○
説明員(吉国二郎君) 御
説明申し上げます。
揮発油税法及びこれに関連いたしまして
地方道路税法の
改正をお願いいたしております。
この
揮発油税法の
改正は、
内容的に申しますと、
法律としてはきわめて簡単でございまして、
税率を一キロリットルにつき二万三百円、
現行法は一万四千八百円、一キロリットルにつきまして五千五百円引き上げようとするものでございます。これは、
税率の第九条、新旧対照表でございますと二ページでございます。それからそのほかに、最近の実施
状況に合せまして、この際所要の
規定の整備をはかりました。この所要の
規定の整備と申しますのは、先般御審議を願いました国税徴収法の
規定によりまして、間接税の対象
物品が公売処分あるいは強制競売になりました際には、その競売あるいは公売によって発生いたしますその間接税額、これを優先徴収するために、その公売等があったときに、その製造場から移出されたものとみなしまして、
課税原因を発生させますために、新旧対照表の第五条第三項をそういう意味で加えたわけでございます。これに対応いたしまして、第十条を
改正いたしまして、この第五条第三項の
規定の
適用のある場合におきましては、直ちに
申告をしなければいけないという
申告義務を課したわけでございます。この
改正法は、現在の予定では四月一日から実施をいたすということにいたしております。
なお、
関係の付則がございますが、付則の第四項、四ページでございますが、これは従来
通り、すでに製造場から移出をいたしまして、販売業者の手元にある揮発油がございます。これは安い
税率で出されておりますので、この分についてはストック
課税をいたすことになりますが、非常に少量のものにまでいたしますと、実施上の困難もございますので、前回の
昭和三十二年の前例に従いまして、五キロリットル以上の揮発油を所持する者につきましては、一キロリットル当り五千五百円の
揮発油税を課するということにいたしております。
以上が
揮発油税の
改正でございます。
次に、
地方道路税法の
改正でございますが、御承知のように、
揮発油税は
地方道路税と一括して徴収いたしております。従いまして、納めるときにはその両者を合せた税額で納付がされますが、それを
揮発油税と
地方道路税に分ける
規定が第七条にございます。これは新旧対照表の七ページでございます。第七条の二項に「
地方道路税及び
揮発油税の納付があったときは、その納付に係る
金額の二百三十八分の三十五に相当する税額の
地方道路税及び二百三十八分の二百三に相当する税額の
揮発油税の納付があったものとする。」、徴収されました税額をこういう
基準で機械的に按分いたしまして、両者が均等に徴収されるようにいたしております。従来は、これを「百八十三分の三十五」、「百八十三分の百四十八」といたしておりましたのが、
揮発油税が五千五百円上りましたために、その計数が変ったわけであります。
以下多数の
改正があるようでございますが、いずれもこの計数の整理でございます。
簡単でございますが、これが
揮発油税法及び
地方道路税法の
改正の概要でございます。
次に、
物品税法の
改正について御
説明申し上げます。
物品税法の
改正は、現在の
物品税法が
昭和二十九年に
法律改正をいたしまして以来、ずっと
法律改正がございませんで、その間二回ほど政令の
改正、つまり
免税点の
改正があったにとどまっております。このために、
免税点の定めのあるものにつきましては
負担の
軽減が行われましたが、
免税点の定めのない
物品については
負担が過重になっておるというような問題から、国会におかれましても、
物品税法全体を通じた
改正をするようにという御意向が強かったわけでございます。
昭和三十二年には、その
趣旨の付帯決議が
衆議院において付せられたというような経緯がございます。
政府といたしましても、
昭和三十二年の臨時税制調査会以来、この
物品税の問題、さらに間接税全般を含めた体系的な検討を続けて参りましたが、今回の
改正に当りまして、その一環として
物品税の
改正をいたそうとするものでございます。
その基本的な
考え方は、税
負担の不均衡を是正するということが第一点でございます。これは基本的な態度であると申すべきだと思いますが、さらに、現在の
物品税法におきましては、できるだけ高級な消費
物品を選んでおります
