、局長が知らない、これは大臣御存じですか。
  24. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) 私は全然まだ聞いておりません。
  25. 北村暢

    北村暢君 当然、将来中央卸売市場になるであろう施設が、二年以上たったままで人が入らないで遊んでいるのですよ。そうして市当局はそれを建設するために資金を借りたり何なりして非常に苦労をして、市議会に答弁するのに非常に困っている。一銭の使用料も何も入ってこないのです。そういう非常に困った事態に追い込まれているのだが、農林省はこれに対して、相談が、今、局長のところへきていないから何も知らないと、こうおっしゃっておられる。実際はそうでなくして、農林省へきたのだけれども話が合わないので、もう農林省と話したって話にならぬということで、局長も知らないのであれば、担当課長がきているようでございますから、担当課長から、どういうふうなことになっているか、これは私は知りません、存じませんで済む問題ではなくして、二年間も公けの施設農林省と話し合いがつかないために遊んでいるという事態は、これは私は大問題だと思う。これは仙台市からいわせれば、市民の血税をもって作っているものですから、それが正規の卸売市場として開設されないでいるという事態は、これは非常に大きな問題だと思いますので、一つ担当課長から説明をして下さい。
  26. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) おそらく相当以前から下打ち合せのような意味においての話は、あるいは担当課長のところまで参っているかもしれません。私の手元で具体的に判断をするという段階にまでは参っておらぬわけでございます。下打ち合せの程度でございますので、さらに私の方で、直接、市当局を早急に呼びまして、その辺の事情につきまして、さらに詳細に私自身取り調べまして、別の機会にお答えいたします。
  27. 北村暢

    北村暢君 仙台の問題については、これは大きな問題でありますけれども局長大臣も知らないというのですから、これは私は知らないものを請求してもしようがないのですが、そういう実情だけは一つ理解願いまして、早急にこれは善処願って、農林水産委員会等に私は報告していただきたい、こういうふうに思います。  それからもう一つは、先ほど来、局長単一指導方針は変えていない、これはそういう考え方を変えていないということでいっておりますけれども、そういう結論を出してやるのだったならば、相当早い機会にこれを出しておいてやらないというと、すでに申請中のものが相当数ある、どのくらいありますか。
  28. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 現在申請中のものはございません。
  29. 北村暢

    北村暢君 私の聞いた範囲では十二の都市から新設認可申請が行われている、こういうふうに聞いているわけなんですが。
  30. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 御質問趣旨は、既存の市場におきまして新たに入場を希望するという意味においての申請かと思いますが、私が承知いたしておりますものはございません。ただ、これはなお詳しく調べまして、別の機会にお答えいたします。
  31. 北村暢

    北村暢君 これは現在の中央卸売市場法施行規則によって、農林大臣の認定による都市であれば、申請があれば認可するということになるわけですから、単一でなければならないという形で指導するのであったならば、これは市場なら市場建設というものをしない前に言っておかないというと、どこどこの市場建設について、あらかじめ準備はしてやってきたが、農林省方針と一致しないで、申請認可できない、こういうことでは非常に行政混乱が起る、こういうふうに思うのです。そうなれば、私は調査会ができるのですから、それの結論が出るまで一つ申請は見合すなら見合してくれ、こういうような行政指導でもしない限り、札幌仙台のような問題が次々に起ってくるのじゃないか、こういうふうに想像せられる。ですから当局としては、単一でなければならないという現在の法の解釈からいって、そういう解釈をすることが非常にむずかしいにもかかわらず、そういう指導をするということの方針で強硬にいって、複数制というものが、申請規定単一になるまで待つといったような形で、これを指導しようということになるというと、これは非常に混乱が起るのじゃないか、こういうふうに思うのです。従って、私は現行法がある限りにおいては、やはり現行法に合致したところの運営というものをやるべきで、勝手に農林省解釈して、単一でなければならないというような、しかも非常に強制的なような指導をやっている。これは非常に慎しむべきでないか。農林省担当官地方に出張してそういう圧力を加えている本人はそのような気持でないかもしれないけれども地方に行きますというと、非常な圧力を感じておるようであります。そういうことは、少くとも独禁法公正取引趣旨からいっても、私はこれは許されないのじゃないか、こういうふうに思いまするので、一つ今後の運営についての所見を承わっておきたい。
  32. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 先ほども申し上げておりますように、単一入場という基本的な考え方につきましては、これは通牒を出しましたのが三十二年の十月でございますが、この際の表現といたしましても、「最近における東京神田青果株式会社の例もあり、既設中央卸売市場卸売人の業務及び経理の状況よりして、新設中央卸売市場については、卸売人の員数を取扱品目部ごとに一市場一人制とすることが適当と思われるので、この方針にそって」善処してもらいたいという趣旨の申し入れをしておるわけでございます。従いまして、基本考え方につきましては、今後もこの方針で参りたいと思っております。これは具体的なケースになりますと、現実にいろいろ複雑な問題があるわけでありまして、その処理につきましては、十分御注意の趣旨等も汲み入れまして進めて参りたいと考えております。
  33. 北村暢

    北村暢君 先ほど和歌山事情はお話にならなかったようでありますが、和歌山のような極端な事態というものは私どももこれは適切でない。もちろん適切でないと考えておりますけれども、二社もしくは三社が入るという程度のものが、これがしかも地方実情によって申請してくるものに対して、単一でくるように半強制的な指導をする、これは私は行き過ぎではないか。実情に応じてそういう指導はしているけれども、どうしてもやむを得ない地方実情があるときには複数制でもこれを認可すると、こうおっしゃるのならわかるけれども、あくまでも単一になってくることを待っておるのだ、こういうことになれば、農林省圧力を加えたと言わざるを得ない。しかももう施設ができて半年以上も遊んでおる。ああいう大きな施設を半年も一年も遊ばせるということ、もう仙台のごときは二年以上も遊んでおる、こういう事態というものは、私はこれは許さるべきではないのじゃないか、こういうふうに思います。従って、農林省指導のようにいかない限り、何ぼでも時間をかけても待つというこの考え方というものは改める必要があると思う、こういうふうに思いまするので、一つこれは大臣からお答えをいただきたいと思います。
  34. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) 和歌山事情等、具体的によく事情をきわめておりません。何とも私から申し上げかねますが、担当の局長から一応説明いたさせます。
  35. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 和歌山の問題は、遺憾ながら私も全然まだ和歌山市当局とも会っておりませんし、具体的にどういうことになっておりますか、私はこの問題につきましては一回も市当局相談したことはございません。従いまして、具体的な内容について御答弁申し上げることはできないわけでございます。ただ、ただいま御指摘の中に、現地事情によっては複数でも認めたらよろしいのではないかという御趣旨がございましたが、この点につきましては、先ほど来申し上げておりまするように、現地実情によって適当に処理をするという考え方農林省といたしましては持っておりません。その点は御意見が食い違いますから、遺憾ながら御了承願いたいと思います。
  36. 北村暢

    北村暢君 それでは札幌の場合は、どうしても単一になってこないというと認可をしないのですか。
  37. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 単一申請をしていただくように市当局と回を重ねて協議をいたしておるわけです。
  38. 北村暢

    北村暢君 そういうことが望ましいということだけで、どうもわからないのですがね。納得いかない。
  39. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) この問題は非常に複雑な問題がございまして、こういう公けの場で、しさいにわたって御説明申し上げることは必ずしも適当でないのでございまして、もし御了解得られますれば、また別の機会に、実際の状況につきまして具体的に御説明申し上げたいと思います。
  40. 北村暢

    北村暢君 私はそれはおかしいと思うので、法律の建前からいってですよ。中央卸売市場法の第三条の第二項に、「開設者中央卸売市場ニ於ル業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要アルトキハ業務規程ヲ以テ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ数ノ最高限度……ヲ定ムルコトヲ得」ということになっている。それでいきますというと、これは単一でなければならないということにはならないわけですよ。そういう法律の建前を無視して、指導方針がそうであるからといって、地方実情を無視して、どうしても単一でなければ認可しないのだという、こういう考え方というものは、私は法律に抵触するんじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
  41. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 御指摘のごとく中央卸売市場卸売人の数を幾つにするかということは、これは市場開設者がきめるわけであります。従いまして、単数入場させるか、複数入場させるかということは、市場開設者卸売人の数をきめることがまず前提になるわけであります。その数のきめ方につきまして、中央卸売市場指導方針等を勘案しながら市当局協議をいたして、そういうことを進めておるのであります。
  42. 北村暢

    北村暢君 今おっしゃるように、この数というものは農林省がきめるのじゃなくて、開設者である市当局がきめるわけですよ。それに対して、農林省単一でなければ認可をしないという指導方針を出して、しかも地方実情を無視して、いかなる場合があっても単一でなければ認可をしない方針で、単一になって出てくるのを待っているのだと、こういうふうな答弁でありますが、これは私はちょっと行き過ぎじゃないか、こういうふうに思う。しかも実情からいっても、札幌がその問題で悩んで、施設ができて遊んでいる、仙台もそのようである。こういうような実情を、都市の順位からいっても、札幌仙台というのは、今後新しく中央卸売市場開設される順位からいえば、相当早い機会に、順位からいっても早くしなければならない順位にあるものなんですね。そういうことでは、札幌の例が特殊な事情があってというならば、それはそれでもいいかもしれません。しかしながら、法律解釈の上からいって、単一でなければ、それの出てくるのを待って、そういう指導をして単一になることをもって認可するんだ、それが出てこない限りは、下部で調整してもらって、時間をかけてやるんだ、こういうことは私は法律解釈の上からいってまずいのであって、地方実情によって単一指導しているけれども、それが望ましいけれども、できない場合においては、これは単一でなくとも認可することがあり得るというならば、法律の精神からいってあるいは妥当な答弁だと思いますけれども、どうしても単一でなければ認可をしないという行き方というものについて、私は非常に疑義がある、これは押し問答していてもつまりませんけれども、もう一度、一つこれをはっきり答弁しておいて下さい。
  43. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 単一でなければ認可をしないという言い方は私の方としてはいたしておりません。認可をいたしますのは適格者を認可いたすのであります。先ほど来申し上げておりますように、単一入場が今後の市場あり方として好ましいという考え方農林省としてはとっておりますので、単一申請をしてもらうように市場開設者にいろいろ指導しておるのでございます。その他の点につきましては、先ほど来申し上げております通りでございます。
  44. 北村暢

    北村暢君 そういう場合に、そうすると、実情からいって、開設者が決定する場合に、関係卸売業者がどうしても三社あるいは二社、こういう複数制できた場合に、どうも工合の悪いことには、開設する以前の問題でありまするので、公取委に持ってくる場合にも申請のしようがないわけです、以前の問題ですから。これは独禁法違反ではないかと、こういうことでもって公取委に持ち込むことすら、ちょっとできないのです。公取委に持ち込むことすらできない、こういう状態にあるのですね、新設の場合は。それが実際に申請を、何といいますか、そういうことが拒否せられたという事態がはっきり起ればいいのですけれども申請する以前の問題だということになると、まだ話し合いだということでもって、入場希望者が一方的に押えられても持って行くところがない、こういうものはどうだろうかと、公取委の内輪の意見を聞くことはできるけれども、正式の手続として公取委に持ち込むことすらできない。そういう中で、農林省が一方的にそういう指導をするということは、私はちょっと行き過ぎではないか、こういうふうに思うのです。ですが、この点はあまり時間もかかりまして、何ぼやっていても意見が合わないようでございますから、またの機会にやることにいたしまして、この問題はこれで終りたいと思いますが、ただ一つ、こういう問題は農林大臣にも、事情を知らない、知らないでは困りますので、これは現実に起っておる問題、たくさん、三カ所ばかりあるわけです。中央卸売市場の問題は、大臣のこの予算編成の方針の中からいっても、農林水産物の流通消費という面についても、これは非常に大事なことです。それが今まで非常に抜けておったために、中央卸売市場法そのものも大正十二年からの古い法律でやって、今度ようやく調査会を持って、基本的に根本的に改正をするための準備をすると、こういうことなんです。非常に立ちおくれの問題なんです、この問題は。ですから農林省としても、この実情を聞いてないとか、知らぬ存ぜぬでは困るのでありまして、これはよほど調査をされまして、札幌なり、仙台なり、和歌山の問題なり、これはやはり農林省として監督権があるという問題でございますから、監督しておるのですから、監督権限に基づいて、すみやかに処理をされるように一つ要望をしておきます。  次に申し上げたいことは、国有林の民有林協力という問題が、この方針の中で出てきているわけでございます。これに対して一般会計から公庫に七億の出資をして、融資の造林を行う、それから関連林道として国有林野特別会計に七億八千九百万の関連林道の実施を行う、これを森林開発公団に委託実施をするというようなこと、それから育種事業の強化をするために国営の育種場を設置する、あるいは国有林の地元山村民の振興対策として、共有林野制度その他の施設を拡充強化する、こういう方針を承わったのでございますが、まず第一番目に融資造林というものが、七億特別会計から一般会計に繰り入れて、さらにまた一般会計から農林漁業金融公庫へ七億出資するようでございますが、これについて公庫法の改正も行なって、二十年据置の十五年均等償還、こういうことのようでございますが、これはどのような形で運営をされるのか、その内容について御説明を願いたい。
  45. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) この長期の据置融資の運用につきましては、農林漁業金融公庫の業務方法書によって決定するわけでありますが、その考え方といたしましては、対象を市町村それから森林組合あるいはまた農協関係等、それと私有林の所有者に対しましては、小面積の所有者を対象とする——これは面積四、五百町歩というふうに考えております。そういう小さな所有者というものを対象にして二十年据置の融資をして参りたいと考えておる次第であります。
  46. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、七億というのはひもつきでやるわけでございますか、それとも今年の公庫の貸付計画によりますというと、林野関係は四十二億かと思いましたが、この四十二億の内訳は一体どういうふうになるのですか。
  47. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) 四十一億八千万円でございますが、その内訳は、造林が十一億九千万円、林道が十億六千万円、伐採調整が十九億三千万円でございます。
  48. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、造林の十一億九千万円という中にひもつきの七億というのが入っておる、こういうふうに理解してよろしいのですか。
  49. 須賀賢二

    政府委員須賀賢二君) ひもつきというのはまずいようですが、七億入っております。
  50. 北村暢

    北村暢君 ひもつきはまずいそうですが、そうすると十一億九千万円全部が二十年据置、十五年均等償還ということになりますか。
  51. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 従来金融公庫から造林に対して融資しておりました、御存じ通り輪伐経営ができますような大所有者あるいはパルプ会社、その他の大会社に対しましては、従前から五年据置の融資をいたしておったのでありますが、そういう対象に対しましては、今後とも二十年据置という制度は適用しないという考え方で進みたいと思っております。
  52. 北村暢

    北村暢君 そうすると、どうもはっきりしないのですが、七億と十一億九千万のうちに五年据置のものと、それから二十年据置のものと内容的にあるわけでしょう。
  53. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 十一億幾らかの中で二十年据置という制度を適用いたしますものは、現在では七億を予定いたしまして、二十年据置という制度を適用しない融資のものが四億余あるという予定になっております。
  54. 北村暢

    北村暢君 そうすると、ひもつきというのは、うまくないのだというけれども、七億ひもがついていっておるのではないか。そこにひもつきがまずいということは、どういう意味ですか。
  55. 齋藤誠

    政府委員(齋藤誠君) ちょっとその間の経緯につきまして、私から補足的に御説明申し上げたいと思います。  今、北村委員の御質問の、ひもつきというのはどういう意味であるかというお話ですが、私ども明確に理解いたしていないかもしれませんけれども、かりにひもつきという意味が林野の特別会計から一般会計に繰り入れる、そしてそれを公庫に造林のために融資をする、こういうふうな条件付の、特別会計から一般会計に繰り入れ、一般会計から公庫に対する出資だと、こういうのを、ひもつきであるという意味でありますならば、そういうことではないのでございまして、特別会計は特別会計として一般会計に歳入として繰り入れる、同時に一般会計からは公庫に出資をする、こういうことにいたしておるわけでございます。ただ今回、予算書にも出ておると思いますけれども、特に造林融資のために一般会計から出資をする、こういうことにいたしたのでございますけれども、それは先ほど来、林野庁長官から御説明があったように、最近における造林の融資面におきまして償還条件等が一つのネックになっておる。従って、これを緩和いたしますならば、相当融資によって造林が促進されるであろう、こういう見地に立ちまして、特に一般会計から公庫に造林のための出資と、こういうことであるわけでございます。ただ、お話のひもつきというのが私の理解するところでありますならば、そういうひもつきはないわけでございます。
  56. 北村暢

    北村暢君 大体わかりましたが、そうすると、従来のこの公庫の造林融資というものは昭和二十六年から現在まで約三十四億二千五百万くらいある。公庫は造林のために融資をやっておるわけでございますが、それの区分が森林組合に対して三五%、個人に対して一五%、会社が五〇%、こういうことに大体なっておるようでございます。従って、この会社というのは、主としてパルプ会社に長期低利資金である制度資金がいっておった。こういう弊害を改めるために、長官が説明されておるように、年間約三億か四億かの融資をしておったわけですが、そのうち五〇%以上のものを会社が占めておった、これではやはり民有林における零細な森林が振興しない、こういう考え方から、今度の七億の低利長期資金というものは市町村森林組合、あるいは私有の小面積の所有者、こういうものに重点を置いてこの融資をするのだ、従来のこの七億以外の四億九千万円か、あるものについては従来通りの融資をしていく。ここの区分が非常に同じ公庫からの融資であって区分がはっきりしないわけでございますけれども、この運用については私は若干問題があると思いますけれども、大体説明がありましたので一応了解しますけれども、希望を申し上げておきますというと、先ほど申しましたように、従来の貸付の形が、組合なり個人なり、非常にそういう方面にいってなかった、これを撲滅するための特別な処置というふうに理解をしておきたいと思います。  次に、関連林道の問題でございますが、特別会計で七億八千九百万円の林道開発をやる、国有林隣接の民有林林道の開発をやる、これを公団にやらせるのでございますか。伺いたいのは、この森林開発公団が発足した当初の行き方というものは、剣山と、それから熊野の非常に民有林として開発するのに公団等をもってやらなければ資金の面から何からいって非常に開発できないというようなところに限定をして公団というものが発足をした。それを今度国有林関連林道として民有林の林道開発をやる。この場合に森林開発公団が委託実施をやる。こういうことになりますというと、これは場所によって適当なところもあると思うのですが、この方針を将来ずっととっていくおつもりなのかどうか。これは地域的にいって、どこの地域でも適当なところがあれば、どんどんやっていく。こういう考え方なのか、どうなのか、この点をお伺いいたしたい。
  57. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 関連林道の考え方につきましては、林道開設というものが、一般の道路で申し上げますとやはり国道、あるいは県道、町村道というふうに一般の道路は分れるわけでありますが、林道におきましても同様に国道に相当するような、いわゆる基幹線林道、それから出ます支派線としての林道というふうに分れるのでありますが、現在の段階におきましては、非常に大きい流域の未開発地域というものがまだ残されておるのでありまして、林道開発の順序といたしましては、当然この基幹線となる林道を早急に開設しなければいかぬというふうに考えているのでありまして、民有林の林道につきましても、そういう線で補助におきましては一号林道に非常に重点を置いて事業を進めておるわけであります。そういう点からも関連いたしますと、この関連林道を考えます場合にもやはり同じような考え方に立ちまして、その林道の利用区域の面積が国有林、民有林、合せて、一千町歩以上のような大きい流域の、しかも基幹線となる林道をまず最初に取り上げて開設する。それでその次の段階におきまして、その支派線のようなものをさらに取り上げるかどうかということを次の段階検討してきめていくという考え方で、現在の関連林道の考え方は、基幹線林道でその路線数が約四十、延長三百五十キロというものを予定いたしまして、まず四カ年でこれをやるという考え方にいたしておるわけでございます。
  58. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、基幹線林道の開発のために四カ年計画でもって森林開発を公団を使ってやっていこう、こういう考え方と理解していいか。それからまた、受益者負担というものはやはり取るだろうと思うのですが、それはどうなのか。それから完成後の管理はだれがやるのか。この点お伺いいたします。
  59. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 第一の点は、四カ年計画によりまして森林開発公団にこの事業の執行を委託するという考え方で進むつもりであります。  それから受益者負担におきましては、従来の国有林の独自の林道にいたしましても、民有林の中を通る場合が相当多いわけでありまして、そういう場合にはその使用料という形で一定の算式に基きまして使用料を徴収しておるわけでありまして、それと同様な考え方に立ちまして、この受益者負担に相当するものを伐採搬出する際の使用料という形で徴収する、取っていくという考え方で進めたいと思っております。  完成後におきます関連林道の管理はもちろん国有林野事業特別会計において責任を持って管理するという形で進めたいと思っております。
  60. 北村暢

    北村暢君 そうすると、七億八千九百万円で事業を行うわけですが、使用料を取って国有林を管理するということになれば、国有林の収入として入ってくる、こういうことになるわけですか。
  61. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) この工事が終りまして、それを民間人が使用します場合には使用料を国有林自体が取るわけでありまして、その使用料は国有林に収入として入るということになるわけであります。
  62. 北村暢

    北村暢君 次にお伺いしたいのは、国有林は現在合理化を、いわゆる林力増強計画に基いて新経済計画、長期計画に基いて実施されておるようでございますが、これに対して私は農林関係の政策面に現われているように、従来の物量的な増産計画というものから脱皮をして、流通消費という面を十分考え、さらに農家の所得というものを考えて、農家経営というものを向上さしていく。こういう考え方の政策に変ってきているというふうに思うのでございますが、この国有林の経営の合理化計画というものも、当然この農林省考え方というものが生きてこなければならぬ、こういうふうに私は考えるわけでございます。従って、この考え方を推し進めていくというと、国有林の経営の合理化が進むに従って、当然林野事業の近代化なり、技術の革新なりが行われてくる、これは当然であろうと思いますし、また、そのために生産も上る、こういうことは決して反対するものではないのでございますが、そのために事業場の整理統合あるいは機構面における合理化、こういう問題が起ってくる、あるいは非常におくれた原始産業としての林業を近代化するために機械化というものが起ってくる、こういうようなことが出て参りまして、これがひいては労働条件に非常に影響してくる、こういうふうに考えられますが、長期計画の内容を見ましても、需給の面からいく木材の生産というものもほとんど現在の倍近くにもっていこうとして人工造林等も相当飛躍的な拡大をしよう、従って、事業量というものは相当拡大するのじゃないか、こういうふうなことが考えられます。従って、機械化あるいはその他の合理化というものが行われても、私は現在の国有林に従事する労働者の労働の内容は変るかもしれないけれども、そのために人員が極端に減ったりなんかするというようなことはあり得ないと、こういうふうに思っておりますが、この点についてどう考えるか。  それから事業所の整理統合というような面について、人員の配置計画というようなものがこの合理化計画とともに完全にできているかどうか。それから企業の採算制ということからいって、直営生産というものが、どうも赤字になる、従って、これを立木処分に切りかえていく、こういうことも所によってはあるようです。私は一がいにこれがいかぬとは言いませんけれども、しかし、国有林野事業そのものが非常に大きな企業的な性格を持っている限りにおいて、直営生産をやり、造林もみずからやっていくということは、国有林野事業としての企業的な性格を持っているものとして、当然なことだと思いますので、直営生産で赤字になるものが、立木処分に切りかえるとたんに黒字になる、こういうことはあり得ないのでありまして、立木処分に切りかえれば必ずどこかへしわ寄せをして黒字を生み出している、こういう結果にならざるを得ないのではないか、こういうふうに考えられますので、企業採算の上から直営生産を縮小して立木処分に切りかえていくという考え方があるのかどうか、まずこの三点について伺いたい。
  63. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 国有林の林力増強計画の実施に伴いまして、先ほど先生からお話のありましたように直営生産事業、林道、造林、治山事業、これらの各般にわたりまして事業量が相当それぞれ増加するわけであります。昭和三十四年度を見ましても前年度に比べまして直営生産におきましても一割程度の増加になります。また造林事業の新設におきましては、一割弱ではありますが、増加するわけであります。特に林道事業におきましては相当量の飛躍的な増加を見るというふうな形になってこれらの傾向が今後とも継続するわけでありまして、事業量はもちろん増加し、それが安定するという形になるのでありまして、そういう面に伴いまして、雇用量が減少するということはわれわれは考えてないのであります。お話のありましたような機械化という線も今後漸次進めて参りたいと思いますが、機械化ということによりまして、雇用量が減少するという問題ではなしに、われわれといたしましては、非常な過重な労働を従来行なっておりましたものが機械力というものの導入によりまして、その労働の強化といいますか、そういうものがノーマルな形態に改善されていくということがまずこれの第一歩の問題であるというふうに考えておるわけでありまして、雇用量が大幅に減少するというようなことはないと考えておるのであります。  それから第二点の事業所の整理統合に伴いまして、労務者の転換計画をどういうように考えておるかという点でありますが、今後事業を合理化して参ります場合におきまして、やはり一事業所当りの数量というものが相当大きい因子になって参るわけであります。そういうものにつきましての一応目安を作って、そういう線に沿うように事業所というものの配置も考えていきたいというふうに思っておりますが、これももちろん急激な変化というものは現在までもできないのであります。その一番重要な因子は、職員の配置転換の問題でありまして、われわれはそれによって職員の雇用が減少するというようなことにはならないように従来も十分意を用いているわけでありまして、今後とも整理統合に際しましては、職員の転換ということには第一番の重要な問題として考えて参りたいというように考えているのであります。  それから直営生産の立木処分化の問題でありますが、これも当初に申し上げました通り、今後におきます直営生産事業、その主要なものを占めます素材というものの生産量が一割も現に三十四年度は増加したというふうな形になっておるのでありまして、経営の合理化という面からの事業縮小の整理統合は徐々に行うことにいたしましても、直営生産というものを収支の面から立木処分に移して全体としての直営生産の減少をはかるというようなことはないというふうに考えておる次第であります。
  64. 北村暢

    北村暢君 それから、時間がないようですから、急いで質問をいたしますが、一つ雇用の関係の問題について御質問いたしますが、現在国有林野事業の中で定期作業員と称する一万四、五千名の人がおるわけでございますが、これは事業の特性からいってどうしても年間通して雇用できない。八カ月もしくは九カ月、十カ月は雇用できるが、どうしても雇用が切れるということでもって、現在定期作業員という名前で呼ばれ、雇用が切れているわけでございます。これについて、この人は実は失業保険の適用を受けて、そして国有林野事業として特別会計で営林局長でもってその失業保険の事業主負担をやり、また作業員も負担をして失業保険に加入して平均大体三カ月と思いますが、失業保険を受けているわけです。これをちょっと計算してみますというと、大体六割の失業保険を受けているわけでございますから、大体、年間一人五万円程度の失業保険を国から受けているわけでございます。これを私は林野の特性からいって、なるべく常用作業員というものを減らして、そして定期作業員でやっていく、こういうような考え方から従来行なっておったこの冬山というものをやめて、そして雇用を打ち切り、定期作業員にする。冬山を実施すれば年間通して雇用できる、また、そういうことを望んでおるんですが、常用作業員のふえることをおそれて作業を無理に打ち切っている、こういうような事態もあるようでございます。しかしながら、これは私は全部とは言いませんので、絶対的に冬山ができない個所ももちろんあるわけでございますが、そういう傾向があるということを知っておるのですが、ここで私は非常に不合理に感ずることは、国有林野事業という国の事業が一般会計からの失業保険というものを国がまたもらっている、こういうことであるならば、これを考え方によっては同じ国費を使うのでありますから、作業の程度は確かに落ちるかもしれませんけれども、なるべく雇用というものを延長し、事業計画もまたこの雇用が続くように計画をして、作業の能率が若干落ちても雇用の継続をした方がいいんじゃないか、一万四、五千の人を全部というわけにはいかないかもしれないけれども、そういう方針でいけば相当多数の人がここで救済をされ、しかも、身分が安定をして、しかも、技術の優秀な人が養成できるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点について所見を承わりたい。
  65. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 冬山のお話ですが、これは北海道あるいは東北を中心とした問題かと思うのであります。これらの地域におきましては、御存じ通り定期作業員のほかに臨時の作業員も相当多数雇用して、しかも、それらの職員は地元の人であると、特に農閑期には山に行って働くしか仕事がないというふうな立場の関係にありまして、従来から年間を通じた仕事というものを必ずしもやり得ないというふうな事情にもあったように思うのでありますが、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、事業個所当りの数量の検討も行いまして、事業経営の合理化の上からも必要とも考えますので、しかも、一方、当初に申し上げましたように、直営生産等におきます事業量の増加という面もありますので、そういう点を勘案いたしまして、地元の農閑期の労力というものに重大な支障のないというところを勘案いたしながら、通年作業と申しますか、期間労務者に対します雇用の安定を今後とも進めていくということにいたして参りたいと考えております。
  66. 森八三一

    主査(森八三一君) 北村委員にちょっと申し上げますが、あと栗山委員、千田委員の発言の必要がありますので、要点だけ簡潔にお願いします。
  67. 北村暢

    北村暢君 それじゃ、なるべく簡単にいたしますが、ちょっとまだ若干質問が残っているので、お許し願いたいと思いますが、この計算しましたところによると、大体一人年間二十万くらいあれば雇用できる、そのうち五万の失業保険を受けている、こういう結果になっているわけです。従って、国の事業で、失業保険の約五万程度のものを補えれば作業の能率は落ちるけれども、雇用は継続できる。また、どうしてもできないという場合には、帰休制度等の方法を講じて、これは実際に国有林だけにもうずっと何年も、十何年も続けて来ているという人がいるわけです。ですから専業労働者です。ただ季節的に仕事が切れるということで、実は定期作業員という形になっている人、こういう人が相当いるわけです。これは北海道、東北だけでなしに、長野の管内だけでも二千客以上いるわけです。従って、この問題が、相当、定期であるということだけで問題が常に起っているというのですから、この雇用を継続するということ、国有林野事業の中で完全に雇用していくということを、ごくわずかな金でこれが完全に実施できる。国家的に見て、失業保険の分も同じ国が出すのでありますから、これを一般会計から特別会計へ繰り入れるなり、また特別会計でその犠牲を払うとしても、ごく少額の予算でもってまかない得る。国有林が民有林に十何億も出して協力する、これも一つの方法ですが、国有林内部でも、やはりいわば失業救済というか、何というか、そういう面も一応担当する気持になり、採算ということでなしに行けば、このことが考えられるのじゃないかというふうに思いまするので、これは今すぐ結論を出すというわけにもいきませんから、一つ大臣の方でもよく検討していただきたい。これは同じ国が負担しているわけでございますから、失業保険といいましても、一般会計でやはり出しているわけですから、国有林野事業の中でその負担をする、一般会計から国有林野事業特別会計に繰り入れる、こういうことをすれば合理化ということがなり得る問題である。従って、企業としても十分検討する価値のある問題だと、こういうふうに思いまするので、御検討を願いたい。  それから次に申し上げたいのは、この予算書をずっと見まして、各局を通じて言えることなんですが、人夫給の単価が、これはまあ各局によってまちまち、生産振興費、畜産振興費ですかの一日単価百九十一円を最低にして、真珠研究所の三百六十円を最高として、大体二百円前後の単価で、これを組まれているのですが、このことが、私は農林省の試験場にいたしましても、種畜牧場にしても、各出先機関で非常に問題をかもしている。あまりに安い単価で組んでおりますために、幽霊人夫を使っている。予算単価では使えないために、多い人夫を使っているということを末端の事業の運営者にやらせる、こういう事態にいたしている。さもなくばこれが平均の単価でいきますので、低いところによるというと、最低一日百八十円で使わざるを得ない。これは現在の失対事業におけるいわゆるニコヨンと称するものよりも非常に安い。これは農林省の出先機関の賃金の実態じゃないか、こういうふうに思うので、この点一体どのように考えられてこういう単価がきめられているか、御質問申し上げます。
  68. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御指摘通り予算に積算されております人夫給の単価につきましては、二百円弱のものから三百五十円強のものまでいろいろございます。で、考え方といたしましては、雇います人夫の仕事の単純度から複雑度に応じまして高い単価を認められる場合と、それから非常に簡単な労務提供という意味で、非常に安く計上されておる場合とございます。で、私どもといたしましては、実態がそれにそぐいませんという御指摘通り、いろいろと不当の経理等をやって何とかつじつまを合せる、こういう事態が過去において若干ございました。最近ここ二年間に毎年その実態整理いたしまして、人夫給の単価の適正化には常に努力いたしました。特に統計調査部系の仕事におきまして、この弊が非常に多かったのであります。大蔵省等もその実態を逐次了解いたして参られまして、本年度あたりも相当賃金単価の検討が行われた、今後とも実態に合せまして、無理な予算単価は計上させないことにいたして参りたい、かように思っております。
  69. 北村暢

