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1959-01-30 第31回国会 参議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年一月三十日(金曜日)    午後二時二分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十五日委員松野孝一辞任に つき、その補欠として木島虎藏君を議 長において指名した。 十二月二十六日委員森田豊壽辞任に つき、その補欠として小西英雄君を議 長において指名した。 一月二十六日委員加藤正人辞任につ き、その補欠として岸良一君を議長に おいて指名した。 一月二十七日委員池信三君及び相馬 助治辞任につき、その補欠として鈴 木万平君及び阿具根登君を議長におい て指名した。 本日委員西田隆男辞任につき、その 補欠として迫水久常君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     田畑 金光君    理事            上原 正吉君            小幡 治和君            島   清君            大竹平八郎君    委員            小西 英雄君            迫水 久常君            高橋  衛君            堀本 宜実君            阿部 竹松君            海野 三朗君            豊田 雅孝君   国務大臣    通商産業大臣  高碕達之助君    国 務 大 臣 世耕 弘一君   政府委員    公正取引委員会    委員長     長沼 弘毅君    公正取引委員会    事務局長    坂根 哲夫君    経済企画庁長官    官房長     宮川新一郎君    経済企画庁調整    局長      大堀  弘君    経済企画庁総合    計画局長    大來佐武郎君    経済企画庁総合    開発局長事務代    理       竹田 達夫君    科学技術庁長官    官房長     原田  久君    科学技術庁長官    官房会計課長  杠  文吉君    科学技術庁企画    調整局長    鈴江 康平君    科学技術庁原子    力局長     佐々木義武君    科学技術庁調査    普及局長    三輪 大作君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君    通商産業大臣官    房会計課長   阿部 久一君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省企業    局長      松尾 金藏君    通商産業省重工    業局長     小出 榮一君    通商産業省鉱山    局長      福井 政男君    中小企業庁長官 岩武 照彦君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選経済自立発展に関する調査の件  (昭和三十四年度通商産業省予算  及び施策に関する件)  (昭和三十四年度経済企画庁予算  及び施策に関する件)  (昭和三十四年度科学技術庁予算  及び施策に関する件)  (公正取引委員会業務概況に関す  る件)   —————————————
  2. 田畑金光

    委員長田畑金光君) ただいまより商工委員会を開会いたします。  昨日の委員長及び理事打合会において決定いたしました事項については、お手元に印刷配付いたしておりますので、御了承願いたいと存じます。   —————————————
  3. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、委員変更について御報告いたします。  加藤正人君、相馬助治君及び古池信三君が、それぞれ辞任され、岸良一君、阿具根登君及び鈴木万平君が、それぞれ補欠として選任されました。   —————————————
  4. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。  先ほど御報告いたしました通り理事相馬助治君の委員辞任に伴って、理事が欠員となりました。  つきましては、この際、理事補欠互選を行いたいと思いますが、先例によりまして、委員長において、指名いたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  5. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 御異議ないと認めます。  それでは、鳥清君を理事に指名いたします。   —————————————
  6. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、経済自立発展に関する調査、特に昭和三十四年度における通商産業省経済企画庁科学技術庁の各予算及びその施策に関する件並びに公正取引委員会兼務概況に関する件を議題といたします。  まず、高碕通産大臣より通商産業省及び科学技術庁について御説明願います。
  7. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 通商産業政策重点について、御説明申し上げます。  昨年停滞的に推移したわが国経済も、最近国際収支改善生産出荷回復等漸次好転のきざしを示すに至りました。  しかしながら一方、繊維石炭等一部の産業部門においては今なお不況の域を脱し得ぬものもあり、今後産業政策の遂行に当っては、強力な部門別対策を講じて、均衡のとれた経済発展を積極的にはかることが肝要と存じます。  また、昨年末断行された西欧通貨交換性回復は、世界貿易自由化に一歩を進めたものでありますが、わが国といたしましては、今後の世界的な輸出競争の激化に備えて、企業体質改善自己資本充実コスト引き下げため合理化過当競争是正等をはかることはもちろんのこと、待にこの際、国のあらゆる施策輸出振興に結集して、これを推進してゆくことが必要であると考える次第であります。  以下、今後とるべき施策について、通商産業政策の四つの柱である  (1) 貿易振興経済協力推進  (2) 産業基盤強化産業体制確立  (3) 中小企業振興  (4) 鉱工業技術振興  の各分野について具体的に御説明いたします。  まず三十四年度予算でありますが、その総額において三十三年度の約百八億円に対し、約二十一億円増額の百二十九億七千七百万円余を計上いたしており、また当省関係財政投融資総額は千五百四十七億と、三十三年当初計画に比して四百七十五億円の大幅増額となっておるのでありまして、上記のごとく、一般会計予算及び財政投融資確保運用により、今後重点施策の積極的な推進を期することができると考えておる次第であります。  以下、各項目ごと具体的施策概要を申し述べたいと存じます。  第一は、輸出振興経済協力推進であります。  言うまでもなく、輸出振興の根本は、産業対外競争力強化と安定した海外市場維持拡大をはかり、一時的な海外市況変動に左右されない強固な輸出力を培養することにありますが、最近の実情をみると、プラント類中心とする重化学工業品対外競争力全般的には依然として弱く、反面、比較的競争力のある繊維雑貨等の軽工業品については、国内における過当競争傾向及び海外諸国における依然として根強い輸入制限傾向が見られますので、今後の輸出振興策は、これらの面に焦点を合せて実施していく必要があると考えるのであります。  すなわち、三十四年度においては、まず第一にプラント類輸出促進について、特に意を用いることといたした次第であります。海外市場調査、商品の普及宣伝貿易あっせん等内容とする一般的な海外市場対策といたしましては、昨年度、これがため国家的中核団体として特殊法人日本貿易振興会を設立し、引き続き三十四年度においても、その充実をはかった次第でありますが、今後におけるプラント輸出促進ためには、後述のごとく、輸出入銀行資金源充実をはかることはもちろんのこと、特に三十四年においては、その画期的強化ための第一ステップとして、プラント協会における技術相談業務のより一そうの強化に努めるほか、新たにプラント類のコンサルティングにかかるリスクに対し国家補償制度を創設し、その実務を上記プラント協会に委託して行わしめることとし、これに所要立法措置を講ずる方針であります。  第二は、従来、とかく施策の十分を期し得なかった雑貨輸出促進ため施策整備充実を期したことであります。  すなわち輸出雑貨の品質の向上デザイン盗用防止をはかり、その輸出促進するため輸出品デザインの登録、認証制度整備優秀デザイン指導奨励強化するとともに、輸出雑貨共同検査場設置につき助成を行い、これらの業務に携わる業界中核機関育成することにより、今後の雑貨輸出伸長を期している次第であります。  なお、輸出振興ため業界における過当競争をいかにして排除するかという問題は、わが国経済全般に関連する非常にむずかしい問題でありますが、これにつきましては、何よりも業界における自主的な調整活動育成促進することはもちろんでありますが、これを補完するため最小限度に必要な法的措置として輸出入取引法改正法案を前臨時国会に引き続き今国会に提案し、御審議をわずらわしておりまして、そのすみやかな成立を希望いたす次第であります。  次に、経済協力推進でありますが、さきに断行された西欧通貨交換性回復等により、後進国における外貨不足が、今後ますます深刻化する傾向にありますので、これらの国の経済開発協力いたしますことは、今後におけるわが国貿易長期安定市場の培養、海外原料の安定した供給の確保中小企業海外への進出等をはかる意味におきましてもきわめて重要性を加えつつありますので、今後とも、東南アジアを中心とする経済協力対策を積極的に展開する方針であります。すなわち円クレジットの供与、延払方式採用等による資本協力につきましては、さきに、印度及びアラブ連合に対して決定を見たのでありますが、今後、さらにその他の諸国についても検討中であり、その対象品目拡大等につきましても、あわせて考えたいと存じます。  このため日本輸出入銀行貸出資金についても、プラント輸出促進をもあわせ考慮し、三十三年度当初計画に比し七十億円の増額に当る八百億円を確保することとし、このため三百六十億円の財政資金投入をはかる方針であります。  なお海外技術センターの運営、海外における産業経済調査研究等事業につきましても、三十三年度に比し格段の予算的措置を講じ、その拡充強化を期している次第であります。  最後に、昨年末行われた西欧通貨交換性回復の問題でありますが、いましばらくは、各国別の詳細な実情の把握に努めたいと存じますが、いずれにしても、今直ちに完全な貿易自由化への突入がなされることはないと考えられますので、今後、その国際的な影響をもしさいに検討しつつ、当面、多少の貿易管理及び為替管理面順応措置をとることにより、業界においても、著しい混乱なくこれに対処していけるものと考えておる次第であります。  しかしながら、今回の交換性回復は、世界経済貿易自由化復帰への大いなる第一歩であることは間違いないところであり、かかる点から、早急に国内産業政策貿易政策等全般的な再検討を加えることはもちろん、この際、国をあげて経済体質改善とその正常化に徹する決意を固めなければならぬと考える次第であります。  第二は、産業基盤強化産業体制確立であります。  さきに申し述べましたごとく、わが国経済も、ひところの苦境を脱して、ようやく落ちつきを見せはじめ、次第に安定成長への道を着実にたどるものと考える次第でありますが、このような発展は、放っておいて自然にもたらされるものでなく、文字通り官民協力による努力が必要なことはいうまでもないのでありまして、この際、以上申し述べた輸出振興と並んで、経済体質改善強化をはかることが肝要と考える次第であります。  これがためには、先ず第一に、産業基盤をなす道路、港湾、工業用水工場用地造成輸送施設等画期的強化と、電力、石炭鉄鋼等基礎産業部門整備及びその価格の安定をはかることが要請され、第二に、各企業自己資本充実をはかるため税制上等の面において根本的な再検討を行うと同時に、過当競争経済変動に対処し、国際競争力強化に資するため業界自身が自主的に調整を行い得るようにすることが必要であると存ずるのであります。  また一方、繊維石炭肥料等構造上の問題点をはらんでいる一部の産業部門に対しましては、適時適切に部門別対策を講ずるとともに、過渡期における経済発展に取り残されがちな中小企業等に対しましても、適切な配慮を行い、今後均衡のある経済成長をはかることが肝要と存じます。この際特に留意すべきは、今後における財政投融資国民経済全般に占める役割重要性についてであります。これがため、今後考えられる民間設備投資の減退を補いつつ、かつ、民間資金誘導活用をはかることを目途に、三十四年度は大幅な増額を行うと同時に、緊要度の高い産業部門への重点的投入をはかることといたしている次第であります。  なお、産業立地条件整備に関しましては、特に緊急を要する工業用水道事業について、その助成強化するとともに、三十四年度は、特に工場適正配置に関する施策推進をはかるべく、目下所要準備を進めております。  第三は、中小企業振興であります、御存じ通り中小企業わが国経済上きわめて重要な地位を占めている反面、その規模が零細であり、かつその数がおびただしいため、絶えず経営の不安定に悩んでおり、また、その設備技術等においても立ち遅れておりますので、今後とも、中小企業の特質に応じました振興策を適時適切に講じて行く所存であります。  まず、中小企業組織化によるその経営の安定をはかるため中小企業団体組織法の円滑な運用をはかるとともに、小売商業振興ため小売商業特別措置法案のすみやかなる成立を期待しておる次第でございます。  次に、中小企業の金融問題については、中小企業の旺盛な資金需要を充足するため、三十四年度は、中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対して、それぞれ二百七十五億円及び二百五十億円を財政資金から融資し、運用額において、三十三年度を上廻るそれぞれ六百四十五億円及び九百十億円を確保いたすことといたしました。  また、商工組合中央金庫については、三十三年度当初計画に比し、二十億円増の百五十億円の貸出純増を行うため、三十二億円の財政資金投入を行うことといたしておりますが、一方その効果として、懸案金利引下を実現し得ることとなる予定であります。  中小企業信用保険公庫につきましては、三十四年度は、零細企業金融に重要な役割を果している保証協会業務拡大保証料率引下をはかるため保証協会に対する融資基金として、政府出資十億円を行うことといたした次第であります。  一方中小企業体質改善し、その経済的競争力強化するため中小企業生産性向上合理化をさらに促進する必要がありますので、共同施設設置及び設備近代化並びに各都道府県の試験研究機関設備増強等に意を用いる所存でございます。  なお、当面経済活動安定的上昇線に乗るまでの過程において、過渡的に中小企業面に生ずる影響につきましては、今後とも、財政面金融面その他において、適時適切に対策を講ずる所存であります。  最後に三十四年度においては、初年度五百三十億円、平年度七百億円の大幅減税を断行するとともに、税制合理化をはかる方針でありますが、特に中小企業税負担軽減は、中小企業対策の最も重要なものの一つである点にかんがみ、懸案事業税について、個人事業税基礎控除を十二万円から二十万円に引き上げるほか、中小法人事業税についても、その軽減をはかることといたしておる次第であります。  第四に、鉱工業技術振興であります。  以上の諸施策推進いたしますため基礎条件として、鉱工業技術の画期的な振興が特に必要であることを痛感するのであります。御存じ通り欧米諸国技術進歩は、まことに目ざましいものがあり、わが国は、これに著しく立ち遅れていると存ずる次第でありまして、この際、官民力を合せて、その推進をはからねばならぬと存ずる次第であります。  これがため、まず国立試験研究機関設備の更新、近代化等により、その機能の強化拡充をはかり、産業界からの各種の要請に応じ得る体制整備いたしますとともに、今後最も緊急を要する電子技術オートメーション技術分析技術及び生産加工技術等の基本的かつ新規の技術研究のほか、新たにエネルギー技術汚水処理技術等研究につきましても、各試験所総合的能力の発揮に努め、迅速な成果を得て、各界の要望に応じ得るようにいたしたいと存じます。  また、民間研究活動強化ため、特に、電子技術中型輸送機設計研究工作機械国産化を初め、木材化学石炭化学、新金属利用開発等重要研究実施についての助成を一層強化し、あわせて研究成果普及徹底及び企業化促進に関し、各般の施策総合的に行い得るよう措置する方針であります。  なお、中型輸送機の試作については、この外、政府出資による特殊法人を設立するべく、所要立法措置準備中であります。  また、特許、実用新案、意匠、商標のいわゆる工業所有権関係四法につきましては、それぞれ大正年間の改定にかかるものであり、その後の時運の進展に即応するべく、慎重検討中のところ、このたび、それぞれ根本的な改正の成案を得ましたので、今国会に提案いたし御審議を願うことに相なっております。  以上によりまして、今後における通商産業政策に関する基本的考え方具体的施策概要を申し述べた次第であります。何とぞよろしく御協力を願います。  科学技術庁長官として、科学技術振興ため昭和三十四年度における基本的施策について、御報告申し上げたいと存じます。  最近における世界科学技術進歩発展は、まことに驚くべきものがあり、人類の宇宙観すら一新しなければならない段階に至ったかの感があるのみならず、その結果、世界産業構造革命的変化を与えつつあるものと思われるのであります。  このような変革期にあって、わが国が、天賦の資源の貧困を克服しつつ、世界先進諸国に伍して、経済発展国民生活向上をはかるためには、国内資源の最も有効な利用輸出飛躍的伸長を一そう推進しなければならないことはいうまでもありません。  このためには、その基盤となる科学技術振興をこそ、この際大いに推進する必要があるものと考えます。翻ってわが国科学技術の現段階をつぶさに観察いたしますと、若干の例外はあるものの、全般的に見れば、世界水準に比べてその後進性は、なお脱却し得ない状態にあるものといわざるを得ず、科学技術水準向上せしめることは、まさに刻下の急務と考える次第であります。  すでに政府は、その重要施策一環として、科学技術振興を大きく打ち出しておりますが、この大目的を達成するため科学技術庁が当面の施策として新年度にその実施を期待しているものは、大要次通りであります。  まず第一に、科学技術振興という大命題を最も効率的かつ適切に実現するため科学技術に関する基本的な政策を樹立するとともに、長期的かつ総合研究目標を設定し、合理的な科学技術振興を行い得る体制確立いたしたいと存ずるのであります。このため内閣総理大臣諮問機関として科学技術会議設置し、この会議において、これら基本的な問題の御審議を願うこととして、現在科学技術会議設置法案を御審議願っている次第でありますが、これにあわせて科学技術庁におきましても、これら基本的政策の策定に適した体制を整える必要がありますので、科学技術庁組織を一部改組することとして、今国会所要改正法案を提出いたし、その成立を期待している次第であります。  なお、科学技術振興に関する基本的政策の樹立に当っては、国内資源総合的利用方策を考慮しなければなりませんので、資源問題の構造的分析総合的検討により、将来の動向を明らかにするため資源総合的調査を今後とも推進いたしたいと存じます。  第二に、科学技術振興に直接つながる基礎及び応用研究並びにその成果実用化を強力に推進いたしたいと存ずるのであります。このため国立試験研究機関理化学研究所等研究施設人員等整備充実努力するとともに、研究員の待遇についても改善を加えたいと存じます。  さらに、わが国科学技術外国依存性を脱却し技術水準向上をはかる方策一環として、総合的重要研究重点的に推進するほか、国家的援助により新技術開発促進し、優秀な国産技術育成努力を傾注したいと考えている次第であります。  第三に、優秀な研究者を多数確保することは、科学技術水準全般的な向上ため必須の要件でありますので、主管官庁協力して、科学技術者の養成に力を注ぐとともに、一般科学技術に関する情報広報活動活溌化努力いたす所存であります。  最後に、原子力平和利用に関しましては、本年は、先年来懸案であった実用規模発電炉導入交渉も、一そう積極化する年と考えられ、わが国原子力開発も、従来の研究基盤育成段階から、その応用化実用化へ移行する段階に到達したと見るべきであろうかと存じます。このような情勢に応じて、今後考慮すべきことは、まず、国際間の双務協定による協調を深めるとともに、国際原子力機関活動に積極的に参加し、その発展に力をいたすことであると考えます。  他方国内においては、日本原子力研究所における基礎研究充実原子燃料公社による核原料探鉱推進製練施設整備強化努力を払うことはもちろんでありますが、本年は、特に原子力関係科学技術者充実に努めるとともに、核融合反応研究推進原子力船開発具体化に力を注ぎたいと思料しております。  以上、わが国経済発展国民生活向上を期するため、当面の施策として考慮している科学技術振興方策の大綱を述べたのでありますが、これらの方策の実現、その効果の発揚は、もとより国民全般科学技術振興重要性の認識と協力がなくしては、不可能に近いと思われます。政府としては、以上の新方策基礎として、世界の大勢に眼を注ぎ、これに即応した施策を進め、もって科学技術振興に万全を期する所存でありますので、国会議員各位初め関係各位の切なる御協力をお願いいたしたいと存ずる次第であります。よろしくお願いいたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  8. 田畑金光

