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1959-03-23 第31回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月二十三日(月曜日)    午後二時三十七分開会   ————————————— 昭和三十四年三月二十日予算委員長に おいて本分科担当委員を左の通り指名 した。            石坂 豊一君            泉山 三六君            大沢 雄一君            木暮武太夫君            小柳 牧衞君            堀木 鎌三君            荒木正三郎君            高田なほ子君            山田 節男君            加賀山之雄君   —————————————  出席者は左の通り。    主査      小柳 牧衞君    副主査            山田 節男君    委員            石坂 豊一君            大沢 雄一君            木暮武太夫君            堀木 鎌三君            高田なほ子君   政府委員    宮内庁次長   瓜生 順良君    皇室経済主管  高尾 亮一君   事務局側    参     事    (庶務部長)  小沢 俊郎君   衆議院事務局側    参     事    (庶務部長)  知野 虎雄君   裁判官弾劾裁判所事務局側    参     事    (事務局長)  隈井  亨君   国立国会図書館側    参     事    (管理部長)  枝吉  勇君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○正副主査互選昭和三十四年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和三十四年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付)    〔年長者石坂豊一君仮主査とな る〕   —————————————
  2. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) ただいまより予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、私が年長のゆえをもちまして、正副主査の選挙を管理させていただきます。  これより互選を行います。互選投票でやりますか、便宜、どういうふうにやりますか。    〔「一任」と呼ぶ者あり〕
  3. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) では、投票によらずに、便宜、私に指名を御一任願いたいと思いますが、御異存ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石坂豊一

    ○仮主査石坂豊一君) 御異存ないと認めます。  それでは、主査小柳牧衞君、副主査山田節男君を指名いたします。   —————————————    〔小柳牧衞主査席に着く〕
  5. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 皆さんの御推薦によりまして、私が主査の職務を行うことになりました。どうぞ御協力をいただきます。  これより本分科会の運営を行なっていきたいと存じます。  審査に入ります前に、議事の進め方につきましてお諮りいたしたいと存じます。ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  6. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 速記を始めて下さい。  当分科会は、昭和三十匹年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費国会裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち防衛庁、調達庁、経済企画庁、科学技術庁を除きました部分、及び法務省所管、並びに他の分科に属しないものを審査することになっております。
  7. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 本日は皇室費国会審査を行い、明日以後の分科会につきましては、本日の分科会終了後に検討いたしたいと存じます。皇室費については、一部二十六日に保留することとし、二十六日中には各分科会主査の報告を終了することで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  9. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) これより審査に入ります。昭和三十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費を議題といたします。  政府より説明を願います。
  10. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 昭和三十四年度皇室費歳出予算について、その概要説明いたします。  本歳出予算に計上いたしました金額は五億一千九百七十二万円でありまして、その内訳は、内廷費五千万円、宮廷費四億五千六百二十二万円、皇族費一千三百五十万円であります。これを前年度予算に比較いたしますと、一億三千七百五十万六千円の増加となっております。  おもなるものについて、事項別に申し述べますと、内廷費は、皇室経済法第四条に基き、同法施行法第七条に規定する定額を計上いたすことになっておりますが、本年度は、前年度同額を計上いたしております。  宮廷費は、内廷費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。  その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費約四千七百万日、その他皇室用財産管理等に必要な経費約四億九百万円であります。三十三年度予算額三億一千八百七十一万四千円に比較いたしますと、一億三千七百五十万六千円の増加となっております。その増加の理由は、東宮婚儀費一千九百六十六万六千円、正倉院宝庫建設費二千三百六十万五千円及び大宮御所庭園整備費一千十六万円が新規計上された反面、宮殿造営調査費五百六十四万五千円、京都御所小御所復旧費一千三百五十三万八千円がそれぞれ事業の完了により減額となったほか、前年度より計上されております東宮御所新営費を含む特別営繕費等が、前年度の二億九千九百五十三万一千円から、今年度四億二百七十八万九千円に増額になったその差引増によるものであります。  皇族費は、皇室経済法第六条に基き、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上いたすことになっておりますが、本年度は、秩父、高松、三笠の三宮家に必要な経費として、前年度同額を計上いたしております。  以上をもちまして、昭和三十四年度皇室費歳出予算概要説明を終ります。
  11. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 高田なほ子

    高田なほ子君 二、三点伺わしていただきたいと思っております。  皇室が民主化され、そうしてまた国民皇室に対して親愛の情を深く抱くという傾向、この傾向は大へんどもとして喜ばしいことでございます。特に今度の皇太子様の御結婚また溝宮様の御婚約発表、この二つの問題を通して、これは飾りなくすべての国民喜び、またこの喜びを一そう皇室国民を結ぶ民主的な強いきずなにしたいと考えておる点も、見のがすことはでざないと思うのです。そこで、直接予算の問題ではございませんが、今回の御婚儀に際しては、御婚儀模様をぜひ国民はうかがい知りたい、こういうような強い熱意を持っておることは、宮内庁も十分御承知だと思うのです。しかし最近の報道によりますと、お杯事の儀については、テレビ報道陣も諸般の都合でこれを差しとめなければならないというような結論が出たように聞いておるわけであります。いろいろ新聞等報道された原因については、一応私どもとしては、なるほどそういうこともあるかなという気持もしないわけではございませんが、漏れ聞くところによりますと、お杯事のその場所、これは単に十三人あるいは十四人の方がお入りになるだけ下あって、あとは大へん狭いからというようなお話であるそうですが、私どももまだこの賢所に伺ったことがございませんから、その広さ等については私ども認識外にございますが、報道陣が入るぐらいの余裕はあるのだと一部の方々ども言っておるわけでありますので、何とか国をあげての喜び気持、そうしてまた民主的な今度の御婚儀についての国民の期待というものが結びつくことによって、初めて私は皇室国民がほんとうの意味で結びつく民主的な形が作り上げられていくのじゃないか、こんなふうに考えますので、何とかその御婚儀の全部の模様が、テレビ報道陣等によって、詳細に国民にわかるような方法をさらに御研究いただくという余裕というものはないものか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
  13. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) このたびの御婚儀の際の報道関係のことでございますが、賢所の前の方の庭舎の握舎、そこへは約千人はかりの力の御参列を願います。で、国会議員の方がおいでになりました場合もそこへ新聞報道関係の人もその一部はまあ入っていただくわけでありますが、一般に対します報道関係は、まあ従来でありますると、その賢所の地域で写真をとって中継をするというようなことは全然なかったわけで、普通写真をとることも、なかなか従来賢所に対する一つの信仰的な気持があって、なかったのでございますが、しかしながらそれではいくまいというので、この四月十日の場合におきましては、賢所参列をなさっておりまする位置の一部のところに写真班場所を置きまして、そこからニュースも写真もとる、で、それがテレビなんかで中継放送もされるというように考えられているわけでございまして、参列をなさっております席からごらんになれるその状況は、その時刻に一般中継放送して、全国民の方にその模様もお知らせするというふうに考えているのでありますが、しかしながら、問題がありまするのは、この賢所の中ヘカメラを入れて、そうしてお杯事をなさっているのを、その中からとって、それを一つ中継もしたいというような希望報道関係から出ておりましたのでございまするが、しかしこの賢所の中となりますと、これはまあ信仰的ないろいろの昔からの気持もございまして、その中へそういう人を入れまして、そこでお杯事をなさるということについては、どうもそこまではちょっと踏み切るのは無理だ。賢所といいますと、その建物はそう大きい建物でございませんので、まあこの部屋の半分くらいで、そこで奥の方と前の方……、そこへ皇太子殿下妃殿下になられるお方が入られる、それに対して侍従とか長官とかそういう人が入る。掌典長とか掌典とか、そういう人も入られる。服装は古代の服装でございますから、賢所の中は一ぱいになってしまうので、その中へほかの人が入るのは無理なんです。そこヘカメラを入れたりしますと、せっかくの荘厳な気分がこわれるおそれもありまするし、一般参列の方は、その前の方と後の方に広い庭がございまして、そこにずっとこういう握舎がございまして、そこへずっと入っていただきまして、そこから見ていただく。カメラも、そこのところから少し遠くなりますけれども、中へ入れるということは、これは御遠慮願いたいというのでございまして、新聞報道関係で、国内の記者の十四名の参列の方も、一般参列の席におられるわけです、中へはだれも入らないわけでございます。場所がそういうふうな狭いところでございまするし、そこへ入りますると、気持の上でせっかくの儀式気分がこわれるという点がございます。しかし模様はできるだけ国民の方にお知らせする意味で、参列者の席からとりました写真中継放送して皆さんごらんに入れるというつもりでございます。
  14. 高田なほ子

    高田なほ子君 一説によりますと、まあ私は写真のことはよくわからないのですが、望遠レンズのようなものを使って遠いところから大きく写るようなそういうやり方についても、宮内庁の方で何か制限をされておるというようなことも一説にあるのですが、別にそういうことはないのですか。
  15. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 望遠レンズの問題は、中を見せる、正面のところからずっと賢所の中の方を望遠レンズで写して、それを放送したいという希望は実はあったことはあったのでございます。しかしこれに対しましても、まあその中のそういうところを望遠レンズでとって放送するということについて、やはりまあ賢所に対する信仰上の気持から、そこは御遠慮願おう。望遠レンズなしでとって、普通の人の目に見えるようなところで写真をとって放送していただくということは差しつかえないというふうに申し上げたので、これも賢所に対する特別の従来からの気持の点でそういうふうに考えております。まあ古い考えの方は、外からレンズでとって中継放送することに対しても相当な異論があったわけでございますが、そこは踏み切ろうというので踏み切ったのでまあそういう点は御了承を得たいと思います。
  16. 高田なほ子

    高田なほ子君 なかなかいまだに里の上の空気は、私どもは別に雲の上空気というふうに感じないで、皇室雲の上にあるのを今度国民とともにいう形になっていただくことを強く希望し、また陛下や皇后様もそういうようなお気持がずいぶんお強いのではないかと思うので、まわりにいる方々が、必要以上の憶測や、必要以上の御遠慮をなさることは、むしろ皇室自体のお気持にそぐわないような点も十分に御考慮下さって、たびたび皇太子様の御婚儀があるわけじゃございませんが、どうか一歩でも二歩でも、国民ともっと親しくなるという点について十分に御留意をわずらわしたいと思うのです。  次にお伺いしたいことは、今度の御婚儀は、予算から見ますというと、一して組まれているわけでございます。私がお尋ねしたいのは、この東宮婚儀費の中で正田美智子さんも相当に御婚儀に御苦労をなさり、御準備のために御苦労なさり、また相当の御費用も重ねておられるのじゃないか、このようなことは、私事に何もここでくちばしを入れるつもりはさらさらないのでございますが、一体、東宮婚儀費の中に、東宮妃になられる方のための御費用、こういうものはどういうような内割りで含まれておりますのか、御説明をわずらわしたいのです。
  17. 高尾亮一

    政府委員高尾亮一君) 御婚儀の曹用は、ただいま申し述べましたように一千九百万円余組んでございますが、これは内容を申しますと、大体において、普通でいいます御披露宴に関するものが大部分でございまして、御披露にお呼びになる約三千人余の方々を御招待するわけですが、そのときの食事の費用とか、記念の品の費用とか、そういうものでございまして、もっぱら公的な関係だけに限られております。それで、ただいまお尋ねのございました東宮妃殿下になられる方の関係といたしましては、これもやはり同じ思想で、公的な儀式その他必要な着物類、それだけが組まれているだけでございまして、その金額は約百五十万円ばかりでございます。そのほかには妃殿下だけの関係としてはございません。
  18. 高田なほ子