    北村暢君 今、統計調査部と言いましたけれども、これは試験場関係、それから種畜牧場、非常に多いのです。で、職員の家族労働をやつておる。まあ種畜牧場等においては家族労働はあるわけなんですが、実際に家族労働を強制しておる。その奥さんなり、娘さんなり、息子さんが安い賃金で働きにこないというと、だんなさんの方を使わない、こういう行き方だ。で北海道等の種畜牧場等においても、実際にかき一つ隔てていけば、農業労働としてこれはもう二食食べて五百円以下という賃金。ところが、種畜牧場の中にいる人は、これは朝の七時から夜の暗くなるまで全く八時間労働以上させられて、しかも、これは相当な筋肉労働をやっておる。それで百八十円か二百円で働いておる。しかも、それを拒否して、その場外に働きに行くということになると、あなたの主人の方はこれは困りますよというような形で圧力を加えてやっておる、実際の運営は。これは大臣御存じないかもしれないけれども実態はそうなんです。こういう形でまあ半強制労働をさせるようなやり方というものは、国がそういうことをやるというのは、私は納得いかない。だからこれはやはりこの単価の低さに問題がある。試験場等においても百町歩耕さなければならないというところに六十町歩か七十町歩の予算しかこない。これはどうにもこうにもならない。だから予算単価を切り詰めちゃって百八十円で働いている。笑いごとでなしに、これが新制中学出た人とか、そういう若い人の賃金じゃない。相当な子供さんも何もいるというような人の賃金がまあ非常に安い。一体どうして生活しているのかというと、試験場でできたものをもらうのですかと聞いたら、そんなものは一向くれませんと言う。どうして生きているのですかと聞いたら、何となく生きています、そういう実態ですよ。大臣、これは大へんな人道上の問題です。そういうものが農林省のひざ元の中にあるということ、これは一つ算課長も十分理解されて、単価というものを組んでみると、三百五十円から二百円限度ぐらいまであるというのが、大部分が二百円ですよ、大体これは。二百二、三十円というが、三十円というのはあまりない。これは二百円です。それで一カ月二十日か二十一日でしょう、働くの。それでいったら一体手取りどれくらいになるかということはこれは想像つくのです。しかも、相当な人の、年配者の、しかも、試験場としてはどうしても熟練をした人でなければならない、こういうような労働にすらこういう低賃金で使っているということは、一つ十分考慮してもらいたい。これは大蔵省の主計官来ておりますか、おりませんか。大蔵省に特に言っておいていただきたい。大臣、これは来年からはこういうことでは私承服しませんから十分注意していただきたい。それから林野庁の関係で常勤職員というのがおる。これが定員は八千名くらいいるわけです。ところが、実際には五千名くらいしか置けないというのは、予算単価が低いために全部の定員を埋めてしまえば運用ができない。そのために五千名くらいしか実際に置けない。八千名の定員であって五千名しか置けない。これは同じ国の予算を出すのに、そういうごまかしをやらなければならないような予算の組み方というのは、私は不合理だと思う。だから、これは予算定員五千なら五千で単価をもっと高くやるべきだ。それでなければこれは私は役人にごまかし仕事をやれという予算にしか受け取れないのです。こういうことはやっていいということは、理論的にもどうしても成り立たない、こういう実態にあるわけです。これは予算課長御存じですか。
  70. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 常勤職員給与は御承知の通り、定員内職員のように手当、本俸その他というふうに明確に分割されておりませんので、全部を合せまして単価幾らということで計上いたします関係上、これが実悪にそぐわない、非常に低い。従って、御指摘通り補充を内輪にいたしまして、そこにもっていきました財源をもって支払いをやっておる、こういう実態になりますことは、御指摘通りでございます。従いまして、常勤職員給与の単価の引き上げということは、毎年各省会計課長の連名をもちまして大蔵省と折衝もいたしておる問題でございます。ただ本年度の問題といたしましては、定員化の問題等もございまして、はっきりと常勤を、割り切りまして単価引き上げということ一本で、何といいますか、折衝をいたしかねたような事情もございます。それらの点につきましては、定員化の問題等ともにらみ合せまして、御指摘の点に沿うように今後とも努力をいたしたいと思います。
  71. 北村暢

    北村暢君 その問題は私は若干の問題ならば文句言わないのです。ところが、八千名のうち五千名しか置けない。三千名の開きがある。これは林野の場合あるのです。現実にこういう予算というものは承服できない。百名や二百名これは欠員にしておかないと運営できないというのならばわかる。八千名のうち三千名も欠員にしておかないと運営できないというばかげたやり方は、それは承服できない。この点は一つ調べて下さい。  それからもう一つは、営繕関係の問題で申し上げますが、特にひどいと思われるのはバレイショ原原種農場、種畜牧場、統計調査事務所その他にもいろいろありますが、ここら辺が一番ひどいだろうと思う。そのうちでも庁舎その他の施設、牧場等の施設、こういうものはある程度整っておる。しかし、牧場等ではまだまだ改善を要するところはたくさんあります。種畜廠当時の馬の牧場が牛に転換された、そのままを非常に苦労して古い施設を使っている、こういうのももちろんあります。それからバレイショ原原種等の宿舎、これは性格上からいって病菌を避けますので、非常に不便な所にある。それで、学校なり医療施設というものからもかけ離れた所にあるわけで、従って宿舎等もこれはもう農場の中に全部あるわけです。その宿舎というものが非常にひどい。終戦後の引き揚げた人がほとんどでございますけれども、そういう人を収容するにしても、国の施設としては非常にひどい。これはもう現実に、ハモニカ長屋どころの騒ぎでない。人権に関係あるような、一部屋に一家族、六畳間ぐらいの所に何人もの家族が住んでいる。これはもうざらにある。それから牧場関係においても、これはかつての種馬廠時代の、明治時代の宿舎の残っておる所は、いわゆる牧夫さんというような人の入っている所は、ほとんどそういう状態である。いまだに改善されておらない。それから統計調査事務所等においては、特に事務所は、これは相当——相当というほどもいきませんけれども、それでも年に一カ所か二カ所ずつ修築なり何なりをやっておるようでございますが、出張所に至っては、食糧事務所も同じでございますが、これは全く官庁という名に値しない形になっておる。これは一体、この建設計画というものはあるのかないのか、一つお伺いしたいんです。それからまた、食糧等は、それでも国の予算が若干つけば、農協なり何なりの寄付によって庁舎というものを新設しているのは相当あります、寄付を受けて。若干の予算さえつけてもらえば、あとは大部分寄付でやっているというのは、食糧事務所の出張所なり支所なりにざらにあるわけですね。こういう状態は、私は決していい状態ではないと思う。国の庁舎を民間から寄付を受けてやる、こういうことはよくないと思う。それもできない統計調査事務所は、何としても庁舎ができない。まあ役場の片すみを借りているような所はまだいいんですが、お寺のお堂の裏にある魚屋さんの店先を借りているというようなものもたくさんあるんです。そういう統計調査事務所の出張所というのは、全く大臣の予想外の状態である。これの建設計画は一体どうなっているのか、一つお答え願いたい。
  72. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 農林関係の営繕関係の経費につきましては、御指摘通り、古い建物が非常に多く、ようやくすべてを修築をしなければならない段階に入って参っておりまして、従いまして、本年度予算におきましても、一般施設費、試験研究費、官庁営繕費等を含めまして、七億九千万、前年度の六億五千九百万に対しまして一億三千万円程度の増額をはかっており、今後ともそれの増額をはかることに大いに努力をいたして参りたいと、かように全般としては存じております。  ただいま御指摘のございましたバレイショ原原種農場の建物等は、宿舎を含めまして、いずれも終戦後の非常に粗末な建物でございまして、基礎工事等も非常にいたんでいる、それらに対してどういうふうな考えでやっているかという意味の御質問でありますが、これにつきましては、一応五ヵ年間で全部の基礎工事の改修をやるということで、全部の七カ所のバレイショ原原種農場につきまして、一律に五ヵ年ずつにこれの基礎工事を改修する、こういう形で、ただいま、過去四年間にわたりましてでございますが、その仕事を進めておるわけでございます。  統計調査事務所等につきましても、御指摘通り、確かに施設が古い、老朽いたしておる建物を使っておるわけでございます。本年度におきましては、本所四、出張所二というように、その新改築を行う予算を計上いたしております。三十二年が本所二、三十三年が本所三でありましたのに比べましては、大蔵省もその実態を逐次認識して参っておるわけでありまして、それらが相集まりまして、全体として一億三千万円の増加に相なっておるわけであります。御指摘の点につきましては、今後とも努力を重ねて参りたいと、かように思っております。
  73. 北村暢

    北村暢君 あまり長くなりますから、これで終ります。
  74. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) 時間もなさそうですから、ごく簡単に、愛知用水公団のことにつきましてお伺いいたします。  愛知用水公団のことにつきましては、資料として提出になっておりますから、大体のことは了承しておりますが、総工事予算額、この事業を計画されたときの総工事予算額、それは一体幾らでしたかね。
  75. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) これは実施計画を公示いたしまして、縦覧公告をして関係者の同意を得ましたときに出しましたのは、総額で三百三十一億でございます。
  76. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その工事は若干狂いがあったり、いろいろしておるわけでありますが、ただいまのところで、完成するまでに必要な工事費というものは、若干これは増額になるだろうと思いますが、どれくらいに見込んでおられますか。
  77. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) この経費の問題でございますが、今御指摘ありましたように、その後の計画で若干変りましたのは、牧尾のダムの用地補償等、若干予定よりも金がふえたということはございます。それからダムの仮締め切りが決壊いたしましたので、これも若干ふえておりますが、今、われわれといたしましては、予備費もございますし、できるだけ最大の努力をいたしまして、この中の経費でおさめていきたいということで努力いたしておるところでございまして、これが幾らに上るというようなことは、実は今、試算するというような段階には至っておりませんでございます。今までに使いましたのは、大体三百三十一億のうち百二十億ぐらいでございます。
  78. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その百二十億というのは、ちょうだいいたしました資料の三十三年度の予算ですね、これまでの分と理解してよろしゅうございますか。三十三年度の予算は九十四億五千万円ついておる。
  79. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 私、申し上げました百二十一億は、三十三年度までで百二十一億ということで考えております。
  80. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その三百三十一億で大体追い込めるのだというお話ですが、牧尾ダム等のああいう若干工事に狂いを生じた額は、一体どれくらいに見積っておいでになりますか。
  81. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 牧尾で用地の補償が一つ問題がございます。これは、たしか、ふえましたのは、六億ぐらいふえたと今存じております。そのほかに、仮締め切り関係が決壊いたしましたという関係は、これは実はまだ請負人その他と話し合いは済んでおりませんが、これにつきましては、金額的にはそう大きな額ではなくて、大体一億ないし二億程度のことで済むのじゃなかろうかというふうに実は思っております。
  82. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると、予備費は一体幾らぐらい入っておりますか、三百三十一億の中で。
  83. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 予備費は総額で十三億三千でございますので、大体十四億足らずくらいの予備費を持っております。
  84. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると、今までに大体八億も予備費の中で使われたとすれば、あと五億くらいしか残りませんね。それで、大体五億くらいで始末がつきますか。
  85. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) この問題は今までやりましたのが、大部分は実は牧尾の関係でございます。これから入りますものは幹線水路、支線水路ということになっていくわけでございますが、これでわれわれとしましてはなるべく経費の節約をはかっていきたいということで考えておりまして、牧尾だけで今の数字でございますが、全体的に今後の契約その他で極力節約できるものは節約していきたいというふうに考えておりますので、今、先生の御指摘になりましたような、経費がどうなるかということの判断は、もう少し先に参りまして十分判断をしていきたいというふうに思っております。
  86. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その設計上、予算額を節約し得るような、何か大がかりな金額の出そうなものはございますか。
  87. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) これは今までの計画で参りまして、たとえば、下流の方では知多の溜池を作るとかというような計画が、知多第一、第二というようなものを作るような計画をしていたのでございますが、こういうものを作らぬでも、あるいは上の方の東郷池等の容量を考えれば、あるいは少し大きくすれば、そういうものは不要になるんじゃないかということも実は考えております。設計上の問題でも、できるだけ節約したものでやっていきたいというふうな考えは持っております。
  88. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その設計上なるべく節約してやっていきたいというのは、これは一般の常識でして、どこだってそれはそうしなければならないわけです。問題は、愛知用水公団のことで一番農民の心配している点は、賦課金がふえやしないかどうかという点なんです。だから、三百三十一億で計算された賦課金というものが伸びやしないか、あるいはこのままでいけるかということが一番問題なんで、それで設計上のことについても、私は今局長が答弁されるよりももう少し具体的な経費節減がされているやに承わったことがあるのですが、そういうことはありませんか。
  89. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 今申し上げましたのも一つ考え方でございますが、そのほかに、実は幹線水路の問題につきまして、今EFA等と相当突っ込んだ話をしております。これは幹線の断面の問題、あるいは底にコンクリートを張ります問題、あるいは盛ます土壌の質の問題とか、いろいろの設計で、EFAの設計に非常に金のかかります設計をいたしている部分がございますので、この幹線水路の設計につきまして、もう少し日本の気候、風土あるいはその他から考えまして、先生の言われましたことは農民負担に一番関連してくる問題でございますから、農民負担は増さぬという観点からいたしまして、その設計をある程度変えることができるんじゃないかということで、実は開渠の設計等についても話し合っております。
  90. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その点は、やはり海外技術なんか若干導入されるのですか。私は現地でいろいろな——正確には聞いていないのですけれども農林省に伺えば、もう少し正確な信憑性のあるお話を承わることができるかと、こう思ってお尋ねしているのですがね。
  91. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 設計の問題でございますが、これは最初の技術協定の際に、ダム、それから幹線水路、こういうものにつきましては設計は一応EFAがやる、その上でそれを日本側が承諾をしていくのだというような形の協定を結んでおりますので、これの設計の責任者は実はEFAということになっております。それで、われわれとしましては、そういう協定はございますが、経費その他の面からいたしまして、まあ、なおその設計を直してもらって、経費ではなるべくこのワク内であげていくという方法でやっていきたいということで、実は話しております。  まあ、外国の技術というお話でございましたが、実は技術協定で、今申し上げたように、ダムとか幹線水路、その間のトンネルでありますか、サイフォンとかいうものは一切向うで設計するというような実は協定になっております。
  92. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) それで、時間がありませんから、その他伺いたいのをやめますが、結論として、農民の負担金というものは、一番最初に農民に約束したときよりは絶対ふえない、こういう工合に信じてよろしゅうございますか。
  93. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 私どもも、この経費の問題は、いつまでに工事が完成するかという問題は、非常に重要な関心を持っております。それで、先生のおっしゃいましたような、指摘されましたような農民負担は、これはたしか四万二千円くらいだったと思います。四万二千円、四万三千円足らずでございましたかの農民負担になっているのでございますが、これにつきましては、私ども農林省といたしましては、今後あらゆる努力をいたしまして、農民負担だけは極力上げないように努力するということで、いろいろな手を打っていきたいというふうに考えております。
  94. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その一番の問題は、単価の額に影響する一番の問題は、やはり工期の問題だと思いますが、これはあなた方が自信を持っておっしゃられるのは、正確には何年の何月ですか。
  95. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) この工期の問題につきましては、私どもとしましては、極力三十五年度中にはこれを仕上げまして、三十六年度の植付等に何とかして間に合わしたいということで、実は牧尾のダム等の問題につきましても、今までよりも機械を、たとえば機械公団の機械を借りて入れるとか、いろいろなことをやりまして、極力手を打ちまして、当初の三十五年度中、三十六年の三月には何とかして幹線の水を師崎まで、知多半島までは完全に通したいというようなことで、今考えております。
  96. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) 当初の計画より工事が若干出だしがおくれたことは御承知の通りですが、それを追い込んでいって、今おっしゃったようにいける。まあそれは、一応そういう努力目標であることは了承しますが、あまり期間を延ばさないように、全力をあげてもらいたい。それから、今のお話の中で、四万三千円の農民負担が、かりに上ったときでも、農民には負担をかけないようにしたいとおっしゃいましたが、それは具体的にどういう意味でしょうか。
  97. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 私の申し上げましたのは、農民負担につきましては、当初、縦覧公告をした際の経緯もございますし、これは農林省としては極力それを上回りますような事態にならぬように、あらゆる努力をいたしたいということを申し上げたのでございまして、これは経費の三百三十一億というものと実は関連がございます。  それで、三百三十一億の今度は質の問題になって参りまして、どう金を使うかということによっても、またこれは違って参ます。三百三十一億が若干ずれたと仮定しましても、質の問題を改善することによっても、これは改正されていくところもございますし、私どもとしましては、経費の問題は、その増額があるかないかという検討はもう少し先にいってしたいと思っておりますし、そのほかにも、今度は資金の質の問題で、極力いろいろな手段を講じまして、農民負担だけにつきましては、これは何とかして上らぬように努力したい、こういう意味でございます。
  98. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると、今のお話は、四万三千円程度に押えるためにあらゆる努力をする、金利負担その他から考えて、上らないように努力をするということであって、上った場合にはやはり農民負担がふえるという意味にはなりませんか。こういうふうに不幸にして上った場合には。
  99. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) それはその場合の御質問でございますが、われわれとしましては、質の問題その他を考えまして、若干三百三十一億に移動があるということを仮定いたしましても、その場合にはほかの負担を考えまして、農民については何とかその範囲内でやっていくという手段を講じたいという意味でございます。
  100. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) まだほんとうにはっきりしませんが、結局、農民がこの愛知用水公団の事業に熱意を持って協力し得るかし得ないかという一点に、そこにかかっているわけでしょう。もう少しあとになって正確なものをというのでは、ちょっと不安定です。何でも早い目に、いかなる事情があっても当初の約束をこえるような負担はかけないのだということを、ここではっきり徹底させられる必要が私はあると思います。そういう御用意があられるかどうか、大臣からちょっと承わっておきたいと思う。
  101. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) 今所管の農地局長から説明いたしました線に沿いまして、われわれとしては最善の方途を講じたい、こういう考えでございます。
  102. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) いや今の局長説明の線に沿ってというのでは、まだちょっと不明確なところがあるのですよ。少し、当初の約束をこえた負担は絶対させない、そういう態度農林省は一刻も早く農民にはっきりさせるべきである、こういうことを申し上げているのです。
  103. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) これはもう工事をいたしたときからすでにそういうことでございますから、事後の事情の変遷によってもこれは変えないということは、農林省としては堅持しなければならぬと、こう考えております。
  104. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) それから最後に、ちょうだいいたしました資料で、愛知用水公団関係のセメントの購入のことについてちょっと伺いたいと思いますが、資料によりますと、一番には「各工事毎の支給条件を考慮し、原則として指名競争入札により購入する予定である。」、こういう工合に書かれておりますが、これはどういう意味ですか、この意味をちょっと伺いたい。
  105. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) それは、工事をやります場合に、資材をどうする、資材はこちらで供給するとかいうような契約を実はしていることもございます。そういう場合は別でございますが、一般の場合には、セメントその他につきましても当然随契とか、そういうことでなくて、指名競争入札でセメントは買っていくのだということが原則でございます。ただ、その会社と契約しました中に、資材、セメント等を入れてやるというような場合には、その会社がセメントを買っている場合もございます。競争入札の結果、落札者がない場合、予定価格の範囲内で最低入札者と随契でやっていくということもあるというような意味のことを実は書いたつもりでございます。
  106. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その根本的な考え方として、こういう愛知用水公団の主力資材であるセメントのようなものは、やはり公団が買い取って現品支給をするということが、これは建前でなければいかぬじゃないでしょうか。請負業者にセメントの自己調達を含めて工事を入札させる、そういうことでない方がよくありませんか。
  107. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) その点、先生の御意見もごもっともなことがあるのでございますが、実はダムの契約をやりました場合には、御承知のように、数回入札をいたしましてもなかなか落ちぬということも実はあったのでございます。一つは資材費の見方の問題、あるいはほかに機械の修繕費とかいろいろございましたが、そういう問題を含めてやった方が入札にうまくいくのじゃないというような判断をしまして、そういうことをやったことが実はございます。今後の問題としましては、なるべく先生のおっしゃるようなことでやりますように指導して参りたいと思います。
  108. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) それはダムというのは、この愛知用水公団のやはり仕事の中では相当重要なウエートを占めているのですよ。そのダムの工事に使うセメントが今おっしゃったような工合になるということは、これではやはり方針として貫かれていないと思いますね。今は何でしょう、発電所の工事なんかだってセメントを請負業者持ちでやっているところもないでしょう。農林省のダムはそうですがね。農林省のお作りになっている、ダムというのはやはりセメント持ちですか。これはちょっとどなたかに伺いたいと思います。
  109. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 今おっしゃいました愛知用水公団の中で、牧尾のダムの工事というものが大きい工事だということは先生御摘指の通りでございます。そのほかにも、実はまだあと幹線とか、あるいはそのほかの溜池等のこともございますが、おっしゃいましたように、半分くらいの仕事が牧尾のダムであるということは御指摘通りでございます。実は牧尾のダムの入札につきましては、これは数回やりまして、第一回も数社を入れまして何回もりやまして落ちず、第二回にも落ちずというような経緯がありまして、最後にやっと今の請負にきまったというような経緯がございますが、その間におきまして、いろいろ経費の見方に問題がございまして、そういう資材も一応向う持ちということにしてやった方があの場合の入札として可能になるのじゃないかというようなことで、資材と、それから機械の修繕費等の見方いろいろございましたが、そういう機械の修繕も向うでやるというようなことにいたしまして契約をしたわけでございます。その結果がそういうことになったのでございますが、今後の問題といたしましては、御指摘の点は注意して参りたいと思っております。  それから農林省のダムの契約の問題でございますが、これは大体の場合は、こちらで官給するというのが原則でございますが、例外としてそうでない場合も実はございます。これはまた、資料等ありましたら資料で差し上げてもよろしゅうございます。
  110. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) それで提出を受けました資料によりますと、一の原則は、現品支給で指名競争入札で調達するということがはっきり書かれているのですよ。そして二番の方で、現在おやりになっていることは全部随意契約じゃないですか。原則はちゃんと原則できまっていますよ。そして二番でおやりになっていることは全部随意契約、ちょうど岸内閣の憲法解釈みたいなものだ、再軍備はしないという憲法をもってどんどんできている。これはどういうことですか。しかもここで僕はよくわからないことは、そういうことになっておって、愛知用水公団の内部規程、会計規程を見ますと、随意契約はそういうことではできないようになっているように思うのですけれどもね、この説明書の備考欄に書いてあることの意味がちょっとわからないのです。「指名競争入札を行ったが落札者がなかったので、予定価格の範囲内で最低入札者と随意契約を結んだ。」こう書いてあるが、この意味はどういう意味ですか。
  111. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) そこに書いてありますのは、牧尾のダムの問題でございますが……。
  112. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) これ全部ですよ。ずっとトンネル工事まで全部一緒にしてカッコの中に入れてある……。
  113. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) ダムの問題が私は一番大きな問題だと思うのでございます。それで、このダムをやりますときには、先ほどから申し上げますように、実は資材その他は、これは現品を支給するということで予定価格を作りまして、その上で入札にかけたのでございますが、これは数回実はやりましたが落ちなかったと、それで公団内部で検討いたしまして、資材の見積りの問題、あるいは貸します機械の修理費の問題、これは実は外国の機械でございまして、まだ業者が修理その他についてなれぬ点もあるだろうというようなことで、こちらで修理はするというような計算をしたのでございますが、最初は。その点も全部向うで修理させるというようなことで契約の内容を変えまして、そして予定単価を作って実は入札にかけたというようなことでございます。それで、そういう結果でやりましたうちで、一番低いものと話し合いをして契約ができたということになったわけなんでございますが、われわれとしましても、今先生御指摘のように、そういう資材が随契で買われていくということよりも、やはり指名競争入札でそういう資材を買って渡していくということが一番公正だろうと思いますので、今後の指導としましては、その点はそういうことのないように十分注意したいというふうに考えます。
  114. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると、この文書を書かれた意味は大体わかりましたが、こういうことですね、セメントの指名競争入札を行なったが、それでは落札がなかったんで、見積り方式を若干変えて、そして予定価格の範囲内で最低入札者に落した、こういう意味ですか。全部あちこち関連を持たせて、そして随契にしちゃったと、こういう意味ですね。
  115. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 今おっしゃいましたように、そういう資材面も契約の中に全部包含させてしまいまして、そして契約を随契で、最終的には随契で結んだということでございます。
  116. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) その落ちなかった理由をもう少しこまかくお知らせ願えませんか。どういうことなんですか。
  117. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) ダムの問題で、落ちませんでしたのは、これはおのおの向う側とこちら側の考え方の違いの問題でございますが、当初は私どもは資材、それから機械の修理、そういうものは全部公団側で持ってやる、そういうのは除いたもので予定単価を作って出したわけでございます。ところが、これについて実はかなりの開きが出まして、幾らやっても入札が落ちなかったということがございます。それで二番目にやります場合には、そういう資材——一番大きなセメントでございますが、セメント、それから機械、機械につきましては貸すが、その修理その他はこれは会社の方で持っていくというようなものを全部契約の中に含めまして、予定単価をその分だけ上げまして、実は入札にかけたわけでございます。その結果も実は指名競争入札を二度もやりましたが落ちませんで、最低の、今度はその中で最低のものと随契をやりまして、そして予定単価の中でおさめたという形になりましたので、その結果としまして、セメント、それから機械の修理というようなものは、請負側の方でみんな持ってやるということになりましたので、セメントは公団で指名競争入札にかけて渡すという形にならずに、請負業者の方で買って仕事に使ったというような形になったわけでございます。
  118. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると結果ですね、これはもう少しこまかく伺いたいのですけれども、時間がありませんから、また別の機会にしなければしようがないと思いますが、あなたが今おっしゃったうちの農林省の既定方針計画でいかれようとしたときの、役所側の設計工事費ですね、それよりも業者の方が要求したセメント、機械その他を業者持ちでやる場合の工事費の方が高かったでしょうね、これは。そういうことでしょう。
  119. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) さようでございます。それで、最初は、そういうものは公団で持ってやるということで予定単価を作ったわけでございます。それで、二度目はそういうものは業者が持つということで、予定単価を上げまして、また二回目の入札にかけたわけでございます。それで、その結果も実は指名競争では落ちませんで、終最的には一番低いものと話し合いの上で随契をしたというような形になったわけでございます。
  120. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) そうすると、一番最初、あなたがおっしゃったように、三百三十一億だが、なるべくその経費を節減してやっていくとおっしゃったけれども、これは業者との関係で、農林省が負けて工事費を少しふやした格好に現実になっておるじゃないですか。愛知公団の工事量の半分ぐらいに相当する重要工事のところで、おそらくこれは全部の見積りじゃないだろうと思うのだけれども、ダム全部の見積りで、一括見積りでございますか。
  121. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 出しましたのは一括見積りでございます。それで、セメントと機械の見積り方の問題でございますが、私どもそういうことをやりまして、違いました一番大きな理由は、私どもは、機械の修理費というものをどういうふうに見ていくかということが一番大きな違いではないかと思っております。それで、業者の機械の修理に対する見積りとそれから他の見積りの関係が、私は違った中で一番大きかったのじゃないかというように考えておりますが、今、先生がおっしゃいましたように、そういうダムの関係が最初の予定価格の中で落ちなかったから、相当その点だけでも工事費がふくらんでしまったのじゃないかというお話でございますが、私ども考えておりますのは、二度目に作りました実は予定単価で、随契では話し合いをつけたというふうに、結果的にはそういうことになっておりますので、それだけの関係でうんと事業費はふえたというふうには実は思っておりません。
  122. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) それは説明にならないので、それはあなた一種の談合みたいなものですよ、役所と業者との。そうじゃなくて、役所の作られた最初の予定単価に対して、どうなるかということが一番問題になるわけですね。それで、私は非常に疑問に思うのは、入札に最初、落ちなかったにしても、応じた業者はどことどこですか。
  123. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 今業者の氏名、持ってきておりませんので、後刻調べまして、資料で差し上げます。決算委員会にも実は資料を出しておりますので、同じ資料で差し上げたいと思います。
  124. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) 愛知用水公団のセメントの購入をめぐって、地元であまり芳ばしくない風評が飛んでいることを御存じですか。
  125. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) セメントの購入をめぐってという具体的な問題としては、実は私聞いておりません。ただ、公団の入札について聞いておりますことがありまして、われわれ注意いたしましたことは、指名競争入札に、これは建設省の登録によりまして、とったものの中から入れていくわけでございますが、指名したものが指名を受けても仕事はできぬ、信用がなくて、たとえば金融がつかぬのでできぬというようなことがあったということを、実は私ども聞きまして、これは指名に入れる際につきましては、これは十分審査をした上でやるべきだということで、注意したことはございますが、個々のたとえばセメントなりあるいは機械という、そういうものにつきまして、個々の場合にどうだということは、実は私はまだ聞いておりません。
  126. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) 大体私がこのセメントの購入調書の資料要求をして、そうしてこういう資料を出されてきたということは、指名競争入札ということが頭にきているから、最初に原則を立てて、実際やったことは随契なんだから、その覆いわけをして、それで将来あなたは指名競争入札によって公団支給が原則であると言いながら、三番目の説明では、将来十三万四千三百トン要るセメントについては「各工事により施行業者もちによるもの及び公団支給によるものがあり、そ—概算数量は十三万四千三百屯である。と書いてある。今私に答弁されたことと違ったものが、将来の問題としてここに書いてあります。そうして今のようにお話しになっているわけで、大体この資料要求によって、私がどういうことを伺うかということぐらいあなた方おわかりになっているわけです。そうして今お尋ねすれば、業者の名前もわからぬということは、一体どういうことです。
  127. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) セメントの将来の問題でございますが、私ども監督官庁といたしましては、極力随契という形じゃなくて、指名競争入札でやるようにこれは指導いたします。ただ、全部がそれでいきますかどうかという問題がございますが、私どもとしては、極力それはそういうことで指導いたしたいと思います。ダムに入りました業者の名前は、これは後刻至急取り寄せまして、お手元に差し上げます。
  128. 森八三一

    主査(森八三一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  129. 森八三一

    主査(森八三一君) それでは速記つけて。  ただいま懇談中に栗山委員から要求のありました資料につきましては、至急調製をして提出を希望いたします。
  130. 栗山良夫

    担当委員外委員(栗山良夫君) とにかく、私はいずれその資料が出てからもう一ぺん発言をしたいと思いますが、こういう土木事業、特に愛知用水公団工事等の中心はやはりセメントですよね。量からいっても金額からいっても、セメントのやはり管理というものは、私は厳正過ぎるくらい厳正でなければいかぬと思う。こういう問題で地元でとかくの風評が飛ぶなんということは、全く愛知用水公団の仕事そのものを不名誉にすることですよ。ですから、こういうものは業者が何といおうと、やはり国の方針ですから、官給材料は官給材料として、これは厳守されて、官給材料の入手については、どこから何といわれようと堂々たる説明のつくようにしておいてもらわないと、私は大へん遺憾だと思います。この点は農林大臣に伺っておきます。
  131. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) 詳細はまあ農地事務局から聴取していやしくも厳正公平を欠くような措置はとらないと考えております。
  132. 千田正