関係で、これが相当
部分は零細な手工業者の製品になっております。これを製造
課税いたしますために、手職の人々が
税金を課せられる。そのために、字を書くことも十分でない人が納税義務者となっておるといったような点、あるいは、それであるために、また
物品の販売についても非常に力が弱くて、
税金を転嫁できないといったような問題がございまして、これについても
考えるべきじゃないかということがしばしばいわれております。今回は税
負担の不均衡の是正に加えまして、零細業者の製造
物品の
負担を
軽減するという
見地から、これを第二の基本的な
考え方といたしまして、具体的な
方法といたしましては、第一に
課税方法を変更する。
課税方法の変更と申しますのは、たとえば、製造段階の
課税を小売段階に移す、あるいは極端な例外的なものといたしまして、製造
課税の段階をさらに原材料の
課税、半製品の
課税という段階に逆戻りをしてとるというような
課税方法の改善によって、この中小
企業者等の困難な問題の解決できるものは解決をする。それから、
税率の調整。税
負担の不均衡と同時に、零細
企業の
物品でありまして転嫁が非常に困難であると認められるようなものにつきましては、税
負担を
軽減することによって問題を解決するということで、
税率の
軽減。さらに、この段階では、
課税物品として適当でないというものについては、この際
課税をはずす、こういった形で
改正をしたわけでございます。さらに、
物品税の
負担の不均衡を是正するという面で
軽減の面を申し上げましたが、さらに、現在の
課税物品との間に非
課税物品で不均衡のあるものがございます。たとえば、新たに製造されるに至ったいわゆる新規の製品、こういうものは
課税が抜けておりますので、そういうものについて検討いたしました結果、
現行の
課税物品と著しく不均衡なものについては、これを新規
課税をする。これが
物品税の
改正のおもな点でございます。
内容について簡単に申し上げますが、今回の
改正におきましては、第一条の
課税物品の
規定を全文
改正をいたしまして、これを一々対照して申し上げますと非常におわかりにくいかと思いますので、まとめて簡単に御
説明をいたします。
第一に、第三種でございますが、九ページをごらんいただきます。第三種の
改正は、最初申し上げました
課税方法の変更の
一つの形でございまして、「サッカリン、ズルチン及此等ヲ原料トスル調味用固型人工甘味料」というのがでございます。これは御承知と思いますが、
課税上かなり問題があったのでございます。
一つには、このサッカリン、ズルチンは戦後の物資不足の際には非常に珍重されまして、やみ価格が高い。一時は一キログラム当り
税金にして一万三千円まで行ったことがございます。現在はそれが三百円というような非常に安いものになっておりますが、サッカリン、ズルチンの価格
自体が下落いたしまして、現在は税抜きで六百円程度。従いまして、従価におきまして五割程度の
課税になっております。そんな
関係で、一部にかなりひどい租税回避が行われている。そのために執行がうまくいかぬというような面であったのでございますが、これを製品の段階から一歩下りまして、半製品の段階でとらえますと、これはかなり大きな業者がやっております。その数も両者を合して十一軒程度ということで、確実な把握がございます。そこで、現在のトランプ類税法と同じように、半製品と製品、両方
課税対象といたしまして製品として
課税するものは半製品を未納税の形で出すことができる。しかし、製品について納税しない。脱税するという人がある場合は、未納税という形が認められないで、半製品の段階で
課税されて、たとい脱税しても税がとれるという形でやるべきではないか。同時に、
税金も百円に下げる。これが第三種でございます。ここに第二号といたしまして「サッカリン、ズルチン、チクロヘキシルスルフアミン酸ソーダ、オルソトロールスルフォアミド、パラフェネチヂン及チクロヘキシルアミン」と書いてございますが、このうちのオルソトールスルフォアミド、パラフェネチヂンというのがサッカリン、ズルチンの半製品でございます。これを両方
課税対象に取り入れまして、どちらかで
課税するという法
改正にいたしたのであります。
それから次に、
課税方法の変更といたしまして、小売
課税の移行のものがございます。これは最初の第一ページに戻っていただきまして、第一種といたしまして、従来は甲類、乙類の差なく一律に小売
