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1959-04-27 第31回国会 参議院 内閣委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年四月二十七日(月曜日)    午後一時二十八分開会   ―――――――――――――   委員異動 四月二十一日委員石黒忠篤辞任につ き、その補欠として高瀬由太郎君を議 長において指名した。 四月二十五日委員増原恵吉君及び中山 福藏辞任につき、その補欠として小 柳牧衞君及び下條康麿君を議長おい て指名した。 本日委員高瀬荘太郎辞任につき、そ の補欠として田村文吉君を議長おい て指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     永岡 光治君    理事            松岡 平市君            山本 利壽君            千葉  信君            田村 文吉君    委員            大谷藤之助君            大谷 贇雄君            木村篤太郎君            小柳 牧衞君            下條 康麿君            野本 品吉君            堀木 鎌三君            前田佳都男君            松村 秀逸君            矢嶋 三義君            横川 正市君            八木 幸吉君   国務大臣    大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君    運 輸 大 臣 重宗 雄三君    国 務 大 臣 伊能繁次郎君    国 務 大 臣 世耕 弘一君   国 務 大 臣 山口喜久一郎君   政府委員    人事院総裁   淺井  清君    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    総理府総務長官 松野 頼三君    総理府総務副長    官       佐藤 朝生君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     増子 正弘君    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君    自治庁長官官房    長       後藤田正晴君    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    調達庁長官   丸山  佶君    経済企画庁総合    開発局長    淺村  廉君    大蔵政務次官  佐野  廣君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主計局次    長       村上  一君    大蔵省住計局給    与課長     岸本  晋君    運輸大臣官房長 細田 吉藏君    運輸省航空局長 林   坦君    労働大臣官房長 澁谷 直藏君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    自治庁行政局公    務員課長    今枝 信雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選国家公務員共済組合法等の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○国家公務員等退職手当暫定措置法の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 永岡光治

    委員長永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員異動がございました。去る四月二十一日石黒忠篤君が辞任され、後任として本日田村文吉君が委員に選任されました。また一昨日二十五日、増原恵吉君及び中山福藏君が辞任され、その後任として小柳牧衞君及び下條康麿君が委員に選任されました。  以上御報告申し上げます。   ―――――――――――――
  3. 永岡光治

    委員長永岡光治君) それではこれより議事に入ります。  まず、理事補欠互選の件につきお諮りいたします。  去る三月二十日田村文吉君が委員辞任されまして以来理事一名の欠員を生じておるのでありますが、本日田村君の委員復帰に伴い田村君を再び理事に選任することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。   ―――――――――――――
  5. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。政府側出席佐藤大蔵大臣岸本主計局給与課長増子公務員制度調査室長佐野大蔵政務次官、なお松野総理府総務長官淺井人事院総裁は間もなく見える予定になっております。以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 野本品吉

    野本品吉君 大臣に御質問申し上げますが、この一般職公務員国家公務員共済組合法の一部改正ということでその中に取り入れることになっておりますが、しかしまあ、日本の公務員制度の根本の非常に重大な問題であると心っております。従って政府当局としましては、あらゆる角度からの慎重なる御検討を願っておることと思いますけれども、しかし一般の者から見ますというと、いろいろと疑問を生ずる点がありますので、それらの点につきまして若干御質問申し上げますので、どうぞ納得のいくような御説明、御答弁をお願いいたしたいと思います。  私が一つの疑問として考えております点は、第一に大蔵省設置法規定から申しますというと、設置法の第三条に大蔵省は、「国の行政事務及び事業を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。」そのあとに国の財務、通貨、金融、外国為替証券取引、それから造幣事業印刷事業、この七つの項目があげられて大蔵省の所管として規定されております。そこで、今度の共済組合法の一部改正というようなこの法案大蔵省から出されることについては、それらの大蔵省設置法規定とどういう関係おいてお考えになっておられるか、この点をお伺いしたい。
  7. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) これは事務三局から説明さした方が明確かと思いますが、主計局の扱います仕事の中に、共済組合に関する事項というのがあるのでございます。その観点、その立場からただいまのような法律案を提来して御審議をいただいております。かようになっております。
  8. 野本品吉

    野本品吉君 それでは事務当局からも一応この点についてこまかい御説明を乞願います。
  9. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいま大臣からお答えがございましたように、大蔵省事務につきましては、各局に関します事務規定がございまして、主計局事務のうちに共済組合に関します事務が入っております。今回提案を申し上げておりまする共済組合年金の形になっておりますので、現在の大蔵省設置法に基きまして大蔵省事務ということで御提案を申し上げておる次第であります。
  10. 野本品吉

    野本品吉君 それは設置法の第三条の規定とは違って大蔵省内部規程でございますか。
  11. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 従来の大蔵省設置法第八条第二十一号、そこに共済組合その他福利厚生に関する施設をなし、これを管理するという規定がございます。これが今回の国家公務員共済組合法の二十五条におきまして共済組合品に関する制度を管理するというように改めております。従来からこの八条の二十一号に基きまして共済組合事務大蔵省が管理いたしております。
  12. 野本品吉

    野本品吉君 その次にお伺いしておきたいと思いますことは、私が申し上げるまでもなく、国家公務員に対しましては、国家公務員法によりまして一般基本的人権とも言うべきいろいろの事柄制約されております。しかも、公務員法には職務に専念する強い義務づけがされておりますことは御承知通りであります。そこで基本的人権に類するような私企業からの分離とか、あるいは政党の役員になることができないというような、そういうものを抑えておる一方におい職務に専念の義務ということが強く要求されておる。そういう条件下に長い間まじめに公務に従っておった者に対しましては、国あるいは地方公共団体というものは、使用主としての責任おい退職後の処遇を当然考えるべきである、こういう考え方もできるわけでありますが、この点についての御見解を承わっておきたい。
  13. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまのお尋ねは基本的な問題、いわゆる公務員制度といいますか、公務員の本質に関するお尋ねだろうと思うのでございます。かっての官吏制度と最近の公務員制度、これは官吏制度から発展していったものではございますが、よほど本質的に変って参っておるように私ども考えておるのであります。どういう点が変っておるか、まあたとえば今御指摘になりますような職務性質からきますいろいろの制約、これはもう当然と言いますと、いろいろ議論がございましょうが、職務性質からくる制約、これはもうやむを得ないことだろう、そういう場合に雇い主とでも申しますか、使用主とでも申しますか、国家なりあるいは公共団体責任というか、それは一体どういうように果していくか。これはもちろんただいまの現職であります際の給与が適正でなければならないし、また退職後についても生活に不安のないようにもちろん考えていかなければならない、これはまあ非常に抽象的な言い方でございます。その考え方に立って私企業の場合とこれを比べてみましたときに、一体私企業おいても適正な給与がなされるし、退職金が出され、あるいは場所によっては年金が支給される、これと実は同じような考え方じゃないのか。ただ特別な制約がありますことは、従事する仕事内容から当然受ける制約じゃないか、こういうように私ども実は考えて参っておるのであります。いわゆる特別な制約がある場合において、従って雇用主とすれば一般より以上特別な制約に対応するような賃金支払い義務や、あるいは退職年金支給義務があるかと申しますと、これは少し論理的な飛躍じゃないか。と申しますのは、やはりこの職務からくる制約、それこそは職業選択の自由とでも申しますか、当然そういうような職業に入ればそういう制約を受けるということを承知の上のまあ職業選択の自由、その結果ただいま申すような制約を甘んじて受けるということではないか、かように実は思うのであります。ただ、私も官僚の出身でありますし、昔のことなど考えて参りますと、最近の公務員制度というものは、昔とはよほど違ってきておる。ここらに新しいものを考えていかなければならぬ。ただその場合に、共済組合制度を発足していく上に大事な公務員性格そのものについてが明確になっておらないで、共済組合制度だけを先に発足していくことが、いかにも説明が不十分というか、割り切れないものがあるのじゃないかと思いますが、私はこの公務員制度そのものについても、もっと考え方を明確にするような公務員法改正を企図されておる、かように考えております。おりますが、その事柄はまあ昔のような官吏制度じゃなくて、新しい時代官吏制度ということで発足していくべきであり、その点から考えて参りますと、共済組合法、あるいは退職年金制度、こういうものとはすぐ面接のつながり、こういうことには、少し論理的に、飛躍と言っては語弊がありますが、当然のものとして結論づけるというわけにはいかないのじゃないか、ここらに少し別なものとして御考究が願えないか。先ほど申します職業選択の自由という、その建前から、この職務につけばこれこれの制約を受けるということは、これは一つの約款的なものでございますから、これを承知の上で仕事に従事する、こういう建前、こういうように理解すべきじゃないかと私は思っておるのでございます。
  14. 野本品吉

    野本品吉君 この制度を実施するために、ただいまも大臣が述べられましたが、国家公務員法の何カ条かについて改正措置がとられておる。私ども考え方からいえば、共済組合法の一部改正という、そういうことをやるために、国家公務員法改正にまで手を伸ばすということについても、相当慎重な考慮を要するのではないか、つま国家公務委員方公務員に対しましての基本法でありますので、そういう基本法が何か新しい制度を後から作ることによって、取りくずし的にこれがくずされていくというような考え方もできるのでありまして、この点についてはどんなふうにお考えになっておりますか。
  15. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) その、次々に新しいものをこしらえていって内容を取りくずす、こういうような御心配があるようですが、そういう考え方でなしに、今回とりました処置は、先ほどの私企業の場合、あるいは国家機関公共団体に勤務する、こういう場合に、一体どういうような差等ができるか、そういう差等をこしらえることはいいとか悪いとかいう議論があるだろうと思いますが、あまり私ども考え方としては賛成しかねる。そこはやはりその主体といいますか、それは国であり公共団体ではあるが、私企業の場合に就職しておる人と非常な懸隔のないような処遇が必要なんじゃないか、言いかえますならば、私企業の場合は、現職にある間は給与が高いが、公務員は、まあ昔の、公務員じゃなくて官吏というものを比べますと、官吏栄典制度を受けた、あるいは恩給という制度がある。これで現職時代給与とは別なものがあるということで、官吏職務として選択する人も相当あった。しかし今日の状況になって参りますというと、働く職場は役所であろうが、地方団体であろうが、その他私企業であろうが、やはりこの適正給与という問題が、職務に対して当然払われ、退職後の処置につきましても、順次それが同じような考え方、もちろん金額の多寡はございますけれども、同じような考え方で処理されていくというような今の方向じゃないか。だから公務員という制度につきましても、そういうような意味で大体見られている、しかしながら、仕事性質上から当然受ける制約、あるいは組合活動等についても、組合結成の自由がないとか、こういうような特別なものがその職務から当然出てくる、一般公務員につきましても、そういうような点は、職務性質から区別を受けることは仕方がないけれども生活そのものを保障するような意味についての給与制度なり、あるいは退職制度なり年金制度なりというものは、同じような考え方で処理さるべきじゃないか、こういうことでございますので、いわゆる公務員法改正と全然関連なしとは申せませんが、大体の方向は変っておらないのじゃないだろうか。ただ、私が非常に心配しておりますのは、公務員としての、先ほど御指摘になりましたいろいろ基本人権制約というか、こういう職務から当然くる制約というものを、どの犀皮にこれから規制していくかという問題が一つあるのじゃないかと思うのであります。しかし、これは相当研究をして結論を出さないと、事柄性質上そう簡単に結論の出るものじゃない。ただいま公務員法改正が要求され、また、政府自身も準備をいたしておりますが、なかなかおくれておるというのも、そういう意味の、いろいろ広範な意義を持つ公務員法でございますので、そういう意味でなかなか成案を得がたく思っておる、こういうように私は理解いたしておるのでございます。
  16. 野本品吉

    野本品吉君 この前、人事院から新しい退職年金制度の勧告がありまして、そのときに、つまり雇員及び一般公務員というものを通算して特別な扱いをしないという考え方でそれができている。私ども雇員とその他のものを区別するというような差別的な考え方に対しては、賛成するわけにはこれはいかない。そこで次にお伺いいたしておきたいと思いますことは、この共済組合という、お互いが金を出し合ってお互いの力で退職後の問題を処置していく、こういう観念では扱うことのできない若干の問題があるように私は思う。たとえば公務によります死亡公務死、それから公務傷病、そういうものについては、この共済という観念で扱っていいかどうか疑問を持っておりますので、これは大臣事務当局の方でもけっこうですから、その点について。
  17. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 公務上の災害によりまする傷病ないし死亡の問題につきましては、今回の法律案におきましては、御承知のように公務外災害につきましての負担のほかに割増しした負担をいたしておりますが、その割増しいたしました負担分につきましては、全額国庫負担ということに相なっておりまするので、全体を平均いたしますると、一般公務外災害の場合には、御承知のように国庫負担につきましては五五%ということに相なるわけでございますが、この場合におきましては、公務外災害の場合よりも上回りまするものを全額国庫負担にいたしておりまするために、大体七割程度の国庫負担に相なるかと思うのでございます。現在の恩給制度のもとにおきましても、御承知のように本人恩給負担金がございまするから、全体を通算してみますると、割合におきましてもあまり違いがないところじゃないか、これがまた民間厚生年金等の場合におきまする業務上の災害、それに対しまする処置とにらみ合せまして、公務員の場合におきまする公務上の災害に対しまする処置といたしましては、適当なところではあるまいかというところで御提案を申し上げておる次第でございます。
  18. 野本品吉

    野本品吉君 今の問題を突き詰めていきますと、こういう場合が予想されてくるわけです。つまり普通の公務災害でなしに、子供が川に溺れておる、学校の先生が飛び込んでいって自己身体生命の危険を知りつつ飛び込んで行った。あるいは学校役所が火災になった、そこでその場合に、やはり自己生命身体の危険を承知しつつ飛び込んで行く、そういうことは一般公務災害ということの観念より以上の問題だと思う。そういうことまでも合せてこの共済という観念で扱うことが適当であるかどうかという点につきまして、私は疑問を持っておるわけであります。
  19. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 野本委員お尋ねの場合におきましては、特に本人が危険を顧みないで事に当るという点は違うわけでありまするが、これは現在の制度のもとにおきまして、あるいは御提案を申し上げておりまする制度のもとにおきましては、やはり公務上の災害といたしまして処置をいたすわけであります。なお、ついでに申し上げておきまするが、一時金の給付がございます。これは労働基準法などで民間の場合にもあるわけでありまするが、これは全額国庫負担をもちまして、死亡しました場合には、標準報酬の千日分でございますが、その給付につきましては、全額国庫負担をもってやっておりますことは、これは今申し上げました年金のほかにやっておるのであります。つけ加えてお答え申し上げておきます。
  20. 野本品吉

    野本品吉君 次に、この法案によりますと、国家公務員に対しては三十四年の十月からこれを施行する、地方公務員に対しては三十五年度からというお考えのようなんです。そこで、この制度地方公務員に適用いたしますことは、地方財政と相当大きな関連を持ってくると思う。そこで、地方財政にどういう影響を持ってくるか。それからもう一つは、自治庁とのこの点についての話し合いといいますか、それはどういうふうに進められておるか。
  21. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 地方公務員に対して、この共済年金制度をどういたしますかという点につきましては、先般、地方制度調査会符申もございまして、三十五年度を目標といたしまして自治庁におきましてまず案を立てる。われわれの方も御相談をいただくかと思っております。その場合におきまする負担につきましては、これはいろいろなまだ案ができておりませんものでありますから、計算をいたしますることは不可能でありまするが、これは相当大きな額に相なるかと思っておりますので、野本委員がお示しのように、来年度の地方財政全体の計画と関連をいたしまして、そこら辺の具体的な案は作っていくことに相なろうと思います。なお、御参考に申し上げておきまするが、公共団体と申しましても、学校関係、あるいは府県の職員関係、あるいは警察職員関係、さらに町村の一般職員というものがございまするので、全体を一体にして取り扱うことはなかなかむずかしいかと思います。各個におのおの沿革もございますので、そこら辺も考え合せた上で案を立てたいと思います。場合によりますと、全体の地方公務員につきましても、一せいに三十五年度からスタートするということはあるいはむずかしいかというような見方もあるかと思いますから、これは今後案を作る過程におきまして、できるだけ全体の達成を進めて参りたいというように考えております。
  22. 野本品吉

    野本品吉君 ただいまの点につきましては将来の研究に持つというようなお話しでございますが、この案を立案し、提案する以上は、当然大蔵省自治庁との間に、来年のことについては話し合って善処するということの了解がむろんあったことと思うのですが、その点はどうなんですか。
  23. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) この財源的な処置の問題ですが、いろいろ自治庁には自治庁の、自然増収もありますし、また、今回の税制のまあ減税措置で、当然何といいますか、減税していかなければならない住民税の問題があったり、こういうような新しい仕事をいたしますると、新しい財源を要するものがいろいろあるわけでございます。そこで、主計局長が申しますように、総体としてやはり相談をしていかないとこの処置をやればこれは当然見るとか、これは見ないとか、こういうことが、実はことしではまだ早くてできないのでございます。新しいものは全部見てくれというのが自治庁の方の要望ではあろうと思いますが、私の方の心つもりから申せば、やはり自然増収もあるから、そこらで一つにらみ合せて話をつけていこう、こういうことに実はなっておるのでございます。しかし、ただいまの何で、地方公務員共済制度が発足をいたすというと、これもやはり国家公務員の場合と同じように、同時に発足することが望ましいことは申すまでもないのでありますが、この地方公務員と一がいに申しますが、その中身がいろいろありまして、団体によっては、もうすでに共済制度の発足しておるものもあったり、また地方公務員と申しましても、国家公務員と全然同一の待遇を受けておるものもありますし、そういうことで、その調査その他がなかなか時間がかかるのであります。そういう意味で一年間おくらしている、こういうことになっております。しかしまあ、今回この法律案の御審議が幸いにして皆様の御賛同を得ますれば、当然ただいま主計局長が申しますように、三十五年度においては地方公務員も同様の処遇をとりたい。その場合においては財源的措置を十分考えていくという考えでございます。
  24. 野本品吉