    ○千田正君 時間がだいぶ経過しておりますので、簡単明瞭で、しかも重点的に一つお伺いします。それは先般、北村委員並びに私の関連質問で、予算委員会におきまして開拓に対する質問があったのですが、そのときの農地局長の御答弁の中には、さらに来年度は三千万円追加して開拓行政の万遺漏なきを期すと、こういうお答えがあったのでありますが、その後に、例をいいますというと岩手県の岩手山ろくの開拓民の諸君は春肥の手当が全然できない。しかも、自殺者ができておる。それは春の肥料がどうしても手に入らない。同時に、債権の取り立てその他によって、農林中金あるいはその他からはもう牛を売ってでも支払えと、こういうような強硬な手段の償還命令がきている。やっていけないいろいろな事情もあるでしょうが、主として多くの原因は、そういうまことは悲しい結果になって、若い夫婦が自殺をした、こういうので、岩手県の開拓団体が非常に憤激しまして、私のところに陳情にきておる。内容を調べてみるというと、この際私はお伺いしておきたいのは、昭和三十三年度において災害の開拓地に対する融資というものは大体どれだけやっておるのか、しかも、どれだけ受け入れができたのか、この割合をはっきりしてもらいたい。
  133. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 災害の資金でございますが、これは三—五月の天災に伴います経営資金として五億四千万割当がございます。五—九月で六億三千万くらいでございまして、約十二億ございます。それであとの五—九月分につきましては、実はこれはまだ中金に申し込みのないところの方が大部分でございます。といいますのは、実は私どももこの問題がいろいろございますので、今、係を現地に派遣いたしまして、実は最近も九州、中国筋に行って参りました。東北については、実は一回出たのでございますが、その結果、片づいた県もございます。まだ片づかない県もございます。それで今、先生の御質問の岩手等につきましては、一回行ったのでございますが、また人を出す計画はしております。今まで、そのうちで三—五月につきましては、中金に申し出のまだ出してないところも実はございますが、これは大部分出ております。先ほど申しました五億三千八百万でございますが、そのうち現実に決定いたしましたものが二億三千万ございます。それから近日出るだろうという見通しの所が六千万ございます。大体三億足らずということになります。で、われわれとしましては、これにつきまして今申し上げましたように、現地に人も出し、それから何とかしてこれは解決をはかりたいということでやっておりますが、今、申し上げました十二億でございますが、十二億のワクというのは、大体県から出てきました希望額がほとんどそのまま載っております。ほとんどこれは査定を加えませんでやりましたのは十二億でございます。それで、もう少しつけ加えさしていただきますと、岩手県の問題でございますが、実はこれはわれわれの方も心配いたしまして、二月に人を出したのでございます。それで行きまして見ましたところが、ほとんど手続はなされておらぬ、これは実は県の関係もございました。また開拓者の組合の関係もあったのでございますが、いろいろな書類の問題、いろいろな点で実は不備な点がございまして、われわれ意外に思った点が実はあったのでございます。これにつきましては、そういうことじゃなくて、県も開拓の連合会ももう少ししっかりしてほしいということをこの前言って帰ったのでございますが、ここにつきましては、また出かけまして問題の解決をはかりたいというふうに思っております。それでわれわれ知りましたところでは、保証協会の申し込みが、岩手県の開拓者で大体四千万くらい要ると、そのうちで二千四百万の申し出があったということを聞いております。七百万は決定いたしまして、あとの残りの七百万も近日に解決して、それから二千四百万申し込みました残りの一千万についても、これはそうおそくならぬで解決する見通しだという報告を実はけさ受け取っております。
  134. 千田正

    ○千田正君 今農地局長の御説明によると、まことにある程度うまく進んでいるような、現実は私はそうじゃないのであって、たとえば今おっしゃったところの災害に対する融資にしましても、一億数千万岩手県に来て、あと一億数千万来たのだけれども、一億二千万くらいもうとても借りられないから返すと、借り得ないという状態です、現実は。それは従来のもう借金が次から次へと重なってくると、保証協会は今まで償還しない者には貸してやらない。結局、それですから、自殺者も出てくる。未納者も出てくる。これは単に岩手県だけの問題じゃない。ある場合においては、全国的にそうした非常に弱いところの場所が相当出てきておると思う。それに対しまして、先般来、農林大臣もあなた方もおっしゃっておる通りに、開拓行政というものに対して根本的な一つの改革をしなければならない段階に来ておるのじゃないか、今までの継ぎ足し継ぎ足しのことをやっていたのじゃこういう問題は解決しないのじゃないか、こう思うのですが、何かそういう問題を解決するめどがついておりますかどうか、実際、国としては災害のために気の毒だと、また実際災害を受けているのですから、そういう人たちのためによかれとして出した金が、実際には手に入っていない。借金の利子あるいは償還に回されて、現実においては肥料を買う金さえもない。こういう現状に野放しのままで開拓を放置して、それで農林行政がうまくいっておるとは私は言えないと思う。根本的に何か考えていますかどうか。
  135. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 先生のおっしゃいました岩手の例でございますが、これは私どもは極力、希望があります場合には、この保証制度を使いまして、営農振興資金でやっていきたいということで考えておりまして、大体保証のワクは十二億くらい実は考えておるわけです。今まで保証いたしましたのが四億ばかりございますので、四億六千万ございますので、十二億保証制度でやっていくうちで半分近いところが一応保証ができた。それから天災法の関係は、計画では実は春肥に回るものが一億くらいじゃないかと計画しておりましたが、これは今申し上げましたように、三億くらい回るのじゃなかろうかというふうに、全国的に見ますと、春肥の手当の問題は何とかいくのじゃないかということで、先ほど申し上げましたように、人を出しまして、今、各県別に中金なり保証協会と交渉するということを実はやっております。そういうことで、春肥の問題は何とか片づけたいというのがわれわれの考えでございます。  それから全般的に、抜本的に何か考えているかというお話でございますが、これは実はまだ予算が通っておりませんので交付するわけには参りませんのでございますが、来年度は前から御説明申し上げますように、自作農の資金も十七億足らずのものを当初に開拓者には割り当ててこれは貸付をしたいというふうに実は思っております。去年は五億五千でございました、開拓者の分は。これは当初から十六億七千万でございますから、十七億くらいの自作農資金は、年度当初に開拓者に行くことにしたいというふうに考えております。それから政府資金の営農資金も大幅にふやしましたので、これもなるべく早くやりたいというようなことをやっておりますので、三十四年度の予算の効果が現われるのを待ちまして、これとともに開拓営農振興臨時措置法で振興計画を作って、これに基いてやっていきたいということも一方でやっておりますので、それと三十四年度の予算の効果を見ました上で、どういうふうに考えていくかということは判断をいたしたいというふうに考えておりますのが、われわれの現在の態度でございます。
  136. 千田正

    ○千田正君 根本政策はいずれそういうことになるでしょうから、農林委員会等においてまた詳しく質疑をいたしますが、現在の問題として、農林中金の支所その他からあるいは支払い命令、次の段階においては家畜その他家具、家財の差し押えという問題が出てきているのですが、この問題はもうそうなったらやむを得ないからそうさせるのだというお考えですか、あるいはそれを何とかして食いとめてやるという親心があって、何か便法を考えておりますか。現実の問題ですよ。あすかあさってかやられるというと、あすから馬も牛も自分の手から放さなければならないという問題が起きている。これに対してはどういうあなた方は考えをもって指導しておりますか。
  137. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 今、先生のおっしゃいました現実の問題をどういうふうに解決していくかということでございますが、これは先ほど申しましたようないろいろな高利の金を借りているというような関係もございまして、それを救っていくというのが先ほど申しました自作農の大幅な貸付という対策でございます。われわれとしましては、そういう手を講じまして、何とか事態を解決したいという態度でいるわけでございます。先生のおっしゃいました、きょう、あすの営農に差しつかえるという問題でございますれば、これは具体的そういう個々の問題につきましてお話を別途承わって、われわれの方としまして中金に話すなりなんなり、個別の問題として取り上げていきたいと思っております。
  138. 千田正

    ○千田正君 時間もあまりありませんから、水産問題を一つ農林大臣水産庁長官にお聞きしたいと思います。今度農林水産委員会に衆議院からの議員立法のもとに、漁港計画に対するところの特定の漁港の指定があったのですが、これは大臣も長官も御承知のことと思います。特定漁港の指定によって総ワクのワク内において特定という名前をつけた以上は、何かやらなくちゃならない。そうなると、総ワクの中において一般の特定以外の漁港の予算に食い込んでくるのじゃないかという、われわれはそういう杞憂を持っているのですが、これは全然食い込ませずに、特定というものであるから特定というものは別個に考える、こういうお考えをお持ちであるかどうか、この点はどうなんですか。
  139. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) まず私から事務的な関係につきましてお答えを申し上げたいと、かように存じます。今、特定第三種漁港として予定されておりまする八港につきまして、昭和三十三年度でやりました仕事は、事業量といたしまして、たしか三億二千万円見当であったと思いますが、国の助成費として一億九千万円程度計上いたしたのでございます。われわれは一方魚の集散という観点から、特定の重要な漁港の施設を強化するということの必要も考慮する次第でございますけれども、また同時に、沿岸漁民の経営安定という観点から、零細漁港についての施設もバランスをとった強化をはかっていかなければならない、かように考えているのでございます。幸い、明年度におきましては実質的には約九億、二割七分ばかりの補助費の伸びを見ることができたのでございまして、そこで、特定第三種に関しまして事業費といたしまして四億及び四億五千万の間、臨特が廃止になりましたので、国の助成費としてはその二分の一に相なる次第でございますが、この程度の拡充をしていくということは、これは決してその他の漁港施設の沿岸漁民のための拡充というものを圧迫することには相ならないのではないか、かように心組んでいるのでございます。  なお、将来の問題といたしましては、われわれといたしまして、先ほど申し上げましたように、あくまでも特定の重要集散漁港と沿岸漁民のための漁港というものの両者につきましてバランスをとった事業の拡充をしていくということを心組まなければならないと、かように考えております。
  140. 千田正

    ○千田正君 従来、漁港予算は御承知の通り三十億前後、三十四年度、来年度の予算においては、皆さんの御活動によってやや増加している。しかし、ほとんど四十億をこすということはない。しかも、六百何十港といういわゆる整備計画の中で今まで施行されたものはわずかに百五十港にも達していない。そういうところへもってきて、また特定の漁港が出てくるというと、何か特殊なあれでもつけない限りは、当初計画した農林省、いわゆる水産庁で計画したところの漁港整備計画というものは、何十年たったって六百何港というものは完成する予定がつかないじゃないか、こういうわれわれは考えを持っている。でありますから、特定漁港ができていって、それには特にまあ漁獲高あるいは輸送の面において、ほかの漁港よりもはるかに利用度が高い、こういうものに対しての特定という名前をかすのだったならば、それもけっこうですが、従来の予定計画より何かしらプラス・アルファというものをつけておかないというと、特定という名前にはそぐわないじゃないか、こういうふうに考えるので、将来は特定漁港というものに対しては何か考えているのか。そうしなければ従来の予算面は相変らず大したことはない、名前だけは特定なんだということじゃ意味ないじゃないか。どうですか、名前だけの特定だったら意味ないので、特定と名前をつけた以上は、何らかそこにプラス・アルファのことを考えていいんじゃないか。
  141. 三浦一雄

    国務大臣三浦一雄君) この問題はもう私から申し上げるまでもなく、院議をもちまして漁港振興についての衆参両院の御決議がありました。そのうち漁港分は幸いことし成立することとなりますが、残された問題は漁港の振興の問題でございます。なかんずく特定漁港についても特段の配慮をするということでございましたが、三十四年度にはこれを助成金の増額において、あるいは助成の率の向上においてわれわれ貫徹できませんでした。しかし、いやしくも特定漁港を設置すると、こういう趣旨でございまするならば、やはり何らかの特別の措置を講じてこれを推進するということは当然の帰結だろうと思うのでございますが、三十四年度の予算では不幸にして実現できませんでしたけれども、われわれといたしましては、その面についてはなお特段の努力を払いまして、そうしていわゆる特定漁港としてふさわしいものに仕上げなければならぬと、こう考えます。ただしかし、予算の財政支出だけで行くか、あるいは御承知の通り、下関、三崎等にいたしました特別の資金を供給するということにその方途を求めるか、いろいろ考え方があろうかと思います。ただ単に——しかし、剰余農産物の資金を投入するということにつきましては、必ずしもめどがあるというわけでもございませんし、来年度等におきまして、三十五年度を目途にしてわれわれとしては最善の努力をして、そうして整備して参りたいと、こう考えておる次第でございます。
  142. 千田正

    ○千田正君 いろいろほかにもありますけれども、時間も経過しております。あとは農林委員会等において質問することにいたしまして、私の質問をこれで終ります。
  143. 森八三一

    主査(森八三一君) それでは、お諮りいたします。  日程の関係もありますので、農林省所管につきましてはこの程度で終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 森八三一

    主査(森八三一君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  午後は、建設省所管関係を審査をお願いいたします。時間がだいぶ詰まっておりますので、御迷惑でも二時に再開いたしたいと思いますので、御了承の上御勉強いただきたいと思います。  暫時休憩いたします。    午後一時二十四分休憩    —————・—————    午後二時二十五分開会
  145. 森八三一

    主査(森八三一君) 休憩前に引き続きまして、ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。  昭和三十四年度一般会計予算、同特別会計予算及び政府関係機関予算のうち、建設省所管を議題にいたします。  まず、政府から御説明をいただきます。
  146. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 建設関係昭和三十四年度歳入歳出予算につままして、その概略を御説明申し上げます。  まず、総額について申し上げますと、建設省所管の一般会計予算といたしましては、歳入九億一千三百余万円、歳出一千五百二十四億二百余万円でありますが、このほかに、予算計上の所管は異なっておりますが、実質上建設省所管の事業として実施される予定の経費が、別途総理府に、北海道開発関係として百九十五億七百余万円、離島振興関係として四億八千三百万円、労働省に、特別失業対策事業関係として三十億七千八百万円が計上されておりますので、これらを合せて前年度に比較いたしますと、昭和三十三年度当初予算一千三百八十五億三千九百万円に対し、昭和三十四年度一千七百五十四億七千一百万円でありまして、三百六十九億三千二百万円の増加となっております。  次に、個々の事業予算について御説明申し上げます。  第一に、治水事業につきましては、総額三百六十八億九千四百余万円でありまして、前年度当初予算三百二十六億八千五百余万円に比較して四十二億九百余万円の増額となっております。その事業別内訳について申し上げますと、河川改修等百九十一億五千六百万円、海岸保全五億四千四百万円、多目的ダム百億九千七百余万円、砂防六十三億三百万円、機械整備費七億九千四百万円となっておりますが、このほか、直轄河川改修事業のうち狩野川外七河川につきまして、その改修工事に付帯する橋梁、水門等の工事で二カ年以上にわたる契約を必要とするものに財政法第十五条の規定に基く国庫債務負担行為二十億円を予定いたしております。  治水事業につきましては、最近における災害の発生状況にかんがみ重要な河川の事業の促進をはかるほか、特に小規模河川の改修の強化及び砂防事業の推進をはかるとともに、最近における灌漑用水、工業用水、発電用水等の諸用水の需要の増大にかんがみ、多目的ダム建設を促進し、治水利水の総合対策の強化に努める考えであります。また、重要海岸地帯における海岸保全施設につきましても、その整備を推進して参りたいと考えております。  そのおもなる事業の内容を申し上げますと、河川改修のうち、直轄河川におきましては、継続施行中の利根川外九十三河川及び北海道開拓事業に関連する特殊河川十四河川について実施する予定であります。補助事業におきましては、中小河川として継続施行中の三百五河川のほか、特に緊急に改修を要するもの二十二河川を新規採択するとともに、小規模河川の治水対策を仏化するため新たにこれらの河川に対しる助成を行うこととし、昭和三十四度において、特に緊急を要するもり十河川について実施を予定いたしております。また、高潮対策として継続施行中の東京都江東地区の事業につきましてはその促進をはかることとしておりますが、新規に大阪地区における地盤沈下対策事業を実施するほか、隅田川、淀川の汚濁対策事業を行うことといたしております。  砂防事業につきましては、直轄事業として施行中の利根川外二十四水系を継続施行するとともに、昨年大水害をこうむった狩野川水系の砂防事業を、その緊要性にかんがみ、昭和三十四年度以降は直轄事業として実施することとし、合計二十六水系について実施することといたしております。  補助事業におきましては、直轄河川等重要水系の工事の促進及び昨年甚大なる被害が発生した地域における砂防及び地すべり防止工事の促進に重点を置いて参りたいと考えております。  河川総合開発事業につきましては、特定多目的ダム建設工事特別会計に対する繰入金を増額する等資金を拡充して、継続工事を促進し、岩木川目屋ダム及び肱川鹿野川ダムを完成するとともに、新規に利根川矢木沢ダム等四ダムに着工することといたしております。その他一般会計といたしましても、継続工事を促進して矢部川日向神ダム及び綾川綾北ダムを完成せしめるとともに、新規に空知川金山ダム、三財川立花ダム外九ダムに着工することといたしております。  最後に、海岸保全事業につきましては、補助事業として五十余箇所を予定し、有明海沿岸等の堤防修築及び日本海沿岸、東播海岸等の浸食対策に重点を置いて実施したいと考えております。  第二に、災害復旧関係事業でありますが、災害復旧関係の予算といたしましては、総額二百八十六億五百余万円で、その内訳は災害復旧事業費二百四十七億九千百余万円、災害関連事業面三十八億一千三百余万円であります。  災害復旧事業につきましては、直轄事業は昭和三十三年以前の過年災害の全部を完了する予定であり、補助事業におきましては昭和三十一年以前の過年災にかかる残事業の復旧を完了し、昭和三十二年及び昭和三十三年発生災害にかかるものについては、国庫負担法の趣旨にのっとり、緊要工事についてはおおむね三カ年で復旧を完了するよう実施したいと考えております。  また、災害関連事業につきましては、災害復旧工事との均衡をはかって実施することはもちろんでありますが、昨年の災害による被害の特に甚大な河川については、新規に河川助成事業に採択して改良的復旧を行い、復旧対策の万全を期したいと考えております。  第三に、道路整備事業について御説明申し上げます。ここ数年間わが国の経済の発展は予想以上であり、これに伴い道路輸送も飛躍的に増加しつつあることは御承知の通りであります。政府といたしましては、今後の経済の発展に伴い予想される交通情勢に対処いたしまして、緊急に道路を整備し、もって経済基盤の強化に寄与するため、昭和三十三年度以降五ヵ年間に総投資額一兆円を規模とする新しい道路整備五箇年計画を樹立し、昭和三十四年度はその第二年度分として大幅に事業量を拡大することといたしております。  このために必要な道路整備特別会計の資金につきましては、一般会計からの繰入金等を増額することとしておりますが、特に経済基盤強化資金の投入も行われております。  昭和三十四年度の道路事業関係予算額は、一般会計分九百十七億五千四百余万円で、前年度六百二十三億七百余万円に比し二百九十四億四千七百余万円の増となりますが、特別会計の借入金七十六億八千余万円を加えますと九百九十四億三千五百万円となり、前年度六百七十六億三千余万円に比し三百十八億四百余万円の増となっております。  道路整備特別会計の内容につきましては、後に御説明申し上げますが、一般会計には道路整備特別会計に対する繰入金といたしまして、建設省に七百四十五億六千百余万円、総理府に、北海道開発関係として百四十二億三千三百余万円、離島振興関係として三億七千六百万円、労働省に、特別失業対策事業関係として十五億二千九百万円、合計九百七億円が計上されております。  このほか、昭和三十四年度におきましては、長大橋等の大規模工事で二カ年以上にわたる契約を必要とするものにつきまして、財政法第十五条の規定に基く国庫債務負担行為三十億円を予定いたしております。  なお、昭和三十三年度に引き続き、一級国道のうち交通量の特に多い区間を、国が直轄で維持修繕を行うこととしておりますが、昭和三十四年度におきましては、さらにこの区間を七百九十キロメートル追加いたしまして、合計約二千二百キロメートルとするとともに、交通量の多い大都市内において舗装、補修等の工事を実施する場合には極力夜間に行うこととし、交通に支障を及ぼさぬよう留意して参りたいと考えております。  次に、日本道路公団の有料道路について御説明申し上げますと、昭和三十四年度における日本道路公団の資金といたしましては、道路整備特別会計からの出資金四十五億円、資金運用部資金の借り入れ八十四億円、民間資金の借り入れ六十五億円、外資の導入八十九億円、合計二百八十三億円でありますが、これにより京葉道路外十五箇所の継続事業を促進するほか、新規事業にも着手し、特に高速自動車国道中央自動車道(小牧・吹田線)及び高速自動車国道吹田・神戸線につきましては、第三年度として本格的な建設工事を促進することとし、公共事業費による道路整備とともにわが国道路網の整備に寄与したいと考えております。  また、最近におきましては東京都内の自動車交通がますます激増し、現状のまま放置するときは、昭和四十年には自動車交通が麻痺状態となることも予想されますので、昭和三十四年度におきましては、新たに首都高速道路公団を設置することとしております。  同公団の資金といたしましては、道路整備特別会計からの出資金十億円、東京都出資金十億円、東京都交付金六億円、民間資金の借り入れ九億円、合計三十五億円を予定しておりますが、これによりまして東京都の区の存する区域及びその周辺地域における自動車専用道路及び自動車駐車場の本格的建設を促進する考えであります。  第四に、都市計画事業について御説明申し上げます。昭和三十四年度における都市計画事業の予算は、総額百五十二億二千二百余万円で、前年度百八億四百余万円に比し、四十四億一千七百余万円の増であります。このうち、  道路整備五箇年計画の実施に要する経費として道路整備特別会計に計上されております額は百三十五億九千四百万円でありますが、これによりまして立体交差、舗装、橋梁及び一般改良等の街路事業を実施するとともに、五大市を除く各戦災都市の復興事業を完了し、また、戦災を免れた都市のうち、特に人家が密集し、街路の幅員が狭隘で交通に支障を来たす等都市の発展上整備を要する地域に対し、土地区画整理による都市改造事業を推進いたしたいと考えております。  なお、一般会計に計上されております都市計画事業関係予算額は、総額十六億二千八百万円で、下水道、公園等の整備をはかることといたしております。  下水道関係の予算額は十四億四千八百万円で、前年度に比し五億九千余万円の増でありますが、なお、地方債の増額をもはかることとし、都市施設中最もおくれている下水道事業の促進に努める所存であります。また、事業実施に当っては、公共水の汚濁防止の見地から、工場廃水のはなはだしい地域にこれを一括処理するための特別都市下水路を設けるとともに、道路掘り返しによる手戻り工事を極力防止するよう道路整備事業の進捗状況を勘案して参りたいと考えております。  第五に、住宅対策について御説明申し上げます。  昭和三十四年度の住宅建設につきましては、住宅不足の現況を昭和三十二年度以降おおむね五箇年間で安定させる既定方針に基き、政府の施策による住宅建設戸数として二十一万一千戸を計画いたしております。この戸数は、前年度と比較いたしますと一万二千戸の増となっておりますが、特に坪数の引き上げ等質の向上をはかるとともに、低額所得階層に対する低家賃住宅の供給を増加し、また、宅地取得難の現況に対処いたしまして、宅地供給量の増大及び大都市内における既成宅地  の高度利用を計画いたしております。  また、民間自力によって建設される住宅につきましては、最近の実績から見て約三十五万戸程度建設が見込まれますので、これらをあわせて昭和三十四年度において約五十六万戸の住宅建設を目標といたしております。  政府の施策によって建設する二十一万一千戸の内訳は、公営住宅四万九千戸、住宅金融公庫融資住宅十万二千戸、日本住宅公団が建設する住宅三万戸及び厚生年金融資住宅等三万戸計二十一万一千戸であります。  これに対する予算措置といたしまして、公営住宅に対しましては一般会計予算として百十六億一千八百余万円を計上し、第一種住宅二万九百戸、第二種住宅二万八千一百戸、計四万九千戸の建設に対して、補助することとしておりますが、昭和三十四年度におきましては、六坪住宅等の狭少住宅の建設を取りやめ、質の向上をはかるとともに、低家賃住宅の供給の増加をはかっております。  住宅金融公庫に対しましては、産業投資特別会計からの出資金四十五億円、政府低利金二百八十五億円、合計三百三十億円を予定しておりまして、これにより十万二千戸の住宅建設のほか、住宅用地の取得、造成、災害による被災住宅の復興等に要する資金の貸付を行うこととしておりますが、特に個人、分譲住宅の融資坪数の引き上げをはかるとともに、住宅用地の取得及び造成に必要な貸付資金の大幅な増額を計画いたしております。  日本住宅公団に対しましては、産業投資特別会計からの出資金七十五億円、政府低利金七十七億円、民間資金二百億円、合計三百五十二億円を予定しており、賃貸住宅二万戸及び分譲住宅一万戸の建設並びに宅地造成事業等を行うことといたしております。  また、都市における火災その他の災害の防止をはかるとともに、不燃高層化の促進をはかるため、耐火建築物の建設に対する助成金として、一般会計予算において一億円を計上し、防火建築造成事業を実施することといたしております。  このほか、昭和三十四年度におきましては、市街地再開発の見地から、不良住宅一千戸分の清掃事業を計画しており、これに要する補助金として、一般会計予算において一千四百万円を計上いたしております。  第六に、官庁営繕について御説明申し上げますと、官公庁施設建設等に関する法律規定により、建設省で実施いたします官庁営繕のうち、建設省所管予算として計上されておりますのは二十四億二千五百余万円でありまして、前年度の十七億八千四百余万円に比し、六億四千百万円の増額となっております。  その他、昭和三十四年度予算中おもなるものにつきまして御説明申し上げますと、  道路事業の画期的躍進に備えまして、地方建設局における道路工事関係の定員を二百九十名増員し、事業の遂行に万全を期することといたしております。  また、建設技術及び建設業の海外発展の重要性にかんがみまして、大臣官房に海外建設協力の推進を所掌する一課を新設する等、東南アジア、中近東その他の地域との経済協力の推進をはかることといたしました。  試験研究機関につきましては、前年度に比し八千万円以上を増額いたしまして、試験研究施設等の充実をはかることといたしました。  産業開発青年隊は、前年度実施の直轄キャンプ六、府県キャンプ三十三を継続実施するとともに、新規に直轄三キャンプを実施することとし、その費用として四千三百余万円を計上いたしております。  以上をもちまして建設関係一般会計予算説明を終りますが、次に特別会計予算の概要を御説明申し上げます。  まず、特定多目的ダム建設工事特別会計でありますが、本会計の昭和三十四年度予算総額は百三億円でありまして、昭和三十三年度の九十一億二千八百万円に比して十一億七千二百万円の増額となっております。この資金の内訳といたしましては、一般会計からの繰入金六十四億五千七百余万円、資金運用部資金からの借り入れ二十一億六千三百余万円、電気事業者等の負担金十億九千七百余万円、その他五億八千百余万円となっております。  昭和三十四年度の事業計画といたしましては、継続事業の岩木川目屋ダム等十三ダムの促進をはかるとともに、新規に利根川矢木沢ダム及び下久保ダム、筑後川下筌ダム並びに川内川鶴田ダムの合計四ダムについて実施計画調査を行うこととなっております。  次に、道路整備特別会計でありますが、本特別会計の昭和三十四年度予算総額は、千五億六千百余万円でありまして、この資金の内訳は、さきに申し上げました一般会計からの繰入金九百七億円のほかに、直轄道路事業の地方負担金相当額の資金運用部資金からの借り入れ七十六億八千余万円、付帯工事納付金、受託工事納付金、雑収入及び予備収入二十一億八千余万円となっております。その歳出の内訳といたしましては、一般道路事業に七百四十六億二千六百余万円、街路事業に百三十五億九千四百万円、機械整備事業に四十六億六千余万円、日本道路公団出資金として四十四億円、首都高速道路出資金として十億円、その他付帯工事、受託工事、予備費等に二十一億八千余万円を充当いたしております。  なお、一般道路事業及び街路事業の中には、前年度に引続き、臨時就労対策事業として七十七億円、特別失業対策事業として十五億二千九百万円を予定いたしまして、失業者の吸収をもあわせてはかるほか、積雪寒冷特別地域に対する経費として、機械費を合わせて十七億七千万円が含まれております。  以上をもちまして、昭和三十四年度の建設関係一般会計予算及び特別会計予算説明を終りますが、御審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
  147. 森八三一

    主査(森八三一君) それでは、御質疑のおありの方は、順次、御発言をいただきたいと思います。
  148. 鈴木強

    ○鈴木強君 最初に、道路関係についてお尋ねをいたしますが、その一つは、今御説明の中にもありました特に東京都の関係でありますが、この中にもありますように、最近非常に、東京都内の交通の事情等を見ておりますと、自動車も急激にふえておりますし、それに、最近ですと、どこへ行っても、あっちをほじくり返し、こっちをほじくり返し、みな立往生して、ここへ来るのにも三十分くらい待たされてしまって、時間も思うようにいかぬというような、全く無秩序な状態に私はなっていると思うのです。こういう混雑を緩和する意味において、今度新たに首都高速度道路公団等を設置する予定になっておるようでありますが、この道路の整備計画については、私はもっと抜本的な改革を必要とするのではないかと痛切に感じておるのです。特に東京の場合は狭いですし、都電があり、トロリーバスが走る。これは紆余曲折で、どうにもならぬ状態だと思うのですね。  基本的なこれに対する対策はあとにいたしますが、とりあえず、西銀座の先般出来上っております自動車高速道路ですね、あれなんかは、われわれ端的に申しますと、あそこの下にりっぱな西銀座デパートというのができて営業しているのですが、肝心な上の道路は通ることが不可能のような形でもって、新橋の方なんか放置されているのですね。ああいうような問題について、もう少し建設省として適切な措置がおとりになれないものでしょうか。  それと関連をして、さらに、この金杉から一ノ橋ですか、あそこを通っていく高速度道路についても、今度の首都高速度道路公団との関係ですが、地元では非常に強い反対をしている。こういう事実は大臣も御承知だと思います。従って、どうしても混雑を緩和するために思い切った計画を立てなければならぬと私たちも思います。しかし、それには現在居をかまえている人たちの協力がないことにはできないことですから、これが一つ摩擦のないように十分話し合いをされて最終的に御決定になると私は思うのですけれども、現に相当強い決意でこの問題については反対しようという空気が盛り上っておりますから、私は非常に心配しているわけですが、こういった点について、大臣としてはどういうふうにこれを処理されるお考えでございましょうか。まず、その点をお尋ねします。
  149. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) ただいま鈴木委員からのお尋ねは、問題が二つだと思うのですが、最初の銀座高速道路の問題でありますが、実は、御指摘のように、あの道路の供用が非常におくれておりまして、むしろ副次的な事務所なり商店なりの方が先に仕事を始めておるというような事実を、私もよく承知しております。そこで、昨年の秋ごろから、とにかく工事を早く急げ、そして一刻も早く予定計画に従って供用を開始をさせなければいけないということで、東京都も督励をしてやって参ったのでありますが、ようやく先般結論が出まして、大体こういうふうな計画で進めることになったのであります。  今回、首都高速度道路公団ができまして、首都に高速道路を作ることになりました。この高速道路が、昭和通りをずっと一本通ることになりますので、今あの銀度高速道路が土橋のところまで来て中途半端に切れておりますけれども、あれをあそこの堀をずっと進めて参りまして、昭和通りに接続するまでをできるだけ早くやらせるということが一つ。そして昭和通りに続いて参りますと、今度は羽田の方から来る高速道路に連結することになります。それを急がせることが一つと、もう一つは、京橋の方で今中途半端に切れたようになっておりますけれども、あれをことしの九月ごろまでの間に、八重洲口の方に向っており口を一つ作る。そして同時に、京橋のあの川のところを通って、やはりあすこから昭和通りまで貫通をする、そして一日も早く供用開始ができるようにやるということで、東京都からも強いはっきりした意思の表示をさせまして、一札を入れさせまして、それで一日も早く供用開始を進めることができれば、この東京都の混雑を緩和することもできるので、それに向って全力をあげさせることにいたしております。そのことを一つ御了承いただきたいと思います。  なお、古川橋の方の問題についても、私は聞いておったのでありますけれども、あちらの方の計画は、大体五ヵ年間に、一応の計画といたしましては、六本の高速自動車道路を作る。その六本のうちで、五反田から都心にやってくる道路の一つの予定地にあすこがかかっているように聞いているわけであります。しかし、この計画はまだ確定したわけではありませんし、今計画の審議を始めておるのでありますが、各方面の意見を聞きまして、どうしてもあすこを通らざるを得ないということであれば、あれを通すがために非常に困るような人々に対しては、たとえば商売の方で店が取り払われるというようなことに対しては、その商店が継続して仕事ができるような余地を保留してあげるとか、あるいはどうしても地上を通すことが常識的に見まして無理なような場合には、地下に通すとか、いろいろな工夫をいたして参りたい。その通るところにぶつつかった人が、たまたま非常に大きな犠牲を払うというようなことがないように、無理のない計画一つやって参りたい。しかし、大きな見地からいいますと、首都の非常な窮迫した道路問題を解決するために、この高速道路というものはどうしても作らなければいかぬ。作らなければいかぬことはもうやむを得ないことと思いますが、そのために特別な犠牲を払う人がないように、補償等についても十分考えると同時に、商売が上ってしまうというようなことにならないように、各方面のことを考えていろいろな対策をあわせ講じまして、無理のないような計画を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
  150. 鈴木強

