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1959-05-01 第31回国会 参議院 本会議 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年五月一日(金曜日)    午前零時三十九分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十七号   昭和三十四年五月一日    午前零時三十分開議  第一 中小企業退職金共済法案内閣提出衆議院送付)  第二 水産物小売業者育成施策確立に関する請願(十件)  第三 静岡原町漁民に対する工場放出汚水毒物による漁業補償等請願  第四 さつまいもでん粉政府買上げ実施促進に関する請願(二件)  第五 愛媛県松山港を植物防疫法第六条第二項の港に指定する等の請願  第六 水産業協同組合法の一部改正に関する請願  第七 新農山漁村建設総合対策事業費国庫補助増額に関する請願  第八 漁業共済制度助成に関する請願  第九 漁業共済規程の一部改正に関する請願  第一〇 漁業協同組合育成強化に関する請願  第一一 水産物価格安定制度確立等に関する請願  第一二 水産業改良普及事業整備拡充に関する請願  第一三 静岡原浦漁民に対する工場放出汚水毒物による漁業補償等請願  第一四 静岡県元吉原漁民に対する工場放出汚水毒物による漁業補償等請願  第一五 繭糸価格安定措置等に関する請願(二件)  第一六 木炭の価格安定対策確立等に関する請願  第一七 自作農維持創設資金融資拡大に関する請願  第一八 遊興飲食税減免に関する請願(十一件)  第一九 上水道事業費起債わく拡大等に関する請願  第二〇 地方財政法附則改正に関する請願  第二一 地方公共団体に対する財源付与等請願  第二二 地方財政再建等のための公共事業に係る国庫負担等臨時特例に関する法律有効期限延長に関する請願  第二三 消防制度改正促進に関する請願(二件)  第二四 離島振興法に基く国庫補助増額請願  第二五 治安施設費財源措置に関する請願  第二六 でい酔犯罪者保安処分法制定促進に関する請願(二件)  第二七 でい酔犯罪者保安処分法制定促進等に関する請願     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。松岡平市君外一名から、賛成者を得て、「内閣委員会において審査中の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、すみやかに内閣委員長中間報告を求めることの動議」が提出されております。また、斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「この際、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案につき、内閣委員長中間報告を求めることの動議議題とすることの動議」が提出されました。  よって、この動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。(「やっているじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。(「投票権を奪うのか」「投票中だ」「やれるものならやってみろ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「閉鎖しろ」「時間だ」「議長の注意ぐらい聞こうじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。投票漏れはございませんか。—制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百三十四票   白色票    九十四票   青色票     四十票  よって、この際、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案につき、内閣委員長中間報告を求めることの動議議題とすることに決しました。(拍手)      ——————————  賛成者白色票氏名  九十四名    山本 利壽君  成田 一郎君    武藤 常介君  森 八三一君    野田 俊作君  松岡 平市君    田中 啓一君  常岡 一郎君    西川甚五郎君  青山 正一君    堀  末治君  谷口弥三郎君    新谷寅三郎君  木内 四郎君    紅露 みつ君  田村 文吉君    後藤 文夫君  笹森 順造君    仲原 善一君  西田 信一君    堀本 宜実君  鈴木 万平君    大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君  江藤  智君    三木與吉郎君  青柳 秀夫君    雨森 常夫君  川口爲之助君    後藤 義隆君  館  哲二君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    白井  勇君  田中 茂穂君    有馬 英二君  苫米地英俊君    近藤 鶴代君  小柳 牧衞君    小林 武治君  斎藤  昇君    小山邦太郎君  木暮武太夫君    植竹 春彦君  草葉 隆圓君    高橋進太郎君  川村 松助君    小林 英三君  重宗 雄三君    野村吉三郎君  平井 太郎君    松村 秀逸君  石井  桂君    木島 虎藏君  佐藤清一郎君    柴田  栄君  大沢 雄一君    宮澤 喜一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  野本 品吉君    秋山俊一郎君  上原 正吉君    安井  謙君  伊能繁次郎君    石原幹市郎君  杉原 荒太君    下條 康麿君  吉野 信次君    郡 祐一君   津島 壽一君    堀木 鎌三君  木村篤太郎君    青木 一男君  泉山 三六君    佐野  廣君  高橋  衛君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名   四十名   鈴木  強君  相澤 重明君   松永 忠二君  大矢  正君   久保  等君  木下 友敬君   平林  剛君  横川 正市君   加瀬  完君  成瀬 幡治君   矢嶋 三義君 小笠原二三男君   江田 三郎君  天田 勝正君   小林 孝平君  藤原 道子君   野溝  勝君  加藤シヅエ君   棚橋 小虎君  藤田藤太郎君   市川 房枝君  岩間 正男君   長谷部ひろ君  白木義一郎君   占部 秀男君  北村  暢君   光村 甚助君  永岡 光治君   戸叶  武君  河合 義一君   片岡 文重君  阿部 竹松君   島   清君  高田なほ子君   重盛 壽治君  佐多 忠隆君   椿  繁夫君  千葉  信君   岡田 宗司君  山田 節男君      ——————————
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 小林孝平君から、賛成者を得て、暫時休憩することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。(「そんなばかなことがあるか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。(「制限時間超過」と呼ぶ者あり)制限時間に達しました。投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖いたします。    〔投票箱閉鎖
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 (議場騒然、聴取不能)   白色票     三十票   青色票 (議場騒然、聴取不能)  よって……否決せられました。      ——————————  賛成者白色票氏名   三十名    鈴木  強君  相澤 重明君    松永 忠二君  大矢  正君    久保  等君  木下 友敬君    平林  剛君  横川 正市君    加瀬  完君  成瀬 幡治君    小笠原二三男君 江田 三郎君    天田 勝正君  小林 孝平君    藤原 道子君  加藤シヅエ君    藤田藤太郎君  市川 房枝君    岩間 正男君  長谷部ひろ君    白木義一郎君  占部 秀男君    北村  暢君  光村 甚助君    岡  三郎君  戸叶  武君    阿部 竹松君  高田なほ子君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名  八十九名    山本 利壽君  成田 一郎君    松平 勇雄君  武藤 常介君    森 八三一君  野田 俊作君   松岡 平市君  田中 啓一君   常岡 一郎君  西川甚五郎君   青山 正一君  堀  末治君   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君   木内 四郎君  田村 文吉君   後藤 文夫君  笹森 順造君   仲原 善一君  西田 信一君   堀本 宜実君  鈴木 万平君   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君   吉江 勝保君  江藤  智君   三木與吉郎君  青柳 秀夫君   雨森 常夫君  川口爲之助君    後藤 義隆君  館  哲二君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    白井  勇君  田中 茂穂君    有馬 英二君  近藤 鶴代君    小柳 牧衞君  斎藤  昇君    小山邦太郎君  木暮武太夫君    石坂 豊一君  植竹 春彦君    草葉 隆圓君  高橋進太郎君    川村 松助君  小林 英三君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    平井 太郎君  松村 秀逸君    石井  桂君  木島 虎藏君    佐藤清一郎君  柴田  栄君    大沢 雄一君  平島 敏夫君    中野 文門君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    野本 品吉君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  安井  謙君    伊能繁次郎君  石原幹市郎君    井野 碩哉君  下條 康麿君    吉野 信次君  郡  祐一君    津島 壽一君  堀木 鎌三君    木村篤太郎君  青木 一男君    泉山 三六君  佐野  廣君    高橋  衛君      ——————————
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 松岡平市君外一名提出の、内閣委員会において審査中の……(発言する者多く、議場騒然)すみやかに内閣委員長中間報告を求めることの動議議題といたします。  本動議に対し質疑通告がございますが、斎藤昇君外一名から……(発言する昔多く、議場騒然発言時間は一人十分に制限することの動議提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行〕    〔「わからん、わからん、何をやっているのだ、議長」「投票行使を妨害するな」「演壇から降りろ」「議運話し合いするからちょっと待て」「そんな投票の仕方だめじゃないか」「通路を開けろ、通路を」「降りろ、降りろ」「進行々々」「休憩」「今の投票やり直し」と呼ぶ者あり〕    〔議長退席、副議長着席〕    〔「議長は交代できるけれども、われわれは交代できぬぞ、休憩せよ」「なぜ休憩しないのだ」「何をやっている」と呼ぶ者あり〕
  12. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) ただいま行われております投票は、宣告が徹底しなかったようでありますから、あらためて採決いたします。  松岡平市君外一名提出の、「内閣委員会において審査中の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、すみやかに内閣委員長中間報告を求めることの動議」に対し、質疑通告がございますが、斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「本動議に対する質疑討論その他の発言時間は、一人十分に制限することの動議」が提出されました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。(「反対」と呼ぶ者あり)表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行〕    〔副議長退席議長着席
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。(発言する者多し)すみやかに御投票願います。……静粛に。(「議長進行せぬからやかましいのだ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百二十三票   白色票    八十七票   青色票    三十六票  よって、中間報告を求めることの動議に対する質疑討論その他の発言時間は、一人十分に制限することに決しました。      ——————————  賛成者白色票氏名  八十七名    山本 利壽君  松平 勇雄君    武藤 常介君  松岡 中市君    田中 啓一君  常岡 一郎君    青山 正一君  堀  末治君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    紅露 みつ君  田村 文吉君    後藤 文夫君  笹森 順造君    仲原 善一君  西田 信一君    堀本 宜実君  鈴木 万平君    大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君    吉江 勝保君  江藤  智君    三木與吉郎君  青柳 秀夫君    雨森 常夫君  川口爲之助君    後藤 義隆君  館  哲二君    山本 米治君  榊原  亨君    大谷 贇雄君  白井  勇君    田中 茂穂君  有馬 英二君    苫米地英俊君  近藤 鶴代君    小柳 牧衞君  小林 武治君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    植竹 春彦君  草葉 隆圓君    高橋進太郎君  川村 松助君    小林 英三君  重宗 雄三君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    平井 太郎君  松村 秀逸君    石井  桂君  木島 虎藏君    佐藤清一郎君  柴田  栄君    大沢 雄一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    土田國太郎君  前田佳都男君    伊能 芳雄君  宮田 重文君    上林 忠次君  古池 信三君    迫水 久常君  小沢久太郎君    小幡 治和君  関根 久藏君    野本 品吉君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  安井  謙君    伊能繁次郎君  石原幹市郎君    杉原 荒太君  下條 康麿君    吉野 信次君  郡  祐一君    堀木 鎌三君  木村篤太郎君    泉山 三六君  佐野  廣君    高橋  衛君     —————————————  反対者青色票氏名  三十六名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    平林  剛君  横川 正市君    加瀬  完君  成瀬 幡治君    小笠原二三男君 江田 三郎君    小林 孝平君  加藤シヅエ君    藤田藤太郎君  市川 房枝君    岩間 正男君  長谷部ひろ君    白木義一郎君  占部 秀男君    北村  暢君  光村 甚助君    岡  三郎君  永岡 光治君    戸叶  武君  河合 義一君    片岡 文重君  阿部 竹松君    島   清君  高田なほ子君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    千葉  信君  内村 清次君    岡田 宗司君  山田 節男君      ——————————
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより順次質疑を許します。北村暢君。    〔「休憩したらどうかね」「定員数が足らぬ」「退場々々」と呼ぶ者あり〕    〔北村暢君「定足数を調べてくれ」と述ぶ、「今呼びに行っている……差しつかえなし、定足数あり」「棄権か、社会党は」「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 北村暢君の登壇を求めます。    〔北村暢登壇拍手
  18. 北村暢

    北村暢君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました防衛法案に関する中間報告を求むるの動議について、二、三の質問を試みたいと存じます。  まず第一番目に、議事協議会を傍聴をいたしておりましたが、その際、四月二十七日に両党の申し合せ事項が文書によってかわされている。その内容をまず読み上げたいと存じます。   四月三十日に本会議を開き、一切の議案の審議は同日中に議了する。   但し左の議事は五月二日に本会議を開き、これを行う。   1 常任委員長の更迭   2 残った請願   3 四月三十日迄に委員長から提出された継続審査及び継続調査要求   4 右の他、議運理事会において満場一致会議上程を承認したもの   昭和三十四年四月二十七日       議院運営委員会理事会  こういう両党の文書による申し合せがなされているのでありますから、今早朝において、しかも、本日は五月一日でありますからこの申し合せが確実に実施せられたとするならば、今日この場において、この会議が開かれていること自体が、私はどうしても納得いかないのであります。この協議会における斎藤理事説明によれば、この申し合せば、防衛二法が二十八日中に議了することを申し合せておるために、それがなされてない今日、この申し合せはほごになると、こういう説明のように伺っておりました。このことは、私は、わが党の理事主張からいきまして、かかる申し合せをした覚えはない、また、両党の国会対策委員長において、そのような申し合せをしたという事実については関知いたしておらない、こういうふうに主張いたしておるのに対しまして、自民党理事諸君主張は、それを前提としたものであるから、これをほごにしている、こういうふうに主張している点において、全く食い違ったままにおいて議事協議会終了をしている。この議長のさばきについては、私は非常に遺憾に思いますし、このような議事の運び方が実際に例としていくならば、この申し合せの内容からいたしましても、明らかに私どもは、わが党が定員法の取引において防衛法案をのんでもよろしいというごときは、これは公党として断じてあり得ないことでありますし、また、このことについて、社会党がこの申し合せを破ったという、道義的な、公党を侮辱するような形のままに議事協議会終了したことについては、はなはだ遺憾に存ずるのでございます。そうしてまた私は、このことが、その後、両党の幹部間において話し合いがつき、一応、公党を侮辱するような、そういう申し合せばなかったというようなことに了解がついたようでございますけれども、もしそうだとするならば、あのときに明確にわが党の理事諸君から主張されて、当事者間の明確な発言を求めて、そうしてお互い納得し、話し合いがわかったならば、これに応ずるのもやぶさかでないということを、しばしば繰り返して言っておったにかかわらず、ああいう結果になったということについて、非常に遺憾に存じておるのでございます。また、もしかりに、ああいう議事協議会終了であったとしても、この文書内容からいたしまして、両党の理事において、前提が狂ったから、この文書による申し合せばほごになるのだと、こういうようなことは、その前提になっているところの申し合せというものが何ら明確になっておらない。こういうような明確でないものを基礎に置いて、両党の理事間において文書交換をしたということについて、このことの方がほごにされるという何らの私どもの納得し得るものにはならないのでございます。従って、この文書内容を見ましても、当然、自民党理事としては、二十八日に防衛二法を通過させる云々の口約束というものがあったというようなことを言われておるけれども、この文書をすなおに解釈するならば、いかなるところからもそのようなことは出てこないのであります。(「見解相違だよ」と呼ぶ者あり)、これは単に見解相違といって片づけられるべきでなくして、将来の議院運営の問題においても、公党理事が、しかも正式の理事会においてこのことが文書によってかわされておる、こういうもので平気にほごにされていくということになれば、今後の議事運営というものについて私は非常に遺憾な事態が発生する。従って、かかる経過というものは、またこれを残すということは、非常に院の運営にとって間違わしいものである、こういうふうに考えなければならないと思うのであります。(拍手)従って、提案者にお伺いいたしますが、このような申し合せがあるのにかかわらず、あえて中間報告を求めるという挙に出た理由はいかなるところにあるのか、この点をまずお伺いをいたしたいのでございます。  次にお伺いいたしたいのは、この防衛法案は非常に重要性がある、そのために中間報告を求めるのだと、こういう理由のようでございまするが、私どもは、この法案が重要なればなるほど、慎重に審議をし、言論の府としての面目にこたえることが、国民に対して正しい国会運営であろう、こういうふうに考えるのでございまするが、聞くところによりますというと、この重要法案に対する審議はわずか二、三時間にすぎないということを聞いておるのでございます。しかも、今度の国会におきまして、わが党が非核武装宣言共同提案を提唱いたしたのでございますが、これに対して岸総理は、一切の核武装をしないという言明のもとに、一時この共同提案に同調するかのごとき言辞があったのでありますが、それが、他国を脅威するごとき兵器として核兵器は一切保持せず、と変って参りまして……。
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 北村君、時間が参りましたから、結論を願います。
  20. 北村暢

    北村暢君(続) 他国を脅威するごとき兵器として、とあるのは、あたかも自衛のためならば核兵器は持つことができる、裏を返せばこのような形に変ってきた。しかも、予算委員会における防衛論議の中において、防衛用の小型核兵器を持つことは憲法違反ではない、オネスト・ジョンに核弾頭をつけることもできる、こういうようなことを、これは法の解釈としては成り立つのだ、政策としては一切持たない、こういうようなところにまで国会の答弁が発展してきた。しかも、日米の安全保障条約に対して、その考え方を(「脱線するな」と呼ぶ者あり)質問いたしたのに対しまして、核兵器の日本への持ち込みは協議事項とする、こういうような点からいたしまして、明らかに自民党は、将来安保条約を改定し、日本を核武装し得る方向に、そしてまた、憲法を改正する方向に向っているということは、国会の論議を通じて容易にうかがい知れるところであります。このような論議の中から、同僚の矢嶋議員が予算委員会において、重要な問題でありますがゆえに、再三再四この点について政府を追及し、質疑を重ねたのでありますけれども、矢嶋三義議員は決してこれは了解をいたしておらないのでございます。従って、この防衛法案をめぐりまして、必ず内閣委員会においてさらに詳しく質疑を重ねられるであろうということは、わが党の方針からいたしましても当然のことであります。しかも、この防衛論議をしている最中におきまして、三月の三十日と思いましたが、かの東京地裁における砂川事件の被告の無罪の判決が出まして……、
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 北村君、時間が超過いたしました。
  22. 北村暢

    北村暢君(続) 憲法第九条と米軍の駐留、安保条約との関係に、まっこうからメスを入れ、無罪の判決を下したことは、御存じの通りでございます。(拍手)このことは、わが党が、再軍備反対、安保条約並びに行政協定の解消を主張して参りました正しさを実証するものとして、私どもは大いに歓迎をしたところでございます。しかも、この判決が予算の通過する寸前に出ましたために、これに関する論議は十分尽されていなかったことは諸兄の御存じの通りであります。この点からいたしましても、内閣委員会におきまして、今後の審議に待たなければならないことは非常にたくさんあったと私は信じているのでございます。しかるに、わずか三時間程度においてこの審議を打ち切り、中間報告を求むるの動議を出すに至った自由民主党の意図が那辺にあるか、理解に苦しむのでございます。従って提案者は、いかなる経過を経て、いかなる意図のもとに中間報告を求めるのか、この点を明確にお答えを願いたいと思うのでございます。  以上、私は二点について質問をいたしまするので、明快な御回答をいただきたいと存ずる次第でございます。(拍手)    〔松岡平市君登壇拍手
  23. 松岡平市

    松岡平市君 北村議員にお答えいたします。  御質問の第一点は、四月二十七日に議運の申し合せがある。その申し合せからすれば、かような本会議における中間報告の方法をとるということはできないはずだ、それをなぜしたかということでございまするが、ただいま北村議員の御説明を聞いておりますると、幸いにして北村議員は議事協議会を傍聴しておられた。私は不幸にしてそれを傍聴しておりませんでしたけれども、そこで、わが会派の議運理事その他から、なぜするかということを詳細御説明申し上げたということでございます。(「それが違っていたのだ」と呼ぶ者あり)私たちがこの中間報告を求めたのは、議事協議会においてわが党の理事その他から御説明申し上げた通りの理由によっていたした、かように御了解を願いたいと思います。(「それが違うのだ」「取り消しているじゃないか」と呼ぶ者あり)そのうちで、ただ委員会におきまして二十八日に防衛法案を上げるという約束があった、こういうようなお話でございまするが、これは、お約束といたしましては、はっきりした約束がございません。(「そうだ」「言いがかりだ」と呼ぶ者あり)言いがかりでも何でもございません。実は内閣委員会におきましては、政府提出法律案が三十件、議員提出法律案が四件ございましたが、そのうち二十数件はすでに議了済みでございました。そうして、これらのものは、いずれも委員長理事打合会等におきまして両党の間で話し合いを持って、何らの紛争なくずっと処理して参りました。そうして、この問題になっております二法案につきましても、すでにこれは三月の二十七日に当院に来ておりまして、委員会に本付託になっております。事前に予備審査もいたしまして、ちゃんと防衛庁長官から提案理由説明も聞いております。そうして、この法案重要性にかんがみて、いかようなる審査をするかということは、少くとも両党の理事の間におきまして申し合せをいたしまして、紛争なく、処理をするようなふうに私たちは話し合いをして参ったつもりでございます。そうして、その結果におきまして、いろいろないきさつはございましたけれども、ほかの法案との関係等もございましたが、少くとも二十八日の打ち合せの際には、二十八日は困難であるが、三十日においては、おそくとも三十日においては、何らかの形において、質疑打ち切りその他何らかの形において、一応委員会の議事としては議了するということについては、私としては十分これを期待するだけの話し合いになっておったと了解いたしております。しかるところ、三十日の午前中、委員会を開くに当りまして、特に委員長から要求があって、委員長理事打合会をいたしましたところ、この法案を三十日中に委員会段階において議了することが困難な事情に立ち至った、かような御説明でございました。私たちはまことに驚愕いたしました。本法案は、われわれといたしましては、ぜひ今国会において議了をお願いしたがった法案でございます。ところが今申しますように、一面、議運における申し合せ等もございまして、三十日に委員会において議了していただくことができなければ、ただいま、まことに残念でございますが、本会議において中間報告によって議了していただく以外には審査の方法が他にない、かように考えましたがゆえに、かような、まことに残念な中間報告をしていただく動議提出したわけでございます。  第二点は、審議時間がはなはだ少い、かような重要法案審議するのにわずかな審議時間で不都合である。—私もまことに残念に思います。おっしゃる通りであると思います。しかしながら、少くとも、先ほど申しましたように三月の二十七日には委員会に本付託になっております。審議につきましては、必ずしも審議時間の多少だけが問題であると考えておりません。両党の理事の間におきましても、法案について非常な少い審議時間で上げたものがございます。また非常に長い審議時間を費した法案もございます。それらは委員長理事打合会におきまして適宜話し合って参ったものございまして、本法案につきましても、二十八日だけでは困る、三十日にさらに審議をした上、適当な処理をしようということでございました。今申しまするように、三十日にさらに多くの審議をいたしましても、委員会段階において議了することは困難である、こういうような委員長からのお話でございましたから、やむを得ずこういう方法をとったわけでございまして、審議時間が少いからということで皆様方から反対を受ける理由は必ずしもないと考えております。ことに、委員会段階におきまして審議を打ち切る動議を出して、こういう方法をしたことは不都合だというお話でございまするが、そういう手続さえもいたしておりません。審議を打ち切る動議は出す予定でございましたけれども、そういうことをいたしましても審議打ち切りには応じない、こういうお話でございましたから、そういうこともせずに、直ちにこういう方法をとった、かようなことでございますから、いろいろと御意見もありましょうけれども、やむを得なかったこととして御了解を願いたい。(拍手)    〔北村暢発言の許可を求む〕
  24. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 質問の時間は尽きております。加瀬完君。(「再質問だ」「時間超過だよ」「答弁漏れがあるのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)加瀬完君に発言を許しました。(発言する者多く、議場騒然)    〔北村暢発言の許可を求む〕
  25. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 北村君の質疑の時間はすでに超過いたしておりますけれども、答弁漏れがあるとすれば、簡単に自席から発言を願います。
  26. 北村暢

