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政府委員(鈴江康平君) 研究の振興につきましては、総活的に申し上げますると、やはり何といいましても研究費を増加するということが一点でございまするし、それから他面、また研究者の処遇を
改善いたしまして、安定して研究ができるということにしなければならぬわけでございまして、その基本線に従いまして、当初におきましては科学技術の振興予算についての意見を
大蔵省に毎年出しておるわけでございますが、その結果、その結果ばかりではないんでしようけれ
ども、漸次国の研究予算というものはふえつつあります。本年度の予算におきましても昨年度よりも約二十五億程度の研究費が増加して参ったわけでございます。これは私
どもとしてもまだ諸
外国に比べまして比較的に少いという
感じは持っておりますけれ
ども、なお今後も漸次研究費の増大に向って努力したいと思っておるのでございます。それからなお研究者の処遇の問題につきましても、漸次
改善をいたしておりまして、科学技術庁ができましてから研究所におきまする職員の待遇が漸次
改善されつつあるようでございますが、三十四年度の予算につきましても、新しく科学技術者の処遇
改善という点からいいまして、特別研究員制度というものを、実施してもらうような予算を
大蔵省に折衝いたして見通しがついたわけでございますが、これはどういう点かと申しますと、国立の研究機関におきまする研究所の職員が、所長、部長、課長といったような
管理的な職制につかなくても、能力のある研究者はそういったものと同等の待遇ができるという予算でございますが、その点も
改善いたしました。あるいはまた、研究者の超過勤務手当、研究所は非常に研究の都合によって長い時間の仕事をする人が多いのでありますが、そういった点から従来一ヵ月当り八時間程度の、平均いたしましてその程度の超過勤務手当の支給でございましたが、これを十五時間までふやすということに
大蔵省と折衝いたしまして、その予算を計上することができたわけでございます。それからなお新規採用者につきましても、科学技術者の方は
民間の企業等との
関係もありまして、なかなか集まりにくいわけでございまして、官庁の研究職員に対しましては千二百円、これは大学出の六級職の等級でございますが、千二百円の増額をする。もっとも一般に千円の増額でございますが、従来と違いまして、その間に事務的な行政職の方の人々とは違いまして、特に二百円の格差をつけるということの予算も、これは人南院の勧告もあったわけでございますが、そういうようなこともあるわけでございまして、その点なお漸次ふやしていきたいと思うわけでございます。
なお、御
承知のように原子
力関係につきましては、あるいは原子
力局長からお話があるかと思いますけれ
ども、いろいろ原子力学も進んで参りましたし、また研究もそういったことで振興いたしますと同時に、各省におきましてもやはり共通的な問題といたしましては、たとえば
日本では金属材料というものが非常に欠陥がございますので、こういう欠陥につきましても科学技術庁ができましてすぐでございましたが、金属材料研究所というものを
設置いたしましたし、あるいはまた各省にまたがるような研究でございますが、たとえば単細胞のクロレラというものが、これは世界的な
一つの注目された研究でございますが、それにつきましても特に補助金を助成いたしまして、その育成をはかつておる。あるいはまた
航空関係の研究所につきましても遷音風洞というような膨大な
施設も完成しつつある、作りつつあるわけでございますが、そういったようなこともやつておる、いろいろなことをやつておるのでございますが、ごく
概略を申し上げた次第でございます。