    ○鈴木強君 前段の、でき上っているこの西銀座の所ですが、これはみながこう言っているのですよ。要するに、商売をするデパートのために作ったようなものではないか、宝の持ちぐされであって、実際にあすこをうまく交通できないということであっては、多額の金を使って相当の犠牲をおかしてまでやった仕事が、結果から見て、さか恨みされているということになるのですね。こういう計画のまずさというのは、私はやはりもっと基本的な政策というものをお持ちにならないからだと思うのですね。  私、これは個人的な見解ですけれども、西欧やアメリカを回って見ましても、住宅建設なんかについては非常に政府が積極的に力を入れております。こういう狭い土地でたくさんの住居があるわけですから、これを整理するのは非常に至難ではありましょうけれども、やはり今大臣のおっしゃったように、商店がつぶれてしまって商売にならぬということであっては、これは、これを基本的な問題でありますので、許すことができませんけれども、万全な配意をする前提に立って、もう少し基本的な住宅計画というものとあわせて道路整備の方針をお立てになったらどうか。一番簡単なのは地下道路だと思いますが、これは大へんに予算もかかりましょうし、至難ではありましょうが、こういうことが私は一番現実問題としてはやりやすい方法だと思います。もう一歩進めて再整備をして、全体の東京都を、ないしは小都市を、そういうふうなことで根本的に考えてみる必要があるのではないか。それは私のほんとうの思いつき的な考え方かもしれませんが、何か長期にわたる抜本的な対策を立てて、しかも、その対策を立てる場合には、政府がきめますとなかなかむずかしいですから、委員会かなんかお作りになって、相当慎重な配慮のもとに成案を作っていただく、こういうような方法もあわせ考えて、何とかこの抜本的対策をお立てになる必要があるのではないか。  そういうものがないものですから、ここをやり、あすこをやるということで、やるたびに反対を受けて、うまくいかないというのが現実ですから、既得権益もあるし、住宅侵入の問題もありましょうが、いろいろ基本的人権にかかる問題がありますから……。アメリカあたりでは、個人の了承を得なければ絶対立ち退きができないようでありまして、デトロイトかなんかで見たのですが、りっぱに道路ができたが、まん中に一軒家がある。聞いてみると、裁判をやっているそうです。個人の人権を絶対尊重する、そういうことが、ああいう国でもありますから、それだけむずかしいわけですから、やり方については相当慎重にやらなければいかぬと思いますが、何か根本的な対策をお立てになって、国民の理解の上に立って、逐次年度を追って長期計画をやるというような方法をおとりになった方がいいんじゃないかという意見を持っているのですが、こういうことに対してどうお考えになりますか。
  151. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 首都圏の道路計画についての根本的な対策の問題については、御指摘のように、今日すでに根本的な対策を立てなければならぬ時期が来ていると思います。そうして、しかも、首都高速道路公団を作ろうという考えも、根本的に道路問題を解決していく案を策定したいという考えから出ておるわけであります。従って、具体的な問題については、なお今後審議会等でいろいろ練っていく考えでありますが、大きな方針としては、首都の道路の根本的解決をはかるための道路公団の構想を今提起しておるわけであります。御指摘のような点は、十分一つ考えて参りたいと思います。  なお、土地が非常に需要供給の関係でもって不足し、ことに宅地の値段などが非常に上って参りまして、いろいろな点について大きな問題をかもし出しておるのでありますが、この問題につきましては、道路問題とあわせ考えなければならぬ問題であり、しかも、この解決策というものは非常に困難でありまして、今いわゆるげたばき住宅の制度というものを一つ考えて、少しずつ始めておりますけれども、とうていこんなことでは抜本的な対策とは言い得ないのであります。高層建築をやって、もう少し土地の立体的な利用をはかっていくというようなことについても、思い切ってやるべき時がきておるのではないかとも思います。しかし、それらのことも予算なんかとも直ちに関連を持つものでありまして、まだ実は抜本的な対策を持っておらないのであります。しかし、近い将来に土地問題について、市街地の宅地問題、工場用地問題、その他のいろいろな施設の要する土地問題等について、抜本的な対策を講じなければならぬと思うのであります。一つ、そういう問題について十分研究をやっていきたいと思っております。
  152. 鈴木強

    ○鈴木強君 どうぞ一つ、特に東京都内のいろいろな問題について、今指摘したような点については十分な配意をしていただくと同時に、今大臣の御構想等もとくと拝聴いたしまして、将来に向っての抜本的な解決策というものをお考えいただくそうですから、そういう点もあわせて一つ検討いただくようにお願いしておきたいと思います。  それから、問題がちょっと変りますが、予算委員会において大臣から御答弁をいただいております高速度自動車道の問題ですが、これは特に中央道と東海道について明確になりましたのは、少くとも法律に明定されております通過の予定路線、こういうものを中心にしてやるのだ、そのために東京・吹田間の調査費百億ですか計上されておるようでありますが、私はなお大臣に確認しておきたいことは、最近賀屋興宣氏が渡米されて、外資の導入について相当の見通しがあった、こういうお話を、私、新聞で拝見しておるのです。過ぐる委員会で大蔵大臣にお尋ねいたしましたが、まだ十分に賀屋さんとは話をしておらないという前提でありましたが、かなり有望視されておると、こういうような話を承わりました。そこで、新聞紙上等で東海道か中央道か盛んに論議をされておりますが、中央道は間違いないと、こういうお話でありますが、なおかつ、外資の導入の問題とからんで、東海道の路線というものはクローズ・アップされておると思うのです。その際、国鉄は別途東海道新幹線の計画を持っておるようであります。五年くらいでやりたいと、こういうあれでありますが、それとの関連で私が聞きたいのは、賀屋さんがどういうルートから外資の導入を交渉されたか私わかりませんが、少くとも新聞紙上に報道されているのを見ますと、国鉄の東海道新幹線の方の資金の一端に充てるというふうに私は読んでおるのですが、しかし、そうでなくて、さらに高速度の東海道というものを新たに加えるということになりますと、勢い中央道との比較が出てくると思うのです。そのために中央道がだめになるということがあっては、これは非常に困ると思うのです。私は多くは申しませんが、その点だけ、少くともその外資にからんで、かりに東海道を新しく作るにしても、中央道はもう動かすべからざるものである、こういうふうに理解をしていいのかどうか。この点を大臣から明確に御答弁いただきたいと思います。
  153. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 外資問題は御承知のように、今年度の予算にも外資導入九十八億円の予算を織り込んでおります。これは名古屋・神戸間の高速道路のために話を進めておるのでありまして、これは昨年の予算にもその約半分四十八億ばかりの予算を出しておきましたが、その話がだんだんおくれてきておりまして、ことしの六月ごろが世界銀行の年度がわりでありまして、そのころまでに大体決定をするという見通しがついておるわけであります。しかし、これは名古屋・神戸間の方に限定をしております。名古屋・東京間については外資の問題を持ち出しておりませんので、名古屋・東京間の問題は三十四年度に大体の調査が完了いたしますので、調査をいたしました結果に基いて予算額その他積算をきちんとやりまして、そうして外資を要求するか、あるいは国内資本でやっていくか、そういう問題の態度をきめて参りたい。  東海道の弾丸列車の問題については、この弾丸列車計画が閣議で議論になりましたときに、それに先だって閣僚懇談会をしばしばやりまして、高速自動車道路と弾丸列車というものはあわせて必要であると。弾丸列車ができれば高速自動車道路は要らないということにはならないのでありまして、そこの計算を企画庁を中心にしてこまかくやりまして、両方とも必要であるという結論が出まして、弾丸列車に私ども賛成をし、またこれを支持してきておるわけであります。従って、だからといいまして、中央道をやめるとかなんとかいうことではございません。中央道はすでに法律できまっておりますし、政府の方針もきまっておりますから、中央道は必ずやると、こういうことでありますから、そこは一つ御了承いただきたいと思います。  なお、中央道が百億、少いではないかということもありますけれども、百億は、私は、物理的にいっても、これは相当の金額であると思います。
  154. 鈴木強

    ○鈴木強君 調査費ですから、私は、その点については、百億組んであるということを申し上げたので、少いかどうかはちょっと専門家でないからわかりませんが、百億の調査費の中で予定路線がすでにきまっておりますので、その御調査をなさって、正式路線の法案を出していただくことになるわけであります。その点は、十分その範囲でおやりになれるという自信があって計上されておると思いますから、私はその点はお聞きいたしません。  そうしますと、大臣の御答弁できわめてはっきりしましたのですが、一番難所は赤石山脈だと思います。あそこに相当長いトンネルをやりませんと向うへ突っ走ることはできないわけでありまして、ここら辺が一番困難な場所になると思うのです。どうかこの点は予算の中で早期に一つ御調査をいただいて、次期国会ということを大臣はおっしゃっておったのですから、次の通常国会等にはその法案が出せるように、格段の御努力をいただきたいと思います。  それから、次にお尋ねしたいのは、地盤沈下対策と地すべり防止対策ですが、最近新潟方面は非常に沈下がひどいらしいですね。これに対する防止策というのは、こそく的なものであってはいけないと思います。これももう少し強力な対策を立てていただくことが大事ではないか、こう思います。地すべりの方は、法律案も通っておりますし、それぞれ御努力をいただいておりますが、これも私はやはり対策というものがやや不十分であって、抜本的な対策をやらぬために、また地すべりが来て、そうしてまた工事をやり直す、こういうふうな繰り返しが現実ではないかと思うのです。ですから、この地すべり対策に対する省の基本方針と地盤沈下に対する防止対策ですね、こういう対策について、この際お聞かせいただきたいと思うのです。
  155. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 地盤沈下対策で一番問題になっておるのは、御承知のように三つありますが、新潟と江東地区と大阪であります。  実は、新潟の地盤沈下問題については、建設省が担当しておりますのは、信濃川の支流になっておる栗ノ木川、新栗ノ木川あるいは通船川等のかさ上げの工事をやっておるわけであります。そして三十四年度にも大体その予算が合計でもって八千万円ぐらいになりますか、まあ予算を計上してございます。しかし、これは私の考えでは、もし現状でもって地盤沈下がストップされますならば、これでいいと思います。しかし、三年も続いてまだ地盤沈下がありますと、またかさ上げをやらなければならぬ。そういうことを続けて参りますと、相当大きなダムのような構想でもって、地盤沈下対策というものを講じていかなければならぬようなことになるかもしれません。でありますから、一日も早くその原因を探求しまして、これ以上地盤沈下がないようにやっていかなければ、原因を除くことをやらなければいけないのじゃないかと私は思うのです。しかし、その原因を、私どもの話し合いでは、ことしの三月、四月ごろまでには原因がはっきりするということでありましたので、それを科学技術庁の方の関係でもって早く突きとめてもらいますことを急いでおるわけであります。結論が出ましたならば、それに応じた恒久的な施設を講じていきたい、こういうふうに考えております。私どもは、一日も早くその結論を出していただいて、そしてちょうどさいの河原で石を積み重ねるようなことをやっておらないで、永久に安心ができるような工事をやりたい、建設省の技術者の諸君もそれを念願されておるのでありますから、ぜひそういうふうにしたいと思います。  私は、この間の日曜に、大阪の地盤沈下を見にいって参りました。あの防潮堤ができましたので、防潮堤の祝賀会に行くことは意味がないのでありまして、しかし、すでに八十八キロもだんだん地盤が沈下していって、できた防潮堤がもうかさ上げをしなければまた潮をかぶるというような危険があるというようなことでありますから、その事情を見たいと思いまして、私この間の休みに参ったのであります。行ってみますと、どうも工業用水だけの問題じゃないのではないかという感じが、私しろうと目にはするんであります。これもやはり地盤沈下の原因をもう少しはっきり突きとめて、根本的な対策を講じていかないと、新潟と同じようなことを繰り返すようなことになりはしないかということを考えて、政府としては相当大きな決意をもって、この新潟、大阪、江東地区、こういう問題については対処しなければならぬのじゃないかと思っております。  で、今どうするかというと、どうするかという案は、はっきり、ざっくばらんに申し上げますけれども、ないんでございます。ないというのは、その場その場のそのときどきを過ごしてゆく対策はあります。これで、事務的に説明しますならば、もう大丈夫ですといって説明して差しつかえないんでありますけれども、これは常識でいうとやはり良心的でない、もう少し地盤沈下の原因を探求して、そうして永久にもう大丈夫だという施設をするまでは、問題は解決してないと私は思うのであります。願わくば、政府部内で協力して早くその原因を探求して、そうしてもう永久にこれは安心だというふうな施設をしたいと私は思います。そのために、政府部内で協力して一つ努力してゆきたい、こう思っております。  地すべりについても同じでございます。地すべりは、やはり目の子勘定でやっておるのであって、その場その場の問題を解決しようとして、今、やはり根本的な相当大がかりな予算もとり、やっていかなければ、全くむだが出てくるというような感じを私は持っております。これについても、地盤沈下の問題と同じように、根本的に解決するような策を講じてゆきたい。さもなければ、少しずす予算を投じてゆくことが非常なロスになってゆくような感じを私は持っております。こういう説明をすると、これは予算委員会説明にならぬと思いますが、大丈夫やりますと説明しなければ説明にならぬと思いますが、事実私はそう思っておりますから、ありのままを述べて、ありのままを基礎にして、対策を講じてゆくという誠意を持つことが、私はほんとうの政治だと思って、そう申し上げておる次第であります。
  156. 鈴木強

    ○鈴木強君 遠藤建設大臣を私はここで糾断しようとは思いませんが、しかし、あなたのおっしゃることはその通りです。私も、現実問題として現在においての立場を聞かれれば、そうだと思うんです。しかし、この基礎調査といいますか、根本的な対策を立てる施策というものが非常におそいですよ。あなたが大臣になって日も浅いのですから、あなたを責めてもしようがないんですが、これは歴代の政府の考え方が、これに取っ組む腹がまえというか、そういうものが私は非常に欠けていると思うんです。今日科学の進歩している時代にその原因を探求しようとすれば、日本のあらゆる科学力を動員して、地盤沈下の根本的な原因はどこにあるのか、地すべりの原因はどこにあるか、そうしてこれに対してどうかまえてゆくかという、今日その基本方針すらきまらないで、行き当りばったりの、そのときどきの適当な措置をしているというのが現実だと思うんですね。だから、私は、大臣が就任されて幸い地盤沈下の調査も、三月、四月——きょうは三月二十何日ですから、四月になるかもしれませんが、幸いそういうものができるところまで、微力であったかもしらぬが、努力されてきたことは私は認めます。ですから、この際そういう基礎資料に基いて何年かの計画を立っていただいて、そうして安心してその地域の人たちが生活できるような対策をぜひ立ててもらいたいと思うんですよ。  で、大へんこまかいことで恐縮なんですが、山梨県の六郷という町がありますが、そこの町の落居というところが地すべりが非常にひどいんですね。たしか県の方からも連絡があったと思うんですが、これに対して対策は今年度どうなっておりますか。
  157. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) あの付近に地すべりがあるということは前からも報告がございまして、本省からも見せにやった覚えがございます。それで、まあ地すべりもいろいろございまして、大部分の地すべりは地下のすべり面がございまして、そこに地下水が非常に充満して参りますとすべるというのが非常に多いわけでございます。その地下水を早く抜いてやる、あまり充満しないうちに抜いてやるというような方法をとって成功した部分が非常に多いわけでございまして、そういう方法でできる部分が多いわけでございまして、おそらく山梨県の分もそういう方法でできるのじゃないかというふうに考えております。今具体的にその問題をどうするかということは、省の方と打ち合せて御返事いたしますが、そういう問題につきましても県の要求がおそらくありまして、それについて補助金をつけるというふうに進んでおると思います。
  158. 鈴木強

    ○鈴木強君 こまかいことで大へん恐縮ですが、そうしますと、予算が通りますと、その実行計画の中でどこをやるかということをおきめになるのですか。それとも、予算編成時に際して、御調査なさった結果、県当局申請等も見て、こことこことここは三十年度にやらなければならぬと、そういう資料に基いて予算を組んでいるのでしょう。そうであれば、今私の言っている質問に対して具体的に答弁できるはずだと思いますが、今そこに資料がなくて言えないのですか。それともどうなんですか。
  159. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 今ここに持っておりませんので、今調べまして、後ほどお答えいたします。
  160. 鈴木強

    ○鈴木強君 それじゃわかりました。後ほどそれを一つ早急に調べて御回答いただきたいと思います。  あとに田中専門委員がいますから、簡単にしますが、これは大事な問題ですから、大臣にぜひお聞き取り願いたいのですが、先般も私は補正予算の際に大臣に若干質問をいたしました。しかし、時間の関係で十分質疑ができませんでしたので、この機会にお聞きしたいと思います。  あなたも、三十二年度の国家予算の決算検査報告をごらんになったと思うのです。これを拝見しますと、年々歳々のことでありますが、非常に批難事項が指摘されております。私はきょうはこの問題については深く触れませんが、こういった国家予算の使途について、少くとも国民から見て納得のできないような不正行為やあるいは批難事項というものが指摘されますのは、いかにも私は残念であります。その原因を探求することが一番大事であるし、どういうところに原因があって、今後どういう方針でこういう不正をなくしていくか、これは各省とも真剣にお考えいただかなければならぬと思う。私は、機会をあらためて、会計検査院にもそういう方針についてはただしたいと問っておりますが、それに関連をして、先般いろいろ御努力をいただきまして、伊豆の狩野川を中心とする災害復旧の工事は逐次進んでおるようであります。しかし、これも地元民から見ると、いつになったら完全に直るんだという不満もあるようであります。しかし、三カ年計画ぐらいで将来災害復旧工事をやっていきたい、こういうお話でありますので、私たちはそれを期待するわけでありますが、そこで、直接建設省でおやりになる工事と、それから各府県にまかして補助金を出すのと、二つあると思うのです。こういう不正行為が出て参りますのも、私は、土地的、機構的な欠陥もあろうかと思います。しかし、私のきょう質問したいのは、建設省が直接やられる工事、これはどういうシステムでこの工事業者に契約させるのか、入札の方法ですね、契約の方法。それから市町村、各府県で、地方自治体でやる場合に補助金を出しますね。それに加えて金を作ってやるわけですが、そういう場合に、その業者の選定等はどうおやりになっているのですか。
  161. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) こまかな実際の工事のやり方等については、また事務当局から説明いたしますが、方針だけ、私、申し上げておきます。  会計検査の方の問題ですが、実は建設省は非常に成績がよくなってきたのです。直轄事業については、三十一年、三十二年は批難事項がなかったのであります。ゼロであります。二十六年ごろは批難件数が三十三件もあり、処理未済件数というものも三十二件もありました。ところが、非常に建設省に監察官制度も設けたりしまして厳重にやっておりまして、ずっとそういう件数が少くなって参りました。それで、直轄事業については三十一年、三十二年と、これはゼロになってきております。これは非常にけっこうだといって、大いに私は建設省の職員をほめて、これで一そうがんばってやりなさいと言っているのです。ところが、補助事業についてはまだ若干問題が残っております。それで、二十六年当時には三億一千五百万円ぐらいの批難事項がありました。それは三十一年が八百万円になり、三十二年にはほぼまたその同額ぐらいになりまして、これまたずっと減ってきました。これは建設省としては、事務を扱っている人たちが非常に努力をした結果だと思う。また、いろいろな機構が整ってきた結果だと思いまして、私はこれをゆるめないで、もっと一そう督励をしていきたいと思っておるのであります。  そこで、工事のやり方でありますけれども、具体的な請負の問題等については私詳しいことは存じませんが、大きな方針としましては、地方における工事はなるべく中央の大業者が全部行ってやってしまうようなことをさせないで、地方建設業というものを育成するという考え方でやりなさいという大きな方針をきめまして、ただし、地方のあんまり小さな業者がやって参りますと、工事が疎漏になったりいろいろ事故を起したりしますから、工事が、所要の目的を達成するような工事ができる場合にはなるべく地方の業者を使うようにしなさい、こういう原則をきめて、地建局長なり県の土木部長に指示しております。実際直轄事業と補助事業に分けていくその分け方はなるべく直接建設省が直営でやる仕事はそうふやさないようにして、そうして直営でやるのは非常に工事が困難であって、業者にゆだねることがむずかしいような場合があるわけであります、あるいは試験的にこういうことをやってみたいというような場合、そういう場合には直営でやらせる、さもない場合は建設業者に請負をやらせる、こういうことにして、直轄事業における請負の場合にどの程度のことをどの程度にやるか、詳しいことは一つ局長の方から説明していただくようにいたしますが、大体大きな方針としてはそういう方針でやっていることを御承知願いたいと思います。
  162. 鈴木強

    ○鈴木強君 具体的に聞かして下さい。
  163. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 建設省の直轄事業の請負契約のあり方について簡単に申し上げますと、地方建設局におきまして、地方建設局長が契約するという建前にいたしております。ただ、その場合、通常は毎年年度初めごろに建設、業者のうちから直轄工事を請け負いたいという希望を持っておる者につきまして指名願を出させまして、これにつきまして建設局において資格審査をいたしまして、指名業者の候補者名簿というようなものを作っております。このうちから、実際の工事を発注いたします場合には、その工事を遂行するにふさわしい能力を持っておる業者を選定いたしまして、競争入札の方式によって契約をするというのが建前になっております。ただ、工事金額が一億円以上に上るものにつきましては、その指名業者の選定につきまして、本省においてこれを審査いたしまして決定するというふうに措置いたしております。
  164. 鈴木強

    ○鈴木強君 直轄工事の場合は大体わかりました。指定業者の中から、一億円以上は本省で審査してやる、そのほかの問題については地建の局長にまかしてやる、こういうことだと思うのです。補助工事ですね、補助事業の方は全然建設省はタッチしないわけですか。
  165. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 補助事業につきましては、御承知のように、事業主体が知事なり市町村長でございまして、この事業主体の長が発注者となるわけでございますが、その発注者の立場を直接拘束するわけには参りませんで、通常は知事なり市町村長が、発注に当りまして、十分信用のおけるまた能力を持った業者を指名いたしまして、競争入札によって契約をいたしておるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、先ほど大臣からも御答弁がございましたように、建設業者の健全な育成をはかるという事務もございますから、建設業者の能力の向上あるいは信用の上昇につきまして、いろいろ関心を持ちまして、これが指導に当っておるわけでございますが、実は中央建設業審議会という一つの付属機関がございますが、この審議会におきまして建設業者の能力の一種の判定をいたしておりまして、これは一つの参考資料として府県等には示しておるわけでございます。
  166. 鈴木強

    ○鈴木強君 直轄の場合ですね、一億以下の工事契約について地建局長がやるのですが、その場合に担当官局長になると思うのですが、それを決定する場合に局長のお一人の考え方できまるわけですか。それとも、何かそこには協議的な制度があるのですか。
  167. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 地方建設局におきまして指名業者の名簿を作成いたします場合には、その局内におきまして関係の部長、河川部長、道路部長等をもちまして、一つの会議体を作って、そこで願いを出してきた業者につきまして審査をいたしておる、その結果名簿を作成する、こういうことにいたしております。  なお、ちょっと申し落しましたが、工事金額の非常にこまかい、五十万円以下のものにつきましては、さらに工事事務所長の方に契約を委任しております。  以上でございます。
  168. 鈴木強

    ○鈴木強君 この直轄の方は比較的まあうまくいっていると思うのです、私は。それでいいとは思いますが、しかし、一億以下の、たとえば九千九百万円くらいの工事と一億という工事を比べた場合に、そこに限界の引き方ですが、これは非常にむずかしいと思うのですが、私は、もう少し額を下げて、本省でできるだけ契約についておやりになった方がいいのじゃないかというふうに思うのですが、今までうまくいっているようですから、私は固執はいたしませんが、できるだけ本省でやった方がいいという思想を持つのですが、この一億という額に対して再検討する余地はないのですか。
  169. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) これは私から申し上げる方がいいと思いますが、実は私は、何もかも中央でやっていくというふうなことにしないで、なるべく地方へまかしていきたい。一億の金額が適当かどうかということについては、もう少し検討してみたいと思いますけれども、大きな考え方としては、なるべく地方で仕事が早く済んでいくやり方の方がいいという考え方を持っておりますから、今のところ、大体一億くらいでいいのじゃないかという考え方を持っておるわけです。しかし、特別な障害があり、問題があるようでしたならば、これはまた考えてもいいと思います。それはちっともこだわらないのですから、どのくらいの線で引くのがいいか、フリーな気持で一つそれは考えてみたいと思いますけれども、今のところは、大体それくらいで地方へ力を持たしていくことがいいのじゃないか、こういうふうに考えております。
  170. 田中一

    田中一君 今、官房長官が一億だと言うけれども、櫻井さんなんかがやった東宮御所の建築は、あれは予算が一億円以上あったのですか。八千何百万円でしよう。
  171. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) 東宮御所の建築につきましては、特に重要な建築でございますので、その金額の制限にかかわらず、これは特別に大臣にまでこの承認を求めたわけであります。
  172. 田中一

    田中一君 特に重要というのは、どういう意味ですか。住む人間が重要な人なんですか、建造物が重要というのですか、どっちですか。私は建造物というものは、建築技術の面から見た場合、とるに足らない。だれでもできるような建築なんですよ。従って、重要というのは、あなたの持っている思想的な面から見るところの、住む人間の重要さを言っているのかどっちなんですか。
  173. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) 東宮御所が重要であるといいますのは、一般社会通念上非常に重要であるという意味でございまして、重要と思っております。
  174. 田中一

    田中一君 これは、大臣からの命令でもってそういう措置をとったのですか。少くともあなたは、一個の局長であり、技術家なんですよ。あなたは、委託された建築物というものに対する建設をすればいいのです。だれの命令であなたがするようになったのですか、命令者はだれですか。
  175. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) 東宮御所の建築につきましては、前々から大臣初め幹部の者が非常に心配せられまして、この指名等につきましては慎重を期せいということがございましたので、これはやはり大臣まで持って上るべきではないかと考えまして、次官に計らいまして、そうして大臣の所へ持って上ろうということにいたしましたわけであります。
  176. 田中一

    田中一君 そうすると、官房長の前段の鈴木委員に対する説明のうち、重要なるものは五十万円以下でも建設大臣が直接に指名する場合があるという言葉が抜けている。重要な問題ですよ。従って、重要なるものというのは、建造物をさしているのか、人間をさしているのか、使用する人間をさしているのか、この点の建設省というか建設大臣の見解を明らかにしなければ、今の問題は解決されない。
  177. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 先ほどお答え申し上げました直轄工事の契約方式につきましては、官庁営繕関係はちょっと例外でございまして、私は直轄工事の契約方式の建前を申し上げたのでございますが、官庁営繕につきましては、中央官衙などの建築と、それから特に重要な官庁建築につきましては、建設省の営繕局において直接発注することはできる、こういうことになっております。従いまして、ただいま営繕局長が申しましたように、これは特に重要な建築物という範疇に入るわけでありまして、重要な建築物には間違いはないというふうに考えております。  それからなお、一億以上のものにつきまして、あるいはちょっと誤解がおありかと思いますので、念のために補足いたしますが、これは指名業者の選定だけを本省でいたしております。一般の地建工事の一億以上の場合は、業者の指名すべきものを選定するという契約をいたしておりまして、契約そのものはやはり一億以上でも地建局長に、大臣から委任されて地建局長がやっておる、こういうのが建前であります。官庁営繕につきましては、若干その例外があるということを一つ御了承をいただきたいと思います。
  178. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は、なぜこういうことを申し上げるかというと、やはり私は、補助事業と違いまして、少くとも建設省が直接おやりになるわけですから、本来ならば、すべてこれは建設大臣がやるべきですよ。しかし、事務の能率的な面を考えて、ある部分は地建にまかそう、あるいはその出張所長に委任しておこう、こういう立場です。ですから、できるだけ額は下げて、そして本省が直接おやりになる方が、妥当な公平な契約ができるのじゃないかと思います。下におろせばおろすほど、いろいろのボスの介在や介入が出てきます。そういうことも私はおそれます。ですから、なるほど本省で指定する業者の氏名はこれとこれとこれだ、こういうお指図をするのでしょうが、それだけでなしに、もう少し私は各省の例を聞いてみなければわかりませんが、二つ三つの私の知っておる例では、少くとも九千万円、八千万円とかいう額については、その契約は直接本省がやっておられます。少くとも一億までのものを、一億というのは相当大きな額ですから、そういうものを地建の局長に委任して原則的にやっておるということについては、若干僕は疑義を持ちます。幸い被疑事項その他がございませんから、私の論拠は薄いわけですけれども、念には念を入れて、できるだけそういうことのないように配慮することは当然です。それは例外としてはいろいろありましょう。このことは実際工事をやる場合にあり得ると思います。ですから、その点、私は否定をいたしませんが、たとえ一千万円であっても、これは非常に大事だという場合には、これは大臣がやる場合もありましょう。しかし、できるだけ額を下げて本省がおやりになった方がよろしかろう。多少事務上の手続がおくれても、その方が完璧だ、ベターだと私は思っておりますから、申し上げておきます。これは大臣もこだわっておらぬという御答弁ですし、検討する余地は私はあると思います。ですから、一つ考えをいただいて、御検討いただくようにお願いしたいと思います。  大臣、どうですか、この点は御答弁が必要だと思いますが。
  179. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 地建の局長に委任してあるものについての、先ほど田中委員政府委員との質疑応答にもありましたが、たとえ五十万円の請負についても、それが非常に政治的に問題になったり、諸方面に影響が大きかったりするような場合、そのままほうっておいてはいかぬと思う場合には、全責任を建設大臣が持っておるのでありますから、建設大臣が扱うということですぐ取り上げることもできるわけであります。問題のない、事務的な、ごく事務的に解決していくものについては、なるべくその地建の局長にまかした方が仕事もスムーズにいくという考えを持っておる次第であります。御指摘の方の点については、なお私どもの方でも十分よく研究してみたいと思います。
  180. 鈴木強