    高田なほ子君 今度の御婚儀妃殿下になられる正田美智子さんの費用は大体百五十万円という御説明がございました。しかし一部週刊誌新聞等では、かなり正田美智子さんの持ち物等についても紹介されているわけです。これは私どもから考えますと、大へん費用になるように思うわけでございます。振袖、ロープ・デコルテ、ロープ・モンタント、お靴というように、実に二十組もお振袖を作って持っていかれるという、そのことを考えただけでも、これは大へん妃殿下になられる方の経済的な負担というものはまことに大きい。むしろ当初御婚約発表になったときには、行李一つでというようなお話もありましたのが、だんだんと大げさになってきてしまって、ちょっと想像のつかないような御仕度をされているようですが、これは個人負担としてはなかなか容易ならざるものではないだろうか。また御婚儀に際して両陛下あるいはまた皇族、これらの方々に対するおみやげ等、これまた一部報道するところによりますと、容易ならざる金額が書かれておりますが、それが真か偽かわかりませんが、あまりにも個人負担というものがかかり過ぎるようであります。このことは、私ども一般の民間の最近の結婚は、金を使わず、簡素化しなければならないということは、最近の風潮であり、政府もまた新生活運動の中で、結婚の問題については、できるだけ節約をしていく、こういうような建設的な方向に進んでおるわけでありますが、実際、御仕度の面から見ると、お振袖が二十組なんていうことになると、どうも私どもには合点のいかない点でありますが、おそらくこれは宮内庁あたりでも、かくかくしかじかのものをそろえたほうがいいというような、そういうアドバイズがあられるのじゃないだろうか。もしそういうアドバイズがされて、たくさんの経費を使わなければならないとするならば、これは容易ならざることではないかという気が私はしたのです。これは娘を持つ母親としての真情であって、まことにこの点について一体どういうふうにアドバイズなされておるのか。また、東宮御所に参られた正田美智子さんの服装が礼儀にかなっているとかいないとかということは、東宮様、皇太子様ではなくて、はたの者からそういうことが出てきているということ、こういうようなことから考えると、正田美智子さんの結婚の御準備等について、かなり回りの者が口やかましくいろいろ指図をされるので、結局、膨大な個人負担というものにかかってくるような気がしてならない。できるならば一民家から東宮妃殿下として上られる立場の方でありますから、ある程度の御用意は必要であるかもしれませんが、あまりにも最近の報道を見ると、大げさにすぎるようでありますが、どういうようなアドバイズをされるものでありますか。一応この点を伺わしていただきたいし、今後の問題もあると思いますから、この点については十分な説明をしていただきたいと思います。
  19. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 正田美智子さんのいろいろ御結婚に必要なものとしてお作りになっておるものというので、新聞雑誌なんかで、いろいろ記事が載っておるのを私も拝見しておりまするが、その中には、相当大げさに書いておられるものが相当あります。われわれの方といたしましては、むだなものはお作りにならないように、必要なものだけにとどめていただくようにしております。しかも、この式の前後に必要なものだけを今調製して、御成婚後に必要なものは、こちらへおいでになってからお作りになればよろしいからというふうに申し上げておる次第であります。なお、いろいろお作りになっておるもののうちで、公式の儀式に要るようなものは、先ほど申しましたように、宮廷費という国の予算の方で作りまするが、私的な、たとえば今の振袖なんかの中でそういう部分もあるかと思いまするが、それからいろいろ御旅行のためにお出かけになるときの服装とか、御参拝になるときの服装ですとか、そういうようなものにつきましては、これはいずれにしてもこちらへ持って、おいでになりまするので、しかもこちらへおいでになってから必要なものでございますので、実を申し上げますと、皇室内廷費お作りしておるわけであります。このおみやげ関係は、そうたくさんの経費ではないと思います。何か、一部雑誌では、宝石の何とかを持ってこられるとか……、そういうことはございませんので、皇室のおつき合いのおみやげというのは非常に簡単でございます。鮮鯛料とか、それにちょっと羽二重をつけるとか、その程度のもので、そうぎょうさんなものではございませんので、新聞雑誌にありましたようなものではございません。ある程度、正田さんでも費用はおかかりになると思いますけれども、しかしながら普通のお嫁入りの場合に見まするいろいろな家財道具のようなもの、これも皇室の方でお作りになりますから、「たんす」をたくさん持ってこなければならないとか、そういうことはございません。御経費としては一般に想像するようにそんな経費はおかかりにならないと思います。先ほど申しましたように、こちらへ持ってこられる、こちらへ持ってこられてから必要なものというのは、内廷費でやっておりますから、そう大きな負担にはならないと思います。なお今後のなされ方につきましても、皇室の現在のなさり方は簡素を旨としてやっておりますから、むだのないようにやっていただくように私ども考えておりまするし、今後のお二人の御生活においてもそういうふうなお気持でなされるだろうと思っております。
  20. 高田なほ子

    高田なほ子君 この点については、大へんくどいようでありますけれども、とくと御注意くださいまして、それでなくとも娘がお嫁に行くという場合には、親は借金を質に置くというわけですから、まさか正田家ではそういうことはもちろんないと思いますが、いずれにしても男の人が考えるような経費とはちょっと結婚経費というものは違う。目に見えないところに大へんなお金がかかるのでありますから、十分にこの点については御注意いただいて、正田家にも意のあるところが十分伝わって御負担にならないようにしていただけるように再度御注意をいただきたいと思います。次にお尋ねしたいことは、義宮様もやがては御婚約にだんだんおなりになるのでありますが、ただ皇室伝統は、やはり皇位継承という意味で御長男の方に重点が置かれるようでございます。しかし、新しい今日の民法は、長男次男も三男も、あるいはまた長女も次女も、こういうような平等の原則に立っているのが新憲法の建前だろうと存じます。今回の東宮婚儀にくらべて、平民で言えば次男に当られる儀宮様もこれらの御婚儀等については、今日は従来の伝統を継承するのではなくて、いかようにこれを取り扱うかというような点についても、相当新しい感覚で御留意なさる必要があるのではないか。こういう点について宮内庁としては、すでに御年配も近ずいておりますので、どういうお考えをお持ちになっていらっしゃるかお伺いすることと、もう一つは、清宮様の今度の御婚約でありますが、一万三千円のサラリー・マンである夫君になられる方に対しては、どんな困難にも堪えしのびますというような、そんなお話新聞に載っておりました。私もこのお言葉には非常に感銘深く、また感激もしておるわけであります。まあ、しかし実際問題としては、なかなか一万三千円の生活というのは苦しい生活ですから、これは無理なことは申し上げるまでもないわけであります。将来の生活計画等については内々一部の報道陣等についても出されているようでありますが、正式の機関ではどんなふうにおなりになるのかという点については御説明いただく機会がありませんので、幸いおいでになりましたので、その点についても予算の上から御説明をいただきたい。
  21. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 前段の義宮様の御結婚のこと、これは今まだ実はその準備にかかっておりません。現在、東大の研究室動物学研究をなさっておって、まあ、そのうちにはそういう問題を考えなくちゃいかぬのですけれども、まだここ一両年はその問題については具体的になることは早いのじゃないかというふうに考えております。義宮様が御結婚になりまするというと、そのときのいろいろ準備関係は、皇太子殿下の場合に比較いたしますると、やはりずっと簡素になると思います。これはやはり皇太子殿下は御身上皇位を継承される方ときまっている方であります。義宮様は皇位継承の第二順位の方で、皇位継承権はお持ちではございまするが、必ず皇位につかれるという方でありませんので、一般国民の関心においても皇太子殿下の場合とは幾らか違うと思います。皇太子殿下の場合に比較いたしますれば、もう少しく簡単に行われると思います。しかしながらやはりこの第二皇子としての御地位にかんがみて、相当のことはしなければならないと思っておりますが、何分にも今のところ、何もそういうことは具体的に検討に入っておりませんので、気持だけを申し上げた次第でございます。  それから清宮様の御結婚になりますると、その配偶になられる島津久永さんは、新聞にもありましたが、手取りが一万三千円ということであります。収入としてはそう多くありませんが、しかし大学を出まして二年目というのはそれが普通の給与でございます。それでだんだんにはふえていかれると思います。それだけで生活なさるかという問題になりますると、実は、皇室経済法で、内親王が皇籍を離脱される場合においては、金額でいいますと、千五百万円以内をおあげすることに法律ではなっております。そういうような基金を上手に運用されていけば、一万三千円だけでなくて、もっと上の収入生活もなされることができると思うのでございまして、なお島津さんは地所建物を持っておられますから、そういうのを修理等をなさっていけば、どこか地所を買って、それから建てなければならぬということもありませんので、まあ生活は立っていかれるだろうと思っております。もちろんそう楽な生活とは考えられませんけれども、現在、他の、前の内親王であった東久邇様でも、鷹司様でも、池田様でもやはりそう楽な生活をなさっておるわけではございません。しかし、といって非常に困っていられるというわけじゃない。まあ、こういっゃなんですが、中の生活をなすっておるということで、そこにかえってまた、別の意味の人間としての生活の味わいを見出しておられますので、そういうように清宮様もなされるだろうと思う次第でございます。
  22. 高田なほ子

    高田なほ子君 今、両陛下のお住まいになっていらっしゃる御文庫の改造をおやりになっているように聞いておりますが、これはいつ完成することになっておるのですか。また皇后様のお住まいになっているところが大へん湿気がひどくて、たびたびおかぜになるというようなことも伺っております。私どもといたしましても、湿気の強いところに住居を設けるなどということは大へん常識はずれのことで、健康をそこねるような、そんな悪い環境になぜそのお住居を置かなければならないのか、まことに私、不思議にたえない。こういうような点については、ここに宮殿造営調査費五百六十四万五千円というのが組まれておるわけですが、これは継続経費としてお組みになっていらっしゃるのかどうかわかりませんが、現在のお住居とこの調査費というものがどういう関係になっているのか。将来両陛下の御住居についてはどのような計画になっておりますものか。これはすでに国会でも一部御説明になった点もあるようですが、あらためてお尋ねをしておきたいと思う。
  23. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 両陛下のお住居の関係でございますが、現在お住居の御文庫の改造をやっているということはございませんので、数年前に改造されまして、そのままでございます。現在は別に改造中でもございません。なおこのお住居のところが湿気が多くて云々という新聞の記事もございましたのですが、このお住居のところの空気模様、湿気の模様、これは常に調査をいたしておりまするが、現在のところでは湿度は普通の市内と同じなので、特に悪いということではございません。それから、ほこりなんかの関係は、これは麹町あたりのいろいろな、保健所で毎年ずっと、毎月のように調査をいたしておりまするけれども、御文庫の屋上にもそういうような設備をしまして、空気のよごれ工合を調査いたしておりまするが、その指数が御文庫のところで一〇ぐらいで、麹町のところが二一ぐらい。ずっと向島とかああいうところはずっと悪いのでございまするが、一〇といいますと東京都内ではちょうど石神井と同じでございます。青梅が八ですから、青梅よりは悪い。しかし特に世間でお考えほどは悪くはないのでございます。そこの湿気の点でいろいろ言われますのは、数年前に、御文庫を改造いたしまする前に湿気が多かった。これは戦時中大急ぎで作られた建物で、一トンの爆弾が落ちてきても通らないようにというくらいな、がんじょうを主といたしました鉄筋コンクリートの建物で、その際に冬なんか雪にまじった砂利を使ってそのまま大急ぎで作ったというので、数年前に御文庫を改造されましたときには、御文庫の壁に穴をあけますと、そこから水が出てきて、それがドラムカンに何ばいかあった。そのころは非常に湿気が多かった。それを改造して、そうしてなおエア・コンデイション——地階のところに空気調節をします機械設備を置きまして、湿度、それから温度について、御健康にふさわしいものを、エア・コンディションでこの室内に送るということになっておりますから、現在のところでは、普通の方のお住居のところよりもずっと状況はよろしいと思っております。特に悪いというのではないのでございます。ただ戦時中にそういうふうに大急ぎで作った建物であり、がんじょうではありますけれども、まあ少しくぶこつのような建物でございまするし、部屋の余裕もそうございませんから、どなたかおいでになってお泊りになるというふうな余裕がなかったり、そういうことになっております。やはりだんだん一般の住居事情がよくなってきておりますので、お住居として、何とかもっとお住居らしい、もっとお住居にふさわしいものを作ったらどうかということをいろいろ考えられて、そのことと、それから一方、公けの活動をなさいます宮殿、これは現在の宮内庁の三階が仮宮殿になっておりまするが、普通の事務室をちょっと模様がえした程度ですから、外国の国賓なんか見えまするとはずかしい点もありますし、その公けの活動をなさる宮殿、そういうものをそろそろ作ることを計画すべきじゃないかというので、二年前から宮殿造営調査費というものを予算で組んでいただきまして、調査を進めて参ったのであります。で、再来年度はこの宮殿造営調査費はないのであります。三十五年度は、いろいろ調査いたしましたその結果を、皇居造営審議会というこの諮問機関、総理大臣の諮問に応じて宮殿造営、皇居造営に関する重要事項を審議する皇居造営審議会というものに、そういうような草案をかけまして、皆さんで相談していただいて、意見を出していただいて、それから今度具体的な計画にかかりたい。ですから、三十五年度は皇居造営審議会で各界の有識者の方にお集まり願って、御意見を聞いて、検討するのです。それが済んで、今度具体的にとりかかるというふうに現在は考えておる次第であります。
  24. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは念のためお尋ねしておきたいのですが、あの宮廷の中におる人の服装が、宮城の中におる人の服装といった方がいいのですが、ひどく金モールで、ものものしい服装ですが、あの服装というのは、あれは昔からああいうような服装になっているのでしょうか。大へんあの中に入ると、あの金モールで、ちょっと違う世界に来たような感じがするのです。もう少し民間人に親しめるような服装というものに代えていかれてはどうかという気持がするのですが、服装の点について御研究になったことがございますか。  それから、参考のためにお尋ねしたいことは、今度の正田美智子さんの御婚儀の日に使われる晴着、十二単は皇后様のお古をお借りするのだということでありまするが、十二単というのは、あれは新調するとどのくらいの金額がかかるのか、これはどうも雲の上の事情にまことに乏しい私の愚問かもしれませんが、しかし時代とともに変らなければならない皇室のあり方として、念のためにこういうことも伺わしておいていただきたいと思います。
  25. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 最初の服装関係のことでございまするが、これは宮内庁で平素勤務しておりまする服装は、今われわれが着ていると同じような普通の背広で、ほかの役所と少しも変りないのでありまするが、儀式のありまする場合は、儀式の係がそれにふさわしいような服装というので、以前から——以前からといいましても、明治、大正のころから……。
  26. 高田なほ子