    北村暢君 ただいまの松岡議員の答弁につきまして、第一点について、この中間報告を求むるの動議提出した理由は、議事協議会においてわが党理事から説明した通りでありまして、こういう御答弁でございましたが、この議事協議会においてきめられたことは、結論は出ておらずに、結論がつかないままに議長がこの議事協議会を閉じておる。そして、その後において両党の幹部において話し合いがなされた。この協議会においてわが党から主張いたしました公党を侮辱するがごとき決定が—斎藤理事発言についてはどうしても納得できない。(拍手)この点について、両党の幹部間においてこのことを取り消されるがために、この本会議が開かれるようになった。こういうふうに私どもは理解をいたしておるのでありますが、松岡議員の答弁では、議事協議会説明した通りということでございまするので、明らかにここに食い違いを生じておりまするので、この点を再び明確にしていただきたい。    〔松岡平市君登壇拍手
  27. 松岡平市

    松岡平市君 お答えいたします。申し落しました。北村議員がおっしゃる通り、斎藤理事は、両党の代表者の会議におきまして、議事協議会における発言中、御訂正になった部分が相当あるようであります。その部分も含んで──御訂正になられた部分も含んで、斎藤理事が言われた通りと御承知願います。
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 加瀬完君。    〔加瀬完君登壇拍手
  29. 加瀬完

    加瀬完君 私は、北村君に引き続きまして、御提案の諸点につきまして重ねて御質問をいたします。  第一に、中間報告というものが、最近におきましては、国会の末期になりますと、一つの審議打ち切りあるいは審議進行の常套手段として使われるような傾向が顕著になって参りました。これは少くも五十六条の三による中間報告の性格というものと、はなはだしく違ってきていると思います。こう中間報告というものの扱い方というものを押していくならば、委員会というものは、委員会の審議の尊重というものは全く軽視される形になりまして、委員会そのものをも無視する形になります。こういう考え方を自民党は今後もとっていくのかどうか、これをまず提案者に伺います。  それから、委員会開催は、ただの一日であります。実質的には三時間と十分だけしか審議をいたしておりません。(「今、時間なんかかまっていられるか」と呼ぶ者あり)今、ヤジの中から、今、時間なんかかまっていられるかと言いましたが、そういうような軽率な、委員会軽視の風潮というものは、これは国会軽視もはなはだしい。私は、厳にそういうことを慎しんでいかなければ、委員会の尊重ということは成り立たないと思うのであります。そこで、少くも自民党の全体の方々は委員会の尊重という建前はお忘れないと思いますので、そこで委員会の内容として、次のような問題がどのように取り扱われたかという点につきまして伺います。この法案は幾多の問題がございます。しかしながら、特に私は次の問題点を明らかにされたいと思います。  第一点は、これは審議内容でございますから、委員長にもお答えをいただきたいのでございますが、衆議院におけるわで党の石橋質問に対する統一見解というものがいまだ疑問点になって残っております。(発言する者多し)黙って聞きなさい。石橋議員の質問に答えまして、政府は、平生ならばだめであるけれども、仮定の場合には、たとえ誘導弾、飛行機等をもって敵の基地を先制攻撃をすることもできる、こういう見解を明らかにしております。ここで、平生は持っていないけれども、仮定ならばかまわないという問題は、疑問点を幾つか生むのであります。たとえば二十六国会におきましては、本院の藤田委員長の質問に対しまして、岸さんは、核兵器は持たないことにしていますから、持たないために敗れてもやむを得ない、こういう御答弁をいたしております。ところが石橋質問に対する伊能長官の答えは、坐して死滅を待つよりは相手方を先に叩く、こういう見解を出しております。これは政策論的な扱いをいたしております。けれども、それならば、もっと根本の憲法論としては、持っていいのか、持って悪いのか、この点が不明確であります。防衛二法を審議して参ります場合に、この基本点を明確にされませんでは、あとの論理が成り立たないわけでございますので、この点は一体、今回の委員会の審議で明確になったのかどうか、この点が一点。  疑問点の二は、今申し上げましたように基本点があいまいでありますことは、日米安保条約の改定に伴って核兵器の持ち込みというようなことが問題になっているやさきでございますので、あるいはまた中ソ関係からの敵視観というものが強化されている、こういう情勢の中でありますので、安保条約あるいは中ソ国際関係というものとにらみ合せて、一体この基本線の検討というものがこの委員会で十分なされたのかどうか、この点。  次にお伺いいたしたいのは、岸内閣によりますと、アメリカがいずれかの国と交戦をし、その相手国が日本のアメリカ基地に報復爆撃をした場合は、日本に対するその国の侵略である、こういう見解を下しております。しかも日本が相手方の基地に先制攻撃をした場合は自衛である、こういう見解も下しております。こういう解釈は、国内的には成り立つかもしれませんけれども、一体、国際法上こういう解釈は成り立つのか、こんなあいまいな基本線で日本の防衛計画というものを立てて参りましても、それは国際的な防衛というものには何にもなって参らない。これが当然今回の法案の中では問題になるはずでございますが、これが一体どう審議されたのか。(「本論に入ってからだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  その次に、いろいろのことをおっしゃる方はこの法案をよく御勉強なさっておらないようでございますので、重ねて申し上げます。この改正される理由といたしまして、指揮系統の明確化と指揮の統一化をはかるということが一点、それから飛行教育集団を新設するという、この二点、この二つで提案理由説明がなされてあります。そこで、指揮系統の明確と指揮の統一をはかるということは、指揮上アメリカとの関係というものをどう位置づけているのか、防衛責任の具体的な問題というものをどう解釈しているのか、こういう問題がどう審議されたかという点。さらに、飛行教育集団を新設するという点については、F86Fの訓練というものを一体どう考えているのか。外国と比べまして、F86Fの訓練というものは、一体防衛上どういうような立場をとって解釈しているのか。これは当然検討さるべきものであるが、これが検討されているかどうかという点。それから、この中で実施面に目の届かないうらみがあったという説明がありますけれども、今までの訓練が実施面に目が届かないというのであるならば、その具体的な例は一体どういうことが問題になったのか。  さらに、本法律案と予算との関係でございますが、ここに国庫債務負担行為及び継続費というものが出ております。しかも、予算編成の重点事項という中には、防衛庁では民生面への協力の推進というものが出ております。国庫債務負担行為というものは予算上いろいろの問題が出ている、防衛費と民生安定の予算というもののバランスがとれておらないということも、これは一つの常識である。そうであるならば、民生面への協力の推進ということと国庫債務負担行為についてのアンバランスの問題がどう審議されたか。こういうことが十二分に審議をし尽されませんでは、私は中間報告を求める時期はまだ早い、こう結論せざるを得ない。問題点をいろいろと審議をされないで、いきなり中間報告で一切を引っくくってゆくという形をとってゆくならば、これは委員会というものの存在を全然無視しているわけでありまして、こういう審議の方針というものは、国会法を無視し、国会法の存在を全然考えない考え方だから、非常に危険な考え方であると断ぜざるを得ない。これらの点について、審議内容については特に委員長から、それから、こういう委員会の軽視の方向というものについて松岡さんはどう考えておられるか、あわせてお伺いをいたしたい。    〔松岡平市君登壇拍手
  30. 松岡平市

    松岡平市君 加瀬君にお答え申し上げます。  第一点は、中間報告をたびたびやるというようなことを、これはどう考えておるか。—私も中間報告はなるべくやらぬ方がいいと思っております。今回でも、中間報告をやろうなどということは、ゆめ考えておりませんでした。十分に委員会において御審議願って、委員会において、賛成、不賛成は別でありますが、ともかく委員会において議了されるということを、われわれは熱望し、そういう委員長理事打合会もいたしました。ぜひ委員会の段階において採決をしていただくということをもっぱら念願として、三月二十七日に委員会付託になりました後、私たちはじっと委員長のお取り扱いに期待しておりましたところが、先ほど申し上げましたように、どうしても委員会においてこれを採決することは困難である事情をお述べになったわけでございまして、かくて、やむを得ず、そういうことは避けたかったにもかかわらず、ほかの方法がないので、中間報告をしていただく動議提出しているわけであります。  委員会の議事を尊重するか。—これはもとより最大限に尊重するつもりでございまして、先ほど来申し上げましたように、委員会の審議につきましては、絶えず委員長理事打合会を開き、先ほど申し上げた三十数件の法律案につきまして、委員会をもっぱら中心にしてやって参っております。今後におきましても、私どもは委員会の議事はあくまで尊重したいと考えておりますが、それを、どうしてもこういう残念な、希望しない方法で議事を進めていかざるを得なくなったことは、今申しましたような事情でございます。  第三点に、法案内容についていろいろな点をおあげになりまして、その点をどういうふうに審議したかというふうな御質問でございましたが、これは私も、何もかも覚えておりませんし、審議の届かないものもございましょうし、それらのものは、今申しましたように、できれば三十日も十分な御審議を願った上で、おそくなってもけっこうだから採決をしていただくということで、時間が足らぬとおっしゃいますけれども、実は率直に申しますというと、緑風会からは、議案の性質上、継続審査にしたらどうだというふうなことでございましたけれども、あなたの方では、継続審査等も一切しない、こういうふうなお話でございました。(拍手)時間のあるなしの問題ではございません。今言う、内容についての審議のいかんにかかわらず、本法案については委員会においては採決をせぬ。三十日に採決しない法案を、今期国会において本会議で取り上げるというのは、他の方法においては絶対にないように、先ほどおっしゃったように議運の方の御決定もなっておりまして、本法案をぜひ今国会に成立させたいと思うわれわれといたしましては、この方法よりほかに方法がなかったから残念ながらやったのだと、かように御了解願いたい。
  31. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 加瀬君の発言は、動議提出者に対する質疑として許可いたしたのでありますから、その他の質問は取り上げかねます。  これにて質疑通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。  この際、暫時休憩いたします。    午前五時十七分休憩      ——————————    午前六時十七分開議
  32. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  「内閣委員会において審査中の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、すみやかに内閣委員長中間報告を求めることの動議」の議事を続けます。  討論通告がございます。順次発言を許します。島清君。    〔島清君登壇拍手
  33. 島清

    ○島清君 日本社会党を代表いたしまして、松岡君から提案になっております中間報告を求むる動議に対しまして、反対の意思を強く表明するものでございます。(拍手)  自民党諸君は、ばかの一つ覚えみたいなように、中間報告を求めて、そして議会政治に汚点を残念ながら残しつつあるようでございますが、私たちといたしましては、松岡君提案になりますこの中間報告を求むる動議に対しましては、議会政治を守る建前から、また、日本の憲法を尊重し、かつ、その精神を高めていかなければならないという建前からいたしましても、どうしても賛成するわけには参りません。その内閣委員会に付託になっております防衛法案に対しましては、もちろん、松岡君も申されておりまする通り、政府・自民党の提案でございまするから、これが審議未了になるとか、あるいは廃案になるというようなことを前提としてお出しになろうはずはございません。それほどまで、いかに閑人の多い自民党諸君といえども、そういうことをお考えになって、世間を愚弄し、国会を侮辱するような形で法案を提案なされておるとは、私たちは信じておりません。しかしながら—(「何を言うか、国会を侮辱しているとは」と呼ぶ者あり)私は、愚弄しておるとは思っておりませんと、こう言うのです。思っているとは申し上げておりませんし会期はきまっておりますし、そのきまっております会期の中で、これだけの法案を、これだけの時間と、これだけの努力をかけて、その成立をはからなければならないということは、すでに計画の中に入っておったはすでございます。もし、かりに、その期間を無視し、さらに、その努力がなされすして、今日のような事態が招来されたということになりまするならば、これはあげて、自民党の努力の不足であるか、ないしは能力に欠けているものがあるのか、それとも自民党諸君の勉強の不足に基くものであると申し上げて、その責任はあけて自民党側にあるということは、天下周知の事実であると思っております。私も、松岡君の提案の理由を、眠い思いをしながら、あんまり上手でもない演説を聞いておりましたが、やっぱり速記録を拝見をいたしましても、また、あなたの演説を聞いた国民諸君といえども、一人として私は中間報告を求むる動議に賛意を表する国民はいないと確信をいたします。(拍手)そのことについては、わが党の代表質問の中にもございました通りでございまして、大体が、防衛法案、二法案と言っておりまするけれども、人員をふやすということとか、設置法の一部を改正するとかいう、ほんとうに簡単なものなんです。あなたたちが努力しさえすれば、そんなにむずかしくはないのだ。しかも、それには三時間しか当てないとか、五時間しか当てないと、こういうことを言っておりますけれども、きょう中間報告を求める動議をここへ出されて、こういったような、てんやわんやの大騒ぎをするぐらいだったら、委員会の審議に力を注いで、そうして、なおかつ、正常な議会運営をはかっても、私は十分に足りたはずだと思っております。やっぱり与党は多数を持っておられますし、多数の諸君によって、国会のルールというものが正常な形において私は守られていかなければならないと思っております。ただ、多数さえ持っておりさえすれば、また、中間報告を求めさえすればどんなことでも問題が解決できるのだと、こういうようなものの考え方に基きまするところのその行動ということに対しましては、私は、諸君がやがては議会の歴史においてさばかれるであろうということを警告を発しておきたい。(拍手、「それは地獄の底の声だ」「天の声だ」「地獄の声だ」と呼ぶ者あり)地獄の声と聞く人もおりましょうし、天の声とたたえる人もおりましょう。しかしながら、私たちがその声のいかんにかかわらず、議会の一員といたしまして、正常なる議会のルールを守り、それを高めていかなければならないことは、私たちに与えられたところの責任であると申し上げて差しつかえないと思います。その責任は諸君の怠慢による。(「そうかね」と呼ぶ者あり)その通り。特に自民党諸君とわれわれ社会党とは、その防衛法案に対しましてもその考え方を異にしておりますことは、防衛問題それ自身が、長時間の間、審議をいたしましても、憲法調査会等におきまして、諸君防衛力を強化し、ないしはまた、憲法改正しようとしておる等の問題に関連いたしましても、これは何人もその相違については疑いないところの事実であります。しかし、私たちは、この防衛と関連をいたしまして、先般、砂川の問題と関連し、東京地裁において、政府のやりました行為というものが憲法の違反であるという判決を受けているその事実にかんがみましても、われわれのこの防衛法案に対しまする反対は、ひとり社会党の考えばかりではなくして、国民の過半数の支持を絶対受けているばかりではなくして、憲法の番人であり、なおかつ、国の法律の権威を保持しておりまするところの裁判官もこれを認めておる通りであります。やがては最高裁判所におきましても、(「ひっくり返る」と呼ぶ者あり)この地裁の判決というものがその権威によって認められてくると思いますが、そうなりますというと、皆さま方のやっておりまするこの行動というものが、いかに憲法に違反し、なおかつ、議会政治を毒したかということが、私は数日を出ずして証明されるのではないか、こういうことを国会議員の一人といたしまして憂えるものの一人でございます。  一体、自民党諸君は、わが党の委員長の出ておりまする委員会には総じて非協力的であります。そうして、委員会におきましては、国会議員としての職権も放棄いたしまして、大して発言してない。そしてその最後は、中間報告というものを求めればそれで問題は解決する、そして、ここに控えておられまするところの、昔からずる平という名前で通っておられまする松野さんに言うことをきかせさえすれば、何でも聞いて下さるのだ、こういうような考え方がひそんでいるのではないかと、私は疑わざるを得ない。私はそれには、社会党の一員として非常に遺憾にたえないわけでございますが、なぜ諸君が、社会党委員長の出ております委員会の理事諸君が、こういったような事態を招来しないように、社会党から出ておられます委員長に、与党側として上手に諸君の考えているような審議の方向で協力をしていかないか。こういうことは、私は民主主義の政治におきましては、多数を持っておられまする与党側の方が寛大な少数党に対する態度で臨まなければならないということは、世界の議会運営の実情なんです。日本ばかりが、社会党ばかりが少数党の特権を行使をするわけでもない。社会党ばかりが、日本ばかりが少数党として与党をてこずらしているわけでもない。多数党と少数党とは、二大政党対立のどの国におきましてもあり得ることなんです。しかも私が承知するところによりまするというと、諸外国の与党、多数党は、少数党に対しましては寛大な気持ちをもって、みずからが委員会の運営と議会運営については努力を示している。それにもかかわらず、自民党諸君は、委員会においてはすこぶる不勉強である。その不勉強が蓄積をして参りまして、そうして会期末になりますというと、諸君は直ちに十八番の中間報告を求めて、委員会の審議権をみずからじゅうりんし、みずから剥奪するような行為をとられる、そのことにつきましては、議員の一人といたしまして、松岡君提案に対しましては、いかような寛容な立場をとりましても賛成をするわけには参りません。しかも、この中間報告というものがふざけた提案であるということは、提案者みずからが私の反対討論の最中にこういう不格好な態度で開いている。それでは私は、みずからがふまじめを証明するものであると思う。法案が通りまする場合には、政府の大臣もわざわざこっちへ来られて、委員会なり本会議へ来られて、そうして質疑応答を傾聴している。しかもその傾聴いたしまする場合には、行儀よく傾聴している。しかもその提案者であります松岡君が、こういったようなぶざまな格好で、そうしてその提案に対しまする反対討論を聞くなどに至りましては、私は国会の品位を傷つけるものであると思う。それからいたしましても、中間報告を求める動議に対しましては反対をしなければなりません。
  34. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 島君、時間が参りました。時間をお守り下さい。
  35. 島清

    ○島清君(続) ただいま申し上げた理由によりまして、私は、中間報告を求める動議に対しましては、撤回を要求  いたしたい気持をもちまして反対の討議を終るものであります。(拍手)     ━━━━━━━━━━━━━
  36. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 鈴木強君。    〔鈴木強君登壇拍手
  37. 鈴木強