    委員長田畑金光君) この際、委員変更について御報告いたします。  ただいま西田隆男君が辞任され、迫水久常君が選任されました。   ━━━━━━━━━━━━━
  9. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、予算について御説明願います。
  10. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) 三十四年度予算要求重要事項表という横書きの表をお配りしてございますが、それによりまして御説明申し上げます。  最初に、貿易振興費でございますが、本年度特殊法人化しました日本貿易振興会でございますが、来年度は、出資金はございませんで、補助費及び委託費につきまして三億円程度増額になっております。事業内容は、本年度とはとんど変更はございませんが、軽機械振興事実について新たに事業を行うことといたしました。その他、国内貿易広報関係の仕事に、若干力を注いでいきたいということで予算を計上してございます。  その次が、プラント輸出関係でございますが、プラント輸出につきましては、価格のほかに、年産能力とか、あるいは原単位とかいうものについての損失補償と申しますか、ということが、プラント輸出一つの障害になっております。具体的に申しますと、たとえば原単位が一日二百トンなら二百トンと——能力が二百トンということになっております場合に、それに、たとえばその一割なら一割能力が足りない場合は、それについて幾ら補償しろというような補償の条項が通例つくわけでございますが、そういう補償についての危険を担保いたすとともに、新たに政府が直接に損失補償の契約をすることができることといたしました。そのため予算総則に、損失補償契約の限度を六十億円にするということをきめてございますが、それを行うため損失補償費及び事務処理費として百万円ずつ計上してございます。これは、別に来年度損失補償が具体的に起ることは、ちょっと考えられませんので、形式的な費用だけを計上してあるわけでございます。  それから次に、海外市場開拓の関係でございます。最初にございます生糸と絹織物の輸出振興の関係でございますが、これは従来、通産省と農林省とに、それぞれ分れて予算が計上されまして、別々の機関で実施をいたして参りましたが、最近、生糸の輸出に比べまして絹織物の輸出が、だいぶ重要性を増して参りましたので、生糸と絹織物とを一本に統合いたしまして、一つの機関で振興事業を行わせたら適当じゃないかということになりまして、新しく日本絹業協会というところに両省の補助金を一括交付いたしまして、織物と原糸とを通じて一貫した輸出振興事業を行うということになりました。なお、この本年度に比べまして、来年度予算がだいぶ、二億円近く減少するようになっておりますが、それは、次の二ページをごらん願いますと、海外市場維持対策費補助等として出ております。これは、その説明書にございますように、巡航見本船準備費補助と、それからブラッセル万国博覧会参加委託費と、この二つが本年度限りの経費でございまして、それが三億六千万円ばかり減りますので、このような形にきまっているわけでございます。  それから次の意匠向上費関係でございますが、新しく輸出雑貨センターを設けるということにいたしました。これは従来、輸出品の検査につきましては、出張検査と申しますか、要するに生産工場へ行って検査するのが原則でございましたが、それを持ち込み検査と申しますか、港湾地区に共同の検査所を設けまして、そこで検査をして、すぐに船積みできるようにするという措置をとりたいということで、東京、神戸の二カ所に共同検査所を設けることにいたしまして、その費用の補助金が計上してございます。その他は、大体本年度事業を来年度も引き続いて、若干規模を広げて実施していく予定でございます。  それから次に、経済協力費でございますが、海外技術センターの関係が少々ふえておりますが、これは、すでに本年度から交渉しておりますインドの分とマラヤの分との大体先方と話のついた金額を計上してあるわけでございます。  それから次の海外経済事情等調査費でございますが、これは、本年度一千万円の補助金でアジア経済研究所というものを設けましたが、来年度は、これを根本的に拡張いたしまして、アジアに限らず、世界経済全般についての調査研究をする研究所に改組するということになりまして、そのために補助金及び委託費を大幅に増額いたしたわけでございます。なお、経済協力関係で新規の事業といたしましては、(3)のところに民間機関受入費補助というのがございますが、従来、国立の試験研究機関で外国の技術学生の研修をいたしておりましたが、来年度から、民間にも特別の研修のための受け入れ措置を設けることにいたしましてその費用を計上いたしましたことと、それから三ページの一番下に、海外あっせん駐在員放置委託費というのがございますが、本年度は、技術者の海外渡航に便宜を与えるために、登録制度というものを実施いたしましたが、来年度は、この海外に進出する技術者のために、海外にその世話をやきます駐在員を置くことにいたしました。その費用が計上されております。  それから三番目に、中小企業対策費でございますが、この一番中心になりますのは、設備近代化の補助でございます。本年度六億円を来年度十億円要求することにいたしております。ただし、この補助率なり、あるいは国庫の負担率なりは、従来通りで変りはありません。  それから三番目に、中小繊維工業設備調整補助という費目がございますが、これは、いわゆる織機の買い上げの補助金でございます。本年度は、予備金を合わせまして七億円、来年度も同額計上いたしまして合計十四億円で一台当り三万円の補助として七万台の買い上げを行う予定であります。ところが一台二万円の補助では、十分な買い上げが困難な情勢になりましたので、買い上げ単価を二万七千円に引き上げるということにいたしております。そういたしますと、七万台が五万二、三千合まで減少することになるわけであります。  それから五番目に、工鉱業汚水処理施設設置補助という費目が新しく入りました。これは、今度の国会で通過いたしました工場排水法の施行に伴いまして、中小企業の排水処理施設を設置するための補助金でございます。ただ、これは従来、中小企業の協同組合の共同施設は補助をいたしたのでございましたが、それと大体同一の条件に適するものに限って補助をする考え方であります。  次に技術振興費でございますが、国の研究費、特別研究費及びその研究施設整備につきまして、本年度よりは若干増加要求をいたしております。  それから三番目に、中型輸送機国産化促進費という費目がございます。これは現在日本で一般に使われておりますダグラスDC3、ダグラスDC4というような国内の中距離の航路に就航する中型の旅客機に代替する飛行機を国産で作りたいということで研究費をずっと補助して参りましたが、その研究も、大体目安がつきましたので、来年度からは、新しくその研究の結果に基いて試作を行うことといたしました。試作のために、日本航空機製造株式会社という特殊法人を作ることといたしまして、その出資金として三億円を経済援助資金特別会計から出資いたしまして、民間出資二億円と合せまして五億円の特殊会社を設置する予定で、本国会にそのための法案を提出することになっております。  それから最後に、産業基盤関係でございますが、工業用水道事業費が本年度に比べまして、かなり増加しております。  それから五番目に、鉱山保安対策費でございますが、若干増加いたしております。また人員も若干ふやしまして、前国会以来、鉱山保安につきましては、いろいろ御指摘がございましたので、現状よりも、相当程度改善の監督ができるように手配をいたしております。  以上総計いたしまして、本年度は百八億円の一般会計の通産省の関係が、来年度は百二十九億、約二十一億ばかり増加する予定でございます。     —————————————
  11. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、通産省関係財政投融資計画について説明願います。
  12. 松尾金藏