    高田なほ子君 何年ごろからですか。
  27. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) あれは明治のころから、それを幾らかずつ改善はしております。それはやはり、ああいう服装は洋服ですから、外国の服装をある程度見まして、特に英国あたりの宮廷で行事があるときの服装なんかを見まして、それを幾らか変えましてああいう服装を作ったのでありまして、儀式とかああいう行事のありますときだけ着ているのでありまして、平素着ております場合には普通の服装ということにいたしております。儀式のときはやはり儀式らしくした方がいいというような意見の方が多うございまするし、特に外国からお客の見える場合の儀式的な儀礼の場合には、やはりそういう服装で、きちんとしていた方が、外国に与える印象もよろしいというようなことがございまして、これは一種の制服として、そういうときだけ着る制服を作って、そういう場合だけにそういうものを着ているわけであります。  それから、あとの方の御婚儀の際に、たとえば十二単を新調すればどのくらいかかるものだろうかということでございますが、これはその材料の選び方にもよるようでございまするけれども、まあざっと百二、三十万、それを調製するためには、注文してからでき上るまでには十カ月かかる。というのは、織り方が特別の織り方なものでありますから、現在そういうものをほかに使っておりませんから、特にそれを織るということになりますと、できるまでに十カ月かかります。そういうこともありましたし、御婚儀準備といたしまして四月には間に合わないのであります。なお一面、簡素を旨としてという意味から、むだを省こうというので、それ以前お使いになったものを、悪い部分を取りかえるという修理の程度で今度の式にはお着になるわけでございます。
  28. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一つお伺いしておきます。今度は招待者の範囲がかなり広くなって、相当の人数がおよばれをすることになって、新聞にも発表になっておったようであります。ただ、ここでお尋ねしておきたいことは、われわれ民間では、お祝いの席におよばれをするときには、たとえば夫婦者で片方が死んだというような場合、片割れで訪ねるものではないというようなことで、おめでたの席には、かりに私がおよばれを受けた場合には、親戚の者と一緒になってカップルの形で出かけて行くわけです。そうでないと、お招きをした方でも、大へん縁起が悪いということできらわれる。ところが、どうも皇室の場合にはそうじゃないようでございまして、未婚の婦人の場合、それから既婚の婦人の場合、また未亡人、いろいろあるかもしれませんが、できれば奥さんをお持ちの方は奥さんをお連れになってカップルでいらっしゃる、奥さんの御病気のときにはお妹さんなり何なりでやはりカップルでいらっしゃる、こういうことになりますと、私ども婦人も、招待されたときに、やはりカップルの形で出てもいいというような配慮というものが必要じゃないか。民間での結婚、あるいはお正月というときには、一方で行っちゃいけないということで、これはまあ土地のしきたりにもよるかもしれませんが、私どもは、結婚に呼ばれると、いつでも親戚の者がカップルのような形になって出かけて行きます。これがいいか悪いかは別問題ですが、婦人議員の場合に、兄弟もあるわけでありますが、やはりおめでたの席にはカップルの形で出られるというような配慮もまた必要ではないかというふうに考えますが、この点はどういうふうにお考えになっておりましょうか。別にこれは男女同権という開き直った気持ちではないのですがカップルで出かけて行く形がいいか悪いかというようなところでございます。
  29. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 御婚儀の宮中祝宴の場合、これは今おっしゃいましたようにはなっておりませんので、やはり奥さんのない方はその方だけがおいでになる、だれかほかの人とぜひカップルでというようなことは考えておりませんので、これはやはり国の儀式として行うという格好になっておりまするし、今度皇太子殿下妃殿下をお迎えになりましたというので、皆様に披露をする、あいさつをされるという公式の儀式一つとなっておりまするので、従って、普通あるいは、カッフルでないと縁起が悪いというようなことが一部の社会にはあるかもしれませんが、そういう縁起とか、そういうようなことは現在の皇室では考えておりませんので、やはり奥さんのない方はお一人だけ、御婦人の場合に御主人もという問題があるのでございまするけれども、れもまあ、いろいろな外国の例なんかも調べたのですけれどもやはり御婦人の場合においては、その御主人を一緒に連れておいでにならない例が普通ということで、まあ普通の借間の、国際慣例によって、御婦人の場合は御婦人だけというふうに考えておるわけであります。
  30. 山田節男

    山田節男君 私も二、三御質問申し上げたいと思いますが、まず第一に、カモ猟の猟場は、これは皇室でお持ちになっているのか、あるいは国有財産になっているのか、どちらですか。
  31. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) カモ場は国有財産たる皇室用財産——国有財産ではございますけれども皇室用財産で、皇室の私有の財産ではありません。
  32. 山田節男

    山田節男君 そうすると、カモ猟で、たとえば外国の使臣あるいは閣僚等をお呼びになることは、これは宮廷の方の一つの交際といいますか、そういうような費用でまかなわれるわけですね。ですから、国有財産を皇室用財産として利用しているわけですから、国に何も使用料を払っているわけではないですね。その二点を一つ
  33. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) カモ猟に外国使臣なんかをお呼びになりまするのは、これは皇室の公的な御交際の活動というので、この宮廷費の中に入っているわけであります。それから、これは国有財産ではありまするけれども皇室用財産でありまして、皇室用財産につきましては、別に特に大蔵省へ借賃を払うというようなことはないのであります。現在の皇居も国有財産でおる皇室用財産でございますので、それを一々、要するに国のものなんですから、国のものを皇室の用に使うというふうにきまっているので、それを皇室としていろいろお使いになるということでありますから、別に借り賃を出すというような建前ではないのでございます。
  34. 山田節男

    山田節男君 かも猟は、これは世界各国にもない非常にユニークなものがと思うのです。そういう意味で、かも猟に特に外交団あるいは外国からの使節等を招待するということは、非常に私はいいことだと思うのです。御承知のように、従来戦争前までは主として外交官あるいは外国の使節、日本人としては閣僚、その他軍人等が相当招待されておったように記憶するのです。戦後においては、これは軍人もありませんし、閣僚の範囲が呼ばれておるわけですが、こういう非常に原始的なものですから、これを大衆に開放するということは、これは実際性質上無理だろうと思います。ただ文化勲章をもらった人とか、あるいは特にわれわれ国民の中で非常に何といいますか、篤農家あるいはその他の善行章でも受けるような人は、たとえ人数は限っても、年に十人かあるいは二十人以内としても、私はそういうような人々をやはり招待されるということは、戦前は軍人がいばって、軍人だけ非常に特権的にかも猟に参加しておった。これは事実だろうと思います。これは次長にお聞きしたいが、たとえそうでなくても、戦後における天皇の法律的な私生活というものが変られて、いわゆる国民に対する一つの親近感と申しますか、そういうことから申せば、私はそういう特質のあるものですから、多人数を招待することはできないが、きわめて限られた少数の者は、そういう分野からも選ばれるということは、私はかも猟の性格がああいうユニークなものですから、これを生かしていただくにはそういうようなことがいいと思うのですが、この点についての御見解、あるいはかも猟の特質からできるのかできないのか、一つこういう点お伺いしたい。
  35. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) かも猟への御招待は、外国の国賓とか、使臣とか、そういう方々が多くて、国内の関係では閣僚とか、議会の議長、副議長、最高裁の長官、それから首席判事という、そう広くなっておりませんですけれども、なお国内の何か適当にお選びしてお招きができるような方法があればどうかなということは、宮内庁部内でもいろいろ検討をいたしたこともございますし、現在でも何かいい方法があればということは考えておるわけでございまするが、ただ回数はそう多くはできません。やはりある程度間隔をおきませんと、どなたか来られまして、かも猟をなされると、しばらく一週間か十日くらいはじっとしておきませんと、相当荒れるものですから、回数をそうふやすことはできませAが、しかしながら今おっしゃったような点、もうちょっと何とか一つ国内のそういうような方々とか、あるいはその他選べるならば一ということは研究問題にいたしておりますが、まだ結論を得ておりません。
  36. 山田節男

    山田節男君 これは今の次長のお話非常にけっこうなことでございまして、ごいねがわくば、これは範囲は少くとも、そういう意味においてかも猟場を利用するということは、非常に国家的な意味もあると思うのです。ぜひそういうことが一つできる範囲内において実現されるように努力していただきたいと思います。  それから第二には、天皇、皇后両陛下のお使いになる自動車、これは過般フィリピンのガルシア大統領が来られたときに、私非常に感じたのですけれども、供奉の自動車、これはトヨペットを全部使っておる、陛下のお乗りになる自動車は非常に旧式で、ガルシア大統領がシルクッハトをかぶっておる。シルクハットをかぶってすわると、クッションがどういうふうになっておるのか、頭が非常につかえて戸惑っておる状況を私はそばで見ておった。陛下国会に行幸になさっても、自動車は非常に旧式だ。少くとも十九世紀的な形をしているが、なぜああいう旧式なものに固執されるのか。あるいは経費を節減されるという、そういう意味でああいうふうにされるのか、この点はどういうわけなのか御説明願いたい。
  37. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 自動車の関係でございますが、ガルシア大統領が見えたときに陛下が羽田へお出での際は、赤色のベンツだったのでありまして、地方への行幸とか、国会の開会式のときも赤色のベンツでしたけれども、これは二十数年たっておりますからと、相当古い車でありますが、現在まだここしばらくは使えろというので使っておるのでありますが、実はそろそろかわりを考えなければいけない。もう四年くらい前でございますが、できれば国産車でそのかわりができないかということを、日本自動車工業協会ですか、そこへ依頼したことがあります。こういうような条件に合ったもの、やはりお供の方々も乗られますこともあるし、非常にゆっくり走らなければいけない場合もある。やはりそういうところから機械にしましても、普通の現在の国産車ではどうも十分ではない。それにうまく耐えられるような車ということで、実はこちらから何とかできないかということを四年くらい前に話をいたしまして、昨年中間報告のようなことを聞きましたのですが、まだどうも無理のようで、できれば国産車でこういうふうにできますというときに新車をと思っているのですが、国産車がどうしてもうまくいかないようであれば、ここ一両年の後、一両年くらいしか持たないと思いますから、そのときにどうしてもだめならば、やはり外国車でもっといい車を買いまして、そういう場合の車にしたい、こう思うのでありますが、予算関係ももちろんあるので、もう一つは国産車で何とか間に合うのではないかということと、両方の点でおくれておるわけでございます。
  38. 山田節男

    山田節男君 これは機械はロールスロイスですか、デイームラだか知りませんが、私は一九二一年から一九三二年までロンドンにいたのですが、そのとき宮内省用の自動車を二台購入に来られたということを覚えておりますけれども、少くとももう二十五、六年たっておると思いますが、ですから、これは今の次長の御説明でわかりますが、これはやはり日本の国民の統合象徴として御乗車願うにしては少しお粗末ではないかと思ってお尋ねをした小です。次に赤坂離宮がああして国会図書館になった場合に、あすこに相当家目撃の他の調度品があったように見るのですが、それは全部ではないのですが、かなりのものが宮内庁へ持っていか、たということをその当時聞いたのですが、果して事実なのですか。またあれはただ保存しておかれるだけで活用はされていないのか、あるいは将来また何かの機会に使うという意味でそういうような処置をとっておられるのかどうか、その点をお伺いしておきます。
  39. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 赤坂離宮にありました机とか飾り棚、いす、この調度品は現在宮内庁に、三階の仮宮殿の各部屋でそれを使っておられます。修理などもしてきれいにして使っております。部屋とマッチしない点はありますけれどもしかしながらその点は、実は色合い等も工夫いたしまして、何とかマッチするようにして現在仮宮殿でお使いになっておるわけでございます。
  40. 山田節男

    山田節男君 この間予算委員会宮内庁長官にちょっと質問したのですが、これは今度皇居の造営審議会ができますので、二十五名ですか、各界の学識経験者ですね、これは相当いい案が出ると思うが、宮内庁当局としての皇居というものに対する何か独自お考えをお持ちになっているかどうか。あすこがどうしてもいいとか、あるいは他のヨーロッパ等の今日王国が存在しているところの皇居等を見て、もう少し現在とは趣向を変えた方が、いとか、たとえば皇居の前は今日本のビジネスセンターでありますけれども、離れているといいながらビジネスセンターに非常に近いわけであります。オランダのアムステルダム、へーグ、あるいはコペンハーゲン、あるいはオスロー、これも離れていますが、あるいはストックホルム、あるいはイギリスのバッキンガムパレス等を見記しても、今日の皇居というよりも、かなり町に近い造営になっているわけですね。そういったようなものを勘案して、皇居そのものは、やはり宮内庁人体として独自のお考えを持っておられるかどうか。この点をお伺いします。
  41. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 皇居に関て、独自の意見というほどではありませんけれども、いろいろの調査をしておりまするが、その際に、いろいろ出ておりまする意見でございまするけれども、そういうものを総合したところで申し上げますと、皇居の位置としては、われわれはやはり今の皇居の地域の中がいいと思うのであります。中にはもう東京を離れて、どこか遠くという御意見もございまするが、しかしながら、やはりこの国の象徴、国民統合の象徴としていろいろ御活動なさるには、やはり首都においでになった方がよろしいし、これはおいでになる方もその方が便利でありましょうし、ふさわしい思います。じゃその首都の中で、今の地域でない所でもいいじゃないかという御意見があるかと思います。そういう点も、いろいろ首都の中で今の地域でなくて、いい所がないだろうかということも検討いたしてみたのでございまするけれども、環境といい、われわれとしてはやはり皇居の今の地域がいいと思っております。相当広い地域が要る。そうすると、その広い地域を新規に購入するとしても相当経費かかりまするし、そこにいろいろ建物があるのを、のいてもらうというのも今の時節としては問題でございまするし、ある程度まとまってあいている土地として、やはり皇居の前の宮殿の焼けました跡があいておりまするので、そこを利用するのがいいのじゃないか。場所的にいいということは、その周囲にやはり皇居外苑とかというようないろいろ広いところがございます。今後いろいろの行事をいたします場合に、相当できるだけ多数の方に来ていただけるように考えますには、自動車の置き場所というものが近いところに、便利なところにございませんと非常に不便でございます。英国のバッキンガム宮殿に宴会があって行かれた人の話を聞きますと、自動車を回すのに半日かかったとか、そういう点に不便があそこにはあるようでございます。宴会の時間は短かったが、前後で相当かかったというようなことを言っておられた方もございまするけれども、そういうような点を考えましても、自動車で皆さんが来られる場合には、ちょうど前にああいう広いところがある方がよろしいと思います。人によっては、何か城のあった跡はおかしいじゃないかというような御意見もありまするが、しかし、今やはりあすこは一つの東京の風致地区のような感じになっておりまするし、城といういやな感じよりか、風致地区の感じが強いのじゃないかと思います。城であった場合の不便な点は、やはり入口なんか工夫して、門の位置を幾らか変えるようにいたしますれば、お城として不便であった点も除かれるのじゃないかと思いますし、ただ一般の方に親しまれるようにということでございまするけれども、これもできるだけ皇居の外苑からもある程度ほんのりと光の見えるようなふうな建て方をすればどうだろうか。すぐ外苑の方から全部見えるような作りにしてしまいますと、中の建物の場合に、かえって自動車を回すのに不便であるから、ある程度外部からも見えないようにする。それからなお、門から入られて、今と違った坂下門のあたりの改造も考えておりますが、そうすればずっと中の方へある程度入られると皇居も見えるというふうな工夫もできるのじゃないだろうか。なお皇居の構造でございまするが、構造もいろいろ外国の方を視察をして来られた方の意見も聞いていますけれども、やはり耐震耐火の近代建築ではあるが、日本的な味を出すということがいいのじゃないか。外国の宮殿というのはそのまねをいたしますると、相当これは建築費なんかもかかります。そのまねをしないで、やはり日本的な清楚な感じのものにすれば経費もそう高くなくて、しかも外国人が見てもなるほどというようなふうなものになるのじゃないか。そのことはまた、皇居にふさわしい、日本の皇室のあり方としてそれがふさわしいのじゃないか。豪華じゃなくて、清楚な感じの建物がいいのじゃないかというふうにも考えておるのでございまするが、いずれにしても、これは事務的に考えております点を、何か考えがないかとおっしゃいましたので一応申し上げたのでございますけれども、皇居造営審議会が開かれますれば、われわれが調べました結果もいろいろお話を申して、皆さんの御意見も聞いて、国民の皆様が、なるほどこれならいいと、というふうにお考えになるようなふうに作るのがよろしい。現在の御皇室のあり方として、そうあるべきだというふうに考えておりますので、皇居造営審議会ていろいろ御意見を伺うことをわれわれは期待いたしておるわけであります。
  42. 山田節男