    鈴木強君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました防衛法案中間報告を求めるの動議に対し、絶対反対の立場を明らかにして討論を行わんとするものであります。(拍手)  私はまず、先刻突如として本動議提出された松岡君の頭の鑑定をしなければならないと思うのであります。(拍手)なぜならば、本国会の会期は、余すところ二日間であります。しかも諸君御承知の通り、半数の議員は五月二日に任期が終了されるのでありまして、いわばその前夜の国会といわなければなりません。思想、立場は異なっても、本院に議席を連ねたわれわれは、国民の代表として、お互いに困難を克服しつつ国政に参画し、立法者としての責任を果して参ったのであります。従いまして、掉尾を飾る本国会の末期における議事運営については、お互いに気持よく審議を終って閉会と相なることを、心より念願し、それぞれ最善の努力を尽してきょうの日を迎えたと私は思うのであります。しかるに、ここに、やぶから棒に、かかるぶちこわし動議提出されたことは、まことに遺憾のきわみと言わなければなりません。ちょうどただいまは、目に青葉山ほととぎす初ガツオの歌の文句ではありませんが、まさに青葉の候であります。とかく、だれかさんは、陽気の変り目に頭のピントが狂い、ネジが逆に回り出すと言われておりますが、どうも私はこのことが当てはまるのではないかと思われてなりません。だれが考えても正気のさたとは思えないのであります。お互いに国会に議席を置く者は、民主主義の原則を身に体し、国会法に定められた規定に従って、公正妥当な態度を堅持しつつ、法案審議に当らなければなりません。国会法第五十六条の三によって中間報告を求めることのできる道が開かれていることは、もちろん否定いたしません。しかしながら、このような方法は一種の非常手段であり、きわめて例外の場合に適用されることが立法の精神であると、私はかたく信じております。ところが最近の実情を見まするに、この例外規定が例外規定でなくなっている。むしろ当りまえのように自民党諸君に解釈され出してきていることは、きわめて重大問題であります。このことは、国会法を一方的に、御都合主義的に解釈した違法行為であり、国会審議が委員会中心になっております現在の運営方針の大原則をじゅうりんするものであり、民主政治の危機を今日ほど痛感することはありません。このような動議提出は、本国会においては、過ぐる四月二日の最低賃金法案審議の際にもなされ、今国会二度目であります。自民党の強引にしてあまりにもずうずうしいのには、あきれてものが言えません。先にも述べましたように、今国会の性格にかんがみ、最後の審議に有終の美を飾り、正常な運営をはかって円満に閉会すべく、去る四月二十七日の議院運営委員会委員長理事打合会において、一、三十日には委員会で可決された法案だけを本会議にかけ審議すること、二、五月一日は休みとすること、三、五月二日は満場一致で委員会で可決された法案審議常任委員長の選挙のみを行うこと、以上の三つを全会が一致して決定し、文書によって確認しているのであります。にもかかわらず、この権威ある委員長理事打合会の決定を一方的に破棄して、かかる暴挙に出られた自民党の態度は、天人ともに断じて許すことのできないところであります。最近における自民党の態度は、まさに狂暴化し、何でも問答無用、数で来い、こういうファッショ的政党に化し、民主主義を根底よりくつがえさんとしているのであり、かかる態度は、国民とともに、心から憤激を感じ、かつ悲しみにたえないものであります。国会の正常化は、自民党の手によって一つ一つぶちこわされております。岸首相はここに見えておりませんが、一言、言っておきたいと思います。岸総理大臣は、この現実をどうお考えになっておるでありましょうか。岸総理が真に民主政治家として立ち直っておられるとすれば、かかる不幸な悲しむべき事態を一日も早く解消して、議会政治に対する国民の信頼を深めるように、総裁として、なぜ自民党の行き過ぎと横暴を押え、国会の正常化を実現してくれないのでしょうか。自民党のやり方は、卑近な例で申し上げますと、五人のどろぼうが集まって、人を殺して物をとろう、こういう相談をする、そのときに、一人が、それはまずいとして反対をする。あるいは五人がそうだそうだと言って、みんな賛成をしてこれをやる。他人から批判を受ければ、民主主義というものは多数決できまったことをやるのだ、何が悪いか、こういうような反論をするのと同じようなものではないかと、だれかが言っているのを私は聞いたことがありますが、どうもこれに似ているような気がしてならないのであります。まさに日本の民主政治は地に落ち、こういう状態が続いていくと、おそるべき暗黒時代が到来すると思うのであります。私は最近、政治に対していや気を感じております。まじめに真剣に取っ組んでいこうとすればするほど、この感を深くいたします。民主主義というものは、少数意見も尊重し、数によって押し切るものではないと思います。民主主義のあり方については、お互いに、もっともっとよく考えてみる必要が今日ほど痛感されるときはないと思います。私は、過ぐる昭和三十年の六月、ジュネーブで開催されたILO第二十八回総会に、日本の労働者代表として出席したのでありますが、そのときの議事運営の方法はきわめて民主的で、しかも慎重であったことを、今静かに思い起すのであります。議長は、一つ一つの議案に対し、各人に十二分の時間をかけて発言を許し、最後に議長より、ほかに発言はありませんかと念を押して、発言希望者には全員に発言させ、しかる後に採決に入るという、きわめて民主的な運営方法をとっておったのであります。これこそ歩民主的にしてしかも模範的な審議ぶりでありまして、われわれの大いに学ばなければならないところだと信じます。松野議長自民党諸君の責任は非常に重大だと言わなければなりません。諸君らは口に民主主義を唱えながら、やっていることは全く民主主義の破壊者になっているのであります。よく胸に手を当てて考えていただきたいと思うのであります。今にして諸君が反省をし、このような多数によって押し切ろうとする暴力的行為をやめざれば、国民が議会政治にそっぽを向き、あいそをつかすであろうことを銘記してもらいたいと思います。ただいま中間報告を求めた防衛法案は、明らかに憲法九条に違反するものであり、このような手段方法によって強引に押し切る法案では断じてありません。慎重の上にも慎重を期し、審議に当らなければなりません。特に今、島委員からもお話がありましたように、本年三月三十日東京地裁の伊達裁判長によって言い渡された砂川事件にかかる判決もあり、米軍の日本駐留自体が憲法違反である、こういうことが明確に指摘されている現在、政府とその与党自民党は、今までとり来たった憲法九条の自衛権の一方的解釈について大いに反省し、少くとも最高裁の最終判決が行われるまでは、現状を凍結して、一切の自衛権強化等は断じて行うべきではありません。これは小学校の一年生にもわかる最低の常識だと私は思います。このような重大な内容を持った案件を、なぜかかる中間報告によって、われわれの強い反対を無視し、この国会を押し切って決定しようとするのですか。国民は、憲法に違反した自民党の無制限に拡大されていく自衛権という名による戦力の拡大強化に、今や恐怖を感じているのであります。無謀にも本動議提出せんとしたその裏には、おそらく、この次に続いて中間報告を求められるであろう農地被買収者問題調査会設置法案とのかね合いがあることを知らなければなりません。旧地主階級より猛烈な圧力を加えられた自民党と岸政府が、本国会において強引に防衛法案とともに可決決定せんとする決意を固め、かかる深夜国会において多数をもって押し切ろうとする暴挙に至ったことと私は思うのであります。しかしながら、このような非常手段に訴えることは、私は断じて許せません。参議院の権威にかけてもやるべきではありません。居眠りをして、眠い目をこすりながら、こんな深夜国会で急いでやる必要は私はないと思います。  どうぞ提案者は、この動議を撤回されて、四月二十七日の議運委員長理事打合会の決定に従い、本院の運営をはかられ、円満に解決をして、本国会終了されるよう、ここに強く要求して、私の反対討論を終ります。(拍手
  38. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田三郎君。……斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議提出されました。  これより本動議採決をたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  39. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。(「やっているじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。……時間が参りますれば、投票箱閉鎖いたします。御投票願います。……すみやかに御投票願います……。制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  40. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百二十二票   白色票    八十五票   青色票    三十七票  よって討論は終局することに決しました。      ——————————  賛成者白色票氏名  八十五名    山本 利壽君  松平 勇雄君    武藤 常介君  野田 俊作君    松岡 平市君  田中 啓一君    西川甚五郎君  堀  末治君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    木内 四郎君  紅露 みつ君    杉山 昌作君  田村 文吉君    笹森 順造君  仲原 善一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    館  哲二君  山本 米治君    榊原  亨君  剱木 亨弘君    大谷 贇雄君  白井  勇君    田中 茂穂君  苫米地英俊君    近藤 鶴代君  小柳 牧衞君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    西郷吉之助君  植竹 春彦君    草葉 隆圓君  高橋進太郎君    小林 英三君  重宗 雄三君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    松村 秀逸君  石井  桂君    木島 虎藏君  佐藤清一郎君    柴田  栄君  大沢 雄一君    平島 敏夫君  勝俣  稔君    中野 文門君  重政 庸徳君    西岡 ハル君  横山 フク君    土田國太郎君  前田佳都男君    伊能 芳雄君  宮田 重文君    上林 忠次君  古池 信三君    迫水 久常君  小沢久太郎君    関根 久藏君  野本 品吉君    秋山俊一郎君  安井  謙君    伊能繁次郎君  石原幹市郎君    杉原 荒太君  下條 康麿君    吉野 信次君  郡  祐一君    津島 壽一君  堀木 鎌三君    木村篤太郎君  青木 一男君    泉山 三六君  佐野  廣君    高橋  衛君     —————————————  反対者青色票氏名  三十七名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  加瀬  完君    成瀬 幡治君  矢嶋 三義君    相馬 助治君 小笠原二三男君    江田 三郎君  天田 勝正君    小林 孝平君  加藤シヅエ君    藤田藤太郎君  長谷部ひろ君    白木義一郎君  占部 秀男君    北村  暢君  光村 甚助君    岡  三郎君  永岡 光治君    戸叶  武君  河合 義一君    片岡 文重君  阿部 竹松君    島   清君  高田なほ子君    重盛 壽治君  佐多 忠隆君    椿  繁夫君  内村 清次君    山田 節男君      ——————————
  42. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより松岡平市君外一名提出中間報告を求めることの動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  43. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。……ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。(発言する者多し)御静粛に願います。……すみやかに御投票願います。(発言する者あり)私語を禁じます。すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  44. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百二十二票   白色票    八十六票   青色票    三十六票  よって、内閣委員会において審査中の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、すみやかに内閣委員長中間報告を求めることに決しました。      ——————————  賛成者白色票氏名  八十六名    山本 利壽君  松平 勇雄君    武藤 常介君  野田 俊作君    松岡 平市君  田中 啓一君    西川甚五郎君  堀  末治君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    木内 四郎君  紅露 みつ君    杉山 昌作君  田村 文吉君    笹森 順造君  仲原 善一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    後藤 義隆君  館  哲二君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    白井  勇君  田中 茂穂君    有馬 英二君  苫米地英俊君    近藤 鶴代君  小柳 牧衞君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    西郷吉之助君  植竹 春彦君    草葉 隆圓君  高橋進太郎君    小林 英三君  重宗 雄三君    野村吉三郎君  松村 秀逸君    石井  桂君  木島 虎藏君    佐藤清一郎君  柴田  栄君    大沢 雄一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  関根 久藏君    野本 品吉君  秋山俊一郎君    安井  謙君  伊能繁次郎君    石原幹市郎君  杉原 荒太君    下條 康麿君  吉野 信次君    郡  祐一君  津島 壽一君    堀木 鎌三君  木村篤太郎君    青木 一男君  泉山 三六君    佐野  廣君  高橋  衙君     —————————————  反対者青色票氏名  三十六名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  成瀬 幡治君    矢嶋 三義君  相馬 助治君    小笠原二三男君 江田 三郎君    天田 勝正君  荒木正三郎君    小林 孝平君  藤原 道子君    加藤シヅエ君  藤田藤太郎君    市川 房枝君  長谷部ひろ君    白木義一郎君  占部 秀男君    北村  暢君  光村 甚助君    岡  三郎君  戸叶  武君    河合 義一君  片岡 文重君    島   清君  重盛 壽治君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    千葉  信君  内村 清次君      ——————————
  46. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 委員長報告準備のため、一時間休憩いたします。    午前八時二分休憩      ——————————    午前九時五十五分開議
  47. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  これより防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、内閣委員長中間報告を求めます。内閣委員長永岡光治君。    〔永岡光治登壇拍手
  48. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま議題となりました防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、院議をもって中間報告を求められましたので、まことに心の進まない思いのまま、内閣委員会における今日までの審議の経過を御報告申し上げます。  御報告申し上げます前に、一言皆さんに申し上げたいのでありますが、本内閣委員会に今国会中に付託されました案件は三十四件に及んでおります。三十四件のうち、去る四月二十八日までに二十六件成立いたしまして、八件の法案を残しておるのでありますが、そのうち三件は参議院議員の議員立法の法律案であるわけでございます。従いまして、残されたのは五件にすぎないのでありますが、この間におきまして、特にただいま議題となっておりまするこの二法案は、衆議院より送付されましたのは、三月二十七日でございます。三月二十七日でございます。そうして伊能防衛庁長官より本法律案説明を受けましたのは、三月三十一日でございました。御承知の通り、四月九日から二十六日までは自然休会に入っているのであります。四月二十八日、すなわち一昨々日、初めて本法律案審議に入ったのでありまして、その審議の時間もわずかに三時間十分という内容であります。内訳は、総括的な問題としての岸総理に対する質問が二時間三十二分でありました。その他一般問題わずかに三十八分という、きわめて短かい審議の時間に相なっているわけであります。しかるところ、本法律案は、砂川事件に対する東京地方裁判所の判決で憲法違反の判決が下されていることは、皆さん御承知の通りであります。きわめて重大なる法律案でありまするので、わが委員会といたしましては、十分これは審議を尽すべきものと考えておったのでありますが、昨夜突然に、本法律案を本会議において中間報告を求めるということに相なりましたことは、委員長としてきわめて遺憾に存じておる次第であります。(拍手)  これから審議の経過の御報告を申し上げますが、最初に、防衛庁設置法の一部を改正する法律案改正の要点を申し上げますると、この法律案は、政府が、現下の情勢に対処し、国力に応じて防衛力を整備する必要があると認め、防衛庁の職員の現在の定員二十四万二千七百十七人を二十五万四千七百九十九人に改め、結局一万二千八十  二人を増加いたそうとするものであります。この一万二千八十二人の増加分  のうち、八千八百三十三人が自衛官でありまして、残りの三千二百四十九人が自衛官以外の職員であります。自衛官の増加分は、海上自衛官については二千二百二十六人でありまして、艦艇の増加に伴い必要とされる要員並びに航空部門の増強及び後方関係の充実等のために充てられるものであり、また、航空自衛官の増員は六千六百人でありまして、航空団の増設並びに航空管制、教育、補給、整備等の部門の拡充のために充てられるものであります。  次に、自衛隊法の一部を改正する法律案改正の要点を申し上げますと、第一に、陸上自衛隊における指揮隷属の関係を整理し、隊務遂行の効率化をはかるため、新たに東北、東部、中部の三方面隊を増置いたしまして、全国に五方面隊を配置し、管区隊及び混成団は、すべてこれらの方面隊の隷属部隊とするとともに、従来これらの部隊の長に認められていた補給処等の機関に対する指揮監督権を方面総監に認めることとし、また、航空自衛隊における操縦教育の一体的運営をはかり、その能率を増進するため、航空団と飛行教育団とをもって編成される飛行教育集団を新たに設置することとするほか、航空防衛力の整備をはかるため、中部航空方面隊の隷下部隊として新たに航空団一が増置されることとなっております。なお、十混成団本部、第三航空団司令部及び管制教育団司令部の所在地等の変更がなされております。第二に、自衛隊における診療に従事する隊員の当該専門技術に関する訓練または看護に従事する隊員の養成は、自衛隊の病院において行うこととするのが適当であるとの理由で、これらの訓練または養成を自衛隊の病院において行うことといたしております。  本二法案は、冒頭申し上げましたように、去る一月三十一日、内閣委員会に予備付託となりまして、三月二十七日、衆議院において原案通り可決せられて本院に送付せられたものでありまして、内閣委員会は、三月三十一日、伊能防衛庁長官より本二法案の提案理由説明を聴取いたしまして、四月二十八日、岸内閣総理大臣、伊能防衛庁長官その他関係政府委員の出席を求めまして、本二法案審議に入ったのであります。  この審議の状況を御報告申し上げますと、法案審議の過程におきまして問題の中心となりましたおもなる点は次のごとくであります。第一は自衛隊と憲法との関係の問題、第二は防衛力増強と長期防衛計画との関係の問題、第三は自衛力増強と国庫負担力との関係の問題、第四は核兵器に関する問題、第五は日米安全保障条約に関する問題等、以上五点でありまして、審議された点はいわば防衛の基本問題のみにとどまったものでありまして、しかも、これらの基本問題の審議さえも、きわめて概括的かつ大ざっぱな審議にとどまったものであるということを、まずもって申し上げておきたいと思うのであります。  さて第一は、自衛隊と憲法との関係であります。この際、現在の自衛隊の沿革を顧みますると、昭和二十七年八月、当時の警察予備隊及び海上警備隊が統合されて保安庁が創設され、その下に保安隊と警備隊とに分れておったのでありますが、昭和二十九年六月、この保安庁が防衛庁に改められ、その下に現在の陸海空の三自衛隊が創設されて今日に至っておるのであります。この間、自衛力の増強は毎年行われ、本改正の結果、自衛隊の勢力は、陸上十七万、艦艇十一万四千五百七十六トン、航空機千六十四機となるのであります。この自衛隊の勢力は、明らかに憲法第九条の禁止する戦力に該当するものでありまして、自衛隊の存在は憲法違反でありますが、歴代内閣においては、憲法を拡張解釈いたしまして、この憲法の解釈の上に立って防衛力を増強して参ったのであります。すなわち、昭和二十四、五年以降の吉田内閣においては、「自衛権は憲法の否定するものではなく、自衛のため戦力に至らない範囲の自衛力を持つことは違憲ではない。戦力とは近代戦争を有効的確に遂行し得る力である」といい、鳩山内閣では、「自衛のため必要最小限度の防衛力または戦力を持っても違憲ではない」といい、現在の岸内閣においては、自衛のため最小限度の実力を持つことは違憲ではない」との解釈をとっております。しかしながら、終戦当初の憲法議会当時における憲法論議を顧みれば、いかにこれらが誤まった憲法解釈であるかがわかると思うのであります。  すなわち、終戦当初の憲法議会の当時における吉田内閣の憲法解釈は、「一切の軍備と自衛権の発動としての戦争も認めない」といい、自衛権も否定されているという答弁さえもなして  いるのであります。たとえば、貴族院特別委員会において高柳賢三議員が、「日本国がある国から侵略を受けた場合でも、改正案の原則というものは、これに対して武力抗争をしないということ、すなわち少くとも一時は侵略にまかせるということになると思うが」という質問に対し、金森国務大臣は、「場合によりますれば、そういうことになることは避けられぬということに考えております」と答弁し、さらに高柳議員が、「いわばガンジーの無抵抗主義によって侵略にまかせる。しかし、あとは世界の正義公平というものに信頼して、そういうことが是正されていく。こういうことがすなわち第九条の精神であるというふうに理解してよろしゅうございますか」という質問に対しまして、金森国務大臣は、「憲法第九条第二項は武力を持つことを禁止しておりますけれども、武力以外の方法によってある程度防衛して、損害の限度を少くするという余地は残っていると思います。第二項によって自衛戦争を行うべき力を全然奪われておりますからして、その形はできません。しかし、各人が自己を保全するということはもとより可能なことと思いますから、戦争以外の方法でのみ防衛するのであります」と答弁をいたしておるのであります。また、衆議院本会議において野坂参三議員が、「戦争には二つの性質のものがある。一つは正しくない不正の侵略戦争である。同時に、侵略された国が自国を守るための戦争は正しい戦争と言って差しつかえないと思う。一体、この憲法草案に戦争一般放棄という形でなしに、われわれはこれを侵略戦争の放棄とするのが最も的確ではないか」という質問に対してさえ、吉田総理は、「私は国家正当防衛権による戦争は正当なりとせらるることを認むることが有害であると思うのであります。近年の戦争は多くは国家防衛権の名において行われたることは顕著な事実であります。ゆえに、正当防衛権を認むることがたまたま戦争を誘発するゆえんであると思うのであります。また、第九条の期するところは国際平和団体の樹立にあるのであります。それによってあらゆる侵略を目的とする戦争を防止しようとするのであります。しかしながら、正当防衛による戦争がもしありとするならば、その前提において、侵略を目的とする戦争を目的とした国があることを前提としなければならぬのであります。ゆえに、国家の防衛権による戦争を認むるということは、たまたま戦争を誘発する有害な考えであるのみならず、もし平和団体が樹立された場合におきましては、正当防衛権を認むるということそれ自身が有害であると思うのであります」と答弁いたしております。  以上の憲法制定当初における国会論議に照らしましても、憲法の趣旨は、自衛のためといえども、いかなる自衛力もしくは武力をも禁止していることは明らかであります。過般の砂川事件に対する東京地方裁判所の判決は、憲法に対する正しい解釈の結果であり、私どもは、この判決をなした伊達判事の、裁判官としてのすぐれた識見と時の権力におもねることなき卓越した勇気とに、満腔の敬意と信頼の念を禁じ得ないのであります。(拍手)  本改正法案は、言うまでもなく明らかに憲法違反のおそれきわめて濃厚である法案であり、国家国民のためにきわめて重大であると考えますので、この点の審議は最も慎重かつ懇切にいたすべきものであったと考えるものでありますが、さきに申し述べました通り、きわめて概括的な質疑応答が行われたにとどまるのであります。すなわち、  この自衛隊と憲法との関係につきまして、ただいま申し述べました東京地方裁判所が、砂川事件の判決に際し、米軍のわが国への駐留は違憲であるとの解釈を下しておりますが、政府はかかる憲法解釈に対しいかように考えるかとの質問がなされましたが、この問に対し岸総理は、「わが国が独立国として自衛権を有することは憲法の容認するところであり、この自衛権を裏づけるための必要最小限度の実力を保持することは憲法の禁止する戦力を保持することではなく、従って、当然違憲ではないというのが従来から政府がとっておる憲法解釈である。また、政府は、安保条約に基きわが国に駐留しておる米軍は憲法第九条第二項の禁止する戦力に入るものではないと考えており、東京地方裁判所の憲法解釈は承服しがたい」旨、所信を明らかにせられました。右に関連いたしまして八木委員から、政府が砂川事件に対する東京地裁の判決を最高裁に飛躍上告をした場合、米駐留軍の違憲論は別として、自衛隊に関する違憲論は最高裁もこれを支持することがあり得るのではないか、その場合に備えて、政府は今日より憲法改正に全力を注ぐ必要があるのではないかとの問に対しまして、岸総理より、「憲法改正の問題については、すでに憲法調査会において検討中であり、その結論はいまだ出されておらないが、もし必要ありということになれば、これを改正いたしたい。自衛隊の存在は違憲なりとの最高裁の判決があるとはとうてい考えられないが、もしさような判決がなされた場合は、政府としてもこれを尊重すべきと考える」との答弁がありました。  次に、憲法前文中における「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という部分は、明らかに無防備宣言を意味するものであり、憲法第九条が自衛力をも禁止しているものと解釈すべきは、この前文の趣旨より見ても明らかではないか、との質問がなされましたのに対し、岸総理より、「その前文の部分は、無防備宣言ではなく、平和主義の宣言を意味するものである。憲法第九条が自衛権及びこれを裏づける手段としての最小限度の力を保持することを認めておると解釈すべきことは、前文中の「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と缺乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という部分の趣旨に照らしても明らかである」旨、所見が述べられました。なお、右の答弁に対しまして、岸総理の指摘したその部分は、自衛力の保持を認めると言っているのではなく、単に自衛権も認めておるにすぎないではないかとの質問が重ねてなされたのに対し、岸総理は、「自衛力なき自衛権というのは意味をなさぬ。当然、自衛力の保持を認める趣旨であると考える」と答弁しておるのであります。以上のごとくでありまして、単に質疑応答を通じてこれまでの政府の憲法解釈が繰り返されたにとどまり、「原水爆兵器を持っておる他国の攻撃に対抗して防衛を全うしようとする防衛力が何ゆえに戦力とは言い得ないのか」という点についての何ら突っ込んだ審議はなされておらないのであります。  第二は、防衛力増強と長期防衛計画との関係の問題であります。この問題につき、政府はわが国の防衛力漸増の限界をどこに置いておるか。防衛力整備の最終目標が達成されるのはいつの時期であるか。また、本年度の自衛隊の増強は、一貫した増強計画とは関連性のない、いわば場当りの増強のごとく見えるがどうか、との質問がなされましたが、前段の問に対し、「わが国防衛力増強については、国防会議において国防の基本方針と防衛力整備計画を策定し、すでに昭和三十五年度を最終年次とする第一次防衛三カ年計画が実施されておるが、この第一次計画でもって防衛力整備が完了するものではなく、これに引き続き、その後における防衛力整備目標を策定すべく、目下国防会議において検討中であり、その研究は相当進展をしておるが、将来は数の目標よりも質の改善に重点を置きたい」旨、後段の問に対しましては、「本年度における増強は、防衛三カ年計画の中間年次として、三カ年計画の整備目標の線に沿って行われたものである」旨、岸総理並びに伊能防衛庁長官より答弁がありました。なお、右に関連して、「政府はいずれの国を仮想敵国と考えて防衛計画を立てておるのであるか。仮想敵国を想定し、その国の軍備を研究することなくしては、結局、時代に即し得ない防衛体制となるばかりで、これでは国の防衛は全うできないではないか」との質問がなされたのに対しまして、岸総理より、「現在の新憲法下におけるわが国の防衛体制は、旧憲法時代において、世界の列強に伍し、特定の仮想敵国を想定して軍備の競争をしておった時代とは根本的に相違し、現在は、他国の侵略に備え、自衛のための必要最小限度の実力を保持せんとするものであり、従って、防衛の基本方針の策定も仮想敵国を想定した上で決定したものではない。しかし、世界の軍事科学、兵器の発達に対応し、終始これを研究することを怠るべきではないと考える」との答弁がありました。なおまた、「政府はわが国の安全保障方式をいずこに求むべきと考えておるか。世界の二大陣営の中にあり、しかも軍事科学の著しく発達しつつある今日、わが国のとるべき道は、中立的立場から非核武装主張し、国の安全を、武装にではなく、集団安全保障体制に求むべき時期に到達しておるのではないか」という質問に対しまして、岸総理は、「理想としては、国連を中心とした世界の集団安全保障体制、国際警察軍による安全保障のごときが最も望ましく、かかる機運を醸成すべく政府としても努力する必要があるが、しかし、現段階においては、かかる段階に至るまでにはなお相当の距離ありと考える。今日の国際情勢下において、わが国一国だけの力によって安全保障を実現する確信なき以上は、米国との提携のもとにおける安全保障体制に依存せざるを得ないと考える」との所信を述べられたのであります。この防衛力増強と防衛計画の問題につきましても、原子時代に突入し、軍事科学の日々急速に進展しておる今日、政府の防衛計画が果して実際に役立つものであるかどうか。いかなる世界の情勢分析のもとに防衛計画を考えておるのであるかどうか。その防衛計画と本年度における増強とは具体的にいかなる関連があるのか、また、政府が相当進展しておると言っておる第二次防衛整備計画とは一体いかなるものであるのか。また、防衛計画と長期経済計画との関係いかん等の重要問題については、何ら突き進んで審議はなされておらないのであります。  第三は、自衛力増強と国庫負担力との関係の問題であります。すなわち、「政府は、わが国防衛費増大の許される限度をどの程度に目途を置いておるのであるか。防衛費の増加傾向に比べ社会保障費が軽視されておる点は不都合ではないか」との質問がなされましたが、岸総理より、「現在、わが国防衛費の国民所得に対する比率は二%以下であるが、これをどの程度にいたすべきかは、国際情勢の変化ともにらみ合せ、わが国の国力、国情に応じ、自衛力を漸増いたすべきであり、ただ、いかなる比率にすべきかを数字の上できめることは困難である。社会保障費の増加については、近代国家として当然十分に考慮すべき問題であると考える」旨、答弁がありました。なお、右に関連して、「過般ドレーパー軍事使節団の来日により、米国の対日軍事援助は将来漸減の方向に向うのではないか」との質問に対しまして、伊能防衛庁長官より、「日米間の折衝の結果、当面の問題としては特段の減少はない見込みである」との答弁がありました。この問題につきましても、私どもが真に聞きたい点は、国民大衆のインド並みの飢餓状態、わが国総人口の一二・四%、二百四十六万世帯の極貧困者、九百万人の失業者、三百万人の結核患者、二百三十万戸の住宅不足等々、悲惨きわまる国民生活の現状や、常に恐慌に陥らんとするわが国経済の現状と、将来における対日軍事援助費削減の趨勢の中において、政府は、いかにして防衛力を増強し得る成算があるのか。また、それをなし得ても、国民生活を守るという、これこそ真の意味での国防が、果していかにして達成されるものであるのかという点について、政府の成算を具体的に承わりたかったのであります。  第四は、核兵器に関する問題でありまして、この問題に関しましては、岸総理との間に質疑応答がかわされた結果、次の諸点が確認せられたのであります。すなわち、その第一点は、原子力基本法が禁止しておる以上、いかなる小型核兵器といえどもこれを合法上所持することはできないという点。その第二点は、政府は、たとえ自衛のためといえども、米駐留軍の核兵器の持ち込みは絶対これを拒否するという点。その第三点は、原子力基本法が禁止している以上、軍事目的で原子力の開発をいたすことは許されないという点。第四点は、政府は原子力基本法を厳守せよとの日本学術会議の決議は尊重するという点。以上四点が確認せられたのであります。  しかしながら、右の点につきさらに付言いたしますならば、核兵器の問題につきましては、重大な点で政府にたださなければならない問題が残されておるのでありまして、  その第一は、今国会における「敵基地攻撃と自衛権」についての政府の統一見解に関する点でありまして、この政府の統一見解をまず読み上げますと、「誘導弾等による攻撃を受けてこれを防御する手段がほかに全然ないというような場合、敵基地をたたくことも自衛権の範囲に入るということは、独立国として自衛権を持つ以上、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではあるまい。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能であると私どもは考えております。しかし、このような事態は、今日においては現実の問題として起りがたいのでありまして、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって、平生から他国を攻撃するというような攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っておるということは、憲法の趣旨とするところではない。かように、この二つの観念は別個の問題で、決して矛盾するものではない。かように私どもは考えております」と言っております。この答弁は要するに、「せっぱ詰まって他に手段のないときは、敵基地をたたいても違憲ではない。しかし、これは仮定の事態を想定した議論であるから、こういう仮定の事態に備えて平生から攻撃的兵器を持つことは違憲だ」と言っておるわけであります。そこで、問題の第  一点は、平生から仮定の場合に備えて攻撃的兵器を持つことは違憲だと言っておるのであるから、平生からでなく、政府のいう仮定の場合が起きたときは、攻撃的兵器、たとえば核兵器、原水爆をも用いても違憲ではないといっておるのかどうか。文章の上から解釈すれば理論上そう解釈せざるを得ない。この点はきわめて重大でありまして、政府は、仮定の場合であると言っておりますが、仮定の事態が現実に起きた場合は、直ちに「核兵器、原水爆を用いても違憲ではない」という仮定の場合の理論が現実化するわけでありまして、あとになって言い抜けができることになりまするから、この点を今日の段階において明確にいたしたかったのであります。第二点は、右の政府の統一的見解は、単に憲法論にとどまるものか、政策論をもこの中に含むものであるかどうかという点でありまして、もし、「座して死滅を待つよりは敵基地をたたくことができる。そのような仮定の場合に攻撃的兵器を用いることができる」という点が政策論でもあるとしたならば、岸総理が参議院内閣委員会において藤田前委員長の質問に対しまして、「核兵器は持たないということを明らかにしておりますから、その持たないために敗れるということでありましても、それはやむを得ない」という答弁をいたしておりますが、この政策論と矛盾することになるが、この点どうかということをただしておきたかったのであります。第三点は、政府の統一的見解におきましては、さきに申しました通り、「他に方法なき場合、座して死滅を待つよりは敵基地をたたいても違憲ではない」という場合は、仮定の場合を想定してのことであるから、かかる仮定の場合に備えて平常から核装備をすることは憲法の趣旨ではないと申しております。私どもは、平常の場合であれ、仮定の場合であれ、いかなる場合であっても核兵器を所持したり用いたりすることはもちろん違憲であると考えておりますが、もし政府のいうごとく、「仮定の場合であるがゆえに、これを想定して、これに備えて核装備をすることが憲法の趣旨とするところでない」という論法をもってするならば、政府が核兵器の攻撃を想定して、これに備えて原子力の研究を行なっておるという現状をいかに説明するのであろうか。伊能防衛庁長官は、衆議院の岡議員の質問に答えて、「将来の事態についてはなかなか予想いたしかねるのでございますが、当面の問題としては、御指摘のような核兵器における攻撃を受けるかもしれないという想定のもとに原子力の研究をいたしております」と答えております。事柄は同じように仮定の場合に対する準備である。そうとするならば、政府は、「他に方法なきときは、座して死滅を待つよりは敵基地をたたくことは違憲でない」と言っておられるくらいでありまするから、このような仮定の場合についても核兵器を用いることはもとより、この仮定の場合に備えて平常からも核装備をしても違憲ではないというふうに、首尾一貫した論法をなぜ用いようとはなさらぬのであるか。  第四点は、岸総理は、「いろいろな科学の発達の前途を考えてみますると、核兵器と名前がつけばいかなるものも憲法違反であるとすることは行き過ぎである」と言っておられますが、これは、現在の時点における憲法論の中に将来の問題を織りまぜてしまい、問題をあいまいにされていると思うのであります。問題は、現在の時点において小型核兵器といえどもおよそ核兵器が違憲かどうかということであって、将来のことを問題にしているのではないのであります。これらの諸点についても十分審議がなされておらないことは、きわめて遺憾に存ずる次第であります。  次に、審議された問題の第五は、日米安全保障条約に関する問題であります。  その第一点は、日米安保条約改定交渉の見通しいかんという点でありまして、この点に関する質疑に対しまして、岸総理より、「相手国のあることなので明確には断言できないが、政府としては、安保条約と行政協定の両方について対米交渉を進めるつもりであり、その妥結は、条約、協定ともほぼ同時に行われることになると思う。また、これらの批准のための国会提出は、早ければ参議院選挙後の臨時国会、おそくとも本年暮の通常国会には間に合わせられると思う」との所見が明らかにせられました。  その第二点は、在日米軍は日本領土内で核武装を行わないと条約上明記することについて、政府は米国側に対して申し入れをしたことがあるかどうか、との質問に対しまして、岸総理より、「申し入れたことはない。装備については事前協議をするという条項を入れることが適当であると考えている。条約の上に明記せずとも目的を達しさえすればそれでよいと考える」との答弁がありました。  その第三点は、改定安保条約の中にバンデンバーグ決議の趣旨から相互防衛義務的な条項を入れないと、米国側はこれを容認しないと思うがどうかまた、相互防衛義務的条項を明記するということになると、憲法違反になるのではないかとの質問がなされましたが、この問いに対しまして岸総理より、「バンデンバーグ決議の趣旨は条約中に成文化することになると思う。違憲になるかどうかは規定の内容いかんによる。当然憲法の範囲内で行うことにいたしたい」との答弁がありました。なお右に関連して、行政協定の改定に当って、施設、労務、調達、出入国など大幅に改定すべきではないかとの質問に対しましては、「現行行政協定には取扱い上不都合な点も多いので、日米対等の関係において、わが国の自主独立の立場を明確にいたしたい」旨、岸総理より答弁がありました。その第四点は 自衛隊の行動範囲はこの範囲となるか。また政府は、沖縄、小笠原の施政権返還の要求はしたかどうかとの質問に対しまして、岸総理より、「自衛隊の行動範囲は施政権の及ぶ範囲であり、従って沖縄、小笠原は自衛隊の行動範囲外である。しかし、この問題と切り離して、これら諸島の施政権返還については、政府は依然として強い要求を持っている」との答弁がありました。  この日米安保条約の問題につきましても、ぜひともお伺いいたしたい点が数点ございましたが、その一つを申し上げますと、改定安保条約には、米駐留軍に対する他国からの攻撃は、わが国はこれを侵略とみなして、自衛隊はこれを援助するということを安保条約の文面にうたうということがいわれております。一体、かかる事柄を条約の文面に明文化する以上は、自衛隊が米軍を援助することは当然の義務ではないはずであります。岸首相は、「日本にあるアメリカ軍に対する攻撃があった場合、その理由のいかんを問わず侵略とみなす。侵略であるから自衛隊がこれに対して防衛をするということは当然であります。」このように言っております。岸総理の言うごとく、当然の義務でありますならば、当然の事柄をなぜ条約の文面にうたう必要があるのでありましょうか。もし、当然の義務でなく、条約の文面に成文化しなければならぬというのでありますれば、自衛隊のこの行動は、自衛隊法に基くものではなく、安保条約に基くということになるのであります。しからば、自衛隊法改正して自衛隊の米軍援助規定を設けなければ筋が通らぬと思うのであります。岸総理は「核兵器の持ち込みは絶対拒否する」と言っておりますが、このことさえ条約に明文化していないのではないか。一方では核兵器が持ち込まれても違憲ではないと言っているくらいでありますから、安保条約に明文化せぬ以上、絶対拒否し得る法的根拠はないわけであります。このように、核兵器を持ち込まれる危険がきわめて大であるにもかかわらず、この方はほうっておいて、当然の義務であると言っておる米軍援助の方は条約に明文化するというのは、一体筋が通らぬのではないでしょうか。もし岸総理が、その言明のごとくに、ほんとうに核兵器の持ち込みを拒否するということでありますれば、自衛隊の米軍援助という当然の義務さえ条約に明文化する以上、法的根拠がなく、かつ持ち込まれる危険性きわめて大である核兵器につきましては、持ち込み禁止条項を当然条約の文面に盛るよう努力すべきではないか。この点をしかと岸総理に承わりたく存じておった次第であります。  以上、当委員会における大体の審議の状況を申し上げましたが、当委員会は、四月二十八日の委員会において初めて、主として岸総理より防衛に関する基本問題についての所見を聴取した程度でありまして、委員長の私といたしましては、本二法案重要性にかんがみまして、防衛庁長官等に対し、また十分審議を尽されなかった防衛の基本問題はもとより、本二法案の具体的内容につきましても、さらに質疑を進め必要があると考えておりまして、四月三十日の委員会よりその予定をいたしておりましたところ、本日突如として本二法案につき中間報告を求められるに至りましたことは、まことに遺憾であると言わなければなりません。「その通り」と呼ぶ者あり)しかしながら、中間報告を求められることは、すでに院議で決定されたことでありまするので、私はこの院議を尊重いたしまして、防衛法案について以上の通り中間報告をいたす次第であります。(拍手)      ——————————
  49. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「内閣委員長から中間報告があった防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、一括して議院の会議において直ちに審議することの動議」が提出せられました。本動議議題といたします。  本動議に対し、討論通告がございますが、斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「本動議に対する討論時間は一人十分に制限することの動議」が提出せられました。  よって、この時間制限動議について採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  50. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票を願います。ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限をいたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。(発言する者多し)静粛に願います。すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。……すみやかに御投票願います。……制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  51. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  52. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百三十五票   白色票    九十五票   青色票     四十票  よって、議院の会議において審議することの動議に対する討論時間は一人十分に制限することに決しました。      —————————— 賛成者白色票氏名  九十五名   山本 利壽君  松平 勇雄君   武藤 常介君  野田 俊作君   松岡 平市君  常岡 一郎君   青山 正一君  堀  末治君   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君   木内 四郎君  紅露 みつ君   杉山 昌作君  田村 文吉君   一松 定吉君  笹森 順造君   仲原 善一君  松野 孝一君   西田 信一君  堀本 宜実君   鈴木 万平君  大谷藤之介君   稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君   江藤  智君  三木與吉郎君   青柳 秀夫君  雨森 常夫君   川口爲之助君  後藤 義隆君   館  哲二君  河野 謙三君   山本 米治君  榊原  亨君   剱木 亨弘君  大谷 贇雄君   白井  勇君  田中 茂穂君   有馬 英二君  大谷 瑩潤君   苫米地英俊君  近藤 鶴代君     小柳 牧衞君  井上 清一君     斎藤  昇君  小山邦太郎君     木暮武太夫君  石坂 豊一君     植竹 春彦君  草葉 隆圓君     高橋進太郎君  黒川 武雄君     小林 英三君  野村吉三郎君    寺尾  豊君  松村 秀逸君    石井  桂君  木島 虎藏君    柴田  栄君  大沢 雄一君    宮澤 喜一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  野本 品吉君    秋山俊一郎君  上原 正吉君    安井  謙君  伊能繁次郎君    石原幹市郎君  鹿島守之助君    井野 碩哉君  杉原 荒太君    下條 康麿君  吉野 信次君    郡  祐一君   堀木 鎌三君    木村篤太郎君  青木 一男君    泉山 三六君  佐野  廣君    高橋  衛君     ━━━━━━━━━━━━━  反対者青色票氏名   四十名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  加瀬  完君    成瀬 幡治君  矢嶋 三義君    相馬 助治君  小笠原二三男君    江田 三郎君  荒木正三郎君    小林 孝平君  藤原 道子君    藤田藤太郎君  市川 房枝君    野坂 参三君  岩間 正男君    白木義一郎君  占部 秀男君    北村  暢君  千田  正君    光村 甚助君  岡  三郎君    永岡 光治君  戸叶  武君    河合 義一君  阿部 竹松君    高田なほ子君  重盛 壽治君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    千葉  信君  内村 清次君    山田 節男君  三木 治朗君      ——————————
  53. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 小林孝平君から、賛成者を得て、直ちに休憩することの動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  54. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限をいたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  55. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  56. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数   百十一票   白色票     十六票   青色票    九十五票  よって、本動議は否決せられました。      ——————————  賛成者白色票氏名   十六名    鈴木  強君  平林  剛君    矢嶋 三義君  江田 三郎君    荒木正三郎君  小林 孝平君    藤原 道子君  藤田藤太郎君    白木義一郎君  占部 秀男君    千田  正君  片岡 文重君    阿部 竹松君  島   清君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君     ━━━━━━━━━━━━━  反対者青色票氏名  九十五名    山本 利壽君  成田 一郎君    松平 勇雄君  武藤 常介君    野田 俊作君  松岡 平市君    田中 啓一君  西川甚五郎君    青山 正一君  堀  末治君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    紅露 みつ君  田村 文吉君    一松 定吉君  笹森 順造君    仲原 善一君  松野 孝一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    川口爲之助君  後藤 養隆君    館  哲二君  河野 謙三君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    白井  勇君  田中 茂穂君    有馬 英二君  大谷 瑩潤君    苫米地英俊君  近藤 鶴代君    小柳 牧衞君  井上 清一君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    植竹 春彦君  草葉 隆圓君    高橋進太郎君  大野木秀次郎君    黒川 武雄君  小林 英三君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    松村 秀逸君  石井  桂君    木島 虎藏君  柴田  栄君    大沢 雄一君  宮澤 喜一君    平島 敏夫君  勝俣  稔君    中野 文門君  重政 庸徳君    西岡 ハル君  横山 フク君    土田國太郎君  前田佳都男君    伊能 芳雄君  宮田 重文君    高野 一夫君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  野本 品吉君    秋山俊一郎君  上原 正吉君    安井  謙君  伊能繁次郎君    石原幹市郎君  鹿島守之助君    下條 康麿君  吉野 信次君    郡  祐一君  津島 壽一君    堀木 鎌三君  木村篤太郎君    青木 一男君  泉山 三六君    佐野  廣君      ——————————
  57. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより順次討論を許します。占部秀男君。    〔占部秀男登壇拍手
  58. 占部秀男