    野本品吉君 ほかに法案も大事なものが山積しておりますから、簡単にあと一、二の点につきましてお伺いしたいと思います。その一つは、これは事務当局の方十分お考えになっておると思うのですが、つまり、懲戒処分を受けた公務員に対して給付を行わないというのが、従来の建前。今度の法律では、給付を行わないことができる、こういうことになっておる。そこで、給付を行わないことができるというのを、受ける方の立場から見れば、大体給付をされると、こういうふうに受け取るだろうと思う。そういうように、給付を行わない場合に、これは苦情処理とか、異議の申し立てとか、そういうような点は、どういうふうにお考えになっておりますか。
  25. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまのお尋ねの救済の制度につきましては、これは今条文で申し上げますると、百三条に、審査請求というのがございまして、給付の決定がございましてから、六十日以内に審査請求ができる。審査をいたしまする機関は、百四条にございまする国家公務員共済組合審査会というものがございまして、その審査会におきまして十分に審査をやって参るということに相なっております。
  26. 野本品吉

    野本品吉君 今の点は、条文として私も承知しておったのですが、ここにいろいろ将来ごたごたの起る相当な可能性があると思うので、従って、そういう場合に対処するために十分な用意があってしかるべきではないかと、かようにまあ考えるわけです。  それから次にお伺いしておきたいと思いますことは、これは社会党の皆さんからも質問があったのですが、組合自主運営の問題、これらにつきましても、いろいろと問題があろうと思いますので、そういうことに対しましての政府のお考えをお伺いしておきたい。
  27. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまのお尋ねの点は、共済年金制度を運営して参りまする単位組合におきまする運営審議会、あるいは非現業の連合会における評議委員会等の問題であろうかと思いますが、これは御承知のように、現在の厚生年金給付金の制度におきましては、そういうような機関はございません。組合の管掌の健康保険の場合におきましては、厚生大臣の取消権があるわけでありまして、こういうような民間制度と比べてみまして、やはり業務を運営して参ります上におきまして、各単位組合におきまする運営の問題といたしまして運営審議会、さらに連合会の段階における評議委員会というようなものを作りまして十分に運営の適正を期して参りたいということで来ておるわけであります。自主的というお話は、あるいはこれを諮問機関にいたしませんで議決機関にいたしたらどうかというお尋ねかと思うのでありますが、これにつきましては、いつかの機会にお答えしたかと思いますが、今申し上げましたような民間との構成の比較等から考えまして、十分に諮問機関の段階におきまする意見の反映をいたすわけであります。その程度をもちまして、現在の運営といたしましては適当であろうかと思います。あるいは自主的とおっしゃいますもう一つの点は、政府の許認可事項が多いのじゃないかということがもしございますれば、これにつきましても、他の民間の場合における保険の場合、それらと比較いたしまして、全体といたしまして運営の統一を期するということの必要な面につきましては、やはり、一本にいたす必要がございますので、その見地から許認可事項を作っておるわけでありますから、その点は自主的と申しますか、運営がそのためにいわゆる官僚的統制に流れるということがないように、建前の上でも配慮いたしておるつもりでありますし、運営におきましても十分配慮して参りたいと考えておるわけであります。
  28. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま主計局長からお答えをいたしましたが、先ほど来野本委員の御意見、もちろん基本に触れた大事な諸点であるように私は思っておるのでございます。今回新しい制度といいますか、在来の思給制度共済組合制度に切りかえておりますので、そのためにいろいろその問題があるように思います。しかし、今回のこの法律案を作ります前に、各種の問題は十分精査したつもりでございますが、いずれにいたしましても新しい制度でございますので、この新しい制度を、本来の目的に沿うように、りっぱに運営していくという、その点では、絶えず今後とも引き続いて工夫を要することがあるだろうと思います。先ほど来お尋ねになりました諸点につきましては、政府当局といたしまして、もちろん今後の問題として考うべき事柄については、今後の問題として十分取り組んでいくつもりでございます。先ほど来お話しになりました公務死あるいは公務障害の場合とか、あるいはその他の許認可の問題だとか考えて参りますと、幾つも問題があるように思いますが、十分今後とも努力をして参りますことを、大臣としてお答えをしておきたいと思います。
  29. 野本品吉

    野本品吉君 ただいまの問題で、私はけさたまたま新聞を見ますと、厚生年金保険の積立金が二千八百億になったと、その問題に触れまして厚生省から自主的運営といったような注文がついて、大蔵省と意見の対立をしておるというようなことが、けさの新聞で実は報道されておるわけです。そういう事態はこの制度の運営の将来においてあるいは起り得るかもしれないのですが、そういうような点について、これは主計局長にお伺いしたい。
  30. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 厚生年金につきましての資金運用の問題とこの共済年金の場合とは、申すまでもなく御承知のように違っておるわけであります。厚生年金の方におきましては、御承知のように、これは全額一応資金運用部に預託をすることに相なっております。ただ、御承知のように還元運用ということを最近やっておりまして、毎年逐次還元運用額もふえ、また今後の運用につきましても、できるだけそういう趣旨を含んだ運用をいたしたいということは、従来から大蔵省としてもお答え申し上げておるわけでありますが、この共済年金の場合におきましては、御承知のように、大体厚生年金の額に達する程度、おおむね三分の一程度だと思うのでありまするが、これを資金運用部に預託をいたしまするが、あとは預託をいたしませんで運用いたすわけであります。もちろんこの運用につきましては、政令その他で基準をきめまして、有利でありますと同時に、また確実であるということがございますから、そういうような運用につきまして十分な配慮をいたしておりますが、建前は今申し上げました厚生年金とは違っておりまして、いわゆる福祉施設的な運用ということが可能な建前に相なっておるわけであります。
  31. 野本品吉

    野本品吉君 こまかい問題がまだありますが、最後に私は別な問題で一、二お伺いしておきたいと思う。まあ、今まで私が質問いたしましたことは、要するにこの制度の理念的な問題、それからしでいろいろと研究を要する点のおもな点を指摘したつもりでありますが、次にお伺いいたしておきたいと思いますることは、実は先般松野総務長官が出席されましたときに、恩給法の規定によりまして支給されております恩給あるいは年金というものを受けておる者が、年末において非常に苦しいところに入っていく、この機会をねらいまして、悪徳金融業者が手を伸ばしまして、いろいろとおもしろくない事態が発生しておるわけで、私は年来事務当局とも話し合ってきたのでありますが、これは法律改正も必要としなければ、また予算の点に手をつける必要もなし、ただ政令の一部を改正しさえすればできるので、そこで十、十一、十二の三カ月分を一月に支給しておるのを、これを年末資金的な意味を持たせて十二月に支給してもらってはどうか、また、そうしていただくことが非常にあたたかい行政ということになろうと思う。これは松野長官は、大藏省とも十分話し合ってみるという答弁でございましたが、この際大臣の御所見を承わっておきたい。
  32. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 恩給の支払いの問題で、十、十一、十二ですか、三カ月分を一月に今まで支払っておるものを、十二月に支払うようにしたらどうか、さすがに野本さんその方の専門家であられるし、十分実情に即した御意見のように伺います。私どもまあ大体よく気のつく方ですが、そこまでなかなか気がつかなくて申しわけなく思いますが、まあ気がつかないばかりではない、一つは御承知のように郵政省で恩給支払い事務を扱っておりますが、年末年始の関係でなかなか忙しいのです。大きな局でございますれば、専門に分れておりまするから、年賀郵便で忙しいというわけじゃございませんが、小さな地方の郵便局になりますと、その辺が一緒でございますために、事務的に相当忙しいということで、扱いかねるというようなことがあったやに実は伺っております。しかし、私は今御意見として出されました点、しごくもっともな話であり、せっかくの恩給制度から申せば、一つ努力をしてもその程度は実現さしたいものだと、かように考えております。郵政省が所掌でございますから、本筋どういう案を持って参りますか、同じ政府部内のことでありますから、よく話し合って、せっかく出します恩給、これは十分時宜を得ていくように処置したいものだ、かように考えております。
  33. 野本品吉

    野本品吉君 その問題につきましては、実は先年、去年でしたか、恩給局、郵政省の事務当局ともいろいろ話し合って参った問題でありますので、ただいままあ御親切な御答弁があったわけでありますが、ぜひその点につきましては具体的に解決のできますように大臣に特別な御配慮をわずらわしたいと思います。  それからもう一つは、この間の恩給法の一部改正という法律案の附帯決議の中に、昨年衆議院の内閣委員会おいて船田委員長から委員長質問という形で恩給制度恩給内容等につきまして残されたいろいろな問題についての質問がありました。それに対しまして、政府はできるだけ早く研究して具体的に対処をすると、こういう御答弁がありました。その答弁が、さらに今度の国会におきまして衆議院では強い附帯決議として恩給法の一部改正法案につけ加えられたわけでございます。これらの附帯決議の、趣旨を実現いたしますためには、これまた大蔵省当局の格別な御配慮をいただかなければならぬと、こう思うのです。あの附帯決議に対します一応の大蔵省当局の御意見と申しますか、その点をお伺いしておきたい。
  34. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまのは恩給についての附帯決議の方かと思いますが、ただいま御審議をいただいておりまするこの国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議、この方は実は材料を持っておるのですが、この方でしたら一つ申し上げることができると思いますが……。
  35. 野本品吉

    野本品吉君 違うのです。
  36. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) それで今ちょうど材料を持っておりません。しかし、在来何で私がただいまのようなことを申すかと申しますならば、政府は両院の附帯決議については十分尊重するということをいつも申します。この問題については、ただそういう意味の同じ言葉を繰り返すのでは申しわけないと思うので、附帯決議の条項を十分読み上げまして具体的に私どもの気持を披瀝したい、こういうことで今材料を探したわけであります。しかし、いずれも附帯決議をつけられます前に、事務当局といたしましても、また政府といたしましても、委員の方々との意見も十分交換をいたしておりますし、従って内容はよくわかっておりますが、今後附帯決議についてほんとうに誠意をもちましてこれが実現に努力する、このことを明言をいたしましてお答えにかえさしていただきたいと思います。いつも附帯決議については、同じようなことを申しますけれども、私ども責任をもちましてこの附帯決議を尊重していく、この考えを重ねて御披露いたしておきます。
  37. 野本品吉

    野本品吉君 ほかにいろいろとこまかい点について御質問申し上げたいと思う点もあるのでありますが、一応私の質問はこれで終ります。
  38. 横川正市

    ○横川正市君 第一点は、これは前回質問をいたしておりますが、資料をもらってからまだ再度お尋ねしておりませんので、この点、計算上のアンバランスになっておらないという、そういう点での回答をいただきたいのでありますが、それは一般職の場合とそれから警察官と自衛官の場合で、警察官の場合、自衛官の場合は十五年で三五%ということに年金額がなりましてその後年を追うごとに一・五%ずつ追加いたしていきますから、一般職の場合で二十年の四〇%のときには自衛官それから警察官の場合には四二・五%、こういうふうになるわけであります。ただこの場合は、勤続年数の平均率がいささか一般職とこの警察官の場合とは追うのじゃないかと思いますが、そういう勤続年数の長短によってバランスをとったのか、その点をお伺いしたい。
  39. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) ただいまの御質問、警察職員退職年金一般職員退職年金給付率のバランスの問題かと思いますが、確かに警察職員は十五年で年金がつく。従って二十年、二十五年程度までは一般職員よりは給付率はよくなっております。三十年を過ぎますと一般職員と全く同じというような給付率に相なっております。これは従来の恩給法のもとでも、一般公務員に比較いたしまして、警察官は十二年で年金がつく。一般職員に比べまして十二年で年金がつく。しかも十二年でつく年金一般公務員が十七年でつく年金と全く同じということになっております。これは警察官というものは職務上早くやめなければならない。あまり年をとった方は警察官としては不向きであるというような考え方から出た制度であると思います。この制度を新年金制度に切りかえる場合にどういう制度に切りかえるか、これは政府部内で議論があったようでありますが、ただいま申し上げました給付率で一応結着はついておるわけであります。ただ、これが一般職員警察職員というものの給付待遇上のバランスがとれたものかどうかということにつきましては、議論のあったことは確かであります。これは将来こうした職員等を含めました公務員の待遇の総合的な検討をいたすまでの問の経過措置ということで、この法律でも附則にきめておるわけでございます。過去の沿革等を考えまして、差し当り著しくバランスを失したものではなく、むしろ従来の給付上の差は縮まっておると、かように考えております。
  40. 横川正市

    ○横川正市君 大臣お尋ねいたしますが、この積立金の運用部資金のうち三〇%がこれは資金運用部に入っていくわけなんです。それで衆議院の大蔵委員会での審議の過程でもこの点は問題になっておるようでありますが、資金運用部の、大体総理が議長でありまして、大蔵大臣、郵政大臣以下それぞれ関係各省のほか、学識経験者五名以内、現在は小汀、酒井、石坂、中山、工藤と、こういう人たちが入って実際上運用の審議に参両をいたしております。ただこの資料からいきますと、現在一兆四千九百八十八億四千六百万円という金が運用され、それからその利率を見ていきますと、利率は低いところは三分五厘、高くても七分三厘、こういう運用利で運用されておるのでありますが、実際には私はこれは最近の一般庶民の利殖観念から考えてみても、こういう低利運用、国策的低利運用の資金というものは、逐次このまま放置すれば減少するのじゃないか。もっと投資的な、あるいは信託とか、それから預貯金の中でも民間機関で利用する預貯金を一般庶民が利用するような結果になるのじゃないか。そうなればこういうような資金運用部資金の資金については、非常に資金的には計画があって、実際上は金が集まらない、こういう結果が出てこないか。ことに先般郵便貯金の増強率というのは、非常に緩慢な線を画して、その資金の積み立てについては計画に見合わない状況が出てきておる、こういうことまで言われておるのであります。その点についてこのままの運用をずっと持続していくつもりなのかどうか、それが第一点。  それから第二点は、この金を集める窓百である郵政省の実際上の運否は、ずいぶん各個に困難を来たしておるようである。個別に非常に預貯金をするものの勧誘が非常にむずかしくなってきておる。あわせて事務費その他の内容を見てみると、これは大臣が郵政大臣されておったときにも問題があり、その後借り上げ金みたいな格好で、実際上は支払いを行わない金が百何十億か累積されて貯金関係の運用をされておった。ひいてはこれは郵政省の貯金会計にも響く問題でもありますし、それからそのことはこの預金の増強に相当大きな影響力を持つことである、こういう二重の作用が起ってくると思うのであります。この点で現状のままこれを推移するつもりか、解決する何らかの方策を打とうとされておるか、これが第二点。  それから第三の問題は、私はやはりこの庶民の金でありますから、なるほど運用されておるそのものが、名実ともにこれは一般に害われる独占企業とか、あるいは大企業だけに回されるという、ふうには、私は指摘することは当らないと思うのですが、この金の実際上の運営については、もっとその預貯金を行なっておる者への還元を思想的にもっとはっきり持つべきではないか。そういう点で第二点としては今度のこの年金その他の額からいっても、相当大きな金が実際上運用されるようになるわけですし、そういう見通しがはっきりしておるわけですから、そういう点からいってこの運用の実際上の人員構成というものに対して、もう少しこの庶民の声も相当いわば専門的にということよりか、実際的に入る方法というものを考えるべきじゃないか。そういうことが私は今の内閣でとり得ないと言われておる一面を政策的に私はある程度国民に納得せしめる方法になるのではないか、こう思うのでありますが、そういう点をあわせてこの運用の問題について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  41. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 資金運用部資金については考えさせられることが非常に多いのです。ただいま横川委員が御指摘になりますような点も、それぞれ問題がございますが、基本的には、これは何と申しましても、堅実でなければならないと思いますし、堅実といいますか、確実である、これが必要だと思います。大事な資金でございますから、この運用において一歩を誤まり、そのことによって国民全体に御迷惑をかけるようなことがあっては相なりません。そういう意味おいては確実第一といいますか、そういうことであり、またせっかくの資金でございますから、やはり利を生んでいくことを考えなければならない。そういう意味でこの運用の相手を選ぶ場合に、非常に問題を注意いたしておるわけであります。従いまして、一般金融の場合とはおよそ事柄が違っておる。さらにそこへもって参りまして、ただいま御指摘になりますような資金運用部の資金の中には、いろいろの性格のものがございますから、そういう意味おいてはその資金が生ずるこの場所によりましても、その目的に沿うように扱っていく。できるだけ資金を出した人たちに還元するような方法を、平たく申せば福祉的な方向にそれが使われていく。これは当然私どもは工夫していかなければならぬことのように思います。よく資金運用部資金が大企業、独占企業に重点が置かれて、一般の福祉施設の方はおろそかになっているじゃないかというような御批判をしばしば受けるのでありますが、ただいま申すように、還元融資というか、できるだけそういう意味で役立つようにということで、最もはっきりいたしておりますのが、住宅施設などについてこういうような資金が回っていくとか、あるいは公社関係の鉄道であるとか、あるいは電信電話であるとか、こういうものに使うとか、最近は道路に使うとか、それぞれ非常に公共的性格の強いもの、いわば産業の面におきましても、廃業の基盤あるいは基幹産業、こういうような意味で非常に厳選しているつもりではございます。しかしながら、まだ、たとえば中小企業の金融機関に対する運用の総ワクとしては非常に不定であるとか各方面の要望のいろいろ強いことは承知いたしております。そういう点を今後の問題といたしまして、私どもも機会あるごとに工夫し、考慮して参りたいと思います。在来の方針とあまり変った考え方は生れてこないように思います。そこで、審議会のメンバー等につきましても、どうも役所の人間が非常に多いんじゃないか、これは性質上、ただいま申すように、資金運用部資金の生ずる個所等のことを考えて参りますと、その責任者としては、やはり役所の人間が非常に多くなる。そこへもってきて民間人、学識経験者というものがきわめて数少いというか、そういう意味で最近も、在来の小汀さんと、それから石坂さん、この二人を二十三日にかわっていただくことにいたしまして、小汀さん、石坂さんのかわりに末高教授と、それから足立正さん、それから在来の中山さん、工藤さん、酒井さんというのがそのままになっております。こういうような方々は非常に良識のある方でありますし、広い範囲において知識を持たれる方でございますから、十分先ほど御指摘になるような点については、私どもに対しても積極的に意見を述べられますし、そういう意味では私どもも仕合わせに思っているのであります。問題は、しばしば、ちょうど新聞に出ている。先ほど御指摘にもなりましたが、資金運用部の資金として免ずる個所が自分のところで専門にというようなお話しがございますけれども、非常に、範囲を極限しないで、やはり広い視野に立ってこういうものが運用されることが望ましいんではないか。そういう場合において特別な厚生施設、いわゆる福利施設において欠くるものがありますならば、こういうような委員会を通じまして十分私ども考えて参りたい。できるだけまとまったところで、窓口を一つにしてこういう金が運用されることが、大局的に見ていいのじゃないか、こういう考え方、この考え方は従前通り、今なお実は堅持しているような次第であります。先ほど来、御意見あるいはお尋ねとして、資金運用部資金の運用あるいは審議会の構成、あるいは審議の経過等についての疑問にされる、あるいは意見として発表なさいました点など、私どももしごくごもっとものように思いますが、ただいまのところ、委員はきめたばかりでございますので、今回はこの委員でやっていきたいと思いますが、実際の運用に当りましては、十分御意向を尊重して参る、かように思っております。
  42. 横川正市