    山田節男君 これも過日、建設大臣、宮内庁長官に質問したんですが、御承知のように自動車が非常にふえて、東京の交通網の整備といのことが非常な問題になってきております。そこで今日まで建設大臣が主宰しております首都圏整備委員会等で、どうしてもやはり東京の交通を緩和するには、たとえば祝田橋、それから大手町、それから竹橋から三段の地下道でもいいから、トンネルでもいいから、四谷とか市ヶ谷とか飯田橋へ抜けるようなものがどうしてもないと、東京都の交通整理ができないのじゃないか。こういう専門家の意見があるのです。しかしこれは皇居であるから宮内庁の方の意向というものが、これが最大のボトルネックといいますか、何もそれをノーと言われているわけじゃないのですが、こういうことはすでにあなたたちのお耳に達しているかとも思いますが、皇居の地下に三段なら三段のトンネルを、地下道を通すということについては、宮内庁としては何らそれに対する反対というようお気持はないわけですね。
  43. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この点については、たぶん先日、宇佐美宮内庁長官からもお話したのじゃないかと思います。けれども場所によってはいけないというようなことがそれはあるかもしれません。というのは、宮殿でも作るとすると、すぐその下だということになると、相当重い建物を作りますから、場所的に差しつかえない場所であれば、皇居の下はそういうものは通ってはいけないというような、がんこな気持を持っておるわけじゃございませんので、計画を拝見いたしまして、これならばということであれば、少しも反対をする余地はないのでございまし、そういう点は、関係の方にも、われわれとしても意見を言ったこともございます。
  44. 山田節男

    山田節男君 次に、国会図書館も、これは大体明年度で第一期の造築及び造営が終るわけです。そうしますと、現在の旧赤坂離宮があくわけですね。この旧赤坂離宮をどういうように使うかということが国会でも問題になっているわけです。これは私もそういう意見も聞いたことがありますが、赤坂離宮を皇居にされるというのは非常に都合がいいのじゃないか。それから、もし皇居として使わなければ、外国の迎賓館にしたらどうだというような実は意見があるわけです。御承知のように非常に古い建物ですから、エア・コンディションにしましても、非常に旧式のものである。その他調度等を取りかえれば相当費用が要るかもしれない。しかし、ああいう英人の設計でしょう、これは相当クラシックな、しかし堂々たる建物である。環境もいいし、また東宮御所もあそこの大宮御所の方に今度御増築になるということで、地理的に見ても非常にいいんじゃないか、こういうような実は意見もあるわけですが、宮内庁としては、今、次長のおっしゃったように、あくまで現在の方がいい。いわゆる皇居の所在として一番いい。赤坂離宮はそういうふうなものに使うことには関心を持たないというか、むしろ反対だと、こういう御意見ですか。
  45. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 赤坂離宮の点についてはいろいろ調査いたしましたのですが、赤坂離宮の中の部屋というものが大きな部屋があまりないのでございます。で、やはり皇室の今後のあり方として、やはり大きな部屋があって、たくさんの方がおいでになれるように考えるのがほんとうだと思うので、大きな部屋があそこにはあまりありませんし、あそこを利用するというのは、そういう点から見て不適当だと思うのであります。で、まああるいは場合によっては迎賓館のようなものに、内部をある程度改造はしなければならぬでしょうけれども、迎賓館はそう大きな部屋はなくてもよろしいわけですから、だから迎賓館のようなものに利用されることができれば、それも考えるべきじゃないかというふうには思っておりますが、あそこそのものは将来の皇居としては適当とは考えておらないのであります。
  46. 山田節男

    山田節男君 これは先ほど高田委員もちょっと触れられましたが、来月行われる皇太子の御成婚に関して質問いたしますが、この皇太子の御成婚はもちろん国事として扱うわけでありますが、前の、現在の天皇陛下は摂政のときに御成婚になったのじゃないかと……、これは間違っておるかもしれません。そのときには外国のいわゆる特派使節といいますか、たとえば英国なら英国の皇室の代理というようなものが来たのかどうか。それから今回の皇太子の御成婚には、特にそういう外国からわざわざお招きするような使臣というものは考えておられないのかどうか。この点と、それから新聞で見たのですけれども、バィニング夫人が今度お見えになるというのですけれども、この資格はもちろん。プライベートといいますか、しかしこういう国事にああいう家庭教師であった人が見えるのですから、私は非常にいいことだと思うのですが、バイニング夫人がお見えになることは、これはやはり向うの自費で、こちらとしては旅費とか何とかいうのは、特にそういうような扱いはしないのかどうか。この二点を一つ伺いたい。
  47. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今度の皇太子殿下の御婚儀の際に外国の特派使節は受けないという方針でございまするが、それは今の陛下が大正十三年に、摂政宮であられましたが、そのときの御婚儀の際にも特派使節は受けないということで、受けておられないのでございまして、その前例にまあよったということで、やはり今度も特派使節は受けない。これは今の陛下の場合と同じことでございます。  それからバイニング夫人の問題でございまするが、バイニング夫人が皇太子殿下の御婚儀が四月の十日にあるということを知られまして、その少し前に日本に来たいのだがという手紙がありました。で、おいでになっておるならば、それはまあ御結婚の儀とか、それから御披露の方にも出ていただければというふうに思っておるわけであります。従っておいでになります旅費をこちらから出すわけではありません。たまたまそのときにいるからと、そうすればその御結婚の儀と披露——披露の方も要するに恩師という方の出られる場面がありまするから、恩師でございますから、恩師として出ていただくという考えでございます。
  48. 山田節男

    山田節男君 それではバイニング夫人は、恩師ということで別に叙勲を申請するということもお考えになっていないのですか。
  49. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 勲章のことは何も聞いておりませんですが。
  50. 山田節男

    山田節男君 最後に、目下造営中の皇太子の御住居ですがね。これは私直接設計を見たわけでもないし、また現場を見たわけでもありません。どうも専門家からいうと少し、これは始めたことだから仕方ありませんけれども、ああいう設計の皇居がいいか悪いかということは、相当建築専門家から見て批判があるということは、これは事実です。で、これはあなたも専門家じゃないから、そういうことをお聞きしてもしようがないのですけれども、今回の新築される皇太子の御在所は純和式を主として、そしてある部分は洋式にするとかいう御設計なのかどうか。  それから、もちろん皇太子並びに皇太子妃はやはり国の行事としてのいろいろな外国人と接見するとか、いろいろなことがあるだろうと思うのですか、そういうこともやはり構想に入れて、先ほど次長は皇居をなるべく簡素にするということを言われましたけれども、大体外国に比べれば日本の建物はどんないい部屋でも非常に簡素過ぎている、むしろあっけないというくらいなんです。その簡素というのは程度があると思います。対外的には。そういう点についてどういうような考えをもって今度の造営をされるのか、この点を一つ伺っておきたいと思います。
  51. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 東宮御所の設計の問題は、これは東京工業大学の谷口博士に依頼しまして、いろいろ工夫をしてやっていただいたので、われわれ専門家でありませんので、それが批判があるかどうかの点はよくわかりませんですが、いろいろずいぶん工夫していただいたつもりではございます。で、予算もきまっておりまするし、それから部屋はこうこういうふうにした部屋がいい、これはこうこういうふうに使えるようにという注文も非常にあり、限られた予算でいろいろな注文に応ずるものを誠意をもって設計していただいたのでございます。この建物としては、基本的には耐震耐火の洋風な建物でありますが、しかしながらそこに日本的な味を出した。で、日本は湿気の多い、こういう所ですから、屋根もあります。それは建物のためにもいいですし、また日本的な味を出すためにはその方がいいようであります。部屋へ入って、部屋の中も、公けの部屋の方の関係はまあ外国のそういうような建物ですと相当豪華な、ごてごてした部屋が多いわけですが、そう豪華ではない。しかしながら日本的なその清楚な感じ、まあ簡素というのじゃなくて清楚ということてすか、清楚の感じの出るようなふうに工夫をしていただいておるわけであります。それで、限られた予算の範囲で、できるだけそういうような面で恥かしくないような部屋ができることと思うのでございます。お住いになります私室の方は公けの部屋よりも幾分質が落ちますけれども、この方も、これはお住いになるのに気分のいいような部屋にすることが、これが一番大事ですから、そういうようなお住みやすいような気分のいい部屋というふうにいろいろ工夫をされております。そのほかは事務室であります。事務室の方はこれは普通の事務室で、簡単であります。そういうようにいろいろ設計者の方でも十分考えていただいたというふうに私たちは考えております。
  52. 山田節男

    山田節男君 最後に、これは宮内庁関係予算であるかどうかわかりませんが、これは次長がお見えになるから、長官に御質問できなかったのであなたに御質問申し上げます。宮内庁の要員、もちろんこれは定員があるわけです、式部官ですがね。現在専門の式部官は、常勤の式部官は何名いますか。
  53. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 専門の式部官は式部官長が一名、式部官が四名であります。
  54. 山田節男

    山田節男君 私の知っている方が式部官になっているわけですけれども、まあわれわれが御案内を受けて大ぜい行く場合にはおられるわけですがね。そうでないときには、どうも見えないので、聞いたところが式部官は嘱託だと、まあパート・タイムの式部官だということを聞いておるわけです。ですから予算面から見ると、そういったものは宮内庁にはないわけですね。事実そういうフリー・ランサー式の式部官というものが幾名かおられるわけですね。第二には、こういった式部官というのは、現在四名とおっしゃいますが、幾ら経費を節減するにしても、やはり宮内庁といいますか、宮廷のあのスケールからいえば、これは四名ではいかにも少いのじゃないか、私はそういうことを聞いて実は驚いたのですが、経費を節減することはもちろんこれは大事なことですけれども、そういうことを実は私は聞いてびっくりしたのですけれども、これはやはり大蔵省かどこかの、宮内庁としての行政組織からいってこの程度にしなくちゃならぬという、そういう言明があってこういう無理をしておられるのですか。この二点をお伺いしたい。
  55. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 式部官は専門は四名、非常勤の式部官というのが二名おります。そのほかに式部官を一応兼任の形で兼ねております人が一人、中心はその専門の四人でございますが、だんだん外交関係も以前から見まするとふえておりまするし、終戦直後の定員ではどうかというので、いろいろ定員増のことを実は折衝したこともございまするけれども、なかなか定員増はむずかしいものですから、そこで非常勤の式部官を二人昨年からふやしてもらいまして、忙がしいときにはその方がやられる、幾らかそれで補いをしておる。その他は他の職員でお互いに助けてゆくということでやっておりますので、まあこの定員の問題はどこの官庁でもそうですが、定員増というのは一番むずかしい問題でございますので、まあむずかしゅうございまするが、その限られた人員で何とかいろいろの行事を間違いなくやろうというのでやっておりまして、今のところまず間違いなくやっているつもりでございます。
  56. 山田節男

    山田節男君 最後に、正田美智子嬢が皇太子妃になられて、御成婚の結果皇太子妃の地位につかれた場合、皇太子妃としていろいろ指導あるいは相談役といいますか、東宮女官長というものですね、この人選はもうきまっていますか。
  57. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 東宮女官長は牧野さんという方に内定いたしまして、予算が四月からありますから、三月いっぱいは東宮職御用係というので来ていただいております。なお女官の人も名和という方と佐久間という方が内定いたしまして、この方も三月いっぱいは東宮職御用係で四月一日から女官になられる。もう一人女官の定員がございますが、もう一人の方を今鋭意選考している次第でございます。
  58. 山田節男