    政府委員松尾金藏君) 通産省関係財政投融資計画概要をお手元にお配りしておると思いますが、三十四年度の通産省関係財政投融資は、この表にございますように、出資百六十二億、融資千三百八十五億、合計千五百四十七億円に相なっております。三十三年度——本年度と比較してみますと、出資において四十四億、融資において四百三十一億、合計四百七十五億円の増加という形に相なっております。これだけの財政投融資投入をいたしますと、これにそれぞれの機関の自己資金等を合せまして、三十四年度財政投融資運用総額を見てみますと、二千八百四億ということに相なりました。これは本年度運用総額に対しまして、二百三十億円の増加ということに相なります。なおこの全体の財政投融資額の計画の前提といたしまして、世銀借款を二百六十八億円ほど予定をして、それを織り込んでおります。なお全体としまして、今後の経済情勢あるいは民間金融の推移に応じまして弾力的な運用をするということで、このような全体の計画に相なっておるわけであります。  それぞれの機関について申し上げますと、まず第一には、開発銀行であります。開発銀行について見ますと、御承知のような開銀の本来の使命に基きまして、電力、海運、石炭その他それぞれの産業部門重点的に資金の融資をいたすのでありますが、運用総額におきましては、本年度六百二十億というのに対しまして、六十億の増加で六百八十億というのが来年度の開銀の運用総額の予定であります。従いまして、その意味で新たな投入額は、今年度に比べまして、百二十五億増加をいたしまして、四百五十億の資金を投入をいたしております。この六百八十億の運用計画は、この中で現在までに決定いたしておりますものは、特別額として電力、海運が、それぞれ二百五十億百八十億というので、これは大体本年度と同額の運用予定を現在までに決定いたしておりますが、その他の一般産業について、二百五十億ということに相なるのでありますが、これは本年度に比べて六十億円増ということで、この二百五十億円の内訳については、まだこれからそれぞれの部門の実態に合せて計画を進めることに相なっております。  次に、中小企業金融公庫でございますが、これは二枚目の下の方の表に書いてございますように、運用総額におきましては、三十三年度の当初計画五百七十億というのに比較してみますと、七十五億円の増加——もっとも三十三年度の途中で改定をいたしておりますから、それと比較してみますと三十五億円の増ということに相なります。来年度六百四十五億円の運用資金の借り入れで運用することに相なっております。さらに、これだけの資金がついて参りますと、来年度、ここに書いております三厘程度の金利引き下げができる予定に相なっております。  次に、中小企業信用保険公庫でございますが、これは来年度におきましては、信用保証協会に対する融資をふやしたいということで、出資十億を産投会計から入れることに相なりました。これによりまして、多少規模を大きくできると同時に、保証料率について一割程度の引き下げを行えるということに相なる予定であります。  次は、商工組合中央金庫でございますが、これは貸出純増額のベースで計算をいたしまして、百四十億円の純増を行えるような計画にいたしております。その資金調達は、ここにございますように、三十二億円の財政資金と百八億円の自己資金によって、この計画を進めて参るわけであります。さらにこの十二億の出資によりまして、商工中金の金利を平均金利におきまして、現在の九分九厘を二厘五毛程度は引き下げ得るという見込みに相なっております。そのようにいたす予定でございます。  それから第五番目に、輸出入銀行の関係でございますが、これは本年度に引き続きまして、プラント輸出その他輸銀の従来からの線を伸ばしていくわけでございますが、それと来年度の特色といたしましては、東南アジアその他に対する経済協力は、相当大きくそれを進めなければならないということに相なります。またそのような計画の予定なのであります。さらに賠償関係について、これがだんだん本格化して参りますので、そのようなことから、輸銀の資金は、本年度に比べて相当大幅に増額をいたしております。ここにございますように、三十三年度の当初計画に比べまして、七十億円増の見込みにいたしました。貸付規模で八百億円というような規模に相なっております。  財政資金といたしまして出資七十億、融資二百九十億、合計三百六十億を投入いたすのでありますが、これは本年度の当初計画の八十億というのに比べますと、相当大幅な増額に相なっております。この程度の出資が行われますことによりまして、輸銀の金利も、大体現在の貸付金利を維持するということに相なるわけであります。  次に参りまして、電源開発会社でございます。  電源開発会社の工事は、大体予定の計画の線を進むのでありますが、三十四年度は、継続工事がほとんど大部分であります。御母衣、奥只見、田子倉等の建設工事を中心に進めるのでありますが、工事の規模といたしましては、本年度並みで、約四百九十億の工事規模の予定をいたしております。そのたために出資を五十億、融資を三百五十億、合計四百億の財政資金投入をいたすのであります。同時に三十六億円の世銀借款を予定をいたしております。その成立を期待いたしているわけであります。資金コストは、これだけの財政投融資を進めることによりまして若干上りますけれども、四・六%ぐらいのところで資金コストは運用できるのであります。  最後に、石油資源開発会社でございます。  石油資源開発会社は、御承知の計画を進めて参るわけでありますが、来年度の特色といたしましては、秋田沖の海洋試掘が相当進んで参ります。その点からの工事量の増加等もございますが、全体といたしまして、本年度に比較いたしまして二億円増額の二十九億円の事業規模を予定いたしております。このために産投会計から二十億の政府出資投入を予定いたしました。これに民間出資その他の資金を加えまして、二十九億の事業を進める予定であります。事業内容としては、試掘関係に二十一億、地質調査の関係で三億四千万というのが、大体事業中心に相なっております。  なお大へん申しわけございませんが、この印刷にミス・プリントがございますので、恐縮ですが、御訂正願いたいと思います。  一番最初のページに表がございますが、その表の三十四年度の一番下の合計のところが、二千七百九十四億となっておりますが、これは二千八百四億のミス・プリントであります。よろしくお願いいたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  13. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、科学技術庁予算について、御説明願います。
  14. 原田久

    政府委員(原田久君) それではお手元にお配りしてあると思いますが、横書きの長い二枚刷りの印刷物であります。御説明申し上げます。  科学技術庁昭和三十四年度予算総表がございますので、それに基きまして概略御説明を申し上げたいと思います。  総額の点からまず申し上げますが、総表の二枚目の一番最後のところに百三億九千二百八十四万五千円とございまして、前年度に比べまして五億二千五百二十四万八千円の増額に相なっております。この内訳といたしまして一般の部と原子力の部とに分けてございますので、まず一般の部から御説明を申し上げます。  一般の部の第一番といたしましては、科学技術振興総合施策という項目が掲げてございます。総額五千七百八十五万円でございますが、その内訳といたしましては、科学技術会議の運営費として六百二十七万二千円を充てております。これは、ただいま国会で御審議中の科学技術会議設置法案通りました場合に必要な諸経費が入っておりまして、前年度に比べまして二百二十五万円ほど減額されておりますが、諸度調弁費その他の経費がそれだけ必要でございませんので、それだけ減額しておるわけでございますが、実態については、十分運営される経費が盛り込まれております。  二番目に科学技術振興長期計画策定でございますが、これは、三十三年度から実施しておりまして、三十四年度は、その第二年目に当るわけでございます。三十四年度内容といたしましては、今年策定される原案を、さらに細部にわたって検討を進めて参りたいという、そういう費用が盛り込まれておるわけであります。  三番目の内外科学技術調査活動強化費でございますが、二百五十万円でございます。これは、従来もやっておりました調査でございますが、一般科学技術の動向だとか、科学技術活動の実態の調査とか、研究管理などを主体にして調査をする費用でございます。  四番目の科学技術試験研究助成四千六百五十六万円でございますが、これは、新規につきましたものでございます。総合的な重要研究推進する経費といたしまして、水質汚濁の研究、クロレラの研究、水温の利用研究、三項目を予定しております。  五番目の科学技術者の顕彰でございますが、これも、新しくつきました経費でございます。主として現場における科学技術者の功労者に対して長官賞を送って表彰し、研究意欲を助長させていきたいという経費でございます。  以上が(一)の科学技術振興総合施策の説明でございます。  次に二番目に、試験研究所の整備充実とございますが、このうち航空技術研究所は、金額にいたしまして十五億八千二百万円でございます。その内容といたしましては、主として低音速風洞の研究費その他を含めた経費でございます。前年度より現金におきまして四億円ほど増額し、債務負担の方は減額になっております。  二番目の金属材料技術研究所は五億八千八百九十九万四千円で、前年度に比べまして一億七千五百五十三万一千円ほど増額になっておりますが、債務負担関係の方は減額になっております。施設としましては溶解、圧延施設とか、材料試験器具等を充実していきたいという内容の経費でございます。  なお、この際申し上げますが、航空技術研究所につきましては、定員が六十五名増加になって、金属材料技術研究所につきましては七十九名増になっております。  放射線医学総合研究所の分につきましては、原子力の部で御説明申し上げたいと思います。  三番目の理化学研究所の充実でございますが、これは、本年特殊法人として発足いたしました研究所で、三十四年度予算といたしましては五億円計上されております。前年度に比べまして一億七千万円ほど増額になっております。内容といたしましては、研究設備充実といたしまして三億七千万円、それから新技術開発関係が一億三千万円、こういう内容になっております。  四番目の日本科学技術情報センターは八千八百万円で、前年度に比べまして八百万円増額されております。  (五)のその他の項目で申し上げますと、科学技術者の渡航関係が増額になりまして、五千三百四十万円となりまして、海外一般研究者一般官庁に勤務する研究者でございますが、研究者の渡航する人数も増加いたしました。それから国連の技術援助の関係で渡航される方の経費を一部負担する費用も含まれておりますが、それも増額になっております。  二番目の資源総合利用方策等の調査でございますが、これは前年度に比べまして、若干減になっておりますが、一般庁費その他の減額の線で減になったわけでございまして、総額としては千九百四十三万五千円、大体前年度と同様のことができると考えております。  発明実施化試験等の助成でございますが、これは、主として中小企業あるいは個人等の助成をしておりますが、一般の節減を受けまして二千百八十九万五千円と相なりました次第でございます。  それから技術士法の施行に関係いたします経費といたしましては百八十二万と相なり、前年に比べまして八十四万ほど増額になっております。これは、昨年初めて技術試験を実施いたしましたところが、非常に多くの試験の応募者がございまして、三十四年度も、相当の受験者が予想されますので、これに伴う経費を主として組みましたわけでございます。  その他、雑件といたしましては、庁費、人件費などがありますが、説明を省略させていただきます。なお本庁の機構拡充に伴いまして十五名の増員がございます。  以上で、一般の部を終りますが、現金として、三十億四千三百九十八万円と相なり、前年度に比べまして八億七千九百二十三万六千円の増額でございますが、債務負担の方がなくなりましたので、それだけ減額になっております。  次に、原子力の部を御説明申し上げますが、一の原子力平和利用研究促進でございますが、そのうち原子力研究所の整備関係に現金予算として四十四億、それから債務負担行為が三十四億二千七百万円で、現金の方は一億円ほど減額でございますが、債務負担の方は二億六千五百六十万円ほど増額になっております。減額の主なものは、CP5炉の完成に伴う減といったようなものが響いておるようでございますが、実態的には、十分研究していける予算がとってあると存じております。なお人員は二百五十六名増員になりまして、総員で千六名と相なった次第でございます。  二番目の国立機関試験研究促進でございますが、五億五千三百一万八千円で、前年に比べまして一億一千八百五十五万一千円ほど減額になっておりますが、国立研究機関といたしましても、ここ数年間研究実施して参りまして、施設その他の方も、相当整備しておりますので、実際の活動は、相当これでも十分やっていけるというふうに考えております。  三番目の民間試験研究助成でございますが、三億八千万円で、内訳といたしましては補助金が二億二千、委託費が一億六千、ともに若干ずつ減額になっておりますが、これはここやはり数カ年間、民間の原子力関係の研究助成して参りましたが、順次自立態勢に移って参りましたので、これに相呼応いたしまして、若干の減額を見たわけでございます。  二番目の核燃料開発促進でございますが、原子力燃料公社の事業費といたしましては十一億三千万円、前年に比べまして一億二千万円ほど減額になっておりますが、これは精練設備の初年度の経費が三十四年度ではそれだけ必要でなくなって参りますので、そういった意味で減額しておりますが、実態は十分やっていける内容かと思っております。  二番目の核原料物質探鉱奨励金、これは二千万円で、前年に比べまして一千万円減額になっておりますが、これは過去数カ年の経験に照らしまして二千万円程度でよかろうというので、こういう予算を計上したものでございます。  三番目の核燃料物質等の購入費等、これはだんだんいろいろな原子炉が運転を開始いたしますと、それに使用いたします燃料を相当購入しなければなりませんので、それがはね返りまして、前年に比べまして三千百四十一万四千円増額になった九千六百十万五千円となった次第でございます。  次に、三番目の原子力平和利用国際協力強化、これは主として技術者を海外に派遣したり、あるいは外国人を招聘したり、国際会議に出席する旅費でございますが、四千五十万八千円と相なっております。  四番目の放射線障害防止措置の強化、まずその第一は放射能測定調査研究でございますが、五千九百三十九万円に相なり、二千三百十四万円の増額になっております。内訳は研究費、委託費などでございます。  二番目の放射線医学総合研究所でございますが、現金予算が五億八千三百十八万七千円、前年度に比べまして一千三百八十五万二千円の増額、債務負担が一億四千万円で、二千万円の増額になっております。主として債務負担の方は、病院を新たに建てるという経費になっております。  三番目の放射性廃棄物処理対策費でございますが、これは放射性廃棄物を集中的に処理するという施設を設けたいという費用でございまして、主として関西方面に一カ所集中的に設けたいと考えております。なお、関東方面につきましては、原子力研究所の中にそういう施設を作ることにしてございます。  その他の経費が計上されておりますが、説明を省略させていただきます。  原子力局の機構強化拡充費といたしましては、二十九名増員になりまして、次長を一名増員いたします。それから監理官一名、それから課長二名といったような内部の充実をはかることにいたした次第でございます。  以上総計、原子力関係、一般関係合せまして百三億九千二百八十四万五千円と相なった次第でございます。債務負担行為が三十五億六千七百万円と相なった次第でございます。  なお、以上のほかに人員関係を申し上げますと、内部部局が四十四名増員になりましたし、それから航空技術研究所、金属材料研究所、放射線医学総合研究所など合せまして、定員といたしましては、二百八十一名の増員を見ました。三十三年度の定員五百七十九名に加えまして、八百六十名と相なる予定でございます。以上。   ━━━━━━━━━━━━━
  15. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、世耕経済企画庁長官から、経済企画庁について御説明願います。
  16. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) このたび私は、経済企画庁長官に就任いたしましたので、この機会に所信の一端を述べ、各位の御協力を得たいと存じます。  日本経済が、健全な発展を遂げつつ、国際経済社会における高い地歩を確保するには、今後、日本経済がいかに処すべきか。この点、日本経済の健実な成長と、近代的にして能率的な経済活動が営まれることが望ましいことでございます。かねて、政府が、長期経済計画を策定したのは、このような趣旨、目的によるものでございます。もとより、この計画の達成には、民間企業の創意と発展を大きく期待するものでありますが、もちろん政府は、財政、金融、産業等各般の施策を通じまして、この構想の実現をはかりたいと思うのであります。  また、政府経済政策の樹立に当りましては、経済の長期にわたる安定成長を目途といたしまして、常時内外の経済情勢を的確に把握いたしまして、これを分析し、もって、経済全般についての総合的な施策を講じたいと存じます。さて、経済企画庁の任務は、日本経済総合的な企画と調整を行い、真に経済基盤強化し、もって、これが成長発展を期せんとするところにあります。私は、この任務の重要性にかんがみまして、関係方面との連係をさらに密にいたしまして、今後一そうその機能を発揮したいと存じます。  次に、最近の経済動向を見ますと、昨年秋口以来、上昇に転じた日本経済は、その後も逐次順調な過程をたどっていると認められるのであります。また、米国経済は上昇を続けております。西欧諸国も後進諸国も同様経済情勢の今後好転が期待されるように思われます。  このような、内外経済情勢を勘案いたしまして、本年は、民間経済の成長と財政の適度な措置によりまして、日本経済の健全な成長をはかり、かつ、日本経済のうちに蔵する質的な欠陥をこの際適宜是正していきたいと存じます。しこうしてまた、此の間において政府は、公共投資の拡充、産業秩序の確立企業資本の充実、金融正常化などにつきまして、逐次施策推進して参りたいと存じます。また、海外貿易、特に輸出につきましては、一そうその振興をはかりたいと存じます。次に、最近の輸出競争激化の傾向や、西欧諸国の通貨の交換性回復など、新たな事態に対処いたしまして、わが国輸出態勢の強化について一段の努力をいたしたいと考えておる次第であります。  今後、以上の観点から、日本経済発展確保推進して参りますならば、昭和三十四年度経済成長率は実質で五・五%程度となり、その規模は、長期経済計画が想定いたしております水準とほぼ隔たりのないものと見込まれるのであります。また、貿易収支は、実質で約一億六千万ドルの黒字が期待され、物価は、おおむね強含み横ばい程度に推移し、日本経済基盤確立しつつ安定成長が達成できるものと考えられるのであります。  つきましては、今後とも一そうの御協力をお願いいたします。
  17. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 続いて予算について御説明願います。
  18. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) お手元にお配りしてございます予算案につきまして簡単に御説明申し上げます。  三十四年度の企画庁関係の予算要求額は、総額で三十七億五千八百九十一万九千円でございまして、前年度に対しまして、七億六千五十一万一千円の増額になっております。  以下各項別に簡単な御説明をいたしますと、当経済企画庁、これは経済企画庁一般庁務の運営に要する経費並びに長期経済計画、年次経済計画経済の動向の把握等、一般的なものの一括計上をしておるものでございますが、来年度の要求額は二億五千八十六万四千円、前年度に対しまして五千八百三十三万二千円の増額になっております。増額のおもな理由は、先般成立いたしました公共川水域の水質の保全に関する法律の施行に伴いまして、水質保全のために水質基準の設定あるいは水質汚濁度の調査等を行い、地方に起りまする紛争の仲介あっせん等の事務を行いまするためし、定員を二十名増加いたしまして、二課を新設し、また審議会の活動を活発にしようとするための経費が増額のおもな理由でございます。  なお、二十の項にございまするように、経済研究所の運営費といたしまして、前年度に対しまして二千五百七十四万一千円の増額を要求いたしておりまするが、これは電子計算機を購入いたしまして、緻密な計算を迅速にやりたいという趣旨のものでございます。  第二に、国土開発調査費、この項は国土総合開発法、電源開発促進法、東北開発促進法等の各種の開発促進法に基きまして、わが国の生産力の発展、災害の防除のための諸施策を樹立いたすための経費と、各種審議会の運営に要する経費でございまして、来年度の要求額二千二百十一万六千円でございまして、前年度に対し二百三十三万八千円の増額となっております。  第三に、土地調査費、この項は国土の開発保全並びに利用の高度化をはかりまするために、国土調査法に基きまして、土地の分類調査、水調査を地方公共団体に委託し、また地方公共団体の行いまする地籍調査事務を補助するための経費を計上いたしておりまするが、来年度要求額は一億七千七百二十七万円でございまして前年度に対しまして四十二万八千円の増額となっております。  なお、以上三つの項目におきまして減額となっておりまするのは、一般方針に基きまして事務費五%を節約したものによるものでございます。  第四に、国土総合開発事業調整費、この経費は各省庁の行なっておりまする国土総合開発事業に対しまして、各事業間の調整を行いまして、総合的な開発効果を上げようとするものでございまして、来年度要求額六億五千万円でございまして、前年度に対しまして一億円の増額となっております。  最後に、離島関係の事業費につきましては、離島振興対策事業費と揮発油税財源離島道路事業費、二項に分かれておりますが、これを合算いたしますれば、来年度の要求額は二十五億五千八百六十六万九千円でございまして、前年度に対しまして五億九千九百四十一万三千円の増額と相なっております。  以上、簡単でございますが、経済企画庁関係の予算を御説明いたしました。   ━━━━━━━━━━━━━
  19. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 次に、公正取引委員会業務概況について、長沼委員長より御説明願います。
  20. 長沼弘毅