    ○横川正市君 金利の問題なんですが、これは、こういう種類の金だから、一般市中銀行から借りる金よりか安く借りられると、それがひいては、間接的ないわば利益を一般庶民が享受しておるのだこういうような回りくどいあれなんですが、実際上は、やはり預けたものにもう少し返すという直接的な意味がもう少しあるのじゃないか。そうなれば、郵便の貯金の場合は、普通預金それから据置預金の場合の利率は、据え置きの方が少しよくなっておりますが、普通に言う一般普通預金の場合なんか幾らかよくしてやると、こういう運用もあるのじゃないか、そうすれば、百円か二百円ぐらい積み立てた子供なんかの預金の利子はあえてあれにはしてないとはいいながら、どうもあまりにも利子に差をつけておくということは、私は方針としてはおもしろくないと思うのです。そういう解決の方法はないだろうか。  もう一つは、これは郵政省の実際上の貯金局の連帯は、ことしあたりで、ことに今後のベース・アップ等を入れますと、相当運用が困難になってきておるのだと、おそらく大藏省も見ておるのじゃないかと思うのですが、そういう運営そのものが困難になってきておるということを、どう解決しようとされるのか、これが一つ。  もう一つは、そのことから来る実際上の募集その他に当る実務からいって、もう少し何かしやすい方法といいますか、あるいは相手側の骨ばれる方法といいますか、それを当事者に与える、こういうことが必要なのじゃないか、この二面は、大蔵省としても、郵政省にはまかし切りにしないで、もう少し考えてやることが私は必要だと思うのですよ。窓口運用とその両者相待ってやらなければ、資金の調達ということは困難になってくるのじゃないか、こういう点からお聞きしておるのであります。
  43. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 大事なお尋ねの点をすっぽかしたようで申しわけございません。金利の問題について、先ほど申しますように、確実であることが第一だということを申しましたが、確実だということは、もうどうしても金利が安いといいますか、そういうこともあるということを御了承いただきたい。しかも、政府自身として考えます場合には、何といっても低金利政策、低金利政策という言葉こそ使っておりませんが、融資の金は、やはり安い方が本筋のように思います。政府上自身、資金運用部資金の金利と民間資金との相違は、やはり民間の方は不確実というと言葉が言い過ぎるのでございますが、ときに危険を負担しておるという意味おいて、やはりある程度高い金利をどうしても要求しておるということだろうと思います。そこで政府自身考えておる低金利政策の方向で金を運営していくと、それが全体として役立つ、非常に回りくどいような話しですが、預かる金に対して支払う預金金利は、そういう意味で、おのずから制限を、受けるということに理解を願いたいのでございます。そこで、この一般普通金利についてもそういうことが言えると思いますが、公定歩合を三回にわたって下げた、そこで預金金利は、もう今度は下げるべきじゃないかという議論が一部に横行いたしております。だんだんそういう意見が強くなっております。ことに今回は、この預金金利に対する課税の問題も実施することにいたしましたので、本法そのものではございませんが、預金金利に対する課税も一部するようになりますので、そこでなおさら預金金利を引き下げるということが、預金を吸収する上において支障を来たすだろう、課税と預金金利の引き下げ、この二つが非常な負担になるのじゃないか、こういうことで、今日の金融状態から見て、今なお預金を奨励せざるを得ない状況にあることを考えてみますと、預金金利を引き下げることはまことに困難でございます。しかし、一般の金融機関おいても、いわゆる低金利政策という、融資の面において金利を下げるという方向に進んでいくといたしますと、預金金利も下げざるを得ないという状況になるのじゃないか。そういう場合には資金運用部の資金の金利は、一体どうするかということでございますが、ただいまのところ、これは低いのでございますから、ただいますぐそれにさわるという必要はないだろうと思います。そこで、これは金利の問題は、そういう意味で基本的なお話をいたしました。横川さんは資金運用部の資金の預金金利というか、それはもう少し引き上げたらどうかというお話しでございましたが、これはやはり融資金利に響いてくることでございますから、なるべく避けたいという私ども考え方であります。  そこで、郵政省の郵便貯金の問題でございますが、ただいま申す預金金利に対して課税をいたした結果、これがふえたというわけでもないでございましょうが、きわめて最近の郵便貯金の伸び方はいいように実は思うのであります。この点では郵政省の事務当局等も、あれが影響したのだ、預金金利に対する課税が影響したのだというような言い方をしておられますが、昨年なり一昨年なり相当資金運用部資金としての郵便貯金に対しての依存度、これが高かっただけに、思うように集まらなかったので非常に心配をしたこともございますが、これは今後の問題として、経過を見ていかなければならぬと思います。私ども金利の面で貯金を奨励するということ、これは一つの実際の手つとり早い方法はわかりませんが、郵政省の職員が郵便貯金の奨励なり、新しい制度を設けることによって勅加入者を勧誘されたり、あるいは簡易保險等もいろいろ勧誘され努力しておられる、これはよく承知いたしておるのでございますが、私はただいまのところで実務者に対する十分の手当といいますか、十分とは申しませんが、今日の手当では非常に不足だ、こう考える筋でもないのじゃないか、しかし、こういう問題は実際の実務と十分にらみ合せて、さらに郵政省当局において処理されるべきことじゃないか、こういうふうに思いますが、ただいまのところ、一般の市中金融機関の預金吸収の状況と、郵政省における郵便貯金その他の預金吸収の状況なり、あるいは生命保険会社などがやっております事柄と郵政省の簡易保険の勧誘の状況とかいうものを勘案いたしてみますと、一応バランスがとれている状況じゃないか、こういうふうに実は感じております。しかし、これは今私が抽象的にそういうようなことを申したって実際はどうなっておるかというようなことはお話もございましょうから、これは郵政事務当局の実際の説明を十分聞きまして、もし必要ならば、もちろん考えなければならぬ問題だろうと思いますが、ただいまのところ、そこまでの心配はないのじゃないか、こういうように考えております。
  44. 横川正市

    ○横川正市君 今の説明を逆にずっとあげていくと、これはおそらく郵政大臣と大蔵大臣と一人で兼ねておられたのでありますから、期間的にこれは違っておりましても、それぞれちょっと矛盾をするのじゃないかと私は思うのです。ただ貯金局の経営そのものは、おそらくは大藏省でもこのまま放置することはできないのじゃないか、ことにベース・アップの問題であるとか、他の部局との諸設備の平等といいますか、そういった問題をはかっていくのにも相当困難になるのじゃないか、こういうふうに思われますので、これは私は数字でもって御指摘いただければ一番いいわけですが、今はそれほどあれしませんので、後刻またこの問題について伺いたいと思います。  それで次の問題ですが、この共済の実際上の運営に当って、私はたびたび指摘をしたわけですけれども、大体現行のベースを基準といたしまして、将来の物価の上昇率ないしは国民生活の上昇に伴って自然にその負担が過重になる。これはベース・アップの形で現われてくる。そういう場合に経営には今度は逆な意味で、経営それ自体は赤字に私はなってくると思う。そういう共済組合の、そういう経済的な状況から来る赤字について、在来のあれでいきますと経理規程八十一条で、これはまあ大体政府は負担をしておったわけです。ところが今度の場合は、三十三年の十三月の施行令の七条十二項によりますと、そういう経済の変動に伴って出てきたときに考える、こういうことになっておるわけなんです。これは少し現行とはいささか後退をしたものの見方じゃないだろうか。当然この経済の変動というのは、実際上私はあると思うのです。そういうことが起り得るということを予想しておって、それの対策が、その起った時点で解決をしよう、こういう考え方は、私はちょっと政府の逃げ場としてはずるい逃げ場じゃないか、こう思うのでありますが、明確にこの経理規定八十一条によってきめられた方法をこの際とるべきじゃないか、こう私は思うのでありますが、その点について事務当局から説明して、あと大臣一つ説明願いたいと思います。
  45. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 経理樹程の八十一条は、従来の経理規程の八十一条、責任準備金の問題であります。その従来の責任準備金引当金の規定は、過去に、つまり新年金制度にならないもとの、旧共済組合制度規定でありますが、旧共済制度のもとでは、御承知通り恩給法の方で給与ベースの引き上げをやって、やめる方の年金がふえたという場合には同じ官吏、雇傭人とは申せ、国家公務員でございますので、すでにやめられた雇傭人の共済半金の分も一応恩給と歩調を合せて、そのベース・アップ改訂に伴う追加費を負担する。そういう意味規定が八十一条であります。で、その旧制度のもとにおきましても将来物価変動ないしベース改訂がありました場合に、その部分を国が負担するという規定はなかったわけでございます。これはやはり保険制度建前から申しまして、将来のことまで約束するという建前はなかなかとりにくいわけであります。今回の法律におきましては、厚生年金あるいは国民年金と同様に、少くともこの長期給付の費用は、五年ごとに再計算するという規定を入れまして、むしろその点は明らかにいたしておる次第でございます。五年ごとに再計算する措置にいたしております。
  46. 横川正市

    ○横川正市君 整理資源を政府が特別会計、一般会計ともに見るとは言っておらないのですね。実際上は私は経理規程八十一条によって処理されておったのは、たとえば恩給なんかの場合には、全くこれはどんぶり会計というか、大福帳的な会計制度であって、いわば今度のように両者負担そのものを基準として経営を計画していかなくても私はよかったから、八十一条で間にあった、こういう説明に私はなるのだと思うのです。ところが、今度のやつは両者、国庫それから個人のそれぞれの負担によって積立金方式をとっておるわけでありますから、そうすると経営そのものに赤字が出た場合には、これはそのままの考え方でいけば両者が折半負担が妥当なんだというふうにずらっと流されて考えられるおそれがあるのじゃないか。それが三十三年の十一月の施行令の七条十三項の精神ではないか。そうだとすればいささか、私はこれはこの共済法の由来をくどくどと説くことはここでやめますが、この程度のものはやはり国庫が見て、国がその赤字を補てんしてしかるべきじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、それまでも組合員に、雇用者と被雇用者との関係でそれを全然無視して折半負担をさせるということなのか、それとも、そういうこともあるかもしらぬが、大体はこういう事態が起った場合には国で処置をしたい、こう思って、その事態の起る時点において検討すると、こういうことなのか、これは将来の問題としては非常に重要なので、はっきり一つしていただきたい。私はやはりこれは国がこの程度のものは見るべきである、こう思うんです。
  47. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまの横川委員お尋ねでございまするが、今回の共済年金制度は、前々から御説明申し上げておりますように、やはり一つの保険制度に相なっておるわけであります。従いまして、やはり今後の問題といたしましては、やはり、先ほど申し上げましたように、五年ごとの再計算という規定を置いておりまする趣旨から見ましても、やはり保険制度のワクの中で問題を解決をいたすのが筋合いではないか、これは今後経済も安定して参ることでございまするし、かつまた給付のベースも三年平均と相なっておりまするから、最終俸給ベースに比べまして、その点はだいぶ緩和せられるかと思うのでありますが、いずれにいたしましても、保険制度というものをとりまする以上は、やはりその建前の中でやるべきだというのが、今度設けました五年ごとの再計算ということを書いておりまする規定の趣旨でございまするので、今後どういう事態が起りまするかということにつきましてのいろいろな考え方はございましょう。われわれといたしましては今のような趣旨で御提案を申し上げたわけでございます。
  48. 横川正市

    ○横川正市君 ですから、その場合には、この組合の構成が、政府、国庫負担金と、それから組合員の負担によって構成されているから、そういう経済その他不可抗力によって起ってきた事態に対しても、これは思想的に折半思想なのか、それともそうでなくて、政府としては別途その場合検討するということの中には、国が相当程度、責任を持ってこれらの赤字に対処する、こういう思想なのか、その考え方がちょっとはっきりしないわけなんです。
  49. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 再計算をいたしました結果をどういたしまするかということにつきましては、筋合いから申しますれば、料率の問題、それが一つ、それから給付の問題、両方あるわけであります。従いまして、料率の改訂をいたしまするか、あるいは給付の方におきまして調整をいたしまするか、そのときのきめ方だと思うのでありまするが、お尋ねの点の料率の改正を行いまする場合の負担の問題につきましては、これはやはり今の負担率を頭におきまして、それを踏襲するんだというふうにお考えをいただきたいと思います。
  50. 横川正市

    ○横川正市君 その今の問題は、私はこの社会保障制度審議会答申の内容からいぎますと、実際上は料率の問題は、国庫負担二〇%という線で審議会の答申が出されておるわけですが、これは一〇%になっておるわけです。そのほかを折半負担になっておるわけです。ですから五五、四五という率ですね、この負担率がどこに線を引くべきかということになりますと、私はこれはやはり、この財政上の問題もありましょうし、それから思想の問題もありましょうし、いろいろそういう関係から、結論は出てくるのは別だと思う。今のところとられておるのは、船員、厚生年金、それぞれとってみましても、一五%、二〇%という率があるわけです。ただその内容がいささか違うということでありますから、その点はそれが一つの理由にはなるでありましょうが、料率の問題からいけば、私はまだいろいろ論議の余地があると思うのであります。ですから結果的にはこれは経営の問題に相当大きく影響のある場合は、これは私は組合運営それ自体の根本問題でありますから、それは相当深刻な内容の検討を行なって、それに対処するということになると思うのであります。ただ、経済上の変動ないしは職員生活の水準の上昇というところからくるベース・アップ等によって、著しく赤字が出るという場合も私は予想されますし、それからもう一つは、今度の共済組合の運営それ自体に実は私は相当手心を加えておって、何年か経常を見越していきますと、現行の給付率を改正してもう少し上昇せしめていいんではないかという予想も私は立つんじゃないかと思うんです。ですからこういう経営がよくなる点については、これは当然いいわけでありますが、赤字になる場合だけ国に持たせるというと何か矛盾しているようですけれども、しかし実際上は国がそれだけの責任を負うことは、それほど私は一方的に国に負わせたということにはならんと、こう思うので、この点一つ伺いたい。現在そういう事態が起った場合には検討するということになっておるわけですから、私はそれで一応了承するとして、相当それはやはり国が責任を持ってこれを解決するんだということは、割に組合員に負担をかけないで、そういう場合にはできるだけ善処したい、こういう考え方だということぐらいは、大臣から言っておいてもらいたいと思うのです。
  51. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先ほど来事務当局から説明いたしておりますように、保険制度という建前、理論的に申せば事務当局が申す通りだと思います。しかし、今後の問題といたしましては、過去の恩給の場合におけるいわゆる経済変動の場合にどういう処置をとったか、あの際でも恩給基金だけはわずかながらも実は出しておる、そういうことがありますだけに、その経済変動に処しても、やはり国が旧恩給権者に対してもベース・アップの恩典を均活さして、今回そういう恩給制度とは変る保険制度ということですから、理論的にはただいま主計局長からお話した通りだと思いますが、実際の問題として解決する場合には、十分そのときの実情を勘案して結論を出さないといけないことだと、もう議論から申せばそういう場合になれば、この料率の問題と給付内容でバランスをとるんだと言ってしまえば味もそっけもなくなりましょう。その点はそういう事態に当面したとぎに、十分理解ある処置をとるように今も御意見が述べられましたから、私どもその点十分記憶にとどめまして、今後対処して参るようにいたしたいと思います。
  52. 横川正市

    ○横川正市君 それから今度の出された共済組合法と、それから前回ここで審議をいたしました五現業の共済組合と大体内容を一にしております。ところが、これは二十六国会かに通過いたしました三公社の退職年金とは、いささかその内容を異にいたしております。その異にしております点を、今度の場合には一時金の暫定措置法の方で大体三〇%程度の上昇をするように改訂をされて、そうして出されて来たわけですが、政府の説明によりますと、これは長期給付の計算基礎が退職前三年平均本俸であるということと、それから現行三公社の退職計算率とは大体三%程度の開きにとどめることによって均衡がとれる、そうするためには二割程度の上昇が必要であった、こういうふうに説明をされているようであります。ところが、これはその前回五現業のいろいろ審議をしましたときに、私どもが何回も確認をいたしましたのは、別行の五現業の一時金を確保することが、これが三年平均本俸と見合うんだ、こういうふうに説明をされているわけなんです。そうすると今回の改正は今度は逆にアンバランスになったという見方が、私は出てくるのじゃないか。この点でまあ数字的に言えば、五〇・五かける〇・九七ですか、これが五〇・五かける百と見合う内容だ。それは最終本俸か三年平均かだと、こういうふうに説明をされているようですが、これは少し政府の説明は、そのときによって都合よく説明されておって、計算の結果では私はなさそうに思うわけです。この点でおそらくまあ将来の問題として相当これは残る問題だと私は思うので、この際の改正をこの場で行うということは、これは望ましいことでありますけれども、将来ということよりか、最も早い機会にこの点については一つ改正をする、こういう政府の態度が私は必要だと思うのでありますが、この点についてまずその御意見を伺っておきたい。
  53. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまのお尋ねの点は、三公社の場合には最終俸給ベースにいたしました給付をいたしておりますものでありますから、一時金といたしましての退職金考えます場合に、最終の三年、平均の俸給を基礎といたしまする五現業ないし一般の非現業の場合と比べまして均衡をとる必要がある。その意味におきまして最終俸給と、三年平均というものを比較いたして見ますと九七%、これは横川委員の仰せでございますが、別に達観的な数字ではございません。詳細な資料に基きまして計算をいたしまして、九七という数字になったと思います。従いましてその両者の均衡はそれで維持されているのでありますから、お尋ねの点は将来最終俸給ベースを切りかえないかということであろうかと思うのでありまするが、今申し上げましたような均衡ででき上っているものでございます。それからまた私どもといたしましては、全体の保険制度建前からいたしまして、むしろ最終俸給というような最後の一年というベースじゃなくて、むしろ三年くらいの平均をとる方が、保険制度としてもより円滑な運営ができるのではないかということもございまするから、私どもといたしましては、今の建前で進んで参りたいというふうに考えているわけであります。
  54. 横川正市