    ○鈴木強君 それから、補助事業の場合ですが、御説明ですと、発注者が地方自治体ですから、もちろん、これは全面的に地方自治体の権限もありますし、その自主性を侵害するということについては基本的に反対をしておりますから、百パーセントのことを言っておるわけじゃございませんが、しかし、少くとも国庫が補助する金があるわけですから、それを加えて執行する工事について、やはり建設省が監督の衝に当り、工事の完璧を期するように、今手当したわけでしょう。    〔主査退席、副主査着席〕  これはおそらく各地建の局長あたりが出しているのでしょうが、ところが、被疑事項の中にもありますように、大へん具体的な例で恐縮ですが、四百五十八にございますように、練石石垣の場合ですね、「一八メートルは査定外の箇所を施行しており、また、国庫負担対象の一二メートルについては石垣の根入が著しく不足しているばかりでなく土台木も施行していないなどのためすでに崩壊していて災害復旧の目的を達していない。」、こういう被疑事項があるのです。これは私は、指摘をされたのは、会計検査院も全部当るわけにいきませんでしょうし、もっとたくさん私はあると思います。現実にわれわれがもう次の造成を見込んで、くずれるようにやっているのだというような、そういう非難まで極端にしていますよ。それはその通りにいっている。並べたものがまだ残っておる。次に造成をする。がらがらとくずれてしまう。またやる。何だか、土建業者のために奉仕しているような予算の使い方をしておる。これはもってのほかですよ。だから、私は契約の方法についてはとやかく申しませんが、少くとも監督の立場にある建設省がこれに対してすべておまかせしているというような態度は、これは私はいけないと思います。地建は地建として、地方自治体の権限を守っていくことはけっこうです。ただ、しかし、少くとも国庫の補助金と合せてやる仕事ですから、責任も建設省にある。ですから、もう少し工事の施行と契約の問題について、まるっきり無条件でもって地方自治体にすべてをまかしてやるということは、私は納得できぬですよ。  これはそういうところにこういう不正工事が行われ、適当なその場限りのやり方をして、国民の非難を受けておる、こういう原因が出てくるのですね。これはあなたは、ここを一番りっぱだということを言ったのですが、それは一番あとから言えば言える。最初からそういうことを言うのだから……。建設省全体としての批難事項の中には明らかに書いてある。これは何と抗弁しようとも、これは許しませんよ。われわれは、なるほど直轄河川については皆さんの御努力で非常によくなってきておる、これは私は非常に感謝をいたします。しかし、それよりさらに努力をしていただいて効果的な使用をしていただきたいというのがわれわれ国民の念願ですから、老婆心からこの点を申し上げておきます。  私もこの中を見せていただいておりますから、わかっております。ただ、建設省全体の補助金の使い方等について、依然としてこういう被疑事項が出てくるということは、私は根本的な原因というものはそこにあると思います。これに対してもっと深く広く掘り下げたメスを入れて、そうしてこういう事項が少くともないよう、絶滅を期していくような努力をこそ私は建設省がやるべきだと思います。  だから、そういう点から論議していくと、契約のあり方、工事の監督の仕方、こういう点について、もう少し私は建設省のきぜんたる態度がほしいので、この際大臣に伺っておきたい、こう思うのです。
  181. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 補助事業については、確かにまだ問題があるのであります。一そうわれわれは監督を厳重にしていかなくちゃならぬと思っております。問題が出てくる、その問題というものはどういう問題であるかといいますと、たとえば、工事費がかりに一千万円のやつを一千五百万円というふうにして、そうして実際の仕事は一千万円で済むやつを、補助金だけもらって全部仕事が済んでしまうような計画なんかする。そうして自己負担分をゼロにして、全部政府の金でもってやってしまうというようなものが出てくるわけです。そういうのは災害復旧の場合だったら、査定官が全部見てしまうとか、あるいは事前に調べて立ち会ってやっていくことができれば一番いいのでありますけれども、現在の人手では竣工の検査をするのが大体五〇%しか行き届いていないのであります。人手が足りないのであります。地方が補助事業をやったのをずっと見ていきましても、山の奥なんかとても見られないので、大体聞いてみますと、五〇%くらいしか実際は実地検証ができないくらいです。そんなところにも問題がある。しかし、何といっても一番の問題は、私は地方が昔からの悪いしきたりなんか捨ててしまって、自己負担と政府の補助ときちっと分けてまじめにやるというそういう気風を作っていく、そういう訓練をしていくということがやはり一番大事なことだと私は思うのです。そういうことについて一そうわれわれが努力をしなければならぬと思います。と同時に、検査等についても、できる限り人手などを考えて間違いのないようにしていかなければならぬのじゃないかと思っておるわけであります。決して私はこれでいいとは思っておりません。昭和二十六年ごろに比べますと、そういう問題が四分の一くらいになっております。しかし、これでもまだ問題がありますから、一そう努力していきたい。しかし、他の省に比べて非常にいいですよ。すばらしくいいです。それは一つ認めていただきたいと思います。
  182. 鈴木強

    ○鈴木強君 それで、大臣はかわられますから、三十二年度のことをいうのはこれは迷惑だと言うかもしれませんが、私はそこに国家予算のみそがあると思う。あなたは幾ら糾弾されても、これは申しわけありませんでしたと頭を二、三回下げれば、これはやってしまったこと、今さらどうにもならぬのです、実際いって。私は非常に矛盾を感じているのですよ。ずっとやられてきた方は矛盾を感じているでしょうね。それに対して処罰をしたかもしれませんが、私が大臣を追及していくと、自分でやったことでない、前のことだ。責任はあるでしょう。あるけれども、済まなかった、相済まぬ、注意するということで済んでしまうのだが、事実としての指示事項というものは消えないのだな、絶対に。だから私たちはうるさく言うのですよ。それで今お話の中に五〇%くらい補助事業であっても、工事の監督すらできない、監督どころじゃない、検査もできないというような話を聞いて私はりつ然とする。これはコンクリートを打つ場合だって、まん中の方にでかい石を入れておいて、うわべだけなすっておけば、でき上ってから見て下さいといってみたって、まさか掘り返すわけにはいかぬですよ。そのようなものは、やはりふだんの工事施行に対する監督というものが不十分ですよ。あなたはそういう要員が足りないなら、ことし何名大蔵省にそういう要員を要求したのですか。それからもう一つは、府県の自主性というものを侵害しないと、これは私も賛成です。今、あなたは人間的な訓練、いわゆる人間革命です、これはほんとうに地方自治体が建設省の方針に基いて完璧な工事をするような、これは人間の問題です。事業は人です、私、よくいうのです。人ができなければならぬ。そのためにはやっぱり建設省と地方自治体とよく話し合いをして、そしてそういう矯正なり、訓練なり、人格の陶冶なり、土建屋さんを使う心がまえなり、こういう指導を具体的になされておりますか。各自治体とそういう具体的な話をしたことがありますか。
  183. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) その点は私ども最も注意しておる点でありまして、問題は、地方自治体の知事なり、知事の傘下の職員なり、あるいは市町村の理事者なりのレベルがだんだん上っていくということが一番の問題だと思うのであります。そこで、会合のあるたびに私どもは厳重な反省を求め、一そうの精進をお願いしておるわけです。それは私は期間を経てくるに従ってだんだんよくなってくると思う。一そうこれはよくしなければならぬと思うわけです。監督要員等についても、これはもう少し人を要求し、そしてだんだん充実していく、両方から攻めていって間違いが一つもないようにしなければならぬ、間違いが全然なくなることが理想でありますから、それに向って努力したいと思っております。
  184. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでこの要員対策について、これは官庁に人が多いとかなんとか言われますが、私は実情というものからすれば、確かに行政機構の簡素化も必要だと思います。それから決定された要員の中で適正な配置がしてあるかないか、これは十分検討する必要があると思います。そういうことは私は必要だと思いますが、一面事業遂行上絶対に必要な人というものは確保すべきです、だれが何と言っても。ですから、少くとも五〇%の工事が完了されたときに検査もできないということを、これは放置していることは絶対に許せない。今からでもおそくはないと思う。そんなことではこれは絶対に納得できませんよ。定員措置というものをおやりになったらどうですか。もしことし無理だとすれば、来年は必ずやって下さい。そして少くとも工事を全部見るというわけにもいかぬでしょうが、しかし、一工期の中に一回くらい建設省の方々が行って、これはいい意味指導です。何もお役人づらして監督に来たというような格好では困りますが、今大臣のおっしゃったような、お互いに連絡をとっておくということで完璧を期することは絶対に必要なことですから、そういう基礎自体ができてない。私たち安心してそれじゃまかせられません。そういう措置について大臣はどう考えますか。今でもおそくないです。出して下さい。出せないなら来年は必ずやって下さい。
  185. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) それは私どもかねがね思っておりますことでもありますので、一そう努力をしたいと思います。職員の充実もはかっていきたいと思っております。
  186. 鈴木強

    ○鈴木強君 一そう努力ではない、僕は具体的に質問しているのですから具体的に答えて下さい。これは重大問題です。大体、何人要求したんですか。大蔵省は予算を削ることを考えるようですが、こういう大事な要員措置に対して、少くとも認められないということは、これは許せぬことだと思う。そのため三百人必要だったら三百人出せばいい。
  187. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 先ほど大臣からお答えになりました地方公共団体の補助事業に対する監督要員の問題でございますが、実は私ども予算要求の際、特に道路あるいは住宅関係の事業の監督要員が不十分だと認められますので、これら合せまして数十名の増員の要求をいたしておりまするが、新年度におきましては道路局関係で十名増員を認められておるような結果になっております。今後もこれら監督要員の充実につきましては一そうの努力をいたしたいと存じておりますが、なお、お話のように、事業の施行個所につきまして、なるべく一回でも中間の施行の過程におきまして中間検査をできるだけ実施して参りたい、むしろ中間検査に重点を置いてやりますことが、工事の適正な施行を期待されるゆえんでもございますので、そういうふうに考えまして、運用の面でも今後さらに工夫をして参りたいと考えております。
  188. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、官房長のお話で大体経過はわかりましたが、これは非常に遺憾なことです。これは私はそう思います。実際に大臣の言われることは率直な御見解で私は感謝しておりますが、これはざっくばらんに出していただいて、これは党派というものを乗り越えて、基礎になる要員措置というものをやらないことには、依然としてこれは続きますよ、こういうことは。これはまあ大臣かわられましても、御就任であればけっこうですが、かわられましても、一つ来年度においては必ずそういう措置はするように今から私は努力をしていただいて、来年度われわれが予算を拝見するときに再びこの論議が出ないように、これは私は厳重に大臣に要請しておきます。これをやってもらいたい。これは一つ答弁して下さい。
  189. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) よくわかっております。私どももそういう考えで、そういう趣旨でおったのでありますから、来年、度の予算の上に十分一つ努力していきたいと思います。
  190. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は、住宅問題その他まだ相当質問が残っておりますが、時間の関係で他の委員質問もあるようですからお譲りいたしましてこれで終ります。どうもありがとうございました。
  191. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 先ほど鈴木先生のお話の地すべりの問題でございますが、山梨県西八代郡下部町でございますが、そこにつきましては、一部三十三年度におきましても、地すべり対策を行なっておりましたのでございますが、三十四年度におきましても、県が計画しておりますので、続けてやりたいというふうに考えております。
  192. 鈴木強

    ○鈴木強君 補助額は、失礼ですが、どのくらい見込まれておりますか。
  193. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) これは、目下県と打ち合わせ中でございまして、額の点はまだはっきり申し上げかねます。
  194. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は、大臣がおられますしするので、要望しておきますが、ちょうど私の郷里の近くなのです、これは。で、陳情も何回も受けているのですが、他の府県と比較をしてみますと、私は、強調できるかどうか、今のところよく見ておりませんから、ここで言うのは軽率かと思いますが、しかし、状況としては決して楽観できないと思うのです。今のうちに、さっきお話ししたような抜本的な対策が立てられないとしても、思い切った施策をしていただきますれば、今後における被害というものは食いとめることができると思います。そう私はあの地形から見て思うのです。ですから、できるだけ実行計画の中に思い切った施策ができますように大臣に特にお願いしておきたいと思うのです。これでもって終ります。
  195. 田中一

    田中一君 最初に伺いたいのは、昭和二十二年に公布された政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律法律第百七十一号です。この法律の制定の趣旨はどういう趣旨をもって公布されたか、また国会に提案された提案趣旨というものは何であったか、まず最初にこれを伺いたいと思います。
  196. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ちょっとここに今資料がございませんので、その法文の中身を私はよく記憶しておりませんから、あとでお答えいたしたいと思います。
  197. 田中一

    田中一君 これは、その法律の提案の趣旨というものが明らかにならなければ、これから私が大臣質問するにも質問に困るのです。私の質問に対してあなたも正しい答弁ができないと思うのです。
  198. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) それは何の法律ですか。
  199. 田中一

    田中一君 もう一ぺん申し上げますが、こういう表題です。政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律、今ここに松永主計官も見えておりますから、金を出したり入れたりすることはずいぶんやかましい方だから、御存じなら松永主計官からでもけっこうです。
  200. 松永勇

    説明員(松永勇君) 私、この法律の制定されました当時に担当しておりませんので、正確なことを存じませんが、実はこの法律の施行を例の終戦処理費の関係として具体的にはタッチした経験がございますので、その関係から私の知っております点を申し上げますと、これは占領下で、経緯はスキャップインが出て、そのスキャップインの目的を達するために法律化されたということであります。当時、政府の支払いが、特に終戦処理費の支払いが、不正不当な支払いが多いということであったために、その不当を是正する、あるいは防止するという趣旨から支払い滞貨、政府が支払い滞貨の積算を材料費、諸掛費、労務費その他に区分いたしまして、適正な積算を行なって支払うということに特別の目的を持って法律化された、かように存じます。
  201. 田中一

    田中一君 いや、御名答でございます。そこで、大体この法律は、御承知のように、今、松永主計官が説明したように、戦時発注者、当時の占領軍でありますが、ピストルを持って、施設その他を設備さすのに、日本の実情、当時のインフレの物価等も何にも考慮しないで、やたらにあれを作れ、これを作れといって命令したもんです。道路の補修から宿舎の設営、一切やらしたもんです。そうしてその当時は、そのままそれを唯々諾々として地方長官は実施をした。ピストルを突きつけて、ジープに乗って、これをやれと、こう言われるのだからやむを得ません。そうして、そのしりぬぐいをだれがするか、これは政府がしたわけです。これは二十年に占領軍が進駐してから、その行為をずっと一、二年続けておった。むろんその中にはやみ物資その他もあって、それの摘発があったり、あるいはとうていわれわれが——若い方は御存じないかもしれないけれども、全く敗戦後の社会の混乱状態そのままの姿の現象が、この建設大臣所管の——これは全部国でやっているんですから数々の問題があった。一応安定したために法律第百七十一号でこれを取り上げよう——取り上げようというか、是正しようという考え方を持ったわけなんです。そこで、この法律趣旨というのは、内容というのは、少なくとも戦後の混乱を防止するために時限的な立法精神をもって作られたものであるはずなんです。ところが、昭和三十四年の予算の編成に当りましても、この法律のねらいというものが、きめたものが、多少修正はされておるでございましょうけれども、現時においても横行しておる。また、これが松永主計官等はこれを一つのよりどころにして予算の編成をしようという根拠になっておる。同時に、各局長ともあなた方の仕事を遂行するに当って、やはり同じようにこの根拠によって工事の基礎的なものを算出する基準になっておるわけです。読み上げますと、第十一条には「賃金の支払」というところでありますが、これにははっきりと「政府職員(命令で定める法人の職員を含む。)は、左の各号の一に該当する労務者に対しては、第二条第二項に規定する一般職種別賃金額を超える額の賃金を支払ってはならない。」  一 連合国軍の需要に応じて連合国軍のために労務に服する労務者  二 公共事業費を以て経費の全部又は一部を支弁する事業に係る労務に服する労務者    〔副主査退席、主査着席〕  それからその前には、当時あったところの物価統制令、これがやはり両輪の一つになっておる、物価の統制価格、この法律によると、十一条にあるところの賃金、二つのものが国の仕事の積算の基礎になっておる、そういう化けものがまだ現在横行しておる。生きておる。それをまた建設大臣は認めて、御承知の一般職種別賃金というものですべての予算を計上されておるのであります。これは一、二回でしたか改正がございましたが、その点については、松永主計官、御存じですね、改正があったことは。昭和二十二年の法律施行後改正が二へんほどあったことは御存じですね。ないならないと言って下さい。
  202. 松永勇

    説明員(松永勇君) ちょっと記憶しておりません。
  203. 田中一

    田中一君 そこで、まことに残念なことには、あなたの積算の基礎はそこにあるのです、すべて。物価の統制令は、まあ酒とか米とかいうものは一応の価格が残っております。統制価格が残っておりますけれども、他の物資はことごとく解除されておるのです。ところが、賃金だけはまだこれに押えられておる、これが現状なんです。こんなことを、たとえ二十二年の法律であろうと、あなた方が事業に参画されておるところの労働者の賃金の基礎ぐらいはおわかりにならなければいけないのです。まあ一応政府の、法上の職員というもの、これらは時代にスライドして賃金というものが上っておるものでございましょう。しかしながら、建設大臣所管の事業にはまだ日雇いの労務者というものがおるのです。これらの賃金を決定する基準というものはここにあるのです。この化けものにあるのです。占領国軍が日本を占領しておった当時の法律は生きておって、これがすべての日本の建設、労務者の使命を制しているのです。同時に、直営工事を行なっておるところの地建の末端の日雇い労務者というものも、この賃金に押えられておるという現状を建設大臣は何とお考えになりますか。私はきょう大蔵大臣が来れば大蔵大臣に聞かせたかった、あなたに聞かせるよりは大蔵大臣に聞かせたかった。従って、国の予算というものは、ことに公共事業、これのワクに入っております公共事業に従事するところの労働者の賃金というものは、何の根拠をもって大蔵省はそれをきめておるのか、松永主計官の一つ答弁を願いたい。松永主計官が答弁できなければできませんと言っていいのです、また、いずれ大蔵大臣に聞きますから。
  204. 松永勇

    説明員(松永勇君) 私の記憶によりますれば、今の法律百七十一号というのは廃止されておると思います。ただし、公共事業の直営労務者に対する支払いの関係においてのPWの関係については、なお効力を有するということで、ここで公共事業のPWについて、なぜ百七十一号を基礎としたPWが適用されているかという実態の問題に入るわけでございますが、これは労働省が現在も全国のPWを調査しているわけですが、これは標準賃金として告示されておりますが、これはその地域にプリヴェールしている賃金というものを告示しておるわけでございます。従って、公共事業を実施する際にも、そのプリヴェールしている賃金によるということが妥当であるということで、その賃金をもって公共事業の支払いの基礎とするということにしている次第であります。
  205. 田中一

    田中一君 あなたのおっしゃる通りでございます。その通りでございます。そこで、他の職種にそうした形のものがあるかどうか問題です。一つの商品として出したものに対する積算の基礎というものは、それを用いておらない。御承知のように各産業企業者でも、おのおのはおのおのの企業内における賃金をきめております。今度最低賃金制をきめて、賃金制をやられたらえらい迷惑になるかもしれないが、おのおのがおのおのの企業の実態から労働者の賃金をきめており、その商品の価格というものはこれは自由にやる。ところが、公共事業の労働者の賃金というものは、今、松永主計官が言うように、地域的に各府県別にみな一つの基準がきまっております。なぜ国はそういうもので押えつけなければならないか、なぜこのPWだけが今日生きていなければならないか、これに対する建設大臣の答弁を願いたいのです。当然、だから、これなくてはならないというならそれでけっこうです。もちろんPWに対しては建設大臣と労働大臣協議をしてきめておるのでございます。それを一つ答弁願います。
  206. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 専門的な数字の問題になって参りますので、大蔵省から、あるいは事務当局から答弁いたさせます。
  207. 田中一

    田中一君 これはまずい。松永君の方は出す方の側だから、根拠さえ明らかにすればいいのです。使う方ですよ、使う方の側ではこれは知らずに——知っていらっしゃると思います。さっき言ったときにだれも知っていると言わなかった。さすがに松永主計官だからよく知っている。そういうことを知らないで人間を使うなんということはおかしな話なんですよ。ここで政治的に見て、なぜ公共事業に従事するところの労働者はこうした法律によって、法律というか、これは告示だったか政令だったか、政令をもってこういうことをされているかということになると、これはもうとうてい、われわれとしても知らぬから、今まで一つの既成事実として——根拠を忘れてしまって、既成事実として、それを皆唯々諾々と守ってきているにすぎない。従って、これに対する、建設大臣は事務当局の問題ではない。政治家としての建設大臣が当然自分の見解を表明すべきです。これは御承知のように松永主計官も言っているように、占領政策の遺物でございます。その中には、法的根拠が今日まであって、それがあなたたちが使う末端の労働者の賃金になっているという事実に対しての、これは当然のことだと思うなら当然とおっしゃって下さい。
  208. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 官房長から答弁させます。
  209. 田中一

    田中一君 官房長じゃいけません。官房長は松永さんと、ちょこちょこいって松永さんから知恵をつけられている。こういうことを聞いてもしようがない。官房長じゃない、官房長は事務当局ですから。あなたは事務的に答弁するのじゃない。国務大臣として建設大臣はこれに対してどう考えますか。
  210. 北村暢

    北村暢君 この問題は私、午前中農林省の予算審議のときにも触れておる。ですから、時間がなくてこれはできなかったわけなんですが、同じ農林省の公共事業費の賃金の単価が大体においてこれは二百円ちょっとです、一日の賃金の単価が。今、建設省のやつを見ると単価が出てない。ほとんど人夫給の単価というものが出てない。農林省のやつを調べますというと、私ここにノートでずっと単価全部調べたのですが、調べたところによるというと、百十九円が最低で最高が三百六十円。三百六十円というのはたった一つで、三百円以上というのはこの三百六十円たった一つあるだけです。あとは全部二百五十円以下、二百円、二百六円、二百十一円、まあそんなものなんですね。こういう単価になっているのですよ、このPWと称するものが。それでこれは農林省建設省もこの単価に対して全然無批判でもって、PWがこれだからこれでやりなさいと、こういうことになっている。従って、事業実施の官庁はこれではできないのです。実際仕事ができないのですよ。二百円でやれといったってできない。そのためにこれはまあ建設省は非常にきれいなことをやっていらっしゃるというふうな、先ほど鈴木委員に対する答弁だったんです。現実にこれはから人夫を使わないと、幽霊人夫を作って単価を上げないというと仕事ができない、実際問題として。そういう苦労を官庁自身がやっているということです。これは大きな問題なんです。さもなければもう予算でぴったり来るものですから、もうこれ以下で使っている官庁もある。百八十円くらいで使わないと、最高二百五十円出せない。そのためにこの単価以下で使っている所がたくさんある。これは建設省ばかりじゃない。農林省の中にもある。そういう問題について今田中委員指摘されておる。これは全般の問題でございますので、私の調べた範囲内でもそういうことがはっきりしておりまするので、これは政府の問題として、労働省のPWがいかに不合理なものであるか、どこを調査してくるのかわかりませんけれども、不合理なものであるか、この予算の単価で私どもはっきりしている。ですから、これはもう知らぬ、存ぜぬではいけないので、建設省なり農林省が言われるままに無批判にこの単価を組んでいるからこういうことになる。私はそう思っている。そういう面からしても軽視できない問題でございますから、一つ御答弁をはっきりさせていただきたい。
  211. 田中一

    田中一君 もう一つこれを確認している法律を御招介しますから。これはあなたの方に関係深いのです。昭和二十四年に出ました緊急失業対策法の、この法律による緊急失業対策法施行規則の第十条にはこう書いてあるのです。「法第十三条第二項の規定による公共職業安定所」、これは現在変っております。「公共職業安定所の承諾を得るには、公共事業の事業主体は、職業安定局長の定める様式による請求書を、主たる事業実施の地域を管轄する公共職業安定所(その公共職業安定所が二以上ある場合には、職業安定法施行規則昭和二十二年労働省令第十二号)第六条第四項の規定により当該事務を取り扱う公共職業安定所)に提出するものとする。」、これを言っているわけです。今申し上げたこの規則六条第四項というのはこのPWをさしているわけです。この法律は御承知と思いますが、昭和二十七年にも一部改正をされております。こうして記憶にない、自分はその時分は今の職務におらなかった、同時にまた、十何年前の話ですから、これは全然知らなかったということじゃ済まないのですよ。少くともあなた方がだれでも、局長になったらば、せめて自分の所管の法律はどう推移してどう変ったか、精神は何であったかというくらいを知らなければほんとうの行政はできるものじゃないのですよ。私はこの際これは一つはっきりした態度建設大臣態度を伺いたいと思うのです。
  212. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 昭和三十四年度の予算の編成に当りましては、労働省の与えておる標準に基く標準賃金を基礎にして予算の編成をしておるのでありますが、私どもはこれでとにかくやれるということで編成をしました。しかし、実際これをやってみて、どうしてもやれないということであれば、これは修正しなきゃならぬと思うのでございます。ことしの、三十四年度の実績を見まして、実際の工事を見まして、その後の問題については十分検討して参りたい、こう思っております。
  213. 田中一

    田中一君 松永主計官に伺いますが、あなた主計局では、やはりこのPWという一つの告示の文書があるのですから、何といってもこれを基礎にしてものを考えるということには変りないですね。これ以外のものに出て考えるとするならば、これはあなたのような良吏は——良吏というのはいいお役人さんはですよ、ほかのものでしないと思うのですよ。そこで、その点はどうなっておるか。やはりこのPWを一つの基礎にして賃金の積算をしているかどうか伺いたいと思います。
  214. 松永勇

    説明員(松永勇君) 予算の積算はもちろんその材料費、賃金というものになるのでございますが、実際私たちがやっております作業から申しますと、たとえば、道路を一キロ当り幾らの単価舗装の場合には幾ら、改良の場合には幾らということが一つの積算単価になります。それで、今回延長何メーターの道路をやるので、平均単価として幾らで入れると、予算の積算をやっているわけでございます。もちろん、だから、その一つ一つの積算の際に何人夫でどうこうというところまではいたしませんで、道路延長一キロ当り幾らという単価を先にこれは建設省が作られたやつを私たちも一緒に単価を見るわけです。その単価を今度は数量としての延長キロ数というのに掛けていく。もちろんその単価というのも各地域であるいは地形その他によって実際には相当違うと思いますが、いわゆる平均単価ということでそれを適用いたしております。
  215. 田中一

    田中一君 そうすると、予算の要求官庁の、そこに並んでいらっしゃる局長たちはどういう根拠で予算の請求をしているか、一人々々説明して下さい。
  216. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 道路事業の場合について御説明申し上げます。道路事業につきましては、地方建設局におきまして直轄事業——実際自分で手を下して直轄の直営事業をやっております。従いまして、舗装事業にいたしましても、普通の改良事業にいたしましても、ごく特別なものを除きましては、大ていこの実績の歩がかり、また、材料の所要額等という実際のものをつかんでおります。従いまして、予算を組みますときに、舗装の場合で申し上げますというと、舗装の種別それから等級等に応じて数種の標準を設けておきますならば、一方、補助事業等の場合におきましても、大体これを適用することによって、延長、幅員等を掛け合せることによって総体の事業費が積算できる。そのほか所要雑費につきましても、一応建設局におきます直営工事あるいは請負工事等から相当の実績が出ておりますので、それらを勘案して、次年度の予算あるいは長期計画における経費の積算などもそれらを基礎といたしまして積み上げておるのが通常のやり方でございます。
  217. 田中一

    田中一君 そうすると、今お話のはPWによらないという説明をしようとするのか、よっておりますという説明をするのか、どっちなんですか。それでいいんですよ、簡単に。まだあとからたくさん質問がありますから、今の場合は、PWによって積算の基礎としておりますということなのか。ことならこと。違うなら、そういうものは知りませんとか、あるいは従来の慣習をやっておりますとか、前年度の単価をそのままとってやっておりますとか、本年度の物価指数がこのくらい上っておるから、それを加味しますとか、簡単でいいんです。そういう答弁をしてくれればいいんです。
  218. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) PWによる賃金をもとといたしまして積算をいたすと同時に、請負事業などは落札の状況によりましてかなり内訳につきましてPWの関係とは必ずしも合わないところが出て参ります。その請負事業などの場合の、たとえば平方メートル当り、あるいは一キロ当りの単価等も考慮いたしまして予算を考えることにいたしております。
  219. 田中一

    田中一君 佐藤君、ずいぶん親切に御答弁になるけれども、請負の場合とかなんとかいうことは要らないのだ。PWによって積算の基礎にしておりますならおりますという答弁をしてくれればいいんです。各局長答弁して下さい。
  220. 稗田治

    政府委員(稗田治君) 住宅関係の予算の単価につきましては、坪幾らというのでやっておりますので、PWに直接は関係ないと思います。
  221. 田中一

    田中一君 坪幾らというものを出す賃金の基準はどこに求めて積算しておるかということを伺っているのです。
  222. 稗田治

    政府委員(稗田治君) 坪幾らという単価の水準につきましては、全国の同種類の建物につきましての坪当りの単価というようなものを参考にいたしまして、なお前年度等に施行しました単価とその後の資材等の値上りの率等を勘案いたまして単価をきめるわけでございます。PWに直接は関係ないかと思います。
  223. 田中一

    田中一君 政府がこういうものをきめておるから民間の単価もこれにならっておるのですよ。いいですか。補助金等も一切の問題はこの基準から来ているから、地方公共団体も事業をする場合は、これを一応の基準にしているんです。従って、民間もこれを基準としていることはもう明らかなんです。まあ稗田局長は昨年の十二月に局長になったばかりでありますから、そういうことを担当の者から聞かなかったというならば、それでけっこうであります。そこでまず河川局長
  224. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 直営工事についての長い間の伝統があるわけでございますが、もちろん、この実績を積み上げてやるのが実際に即するわけでございます。それを勘案いたしまして、実際の単価をきめて参って、それが実際に即するわけでございますが、それを実際に照らしてみますと、PWにいろいろ幅がございます。その範囲の中には大体入るという見当をつけております。
  225. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) 営繕関係につきましては、各省の新営の単価というものを大蔵省に要求いたしますために、毎年一回ずつ改訂いたしております。その際には、全体の単価をよく研究いたしまして、実際の入札の例その他を比較いたしまして、一部の値上り等の状況を勘案いたしまして、前年度の坪当りに今年度は何%を掛ける、あるいは引くというような操作をいたしておりまして、個々には分析してPW等の計算はいたしておりません。
  226. 美馬郁夫

    政府委員(美馬郁夫君) 私どもの方は補助事業ばかりでございますが、方針としましてはPWに準拠してやっております。
  227. 田中一

    田中一君 伺ってみると、事実PWの存在というものは影が薄くなっているというような発見をしたような私は受け取り方をしたわけです。そこで、官房長に伺うのです。官房長は建設省に長くいるので、官房長になったのは当年の十二月だから知らぬでしょうけれども、従来、官房は労働大臣相談するのじゃないかと思いますけれども、従来ともPWの賃金の改訂について、今まで建設省はこの法律が出てから何回そういう折衝あるいは改訂の事実があったかどうか、こういう点について、何か記録があったならば——記録はあると思うが、あなたの方で一つ官房長、答弁して下さい。
  228. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) PWの賃金の改訂につきましては、私の記憶では、たしか昭和三十二年に改訂が行われたと承知をいたしております。また、その前後に何回労働省等と交渉したかということにつきましては、当時直接のタッチしておりませんでしたので、記憶しておりませんが、特に特別失対の事業あるいは臨就事業を始めましたときと、その後労働省とはいろいろ相談をいたしたことはございます。後ほど記録を調査いたしまして、その経過につきましては詳細に御報告を申し上げたいと存じます。
  229. 田中一

