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1959-03-05 第31回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月五日(木曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————   委員の異動 三月四日委員前田佳都男君辞任につ き、その補欠として川村松助君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     手島  栄君    理事            新谷寅三郎君            森中 守義君            長谷部ひろ君    委員            石坂 豊一君            黒川 武雄君            三木與吉郎君            宮田 重文君            鈴木  強君   国務大臣    郵 政 大 臣 寺尾  豊君   政府委員    郵政政務次官  廣瀬 正雄君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政省電波監理    局次長     荘   宏君    郵政省電波監理    局法規課長   石川 義徳君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○放送法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 手島栄

    委員長手島栄君) ただいまから開会いたします。  委員変更についてお知らせいたします。  三月四日、前田佳都男君が委員を辞任せられまして、その補欠川村松助君が選任せられました。   —————————————
  3. 手島栄

    委員長手島栄君) 放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続いて御質疑のおありの方はどうぞ御発言を願います。
  4. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 委員長お許しを得まして、放送法案について質疑をいたします前に、ちょっと大臣に、あるいは関係の政府委員でもけっこうですが、質問をしたいことがありますが……。
  5. 手島栄

    委員長手島栄君) どうぞ。
  6. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大臣からでも、大臣じゃなくてもけっこうなんですが、新聞等に出ております四月十日の皇太子殿下の御成婚記念いたしまして、記念切手を発行するという計画があるということを聞いておりますが、そのこと自体はまことにけっこうなことだと思いますが、それに関連して郵政省では、今、年賀はがきと同様に、一円それに追加をして、そしてその得た収益でもって何か社会全体に貢献するような、また、あとになって御成婚記念をして何か国として意義のあるような方面にそういう資金を出そうというような計画もあるやに聞くのですが、それについては郵政省はどういうふうなお考えでいらっしゃいますか。ちょっとそれを……。
  7. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 結論的に申し上げますと、さようなことは目下考えておりません。ただ、この記念切手を発行いたしますにつきましては、特に皇族の方が御存命中にそのお写真と申しますか、お姿を切手に載せたということは、かつて日本切手にはさようなことが、やったことがなかったものですが、しかしながら、今回の御慶事が、国民ひとしく心からお喜び申し上げることだけでなく、国際的にも非常な皇太子の御成婚については、非常な喜びとして関心を持っておるというような、非常な慶事でもありますので、閣議にも諮り、また宮内庁とも相談し、皇太子殿下お許しも得まして、おそろいのお写真によりまするお姿を付しまして、五円、十円、これは大体二千万枚ずっとりあえず出しまして、それから二十円、三十円のものは一千五百万枚ずつ、合せて七千万枚を出すことということを決定をいたしておるわけでございます。  これに対しまして、いろいろ新聞紙上あるいは各方面から、この際御慶事による記念切手の発行による利益金、あるいはまたそれが困難であれば、これに寄付金等を付して発売をすることによって、何か記念事業をするというようなことをしたらどうかというようなことの御意見も、ある方面ではありましたし、また、去る日の衆議院逓信委員会におきましても、一委員からそういう質問、また御意見も拝聴いたしたのであります。  しかし、郵政省といたしましては、一応年賀郵便、いわゆる、これを寄付金付お年玉はがきとして売り出し、すでに御承知のように、これは寄付金付は六億万枚というものを去るお正月に発行いたしておりまして、このことにつきましても、寄付金付が多い、もっと寄付金のつかないものを出さなければいかぬ、こういうような御意見も拝聴いたしておりますので、この際、切手にさらに寄付金をつけるということについては、十分これは検討を要する問題であるということで、そういう考え方をもちまして、このことにつきましては、郵政省はこれを計画するとか、あるいは今そういったようなものを検討するとかということはいたしておりませんのでありまして、やはり今後の記念切手に対する寄付金をつけるか、つけぬかというような問題については、十分慎重に検討していきたい、かような考えを持っております。
  8. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体御趣旨はわかりましたが、いずれ他の機会に、売り上げのこれは純益にすっかりそのままならぬかもしれませんが、十億幾らの売り上げ収益、それを一般の切手はがき売り上げ収益と同じように扱うのがいいか、あるいは何か特別に考えるのがいいかというようなことについては、郵政省もお考えがあるだろうと思います。従って、政府のお考えもだんだんまとまってくると思いますが、国会としましても、これについては各方面いろいろ意見があると思いますので、これはまた別の機会に十分御懇談をする機会を得たいと思います。  放送法案改正について……。
  9. 手島栄