    占部秀男君 私は日本社会党を代表いたしまして、二つの観点から、ただいま提案されました直ちにこの本会議審議するということの動議に対しまして、絶対に反対をいたします。  反対する第一の理由は、この二つの法案を委員会に戻さずに直ちにこの本会議審議いたしますことは、今後の議会政治のあり方に決定的な憂うべきところの悪影響を与えるものと考えるからでございます。(拍手)一体、最近の岸内閣と自民党の方々は、昨年の警職法の問題以来、ますますその反動性を露骨に現わしていると、われわれは見ております。当時、天下の公器である朝日新聞の「天声人語」が、かようなやり方をするものは、すり、強盗、きんちゃく切り、かっぱらい、ぺてん師のようなやり方であると酷評したことは、まだまだわれわれの記憶になまなましいところでございます。その後、自民党の方々は、何ら悔い改めるところなく、そうした傾向のまま国会運営に当っておるのが、今日の実態であると私は考えております。一体、本院で中間報告を求め、委員会を省略して打ち切って、本会議で多数決によって押し切った例が、過去において御存じの通り六回ございます。第十六国会で、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案、この問題を第一回といたしまして、第十九国会におきましては、警察法案並びに警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、いわゆる警察二法、第二十四国会におきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政の組織及び運営に関する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、いわゆる教育二法の問題のときでございました。さらに第二十五国会におきましては、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて国会の議決を求めるの件、第二十八国会におきましては日本労働協会法案、第二十九国会におきましては市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、以上六回が過去におきまして中間報告を求められ多数決をもって一挙に押し切られたものでございます。ところで、今国会に入りますと、すでに去る四月の二日には、最低賃金法の問題で中間報告が求められて、ここで大きな騒ぎをしたことは、なまなましい現実で、まだわれわれの頭に残っておるところでございます。今また同じような方法で、この二法案を押し切ろうといたしておりますし、さらにこのあとには、農地被買収者問題調査会設置法案の問題と、郵政省設置法の一部を改正する法律案、このいずれも同じように中間報告を求め、この本会議で一挙に多数決によって押し切ろうといたしております。そういたしますと、今国会だけでも、実に中間報告がなされる案件は四回に達するわけでありまして、    〔議長退席、副議長着席〕  過去三十回にわたって開かれたすべての国会での分を通算いたしましたその分六回、この六回とほとんどすれすれの数が、第三十一国会だけで皆様方の手によって強行されようといたしておるわけであります。いかに政府と自民党の方々が国会運営を数の多数にたよって反動的に押し切ろうとしているかは、この一つの例によって明らかであると考えるのであります。このことは、単に自民党の方々の数の横暴である、こういうことだけでは終らないと私は考えるのであります。国会史上にまれに見るところの恥ずべき一大汚点を作り上げるということを、皆様がよく考えていただきたいと思うのであります。さらにまた、それだけではございません。国会史上の恥ずべき汚点というだけではなくて、国民の議会に対する不信を呼び起すとともに、今後の議会政治の方向から、民主的な要素を絶滅させることにより、議会政治そのものを否定する風潮を招来するに至るだろうことを、私は一番心配いたすのであります。かくのごとき意味合いから、直ちにこの審議に入るというこの動議に対しましては、絶対に反対をいたしたいと考えます。  さらに第二の反対理由は、なぜ直ちにこの本会議審議をしなければならないかということについて、その理由が全く明らかでないからであります。わが党の同僚議員が申しましたように、審議をしたのはわずかに二日間である。そしてこれに対する同僚議員のこれらの質問に対して、松岡議員は、三月二十七日に付託されたものであるということで御答弁をなされておるのであります。本日は言うまでもなく五月一日でございまして、皆様のあまり歓迎しないメーデーの日でございます。従って一カ月以上は期間的には経過しているわけでありまして、この一カ月以上の期間の中で、わずか二日しかなぜ審議できなかったか、この点が一番大事であると私は考えます。言うまでもなく、松岡さんが言われたように、これは社会党審議をじゃまをしたというのでは、もちろんないのでございます。一体こういうような結果になりましたのには、二つの原因があると思うのであります。この法案が、松岡さんの言うように、三月の二十七日に付託されたといたしましても、三月末から四月の初めにかけては、御存じのように、最低賃金法の問題で、国会が相当期間空白の状態に置かれていたことは御存じの通りであります。さらに八日の日以降は、地方選挙を控えて自然休会に入りました。第一の最低賃金法の問題による空白期間の問題は、自民党の皆様が多数決で押し切ろうとしたからこそ起った空白でありまして、責任はすべて皆様にあるのでございます。第二に、自然休会に入りましたことも、統一選挙をするということは、この国会できめたことであります。従って統一選挙をきめたその当時から、すでにいろいろな法律案審議が十分に行われるかどうか、こういうことは全くわかりきったことであります。従って、審議期日の問題を理由としてこの中間報告を求むる動議を出し、かつ委員会を省略して本会議で直ちに審議をさせる、こういうような理由には全くならないと思うのでございます。しかも昨日の議事協議会におきましては、同僚の北村議員からもこの点が追及されましたように、最初、中間報告を求むる理由として、あたかも社会党が約束をしておったものを破ったかのように、信義を裏切ったかのごとき言辞を斎藤理事は申されたのでありますが、斎藤理事はこれを最後的には取り消したのであります。およそ自分のした発言について取り消すことには、いろいろの場合があると私は考えます。たとえば十時を十一時と言ったということで、その内容が違っているというのでこれを取り消す、こういう場合には程度の違いの問題でございます。また、水を油と発言してしまったためにこれを取り消した、これは質の異なったものを間違って言ったということについての取り消しであると思います。しかし、これらの二つとも、いずれの場合にいたしましても、間違いを起させた事実そのものは確かにあったのでありまして、決して根も葉も全くないということではないのであります。ところが斎藤理事の場合には、根も葉もないことを、あたかもあるがごとくに述べて、中間報告を求むる理由としようとしたものであり、その責任を社会党に押しつける、かような方法で中間報告を求めようとしたことであって、きわめて横着なやり方であると私は考えるのであります。ところが、その斎藤理事発言、すなわち中間報告を求むる理由も、これを取り消しておりますので、社会党が約束を破ったからという理由は現在では全くなくなっております。そうなりますと、一体何の理由があって直ちに審議に入れというのか、私どもには全く理解ができないのであります。そもそも中間報告を求めること自体があやまりであるとわれわれは考えております。松岡議員は、先ほどわが党の北村議員の質問に答えて、きわめて丁重に、しかも低姿勢で、中間報告はやりたくないのだ、過去において、初めから中間報告をしようなんということは夢にも考えたことがなかったと言われますけれども、現在はどうでありますか。皆さんの席の方々は、失礼でありますけれども、居眠りをしながら、夢うつつのうちに中間報告を押しつけているではありませんか。国民はきわめて迷惑であると考えるでありましょう。特に砂川事件に関連をして伊達判決のある折から、何ら納得のできるような理由もなくて、そのまま、かくのごとき審議に入ろうというやり方には、わが党としては絶対に賛成をすることができないのでありまして、以上二つの理由から、この動議に対しましては、日本社会党を代表して絶対に反対を申し上げます。(拍手)     ━━━━━━━━━━━━━
  59. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 大矢正君。    〔大矢正君登壇拍手
  60. 大矢正