課税物品があったわけでございますが、現在の製造
課税のもののうち、零細業者の製品であって非常に問題の多いものを選びまして、それを小売に移した方がいい、どちらにも、徴税上もあるいは納税義務者には有利だというものを選択したわけでございます。
その
考え方といたしましては、現在の第一種の製品と似たような種類のものであって、これを小売に移しても、従来の第一種納税義務者がやはり扱う、そういう意味では納税義務者があえてふえないというもの、たとえて申しますと、現在の第一種の一号、二号、三号あたりに、「貴石若ハ半貴石又ハ此等ヲ用ヒタル製品」というのがございますが、これらはいわゆる身辺用細貨類あるいは装飾品でございます。室内装飾品でございます。これは製造
課税の方のそれと同じものでございますが、ただ、貴金属を使っているとか、あるいは貴石を使っているということから、小売
課税になっております。従いまして、そういったたぐいのものは製造
課税から小売
課税に移しても、これら納税義務者が当然扱う。これが第一の
基準でございます。第二の
基準は、製造小売という形態が非常に多い。そのために、製造者としての地位で
課税をされますが、小売の場合にもその小売のものについてマージンを
控除した額について
課税を受けるという、非常に複雑な形の
課税を受けざるを得ない種類、これはたとえば家具などは典型的なものであります。これは家具はそこに載っておりませんが、そういった例で申し上げまして、そういうものが第二に選ばれております。製造小売は小売
課税にすることによって手数が非常に省ける。それから、
免税点がすでに非常に高くなっているために、小売に移しても大して
負担が、納税者の数がふえまいという、この三つの
基準から選びましたのが、この甲類の第一種のうち六号に「毛皮製品」というのがございますが、この毛皮製品は従来「高級毛皮製品」と言っております。下級毛皮製品、たとえばウサギでございますとか、タヌキ、羊、ヤギ、こういったたぐいのものは下級のものとして製造
課税をしておりましたが、この
免税点等を引き上げて、「毛皮製品」に統一をする、これが
一つ。それから、その次に第七号に「銃」を加えました。この銃は、御承知のように、
法律によって取り締られておりまして、小売まで免許になっております。従いまして、小売
課税の際にトラブルが非常に少い。かたがた製造業者の方はかなり零細である、こういったような点から、甲に持って参る。あと、その下に、次の乙類は、十四の「書画及骨董」を載せまして、すべて新しく小売
課税に持ち込んだものでございます。
これらのものは大体、製造
課税として二割ないし三割の
税率でございますので、従来のような小売
課税二割の
税率では無理がございます。従いまして、今回はこれを一括して、乙類は一割、甲類は二割ということで整理いたしたわけでございます。なお、書画骨董、従来は第七号にございましたが、これは書画、骨董の特殊性にかんがみまして、従来から特別
税率で一割で扱っておりましたので、今回は乙類の方に組み入れたわけでございます。
次に、
税率を引き下げた品目でございますが、これは一々対照してごらんになりますと非常にややこしいので、簡単に申し上げます。
書画及び骨董につきましては、ただいま申し上げましたように乙類に組み入れましたが、従来から書画骨董はいろいろな特殊事情がございまして、ほかの
物品と違って、何回も売り買いされるだびに税がかかる、累積するといったような
理由がございましたので、従来から一割という特別
税率を使っておりましたが、今度は二割、一割の
二つの
税率ができました
関係で、書画骨董につきましては、これを五%に特別
税率として
適用いたします。これは十二ページでございますが、第二条の二項でございます。「書画骨董ニシテ前条第一項ノ
規定ニ基ク命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ前項ノ
規定ニ拘ラズ其ノ価格ノ百分ノ五ノ
税率ニ依ル」、従来百分の十でございましたが、これを下げたわけでございます。
それから、非常に零細な製造所が作っておるものといたしまして、娯楽用のモーターボート、撞球用具、これが現在
最高税率が五割になっておりますので、これを一割下げて四割。それから、薬莢及び弾丸、これは銃とともに四割の