    委員長手島栄君) この前の答弁を今……。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この前の放送法改正案についての答弁を留保せられた点がございますので、それをまず伺いました上で質疑を続けたいと思います。
  11. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 前回新谷委員から二つの点について御質疑がございました。十分検討をいたし、省の方針もはっきりいたしましてお答えを申し上げるということでお許しを得ておったのでありますが、お答えを申し上げたいと思います。  第一の問題でありまするラジオ及びテレビジョンに対するチャンネルプラン並びに置局方針はどういうふうにしておるか、どういう方針を持っておるかということでございますが、このことについては、ラジオにつきましては、すでに全国民の間に普及している標準放送による放送サービスが将来とも維持されるとともに、受信状態の不良な地区の解消を置局の主眼といたそう。標準放送周波数帯事情によりまして、完全なサービスを供給し得ない場所、こういうものに限りまして超短波FM放送実施を考慮しなければならない。なお、超短波FM放送につきましては、将来本格的実施を行う場合に対処し、これが国民の間になじまれ、普及措置が醸成されるように日本放送協会によって主要都市において放送されることが望ましい、こういう考え方であります。  テレビジョンにつきましては、総合番組放送について、現在の周波数割当計画に即応しまして全国的置局を進めることを当面の主要課題といたしまするとともに、教育テレビジョンについては、NHKによる放送が順次全国実施をされるように諸準備を進めていかなければならない、かように考えております。また、カラー・テレビジョンにつきましては、わが国の国状に合致した放送方式研究、開発を促進をいたしまして、国民経済、世論の動向等に即して最も適当な時期に実施ができるように、極力準備を進めていく方針でございます。このことはきわめて大要でありまして、詳細になおわたりましては、御質問お答えをいたしまして、局長その他からお答えを申し上げたいと、かように存ずるわけであります。  次に、昭和三十二年十月、テレビジョン局免許に付しました条件に関する問題について答弁をさしていただきたいと存じます。二月二十七日、本委員会において、一昨年十月、テレビジョン放送局の一斉予備免許に際して付したいわゆる条件性格について、新谷委員から御質問があり、これについて事務当同から御答弁申し上げましたところ、これに関連して森中委員からも御発言がありましたので、この際私からはっきり御答弁を申し上げておきたいと存じます。  端的に申し上げますと、私の考え方といたしましては、田中郵政大臣のお考えと大体において同じ見解でございます。この点について御説明申し上げますと、次の通りでございます。すなわち、昨年四月九日、本委員会において、いわゆる条件について森中委員から田中郵政大臣に御質疑がありましたが、これに対して田中郵政大臣は、次の要旨の御答弁をされております。すなわち、確かにあの条件の中では、条件としてはっきりするには争う余地のあるものがたくさんあります。これは法律による条件ではなく、基準であり、方針であり、拘束力法律的には弱い立場にあります。もっと明確に申し上げますと、申請者が自発的に出した誓約書に掲げておる条項がおおむね満たされたと認定できる場合に確認書を交付をする。まあそこにいろいろ問題もあるようでありますから、そういう問題については行政措置として遺憾なきを期したいと思います。なお再免許という問題もありますし、調印した以上は、自分の責任において誓約は守ってもらわなければならないという厳然たる態度をとっています。これが田中郵政大臣答弁要旨であります。以上でおわかりのように、確かにあの条件の中には法律的な性格から申しますと、字義通り法律上の条件たる部分とそうでない部分とがあり、そのようなものを一括して条件という名称で示しましたことは妥当を欠く感があるものと存じます。田中郵政大臣が申されましたように、条件その二として示されている事項は、免許基準であり、方針であるものを申請者に示し、申請者側はこれを申請書に記載して申請して参りましたもので、いわば申請者側における制約的なものとでも申されようかと存じます。御承知通り、あのときはテレビジョン放送社会的影響力の強大さが痛感され、何らか番組適正化措置が要望されていたときに、一時に大量のテレビジョン局免許申請が殺到して参りましたので、郵政省としては多数の競合する申請の中から、その放送番組が不偏不党であり、かつ公共福祉の増進に役立つ放送を行う局を選出するためのこまかい審査基準を作り、これによって右の審査をしたわけであります。申請人もその基準に合致するごとき申請をして参ったものであります。これらの事項は、放送事業の遂行上望ましいものであると考えられますので、省側におきましては予備免許を付与するに際して、予備免許書中に文書の形としてこれを明らかに記載し、その順守を要望しているものでございます。  その中に、条件その一として明示されているものは、法律上いわゆる条件であり、条件その二に示された事項は、法律上の条件たるものではありません。条件その二に示された事項は、免許申請審査基準であり、申請人申請内容たるものでありますので、再免許の際にその実績が考慮せらるべきものであります。従いまして、実際問題として放送事業者に対し行政上の拘束力を持つものであると考えます。以上の意味におきまして、これらをすべて条件という用語を用いましたことにつきましては、用語の適切を欠いた感がありますので、この点につきましては遺憾の意を表したいと存じます。  以上でございます。
  12. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この前に伺いました放送局置局計画及び電波法による免許条件についての寺尾郵政大臣の御見解を伺いまして、まあ大臣考えておられる気持はよく私も了承いたしますが、その内容について私今ここでさらに議論にわたることは、質問の段階では避けた方がいいと思うのでありますけれども、まあこの両方の御答弁を伺いましても、なお、いろいろ問題があると思うのですね。  たとえば、今の置局計画でお述べになったところ、これはまあ速記録でも見なければ詳細にわかりませんが、耳から入っただけをもとにして申し上げましても、たとえばFM放送は、標準放送で十分聞き取れないようなところに、その何といいますか、補助的な手段としてFM放送考えさせるのであると言いながら、しかも将来FM放送を本格的に実行させる場合を考えて、その準備としてNHKによって主要都市でやることが望ましいのだと、こういうことを言っておられるのですね。これは一体何を言っておられるのか、私にはわからないのです。FM放送というのは、この標準放送の付属的なものとして考えていくのならば、さらに世間で言われておりますように、NHKに対していわゆる第三放送といわれるような形において、あるいはそういう内容を持ったFM放送というものを今から準備して、それを着々やらしていくのだというような方針を今立てられることは、私はこれは早いと思うのです。もっとこれは慎重に審議をして、FM放送というものをどうするかということを考えないといけない。しかも、こういうことになってくると、FM放送というものはおよそ民間には、民間放送には許さないのだというふうに聞えます。今の御答弁では。それを一体どうされるかという問題も起る。それから、たとえば教育テレビには、教育テレビNHKによって全国的にこれは普及させた方がいいのだという、これは私もこの前も申し上げたように、望ましいと思います。望ましいのですが、それならば、それに対するチャンネルがあるのかというと、今はないというのですね。なければどうするのだ。UHF帯研究を大いに進めて、将来それができるようになったらやることを考えていると、こういうにすぎないのだろうと思うのです。一体それならば、テレビにおいて、教育テレビというものが、おっしゃったように非常に重要なものであるということであれば、そういう技術的な研究というものに対して郵政省がどのくらい今熱意を示し、民間機関に対してどういうふうな奨励策あるいは助長策を講じているか。何もないじゃないですか、今。それでいいかということですね。だから、おっしゃったのとこれと違うのですね。  それから教育テレビについても、これはまあ多少意見になるかもしれませんが、今のようなお話になると、民間教育テレビというものを一体どう考えていくのだという問題が残るわけです。NHKによる全国的な教育テレビ網普及ということが望ましいのだということであれば、民間放送局によって教育テレビというようなものが一体普及することについてはどう考えるのだ。これはさらに、チャンネルはないでしょうね。しかし、東京大阪だけは教育テレビのようなものを民間にも認めておられますね、すでに。で、学校教育とか、あるいは社会教育一つ手段として教育テレビというものを利用しようということであれば、そういった手段のなるべく少いところに優先的に許すのが私はほんとうだと思うのですね。学校教育とか社会教育ですね、いろいろな機関があり、いろいろな施設があって、大都市ではそう私は教育テレビまで許さなくても、学校教育の上でも社会教育の上でも困らない。地方へ参りますとそういう施設もない。手段もないのです。そういうところこそ、もし、ほんとうにあなた方が教育テレビというものを普及して、そうして社会教育の上にも学校教育の上にも役立てようというのならば、私はもっといなかの方を優先に、それを大事にしていかなければならぬと思うのですよ。それとまた違ったことをやっておられるのですね。だから御趣旨は御趣旨として拝聴いたしますが、今申し上げたような諸点を考えましても、非常に具体的には私は問題が多いと思うのです。  御答弁があれば伺いますが、要するに、私は、この問題について申し上げたいことは、そういうふうな、大臣が述べられましたが、抽象論は別としまして、そういった具体的な計画も十分に持たないで、そうして出てきた申請書だけを、これがいい、悪いという審査をしておられる現在の郵政省免許に対する姿というものを見まして、私はこの放送事業の発達、発展のためにといいますか、これは国民全体としてその利益を受けなければならないのですが、そういう見地から見ての放送事業というものの監督の仕方というものについて、実に情ない感じがするのですよ。もっと全国的に——個々申請はどうでもいいと思うのです。もっと全国的にはっきりとした基本的な計画を持っておられて、そうしてほんとう国民のためになろうというのならば、その方針に従って、その方針の上に乗っけて、個々放送局を許可していくというのでないと、もう全く場当りのような感じを与えるのです。それを私は、今、大臣の言われたような抽象論でもいいのですが、そういったことをもとにされて、そうしてこれから先の放送局免許については真剣にやっていただきたいのです。場当りではなく、それをぜひやってもらいたいためにこういう質問を続けているわけなんです。
