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相馬助治君 関連してお尋ねしておきたいのですが、大体、この
委員会で区々たる
外貨割当のことを議論しなければならないということは、われわれにとって、はなはだ迷惑なわけなんです。しかしこの問題は、
海野委員が指摘しているように、再度にわたる請願の趣旨が明瞭に通っていない、また通し得ないところの行政上の重大なる問題があるならば、
通産省が積極的に、本院のその請願を通過せしめたことが誤まりであるということを納得せしめるだけの積極的な努力がなければならなかったはずなんであります。そういう点がないものですから、私は、この参議院の審議権尊重という角度から、
海野委員が
質問をいたしておるので、これは
質問になっていると、こういうふうに
考えているわけなんですが、
松尾局長の今の
答弁は、
海野委員が聞こうとする焦点について、若干の食い
違いがあるのです。
松尾局長が言う
通りに、このバナナの輸入についてその
外貨割当を、輸入商社一本にして扱うのが正しいのである、こういう見解を披瀝しているのです。それで押し通していれば問題はないのです。それについての異論があるかもしれないけれ
ども、一応正しい見解なのです。ところがです、これについては
大臣あるいは御承知ないかもしれないけれ
ども、バナナの
外貨割当が、最初は
松尾局長が言う
通りに輸入
業者にのみ割り当てたのです。ところが今日の閣内の反主流派の、将来は総裁にも立候補しようという農林省に顔のきく某閣僚が、かつてこの
外貨割当について加工
業者に割りつけるということを
通産省に重圧を加えて、そういう方式を採用したということが伝えられておる。だれが運動したかは、私は今申したことは若干想像に属するけれ
ども、結果的には輸入
業者にのみ割り当てずに加工
業者に割りつけをした。ここに今日のバナナ同志会の諸君が、われわれにも寄こせという立論の根拠が生れてきたわけです。そういう根拠を与えたのは、よそならない
通産省自体なんです。そこでバナナ同志会の諸君が、人口割でもってドルを分けろという主張をしたのです。バナナ問題については非常に研さんの深い大竹
委員とも私は私的に
いろいろ話し合った。大竹先生の意見も私の意見も一致しておるのですが、人口割でドルを割りつけるということについてはかなりむずかしい、また問題も本質的にある。こういう点については、今日
通産省が言っていることにわれわれは一応の同感を表しておる。ところが、それならば人口割によるところの、今日割りつけをもらえないで困っている
業者に、新規
業者に割りつけることができないとするならば、むしろもとに戻して、
局長が言っているように、加工
業者というものをはぎって、実質的に輸入
業者にのみ割りつければ、問題はいろいろあろうけれ
ども、一応趣旨が一貫するのです。ところが、今日
通産省のやった措置というものは、最もけしからぬ措置をとった。しかもその措置をとったのは、
局長でもない、次長でもない、輸入の
課長以下の属僚
どもが、どういう関連か知らぬけれ
ども、こういうことを発案して、むしろ上を動かして、抵抗をしてこういうことになったと伝えられておる。それは何かというと、人口割ということを加味しろということを両院がきめた。その趣旨は、本来ならばバナナというものは輸入
業者にのみ与えられるはずであったのが、加工
業者にまで広がってきたのだから、事のついでにわれわれ新規にも
一つよこせ、その理論的な根拠としては人口割だというのが、バナナ同志会の諸君の言っていることらしい、そうしてそういう主張をした。そうすると人口割を採用すると言ったので、それらの漏れている
業者の人たちは大
へんに喜んだ。ところが、なんと割りつけをしたのは加工
業者のところにいってしまう。いわゆる某閣僚が圧力を加えて、横合いから出てきた団体に重ねてドルを加えた。そのドルの分け方が人口割だと、こう言ったのです。だから今日のような紛争が起きているのだと私は推測しておる。人口割については、人口割を主張している人の意見には耳を傾けるべき点が多々あります。同時に今にわかに人口割ということでもってドル資金を割り当てることが、通商行政士からきわめて困難な問題であるという
通産省の
考え方も、私はわからないわけではない。そんならそのように
通産省が不退転の基本方針を決定して、議論はあるであろうけれ
ども、だれが見ても、例外を認めない、基本的な問題が、筋が通って抜本的に解決されれば、すべて問題は解決する。抜本的解決とは何であるかといえば、それは輸入
業者一本にまとめる、加工
業者は切り捨てるというなら、それも道であろうと思う。加工
業者を切り捨てるということができないならば、今日バナナ同志会といわれる新規
業者も認める。認めないか認めるか、その両者をやらずして、中途半端なことをやって、やっていることが人口割だと
説明をして、いるから、問題が今日の
ごとく紛糾しておる。この
通産省が
態度をきめずして
業者に話し合いをさせる、どういう結論が出ますか。私は、今やバナナの
外貨資金
割当は抜本的に解決すべき段階にもうすでにきていると思う。
通産省がみずから立案し、みずから指導精神を確立して、そうして
業者を集めるのでなければ、欲の皮の突っぱる
業者が、両方から集まってけんけんごうごうけんかするだけで、
通産省はむしろ集めたことであとで困り果てて、問題をいよいよ紛糾化し、両方の
業者が、みずからの利益のために国会に現われてじゃんじゃん
陳情して、
法案審議にまで差しつかえるというような事態が予想される。従って私は、あえてこのことについては基本的な問題として、まだ
海野委員が
質問中ではありますけれ
ども、もし
大臣において
答弁の用意があるならばお答え願いたいし、きわめて具体的のことであるから、ここでコンクリートされた
答弁ができないというならば、むしろ今後の処置を期待して、
答弁がなくてもよろしいし、
質問とも意見ともつきませんが、私の所見を
一つここで申し上げておきます。