    田中一君 建設大臣に伺いますが、このように、もはや実態からかけ離れているんです。こういうものはなくても、あなたの役所の練達なる局長たちはまことに時宜に即した賃金というか、それから先ほど住宅局長または営繕局長が言っているように、算定の基礎を知らないでも事実十何年間続いてきておる単価というものは、その時代に、年度の一つの何といいますか、賃金体系といいますか、社会的なそういうものに合せるような賃金の算定をしておるということが一つと、同時にまた、これが過酷なものであったということは、これは今、北村委員指摘しておるように、あり得るのですね。これは何でカバーしておるかということになりますと、これは労働強化以外にはないのです。どの仕事でも請負にいたしましてもみんな切り投げ、こま切れ等、小さな請負形式で仕事が流れておるのですね。一般の職員が八時間なり、あるいは一般の労務者、賃金をもらっておる人は十時間労働でやっておりますけれども、いわば能率給的なものでもって自分の賃金をふやしておるのが実態なんです。これがすなわち労働強化であると同時に、またその労働者が自分のからだを張って、毎日の自分の賃金をふやしておるというのが現状なんです。で、私はここで大臣に一ぺん——このPWの存在に対して、私の気持というものは、もはやこうした占領政策の遺物であるところの考え方はこの際廃止する、この方向に向わなければならぬと思うのです。私はまだあなたの、建設大臣の所管の中で、占領軍の命令強圧によって作った法律がそのまま温存されて、国民がどれくらい苦しんでおるかという法律を発見しておるのです。同時にまた、戦後足かけ十五年たって、そうしてまだそうしたような思想が残り、それを政府が法律としてつかみ、国民に強要しておるということは、これはもうあり得ないことなんです。もしかりにそうしたものが必要ならば、新しく策定すべきが当然であります。従って、PWの廃止ということに対しての建設大臣意見、同時にまた、これはむろん労働大臣との協議によってきめておるという問題でありますから、単独できめられないと思います。しかしながら、建設大臣が十分に自分の各局長が年度の予算を計上するに当っても、実態から十分お調べになって、そうして末端の労働者に対する過酷な賃金を押しつけるということがあってはならぬ。同時にまた、これは直営工事はむろんのこと、請負工事につきましても、先ほど言っておるような労働強化とか、あるいはほんとうに命を削るような思いをさして労働者から吸い上げておるのが現状なんです。これに対する建設大臣の率直な意見、あなたがもし自分ではできないというならば、もう少し何というか、お困りになるような資料の提出を要求するかしれませんけれども一つこの辺のところを、あなたは良心的な方なんだから、率直に御意見を出していただきたい。
  230. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私も実は不勉強であまり詳しいことは知らなかったのでありますが、しかし、今、各局長の話を聞いておりまするというと、いろいろ問題があるようであります。PWの不合理を、実際の物価なり賃金なりの動きに合せて修正をしてやっておるやに私は聞いたのであります。それでPWの問題は相当問題があると思いますし、一つ段階で来ておりまするので、十分これを検討してみたいと思います。労働大臣ともよく話し合いしてみたいと思います。
  231. 田中一

    田中一君 まあ予算委員会では私、建設省所管の問題では、この問題がもとになると思うのです。この問題が正しく国民の前に受け入れられなければ、仕事の遂行というものは完全にいくものではないというような見解を持っておりますから、まあとりあえず今の大臣の御答弁でけっこうです。どうか努力をして、廃止という方向に向って進んでいただきたい、こう思うのです。
  232. 北村暢

    北村暢君 関連して。その点で私、農林省のいい例があるので、大臣一つ再考していただきたい。これはまあ建設省も同じなんですけれども農林省の中に林野庁というのがあって、これはやはりPWでやっておった。ところが、これは公共企業体等の労働関係法で公労法が適用になりまして、団体交渉をやるようになっちゃった。そうして賃金は団体交渉できめるということになって、業種別賃金というものがなくなってしまったのですね。ところが、同じ農林省の中で、たとえば畜産局の種畜牧場という牧場がある、政府の出先機関の牧場ですね。隣に林野庁の出先機関の営林署の苗畑がある。かきを隔てて二つ一緒の所にあるのですよ。そこで賃金がもうぐっと違っちゃった。片っ方は団体交渉で賃金をきめるものですから、うんとよくなっちゃったのですね。それで同じ農林省の中の、同じ役所の中の畜産局関係の種畜牧場の賃金というのは、べらぼうに安いのですよ。それで大体この牧場で人夫を募集するという場合に、営林署の方の苗畑には行くのだけれども、あまりにも差があるので、もう来ないというようなことになっちゃったのですね。それでやりにくくて非常に困るから何とかしてくれということが出ているのですよ。そういうふうに、やはり今までPWで縛られておったものだから、上らなかった。今も実際予算の単価からいってそれしか来ないのですから、実際に私が指摘したように予算の単価でなっているのです。これは大蔵省がどういういうふうに言っているか、PWを修正して使っているとかなんとか、各局長は言われておりますけれども、これが実情に沿わないということは、今言っているように、もう各局長が認めているように、沿わないのです、これは。ところが、現実にあるのですね、これは。業種別賃金でもって大工は幾ら、石工は幾ら、もうみんな賃金はきまっているのですから、各地方地方によってそれは労働省が告示してあるわけですから、それに準拠しているわけです。それがあるために非常に苦労している。ですから、同じ役所の中でそういう今言ったような例からいたしまして、これがもう存在価値がないものだという、非常に実情にそぐわないものだということだけは、私ははっきりしていると思う。ですから、今後のまあ閣議等において、公共事業一般に全部これは適用されているわけですから、大きな問題で、しかも、これについては各局長さんが言われるように、関心を持っておられない。大体人夫の単価なんというものは、何か言われたものを積算して、これは毎年の例のよってやっていればいい。大体、人夫賃を幾らにするかなんということを頭に置いて予算を編成する人はおそらくいないですよね、これはそのくらいまでになっておる。ところが、実際に仕事をやる人はそれでは非常に困るので、苦労しているのです。苦労していることが上の方では予算編成の時期にはわかっておらぬ。大臣自身もそういう点については気がつかないくらいにほうっておかれている問題なんです。ですから、一つこの点は今非常に多くの人がこれに苦しめられておりまするので、田中委員指摘するように、これは大きな問題なので、一つ再考していただきたいということを切に要望をしておきます。
  233. 田中一

    田中一君 そこで、先ほど鈴木委員から入札制度の問題についていろいろ質問あったようですが、一体、これは建設大臣、どう考えているのですか。二十四国会に出た法律案が二十八国会でこれがとうとう廃案になってしまった。例の会計法の一部改正の問題です。これは所管はあなたのものじゃございませんけれども、この法律の施行は、そのかかるところはあなたの方にかかってくるのですね、主としてこれは松永君もずいぶん長い間私とも論争をしてきたのでありますけれども、この入札制度の合理化という問題をきめなければ、今の賃金の問題にもからんで、この合理的な正しい工事が行われないのです。そこで、当時あまりに何度も大臣がかわったものですから、僕はどの大臣がどう言ったのか記憶がなくなっていますが、大蔵省との話し合いはどういうことになっているのですか。あるいは閣議でその問題が出なかったかどうか、その点について、初め松永主計官から聞いた方が遠藤さんは話しいいなら、あちらから先に聞きます。
  234. 松永勇

    説明員(松永勇君) 実は予算の執行の問題といたしまして、建設省、それから私どもの方の法規課あたりとは長い間にわたって検討されている問題だと聞いておりますが、これについてただいまのところ、どうという結論はまだ出ていないと思っております。目下検討中でございます。
  235. 田中一

    田中一君 それはおかしな話で、二十四国会でもって大蔵省は政府提案で、参議院の先議で提案したんですよ。参議院はこれに対して満場一致通過したんですよ。ところが、衆議院に回付して、衆議院では何かどさくさでもってとうとう継続審議になった、そうしているうちに、参議院の先議が一応からんだものですから、また衆議院でもその後に満場一致可決されたんです。ところが、参議院でもう一ぺん事務的に委員会付託になって、ところがそれが会期末で、とうとうわれわれが、たしかすべて審議しないという委員会を一切放棄するといったものですから、これは審議未了になってしまったという歴史的な事実があるわけです。それを、松永君がそんなことを寄り寄り考究中でありますなどと、のめのめとうそをついてはいけません。大蔵大臣が責任をもって出したんですよ、この法律案を。これは衆議院、参議院とも通過している法律です。事務的にこれが審議未了になったという事実をあなたは知っているはずです。そんなことを審議もくそありませんよ。
  236. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私から申し上げることが適当かと思いますので、私が申し上げますが、実は入札制度の問題について、改正案というものを出さなければならぬという議論建設省部内にもあるのであります。私はこれに対してはきわめて慎重論であります。と申しますのは、私は現在のような自由入札、全く制限のない競争入札の制度の方にもたしかに欠点があります。極端な例を申し上げますと、この間の東宮御所のような入札の場合も出て参ります。ところが、ローアー・リミットをつけていく入札の方法におきましても、非常な目に余る弊害があると思うのです。私は現にその弊害をある県で見ておるのですけれども、たとえば一億なら一億、一千万なら一千万というローアー・リミットをつけておくと、必ずこれはどこからか出てくる、知事なり、副知事、道路部長か何か知りませんけれども、必ず出てきて、ボスと結託して一千円、一万円なり、それが必ず取れるのでございます。それを取って下請に出しては頭をはねて、ボスがやっておる。それを防ぎ切れない、罪人を作るような結果になる、そういうことですから、非常にローアー・リミットで公平にやっていくということは非常によい点ですけれども、その逆手を使われて目に余る弊害が出てくる。従って、私が今考えておりますことは、極端なダンピングなんかをやった場合、それを認めないということをやることは、これはいいかもしれませんが、ローアー・リミツトをつけて、そうしてある幅をきめて、これ以下にしてはいけないというやり方に対しては、どうも弊害が多くて、よほど考えなければならぬと思うのです。むしろローアー・リミットにつけることに対して消極的な考えを持っているのは、この私であったのであります。そこで私は、この間の東宮御所の問題のような、ああいう問題が出てくるが、あれも非常に困った問題だ、しかし、ローアー・リミットをつける問題にしても、非常に弊害が出てくるので、罪人を作るような結果が出てきて、建設行政はがらがらになってしまう。従って、私はほんとうを申し上げますと、どういうことをやったらいいかということを考えますと、はっきりした結論が出ないのであります。むしろみんなの納得できる、そういうどちらの弊害をも除き得るようないい案ができれば、私どもはすんなり伺って、この入札制度というものを正しく持っていきたい、こう思っているわけですけれども、現在のところ、私は建設省からローアー・リミットを作るという案を出すことに対しては、私が反対しておった、そういう事情でございます。
  237. 田中一

    田中一君 これは、その問題につきましてはゆっくりやりましょう。あなたは何もないから、これもいかぬということなのか、対策は別に考えているということなのか、その辺あいまいなんです。そこで、だれかが知ってそれを漏洩するという前提に立つということは、あなたは役人、公務員というものは全部悪人であるという前提に立っているのです。これは国務大臣として言葉が過ぎます。私は国家公務員でも地方公務員でも、公務員は善人である。法をりっぱに遂行する、正しく遂行するものであるという前提に立って、ものを考えているのです。もしもそういう者があったならば、これは当然制度の問題ではなくして、刑法上の問題です。まあ幸いに刑事事件にならぬ場合でも、道義上の問題です。そうなると、人間改造しなければならぬということです。先ほどの鈴木君も言っているように、そうなると自民党の諸君全部出ていって下さいと言いたくなる。ということは、私の言葉が過ぎたならばあやまりますけれども、汚職は何で生まれるか、制度の問題ではないので正す。人間の問題なんです。権力の問題です。金がなくては選挙ができないというところにも政治の汚職があるかもしれません。そこで私の申し上げたいのは、やはり公務員というものは善良なる法の執行者であるという前提に立って、ものを考えなければいかぬということです。一つの事例をあなたが見て、それがいい悪いということは、私が法律を作る、私が法律を審議する場合の心がまえは、全然あなたと僕とは違います。そこで制度の問題、今の問題に対しては十分に、これは昭和二十九年以来長い間論議をし尽した問題ですそうしてこのほんとうに頑迷な大蔵省も、とうとうわれわれの要求に応じて、二十四国会で、会計法の一部改正という法律案を出したわけです。これは今言う通り、ものの線をきめようというのではない。あなたは誤解していらっしゃる。たとえば、この間のような東宮御所の新築のように、何も予定価格の一割とか二割とか、きめようとするのではないのです。契約する権限というものを発注者が持っているという改正なんです。しいてローアー・リミットというのはおかしなくらいな表現で、これは今までずっとそういう言葉を使っているから、そういうことになっておりますけれども、そうではないのです。むろんこれは指名という制度でやっております。今あなたが一番初めに言ったように、会計法のもとというものは、あらゆる国民層に機会を均等に与えて、いわゆる公開入札制度、これが原則なんです。この原則に対して、何も私は異論がございません。これは正しい。事実において、北海道の工事を鹿児島の人間が、人間を連れてきたり、資材を運んだりして仕事をする場合と、北海道の地元の人間が仕事をする場合と、むろん契約の単価というものはおのずから違います。だから、鹿児島の人間が向うに行くということはないと思う、値段が高くなるから。しかしながら、公入札という制度に対しては、これは否定するものではない。これは正しい。しかし、現在あなたの所管の仕事でもって、公入札で、しているところの仕事が一つでもありますか。あなたが所管する仕事のうち、一つでも公入札でやつている仕事がございますか。私はないと思います。あるならば、今ここにいる局長連中から答弁して下さい、自分のところにあったと。ございません。一切特定なる業者に対して指名して入札をさしているんです。これは制限入札なんですよ。公入札とはおのずからうらはらのものなんです。反対のものなんです。その中で、よりよき技術なり、精神なり、資力なりが妥当なものを選ぼうというのが今の制度なんです。あなたのように公式論をぶつならば、あなた自身がやっておりますか、やっていないんです。この現状から見ても、請負人がつぶれようが、一向われわれは関知しないんです、これは営利事業ですから。しかしながら、ダンピングした場合の姿というものがどうなるかと申しますと、結局末端の労働者の生活に響いてくるのです。賃金の不払いとか、ましてや、いわゆる俗に言うけつを割った場合には、国が損をするんです。従って、国民が損をするんです。だから、妥当な条件のものを指名して、ある一定の人間を指名してやらしているのが、今日の常識的な制度なんです。慣行なんですよ。それにもかかわらず、あなた自身がどっかの一つの事例を取り上げて、その制度に反対だというならば、私はきょう四時間この第三分科会で皆さんと一緒に質問をしたいつもりでおりますから、まだ時間はゆっくりありますから、いろいろと話し合いをしてみたいと思うんです。この点を今、あなたが失言というよりも、あなたの部下が言ったことを取り上げたのかどうか知りませんけれども、現に、道路施行令というものがございました。これは昭和二十六年に、私は当時の大臣、次官、局長あたりに厳重に言って、道路施行令というのは、当時あったやつは、三分の二以下の入札は落札しないというきめ方なんです。これは古い時代から——内務省時代から道路施行令ではきめているんです。ローアー・リミットを引いているんです。あの終戦後の混乱時代、それから引き続いてくるところの生活がまだ困っている時代に、やたらなダンピングがあったら困る。しかしながら、一応自由競争時代になったのだから、安定してきたのだから、この制度をとれといって、僕は建設委員会で数回にわたってこんこんと言って、とうとう政府はこのローアー・リミット制というものをとってしまったのです。これは行政的にできますからね。道路施行令を改正したわけです。この事実があるわけです。たしか昭和二十六年と思っております。しかしながら、その後の社会事象、社会の変転から、条件は変ってきております。今では六万人をこえるというような請負人もございます。遠くから末端まで行った場合には、これは比較になるものではないんです。そうして、ダンピングというものは、大きな業者は労働者に対する不払い等は割合に少いのです。中小企業なり、そうしたものを食い殺していっているのが現状なんですよ。こういう点から見ても、あなたがさっきるる鈴木君の質問に答えて言っているように、地方の業者を育成するにはそうしなければならないのです。私は、これは二十九年でしたか、自分で実地に大分へ行って、大分の実態を調べてみたのです。そうしますと、県に登録してありますところの、県の仕事をする業者というものが、六十人おりました。この六十人が、月に二へんくらいは入札の指名がくるそうです。月に二へんくらいですよ。百二十件くらい仕事があるのです。そうして、もらうのはせいぜい月に一ぺんもらえるかもらえないかです。請負人というのは、建設業者というものは、仕事をするのが能じゃないのです。見積りをするということが大きなその職務の実体なんですよ。だれが利益するか。発注者が利益するのです。どこにいい材料があり、どこに安く仕入れたところの材料を持っているとか、あるいは労務者なら労務者ですね、技能員というものが、自分のところで遊んでいる者が何人いるというようなところから、そういう最適な人を選び出すために入札というものをやるのです。私は、しいて言うならば、当然発注者が一方的に指名してやるならば——公入札なら別でありますよ、指名してやるならば、見積りをするというこの業務に対しては当然なる報酬を払えと言うのです。三十くらい入札をして、一つ順番で談合してとるのです。私は談合が悪いとは思っていません。談合してとる。そして、それで今までの経費、営業費というものを全部まかなっていかなければならない。それは、公入札という制度が現在あり、会計法というこの昔からの法律が残っているために——大蔵官僚どっかへいっちゃったが、ああいう連中がそれでもっていじめている。会計検査院もそうでしょう。また、それを指名のための材料に持っている。こういうことは、仕事をしようという建設大臣は、そういうものに触れずして、あなたの仕事というものは、あなたの、ここにいるところのりっぱな局長たちが、一千万円で積算をしたものは、一千万円以下ではりっぱな仕事はできるものではないのです。この点について、私は建設大臣の反省を求めます。
  238. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) いろいろこの問題は、非常にむずかしい問題が私はあると思うのです。確かに、今の競争入札制度のこれは非常な欠陥であります。といってまた、ローアー・リミットをつけてくる問題についても、非常に問題があるわけであります。それで私は、汚職とか、そういう暗い影がさすようなことが、制度の上でそういうものが除けるような制度をぜひ作りたいと。私は、そういう問題について極端に考えておるのかもしれませんですけれども、ぜひそこだけは役人にはきれいな態度でいくようにしてほしいと、そういうチャンスを与えないように全力を尽していくべきであると。それをやっていきますと、弊害は確かに一方に出てくるわけです。私は決して今の官庁の職員を疑っているわけでもありません。これは非常に優秀な者が集まっておりまして、ことに建設省なんか非常に将来自信を持った人たちが集まっておりますから、決して疑っておりません。しかし、やはり人間でありますから、そういうチャンスを与えますと、間違いを起す人も出てくるわけであります。それは、もし間違いを一つ起して参りますと、国民がもう信頼しなくなって参ります。ですから、一方において指名競争入札も非常に悪い点もありますけれども、ローアー・リミットを作っていくというやり方にも欠陥がありますので、どういうふうにしていったらいいかということが私の非常な悩みの種であります。しかも、私は汚職のようなものに接近ができないような制度を作ってやることが官庁制度の問題としては非常に大事なことであるというふうに考えまして、この問題については、あなたのおっしゃることはよくわかりますけれども、もう少し考えて参りたいというのが現在の私の偽わらざる心境でございます。
  239. 田中一

    田中一君 私は、櫻井君をやり玉にあげては申しわけないけれども、先だっての東宮御所の入札についても、間組というものをなぜあなたが指名に入れたか、理解に若しむのです。あれは土木ではりっぱな土木屋ですが、建築のスタッフも何も持っておらない。これはうそかほんとうか知りませんが、久関するところによると、どっかの政治的な圧力が加わって、間を入れろというので間を入れたということをあなたがどっかで述懐したということを私は聞いております。あなたが言ったかどうか知りませんが、そういうことを言ったということを聞いております。あなたのような、今まで長い間民間の機関におられ、それから地建というああした幅の広いところにもおらない、そうして今日局長になっておるあなたが、自分の意思で間を入れたとは思いません。そこで、指名制度のいい悪いということを今言っておったけれども、あなたはやはり良心的にやるということは私は間違いないと思うのです。私はもしあの問題を言うならば、あなたが一万円で落札さしたら一万円で成功させなさい。間組はりっぱに仕事をやります。りっぱにやりますよ。これは考えてみれば膨大な利益がある。かりに八千万円として七千九百九十九万円というものが欠損になったとすれば、他の方でもうけた分の税金が軽減されるからかえって得なんです。名誉だけ得るのでなく、そういうような含みも実体としてはあるわけなのです。会社としては。ですから、私は勇気を持ってやらせればよかったと思います。それを年に何百億という仕事をする人間を四人も五人も加えて国民をだますようなことをする、これはあってはならぬことだと思うのです。それでもってあの問題に対する、あの入札、社会的にいろいろ話題になっている入札ですから、どういう基準でそうなったか、率直に答弁して下さい。
  240. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) あの工事を指名いたすにつきましては、先ほど来申します通り、非常に重要な工事でございますので、いろいろ上司の御指示を受けて、私の方からもデータを出しまして慎重に協議をしてきめたわけでございますが、根本方針といたしましては、特に建築工事としては大きな工事ではございませんが、重要工事でございますので、建築技術の優秀な会社及び宮内庁に従来出入りしましてその経験の深い経歴、そういう二点に重点を置きまして、半ば機械的に上の方から順次取りました結果間組が入っておることになるわけでございます。従いまして、特に間組をピック・アップして加えたということではありませんで、ちょうど間組で切って、これに続くものは、今言いましたような選定において相当離れることになりますので、間組で切りましたところが、ちょうど指名になった、そういうことでございます。一万円につきましては、一応落札ということには決定はいたしましたものの、その後あのように、御承知のような情勢になりましたので、これまた上司のいろいろ御指導を受けまして、あのような事後処理をいたしたわけでございます。    〔主査退席、鈴木強君着席〕
  241. 田中一

    田中一君 まあ、あなたのことは、これ以上追及してはあなたも困るだろうから言いませんが、しかし結局制度の問題で、現行の制度の問題でもああしたような間違いがあるのです。また、あなたが言っておるように、大臣が言っておるように、フロア・リミット制を実施した方がそういう事故が多いという見解は間違いであるのです。今度大蔵省は二十四年だったか、出した法律案というものはフロアリミットじゃないのです。決定権は発注者が持っていることになっているのです。妥当でないものに対しては契約を拒否するということになっています。従って、フロア・リミットというものではないのです。発注者の自主性を認めているという法律案なんですから、あなたが先ほどフロア・リミット制に対して云々ということとはちょっと筋が違うのです。われわれは、その前段に主張したことは、ぜひフロア・リミットをやれということを言ったのですけれども、政府が出しましたところの会計法の一部改正というのはフロア・リミットではないのです。従って、まだ官房長あたりからそういうことの報告があなたのところにないかもしれませんが、これに対してフロア・リミット制をしくという前提に立たないで、合理的な入札制度をとらなければいけないという、この現行法でもよくないのです。何らかの方法をとらなければならないということが考えられて、新しい観点から一つ研究して下さい。これ以上言ってもしようがない、あなた自身が誤解しているのだから。会計法の一部改正という法律案の内容を御存じないから、どうもあなたに話したってちょっと工合が悪い、的はずれになってしまう。あなたの答弁は答弁になっていない。従って、これはこの程度にとどめます。
  242. 鈴木強

    主査代理(鈴木強君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  243. 鈴木強

    主査代理(鈴木強君) 速記を始めて。
  244. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 現在の制度が万全だとは思いません。確かにこれは考えてみなければならぬと思います。さりとて、今問題になっているようなことがそのままそれでいいかどうかという点についても、もう少し私は検討してみたいと、こう思うのです。決して口先だけではなくして、まじめにこの問題が建設省全体のために一つ検討してみたいと思います。
  245. 田中一

    田中一君 そこで、二十四年に政府が提案したところの会計法の一部改正、これは内容はご存じでいらっしゃいますか、ご存じないですか。
  246. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 大体聞いておりましたので知っております。
  247. 田中一

    田中一君 官房長、詳しく答弁なさい。あなたがフロア・リミット制と——第十九国会並びに第二十二国会に社会党、自民党、労農党共同提案で出したところの建設業法の一部改正法律案、これは確かにフロア・リミット制でございました。これは社会党、自民党、労農党、三党が共同提案で出したものです。第二十四国会、三十一年に政府が提案したものは、会計法の一部を改正する法律案であります。これはフロア・リミット制ではなくして、指名し、入札した場合に、その落札者の決定権というものは発注者が持つというような趣旨のものであることは私もよく知っております。でありますから、建設大臣が先ほどからフロア・リミット制に対するところの、疑義がある、自分が反対だということと、現在政府が提案し、参議院、衆議院ともに満場一致で通過した法律案に対しまして、あなたはどうお考えになっていらっしゃるのですか。
  248. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 政府が最終的な決定権を持つという場合に、私が非常に心配しますのは、そのときの情勢によって政治的に大臣なり次官なりが動かされるようなことになってはこれは大へんであります。それで、大臣、次官なんていうものは、そういうことに超然といくべきであると私は思います。私のように1私はもう非常に無鉄砲でありまして、自分の正しいと思ったことはだれの言うことも聞かないという、突っぱねてやっております、私は。しかし、そういう場合にいろいろの運動や何かがあって、そうしてこれはその落札者が少し値段が低いからそれはやめて、その次の人に落札させようとか何とかいうような問題がありますと、これまたいろいろ疑惑を生じて参りますし、そこらの問題についてももう少し検討してみなければいかぬのじゃないかということを私は考えているわけでございます。それで、それは大勢がそういうことで、それがすべての人が納得するということであれば私は何をか言わんやでありますが、しかし私としてはもう少し考えて、すべての人が納得できるようなことにすることがいいのではないかというような、そういう考えを私持っておりました。だから、頭からそれに反対だということは申し上げませんが、もう少し慎重に考えてみたい、これが私の心境でございます。
  249. 田中一

    田中一君 どうも同じ保守党の内閣で、むろんこれは総理が変れば見解が、見解というか、考えが変る場合もあると思いますけれども、朝令暮改もはなはだしいです、それでは。私は、おそらく今建設大臣の答弁というものは、十分にこの問題について検討してないから、そういうようなことを言っているのじゃないかと思うのですが、少くとも政府が閣議で決定して、政府の責任において出した法律案が、参議院も満場一致、衆議院も満場一致通った。しかし、事務的な時間切れでもって成立しなかったというこの事情に対しては責任があります、提案の責任が。これは総理が変ろうと政府はちっとも変っておらない。革命政府じゃないのです。同じ系列の政府なんです。これに対して責任があります。松永主計官でもいてくれれば……、松永主計官も知らない。こういう問題についてはやはり建設大臣も謙虚になって、自分はこれは知らなかった、しかしそういう経緯のものならば、これはもう一ぺん内容を検討して、政府の責任もあるからどうするというような答弁がほしいのですよ。だから、最初にはあなたが誤解しておったものだから、私が短かい言葉で言うものだから、フロア・ミリットと言うものだから、あなたは誤解しておった。ですから、これは官房長も一つ責任がある、大臣に向って、大臣がそのくらいの答弁の準備ができるようにするくらいな心組みで、あなた資料を出さないからいけない。大臣は何もかも知りやせぬ。こんなことは、あなたが言ったように、だれが秘密を漏らすかということは、官吏以外知らないのです。どの制度を作りましても、人間というやつは利口なもので、抜け道、盲点をついて、上手にやるもんなんです。しかし、私はどこまでも法の執行者というものは、ことに民間工事なら、利害関係者というものは、自分の利益になることにつくことは間違いないのです。民間で注文を出す場合には。役人の場合には、役人というか、国家、地方公務員の場合には、ともに法律を守るために、守るための熱情というものは、これは何といいますか、常識化されているのですよ。まれに悪いことをする人間があるということにすぎないのです。それも九牛の一毛です。だから不正云々でなくて、謙虚にこの会計法の一部改正を検討するということにならなければいかぬと思うのです。現に前建設大臣の根本君が、何とかいたしますという答弁をしたと私は記憶しております。あなたが一つのことをとらえて、それがどうのこうの、役人が悪いことをする機関を作るのはどうというのは、的はずれです。従いまして、どの制度を作りましても、人間改造以外にないのです。人間改造はなかなかできませんよ。だから、よりよき制度というものを作らなければならぬ。このままであっちゃならぬと思うのです。そのいい例は、先だっての東宮御所の例であります。
  250. 鈴木強

    主査代理(鈴木強君) ちょっと主査の方から一言申し上げておきます。田中委員の質疑は、非常に重大な問題だと私は思います。従って、今もお話がありましたように、松永主計官は途中で、答弁を求められて御答弁なさって、そのまま離席をされておりました。主査は、非常に大蔵省とも関係のあるものですから、今主計官の御出席を強く要請いたしまして、松永主計官もお見えになりました。松永主計官にも、ぜひできるだけ、お忙しいでしょうが、本委員会の運営上御協力をいただきますようにお願いしておきます。
  251. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私は決してこの問題についてこだわるつもりはないのであります。こだわるつもりはありませんが、一つ制度を作る場合に、必ずプラスの面、マイナスの面が出てくるものであります。ですから、そのプラスとマイナスとを比較して、どっちをとるべきかということのバランスをよく考え、そうしてどの道が国家全体として大きなプラスになるかということの判断を誤まらないようにしなければいかぬと思うのであります。田中委員の御意見もよくわかります。確かに今の制度は万全ではございません。何とかもう一歩合理的な線へ持っていくように、せっかくまじめに一つこの問題は検討してみたいと思います。
  252. 田中一

    田中一君 松永君に伺いますが、あなたはこの担当じゃないのですか、これは。
  253. 松永勇

    説明員(松永勇君) これは法規課で担当いたしておりまして、私は事務にタッチしておりませんです。
  254. 田中一

    田中一君 それならそうと、初めから答弁してくれればいいのですよ。君を何もそんなに強く追及しやしないのですよ、知っているような口ぶりでもって、十分検討いたしますと言うから、つい僕も言いたくなってしまうのですよ。これはいずれまた、建設委員会でこの問題は取り上げてやりましょう。  次に伺いたいのは、最近防衛庁が相当幅広く地方公共団体の仕事を積極的にやるようになってきた。私は四、五年前に、建設青年隊を行政措置で政府が作られましたので、これは一つの大きな役割を果すのじゃないかという気持を持ったのです。また、われわれの党としても、非生産的な自衛隊が生産部門の面に少しでもタッチすることは望ましいと……またあなたの方が後退して、われわれが政権でもとれば、大いに自衛隊を活用して、あなた方がしなかった国土経営というものを本格的にやってみようというような夢まで描いているのです。しかし、現在目に余るような自衛隊の民間企業への食いつきというやつですね、蚕食というのですか、これはちょっと目に余るものがあるのですよ。それで、これは先だっての予算委員会の一般質問でも、伊能防衛庁長官に聞こうと思ったのですが、これはちょっと時間がなかったのでやめたのですが、むろん防衛庁設置法の中に、ちゃんと受け入れができるのだと書いてあるのですね、法律で。これは違法でも何でもございません。ございませんけれども、ここにやはり大体労銀です、民間でいう賃金が、政府が今作っておりますところのPW、この基準と合っているのか合っていないのか。大体において調べた範囲では、建設省が積算する予算の三割減で仕事が完成しております。三割減で請け負っております、現在。だから補助工事にしても、地方は自衛隊を使ってやった方が、自衛隊は演習と称してやる、従って人件費はない、人件費はとりません。またどういう取り方をしているのかも……、ただ予定価格の三割減でやっているということまでは、いつも明らかになっています。こういうことになりますと、これはもう民間の受け入れなんかやらないでいいのですが、全部自衛隊にやらした方がずっと国土計画に協力することになるわけですね。こいつを、法律でそうあるからといって、建設大臣がそのまま見のがすこともどうかと思うのです。むろんこれは、この仕事の、事業の種類というものは公共事業です。これに対して一体建設大臣はどうお考えになっているのか。
  255. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 自衛隊の建設工事への参加の問題については、実は昨年私が就任した当時から問題がいろいろありまして、いろいろ陳情も聞いておったのであります。しかし、私がもう何にもとらわれないで常識的に判断をしてみまして、これは邪道であるというふうに私は判断したのであります。よく聞いてみますと、知事なりあるいは市町村長なり、公共の機関が主として道路なんかの基礎工事をやる場合に、緊急やむを得なくて使ったというようなことも聞いておったのでありますけれども、それにしてもその工事が土木建築業者を圧迫するようなことは、あまりよろしくないというふうに私は判断しました。そこで、これを頭から禁止するということの前に、地元の業者、関係の業者との調整をとることをまずやってみたらどうか、あまり何もかも自衛隊がやるといったようなことは建設業者というものを撹乱していくような結果になりますから、地元の業者との調整をはかって模様を見たらどうかということで、昨年の九月ですか訓令を改正いたしまして、そして地元の業者との間によく話し合いをして、皆納得する場合にはこれをやってもよろしいけれども、納得しない場合には、こういうことをやらない方がいいという趣旨の訓令を出しました。その後あまり非難を聞いておりませんけれども、うまくいっておるのではないかと思っております。しかし、詳しいことは存じませんので、その後の経過はまた必要に応じて事務当局から答えさせていただきたいと思います。
  256. 田中一