    政府委員(長沼弘毅君) お手元に「公正取引委員会業務の概略」というパンフレットがお配りしてございます。これには昨年中の業務概要が述べられておるのでございます。  ごらんのごとく、昨年度におきましては、実質的な項目から申し上げますと、不況カルテル等の認可の業務中小企業団体組織法その他各種の特別法による業務、それから合併等の届出に伴います業務、それから不公正な取引方法に関する調査業務、それから独禁法違反事件の審査の事務、さらに下請代金支払遅延等防止法に伴いまする業務、こういう各項目につきまして処理の概要を記述してございます。  一々の数字については御説明申し上げませんが、昨年一年中の傾向を概して申し上げますと、御承のごとくいわゆるなべ底景気の不景気でございまして、この事態を打開するために、独禁法上の不況カルテルを結成する動き、また中小企業団体組織法輸出入取引法等その他各種の法律によりまする調整事務とか、あるいは協定というふうな機運が非常に活発でございまして、さらにまた合併の要請等も相当あったのであります。  一方、この不況のため経済界が苦しくなりますと、とかく不公正な取引方法が行われがちでございまして、大企業の苦しさのしわというものを中小企業に寄せる、これは現象的には下請代金の支払いがおくれるというふうなことに現われて参るわけでございます。この点につきましても、特に厳重に監視をいたした次第でございます。  概して申し上げますと、当委員会の業務と申しますものは、逐年増加の傾向を辿っております。なかんずく下請代金におきましては、その増加の現象がはっきりいたしております。が、概して申しますというと、全体的にこれはいろいろの業務がございますので、平均して何割とは申し上げかねますが、大体において三割程度のものは、一昨年に比べて昨年中において事務量は増加しておる、かような状態にございます。私ども責任を痛感いたしておりまして、ますます勉強いたしたいと存じております。よろしくお願いいたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  21. 田畑金光

    委員長田畑金光君) 以上をもって説明を終り、質疑に入ります。順次、御発言を願います。
  22. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 通産大臣、経済企画庁長官から、それぞれ重点施策について御説明を承わったのでありますが、漸次表を追っていろいろ御質問申し上げたいのでございます。さしあたりまして当面の問題でごく緊要なものを一、二点、まず通産大臣に伺いたいと思うのであります。大臣の御説明の中にもございますし、これは企画庁長官も触れたのでありますが、例の今回行われました欧州の通貨の交換性回復の問題であります。これの具体的な問題につきましては、今後対策を請じて漸次やって参りたい、こういうようなことでありますが、日本のように全世界を相手にいたしておりまする貿易の立場から申しますると、これは非常に緊急を要する問題ではないか、かように考えておるのであります。こういうことで、何か当面の具体的なことにつきましてお示し願えれば、それを一つお聞きをいたしたいということと、それからこの交換性回復によりまして、世界経済の自由貿易化への復帰ということが、漸次実行されていくということも、大臣の御説明の中にあったわけであります。日本の立場といたしまして、一番輸出で大きなところは、言うまでもなく米国であり、それから続いて東南アジアであるわけであります。米国は御承知の通り、私は、昨年でありましたが、本委員会でも発言の中に触れたと思うのであります。米国の重工業関係方面は、以前から貿易自由化ということを叫んでおるわけなんです。しかるにもかかわらず、日本の輸出というものは、御承知の通り非常に制限を受けておる、しかしその制限を受けておるものは、これはよく分解してみまするならば、日のあたらない米国の産業関係、ことに繊維とか、それから軽工業というようなもので、そういう意味において非常に自分たちの立場が圧迫をせられる、こういうような格好になってくるのですが、一面においては、これはまたわれわれもよくわかるわけなのであります。しかしながら申し上げました通り、日本は何と申しましても、米国は一番の得意であり、ことに軽工業は御承知のごとく中小企業というものがその大体をなしておる、こういうわけなんでありますので、ことに米国に対して、そういう意味において、こういった事態がなくも、貿易自由化ということは、われわれとして政府にぜひ一つやってもらわなければならぬということは、しばしば外務大臣にも通産大臣にも申し上げたのでありますが、この機会において、一つ政府のこれに対する御所信を承わっておきたいと思います。交換性回復の問題についてと、その二点をまず伺いたい。
  23. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 為替の自由化、従って貿易自由化、こういう問題に相なるわけでありますが、昨年末のヨーロッパにおける通貨の交換性回復ということが、これは本年初めから出発する欧州の共同市場問題と、相当のかかわりがあるだろうということを私どもは想像しておったのであります。ただいまのところ大きな関連はないようでありますが、しかしながら為替を自由化するということになってくれば、自然貿易自由化の前提になるというふうに考えなければならぬと存じまして、今後為替なり、貿易なりが自由化するということの根本政策に順応化するように方針を定めていきたいと存ずるわけであります。ただ、現在のところ為替を自由化するが、それがどの程度に貿易自由化するかということは、各国の出方を見なければ、日本だけが先走りでやるということは相当危険性があるというので、さしあたり昨年末来やっております為替管理制度、これの改革ということにつきましては、漸次検討いたしました結果、実行に移すべきものは逐次実行に移しておるわけであります。それから貿易管理の方面につきましても、差し迫ってどうこうということはございませんが、各国の動向を十分時期におくれないようによく検討し、その報告をとりまして、それに準じて実行いたしたいと存じておる次第であります。  詳細のことは、政府委員からお答えいたしたいと思います。
  24. 大竹平八郎

    大竹平八郎君  いま一つ、米国に対する考え方を。
  25. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 第二の御質問の、米国に対する考え方でありますが、差し迫って、米国は今度の為替の自由化貿易自由化とに、そんなに大きな影響はないと存じておりますが、アメリカが今日日本の商品に対していろいろな規制措置を講じておるということは事実でございますが、根本におきまして、アメリカ政府なり、アメリカの大衆は、日本商品に対してさのみ大きな反対、つまり阻止的の傾向はないと存じておりますが、先ほどのお話のごとく、日のあたらない産業、特に日本の産業と関係のある仕事につきましては、これは相当強力に阻止運動が行われておるようでありますが、これに対しましては、政府といたしましても、できるだけ相手方の民間の事業の状態を検討いたしまして、日本の同業者と先方の同業者との間にも話をつけ、そして先方の立場をよく考慮し、できるだけ先方に影響を及さない程度において、日本の商品を送りこんでいきたい、こういう方針で進んでいきたいと思います。
  26. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 政府委員の御答弁の前に、なお続いて別の角度からお尋ねいたしたいと存じますが、ただいま申し上げました通り、日本の輸出の第一が米国地域であり、次に御承知の東南アジア、こういう問題になるわけであります。東南アジアは、どちらかと申しますとポンド地域地帯、こういうことになるわけでありますが、従来通貨の交換性というものが回復がない以前というものは、必ずしもポンド地域の日本の貿易が日本製品を買わぬでもいいということが言えなかったことは御承知の通りであります。今度こういう事態になったことは、日本の輸出増進の上においても私は非常にいい結果を来たすのじゃないかと思いますが、これについてのお見通しはいかがでありますか。
  27. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 御承知のごとくポンドの手持ちが多くドルの少い日本といたしまして、このポンドの交換性回復いたしましたことが、東南アジア貿易に対し日本が有利の地位にあるということは事実でございますが、しかし、今日の現状におきましては、東南アジアの地域の経済状態は何ら改善されていない。外貨の手持ち、ポンドであれ、ドルであれ、ちっともふえてないというのが現状でございまして、どうしても日本といたしましては、従前の方針のごとく、やはり先方に対する円クレジットなり、延べ払い取引を拡大いたしまして、そしてほかの関係国の競争に打ち勝っていきたいという方針で進んでいきたいと存じております。
  28. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 次に、当面の問題でおそらくそこに通商局長もおいでのようでございますが、この二月末か三月から開始されるであろう日本と台湾、すなわち日台貿易の問題なんでありますが、御承知の通り日台貿易は他の協定国間に比べまして非常にスムースに従来進んでいっておるわけであります。しかしながら、一般は、比較的多く一億何千万ドルもやっているこの貿易についての関心というものは薄いので、率直に申しまして、ごく最近の新聞の一つの例を取ってみましても、あなたが中共からウルシを買いたいということ言われたということが、大新聞の政治面の忙しいときに一面の四段抜きか五段抜きで出ておる。ところが同日に当然新聞に出なければならぬ台湾が硫安を日本から三十万トン買った。四十たしか三ドルですが、それで三十万トン買っておるわけですから、一千三、四百万ドルに近い膨大な数字をあげている。これは完全に成立をしたので、引合でも何でもない。それがほとんど一行も載っていないというように、ややともいたしますと、この中共貿易というものが非常な政治的な宣伝に乗って、実際に行われておる。日本と台湾との貿易というものについて、いろいろな意味においての取扱いと申しましょうか、関心と申しましょうか、非常に薄い。しかしながら、事実は申し上げる通り非常に順調に進んできておる。その日台貿易が新しい年度からいよいよ、またたしか今度東京で行われるだろうと思いますが、会談が行われるのであります。御承知の通り今大臣からもちょっと御説明がありましたが、東南アジア各地域におきましては、円借款の問題であるとか、あるいは延べ払いの問題だとか、あるいはものによってこれを貸付けるとかいうようなことが各地において、日本からも行われておるわけでありますが、台湾自体はそういうこともなく、ただ問題がスイングの問題なんでありますが、大体今までの貿易協定が一千万ドルでありますけれども、昨年は御承知の通り日本が非常に輸出が多かった。そういうことで三千数百万ドルに上ったことがありますので、結局、話し合いにおいて一千万ドルを現金払いをするということで話が済んだわけなんであります。これが当然今度の新しい貿易協定の中に大きく出てくると思うのでありますが、私は政府が東南アジアに取っておる従来の施策等を見まするならば、このスイングの一千万ドルぐらいはむしろ僕は増加してやるべきじゃないか、東南アジアとの貿易は御承知の通り向うのできたものを買うことによって日本のものが輸出ができるということは、これは言うまでもないことだと思います。そういう意味におきまして、とにかく上手にやれば年間往復二億ドルはできるのでありますが、そういう点について、これはぜひ一つこの際、通産大臣として、そういう意味でこの貿易会談に臨む方々に御指示を与えてもらうのは、これはまことにけっこうなんだが、従来のそういった計画、東南アジアの諸国に比べまして、貿易自体というものを見まするというと、順調であるけれども、施策の点からいうと、非常に何といいますか、きつい方針をとっているのでありますが、この際、スイングをもっとふやすとか、あるいはあなたが今申した通り、借款のような形式でさらに別建てのものを作っておやりになるか、こういう点を一つお伺いしたい。
  29. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) やっぱり日台貿易につきまして非常に関心を持ってやっているわけでございまして、御承知のごとく、オープン・アカウント勘定というものは従来もだんだんやめていきたいという方針で今進みつつあるわけでありますが、特に台湾等につきましては、これは相当の期間があるけれども、今なおかつオープン・アカウント勘定を持ち、そうしてこれを継続していく方針であるということは、いかに台湾に対するわが国方針が友好的であるかということを物語っておると存じます。  なお、このスイングをふやすかどうかといったような問題は、その実情に当りました上において、よく考慮いたしたいと思いますが、決して台湾の貿易を等閑視しているものでないということを御了承願いたいと存じます。
  30. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 他の委員の発言もありますから、これは大臣でなくも、松尾局長でけっこうだと思いますが、むしろこの本委員会ということよりも、決算委員会でこれは取り上げるべきことだと思うのですが、先ほど投融資の計画について御説明があったわけなんでありますが、問題の例の開発銀行なんであります。開発銀行は御承知の通り前の復金から承継をいたして今日の開発銀行になっておるのですが、御承知の通り受け継いだ中に非常にたくさんのあれがある。復金当時のこげつきですね。こういう問題について通産当局といたしましては、どういう措置をおとりになっておるのか、これを一つ参考に伺っておきたい。
  31. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) ただいま御指摘のございました点は、私今ここへ計数等の詳細は持っておりませんですけれども、御承知のように開発銀行につきましては、直接には大蔵省が政府関係機関として監督その他も全部やるわけでございますが、通産省として開発銀行にいろいろお願いと申しますかをしますのは、先ほど御説明いたしましたような資金について、こういう方面に重点的な資金の運用をしてほしいというようなことのその関係で私ども開銀との関係が深いわけでございます。ここへ私その辺の計数を打って参りませんでしたが、またのちほど機会があったら御説明いたしたいと思いますので、御了解願いたいと思います。
  32. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 先ほど申し上げました通り、これは決算委員会で当然取り上げてやり、また現に私自身も取り上げてやったことなんでありますが、これがもし資料として配付ができなければ、いつとは申し上げませんけれども、大体の債権の状況ですか、そういうものを一つとっていただいて、一度一つ機会を見て御説明願いたいと思います。
  33. 田畑金光