    大矢正君 私は社会党を代表して、ただいま議題となりました防衛関係二法案中間報告を求め、直ちに本会議において審議することの動議に対しまして、全面的に反対をいたすものであります。(拍手)特に私は敬老の精神が旺盛でございますから、自民党の議員の方々は相当御老体が多いようでございまして、非常に徹宵の国会というものは御老体には毒でございますが、毒なことを十分おわかりの上で、しかも選挙を一カ月後に控え、何のためにこういう御無理なことを、しかも審議も十分に尽されていない前提の上でやられるのか、どうも私は不可解でならない次第であります。  そこで私は、中間報告を求めて、さらにまたその中間報告後、直ちに審議をし、採決をするというその前提には、二つの立場が必要であると思います。その一つは、まず第一に、審議が十分に尽されているという前提がある場合だと思います。しかし、先ほど来いろいろ経過の説明もありますように、わずか三時間の審議でございますから、三時間の審議で事足りるという考え方は、とうてい生まれて参りません。それから第二には、この法律は、早急に通過をさせなければ、国民に対して、また国民の利害に重大な影響があるという場合においては、中間報告を求めて、直ちに採決をするということもあり得ると思うのでありますが、しかし、考えてみますると、今回の防衛関係二法案提出というものの内容は一万二千名の自衛隊職員の増強計画が中心でございまして、今日かりに一カ月や二カ月早くこの法案を通してみましても、もし海外の諸情勢から考慮して、わが国に緊迫した事態が招来したとしても、この一万二千名の計画では防ぎ得る態勢のものではなくて、この一万二千名というのは、単に計画上の問題だけでありまして、実際的には、国防という見地から考えてみても、—もちろんこの議論には私ども大いに意見がありますけれども、そういう見地から考えてみましても、非常に緊急性があるということは、とうてい考えられませんし、国民の側にとっては、税金が余計取られるから迷惑であっても、このことによって利益を得るとは考えられませんので、私は、こういう立場から考えて、まず第一に、今回のこの措置については無理があると思っている次第であります。  それから最近の自由民主党、また岸総裁の態度を見ておりますと、何かしら、かすめ取ることを唯一の道具と心得て、もっぱらその戦法で今日まで事を処されているようであります。卑近な例をとりますれば、最近、某地における知事選挙で、岸総裁の名前らしいという話でありますけれども、五万通に上る膨大な電報を打って、最後の追い込みに、選挙を自党に有利に導いたという説が出て、これが問題になっているようでありますけれども、もしこれが事実であるとすれば、一党の総裁ともあろうものが、みずから選挙違反の先べんをつけるがごとき行為ではないかと私は考えるのでありますが、総裁がそういう総裁でありますから、従って自民党の議員の方々のやることも道理にかなわないことが非常に多くなってきて、今回の場合の問題にいたしましても、すべて与党の思い通りに法律を通過させるということが中心になっているようでありますけれども、たとえ三分の一たりといえども社会党が二大政党として、公党として存在をしている限りにおいては、政府や自由民主党が思いのままに国会法案を通過できるというものの考え方それ自身が、すでに私は誤まりではないかと思うのであります。それを、あえて時間の制限までしてするということは、総裁が総裁だから、議員もまた同様なかすめ取り戦法で、堂々と四つに組んで、審議を尽すべきは尽し、論議をすべきは論議をしてやるのではなくて、ほんとうにかすめ取り戦法で選挙に処したり、あるいは国会運営に処したりしているところに、私はこのたびのこの国会の権威を失墜させるような事態が発生をする原因が出てきたと思うのであります。  それから、特に、私は先ほどの自衛隊の増強にからんで申し上げましたけれども、自衛隊の増強ということについては、けさの「日本経済」の中にも明らかに書かれているが、「日本経済」はこう書いている。「安保条約、行政協定に関する日米交渉の途中で、自衛隊増強を内容とするこの法案が不成立となれば、この交渉の今後の進行にきわめて不利な影響を与えるからである。」という、こういう明瞭な解説を「日本経済」はしております。今度の自衛隊の増強計画も、言うならば、自分自身の考え方というよりは、アメリカに義理立てをしたそういう考え方のもとに生まれてきていることは明瞭であると私は思うのであります。アメリカに対する義理立てで私どもが徹夜で国会審議をさせられなければならないような、そんなばかな話はないと思います。  それからさらに、また最後に一点申し上げておきたいと思うのでありますが、大体討論の時間に十分しか与えないという、こういう民主政治のもとにおける議会のあり方というものは、私はないと思うのであります。単に私どもの場合だけではなくて、昨日来、討論質疑はもう全部十分で打ち切られている。特に私は、この問題、中間報告の点について、議長の行為についてはまことに不可解だと思うのでありますが、審議も満足にしない、さらに緊急性もないという法案を、自分の判断だけで中間報告は正しいのだという今日のこのやり方は、私は納得いかないのであります。大体が、松野議長は党内の実力者だといわれておったようでありますけれども、それは自由民主党の党内の実力者ではなくて、強引に国会を乗り切るための実力者でしかないと私は思うのであります。大体、最近は特に国民の間に、参議院の松野議長はでくの坊に近い、自民党の言うなりになっているじゃないかと、こういうような説まで飛んでおりますけれども、きょうの中間報告をやらせるこのやらせ方や、あるいはまた十分間の討論の時間しか与えないようなこういう松野議長のやり方からいいますれば、今国民の批判であるでくの坊のような状態だというのは、けだし当然だと私は思うのであります。あと一日か二日たちますれば、松野議長も議員でなくなりますし、将来また、選挙があっても、果してこの議場に姿を現わせるかどうかわかりません。そういう方に—別に悪口じゃないのですが、そういうことを申し上げなければならないことを私は非常に残念に思いますが、私は、この法案の取扱いについては、特に議長は公正妥当にこれから処していただきたいことを最後につけ加えまして、中間報告を求める動議を直ちに採決をすることについての反対討論といたします。(拍手
  61. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  62. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  63. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  64. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数   百二十票   白色票    八十八票   青色票    三十二票  よって討論は終局することに決しました。      ——————————  賛成者白色票氏名  八十八名    山本 利壽君  成田 一郎君    松平 勇雄君  武藤 常介君    野田 俊作君  田中 啓一君    常岡 一郎君  西川甚五郎君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    紅露 みつ君  杉山 昌作君    田村 文吉君  村上 義一君    一松 定吉君  笹森 順造君    仲原 善一君  松野 孝一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    川口爲之助君  後藤 義隆君    河野 謙三君  山本 米治君    榊原  亨君  剱木 亨弘君    大谷 贇雄君  田中 茂穂君   大谷 瑩潤君  苫米地英俊君   近藤 鶴代君  小柳 牧衞君   井上 清一君  小林 武治君   斎藤  昇君  木暮武太夫君   石坂 豊一君  廣瀬 久忠君   西郷吉之助君  植竹 春彦君   草葉 隆圓君  高橋進太郎君  大野木秀次郎君  黒川 武雄君   小林 英三君  野村吉三郎君   松村 秀逸君  石井  桂君   木島 虎藏君  柴田  栄君   大沢 雄一君  宮澤 喜一君   平島 敏夫君  勝俣  稔君   中野 文門君  重政 庸徳君   西岡 ハル君  横山 フク君   土田國太郎君  前田佳都男君   宮田 重文君  高野 一夫君   上林 忠次君  古池 信三君   迫水 久常君  小沢久太郎君   小幡 治和君  関根 久藏君   野本 品吉君  秋山俊一郎君   上原 正吉君  安井  謙君   伊能繁次郎君  鹿島守之助君   下條 康麿君  郡  祐一君   堀木 鎌三君  木村篤太郎君   泉山 三六君  佐野  廣君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名  三十二名   森中 守義君  鈴木  強君   松永 忠二君  大矢  正君   久保  等君  木下 友敬君   平林  剛君  横川 正市君   成瀬 幡治君  矢嶋 三義君   相馬 助治君 小笠原二三男君   江田 三郎君  小林 孝平君   藤原 道子君  藤田藤太郎君   岩間 正男君  白木義一郎君   占部 秀男君  千田  正君   光村 甚助君  岡  三郎君   永岡 光治君  戸叶  武君   河合 義一君  阿部 竹松君   島   清君  高田なほ子君   佐多 忠隆君  椿  繁夫君   山田 節男君  三木 治朗君      ——————————
  65. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) これより斎藤昇君外一名提出の議院の会議において直ちに審議することの動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  66. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限をいたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかにお願いをいたします。……すみやかに御投票願います。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。  投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  67. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  68. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百二十七票   白色票    九十六票   青色票    三十一票  よって、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、一括して議院の会議において直ちに審議することに決しました。(拍手)      ——————————  賛成者白色票氏名  九十六名    山本 利壽君  成田 一郎君    松平 勇雄君  武藤 常介君    森 八三一君  野田 俊作君    松岡 平市君  田中 啓一君    常岡 一郎君  西川甚五郎君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    紅露 みつ君  杉山 昌作君    田村 文吉君  村上 義一君    一松 定吉君  笹森 順造君    仲原 善一君  松野 孝一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    川口爲之助君  後藤 義隆君    河野 謙三君  山本 米治君    榊原  亨君  剱木 亨弘君    大谷 贇雄君  田中 茂穂君    有馬 英二君  大谷 瑩潤君    苫米地英俊君  近藤 鶴代君    小柳 牧衞君  井上 清一君    小林 武治君  斎藤  昇君    小山邦太郎君  木暮武太夫君    石坂 豊一君  廣瀬 久忠君    西郷吉之助君  植竹 春彦君    草葉 隆圓君  高橋進太郎君   大野木秀次郎君  黒川 武雄君    小林 英三君  野村吉三郎君    寺尾  豊君  松村 秀逸君    石井  桂君  木島 虎藏君    柴田  栄君  大沢 雄一君    宮澤 喜一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  高野 一夫君    上林 忠次君  古池 信三君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  安井  謙君    伊能繁次郎君  鹿島守之助君    杉原 荒太君  下條 康麿君    吉野 信次君  郡  祐一君    津島 壽一君  堀木 鎌三君    木村篤太郎君  青木 一男君    泉山 三六君  佐野  廣君     ━━━━━━━━━━━━━  反対者青色票氏名  三十一名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  成瀬 幡治君    矢嶋 三義君  相馬 助治君   小笠原二三男君  江田 三郎君    小林 孝平君  藤田藤太郎君    岩間 正男君  白木義一郎君    占部 秀男君  千田  正君    光村 甚助君  岡  三郎君    永岡 光治君  戸叶  武君    河合 義一君  阿部 竹松君     島  清君  高田なほ子君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    三木 治朗君      ——————————
  69. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 防衛庁設置法り一部を改正する法律案自衛隊法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)を議題といたします。
  70. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 両案に対し、質疑通告がございますが、斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「両案の議事における質疑討論その他の発言時間は、一人十五分に制限することの動議」が提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  71. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。ただいま行われております投票につきましては自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。  投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  72. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  73. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数   百十九票   白色票     九十票   青色票    二十九票  よって、両案の議事における質疑討論その他の発言時間は、一人十五分に制限することに決しました。      —————————— 賛成者白色票氏名   九十名   山本 利壽君  松平 勇雄君   武藤 常介君  森 八三一君   野田 俊作君  松岡 平市君   常岡 一郎君  西川甚五郎君   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君   紅露 みつ君  杉山 昌作君   田村 文吉君  一松 定吉君   笹森 順造君  仲原 善一君   松野 孝一君  西田 信一君   堀本 宜実君  鈴木 万平君   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君   吉江 勝保君  江藤  智君   三木與吉郎君  青柳 秀夫君   雨森 常夫君  川口爲之助君   後藤 義隆君  河野 謙三君   山本 米治君  榊原  亨君   剱木 亨弘君  大谷 贇雄君   田中 茂穂君  有馬 英二君   大谷 瑩潤君  苫米地英俊君   近藤 鶴代君  小柳 牧衞君   井上 清一君  小林 武治君   斎藤  昇君  小山邦太郎君   木暮武太夫君  石坂 豊一君   廣瀬 久忠君  植竹 春彦君   草葉 隆圓君  高橋進太郎君  大野木秀次郎君  黒川 武雄君   野村吉三郎君  寺尾  豊君   松村 秀逸君  木島 虎藏君   柴田  栄君  大沢 雄一君   宮澤 喜一君  平島 敏夫君   勝俣  稔君  中野 文門君   西岡 ハル君  横山 フク君   土田國太郎君  前田佳都男君   伊能 芳雄君  宮田 重文君   高野 一夫君  上林 忠次君   古池 信三君  迫水 久常君   小幡 治和君  関根 久藏君   秋山俊一郎君  上原 正吉君   安井  謙君  伊能繁次郎君   石原幹市郎君  井野 碩哉君   杉原 荒太君  下條 康麿君   吉野 信次君  郡  面一君   津島 壽一君  堀木 鎌三君   木村篤太郎君  青木 一男君   泉山 三六君  佐野  廣君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名  二十九名   森中 守義君  鈴木  強君   相澤 重明君  松永 忠二君   大矢  正君  久保  等君   木下 友敬君  平林  剛君   横川 正市君  加瀬  完君   大和 与一君  矢嶋 三義君   荒木正三郎君  小林 孝平君   野溝  勝君  藤田藤太郎君   占部 秀男君  光村 甚助君   岡 三郎君   戸叶  武君   河合 義一君  片岡 文重君   高田なほ子君  曾祢  益君   佐多 忠隆君  椿  繁夫君   千葉  信君  内村 清次君   山田 節男
  74. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 二時三十分まで休憩いたします。    午後一時三十八一分休憩      ——————————    午後二時五十八分開議
  75. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案議事を続けます。  これより順次質疑を許します。矢嶋三義君。    〔矢嶋三義君登壇拍手
  76. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいま議題となりました二法律案に対し、私は日本社会党を代表して、岸総理以下関係各大臣に質疑を行わんとするものであります。  本件の内容は、歳出予算百五十九億八千万円を増加し、予算総額一千三百六十億四千万円、国庫債務負担行為約百九十八億九千万円、継続費約二十七億円、定員一万二千八十二人増を含むものでありまして、衆議院においては、九日間にわたり、自社両党合せ約十五時間の実質審議を尽した案件であります。しかるに、わが内閣委員会においては、去る二十八日に約三時間審議しただけで、ここに委員長中間報告を経て、直ちに本会議審議とされた結果、審議権を大幅に制約されることになり、しかも質問時間をわずかに十五分間に押えられたのでありますが、かくのごとき議院運営に対し、私はまずもって強く抗議するものであります。  以下まず岸総理にお伺いします。第一にお伺いしたいことは、岸内閣が憲法制定当時の精神に立ち返ることを要請する点についてであります。憲法九条の解釈は、第一次吉田内閣当時の自衛のための戦力保持否定から、鳩山、岸の歴代保守党内閣により逐次拡大解釈され、最近は、自衛のためには、憲法上、小型核兵器さえ保有できるとまで拡大解釈され、自衛力の限界が不明確、無制限となりつつあることは、まさに平和憲法の精神をじゅうりんするものであり、行政府の独走は断じて許すことができないのであります。本年度の防衛関係費は、国庫債務負担行為並びに継続費を合算すれば、実に千七百六十二億五千余万円の巨額になり、赤ん坊を含めて国民一人当て年額約千九百二十円となるのでありまして、われわれが違憲予算と断じているところであります。さらに近く日米安保条約を相互防衛条約的なものに改定し、長期にわたる軍事的拘束を強化されんとしているのであります。かかる行政府の憲法拡大解釈、行政運用に義憤を感じた東京地方裁判所は、いわゆる伊達判決を下し、その違憲性を鋭く指摘したのでありますが、岸総理はこのことに思いをめぐらし、憲法尊重の施策転換をはかるべきと考えますが、その御意思はありませんか。私は強く要請を含めてお伺いをします。もし、あなたがこのあやまちを改めない場合においては、将来あなたは、史家によって、岸総理みずから憲法をじゅうりんしたと、きわめて峻烈に批判されるでありましょう。  次に、駐留軍の不法行為によって身体生命に損害を受けた国民に対する損害補償について、岸総理にお伺いします。御承知のごとく、平和条約十九条で損害賠償請求権を放棄したので、国に責任があり、主管大臣の答弁によれば、調査費四百万円で七月末までに調査を完了する予定ということでありますが、その後において補償立法と予算措置がなされるものと考えますが、御所見を求めます。  次に、現行自衛隊法においては、自衛隊の米駐留軍への協力関係にはおのずと限度があるが、安保条約の改定によって在日米軍に対する協力義務条項を入れるとすれば、現行自衛隊法の三条を改定する必要を生ずると思うが、いかがでありますか。また米駐留軍に対する協力事項を条文にうたうというのに、全国民の悲願である核兵器国内持ち込み禁止条項をうたわず、単に協議事項に譲るということは、理解に苦しむところであり、総理は矛盾を感じられませんか。条約文中に明記するように、重ねて総理並びに外務大臣に強く要求するとともに、御二方の所見を承わります。  次にお伺いしたいことは、わが国に急迫不正の侵略が行われたときは、座して死滅を待つより敵誘導弾の基地をたたくことは可能と、岸総理は答えておられるが、その際、核兵器等の使用が許されるのかどうか、明確にお答え願いたい。  また総理は、そのような危険があるからと言って平素から攻撃的な兵器を所有することは憲法で許されない、と発言されておるのであるが、このことと矛盾しないかどうか。さらに、かりに、いくさに負けるとも、戦いに負けるとも核兵器は所有しない、と岸総理みずから答弁されたそのことと矛盾はしないかどうか、明確にこの際、解明をしていただきたいと思います。  次に科学技術関係について質問します。明年度の防衛庁研究開発費は約二十億円、技術研究本部予算は約二百十一億二千万円でありますが、文部本省の科学振興費はわずかに約二十四億三千万円であり、日本学術会議第二十八回総会は基礎科学白書を発表し、現状が続くにおいては国際水準からわが国は脱落すると、警告を発しているのであります。大学の設備の約五〇%は明治時代のものであり、その予算は米国の約三十五分の一であり、相当数のわが国の若い優秀な学徒は、研究条件のよい外国に出向している状況であります。国力の充実向上、国民の生活水準向上のため、国の責任において長期計画を立て、研究費、研究要員、研究施設の確保をはかることこそが、わが国の国防政策の大前提でなければならないと思うし、現在のような防衛庁に対する投資は発展性がないと考えるものであります。総理のほか、この問題については文部大臣の御所見も合せお伺いをします。  次に、学者、評論家、作家、詩人、俳優、仏教関係者など約四百五十人からなる日中文化関係懇談会は、去る十七日、岸総理に対し、日米安保条約改定並びに日中関係等について公開質問書を提出しているが、総理の御所見を求めます。  総理に対する質問の最後に、現在なお閣僚の一つを空席とし、その上、副総理を置かないために法案審議上不都合を来たしているが、国会開会後できるだけ早い機会に内閣大改造を断行し、行政府の責めを果す体制を整うべきだと思うが、このことについてお伺いをしておきます。  さて質問を進めまして、外務大臣から次の諸点について答弁を求めます。  せとぎわ政策、巻き返し政策と、力の政策を推進したダレス氏が引退して、ハーター氏が国務長官に就任したことによって、外交路線は今後柔軟にかなり転換するのではないか。従って安保条約の改定交渉は急がない方がよろしいと考えるが、外相の見解いかん。  一、安保条約の条約区域の表現は次の三つのいずれか、またその内容はいかがか、お答えを願いたい。すなわち日本区域、日本国の領域、日本国の施政権の及ぶ範囲、この三つのうちのいずれか。またその内容はいかがか。  一、沖縄、小笠原の施政権はいつ返還される見通しか、自信のあるところを述べられたい。  一、ハンデンバーグ決議の趣旨を条約中に織り込むと総理は言明したが、憲法違反にならないような表現で織り込み得る自信があるかどうか、具体的に説明をされたい。  一、行政協定二十四条、二十五条はもちろん、施設、労務、調達、通関、出入国に関し改定交渉中とのことであるが、見通しはいかん。  一、調印時期の目途はいつごろに置いておられるのか、お答え願いたい。  次は、主管大臣たる防衛庁長官に次の諸点について質問し、答弁を求めます。  一、本年度の予算編成の重点事項として、民生面への協力の推進とあるが、具体的内容いかん。自衛隊法第百条をいま一段と強化運用して、河底の凌深、奥地の道路開発等、国土保全開発事業を断行する考えはないか。  一、また、予算編成に当って、技術開発、特にGM関係の推進を重点事項としているが、兵器用として、攻撃用と非攻撃用のいずれを開発しているのか。また、測定用、運搬用のごとき一般用の開発はいかがしているか。陸上自衛隊のロケット実験隊を設けるというが、どこに設け、その規模はどの程度にする考えか、お答えを願いたい。さらに、将来におるけ戦闘機とミサイルの関係をいかように予見して業務計画を進められておられるか、お答えを願いたい。  一、原子核研究所の熊谷大教授は、防衛学教官より共同研究の申し入れを受けたので、その是非を日本学術会議原子力特別委員会に伺いを立てた結果、坂田特別委員長から、原子力基本法に抵触するので好ましくないとの結論を出されている。この事実を認めて、本壇上から釈明されたい。  一、昭和三十五年で終る第一次防衛計画は、残り陸上自衛官一万人、艦艇九千四百二十四トン、航空機二百三十六機で目標を達する計画になっているが、なお明年度において陸上自衛官一万人を増員する考えを持っているのかどうか。無用なことだと考える。さらに、三十六年から始まる第二次長期防衛整備計画を立案中とのことであるが、その概要を説明されたい。  一、制服自衛官で文官の業務をしている者がかなりあるが、すみやかに完全に是正すべきである。さらに、行政管理庁から、医薬品、部分品等、過剰調達の傾向ありと警告されているが、防衛庁としての反省いかん。  一、新主力戦闘機選定に際しての基準スケールを公表されたい。戦前と違って、速度、高度、航続距離等の点以上に、火器の性能、ファイア・コントロール・システム等が重要なファクターとなると考える。いわゆる天川スケールは果して適正なものか。FXの問題は新しい角度から根本的に再検討すべきと思うが、いかん。   一、本年度約六十五億円を投じて各種艦艇を建造するようであるが、建造計画の目標は何か。航空機の発達で、艦艇の形、速力より、搭載する兵器の性能がより重要なのではないか。その意味において、警備艦の種類を少くし、掃海艇、魚雷艇のごときをふやすべきであると思うが、長官の見解いかん。   一、本年度対米援助期待額四百六十五億円の見通しいかん。相当の減額がなされ、本年度の業務計画に支障を来たすのではないか。新主力戦闘機をかりに国内生産する場合、日米負担切半は見通しがついているのかどうか。さらに、防衛庁内においては最近再び陸海の対立が復活しつつあると聞くが、実情並びにその対策いかん。  最後に、防衛庁長官並びに運輸大臣にお伺いをします。   一、飛行機乗員養成と救難対策は万全を尽すべきであると思うが、具体策いかん。   一、世界はあげてジェット機時代に入らんとしているが、わが航空政策並びにその騒音対策はいかに考えているか、特に板付、羽田等に対する騒音対策いかん。   一、防衛大学生が月手当三千六百円、保安大学の本科生が月手当約七千三百円を支給され、その上、衣服は貸与されているのに反し、唯一の航空大学である宮崎航空大学の学生は、手当もなく、授業料免除も寄宿舎もなく、毎月一万円余の学費を支弁しているが、これでは高度の適性と安全性は確保され得ないとともに、防衛大学並びに保安大学の学生と著しく差等があると思いますが、わが国の今後の航空政策を考えるときに、優遇策を講ずる考えはないか。  以上をもって私の質問を一応終りますが、答弁次第では再質問の権利を保留するものであります。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  77. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一に、憲法の精神を尊重すべしという御意見でございます。これは憲法を尊重すべきことは言うを待ちません。ただ、解釈の点につきまして、われわれがとっております解釈と矢嶋議員の御解釈との間に相違があることは、これは、はなはだ遺憾でありますけれども、これは決して憲法を尊重しないという意味ではございません。  第二に、駐留軍が与えた損害に対して補償の立法あるいは予算措置を講ずる用意があるかという御質問でありますが、これは御質問中にもありましたように、調査費を取りまして実態の調査中でございまして、七月末に完了する予定でございますから、その完了を待って適当に措置していきたい、かように考えております。  第三に、米駐留軍に対する協力の点から、自衛隊法改正の必要があるのではないかという御質問でありまするで、この点は、私どもはその必要は認めておりません。  第四に、核兵器の持ち込み等について、はっきりと条約に規定すべきだという御意見でありますが、この点に関しましては、委員会においてもお答えを申し上げました通り、われわれは重要な装備、配備あるいは米軍の使用等の重要事項については事前に協議するということにいたしまして、十分にその目的を達するつもりでおります。  その次に、敵の攻撃を受けた場合に、ほかに方法のない場合には敵の基地をたたくこともあり得るという私の答弁に対しての御質問でありますが、言うまでもなく、このお尋ねの点は、私の答弁は純法律論として述べた問題でありまして、その場合に、しからばどういう方途を講ずるのかということは、その場合の具体的条件を考えて決定されるものであることは言うを待ちません。私は、そういうことを前提として、あらかじめいろいろな手段を講ずるということは考えておりませんまた、核兵器をいかなる意味においても持たないということは、従来私が一貫して申し上げていることは少しも変っておらないのであります。  次に、基礎科学の研究の点についての御意見並びに御質問でありましたが、御意見のように、この点についての日本の立ちおくれを回復するようにしなきゃならぬことは、私も全然同感であります。科学技術会議を設けて、長期にわたり総合的な一つの計画を立てて、これを強力に進めることによって日本の科学技術を画期的に高めていきたい。これが国防上に必要なばかりでなく、言うまでもなく、産業経済の面から申しましてもきわめて重要であると考えております。  次に、日中文化協会の公開質問に対する御質問でありましたが、この点につきましては、安保条約の改定の問題については、かねて申し上げておりますように、われわれは、すでにこの改定の決意のもとにあらゆる検討を続けておりますし、交渉を続けておりまして、これを変更する意思はございませんし、また、日中間の関係の調整については、私ども現状を非常に遺憾として、これを調整したいという考え方を持っております。しかし、基本におきまして、いわゆる政治と経済との関係におきましては、やはりこれは、今日の実情から言うと、わけて貿易、経済の面は、これを打開し、調整して参りたい。そうして積み重ねていくことによって政治的な問題も解決したい、こういう従来の方針を持っておるのであります。  次に、閣僚の欠員がある、従って、国会後内閣の改造を断行しろという意味の御質問でありましたが、国務大臣に欠員がございますのは、現在まだ補充の必要を認めておらないためにこういう事情にありますが、さらにこれを補充することは、適当な機会に補充したいと思います。改造の問題につきましてもいろいろ御意見がございましたが、今後の事情を十分考えて処置したい、かように考えております。(拍手)    〔国務大臣橋本龍伍君登壇拍手
  78. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 文部省関係の科学研究費につきましては、御指摘のございました科学振興費二十四億のほかに、国立学校運営費四百四十六億の中に相当含んでおりますが、ただ、お話もございましたように、ことしもこれの増額に骨を折りましたが、まだまだ不十分でございまして、今後もこれの充実に骨を折って参りたいと存じます。ただいま総理からお話もございましたように、科学技術会議の重要な課題といたしまして、基礎研究についての将来の拡充のプログラムを立てて参りたいと思っております。(拍手)    〔国務大臣藤山愛一郎登壇拍手
  79. 藤山愛一郎