課税でございましたが、これも非常な零細業者でございますので、三割に下げました。それから、ネオン管は、従来四割の
課税でございましたが、ネオン管そのものが消費
物品としては直接消費の
物品でもないというあたり、それから、最近では螢光灯等が似たような用途に使われておるといったような点を考慮いたしまして、二割に引き下げております。
それから、化粧品。これは口紅、香水、まゆ墨等でございますが、これも従来から問題になっておりました。化粧品のうち、これらのものは三割でございまして、ポマード、クリーム、それから化粧水は五%でございます。従来は、これらのものは一括して同じ
税率を
適用しておりましたが、途中から、
負担軽減の
趣旨で、物を分けて
軽減をやったわけでございます。現在五%になっておりますものは、ここで転減をいたしました際に、逆に引き上げる。クリーム等は下げたわけでございまして、その後さらに引き下げがあって、現在では六倍という
税率の間差になっております。これは非常におかしいというので、従来から問題になっておりましたが、今回は化粧品を半分にして、一五%。
それから、石油ストーブ、電気ストーブ等につきましては、ガスストーブが従来二〇でございまして、石油ストーブ等は三〇という
税率をとっておりました。これは、電気の不足といったようなときに、電気をあまり使わない意味で差がつけてあったようでございますが、現在では意味がございませんので、それを二〇にする。それから、花火、線香等につきましても、零細性を見て一割ずつ
税率を下げました。
さらに釣用具は、今回運動用具をかなり大幅に整理をいたしますので、運動用具と統合いたしまして、従来三割でございましたものを、一割の
税率にいたしました。
それから、乳化剤を使用しない原果汁の多い果実水、この果実水につきましては、従来、嗜好飲料といたしまして二割を
適用いたすべきでございましたが、付則で果実水だけを特別扱いで一割にしております。そのため、嗜好飲料が二割と一割という
二つの
税率に分れておって、非常に不権衡でございましたので、今回嗜好飲料を一律に一割といたしまして、
特例をはずしたわけでございますが、そのうちで、乳化剤を使用していない原果汁の多い果汁水と申しますのは、農協等でしぼった原果汁そのままをカン詰にいたしまして、そしてこれを売るという、かなり原始的な生産をしておるものを、同じ
税率で扱いますのは非常に酷であるということで、特別的にこれを五%として、暫定
税率を
適用いたしております。
それから、オールウェーブ・ラジオ聴取機、これは先ほどの化粧品と同じでございますが、現在五球以下のラジオは五%でございまして、それより高級のラジオは、オールウェーブあるいは六球以上のものは、二〇%の
税率でございます。しかし、最近真空管で、
一つで
二つの役目をするものなどが出て参りました
関係もございまして、この差があまりに大き過ぎるということで、これを一〇%に下げております。
最後に、果実エッセンスでございますが、これは実際としては、すべて原料でございます。果実水に入れるといったようなものでございますので、現在五%の
最低税率ではございますが、まあ原料という意味で、紙と同様に
特例税率の三%を今後
適用するということにいたしました。
これが
税率の引き下げの大要でございます。
なお、
課税品目の整理といたしましては、今回相当数のものにつきまして、
部分品を
課税品目からはずすことにいたしました。これは、従来
部分品を
課税いたしました
趣旨は、製品だけを
課税いたしておきますと、
部分品を買ってきて組み立てるというやり方で
税金を免れるというおそれがございますので、
部分品
課税をいたしておりましたが、最近のように、電気製品でございますとか、その他メーカー品が非常に強くなって参りまして、組み立て
物品ではあまりこれに競争できないという
状況になって参りますと、
部分品
課税は、実際はほとんどが未納税移出の手続をとどめるだけの、手数上の問題になっておりますので、これを相当数はずすことにいたしました。
そのほか、大理石、タイル等につきましては、建築用材として
最後まで
課税物品に入っておりましたが、建築用材はほとんどはずれた現在におきましては、消費税としてはまあいわば一番境目の
ところにありますので、今回の
減税に際してはこれをはずす。大理石、タイルをはずすということにいたしました。