    委員長田畑金光君) この際、ちょっと御了解願っておきたいと思うのですが、高碕通産大臣は、実はユーゴスラビアのセルビア副首相と会見される時間の予定がございまして、四時から会見されるようですから、できるだけ御質問なさる方は、通産大臣に対する質問を先に願いたいと思います。
  34. 海野三朗

    ○海野三朗君 米国との輸出関係ですね、そのことについて、さっきちょっと言及されましたが、米国では軽工業その他のあるいは綿布のことについても、組合でもってちゃんと議会専属の者がおるのです。それで日本品がどういうふうに入ってきておるかということをすぐその国会にやる。国会で係の者が、つまり国会の職員にそれをすぐ伝える。それで国会がすぐ問題にするのでありますが、日本の今までのやり方は、商務官というものがおるのでありましょうけれども、一向その方面に行っていない。力を注いでいない。そういうふうな状態でありまするから、ほんとうからいえば、日本の方が先にそれらの人に先んじて状況を探って、そうして日本内地にこれを知らせるという態度でなければならないと思いますが、外務省に対して通産大臣はいかように努力をしておられるのか。この話は去年私は商工委員会において力説したのでありますが、その後どういうふうに通産大臣はお考えでありますか。日本の方が政治的におくれておる。おくれておるから、今度はミシンの方を制限するとか、何の方を制限するとかいうようなことまでやっておる。それに対して、今度は日本の方でようやくさわいでおるというような形でありますが、それはどういうふうに通商産業大臣として一体お考えになっておりますか。その所信及び今まで外務大臣に交渉なさったことがあるのかないのか。その商務官の派遣についてどういうふうなお骨折りをやっていらっしゃったか、その点を一つお伺いしたい。
  35. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 御指摘の問題でありますが、これはもちろん昨年来十分先方の出方を調査するために、通商産業省といたしましても専門の係官をワシントンに駐在せしめて、そうして外務省とは緊密なる連絡をとって、先方の輸入阻止運動に対する対抗策を講じておる次第でございますが、これは御指摘のごとく、万全にうまくいっておるかということは、またこれは相当の問題もあることでありますから、ますますこれを強化して、そうして万遺憾なきよう施策を講じたいと思っております。
  36. 海野三朗

    ○海野三朗君 外務大臣に対してどういうふうに交渉なさっておりますものか、その努力のほどを承わりたい。このことは一昨年来、私がやかましく論じてきたところであります。日本から商務官を使ってやっておる。やっておるというても、議会の方とはまるでお話にならないのです。国会の戦い、アメリカの国会の戦いにおいては、日本の商務官が行っておっても、何が何やら、軽目羽二重のことでもそうですし、一年たってようやく実施されるときに当って、こちらの方に言うてきておるというような状況では、日本の外交政策というものはまるでなっていないというふうに私は考えるのです。その点に対して通産大臣はどういうふうな所信をお持ちになっておるか。これはもう一昨年来、軽目羽二重の問題が起りましたときに、ずいぶん要望したのでありますが、その後どういうふうにお考えになっておるか。ただのんべんだらりとしておられるわけじゃないだろうとは思いますが、その実行なさったことがあるのか。外務大臣に対してどういうふうな交渉をなさっておるのか、その点をお伺いしたい。
  37. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 経済外交を推進するということは必要でありますから、事の大小にかかわらず、常に外務省とは密接なる連絡をとって進んでおります。でありますから、ただその実行に当りましても、昨年来最も必要であるというので、特に産業使節団を先方に派遣いたしまして、問題の起りそうな方面に対する対策、あるいは国会対策等についても十分の連絡をとって進んでおるわけであります。
  38. 島清

    ○島清君 ただいま大竹委員から、日台貿易振興拡大という質問があったわけでありますが、それとやや対蹠的な問題といたしましては、日中貿易の再開という問題があると思うのです。  政府方針といたしましては大きな政治問題でございまして、その方針が決定をしなければ、あるいは政府としては言い得ないかもしれませんが、しかしながら、通産省といたしましては重点施策の第一番目に掲げておりまするこの貿易振興を期するために、私は日中貿易の再開ということを落しては、やっぱりこれがただ単にお題目に終るのではないかというようなそしりを免れないのではないか、まあこう思うわけであります。従いまして、通産省といたしましては、やっぱり貿易振興をうたいまする以上は、日中貿易の再開ということを、私は、熱意をお示しになることが、この第一番目に掲げられておりまするところの貿易振興というものを情熱をもって達成される御意向であるのだということが国民に受け取られると思うのです。なぜこれをお省きになっておられるか。この省かれておりまする理由についてお尋ねをしたいことが第一点であります。  第二点は、中小企業振興ということをやっぱり四本の柱の第三番目にうたっておられますけれども、もはや中小企業振興ということは、これはお経の題目みたいになっているのです。しからばどうやって中小企業振興をはかるかということの具体的な問題の解決が私は示されなければならないと思うのですが、それにはいろいろありましょうけれども、やっぱり中小企業の中の合理化促進されなければならない。合理化促進するということになりまするというと、人的な面におきましては、中小企業の労働者の諸君に近代的なその職場的意識を与えなければならない。その意味におきましては、徒弟的な立場から近代的な労働者としての立場を与えなければならない。これはもう当然だと思うのです。そういうようなことを促進する意味において、私たちは満足しているわけではございませんけれども、中小企業労働者に対して退職年金を与えたいということは、これは中小企業振興を考える者として当然に考えなければならない問題だと思うのです。そこで、今国会におきましてもこの法案が出て参るようでございまするが、法案が出て参るということが当然に予定をされておりまするので、通産省といたしましても、この問題について何か一言触れてしかるべきではないかと、こういうような感を持つのであります。なぜ私がこういう感を持つかと申しますると、大臣は重点施策の中で、中小企業者の事業税軽減ということをおっしゃっておられるのです。大蔵大臣が申されるようなことを大臣もうたっておられるのでありまするからして、当特にこういうような問題についても通産大臣としてはお触れになってしかるべきではないかと、こういうふうに思うわけでありまするが、何ゆえにこういうような問題についてお触れにならないかというようなことを明らかにしていただきたいと思うのであります。  さらにもう一点は、鉱工業の技術振興、まあこれでは技術振興ということになっておりまするけれども、その技術振興をいたしまして、やっぱり鉱工業の増産をはかるということだと思うんです。そういうことをいたしまするというと、まあ鉱工業ということになりまするといろいろありまするけれども、私は石油の問題についてお尋ねをいたします。  財政投融資計画の中から見まするというと、石油資源開発株式会社に対しまする投融資は、前年度が二十七億で、本年度は、会計年度からいいまして——三十四年度のことを本年度と申し上げているわけでありますが、二十九億円の御計画のようでございますが、私が仄聞したところによりまするというと、通産省でも計画を立てられて、その計画を達成するためには、また石油資源開発株式会社等におきましても、どうしてもやっぱり所要資金としては三十五億ぐらいなければ、三十四年度計画を達成することができないのではないかと、こういうことの御意向が非常に強かったように承わっているのであります。ところが、これが削減を受けまして、まあここに示されたのは二十九億でございますが、思いまするに、あの石油資源開発株式会社の設立をいたしまするときに、時の通産大臣は石橋さんでいらっしゃいましたけれども、石橋さんは、本委員会におきまして、所要資金に事欠かすようなことはないのだということを明言をされたいきさつもございまするので、また私たちが考えましても、それは大臣のあえて言明を待たずとも、やっぱり唯一の資源開発のホープでございまするので、そこらには潤沢に資金を投入をいたしまして開発をするという意欲がなければ、私は、国の産業政策としては不十分じゃないかと、こう思いまするので、ここにお示しになっておりまする二十九億というのはぎりぎり決着で、もうどうにもならないものであるのかどうか。そうといたしまするならば、政府に、まあ政府案としては国会に御提示になっておるわけでありまするが、若干今でも何かそういったような余裕のあるものであるかどうか。さらに私が聞いたところによりますると、三十五億ぐらいなければいけないといわれたものを、二十九億をお認めになったということについては、二十九億でその目的を達成することが可能であるという確信がおありなのであるか。おありであるといたしまするならば、その確信のほどをお示しをいただきたい。  この三点について御答弁をわずらわしたいと、こう思います。
  39. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) 第一の御質問の、貿易振興をやる場合には、まず中共貿易ということをなぜ考えなかったか、こういうことでありますが、もちろんこの中には書いてはありませんが、通産省の政策といたしましては、中共に対する貿易を増加するということは、最も重要なる点と存じておりまするが、御承知の今日、昨年の五月以来こういうふうな状態に相なっておりますので、現在におきましては、中共の側では貿易と政治とは切り離すことはできない。ところが、政治の組織におきまして、両国において相当相違もあり、いろいろな関係で根本的にこの貿易を打開するということは非常に困難でありますが、しかし、通商産業省といたしますれば、もう政治問題に関連せずに、両国の間にいわゆるバンドン精神をもってお互いの内政には干渉しない、そうしてお互いの政治組織はお互いに尊重し合うということにして、そうして貿易問題だけはこれを切り離してやってもらいたい、この熱意は燃えておるわけであるのでありまして、私は、先般、ウルシの問題等もあったのでありますが、これは新聞に大きく書かれたことははなはだ残念でございますが、こっちから発表したわけではございませんで、ウルシのごときは、日本においては中共のものを持ってこなければ現在の事業を継続をすることはできぬ、これくらいに急迫しておるわけでありまして、中共側におきましても、ウルシは日本に出さなければ自分で使い切るだけのものでないので、かつあれは永久に貯蔵することができないのでありますが、こういうことを考えますれば、政治情勢のいかんにかかわらず、両国民の友好親善を保つという上においては有無相通ずることについては、事小なりといえど、こういう問題は当然解決すべきものであると思いまして、この問題に自分は熱意をもって当る考えでおりまして、全面的にわたりまして貿易振興とともに、それがためには中共との貿易は一日も早く回復せんことを心から念願しておる次第であります。  第二の中小企業振興については、お説のごとくいろいろの施設もございましょうが、これに従事しておる人たちの待遇が現在の大企業に比較して非常に悪いという現状でありまして、これをどうして打開するのか、この中小企業の従業員をどうして安定せしむるか、どうして労働意欲を持たすかということは最も重大なる問題と存じまして、先般来御承知の通り退職共済制度というものを、何と申しますか、退職について基金を作って出すということの法律を今度労働省と一しょになって提出する次第でございまして、ここに書いておかなかったといえども、軽視しているわけではありませんから、さよう御承知願いたいと思います。  第三に、石油開発の問題でございますが、昨年は大体政府の出資は十八億円に対し、民間の投資は七億七千万円あったのでございます。それで本年は大体三十五億円くらい必要だ、こういうことを何べんも私は聞いておるわけでありますが、できるだけ政府の投資をふやしたいということで努力いたしましたが、今日の全体のワクから見まして昨年よりも二億ふやしたらよかろうということで、われわれが努力いたしました結果、二億ふやしまして二十億という数字になったんでありますが、ここで民間がどれくらい投資してくれるかという問題に帰着すると思いますが、できるだけ政府といたしまして、民間の投資を勧誘し、これの投資のしやすいように話を持っていって、仕事に差しつかえないように話を進めたいと考えておる次第であります。
  40. 島清