    ○国務大臣(藤山愛一郎君) お答え申します。ダレス長官が辞職されましたことは遺憾でありますが、ハーター長官が続きましても、特にアメリカの一般の政策について変るというようなことは考えられないと思います。ただ、ただいまお話のありましたように、ダレス長官とハーター長官とは、おのずからその人柄等につきましても、性格等につきましても違っておりますので、従って、外交の手法上いろいろな柔軟性が出てくるような場合があり得ると考えておりますが、しかしながら、安保条約の改定というものは、今日、日本といたしましても、自主性を回復する上において必要なことであります。この改定交渉をやめようというような、あるいは延ばそうというような考え方は持っておりません。  安保条約の適用地域につきましては、現在交渉を開始しておりますので、まだ最終的に何とも申し上げかねますけれども、私の考え方としては、大体施政権の及んでいる所という表現が適当ではないかと考えております。  バンデンバーグの決議を安保条約に織り込むに当り、憲法に抵触しないようにという御質問のようでありますが、バンデンバーグの精神は、御承知のように、自分の国がそれぞれやはり自分の国を守るという立場、そういう立場をとっている国と国との間にこうした条約は適用されるものである、また同時に、そういう国々が侵略を受けたときには、お互いに共同して考えていこうというような精神なのでありまして、ハンデンバーグ決議そのものの字句等を用いる必要は必ずしもないと考えております。従って、抵触しないように織り込み得るのではないかと私ども考えております。  それから次は、小笠原、沖縄の施政権の返還はいつごろの見通しかという御質問でありますが、われわれといたしましては、外交交渉をもちまして常時これらの点につきましてアメリカと十分な接触をしながら、日本の希望をできるだけアメリカ側に伝えて今後とも参りたいと考えております。ただ、今、いつかというようなことは申し上げかねると思います。  次に、行政協定二十四条、二十五条その他、施設、労務、調達、通関等の改定等について話し合いができておるのかというような御質問であります。われわれといたしましては、二十四条、二十五条以外の全条にわたりまして検討を進めておりますし、また、日本側の考えております点について事務的にはアメリカ側にも連絡をいたしておりますが、まだ最終的に話し合いのついているということは申し上げかねます。  条約改定がいつごろ条文化ができ、また、調印はいつを目標にしてやっているのかという御質問でありますが、条約改定交渉に入りますまでは、一応の目標を立てて改定交渉を始めるということを私ども申しておりました。しかし、いよいよ改定の交渉に入っておりますので、相手側との交渉の結果によって、短期間にできる場合もあり、あるいは若干長期を要する場合もあるのであります。これは全く二者の交渉の経緯によることでありまするから、いつとは申し上げかねると思います。しかしながら、交渉を開始しております以上、できるだけ早い機会にこの交渉を妥結するように最善の努力を尽して参りたい、こういうことでやっております。  なお、核兵器の禁止を条文に置くかどうかという総理に対する御質問、関連して私にもあったわけでありますが、その点は、総理の御答弁に尽きておると思います。(拍手)    〔国務大臣伊能繁次郎登壇拍手
  80. 伊能繁次郎

    ○国務大臣(伊能繁次郎君) お答え申し上げます。  お尋ねの第一点は、本年度の民生協力に関する重点予算、なかんずく委託工事等、自衛隊法第百条に基く工事等につきましては、御承知のように、地区施設隊五、建設隊一を増設いたしまして、これに対して、従来大体年間五億程度の国もしくは地方公共団体の土木あるいは通信工事を委託を受けて実施をいたしておりましたが、御指摘のように、今後これらの隊の増備によりまして、民間一般土建業者と業務の競合を来たさないように、その調和をとれる範囲においては、御指摘のような方向にでき得る限り進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。  次の技術開発のGMの問題でございますが、御承知のごとく、自衛隊の特性上、空対空、地対空並びに地対地の三種のミサイル等いずれも防御用のものばかりを目標に目下開発研究をいたしておる次第でございまして、特に一般用、計器用のものにつきましても、いろいろと目下研究を進めておるような状況でございます。  さらに戦闘機とミサイルとの将来の関係でございまするが、現在のところ御承知のように、F86F並びにF86D、さらに今後の次期戦闘機種の選定等の問題がございまするので、当面の問題としては、新機種の選定によって防衛の航空上の安全を期したいと、かように考えておりまするが、さらに将来の問題としては、各国の情勢が逐次航空機から誘導兵器に変りつつあるという状況にかんがみまして、当方としてもできるだけこの点については研究をして参りたい、かように考えておる次第でございます。  またロケット実験隊につきましては、まだどこに設置をするかという点については、本年度の予算通過早々でございますので、実際の編成の地域を決定する段階に至っておりませんが、この点についても、技術研究本部で研究開発中のロケット実験を目的とする任務を持ったものでございまして、自衛官百四十五名をもって編成をいたしておりまして、本部機構のほか、研究班、ロケット隊及び整備隊よりなるものでございまするが、具体的な場所をどこに設置するかという点については目下研究中でございます。  次に、先般原子力基本法に基きます東大核研究所と防衛研究所との関係におきまして、原子核特別委員会における年次報告の中で、坂田委員長から、東大原子核研究所より防大職員の共同研究について学術会議の意見を求められたので、芳ばしくない旨の返事をしたと、かような事実が明らかにされておりまするが、この点につきましては、当防衛庁といたしましては、昨年の十月上旬に東大の原子核研究所から「核研電子シンクロトロン共同建設の参加について」という文書が防大あてに送付をせられまして、シンクロトロンの共同建設に関して防大にも参加するようにという勧誘があったわけでございます。これに対しまして十一月二十五日の核研運営委員会では、防大の参加を検討した結果、見合せた方がよいということであると同時に、当方におきましても、この点については辞退する方がよろしいということで、先方からの申し出でに対して当方も辞退をした、かような関係に相なっておるので、当方から申し出たという事実はございませんので、この点明確にいたしておきたいと存じます。  次に、来年度の防衛三カ年計画最終年度におきます陸上自衛隊を現在の十七万から十八万に増備する問題についてのお尋ねでございまするが、目下防衛庁としては、この問題は所定の計画通り進めて参りたいと、こういう考え方をもって検討をいたしておりまするが、来年度の予算のことでございますので、ただいま明確にこの点を予算措置をとるということを言明いたしかねる次第でございまするが、目下そういう意図をもって検討中であると、かように御了承いただきたいと存じます。  次に、それに関連する第二次長期防衛計画の概要は、目下検討中である旨はすでにしばしば国会等において明らかにいたしたのでございまするが、御承知のように第一次防衛計画は、これによって日本の骨幹防衛力の編成が一応ととのう。次の第二次防衛計画につきましては、でき得る限り質的な、さいぜん御説明申し上げた次期戦闘機種の選定、さらにミサイル、ロケットの研究、対潜装備の問題等、質的な装備の充実に重点を置いて参りたいということで、目下せっかく検討中でございまして、ある程度成案を得つつある状態でございますので、いずれ発表のできる機会におきましては国会において明らかにしたい。かように考えておる次第でございます。  次に、行政管理庁より過剰調達の非難があると、かような御指摘でありましたが、過去においては、御指摘のごとく、防衛庁として各自衛隊に対する補給基準等の適正でなかったもの、また在庫品の把握の不正確等のために過剰調達の事実のあった点も、これはまことに遺憾でございまするが、従来からの実績に基きまして補給基準等の実情を十分検討いたしまして、それに即応するように目下改めつつあり、在庫統制機能の強化、各地域における補給部等の組織の強化その他に努めておりまするので、最近におきましては逐次改善されつつある。かような状態でございますので、なお、この点については、一そうの戒心を加えまして、在庫過剰あるいは補給基準の不適正化という点については防ぎたい。かように考えております。  なお、その問題に関しまして、御指摘のように自衛隊の自衛官が、その種の事業に従事しておることによって相当な人員を所要いたしておりますので、本年度においては約九百名等、これらの部隊職員と一般職員との交代、増員による交代等によりまして、逐次自衛隊は自衛隊本来の業務に専念せしむるという方向に目下努力中でございます。  次に、新機種の選定に関しまして御意見がございましたが、もちろん次期戦闘機械の問題につきましては、速度、上昇度、また操縦性、安全性、さらに国内における滑走路の適否、また御指摘のごとくファイア・コントロール等、各般の状況を検討いたしまして、目下昨年四月の内定以後の各般の事情、さらに関係各国の状況等をも参酌の上検討中でございます。これらにつきまして天川スケールというようなお話がございましたが、防衛庁としては、天川氏の意見をこの問題について聴取、その他天川スケールと称するようなものによって次期戦闘機種の検討を行なったという事実はございませんので、その点も明らかにして参りたいと、かように存ずる次第であります。  次に、ドレーパー・ミッションの来朝によりまして、その後ドレーパー・ミッション帰国後、全般的に各国に対する軍事供与の漸減の傾向ということが新聞等に公けにせられておりまするが、日本もその影響を受けて逐次漸減せられる、ことに本年度のごときは相当漸減せられるのではないかというようなお話でございまするが、本年度につきましては、大体四百六十五億円等を目標に軍事援助を受ける予定に相なっております。現在のところ各般の折衝を継続中でございまするが、さしあたり特に日本に対して減少せられるというような事情は私ども聞いておりませんが、この点についてはもっぱら対米折衝によりまして万全を期したい、かように存じておる次第でございます。  またそれに関しまして、最近防衛庁部内における海陸幕の部内的な、何か内部的な争いがあるのではないかというようなお尋ねでございましたが、私就任以来いまだ三カ月余でございますが、それらの点につきましてさような事実も聞いておりませんし、また今後もさような事実のないように十分戒心して、陸海空各幕の円満な調整について努力をして参りたい、かように存ずる次第でございます。  また航空機並びに飛行場地域における消音対策の問題についてのお尋ねでございまするが、この点については、御指摘のごとく、将来の羽田、小牧あるいは伊丹等のジェット機の使用せられる飛行場等におきましては、相当な騒音も事実確認せられておりますので、現在防衛庁といたしましては米軍の基準にならいましてフォーンを計算し、その基準に達したものにつきましては、予算の範囲内においてそれぞれ民間その他に対して適当な施設をやりつつありまするので、本年度以降におきましても、この点は常に現実に騒音のフォーン自体を検定いたしました上で、民間その他の希望に応じた防音装置、防音施設を設置したい、かように存じておる次第であります。  最後に、本年度は御指摘のごとく約六十五億の艦艇の建造をいたしておりまして、駆逐艦艇二隻、潜水艦二隻、駆潜艇三隻、その他二隻と相なっておりまするが、当面最小限度の第一次防衛目標としての海上自衛隊の一応の艦艇体制の編成上、今日の計画を本年度、来年度はとらざるを得ませんが、将来におきましては御指摘のごとく、駆潜艇その他主として対潜装備の問題について艦艇の方も極力改善を加え、また御指摘のような軽快な艦艇に対する十分なファイア・コントロール・システム、火器の装備もするということについてもっぱら検討中でありますが、さしあたり現在の段階におきましては、最低の一応の艦艇整備をしなければならぬということで、二千トン前後の警備艦等を建造するのは、ここ数年の間はなんとしても艦艇整備上やむを得ないと、かように存じておる次第でございます。以上。    〔国務大臣重宗雄三登壇拍手
  81. 重宗雄三

    ○国務大臣(重宗雄三君) ジェット民間航空時代に備えまして、明年五月以降ジェット機を入手して主たる航空路に運航せしめる方針のもとに、すでに手配を了しまして準備を整えておる次第でございます。  騒音と申しまするか、こうした民間用ジェット機の騒音につきましては、消音装置というものの研究、運航方式の規制によりまして、相当これは防ぎ得るものと考えられるのでありますが、しかし今後の飛行場周辺の騒音問題は決して軽視すべきではないので、関係機関を動員いたしまして調査を行い、具体的対策を講ずることにいたしたいと存じております。なお騒音につきましては防衛庁長官からもお話がありましたが、板付の騒音につきましては米軍のジェット機によるものでありまして、従来調達庁において処置を講じておる次第でございます。  航空大学は、防衛大学や海上保安大学のごとき政府職員の養成研修機関ではないので、性格的には一般の国立大学とともに民間等一般の需要に応ずるためのものでありまするので、従って授業料も国立大学並みに徴収いたしております。航空事業の重要性にかんがみまして政府はこの大学に多額の養成費を負担してはおります。なお宿舎その他の待遇につきましては、現在までのところ未整備でありまするが、逐次この状態は改善に努める所存でございます。(拍手)     ━━━━━━━━━━━━━
  82. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 森中守義君。    〔森中守義君登壇拍手
  83. 森中守義

    ○森中守義君 私はただいま議題となりました防衛法案に対しまして、日本社会党を代表して質問を行わんとするものでありますが、由来この種の質問はこのように本会議で行うべきものではなくして、法案を委員会で審査をする際に十二分に意を尽すよう行うのを当然と私は心得ておる次第である。にもかかわらず、かような状態の中で質問を行わざるを得ないことをはなはだ遺憾に存ずる次第でありまして、永岡内閣委員長及び僚友矢嶋議員と同様に、強く不満の意を表明して質問に入りたいと思います。(拍手)  私は主として岸総理に質問を行わんとするものでありますが、総理は、事実を仮定のものとしたり、あるいは真実を虚偽のものとしたりして、いやしくも、国会を通じ国民を欺くがごときことのないよう、率直にして誠意ある答弁を求めてやまない次第であります。  私は、まず、岸総理が、国防の根本において償いがたいあやまちを犯しつつありはしないかという点についてただしたいのであります。それには現代と将来を通じ、全国民が断じて忘却することのできない、昭和十六年十二月八日、岸総理が、時の東条内閣の商工大臣として台閣に列し、米英討つべしとして宣戦の大詔に連署されたときの事実を、今ここに想起されることが最も肝要であると思うのであります。すなわち、元東条英機陸軍大将と商工大臣岸信介氏らは、この戦いを正当防衛のための戦いとし、国際正義のための戦いとして、戦争を計画遂行されたのであります。しかるに、その結果もたらされた敗戦は、単に極東軍事裁判によらずとも、わが国民みずからが、総理東条英機陸軍大将、商工大臣岸信介氏らの正当防衛のための戦い、国際正義のための戦いは、商工大臣岸信介氏らの手によって行われた憲兵政治、特高政治など、陰惨をきわめた国内政治の環境や社会環境にありました自由なき国民に対する、超国家主義理念に立つ誤まった指導というよりも、民族への償いがたい反逆であったことは、その標擁した戦争の目的が、実はアジア征服の野望にとどまらず、世界制覇の無謀にして不遜な侵略を目標にしたおそるべき理不尽な謀略にあったことを、今や明々白々のもとに国民は感じ取っておるからであります。かくいたしまして、断罪万死に値する、かの日の戦犯商工大臣岸信介氏が、時変って今日印綬を帯び、その自身にとっては、天下を取れりとする無上の優越感に陶酔しておいでになるようでありますが、九千三百万国民は、戦犯岸商工大臣等のために、子を、兄を、弟を、夫を奪われ、家を、蓄財を失い、その慨嘆いまだとまらぬ現在、たとえ、それが今日、岸総理の言われるような防衛、自衛のためであると仮定するといたしても、再び戦争行為をたんねんに積み上げていく岸総理に、戦犯たる過去を持つ者の心境を、まず私は、当時のことを回想していただきながら心境をお漏らしいただきたいのであります。同時にまた、今日、岸総理が、防衛、自衛のためとする国防の充実が、為の日の迷夢に酔われた正当防衛と国際正義とに全く類似したものとは思われないのか。これもまた、戦犯の過去を持つ岸総理の良心をゆり動かして第二に伺いたいのであります。  私は、国防の基本は、兵員や兵器によらず、国内の産業の開発、経済基盤の確立、すなわち、民生の安定と向上をはかり、平和国家の繁栄を第一義とし、国民外交を展開し、通商はもとより片寄らず、進んで、諸外国の軍備拡張競争より軍備の完全消滅への努力を平和愛好の諸国とともに進めることが、わが国の防衛のただ一つの理想にして現実であり、それこそが新憲法の命ずる民族の誇り高き使命であるとともに、防衛の基本であると思うものでありまして、ここに、岸総理のなしくずし憲法改悪、なしくずし再軍備をおそれますがゆえに、岸総理が有する憲法の解釈及び将来にわたる憲法の取扱い、また防衛の基本政策及び具体的な防衛計画につきまして、その全貌を事こまかにここに明らかにされたいのであります。  次に岸総理にただしたい点は、防衛、自衛の目的についてであります。私は、率直に申し上げて、岸総理が求むるわが国の防衛、自衛の正体は、米国の意思に従い、米国によって強制される、米国の極東軍事力の第一線軍としての役割を果していることは、日米安全保障条約がこれを雄弁に立証しているところでありますが、なぜに、わが国が米国とのみ表裏一体ならざるを得ないのか。経済の自立、外交の自主性を堅持し、国際場裏に独自の立場で臨み得ないのか。むしろ、それらを強く推進するところにこそ日本の将来に希望を持つものでありまして、米国との従属関係をこの際明らかにされたいと思うのであります。ちなみに、また、わが国が外国の急迫不正の攻撃を受くる条件が一体どこに存すると総理は思われるのか。それを具体的にお聞かせいただきたい。また、どこの国によってその可能性が発生し得ると総理は思われるのか。それをも具体的に承知したいのであります。  私は、わが国が不必要な防備を固めたり、全破壊的兵器を保持することにより、かえって危険が増大はしても、平和産業の促進と世界平和に寄与する方針を堅持し、そのことを着実に守る限りにおいて、断じていかなる国がいかなる時においても、平和提携の手こそ差し伸べるとしましても、武力の侵攻など当然考え得られないものであることを確信するものであります。いわんや、米国が使い古した飛行機や艦艇や火器などを押しつけてきて、むやみに、わが国が兵員を増強していくさまは、高度な軍事科学による近代戦において一体何の役に立つと総理はお思いであるのか。まことにこの姿こそオイチニのチョンマゲであって、後世にその無能愚策をとどめるものと言わざるを得ません。(「その通り」と呼ぶ者あり)すなわち、岸総理の求むるわが国の自衛とは、よってくる各般の事情から判断をするとき、明らかに極東における共産ブロックの軍事勢力に対抗する米国の軍事勢力の一環としてその任務を果すものと思うのでありますが、これを総理は肯定をされるか。また、そのことを肯定するならば、その意図は那辺にあるのか。ここでも総理の所見をただしておきたいのであります。  また、これらを考えるとき、極東における両陣営の軍備拡張強化に伴い、米国は岸総理に対し、さらにわが国軍備の増大を強制することが十分予見されるのでありますが、その結果は、わが国にとって、わが国民にとって断じて好ましい結果はもたらさないと思うのでありまして、よってこの際、不幸と大事を招来せぬ前に、わが国の防衛の方針を変更される意思はないか、ただしておきたいと思うのであります。すなわち、国連による集団安全保障の方式をとるとともに、日米安全保障条約の改定より廃棄に決心をすべきではないかと思います。あるいは日米安全保障条約と中ソ同盟条約の対比的勢力争いをすみやかに脱皮し、日米・中ソの、あるいはアジア全域の安全保障条約、または同盟条約の締結はお考えにならないのか。将来、アジア防衛条約機構への加盟を米国は強制をしてくるでありましょうが、これを総理は拒否し得られるか。さらに、これら諸国との核兵器を含む非武装共同宣言を行うことが、むしろわが国の安全を保つ道であると思いますが、これを実行し得られる自信があるかを伺いたいのであります。また、日米安全保障条約の中に、真に、憲法上の正当な解釈からして、核兵器はいかなるものも保持し得ないこと、また、国会における非核武装決議に政府が忠実であるとするならば、この際、安全保障条約に明記する必要があると思うが、その意思を総理はお持ちであるかどうかを承わっておきたいと思います。  これらは、戦犯の過去を持つ岸総理が民主政治家として再出発したと言明したことを裏づけるものであり、また、わが国総理として当然とるべき道であると思いますので、以上の諸点に対する岸総理の明快なる御答弁をお願いしたいと思うのであります。  また、岸総理にただしたい次の問題は、なしくずし憲法改悪、なしくずし再軍備と、米国の対日政策に対するわが国民の感情について、どう判断をされているかについてであります。今日、国民は、憲法改悪の発議で手続上なし得ない状況下にあるために、やや安定感を辛うじて保っており、この限りにおいて欣快にたえないところでありますが、やはりその心底には、岸総理が、過日、外人記者ブラウンとの問答で明らかに公言されたごとく、折あらば、時来たらば、いな、その折とその時を、いかなる手段や方法をもってしてもみずから作らんとする岸総理に、異常な関心と注目をしていることは、疑いなき事実であります。その折とその時を一日も早からしめることが、私は、岸総理がかけるすべての政治生命でもあり、かつ、それが米国に岸総理が支援され、助力を得るただ一つの約束でもあると思うのでありまして、この事実を直視する国民は、岸内閣の内政外交の自主性につき疑惑と不満を持ち、その声が、今日、民族の独立と自由を確立する一大潮流となっておるのであります。この国民の声を総理はどのように受け取り、どのようにすべきだとお考えになっているか、お伺いしたいと思います。私は、岸総理がこれを否定されるならば、さきに国会が行なった非核武装決議を、近々の外遊を好機として、諸外国においてこれを宣言し、その宣言をしていよいよ実現せしむるために、外交政策の中に強力な推進をはかるべきだと思いますが、その意思と用意が総理に期待できるものか、答弁を求めてやみません。  さらにまた、国民は、独禁法、集中排除法、警職法、労働関係諸法、放送法、教育関係諸法の改悪や制定、陰惨な軍機保護法、防諜法、農地被買収者調査会法の制定を考慮するなど、もはや新憲法は、各種の立法または法改悪によって事実上骨抜きにされ、知らぬ間に違憲の数々を実績として残し、国論は岸反動政策としてこれに攻撃を加えておりますが、これら数々の違憲行為をこの際改める意思は岸総理にあるかないかを、明確にお答えいただきたいと思います。  同時に、これら違憲よりはるかに忍びがたい罪悪は、日米安全保障条約によって結ばれた日米行政協定でありますが、たとえば、砂川事件のごときは、自治法の条項と精神をじゅうりんし、地方自治権を日米行政協定の名のもとに侵犯をしたり、あるいは、農夫や学生が、ジラード、ロングプリー等によって射殺された事件など、この行政協定は、わが国民にとって死の宣告をもたらした協定であり、しかも、この協定は、わが国、国権の最高機関である国会によって制定された法律以上の権能を有せしむるに至りましては、岸総理の責任こそ、断固として糾弾さるべきものでありまして、恫喝と、威嚇と、懐柔と、恩恵と、分断に終始したダレス対日政策に対するわが国民の反感と、これに盲従した岸外交の無定見さへの非難が、ようやく高まって参りました。これら反米感情の高まりは、おおい隠すことはできません。日米両国民にとって不幸この上もないことと言わねばなりません。  よってこの際、岸総理は、日米行政協定を日米安全保障条約とともに廃棄することこそ必要であると思うのであります。また、いたずらに、現在のまま防衛政策が進展を遂げていくとしますならば、やがて、わが国家予算に占める軍事予算は、優に二千億台にも進むでありましょうし、二千五百億、三千億にはね上っていくことは当然でありまして、反面、民生の安定は遂に失われ、諸般の国家施策は軍国化し、やがては新軍閥の台頭を許すことになり、徴兵制度の実施も必至であると思うのであります。私は、しばしば述べきたったように、わが国の防衛は、武力によって行うべきものではなく、国内における産業経済の基盤の確立、民生の安定、平和外交の推進によって必ずなし遂げ得るものと思うのであります。もちろん、戦後における国際間の民主主義は、作為的東西の緊張を必ず解くべき時期が到来することを、互いに政治に責任を持たんとする者は知るべきであります。私は、かかる観点から、徴兵制度の実施や新軍閥の台頭を助長せしめないための政策実行を確約ができるかどうか、岸総理の心境を伺って、私の質問を終りたいと思います。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇拍手
  84. 岸信介