  13. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 大臣の御答弁を補足いたしまして御説明を申し上げたいと思います。大臣ラジオテレビジョンチャンネルプランあるいは置局につきましてお話がございましたが、これは序論と申しますか、あるいは全体の基礎的方針というようなものを申し上げた次第でございまして、新谷委員の言われますところの、日本全体のことを考えて、具体的に、しかも場当り的でなく、真剣にやってもらいたいという御要望につきましては、私ども非常に感銘いたします。また同感をもって絶えずその方針もとにやって参っているつもりでございます。  さて、最初にお触れになりましたFM放送につきましては、チャンネルプランをただいま作りますことにはいろいろ困難があります。また考慮すべき幾多の条件がありまして、新谷委員が仰せられるように、今これを直ちに決定したり発表することは、時期尚早のように思うということと、私どもは全く同じ考えを持っておるのでございます。申すまでもなく、わが国では標準放送がほぼ飽和に近いくらいに普及しておりまして、ラジオ受信機の台数も千五百万台になります。これをFMで一挙に置きかえてしまうということは、むろんこれは不可能に近い仕事でありますし、またこれを徐々に置きかえていくということにしましても、いろいろなむずかしい前提なり条件がございますので、慎重にこれをただいま考慮し、検討を続けておる次第でございます。目下のところ、FM混信妨害対策に使うのがまず第一であります。次に、今日ではいわゆる総合番組の局がたくさんふえまして、NHK民間放送、町方ともそういう意味におきまして番組対応性FMによって解決するということはもはや必要はなかろう。むしろ公共福祉ということを特に考えて、特殊な番組放送をするということからだんだん始めていくのがよろしかろうというふうな考えを持ちまして、今後三年後に、あるいは六年後に十年後における日本の声の放送の姿をわれわれは頭に描きつつ、いろいろな検討をやっている次第でございます。  もう一つの困難の事情を申し上げたいことは、これらの電波チャンネルは、現在電電公社とか、あるいは防衛庁とか、あるいは他の通信事業とかに使っておりまして、直ちにこれを放送に回すということは困難な事情にございます。そういう事情もありますし、かてて加えて、このFM受信機というものは中波の受信機と全く違いまして、今日では価格も高いし、これを普及さすにはいろいろ困難がございます。そういうわけでありまして、これをだんだん置きかえていく方法としましては、まず混信妨害対策から、それから特殊な番組から始めるのがよかろうという考えでございますけれども、どういう時期にそのやり方、その置局をどういうふうにやったらいいかということにつきましては、いろいろの議論と問題があるのでありまして、先ほど御質問の、大都会においてまずやるということでありますが、これは一番現実の問題として、FM受信機を持っている人たちが多いのだろう、それから放送をやる材料、タレントとか何とか、そういうふうなものが豊富であるだろう。要するにFMを経済的に放送をしてだんだん進めていくには、大都会の方が都合がよかろうという考えに基きまして、NHKをしてまず実験放送を大都会からスタートさせるのがよかろう。だんだん時間を延ばしていきまして受信機の数を増し、FMに対する理解を深からしめて、漸次これを全国的に落してしまえばよかろう、こういう考えなんでございまして、決して地方事情を考慮しないとかいうふうなことではございません。それが大体FMの問題でございます。  次に、教育放送テレビジョン教育放送の分につきましてお話がございましたが、教育放送は、新谷委員が仰せられるごとく、大都会よりもむしろ地方の方が大事だ、北海道であるとか九州であるとか、そういうところの方が大事だというお話がございましたが、これは全く同感であります。けれども、やはりただいまFMの場合において申し上げましたように、実際に教育放送を行う手だて、方法等は、地方の方よりも東京とか大阪の方が非常に便宜であるという現実に支配されまして、地方を考慮しないではありませんけれども、まず大都会において試験的に、教育放送について訓練の割合に少い日本において、まず東京大阪においてNHK——もっとも東京では民間もございますけれども、この大都会においてやっていくのがまず順序だろうと、そう考えまして、大都会から始まるということになった次第でございます。もちろん、やがて、なるべく早い時期に東北とかあるいは北海道とか、あるいは九州の南部とか、そういうところにおいても教育放送NHKにおいてまず実施せられるのが最も望ましいことであろうと考えております。  次に、しからば、その教育放送チャンネルが少いではないかというふうなお話がございましたが、全くその通りでありまして、ただいまのVHFチャンネルでは、東京大阪の二カ所のNHK、それから東京の民放一カ所、それ以外にVHFをもって教育放送をやり得るところは全国において数カ所、いろいろ苦面をしまして数カ所であろうと考えております。でありまするから、それ以上、先ほど申し上げましたように、いなかにおいてやろうというような場合には、どうしてもVHF以外にチャンネルを求めざるを得ません。それにつきまして、この前の委員会でも御指摘がありましたように、UHFを使うことが考えられますので、このUHFにつきましてはNHK研究所におきまして、このUHF電力放送の試験を鋭意やるように、それから郵政省におきましては、電波研究所においてもUHFの技術についてこの研究を進めるようにということを、昨年以来鋭意これをプッシュいたしております。そういうわけで、私どもといたしましては、UHF放送実施できるように、このような心組みをもちまして、いろいろ考えを進めておるのでありますけれども、このUHF等実施することになりますと、VHFUHFが競合して重なり合うことになりますときに、いろいろな聴取者側の不便が予想されますので、どういうふうにUHF置局をしたらいいかということは非常に問題があるのでございまして、このことはすでにアメリカにおきまして、このUHFVHFのいわゆるインター・ミニチュアといいます現象によりまして、非常な批判があります。非常な論議の種になっておりますので、われわれは再びその轍を踏まないように、いろいろな角度から、いろいろな方面から将来これを考える。来年、再来年でなしに、今後数年後にわたってのこの電波の姿を考えていかなければならないと、そういうふうに考えております。  次に、教育放送NHKだけを考え民間放送考えないのかというような御質問でございましたが、これにつきましてはいろいろ論議がございましたけれどもNHKというものは、本来この教育放送のようなものに熱を入れるべきであるという非常に多数の人の御議論であります。また私どももそう考えます。そういう意味で、NHKがまず教育放送を主要な任務と心得て、そこに全力を注ぎ、その影響を民間放送に及ぼして、日本放送番組の適正向上化ないしは公共福祉に適合するように持っていこう、そういう考えでございますが、民間放送教育放送をやってはいけないという理由はないのみならず、むしろ民間放送NHKと競って教育放送をやるべきであるというのが、私ども考えでございますし、また非常に多くの方々の支持を得ている議論であろうと思うのであります。アメリカの例を申しますというと、教育放送はコンマーシャルでは成立し得ないというので、多くは大学か財団法人等がやっておりますけれども日本人とアメリカ人の物の考え方あるいはその本の読み方とか教育に対する見方というものは、だいぶ違うのでありまして、私は、日本においてはアメリカのノン・コンマーシャルと違った教育放送が可能であろう。要するに、これをやる教育放送の経営者あるいはプロデューサーの考えいかんである。そう考えておるのでありまして、先ほど新谷委員が御指摘のように、東京民間放送教育局が一局、大阪に二局、北海道に一局、これはもっとも準教育局と称しますものでありますけれども、なるべく教育番組に力を入れた放送全国においてなされますように、そうして全国的に番組の向上ができて、放送法でいいますところの教育、教養と報道、あるいは娯楽との均衡がNHK、民放を通じてその全体的によくやられる。でほんとう意味において日本テレビジョン国民性の向上に、公共福祉に適合するようになるということにしたいという考えでございまして、それらを考えまして、今年、来年でなく、数年後、五年、十年後における日本の姿を考えつつ、さらにはカラー・テレビジョン実施されますときにどういうチャンネルを使うか、UHFを使うか、VHFを使うか、まだ決定しておりませんが、それらを勘案し、いろいろな角度から立体的な構想を練っているわけでございますので、何とぞ御了承願います。
  14. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の濱田局長の御答弁でもなおわからないところがたくさんあるのですが、ちょっとあとに回しまして、大臣のお述べになりました免許条件の問題につきましても、これはしっこく申しませんで、大臣がそういうお考えであるということをお述べになったのですから、それをそのままで一応承わっておくことにしてもよろしいのですが、ただ私は、なぜこんなことを質問しているかと申しますと、これはよく郵政大臣に聞いておいていただきたいのですが、やはりわれわれは、新しい憲法下で法律に暴いて国民に対する、あるいは国民相互間の権利義務の関係をきめているのだろうと思うのです。私はこの前にも申し上げましたが、免許というものについては、どうも法律規定が不備である。従って電波法上の免許だけでは律し切れないようなことがたくさん出てきておる。これは、どうしても放送法免許事業の免許という観念から、そういう法律規定を置いていかないと、今現在やっておられるのでさえも、もうすでに行き詰まっておるのじゃないかということを申し上げておいたのですが、きょうの御答弁伺っても、その点が明瞭に出ておるのですね。それはもう今のあなたがたのおやりになったことが、だれもこれはいいことだとは思ってないことと思う。内容的にはそういうふうにしなきゃならぬ事情もあったのでしょうし、また、そういうふうなある程度の内規といいますか、基準というようなものの上に立って免許を与えた方が適当な措置がとれたということも一応言えるだろうと思うのですがね。しかし法律上の条件じゃないのだといいながら、あたかも法律上の条件のような顔をして、これを守らなければ免許を与えないのだとか言うに至っては、私はこれは法律免許に関する大臣の権限を逸脱している行為じゃないかという法律上の疑いさえも出てくるかと思うのです。これについては、それは法律論としては議論もありましょう。免許を与える以上は条件をつけてもいいのだとか、つけちゃ悪いとか、つけるならば憲法上保障されているような権利義務に関するようなことは少くとも法律に書く必要があるというような法律論が出てくるでしょうと思います。それは別としましても、今の電波法では動かないということだけは確かなんですね。ですから、私はこういう電波に関する免許、まあテレビにしろラジオにしろ、この免許を与えられるというのは、この間も公述人が言っておりましたが、これは国民全体の共有物なんですね、電波というものは。それをある特殊の人に、しかも無料で与えられるのですからね。これは経済的にいっても非常に大きな意味のある行為だと思うのですよ。それだけに私は正しい法律の規定に従って正しい判断をされて、そうして、その郵政大臣が最後の決定をされるというならばいいのですけれども法律の規定によらずして、あたかも、法律上の拘束力のないような事柄を、拘束力があるかのごとき印象を与える表現をして、これを守らなければどうかとか、今度再免許のときにもう一ぺん考えるとかいいましても、ほとんどこれは私は法律上は意味のないことだと思うのです。守らなかったら一体どうなるかということですね。先般事務当局から誓約とか宣言とかいうようなことも言われましたが、これはお考えになってもわかるように、法律上ほとんどこれは意味をなさないと思うのです。ただその免許、許可という問題に関連して条件がつけられるかどうかということは問題だろうと思いますけれども、それ以上問題は私は起ってこぬだろうと思うのです。従って、私は非常にそういう点で言葉は悪いですが、あまり民主的でないような法律の運用をされちゃいけないじゃないか。もっと法律を整備して、国民も納得し、国会も納得するような、法律の根拠に基いてこの重大な免許事務をおやりになる必要があるのじゃないか。そうしないと、民主的にいかないのみならず、非常に不明朗だということを強く申し上げたいのであります。  従って、大臣の御見解は一応わかりましたが、これも私が申し上げたような意味で、先般も電波法予備免許あるいは本免許の規定について、なるべく早く検討をして改めるべきものは改めるような措置をとるということを仰せられましたが、今日この問題を提起しますと、なおさらその感が深いと思うのですが、郵政大臣は、これらの関係規定の整備を急がれて、早い機会にこの改正案をお出しになる御用意があるかどうか、その点を郵政大臣からお伺いしたいと思うのです。
  15. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) お示しのように今日までのこの免許に対する条件、この問題だけでも、先刻申し上げましたように、この条件を付したということの、用語の適切でないというようなことについての遺憾の意を申し上げたわけでありますが、これらにつきましては、今後、今回の放送法改正が必要最小限度にとどめたということもすでに御承知通りでありまするから、時を置かずに、十分これらにつきましては、特に御指摘の点等につきましては検討を今から、所管の局におきましても、また、私といたしましても、十分検討を加えて参りまして、省といたしましての考え方である民放の発展、NHKとの関係、その他免許に関する放送法の整備、こういうようなものを合わせまして一つ検討を進めていきたい。そうして将来は、抜本的な民法、NHKを通じまする放送法といったようなものがやがて完成をせられるということを目途といたしまして、極力努力をいたして参りたい、かように考えます。
