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政府委員(藤井貞夫君) 今般
提案をいたしておりまする
地方自治法の一部を
改正する
法律案は、かねて問題に相なっておりました全日制の
市町村立の高等学校教職員等につきまして、その退職年金の基礎となりまする在職期間につきまして国及び
都道府県相互間において通算
措置を講ずるための法的
措置をいたそうということがねらいでございます。
最初から御
説明を申し上げますと、まず、二百五十二条の十八の第一項の
規定でございますが、これは、
都道府県の立場から通算
規定を義務づけておるものでございまして、従来、御
承知のように、
都道府県の
関係では、いわゆる恩給公務員と、それから他の
都道府県の退職年金及び退職一時金に関する
条例の適用を受ける職員でありました者が、それぞれの
都道府県にや
つて参って、当該
都道府県の
条例の適用を受ける職員となつた場合におきましては、通算
措置を講じなければならぬということに相なっておるのでございますが、範囲が恩給公務員と、それから他の
都道府県の職員ということに限定をされておつたのであります。もちろん、他の
都道府県の職員というものの中には、
市町村立の学校職員の給与
負担法の適用を受けまするいわゆる義務教育職員というものが建前上この中に含められておつた次第でございます。それにさらに今般追加をいたしまして、「
市町村の退職年金
条例の適用を受ける学校教育法第一条に
規定する大学、高等学校及び幼稚園の職員」、それに「
市町村の教育
事務に従事する職員中
政令で定める者」、これを加えまして、同じくこれらの職員につきましても通算
措置の対象にしたいというふうに考えておる次第でございます。ただし、この場合におきまして、いろいろわれわれといたしましても
事務的に検討を重ねておつたのでございますが、退職年金の
条例の
内容というものが異なっておりまするもの相互間におきまして通算
規定を義務づけますることは、いろいろ
技術的に申しましても困難なものがございまして、なかなか実行ができかねるという節があったのでございまして、その点につきましては、やはり条件といたしまして、当該通算の対象となります
市町村の教育職員の在職期間を通算をいたしまする場合におきましては、
当該市町村の教育職員に適用されまする退職年金
条例の
規定が
政令の定める
基準に従って定められていることを前提とする。
政令で定める
基準に従って退職年金
条例が定められた場合におきましては、
当該市町村の教育職員についても、これを通算の対象にしなければならぬということを義務づけることにいたした次第でございます。
次に、二百五十二条の十八の第二項でございますが、これは、通算を行いまする場合におけるいろいろな調整
措置の根拠
規定を置いたものでございまして、この
規定につきましても、今申し上げました
市町村の教育職員というものについても第一項で通算
措置を講じなければならぬということになりましたので、同時に調整
措置の対象にもする必要があるということで、この
規定を加えたわけでございます。
それから二百五十二条の十八の第三項の
規定でございますが、これは新しく設けようとするものでございまして、この
規定は、
市町村の立場からその義務づけを
規定をしようとするものでございます。すなわち、恩給公務員でありました者、あるいは
都道府県の職員でありました者、あるいは他の
市町村の教育職員でありました者が
当該市町村の教育職員になりました場合におきましては、それぞれの
市町村について、先刻御
説明を申しました第一項、第二項の
規定というものを、これを準用をしていくという
規定でございまして、これは、
市町村の立場から義務を
規定をいたそうとするものでございます。
それから
改正前の第三項、新しく第四項になります
規定でございますが、これは、
条文整理の
関係上、新しく
条文が入って参りましたので、「前項」という
規定を挿入いたしたいというものでございます。
それから附則第七条第一項の
規定でございますが、これは、今度は国の立場から、いわゆる恩給法の立場から
規定をいたそうとするものでございまして、道都府県の
条例の適用を受ける職員でありました者、あるいは新しく加わりまする
市町村の
条例の
規定の適用を受けまするいわゆる
市町村の教育職員、これらの者も新しく加えまして、これらの者が恩給公務員になりました場合におきましては、同様通算
措置を講じなければならないという
規定を書いておるわけでございます。なお、この場合におきましても、その前提といたしまして、
市町村の教育職員としての在職年月を通算をいたしまする場合におきましては、当該市村町のそれぞれ教育職員に適用されまする年金
条例の
規定が
政令で定める
基準に従って定められておるということを前提とするという
規定を加えたわけでございます。
附則第七条の第二項でございますが、これは、一時恩給、一時扶助料に関する
規定につきまして、同じく
都道府県の職員のみならず、
市町村の教育職員についてもこれを加える
措置を講じた次第でございます。
それから別表の第一の
改正でございますが、これは、先に学校教育法についての
法律番号が出て参っておりまするので、あらためて書く必要がないので、
法律番号を削除するという
内容を持つものでございます。
今回の
措置におきまして、通算
措置の対象にいたしたいというふうに考えておりまするものは、全日制の高等学校以外に、やはり同じような条件にございまするので、大学及び幼稚園、それに教育
委員会の
事務局職員で一定の資格を持っている者というものもその対象にあげて参りたいと考えておりまして、現在この対象になると思われまするものは、大学が二十一校で、職員数が千五百六十六名、それから高等学校が百六十八校で、五千九百五名、幼稚園が、これは数が多くございまして、二千二百五十三校、職員数は七千七百十四人、かように相なっておる次第でございます。
今申し上げましたように、この
規定の対象と相なりまするためには、それぞれの
市町村におきまして、教育職員に適用される退職年金及び退職一時金に関する
条例を
政令の定める
基準に従って定めなければならぬということを前提にいたさなければならぬわけでございますが、この
政令でどのようなことを考えておるかと申しますると、これは、先般の国会の
審議等におきましても御
説明を申し上げておりましたように、結局、同じような建前に立って
条例が
規定をされておるという場合において、通算
措置が
技術的にも可能になるというような点もございまするので、退職年金
条例の
基準といたしましては、大筋をなしまする退職年金について申しますれば、大体国及び
都道府県あるいは
市町村の義務教育職員、それから町村職員の恩給組合、その他の
市町村においても、
条例でもって
規定をいたしておりまする
一般通例でございます
内容に従うということでございまして、その具体的な
内容は、年金の最短年限は十七年で、年金支給額は、最終の給料年額の百五十分の五十、年金加算額は、一年について最終給料の百五十分の一という
内容に相なつた場合において通算を義務づけることにいたしたい、かように存じておる次第でございます。
以上、補足的な御
説明を申し上げた次第でございます。