○横川正市君 私はこれは、今の
総理の努力の方向というのが、実はB円の軍票が九月の二十日から実際上は廃止されて、そして法定通貨が米ドルにかわり、
沖縄の経済状態がきわめて
自主性のないものに逐次変ってきつつある。ことに、最近の現地からの報告によりますと、
沖縄自体の経済の不安定が原因するところでありましょうが、大体年間について二十万ないし三十万ドルの金が
日本の銀行へ振りかわってきて、資産の蓄積を肩がわりするというような傾向も出てきて、実際上きわめて不安定な状態だということが
報道されておるわけであります。ですから、一歩前進をするのだとするならば、私はこういうような半永久的というか、永久的方向への
アメリカの実際上の軍政が基礎づけられていく、こういう方向を私はやはり
事前に
話し合いで行わせないような方法がとられるべきではなかったか、こういうふうに思っておるわけなんです。しかし、これは短い時間でちょっとこの問題に十分触れることはできませんが、ただ、
安保条約の
改定の問題と関連を直接はいたしませんが、間接的には非常に大きな影響力を持っておるという問題として、ソ連との平和
条約の締結の問題であります。これは第一には、緊張緩和の問題と、もう
一つは北海道の沿岸漁民あるいは漁家等の経済上の
問題等と関連いたしまして、これは喫緊の私は問題だというふうに
考えております。ことに釧路
地域、それから根室
地域の沿岸漁家の、いずれの
地域からの陳情ないしは請願等を見ましても、平和
条約の締結についての一日も早からんことを念願をして要望されている点は、これはもう
総理も御案内の
通りだと思う。そこで、締結当時の状況から推してみますと、当初十三点くらいのものがずっと羅列されておりまして、その
一つ一つが大体
交渉の過程ではさして重大問題としては残らないで、最終的には領土問題が問題として残り、領土問題の最終的な帰結ができなかっただけに、暫定
条約にかわってきたということになっておるんだろうと思うのであります。そこで私は、
沖縄の
潜在主権の
問題等、これはまあ第一には、固有の領土ということから、戦争その他によって
日本が取得したのではなくて、従来から
日本の領土であったものと、こう
日本政府は主張し、それから
安保条約によって
アメリカに対して
沖縄の施政権を与えてしまったということから、現在潜在領土権というような問題を私
どもは云々しなきゃならなくなってきているわけですが、自民党の皆さんの
考えている外交
調査のいろんな資料を見てみますと、南千島、北千島、それから南樺太等を含めて、これは
日本の固有の領土であると、こういうふうに主張されて、ことに三十年の八月の三十日から八月三十一日の日ソ
交渉のさなかで、自民党の皆さんの主張が、北千島、南樺太等の帰属をきめるように、こういう
決定をし、そのことを
会議に持ち出して、ついに最終的に平和
条約の締結が行われなかったということが、まあ、私は当時の状況から推して原因だろうと思うのです。ただ現在
地域住民の願いをずっと見てみますと、これは
日本社会党も、南千島、それから南樺太の帰属については、
日本は当然主張すべき
範囲と、こう規定はいたしておりますが、当面現実問題として、いろいろ
地域の人たちや、それから党内でのいろいろの
話し合いの結果としては、まず第一に歯舞、色丹の帰属を明確にする平和
条約を結ぶべきではないだろうか、同時にこの
条約が結ばれることによって、国後、択捉に対して基地を作られて、そして漁家の安全操業がそのことによって確立されるならば、私は現実的な問題として、当面非常に大きな利益が、この沿岸漁家ないしは
日本の漁業をされておられる方々にあるんだ、こういうふうに
考えられ、その実現方を非常に強く要望いたしてきているわけであります。そういう点から、私
どもは、
安保条約と直接な
関係はないにしても、
安保条約の締結が相当影響をされて、そしてその択捉、国後の
問題等に対して、おそらくこれは主張しておれば、いつまでたっても平和
条約が結ばれないという現実の問題を
考えて、そして当面、今言ったように、歯舞、色丹で平和
条約を結び、国後、択捉等に漁業の基地を設けるということで安全操業をかちとっていく、こういう方法がとられるべきではないかというふうに思うのでありますが、その点についてどのようにお
考えでしょうか。