  16. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 しつこいようですけれども、これから検討をして、将来に対して十分慎重に考えていこうという御答弁でございますが、それならば当分の間は——何年か知りませんが、しばらくの間はおそらく今までのような方針で、今までのような行政手段をもって免許事務をやっていかれるだろうと思うのです。現在でも、もうすでに、今大臣から婉曲な言葉でありましたが、遺憾の意を表されましたが、そういう状態なんです。法律的に申しますと、これはやはり私はほうっておいてはいけないと思うのですよ、一日でも。きわめて最近の機会に、これはむずかしい問題もありましょう。ありましょうが、しかし検討していけば、そう何年もかかる問題じゃないのですよ、と私は思います。だから、検討を加えて、将来に対して云々というようななまぬるいことでは、そのうちにいろいろなまた新しい、FMだの何だのというような問題も起って参りますが、そういうふうなときまでに——これは一年でも早い方がいいと思うのですが、きわめて最近の機会検討せられた結果を出していただくという必要があると思うのです。大臣いかがですか。
  17. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) お示しのようにいたしまするが、また、その間、省令その他においてさらに適切な方向に取り扱っていく、処理していくというようなことにつきましては、また、これをできるだけすみやかに行えられるところは行う、かようにしたいと思いますが、私の将来ということの表現が大へんまずいのでございますが、この結論が出ますならば、できるだけ早くさような方向に改正をし、適切な結果を得たいと、かように考えております。
  18. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の大臣の言葉、それはそれでけっこうですが、その中でただ一つ、だれか事務当局からそういったことをあなたに申し上げたためにお答えになったかもしれませんが、省令等において適切なやり方を考えるということを仰せられますが、法律に根拠のない事柄で、しかも、国民に対する権利義務の関係を規律するような省令は一体設けられますか。私あり得ないと思うのですよ。私は、濱田君に聞いてもいいのですが、そういった事務当局が、ほんとうに私の言っている意味を理解されるならばいいのですが、そうでなくて、まだ省令でもってまかなおうとか何とかということをお考えになるなら、もう少しこれは議論してもいいですよ。そういうことでなく、私はやっぱり新しい憲法下では、国民の権利義務に関することはどうしても法律に根拠を置かなければならない。重ねて申し上げますと、現存のやり方ですら、もうすでにそういう法律の問題としては非常に私は疑問のある行政措置をせざるを得ないようなところまで追い込まれているんじゃないか。しかも、これからまたいろいろな問題が起ってくるだろうと思うのです。免許について。そういった事態に対応して早く法規を整備してほしい、法律を整備してほしい。電波法だけにまかせずに、放送法自体において、法律体系の問題は別にしてもいいですが、とにかく、法律に根拠を置いて、堂々と表面から国民全体のために電波を利用するためにこうするんだ、ラジオはこうありたい、テレビはこうありたいということを法律上明瞭にしていかないと、ただ、法律がないのに、だれか知りませんが、事務当局が、自分はこう思うから、これでないと許可しないのだと、勝手なことをやるということになると、私はこれは権限の乱用だと思うんですよ、はっきり言えば。濱田君どうですか、この問題。
  19. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 新谷委員の仰せられることはよく了解しております。放送法の精神は、今度の改正によりましても、前のそれと変るものではありませんのみならず、前の放送法の精神をさらに強めたと言ってもいいくらいであります。しかし、技術的諸問題を初め、先ほどから御指摘になっている法律的の問題、いろいろの問題につきまして、日進月歩の要請に応じて絶えず検討を続けて、これが実行が適切なように、ふだんこれを研究し改良していく必要があろうと思うのでありまして、そういう意味におきまして、新谷委員のいろいろな御指摘の点は、十分私どもは了解いたしまして、その御趣旨に沿って勉強を続けて参りたいと考えております。
  20. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この問題はこれで打ち切りましょう。とにかく、大臣事務当局も、私は具体的にどうこうということは、これは政府意見もありましょうし、国会も意見があると思いますから、それを言っているのではなくて、とにかく新しい憲法のもとでは、当然立法事項であるべき事柄が、どこかでだれかが、法律がないのにかかわらず、これは政府方針だとか、あるいはこれは大臣方針だとかいって、条件のようなものをつけてみたり、つけなかったり、その条件内容についても、これはおそらく法律にそういったことをうたう必要があれば、もっと論議があると思うんです、国民的な論議があると思うんですよ。そういったことを離れて、大臣がもし全体の権限を、白紙委任状みたいな権限を持ちたければ、法律に堂々とそれをうたっておやりになるのがいいと思いますし、もしそうでなければ、法律にそういうことを書いていくべきであると思います。そうしていかないと乱れるにきまっている、電波行政が。私は民主的に、しかも明朗な電波行政国民のためにやってもらいたいということから、一日も早く法規の整備をしてほしいということを言っているのですから、その点は大臣も次官も了承されたものとして、この問題については、きょうはこれ以上は質問しないことにします。  それから、その次にちょっとお尋ねしたいのは、さっき濱田局長お答えになったことに関連してでありますが、教育放送の問題でございますね、それとFM放送の問題でありますが、これは少し具体的になりますので、基本的方針からはずれるかもしれませんが、濱田局長の御答弁を伺っていると、NHKがこれからFM放送を漸次主要都市にいって実行して、だんだん受信機もふやして、国民全体が聞けるような段階にまで早く持っていきたい。そうなりますと勢いNHK全国的なFM放送も許すのだというふうに聞えるのですが、そういう方針をもうすでにおきめになっているのかどうか。そうすれば、今の第一と第二とFM放送と、それに対してあなた方が三つの波を、三つの系統のネット・ワークといいますか、そういう全国的な波を認めていこうというのには、第一、第二、FMのこの三つについてそれぞれの特色を持たし、それだけの国民的な意義を持たせないといけないと思うんですよ。ただ、やってくれといったからやるのじゃないと思う。さっきの大臣の御説明では、少くとも標準放送の届かぬところでは超短波で、FMでやっていくのがいいと思います。それは技術的にそうであると思いますから了承します。さらにそのほかに第一放送も第二放送も十分に聞えているところで、もう一つFM放送をやるのだ、世間で言っている第三放送までやらせるのだということを今すでに御決定になっているのかどうか。なっているとすれば、さっき申し上げたようなその意味と、第一、第二とFMとはどんな特色を持たして、どういう意図でもっておやりになるのかですね、その点をきまっていれば伺いたいと思います。  それからもう一つ教育テレビジョンのことですが、UHF帯研究の問題については濱田君これは特に専門家だし、あなたが一生懸命でやっているといえば、私も一生懸命にやっていると思わざるを得ないです。しかしNHKの砧の研究所にしましても、あるいは電波研究所にしても、UHFのためにそれならばどれだけの経費をかけているのか、毎年ですね。それがおわかりになっていれば、概略でいいですから、どのくらいの経費を割いているのだということをお示し願いたいのです。  私はほかの研究も必要ではありましょうが、今の日本放送界の問題としては、その研究を最も急いでもらわないと、一体テレビなんかがどっちへいくのだという気がするのです。それはアメリカの実情をごらんになってもよくおわかりだと思うのです。その技術的研究ができなければ、教育テレビというものが普及されないでしょう、明瞭なんです、これは。いかに資金を積んでもできないのです。しかるにこの研究に対していかにも微温的じゃないかと、私の知っている範囲ではまだ大したことをやっていないと、両方ともが、という感じを受けているんですが、ほんとうに真剣にやっておられるのか。やっていられるということを信じたいですよ。信じたいのですが、何もその事実はないのです。一体それならば、やっておられるとすれば、大体いつごろぐらいにその研究が実って、実用化するかどうかということは別としまして、学問的にはいつごろまでにその研究の成果が得られるのか、そういう見通しもあわせてお伺いしたいのです。  それから、あなた、これは言葉じりをつかまえるのじゃありませんが、地方民間放送の、民間テレビの波が一つしかないとするんですよ、一つしかない。民間の波ですよ、NHKの方は一つ今持っていますね。民間一つしかないとするんですよ。そうすると教育放送ということについてどのくらいのウエートを置かせますか。今、ここでは大体において教育教養番組で三〇%ぐらいのものを要求しておられるですね、これでよろしいですか。つまり教育放送の、教育テレビというものがなかなか普及されないのだ、何年かかるかわからぬという前提に立てば、条件のつけ方がいいか悪いかの法律問題はありますが、要求されるなら、私はもっと要求されてほしかったと思うのですがね。今ので、それでつまり教育放送局もあり、総合放送局もある都会と同じような程度しか要求していないのは、あなた方の政策が欠けるところがあるのじゃないかという気がしているのです。これは濱田君からお答え願いたいと思います。
  21. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 最初の問題のFMでありますが、先刻申し上げましたように、いろいろ困難な問題もありますので、そういう理由もありまして、全国置局プランがまだできておりません。決定しておりません。  次に、UHF放送の問題であります。これにつきましては、確かに新谷委員が言われますように、研究の力の入れ方は弱いです。率直に私もそれを認めております。NHKでは、正確な数字は私今覚えておりませんけれども、多分四千万円くらいの費用でやっておるかと思います。電波研究所は、おそらくそのUHF研究に使っておる費用、経費はその半分くらいだろうと概算しております。そういうわけで非常にこれは弱いと思っております。  いささか専門的になりますけれども日本UHF研究をどこでやるかということが非常に問題なんでありまして、NHK電波研究所がやるよりも、むしろドイツでやっておるように、メーカーの研究開発機関がその大部分をになうべきであると私は考えております。けれども、今日の日本のメーカーの情勢は、率先してこのUHF放送とか、あるいはこれに必要な真空管の研究等に多額の費用を投ずることをいたしません。それを補う意味においても、NHK郵政省の両研究所は、費用が少くても、力をうんと入れて実績を上げるように持っていくべきであるということを鼓舞激励しておるわけでありまして、確かに経費としては少い。けれどもやり方があるのでありまして、当事者は、私の考えでは、UHF研究が進まなければ、日本教育放送、あるいは、ひいてはカラー・テレビ研究等にも自信を持ってこれを進ませ得ないという悪影響があります。ともかく、UHF研究に大いに拍車をかけるべきだという新谷委員の御持論には全く同感であります。  ついでに申し上げますけれども郵政省には電波技術審議会という会がございまして、そのほか技術専門の会でありますが、その会に対しまして、UHF放送についてどうすべきか、どういう方法がいいかとか、あるいは技術的の将来の問題につきまして諮問をいたしまして、これが早く成果が上るようにその促進策を講じております。  それから第三に、教育放送の問題でありますが、教育放送は、先般の一斉免許の際には準教育局というものに対して、先ほどの審査基準のようなものに五〇%教育、教養の番組を入れるということをきめまして、それでスタートしていると思います。この教育、教養と、報道と、娯楽の比率というものは非常にむずかしいのでありますけれども、大体において一対一対一くらいなのが常識だろうと思うのでありますが、一般の総合番結局においては、同じ割合であってしかるべきであろうと従来考えておりましたが、準教育局ということを銘打ったものに対してはその半分、五〇%を教育、教養でいくのがよろしい、そうしてやっていくという考えで進ましておるのであります。その一斉免許の際に、各総合局、一般総合番結局を、三〇%以上というものの教養、教育番組実施するというお約束で始めたのでありまして、私ども考えとしましては、数字的に一対一対一で従来いいと思いましたけれども、なるべくならば、教育、教養が多い方がいい、なるべく量をふやしてもらいたい。そういう希望を持ちまして、またさようにお勧めしておるわけであります。
  22. 手島栄

