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国務大臣(
佐藤榮作君) 資金運用部資金については
考えさせられることが非常に多いのです。ただいま横川
委員が御
指摘になりますような点も、それぞれ問題がございますが、基本的には、これは何と申しましても、堅実でなければならないと思いますし、堅実といいますか、確実である、これが必要だと思います。大事な資金でございますから、この運用に
おいて一歩を誤まり、そのことによって国民全体に御迷惑をかけるようなことがあっては相なりません。そういう
意味に
おいては確実第一といいますか、そういうことであり、またせっかくの資金でございますから、やはり利を生んでいくことを
考えなければならない。そういう
意味でこの運用の相手を選ぶ場合に、非常に問題を注意いたしておるわけであります。従いまして、
一般金融の場合とはおよそ
事柄が違っておる。さらにそこへもって参りまして、ただいま御
指摘になりますような資金運用部の資金の中には、いろいろの性格のものがございますから、そういう
意味に
おいてはその資金が生ずるこの場所によりましても、その目的に沿うように扱っていく。できるだけ資金を出した人たちに還元するような方法を、平たく申せば福祉的な
方向にそれが使われていく。これは当然私
どもは工夫していかなければならぬことのように思います。よく資金運用部資金が大企業、独占企業に重点が置かれて、
一般の福祉施設の方はおろそかになっているじゃないかというような御批判をしばしば受けるのでありますが、ただいま申すように、還元融資というか、できるだけそういう
意味で役立つようにということで、最もはっきりいたしておりますのが、住宅施設などについてこういうような資金が回っていくとか、あるいは公社
関係の鉄道であるとか、あるいは電信電話であるとか、こういうものに使うとか、最近は道路に使うとか、それぞれ非常に
公共的性格の強いもの、いわば産業の面におきましても、廃業の基盤あるいは基幹産業、こういうような
意味で非常に厳選しているつもりではございます。しかしながら、まだ、たとえば中小企業の金融
機関に対する運用の総ワクとしては非常に不定であるとか各方面の要望のいろいろ強いことは
承知いたしております。そういう点を今後の問題といたしまして、私
どもも機会あるごとに工夫し、考慮して参りたいと思います。在来の方針とあまり変った
考え方は生れてこないように思います。そこで、
審議会のメンバー等につきましても、どうも
役所の人間が非常に多いんじゃないか、これは
性質上、ただいま申すように、資金運用部資金の生ずる個所等のことを
考えて参りますと、その
責任者としては、やはり
役所の人間が非常に多くなる。そこへもってきて
民間人、学識経験者というものがきわめて数少いというか、そういう
意味で最近も、在来の小汀さんと、それから石坂さん、この二人を二十三日にかわっていただくことにいたしまして、小汀さん、石坂さんのかわりに末高教授と、それから足立正さん、それから在来の
中山さん、工藤さん、酒井さんというのがそのままになっております。こういうような方々は非常に良識のある方でありますし、広い範囲に
おいて知識を持たれる方でございますから、十分先ほど御
指摘になるような点については、私
どもに対しても積極的に意見を述べられますし、そういう
意味では私
どもも仕合わせに思っているのであります。問題は、しばしば、ちょうど新聞に出ている。先ほど御
指摘にもなりましたが、資金運用部の資金として免ずる個所が自分のところで専門にというようなお話しがございますけれ
ども、非常に、範囲を極限しないで、やはり広い視野に立ってこういうものが運用されることが望ましいんではないか。そういう場合に
おいて特別な厚生施設、いわゆる福利施設に
おいて欠くるものがありますならば、こういうような
委員会を通じまして十分私
ども考えて参りたい。できるだけまとまったところで、窓口を
一つにしてこういう金が運用されることが、大局的に見ていいのじゃないか、こういう
考え方、この
考え方は従前
通り、今なお実は堅持しているような次第であります。先ほど来、御意見あるいは
お尋ねとして、資金運用部資金の運用あるいは
審議会の構成、あるいは
審議の経過等についての疑問にされる、あるいは意見として発表なさいました点など、私
どももしごくごもっとものように思いますが、ただいまのところ、
委員はきめたばかりでございますので、今回はこの
委員でやっていきたいと思いますが、実際の運用に当りましては、十分御意向を尊重して参る、かように思っております。