    ○国務大臣(岸信介君) いろいろな点について、むしろ、私に対する御非難を中心としての御質問でありましたが、言うまでもなく、新旧の憲法は、根本において、私が申し上げるまでもなく、違っておるのであります。従って、私どもが自衛のために必要な最小限度の実力を持つということは、戦前における日本が国際社会の列強の一として軍備競争をしておったということとは、全然根本において違うのでございます。従って、私どもが、日本の安全保障のために、また、憲法が認めておる自衛権を裏づける最小必要限度の実力を持つという、この考え方は、戦前の陸海空の日本の国軍を充実した考えとは全然違っておりますし、また、その行動につきましても、これは、はっきり新憲法において、われわれの自衛権の発動というものは厳格に制限をされておるのでありまして、従って、過去におけるわれわれが経験したようなことが再び起るというようなことは、これは絶対にあり得べからざることであり、私どもは、そういうことがあり得るとは毛頭考えておらないのであります。この点は十分一つ御了承いただきたいと思います。国防の基本方針にいたしましても、決してわれわれは、他からわれわれの独立を侵害されるとか、あるいは安全を侵されるということがない限りにおきましては、われわれが進んでどうするということのあり得べからざることは、これは言うを待たないのであります。従って、われわれがきめております国防の基本方針として、国力、国情に応じて漸増して、そうして日本の国土の安全あるいは民族の安泰ということを守るということは、これは非常に制約されておるものであることは言うを待たないのであります。そうして、それがお説によりますというと、米軍の一つの世界侵略の一部をになって、米国に従属しておるものだというふうな御意見でありますが、私どもは、この自衛隊の問題あるいは自衛権の問題ということは、言うまでもなく自主独立に考えておるのであります。しかし現在の国際情勢の上から申しまして、自国の力だけでいかなる侵略に対してもこれを守り得るというような国はないのでありまして、従ってこれを、国の安全をわれわれが希求する以上は、いかなることがあっても他から侵略されないんだという安心感を国民に与えなければならぬ。こういう意味において日米の間の安保条約ができましたことも御承知の通りであります。われわれはその考えに立っておるのであります。われわれがこの場合におきまして、どこから侵略をされるおそれがあり、どこの軍隊なりあるいは軍備に対抗して日本の軍備を作っていくというような考え方は、全然持っておらないのでありまして、これが戦前とは違っておる。戦前においては、やはり先ほど来申し上げているように、日本自体が列強の一として軍備競争をこれらの国々とやって、そうして劣らないものを持とう。そうして陸軍はどこ、海軍はどこというものを一つの目標に置いて、仮裝敵国という言葉でもって、それに劣らない武力を持つというような考えでありましたけれども、われわれはそんなことを考えていない。他から侵略されない限りわれわれは全然安全である。ただ、現在の国際情勢を見まするというと、各地において不慮のいろいろな事態が起っておる。こういうことに対して、国民が不安を感じ、安泰を願うという意味から、やはり他から侵略されないんだという安心感を持つための必要の措置を講じておるわけであります。また自衛隊の現状からいって、これを、全然そういうものをやったって無意味じゃないか、あるいは共産圏等から強力な侵害があった場合には全然無力じゃないかというふうな御議論のようでありましたが、これは私どもはそう思わないのでありまして、必ずしも、具体的に某々国が日本を侵略しようということを考えているということをわれわれは念頭に置いているわけじゃないのでありますけれども、しかし今日の世界の情勢から見て、不幸にして日本が他から侵略されるというような場合においては、もちろんできるだけわれわれの力で日本の祖国を守る。しかし、さらに大きく、世界のやはり平和を愛好するところの国々の正義とその公正に信頼して、そうしてあるいは国連なり、あるいはそういう大きな力でもってそれがおさまる。しかし、われわれとしては、そういう急迫な事態が起った場合においては、みずからの力でこれは排除していこうというのが、われわれは今日としては当然考えなければならぬことと思います。  また、安保条約の廃棄、アジアにおけるところの中ソを含めたところの一つの安全保障体制というものを考えないかというお話でありましたが、これもしばしばお答え申し上好ましたように、私どもは、やはり現状に即して、安保条約を基礎に日本の安全をはかっていく、しかしながら、また理想としては、あくまでも国連を中心として東西の両陣営の対立緊張を緩和していく、これに努力していくということを考えなければなりませんし、恒久的な平和の意味から言うと、国連に集団的な一つの防衛安全保障機構ができるということに今後といえども努力すべきものであると思います。  それから、アジアの防衛、アメリカを中心にできておるところの防衛条約に日本が加盟を要求されるだろうというようなお話もありましたが、たとえそういうことがありましても、これは拒否すべきことは当然でありまして、日本の憲法上そういうものに加盟すべきものでないことは言うを待たないと思います。  それから非核武装地帯の問題についての御意見でありましたが、これはもちろん、外遊の際にそういうことを声明する用意があるかというお話でありますが、私は、こういう非核武装の地帯を作るというような考え方も世界の一部にはあるようでありますが、現実にはなかなか実現を見ておりません。また、大体核兵器そのものの禁止という根本の問題なりあるいは軍備の制限というような問題が、まだまだ国際の現状から言うと実現に遠いのでありますけれども、われわれはやはりそこに向って一つの理想を持つ努力を続けていかなければならない、こういうのが、われわれの平和外交の中心の考え方でございます。  それから憲法改正の問題について、なしくずし云々というようなお話がありましたが、そういうことは私は考えておらないのでございまして、憲法の問題については、根本的に一つ有識者の検討を願う意味において、憲法調査会を設けて、あらゆる点から調査検討をいたしております。その結論を得て初めて改正の要があるかないかという議論をすべきものであると、かように思っております。  それから徴兵制度及び軍国主義の復活の点についてのお尋ねでありましたが、私ども徴兵制度を作る考えは持っておりませんし、軍国主義の復興なんということは毛頭考えてもいませんし、またそういうことがあってはならぬと思います。(拍手
  85. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  86. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。  阿部竹松君及び河合義一君から、歩行困難のため、投票参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。  すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。……ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。制限時間が近まって参ります。すみやかに御投票を願います。……制限時間に近まりました。すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。……制限時間に達しました。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  87. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  88. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百三十三票   白色票    九十二票   青色票    四十一票  よって質疑は終局することに決しました。      —————————— 賛成者白色票氏名  九十二名   山本 利壽君  成田 一郎君   松平 勇雄君  武藤 常介君   野田 俊作君  田中 啓一君   常岡 一郎君  西川甚五郎君   堀  末治君  谷口弥三郎君   新谷寅三郎君  紅露 みつ君   杉山 昌作君  田村 文吉君   石黒 忠篤君  笹森 順造君   松野 孝一君  西田 信一君   堀本 宜実君  鈴木 万平君   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君   吉江 勝保君  江藤  智君   三木與吉郎君  青柳 秀夫君   雨森 常夫君  川口爲之助君   後藤 義隆君  館  哲二君   山本 米治君  榊原  亨君   剱木 亨弘君  大谷 贇雄君   田中 茂穂君  有馬 英二君   大谷 瑩潤君  苫米地英俊君   近藤 鶴代君  小柳 牧衞君   井上 清一君  小林 武治君   斎藤  昇君  小山邦太郎君   木暮武太夫君  石坂 豊一君   廣瀬 久忠君  西郷吉之助君   植竹 春彦君  草葉 隆圓君   高橋進太郎君  大野木秀次郎君   黒川 武雄君  野村吉三郎君   寺尾  豊君  松村 秀逸君   木島 虎藏君  柴田  栄君   大沢 雄一君  平島 敏夫君   勝俣  稔君  中野 文門君   重政 庸徳君  西岡 ハル君   横山 フク君  土田國太郎君   前田佳都男君  伊能 芳雄君   宮田 重文君  中山 福藏君   上林 忠次君  古池 信三君   迫水 久常君  小沢久太郎君   関根 久藏君  野本 品吉君   秋山俊一郎君  上原 正吉君   安井  謙君  伊能繁次郎君   石原幹市郎君  鹿島守之助君   杉原 荒太君  下條 康麿君   吉野 信次君  郡  祐一君   津島 壽一君  堀木 鎌三君   木村篤太郎君  青木 一男君   泉山 三六君  佐野  廣君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名  四十一名   森中 守義君  鈴木  強君   相澤 重明君  松永 忠二君   大矢  正君  木下 友敬君   平林  剛君  横川 正市君   加瀬  完君  成瀬 幡治君   大和 与一君  矢嶋 三義君   相馬 助治君  小笠原二三男君   江田 三郎君  天田 勝正君   荒木正三郎君  小林 孝平君   藤原 道子君  加藤シヅエ君   棚橋 小虎君  栗山 良夫君   藤田藤太郎君  岩間 正男君   長谷部ひろ君  占部 秀男君   千田  正君  光村 甚助君   岡  三郎君  永岡 光治君   小酒井義男君  戸叶  武君   河合 義一君  阿部 竹松君   高田なほ子君  曾祢  益君   重盛 壽治君  佐多 忠隆君   椿  繁夫君  山田 節男君   三木 治朗君      ——————————
  89. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 小林孝平君から、賛成者を得て、暫時休憩することの動議提出せられました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行〕    〔議長退席、副議長着席
  90. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票をお願いいたします。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票をお願いいたします。  投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  91. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  92. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数   百十七票   白色票    三十六票   青色票    八十一票  よって本動議は否決せられました。      ——————————  賛成者白色票氏名  三十六名    川口爲之助君  森中 守義君    鈴木  強君  相澤 重明君    松永 忠二君  大矢  正君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  加瀬  完君    大和 与一君  矢嶋 三義君    相馬 助治君  小笠原二三男君    江田 三郎君  天田 勝正君    荒木正三郎君  小林 孝平君    藤原 道子君  加藤シヅエ君    棚橋 小虎君  栗山 良夫君    藤田藤太郎君  長谷部ひろ君    占部 秀男君  光村 甚助君    岡  三郎君  小酒井義男君    戸叶  武君  河合 義一君    阿部 竹松君  高田なほ子君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    千葉  信君  内村 清次君     ━━━━━━━━━━━━━  反対者青色票氏名  八十一名    山本 利壽君  松平 勇雄君    武藤 常介君  野田 俊作君    松岡 平市君  田中啓一君    常岡 一郎君  谷口弥三郎君    新谷寅三郎君  木内 四郎君    紅露 みつ君  仲原 善一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    後藤 義隆君  館  哲二君    河野 謙三君  山本 米治君    榊原  亨君  剱木 亨弘君    大谷 贇雄君  田中 茂穂君    有馬 英二君  大谷 瑩潤君    苫米地英俊君  近藤 鶴代君    小柳 牧衞君  井上 清一君    小林 武治君  斎藤  昇君    小山邦太郎君  木暮武太夫君    石坂 豊一君  廣瀬 久忠君    西郷吉之助君  植竹 春彦君    草葉 隆圓君  高橋進太郎君    大野木秀次郎君  黒川 武雄君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    松村 秀逸君  木島 虎藏君    柴田  栄君  大沢 雄一君    平島 敏夫君  勝俣  稔君    中野 文門君  重政 庸徳君    西岡 ハル君  前田佳都男君    伊能 芳雄君  宮田 重文君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  安井  謙君    伊能繁次郎君  石原幹市郎君    鹿島守之助君  下條 康麿君    吉野 信次君  郡  祐一君    堀木 鎌三君  木村篤太郎君    青木 一男君  佐野  廣君    高橋  衛君      ——————————
  93. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 討論通告がございます。順次発言を許します。横川正市君。(「定足数がないぞ」「討論を省略するか」と呼ぶ者あり)横川正市君、登壇を願います。    〔横川正市君登壇拍手
  94. 横川正市

    横川正市君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行わんとするものであります。  今日ほど、法治国家であるわが国において、その法が政府みずからの手によって破壊されていることは、いまだかつてその例を見ないと思うのであります。先般行われました地方選挙によりましても、事前運動が長く、そして執拗に行われ、ことに、有権者を勧誘する手段として、特定候補者の選挙組織としての後援会が結成され、それに加盟しないものには村八分的いやがらせを行う等、乱用の限りを尽しているのであります。ことに、自民党総裁としての岸首相みずから陣頭に立ち、目にあまる違反行為が乱舞したと言っても過言ではないと思います。その証拠に、去る二十八日の参院内閣委員会でこの点が指摘され、総理は遺憾の意を表明し、今後これらを行わないことを誓っているのであります。悪質なものは、個人の私生活の有無を問わず、扇情的に宣伝するほか、発行人の責任が明らかとされない怪文書が乱れ飛び、個人の人格を無視する行為、例によって巨額の金品が消費せられたことは、今までに比類のないものが公然と行われておったと言われております。これらの裏には、醜い利権の問題、情実関係、選挙ボス、選挙ブローカーが横行し、以前のどの選挙より悪質であったと、取締り当局は指摘をいたしておるのであります。かくのごとく、法定費用の制限などをしり目に、しかも、国民の前に公然と無遠慮に選挙戦が行われ、全くの物量選挙が行われたということは、これは取りもなおさず、政治家の良心を腐らし、政治の腐敗をますます助長することは明らかでありまして、かかる結果を招いた責任は岸内閣にあるということは、これは言を待ちません。(拍手)今回の場合も、皇太子の御成婚を口実にして、ぬけぬけと選挙違反を特赦の対象となし、この事の意外さに国民はあぜんといたしたのであります。政府が平生最も戒めております法治国における法の軽視が、むしろこれら政治権力の座にある指導的スタッフによって奨励されたごとくになったということは、まことに遺憾であると言わなければなりません。勝てば官軍ということは、このようなことでありましょう。知らぬ間に日本の民主主義を破壊し、選挙の腐敗は、政治の腐敗を起し、やがて日本の根の浅い民主主義は、これらの指導者の手によって破壊されることは明らかだと指摘されておるのであります。この破壊者の先頭に岸総理みずから旗を振っている事実が歴然であることは、まさに権力と金力の政治家と、そのみずから率いる党の中から、みずから内閣を組織する総理大臣の席にありながら、その内部から反対され、総裁選挙に決戦をいどまれたにふさわしい評価であったと思うのであります。結果から見て、これは明らかに、国民の前に、これを政府みずから肯定したということになったと思うのであります。法治国において法を無視する徒輩であって、みずから権力の座にいながらこれを行うものこそ、最もにくむべきものと言わなくてはなりません。  最近の胸のすく思いをしたものの中に、砂川の判決があります。伊達裁判長は、政府のなしくずし再軍備の既成事実にとらわれることなく、政治的配慮にとらわれず、憲法第七十六条が要求するように、良心に従って判決を下したことにあると思うのであります。自衛隊は、政府が米国の圧力に屈し、そのしりぬぐいを多数の力にものを言わせて国民に押しつけたものである。警察予備隊の創設以来の保安隊、自衛隊は、違憲性を隠して、憲法改正をもくろみつつ、その実現が期待できないということを知って、これを強引になしくずしをして、現在に至っておるのであります。ことに伊達判決は、その内容としては、事新しい事実として国民の前に表明されたものではないのであります。なぜなれば、第二十二国会において、参議院の予算委員会で行われました鳩山首相の答弁が、その趣旨を明らかにいたしております。その首相の説明をここに御披露いたしますと、「私がどうしても憲法を改正したいと思いましたのは、憲法第九条であります。また、アメリカがこれを押しつけるについて最も重点を置いたところの憲法も第九条であったと思うのであります。あの九条は、確かに日本が軍隊、防衛力を持ってはいけないという趣旨でできたものであります。これは、前文だの後文だのを見れば、あの九条の趣旨は明瞭であります。一国が国の形をなしていて防衛力を持っていないということは、あるべきはずのものではないのであります。」と、憲法改正のないままで防衛力を持つことの限界を明確にし、その改正の意思を表明しているのであります。しかるに岸総理は、憲法改正を絶対的必要と知りながら、これを行うことが国民の世論上おもしろくないとして、どうにも理解することができない防衛論を作り上げ、警察予備隊から保安隊の上に自衛隊を積み上げ、さらにこれを補充強化せんとしているのであります。その最も大きな間違いは、最近国会で論ぜられた核論議の中に明らかであります。ことに、核武装の決議を行う際に見られた総理の心境は、内心はおそるべき軍国主義者の片りんをのぞかせつつ、欺瞞に終始したものだと言えるのであります。ことに、岸総理国会答弁の内容を見るに、その自信のなさ、また、たびたびその答弁に窮して衆議する等、私は、これらは、その不用意さがまさに国民の前に明らかにされたということが言えると思います。また、「極東における国際の平和と安全に寄与するために、在日米軍が核兵器を持つことが必要だと言ってきても、お断わりするということになると思うが、間違いがありませんか。」という質問に対し、「さように考えております。」と答弁しながら、すぐそのあとに、「核兵器と名がつき、原子兵器と名がつくものは、すべて憲法違反か。」 と言うと、「そういうわけにはいかないだろう。いろいろ核兵器というものも発達の道程にあるから、いやしくもそういう名が冠せられるならばことごとく憲法違反だと言うことは、適当でないと思います。」と答えている。防衛を主として、直接間接の侵略に備えられるという自衛隊が、四つの島に稠密に居住している中で、核兵器のいずれかの弾頭が炸裂することがあっても、それは憲法違反にならないというがごとき考え方が、平和宣言をなした日本で考えられていいかどうか。私は、明らかにこれは違反をいたしておると思うのであります。(拍手)言葉の調子のよしあしやら、あるいは軽い意味で、その問題が、あるいはその行為の結果がどのような悲惨を生ずるか、これを払拭することはできません。その影響の大なるを知る者にとっては聞き流しのできない問題であります。きわめて重大な問題であることは、現在は論議の問題であるが、将来そのことが起った事態に処して、この解釈が通用することとなれば、どんな兵器でも防衛の名のもとに所有することを意味するのであるから、これを承認することはできないのであります。また総理は、現在あるところの原水爆のごときもの、もしくは多くの核兵器と言われているところのものについては、多分に攻撃的な意味を持っているから、そういうものは憲法に違反するから持ち込みはできないものと解釈すると、政府の統一解釈をもって説明しておるのであります。ところが、その舌の根のかわかぬうちに、防御的兵器なりとするならば、これは核弾頭を装置しても、いわゆる防御的な核兵器として、憲法上持ってはならぬという禁止された兵器には入らないだろうと言っております。憲法は政治的に時の権力が勝手に解釈をしてこれを行うこととなれば、まさにこれは多数による暴力でなくて何でしょう。また民主主義を破壊する全体主義者か、あるいは専制帝国主義者といわれても、このことについては抗弁の余地がないと思うのであります。およそ憲法はその国の主権を前提とするものであって、独立国が自国の領土内に主権を行使することのできない地域があることは、国家の及ぼす主権と抵触すると思います。日本国の憲法が米国に押しつけられたものとし、卑下する岸総理が、この憲法の記念行事にも出席せず、これを軽んずることは、許さるべきことではないと思います。しかるにこれが平然と行われ、しかも憲法をじやま者のごとくに寸断し、政府みずからの手によって違反を行わしめている。これで日本国の繁栄は期せられない。核論議の中に見られた為政者の考えは、あいまいであり、いいかげんであって、われわれ国民の一員としても理解しがたいところであります。近代兵器の進歩は、その攻撃性や破壊性において日に日に増大をし、強化されてくるのであります。これがその過程において後退するがごときことは望めるものではないのであります。また防御とか防護がいかに完備しても、これは、しょせん人間社会の悲劇を防ぎ切れるものではないと思います。これらの非人間的な残虐な兵器が、悪魔の使いでこそあれ、福音とはならない。その力を持つことが、人間社会にとって何を意味するかは明確であると思うのであります。まして日本においてであります。近代的に兵器がいかに進歩しても、またその差異や大小の形によって、安全性が期待できるものではないのであります。かかる非人間的残虐兵器の所有の可否について明確さを欠くのは、何と言っても、その底に流れるものに対して、われわれは強い疑惑を持ち、そうして強く反対しなければならないと思うのであります。このことを鮮明にし、平和国家を名実ともに整備し、そうして平和宣言をして、その平和宣言のもとに、日本の国の繁栄を、これを願う国民の声に、政府は、私は責任をもってこたえなければならないと思います。  また防衛庁発足以来、防衛庁に対する世論はきわめて不信的であります。たとえば、このままの形では、かりに直接間接の侵略があったとしても、かつての関東軍の末期にも見られるごとくに、自己逃避、自己防衛に終るだろうとさえ言われているのも、その一端であります。岸総理の直属の人の中にも、防衛庁の拡充強化それ自体が失業救済であるかのごとくに、暗にほのめかしているのも、またその一つであります。また、ある幹部は、一朝事があっても、二割か三割ぐらい質のいいものがあるだろうが、全体には期待できないと言っているのも、その内容の一端をうかがうことができると思います。さらに、防衛庁の人事に対する内面的な派閥抗争、予算使用の乱脈は、衆目の認めるところであります。これらの最大の原因はいずこにあるのか。一部当事者がいかに苦心しても策の施しようがないこの問題は、どこに原因するのか。私は、昭和二十五年六月、防衛庁の卵が生まれ、それが朝鮮動乱に原因することは、衆目がこれを認めているところであります。七月に入って日本政府にそのマ書簡が渡され、以来、占領軍と武装解除された国の不対等の立場から押しつけられたものがこの防衛庁であって、腰の入らないことはここに原因すると思うのであります。政府はこの発足した警察予備隊七万五千の創設において米国に屈従し、日本国民を逆に欺瞞をすることとなり、憲法解釈に無理に無理を重ねてきたことは、これは言を待ちません。このことから国民と自衛隊との関係に異端視するしこりが残ることとなり、自衛隊員の中にみずからを卑下する偏見が巣食うこととなっておるのであります。防衛庁内部の不正横行の原因もまたここにあると思うのであります。  さらに、国家権力をかさに着ての基地増強は、砂川事件等の中に見られたごとく、日本人と日本人が血で血を洗う惨事を巻き起して、反政府的行為の要因となっております。自衛隊受け入れについては居住者の反対に会い、その計画が遅々として進行しない。まさに私は、これらは敗戦の傷跡がいまだ日本の国のいずれかの地で痛めつけられているということが言えると思うのであります。平和国家を宣言した日本国は、その文字通り平和のために尽瘁すべきであるということを、国民のすべてが胸に刻み込んでおります。近代戦争のできない自衛隊は、私は全くむだなものであると言わなければならないと思うのであります。この際、岸総理は憲法の改正をして、正面から国民に現在の間違いを正し、その違憲性をさらに積み重ねることなく、これを正しく行うよう国民に問うことが、まず第一の務めであろうと思います。もしそれができないのならば、明らかに自衛隊は米国の前進基地の役目を負うという、こういう任務のもとに作られたことをはっきりとし、その役目を解き、国内治安維持等を行う程度のごとくにこれを縮小削減して、そのことによって世界の再軍備に拍車をかける日本への不信の目を払拭し、真実を見せて、そうして日本の繁栄と国民の平和を希求する声にこたえるべきだと思うのであります。  以上、私はこの二法案の成立を前にいたしまして、この二、三の点を指摘し反対討論を終る次第であります。(拍手)     ━━━━━━━━━━━━━
  95. 平井太郎