    委員長手島栄君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  23. 手島栄

    委員長手島栄君) 速記を始めて下さい。
  24. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ただいまの濱田局長の御答弁は、私としては質問趣旨から御答弁が少しそれておりますし、内容も私は実はあまり全面的にあなたと同意見ではないのですけれども、私の言わんとするところは、さっきから繰り返して申し上げておりますから、速記録をごらん下さって、十分、日本教育テレビというものが、ほんとう国民全体の教育、教養のために必要だという見地で始められたものなら、それにふさわしいようなあらゆる準備をして、あなたがNHKで四千万円、電波研究所で二千万円と言われたが、いずれこれは予算等で聞いてもいいのですが、そんなに使っていませんよ。そんなに使っていれば、私は感心していいと思います。そんなに使っていません。だから、もっと、口だけではなしに、本気になってやってもらいたいと思うのです。私の希望は、集中すればその点に帰するのです。もっと真剣にやってもらいたい。チャンネルの問題にしろ、技術の問題にしろ、各地で今行われておる総合放送局の中の教育、教養番組の問題にしろ、ほんとうに大事だと思えば、もっと真剣にやってもらいたいということです。あまり中途半端で、ただ何かの力に押されて心ならずも引きずられているというような格好が見えるものですから、私は声を大にして言っているわけです。その点よくお考え願いたいと思います。  それから、次の問題に移りますが、資料もいただいたのですが、これは世界的に非常に電波の利用が盛んになりまして、どの周波数帯をとりましても、国際的に割り当てられた周波数帯ではなかなか国内の需要もまかなえないというのが現状だろうと思うのです。そこで、私は技術者でありませんが、幸い濱田君はその方の練達者と思いますから、特にお聞きしたいのですが、これはまあ短波から超短波あるいは中波等を通じまして、国際的に与えられた周波数帯でいかにそれを有効に利用するかということについては、私から申し上げるまでもなく、各国とも非常な苦心を払い、非常な研究費を使ってやっているわけなのです。  私は、これは二度もアメリカの方のそういう状況を視察したのですが、非常に年とともに研究は進んでいるように思います。この間、他の問題に関連して、私は短波の海上移動の局の——海岸局というか、そういったものに使っている短波についてお聞かせ願ったところが、割当は五十波にすぎないのだが、それを実際に研究を重ねて登録しているのは七十一波あるのだということです。これはだいぶわが国研究も進んでいると思いますが、しかし、これに対して一体電波監理当局は、これは非常な私は基本的な問題だと思うのです、技術的な問題としては。だから、どういうふうな措置をとって、こういったものの研究をするのは、一体だれが責任を負っているか、だれに責任を負わしているのか、局長が自分で責任を負っているのか、あるいは研究所にまかしてあるのか。研究所にまかしてあるとすれば、そういった方面でどのくらいの予算を使っているのか、あるいは他の民間機関にまかしているというなら、どういう機関がそういったものを担当している。これはもちろん学問的にこういう電波は、これとこれとの間にこういったものをはさんでも使えるというようなことを、学問的に入れるだけではなしに、やはり実際に電波を発射してみて、それの影響も実際にモニターしてみて、初めて使えるか使えぬかというようなこともわかるだろうし、国内だけではなしに、外国にも影響を与えるような電波になるかもしれないから、その点も調べなければならないと思います。しかし、どこかで責任を負って、常時そういう技術的な研究をしてくれてないと、これは放任されておったのでは困ると思うのです。それの実情なり、それから今どういう機関でどの段階まで研究が進んでいるかというようなことについて、濱田君からお答えいただきたいと思います。
  25. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 一般的の御答弁になるかと思いますが、国際的に割り当てられた電波の能率的な利用ということは、電波監理局において責任をもってこれの指導をしなければならないと考えます。お話しの電波でありますと、たとえば海上移動用の短波というような場合には、こういうものはすでに学問的研究の範囲を出ておりまして、実際使っている問題であります。これにつきましては、その割り当てられた波を運用している局が、果してその電波を正確に出して使っているか、また受けられているかというようなことを調べるのが、電波監理局の中の監視部というものがありまして、その監視部がやる任務だと思います。それからそれのいろいろな応用につきまして、いろいろな応用がありますけれども、応用につきまして、この海上移動業務でありますならば、電波監理局の航空海上課というところがいろいろこれを調べ、適正な運用をしているかどうかにつきまして研究をするということになります。もしそれが陸上関係でありますならば、陸上課の任務であるというふうに、電波監理局の各部局がそれぞれ分担して、適正な運用について常時研究を進める。従いまして、電波監理局の任務であるといっていいだろうと思います。そしてかような電波の応用、実際の運用の場合に、何か学問的にむずかしい現象が起ってきたとか、あるいはむずかしい問題に遭遇したとかいう場合には、それを電波研究所に持っていきまして調べてもらう、そうしてその困難を解決していくというふうに、これは一般の話でありますけれども、そういうふうにして、国際的に割り当てられた日本の財産を、最も能率よく、公共福祉のためになるようにこれを運用していくというのが郵政省の任務であろうと考えております。
  26. 荘宏