    ○横川正市君 そういう答弁になると少しかたくなるのじゃないかと思うのですが、それならこれはやはり前回の五現業のときに、現行退職率で最終本俸という一つの線が私はあったのじゃないかと思う。案としてはそういう内容があったわけですが、まあそれでは実際上国庫負担のいわゆる一時金の増額を必要とする趣旨から言っておもしろくないから、そこでまあ一時金を増額をして三年平均本俸、これは三公社と見合うのだ、こういう説明があって、そしてこれは通過をするときに衆議院の大蔵委員会で、大蔵委員の中から退職率の引き上げについて附帯決議がつけられた。その附帯決議をつけられた趣旨というものは、これはどうも一時金の率が少し幅があり過ぎる。だからこれは検討してみてくれないかという趣旨の附帯決議であったと私は思う。そのときの大蔵省の答弁は、これは三年平均と、それから最終本俸、それからこの二割五分増額したものと三公社の退職率、これは見合ったものであるけれども将来検討しましょう、こういうことで、あの附帯決議を私はのまれたと思うのです。そののまれた結果、今度計算をしてみた結果二割の上昇が生まれてきた。しかもそれは計算としては五〇・五かける〇・九七、これが見合う数字なんだ、こういうふうに説明されてきたわけなんですが、私は最終本俸とそれから三年平均本俸との二十年の比率というやつを実際上計算してみますと、二十年で四〇%には、今度の退職年金では実はなっておらない。三年平均本俸にすることによって三八%程度の率しか確保されておらない。この二%、これは毎月々々低くもらう一般職と、それから事実上四〇%を持っておる三公社の場合、これとを計算の一つの基準にして、そして退職率というものは考えるべきなんで、そのうちの計算がいささか私はずさんだと言えば、大蔵省は数字の官庁ですから、どうも言葉が当らないかもわかりませんが、ふに落ちかねる数字だということは、私は言えると思う。そういう点から、この点については、実際上五現と一般職の場合には、退職率が国鉄並みであって、それなら最終本俸にしてもらいたい、こういう要望があった場合に、果して大蔵省は、そうしましょう、こういうことになるのかどうか。それとも、それはまずい、五現と一般職だけ直した方がいい、こういうことになるのかどうか。私はここの分れ目だと思っておるのです。その点で、今局長の言われたようなことでは、まるっきり数字に間違いがないのだ、こういう結論のようですが、私はどうも数字にいささか違いがある、こう思っておるわけですから、その点つはっきり御答弁いただきたいと思います。
  55. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 数字の点につきましては、九七%がおかしいじゃないかという御指摘でございますが、この辺私ども正確にいろいろな角度から計算いたしまして、年金面の差を、一時金である退職金の上で表現いたしますと九七%と相なりますので、この数字を採用いたしたわけでございます。
  56. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの九七%をめぐる議論はなかなかむずかしい問題でございまして、横川委員の耳にも届いている話だと思います。いろいろ精査いたしまして、数字を突き詰めた結果、九七%という数字が出まして、そこで権衡のとれたということに相なっておる。その経過だけ、その結論だけを申し上げまして、この議論はそういう意味で一応結末のついた事柄のように実は理解いたしておるのであります。あるいはその見方によっては、九五%でいいとか、九六%、あるいは九六%何分とかというような、いろいろなこまかい数字があったようですが、最終的に数字をつめた結果、九七%、これで均衡がとれたということに相なっております。この結論だけを申し上げまして御了承いただきたいと思います。
  57. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 関連して委員長からお尋ねいたしますが、今の横川委員の御質問ですが、今バランスがとれておるところの三公社並みにすることに疑問があるようですが、三公社並みにするならばすっきりするのですね。その意思はあるのですね。
  58. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) この数字は、ただいま申し上げるようなことで、数字はまとまっております。それは、建前は、三公社の建前一般公務員、五現業というものとはやはり違う。建前といたしましては、やはり三年の平均という方が、政府といたしましてはそれを現実に守り抜きたい考え方でございます。従いまして、三公社の方がそういう方向に変っていただきますのは非常に仕合せでございますが、在来からの関係で、そうはいかないということであります。そういう意味で、数字をつめた結果、三年平均ならば九七%ということで最終的に結論を得た、かように御了承いただきたいと思うのでございます。
  59. 横川正市

    ○横川正市君 これは、計算をちょっとやってみればすぐ出てくる問題なんだと私は思うのです。なぜかといえば、退職一時金は一回のものなんですね。それから年金は毎月もらうものなんです。一回のものの率が三%低いということなんです。この案でいけば。それから毎月もらうものは、三年平均と最終本体では、これは二%ずつ違うということなんです。計算の内容からいって。どちらが多いか少いかということは、これはおのずと出てくる数字なんじゃないか。そういうふうに端的に私は大蔵省考えていただいているのじゃないだろうか。もしそうでないとすれば、今委員長の言ったように、九七%にして、最終本俸から……。もし逆にするならば、これは三公社が非常に怒るだろうと思う。なぜならば低くなる。ですから、私はやはり五現と一般職は最終本俸九七%一律にすべきだ。それならばこれは大蔵省としても、理論的には三年平均というのは、これは共済建前からいって安全度、それから最高制限額を加える、こういう三つの意味からいって、確かに三年平均が必要な方策だとは思うけれども、実際上もらう側から言いますと、計算上少しこれはさしが合いませんということになりますから、その点を大蔵としても考えていただきまして、将来というか、きわめて早い機会にこの点については検討するというくらいは、やはりこの機会に御答弁いただかないと、ちょっとこれは引き下がれない。今ここで数字の突き合せをする必要が出てくるということになるわけです。
  60. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先ほど私お答えいたしましたように、これはやはり、三公社五現業あるいは一般公務員、それぞれ職場において特殊な組合としての発展がございます。共済組合制度にいたしましても、それぞれの発展がございますので、そういうものをある時期に一本に、理論的に正しいからというだけで、なかなかまとめかねるものがあるわけでございます。この点が、各組合には組合の主張があるやに実はうかがうのでございまして、そこで数字を突き合してみて、その数字的な均衡のとれたところで御了承いただくということを主体にいたしまして、実は九七%で大体これは権衡がとれたというところで、今回の処置に相なっておるのであります。そこで、その建前の、あるいは理論的なものから見ますと、各方面の御意見など聞いてみますと、やはり最終俸給と申すよりも、三年分というものでやることが、共済組合の保険制度としては、一番料率なりあるいは給付内容を決定するのにふさわしいといいますか、適当な基礎数字のように考えられる、こういうことが望ましいのだということは、一応御了承いただけるじゃないか。ただ、それにいたしましても、冒頭に申しますように、各現業あるいは三公社等、それぞれの発達がございますので、一がいになかなか申し上げかねておる。そこでようやく最終的に結論を出したものが九七%この際はその数字を一応御了承賜わりたい。将来の問題として、将来また別な問題が起ればそのときにもちろん検討しなければならないでございますが、今回共済組合制度が発足するこの法律案の御審議に当りましては、一段落ついたものとして御承知が願いたいということを先ほど来お願いしておる次第でございます。    〔委員長退席、理事千葉信君着席〕
  61. 横川正市

    ○横川正市君 今の大臣のお答えで、私は今回は、この案は、それではこの委員会を通過するということについてやむを得ざるものがあると思う。そういうことで一つ了承しておきたい。  その次の問題なんですが、これは、単位組合が幾つか集まって、今度の場合日は、連合会、評議員会が構成されているわけです。単位組合の場合には、共済連常審議会で短期給付を運営いたしておるわけですが、連合会の場合には、長期給付については幾つかの単位組合が連合会を組織して運営される。こういうことになるわけです。運営審議会の場合には、組合、それから中立、それから省側と、こういう工合に三者構成になっておるわけでございますが、連合会の評議員会の場合には、この制度は作られておらないわけです。ことにこの共済関係のいわば責任担当者というものが、それぞれ単位組合から一名選ばれて連合会を構成する、こういう思想の中には両者を代表する意味は入っていると思う。しかし実際上は、これは担当者が出席して運営をする、こういうことになって、事実上はこれは形式的にも入っておらない、そこで別個この会議をもって参考意見を開く、こういう制度が今作られているようなんです。それは実際上は運営には何の意見反映機関にもならないようですので、私はこの機会に、この評議員会を機構上もう少し単位組合の運営審議会のような形態に変えるべきではないか、こういうふうに考えておるわけなんですが、考え方としてどのようにお考えこなっておりますか。
  62. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 考え方といたしましては、各組合責任者と、こ下ういうことで、今の考え方でいいんじゃないかと思います。で、いかにもそれが官側だけが出るということで一般組合員として参画する方法がないと、いかにも片手落ちのようにお考えかわかりませんが制度としてはやむを得ないんじゃないか、ただそういう場合に、そういう会議に出て参ります組合の管理者というか、長というか、それが組合員の意向を無視して発言するとは考えられないし、おそらく内部的な問題としては十分ひもがついて各官側が出てくるということじゃないかと思いますし、また、事実上の問題としていろいろ考えられることはそれはまあ別の制度とは今は考えないが、そういうことは実際問題としてやって、それは差しつかえないことだと思います。しかし、私は今の責任者として、官側がその責任者であるということ自身を御了承いただくなら、組合側においても、今回の各運営委員会なり評議員会の構成メンバーとして考えられることは御了承が願えやしないか、その長になること自身がいかぬとおっしゃればこれは、それから後の会の構成も変って参りますけれども、その各官庁の長が組合の管理者としての責任を持つ、そうなると今のような構成になると思う。で、そういう会に出席する場合に、組合側も野放しにはなさらないでしょうし、また長と申しましても、これは政府機関である、政府の出資、出資というか、政府の分担の方は大蔵省自身が負担して参りますから、各省の方はむしろ組合側の意見を出してくる、こういうように見ていただけないか、こういうふうに思うので、考え方としては今の制度でいいんじゃないかと、かように考えております。
  63. 横川正市

    ○横川正市君 まあ大臣は個々の運営までよく知らないから、こういうことでやってれば、大体民主的に運営されているだろうと、それで大臣の役目は私はっとまるだろうと思うのですが、実際には運営に対していろいろ不平があるわけです。まあ不平を基礎にして考えたわけじゃないんですが、ただその単位組合である場合の審議会は、同率の代表者が出て審議をする、ところがそれは一たび連合会になると比率は今度は非常に思想的には入っていることになってるけれども、非常にへんばな代表者になってしまう。もちろんこれは今言ったように、組合の意見も十分考えてその会議に出ていくんだ、もちろんその職員側の考え方を無視するような運営はされないんだ、これはまあそう言ってみるだけのもので、実際やはり参画しない側から見ると、これに対しては不満、不平が相当たくさんある、この点を解決する必要が私はあるんじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、この点については大臣はどうでしょうか。
  64. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) まあ事実上参考意見を徴するというような方法は、これはもう問題なしに私は採用していいと思います。問題は単位組合の中における審議がどういうように行われるかということ、これは特に私どもも留意いたしますが、組合側においても十分注意していただきたい。まあ私の経験から申しましても、あるいは郵政省においても、そういう意味ではよほど注意して参っておるように思いますし、まあそういうことを考えて参りますと、しばらくやってみまして非常な不都合があれば、もちろん考え直していいことです、いいことですが、非常な大きな会議体になりますことが、まとまりのいいことかむしろ単位組合の意見をまとめてそしてその責任者が出て十分単位組合の意見を反映さすということが、望ましい形かと考えてみますと、やはり単位組合の意見は十分まとめて出てくる、それでこそ初めて会議に意味があるんじゃないか、こういうように思いますが、これらは今の建前から申せば、理論的にも正しいように思いますが、実際の問題としてはやっぱり実際にやってみないと今御心配になるような点が出るんじゃないかと思います。そして最初から対立的な考え方じゃないと考えますが、何らかそういうような意味で運営していくことがまずいのじゃないかと、かように思います。
  65. 横川正市

    ○横川正市君 私は現在諮問機関として行われておる会合が四十名くらいの会合で実際上運営されている。ですから連合会の評議員会が四十名で運営されないとこういうことは成り立たないわけですね。それでことに単位組合から五名五名で出て、運営されておる運営審議会ですから、代表一人ずつ二名が出て四十名くらいの構成で会議をやる、こういうことは望ましいことじゃないかと、こう私は思うわけなんですが、今大臣の言われた趣旨で、これは人数が多いということになれば、    〔理事千葉信君退席、委員長着席〕 これは人数の問題についてもまた別途考える余地がある、これは一つ将来に残して考慮検討してもらいたい、こういう趣旨についてはどうでしょう。
  66. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 将来の問題としては、もちろん皆様方の御趣旨を十分伺わなければならぬことでございますので、私がまあ一応の建前だけ申しております。将来の問題としてあずからしでいただけますなら、大へん仕合せに思います。
  67. 横川正市

    ○横川正市君 今の問題はきわめて一つ近い将来ということでいろいろ運営について検討していただきたい。  それからもう一つは、社会保障審議会の答申の中にもあるのでありますけれども、こういうふうに各個ばらばらに組合が出た場合、この場合には、一般職と一般職との官庁間の交流の場合には、これは問題がないと思うのです。ところが、これが公社とそれから政府機関との場合、それから地方機関と政府機関の場合こういったものとあわせて厚生年金、国民年金等とのそれぞれ交流された場合の基礎的な自分の年金額のもって行ったりもって来たりするその関係、これが今全然ばらばらになっておるわけです。この点についてもう少し私は明確にすべきだ、最もこれは必要な問題だと思うのであります。これは年金期間通算法というようなごときものが作られて、そしてそれが合理的にはかられることが望ましい、これは政府としてどうお考えか。  もう一つ、勅令二百八十七号で外地から引き揚げて来て上陸一ヶ月以内に就職された者はいいわけですが、そうでない者は九十日以内に復職しないと権利を喪失してしまうという事態があるわけなんです。これについて一般職員の場合は一年間の期間延伸等を認めて一回これを整理されたというふうに大蔵省でも説明されておるようですが、なおこういう処置によって取り残されておる者があるのじゃないだろうか、まあ人数はきわめて少いと思いますが、それに対して今回何とか救済方法はないか、こういうふうに思うわけでありますが、これについてお答えいただきたいと思います。
  68. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 最初の通算の問題、これは御指摘通りどうしても明確にしなければならないことでございます。まだそれができておらない点はまことに遺憾に思います。政府におきましても早急にその通算の原則を打ち立てる考えでございます。  それから第二の問題につきまして、教職員の問題については特に矢嶋委員からも御発言がございまして私の説明では不十分でございましたが、ようやくその問題が解決したようでございます。教職員についての実際の扱い方としては、四月がちょうどそういう時期に当っておりますから、人事の時期でもございますので、途中で採用ということが実際できない場合がございますから、在来の原則でなく処置いたしたわけでございます。その他の職員につきましては、これの採用は普通のときでもやれるという建前でございますから、原則にのっとりまして、いわゆる病気の関係とかあるいは特別な調査のためにおくれたというようなことは、個々の場合としてその実情を十分調査して解決する方法がある、かように私は存じておりますので、今言われます一番大きな問題は教職員の方であろうと思いますが、これは過般解決しました。その他は今申しましたように、個々の問題としてそのつど解決していくということにすべきじゃないか、かように思います。
  69. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいまの点について委員長からもお尋ねいたしますが、これは先般の五現業の共済組合法案が本委員会を通り、成立するに当りまして、特に当時の大蔵大臣一萬田さんに附帯決議をつけて要望をいたしたわけでありますが、そのときには一つその、趣旨に従って善処するという答弁があったわけですが、今佐藤大蔵大臣の答弁を聞きますと、一般公務員の場合は、採用の時期はいつでもできるのだから普通の教職員と違うというお話がございましたが、終戦当時の混乱の状況を考えてみますと、引き揚げてきて家族を養うのにどうするかという非常にさし迫った困難な時代であったわけでありますから、それが三ヵ月以内に就職しなければならないという余裕がなかった、意思があったにもかかわらず。ですからそれは当然特別の事情ある限りは一年以内という規定もあるわけでありますから、これは一つ三カ月をこえたということをあまり強調せずに、幸いに今も法律の上に規定があるわけですから、個々に審議はもとより必要はありましょうが、そういう特別の事情という中に多分にそういうものを考慮していくということは一つぜひ考慮していただきたいと思いますがどうでございますか。
  70. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま委員長がお話しになりましたように、終戦後、敗戦直後の混乱時代でございましたから、これは非常にやかましく言える筋のものではございません。しこうして一たん、全然再就職の希望を捨てた人という者もなきにしもあらずで、その後考え方を変えたというものもございましょう。しかし、これはやはり個々の問題として解決さしていただきたいと思います。教職員の場合はこれはもう全体として一つ就職の時期がおくれざるを得なかった、こういうふうに思いますが、そこで私は好意のある考え方で三カ月の原則をとるかどうかというところに個々の問題の解決の場合の結論が変ってくる、こういうふうに思いますが、この点は私どもも過去の経験のある方については好意ある措置といいますか、十分理解を持った措置をとるということで個々についての問題の解決をしたい、こういうふうに思います。
  71. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいまの問題で、もう一度念を押しておきますが、個々の審議はもちろん必要でありますが、どうも規定をしゃくし定木に考えておる各省があるわけでありますから、ただいまの大藏大臣の趣旨のように好意的に三カ月というふうに考えるならば、どうかそういう方針で各省を指導するように政府として、もぜひ行なってもらいたいと思いますがその点はよろしゅうございますか。
  72. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) この委員会で申しました主計局長がこの席におりますから、事務出局の間で連繋を十分とらすように私も誠意を持ってなすつもりでありますので御了承願いたいと思います。
  73. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいまの点についてもう一ぺん伺いますが、教職員は三月の異動期でなければ就職できないというので、三ヵ月を大臣も御承知通り措置されたことはきわめて適切でありまたよろしかったと思うのです。それで残るのは、他の教育公務員でない一般公務員の場合ですが、好意的に云云ということですが、それでは私は解決できないと思うのですよ、好意的云云ではなかなかそれは解決できないだろう。それは主計局長が簡単に各省庁の会計課長とか、人事課長にオーケーを与えやせんです。だからこれはやはり根本的なものの考え方だと思うのですがね。外地に行った人は、当時われわれもよく品にしたものですが、大陸勇飛というので半ば国策推進の、言葉は今適当でないかもしれないが、戦士として大陸に渡って行ったわけです。これは国家としても地方自治体としても盛んに推進して、そうして大陸に渡って行ったわけですよ。そうしてここで私がとやかく言う必要はないと思うのですが、まあ大陸で営々と基礎を築かれて、そうして敗戦によって引き揚げてくる、引き揚げてこられたときは、ほとんど素っ裸だった。そうして確かに帰ってこられても、戦後の混乱した時代だし、やみをした方がもうかるのじゃないかというのでやみ屋になった人もあるでしょう。あるいはかつぎ屋になった人もあるでしょう。それはあると思う。やってみたところが、それもいかぬというので、適当なときにやはり音とったきねづかというので公務員になった人もある。あの事情下では、これは僕は無理からんことだと思うのですよ。だからやはり一つの戦争犠牲者ですよ。終戦処理として、私はそういう感覚で扱うべきだと思うのですよ。正親軍人が戦争の推進力であったにもかかわらず軍人恩給等が復活された、それは一つの終戦処理ですね。日本の国は戦争に敗けたことがないからではあるが、第三次大戦後の終戦処理というのは、まことに僕は手ぎわよくなかったと思うのですがね、この引揚者の退職金通算の問題も終戦処理という角度からやはり考えなければならぬ。そうすると引き揚げて四、五カ月やみ屋をやって、まあこれは例ですが、やみ屋をやってそうして行き詰ってさらに公務員に帰ってきたというような人も、外地で懸命に一つの国策に沿って努力された人は通算するというのが僕は筋合だと思う。そうすればそういう方々の相当の年輩の人は退職しますよ、退職金に通算されるということになると。そうすると人事の著返りということもできる。そこで国という立場からすれば当時者も助かるし、国の人事を若返らす、それから給与費の縮減ということにもなる、一挙、二得三得に私はなると思うのですが、これは大蔵大臣のちょっとした腹の一つだと思うのですがね。あなたがそれを態度をきめて閣議で発言して、そうして閣議了解になれば、そうするともう主計局長もオーケーでさっといくと思うのですが、そうでないとやはり解決しないと思うのですが、どうですか大臣、ちょっとここで大きいところを見せて……大した予算は要らぬと思うんですがね。
  74. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) まあ、いろいろ何されますが、問題は一応処理の基本方針がきまった、やはりその処理の基本方針を今後どういうように変えていくかという問題、そこまで入ってしろと、こういうお話しですし、先ほど来お答えしているところは、一応の基準があるのだから、まあその基準を立てていこうというところで御答弁をいたしたのでございますが、それじゃ不満だ、基準から一つ考え直せという御意見かと思います。そこで私いろいろそれについてもう一度検討し直してみて、必要ならば閣議にもかけ、そうして閣議了解をするとか、あるいは政令で片づけるとか、こういう処置をとれば明確になる、そういう点を、もう少し私どもに検討さしていただく、こういうようにお願いしたいのであります。今取りあえずの問題としては、十分私は理解ある処置をとることで大部分が救済できはせぬかと思いますが、それはどうも少し不明確だ、こういうお話もございますから、もっと客観的な期間が三カ月は短い、六カ月ならいいとか、あるいは十カ月ならいいとか、いろいろな議論がございましょう。そういう点をもう一度検討してみる、こういうことに一つさしていただきたいと思います。十分好意ある処置をとりたい、こういう気持でいることだけ御了承願って、具体的処置は、なお私ども検討さしていただきたい、かように思います。
  75. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいまの大臣の答弁は非常に好意に満ちたもので、私は大臣の良識と誠意に期待をいたします。具体的には、主計局長の方で研究、推進していただきたい、私もそれを見守っていたいと思うのです。主計局長いかがでございますか。
  76. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいま大臣がお話のございましたように、私の方で事務的にどういうようなやり方でやるかということにつきましての検討をさしていただきたいと思います。
  77. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいま議案となっている点について若干お伺いしたいと思いますが、私御出席願いました人事院総裁松野総理府総務長官自治庁長官、あるいはそれにかわるべきお方がおいでになっているでしょうか。
  78. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 来ております。
  79. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 おいでになっておりますね。
  80. 永岡光治