    田中一君 まあ、私は自衛隊がそういう仕事をどこまでもしちゃならぬと言っておるのではないのです。法律にあるのですから、できるのですから、しかしそういう事実が民間の企業並びに労働者の賃金の低下になるということを私は心配しているのです。なるほど自衛隊も国の機関の一部ですから、だから月給は自衛隊の方の庁費でもってまかなってもらう、月給とか何とかいう処遇の問題は。材料とか機械とかの費用にすぎないのです、これは演習という名目でやっているのですから。ところが、町の中の学校の校庭の整地とかあるいは県道の改築とかやっているのですよ。ことに三十四年度の予算にも計上しているはずです。建設部隊というものを新設しようとしているのです。これも長官に詳しく今後の機会にお聞きしたいと思っているのですが、全国の、私はどこに自衛隊の部隊があるか知らぬのですが、それぞれの部隊に建設部隊とか何とか、昔ならば師団とか何とかいうのでしょう。そこに建設部隊を新設してますますやろうというような気がまえでいるわけなんです。これは防衛長官にしてもつらい話ですよ。われわれからしょっちゅうこんなものを、非生産的な、まるで国民の税金を何にも生産しないで食っておるのだと言われるからつらいものだと思う。それが幾分でも国民のために奉仕しようというような気がまえから、あるいはこれはまあ非常に好意ある私の解釈ですが、悪意あるものならば、われわれをだますために親しめる、愛される自衛隊にしようと思ってそういうようなものを創設して、これはもうただでございます、材料費だけくれればよろしゅうございますというような調子でもってどしどし公共事業にいくおそれはないか、ことに三十四年度の公共事業費の伸び方を見ますと、とうてい地建……道路工事等特殊な仕事をやる建設業者も足りないです。私は相当の数のものを、あるいは直轄工事ばかりでなく、補助工事にしても、自衛隊が仕事をするようなことに、これは三十四年度以降はなるのではないか、邪推するならば建設大臣と防衛長官の間には何かそのような黙契でもあるのではないかというようなことまでも……現在の直轄工事のうちの直営部隊であるところの地建の持つ能力、北海道開発局の待つ能力あるいは運輸省の港湾建設課、農林省の農地局等、その持っているところの、直営をしているところの職員の部局と要員、専門的な、道路なら道路、港湾なら港湾というような特殊な仕事をすることができる業者というものは少ないんですね。これは予算委員会で十分追及してみたい。そうして国民が誤解をして、これは愛される自衛隊などと思われると、われわれの思想からいいますと、とんでもないことになるというような気持を持っておったんです。閣議でそういうような問題は起ったことございませんか。また、あなたがそれらの自衛隊の諸君、部局とそうしたものもやってもらうといったような黙契はなかったですか、またないとするならば、今後そういうような申し出があった場合には、三十四年度以降の道路整備五ヵ年計画等には参画させないなら、させないという一つ言明をしていただきたいと思います。
  257. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 自衛隊の方にそういうような計画があるということは、私は実は聞いておらなかったのであります。私はかねがね申し上げておりますように、中小建設業というものを保護育成し、これらの中小企業を安定させることに非常に力を入れておるつもりであります。先ほど来申し上げましたように、地方の小さな工事にことごとく中央の大土建業者が行って請け負ってしまうようなことをさせないように、できるならば地方の中小土建業を育成するように、その機会を与えるようなことを、あるいは金融を特別にめんどうを見るというようなことをやっておるやさきでございます。中小企業のじゃまになるような意味の自衛隊の工事については私は賛成することができません。ただし、その地方におきまして基本的な工事で、施行者すなわち知事とか市町村長等がぜひこれに協力がほしいというようなことがあり、しかも先ほど申し上げましたように、訓令をもって地方の業界とよく相談をしてよく納得がゆくような場合には、やるようにということでありますから、その範囲内においてやることは今後も続けられるであろうと思います。あくまで土建関係の業者との調整をはかりながら、地方の業者を非常な窮地に追い込むようなことをさせないようにする、その考えで私は一貫したいと思っております。
  258. 田中一

    田中一君 防衛長官とそんな話をしたことはありませんね。
  259. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) それは全然ございません。
  260. 田中一

    田中一君 次の問題は、直接あなたの方がやろうとしているものではありませんけれども、同じこれは公共事業なんですが、北海道で、北海道開発庁はことしの仕事の量がふえたと思うんです。そこで八千名程度の要員ではとうてい直轄工事のうちの直営工事はまかなえない、まあ従来通り請負に出しておる部分もたくさんありますが、今度は、御承知のように北海道は冬季間は仕事ができませんから、季節労働者が向うに入っていって仕事を夏のうちにするというような状態なんです。そこで刑務所の何といいますか、受刑者を使用というか、借り上げて、雇い上げるというんですか、そうしてそれを請負人等にそれを預けて仕事をさせよう、かつての戦時中の建設工事のような状態にまで戻して、そうして仕事をさせようというような考え方があるように聞いておるんです。現にそういう手配をしたということも聞いておるんです。そうしてこれを一般質問のときに法務大臣に聞こうというつもりでおったんですが、これはまずあなたに一つ参考に聞いておいて下さい。私は刑務所、刑務所といいますけれども、刑務所という法律を一生懸命六法全書を、ああいう法律を調べたけれどもないんです。発見したのは監獄法というのです。なるほど監獄というのは刑務所だ。監獄法というのは私ども若い時分から知っておりました。最近になって刑務所というのは、刑務所法というのがあるかと思っていろいろ調べたら、いまだに監獄法という法律ですべてが規制されておる。おそれ入ったものだと思うのです、私は。それで、これはいろんな条件があります、法律を調べてみますと。そのうち、その受刑者を使役するということも、非常にあいまいな解釈なんですね。これはじかに法務省の担当の人間に会って聞いてみますと、使用することができなくなっているのです。できなくなっているけれども、できる解釈でございます。拡大解釈をもってやっているわけなんですね。監獄法第二十四条には、「作業ハ衛生、経済及ヒ在監者ノ刑期、健康、技能、職業、将来ノ生計等ヲ斟酌シテ之ヲ課ス、十八歳未満ノ者ニ課ス可キ作業ニ付テハ前項ノ外特ニ教養  ニ関スル事項ヲ斟酌ス」というのが法の中にあります。それから施行規則では、第七十一条に「作業賞與金ハ行状、性向、作業ノ種類、成績、科程ノ了否ヲ斟酌シ司法大臣ノ定ムル所ニ依リ計算ス可シ」。それからこの法六十六条には、「刑事被告人ハ之ヲ監外ノ作業ニ就カシムルコトヲ得ス」ということがあるのですね。ところが、解釈は反対解釈をして、受刑者はしてもいいのだという解釈のもとに使っているのが現状なんです。これは表へ行って青空の下で仕事をすれば、監外へ一日でも出してもらえば愉快だ、能事は上がる、手当はもらえるということになる。こういう状態であるが、私は、建設大臣も、本年度以後の仕事の量が伸びて参りますと、そういうような安易な方法でこの事業を消化するというような気持になりはせんかと思ってあなたに伺っておるわけなんです。そういうことは今後どう公共事業が伸びてもしないならしない、ある場合にはするというような御答弁を一つ願いたいと思うのです。
  261. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 今、事務当局が書いてきたものがここにあるのですけれども、これは常識論としまして、刑務所の人たちを建設事業の労務として計画的に使っていくなんということは、やるべきでないと私は思います。現に、今までも、建設省はそういうことを指示したことは全然ないようであります。ただ、請負業者が刑務所当局と打ち合わせて少し手伝ってくれないかというようなことでやったことはあるらしいのであります。法務省は使ってほしいということを言っているそうであります。しかし、これは、軽々に使いますというようなことを言うべきでないし、私どもも、現在はまだ使うという腹はきめておりません。どういうふうにやるべきかということを十分に研究してみたいと思います。
  262. 北村暢

    北村暢君 そう言いますけれども、小倉の拘置所の建設建設省の所管でしょう。その事業に対して建設省でやってきたんですよ。ところが、予算の関係から、お前の方で受刑者でやりなさいということで、今年度から受刑者でやっているのです。そういうのがあなたの所管の中にあるのですよ。
  263. 櫻井良雄

    政府委員(櫻井良雄君) 拘置所の建設等は、法務省の所管予算であると思っております。それで、特に法務省では受刑者を使用して工事を経済的にやる場合がございまして、そういう場合には建設大臣の所管からはずしております。
  264. 田中一

    田中一君 そこで、これは遠藤さん、今公共事業をやっておるところは、農林大臣、運輸大臣、それから建設大臣、北海道長官が大体主だと思うんですね。あとは営繕的なものです。この四人の大臣が三十四年度のこの伸び過ぎ——伸び過ぎけっこうなんですよ。非難しているのじゃないんですよ。この公共事業を消化するに当って、法律の拡大解釈をしてまでも仕事を進めていこうというような考え方があるならば、なぜ現在の四つの公共事業を担当する職員を増さないかということです。これは先ほど鈴木委員指摘しています。少なくとも五ヵ年計画というものを持っている。住宅については公営住宅三カ年計画を持っている。ことに、日本道路公団にしても、日本住宅公団にしても、これは計画性ある事業をやっていこうとしている。公団、公社は別としても、あなたの方の仕事で、港湾にすれば港湾整備五ヵ年計画を持っている。これに見合う職員をふやすのは当然なんです。囚人を使ったり——囚人というか受刑者を使ったり、これを直用するならいざ知らずだ。これでも私は反対ですよ。自衛隊を使ったり、また、それらの受刑者を請負人に預けて仕事をさしたりなんということをするならば、なぜまともに職員を——あなたの所管のあなたの部下には七年も八年も勤めているりっぱな技能者がいるんです。それらを身分を完全に安定さして仕事をさせないかということです。請負人だってそうです。請負人だって、特殊な事業に対しては、そうざらにあるものじゃないんです。この前も言ったことがあるんですが、もしも公共事業あるいは災害復旧等が長期計画が立たないんだということを言うならば、今の現段階においてすら足りないということが明らかなんですから、職員の身分の問題については、あなた自身が自分の預けられたところの公共事業の消化力というもの、民間におけるところの消化力の実態を完全に把握して消化して分析して、どうしてもこれだけの職員が要るんだということで、ことに建設業者に依存しようとするならば、当然これを監督する要員が必要なんです。この教育を本年度はしようということはしておらない。沼津の研修所等は、おもに行政官を作るためのものであろうと私は理解しておるんです。こういう点について建設大臣はどういう見解か、また、それらのあなたの方で消化しなきゃならぬという本年度の事業量、民間建設業者の能力等を勘案してと、先だっての予算委員会の一般質問では、あなたは、多分これは完成するように努力いたしますという答弁、こんな抽象的な答弁ではだめなんですよ。実際に科学的に分析して、できるならできるという確信を持たなければならぬ。仮定の問題だからといってあなたは答弁を逃げるかもしれない。こっちも、将来、三十四年度の予算というものは通過するかしないか仮定の問題になりますからね、これも追及できないけれども、そういうごまかしでなくて——あなたはごまかしてばかりいる人ですよ。良心的にほんとうにそれらの仕事が消化できるかどうかの問題に対して、各省とも検討しようとしているかどうか、どういう方向に向おうとするのか伺いたいと思うのです。
  265. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) お話のように、三十四年度の予算におきましては、四百億円以上の予算が増加いたしまして、事業の分量が非常に大幅に拡大されたのでございます。その事業を完全に消化し、所期の目的通り建設を進めていく場合に、人員が確かに不足することは御指摘通りであります。従いまして、各部門ごとに、あるいは道路、あるいは河川、あるいは計画関係と、それぞれ各部門ごとに必要な定員の要求をしておったのでありますが、なかなか思うようにも参りませんでした。しかし、最小限度に必要な定員だけは認められて参ったので、これでとにかくやろうと思っております。ただ、準職員ないしは補助員の定員化の問題について一つの問題があったのでありますが、この問題は前々からの私どもの強い願望であり、昨年ようやく約六千五百人の定員化が認められたのでありますが、なお本年に問題を残しておるわけであります。準職員として約六千二十名、補助職員が五千七百名ばかりおるのでありますが、これを何とかして定員に繰り入れたいということで、いろいろ努力して参りましたのですが、各般の事情もあり、今回の予算に盛り込むことができなかったことは、はなはだ遺憾でございます。しかしながら、すでに定員化されました六千五百名の方々との均衡の関係もあり、かつ、定員として扱うことが絶対必要であり、そうすることがきわめて急を要する問題でありますので、私はこの問題については最後まで努力をして参りたいと思っております。
  266. 田中一

    田中一君 宮崎君、君ちょっと答弁に立ってくれ。
  267. 宮崎仁

    説明員(宮崎仁君) 三十四年度の予算の折衝過程につきまして、相当大幅に事業量が増加することになったのでありまするが、これに伴います定員の問題といたしましては、特に増加の著しい道路関係を中心に、本省系統でも増員要求がございました。で、大蔵省といたしましても、非常にその点は内部でもいろいろ議論がございましたのですが、特に増加の著しい道路関係につきましては、直轄工事も大幅に伸びることでありますので、これは定員の増加を必要とするということで、建設省で約三百名、北海道開発庁で九十名の増員が行われました。その他、本省の系統といたしましては、先ほどお話も出ました道路局関係で十名、北海道開発庁でも数名の増員が行われておるのであります。そういったことで本年度の体制をしきまして、これで一つ大いに努力してやっていただきたい。もちろん定員の問題でございますので、これで十分であるかどうかということになりますと、それはまあいろいろ困難な点も多いかと思いまするけれども、一般的に三十四年度、各省の内容を見ていただきますと、増員がほとんど行われておりませんところに、公共事業系統で定員の増加をやっておるということは御了察願えると思います。なお、別途の問題といたしまして、現在の常勤労務者等でやっておられる人の定員化問題もございますが、この問題は、三十三年度の予算のときにいろいろ議論がございまして、先ほど建設大臣からお話がございましたような、約五割強の定員化が行われたのでございますが、本年度の問題といたしましては、総理府の方でいろいろ検討しておられます公務員制度の方の問題も、何か結論が出るようなお話もございましたので、そういったことも待って、そうして、またあらためて検討すべきではないか、こういうことで見送りということになっております。今後の問題といたしましては、実体はあるのでございますから、できるだけ早く、そういった関係の方面の御意見がまとまり次第措置をすべきものと、こういうふうに考えております。
  268. 田中一

    田中一君 宮崎君、昨年の暮れの三十日に僕が君のところに行って、この定員化の問題に対する——これは四人の要求大臣のかわりに、野党の僕があなたのところへ行って、るるいろいろお話しをした。そのときにあなたはこういうことを言ったよ。その前だったかな、ちょっと前だったかな。どうも、たとえば砂防の問題にしても、建設省からそういう要求がないから、自分らでそれを増すわけにいかぬじゃないかという答弁を君はしておったね。そこで、この機会一つ聞いておきたいのは、定員化の問題については、建設大臣も、もう歴代の建設大臣が非常な熱意をもってこの定員化も要求しております。そうして、要求しているこの熱意というものがどうして通らないか、同時にまた、むろんこれはわれわれ立法府におるのですから、昨年、プラス・アルファというものを法律を修正してとりました。これはまあしようがないでしょうね、権限の問題で。国会がそうきめれば、あなたの方もそれを認めざるを得ないのだから。われわれのきめたものをあなた方は執行すればいいんだから、あなた方行政府はね。むろん予算化も、予算も補正してつけておる。それで、建設省がここまで要求しているにかかわらず——建設省並びに四つの要求大臣がですね、どこにそういうネックがあるの、あなた方がどうしてもそれはいけないと言うネックは。今、総理府の制度調査室云云と言ったけれども、こんなものじゃないんですよ。あなた方が反対しているんです。私は率直に、さっき農林大臣三浦一雄君にも言いましたよ。きょう五時から、何でも三浦君に聞くと、これは建設大臣も知っていると思うけれども、何か四つの現業官庁の方々が集まって、この定員の問題でもってもう一ぺん相談する、山口国務大臣も帰ってくるだろうから、こういうことを言っておりましたよ。だから、そういう相談があるなら、私はその時間だけぜひとも大臣は行っていただきたいのですよ。山口国務大臣が帰ってきたならば相談してくれると思います。ことごとく大蔵省は承知しないのだ、こう言うのです。で、私は大蔵省へ自分が、野党の僕が陳情に行くなんてことはめったにないのですが、行ってみると、あなたなんか相当に力が強い。それで、あなたは詳しいよ。そうして、実に明快な論旨でもって、こっちも負けそうになるよ、実際。長い間お金を預かっている人、また、そうした予算をつけるとか、つけないとかいう問題で反対しなきゃならぬ場合に反対するものだから。まあ常に反対しているでしょうね、何だからちょん切るのが役目でしょうから。それだけに研究している、その反対の論旨を研究していると思う。どこに、今度のような場合は、あなた方が反対しなければならぬという理由があるのか。さっき言ったように、総理府の制度調査室が制度改正の問題を見送ったから、そうなんだということでは、これは当らないんだね。大蔵省のあなた方が反対しているという理由をここで一つ説明していただきたいと思う。これは、おれはそんなことを答弁する役目じゃないから答弁しないといってもいいんだけれども、君のような有能な人は率直に言うと思うんだ。(笑声)
  269. 宮崎仁

    説明員(宮崎仁君) どうも恐れ入りますが、昨年度お見えになりましたときに、どういうことを申し上げましたか、私も実はあまり記憶しておらないのでございますが、建設省並びに運輸省、農林省、それから総理府の方から、この常勤労務者等の定員化について要求がありまして、最後まで御要求があったことは事実でございますし、それに対して大蔵省として、もう一年待って下さいということを申し上げたのも事実でございます。どうしてそういうものを断わるのかとおっしゃられると大へん弱る点もございますが、昨年度この問題が出ましたときに、いろいろ議論のあったことでございまするけれども、要するに、こういった現場におられる技能者あるいは労務者の方というものは、これは今の直轄工事体制ということをやっていく以上は、やはり不可欠のものであるということについては、私どもも異論がないわけでございます。ただ、そういった職務に従事する方といいますのは、一般の行政職の定員とは相当職務の形態を異にしておりますので、従いまして、その定員としての扱いをいたします場合に、どういうふうな形であるべきかというところが、公務員制度調査会あたりで問題が出て、そして一応の勧告といいますか、答申が出たように聞いているわけでございます。昨年度の場合におきましては、それがなかなかすぐに政府としてどうしたらいいかという案がきまらない。こういうことで、そういたしますと、定員職員と同じような職務なり責任を持ち、また同じような勤務形態をもってやっておられる人たちが、いろいろ身分的にも不利になるというようなことがあってはいかぬということがございまして、従いまして、昨年度、定員化をいたします場合の問題としましては、従来、定員になっておる人たちと職員の責任、経験年数なり、あるいは職務状況というものが同じような人たちということで、一応の線を引いて、そういう人たちは一つこの際暫定的にとにかく定員化しよう、今後残る分もございますのですが、そういった面につきましては、今の制度改正の問題をできるだけ早くして、そしてその方の問題と一緒に解決する、こういう考え方で昨年度の定員化が行われました。で、そのことが行われた直後といいますか、直後でもございませんが、数カ月あとでございますので、その考え方をまたさらに変えて、そしてとにかく全面的にやってしまうということにするのもいかがかというようなことで、三十四年度のこの際は一応待とう、こういうことで、まあわれわれの方の主張としましては、一年待ってもらいたいということできめたものでございます。    〔主査代理鈴木強君退席、北村暢君着席〕
  270. 田中一

    田中一君 まあこれは松永君、君を責めてもしようがないから、まあそこで遠藤大臣に言いますがね、一昨日、郵政大臣質問したのです。あなたの方のお答え、郵政省はまあ何というか、労働組合の名前で言えば全逓ですね。郵便局の方の人たちの定員化の問題、これはもう自動的に昨年が三千幾ら、ことしが四千幾らというものが定員化されているのですよ。これはどういう工合にして定員化の方に向って進むのかという質問に対しては、こう言ておりましたよ。一応、公務員試験で採用する、採用するというか、公務員試験で合格した者を、それを一年間くらい研修所といいますか、そこに入れて、そこを出た方を逐次定員化をしているんだ、しかしながら、地方的に見て合格者がない地区もある。その場合には補助員あるいは事務職員という常勤的非常勤職員を定員化するということがあるんだ、こういっておるのです。そこで、そういうことを言っておりますから、私はあなたの方で、現在、建設省というのは内務省時代からの官尊民卑の非常に悪い習慣が残っているのですよ。ことに割合技術屋に残っている。昔のサーベル屋にも残っていますよ。そういうところに宿命的なものが残っているのじゃないかと思う。こんなの何だというような人がいないとも限らないと思うのですね。今のように、実際に郵政省の方では当然必要なものに対してはどんどん定員化を認めているのです。これは何も私はここでもって郵便局の職員と建設省の職員の職務上の高い低いとか、厚い薄いとか、あるいはいい悪いを言うのじゃない。少くともそういう仕事のできるような研修なり何なりをして、すでにりっぱな公務員ですから、技術の方の定員化をするような方法をとらなければならぬと思うのですよ。郵政省を引き合いに出しては、はなはだ悪いと思うのですが、郵便局で切手を売る人、郵便を配達する人、そんな人とあなたの部下の職員の仕事の実態を見て、そこに仕事の高低はないと思う。ましてや大自然の脅威にさらされながら、命をかけて建設に従事しているというこの実情をほんとうに知ったならば、これは当然、宮崎君でもこれはしなければならないものだという気持になるだろうと思う。私は今の段階はあの提案されている定員法を修正して、そしてあなたの望んでいる、あなたの希望している数字を織り込んで、あなたが安心して、本年度非常な伸びを示しているところの公共事業を、完全に責任を持って実施させるというような方向に向わせようという努力をしております。従って、どうか一つその点については、今あなたの言明もありましたので安心いたしますけれども、なお大蔵大臣を説き伏せて、あなたの方では考え一つまとめていただきたい、こう思うわけなんです。ことに政府は公約を無視しているのです。これはあなたは言えぬと思うのです。たしか、さっきも二人で座談的に話したときにも、あなた言っているように、制度改正するのだから、そのときに一斉に定員化の問題を考えるということを、昨年、一昨年、ことに昨年、毎年毎年そう約束しているのですよ。私も今度はおそらくするのだろうと思っておったし、松野総務長官は、やるということを言ったそうです。とうとうやはりしない。しなければ、昨年の基準で定員化されたところの諸君が、当然同じ範疇で、一年たっているのですから、当然それらのものは自動的に定員化されるべきものだと私は考える。そういう点については主計局だって反対する論旨がないのですよ。あとは政治問題ですよ。反対する宮崎君や松永君を押えつければ済んでしまう。もちろんこれは大蔵大臣を押えつけること以外にないと思うのですが、予算の問題については大した影響はないと思うのですね。予算の面で国会が修正して、あと一万名くらい出すときに、一人に対してどのくらい余分の経費がかかるのですか。
  271. 宮崎仁

    説明員(宮崎仁君) 予算の面で参りますと、現在、積算上の相違といたしましては、日額旅費の積算の単価が若干相違している程度でありまして、年額にいたしまして一人当り四千円か、五千円程度のものと思います。
  272. 田中一

    田中一君 それは遠藤さん、今一万名やっても四千万円ですよ。これは大したものじゃないですよ。防衛庁でもって自衛隊が年々金を余すのに比べたら、これは安いもん手事してあなたが建設大臣としてあなたの所管の公共事業を完全に遂行するというようなことになるならば、これはもうあなたがほんとうの一番望むところだろうと思う。そういう点で、今いろいろ宮崎君ともやりとりしておりましたけれども、あなたの決意を一つもう一ぺん聞かしてほしいと思う。
  273. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私もできるだけ早く、これは定員化をなし遂げたいということで努力しておりますが、何にしてもはなはだ無力でありまして、(田中一君「いや、力はある」と述ぶ)大蔵大臣がなかなか言うことを聞かないのであります。しかし、最後まで努力する考えでおります。
  274. 田中一

    田中一君 もう一つあなたの所管の問題で伺いたい。最近、行政協定を改定するなんということが藤山構想で放送されております。行政協定に基く建設工事、これはむろん日本の金を、向うに分担金がいっているでしょうけれども、米駐留軍が発注する工事でありますけれども、大体これに対して米軍自身が下請業者を使っているのです。そして、大体、これに設計さすから、そこに落札されるのが多い。そして日本の建設業者を下請に使って仕事をしている。むろんその業者は特定なる業者——数人おりますが、これはあとはピンはねをしているのが実情なんです。で、日本にある建設業法、これから見ても、日本の業者と同じような状態に置かなければならぬというような気がする。現在の行政協定上、米軍工事は国内法の適用外だ、こういうようなことを言っているのですが……。これは建設業者も悪いのです。唯々諾々と下請になっているから、そういう工事がますますはびこってきて、人間の幾らもないものが膨大な仕事をしているという現状から見て、何とか、まあ行政協定なんというものは破棄して、ほんとうの独立した態勢にならなければならぬと思うのです。この問題についてはあなたからどうこう言わないでも、少くともあなたの所管しているところの建設業法の範囲内において、何とかこの問題を是正しなければならぬと思うのです。あなたがこの建設業法という法律は所管していらっしゃるのですから。この点について十分検討しておられるかどうか、またおられないとするならば、今後どうしようとされるのか、一つ伺いたいと思う。
  275. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) その点については、十分私の方でも検討しておるのであります。アメリカ人といえども、国内で土建業をやる以上、これは業法の適用を受けることになります。登録営業者の、いわゆる建設業法の適用を受けることになるわけであります。何とかいう、べースとかいう人の問題があったそうでありますけれども、この問題については、建設業法に違反するようなことがあってはならないということを強く指摘いたしまして、一方、日米合同委員会を通じて建設省からそういうことをさしては困るということを厳重に抗議をいたしまして、そうしてだんだん、そういう問題が再び繰り返されないように私の方でも措置しておる次第でございます。今後もこの問題についてはきぜんたる態度をもっていくつもりであります。
  276. 田中一

    田中一君 日本の業者が下請になるものですから、結局、末端の労働者に対する労働強化と低賃金ということに落ちつかざるを得ないわけです。ことに、これは土木工事が多いものですから、どうしてもそうなります。これは十分に一つ外務省の方のしりをたたいて下さい。  北海道開発庁長官は、北海道におけるところの三十四年度の公共事業を遂行するのに手が足りない、だからやむを得ず民間の人間を登用するか、さもなければ別の新しい会社を作らして、そうして測量とか設計とかを委託して仕事をするのだということを衆議院の委員会で、言明しておるのです。私は建設省も、今後これが伸びて参りますと、そういうような問題が起きはせぬかという気がするのです。これはもう何も私は、今後とも公共事業の計画——長期計画のない公共事業をやる場合に、何でもかんでも人間を入れろと言うのじゃないのです。今いる人間を再教育して仕事をさせろということを言いたいのですが、逆にこうした北海道開発、庁長官が言っておるような、外部にそうした会社なんか作らして測量、設計をやらすのだというようなことになりますと、これまた、あなたの部下に与える悪影響は非常に強いものだと思うのです。で、この点について建設大臣は、三十四年度の事業並びに長期計画の五ヵ年計画等を遂行する場合に、現在の職員で十分にその仕事ができるというような立場に立っておるか、あるいはコンサルタントに仕事を委嘱しようという考え方に立っておるのか、その点は一つ明確に答弁していただきたい。
  277. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私はこの建設省の今度増大されます事業について、態勢としては今の態勢で押していきたいという考えであります。そうして実際その事業分量のふえたものについては、できる限り請負にやらしていきたい、請負にやらせるということで——職員の定員をふやすというやり方でなくて、請負にやらせるようにしていったらどうか、こういう考え方を私は持っておるわけでございます。特別にコンサルタントを使うかどうかという技術的な問題になって参りますと、これは事務当局意見を聞いていただきたいと思うのですが、今のところ、私は、今の態勢でもって参りたい。そうして工事そのものは直営をなるべく控えて、不足をする分については請負にやらしていきたい、こういう大方針でやっていきたいと思います。
  278. 田中一

    田中一君 道路局長一つあなたの考えがあるなら聞かして下さい。
  279. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 二十四年度の道路事業は、三十三年度に比較いたしまして相当大事業を消化いたさなければなりません。従いまして、この事業を円滑に消化できるかどうか、私といたしましては相当深刻に考慮いたしておるわけでございます。実は先般この点につきまして、つまり工事の実施、施行という点につきまして、若干の業界方面の方といろいろお話しをいたしてみた次第でございます。そのときの印象によりますというと、施行工事の消化という面につきましては、三十四年度の道路事業におきます事業量をかりに全部民間建設力の利用つまり請負によって実施いたすと考えた場合に、これはそうむずかしいと申しますか、能力全体としてはまだ民間建設力の方が余裕があると、こういうふうに私は感じました。ただ、それは能力を全体的に見た場合でございまして、事業というものが年間に平均に分布されるか、あるいはある時に集中されるかというような場合によりましてはだいぶんやはり変って参ります。全体的に見ればそういう事情のようでございますが、これが片寄りますというと、必ずしもそういうわけにはいかなくなる。従いまして、工事実施につきましては、三十四年度はできるだけ早くいわゆる早期着工ができるようにして、年間をフルに、特に年度初めからの工事に適切なる時期において相当な事業ができるような手配をいたすならば、その点は私は心配ない、こういうふうに考えておるのであります。それからなお、ただいま工事実施の面でございますが、調査設計というような面でございますが、これらは従来発注者側において準備いたしておった次第でございますが、この調査設計等につきまして、来年度はなかなか大へんでございます。従いまして、これらにつきましても、ただいま大臣からお話がございましたように、部内で消化しなければならぬもの、また、できるものは消化いたしますが、部内ではなかなか、ことに早期に準備いたすということになるというと、なかなか手が回りかねる点もございますので、それらにつきましても、請負と申しますか、コンサルタントというようなことを考えて参る必要があろうかと私ども考えております。このコンサルタントにつきましては、御承知のように、わが国におきましては、まだ発生の段階でございまして、十分発達いたしておりませんので、これにつきましては、育成というような考え方もして参らなければならぬかと存じますが、しかしながら、一部には小規模ではございましょうが、権威のあるりっぽなコンサルタント・チームができておりますので、できるだけそういうものを活用いたしまして、官庁建設力を民間建設力とを総合的に見まして、事業執行消化に支障のないようにして参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  280. 田中一

    田中一君 今まあ請負に相当依存するものがある、コンサルタントに仕事を委嘱せにやならぬということを伺いましたが、その現われか、この年度末に起ったところの各工事事務所の首切りの意思表示の問題ですが、これはせんだっても官房長にこの事実、工事事務所長が所内に張り紙をして、そして退職者は申し出よというようなことを言っている事実があるのです。それはすべて業者あるいはコンサルタントに仕事を依存して、現在の保有しておるところの地建の用員というものはなるべく漸減していこう、首切っていこうといったような考え方に立っておるのかその点ははっきりしておいて下さい。事実においてあるのです。これは官房長に渡したはずです、写しを。それから必要な地区の事務所を今度移転する、お前たちはこっちへ来い。なるほど低い賃金の人たちはなかなか生活がかさむものですから、家庭を二つ持つということは困難だ。承知をしていながら、小田原の事務所を八王子に持ってくるからあっちへ移れなんということを言っておる。何も八王子へ持っていかなくても一向差しつかえないのです。抗議を申し込むと撤回いたしますと、撤回する。現にこの鬼丸官房長に書類を渡した、これははっきりと事務所長が書いてある通りです。これなんかも、もっともこの所長はことにあまりいい所長でないから自発的にやめなければならない事態に追い込まれたそうですけれども、そういうことで、明年度からは仕事が相当伸びるのだということで、すべて末端の地建の職員も張り切って、これからうんと勉強してもっと仕事をしようと思っているのにかかわらず、あっちでもこっちでも首切りの意思表示が所長から出されるということは、これは今言ったような建設省内の消化力が足りないからですね、わきへ頼むのだということに籍口して、そういう職員を首切っていこうというような前提に立っておるのか。この点は、大臣から責任ある答弁と同時に、今後、事業量は伸びるのですから、一人も練達した技能者、職員を首切ることはいたしませんというような言明が望ましいのです。そういう点でもってはっきりした態度を示していただきたい。
  281. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私はこういう考え方を持っておるのであります。実はその事業が非常に今度拡大されますので、有能な技術者が足りなくなるのではないか。特にその道路面において有能な技術者が少し足りないのではないかということを心配しておったのであります。もちろん建設省の今の職員はもうフルに動かして、そうしてその足りないところを請負その他によって補っていくという基本的な考え方を持っております。ただ、いわゆるその首にするということでなくして、古い人たちは、もし希望があるならば他に転向して、そうして新しい新進をだんだん抜擢していく。新しい人がさっぱり上に出られませんとよどんでしまって、水も静止しておれば腐るようなものでありますから、そこはひとりでの更新をはかっていく必要はあると思いますので、それぞれ希望者なんかを募ったことがあるいはあるかもしれません。しかし、大きな方針としては、現在の職員をフルに動かして、そうしてそれでなくても足りない技術者というものを大事にしてそうしてやっていこう。なお、それでも人手の足りない部分については、請負等におろしてそうしてやっていくようにしたらどうか、そういう基本方針でやっておりますことをお答えしておきます。
  282. 田中一