    説明員(荘宏君) ちょっとただいまの局長お答えに補足さしていただきます。電波監理局の周波数課というのがありまして、ここでは各国の波の利用状況をリストの上で調べております。それから各国が逐次登録通報をやりますので、その状況もサーキュラーで参りますから、それによって世界各国の動きを絶えず確認して、何とかここで使えるものがあるかないかということを、私どもの言葉では穴探しというのですけれども、常時不断にやっております。
  27. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それはそうだろうと思います。周波数課ではそういう事務を担当しているでしょうし、それから局長の言われるように、電波監理局全体が、こういった問題については責任がある、その通りだと思うのですが、私お聞きしているのは、それの、またもっと掘り下げた問題で、陸上課とか海上課とかいっても、そんなところで、研究できないでしょう、これはやはり、私しろうとですけれども、送信機とか受信機の性能にも、非常に影響があることだと思うのです。こういうふうな送受信機を使えば、この電波を分離できるだろうというようなことは、すぐ出てくるだろうと思うのです。そういうことをもっと掘り下げて技術的に学問的に、あるいはまたそれの応用的にといいますか、いろいろな方面から集約してきて、初めてこの周波数帯では、こういった波がこういう条件もとでは使えるのだということが、初めてわかってくるしでよう。  そういう技術的、学問的研究をしている主体はだれか、それの責任者はだれかということを聞いているので、そういったのはないのですか。
  28. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 新谷委員の言われることは、よく了解するのであります。確かに電波の無線機器ですね、無線機器の製造会社の技術開発機関だとか、あるいは技術部門というものは、その電波の運用に、非常に関係があるのである、ある場合においては、特に外国においては、主体性を持っているものがあると考えます。  そういう意味で、私どもは絶えずメーカーとも連絡をとって、能率のいい機械が生産せられるように連絡し、またときには、督励をしたりしているわけでありまして、といって、メーカーに責任があるというわけでもないわけであります。やはり国としては郵政省に、運用については私は責任がかかってくるのだろうと考えているのでありまして、そういう意味で、郵政大臣の諮問機関としまして、電波技術審議会というものが設けられまして、各大学の研究者、メーカーの技術者、それから電波監理局の先ほど申し上げた各支所各課等の技術員等が参加しまして、絶えず能率的な、よりよい運用につきまして研究を進めている、そういう次第でありまして、窮極のところ、運用の責任としては、私は郵政大臣が背負わるべきものと考えております。
  29. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これも、どうもピントが合わぬようですね、私の聞いているのは、そんなことではなくて、たとえば電波技術審議会ですか、それは諮問機関であることはわかりますがね。たとえば原子力委員会とか、科学技術審議会の委員とかいうようなものがあって、オーソリティが何人かおって、しかもある人たちは、常勤になって、この問題をどうするか、これをどうするかということを具体的に方針も、もちろん検討するが、そういったものも、具体的に決定をしていく上に、政府の諮問に応じて意見を述べるということにでもなっておれば、これは、非常に実行力のあるものだと思うのです。  あなた方のやっておられる電波技術審議会というものは、おそらくそうじゃなくて、これは、いろいろ意見を持ち寄って、連絡協調するという意味機関に違いないと思うのですよ、人数も多いしね。だから、私が言っているのは、そういったものに協力をさせるのもいいですよ、いいですが、あなた方、ほんとう日本に、国際的に与えられた周波数帯を大事に使おう、有効に使おうという、これを本気で考えられるなら、それは、あなたのところのだれか、次長でもだれでも技術官が、ほんとうに主任者になって、そして民間の関係機関も動員し、電波技術研究所ですか、というようなものも、相当の研究費を与えても、着々短波についてはこう、超短波についてはこうというように、具体的に研究をして、それを、ある条件もとに発射してみて、学問的の研究から生れたそういう成果が、果して実行上可能であるかどうかというようなことについて、絶えず調査をし、研究を進めていくというような態度が望ましいし、そうなきゃならぬと思うのです。  それをもし、今怠っておられるとすれば、私は怠慢という言葉は使いたくありませんが、いかにも、私は見落しもひどいと思います。役所としては。今日あなた、短波一つでも、ここで、あなたがアメリカなんかと交渉されて、ようやく大阪テレビ、十二番チャンネルを使えるようにしようというので、話をある程度つけてこられた、大収穫でしよう、一つでも。だから、そういうものを絶えず私は研究し、そして実際面に、それが使えるようにおやりになるのは、当然電波を監理している国の責任であるし、国の費用でおやりにならなければならない。民間も、もちろん協力してしかるべきですけれども、この肝心の本拠といいますか、中心になるところが、あいまいになってくると、私は、実にあなた方の見落しだと思うのですが、もっとそれについて、これも経費は要るでしょうし、人も要るでしょうが、ちゃんとした体制を、すみやかにおとりになる必要がないだろうかと思うのですが。
  30. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 先刻来申し上げておるように、責任の方は、郵政省、あるいは郵政大臣、あるいは無線については、国際的に申し上げますと、無線の主管庁である郵政省、あるいは電波監理局ということは明瞭だろうと思います。  しかしそれだけではできない、各方面機関を動員してやるのだということを申し上げておるのです。少しも、何といいますかほうってあるとかいうことではありませんから、これを御了解願いたい。いろんな不満な点はありましょう、それから欠陥もありましょう、しかし今の体制において、ベストを尽して、日本が国際会議等において、あるいは他の機関方法を通して、獲得された電波の権益を百パーセントこれを活用するように、ともかくできるだけの努力を払っていくということでなければならないと思います。  どうかその点御了承願います。大へんどうも。
  31. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 了解できないです、そういう御答弁なら。私は、郵政大臣が責任があるとか、郵政省が責任があるということを云々しているのではないのです。そんなことは、設置法を見ればわかるのです。そうでしょう。こういうことは、私は問題にしているのではないのです。あなた、特に専門家だからというので申し上げていることは、郵政大臣に、こんなこと質問しても答えられないでしょう。あなたに特にお聞きしているのは、あなたは、そういう技術者で、経験はあるし理解もあるんだが、郵政省の中の主管局である電波監理局関係のどういう機関で、どういったことを現実にやっているかということを聞いているのです。  あなたは、海上の問題は海上課、陸上に関係があれば陸上裸が何とかするんだろうとか、そういうことしか言えないのですか、なければないで、いいですよ、電波研究所が、そういった特別の研究をするために、何か部局でも作って、あるいは部局を作らぬでもいいですよ、だれか、主任の技術官でも指定してもらって、研究費を与えられて、こういうことをやっております、こういうような成果をあげておりますとおっしゃって下されば、私も、これでけっこうですと申し上げたいのです。  そういうことはないじゃないですか、あなたの御答弁では、平面的な、郵政省が責任があるとか、電波監理局長が責任があるとか、そういうふうなお答えでは、これは了解するもしないもないじゃないですか、局長ちょっと聞いて下さい。私の質問している趣旨は、あなたのそういう本会議で総理大臣答弁するようなことを聞いているのではないんですよ。あなたは局長なんだから。そういったことなら、私は大臣からでも、総理大臣からでも聞きますよ。あなたは事務的な立場から私の言っておる通りのことについて、それがあるのかないのか、ないならないでいいんですよ、やっていないなら、いないでけっこうですよ、事実を答弁してもらえばいいのです。
  32. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) どうも私の答弁が、御不満のようですけれども、いろいろの研究問題がある。その問題について、たとえばミリメートル波なんというものでありますならば、これは電波研究所において研究すべきもので、今もやっております。明瞭にやっております。  それからスキャッターという問題があります。これもまだ日本では周波数帯を明確に獲得しておりませんけれども、これについては、やがて獲得する必要がありまして、これにつきましてはやはり電波研究所の、これは電離層研究室というようなもの、その他が協力してやっておる。これは研究問題——未開発の問題につきましては、おおむね電波研究所が担当し、いわゆる責任を持っておるわけであります。  それからさらに例を申し上げますならば、テレビジョン——先ほどお話がありましたテレビジョンチャンネルで、これを最も日本のようなテレビジョンに熱心な、使いたい人が多いところでは、オフセット・キャリアなんという問題があります。そういう問題でありますならば、いわゆる電波研究所において実際の実験をやっております。それに電波監理局の——本省の電波監理局、あるいは地方電波監理部も参加して、あるいはNHK等も参加して、これは郵政省ではありませんけれどもNHK等も参加して、そうしてこれをやるというふうに、電波研究所がそういうような未開発の問題についてはやる。それから先ほど申しましたように、もうわかった既成の事実でありますならば、電波監理局のそれぞれの課において、たえずこれを見守っている、これは研究ではありません、研究ではありませんが、しかしながらこれを常時注目し、その運用等について監視の目を怠らないというようなことをやる任務もあります。  そういうわけで、国際的に割り当てられた電波、または割り当てられんとする電波等の運用につきましては、郵政省電波監理局、あるいは電波研究所等が責任を持って見守って、それで万遺憾なきを期そう、そういうことをやっているわけでありまして、その点、御了解を願いたいと思うのであります。
  33. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 だんだんわかってきたような気持もするのですけれども、私の御質問している趣旨がよくのみ込めないのか、適当な御答弁をいただけませんから、私は質問をこれで、大体、きょうで打ち切ろうと思いましたが、打ち切らないで、もう一ぺん質問いたしますから、それまでに資料を出して下さい。  今のミリメーターの何とかという波長の極々超短波ですか、極超短波ですか、そういうことの研究は、電波研究所でやっていると仰せられましたが、その波を通じまして、今われわれが考え得る、また世界中で、どこかで使っており、これから日本が使おうとする、そういう波につきまして、大体区別をいたしまして、こういう研究は、今どこで、どの段階までやっておる、こういう研究電波監理局のどこが所管しておるのだ、あるいは民間と協力して、こういうことをやっているという、全体がわかるような表を出して下さい。どれくらいの経費を使っておられるか、それも一緒に出して下さい。そうして、もう一ぺん、その問題について質問いたします。
  34. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 御趣旨はわかりましたが、研究問題だけですか、研究問題についての資料ですか。
  35. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私のさっきから申し上げておるのは、研究問題といいましても、学者が研究しておるような研究問題という意味ではないのです。  さっき申し上げたように割り当てられた日本周波数帯がありますわね、いいですか、それの中で、それを有効に利用するために、どういうふうな送信機、あるいは受信機の改造をしたらば、改善を加えたならば、どういうふうな波が使えるであろう、あるいは時間的にも、夜間はどうとか、昼間はどうとかいう、いろいろな波については、それの障害になるような条件が出てくるだろうと思いますから、こういう条件を満せば、こういう波が日本では使えるのだ、——これは与えられた周波数の中です。  それから、さらに私はつけ加えて希望したいと思ったのですが、今はやめますが、私の希望したいと思うのは、そういうところから、必然的に出てくる問題は何かといいますと、今度、国際会議もありましょう。そういうところで、日本としては波の問題について、一体、国際会議で通るか通らぬかは別として、どういう波を、どういう点で要求したいか、何もないことはないと思うのですよ、日本は。そういう点を考えて、さらにそれについて、あなた方が今、日本の持っているだけの技術陣を動員してでも、研究をされ、これは、こうしたなら、国際的には、どういう要求をしたなら、必らず同意をしてくれるだろうという見当をつけて会議に臨んでほしいのです。だから、私は限定してもいいのです。今、現在与えられた周波数帯の波の問題に限定してもいいが、もしもあなた方が考えておられるなら、今度の国際会議で、近い将来、日本が割り当ててほしい、あるいは修正をしてほしいような、そういう波の問題について、どういう研究をされているか、具体的に、それを一覧表にして出して下さい、その上で、あなたと、さらにここで審議をしたいと思います。よろしゅうございますか。
  36. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 承知しました。
  37. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 じゃ、これは非常に不本意ですけれども、この問題は留保さしてもらって、次の何かの機会に、資料が出た上でお尋ねします。  それから、これも大臣がおられなくてけっこうなことなんですが、実は、私ども第一回の現在の現行放送法を作るときにも問題にしたことですが、今度、また違った規定が出ておりますので、これは、どなたか政府説明員でいいですから、その関係を説明していただきたいのは、五十一条と五十二条の二のところで、「広告」という字を使ってあるのですね。実は私ども初めに放送法案を立案審議します際に、広告というのは、一体何かということについて、非常に熱心に議論をしたことを覚えているのです。  今、その広告の内容法律に書けというようなことを繰り返して申し上げるのではないのですが、五十一条によりますと、「一般放送事業者が、対価を得て広告放送をするときは、」と広告という字を使っている。これは現行法通りだと思いますが、五十二条の二に参りますと、「その放送番組学校教育の妨げになると認められる広告を含めてはならない。」と書いてあるのですね。そうしますと非常に疑問になりますのは、これは観念の問題ですけれども考え方の問題ですが、広告というものには、あなた方の考えからいえば、対価を得てする広告と、対価を得ないでする広告という観念があるのですか、それはどうなんですか。こういう使い分けをしていくのは、そういうふうに見えるのですが。
  38. 石川義徳

    説明員(石川義徳君) 御指摘の点でございますが、実は、広告の問題につきましては、いろいろ御意見のあったこともございますが、その点につきましては、ここは英文のスポンサード・プロという意味のように考えております。  それで、しからば御質問の点でありますが、広告に、対価を得ざる広告というものがあるかという点でありますが、ここの、私ども、ただいままで作業してきました考え方は、広告というものについては、対価を得ない広告というものはないので、対価を得た広告だけが、ここで問題にされるというふうに考えております。
  39. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 まあ広告というのは、字句の解釈の問題でしたら、いろいろあるわけですが、出てきますがね。そうすると、この「広告」と書いてあるのも、単に「広告」と書いてあっても、それは対価を得てする広告の意味だと、こういうことですか、あなたの言っておられる意味は……。そう固くならぬでけっこうなんですよ。別にこれであなた方をどうするということじゃないのです。  ただ、これには「対価を得て」と——対価を云々ということを書いてないと、非常に意味が変ってくるのですね。だから、まあ字句は不備かもしれないけれども、ここに「広告」と書いてあるのは、いわゆる商法上のやはり商行為を言っているので、広告というのは商行為なんだ。従って対価を得てする広告を言っているのだと、これは五十一条の三というのは、それは当時翻訳であったことは私も認めます。だから、そういう意味で、こういう修辞句を使ってあるだけで、広告というのは、商行為なんだから、対価を得てやる広告なんだと、こういうことなら、それでもはっきりしておけば、速記録に、はっきりしておきましょう。載せておけば私は、それでいいと思うのです。そうしないと、私は対価を得ていないのですということであれば、広告をしてもいいかということになるわけです。しかもそれがNHK公共放送と商業放送との分岐点になるのでしょう。  今のような、あなたのような解釈をおとりになれば、対価を得て云々となれば、NHKも結果としては広告になるかもしれないけれども、そういう放送をしてもいいのだということにもなるのですよ。だからそこのところの解釈だけは確定しておかないといけないだろうと思うのですよ。極端に行きますと、あなた方、だれが指図したか知らぬけれども、一時、NHKの相撲の中継をやったでしょう。あのときに、何とか会社というので懸賞金を出して持って歩きますね、のぼりみたいなものを。NHKは、あれも広告になってはいけないというので、そのときは、大写しにして、広告の字が見えないようにした。しかし、そこまで行きますと、極端なんで、それじゃ、私は言ったのですが、銀座の街頭風景をとったとしますね。これは実況中継ですがね。そうすると、何とかいう会社の看板が写っておったと、それが広告かということになって、ここまでくると、論外だと思うのですよ。従って私は、この広告というのは、やっぱりあなたが今言われるように、商行為として対価を得てする広告だというふうに考えるべきだと思うのです。  それは、それでいいのですが、しかしそこへいくと、この点で、一般放送業者とNHKとの区別の標準をここにおいているから、NHKは対価を得なければ、広告してもいいかということに一応観念論としてはなりますが、それでもいいのですかということなんですよ。
  40. 石川義徳