    委員長永岡光治君) そこで、発言の途中でありますが、矢嶋委員に申し上げますが、佐藤大蔵大臣、先ほど三時から特に用があるというのをとどめておったわけですが、重点的にまず大蔵大臣の方から質問があればそれをやっていただいて、残りをあと総務長官なりあるいは人事院総裁の方にしていただければありがたいと思いますが、そのように一つお取り計らいをいただきたいと思います。
  81. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 委員長の御注意了承しました。  そこで、まず大蔵大臣にお伺いしますが、大蔵大臣は岸内閣の主要閣僚でありますから、兄岸総理にかわってそれを含めた答弁を私はいただけると思うのですが、いかがでしょうか。
  82. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 私、当委員会に大蔵大臣として出席いたしております。大蔵大臣としての答弁をいたします。
  83. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もちろん大蔵大臣ですが、岸内閣の国務大臣ですからね。岸内閣の代表的な意味を持っての私は答弁を一、二伺いたいと思うのですが、具体的にそういう何でお答え願いたいと思いますが、よろしうございますね。  まず伺いますが、この国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、これは国の責任として給付をするという立場に立っているのか、あるいは相互扶助的、相互救済的な考え方立場から、この法案というものは提案されておられるのか、承わりたいと思います。
  84. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 御承知のように、第一条だろうと思いますが、国の責任おいてこの制度をやるわけでございます。しかし、内容的には相互扶助的なものである。これはもう内容としては相互扶助というか相互救済、こういったものでございます。
  85. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 恩給法との相違はいかがですか。
  86. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 恩給法は、やはり旧官吏自身が恩給基金といいますか、恩給負担金を一部は出しておりますが、これも国が支給しておる、こういう建前でございます。今回の共済組合は、共済組合というこの組合を主体にして、その組合の中の相互救済、相互扶助、こういう建前考えておるわけでございます。だから恩給の場合とは性格が変っております。今度はもうはっきり保険的な制度だと、かように御了承いただきたいと思います。
  87. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいまの大臣の答弁了解します。その通りだと思います。そこで人事院総裁にお伺いしますが、あなたのところでは、国家公務員関係を所管されるわけですが、国家公務員でもよろしい、地方公務員でもよろしい、また一般の勤務者でもいいのですが、給与制度という立場から、専門である人事院総裁に伺うのですが、給与というものと勤務者の勤労条件、あるいは団体交渉権を与えるとか、いろいろと何らかの制限を加えるとか、勤務者の、ことに公務員の場合には制限というものがあるのですね。その制限とその勤務者に対する、勤労者に対する給与というものは関連があるかないか。あるとすればどういう関連があるのがあるべき姿であるか、あなたの御見解を伺います。
  88. 淺井清

    政府委員(淺井清君) ちょっと御質問が抽象的にわたりますので、一言でお答えはできかねると思いますが、給与と団交権の制限というものは、本質的にはこれは別個の問題だと考えております。
  89. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 やや具体的に承わりますが、このたびは非現業の恩給公務員に社会保険方式を適用しようというわけですね。従来は恩給を適用されておった。ところが恩給法とこの国家公務員共済法というのは、さっき大蔵大臣お認めになった通り違うわけですね。そうなれば、私はこの法案が政府の方から提出されたのを見て、今度適用される非現業の恩給公務員に対しては、三公社の諸君と同様に、団体交渉権等を与えられるべきものではないか、かように思うのですね。一人の勤労者がおって、団体交渉権を持っている者と持たん者とがいる。そうなってくれば、労働条件というのは違ってきますね。同じようなものを適用するというわけにはいかぬと思う。恩給を今度はやめて、国の責任おいて、国が一つ恩給を与えるという形における恩給法というものをやめるわけですからね。これと国家公務員、あるいは地方公務員に対するいろいろの勤務条件に対するところの制約というものは関連があるわけです。それでそういうものが今度やめになれば、労働者として、勤労者として保障さるべき労働条件、たとえば団体交渉権等は当然私は与えらるべきだ、与えるというそういう考えのもとに出てきていると思うのですが、そうあるべきものだと私は考えるのですが、人事院総裁はどうでしょうか。
  90. 淺井清

    政府委員(淺井清君) 私どもはさように考えていないのであります。今回提案されておりますこの退職年金法なるものは、公務員でなく、かつて公務員であった者に対するこれは一つ給付を定めたものでありますから、団体交渉権その他の問題は、現に公務員であるものに対しての問題でございまするから、これは違うのでございます。ただいま、私聞き違えたかもしれませんが、矢嶋さんの仰せられまするのには、共済組合法公務員に適用すれば、団体交渉権を与えなければならぬとせんじ詰めればさようになりますが、私どもはそれは別個な問題だとかように考えております。
  91. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大蔵大臣は所管大臣だし、岸内閣の主要閣僚で御多忙そうですから、大蔵大臣に対する質疑は明日しますから、けっこうですからどうぞお引き取り下さい。  それでは話を返しまして、総務長官と人事院総裁おいでになっていますので、まず総務長官の方にお伺いしたいと思うのですがね、大蔵大臣席をはずされましたからお伺いできませんので、あすお伺いします。とりあえずあなたの方にお伺いしたいと思うのですが、第二十八回国会で、国家公務員共済組合法等の一部改正法律案が出た場合に、三公社五現業に適用したわけですわね。いずれ非現業の恩給公務員にも適用する抜本的な改正を近くやりたい、こういうことを言明されて、そのことは国家公務員制度国家公務員法改正と同時にやりたい、こういう速記録が残っているわけですね。ところが、このたび国家公務員制度のあなた方考えられている改革というようなものは、一切私たちにはわからないで、これだけが独走してきたわけですがね。これはどういうふうに岸内閣としては関連つけておられるのか。あらためてまた国家公務員制度改正をやられた場合に、また今提案されているこの法案が変ってくるのか。それとも国家公務員制度国家公務員法改正というものは、もう一応当分手をつけないというような方針になられたのか、その点伺いたいと思う。
  92. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 国家公務員法改正は、もちろんこれは発足いたすべきものであることは論を待ちませんし、その方向に向って今日まで検討いたして参りまして、あるものは大体前進をいたしましたが、まだ二、三点の調整がつきませんので、この国会には公務員法改正は問に合いませんでした。しかしその中において、公務員制度調査会の答申案にもございますように、恩給をある程度改正しろということは、この答申案の趣旨の中にも明書してございますので、公務員法改正の一部として当然同時に出すべきものを、片一方が間に合いませんでしたから、片一方を早く出したということであって、関連性は十分ございます。同時に、公務員法改正とその趣旨においては、少しも矛盾がないように、公務員法改正が出ましても、直ちにこの共済組合制度改正するようなことがないように、十分関連を持たせて今日検討しながら、一方が先に提案になった、こういう順序でございます。
  93. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大蔵省給与課長に伺いますがね、あなたは第二十八回国会では、国家公務員共済組合法の非現業恩給公務員を対象とするに当っては、公務員制度の抜本的検討とあわせて考慮しなければならぬ、こういうふうに速記に残しておられるのですが、ところが、今度は分離して出してきたということは、一つの私は食言だと思うのですが、あなたはどういう御心境にあられますか。
  94. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 先国会で、年金制度改正は、公務員制度の検討と相表裏してやるべき問題であるということは申し上げたかと存じますが、そのときに申し上げました趣旨も、これは年金制度公務員制度は、必ず一体となって国会に御提案申し上げなければならない、こういう趣旨のことを申し上げたわけじゃないのでございます。制度として両方が中身が食違わないように改正していかざるを得ない、こういうことを申し上げたわけでございます。今回の年金制度改正案を出します場合にも、これは総理府の公務員制度調査室その他関係方面と連絡をとって提案をいたしたわけでございます。
  95. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 松野長官にお伺いしますが、国家公務員法改正案が国会に提案されることなく、関連のある本法案が先に出てきた。これはどういう事情でそういうことになったのでありますか。閣内不統一でありますか。
  96. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 閣内は少しも不統一でございませんが、人事院との調整が実は多少残りましたので、人事院総裁も、たまたまその打ち合せ最中に長い間御病気で、時間的に約一ヶ月ばかりズレましたので、実は人事院との調整がまだ未解決であった。その第一の理由は、人事院総裁が不幸にして二月以来御病気になられたという意味で、暫時おくれたのが実情でございまして、特に閣内問題というよりも、人事院との打ち合せが多少手間どつた、こういうわけでございます。
  97. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 人事院総裁に伺いますが、戦後日本の公務員に対しては、労働基本権というものが新憲法に保障されておった。で、その国民全体の奉仕者たるべき公務員の勤労条件を検討するに当って、その労働基本権というものに制約を加える。そのかわりに人事院というものを設けて、そうして、この国民の奉仕者たるべき国家公務員の勤労条件、生活条件というものを守っていく、こういう経過をたどってこられたということは、これはもう言うまでもないことですね。この基本線を人事院総裁としては堅持しているのか、していないのか。今後も堅持できるものと自信を持っておられるのか、おられないのか、伺いたいと思います。
  98. 淺井清

    政府委員(淺井清君) まことに御同感でございまして、さような方針を堅持をいたし、今後も堅持いたしていくつもりでございます。また、かつては国会へ法案が出ましたのは、現在の人事院を廃止いたしまして国家人事委員会とするという案もあったのでございまするが、すでに行政審議会の答申等におきましても、人事院廃止論というものは消えておるのでございます。また、総理府との関係におきましても、折衝の中にさような考えは出ていないのでございますから、御説明通りその方針を堅持していくつもりでおります。
  99. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 人事院が発足した当時の経過にかんがみて、その基本方針を堅持するということは了解いたします。さすがに人事院総裁だけと思うのです。そこで、この法案提案を予定されておりましたその内容は私は知りません。委員会を通じて審議しておりませんから、私知りません。が、それは、人事院との間に調整が十分いかなかったということは、われわれは推察するわけなんですが、どういう点でこの調整がなかなかむずかしかったのか、要点をお答えいただきたいと思います。
  100. 淺井清

    政府委員(淺井清君) これは政府内部の関係でございまするから、国会で発言するのはいかがかと思いますけれども、ただいま若干御懸念のございましたように、人事院を廃止するとか何とかという、さような基本の点について調整がつかなかったという意味ではないのでございます。これは総理府に人事局を設けまして、そこへ人事行政を一部移管すると、その実施の範囲、つまり、人事院の持っておりました人事行政の実施権を総理府に渡す。そこで、どこまでそれを渡すのか。つまりそこのところにいろいろ問題がございまして、いろいろ調整がまだ完全についていない。さような状態でございまして、決してその基本的な人事院の独立性とか、中立性とか、あるいは人事院を存置すると、さような点については、もちろん意見の相違はないのでございます。
  101. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は、基本線として、この人事院の発足した経緯から考えて、ほんとうに公務員を守られる力が発揮できるような機構になっていなくちゃならぬと思う、また権限になっていなくちゃならぬと思う。ところが発足当特に比べれば、その発足当時の経過から考えて、今の人事院でも相当私は後退していると思います。時間がないからあげませんが、具体的に幾らでもあげますよ。後退している。ましてや、今度公務員制度改正するときに、人事院に手をつけるとすれば、幾ら大きな組織があって、定員が幾ら確保されていようが、要は公務員生活と身分を守り、そして公務員がよりよき勤労条件下に、主権性ある国民に十全のサービスができるという、そういう目的が達せられなければ、幾ら機構が大きく、幾ら定員を多数確保しておっても意味をなさないわけですから、だからそういう点はあくまでも僕は堅持していただかなければならぬ。そういう立場から考えると、この法案とうらはらの関係があるという、内閣、総理府、松野総務長官の方で一応というものは、私は了解しがたい内容おものを持っておったと思う。だからこの私の主張を了とされて、今後人事院総裁はその使命を全うされる意思があるかどうかということと、松野総務長官もその点は今後も配慮していただきたい。でないと、この法律案になかなか気やすく食いついていけんわけでして、その点お二方から答弁を求めておきたいと思います。
  102. 淺井清