    ○島清君 今貿易振興と関連いたしまして、特にアメリカとの輸出入の問題でございますが、海野委員もどうもアメリカの方はむしろ輸出の過剰で、日本にとっては大へんな、向う側から見れば輸出国であるのにかかわらず、日本の輸入品については一々因縁をつけて困るじゃないかということがすなおな国民感情だと思うのです。それは私はよってくる原因はわかります。それは向うにも業者が国会に入っておりまして、向うにはちゃんと職業的なロビーイストがおりまして、騒ぎ立て、ることによって自分の生活を維持するという制度がありますから、こういう連中が騒ぎ立てるということは私はわかるのですが、しかしながらそれにいたしましても、たとえば最近の日本のシャベルの輸入に対して国務省が本気にこれを取り上げて制限を加えようとしてみたりすることは、あるいは世論に対する気がねはあるかもしれませんが、それにしても少しアメリカはヒステリックに騒ぎ過ぎると思うのです。そこでそれを押えるためには、要するにこれはアメリカのシステムがそういうことになっておりますので、お前たちは黙っておれということは、それはいけないことでありまするが、私は黙らせることは必要だと思うのです。それで私は黙らせるということもよく承知ですが、それには私はやっぱりここに派遣をされておりまするところの、今はアメリカ大使館付になっておりまする通産省から行った連中の、要するにそのロビーイストか何かと私的に交際をする、公的でもかまいませんけれども、日本の実情を訴えて、そういうことが起らないようにする、そういうような交際費といいますか、そういうものの欠乏が、むしろ、全然これをなくすということはできないけれども、声を小さくして、そうして押えることができないなどの理由になっているのではないか、こう思うわけですが、今、通産省から派遣されまする海外駐在員というのは、予算は通産省からもらいまして、それを外務省の方へ移して、それが向うへ出向するわけでございますね。ですからそういうあれは、通産省といたしましては、海外の方へ出て参ります駐在員に対しては、特別のそういう意味の配慮が私はなされなければならぬのじゃないかと思います。普通の外務官僚のやりまする外交事項と、それから、こちらから、通産省から出て参りまする経済外交とは、非常に性質が違うのですね。玄関から入っていって、四角四面で話ができるのは普通の外交事項ですが、経済外交ということになると、往々にしてそういうことはあまり効果はないのです。ですから、あるいは勝手口から行って話をしたり何かすることもしなければならぬわけです。ですからこういう問題については、私はやはり事、アメリカに関する限り、格段の配慮が必要ではないかと思うわけですが、そういう点はどうなんでございますか。
  41. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) まことにごもっともな点でございまして、その点は前から考えておりまして、通産省から行っております者の力だけではいけないという点もありますから、各輸入業者、向うにおける日本の輸出業者、そういうものだとか、あるいは日本の各団体に話し合いをつけまして、たとえば洋食器は洋食器の関係、マグロの関係はマグロの関係とかいう工合に、その連中の中で、ある程度のアメリカ人を雇いまして、これはあまり大きな給料ではないのですけれども、弁護士とか、アメリカ人を雇って、それに活動してもらって、そうしてそういう方面の調査の妥結をいたしておるわけでございますが、根本に島さんのおっしゃいました点の、アメリカ全体が日本に対する輸入に反感を持っているというほどには、私は多少お考えが違っているかもしれませんが、そこまではいっていないと思いますが、現在日本の輸入を阻止するのは、やはり先方の業者が多いの、でございまして、日本の商品と同じものの製造をしている連中が根本になって働いて、それがロビーイストを使って、あの運動をしておるようでありますが、そういうことには、先方の状況もよく知り、日本の状況もよく話し合うという必要があると思いますから、通産省の役人だけで及ばない点は、業者ともよく接触を保って、そうして対策を講じたいと思っておりますが、まだ私は根本でもう少し進めたいと思っておりますことは、これはいろいろ考慮しておりまして、まだ実行の域に達しないのでありますけれども、もう少し、アメリカの政界における、アメリカの産業の根本は政府の役人よりもむしろ党の人たちが多いわけですから、政党関係、つまり議員の関係の人とのつながりのつく相当有力なる人を、日本の代表として折衝に当ってもらうということが必要だろうと存じまして、先般来、外務省とも話し合いをやっているわけでありますが、何しろ相当大きな予算措置が伴う必要がございますものでありますから、そういう場合には、緊急の場合にはやむを得ずジェトロの方の予算をもって当っていきたい、こういうふうなことも考えて、今御指摘の点は十分私たちの考慮いたしている点でございますから、善処いたしたいと存じます。
  42. 海野三朗

    ○海野三朗君 アメリカにも消費組合というような組合があるには違いない。また、日本において婦人会なんぞ、消費組合に類するものがアメリカにもたくさんあるだろうと思うのです。そういうところで安くていい品物が入るということであれば、喜んで向うは入れるだろうと思います。アメリカで騒いでおるのは、業者だけが騒いでおるもので、そういう方面の声を少しも聞かない。こういうところに日本のつまり経済外交の劣悪さがあるんだろうと思いますので、特にその点に意を用いてもらいたい。そのことについては大臣はどういうふうな御決心を持っておられるのか。  日本から商務官をやっておるからというて、大きい顔をしておられない。もっと民間に下って民間の声を聞いて、これを政治の上に反映するようにしなければならない。こういうふうに思うのですが、日本から行っておる外交官たちはそういうことにはほとんど無関心であるかのごとくに思われるんです。その点を私は強調したいと思いますので、一昨年ちょうど軽目羽二重のときもそうです、やかましく言うたんです。で、大臣はどういうふうな御決心を持っていなさるか、それをちょっと伺わして下さい。
  43. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) ただいまのお説は私もごもっともと思います。反対する人たちもあり、また歓迎する人たちは、それは主として値の安い、いい品物になればこれは消費したい、こういう希望の人がおると思います。そういう方面の団体とは逐次話を進めて、まず先方においても、日本の商品を排斥すべからずという運動は逐次起しつつあるわけであります。
  44. 海野三朗

    ○海野三朗君 一昨年そのことを申しましたときに、通産大臣としてはどういうふうな答弁をなさったかというと、予算を伴う問題であるからそれはできない、ということを暗に言われたのでありますが、その後年々予算を組んでおられまするが、もう二回も予算を組んでおるが、さらにそういう方面に見るべきものがあるとは思われないので、私はそれを非常に不思議に思うのです。ただ通り一ぺんの、予算が伴うから思うようにいかないんだという御答弁であった、一昨年です。その後この貿易の問題について、今度は軽工業の方面について、あるいはシャベルの問題についても起っておる。起ってくるたんびに私はそういうことを思うのですが、その点については大臣はどういう御決心を持っていなさるか。
  45. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) その問題は通産省の予算ではありませんけれども、たとえばマグロのカン詰とかミカンのカン詰というようなもの、何千万円かの輸出をしておるが、それについてできるだけ輸出の恩恵にあずかる民間の人たちがその経費を出し合って、アメリカの消費階級に呼びかけておるのは事実でございます。
  46. 田畑金光

    委員長田畑金光君) それでは、通産大臣に対する質問は次回に回していただいて、大臣は退席されます。
  47. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 先ほど大臣の御答弁にもありました通り、この通貨交換性回復の問題については、鋭意この対策を協議中だと、それから詳細は政府委員からという、こういう御答弁があったのですが、もし具体的にそれがある程度お示しできることがありますなら、一つ松尾局長から御説明いただきたい。
  48. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 先ほども大臣から御答弁ありましたように、今回の欧州各国の通貨の交換性回復そのものは、直ちには自由化を意味しておりませんということは御承知の通りであります。しかしながら将来の貿易自由化に対する一つ準備階梯と申しますか、一つのステップであることにはこれは間違いなかろうと思います。従いまして将来の問題につきましては、今後諸国の情勢を注視してそれに対応する措置をとっていかなければならぬわけでありますが、さしあたり当面の措置といたしまして、ドルとポンドとを区別する必要がなくなったわけでありますから、そこでその事態に対する当面の措置を早急にとろうと考えておるのでありますが、それはまず簡単に申し上げますと、従来ドル地域との輸出入、それからポンド地域との輸出入につきましての決済の通貨が異なっておったことは御存じ通りであります。ドル地域から輸入する場合は支払い通貨としてはドルでもポンドでもよろしい。しかしドル地域に輸出する場合には必ずドルでとらなければならぬということが一つ。それからポンド地域に対しましては、輸出はポンドでもドルでもいいが、輸入の場合には支払い通貨は必ずポンドでなければならぬ、こういうきめになっておったわけであります。それをそういう区別をする必要がなくなりましたので、何と申しますか、全部のコンビネーションといいますか、になりまして、要するにドル地域への輸出もポンドで代価を受け取ってもよろしいし、ポンド地域からの輸入に対しましてドルを支払ってもよろしいという改正。これは標準決済規則の改正になることでありますが、これを近くやることになっております。その標準決済規則の改正に即応しまして、さしあたり輸入につきましても御存じのように自動承認制というのがございます。現在のところ百七十七品目、そのほかにこまごましたものが四百四十品目ぐらいが自動承認品目になっておるのでございますが、ところがこの商品の輸入につきましては、ポンド地域なりあるいはオープン・アカウント地域からの輸入は自由になっておるのでありますが、このうち約三分の一程度のものにつきましては、ドル地域からの輸入を禁止しておるといいますか、閉じておるのであります。このドル地域からの輸入を閉じております理由といたしましてはいろいろあるのでありますが、まず第一にはさしあたり国内産業保護の必要があるのであります。ドル地域からの輸入を認めるとかなり多く輸入が行われるかもしれない、それでありますから、ドル地域からの輸入を閉じることによって国内産業の保護をいたす目的のものがかなりあるわけでありますが、そのほかにはどうしても日本の貿易構造としまして、ポンド地域に対しては輸出超過であります。従いましてそのポンドをできるだけ使うということ、すなわちドルをセーブしてポンドをスペンドするという趣旨から、できるだけポンド地域からの輸入を促進するために、ドル地域からの輸入を抑えているというものもかなりあるわけであります。  そこで、先ほど来申しますように、ドルとポンドとの区別は撤廃された、コンヴァーティビリティは自由であるということになりますと、ポンド・スペンディングを目的としたポンド地域からの輸入というものと、それからドル・セービングのためにドル地域からの輸入をクローズする実は必要がなくなりますので、かなり現在自動承認制下におきまして、ドル地域からの輸入を締めておりまするのをポンド地域と同様に開こう、輸入を自由にしょう、こういうふうに考えております。近く早急にこの改正をいたしたいと思います。しかしながらあくまでやはり産業保護という必要のある物資につきましては、やむを得ずドル地域からの輸入は当分のうち締めておかなければならぬであろう、こういうふうに考えております。ただそうすることによって、ガットあるいはIMF等の国際機関に対する説明の仕方、あるいは各国との通商協定上うたっております最恵国待遇との問題が若干あるのでありまするが、差し当りこの程度の措置では、国際機関なり現在日本が加盟しております各国との通商協定からいいますと、十分の説明はつくであろうということで、とりあえずそういう処置をとろうとしております。  第二段として、もう一歩自由化する措置をとるかどうか、あるいは現在割当制にしておりますものを自動承認制の方に移すかどうか、これは貿易自由化のほんとうのステップになると思います。それにつきましては、日本の現在の為替事情その他全般のことを判断していたさなければなりませんので、第二、第三の措置として考えたい、当面としましては今申し上げたようなことを早急にやりたいということでございます。
  49. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 本問題は貿易振興上非常に重大な問題であります。いずれこれはまた後日松尾局長にお尋ねすることにしまして、一ぺん経済企画庁長官に、国内問題でなく、貿易に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、長官は幸いにいたしまして、なべ底景気から立ち上った好況のさなかに御就任せられて、まことにけっこうだと思うのでありますが、ここで私がお尋ねいたしたいことは、この「経済運営の基本的態度」という中にも出ておりますし、また長官が先般本会議で行われました施政演説の中にも出ておるのであります。内外の経済情勢が非常によくなった、米国を中心にいたしまして、ヨーロッパ、ことに西ドイツではドルが六十一億ドルもたまるというようなことで非常に全般的によくなった。しかしこの基本態度の中にもございますが、問題は、さっきも通産大臣にも質問の中に触れておいたのでありますが、わが日本と最も重要な関係にあります東南アジア、すなわち低開発諸国、これもこの中に書いてあります通り国際流動性の強化によって、そしてこの困難をできるだけ除去していくというような点が示されておるのであります。そういう意味において、日本も低開発国に対しましては、非常な大きな責任と申しましょうか、あるいは貿易発展の上に当然やらなければならぬ点というものが非常にあるわけなのでありますが、このことについても二点をお尋ねいたしたいのでありますが、まず第一点は、そうした後進国である低開発国に対しまして、新たに従来いろいろ円借款の問題とかその他とられておるのでありますが、それをさらに一層、何か三十四年度といたしまして、政府の構想として新しく大きく貿易発展ために特別な借款とか、あるいは物資供与とか、あるいは特別の延べ払いとか、そういうような方針を持っていく御計画があるかどうかということ。  それからいま一点は、輸入問題でございますが、輸入は今松尾局長からも言われた通り、今度御承知のポンドとドルが交換自由になりまして、日本の東南アジアの貿易というものが非常に促進をされるわけなんです。しかし私どもが、先ほども通産大臣ちょっと触れましたが、この低開発国との貿易を進めるということは、どうしても向うの物資を買うという点なんであります。そういうわけで私は、これは藤山外務大臣にも経済外交の基本方針としてお尋ねをしたことがあるのでありますが、このアメリカに、どっちかというと日本の輸入というものが多く依存せられておる格好になっているのでありますが、必ずしも東南アジアに、アメリカにあるものがあるとは言いきれないのでありますが、しかしあるものはたくさんあるのであります。ただ問題が価格の問題になるわけなんであります。そういう意味で多少高くても、場合によっては東南アジアから日本が買い付けて、そしてここにある、いわゆる国際流動性の強化によって、そして低開発国の援助をやらなければならぬ、こういうことにもなり得るわけです、結論といたしまして。そういうわけでこの二点を一つお尋ねをいたしたいと思うのであります。
  50. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) お答えをいたします。大体貿易面に関してこれが対策並びに新たな振興方針というのは、先ほど来高碕通産大臣からお答えした範囲を出ないと思うのであります。御承知の通り私は就任して間もないことでございますから、前長官計画を一応踏襲する方針で今進めてきておりますので、いずれ私としての所信を明らかにする時期があろうと思いますが、差し当って申し上げたいことは、ちょうど今御質問願ったように、いわゆる低開発国の貿易をどう日本で調節していくかということは、非常にむずかしい問題であると同時に、今後日本の貿易発展に大きな貢献があるのではないかということが想像できるのであります。それにはまず第一に、今おっしゃっていただいたように、かなり東南アジア方面から日本が買いたい品物があると思う、ところが買いたい品物はあるが、こちらの方にもまたそれに対して売り込みたいものもあるんだけれども、支払い能力の点で、いわゆる勘定面でどうも困難の状態がある、これをいかに今後解決していくかということが一つの大きな道ではないかと思います。ということが一つ。  もう一つは通産省その他でも考慮されている問題だと思いますが、技術の問題、技術をいかに向うの方に輸出して、そしてかえって日本の経済進出をはかるということも一つの例ではないかと思うのであります。この分に対しては、まだ私から新しくどうするこうするという面について、計数的に申し上げるところまで行ってないことを遺憾に思うのですが、お許しを願いたいと思います。ただ従来の開発に対する計画に対しては、事務当局から、政府委員から一応具体的な問題について御説明申し上げたいと思います。
  51. 阿部竹松