    山田節男君 これは私は非常に重要な人事だと思うんです。これはやはり次の時代の国民のシンボルとして天皇、皇后両陛下に立たれる方ですから、私いろいろ申しませんが、今度ああして正田美智子嬢が皇太子妃につかれるということにつきましては、御本人も聡明な方であり、いろいろ気をつけられると思うんでありますけれども、少くとも今後の次の時代の国民のシンボルとしてふさわしい皇太子皇太子妃ということで、特に私は皇太子妃につく女官長並びにその側近にいかなる人が選ばれるかということが非常な私は重要なウエートを持っておる、重要性があると思う。これは希望になりますけれども、人選については一つ十分、ただ単に宮内庁だけでなくて、御用係その他政府なりに相談をされて決定をするくらいな、これは異例かもしれませんが、その重要性からいって私はそういったような慎重な人選をされるように、特に希望申し上げておきます。  これで終ります。
  59. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) ほかに御質疑ございませんでしょうか。——それでは皇室費の質疑は先刻申しましたように一部を二十六日に残すことにいたします。
  60. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 次に国会所管を議題といたします。  まず衆議院及び裁判官訴追委員会より説明を願います。
  61. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 昭和三十四年度国会所管衆議院関係予算の要求額は、二十三億五千九百五十二万円でございまして、これを前年度予算額二十一億五千四百三十三万二千円に比較いたしますと、二億五百十八万八千円の増加となっております。  次に、おもな事項別について御説明申し上げます。まず、国会の運営に必要な経費といたしまして、二十一億三千九百十八万六千円を計上しております。これは衆議院が国会の権能を行使し、かつ、衆議院事務局及び法制局の所掌事務を処理するため必要な経費でありまして、議員歳費、通信手当、議員旅費議会雑費、議員秘書手当及び立法事務費等議員に関する経費として十億九千九百七十三万一千円、国政調査に要する旅費、審査雑費及び証人等の旅費並びに事務局、法制局び常任委員会に要する職員の人件費、旅費、事務費、その他議案類印刷費、光熱水料、通信費、議員会館等の維持管理に必要な経費十億四百四十一万四千円、列国議会同盟分担金及び国際会議等海外派遣に必要な経費三千百六十八万七千円のほか、新たに議会制度七十年史編さんの経費として百四十四万円、列国議会同盟会議開催準備費百九十一万四千円を計上いたしております。  第二に、営繕工事に必要な経費といたしまして二億一千三百三十三万四千円を計上しております。これは、議長公邸新営費に九千六百三十七万円、議員宿舎新営費として五千十六万五千円、委員室等空気調和装置の改修に三千四百六十八万円、本館昇降機の改修に一千五百万円、各所新営及び改修費として一千七百十一万九千円が積算されております。  第三は、予備金に必要な経費として前年度同額の七百万円を計上いたしております。  なお話委員会につきましても、便宜私から御説明申し上げます。  昭和三十四年度裁判官訴追委員関係予算の要求額は、七百四十四万九千円でございまして、裁判官訴追委員会の運営に必要な委員の旅費、委員長の職務雑費、及び事務局職員の人件費、事務費等の経費でありまして、大体前年度と同様になっております。  以上簡単ながら概略御説明申し上げました。
  62. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 次に、参議院の説明もお願いいたします。
  63. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 昭和三十四年度国会所管参議院関係歳出予算要求額は、十五億二千四百三十七万九千円でありまして、これを前年度予算額十三億八千七百七十三万六千円に比較いたしますと、一億三千六百六十四万三千円の増加となっております。  次に、この要求額を、おもなる事項別について御説明申し上げます。まず、国会の運営に必要な経費といたしまして十三億六千二十一万円を計上しております。これは参議院が国会の権能を行使し、並びに参議院事務局及び法制局の所掌事務を処理するため必要な経費でありまして、議員の歳費手当、旅費及び立法事務費等、議員に関する経費五億九千九百三十万三千円、国政調査に要する旅費及び審査雑費等並びに事務局、法制局及び常任委員会に要する職員の人件費、旅費、事務費、その他議案類印刷費、光熱水料、通信費、議員会館、議員宿舎及び庁舎等、建物の維持管理に必要な経費七億三千八百十一万五千円、国際会議出席等海外派遣に必要な旅費二千六十八万七千円のほか、新たに議会制度七十年史の編さん経費として百四十四万円、列国議会同盟会議開備準備費六十六万五千円を計上しております。  第二に、営繕工事に必要な経費といたしまして、一億五千九百十六万九千円を計上しております。これは参議院議長公邸の新営費九千六百三十七万円、委員室等空気調和装置の改修費三千四百六十八万円、本館昇降機改修費千五百万円、各所新営及び庁舎等の改修費一千三百十一万九千円であります。  第三に、予備金に必要な経費として、前年度同額の五百万円を計上してあります。以上、簡単でありますが、概略の説明を終ります。
  64. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 次に裁判官弾劾裁判所説明をお願いします。
  65. 隈井亨

    ○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 昭和三十四年度国会所管、裁判官弾劾裁判所歳出予算要求額は八百八十三万五千円でありまして、これを前年度予算額七百四十一万八千円に比較いたしますと、百四十一万七千円の増加となっております。  次に、この要求額を事項別に御説明申し上げます。  まず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、八百二十七万三千円を計上しております。  これは、当所の運営に必要な裁判長の職務雑費、裁判員の調査旅費、並びに事務局の人件費、事務費等であります。  第二に、裁判に必要な経費といたしまして五十六万二千円を計上いたしております。  これは、裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費であります。  以上、簡単でありますが、概略の説明を終ります。
  66. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 次に、国立国会図書館の説明をお願いいたします。
  67. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 昭和三十四年度国立国会図書館の予定経費要求について御説明申し上げます。  昭和三十四年度国立国会図書館の予定経費要求総額は八億四千六百七十万円でありまして、これを前年度予算額七億七千九十五万四千円に比較いたしますと、七千五百七十四万六千円の増加となっております。  次に、要求額の内容を事項に区分して御説明申し上げます。  まず、国立国会図書館の管理運営に必要な経費四億二千六百八十六万三千円を計上いたしてあります。この経費は、国立国会図書館の管理運営のため必要な人件費、事務費、図書及び科学技術関係資料費、国際図書交換通信運搬費等でありまして、これを前年度予算に比べますと二千五百九十万九千円の増加となっております。  増加のおもなものは人件費関係八百七十三万五千円、常勤職員給与百二十一万円、図書購入費五十五万円、科学技術資料の整備関係費九百九十九万二千円、その他五百四十二万二千円となっております。  次は、国立国会図書館庁舎新営に必要な経費四億一千九百八十三万七千円が計上いたしてあります。これを前年度予算額に比べますと四千九百八十三万七千円の増加となっております。  この経費は、現在工事中の国立国会図書館庁舎の新営を、昭和三十四、三十五の両年度で完成するための昭和三十四年度に必要な経費でありまして、工事費四億一千五百六十八万円、事務費四百十五万七千円となっております。  昭和三十四年度におけるおもな工事は、建築の主体工事完了のため、車庫、橋梁を含めまして、約六千万円、建築の仕上工事として、屋根及び窓建具建込等のほか、床の軽量コンクリート打、間仕切壁の一部仕上等約一億二千万円、書架工事として一階三層分約億円、設備工事として約一億三千五百六十八万円を予定しておりますが、これが実施計画につきましては、建設省とも十分連絡の上、実行上遺憾なきを期する考えでございます。  以上、まことに簡単な説明でございますが、どうぞよろしく御審査のほどをお願い申し上げます。
  68. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
  69. 高田なほ子

    高田なほ子君 衆参両院にまたがるわけですが、どちらでもよろしゅうございます、またがっている経費は、議長公邸の新営費に九千六百三十七万円、これは衆参両院とも同じ額が計上されておりますが、今日まで議長公邸を使用した実績というのは、どういう実績になっておりますか、お尋ねをいたします。
  70. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院について申し上げます。衆議院におきましては、議長公邸というのは、従来あるようで実際はほとんど役に立たないというようなものでございました。と申しますのは、現在、終戦直後に昔の北白川宮の古い建物を暫定的に借用しておったわけでございますが、これは高輪に場所がございますのと、非常に古い建物でございまして、議長公邸としての借用にほとんどふさわしくない建物でございました。従いまして、衆議院におきましては議長公邸を使用するということはほとんどございませんでした。そのために現在の議長公邸では間に合わないということで、新営を要求して、今度計上したわけであります。従いまして、過去におきましても実績というものは非常に少いと思いますが、全然借り上げの当初におきましては、なかったことはございません。
  71. 高田なほ子

    高田なほ子君 ほとんどこれは役に立たなくて使われてなかったというのですが、三十三年度の維持費というものはどのくらいかかっておりましたか。
  72. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 私の方は議長公邸としましては、現在の議長さんもお住みになっておりませんし、ほとんど使ってないかと思いますが、ただ私どもの方の議長公邸は、高輪の議員宿舎と併用になっておりまして、それで半分は高輪の議員宿舎ということで、議員宿舎に使っておるわけであります。これに要します人件費、それからその他の経費というものは使っておったと思いますが、議長公邸としてはほとんどないわけでございます。
  73. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の議長公邸について申し上げますが、参議院の議長公邸は現在目黒にございましたのが、非常に遠隔の土地にございますけれども、使用は主として議長が議員を招待されるとか、あるいは議員の方で、委員長なりその他の方が議長公邸を借りまして、そして会合に使われる、こういうわけでございます。
  74. 高田なほ子

    高田なほ子君 参議院の方の使用はわれわれも知っている通り、ちょいちょい会合に使う程度ですけれども、一年間にこの会合というのは何回ぐらい便っております。
  75. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 今その正確な数字をちょっと承知しておりませんので、すぐ調べて御返事申し上げます。
  76. 高田なほ子

    高田なほ子君 それからこれも両院の方に伺うのですが、交際費六百四十五万円、これは他の省に比べますと、ほとんどよその省では交際費は若干削って、冗費の節約というような点に少しぐらいの注意が見えているように思われますが、両院の場合の交際費というのは前年度のままの費用になっておるわけですが、主としてこの両院の交際費というのはどういうところに使われてきたものか、そしてまた実績というものはどういうふうなものか、この点についてお尋ねをしたい。
  77. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の交際費は約九百万円でございます。このうち従前交際費として入っておりましたものが約五百万円、それから四百万円、他の特別交際費として明細書に載っておりますのは、これは御承知のように昨年は交渉費として計上されておったものでございます。この特別交際費はおととしでございますか、初めて入りました経費でございまして、衆参両院が国会の賓客として外国の議員団を招聘することがまあ最近起りました。御承知のようにブラジルでございますとか、オーストラリアでございますとか、すでにそういうことが行われたのでございますが、あわせまして外国議員の往来が非常に多くなりましたために、あらためて外国議員団の接待に要する経費として四百万円計上したのでございまして、それ以外のものはずっと前からこの予算で入っておるわけであります。
  78. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の交際費につきましても、今衆議院の知野部長が申されたように、大体同じでございまして、使われる内容でございますが、外国からお客様が参りましたときに、その接待費とか、それから議長が議員を招待されるとか、あるいはその他慶弔禍福があった場合に使われる、そういうように使用されております。
  79. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは常識的に考えると、これからますますこの対外的なおつき合いというものはふえていくわけでありましょうが、この実績は去年の実績と全く同じような態度でもって計上しておるわけですが、この点はどうなんですか。
  80. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 昨年は御承知のようにオーストラリアとかブラジルを招待したものでありますが、来年度につきましてはまだどの国を正式に招待するか、具体的な案はございませんが、これは御承知かもしれませんけれども、すでにチェコスロバキアでございますとか、ユーゴでございますとか、こういうニカ国につきましては、すでに衆参両院議長から招牌状が出されておるわけでございますが、時日等についてはまだ決定を見ておりません。なお、現在の状況でいきますと、もう一カ国くらいはふえるのじゃないかというふうに思われておりますけれども、まだ具体化はいたしておりません。
  81. 高田なほ子

    高田なほ子君 オリンピックの開催が日本でほぼ予定されておるわけです。オリンピックの開催に関して、また国会としてお呼びをするというような、そういう腹案というものは今ないわけですか、何かオリンピックと関係して。
  82. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) オリンピックに関連しましての招待計画というものは、現在のところは聞いておりません。
  83. 高田なほ子

    高田なほ子君 その次にお尋ねしたいのですが、この国会職員はいろいろ種類がありますから、総体的には言えないと思いますが、どうもわが国の最先端をいく国会の中で男女の給与差というのはかなり幅が広がっておるように聞いておりますが、総体的に女子の方が低いと思いますが、もし資料があれば、国会に勤められている女子の平均給与、民間給与に比べてどうなっているか。それから男子とどのくらいの開きがあるか、こういう点についてお答えいただければお答えいただきたい。
  84. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 女子の職員給与でございますが、まあ女子の職員の従事します職種にもよりますけれども、現在、たとえば課長でございますとか課長補佐でございますとか、そういうわりと高級の職員には女子職員がおりませんという意味では、女子職員の給与は低いかと思います。ただし、女子であるために特に低いということのございませんのは、たとえば女子が大学を出まして衆参——参議院の方は存じませんが、衆議院に入ります場合の初任給は、男子におきましても女子におきましても同様でございます。従って、新しく大学を出て採用される場合には、女子の方だけが給与が低く格づけされるというようなことはございません。
  85. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) ただいまの女子職員のことでございますが、参議院におきましても女子職員を男子職員と区別して俸給、昇給等において区別するということはございません。
  86. 高田なほ子

    高田なほ子君 給与はやはり学歴が主になっているわけですね、経験と。しかし、なかなか責任のある地位には女子はついてないようですが、能力がないわけですか。
  87. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 私どもはそういうふうには思いませんが、ただ古い職員といいますか、戦後女子職員がかなりふえておりますけれども、従前はあまり多くございませんでしたものですから、そういう意味でまだそこまで上っていく人がないのじゃないかと思います。必ずしも女子の能力が男子に比べまして総括的に低いというふうには思いませんけれども、大体タイプをやられる人でございますとか、交換手の方でございますとか、そういうふうに職種によりまして女子職員の採用というものが行われる現実からいいまして、そういう区別が出ておるのだろうと思います。
  88. 高田なほ子