    説明員(石川義徳君) 四十六条の広告の問題でありますが、お説のように、ただいま私からお答えいたしましたように、商業活動である広告だけを指すということにいたしますと、NHKの四十六条の広告というのは、やっていいのかという議論が出てくると思いますが、NHKの業務という点から考えまして、そういうことはできないというふうに解釈いたしております。
  41. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体、それでしょうがないと思うのですね、もう少し法律規定を整備すればできるでしょうが。だから、政府としては、こういうお出しになった五十一条の三、五十二条の二に、同じように「広告」という字を使ってありますが、その意味は、やはり対価を得てする広告ということを考えておる。で、NHKが広告するとなれば、対価を得ないでする広告というものはしてもいいかということになると、それは、NHKが業務の方面で規制をされておって、対価を得なくても、ある特定のものの広告になるようなことをすることは、公共機関としてはいけないというふうに規定されておるということでしぼっていけるというように解釈を統一してお述べになっているというふうに理解しておいてよろしいですね。  それでは、この点は、これを速記録に載せておいていただきましたから、けっこうだと思います。  それから、大臣がおられませんが、これは、政務次官から御答弁いただいてもけっこうでございますし、場合によりましては、補足的に局長からでも述べていただいてもいいのですが、先般、NHKの当局者を呼びまして、それでNHK法律案が通って、理事がふえた場合に、NHKの一体機構を、どういうふうにするのだという御質問をしようと思った。ところが、野村会長がおられませんので、お休みだったものですから、十分にNHK意見を聞くことができなかったのです。  しかし、ここに十人以内というような、つまり理事増員の案をお出しになっている以上は、理事が増員された場合には、NHKの機構をどうするかということは、大体、監督官庁でないにしても、主管大臣としては、およその考えがあると思うのです。その機構全体について、何局をどうするとかいうことじゃなくて、どうも私、今まで見たところNHKの機構で一番問題になると思われるのは、いろいろな仕事をしている局や部がありますね、事務局があります。それと理事者との関係が、非常にあいまいだということなんですね。大きな会社や何かでは、大体、重要な局や部というものは、取締役が兼務しております。そして、そういう人たちが集って、取締役会を組織しているということで、つながりもあるのですが、先般、ここで野村会長が出て多少お述べになっておられましたが、今までは、NHKの理事者が足りなかったから、そういうことができなかったかもしれませんが、今度は、一人の理事が、一つの局や部を持たなければならないというようなことは、これは言えないでしょうが、執行機関としては、最高である理事会と、仕事を実際に担当しておる部局との関係が不明瞭であっては困ると思います。この間、ここで問題になっておりましたが、番組の問題にしろ、あるいは全体の経理の問題にしろ、やはり理事会が、これをきめなければならない。常時、理事会があるわけじゃないですから、どの部局の仕事は、どの理事が責任を持っているんだという責任の体制ができてないと、部局が直接に、会長に全部直属しておって、理事会は、ただ重要な事項を審議決定するだけの機関であるということでは、いかがかと私は思うのです。  それについて、野村会長も、今度は、責任のある体制を考えたいと言っておられましたが、主管庁の方は、NHKの機構の改革に伴っての責任体制を確立するという問題について、どんなお考えをお持ちでございますか。
  42. 廣瀬正雄

    政府委員(廣瀬正雄君) NHKの理事につきましては、御承知のように、御審議願っております新しい法律案では、七名ないし十名ということで、ラジオ並びにテレビの仕事のふえたことに伴いまして、NHKの執行機関であります理事を増員することに御提案申し上げておりますのでございますが、そこで、任命のやり方につきましては、NHKの内部のことではございますけれども、私どもといたしましては、ただいま新谷委員より御指摘のように、従来、三名ではございましたけれども、責任の所在が、仕事をやります部局長との関係において、はっきりしなかったといううらみが多分にあったと思うのでございまして、このことにつきましては、私ども郵政省の立場といたしましても、新しく増員になります理事におきましては、部局を担当いたしております責任のある長が、兼ねて理事をやるということが、好ましいものである、かように考えておるわけであります。
  43. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は、重要な問題、たとえば全体の経理の問題、それから計画の問題ですね、これは、大へんな問題になると思いますから、将来の建設にも影響しまして、その計画の問題とか、あるいは番組の問題、こういったことは、一時、前々会長のときでしたか、私、ここで質問したことがあったのですが、理事会は、ほとんど番組なんかについては関係ありませんで、会長に、直接局長がぶら下っておったような時期があったのです。番組の問題とか、そういう重要な問題は、やっぱり理事が責任を負って、関係部局が幾つかに分かれるでしょうが、それを統括して、一つ方針でもって、NHK番組についての自主的な規制をしていく、向上をはかっていくという努力がなければならぬと思いますから、これはぜひ、会長ともお話し合いになって、その意味での機構改革でもあると思いますから、ぜひ、その政務次官の御答弁のようなふうにやっていただきたいと思います。  それから、その問題に関連をいたしますが、もう一つ伺いたいのは、聞くところによると、NHKの理事の定員が、十人以内にふえることになっておるが、差しあたり何人か理事をふやしておいて、あとは、空席のままにしておこうというような意見もどこかにあるように聞くのですが、私は、何も会社のまねをするわけじゃないのですが、あそこで、NHKで実際に業務を担当しておる人たちが、優秀の方が理事に漸次なっていかれるということについては異存はないのですけれども、理事は、会長、副会長を除いては、全部NHKで育った人でないと理事になれないのだというような仕組にするのは、これは私は、逆にNHKの使命から見て、非常に困ると思うんです。  やはり何人かは、実際の業務とか、具体的にNHKの利害とかいうものにとらわれない、もっと高い程度の、まあ大会社でいいますと、社外重役といいますかね、非常に大所高所から、ものを判断してくれるような、そういう人がやっぱり理事者の中には入っていないと、まあ経営委員会というものとの関係になりますが、経営委員会というものの動かし方は、これは非常にむずかしくて、これだけに全部期待しようと思っても、なかなか御趣旨のようにいかないのじゃないか。月に一回や二回の会合をしておって、そこで全体がコントロールされるとは思わないのです。やはり理事者の中にも、そういう種類の人が、若干おって国民的な立場から、いつもNHKの仕事を見ておって、いいアドバイスをしていい方向に指導していくというような意味で、必ずそういった者が、何人かあったほうがいいように思うんです。  これは、NHKの仕事が大きくなればなるほど、そういうことを私は痛感する。それらの点について、郵政当局は、何かお考えになったことがございますか。
  44. 廣瀬正雄

    政府委員(廣瀬正雄君) NHKが、非常に公共性を持った機関でありますことは、まことに御説の通りでございまして、私どもも、御指摘の趣旨は十分わかりますわけでございます。  NHKの最高の意思決定機関としましては、ただいまお話のような経営委員会がありまして、ここの委員各位が、全体として大所高所から判断をされまして、NHKの進路にあやまちのない指導をやることが最も好ましいわけでありますが、執行機関の理事につきましても、やっぱり御説のような、部局にとらわれず、NHK全体のあり方をながめて事を運んでいく、推進力となっていくというような存在が必要かと思うのでございまして、まあ、これは専務と申しますか、常務と申しますか、会社で申しますれば、さような専務、常務的な存在の理事も必要ではないかと思っております。  かような春を外部から持って参りますか、内部の適材を得ますか、そういうことにつきましては、まだ具体的には、私ども考えがまとまっておりませんけれども、大所高所から、理事のうちにおきまして、NHKの進路にあやまちのない補佐を会長に対してやるという存在は必要であろうということは、全く御同感でございます。
  45. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは、私の意見を決して押しつけるわけじゃありませんから、ただ、NHKが、非常に急激に仕事も膨張し、国民全体のものになってきたような気がするものですから、狭い視野でなくて、もっと広い国全体の利益のために、いつも考えているというような立場から、これからの仕事をしていただきたいために、何か機構の上で、この際、やろうと思えばやれるわけですから、何か、適当な方法をお考え願ったら、なおけっこうだという意味で申し上げたのでありますから、大臣にもお伝え願って、十分、御検討いただきたいと思います。  最後に、私もう一つ伺いたいと思いますことは、これは私の意見と申しますよりも、先般参考人の方々に来ていただいて公述をしていただいたのですが、その中で、多少私の印象に残っております問題について、二点ほど伺いたいのであります。  一つは、最近のラジオ局とか、あるいはテレビ局などの申請、従ってそれに対する免許の状況を見ておっても、非常に一部の人たちの独占的な支配傾向が、ちらちらと見えてくるような気がする。これは非常に危険なことだから、これはむしろ国会においても、付帯次議等で何か適当な措置をしてほしいのだというような陳述がございまして、なるほど、そういったことも、これは郵政当局が、そういうことを意図しておられるとは思わないのですけれども、結果的に見ると、そういうふうにも考えられるような節が見られるだろうと思うのです。  そこで郵政当局の方も、免許に当っては、さっき問題にしましたが、いろいろの条件の中で、その一は別として、いわゆるその二の、条件にあらざる条件によって、何かいろいろ書いておられる。これは書き方の問題は別として、そういう趣旨が、多少ここにも現われておるのですね。で、これに対して、郵政省としては、そういうふうな言論報道機関の独占的な傾向を、排除といいますか、それを防止する意味で、ラジオ放送、それからテレビ放送、両方を通じまして、現在もやっておられるというでしょうが、もう一ぺん、これを全国的に見渡してみて、そういうことのないように、十分注意をしていただく必要があると思うのですが、それについては、何か具体的な積極的な考えを持っていらっしゃるかということが一つ。なかなかこれは政治的な問題にも関係いたしますので、今、お答えを最終的なものとしていただくわけにはいかぬかもしれませんが、お答えができる範囲で、一つ政務次官から、お答えいただきたいと思うのです。  それから、もう一つの問題は、やはり公述人の方が述べたことから、ヒントを得たのですが、たとえば著作権の問題なんかがありまして、勝手にだれが番組を使用してもいいというわけにはいかぬだろうと思います。しかし、先ほどから問題にいたしましたような教育放送のような問題ですね、その番組が、これはどこの民間テレビでありましても、あるいはNHKテレビでやった番組にしましても、非常に効果がある——社会教育上、あるいは学校教育上、非常に効果があるというようなものについては、これは、私は著作権の問題は、これはまた、別途に適当な方法で解決することにして、要望があれば、あの番組を自分の方で、このエリアで再放送したいということであれば、教育放送番組なんかは、もっと自由に使わした方がいいじゃないか。それが独自の考え方で、また新しく番組を組み立てていくというよりも、それだけ効果を上げている、非常に国民から喜ばれているというような番組ならば、むしろそれを使わした方がいいんじゃないかという気がするのです。一般の娯楽放送とか、そういったものは、これはまた別の問題だと思いますが、特に教育放送については、そういうことが望ましいし、教育放送本来の建前からいっても、必要なことではなかろうかと思うのですが、具体的に、今どうして下さいとか言いましても、法律に、そういう規定がありませんから、これは具体的には、非常に困難かと思いますが、少くとも電波監理当局が中へ入って、あっせんをされて、そういったことが、ある程度自由に行えるようにされることが、放送内容を向上する意味で必要かと思うのですが、いかがでしょうか。その点が二点です。その二つをお答えいただきたいと思います。
  46. 廣瀬正雄