同じような意味で、玉ラムネ、口中剤等も消費税としてのいわば限界点にあるという意味で、この
課税を廃止することにいたしました。
減
免税の方は以上の
通りでございます。
最後に、新規
課税物品の
説明を申し上げます。
新規
課税物品は、まず第一に、第一種の乙類、ページでございますと、二ページでございますが、乙類の十一に、高級織物というものを掲げております。これは高級織物という
関係で、定義といたしまして、ほかのものにはない特殊な
規定が入っております。「和装生地又ハ帯地ニ在リテハ一反又ハ一本二付価格二万五千円以上ノモノ洋装生地中幅百三十糎以上ノモノニ在リテハ一米ニ付五千五百円以上其ノ他ノモノニ在リテハ命令ヲ以テ定ムル価格以上ノモノヲ謂フ」、こういうことで、きわめて高級な織物については、
課税の均衡上これを
課税物品に取り入れようという
趣旨でございます。
新規
課税の第二の
物品は、テープレコーダーでございますが、これは七ページ戊類の三十九号でございます。テープ式磁気録音再生機、いわゆるテープレコーダー、これは戊類でございますから一〇%の
税率が
適用になりますが、さしあたりこのテープレコーダーは、今伸びる盛りでございますので、
課税によって急激な影響を受けてはいけないということで、二十六ページに、付則の第四項でございますが、二十六ページ、「
昭和三十四年五月一日から
昭和三十六年三月三十一日までの間に製造場から移出され、又、保税地域から引き取られる新法第一条第一項第二種第三十九号に掲げるテープ式磁気録音再生機に課されるべき
物品税の
税率は、新法第二条第一項の
規定にかかわらず、その価格の百分の五とする。」ということで、五%の暫定
税率を二年間使うことにいたしております。
それから、トランジスター・ラジオにつきましては、従来から問題がございましたので、今回はこれに普通のラジオと同様に五%、オールウェーブのものにつきましては一〇%の
課税をいたすことにいたしました。
それから、サッカリン、ズルチン等と権衡をとる意味で、新しい甘味剤でございますが、チクロヘキシルスルファミン酸ソーダ及びその半製品でございますチクロヘキシルアミンというものについて
課税をいたすことになりました。これは第三種でございます。先ほど読み上げました中にございますが、これはサッカリンに比べまして甘味度が低いということを考慮いたしまして、一キロにつき三十円の
税率にいたしたわけでございます。
以上が
税率関係でございますが、なおそのほか、最近の
課税の実情に顧みまして、必要な若干の
改正をいたしております。
一つは、第一種の
物品の小売業者が委託を受けて販売する場合または売買の媒介をする場合には、自己の所有する第一種の
物品を販売したものとみなして
課税をする。これは第五条の第一項でございますが、「第一種ノ
物品ノ小売業者が其ノ第一種ノ
物品二付販売若ハ買受ノ委託ヲ受ケテ之ヲ販売シ若ハ其ノ買受ノ委託者ニ引渡ス場合又ハ其ノ第一種ノ
物品二付売買ノ媒介ヲ為ス場合ハ之ヲ其ノ所有ニ係ル当該
物品ノ販売ト看倣ス」、これは書画、骨董等につきましては、販売というものと仲介というものが区別ができませんので、実際上販売であるものを仲介と称して、かなり粗税回避が行われておる実情がございます。これを
税金を下げますと同時に、こういう点を是正していこうという
趣旨でございます。
それから、
輸出の促進をはかるという
見地から、
輸出免税の手続が最近非常にめんどうだといわれてこれを一括承認という
方法をとるように
改正をして、
輸出免税の手続の簡素化をはかる、そういった
改正をいたしております。
なお、
最後に、この
改正法律は、
減税の分は
昭和三十四年四月一日から施行するということにいたしておりますが、小売
課税に移行するもの及び新規
課税にかかるものは五月一日から、準備期間を置いて実施をするということにいたしております。
大へん長くなりましたが、
物品税法の概略を終ります。
次に、入場税の御
説明を申し上げます。
入場税法につきましては、前回の国会で当
委員会におきまして、演劇についての特別
軽減税率の定めを置くことに
改正をいたされたわけでございますが、さらに、その際、純音楽と演劇あるいは映画等との
課税の権衡をさらに
考えて、
政府としても、全般を通ずる
改正をやるようにという御
趣旨の付帯決議がございましたので、今回他の税法