    政府委員(淺井清君) 実はさような点がございまするから、調整が非常に慎重である。これだけ私から申し上げればよろしいかと思っております。
  103. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 一般的に公務員制度改正の骨子といたしましては、公務員制度調査会の答申を骨子といたしておりますので、その中に、恩給制度の問題も、今回の共済組合制度に移管することという趣旨は、十分答申案の中に入っておりますので、それだけが書き抜いて共済組合制度という法案になっただけでありまして、従ってこの公務員制度改正関連は非常にございますが、関連があるだけに、同時に提案でぎればこれにこしたことはございませんでしたが、別々に提案いたしたといたしましても、その根本は何かと申しますれば、公務員制度調査会の答申の趣旨を体してやっておりますから、全然無軌道に、別な趣旨でこれが発足したわけではございません。なお、人事院との関係は、中央人事行政機関の一元化という答申がございます。この中に、もちろん人事院の今日の本質については存置するように明記してございますが、ただその中に、給与の実施というような一つの例をとって参りますと、そういう場面の給与の実施とはどこまでなんだという意味の幅の問題が、今日人事院との打ち合せが完全にできませんでしたので、その大きな、膨大な法律案を会期末に提案するようなことをせずに、やはりある程度の期限を置いて提案することが、より審議に必要だという意味で、あえて無理に、その問題だけを取り上げたわけではございませんが、そういう本質的な問題でなしに、一つの時期的に申しますと、そういう場面が一つあって、今日まで実は提案できなかったわけで、本質的に共済組合制度公務員制度とかりに同時に出しましても、少しも矛盾はございませんし、ただ時間的に間に合わなかったために、共済組合制度が先に出たからと申しましても、全然関連なしにこの法案に総理府が賛成したわけではございません。関連を持たして、今後十分運営ができるという趣旨で、大蔵省提案共済組合制度に実は賛成いたしたわけでございます。
  104. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 従来この法律案は、三公社五現業関係に適用しておったわけなんです。そうして、こういう人は団体交渉権を持ち、さらには、たとえば政治活動の行為についても、非現業の恩給公務員、今度新たに適用対象となる人とは、団体交渉権につしても、あるいは政治的行為の制限についても区別があるわけですね。で、今度それが社会保険方式に一本になってくるわけです。そうなりますと、当然私は団体交渉権とか、あるいは政治的行為等についても、公務員の現在のものを再検討せねばまずいと思う。で、総務長官そういうようなお考えでおるものと、私はこの岸内閣の出したこの法案ながめているわけなんですが、なぜそういうことを申し上げるかといいますと、それはいろいろ計算の仕方もありましょうが、掛金がふえるわけなのです。掛金がふえます。ことにこれは人事院総裁聞いておいてもらいたいのだが、まあ日本は財政力は弱い、国民の税負担も、リミットにきている、そういう国の事情があるからやむを得ないとは言いながら、若い層のサラリーというものは希望が持てない、安過ぎると思うのですよ、先進諸国のそれに比べれば。そこに持ってきて掛金が約倍近くになるということは、僕は若い層の人にとってはつらいことだと思うのです。そうして十七年が二十年になり、それから恩給法からこの社会保険方式の共済方式に変ってくるから、国の負担率というのも御承知のごとく下ってきているわけなんですね、そういうことをあわせ考えるときに、他とのバランスからいっても、そういう恩給法から変ってきたと、そういう角度から言っても、双方から考えた場合、その公務員の職場における勤労条件という立場から、こんな予算は要らないのですが、要らないこともないのですが、団体交渉権とか、あるいは政治的行為とか、こういう労働者としての基本的な権限についてのやはり進歩的な考え方は、若干再検討される御用意があるだろうと僕は推察するのですが、なければすべきものだと思うのですが、総務長官の御意見はどうでしょうか。
  105. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 給与に関する団体交渉権というものについては、いろいろ御議論がございましょうが、公務員制度立場から申しますと、やはり公務員という特殊な一つの勤労状況及び国家に奉仕する精神から申しまして、必ずしも一般労働法だけを平等に適用しろというわけにも実は参りませんので、従って人事院というものが、その中間機関として公平な勧告をするという制度が実施されております。従って、直ちにこれをやるから人事院は要らない、そうして団体交渉権を与えろという意見には、多少私はまだ議論としては賛成いたしかねますし、またそういう考えは、公務員制度改正にはまだとっておりません。従って、この問題と私は別個の問題として、現在の精神の中においてもより以上改善される面がたくさんある、またそうすべきものだ、すでに三公社五現業は本年の一月、ある場合には昨年の四月から発足しておりますので、短期給付組合ですでにやっております。あと残りましたものが三長期給付恩給だけになっておりますので、もう公務員の人事交流及びその福祉から考えましても、給付内容の改善は相当大幅にできておりますので、掛金もふえますけれども、やはり自主的運営によって、より以上給付内容がふえるというならば、この方が妥当ではなかろうか、こういう観心から公務員制度の所管を持っております私の方としては賛成をいたしておるわけでございます。
  106. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これは関係はないというわけにはいかんと思うのですよ。私は、こういう制度の改革というものは、その時の内閣の大きな一つの政策の具体的な現われとして出てきておるわけで、それで僕はさっき国務大臣としての大蔵大臣に、岸総理にかわって内閣の代表として答弁できるかとしうことを伺ったのですが、基本的な僕はこれは政策だと思うのですよ。で、なぜ関係ないかというと、ともかくも今までの公務員というものは国の奉仕者である、国民に対する奉仕者である。だから総務長官のお言葉の通り、中正であるとか、あるいは誠実に勤めなければならぬ、あるいは秘密を守らなければならぬ、いろいろな制限、制約がある。それだけに国は老後のめんどうを見てやるというので、ともかくも国の責任で国が恩恵をたれる。そういう考えがいいか悪いかはともかくとして、そういう形で恩給法というものがあって、予算的にはその公務員負担に対して国の負担ははるかに大きかった。ところが時代一般趨勢からいっても、社会保険方式、相互扶助の形態がよろしいというので、そういう形に変えてくる。そうすると民間厚生年金等関係もあって国の負担は低下していく。そして組合員の負担は増加かしてくる。一般民間とのバランスからいってそうなってくる。ところがその前には恩給法は、公務員なるがゆえに労働争議権は押えられ、いろいろの制約がある。ことに人事院が発足するときに骨抜きになった。ところが、その人事院公務員を守る立場というものはだんだんと力を失いつつある。これでは国家公務員、いずれこれは地方公務員に及んで参るわけですが、その立場に立てば、やはりその政策に全面的に協力というような私は気分は出てこないだろうと思うのです。あるいはこういう社会保険方式の相互扶助方式に変っていくということは、そして岡田皆年金という方向にいく、この方向というのは私はけっこうだと思うのです。だからただ総務長官に意見を補い、要望したい点は、国家公務員法あるいは地方公務員法をこれから立法作業をされるのでしょうが、その際にやはり新しい感覚のもとに、公務員団体交渉権とか、あるいは政治的行為とか、そういう人としての、公民としての、市民としての基本権にかかわる問題については最大限にやはり弾力をもって検討するという配慮があれば、私はこの施策の方向というものは非常にけっこうだと思うのですよ。ところがそういう配慮がなくて、一部新聞に伝えられているのがほんとうかどうか知りませんが、非常に一部でそういう点は制約されている。だから人事院の権限というものは縮小していく、機械的に、ただ科学的に数字がそう出たからといって、折々内閣とか国会に対して勧告をするような、それでは困るから、直接内閣の意向が十分反映できるように、いわば人事院の力というものをある程度制約していこう、一方ではそういうことをやって、一方では恩給法を改正して社会保険をこういう共済扶助方式にしていくというのは、これは僕は筋が通らんと思う。願わくば僕は前段で言ったような形で行ってもらいたい。それは筋も通るし、非常に進歩的でもあると思う。その点岸内閣の閣僚会議に参加するうちあなたは、一番若くて私は弾力性のある頭脳を持っていらっしゃると思うので期待しておるのですが、お答えいただきたいと思います。
  107. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 矢嶋さんの御意見を拝聴して、その通りならば一つ私も大いに御賛成申し上げたいのでありますが、ただ一つ人事院を縮小するとか、弱体化するという考えは私は持っておりません。同時に、人事院が弱体化されたと言うけれども、私は逆にこの前の人事院の答申は、一言半句のみならず、全面政府が人事院の権威を高く尊重いたしまして、人事院勧告を全部のんだという一つの実例は、逆に言うならば、人事院の権力が非常に強くなったという半面もございますし、今回の公務員制度改正の中にも、特に人事院を弱体化するがごとき改正を私の方では意図しておりませんし、答申案もそういう意図はございません。従ってなおかつ人事院の存在を政府は尊重するという慣例をより以上強くするならば、人事院という存在は非常に強くなるのだ、そういう前提から考えて参りますと、ただいまの御議論の中にありましたように、必ずしも労働関係法を直ちにこうしろというような考えには、実は私の結論がならないわけで、人事院はもう全然要らないのだ、こんなものはやめてしまえ、それならばこれはどうだという御議論はございましょうけれども、私どもの念頭には、人事院という存在は常に念頭に置いて、そうして労働関係法、身分の向上あるいは給与の問題に人事院が当然まん中に入って公平な意見を出してもらう。これには両者ともこれに従うという慣例がありますれば、人事院の運営はより円滑にいくのではなかろうか。そういう意味で私たちはまだその問題までは、そこまで研究あるいは構想は練っておりません。
  108. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 総務授賞のお言葉の前提がやはり僕は問題だと思うのですよ。それは総裁に伺いますがね、人事院が発足した当時と最近では、あなた方の勧告する場合の心がけというか、態度が相当変ってきておると思うのです。勧告をのむ、それは非常にけっこうだと思う。ところがその勧告が出る前提が問題なんですね。最近はほとんど勧告をする場合は、人事院の首脳部は必要以上の政治的配慮をして、松野さんから相当の、言葉が適当でないかもしれませんが、精神的な影響力を受けてやっておられるということは、これはもう隠すことはできんと思うのですよ。これは証拠は今私はここでいつどうこうしたということは示せませんが、総括的に常識をもって判断した場合に、これは人事院が発足した当時の勧告というものに、あなた方はやはり出て来た数字に忠実に客観的な立場から勧告されておったと思う。しかし最近はその計算機から出て来た数字そのものは正直ですけれども、それをいよいよ活字にして内閣並びに国会に勧告するという場合には、その内容とかその時期等については十分政府がのめるようなものという必要以上の政治的配慮をされておるということは、私は否定できないと思う。そこに人事院が十分の使命を果し得ないでおる。それをさらに今度の公務員制度の改革をやると、さらに弱体になるおそれがある。私はこういう相当信頼性のある杞憂を持っておるわけなんですがね、人事院総裁の私は決意を一つ伺っておきたい。
  109. 淺井清

    政府委員(淺井清君) ただいまの御質疑を伺っておりますと、まことに人事院はつらいと思うのです。それは、人事院の勧告が受け入れられなければ、人事院は無力だとおっしゃるのです。人事院の勧告が全面的に承認せられれば、政府と内通したとおっしゃるのです。これはまことにわれわれとしてはつらいと思っております。そこで、私はもう人事院創立以来人事院総裁をやっておるのでございまするが、それは松野総務長官の時代といなとを問わず、一度も勧告の内容について干渉を受けたことは、これはないのであります。その人事院の勧告が公務員諸君なりなんなりに御満足のいかなかったことは、これは政府の責任じゃない、これは人事院責任でありまするから、それは私は責任を負うのでありまするけれども、決して政府と内通したとか、政府から干渉を受けたとか、そういうことはこれは全然ございませんから、今さら決意を申し上げるわけのものではありませんが、われわれはあくまで公務員の利益をはかって適当な勧告をこれからもいたしていきたい。その点は御同感であります。
  110. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 言行一致を要望しておきます。人事院総裁に承わりますが、あなたは国家公務員にはきわめて詳しいと思うのです。三公社五現業の給与体系についても、もちろん御存じだと思います。総裁でなければ、給与局長でけっこうですがね、三公社五現業、国家公務員それの給与体系と、それから一方には団体交渉権があって、一方にはないわけですね。そして今後まあこういう法でともに適用されるわけですね。そういう場合にアンバランスはあるかないか。あればどういう点が今後検討されなければならぬのか、専門家としてお答え願いたいと思うのです。
  111. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 国家公務員と三公社、これはもとは三公社も一般職でございましたので、その意味おいて非常に親近感があるということはあるの、でありますけれども、現在三公社はすでに現実に三公社でございます。そういう意味におきまして、国家公務員とはこれはよほど性格が違っておるというふうにわれわれは考えておるのであります。また一般職の範囲におきましても、現業という制限があるものはやはり一般職ではありますけれども、現実には三公社との関連もあって、団体交渉というふうなことを給与決定方式の一部に取り入れておるわけでございます。そういう意味おい一般職とは違うということが言えると思います。そういうわけでありまするから、五公社あるいは現業と一般職員等バランスをとるといってみましても、その職務内容、作業の実態等も違うわけでありますから、これを完全にバランスをとるということはなかなかむずかしいのではなかろうか、本質的にむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。人事院といたしましては、そうではあるけれども、やはりもと同じく一般職であったものであり、やはり親近度からいきまするならば、民間の企業よりか近いわけでございます。そういう意味おいてこの三公社あるいは現業というものを全然無視して国家公務員のことを考えるというわけにはいかない、こう思っております。そういうわけで人事院といたしましては、原則的には民間給与とのバランスをはかるということでありまするけれども、そういうことも考慮をいたすということであります。ただ現業等は、これは公共企業体仲裁委員会あたりの仲裁状況等を見ておりましても、何らか部分的に、たとえばある種の手当の裁定等におきましても、一般職よりも現業の方がある程度高くていいというようなお考えがあるようであります。これはわれわれの方の判断ではないのでありますが、そういうお考えがあるようであります。そういうことにつきましては、なお今後十分われわれとしては研究いたしたいと思うのでありまするけれども、現在の状態におい給与体系等も相当違って参っておりまするので、完全にこれをバランスをとるということはむずかしいと思うのでありますけれども、この給与水準等は、絶えずわれわれは十分注意して参らなければならない、このように考えます。
  112. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次の質問を発する前に大蔵省給与課長に伺いますが、あるいは今まで質問が出たかと思うのですが、それは恩給法における場合の組合員の負担と、この法が適用された場合の組合員の負担とはどれだけの差があるか。率直言ってもう少し国の負担を上げて掛金の上るのをもう少し抑えることはできないか。あなた方、裁量をする段階に四五%になっておると思うのだが、この組合員の負担をどの程度下げれば、新規財源がどの程度ふえるとか、そういうこの法案の作業過程に数的な検討をされたかどうか、されたとすればその経過を一つ聞かしてもらいたい。
  113. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 国家公務員年金負担恩給法のもとで納付金二%でございますが、これは今回共済組合法の新年金制度に相なりますと、現業、非現業によって差はございますが、大体四・三四%前後という形で大体二倍程度になるわけです。これがつまり組合員の負担がふえたということは、レベルがふえた、レベルがよく、なったという点ももちろんあるわけでございますが、同時に国庫負担組合員の負担というものが負担割合において、今までの恩給制度のものとは別の考え方をとったということからも参っているわけでごいざます。組合員の負担が倍になるということは確かでございますが、これは考え方としましては、従来の恩給制度一つ退職手当的な要素が入っている、この退職手当的な要素を恩給から取り出しまして、別途一般民間よりも低いという退職手当に付加いたしたわけでございます。そうした結果といたしまして、年金面におきましては、一般の社会保険制度と同じように一定部分の国庫負担を除いた残りは折半負担という形になっている。そのためにある程度、約倍近く公務員の掛金は上るわけでございます。先ほど申し上げましたように、恩給に含まれておりました給与的な要素は、これは退職手当一本になっている。民間並みに荷いものに引き上げられているという点で十分見合いはとれていると考えております。
  114. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 退職金がふえる、二五%程度ふえるということなんですが、しかし、この掛金が三倍程度になるということは、これは非常に大きいことだと思うんですが、二%と四・三%というんですが、たとえば三%程度にすれば、どのくらい負担がふえてくるとかいうようなそろばんは、計算尺を握ったことはありますか。
  115. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 正確に計算をいたしたことはございませんが、今回の年金制度財源計算の数字から逆算いたして参りますと、一%で大体十億ちょつとふえようかと思います。
  116. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 わずかのものじゃないですかね。私は、二%にとどめれば年間二十億でまかなえるんですか。
  117. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 二%にとどめますと、年間二十億、新制度のもとで大体五五%、大体二、三十億というふうに相なります。
  118. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それは大蔵大臣に質問しましょうが、その程度の何ならば、これは当然現状にとどめるべきだと思うね。十七年が今度二十年になるんですから、そのかわりに四〇%の給付になっていますけれどもね。自分らがかけた金が、さっきも横川委員指摘されておったが、還元されるようになれば、その点で幾らか返ってきますけれども、それが返ってこない場合は、綿密な、一足す二は三というような計算はできぬかもしれないですが、組合員としては必ずしもプラスになりませんよ。その金をあずかる皆様方の方が有利になってきます。特に運用次第では、あなた方の立場に立ったら、万々歳なものになると思うんですが、組合員の立場から考えれば掛金が上って、それからその運用と合せるときにはやはり問題点がある。二十億円程度で現状維持ができるようなものはなお検討の余地がある。  なお、人事院総裁に伺いたい点は、さっき給与局長が、国家公務員給与体系にも十分配慮研究しなければならぬ、こういう意味の答弁をされましたが、掛金が三倍になるということは、私は、若い公務員には相当痛いと思うんですね。これはもちろんあなた方の勧告は入れて、この国会で大学新卒千円、高卒六百円だったと思うんですが、初任給の引き上げと、若干の給与体系の是正をやりましたけれども、それにしても、私らの若い時代学校を卒業して社会に出た当時の自分らのサラリーと、それから当時の物価を考えれば、それは今の若い人々というのは非常にかわいそうだと思うのです。これはある年次にスタンダードを置いて指数をとればはっきり出てくると思うのです。で、掛金を上げるのを抑えるか、初任給をもう少し上げるべきだと思う。ここではあまり話は広げないけれども、厚生白書に出ているように、日本の国民の所得というのはだんだんと開いていっておるわけですね。これは厚生白書にもはっきり出ている。これは、世界の趨勢としては、社会保障制度の方針として縮まっていくのが現状だというのに、日本の場合には逆にいっているわけですからね。給与体系にしても、最近だんだんと開いていく傾向があると思うのですね。それに持ってきて、掛金が倍ということになれば、新卒の若い層は非常に苦しい、あるいは住宅が、不足しているとか、結婚適齢期等の問題とも関連して、問題点がある。だから私が、人事院の総裁としてのあなたに承わりたい点は、こういう掛金を倍以上にも上げるようなことを抑えるか、あるいは先般若干の初任給を引き上げたのだが、今の給与体系で初任給をもう少し上げるとか、いずれかの方策をとらなければ、私は適切でないと思うのですが、人事院総裁はどういう見解を持っておられますか。
  119. 淺井清