    政府委員(廣瀬正雄君) ただいま新谷委員から、二点につきまして御質疑をいただきましたわけでありますが、第一の問題の放送業者が、業者相互、あるいは他の言論機関から過当支配を受くべきでないということにつきまして、何か今後の行政措置、あるいは法的な措置考えておるかという御質問であると存じますが、これにつきましては、過般来、御論議いただいております条件というようなものを、先般の全国的なテレビ予備免許に当りましてはつけまして、さような大資本が、放送を独占するという傾向を阻止することを努めて参りましたわけでございまして、さような条件法律的な効果につきましては、いろいろ問題はあろうかと思いますけれども、さような、われわれの立場といたしましては、厳格な意味法律的な条件ではございませんけれども、一応つけましたところの条件は、予備免許の失効をいたしました一社を除きましては、ことごとく完全に実行をしてもらっておるわけでございまして、今後も、行政措置によりまして、これが遵守されますことを十分努力して参りたいと思っております。事態の推移によりましては、何とか法的なことも考えなくちゃなりませんけれども、一応は、行政措置によって指導して参りたいと、かように考えておりますわけでございます。  第二点の、再放送と申しますか、この点につきましては、私つまびらかにいたしませんので、事務当局より御答弁いたします。
  47. 荘宏

    説明員(荘宏君) ただいまの教育番組等、優秀なものについては、NHKから民放の方に回わして、民放の方でも、どんどんやれるようにしたらどうかと、こういうお尋ねだと思うのでございますが、今回の改正法におきましても、NHK番組を民放の側の要望があれば、NHKとして番組供給ができるように道を開いて規定を作ったわけでございます。  従いまして、確かに、お説のようにNHK教育テレビとして作った番組、これは、ある程度聞かれるでございましょうが、そう多数の人が、一ぺんに聞けるわけでもございませんし、また地域的にも限られるわけでございますから、民放業者において、それを自分の方で使わしてもらいたいと、こういうような要望があった場合には、協会としては、努めてその便宜をはかるようにしてもらいたい、かように考えておりまして、先生の御趣旨のところは、まことにけっこうだと思っております。
  48. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 その点も、一つ具体的な問題としまして、できるだけ努力をしていただきたいと思うのですが、それに関連しまして、こういうことは、一体お考えになっているか。私は実行できると思うのですけれどもNHKが、どういう目的をもって、どういう業務をやるかということが、ある程度、法律に書いてありますから、最後には、放送の発達のためになることなら、やってもいいということがあるので、それに該当するかどうかと思うのですが、NHKが、中正な公平な一種の報道機関であり、それから公共的な使命を持った放送機関ですから、その番組というのが、どこの条文にも出ていますように、いつでも不偏不党でなければならない。まして国民の教育内容あるいは教養そのものを高めるようなものでなきゃならぬとかいうような、いろいろのことが考えられておるわけですね。  従って、今、実際の各地方の状況を見ますと、これは、一例に過ぎませんが、NHKが、このごろ「世界の国々」とかいうことで、おそらく諸外国の大公使館から提供を受けた、向うの、逆にいうと宣伝映画のようなものかもしれませんが、それをテレビなんかで流して見せているわけですね。こういったのは、まあ小さい国なんかのことは、ほんとう日本人は知らない人が多いのですね。それで、各市町村なんかの公民館なんかで、いろんな団体が主催で、会合でもやったときに、そういったものがもし自由に、それに限りませんけれども、つまり見聞を広める、教養を傷めるというようなものが、自由にどんどん使わしてもらえるなら、非常にこれは、社会教育上はプラスになると私は思うのです。  で、NHK自体が、たとえば、そういうフィルムの複製を各都道府県なんかに、売ったり買ったりということになると、あるいはまた触れるかもしれないので、あるいは場合によっては、外国の機関でも使って、そういうことをやらせるというようなことができれば、これは法律上、非常にスムーズにいくのじゃないかとも思うのです。  私は、とにかくいずれの方法でもよろしいのですが、そういうことを、今は一般放送事業者との関係について、お話し願ったのですが、さらに広く、日本国民全体の、たとえば文化を向上させるために、あるいは社会的な教養を高めるためにいいということであれば、押しつけはいけないでしょうが、求めに応じて、そういうことをやらせるということは、非常に私はけっこじゃないかと思うのです。  地方で、御承知のように巡回文庫なんてありまして、若干の木を回したり、それから、もう実に古い映画を回したりして、山村なんかでは、それを大したものとして、年を取った人も見て楽しんでいるというような例がたくさんございますので、そういうときに、今のようなことを、もっと活用してもらえば、もっと日本国民が、視野も広くなるだろうし、また、得るところが非常に大きいだろうと思うのですが、それがどうも、今の放送法の九条ですか、それからいって、果してこれが供与されるかどうか、広く考えれば、私は供与されると思うのですけれども、お考えになったことがありましょうか。あるいはお考えになってなければ、今ごらんになって、九条から  いって、みずからやること、あるいは外国のどこかと契約をしてやらせるようなこと、それができるかどうかというようなことを、もし御答弁願えたら、お答え願いたい。
  49. 石川義徳

    説明員(石川義徳君) お話の点は、まことにごもっともだと思います。  それで法律上、現行改正案の九条によりますと、御指摘の通り、一般事業者が対象となっております。それで九条の十号にセービング・クローズを設けております。その中に、御指摘の通り、それが非常に広い意味から言えば言えるかもしれませんが、具体的な  ケースによって、一々判断をして、たとえばそれは、それじゃセービング・クローズに入るか入らぬかというようなニュアンスもあると思いますので、大へんけっこうなことでございますから、なるべく積極的に生かすべきじゃないかと思いますが、ものによっては、あるいはできないかもしれません、大体、そんなようなところで考えております。
  50. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それで、まああなたからは、はっきりとした返事をもらうのは無理だと思う。けっこうですがね、政務次官に、お願いをしておきますが、今言ったような趣旨で、もっと放送協会というものが、日本の文化というようなものについて占める役割が、だんだん大きくなって、比重が大きくなってきていると思います。それには、非常に何といいますか、間口を広げて、新聞と同じようなことをやつてもいいとか、通信社と同じようなことをやってもいいとは言いませんけれども、自分たちのやっている仕事から、自然に派生的に出てくるような仕事ですね。しかも、それが放送でですね、本来ならば、見たり聞いたりしてくれている人たちを対象にして、さらに必要があれば、それの再放送というような形でもって、録音を持って行ったり、フィルムを流したりというようなことを、私は付帯事業として、できないわけじゃないと思うのです。しかも地方では、都会でこそ、今でもあり余るくらいあるのですけれどもね、農山村に参りますと、やはり、非常にそういう機会に恵まれないのですね。  ですから、国民全体の文化水準を上げようと思えば、NHKなんかが中正な機関として、そういうところに、もっと積極的な努力をされた方が望ま  しいし、私は、その法律趣旨から言っても、これは決して法律趣旨に反するものじゃないと思いますので、なるべく、これは御研究の上で、積極的な解釈をされて、NHKから、かりにNHKと別に打ち合せたわけじゃないですから申請するかしないかわかりませんが、しかし、そういうような話し合いが出た場合には、この日本文化の向上のために、NHKも協力をしてもらうという立場において、お考えを願いたいと思います。  この点は大臣にもよくお伝え願って御研究を願いたいと思います。
  51. 廣瀬正雄

    政府委員(廣瀬正雄君) 御趣旨は、全く私、同感でございまして、大いに共鳴をいたしますところでございますが、十分検討いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  52. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は、大体、先ほど留保しました問題についての質疑を除いて、放送法については、あらまし、この程度で私の質疑を終っておきたいと思います。  ただ、この次の機会に、もう一ぺん速記録等を見まして、確かめたい点があれば、一、二補充的に質疑さしていただくかもしれません。それは、いずれ委員長と理事との御相談の上で、そういう機会があれば、やらせていただきたいと思います。  一応私の質問は、これで終ることにいたします。
  53. 手島栄

    委員長手島栄君) 承知しました。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日のところ、この程度でとどめて、これにて散会いたします。    午後三時五十八分散会