改正をいたしますに際しまして、
入場税法の
改正もその
趣旨でやったわけでございます。
概略を申し上げますと、まず、第一種の催しものの基本
税率を、現在は御承知のように五十円以下一〇%、八十円以下二〇%、百三十円以下三〇%、百五十円以下四〇%、それをこえますと五〇%という
税率になっておりますが、これを五十円以下は一〇%据え置き、それから百円以下を二〇%、百円をこえた場合にはこれをすべて三〇%ということにいたしたのでございます。それと同時に、
委員会で指摘をされました演芸と演劇、あるいは純音楽と普通の音楽といったようなものの不権衡を直すという意味におきまして、今回は演芸、音楽及び見せもの、つまり第一種のうち映画、競輪、競馬を除いた他のものをすべて演劇の
税率に統合をしたわけでございます。こういたしますと、演劇と演芸の区別とか、あるいは演劇と音楽が一緒に行われておるといった場合に問題が起きないかということと、純音楽等につきまして二割の
税率を
適用いたします。三百円をこえても二割でございますが、その他のものについても三割にとどめますと、そう従来のような大きな差がないわけであります。従来でございますと、純音楽にするか普通音楽にするかで、二割が五割になるといった大きな差があるだけに、問題が大きかったわけでございますが、純音楽と音楽は全く同じ
税率でございますから、少くとも三百円の
ところまでは問題はほとんど解消する。三百円をこえたといたしましても、税額の差が一割ということになりますと、問題はほぼ解消するのではないか。不完全ではございますが、
委員会の御指摘の映画、純音楽あるいは演劇、あるいは普通音楽というものの権衡をはかれという
趣旨が実現できるのではないかということを
考えて、
改正をいたしたわけでございます。
それから、一方におきましてそういう均衡上の
改正をいたしますとともに、現在、いなかで臨時開催、あるいは学校の講堂を借りて映画会をやるといったような場合にまで、こまかい税額をとっておる。極端な場合でございますと、山を越えて出張をしてとってきた
税金が五百円ということで、出張旅費の方が高いといったようなことが実際あるわけでございます。そういう点を
考える。手数の省略と申しますと言葉は悪うございますが、税務行政の改善という面と、同時に、山間僻地で娯楽の少い
ところで臨時の娯楽というものを
免税する
趣旨で、三十円以下の料金の催しものにつきましては、これを
免税とするということにいたしました。第一種を三十円にいたしました
関係で、従来第二種の
免税点が二十円というのがございましたが、これを三十円にするということにいたしたわけでございます。
それから、その他最近における
入場税法の実施
状況に顧みまして、若干
規定の整備をはかっております。たとえば、このごろよくいわれますが、入場券のたらい回しとかいろいろなことがいわれますので、入場券の半片を保持する義務がございますが、これを三カ月間は所持する義務があるというふうに改めて、
課税の適正をはかろうといたしております。
改正法律は五月一日から実施する予定になっておりますが、これは前回も問題になりました前売券との調整をはかるために、五月一日から実施いたしますが、ただ、前売りとしてすでに引き下げた
税率で前売りを行う場合には、あらかじめそういう切符が売れるように、四月一日から前売券については
税務署長の承認を得れば新
税率で売ることができるという
規定を入れまして、従来から問題になっておりました点を解決いたしております。
なお、
最後に、当
委員会でも、演劇の際に強く御指摘を受けました、税を
軽減しても入場料金は下げないという問題もございますので、今回は付則第四項におきまして、
昭和三十四年三月三十一日からさかのぼって六ヵ月間に、最も長い期間
適用した入場料金よりも高い税抜きの入場料金で料金を定めておるような場合には、この
法律施行の日から六ヵ月間に限ってこれらの催しものには旧
税率を
適用する。つまり、
税率が下ったにかかわらず同じ料金でやっておる場合には、税額は同じ税額で旧
税率でいくぞということにいたしまして、間接的に
税率を引き下げるように
措置をいたしております。なお、ただこの場合に端数等がございますと無理がございますので、適当な端数整理を政令で行うことにいたしております。
以上、簡単でございましたが、入場税の御
説明を終ります。