    阿部竹松君 時間が大分おそくなっておりますから二、三点世耕長官にお尋ねいたしますが、実は世耕長官の前の三木長官から、昨年のあの通常国会が始まったときの委員会において、独禁法の改正をどうするかというお話を伺ったことがございます。そのときにまあ前々からの懸案の法案であり、政府としてはこれは経済憲法であるこの法律をどうしても修正しなければ、日本の経済が成り立たぬ、というような意味も含めて、強い改正の御意思があったのですがね。今度その出された法条を見ると考慮中ということになっているのですよ。三木長官のお話ではこれは新年早々出すから一つ諸君も勉強しておいてくれ、とこういうお話だったのですが、あれはどういうことになりましたか。
  52. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 前長官の意向通り、企画庁としてはそういう趣旨でございまするが、他の関係官庁とも目下折衝いたしておるのであります。で、どういう結論を出すか、今その結論についてお答えがちょっと困難だと思います。ただ私として申し上げたいことは、独禁法はかなり各方面に影響力を持つものでありますから慎重に取り扱ってみたい。ことに独禁法の扱い方いかんによっては、中小企業一般国民の生活にも影響する問題がかなり取り入れられておるのであります。改正するにしても広範囲にわたって考慮をめぐらさなくちゃならぬとかように考えております。従来の方針でございましたなれば、次の機会に政府委員から御説明さしていただきたいと思います。
  53. 阿部竹松

    阿部竹松君 これは長官も御承知の通り、あなたの方と通商産業省と、まあ総理府のどなたがおやりになったかわかりませんけれども、まあ松尾さんが担当してやったというふうに聞きましたが、あるいは内閣法制局と話し合って一つの法案ができてしまったのですけれども、それでこれでいきますという法案ができたのですよ。それを今各省と連絡をとるということはおかしいじゃないですか。あれが国会にかかって、それぞれ自民党なり社会党なりあるいは緑風会から意見が出、そしてまた国会で流れるかどうかして意見が出されて、てんやわんやした法案なら、これは長官のような御答弁でけっこうだと思う。しかし論議があった、その論議をまとめてこれでいきたいといって法案を送ったのでしょう。あなたの方でそれで国会に出したのです。しかし御承知のような国会でこれは審議できなかったのですがね。そうすると私がお尋ねしているのはこれは簡単明瞭なのです。出すのか出さぬのか、こういうことをはっきりお伺いしたいのです。ということは三月末から地方選挙が始まって参議院選挙等もございますので、おそらく実のある国会といったらこれはざっくばらんに申しまして二月と三月一ぱいくらいであって、その末期にごそっと重大な法案を出されてもわれわれも困る。であるから、出すのか出さぬのかという、イエスかノーかなのです。理窟をお伺いしているのじゃないのです。
  54. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 企画庁の方針としては断念いたしておりません。あなたのお尋ね下さったのは、これは出さないのか出すのかというお話だったと思いますが、出さないというふうに断念いたしておりません。出す意思があるということだけ申し上げておきます。
  55. 阿部竹松

    阿部竹松君 いつ出すのですか。
  56. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 諸般の準備も要りますのと、各省との関係もありますのだから、今準備をいたしておりますとこう申し上げるのであります。
  57. 阿部竹松

    阿部竹松君 まあそうしますと、この前出た内容と違うものが出されるとこういうことですね。まあ経企長官はかわっても閣僚の大部分がかわらぬのですからね、それから岸内閣総理大臣のもとに方針も変らぬし、やはり自民党さんの内閣ですからそんなに私は違うものが出されるはずがないと思う。経済情勢もそんなに一カ月か二カ月のうちに変っておらぬというようなわけで、いつ出されるかということをお尋ねしている。
  58. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) その点は今明確に御答弁するまでに至っておりません。御了承願いたいと思います。この次の委員会に改めて申し上げたい、考慮中なんであります。
  59. 阿部竹松

    阿部竹松君 それではこの次の委員会にお伺いすることにいたしまして、その点はけっこうです。  その次に世耕長官は、一昨日参議院の本会議で日本国の経済は私に任せておけという、まことに御自信のある力強い御答弁をいただいたわけですが、そこで今石炭が何かしこたま余りで、日本の燃料政策なんかあなたの商工委員会における経済企画庁長官のあいさつ要旨などというようなものに、きわめてりっぱなことが書いてあるけれども、しかし鉱工業生産が伸びたとか順調といっても、これは全然だめですよ。これは美文麗句であっても中身は全然、長官御存じであるのか、おそらくこれは局長か課長が書いたのだろうと思いますが、大体長官のところの経済企画庁というのは、経済の企画だけやってあと責任は負わないのだからきわめて緩慢ですよ。あなたの部下は楽観論者ですよ。通産省当局などはもし一つ計画を立ててそれが失敗すると、民間人がやってきて、いい意味においても悪い意味においても、これをどうしてくれるということで、局長でも課長でも真剣にならざるを得ないけれども、あなたのところの燃料政策を聞いたってきわめて楽観論者です。ことしはどういうことなのか、私はその燃料政策についてお伺いいたしたい。
  60. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) だいぶお叱りを受けましたが、私の部下は必ずしもそういうふまじめなものではございませんで、なかなか熱心にいろいろ計画していることをどうぞお認め願いたいと思います。ただ改めて申しあげたいことは、御指摘の通り石炭の問題、その他石油等の燃料の問題、あらゆる燃料問題は今まさに燃料の革命という時代であるともいえるわけなんです。ことに原子力、太陽エネルギーというものまで発展的に、しかもそれが今日現実に利用されようという時代に、石炭の問題と石油の問題にからみ合って、経済問題はかなり深刻な状態になっているということは御指摘の通りなんであります。そこで私は就任すると同時に、石炭問題の難問題のあることを承知いたしまして、企画庁の幹部を集めていろいろ協議いたしました。何とかこれに至急な対策を講じなければならぬのじゃないかという意味で、エネルギーに関する部会を至急に確立さして、これで御満足のいくような対策ができるかどうか知りませんが、緊急対策をやるということで打ち合せてせっかく努力をいたしております。いずれこの点も具体的に御報告することができると思います。まあこの程度で今の場合御報告申し上げるより仕方がないと思います。
  61. 阿部竹松

    阿部竹松君 その部会を持たれて対策を立てられるということはけっこうです。それはそれでいいのです。しかし私は長官の御見解を承わっている。たとえばあなたの方で、これは昨年の今ごろ石炭がどれだけ要るのだと言ったら、五千六百万トンで来年度は六千万トンとか、こういう御意見の御発表があって経済企画庁はこれでいきたいということだったのです。しかしあなたがここで謳歌しているようにうまくいかなかった。逆に五千六百万トン必要とする昨年が五千万トンぐらいしか要らなくなって、ことしは何千万トン計画しているかわからぬけれども、あなたのところの五カ年計画は漸次伸びるような五カ年計画です。しかし、現状はだんだん下降をたどっておる。ですから、一体これをどうするかという根本方針を承わっているのです。原子力発電をするというのであったら、原子力発電が三年後には三十万キロ発電できるようになるから、そうすると石炭は要らぬとか、あるいは重油でこれだけ発電するから石炭は要らぬとか、こういう方針を承わっている。と同時に、今一千百万トンくらい石炭があるわけです。これを一体経済企画庁としてはどういうふうな方法で処置を講ずる気か。黙って、炭鉱はつぶれていく、労働者は失業する、炭鉱経営者は倒産するというのを、じんぜんとしてお待ちになっておるのか。それとも今までの燃料政策の失敗は失敗と認めて、とにかく明確に立て直しをやるのかどうか、そこらあたりを承わっているわけですよ。
  62. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 燃料政策が成功だと私は認めておりません。だからこれに対して緊急な対策を講じなくちゃならぬと感じまして、実は燃料に関するエネルギー部会というものを、早急に活動せしめるという行き方にしておるのであります。ただ御承知の通り任命されてまだ半月足らずなので、私の基本的な方針を、ここに具体的に申し上げることのできないのをお許しを願いたいと思います。順次この点について具体的のことを発表いたしていきたいと、かように考えております。
  63. 阿部竹松

    阿部竹松君 まあ長官は就任されて間もないのですから、僕は長官が全部お知りになっているとは思いませんし、長官を責めようとは思いませんよ。ただあなたが与党の一員でありまた閣僚でもあるから、当然、前の三木さんがやったことはおれは知らぬ、河野一郎さんのやったことは知らぬと僕は言ってもらいたくない。具体的にどういうことになるかということを、本会議ならば僕は聞きませんけれども……、今直ちに困るのでなくても、昨年あたりから困っておるのですから、中小炭鉱なんかどんどんつぶれていっておるのですから、こういうことをどうされるかということを、長官でなければ、委員長から御指名いただいて、ほかの政府委員の方でもけっこうですから、もう少し実のある答弁を僕はいただきたいと思うのです。長官でなくてもよろしゅうございます。
  64. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 直接の主管大臣である高碕さんが出かけて留守でございますので、そういうような事情もございますので、委員長、できたら次の機会にお尋ねいただくと非常にけっこうだと思います。
  65. 阿部竹松

    阿部竹松君 それは長官、高碕さんは高碕さんとして石炭局を自分の省内にかかえておるから、高碕さんには高碕さんで別の意味のことをお尋ねしますけれども、やっぱりエネルギー政策、あるいは日本の経済をどう持っていくかというところの企画立案はあなたのところでなさるんじゃないですか。しかし、次の機会ということであれば、私は次の機会でもけっこうです。それはどちらでも委員長のお計らいにおまかせします。
  66. 大來佐武郎

    政府委員(大來佐武郎君) ただいま御質問の点で、長期計画に関連して御質問がございましたので申し上げますが、実は長期計画につきましていろいろ部門がございますが、大体計画の本体はそう実績と狂っておりませんけれども、エネルギー部門は当時の計画と実績の間に相当の隔たりがございます。特に石炭部門について、そういう点が御指摘の通りございます。実はいろいろ私の方としても計画しておるわけでございますが、世界的にも、ドイツなどでもアメリカからの石炭の買付を二千万トンくらいキャンセルするとか、ベルギー、イギリス等でも石炭過剰でいろいろ問題が起っておるわけでございますが、世界的に景気が変動する場合に、エネルギーの需要の変動のしわが石炭に寄る傾向がどうもあるらしい。また、景気がよくなると、すぐ石炭が非常によけい要るようになる。これはいろいろ理由も考えられるわけでございますが、一つには、この最近の石炭過剰は、一般的な経済の伸びが緩慢になっておったということを、世界的に反映しておるように思うのでございます。たとえば、こういうときには、世界の海運市況が下っておりまして、競争エネルギーである重油の日本到着価格が相当下る。それがまた石炭に非常に影響するとか、あるいは電気の工費の伸びが少いと、水力はフルに出しますものですから、火力発電の方にしわが寄り、それが石炭の需要に響くとかいろいろな点がございますので、先ほど大臣からお話がございましたように、経済審議会の中のエネルギー部会をできるだけ早い機会にスタートをいたしまして、特に基本的な石炭と石油の関係、個々の具体的な問題になりますと、これは実施官庁でございます通産省の所管になるものでございますから、私どもは関係各省の協力を得まして、そういったエネルギーの基本的な考え方、特に石炭と石油についての考え方を検討いたしたいということで、だんだん準備中でございます。
  67. 阿部竹松