    高田なほ子君 その次。証人の旅費です。この証人の旅費はわずかでありますが、五万二千円ばかりずつこれは衆参両院とも減っておるようです。私ども考えでは、国会の審議権が尊重されるということになりますと、どんどん証人も国会に来ていただいて、生きた意見をわれわれに聞かしていただくということは大へんけっこうなことだと思うのですが、今度の予算では証人の旅費がどういう意味で減ったのかわかりませんが、減っているということは、ある意味で私は悲しむべき現象だと思うのです。どういう理由で、いかなる実績でこれが減ってきたのか。この点について説明をしていただきたい。
  89. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 証人旅費が五万円ばかり減っておりますのは、一般経費と申しますか、こういう経費につきまして大体五%の節減というものが、一般的な予算の基準としまして行われましたものですから、それに伴う分でございまして、衆議院の過去の実績を見ますと、大体証人旅費は今までの、委員会で呼ばれますものをまかなって十分やっておるようでございまして、足りない場合におきましては、これは国会で呼びます特殊な証人でございますから、要求したいと思いますけれども、今のところはこれでまかなっていけると思います。
  90. 高田なほ子

    高田なほ子君 参議院の方は。
  91. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の方も同様でございます。減っておるのは一般的に五分減ということで減っておりますので、過去の実績から推しまして、大体そこへ入っているので間に合うようでございます。
  92. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体過去の実績から五万二千円というものが減ってきたと、こういうようなことになるわけなので、別に一般の節減とは別個の問題のように御答弁がありましたが、そのように私了承しておきますが、その次に休職者の給与が五十六万三千円ばかり減っておるようですが、休職者の給与減が非常に大幅でありますが、この内容はどういう内容になっているものか。
  93. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院につきましては、もっと大幅に減っておるわけでございますが、これは休職者は、大体休職者の現在員というものを押えましてやっておりますものですから、私の方では休職者が漸減しておりまして、それに基いて積算したものでございます。
  94. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 休職者の給与は、現実に今まで勤めておった人が休職というふうに発令いたされますと、それは休職者給与の方から出すわけでございます。今までの、ずっと過去の例から言いますと、だんだんそういうのが漸減と申しますか、減って参りまして、それに基いて今度の予算も少し減らしたと、こういうことでございます。
  95. 高田なほ子

    高田なほ子君 小沢庶務部長にこれは特にお尋ねしますが、参議院の中で、民間人から一番評判がいい部署はどこだとあなたはお思いになりますか。これはお答えにならなくてもいいのですが、電話の交換、これは圧倒的に参議院の電話交換は評判がいいのです。衆議院の方がいらしっていて、衆議院が悪いという意味ではないのですが、民間人が参議院に電話かけたときどきらいいい気分を味わうことがない、非常に丁寧で迅速でかつ正確だと、実に評判がいいのです。こういう評判がいいということがここに論議になったということを、交換手の皆さんがきっと聞かれないから惜しいですけれども、ぜひ国民の声を伝えて下さい。そうして大いに激励してやっていただきたい。これは衆議院と比較した形になってはたはだ申しわけないのですが、決してそちらが悪いという意味ではないのです。  その次にちょっとお尋ねしますが、この速記生徒というのは、手当が若干ここに組まれておりますが、これはどういうような養成計画でこの手当が組まれるのか。どちらか一方でけっこうです。
  96. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の速記養成所に採用いたします生徒は、大体二年半ぐらいの速記養成期間というものがございまして、それを卒業いたしますと、試験をいたしまして衆議院の速記者に採用するわけであります。その生徒であります期間の手当が、速記生徒手当でございます。
  97. 高田なほ子

    ○高田なほ君 二年半の間の養成期間を経て、その養成期間を経た者は自動的に国会で採用になるというしかけになっておるのですか。一カ月間の手当というのはどのくらいの手当がつくのですか。
  98. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 月二千五百円でございます。  それから採用の関係でございますが、大体速記養成所で二年半の速記養成成期間を落第をしないで過す人というのは、非常に優秀な人しか残りません。それでもなお採用いたしますときには非常にむずかしい試験をいたし、して、その中から選抜されました優秀な人たちが速記者として採用になるわけでございまして、全部が全部は採用になりません。
  99. 高田なほ子

    高田なほ子君 今年度は何人採用されたのか。そしてまたその二年半後にどのくらいの生徒さんが実際に役立つ職業人として残るものか。
  100. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院におきましては大体十五名を公募いたします。それでその採用試験に受かりまして、身体検査その他で、実際採用しますのは毎年大体十二、三名かと思いますが、そのうちで卒業のときまでに残ります人は大体八名から九名ぐらいでございます。実際に採用いたしますのは、その年の定数にもよりますけれども大体五、六名ぐらいでございまして、今のところは欠員の補充で大体その程度の数がまかなわれているということでございます。
  101. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の方は十五名本年は予定しております。前の年はやはり十五名採りまして、それら最後まで残りましたのが十三名へと思います。それでこの中から参議院の速記者に採るのは本年はたしか二名かと思います。
  102. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは事務的な数字の御答弁に結局なっているのですが、これは私の一つの理想なんですが、議長公邸を九千六百三十七万円で新しく作って役立たせるような御計画は、これは決して悪いとは思わないのですが、どうも今までの実績から見ると、あまり大へんな……。九千六百万円の価値があるかどうかということについては、かなりやっぱり私どもとしては研究しなくちゃならない問題じゃないかということを考えておりますが、国会の傍聴席を改造するという声はあまり出ていないのですがね。あの鈴なり満員の場合の傍聴席に上って見ますと、一番うしろに立たなければならない人などは、もう実に夏なんかはいたたまれないほどに暑いです。この議長公邸の新営費も、これは国民から吸い上げる税金で九千六百三十七万という金になっている。たまに、一年に一ぺんぐらい注目して来る傍聴席がいたたまれないような狭さであり、暑さであり、苦しさであり、しかもマイクは満員のときにはうしろの方にいる方には聞えない。このことは民主国会としても恥ずべき姿ではないかという気が私はするのです。ぜひこれは傍聴者の一われわれ議員が審議する部屋を審議しいいようにするだけではなく、傍聴者の席も、空気の流通等についてはこれは工夫をすれば、もっとよい待遇ができ、そしてまたゆっくりと傍聴していただけるように、十分これは御研究になる必要があるのではないか。特に最後列に立たれておる方の耳には、発言者の声が聞えないということは、これは大へん申しわけない点でありますから、せめておいでになった方には、一言一句聞き漏らされないだけの施設の改造というものについては、これは十分に留意をしていただきたい。多額の金がこのことについてかかるとは私考えられないのです。九千六百三十七万円のうちの幾分かでも傍聴者の席の改造に充てるというような民主国会に対するあり方というものについては、この予算面では見られませんですが、ぜひこの私の意見というものが、近い将来に実現できるような研究を、衆参両院を通じてされたいということを強く私希望しておるわけですが、こういうような声は今まで出ませんでしたでしょうか、いかがでしょうか。
  103. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 傍聴席につきましては、傍聴席に入ります人数の関係が非常にあると思いますが、傍聴席自身が非常に狭いという意見は、たまに聞くことはあるのでございますが、私も、もし腰かける場所を広めますと、入る人数が少くなるというような問題もございまして、まだ傍聴席を直すということにつきましては、特段の議論というものは今までは拝聴しておりません。
  104. 高田なほ子

    高田なほ子君 どうか、きょうをきっかけとして傍聴席をいかにするかという問題、これは私たちも研究さしていただきますが、どうか皆さん方もこの点を留意していただいて、また外国にでもおいでになったときには、ぜひイギリスの国会の傍聴席がどういうふうになっているかというような点についても研究をしていただきたいと思うのです。特に傍聴席で見張りをする衛視の方ですが、相当威厳を保って見張り1監視をしていらっしゃるのですが、来られた方から見ると、あれは見張りというのですね。イギリスの傍聴席にいるそれこそ見張りの方は、今こういう議題を説明しているのだとか、今こういうような問題について討論しているのだと、われわれ公式に外国人として行ったんではありませんが、一般の民間人としてあそこを、イギリスの国会を参観したときには、それこそ見張りの方が親切な説明員になって、傍聴したときに、私どもは大へん学ぶべきことだなと思いましたし、また、当日上程されている議題のプログラム、こういうものが傍聴者に丁寧に手渡されておりました。でありますから、国民が主になっている国会という感じを大へん強くしたのでありますが、傍聴席のみならず、ここに来られる方々に、多少のそれは経費はかかるかもしれませんが、どういう議題がかかっているかぐらいの親切なプログラムが、せめてこういう半ページぐらいの大きさでもいいから、渡して上げられるようなしかけにできたならば、この予算も血が通うのだがなという感じを私持つのです。これも新しい問題でありますから、この予算にはもちろん別に関係はございませんが、傍聴席の改造と、それから傍聴者に対する国会としての待遇、こういうことにも頭を使って研究をしていただきたい、これは要望事項でございます。  その次の問題でありますが、警備の問題で、直接予算とは関係がないと思いますが、衆参両院に来られた傍聴者が一番感じが悪いというのは、これは御承知だと思うのです、一番どこが感じが悪いか。これは警備でありますが、警備の方は警備の任を負って警備されているのですから、この方の役目をとやかく申し上げるわけではないのです。けれども、女の人のハンドバッグの中まで調べるというのは、どうも私合点がいかない。で、警備の方針としては、これはどういうふうになっておりますか、衆参両院ともこの点についてはお尋ねをしておきたいと思います。
  105. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 警備の一般的な方針につきましては、私が申し上げるのはどうかと思いますが、この中は御承知のように議場警察権というものがございまして、議員さんが国政を審議しておられます場合に、これに支障を来たさないということがやはり警備の基本方針であろうと私どもは思っているのであります。そういう意味で、一般の方の出入りにつきまして、やはり若干やかましかったり、行き過ぎたりすることがあろうかと思いますが、やはり御承知のように、衆議院の議場なんかで本会議中にビラをまかれるというような事例も二、三回実はありましたし、昔もそういう例がございましたものですから、まあ議員の身辺に、審議中にそういうことがないようにするといとことが、何といっても警備当局としては一番中心に頭にあることだろうと思いまして、そういう意味の中でたまたま行き過ぎたりすることがあるのではないかと思いますが、なお、何らそういうことの他意のない一般の方に対しまして行き過ぎのないようにということは、十分に注意するようにいたしたいと思います。
  106. 高田なほ子

    高田なほ子君 参議院の方のハンドバッグはどうなっていますか。
  107. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 警備の方針につきましては、先ほど知野さんが言われたような目的のためにやっているのだろうと思います。こちらもその方針でやっていると思いますが、今のハンドバッグまで調べるかどうかという点ですが、私ちょっとその点は今つまびらかにしておりませんので、あとでお答えいたします。
  108. 高田なほ子

    高田なほ子君 電話の方は、これは参議院は今言うように非常に評判がいい。ところが警備の方は、参議院の方はがらっと評判が悪い。衆議院よりひどいというのですね。だからこれは警備の方針というものが一貫してないんじゃないかという気がするのですがね。それは口のききようには十人十色で、参議院の交換のお嬢さんの方が口のきき方のうまい方がそろっているから評判がいいのかもわかりませんよ。しかし参議院の方の警備は、女の人のハンドバッグの中までかき回したり、取り上げたりするということで、ずいぶん婦人議員は婦人の人から怒られるんですよね。ですから警備の方針等についても、女の人のハンドバッグの中に今ピストルが入っているわけもありませんし、大体金物を入れちゃいかぬと言って、コンパクトまで金物の部類の中に入れるということは、今どき非常に非常識だと思うのですね。  それからカーディガンのところのネッカチーフですね。これはやはり一つの装飾になっているのです。今から十年くらい前まではこういうネッカチーフをすると、どうも大へん失礼のように思われていたかもしれませんが、細い絹のネッカチーフなんというものは、カーディガンと調和をとるために大へん大切な服飾品なんです。そういうものまで取り上げる方もいるようです。でありますから、近代の若い女性の服装は何が標準になっているかということくらいの研究をなさって、それで何でもかんでもこういうものを取らせるというような非常識なことをなさって、せっかく電話でもって、まことに参議院はいいなと思ってきたところが、とたんに首巻きまで取られちまうというような悲しみを味わわせないように、十分に警備の方針については、近代的なセンスにマッチするようなやり方を研究していただきたい。これは意見になりますが、どうかこの意見はここでもってただ言っているのじゃなくて、ぜひこうあってもらいたいという熱意をこめての意見でありますから、おいでになった御両者だけでなく、どうか皆さんにも十分徹底するようにお話し下さるようにお願いしたいと思います。  最後にもう一問お尋ねしたいことは、最近警職法以来、国会の中にかなり多数の私服が配備されているように聞いている。これは私のところに参りました投書からの質問なんです。で、これはお読みすれば大へんいいのですが、お読みしないで尋ねておるのでございますが、私も寡聞にして、私服と、それから一般の方の区別がつきませんので、どうこう言うわけにもいきませんが、これは私服というものは年中国会の中に入ってくるべき性質のものなんだろうかという大へんな疑問なんです。国会の中は制服の警備員で事足りるので、わざわざこの私服が配備されるということについては、大へんな疑問を私は持つわけです。もしこういうことが当然であると、許されるという立場にあるとするならば、これはちょっと問題じゃないかという気がするのです。こういう事情については、御両者とも御存じございませんか。
  109. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 警職法以来私服がふえたということは、私全然存じませんのですが、なお警備の具体的なことにつきまして知らないこともあるかと思いますが、そういう話は衆議院につきましては全然聞いておりません。
  110. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 私も今その点は初めて聞いたようなわけでございまして、おそらくその入る方は——私は警務部長でございませんので、詳しいことを御答弁するのはいかがかと思いますが、そういう方はバッジで入ると、こういうことになりますと、そのバッジがつまりどういう役所に出ておりますか、その出ている中からつけて入ってこられるという中で、たまたま私服と思われる方があったということじゃないかと思いますが、まあ詳しいことはちょっと存じませんので……。
  111. 高田なほ子