    ○副議長平井太郎君) 高田なほ子君。    〔高田なほ子登壇拍手
  96. 高田なほ子

    高田なほ子君 ただいま上程されました防衛法案に対しまして、日本社会党を代表して、問題になる四つの点を指摘して、反対の意を表明したいと存じます。  まず第一の反対理由であります。法治国家と一口にいいますが、しかし法治国家の原則、前提になるもの、このことは、立法府が完全にその責任と職責を果さなければならないという点であります。すなわち、立法府にある私どもが一言一句その責めを負わなければならないという、その自覚を失った場合にでき上る法律は、たとえ法治国家でありましょうとも、前提条件がくずれている以上は、法治国家の形式を備えておっても、真に法治国家の体をなさない、こういう結果が出てくるわけでございます。従いまして、立法府にある私どもが、みずからの手に託せられた審議権を軽んじ、あるいはまた自己の責任を回避する等のことがあった場合には、民主政治の根本を冒涜することに相なりまするがゆえに、私どもといたしましては、あくまで、立法については十分な責任と使命を果さなければならないと存ずるわけであります。しかしながら、今回の防衛二法につきましては、こうした立法上のきわめて重要な点が、中間報告という形によって放置されていることについて、私はまず皆様とともに、この点十分に考えていきたいと存ずるわけであります。中間報告理由として数々の会期等の問題をあげておられるようでありますが、しかし、このことは、いかなる理由をつけても私は納得することのできない事実であると思うのであります。  すなわち、今回の防衛法案は、千三百六十億という予算を背景とした立法であります。特に予算書の説明を見ますと、陸上自衛隊六百五億、前年度に比べますと二十九億の増加であります。海上自衛隊三百二十二億、前年度に比べますと、これは六十五億という増加を見ております。航空自衛隊三百九十億、前年度に比べますと、これはまた六十三億という増強を見ておるわけであります。総計締めて、この陸海空これらの自衛隊並びにこれらの付属機関を加えました総計において千三百六十億、前年度に比較いたしますと百六十億という、実に膨大な増加を見ておるのでありますから、この予算を背景にしたところの自衛隊の増強に当りましては、当然、数字的な解明が必要になってくるだろうと思うのであります。しかしながら、委員長報告によれば、委員会においては総括的に約三時間十分、しかし細部の面については三十四分の審議しかしていないと言われております。そうしてこの本会議においては、いずれも数字的な問題についての質問をする時間的な余裕がなく、千三百六十億の明細な使途が、この法律制定の過程に当ってうやむやのうちに通過させられるということについては、はなはだもって立法府の責任を痛感してもらいたいものだと思うわけであります。  すなわち、今日、防衛庁の会計検査報告は、常に汚職第一級の汚名を着ておるわけであります。膨大な予算を背景にすればするほど、予算の審議、あるいはまたそれらを背景にした法律審議は十分に意を尽すことこそ、この汚職を未然に防ぐ当然の立法府の責任ではないかと考えるわけであります。こうした重要な責任を回避するがごとき中間報告によって、国民の血税をむだな方向に消費するがごときは、断じて私ども良識の許さないところであります。今日、このようなことによって政治の倫理性が抹殺される。政治の指導者、岸内閣は、同時に道徳の撹乱者という汚名を着なければならないと思うのです。岸内閣は、青少年に向って道徳教育を言う資格は、この審議状態を見ても私は言う資格はないのではないか。もう少しお互いが立法府の責任を痛感して、その前提に立つ法治国家の建設のために、お互いが使命を果すようにがんばらなければならないのではないかと思います。以上の点に立って、私どもは、立法上の手続そのもの、これを第一の反対理由にあげておるわけであります。(拍手)  第二の理由として、自衛隊法、これに基く自衛隊の増強、これらの違憲性について反対をしたいと思うのです。そもそも自衛隊法防衛庁法は、安保条約締結の申し子だと私どもは見ております。日本の自主的な軍備計画あるいは長期計画の中に生まれたものではありません。御承知のように、安保条約は、日本の国内及びその周辺にアメリカ合衆国の陸海空軍の配備権を完全にこれは許与しております。しかも安保条約の五条C項、六条のA項、いずれも潜在的軍事化を規定しています。従って潜在的軍事化の規定に当って、安保条約は条約執行の条件を明らかに付しております。このことが日本の主権を圧迫していることは、しばしば同僚議員によって指摘されている通りであります。しかも、安保条約の三条は、明らかに軍事協定であります。安保条約の三条に基く軍事協定は、今日行政協定と申しておりますが、これは明らかに軍事協定であります。しかるに政府は、憲法七十三条の三号を無視して、国会の承認を経ぬままに、この軍事協定を実際に行政面に執行しています。すなわち政府は、内容、形式ともに違憲性のある行政協定を、今日国民の主権を圧迫しながら強行し、しかもMSA協定は、さらにこれに加えて、アメリカの国防のために日本の再軍備を命じた、明らかに命じた条約であります。皆様も御承知のように、MSAの第八条では、具体的に日本国民が負うべき軍事的な義務を規定しております。いわく、資材の提供、施設の提供、人力の提供がそれであります。このような実に重い軍事的な義務を国民に課しながら、しかもこの義務を実際に国内に実現させるために生まれてきたのが、交戦権を含む自衛隊法であり、そして防衛庁法であります。すなわち領空権の侵犯をただし書きとばしておりますが、交戦権を含む自衛隊法、明らかに以上の国際条約に基く申し子である上に、今日の現行憲法に照らして、交戦権を含むこれらの法律は、明らかに憲法違反であると申し上げなければなりますまい。今日、憲法の八十一条を尊重するなら、政府のこのような違憲の意思の十分にある条約締結の国務行為は、明らかに無効であると私どもは存じます。論より証拠、伊達裁判の判例は、この事実を雄弁に物語っております。伊達裁判の判例に最もあわてたのは、だれでありましょう、岸政府であります。色をなして伊達裁判の判例にあわてふためきました。曲学阿世の御用学者は、厳正なこの法律分析に基く判例に水をかけるのに大わらわであります。なぜ岸内閣はこの伊達判例にあわてたのでしょう。すなわち、この判例は、憲法違反の判決が下された場合には、条約無効の判決が出れば、条約改正の義務が岸内閣に生じてくるから、だから東京地裁の判例に対して御用学者を動員して、これに水をかけ、そうして世論の台頭をおそれながら、何とかして世論の台頭しないうちに、中間報告をもってこの自衛隊の増強を通そうとしたのが、私は、中間報告をさせた政府の意ではないかと勘ぐりたくもなりますが、勘ぐるだけではなくて、確かにそこらに意図があるのではないかと考えます。  第三の反対理由は、政府は、増強の理由として次のごとくに説明をしております。「現下の情勢に対処し、国力に応じて防衛力を整備する必要があることを認め、防衛庁の職員の定員を一万二千八十二人増加し、現在の定員二十四万二千七百十七人を二十五万四千七百九十九人に改めることといたしました。」と説明をしています。しかし、「現下の情勢に対処し」ということは、さっぱり御説明がないのであります。今日「現下の情勢」はどういう情勢になっているか。東西首脳会談を初め、平和への努力は依然として続いています。イギリス並びにソ連も、昭和三十六年度を期して、今日の兵力の削減のために実際に計画を立て、軍備の削減は今日世界の具体的な動きであります。    〔副議長退席議長着席〕  日本は、仕合せなことに、平和憲法を持つ唯一の民族として、戦争回避のために先頭に立って世界にこのことを率先することこそ、私は、軍備競争に加担するよりは、はるかに日本の平和維持に重要な役割を果すのではないかと考えています。しかるに、政府は、現下の情勢を分析することなく、無計画なる増強をあえてしています。すなわち、昭和三十年わが国の予算編成に際して、保守党政府並びにその与党は、アメリカと共同声明を発して、わが国の基本方針を明確にしたことは、今日記憶に新しいことであります。この声明にいわく。「本年度以降打ち続く年間において、わが国の主力のより十分な部分を防衛力の増強に充てることが、日本政府の意思であり、政策である」と、共同声明を発しています。すなわち、この共同声明に基く軍備の増強であって、明らかに日本独自の問題ではなく、アメリカのさしがねによる今次の増強に対して、日本社会党は、断固として反対せざるを得ないのであります。  第四の反対理由は、国力に応じて防衛力を整備する云々と、政府は理由説明しておりますが、果して今次の人員増加は、国力に応じた人員増加であるかどうか。すなわち、一万二千名の人員増加は、単に人員増加にとどまらない。皆様も予算書をごらんになればおわかりでしょうが、海上自衛隊においては、艦艇十隻の建造及び航空機六機の購入を計画し、米国から艦艇六隻の貸与及び航空機二十二機の供与を予定するとともに、大型対潜哨戒機の国産化第二年度として三機の生産を見込み云々と説明をしています。さらに、航空自衛隊においては、航空団一の増設を計画している。米国からの供与七十三機、日本側の調達七十五機を予定するとともに云々として、人員増加があげられており、すなわち、ただ単に自衛隊の増強ということは、人員だけではない、明らかにこれに付随するあらゆるものの増強が意図されているのでありますから、私どもといたしましては、十分にこの予算の内容そのものを検討しなければ、国力に応ずる増強であるかどうかということについて即断を下すことは、しかく不可能ではないかと考えます。政府はかくして千三百六十億の防衛予算を組み、前年度に比べて百六十億の増強を見たのでありますが、これは果して国力に応じたものでありましょうか。今日、政府が何よりも大自慢にしているすし詰め教室の解消は、単に九百九十億の予算が組まれているだけで、前年度に比べて八十五億増であります。これは、防衛予算に比べればはなはだ少い。しかも、今日全国の二千万の学童の中で、七十三万人に及ぶ欠食児童がおります。この欠食児童に対して政府はどういうことをしたか。あすの日本を背負わねばならぬこうした子供たちに対して、学童給食費の補助はわずかに二億二千万円しか出さない。従って七十三万人の欠食の子供は約半数だけ政府の救済対象になるだけで、あとは全然これは巷に放り出される。しかるにどうでしょう。防衛庁においては本年度の食糧費は七十九億という莫大な予算を組んでいる。この予算の中には、自衛隊を見学に来る青年団や地域婦人団にごちそうする予算まで含まれていると言われる。私どもは、このような金があるならば、なぜ日本の欠食の、転落寸前にある子供たちに、二億の予算を組むことができなかったのか、私はこの点を指摘しなければならない。さらに教科書も買えない子供が七十三万人、これに対する補助がわずかに一億九千万円、これでは半数の子供きり救われません。電気のない学校が千三百校もある。今年はこの電気のつかない学校に何と四十校分の電気をつけただけである。しかるにごらんなさい。この防衛庁費の施設整備費は二億六千八百八十二万というような、大へんな増額をしておる。しかも装備費においては約五百億という非常な膨大な予算が組まれて、前年度に比べれば七十二億という増強を見ておるのであります。今日、特殊学校の子供たち、手足の不自由な子供たちは、これを収容する学級がない。最低千四百学級が必要であるというにかかわらず、わずか二百学級きり作らないのはなぜか。予算をこういうところに使っているからだ。これで果して国力に応じたこれは計画であるか、これは疑問です。理科教育においてしかりでしょう。科学教育の振興と岸さんは口で言いながら、十五億の要求に対してわずか五億しか組まない。
  97. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 高田君、時間が参りました。
  98. 高田なほ子

    高田なほ子君(続) 時間がないので、私は結論として、日本の将来を背負うのは今日の子供たちであります。全日本の母親の最大の悲願は子供の仕合せであります。政治は、母と子の願いを誠実に生かすことこそ、民主政治の一番の根底であるにかかわらず、よしない十四億の爆弾費をここに入れながら、子供たちの幸福を顧みない政治については、決して正しい政治ということもできませんし、世界の平和のために、かかる平和撹乱のおそれのある防衛法案に対しては、私は母の立場においても絶対に反対の意思を表明して、討論を終ります。(拍手
  99. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議提出されております。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  100. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……私語を禁じます。すみやかに御投票願います。……ただいま行われております投票につきましては、自後十分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票を願います。  投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  101. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  102. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百二十三票   白色票    八十七票   青色票    三十六票  よって討論は終局することに決しました。      ——————————  賛成者白色票氏名  八十七名    山本 利壽君  松平 勇雄君    森 八三一君  野田 俊作君    松岡 平市君  田中 啓一君    常岡 一郎君  西川甚五郎君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    木内 四郎君  紅露 みつ君    杉山 昌作君  村上 義一君    仲原 善一君  松野 孝一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    川口爲之助君  後藤 義隆君    館  哲二君  河野 謙三君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    田中 茂穂君  有馬 英二君    大谷 瑩潤君  苫米地英俊君    近藤 鶴代君  小柳 牧衞君    井上 清一君  小林 武治君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    廣瀬 久忠君  西郷吉之助君    植竹 春彦君  草葉 隆圓君   大野木秀次郎君  黒川 武雄君    野村吉三郎君  寺尾  豊君    松村 秀逸君  木島 虎藏君    柴田  栄君  大沢 雄一君    宮澤 喜一君  平島 敏夫君    勝俣  稔君  中野 文門君    重政 庸徳君  西岡 ハル君    横山 フク君  土田國太郎君    前田佳都男君  伊能 芳雄君    宮田 重文君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  伊能繁次郎君    鹿島守之助君  杉原 荒太君    吉野 信次君  郡  祐一君    津島 壽一君  堀木 鎌三君    青木 一男君  泉山 三六君    高橋  衛君     ━━━━━━━━━━━━━ 反対者青色票氏名  三十六名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    久保  等君  木下 友敬君    平林  剛君  横川 正市君    加瀬  完君  大和 与一君    矢嶋 三義君  相馬 助治君    江田 三郎君  小林 孝平君    加藤シヅエ君  棚橋 小虎君    栗山 良夫君  藤田藤太郎君    八木 幸吉君  占部 秀男君    光村 甚助君  岡  三郎君    永岡 光治君  小酒井義男君    戸叶  武君  片岡 文重君    阿部 竹松君  高田なほ子君    曾祢  益君  東   隆君    佐多 忠隆君  椿  繁夫君    千葉  信君  内村 清次君    山田 節男君  三木 治朗君      ——————————
  103. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより採決をいたします。両案全部を問題に供します  表決記名投票をもって行います。両案に賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  104. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。—投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  105. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票計算
  106. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数  百四十一票   白色票    九十六票   青色票    四十五票    〔拍手〕  よって、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案は可決せられました。      ——————————  賛成者白色票氏名  九十六名    山本 利壽君  成田 一郎君    松平 勇雄君  森 八三一君    野田 俊作君  松岡 平市君    田中 啓一君  常岡 一郎君    西川甚五郎君  青山 正一君    谷口弥三郎君  新谷寅三郎君    木内 四郎君  紅露 みつ君    杉山 昌作君  後藤 文夫君    村上 義一君  一松 定吉君    仲原 善一君  松野 孝一君    西田 信一君  堀本 宜実君    鈴木 万平君  大谷藤之介君    稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君    江藤  智君  三木與吉郎君    青柳 秀夫君  雨森 常夫君    川口爲之助君  後藤 義隆君    館  哲二君  河野 謙三君    山本 米治君  榊原  亨君    剱木 亨弘君  大谷 贇雄君    田中 茂穂君  有馬 英二君    大谷 瑩潤君  苫米地英俊君    近藤 鶴代君  小柳 牧衞君    井上 清一君  小林 武治君    斎藤  昇君  小山邦太郎君    木暮武太夫君  石坂 豊一君    廣瀬 久忠君  西郷吉之助君    植竹 春彦君  草葉 隆圓君    高橋進太郎君 大野木秀次郎君    黒川 武雄君  野村吉三郎君    寺尾  豊君  松村 秀逸君    木島 虎藏君  柴田  栄君    大沢 雄一君  宮澤 喜一君    平島 敏夫君  勝俣  稔君    中野 文門君  重政 庸徳君    西岡 ハル君  横山 フク君    土田國太郎君  前田佳都男君    伊能 芳雄君  宮田 重文君    中山 福藏君  上林 忠次君    古池 信三君  迫水 久常君    小沢久太郎君  小幡 治和君    関根 久藏君  秋山俊一郎君    上原 正吉君  安井  謙君    伊能繁次郎君  石原幹市郎君    鹿島守之助君  杉原 荒太君    吉野 信次君  郡  祐一君    津島 壽一君  堀木 鎌三君    青木 一男君  泉山 三六君    佐野  廣君  高橋  衙君     ━━━━━━━━━━━━━  反対者青色票氏名  四十五名    森中 守義君  鈴木  強君    相澤 重明君  松永 忠二君    大矢  正君  久保  等君    木下 友敬君  平林  剛君    横川 正市君  加瀬  完君    成瀬 幡治君  大和 与一君    矢嶋 三義君  相馬 助治君   小笠原二三男君  江田 三郎君    天田 勝正君  荒木正三郎君    小林 孝平君  加藤シヅエ君    棚橋 小虎君  栗山 良夫君    藤田藤太郎君  市川 房枝君    八木 幸吉君  岩間 正男君    長谷部ひろ君  占部 秀男君    千田  正君  光村 甚助君    岡  三郎君  永岡 光治君    小酒井義男君  戸叶  武君    片岡 文重君  阿部 竹松君    高田なほ子君  曾祢  益君    東   隆君  佐多 忠隆君    椿  繁夫君  千葉  信君    内村 清次君  山田 節男君    三木 治朗君      ——————————
  107. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 一時間休憩いたします。    午後六時三十八分休憩    〔休憩後開議に至らなかった〕      —————————— ○本日の会議に付した案件  一、内閣委員会において審査中の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案について速かに内閣委員長中間報告を求めることの動議  一、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案中間報告一、内閣委員長から中間報告があった防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、一括して議院の会議において直ちに審議することの動議  一、防衛庁設置法の一部を改正する法律案一、自衛隊法の一部を改正する法律案