    政府委員(淺井清君) 私は政府委員としての発言でございますから、政府の提案を批判するのはいかがと思っております。ただ人事院は、かつて退職年金制度に対する勧告をいたしておるのであります。これが人半院の考え方でございまするから、今回の政府提案とは少し違うかもしれません。しかし、この政府の考えておりまするのは、掛金はふえるけれども、手取りの退職金はよくしてやろうと、同時にまた退職手当もふやそうと、こういう考え方できていると思うのでありまするが、人事院はどうだろうかと仰せられれば、人事院としては、かつて勧告いたしました退職年金の線であると、かように申し上げるほかないと思います。ただそれと離れまして、給与全般の改革をやる意思はあるのかないのかと仰せられますれば、これは人事院といたしまして、国家公務員法上、当然に公務員給与の改善は常に考えるべきであると、かように思っております。
  120. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そこでちょっと質問の方向を変えて、自治庁長官あるいはそれにかわるべきどなたかおいでになっていますか。
  121. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 後藤田官房長、今枝行政局公務員課長出席しております。
  122. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それではその方に伺いますが、この法案が成立すれば、これは直ちに地方公務員に及んで参るわけですがね、これは、岸内閣としては、その方向を指向しておるということを答弁しておるわけです。で、国家公務員共済組合法改正の場合、既得権は堅持されるという計算が成り立っている、これは大蔵省の所管課長の、言明ですがね、地方公務員関係に対しては、先般答申がなされているわけですがね、あなたのところでは今作業を始めておられるのか。その作業で、十二月召集される通常国会ごろに国会に提案される予定なのかどうか。その骨子とするものはどういう点に置いているのか、あるいはこれは時間がないから触れませんが、あの答申通りやれば、問題点がずいぶんできると思うのですがね、どういう角度から検討して作業をされているのか、お答え願いたいと思います。
  123. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 国家公務員恩給制度の改革が行われるのに関連をしまして、地方公務員制度についても共済制度に切りかえる、おおむね明年の四月一日ごろからの施行を目標にして切りかえていきたいということで、現在作業をいたしております。その骨子として現在考えております点は、国家公務員制度に準じて考えていきたい。同時に私どもの方で地方制度調査会に、先般地方公務員恩給制度についてどうすべきかということを諮問いたしました答申案が、今年の三月二十八日付で出ておりますので、これの内容をも加味して検討を進めていきたい、こういうことで目下作業をいたしておる次第でございます。
  124. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それで加味してですがね、あなたの方の所管は、地方自治体というのはたくさんあるのですから、それは何でしょう、退職金条例とか、その自治体の条例というのはまちまちでしょう。それだから国家公務員の場合に総理府総務長官考えるとか、大蔵大臣考えるという工合にはいかんと思う。自治庁の方でも、既得権を守るという点は、技術的にどういうふうにして守るのか。まず伺いたいのは、今の自治体の地方公務員の既得権は守るという大前提に立って作業をされておるのですが、それはどう解釈されるか。それから既得権を守るということとなると、技術的に簡単にできることなのかどうなのか。大体給付内容から年限から、自治体によってまちまちの条例を作っているわけですから、それはどういうふうにされるか、お答え願いたい。
  125. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) お説のように地方公務員の現在の制度が非常に複雑多岐にわたっておりますので、国家公務員のそれのように、しかく簡単に制度切りかえができないということは、これはお説の通りでございますが、私どもとしてはこういう問題についての大前提は、既得権はあくまでも尊重する、こういう建前のもとに制度改正々を考えるべきである、こういうふうに考えております。ただ、どうやってそれを既得権を保障するかということになりますと、現在検討中でございまして、はっきりした結論は出ておりません。しかしまあ一例としては、既得権については、やめる際に退職金でもってカバーするとかいろいろなこともあろうかと思いますけれども、これは単なる私の思いつきでございまして、結論が出ているわけではございません。
  126. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 あなた自治庁長官でない事務当局だから、ちょっと無理だと思うのですが、念のために聞きますが、そうなりますと新規財源ということが必要になってくるわけですね、先ほどの横川委員質疑によると、大蔵大臣は地方税の自然増もあるから、それらを回して云々、こういう答弁で過ごしておられるわけですが、その内容次第によりますけれども、そういう作業を始める大前提に自庁長官としては閣議において、その必要のある新規財源については、国でめんどうをみるという明確な線が出てから作業をしなければ、船に乗って出発はしたが、川の真ん中でおっぽり出されるということが起るのです。地方公務員の場合、教職員なんか相当数占めているわけですが、これは御承知通りに国が今までめんどうをみてきているわけですから、そういう点が明確にならなければ、ただ国家公務員共済組合法に準じて地方公務員共済組合法はそう簡単にいかぬと思うのですが、そういう点はあなた方は、事務当局はどういう見解を持ち、さらに自治庁長官にはどういう働きかけをされておられるのか、お答え願いたい。
  127. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 新しく制度を切りかえるにつきましては、必要な財源措置については、また政府部内でこれからさらに協議をいたしていきたいと考えておりますが、私どもとしましては、新規財政需要につきましては、明確に地方財政計画上に計上いたしまして、適切な財源措置を講じていきたい、かように考えております。
  128. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 地方公務員共済組合法の作業をやられておるというのですが、それと地方公務員法の改正とは関連があるのですか、ないのですか。その作業をやっておりますか、やっておりませんか。
  129. 今枝信雄

    説明員(今枝信雄君) 地方公務員退職金制度改正するにつきましては、御案内の通りに、現行の地方公務正法の中に退職年金及び退職一時金に関する基本的な考え方が述べられておるわけであります。従いまして、国宝公務員退職年金制度に準じて地方公務員退職年金制度改正をするといたしますと、その部分に関しては当然現行の地方公務員制度との関連があるものだと考えております。根本的な思想において変りはないと思いますが、技術的な改正をしなければならないかと思って検討いたしております。
  130. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そこで松野総理府総務長官に伺いますが、あなたのところの国家公務員法というのは、国家公務員共済組合法関連ある点を技術的に改正しようというそういう方向に変ってきておるのだろうと僕は思うのですが、今作業して次の国会に出そうとする国家公務員法改正というのは、地方公務員共済組合法案と地方公務員との関連おいて、自治庁が述べられたものと同じような方向のものだと思うのですがいかがでございましょうか。
  131. 佐藤朝生

    政府委員佐藤朝生君) 共済組合法関連する技術的な方法は、この際の共済組合法改正の中に含ませて考えております。
  132. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そうでありますと、それじゃそれ以外に松野総理府総務長官は依然として抜本的な国家公務員法改正をやろうと主張されておるのですか。
  133. 松野頼三

    政府委員松野頼三君) 抜本的と申しますとあれですが、相当程度大幅に改正しなければならない点が地方公務員にはございます。第一には人事行政、給与と、あるいは特別職、一般職の問題あらゆる面につきまして相当今日その責任が各省にまたがっておるものがございますので、それを一元的にやっていく、人事行政の二元化ということは、国家公務員法としての第一の改正の目標である。第二番目には、特別職、一般職を通じまして、常勤、非常勤という問題がつい先日定員化の問職もございましたけれども、いずれある程度この問題にも触れなければならない。それからもう一つは、職階制というような問題もございますので、そういうふうな問題をあわせて相当大幅な改正をすべき時期が今日来ておるのじゃなかろうか、こういう意味改正考えております。
  134. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 では一応総理府総務長官としては、国家公務員法に対してはそういう考えを持っておる、自治庁としては国家公務員共済組合法案に準じてさらに先般の審議会の答申に基いて地方公務員共済組合法案を来たる通常国会に出すべく作業中であるが、地方公務員法そのものについては、自治庁としては検討はしてない、かように了承していいわけですね。
  135. 今枝信雄

    説明員(今枝信雄君) ただいま申し上げましたように、国家公務員退職年金制度改正に伴いまして、地方公務員退職年金制度について改正を加えるといたしますと、その部分について地方公務員法の技術的な改正をいたさなければならないと思っております。その点はただいま検討を進めておりますが、その他の部分については、地方公務員法についてただいまのところ改正の検討を進めておるようなことはございません。
  136. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 重ねて自治庁に伺いますが、この既得権を守るように作業をする、そうなると掛金の上るというのは一番問題ですがね。この掛金は上らないという立場で私は作業してもらいたいと思うのですがね。国家公務員共済組合もあす大蔵大臣質疑しようと思っているのですが、きょうおられないから……。四・三%の掛金が二%となるには約二十億円から三十四、五億円もあればできるというのですがね。そのかわり期間が十七年が二十年になって、その間の組合員の掛金というものは大蔵大臣の所管下に入るのだから、国という立場から考えれば決して私は国として損にはならないと思う。そういう立場国家公務員共済組合法の作業も問題だが、地方公務員関係の作業をするに当っては、その法案ができた場合の審議と合わせて考えるときに、掛金を上げるという方向でなくて、できるだけその作業段階に掛金を上げないで、いかに国家公務員法に準じてやれるか、非常に複雑な既得権を守れるかという方向で数字的に検討されてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  137. 今枝信雄

    説明員(今枝信雄君) 職員の掛金率をどういうふうに定めるかということは、職員の直接の負担の問題でございますので、いろいろと御意見もあろうかと思うわけでございます。私どもといたしましては、今回の退職年金制度改正一つの趣旨でございます吏員と雇傭人との間の退職年金の従来の水準の差を一つなくしたいという点もあるわけでございます。そういう点を考えてみますると、現在率直に申し上げまして吏員と雇傭人との問には負担に軽重があるわけでございます。その点を軽重をなくして負担を公平にしながら、しかも全体としてどの程度の掛金にすべきか、こういうことになろうかと思います。その点はこの新しい制度が保険制度建前といたしておりますので、結局掛金率、負担金率並びに給付内容それらの三者のつり合いをどういうふうにするかということで検討いたしたいと思っております。先ほど申し上げました地方制度調査会の答申では、新制度における職員の掛金率は国家公務員の場合の方式に準じて算定するものということを建前にいたしておるわけでございますが、お説の点も十分考えまして今後の作業においてはいろいろな点から、できるだけ実質均に職員負担がそれほど大きくならないような方途があるかどうか十分検討下たしたい、かように考えるわけでございます。
  138. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 大蔵省に伺いますが、大蔵大臣がおられないから事務当局に伺いますが、この法案は相互扶助的な社会保険という立場で作業を進められて提案されたというのですが、そうだとすれば、基本的にこの運営には組合員の意向が大きく反映する、こういう基本的な立場から私は法律案というものはでき上らなくてはならないと思うのです。この基本原則は認めておられますか、どうですか。
  139. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先ほども横川委員の御質問に対してお答えをいたした点でございまするが、単位組合におきまする運営審議会あるいは非現業連合会の段階におきまする評議員会というような諮問機関でございまするが、ここに十分に重要な事項につきましては諮りまして、その上で行うという建前にいたしておりまして、先般も申し上げてございますが、厚生年金あるいは組合管掌におきまする組合健康保険におきましてもはっきりした諮問をいたすという建前こいたしておりますと申し上げたような程度の趣旨かと考えております。ただいま矢嶋委員仰せのような点を考えまして、今回の提案を申し上げて、法律案ができ上っておるわけであります。
  140. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 基本的な方針としては私が述べた方針でやるべきだと思う。原則としては局長もそれを認められておるわけですね。そして実際現行法並びに改正法律案にある運営審議会あるいは連合会の評議員会、そういう規定はあなた方の答弁されるように、これで十分その基本運営方針が生かされるようになるとできる、こういう答弁されることは、一応あなた方の立場に立った場合にこの法案の組み立て方から、答弁としては許されると思う。しかし実際の運用となれば、横川委員指摘されておったと思うが、これはいかぬと思う。だから私は運用の基本原則、すなわち相互扶助方式であれば、加盟組合員の意向というものがその運営に強く大きく反映すべきである、この基本原則を認めれば具体的にもう少し考慮していいのじゃないか。私は具体的にちょっと案を申し述べてみますが、それはこの連合会の評議員会は各組合から一人ずつ出てくる、おおむね単位組合の代表だからその組合の意向を代弁しているものだ、これは筋としてはそう言えるでしょう。しかしそれは末端組合員の声を反映するようとの形でなかなか出てこないと思う。だからそういうのと同時に、三公社でも一つの民主的な団体を持っている、また国家公務員も民主的な団体を持っておるのだから、そういう民生的な団体責任者が推薦する何人かを評議員として評議員会に突っ込んでいけば、各省庁の単位組合から出てくるのと、それからそういう民主的な団体から組合員のじきじきな総意を反映できるように入れて、それを両方突き合せると、ほんとうに私はいい運営ができるのじゃないか。そうすることによって若干国が責任を持ち、国も負担しているのだが、その権限を侵犯するとか、運営がみだりになる、そういう心配はいささかもなくて、相互扶助共済方式の運営としてはまことに私は好ましい、ことに組合員にとっては満足して快く、高い掛金でも掛金を納付するというような雰囲気というものが私は生まれてくると思うのですが、そういう運営方式というものがとられてしかるべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  141. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先ほど大蔵大臣からもお答えを申し上げましたように、運営審議会におきましては、ただいま矢嶋委員が仰せのような三者構成の方式をとっておる、その段階におきまして反映をせられました単位組合全体としての、一体としての意見、これを評議員会において反映をいたすということで現在の仕組みはできておるわけでございまして、建前としてはこれでけっこうではないかということをお答え申し上げたと思います。ただ技術上の問題として、その仕組みのほかに何らか意見を聞くというようなやり方を並行して考えてはいかがであろうということも大臣も言っておりまして、そういう点につきまして、今後なお検討いたしていきたいと思います。
  142. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 具体的に申し上げますと、九条の運営審議会は、まず労組の代表が入るから直接、ダイレクトに意向を反映すると思う。ところが連合会の評議員会になりますと、これは三十五条になっていますが、そうなりますとどうしても間接になりますから、間接になってくると思うのですよ。しかも連合会の評議員会は予算、決算等を処理されるんですからね、大事な評議員会です。どうしても間接になりますから、もう少し面接に反映する方法を考慮しなければならぬ。運営審議会ならば、これは十人以内の委員としてありますが、大がい労組の代表を入れると思います。それで直接に入ってしまう。連合会の評議員会となると、なかなか組み立て方は系列としては運営審議会がある、その意向がきまって一人の人が評議員会に評議員として入ってくるから十分通ずる、理屈上はそうなるけれども、実際はそうはならない。もう少し直接に組合員の意向が反映するよいうな配慮をされることが、僕は民主的であるし、実情に沿うと思う。これは聞いていないけれども、全組合員の要望だと思うんですね。あなた方がそれをやられようとすれば、私は簡単にできることだと思うんですね。私どもの意向としては、願わくばここのところの評議員会の構成を今言ったように各省庁の単位組合から来るのと、それ以外に有識経験者というような条項を設けてもよろしい、そうして実際はそれらの関係の民主的な団体が、その責任者が責任をもって推薦する者を評議員とするというような運用にしておけば、私は非常にいいと思うんですがね、それだけの配慮をしてもらいたいと思うんですが、局長いかがでしょう。
  143. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先ほども申し上げましたところでございまするが、大蔵大臣がお答えになりました点でございますが、各省庁単位組合から出られまする方々は、何と申しまするか、大蔵省立場というものが一つございまして、各省の立場ということに相なりますると、官側あるいは職員側というものがそれほど違いがあるというよりは、むしろ大体同じようなお話しになる場合が多いかということもございまして、先刻から申し上げておりまするように、やはり単位組合の代表としては一人で十分ではなかろうか。ただ、今の矢嶋委員のお話しの点は、それはそれとして学識経験者的につけ加えたらどうだというお話しのようでございまするが、これは連合会の段階におきましてもまだその事柄自身は、一般の学識経験者に広く参加をしてもらおうというほどの問題でもございませんので、各単位組合の意見を中心として諮問機関として運営して参るということではないかと思います。従いまして先ほどもお答えを申し上げましたように、何らかこれを補完をいたしまする意味におきまして、参考意見を聞くというような仕組みを技術士考えて参りたいということをもちまして、矢嶋委員の仰せの点は大体はかり得るんじゃないかというふうに考えます。  なお、ついでをもちまして申し上げておきますが、先ほど運営審議会が三者構成と申しましたが、これは二者構成でありまして、第三者でありますが、学識経験者というようなものは当然入っておりません。先ほどちょっと申し上げましたのは間違いでありますから、両方の代表が入っておるという意味でございます。
  144. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は局長の言われるのは、各省庁の単位組合がうまくいった場合は、あなたの言う通りだと思うんですよ。うまくいった場合はそれでいい、うまくいかぬ場合は、この制度では十分でないと思う。大体学識経験者と言ったのは、組合が推薦するとか言うとあなた方がきらわれるかと思うから、便宜上学識経験者と言っただけであって、私は各省庁の単位組合からの人を出す、それから組合員、この人が組合費をかけるわけですからね、そういう人か作っている民主的団体責任者が推薦する何人かを入れると、直接その意向が反映して、この立法精神にも沿うし、それから運用が円満にいく、また組合にも青んでいただける、満足していただけるのじゃないか、しかも、あなた方が何らの権限を侵されることもなく、また運用が逸脱するということもないのだから、非常にいい方法じゃないか、こういう意味で私はあなたを打診してみたわけです。で、これは矢嶋がきょうこういう質問をしたということを、あすまでに大蔵大臣に伝えて、そしてあすあらためて大蔵大臣に伺いますから、答弁してもらって下さい。その答弁次第では、矢嶋もあとあまり質問しないで、この法案に賛成します。そして答弁次第では、あすまた質問がありますから、御検討を願いたいと思います。  それで委員長から御注意がありますから、端折って次へいきますが、次は給与課長に伺います。相互扶助という立場から言えば、今まで質問が出たようですが、この第十三条の警察職員等に対する長期給付の特例というものは、従前の考え方に相当拘束されて出きたて条文だという私は感なきを得なとAです。これはどこからあなた方にてこが入ったか知らんが、この法律案の立法精祖と内容からいって、この十三条はおかしいと思う。これは勤務条件とか、その職務責任等については、これは人事院の勧告もあって、給与体系そのものは違っているはずですね。そういうところに入っているはずです。それを相互扶助のこういう制度、国と組合員の両者の責任で作る場合に、こういう十三条のようなものが出てくるということは、これは大きく言えば、旧憲法的な考え方の残津ではかと、そういうふうに見えないこともないと思うんです。そこで、これはあすまで資料を出して下さい、出ておったらよろしいんですがね。この警察官宜、それから自衛官、それから国会の衛視、それから看守等の法務事務官、それから皇宮護衛官、海上保安官、こういう方々の給与体系、その比較はどうなっているか、それから一般国家公務員との、一般職の公務員との給与体系の比較がどうなっておるか、そういうものを検討した場合、この十三条がこういう形でなければならぬという合理的な科学的な結論は、私は出てこないとにらんでいるわけです。だから私が納得できるような資料が出るか出らぬか、あすまでに出して下さい。それによって私は何らかの意思表示をいたします。
  145. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) ただいま御質問がございました警察職員等の年金問題の取扱いは、確かに一般公務員とは異なっております。これはお配りいたしておりますが、これはただいま御質問がございましたように、給与体系の上でいろいろ相互間の比較をして、あるいは一般公務員と比較してみる、その結果科学的に何%高ければいいのかと、こういう結論があったのかと、こういう御質問でありますが、そこまでの分析は、かりに給与体系の比較をいたしましても、これがどの程度に、年金差に持っていくかと、これはなかなか容易ではないわけでございます。そうした問題の資料ということになりますと、残念ながら明日までに御提出申し上げかねると思います。ただ、こうして一般公務員と異りました警察職員の特殊な年金制度を作りますにも、これも一つには先ほど矢嶋先生から地方公務員について御質問がございましたが、既得権的な意味も若干入っているわけでございます。従来の年金制度のもとで、基本給のもとで、警察職員の特殊な勤務条件、その特殊な人事管理の面から有利な年金を得ていたわけです。これをそのまま私ども年金制度にもって参ってきたわけではございません。一応ある程度の差は縮めまして、当座の法的な措置といたしまして、当分の問の規定として附則で処理いたしております。将来、先ほど先生の御質問のございました給与体系、あるいは処酒全般を通じましての総合品的な検討の結果、あるいはほかの面で見て、年金制度のもとでは統一する、そういう結論が出れば発足の際にそういうふうに措置いたすわけであります。一つの総合的な検討を将来に残しまして、附則で一応そこに従来よりは幅を狭めて残した、こういう考えでございます。相互扶助の制度であると申しましても、これが一般公務員に迷惑のかかる制度としてはわれわれ考えておりません。警察公務員相互間におきまして高いレベルなら高いレベル相応の年金を拠出していただく、こういう建前でものを考えております。先ほど御質問のございました資料の内容でございますが、非常にそうした給与体系の相違と、年金面の取扱いまでぴっくるめましたところの資料といたしましては、まことに申しわけない次第でございますが、明日までにできかねると思います。
  146. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 当分の間というのは何ヵ月ですか、主計局長お答え願います。
  147. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 当分の間ということでございまするが、これは先ほど来給与課長がお答えをいたしておりますように、検討いたしまして、その上での結論に基きましてのことになりますので、今おっしゃるような何カ月というような、非常なる短期のことをお考え願うわけにちょっと参りかねる。私どもといたしましては、できるだけ関係当局とも相談いたしまして、早く何らかの検討をいたしたいと思いますが、当分の間ということは、そういうようなことに御了承いただきたいと思います。
  148. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 行政府はよく立法府をまかす、当分の間といって、半永久的にいく場合がある。これも大臣と今晩中協議して、明日数字をもって答えてもらいたい。ただ当分の間にして、将来検討するといって、大がいの場合立法府が行政府にごまかされて、そのままになりがちです。私これのちょっと、若干抽出計算をしてみますと、相当差があるんですね、給与については……。ことに自衛官と一般公務員給与差というものは相当ありますよ。それも昔のように自衛官が場合によれば戦争もする、危険に身をさらすというような旧憲法下における軍人なら、それは昔あったような考え方もあるでしょう。しかし、今の自衛官というのは、そういうものじゃないのですからね、これは防衛庁法、自衛隊法ではっきりしている。岸総理大臣みずから答弁されている。僕は今の給与体系そのものにも、公務員とあれほど差をつけなければならんかという疑問を持っていますよ。一般の大学の学生と、防衛大学の学生の取り扱い方などについても、非常に私は憲法上から、これは若干の疑義を持っている。相互扶助のこういう制度のもとに、こういう差をつけるということは、旧憲法下における軍人という考え方で今の自衛官というものを見る、考える底流というものが私は法案提出者にあるのじゃないか、その点を私は指摘したいのです。わが憲法九条が変って、今の自衛官というものの身分が明確になれば、これはそのときに、私はそれに即応する論陣を張りますよ。しかし、今の憲法九条と、それと関連する防衛庁法、あるいは自衛隊法、並びにこの法案の提出責任者は岸内閣総理大臣ですが、岸内閣総理大臣の国会における答弁からいって、さらに給与法の体系からいって、相互扶助のこの法案にこういう形が出るというのは、私は筋が通らぬと思う。だから、もう少し納得のできる資料を可能な範囲内で出してもらいたい。あなたが提案者ですからね。それは僕らの審議権に百パーセント即応しなくても、ある程度即応できるところの資料が出せるわけです。これは提案者にその用意があるわけですね。十二年だったのを今度十五年にするわけです。ところが、十七年であったのを二十年にするわけですね。そうするとこの十二年とか十五年とか十七年とかいうような具体的な数字があるのですから、何かあなた方が合理的に説明のできる根拠があるはずですからね。それに給与法というのが違うわけですからね。だからそこで、あなた方の立場に立ってあなた方らしい説明の仕方があるわけです。それを私が納得するかしないかは、それは別です。そういう範囲内で、あまり御無理のいかない程度であすまでに資料を出していただきたい。よろしゅうございますな。
  149. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) できまする範囲内のもので、御満足がいきますかどうかわかりませんが、時間の制約がございますので、時間の制約の範囲内ででぎますものを用意いたします。
  150. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次に給与課長にお伺いしますが、あなたが出されたこの資料で、警察職員とは十五年で三五・〇と、それから一般職員は二十年で四〇・〇、この数字の差がある。しかし、勤続年数三十年においては一般職員警察職員等もいずれも五五・〇となって以下同じになるというのですがね。これは勤続年数三十年といったら、年にして五十以上になるのですからね。日本の労働人口の構成、それからいってですよ、もうほとんど一般職員警察職員等の在職期間中は差があると、こういうように言うことになるんじゃないですか。勤続年数三十年後が同じになっているというようなのは大して理由になりませんよ。就職してから勤続年数三十年の間ぐらいが問題ですよ。そこは関係者が一番多いわけです。だから、先ほどちょっとあなたが答弁されておったのですが、勤続年数三十年後は一諸になるから大した問題はないという、こういう見方でこの表を児たら、私は大きな誤りだと思います。政府は五十五才くらいで定年制をしこうと、まあ五十五才でなくても、条例次第では五十二、三才でも定年制をしこうという考え方を持っているのでしょう。ある特定の知事によると四十八才くらいで定年制をしこうかというような県条例を考えている知事すらある。だから、地方公務員にこれが及んできた場合、それは大きな何ですよ、差等がついてきますよ。勤続年数三十年後に一緒になるからなんというのは、それは問題にならないですね。これは私はあなたのさっきの答弁に対してこの点は指摘をいたしておきます。  山吉長官がお見えになったようですから、そちらの方に質問が移りますから、もう一点だけ伺ってこの法案に対するきょうの質疑を終っておきたいと思うのですが、それは山口長官に伺って、それから主計局長に伺いたいと思うのですが、恩給局はどうなさるつもりでございますか。この国家公務員共済組合地方公務員共済組合になれば、恩給局は軍人恩給だけを扱うというので残すのか、国家行政機構としてどういうお考えでおられるのか。それから推察するに、総理府総務長官が今おられないが、総理府に恩給局を残しておきたいという念願が一部にあるのじゃないか。その念願が、この非現業公務員の長期給付の決定については、恩給局の窓口を通さなければならぬ、こういうような規定が出てきているのじゃないかと私は思うのですが、考えてごらんなさい、当然これは連合会一本で、一元化でいくはずですよ、これは能率的ですよ、合理化されますよ、当然そうだと思います。それを非現業組合員の長期給付については恩給局が審査するとか、その窓口を一ぺん通すというこの考え方の出てきたことは、今の恩給局の機構を国家行政機構として何とか残しておきたいという、こういう念願を持っている、その考え方から出たのじゃないか、そういうように私には推察されます。そうだとすれば、これは組合員の立場からいっても好ましいことではないし、ましてや国民の、納税者の立場からいうと、官僚のままごとだとしか言えない。この点どういうわけでこういうことになったのか、当然これは連合会が決定できるように一元化すべきものだと、かように思います。だからまずこの点を主計局長からお答えいただきまして、それから総理府の恩給局を将来行政機構としてどうされるつもりか、行政管理庁長官からお答え願いたいと思います。
  151. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 恩給局の現在の仕事は、御承知のように軍人遺家族の関係におきまして、まだ二百万件をこゆる件数が残っておりまして、まだまだ仕事がなくなるという前提におきましてこの案を考えたわけではございません。この御提案を申し上げておりまする法律案におきまして、審査事務につきまして恩給局に委託するということにいたしましたのは、法案に明らかでございまするように、従来の恩給部分と、これからやめまする人たちが今後におきまする在任期間の合算をいたしたものを受ける、従いまして当山分の間は両者が併給をせられるということに相なっております。むしろ前者の面が金額的にも大きいわけでございます。かつまたいろいろな基礎資料等におきましても、恩給局がこれを持っておりますから、その知識、経験を活用いたしまして、かつまた両者を併給をいたしまする点におきましても、恩給局に事務を委託する方が、当面の予算事務が能率的に参るゆえんじゃないかというふうに考えまして、連合会に新たにそれらの職員を増置いたしましてやるということにいたしまして、恩給局にお願いいたすということに立案をいたした次第であります。
  152. 山口喜久一郎