    高田なほ子君 これはちょっとここで伺っても正確ななには出ないと思いますが、いわゆる普通通用するバッジが私服に使われているということ、これは直接あなたの責任ではないと思いますが、後刻私も担当の方にまた尋ねてみたいと思いますが、やはりこの国会の中に、やたらに私服が入り込んで、そして警備するということ以外に、このバッジまでにせものになって、自分がつけるべきバッジでないのを、入るためによその方から、公然の秘密のような形で回して、そしてつけて入ってくるというこの仕組みです。この仕組みについて私は疑問がある。もう国会内の警備は、警備係の方かしっかりしていらっしゃる方々ばかりそろっているのですから、こういう必要はないのではないかという意味のもとでお尋ねしたわけであります。  最後に、この国会図書館の建築の問題について尋ねたいのですが、この国会図書館の建設の問題については、予算を今ずっとお尋ねしておるわけで、こまごまの予算をここでお尋ねすることはもう省きますが、どうしてあの足場を取ったり、はずしたり、また取ったり、はずしたり、同じことを繰り返して、なかなかあれをやらないのか、これは私おかしなことだと思うのです。なかなか工事が進まない。幾ら膨大な工事でも、どういうわけでああいうことをするのか、伺わしていただきたい。
  112. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) ただいま御指摘になりましたように、よく取ったりはずしたりしておりますが、従来年々の予算が比較的少うございましたもので、一応その年度予算が終ってしまいますと、そこを終了してしまいますと、はずすというような関係だろうと存じております。
  113. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは年度々々にまた予算が組まれているわけですが、建設をするときにはずっと計画を立てて建設していらっしゃるわけでしょう。それならばこの次またここの足場は使うというのに、何でまた取ったりはずしたり、取ったりはずしたり……、その分だけ経費がかかるというしかけになるように私は思うのですね。でありますから、ずっとこれから完成まで全部計画的に使われるような予算の組み方になっているものか、それとも予算から逆行してそういう工事というものが錯綜しながらおくれていってしまうものか、これは私だけでなく、一般の方が、通る人が、この工事はおかしな工事だなあと言って大へんに七不思議の一つにして見ているわけです。それで、私は建築の専門的なことはよくわかりませんが、国民から七不思議なんと言われることを解明するために質問をしておりますから、そのつもりでお答えしていただきたい。
  114. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 御承知の通り、継続費というものがただいま認められておりませんので、図書館建築につきましても年々の大蔵省との折衝によって予算がついていく、こういうような関係になっております。で、当初図書館建築に着手いたしますときには、図書館側といたしましては二十五億ないし二十八億というような予定で大蔵省にまあ総額的な話し合いをいたしましたが、大蔵省の方は総額的なところにつきましては話に乗って参りません。後ほどになりましておよそ二十億見当というようなところまでは話がだんだん固まって参りましたが、今申し上げましたように、年々大蔵省と折衝いたしまして、その年度の額をきめていくというような事情になっておりますので、ただいま御指摘になりましたように、大へんこう見っともよくない姿になっていて申しわけないと思っております。
  115. 山田節男

    山田節男君 ちょっと関連質問。今の国立図書館の造営の問題ですが、来年度予算で四億一千五百六十八万円、大体三十五年度で完成するということになっていますが、これは第一期工事の意味ですか、それとも全部の、第一期、第二期と分けている第二期も含めてのこれは予算ですか、三十五年に完成するという意味は。
  116. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 第位置期八千坪の予定でございます。第二期一万五千坪につきましては、ただいまのところ、まだ全体の計画まで、はっきり具体的な計画まで立ち至っておりません。
  117. 山田節男

    山田節男君 これは来年の夏か、秋に、列国議会同盟会議が東京で開催されることになっています。東京というのは会議用の建物が不足しているので、まあ国会を使用するということは、大体そういうことになるのじゃないか、そうなりますと、この国会図書館の建物というものが勢い利用されなくちゃならない。この第一期工事が三十五年のたとえば八月なら八月で大体そういったものに一部でも使えるようになるかどうか、その点はどうですか、計画からいって。
  118. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 三十四年度で大体外の建物はできます。三十五年度にいろいろ、機械設備、それから書架といったものに着手することになると思いますが、列国議会同盟の会合に、はっきり使えるようになるということを申し上げるだけのまだ具体的な自信はございませんけれども、御要望は、これを担当しております方に伝えて、できますれば一部なりとも使えるような方向に進みたいという希望は持っております。
  119. 山田節男

    山田節男君 この予算で、衆参両方の予算に列国議会同盟会議開催準備費として出ているのですが、衆参両議院で同じようなものを二つかけているのは、これはどういう費用ですか。
  120. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院に計上いたしました列国議会同盟の準備経費でございますが、このうちでことしの、ことしといいますか、来年度ことしの大体十月ごろかと思いますが、ワルソーの列国議会同盟会議が済みましたあとで、列国議会同盟の事務次長のダグラス氏が日本に参りまして打ち合せをすることになっております。これは従来列国議会同盟の分担金が衆議院に入っておりました関係で、衆議院側にその職員の招聘旅費といたしまして約百万円ばかり計上になったわけであります。そのほか庁費としまして、たとえば臨時に雇います若干のそれまでの準備のための賃金でございますとか、あるいは準備委員会等でいろいろな会合をしたり、各省庁との連絡会議をいたします経費、それからタイプライターを買ったり何かするような経費、そういうようなものをあわせまして約百万ばかり入っておるわけであります。
  121. 山田節男

    山田節男君 参議院はどうですか。
  122. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の方で入っておりますのも、大体今言われましたように庁費関係でございます。
  123. 山田節男

    山田節男君 庁費というと……。
  124. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 庁費と申しますのは、準備のために人を雇うのに賃金で雇うとか、あるいは会議をする場合の会議費とか、それから文房具とか、そういう種類のものでございます。
  125. 山田節男

    山田節男君 これはやはり日本として初めてで、非常にこれは重要な会議であると思う。私は一昨年ロンドンへ行って痛感したのですが、これは万全の準備をしないといけないと思うのですね。それがためには衆参両院の予算を計上しておられるが、これは一体になって事務局を作らなければいかぬと思います。次長のダグラス氏がこっちへ来るのを機会に、どうせそういう事務局を作らなければいかぬのだから、これは衆議院、参議院と別個にすべきものじゃない。やはり衆参両院一体としてやらぬと、非常に浪費でもあるし、また重複もするから、この点は、予算は別個でも、使うときには一元化して使わないと非常に不経済です。それからまちまちになるということは、全体の統一がとれないということになる。あのリオ・デ・ジャネイロの会議等のそれに対するいろいろな準備書類も私もらっておりますが、これはやはり衆議院、参議院で予算は別個になっておっても、準備については一体にしてやるということにしないといけない。それから主体からいえば、例外はありますが、衆議院が大体列国議会同盟の代表になっておるのですから、その点は一つ特に気をつけてもらいたい。  それからその中に、ジュネーブの列国議会同盟会議の本部の職員を招聘する経費として、衆議院の方で約九十五万円、これはどういうのですか。原則とすれば、次長が来る場合も、あるいは準備のために本部から来る場合には、これはもう招聘しなくても向うからわざわざ来るのだ、列国で、日本も約二百三十万円の分担金を持っておる。ジュネーブの本部では相当潤沢な資金を持っているのですから、特に招聘するという必要は私はないと思います。これは何か理由があってこういうことにしたのですか。
  126. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) この点は山田先生もお詳しいことでございますが、実は列国議会同盟の大会を遠隔地と申しますか、本部よりもかなり離れました所で主催をします場合、遠隔地の主催国とそれから同盟本部との間に詳細な主催国側が負担すべき事項につきましての協定があるわけであります。過去全部、ブラジルの場合でございますとか、タイの場合でございますとか、遠隔地主催国との間の協定に準じまして、昨年のブラジルの会議におきまして日本議員団と同盟本部との間に協定がございました。この協定の中に、従来の遠隔地主催国との間の協中の例にならいまして、大会の行われます前年に、同盟の本部の職員が一名打ち合せに来る経費というものを負担するという協定が、昨年ジュネーブの本部との間にできましたのに基きました経費でございます。
  127. 山田節男

    山田節男君 それからこれは少しこまかいことを言うようですけれども、まず国会建物一つであって、たとえばエア・コンディション、それから水道、電気、通信は別としまして、少くともエア・コンディションとか水に関しては一体としてやはりやった方が非常に僕は能率的であり、たとえば暖冷房のごときは、現在これは両方とも別別にやっておると思うのだが、しかも昨年ですか、相当金をかけてやった。将来はエア・コンデイシヨンということは、これは徹底してやらなくちゃならぬし、非常にこれは日本の国会はそういう点においては不十分ですから、エアコンディションというものについては一体にして運営するというふうに考えられるべきじゃないかと思うのですが、これは今の予算上と、従来の伝統から、そういうことは不可能に近いですか、どうなんですか。
  128. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 議事堂の冷暖房の問題でございますが、暖房の方の汽罐場というのは衆参両院一つでありまして、これは一つの所で石炭もたいてやっておるのでございます。ただ、議事堂を作ります当時の機械設備が両方に分れておりまして、冷房につきましては別々にやらざるを得ないようになっております。今大きい建物につきまして根本的にやるということになりますと、なかなか容易なものではないのでございますから、当初の設計に基きまして、冷房につきましては別別な機械施設でやっておるのであります。新しく作れば先生のおっしゃる通りだと思いますが、一本にすればもっと能率的に経費の点におきましても安く済んだのではなかろうかと思うわけであります。
  129. 山田節男

    山田節男君 これは内輪ですから、多少小じゅうとめ式なことになるかもしれぬが、これは御容赦願いたいと思うのですが、国会に限らず、どうも日本では公共建物に対する維持管理が非常に不足しておると思います。たとえばヨーロッパ諸国に行ってもアメリカに行っても、公共建物の維持管理は、非常に清潔にしておるわけであります。ところが、どうも日本の国会がその通弊の一つにやはり悩んでおると思うのですが、過般ガルシア・フィリピン大統領が来られたときに、私は個人的にも知っておるが、非常に潔癖家なんです。たまたま来られる一時間ほど前に、参議院の廊下をちょっと歩いてみたら、廊下のシャンデリアがほこりが一ぱいたまって黒くなっている。これはいかにもいかぬということで、当時これは庶務部長だったかにちょっとお願いして、ちょうど時間があっ中のですから、やってもらった。どうもこの一事を見ても、国会も他の公共も物も、公共建物の維持管理、たとえば窓ガラスを見ても非常にみがきが足りない。しんちゅうのような道具にしてもみがきが足りない。こういうものに対する、少くとも日本に一番欠けておる公共建物の維持管理については、同会は率先してその範を示すだけの気魄を持たなくちゃいかぬと思うのです。それで、これは庶務課か警務課か知りませんけれども、維持管理というものについては、一つもう少し本腰で衆参両院でやってもらいたい。もっと清潔に、そうしてやはりこれは最高の立法府らしく、要するに維持管理というものを、一つもう少し徹底してやってもらいたい。これは希望になりますけれども、それがためにはやはり特別な係を置かれてもいいと思うのです。この点をお願いしておきます。  それからもう一つはトイレットの問題です。これは私も数年前にもやかましく言って、衆参両議院とも婦人用のトイレットを一カ所作られたのであります。もしかりに来年の秋まあ列国議会同盟会議が開かれることになると、しかもここで主たる会議が行われるということになると、現在このトイレット制度では私はいけないと思う。これは私はもう常々感ずるのですけれども、現在の衆参両議院のトイレットは、男も入り女も入るというような様式で、こういうものは世界にないのです。これは国際的なエチケットから見て、しかも国会で男も女も同じ所に入るということは、これは何としても国辱ですから、これは金もかかり場所もないかもしれないけれども、今日男女同権というような立場からいって、これはもう国際エチケット、マナーに従って、どうしても男女のトイレットを別にすることをやらなくちゃならない。これは今までいろいろ考えられて、苦しい中にもああいう一カ所を設けられたのですけれども、さらに僕はこれは衆参両議院とも真剣に考えてもらわなければいかぬと思うのです。これは予算がどうなっているか知りませんけれども、少くとも来年の秋までには、何かの一つの方法で、ぜひ衆参両議院ともやってもらいたい。
  130. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) ただいまの便所の点でございますが、これは一昨年の分科会におきましても、先生から特に強くおしかりを受けておったのでございまして、私どもよく記憶しておるのであります。来年度の列国議会同盟関係会議までには、どうしてもほうっておくことのできない問題でございまして、本年度予算におきまして各種新営及び修繕の中に、約二百十万ばかりの予算を組んでおりまして、このうちで衆議院の——参議院も同様でございますが、便所を婦人便所に改修する経費、これはすでに入れておるわけでございます。これは御趣旨のように、会議開催に間に合うようにいたしたいと思います。
  131. 山田節男