    阿部竹松君 そのエネルギー部会というのですか、燃料対策委員会というのですか、その名前はどういうことになるかわかりませんけれども、それはあれですか、経済企画庁の中に持たれるというのですか、それとも経済閣僚が三人なり五人なり、高碕さんとか世耕さんとかあるいは大蔵大臣、こういう方が集まってその部会を持たれるというのですか、単に省の一専門部ということですか。
  68. 大來佐武郎

    政府委員(大來佐武郎君) その点は、経済審議会の部会は、大体その産業分野の業界の人、学識経験者及び関係各省の局長クラスで部会委員を構成して審議する建前になっておりますので、今のところそういう従来のやり方に従うと、別に閣僚レベルということでは考えておりません。
  69. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、将来の計画にメスを入れて、今の部会でもおやりになるでしょうけれども、将来の計画にメスを入れて再検討するということに了解してよろしゅうございますか。
  70. 大來佐武郎

    政府委員(大來佐武郎君) それは審議の結果によって考えたいと今思っているわけでございます。
  71. 阿部竹松

    阿部竹松君 それから最後一つ承わっておきたいのですが、今お話し申し上げた通り石炭が一千百万トンほどあって、現実に余っているのが大体六百万トンくらい過剰貯炭があるわけですね。この対策については当然通産省の石炭局なりがおやりになるでしょうけれども、あなた方の方では、計画に基いてやったのだけれども、あとはもう一切通産省の責任であると、こういうことなんですか。あなた方の方で何らかこの処置についてお考えがあるのですか、ないのですか。それとも今言った通り、一切あげて通産省の責任であるから、通産省の所管でやれと、こういうことですか。
  72. 大堀弘

    政府委員(大堀弘君) 先ほど計画局長から長期の考え方を申し上げましたが、当面の問題につきましては、御承知のように通産省が直接の所管でございますから、通産省が具体的にいろいろ処置をいたしております。私どもの昨年来やって参りましたことは、阿部先生の御質問の御趣旨にお答えになるかどうかわかりませんが、やはりまあ基本的には、エネルギーは日本の産業の伸展に伴って不足していると、従って、結局足らぬ分は原油を輸入していくという格好になって、長期的に見ますと、相当石油資源の少い日本としては外貨支払いが非常にふえてくる。そこで、できるだけ国内資源利用するという考え方に立って、やはり石炭をできるだけやらなくちゃいかぬ。そこで、縦坑開発なり合理化設備をやって、できるだけコストを下げて、国内の安い石炭で供給していきたいという基本的な考え方で参っておるわけですが、不幸にして、昨年経済の行き過ぎのあとを受けて、調整を受けまして、昨年の上期あたりは鉱工業生産が前年に対して五%くらい低いところへ参ったと、こういうことがあっても石炭の生産はなかなか操短というわけにいきません。結局消費が落ちて供給過剰になって、貯炭がふえてきたわけでございます。当時われわれとしましては、やはり長期的な開発について長い目では相当な努力をやっていかなければならぬのではないか。しかし、当面、貯炭の問題を解決して、炭価の安定、石炭業の安定ということもはかっていかなければならぬ。こういうことで、電気業界その他重要産業協力を得まして、石炭の共同貯炭といいますか、貯炭方策について具体化したい。こういう考え方でもちろん金融方面にも協力を求めまして、貯炭融資については十分の配慮をして参っておるのであります。そういった貯炭方式等について努力をし、また同時に当面といたしましては、やはりある程度操短体制もとらなければいかぬ。これは通産省でやっておるわけでございます。そういうことについて企画庁といたしましても、通産省に協力をいたしまして、そういう趣旨で努力して参っておるわけであります。
  73. 阿部竹松

    阿部竹松君 これ以上のことは通産省の高碕さん初め担当の局長さんから承わりますが、そこで話が戻るのでありますが、世耕さんは高碕さんよりも役者が一枚上で、日本の経済をまかしておけという人ですから、この点について僕はお尋ねしますが、石炭が余ってそうして外国へ売ろうといって石炭業者が努力しておる。外国へ行ってビルマですか、インドやら豪州やらで入札をやった。日本の方がコストが高くてよそへ落ちてしまった。千円くらい安くても外国へ売ろうとしているわけです。そうすると、日本の乏しい石炭資源の中から掘った石炭を外国へ持っていって、ダンピングして売って、国内の炭価の下るのを防ごうとしているわけです。今カンフル注射的にはいいかもしれませんよ。あるいは岸さんの内閣ではドルを働いた、ドルを働いたというが、日本国民が損をしようが得をしようが、数字の上では輸出入の帳じりは上ってきます。しかし、乏しい石炭資源の中から掘った石炭をはるばる外国へ持っていって、ダンピングをやって、これは日本経済に一体どういうことになるか、その点を世耕さんに一つ承わっておきたい。将来こういうことがいいことか、悪いことか。今さしあたりはいいでしょう、余っている石炭を持っていって安く売っても、貯炭にしておくよりは。僕らが見ると、政府がやはり融資でもして、そうして日本の石炭をあまり外国に持っていかぬかが望ましいと思うけれども、そういうことを堂々とやっている。どうも通産省あたりでは、石炭局で、これはよろしいではないかということで、背に腹はかえられぬものだからやっておる。こういう話を僕は承わっておるのですが、こういうような状態ですから、あなたの方でこの次の委員会で御答弁下さるそうですし、エネルギー対策部会も設けるそうですから、やられるでしょうが、こういう経済のあり方について、日本経済をしょって立つという意気込みで就任なさっている世耕長官は、どういうように判断なされますか。
  74. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 御承知の通り経済はなまものであり生きものであります。私は必ずしも楽観してこの問題を処理しようとは考えておりません。むろんそれに対しては慎重な態度をもって、また阿部先生のような有力な知恵者のお知恵も拝借するかもしれません。私はあらゆる面を総合的に、動員して万全を期したい、かように考えております。御承知のように、私がこうするのだからということを断言いたしたところで、今申し上げたように生きものでありますから、私の思い通りにいくわけじゃありません。ことに国際情勢は刻々に変りつつある。先ほど申しましたように、論議された国際通貨の問題もいろいろな変動を来たしておる今日でありますから、私は企画庁長官になりましたが、一向に見通しはつきません、というようなことをかりに私が申し上げたなれば、多くの国民は失望するでしょう。けれども、決して私は軽率な気持でこの処理に当っていないということだけは御了解願いたいと思います。徐々に私の所信を明らかにするときがあろうと思いますから、ある意味において御期待が願えるならばけっこうだと思います。
  75. 島清

    ○島清君 関連して。今阿部委員から、石炭の問題について、当面のエネルギー対策という観点から御質問があったわけでありますが、私たちがエネルギー対策一環として石炭を見ますときに、先ほど政府委員から答弁がございましたけれども、私は何か、石炭というものの消費、有効需要を高めていくことは、これから先はそう大きく期待できないのではないか、こういうような気がします。たとえば日露戦争のときには軍艦全部、船全部石炭をたいておった。ところが、第二次世界戦争のときになくなった日本の軍艦で、私は石炭をたいておるような軍艦を見たことがありません。最近また大きな石炭の需要者でありまする国鉄なんかも、国鉄の五カ年計画を見てみると電化と重油化です。そこで消費者と見られておりまする業界を眺めても、石炭は高い、石油は安い、安い重油をなぜ使わせないで規制して高い石炭を使わせるのだ、高い石炭を使わして生産コストを上げておいて、貿易振興をはかれといっても、これは無理じゃないか、こういうのです。ですから、一つの部内から見ればこの議論は私はうなずけると思います。ただ全般的な日本の産業全体の建前から見て、貿易振興という観点から眺めれば、石炭を使わせるということは必要ではありまするけれども、そんなわけで有効需要を高めていくというような期待は、石炭に関する限り私は持てないような気がするのです。ですから私は率直に言わしていただきまするならば、石炭の方が斜陽産業の中に入っているのではないかと、こう思うのです。そこで、本質的にはこういうふうな段階に来ているにかかわらず、こういうことを言うと何か業界が混乱するのではないかというようなことで遠慮して、そうして徹底したところの石炭産業政策というものが立てられないのではないかと、こういうような気がするのですが、かりに私のこういったような見方が誤まりであって、いやこれから有効需要をうんと高めていくのだ、どんどん掘りなさい、どんどん伸ばしていくのだというような要素があるとするならば、その要素について一つ承わっておきたいと思うのです。もしそれがないとするならば、私は根本的にこのエネルギー対策というものをその意味合いから建て直していくことが必要ではないか、そう思うわけなんですが、大臣が御答弁していただければそれでもよし、そうでなければ政府委員からでもけっこうです。
  76. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) お説の通りだと思います。実は私は先ほど阿部さんの御質問にもお答えいたしたのでありますが、今日は燃料革命の時代じゃないか、実際を言うと。今後の燃料を何を基本にしてやるかというのは大きな問題である。そのさしあたっての問題として今石炭と石油がかみ合っているような状態なんです。昔は石炭一本であったのが今度は石油にかわりつつある。ところが、石油にかわりつつあるが石油を重く用いれば、石炭というものはその業界が非常な困難な立場に立つ。これをどう産業的に調和していくか。あるいは理想的に言えば、科学者の説を取り入れていくとすれば、石炭はむしろ天然資源として、今度は化学原料に残すべきだという議論すらある。そういう点を考えてみますると非常に問題が大きくなってくる。さらにスカンジナビア方面の商船なんかを研究してみますると、商船は石炭からむしろ一躍原子力に切りかえて原子力設備した商船がすでに現われつつあると、こういうような時代になった。こういうようなことを総合的に見ますると、電力、石炭、石油、原子力ということを考えると、エネルギーという問題については、われわれは軽率な計画は立てていかれないということが実は考えられたのであります。ことに、そういう問題はあるが、企画庁といたしましては長期計画は根本である。長期経済計画が根本であるが今差し当っての短期の臨機の処置をどうするかというので、この間企画庁の幹部連中を呼んで燃料対策について検討したようなわけであります。決してこの問題を放任してこのまま無責任に看過していくことではないということだけは御了承願っておきたいと思います。なお、この間の事情、これまでの関係等に関しましては政府委員から御答弁申し上げたいと思います。
  77. 大來佐武郎

    政府委員(大來佐武郎君) ただいま御質問の点で長期の石炭の需要がむしろ減少するのではないかという点でございますが、一応私どもの方の見方としましては、一般の燃料は確かにだんだん石油の方が優勢でございますが、ただ発電用等は各国の例におきましては相当石炭がウエイトを占めるのではないかと存じます。先般の長期計画でも昭和五十年になりますると、火力発電だけでも約四千五百万トンの石炭が必要なような計算になって参ります。だんだん水力資源が枯渇しまして火力発電の割合がふえる。そうするとその分は地域によりましては、石炭産地から遠い所は火力発電といえどもだんだん油を使うというようなことになると思うのですが、そうでない地域には、やはり火力発電というような大口の燃料消費はまだかなり石炭に依存するのではないか。日本の出炭量はどんなにひいき目に見ても七千二百万トンというような数字が出ておりますから、火力発電だけで将来少し長期に考えますと相当な部分を消費いたすと思います。また製鉄業、ガス業その他の化学工業等で石炭を必要といたしますので、長期的に見れば、石炭がもし値段の点でそう油について大してかけ離れた高い値段になる、ということでございませんでしたならば、日本のエネルギー需要が非常に将来も拡大いたし、昭和五十年ごろには日本のエネルギー消費の半分は、石炭か石油かいずれか、何かの形で、あるいはウラニウムか輸入に依存しなければならないというような計算でもございますので、確かに石炭は非常に困難な問題がございますけれども、近代化コスト引き下げということで、ちょうどフランスのようにある程度成功いたしますれば、今の全体の大きな日本のエネルギー需要の中にのみ込んでゆくことができる感じはあろう、というように一応解釈いたしておるわけでございます。
  78. 島清

    ○島清君 これは質問ではございませんが、今の御答弁と長官の答弁とはやはり根本的に相違があると思うんです。それは後ほど調整していただきたいと思いますが、長官の答弁は非常に進歩的で、やはりエネルギーの改革の時代だと思うということで、石炭から直ちに原子力に移行した商船の例をとられたんですね。すでに電気にいたしましても原子力発電ということが今日の実用期に今入っているわけなんです。私はその進歩の仕方というものは非常に早いと思うんですね。広島に落されたあのわずか一発の原子爆弾が、今日ではICBMですか、それをアメリカでも百発もあるということを明らかに公言をするところまで科学の力は進んできているわけですね。私はだからそういうものを原料とする電気発電というものは非常に急速の進歩をとげると思うんですね。その意味のことを私は長官は御答弁になったんだと思うんですが、しかしあなたの御答弁は、私が長官の御答弁をそういうように理解したとするならば、これとまあまっこうから対立する御意見のように思ったんです。これを別に補足して答弁しなさいというわけではありませんが、それは考え方の相違はあるかもしれませんが、どうか一つもしそういう根本的に考え方が違っておるといたしまするならば、庁内において十分に調整をしていただきたい。そうして御答弁をまた後日していただきたいと、こう思います。
  79. 世耕弘一

    国務大臣世耕弘一君) 私のお答えいたしたのと政府委員のお答えいたしたのと食い違いはないと思います。私は、長期計画と短期計画の中に、将来の燃料エネルギーというものはここを目途としていかなければならぬというので、実は原子力等の活用その他を一応申し上げたのであります。それで政府委員は、現在の石炭をどうするかという阿部さんの御質問にお答えする意味で、現実の問題を話したんだろうと思います。で私が先ほど申し上げたことは、長期計画の中のエネルギーの問題と、それから現実の石炭をどうするかという問題の二つの問題に、実は企画庁としては取り組まなければならぬ現状に至っておるということを申し上げたつもりでありますから、どうぞ食い違いでないということを御了解願いたいと思います。
  80. 田畑金光

    委員長田畑金光君) それでは本日はこれで散会をいたします。    午後四時五十六分散会    —————・—————