    田中一君 むろん無能者、それから害がある者、あるいは退職を希望する者をとめておくことは、とめておかなければならぬということは言いません。しかし、現在、仕事の分量は相当あるんですね。そうして少くとも老齢でもって七十、八十になって使いものにならぬのに使えというんではない。これらの諸君はそれぞれ自分の能力において考えておるんでございましょうけれども、所長の一存で事務所を移転するとかあるいは仕事が減るからやめる者はやめろというような意思表示をするというようなことは、所長の権限で言えるものかどうか。これはむろん常勤的非常動職員については、所長権限で雇っている者もあるかもしれませんが、少くとも今日は本省の方に登録をして、一般の職員と同じような待遇を与えろということで予算化されておる現状から見ても、大臣が指令をして、そういうまねを波状的にさしておるのか。拠点をもってやらせておるのか。その点はどうも私は納得しないわけです。今までのような全く日雇い的なものであったという前提に立つならいざ知らず、三十四年度からはたっぷりと建設省本省において登録をして、それらの身分に対しては初めてまあ農林省等は今まで相当やっておったそうでございますが、初めてそうした不遇な職員の生活の面、処遇の面を保障しようということに、三十四年度予算はなっております。それを一工事事務所の所長の権限で、事務所を移転するとか、配置転換をするとか、あるいは希望退職者は申し出ろなんということが言えるものかどうか。私は悪意——悪意というか、勘ぐって考えると、大臣がそういう命令をしているんじゃないか、こう思うんです。その点は、抽象論じゃなくして、具体的に、その二つの事実について、あなたの所見を明らかにしていただきたい。
  283. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私は、そういう命令をしたことはございません。ございませんが、工事事務所でもって、所長が、仕事の関係でもって、もう老朽でもって役に立たない者を一そういう者もおるだろうと思うんです。そしてまた、希望者があるならば一つ就職のあっせんをしましょうという場合もあるだろうと思う。そこはある程度自由にさしておくことがいいと思う。大きな方針として、これを首にすることがもう絶対にしてはいけないというようなことを言うべきでなくして、そして、何人が見てももう更新することがよろしいということであれば、それを更新していくということになれば、建設省職員全体が生き生きとして動いていくごとになって、それは非常に私はいいことじゃないかと思う。しかし、特に、今度は、こういうふうに首にするからということを指令を出したこともありませんし、そういうことはしておりません。しかも、それがもし、ある工事事務所長が非常識なことを言っておるとすれば、それはもう工事事務所長が所長としての資格がないという問題であって、これは常識的なことを、建設省職員全体のことを考えているというのならば、それを是認してやらなければいかぬ、こういう、ごくとらわれない考え方を私は持っておるのであります。
  284. 田中一

    田中一君 そうだと思います。それで、官房長にせんだって調査を依頼した問題について、官房長から。
  285. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 田中先生からございました問題、二つありましたが、小田原の工事事務所の移転の問題は、これは私ども考えたこともございませんし、本局からも別に要望もありませんで、立ち消えたと存じます。一部に、そういうことを事務所で考えたということはあったようでございますが、立ち消えになったという事実でございます。  それからもう一点は、郷川の工事事務所の問題だと思いましたが、これはまあ、所長にも若干の誤解があったのではないか。と申しますのは、ただいま先生が言われましたように、請負に切りかえるというようなことにまあ籍口しましたのか、それを本気に考え過ぎたというようなことが、一番問題の原因になっておると考えられます。ただ、あるいは逆に、組合の方から所長の首切り運動も起っているようでございまして、この辺、両者の言い分を公平に聞きますると、もう少しよく話し合えば、お互いの誤解も解けるんじゃないかということで、本局の総務部長以下ずいぶん心配いたしまして、いろいろ話し合いをいたしました結果、三月の十二日でございましたか、一応平静な状態になっております。御了承をいただきたいと思います。
  286. 田中一

    田中一君 それで、今、大臣も道路局長も、やたらに、請負にするんだ、請負にするんだと言うから、地方の、地方というか、末端の現場の係長、工事事務所長等が、あるいは出張所の出張所長等が、そういう誤解をするんであって、しばしば大臣が言明しているように、現在の要員というもの、現在の職員というものは、どこまでも確保してそれを中心に仕事をすべきだ、足りないところは請負にするのだということの指令を、指令というか通牒を、全地建に出すように一つしていただきたいと思う。そういう不安があったんでは、これは仕事はできるものじゃないんです。そういう点はどうですか。
  287. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 私は、常識として、もう、そんなことを考えているということは、夢にも思いませんでした。必要があれば、その問題についてはよく官房長と相談をしてみましょう。そのことをお答えしておきます。ただ、私の建設大臣として、職員に対する態度は、一切やかましいことは言わぬことにしております。そうしてそれぞれ自由に責任を持って仕事をやってもらうということでなければ、仕事というものは進まないのであります。でありますから、積極的にやったものは、やり過ぎて非難が出てきても、消極的に何にもしないですわっておって非難がないよりも、その方がプラスになるということが多いのであります。むしろ、そういう考えで、行き過ぎて、ある程度非難が出てきたという場合でも、私はできるだけ大目に見て、積極的に道路なり河川なりの仕事をやってもらう、そういう考えでおりますから、そのこともあわせて一つ申し上げておきたいと思います。
  288. 田中一

    田中一君 ことに請負にたくさん回しますと、どうしてもこれは監督の要員が要る。これは政務次官が出席したときに、るる、あなたに質問しておきましたけれども、この際、大臣からはっきり言っていただきたいのは、監督の要員というものはどうしても必要になってくる。そこで、そういう意味の仕事に練達の補助員、準職員、これらはそうした意味の再教育をして、そうしてりっぱな技術者に仕上げるというような努力も必要だろうと思います。沼津の研修所はおそらく技術、行政、両方やっておるのですか、あれは。そういうように各所でやっております。そういう意味の、場合によれば、あなたの方で建設大学的な——建設大学という銘を打ってもいいと思います。自治大学あるいは警察大学を持ったりしておるところもあるし、防衛大学を持ったりしておるところもある。だから、あなたの方で、これほど大きな国土計画を実行しようという政府の意図があるならば、そのくらいな考え方を持って、行政面から、あるいは技術の面から、特殊な建設省のほんとうの国土計画に参画してりっぱな仕事ができるような人物を養成するということも必要だろうと思うんです。現在の沼津の研修所は一体どういうことをやっておりますか。だれか官房長でも。
  289. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 建設関係の有能な技術者を養成するということは、非常に大事なことだと思います。ただいまの御意見は、私はほんとうに傾聴したいと思います。いろいろ聞いてみたのですけれども、道路の問題についてのほんとうに役に立つ技術者になるのは、どうしても十年ないし十二、三年、大学を出てからかかるようであります。十年ないし十二、三年というものは、なかなか長い年月でありますから、もっと早く有能な技術者を作るということが、当面の急務だと思います。非常に野心的なことを言って申しわけないのですが、道路建設というものはこれから急速に伸びていく。私は、五ヵ年計画の先のまた五ヵ年計画においては、もっと大きな伸びを示さなければならぬし、また、そういう必要があるのだと思うのであります。それに備えて有能な技術者の養成をどうしてもやらなければいかぬということを、私はひそかに考えておったやさきであります。十分一つ、技術者の総元締めの技監もおりますし、技術者の諸君とよく話し合って、将来の建設技術に備えるような養成を今からやつていきたい、こう考えておる次第であります。
  290. 田中一

    田中一君 学校を出てきた人も、むろんこれはいいでしょう。しかし、現在長い間、内務省時代から十分にそういうものを知っておる人たちもおるわけです、補助員、準職員の中には。そういうものを採用することも一つの方法だと思います。どうかその点は一つ、今後あなたの仕事を伸ばすためにも、完全に遂行するためにも努力してもらいたいと思います。  それで、次に一つ伺いたいのは、建設業法の施行令によると、大体建設業法の事業者というものは五十万円以上の仕事をする者が建設業者だ、五十万円以下の者は建設業者でなくて一般技能者として仕事をやってもいいのだ、これは請負と認めないのだというきめ方をしているわけです。これは税金に非常に関係が深いわけです。税金に。まあ最近、この業者になりますと事業税が取られる。そうでないと、これは請負じゃないですから、事業税がかからぬということになるわけです。聞くところによりますと、民間の労働組合あるいは建設業協会等も、何とかこれを百万円に伸ばしてくれと……。百万円以下は大工さんが勝手にできるものである——これはむろん請負形式であってはならぬと思いますが、限度を、建設業法の適用の限度というものを百万円に上げてくれというような要望がずいぶん強くなっております。大体今日の常識から言えば、百万円ぐらいの工事というものは大工さん一人でやってしまう。ほんとうに一人でやってしまう。むろん、それには各職の仕事を、職人を集めてやるでしょうけれども、こういう点でもって、何とかこれを百万円に伸ばして、百万円以上のものは建設業法の適用範囲だというような、これは法律改正ではございません、政令ですから、あなたの方で検討してやればいいのですから、どうかその点も、今年、三十四年度の課題として十分に検討していただいて、調査の上、そういうような措置をとっていただきたいと思うのですが、その点どうですか。
  291. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) その問題は、やはり影響するところが非常に広範にわたっておると思いまするので、御意見の点は十分一つ検討してみたいと思っております。
  292. 田中一

    田中一君 千田君もいるから、最後に一つ伺いたいのは、    〔主査代理北村暢君退席、主査着席〕 昨年職業訓練法という法律が通ったのは御存じ通りです。これには、あなたの所管するところの事業に参加する各職の技能者がたくさんきめられてあります。十八から二十四、五まできめておるでしょう。それで、この法律の制定に当って、私は社会労働委員会にも自分で出向きまして、ちょうど二日間、四時間ぐらいの質疑をやったものです。むろん、私の質問の要旨は、建設関係の技能者の立場からこれに対する質問をやったわけであります。当時の労働大臣の石田君も……大体特殊なものであって、労働省が一律に、たとえば洋服屋の技能者とか、各職全部で、職業訓練法では百二十幾つという業種があるのですが、それをいよいよ今度一つ検定をして価格をきめようということです。その技能者の価値をきめようということになるのです。今労働省は、各地方行政庁へ通達を出して、それをやろうとしております。私、心配するのは、これと、現在参議院段階でもって審議しております最低賃金制の関連です。これは、あなた方で年度の予算を計上するに当っても、相当な問題があるわけなんですよ。公共事業に参画するところの建設技能者の賃金というものをどうきめるか。これは業者間協定じゃないのです。業者間協定というものが、かりにあなたの方で、先ほどるる質問しておりましたところのPWのこれによるかよらないかの問題、また、よってもよらないでも、現在、歴史的にあなた方が、慣行として積算するところの労働省の基準というものがあるわけだ。かりに、この法律案が——最賃法が通ったとすれば、業者間できめられた場合は、法律で業者間協定でよろしいとなっているのですから、あなた方の予算遂行、工事の遂行に対しては大きな障害になるわけです。そこで私どもは、労働省が急速に検定をして、技能者の、一級技能士、二級技能士ということになるのだそうですけれども、これに対する一応の価値判断というものをはっきりいたすと、新しい問題が生まれてくると思います。あなた方の仕事の、建築事業を遂行しようというこの技能者が——ほんとうの元となる技能者がどういう工合にされるかという問題がここに現在あるにかかわらず、建設省はこれに対する関心をあまり示しておらぬという事実がある。従って、もしこの問題について、技能者の検定試験、あるいは一級技能士、二級技能士と、公共事業を遂行する技能者の資格の問題について労働省が検討しているという現段階において、建設省はどういう工合にこの問題に取っ組んでいるか、その点を明らかにしていただきたい。これもその場限りの御答弁では困る、していなければ、していないでいいんです、今後どうするかということもありますから……。ただあなた方傍観しておったのじゃ困るということです。
  293. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 実ははなはだ恐縮なんですが、今の御質問の問題については、私はあまり詳しく聞いておらなかったのですが、今官房長に聞きますと、最賃法の関連もあり、慎重によく検討していきたい、こういうことでありまして、あまり詳しい研究は進んでおりません。だから、そのままでもけっこうだという、そういう意味ではないのでありまして、せっかくの御指摘でありますから、できるだけ早くこの問題に一つ取り組んで研究してみたいと思います。
  294. 田中一

    田中一君 建設大臣の所管の建築士法という法律があります。これと労働省の職訓法できめようとする技能士との関係をどういう工合に考えているか。この問題は、昨年の通常国会で長い間論議されてきた問題です。それで、後の臨時国会でも政府に向って注意を促している、このまま放任しちゃいかぬぞと、にもかかわらず、今までこれを放置したしいうことは責任重大です。現にもう本年度は大工と左官の技能検定をやって評価をきめよう、こういうことになっているんです。私は、お願いしたいのは、少くとも建設省の関係の業種の検定は一年ぐらい延ばすというようなことに建設大臣から労働大臣に対して申し入れをしてもらいたいと思いますへたなことをしては困ると。最賃法が通る、通らぬとしても、とにかく業者間協定ということになれば、予算の消化、工事の消化に対して非常に支障がある。これはむろん建設省のその責任というものは免れるものじゃない、当然免れない、あなた方の怠慢ということになる。片方においてあなた方の仕事をするという人間——技能者は別な面でその技能を規制されようとする、それを今まで知らぬということがあってはならないと思う。だから、労働大臣に対して建設大臣から、大工、左官をやろうとしているから、これに対する検定は一年ぐらい延ばせというような要求をしてもらいたい。ことに各職種の技能者と建築士との関係はまだ解決しておりません。ことに建設関係の技能者は伝統がございます。いろいろな封建的な制度であっても、いいしきたりも悪いしきたりもございます。それらを他の業種と同じように、一律に、労働省は業態というものを実際知らないで、慣行を知らないで、伝統も知らないで、ものをきめようというところに無理があると思いますから、この点は急速に建設省内において意見を戦わして、労働省に対して、まあ技能検定の問題は一年くらいは待てと、こういうような努力をしていただきたい、こう思うのです。それで、あなたはその内容については詳しくお知りにならないから、これ以上質問しても——質問したいのですけれども——みっともないですから、知らない人間に質問しても答弁できないでしょうから、質問しませんが、この点については十分に、個人的に、私も参画して、どうしたらいいかの問題を研究しようじゃございませんか。その点について一つお答え願いたいと思います。
  295. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 今御指摘の点は、確かに重要な問題だと思います。さっそく私どもこの問題に取り組んで研究をして参りたいと思います。
  296. 田中一

    田中一君 それからせんだって、建設大臣は、全国建築士会という社団法人の認可をされました。ところが、こういう団体ができたにかかわらず、長野県の建築課長等は、何かそれを認めないで、やっぱり既存の建築士会に加入しないと、手数料がどうの、確認をおくらすの何のという圧力を加えている。この点については、かつて建設委員会でも指摘しておきましたが、この点については、どうかそういうことがないように全国に通牒を出していただきたいと思います。その点についての御答弁を願います。
  297. 稗田治

    政府委員(稗田治君) そういう事実がございますれば、よく調査いたしまして善処いたします。
  298. 千田正

    ○千田正君 道路局長に伺います。大臣がいればいいですが、帰ってきてから……。  道路行政で、まああなた方の方から出されておる面からいいましても、東京だとか大阪であるとかあるいは神戸だとかいうような、非常に道路が人口の機密と同時に、いろいろな輸送的な煩瑣のために、あらゆる面に改修したければならないという意味はようわかりますし、その意味においては、道路公団等に特殊の財源を見つけてやってやらせると、これもわかる。ただ非常にバランスがとれているかどうかという問題は、東北であるとか九州であるとかあるいは北陸と、こうしたいわゆる早く言えば、国の力でなければ容易に改良のできない、修築のできない所が相当日本の道路には多いわけなんであります。それとのバランスを見た場合に、それとこの道路公団あるいはその他をしてやらせるところのバランスを見た場合に、東京とか大阪とか、そういう京阪地区や何かに比較して、辺陬の地は道路行政の面から恵まれておらないじゃないか、こういう感を深くするのでありますが、この点については、特にそのバランスの上から見てそう劣らない行政をやっておるのだと、確信を持ってあなたお答えできますか、どうですか。
  299. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) ただいまの御質問は、道路事業の個所に関する問題だと存じます。各種道路の整備計画におきまして、個所の選定につきましてはもちろん採択の一つの基準を設けてやっておるわけでございます。たとえば一級国道で申しますというと、計画全体といたしまして、御承知のように、五ヵ年計画では完成というわけには参りませんが、七カ年くらい——あと二カ年の、七カ年くらいでは完成できなくても、おおむね完成に近いところまで持っていきたいという、こういう目標を持っておりまするので、従いまして、五ヵ年計画あるいはさっそく三十四年度事業として探択いたします個所というものは、この交通量等の基準から考えるというと、大体制約されて参るのでございます。しかし、二級国道以下の一般道路につきましては、全国まだまだ至急にやらなければならないところにがたくさんございますので、まあ必ずしも一級国道のような状態ではございません。まあその際に、個所をきめます、選択いたします際には、先ほど申しましたような基準を設けておりますが、それにいたしましても、その基準におきまして、同順位と考えられる地点がなかなか全国といたしましては各地にあるわけでございます。それらを順々に拾いますに当りましては、ただいま先生のお述べになりましたように、地域的に偏在するということもまた考えなければなりませんので、全国のバランスの関係からも考えまして、東京や大阪というようなところに集中しないように、おくれているところはおくれているところでまた伸ばさなければならないという要素も加えまして、特に補助事業等につきましては、各県の既往の実施状況、それからまた、現在の道路の整備の進捗程度、もちろん交通利用の程度考えなければなりません。それを総合的に勘案いたしまして、バランスを失することがないように、そういう方面の注意もいたしているつもりでございます。
  300. 千田正

    ○千田正君 非常に時間が長くかかるようだし、私はきわめて同情的に短時間で終えますから、そのかわり重点的なあれですから、お答えもそうしていただきたいと思います。それで、今のこういう一般の予算なりそれからその他を見まして、われわれから見るというと、どうも都市重点主義のようにわれわれは考えられるのです。そういうそのバランスをどういうふうにして調整していくか。たとえばこれは建設大臣にお尋ねするのですが、総合開発という問題が、東北にしろ九州にしろ各方面からそういうのが出てきている。法案もまあ通過したのもありますし、まだ通過しないのもありますが、これは大蔵省いないから、大蔵省いないところで言うのもどうかわかりませんけれども、総合開発の大体の重点というものは、大部分は建設と農業に、農林省建設省に重点がおかれてある。ところが、総合開発という特定の一つの裏づけした予算はないわけですね。そういうものが、法律はあってもそれの裏づけを全然見ないのかどうか、予算の制定の際においては。どうなんですか。
  301. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 総合開発の計画から出てくるその予算については、それをにらみ合せて、たとえば道路について言えば、道路予算として盛ってありますけれども、その点を考慮しながらやっているのが実情でございますので、たとえば観光道路についても、観光計画によるところの一応の計画を頭に入れて一般道路計画の中に入れていく、こういうふうにやっているのでございます。
  302. 千田正

    ○千田正君 われわれが長く主張してきているのは、そういう意味でなく、国として総合開発という法律ができたならば、やはり総合開発に即応するような裏づけの予算を特定に考えるべきだというのが私どもの主張なんですよ。たとえばあなたのおっしゃるように、観光道路の面は、これはまあ総合開発の意味を含んだ予算なんです、そういうことをいってもこれは建設省の予算なんだから、農林省の予算なんだから、従来の予算にプラス特定の予算というものがつかなければ総合開発というものは、いわゆる形式的なものにしかすぎないのです、いなかの人をだますにはいいかもしれないが、実質的にはそういうことではいけないと思う。私が主張するのは辺阪の地こそ、辺境の地こそ実際においては国の力によって開発をし、また、道路もつけてやらなきゃならないのじゃないか、その予算のつけ方から考えた場合には、そういう方は、バランスを見た場合にはアンバランスになっておるのじゃないか、むしろ都市に重点をおいてそこだけがあらゆる面に予算がついておるのじゃないか、こういう点を是正する必要があるのじゃないか、こういう点を私は言っているのです。そこで、それはまあいろいろ今道路局長からお話があったから、これは一時にそれをどうせよというわけじゃないけれども、そういう心がまえを持って、結局辺境の地であっても日本の国土であり、しかもそういうところは地方自治団体でも助成をつけても、それを受け入れるだけの財政が十分でない、そういうところをにらみ合せて、むしろそれはいわゆる国の力で、国家の仕事で見てやるのがほんとうの政治であって、そういうことじゃなかったならば、これは片寄った政治にしかならない、そういう点を十分考えてもらいたい、こういう点であります。  それから一つは、過年度災害で残っておるのはどれぐらいあるのですか、これは河川局長にも伺いたいし、道路局長にも伺いたいのですが……。
  303. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) お答えいたします。災害復旧は、御承知のように、公共土木施設は全部河川局でやっておりますのでまとめて申し上げますと、三十三年度末現在、要するに今でございますが、残っておる災害は、直轄の災害は三十二年度、三十三年度災害だけでございます。それから補助災害は二十八、二十九、それから三十一、それから三十三年度までの分になっておりまして、残が国費にいたしまして三百五十七億円でございまして、その内訳が直轄の災害が十二億円、補助災害が三百四十五億円と相なります。
  304. 千田正

    ○千田正君 この補助災害の残った分というのは、地方自治体が受け入れ態勢がないので、受け入れ態勢が十分じゃないために今日まで延びておるのか、あるいは当初からの予算が十分じゃないので、そんな二十八年や何か残っておるのですか。
  305. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 残っておる分というのは、ただいまのお話によりまする二つのものがございます。二十八年、二十九年災害は、県の受け入れ態勢よりもむしろ大きな災害でございましたので、国費にいたしましても所要額が非常に大きかったわけでございます。従いまして、財政の都合で今日まで延びてきておるのでございます。それから三十年災害以降のものにつきましては、国庫負担法の改正がございまして、緊要工事は三カ年でやるということがきめられたものでございますから、その趣旨によりまして施行されております。従いまして、三十年以降の災害につきましては、国の予算もその方針によりまして措置されておりますので、遅延しておるというふうには考えられないのでございます。
  306. 千田正

    ○千田正君 しかし、その三・五・二でしたか、災害復旧の法律からいえば。三・五・二の割合であったとするならば、大体三十年度の災害はもう本年あたりで終っていなければならないのですが……。
  307. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 法律には緊要の工事は三カ年ということになっておりまして、お説のように、三十年災害につきましては、三十三年度末で全部終了いたしております。
  308. 千田正

    ○千田正君 それじゃ、この今度の来年度予算では、この三十年度以前の残った分は一応格好はつくのですか。
  309. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 三十四年度の予算をつけまして進捗率がどういうふうになるかという点でございますが、二十八年、二十九年災害も一〇〇%の進捗率に相なります。それから、三十年災害はすでに三十三年度末において完了いたしておるわけでございます。それから三十一年災害も一〇〇%の進捗率に相なります。三十二年災が八五%、三十三年災が六五%の進捗率に相なります。
  310. 千田正

    ○千田正君 そうすると、まあ一応は三十四年の、今度の来年度予算で災害の分は、大体のところ、今の進捗状況だと格好がつく、こういうわけですね。
  311. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 問題になっておりまする二十八年、二十九年度の古い災害は格好がつきます。それから新しい三十二年、三十三年の災害につきましても、既定の進捗率によりまして進む、こういうことになります。
  312. 千田正

    ○千田正君 なぜ私がこういうことを言うかといえば、これは大臣がよく御承知の通り、工事をしている途中でまた災害がありますというと、今までかけたものはまたゼロになるわけであります。要するに、国費がむだになるわけなので、進捗度を早くやればやるほど効果が非常に上ってくると、こういう点で、まあ今河川局長から、十分に今進んでいるというから安心はしておりますけれども、私、ことしまた、どういう災害がくるかわからぬ、そういう点が非常に心配であると同時に、この災害復旧に対しては原形復旧が原則になっていますね。原形復旧だけであれば、たとえば雨の量が不幸にしてことしも災害ができた場合、従来よりひどい降雨量があったと、あるいは風の早さが従来よりもひどくふえたというような場合においては、従来のような原形復旧じゃ間に合わないと、プラス・アルファの何かをはっきりつけておかないとまたそれがむだになる、そういう点を勘案して予算はつけておるのですか、どうなんですか。
  313. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) ただいまのお話でございますが、たとえば河川等におきまして災害を受けるところはその付近で一番弱いところが大体やられるわけであります。従いまして、元の程度に復旧したのではやはり一番弱い状態が残るわけでございます。それではまたやられる原因になるわけでございますので、弱い部分を災害復旧する場合は、その前後に合せるまでは災害復旧としてやると、むしろこういうことで進めております。これは全体として弱いような場合に、原形復旧しておいただけではだめだというような場合には、災害関連事業というのをつけ加えまして、あわせて改良復旧をやるという施策をとっております。その二つの方法によりまして、再度災害を受けることを極力防止しようという方に進んでおります。
  314. 千田正

    ○千田正君 もう一つ、住宅局長にお伺いしますが、住宅行政は大きな建設行政の中の重点の分を含んでいるのですが、年々いろいろ火災であるとか、今の風水害とか、天然の災害によってつぶされる住宅が一体どれだけあって、それに、復旧してすでにまた新しく予定している点はどれほどであるか、その点はどうなんですか。
  315. 稗田治

    政府委員(稗田治君) 住宅の建設計画につきましては、災害の滅失によります戸数と、それから新しく世帯増によってふえて参りまする新規の需要、それを集めまして恒久の需要としまして、大体年間二十万戸程度考えておるわけでございます。そのうち災害によりまして滅失いたしますのは、年間約三万戸であります。
  316. 千田正

    ○千田正君 それは火災を含んでおりますね。
  317. 稗田治

    政府委員(稗田治君) 火災も含んでございます。
  318. 千田正

    ○千田正君 そうすると、あとの十七万戸というのは、やはり差し引いた分として新しく増加していくということなんですか。
  319. 稗田治

    政府委員(稗田治君) そのほかに、住宅の耐用命数が尽きまして、滅失していくというふうに推定されるものが五万あるわけでございます。従いまして、差し引きしまして十二万戸というのが世帯増ということになるわけでございます。
  320. 千田正

    ○千田正君 そうしますというと、この滅失の分と耐用命数のきたものと差し引きして十二万戸、それからもう一つ、私は最近いろいろ新聞紙上に現われてくるのは、たとえばあなたの方で住宅公団あるいは住宅協会というような実施機関に対して、いろいろ監督もしているでしょうけれども、土地の買収なんかにいろいろな問題が出てくる。こういうような問題に対しては、建設省ではどういう一体監督をしているのですか。大臣、これは御承知ですか。
  321. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 最近、公団の用地買収にからんで、検察庁の嫌疑を受けて検挙されている者があるのでございます。これは私といたしましては、はなはだ遺憾に思います。しかし、この問題は、その原因を探究いたしまして、そうして今後再びこういうことが起らぬようにしなければいけないということで、それぞれ調査をさせまして、そうして今後の対策を講じさせるようにいたしております。問題は、用地買収等について、係官が一人でもって用地の価格その他を一切決定するような、そういう体制が、ややもすると間違いを起しやすいのでありますから、用地の買収については、公団の買収の規模にもよりますけれども、相当責任のある人たちが大ぜい集まって、そうして近傍類似の価格との比較、それからその土地についての客観的な情勢等をよく見て、そうして一人や二人できめることができないように、大ぜいの意見でもってきめていく、こういう体制を作ることが必要だと思うのでございます。現在でもそういう機構でやっておるのでありますけれども、なおああいう問題が出てきたところを見ますと、一そう私どもは将来に戒めて、もう少し厳重に監督もするし、公団の職員の自粛を求めて、再びああいうことを繰り返さないようにしたい、こう思っている次第でございます。
  322. 千田正

    ○千田正君 時間がありませんから、最後に、これは住宅問題はもちろん政府で心配していろいろなことを考えておられるのはけっこうですが、もう一つは、民間そのものが、戦前というよりは、明治、大正のころは、家作を持って生活ができた、こういうことで相当住宅難は緩和された。最近は借家法は御承知の通り、相当窮屈な点があるのであります。なかなか民間の者としては、貸家を建ててまでというような空気が強いわけです。それは借家法の一部をある程度改正するか、あるいは改正しなくても、特に民間の住宅の建設に対しては、もっと広範囲に政府が考えてやる必要があるんじゃないか。そういう点については、何かお考えがありますか。
  323. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) 御承知のように、政府の直接手をおろしてやっております住宅は二十万戸前後であります。三十四年度も二十一万一千戸というような計画でありまして、五十六万戸計画をやっておるのでありますけれども、これの大半はもう民間自力でやる計画になるわけです。それを促進して参りませんと、住宅問題はなかなか解決いたしません。今あるいは税の減税の問題だとか、あるいはその他のいろいろな便利な措置をやっておりますけれども、これはもう少し考えていかなくちゃならぬということを私は痛感しておるものであります。ただ借地借家法の適用を問題にして参りますことは、これはなかなか重大な問題でありまして、簡単に一朝一夕にこれを取りかえて参るわけに参りませんので、特に大きな目標を定めて、どうしたら最も今の時世に合うような民間自力の建設を促進する方法があるかということを、組織的に一つ検討してみたいと思っておるわけであります。要するに、民間自力の建設がどんどん進んでいかなければ、なかなか住宅問題というものは根本的に解決できない、御指摘通りだと思います。
  324. 千田正

    ○千田正君 これで終りますが、東京都その他に、あるいは住宅公団等に助成をして作らせた住宅の借家賃が高い。たとえば五万円くらいの俸給をもらっている人でなければ入れないというようなことが新聞その他に出ておるわけであります。家賃の算定とか、そういうことに対しては、建設省では別に特別に指導するとか、あるいは監督するとかということはないんですか。
  325. 遠藤三郎

    国務大臣(遠藤三郎君) それは大いにやっておるのでありまして、公団、公庫、公営住宅、この三つについては、家賃決定の責任は建設省が持っておるわけであります。公団の建設については、大体四分一厘の利回りに相当する金額の家賃を定めていただく。しかし、それでもだんだん用地も高くなりますし、建築資材も高くなって参りまして、だんだん家賃が上ってきておるのでありますが、私は今回の予算におきましても、低家賃住宅にもう少し力を入れようということで、その方に相当はっきりしたニュアンスを出す考えで進めております。ただいま公営住宅法の改正案を提案しておりますが、それも一つのそういう考え方の現われでございます。なお家賃がだんだん高くなって参りますことは、実際に必要の最も急を要する低所得階級に家が回らないようなことでありますので、一そう今後は三十五年度の計画を作るに当りまして、間に合うように低家賃住宅というものに徹底的に切りかえをやっていきたいということで、八月ごろを目標に、住宅政策の大きな転換の調査を今進めておるような次第でございます。
  326. 千田正

    ○千田正君 だいぶお疲れでございますから、またあらためてやります。
  327. 森八三一

    主査(森八三一君) この際、お諮りいたします。建設省所管についての質疑は、この程度で終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  328. 森八三一

    主査(森八三一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。明日は午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十六分散会