    山田節男君 それから本会議とか委員会が流れたとか、あるいは延会されたとか、こういうような掲示ですね、これも、ああいう即製的な木の棒のものに紙をふんどしみたいにぶら下げるということは、これは私は国会としては非常にみっともないと思うのです。これはアメリカにおいてもしかり、イギリスにおいてもちゃんと掲示板があります、特定の場所に。あの廊下の角に——まあ衆議院は知りませんよ。参議院は本会議の四つ角の方に実に醜いふんどしみたいなものを下げている。こういうことは、これもやはり国際的に見ていけないと思うのです。  それから特に、さっき高田委員も言われましたが、今日の電波科学は非常に発達しているのですから、国会のようにあそこの壇上で言ったものが、まあ本会議場はもとより、どこにおっても聞こえるというような音波というものはもうできるのです。特に衆議院のごときは、われわれが傍聴席について、これはテレビで聞いた方がよくわかる。聞こえないのです。これは衆参両議院とも、この電気通信の機器の発達した時代に、悪くいえば十九世紀ごろのものをそのまま使っているということ、これも私は維持管理からいっていかぬと思うのです。それからイギリスの国会は、ああいったように、討論の議壇に立った人はマイクは置きません。これは例外でありまして、そういうのは、そこの議員のおる所々にマイクが下っておる。全体のなにが全部入っております。そういうように、もう少し音響と、それから聴衆の便宜になるように、もっとモダンなことをこれは考えなければいけない。これも維持管理として非常に実は不満に思うのです。これも近代化するということに努力をしてもらいたい。  それからもう一つは、壇上における議員は原稿を大体置きます。衆議院はだいぶなにか台を置いているが、参議院も浪花節語りのような台が一つ置いてある。これなんかも少くとも議員があそこに立って演説する、今までのような平面的なものではいけないのです。これも国際的だが、ちゃんと手に持ちまして、それで昔のように手を振り上げてというような演説は、これはもう例外です。あくまで国会の論議というのは、すべて数字的、事務的なものです。日本では例外で、相当ハイト・パーコレーター式のこういうものはもう時代錯誤のものです。ですから、演壇で私の一番気にかかるのは、あの演説原稿を置く台です。台の面を斜めに傾けて、しかも視覚に適正な高さを保たせるということは、これは世界共通の仕掛けなんです。ところが衆議院はやや改造されたが、参議院はわずかに針金みたいなものでやっておりますけれども、これもやはりもっとモダンなものを作って、それから話をしても、長い原稿を読むのでも、今のようなこういうふうでは非常に疲れます。こういうものも考えて、これも維持管理の一つとして近代化する必要があります。  それからもう一つ速記の問題がさっき出ましたが、まあ非常に苦労して熟練な速記士を養成しておりますが、私、民間に行きまして驚くことは、もうああいういわゆる速記でなくて、今日では、いわゆるテープでやるのが、もうかなり民間では使われております。国会のように、速記が生命である国会で、依然としてああいう速記術をやるということは、これも私は能率上から言っても考えるべきじゃないか。そういったような、最近の、きわめて能率の上り、また、効果の上るような速記術というものを衆参両院では研究しておられるのか。また、ゆくゆくはそういうものに移行する準備がおるのかどうか。こういう点を一つお聞きしたいと思います。
  132. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 最近の速記につきましては、たとえば、衆参両院の速記養成所のほかに、裁判所なえかでも新しい速記法というのを使っておりまして、非常に能率的なものができておるようであります。今、先生がおっしゃいましたような機械的なもの、いつか京都大学でそういう研究が完成したように報ぜられまして、私の方でも一応照会したことがあります。この方はまだ実用的にはなっていないようであります。そういうふうなものは、そういうものが起るつど、私の方も研究はしておるわけでありますが、まだ急に変ることまでには行っていたいようでございまして、裁判所速記術なんかにつきましては、そういうごうになっておりますが、どちらが技術がいいかということになりますと、現在のところでは、衆参両院の速記者というものは、全国で速記の技術試験というものがございますが、ほとんど上位の者が大部分衆参両院で占めるというところで、現在のところは非常に優秀なのでございますので、将来新しい能率的なものが発明されるような場合には、十分参考にしていかなければならぬとは考えております。
  133. 山田節男

    山田節男君 参考にするというのではなくて、先ほど申し上げましたように、これは大体欧米流がこっちに来たわけですけれども、やはりアメリカの方が現在やっておる新しい式は科学的であり、しかも能率が上るということは、これはもうただ日本語と英語という違いがあるだけです。ですから国会のように速記を生命とするところは、こういうもっと新しいものに早くから手をつけていかなければいけないのじゃないか。ですから、これはただ参考にするというのでなくて、衆参両院とも、そういう意味速記の近代化ということについて、いつでも着手できるだけの準備はしておいてもらいたいということをお願い申し上げておきます。  それからこれも維持管理の一つですけれども、私はひどい経験がありますが、廊下でたばこを吸っちゃいけないということも、これは相当やかましく言わなければいけないことだ。それからどうも新聞記者とか、秘書とか、あるいは各会派の事務局のボーイ、書記等が廊下を走るのですね。こういうような神聖な建物の中で、廊下で走るということはこれまた国際的なエチケットから言えばあり得べからざること外す。どんなに急いでも国会で走るということは。ちょうど本会議場の角でぶつかられて、これは秘書だったけれども、ひどく私は怒りましたが、これはしばしば言えることは、廊下を走っておることです。こういう国会建物の中でいかにも走るということは厳禁なければならないのみならず、危険です。この点は維持管理の一つとして十分お考えを願いたい。これはどうも小じゅうとらしいことばかり言うようですけれども、しかし国際的な見地から言いまして、改めなければならない一つの大きな問題だと思います。  それから自動車ですが、自動車は衆議院の方は私よく存じませんが、参難院の自動車はもうシボレーとか何とかという四十年代のものを使っているのですが、私もこれは自動車の経験がありますが、かえってああいう古いものを使っているということは、維持費なりガソリンの消費量から言えば不経済じゃないかと思います。衆参両院とも自動車に対する経費が計上されておりますが、むろん、これは早く国産に切りかえるとか何とかということが必要じゃないかと思いますが、明年度予算ではそういったようなことをどの程度まで考えておられるか、衆参両院とも具体的に一つそういうお考えをお示し願いたい。
  134. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 自動車の点につきましては、山田先生の御指摘の通りでございまして、いたみ方も早いのでございますが、非常に維持費に大へんな金を食うわけでございまして、非常にもったいないわけでございます。一般の官庁の自動車の更新の年度というものはさまっております。衆参両院ともにその基準でいったのでは不経済きわまりないものになり、衆議院におきましては早くから国産車に切りかえたいというわけで、ここずっと国産車ばかり新しく買っているわけでございます。明年度予算におきましては、更新用といたしまして十六台分でございますか入っているわけでございまして、初めて少しまとまって更新ができるかと考えております。
  135. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちょっと関連して自動車のことで……。バスは議員バスということになっているのですが、あれはもうかえって職員バスなら職員バスというふうにしてしまって、衆参両院ともあれは刑務所の車が来たなと思うと、衆議院とか参議院とか、わきに書いてあるわけですね。あれの切りかえとか何とか、計画はありますか。
  136. 知野虎雄

    ○衆議院参事(知野虎雄君) 参議院は毎度のことですが、りっぱな車を借り上げておられたと思います。衆議院は実は囚人バスとあだ名されておりますひどいバスを駅に出しておりました。私の方は前から地下鉄が議事堂の前に開通いたしますと同時にこのバスを廃止いたしたいと考えておりまして、これが三月十五日から地下鉄開通と同時に四谷、新橋、新宿、渋谷等に出しておりましたあのバスは全部廃止いたしました。現在は宿舎に対して送り迎えに使っております。駅へ迎えに出しておりましたみっともないバスはこの間からやめました。
  137. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 参議院の方も衆議院と同様、地下鉄の開通を機に十五日からあのバスはやめました。  それから山田先生にお答えいたしますが、自動車はこちらといたしましても、古い外国車は非常に維持費の点において不経済ということでもって、昨年あたりからどんどん国産車に切りかえるようにいたしております。それから本年度も庶務小の方で決定いたしまして、更新用の車は全部国産車に切りかえました。来年度は更新用として九台入っております。これもおそらく国産車に切りかえる、こう思っております。
  138. 山田節男

    山田節男君 それから国会の紋章ですがね、衆議院の方では衆議院の紋章を作られたやに私は聞くのですが、参議院ではまだそのことを聞きません。これは外国の議員と文通して感じますことは、ことに国会の文書、これは日本語の場合もそうですが、やはり国会の紋章というものは必要だと思いますね。目下衆参両院とも紋章を持つということ、ことに外国あての文書が非常にふえるのでありますが、それにはぜひとも一つ、衆議院はできていると思いますが、参議院もこれは急ぐ必要がある。それから外国の議院の議員としての文書はやはり必ず上院なら上院、下院なら下院の紙を使っている。私自身が必要な場合に参議院の議長の秘書室へた打ってハウス・オヴ・カウンセラーの封筒や紙をときどき借りる。これも有料で議員に分けるという建前でもいいですけれども、日本あるいは外国の場合も一つ所定の衆参両院の用紙というものを規格をきめて、ベンなりタイプなり筆で書けるというものを議員に対して有料でわける、そういうことは議員が、陳情を受けて出す場合には議員としては一番公文書ですから、それだけにやはり参議院というものが入っておれば、非常にこれが受ける方の気持がいいだろうし、またわれわれとしてもぜひそうしなくちゃいかぬと思います。そういったような面について日本の国会は全然そういう便宜をはかっているということの伝統がないわけです。今日の国権の最高として、議員の使う少くともそういう便箋、封筒というものについて、そういった便法をはかることは必要だと思うのです。従来私は議長秘書室などへ行ってずいぶんやかましく言うのですけれども予算上できないというのです。これは議長だけでなく議員にも使わせる、そしていろいろなサイズを使わせるということは議員にしても便宜だと思いますから、この点について一つ年度からでもすぐ実施できることだと思いますから、そういう点を一つ国際並みに各議員に便宜をはかっていただきたい、一方においては国会の権威を保つという意味において、ぜひ一つこれも考慮願いたいと思います。どうも希望ばかり述べましたが、これで終ります。
  139. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 今の山田さんのおっしゃいました紋章、それから封筒、それからレターペーパーの点でございますが、事務的にはおっしゃる方向に考えております。
  140. 石坂豊一

    石坂豊一君 あまりこまかいことのようですが、この説明書はちょっと——科学技術資料の整備関係費九百九十効万二千円と書いてある、これはどれとどれを寄せられたものか、この項目一つで見ると七百八十八万七千円、それから図書購入費五十五万という、五十五万円くらいで図書は買えるものでない一思っていると、これは増加した費目だけ載っている。そうなると、それよりもっと大きい自動車交換するのに七十七万円。大小の区別というものがちっともついていない。それでこれを読んでみると、増加のおもなるものを人件費に幾ら、あるいは常勤職員の給与が幾ら、人件費について幾らふえたのだ、どこそこにおいて幾らふえたのだというのはよくわかるが、この書き方はまことにまずい。これは図書購入費に五十五万円なのかと思うと、これだけふえたということなんです。堂々たる国会図書館が五十五万円くらいの購入費であるものでないと思って、質問しようと思って見たら、これはふえたのだけだ、それはそれでいい。ふえたのならほかのふえたのも書かなくちゃわからない、それをごっちゃにしている。それからもう一つ国会図書館のごとき多額の費用を要求しておられるのだから、これは山田君も言及しておられるが、金森館長が来て説明されてもいいと思う。この前わざわざ金森飾長を呼んだことがある、あなた方御事憶のことだろうと思うが、ここへ呼んだ、おつかなくて来ないのか、ばかにして来ないのか、どっちだといって。それは敬意を表するとすれば、来て説明するのが当り前の話です。これはそうばかりも限らぬが、一体国会の方の関係は、国会においてもそうだ、事務総長なんか来て説明したっていいじゃないか。事務総長は国会議員を眼下に置いているのだから、私が出たら罰が当ると思って来ないのなら、間違いもはなはだしい。そういう態度はいけない。委員会は国会の懇談する場所です。そこへは事務総長も来るとか、あるいは館長も来る。あるいは宮内庁でも、私は言おうと思ったけれども、済んだから言わなんだが、宮内庁長官が来る。この前も宮内庁長官が来ないというので、西郷吉之助君が怒って、そうして長官を呼んだ。そういうようなことは国会を軽視するというのか、あまり尊重し過ぎておるのか、そういうのはいかぬ。国会と親しく話をして、かような経費を要求するのだということにしていただきたい。これは気づいたことを申し上げたのだけれども、今言うた点についてどっちをとるか。九百九十万二千円とあるけれども、これで見ると七百八十八万七千円、このほかに何かまじっているに相違ない。どれとどれを入れたのか。
  141. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) お答え申し上げます。科学技術関係といたしましては、表の中ごろにございます科学技術資料関係の欄に前年度予算二千二百万とありますが、これに九百九十万ほどふえまして、三十四年度三千万円ということでございます。それから図書購入費の方といたしましては、やはりこの上の方で、このまん中の列でございます、千九百五十五万円というのが前年度予算でございます。それに五十五万円ふえまして、二千十万、こういうことになっております。
  142. 石坂豊一

    石坂豊一君 それからもう一つ。各所修繕費というのは、これはことしばかりではないが、載っているのですが、今の使用しておられるものは、国会図書館の所属になっているのですか。
  143. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 所属は国会になっておりますけれども、あそこの修繕の経費国会図書館の経費に計上されております。
  144. 石坂豊一

    石坂豊一君 それからもう一つ、国有資産所在市町村交付金というのは、これは区かどこかへ交付してあるのですか。東京都ですか。
  145. 枝吉勇

    ○国立国会図書館参事(枝吉勇君) これは官舎その他のあれで、都の方に出しております。
  146. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) ほかに御発言はございませんか。……ないようでありますので、国会所管の質疑は終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 小柳牧衞

    主査小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十七分散会