    国務大臣山口喜久一郎君) 今年度のところは、御承知通りこのままで差しつかえないと思っておりまするが、将来といたしましては、軍人恩給の受給の事務も相当長期にわたって取り扱わなければなりませんし、また、この共済組合年金審議会等の点でございまするが、今石原主計局長から答弁された通り、まあ明年度以降のことについては今明確に御答弁する資料を持ちませんが、縮小されてもやはり何らかの形において存置していかなければならぬかと思っております。   ―――――――――――――
  153. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 次に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより本案の質疑に入ります。政府側出席は、山口行政管理庁長官、山口行政管理局長、重宗運輸大臣、細田運輸省官房長、林航空局長、吉村気象庁総務部長、世耕経済企画庁長官、淺村総合開発局長、以上であります。
  154. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 世耕長官とそれから重宗運輸大臣がお見えになっておりますから、お忙しいそうですから、これは具体的な問題ですから、先にちょっとやらしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  155. 永岡光治

    委員長永岡光治君) よろしゅうございます。
  156. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 経済企画庁長官に伺います。この法案中、あなたのところの経済企画庁に関する部分として、次のごとく、すなわち、定員増二十名が出されておるわけですがね。これは水質保全関係事務の増加に伴う定員増、ごもっともだと思います。それで、他の委員会でも伺ったのですが、離島振興の行政は、僻地であるから、非常に取り扱いにくいわけですね。離島の振興法が制定されて、離島振興の行政は着々と進められておるわけですけれども、机上プランで経済企画庁の一部に腰かけておって、そして適切なる指導というものはなかなかできないわけですよ。島はへんぴな所にあるわけですから。だから、離島振興の立場から行政機構としては所管課を設けるべきだ。これはあなたもお認めになって設けるということなのですが、そういう機構を設ければ、当然定員というものは必要になってくるわけですね。このたびの改正案には出てくるものと期待をしておったわけです。これは離島振興審議会の結論でもあるわけですね。まだ出てきてないわけですね。そこで伺いたいことは、今度は定員増が出てきてないわけですが、今あなたのところの定員のワク内で離島振興の課をでぎるだけ早く設けるということを、あなたから他の委員会で御答弁いただいているわけです。設けたか設けないか、すでに。設けていないとすれば、いつまでに設けられるのか、その点をあなたから伺う。それから山口長官からは、今お聞きいただいたと思うのですが、離島振興にはその行政事務に携わる員数が必要だ。これは内閣総理大臣の諮問機関である国家行政組織法によって設けられた審議会の結論として答申もしてあるわけですね。今、長官はそれを認めながら、こういう改正案に出てきてないわけですね。おそらくあなたの方でチェックしたのだと思うのですがね。長官はどういう御見解を持っておられるのか。ことしは出なかったが、来年は経済企画庁長日の意向を入れて、若干の定員を確保するお考えでおられるのか。それぞれ御答弁いただきたいと思います。
  157. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) お答えいたします。実はこの委員会でも御答弁申し上げたこともございますので、できるだけ御趣旨に沿うように、ただいま事務的に処理をいたしております。そこで、行政処置の可能な範囲においてまず実現したい、かように考えて、事務的な処置を進めております。なお、その事務的な処置の経過については、局長からお話し申し上げます。
  158. 淺村廉

    政府委員(淺村廉君) 離島振興課の設置につきましては、かねて私ども努力をいたしておるわけでございますが矢嶋委員承知のように、当初、予算面で十名程度の定員を私ども要求をいたしましたところが、諸種の事情から実施が困難となりましたので、現在におきましては、私どもといたしましては、開発局内の定員のやりくりと申しますか、そういう考え方によりまして、最小限度のものをここに供出いたしまして、それをもとにしてこれを育てて参りたいという考えでおります。段取りにつきましては、長官も設置の方針でいくということを言っておられまずので、まず企画庁の組織令の改正をいたさなければなりません。従がいまして、その政令の改正案をただいま私ども事務的に案を練っておりまして、各省と逐次折衝をいたしまして固めて参りたいということになっております。
  159. 山口喜久一郎

    国務大臣山口喜久一郎君) 今年度二十名企画庁に公用水域の水質保全に関する増員がございましたが、ただいまお尋ねの離島振興につきましては、先ほど行政管理庁の方でチェックしたかどうかというお話がありましたが、まだ行政管理庁の方に正式には申し出は受けていないわけであります。しかしながら、事情は私どもの方で十分了承しておる次第でありまして、今後いわゆる離島振興に関する問題につきましては、調査官として今局長から御答弁の通り業務さすほうがいいか、それとも課長として事務を明らかに分掌さすほうがいいかというようなことは、将来研究しなければならん課題ではありまするが、私といたしましては、将来やはり離島振興に対する一課を設けて分掌さすというような明確な線を打ち出すことがいいのではないかと考えております。
  160. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 山口長官の後者の答弁は私は了とします。その通りだと思う。けっこうな御意見だと思う。前半の御答弁ですね、これに関してですが、経済企画庁としては、行政管理庁長官にはそういう定員増の必要があるということは御交渉にはなられなかったのですか。
  161. 淺村廉

    政府委員(淺村廉君) ただいま御質問がございました点は、企画庁といたしましては、まだ正式には行政管理庁に折衝の段階に至っておりません。と申しますのは、私お答えいたしましたように、定員が一応ございませんので、種々検討いたしました結果、水質の三十名からこちらへ回すわけにも参りません。そこで、開発局内部で、いずれも相当に繁忙を来たしておりますけれども、特にこのために人員を数名供出をさせまして、そうしてこれを離島振興課の母体としていくということにやっと最近局内の打合せを済ませまして、そうしてそれに従って行管なりその他関係のまだ各省がございますから、それと政令の改正案の審議ということで折衝を開始する予定にいたしております。できるだけ早く私の方は進めて参るつもりでおります。
  162. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私の伺っている点は、総合開発局も非常にこれは重要な仕事で、員数も必要とすると思うのですが、私は今審議しておる行政機関職員定員法案ですね、この提案作業過程において、当然私は経済企画庁としては、私は離島振興審議会の委員の一人ですが、長いことそういう意向を審議会としては政府に意思表示をしておるわけですから、当然その職務を担当されている経済企画庁としては、審議会の意向をくんで、そうしてこの法律案提案過程において、政府部内責任官庁である行政管理庁に対して、そういう要望をされたものと思うのです。そこで、今行政管理庁長官としては、経済企画庁からそういう定員増の必要さは要望されたことはないという御答弁があったので、私は非常に心外だから重ねてあなたに伺っている。お答えいただきたいと思う。
  163. 淺村廉

    政府委員(淺村廉君) 私といたしましては、離島振興課の設置問題については、いろいろな機会に各方面にお話をいたしておりますが、しかし、それは事務的に申しますと、はなはだ事務的でおそれ入りますが、政令案の改正という形で正式には御相談いたしませんと、これはどうにもなりませんので、従ってそういう意味では今日までおくれておったわけでありますが、私どもといたしましてはこういう考えでいくということをいよいよ踏み切りましたので、従って政令案の改正という形で正式に行管を初めとして、その他の関係の各省に大至急折衝をいたしたいという状況でありますので、御了承いただきたいと思います。
  164. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それでは二つに分けて私は申し上げておきますが、その一つは、次回におい行政機関職員定員法を内閣として一部改正される場合は、経済企画庁としては部内操作でなくて、審議会の意向をくんで、その定員確保をするように政府部内において努力をされ、そして行政管理庁長官としては、先刻あなたの答弁されたような線に沿って十分経済企画庁と協議をされることを御要望申し上げます。これはお約束できるかという答弁をいただくことと、それから次に、当面は政令改正案を考え関係省庁と連絡をとっておる段階だ、こういうことですが、これはまず次官会議にかかるものだと私は思うのですがね。そうして次官会議にかかる前に、おそらく行政管理庁の内意というものを一応サウンドした後にかかるものだと私は思うのですがね。いっその次官会議にかける予定か。それから山口長官に対しては、経済企画庁から部内の機構、運用改正としてこういう考えがあるからといってあなた方に内意を伺ってきた場合に、先ほどの答弁から言えば、当然あなたはオーケーを即座になされると思うのですが、そういう御用意があるかどうか。その二点についてそれぞれの方からお管え願います。
  165. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。なお、それはそれといたしまして、特に事務的にすみやかに実際に即するように、実は督励いたしております。だから今のあなたの御趣旨は十分のみ込んでいたしたいと思いますからよろしく。
  166. 山口喜久一郎

    国務大臣山口喜久一郎君) 先ほど御答弁申し上げました通り、ただいまのところは、所属する調査官の適切なる運用によって、事務は決して渋滞してはいないと思いますが、結局将来の問題としては、調査官として参画するか、それとも課を設けて課長としてこの事務を分掌するかという問題になると思いますが、私は離島振興というような重要な施策に対しては、やはり課を設けていくことが当然であって、ただし、その内部においてそれを何名とし、どういうふうにするというふうなことは、将来経済企画庁と十分御協議の上御趣旨に沿うようにいたしたい。
  167. 千葉信

    ○千葉信君 動議ですが、本法案につきましては今それぞれ与野党の間に修正案の交渉が進められております。今の矢嶋委員の質問は、その問題によってその質問の内容がかなり変ってくることが予想されます。従ってその修正案の交渉の成否が、今後の質疑にかなり影響を持ってくると思いますので、ここらで一つ委員長休憩に取り計らっていただきたいと思います。
  168. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 暫時休憩いたします。    午後五時二十七分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